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今春にスバルブランドの富士重工業が、軽自動車の生産・開発からの撤退を表明したことで、
根強い人気のある軽トラック、バンの「サンバー」シリーズの行方が愛好家の間で話題になっている。
伝説の名車「スバル360」の技術を使って誕生した初代から約半世紀。商用車としてだけでなく、
スポーツカーやワゴン車に改造して愛用するユーザーも多く、ネット上では生産終了に反対する
書き込みが増えている。(愛敬珠樹)
初代サンバーが誕生したのは1961年。現在発売されているスバル車で最も歴史が古く、
累計生産台数は351万台に上る。日本の自動車の歴史に名を残す「スバル360」を開発した
百瀬晋六氏が開発責任者を務め、はしご形のトラックのシャーシーフレームに「360」で培った
技術が詰め込まれた。サンバーのアイデンティティーとも言える四輪独立のサスペンション、
後部に搭載されたエンジンと後輪駆動を組み合わせたRR(リア・エンジン、リア・ドライブ)方式が
今も引き継がれている。
フォーミュラカーや、フェラーリ、ポルシェなどの一部の高級スポーツ車などが採用するRR方式は、
常に後輪に荷重がかかることで、悪路や空荷の時でも、後輪がしっかりグリップする。
四輪独立サスは、タイヤが浮きがちな悪路でも快適な乗り心地が評判だった。最小回転半径が、
3・9メートルと、狭い農道や路地などで小回りが利くことも特長だ。サンバーは、信頼度の高さから
軽トラックの運送業者団体「全国赤帽軽自動車運送協同組合連合会(赤帽)」の専用車にも
採用されている。
富士重は2008年4月、軽自動車の生産から数年後に撤退すると表明した。トヨタ自動車との
資本・業務提携を拡大したことで、軽が得意な同じトヨタグループのダイハツ工業から
相手先ブランドによる生産(OEM)供給を受けることにしたためだ。
今のところ、富士重は軽の開発・生産から撤退する時期を明確にしていない。
サンバーが現行モデルで廃止になるのか、あるいはモデルチェンジがあるのかも不明で、
富士重も「将来サンバーをどうするかは、未定だが、熱い思いを持っていただけるのは
非常にありがたい」(広報部)と話している。
だが、熱狂的なファンからはダイハツのOEMではなく、富士重の車として存続を求める声が
増えている。これは、サンバーが、商用車として使われているだけでなく、カスタマイズ(改造)して
楽しむファンが多いためで、「最近中高年の間では、ベッドや流し台を取り付けて、
軽キャンピングカーに改造する人が増えている」(富士重・スバル商品企画本部主査の
宮芳隆さん)という。このほか、RR方式で構造が似ている独フォルクスワーゲン(VW)の
レトロな小型ワゴン車「タイプ2」そっくりに外見を直してくれるカスタマイズ業者も多い。
神奈川県相模原市の有限会社「モデスト」では、「50~100万円(車両本体価格除く)で
タイプ2風に作り替えられる。月に10~15台の受注がある人気のクルマだ」と話す。
また、ボディー上部を外し、頑丈なRR方式のシャーシーだけを使って、レース向けの
自作スポーツカーを作るファンもいる。
軽自動車レース「K4―GP」などを主催する「マッドハウス」(静岡県小山町)の杉山哲代表は、
自らもサンバーのシャーシーで作った「マッドハウス23」などの自作車で、K4―GPに参戦している。
「フレームの内側に運転席を設置できるので乗員を保護するのに最適だ。エンジンは壊れないし、
スーパーチャージャーで速い。自作するならサンバーしかない」と力説する。
インターネット交流サイト最大手「ミクシィ」では、「サンバー廃止反対署名コミュ」という
コミュニティーサイトが立ち上がっている。書き込みには「これほど頑丈なクルマはない」
「3代にわたってサンバーに乗っている」といった、生産終了に反対する声が多く寄せられている。
読売新聞
:URLリンク(www.yomiuri.co.jp)
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