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北朝鮮―建国60年の大きな不安
「脳卒中で倒れたようだ」「身辺に異変があったのは間違いない」。建国60年の式典に姿を見せなかった
北朝鮮の金正日総書記について、健康不安説が世界を駆けめぐっている。
なにぶん閉鎖された国のこと、事実はわからない。だが、父の故金日成主席から、社会主義国らしからぬ
父子間の権力継承で「金王朝」といわれる独裁国家をつくってきた正日氏だ。
その国はいまや核兵器の保有を誇示している。体制に異変があれば北朝鮮が一挙に不安定化し、
その影響は日本を含む周辺国へ及びかねない。今後の推移を注視する必要がある。
それにしても、北朝鮮の60年間とは、何だったのだろうか。
日本の植民地支配からの解放後、朝鮮半島は東西冷戦の下で、48年8月、南に大韓民国、
翌9月には北に朝鮮民主主義人民共和国ができた。朝鮮戦争を経て分断が固まる。
それは南北間の体制競争を生んだ。はじめはソ連に支えられた北が経済力で南より優位だったが、
70年代以降みるみる逆転されていく。
そういう競争のなか、北朝鮮は韓国に送る工作員の教育のため、70~80年代に日本人を拉致して
利用するという非道を重ねた。
南北の経済格差は今や数十倍に達するという。競争に敗れた北朝鮮は「金王朝」を守る武器として
核とミサイルを開発し、周囲を脅している。
国民は十分に食べられない。経済は危機的だ。人権も侵害されている。国民を犠牲にしての体制維持である。
世界から孤立しながら、さりとて国際社会の支援なくしては成り立たない。そんな特異な独裁国家に対して、
どう向き合っていくべきなのか。
外から力で体制転覆をはかる。ブッシュ政権内に一時そういう考えもあった。だが北朝鮮の暴発を招きかねず、
内外で膨大な犠牲が避けられまい。
北朝鮮で「王朝」内部の混乱や国民の反乱が起きれば、それはそれで大量の難民発生など、周辺諸国は
大きな影響をこうむるだろう。
最も望ましいのは、北朝鮮が本格的な改革開放へとカジを切ることだ。
だが難問も伴う。北朝鮮は経済特区を設けて開放を試みてはきたが、極めて部分的なものにとどまった。
完全に外に開いていけば情報も流れ込み、体制維持が危うくなるからだろう。
ではどうするか。現実的なのは、6者協議の枠組みをうまく回していくことである。北朝鮮は核を放棄し、
拉致問題の解決へ真剣に取り組む。日米は国交を正常化して北朝鮮に安心を与える。そして北朝鮮の
軟着陸をめざしていく。難しいが、それしかあるまい。
金総書記の状態がどうあれ、いずれ権力の交代を迎える。そのときも念頭に置きつつ、北朝鮮政策を考えたい。
ソース
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