08/09/13 17:56:56 jTW4CiGs
「麻生人気」で自民党は選挙に勝てるのか?(2)
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前回は、「麻生人気」にまつわる各種のエピソードを計量的に考察した。筆者の結論は、
こういった人気を示すとされるエピソードは、いずれも局地・局所的で、自民党の窮地を
救い総選挙での勝利に導くような(100万単位の票を新たに獲得するような)大きな数字
の存在を示すものではない、というものである。
それでは、世論調査の結果から「国民的人気」と判断することはできるだろうか。
適切に行われた世論調査の結果は、日本の有権者の意見の縮図であり、来る総選挙の結果を
占う良い判断材料となりうる。早速行われた朝日新聞や共同通信の世論調査では、平日の
緊急調査であるということに留意する必要があるが、次の首相に「誰がよいか」(朝日)、
「誰がふさわしいか」(共同)という質問への回答割合で、麻生太郎が他の議員に対して
大幅にリードしていた。
だが、世論調査の結果を追っている人ならば、こういった報道に既視感を覚えるかもしれない。
2006年に首相となった安倍晋三は、総裁選前に多くの回答者が「首相にふさわしい」
人物としていた。FNN・産経新聞の2006年8月の調査では46.9%の回答者がポスト小泉
として安倍がふさわしいと答え、日本経済新聞の2006年7月調査では42%もの人が、
安倍こそ次の首相にふさわしいと答えていた。
また、出馬表明から就任まで短期間であったためにあまり目立っていないが、2007年に
福田康夫が首相に選ばれた際も、多くの人が「ふさわしい」と見ていた。JNNの2007年
9月調査では55%の人が福田に首相になって欲しいと答え、同時期の読売新聞の電話調査
でも57.5%の人が福田を首相にふさわしい人物であると回答している。
どちらの首相も、この「人気」を背景としてか、確かに内閣発足時の内閣支持率は高かった。
しかし、一瞬にしてその支持率は下がり、安倍は参院選惨敗の後に首相の座を投げ出し、
福田は選挙を行わないうちに退陣してしまった。仮に、首相就任前に「次の首相にふさわしい」
と答える人が多いことがその政治家の人気を示すのなら、半年と経たないうちに「国民的人気」
の首相に率いられた内閣の支持率が下落しているということになる。これはかなり不可思議な
ことではないか。いずれにしろ同じことが麻生にも起こりうるはずである。
今後もしばらく発表され続けるであろう、この種の「次の首相」調査は、政治家の「人気」を
示しているのだろうか。今回はこれを考えてみよう。