08/11/17 05:05:54
>>16 続き投下
残業の後でも面会を許してくれる病院が嫌いだ。
彼女のロスタイムの少なさに気が付いてしまうから。
早すぎる日没、今年もあとひと月で終わる…
2度目の発作を乗り越えた彼女は脱け殻だった。
起きていても瞳は何もとらえていなかった。
俺は毎日、ただ傍にいるだけだった。
朝家を出るとき、酒瓶を捨てるのが日課になった。
「今までありがとう」彼女の母親が言った。
次の日俺は病院に行かなかった。
そしたら外に出るのが恐くてたまらなくなった。
会社に病気で休むと伝え、電話線を引き抜いた…
彼女の夢を見た。
同棲したての頃、部屋をちらかしたまま仕事に行った俺を真っ赤になって怒っていた。
目が覚めて部屋を見回すと、まだ部屋はちらかっていた。
何週間かぶりに掃除を始めた。
部屋の片隅に大きめのバッグが埃をかぶっていた。
掃除機をかけようと持ち上げたら紙片が床に落ちた。
スーパーのレシートだった。
空がぬけるように青い、小春日和というやつか。
近所の商店街で買い物をして急ぎ足で家に帰る。
今度は俺がとびっきりの大好きを伝えに行くんだ!
鍋いっぱいの野菜と、彼女の口に合うように小さめに切った肉の入ったカレーを持って←この肉