08/10/06 16:42:45 rOfPzVJj0
第一回口頭弁論で、被告・業者は「貴方は特定調停したから過払金の返還は出来ません」
と言っていたが、自分が次の準備書面を提出したら、第二回口弁期日に被告の態度が
変って、和解の申し入れをしてきた。
準 備 書 面 (1)
被告の答弁書に対して以下のとおり反論する。
第1 特定債務調停の錯誤による無効の主張
1 確かに,原告は被告を相手方として,当庁平成○○年(特ノ)第○○○○号債務弁済
協定特定調停事件を申立てた。
2 上記事件について,平成○○年○月○日,民事調停法による調停が成立した。(乙第
1号証),以下,「本件調停」という)
3 しかし,原告の被告に対する債務は,調停申立て以前に法律上消滅し,すでに過払
いの状態にあった。
4 民事調停法による調停成立の効力は,裁判上の和解と同一と定められている(民事調
停法18条3項)。そして,裁判上の和解の効力について,判例は大審院から最高裁判所
まで一貫して,制限的既判力説が採られている。調停は,訴訟行為たる性質を有する
反面,私人の間の私法上の合意たる性質をも有するから,その合意が瑕疵ある意思表
示によるものであるときは,無効ないし取り消されるべきである。
したがって,調停の成立につき,要素の錯誤がある場合には,錯誤無効の主張が許
される。
そして,原告は,本件調停の期日において,調停委員から32万円の債務がゼロ円
であるとの説明を受けた,また,被告の従業員からは取引開始当時からの取引経過の
開示を受けたり,過払金があるとの説明は受けなかった。
原告は,当時,生活に窮しており,もし,本件調停期日において,既に原告が過払
いの状態にあったことを知っていれば,原告は,本件決定を受け入れず,確定させる
ことはしなかった。
したがって,原告には,本件決定を確定させたことにつき,要素の錯誤があり,本
件決定は無効であると主張する。
5 この点につき,和歌山地方裁判所平成18年5月25日判決は,次のように判事したが,
その判断は正当であって、本件でも同様に考えられるべきだ。
判決の趣旨
「以上の認定事実によれば,原告は,本件調停期日当時,既に多重債務の状態にあっ
たもので,自己の債務額が法律に従って処理され,その結果軽減されることを期待し
て本件調停を申し立てたのであって,前記前提となる事実によれば,その時点で昭和
57年12月7日からの取引について通算して利息制限法所定の制限利率で引き直し計算を
すれば,既に21万1828円の過払いの状態にあったものと認められるところ,原告が,
本件調停当時,そのような事実を認識していたのであれば,本件決定はなされず,ある
いは本件決定につき異議の申立てをせずに確定させることはなかったものと優に認めら
れる。
したがって,本件決定は,その前提につき要素に錯誤があって無効であると解するの
が相当である。」と判事した。
よって,原告の被告に対する不当利得返還請求権としての過払金返還請求権は,本件調停
の既判力による遮断を受けないこととなる。
参考になるかな?