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75歳以上の運転者は6月から「もみじマーク」(高齢運転者標識)の表示を義務付けられたが、
このマークを手がかりに、高齢者を狙う新手の悪質商法が登場した。交差点で道を尋ねる口実で
助手席に乗り込み、あやしげな時計やネックレスなどを売りつける手口だ。被害を逃れた
平塚市内の76歳の元会社員は「もみじマークの義務化は、高齢者をターゲットにした犯罪を
増やすのでは」と心配している。
(松本健造)
元会社員によると、被害にあいそうになったのは8月28日午前10時前。平塚市明石町の
市道交差点の赤信号で、買い替えたばかりの新車を停車中、助手席の窓をたたく音がした。
40歳ぐらいの男が住宅地図を手に、ていねいな口調で道を尋ねてきた。車を歩道に寄せると
男は「すみません、助手席に乗せて下さい」と乗り込んできた。
広げた地図で細かく道順を教えると、男は地図の下からカバンを開けた。
「お礼と言ってはなんですが、この品を安くおわけしますよ」と、外国製らしい腕時計や
ネックレスなどを差し出してきた。
元会社員が「間に合っているから」と断ると、態度は一変した。フロントガラスのもみじマークを
指し、関西弁で「あんた方、シルバーが金を持っていないはずがない」「ワシは大阪から来ている。
買ってくれないのなら、新幹線の料金が欲しい」とすごみをきかせて脅してきた。
元会社員は大手食品会社の相撲部で活躍し、監督として国体にも出場した。腕に自信があり、
ひるまず、「話が違う。警察に行こう」とエンジンをかけた。男は大きな声で「おぼえてろ」と
捨てぜりふを残し、飛び出した。
後ろを見ると、白い車が止まって仲間が乗っていた。男が乗り込むと走り去った。
元会社員は、義務化を受けて8月半ばに、もみじマークを付けたばかり。
犯罪の標的になっていると思うと悔しくて、すぐに外した。「マークの義務化がどんな結果を
生むのか、政府や警察庁、有識者の皆さんに考え直してほしい」と訴える。
もみじマークの表示は当面は指導期間だが、来年6月から行政処分(1点)や反則金の
対象となる。
平塚市や県の消費生活センターによると、県内で同様の被害の相談例はまだないという。
一方、振り込め詐欺など高齢者を狙った犯罪は県内でも多発している。
平塚署は被害防止のため、情報提供を呼びかけている。
朝日新聞
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