09/08/14 19:41:55
「ウチは今日から月曜まで盆休みや」とマスターが言ってたから朝、行かなかったが、
昼間、ひょんなことから店の前を通ったら、いつもどおりに営業している。
「おかしいやんけ」と思いつつ、店のドアを開けると「いらっ…あ。加須やん、き、来たん
かいな」とマスターがバツの悪そうな顔を引きつらせ無理に笑おうとする。
「来たんかやないで。店、やっとるがな。なんや、ワシが来たら迷惑なんけ？おう？」
と、全然迫力がないのに一人前に凄んでみせる。
「ああ、せやで。迷惑や。ムッチャクッチャ迷惑なんや！ツケ溜めてるくせに客や言うて
でかいツラはするし『この店ではこういうことが暗黙のルールや』言うて他のお客さんに
押し付けるわ、サラリーマンのお客さんに嫌がらせするわ…。みんなあんたのこと嫌っ
てんねんや。『なんであんなヤツ、店に入れるんや』言うてお客さんに怒られとるんや」
いつになくマスターの剣幕ぶりにビビッてしまい、だんだん涙目になってきて、しかし、
「回りに迷惑をかけるために、ワザと相手になってるのに何をピントハズレな事を言って
るのか…嫌がらせの常套手段だよ」自分で何を言ってるのか分からないことをウダウダ
と言いつつ店から出て行くその背中で「やったー！出て行きよった、ばんざーい」という
マスターと店の女の子、お客さんたちの喚声を聞く加須雄であった。
ちなみに「周囲」という意味での「まわり」を「回り」と書く相変わらずマヌケな加須雄でも
ある。