09/06/08 23:02:32
SCまで残り2メートル。
そこで立ち尽くす。
「はぁ」
ため息と共に手元を見る。
カゴいっぱいに廃棄はあった。
誰が好んで、あんな大量の弁当を発注したのか。
山積みの弁当が、悪夢のように聳えていた。
「はぁ…」
別のため息。俺のよりかは小さく、短かかった。
隣を見てみる。
そこに同じように立ち尽くす女の子がいた。
同じユニフォーム。けど、見慣れない顔だった。
短い髪が、肩のすぐ上で風にそよいでいる。
「セブンイレブンのお弁当は、好きですか」
「え…?」
いや、俺に訊いているのではなかった。
「わたしはとってもとっても好きです。
でも、なにもかも…完売できるわけではないです。
幕の内弁当とか、焼き肉弁当とか、ぜんぶ。
…ぜんぶ、廃棄せずにはいられないです」