09/01/19 00:47:07 HdbQa+oq0
>>323
URLリンク(www.c-kan.net)
のデータ(笠原、林)では、C型肝炎でインターフェロン治療をしないと、
14年間の累計で肝臓癌になる確率は40%と非常に高いです。でも、イン
ターフェロン治療で著効すると、その後の14年間の累計で肝臓癌になる確率
はその約1/10の4%ぐらいですね。
したがって、インターフェンで著効すると、インターフェロン治療をしない
場合にくらべて将来肝臓癌になるリスクは約1/10になります。ただ、それでも、
C型肝炎を経験したことのない健常人にくらべると、C型肝炎から著効した人は
将来肝臓癌になるリスクが高いのは、おっしゃる通り、事実です。
ですから、C型肝炎でインターフェロンで完全著効しても、その後、長期に
わたって定期検査(半年に1度)を行なうことが非常に重要です。その場合、
万が一、肝臓癌ができても、HCV-RNAが陰性で、半年以内の早期発見ならば、
根治ができ、予後も非常に良好です。定期検査を怠って、肝癌がかなり成長
して大きくなると、その後の治療が困難になります。極端な場合は以下のよ
うな事例も報告されています。
URLリンク(www.jstage.jst.go.jp)
日本消化器病学会雑誌 Vol. 104 (2007) , No. 6 pp.809-814
インターフェロン著効後11年を経過し肝細胞癌の合併がみられたC型慢性肝炎の1例
要旨: 61歳男性.C型慢性肝炎に対してIFN療法を行い著効が得られ,肝組織像も改善し
た.11年後に 15mm大の肝腫瘤を指摘され,腫瘍生検で高分化型肝細胞癌と診断された.
肝動脈塞栓術と経皮的ラジオ波焼灼術の併用療法を施行し,腫瘍の完全壊死が得られた.
文献的考察から,男性,高齢者および肝線維化進行例が,IFN著効C型慢性肝炎の発癌の
危険因子と考えられるため,これらの症例では長期にわたる経過観察が必要である.
肝癌防止の効果がある非環式レチノイドの治験は、国内で昨年phase3にはいっ
たので、恐らく承認まであと数年だと思います。これは、肝癌防止に非常に期待
されています。
URLリンク(www.okusuri.org)