08/11/23 19:54:01 0
「酒を飲んでいたので、何が何でも逃げたかった」。
大阪で10月、11月と、車ではねた被害者を長距離に渡って引きずり、
死亡させるという凄惨なひき逃げ事件が2件相次いだ。
被害者はいずれも車にはねられた衝撃ではなく、引きずられる間に頭などを強く打ったことが致命傷となった。
逮捕された2人の男は「飲酒運転」を逃げた動機のひとつに挙げている。
このうち大阪市の事件の容疑者は逃走後、同じ大阪・ミナミでホストとして潜伏。
富田林市の事件の容疑者は自宅で寝ているところを逮捕された。
身勝手な理由による2つの事件からは共通点が浮かび上がる。
10月21日、大阪市北区梅田の交差点で堺市東区の会社員、
鈴木源太郎さん(30)を車ではね、約3キロ引きずって死亡させた吉田圭吾容疑者(22)は
前日の20日夕方、大阪市此花区の自宅近くのタコ焼き屋に知人と入った。
ビールを飲みながらタコ焼きを食べた後、同じ建物にあるバーに店をかえた。
「おれはビールしか飲まへん」
吉田容疑者はさらにビールをあおった。すっかり夜も暮れて、バーを出た吉田容疑者が
次に向かったのは自宅ではなく、此花区から東へ数キロ離れた都島区で、
お目当ては京橋界隈のキャバクラ。1人でトヨタ・イプサムに乗りこんだ。すでに飲酒運転だった。
吉田容疑者はキャバクラで翌日の未明まで酒を飲んだ。
当時勤めていた建築会社では給料を前借りするほど金遣いは荒く、このときも「財布には2000円もなかった」という。
店を出て再びイプサムのハンドルを握った吉田容疑者は午前4時20分ごろ、
北区梅田の交差点で鈴木さんをはね、車の底に巻き込んだまま逃走した。
一方、富田林市の国道で新聞配達員の東川達也さん(16)を車ではね、
引きずって死亡させた市川保容疑者(41)は事件前日の11月15日午後7時すぎ、
隣接する河内長野市内の中華料理店でビールを飲んだ後、車で北に
約15キロ離れた松原市内に移動し、スナックで翌16日午前2時半ごろまで酒を飲んで過ごした。
そして車で帰宅途中にバイクで新聞配達中の東川さんを後ろからはねた。
両容疑者とも過去に酒気帯び運転で摘発されたことがあり、
吉田容疑者にいたっては交通事故を装った保険金詐欺事件で有罪判決を受け、執行猶予中だった。
吉田容疑者は鈴木さんをはねたあと、引きずった鈴木さんを振り落とすように蛇行運転しながら自宅に直行。
会社の業務用だった車を所定の駐車場に止め、カバーで覆ったり洗車したりなどの偽装工作をすることもなく、
その日のうちに知人を頼ってミナミに逃亡していた。
一方、市川容疑者は東川さんをはねたあと、自宅までの最短ルートを避け、人通りの少ない住宅街を迂回しながら帰宅。
「バイクに追突後は必死で逃げた」との供述とは裏腹に、慎重に逃走した様子もうかがえる。
ただ、自宅近くの駐車場では、車から約10メートル離れた場所にずり落ちた東川さんをそのまま放置。
車もそのままの状態で自宅に戻って床につき、東川さんをはねてから約6時間後、富田林署に逮捕された。
2人の容疑者に共通するのは、酒気帯び運転での検挙歴。
当時は飲酒運転はしないと誓ったはずだが、「酒」と「車」の両方をあきらめなかった。
そして車で「はしご酒」し、前代未聞のひき逃げ事件を引き起こした。
2人の被害者は事故後すぐに病院に運ばれていれば助かった可能性もあることを思えば、
身勝手な容疑者の男の罪は深く重い。
URLリンク(sankei.jp.msn.com)