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聴覚維持の糖脂質発見 難聴治療法に応用も
東北薬科大(仙台市青葉区)分子生体膜研究所の井ノ口仁一教授(糖鎖生物学)らの研究グループは、
「ガングリオシド」と呼ばれる糖脂質が聴覚機能の維持に不可欠であることを突き止めた。ガングリオシド
の形成メカニズムを解明することで、根治が難しいとされてきた難聴の治療法を開発できる可能性がある。
井ノ口教授らはマウスを用いた実験により、細胞内でガングリオシドが合成されない場合、聴力をつかさ
どる内耳の器官「コルチ器」の機能が低下することを発見した。
ガングリオシドを合成する酵素を消失させたマウスと正常なマウスで聴力の発達を比較。ガングリオシド
を合成できないマウスは、成長するにつれてコルチ器が消失し、生後17日までに聴覚機能を失った。
コルチ器は、音を脳の中枢神経に伝える役割を持つ。老化や内耳疾患による聴力低下の多くは、コルチ器
の機能低下が原因とされる。
近年、細胞内の糖化合物が生体機能に与える影響が注目されており、今回初めて聴覚機能との関連が
明らかになった。
井ノ口教授は「ガングリオシドの形成過程、コルチ器との相互作用を具体的に解明できれば、近い将来、
内耳の再生医療に応用できる可能性もある」と話している。
2009年05月20日水曜日
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