10/02/25 01:10:44
【インド】たばこ産業へのFDI禁止へ、JTなどに打撃
政府は、たばこ産業への外国直接投資(FDI)を禁止する方向だ。
日本たばこ産業(JT)は現地法人JTインターナショナル(JTI)インドへの出資比率を
50%から74%に引き上げる計画について外国投資促進委員会(FIPB)に承認申請
しているが、却下される公算が大きくなってきた。インド事業の拡大を狙う
英ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)や米アルトリア・グループにとっても逆風となりそうだ。
政府はこれまでFDI政策をプレスノート(通達)の形で発表してきた。だが、それらは個別の
外資規制を定めた単発的な内容のもので、プレスノート2006号4号や08年7号といった一応の
まとめはあったものの、ある時点での外資規制の状況を知るためには、基本的にそれまでに
発効されたすべてのプレスノートを閲覧する必要があった。
こうした中、商工省は昨年末、それまでに発行されたFDIに関する177のプレスノートの内容を
まとめた「2010年ドラフトプレスノート」を公表。今年1月末まで一般からの意見を聞いた上で、
加筆・修正を行い、4月1日に発効させるとしていた。
PTI通信によると、シャルマ商工相は19日、南部タミルナド州チェンナイで21日まで開かれた
海産物の国際展示会「第17回インド国際シーフードショー」の開会式に出席。その記者会見の
席上、新たなFDI政策に言及した。
同相によれば、インド準備銀行(中央銀行)の事前承認なしに自動的に承認されるFDIの
上限額は現行の60億ルピーから120億ルピーに引き上げられる。さらに重要な点として、
この金額の対象がこれまでの「事業費用」から「純資本流入」に変更されるとした。
同相はまた、「公共スペースでの喫煙が禁止されているのに、なぜ、たばこ産業へのFDIが必要だろうか」
と述べ、たばこ産業へのFDIに反対の姿勢を表明。それよりもイノベーション(技術革新)や研究開発(R&D)、
環境分野へのFDIを促進すべきだとした。
インドでは現在、たばこの製造施設を新たに設けることは禁じられている。だが、この分野へのFDIを認めるか
どうかについて政府はこれまで明確な方針を示しておらず、保健・家族福祉省などが禁止を要求。
昨年末には商工省の産業政策促進局(DIPP)が禁止案を策定したとの報道が流れていた。