08/09/25 02:30:26 uX3hpFWC
「メーテル、また一つ星が消えるよ」
「鉄郎、あれは金融工学という名の錬金術を産みだし、それに溺れていった人々の星。国家予算を越えるお金を
コンピューターと紙で生み出し、それが現実だと思っていた人々のなれの果て」
「どうしてそんなものをあの星の人たちは信じたんだろうね?」
「鉄郎、貴方の持つお金も皆がその価値を持つと信じるから通用するだけの紙切れに過ぎない。
人は紙切れに信用を託して生きてきた。そしてそれを信用しすぎても裏切っても酷い目にあってきたの。それが人の歴史」
「……ふーん、だけど俺はラーメンとステーキが食べられればいいよ」
「くすっ。誰もが貴方のように単純であれば、バブルなんて起きなかったでしょうに」
「えー、次は「失われた十年」「失われた十年」停車時間は7日と15時間です、ハイ」
「失われた十年?」
「栄華を失った後の退嬰と沈鬱、そして懐旧の星よ、鉄郎」
「住民の皆さんは、どなたも後ろ向きですから、鉄郎さんも充分気をつけてくださいよ」