08/08/17 04:30:53
東芝府中工場の従業員は約4,250人ほどらしいですが、
給料だけでも一億円を超えると思われるのに、
ロクとジョーが事件の前年から強奪の目安として、
しきりに吹聴していた「三百万円」という額はあまりにも小さいですよね。
東芝という企業の規模や給料体系を知らなかった彼らには、
かっぱらう額としては、三百万円という数字はそれでも大きかったんでしょうか。
<参考>
・吉展ちゃん誘拐事件(1963):五十万円
・狭山事件(1963)::二十万円
・新潟デザイナー誘拐殺人事件(1965):七百万円
(フィクションの『天国と地獄』(1963)の脅迫者の要求額は三千万円)
それがいきなり百倍もの額がターゲットとなった背景として、
現実の相場を知る「大人の介入」があったという地球のエースの説は、
いつもながら、その鋭さと深い考察に改めて納得しました。
しかし、銀行の現金を強奪するという犯罪が
どこか爽快なロマンを持つものとして意味付けされた原像は、
おそらく『俺たちに明日はない』という映画ではないでしょうか?
ちなみに、この映画は1967年製作で1968年のキネマ旬報の第一位です。
ロク少年がこの映画を見たかどうかが、最近気になります。