09/08/03 10:47:29
夏の海は、人でいっぱいだ。
波打ち際ではしゃぎ、父親と一緒に遊ぶ親子。
そんな光景を、母親はビーチパラソルの中から、微笑ましく見ている。
若いカップルは手を繋ぎ、砂浜を歩く。
水着のお姉さんに目が釘付けの、彼氏の頭を叩き、先に歩いてゆく彼女に、謝りながら走る彼氏。
友達同士で海水浴に来て、海に入らない女の子の横に座ろうと、かき氷を2つ、手に持ち、女の子の所に歩み寄る男。
忘れたビーチサンダルを、とりにゆく彼女の、風に踊る髪を眺めている、腕にトライバルタトゥーのサーファー
オレンジ色の夕焼け、人は少なくなり、そして夜になる。
おまえだけを残して。
食い散らかした焼きそばのパック、スーパードライの缶。
40過ぎの独身、酒に酔い、眠ってしまったこのバカを、起こしてくれる人は誰もいない。
汚い寝顔の横に、そっと置かれた、死んだ魚…
…それは少年の贈り物。