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【産経抄】10月15日
このニュースのトピックス:金融危機
先週の金曜日に買っときゃ良かった。と、ほぞをかんだ善男善女は1人や2人ではある
まい。きのうの東京株式市場は、買いが殺到し、日経平均株価は1171円も値上がりし
た。上昇率は戦後最大だとか。
▼濡(ぬ)れ手で粟(あわ)の果報者がいる一方で、生活費までつぎこんで大損し、呆然
(ぼうぜん)とする人もいる。自己責任には違いないが、暴落と急騰の落差が一般の投資
家にとってあまりに激しすぎる。マネーゲームとはよくいったもので、今の株売買は高額の
チップが飛び交うカジノのルーレット並みと書いても証券会社に怒られはしまい。
▼とりあえず世界の株価が持ち直したのは、週末、ワシントンで開かれた先進7カ国財
務相・中央銀行総裁会議(G7)の成果だろう。政治がぎりぎりのところで、金融危機から
恐慌への転落を食い止めたが、まだまだ安心できない。
▼わが経済大国の発信力が弱いのも気になる。今年のサミット議長国は日本で、麻生
太郎首相は、東京での緊急サミット開催を呼びかけてしかるべきなのに、どうも及び腰な
のだ。各国首脳の一致した素早い行動が必要なときに、洞爺湖サミットのような完璧(か
んぺき)なディナーともてなしはいらない。
▼首相の及び腰の姿勢は、米国による北朝鮮のテロ支援国家指定解除のドタバタ劇で
も遺憾なく発揮されてしまったようだ。ブッシュ大統領の心変わりは小欄でさえ予測できた
が、なぜもっとはやく直談判しなかったのか。
▼同盟の「盟」という字は、神の前で生け贄(にえ)の血をすすって盟約することを意味
する。日本側にも反省すべき点は多いが、米国の拉致切り捨ては同盟の根幹を揺るがす
背信行為だ。さきの大戦で日米が激突し、数えきれぬ人々が流した血と涙の重さを両首
脳は忘れてはならない。
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