08/09/17 15:22:42
インドネシアとの経済連携協定により、日本で働く看護師や介護福祉士候補のインドネシア人約200人が
来日して1カ月あまりが経過した。慢性的な人手不足にある医療や介護の現場を支える新たなパワーとして
期待を集め、日本側の斡旋機関は「外国人労働者に門戸を開く大きな一歩」という。
しかし、受け入れた病院側は今になって「甘く見ていた…」と後悔しているところもあるなど
課題も浮き彫りになってきている。
■高い意欲
「スーパーには何がありますか?」「卵とリンゴです」大阪市住吉区の「関西研修センター」で、
看護師候補のインドネシア人たちの日本語研修の風景だ。教師の質問に、頭髪を黒いベール(ヘジャブ)で覆った
インドネシア人女性が答え、続いて他の研修生が覚えたての日本語で復唱した。
センターの研修は合宿形式で半年間続き、月~土曜の毎日3時間以上、日本語や日本文化を学ぶ。
研修生たちは少しでも早く日本に慣れようと懸命だ。インドネシアで13年の看護師経験を持つ
ピピット・サビトリさん(35)は「予習復習もして授業時間外も勉強しているが、
それでもコミュニケーションをとるのは難しい」と言葉の壁に苦労する実情を話す。
それでも「設備の整った日本で働けるのは名誉なこと。技術を磨いて、
将来は日本とインドネシアをつなぐ架け橋になりたい」と意欲は高い。
■さまざまな環境整備
インドネシア人看護師の受け入れ施設は全国47カ所にのぼるが、研修終了予定の2月に向け
病院側の対応はさまざまだ。
受け入れ施設の佐藤病院(大阪府枚方市)では研修中の看護師候補2人と英語の手紙をやりとりし、
医療用語などの日本語を教える“通信教育”を行っている。手厚いフォローアップを行う理由を、
同病院人事課の佐藤善彦さんは「滞在中3回しか受けられない国家試験に試験に受かってもらうため」
と言い切る。そのうえで、「外国にいる不安感を取り除き、長く働いてもらうためのモチベーション作りの
目的もある」と一刻も早く病院の“戦力”になってもらうための手段であることを強調した。
また、友愛会病院(大阪市住之江区)は、イスラム教徒の2人の看護師候補に配慮し4種類の食事メニュー中、
2種類は豚肉を除くことを決めた。また、1日5回の礼拝のため屋上にスペースを設けることも検討中で、
担当者の三谷貞敏さんは「生活習慣以外にも配慮する点は限りなくある」と話す。(>>2以降に続きます)
▽ニュースソース
≪MSN産経ニュース≫URLリンク(sankei.jp.msn.com)
▽関連サイト
≪厚生労働省≫URLリンク(www.mhlw.go.jp)
≪日本看護協会≫URLリンク(www.nurse.or.jp)