08/09/11 22:14:22
本州四国連絡高速道路会社（神戸市）は１６日から、神戸淡路鳴門自動車道の料金値下げを実施する。
夜間、深夜通行のトラックなどを対象に最大４０％、２０日からは土日祝日の昼間に限り乗用車なども５０％
割引く。自動料金収受システム（ＥＴＣ）利用者が対象で、１年間程度の見込み。淡路島内では明石海峡
大橋開通１０周年を機に、自治体や企業などが料金値下げを要望し続けており、観光客増加などに期待
を寄せている。
政府・与党が総合経済対策に全国の高速道路値下げを盛り込んだことを受けて、本四高速などが値下
げ計画を策定した。
二十日からの普通車以下５０％引きは、土日祝日午前九時-午後五時。神戸西-鳴門間が二千七百
五十円、神戸西-淡路間は千百五十円、淡路島南-鳴門間は六百七十五円となる。
トラックやバスなど中型車以上は十六日からで平日午前零時-四時が４０％引き。神戸西-鳴門間が中型
車三千九百三十円、大型車五千四百円になる。平日午後十時-午前零時は３０％引き。同区間が大型車六
千三百円、中型車四千五百八十五円。
中、大型車の割引きは淡路島内一般道路の混雑回避が目的で、明石海峡大橋のみを高速で通行する場
合は対象外。本四高速は利用者から今回の料金引き下げの意見を募集し、その内容や交通実態などを参
考に、再引き下げについて検討する。
通行料金引き下げ要望を続けてきた神戸淡路鳴門自動車道利用促進淡路島民会議会長の中田勝久南あ
わじ市長は「英断に心から感謝する。観光振興に資する土日休日昼間の割引きは喜ばしい。恒久的な料金
低減化につながるよう利用促進に努めたい」とコメントした。
門康彦・淡路市長も「観光客は絶対に増える」。ただ定住人口の増加には「明石海峡大橋部分の無料化が
必要。引き続き実現を目指したい」とした。明石淡路フェリーなど大橋と競合する海上交通については「航路
確保は重要な課題と認識している」と話した。
■たこフェリー航路存続へ 支援を訴え
明石海峡大橋と航路が競合する形の明石淡路フェリー（明石市中崎二・愛称たこフェリー）の大麻一秀社長
は「今回の大幅な値下げは、企業努力で対応できる範囲を超えている。頑張れ-といわれても限度がある」と
ため息をもらす。
同社は二〇〇〇年から第三セクターとして営業を始めた。順調に売り上げや利用客数を伸ばしてきたが、
〇五年度からは赤字に転落。今年は原油高による燃料費の高騰でさらに収支が悪化するなど、苦しい経営
環境に頭を悩ませている。
「今季の赤字額次第では債務超過になりかねない」と大麻社長。今年十月からは、大橋の利用者と競合し
にくいバイクや自転車の運賃値上げを検討していた矢先だったが、「値上げどころではなくなった」と嘆く。
燃料費高騰と明石海峡大橋の相次ぐ通行料金値下げを受け、同社は九月、国や県のほか、明石、淡路、
洲本、南あわじの四市に補助や支援策を求める要望書を提出。自然災害などで橋が通行不能に陥った時な
ど、地域の緊急時における代替輸送機関としての役割を強調し、航路存続を訴えた。
すでに同社は減便や人件費の削減などで、経営の健全化に努めているといい、大麻社長は「なんとか存続
できる道を模索したい」と話している。
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ソース：神戸新聞
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