【死体袋】ドラゴンウォーズ【ポイ捨て】at RETRO
【死体袋】ドラゴンウォーズ【ポイ捨て】 - 暇つぶし2ch150:NAME OVER
03/10/07 23:23
うまいねー

151:NAME OVER
03/10/08 20:48 kPEPYKwo
学生時代やってたTRPGの雰囲気が伝わってくるよ。
ゲムもやってみよう・・・PC物は難しいのでFCを探してみるか。
いくらくらいかな・・・
ありがとう、102。がんがってください。


152:102
03/10/10 22:17
やぁ、サンケンルーインの遺跡でのんびりバカンスを楽しんでいる102だ。
今日も冒険の続きを書いておこうと思う。

「サンケンルーイン」を後にしようと思った俺たちだったが
すぐ側に「ドラゴンバリー」という場所があったのでついでに立ち寄る。
ここには「スマグラー港」から直で来れないようだし。
まぁ「サンケンルーイン」の本当にすぐ側だからいいんだけどね。
だが、軽い気持ちで入った俺たちを待っていたのは
とんでもない試練だった。

なんだこの強力な雑魚敵は!しかも出てくる数がハンパじゃない!
受けるダメージこそ十数ポイントだが、数が凄いので
結局かなりダメージを受けてしまう。それに敵を一掃するのに便利と
頻繁に使っていた「サンマジック」の「インフェルノ」が
通用しない敵ばかりじゃないか!即死と紙一重の「きぜつ」状態に
してくる敵もいるし!しかもそいつ出てくる数多いし!
なんか亀みたいな「ファンガー」って敵が20匹ぐらい出てきて、そいつらが半分以上
炎吐いてきて全然相手のターンが終らない!なんだこりゃぁ!
正直レベルを上げすぎて戦闘が作業と化して久しかったのだが
ここでの仕打ちには驚いた。そして得られる経験値とゴールドが
今までと一桁違うことにも驚いた。だが普通に戦っていては
いくらなんでも戦闘が長すぎる。ここはエンカウント高めの場所だし
まともに相手をしてたらそれこそゲームが終らないだろう。マジデ。
とりあえず今すぐに来る必要は無さそうなので、素直に引き返そう。

そのつどパーティーのレベルをメモしておくのを忘れたので
もうお話と行動だけの報告になります(

153:102
03/10/10 22:18
ドワーフの鍛冶屋とやらがいるであろう「ドワーフルーイン」に行く前に
「スマグラー港」から新たに行けるようになった、もう2つの場所を
事前に下見していこうと俺たちは話し合った。目的が見えて
少し余裕が出来たのかもしれない。
まず訪れたのは「フリーポート」美しい港町で、町全体に活気がある。
「ナムター」の恐怖などどこ吹く風といった雰囲気だ。
街の創立者はなんと「ローバ」なのだという。
俺たちは先日「サンケンルーイン」で
その「ローバの骨」を拾ってきたばかりなのだった。俺たちは
「ローバの骨」をバックパックの奥から取り出し、腰にぶら下げて
街を歩くことにした。そうすることで「ローバ」に久しぶりに
自分が作った街を見せてやろうと思ったのだった。
すれ違う人々は腰にぶら下げた骨に奇異の目を向けるが、まさかこれが
創立者「ローバ」の骨だとは夢にも思うまい。

154:102
03/10/10 22:19
「フリーポート」は港町だけあって様々な情報が入手できた。
既に過去のものになった情報、今の俺たちには必要の無い情報として
「ローバの骨」は「サンケンルーイン」にあり、そこに入るには
「ウォーターポーション」が必要なこと
「ドレイク王」の身に何かが起こったことなどが過去の情報だ。
そしてこれからの俺たちの冒険の手がかりとして
「ナムター」の部下の「ヤングドラゴン」を倒すために
「ドラゴンクィーン」の協力を得なければならないこと。
その「ドラゴンクィーン」を操には「宝石」を見つける必要があること
「ドワーフルーイン」のドワーフ達は「ナムター」の魔法によって
石にされてしまったこと。その魔法は「ドルイドマジック」の
「ソフトンストーン」のによって解除できるということ。
以上がこの先役に立つであろう情報だ。
これらを冒険の初期に知っておけば、どれだけ無駄が無くなったことだろうか。
どれだけ不安を解消出来たことだろうか。
まぁ、今となってはどうでもいいことさ。何も知らないまま
世界を見聞に出かけるなんて、危険で愚かな行為と馬鹿にするのもいいさ。
けれども、だからこそ手に入れたものってのも、やっぱりあるんだよね。

一見「フリーポート」は極普通の街に見えたが、「ナムター」の魔の手は
こんなところにまで及んでいたのだった。「ラナクター」の欠片を守る
「ガードドラゴン」を見つけた時点で気がつくべきだったのだ。

155:102
03/10/10 22:20
俺たちが町で情報収集をしていた時、驚くべき話が飛び込んできた。
なんと町の南にある離れ小島には、目下全力でその行方を探索中の
「フリーダムソード」が刺さっているというではないか!
だが何故こんなところに?「アンダーワールド」の支配者「イルカナ」は
「ローバの骨」をドワーフの鍛冶屋に鍛えて貰うことで
「フリーダムソード」を手に入れることが出来ると言った。
「イルカナ」を信用するなら、こんなところに「フリーダムソード」が
あるわけが無いのだ。だがしかし、ここは「ローバ」が創立した町だ
もしかすると・・・。

今俺たちの目の前には確かに金の柄を持つ
一振りの刀が輝きを放ちながら地面に突き刺さっている。
辺りには何故か、何かが焦げた時に発生する「オゾンの臭い」が充満している。
この剣の力の仕業なのだろうか?この剣が本物だという証拠は何も無いが
何かただならぬ怪しい魅力があることだけは確かだ。
・・・もし偽物だったら捨てればいいさ。俺たちは軽い気持ちで
剣に手を伸ばした。

156:102
03/10/10 22:22
ギャアアアッ!!
なんということだ、手を伸ばした先頭の剣士が巨大な青白い稲妻に撃たれ
一瞬で灰になってしまったではないか!!ちくしょう!これはやはり
「フリーダムソード」を手に入れようとする冒険者や、勇気ある者を
ここで葬り去る為の「ナムター」の仕掛けた罠だったのだ!
辺りに満ちていた「オゾン臭」は、ここで命を落とした者の命の欠片だったのだ!
彼らの残した最後のメッセージを読み取れなかったことを俺たちは激しく悔やんだ。
おのれ「ナムター」め!卑怯な手を使いやがって!
俺たちは打倒「ナムター」を改めて固く決意するのだった。

157:102
03/10/10 22:24
「プリザーブ」で俺たちを待っていたのはあちこちに仕掛けられた
罠、罠、そしてまた罠の罠地獄だった。ここ「プリザーブ」は
王室専用の狩猟場だ。入り口付近には「ドレイク王」の命令により
密猟者は容赦なく殺すとまで描かれている。しかし今の時代に
足を運ぶものなどいなはずなのだが、この罠の多さといったら参ってしまう。
地域にいる動物全てを狩り尽そうとでもいうのだろうか。
幸い命に関わるような罠では無いので俺たちは体を張って
強引に罠を一つ一つ潰していったのだ。

もう何個の罠を解除しただろうか、一休みしようと思ったその時
一軒の古びた小屋を発見した。人の気配がする。狩猟場には
管理人がいるのだろうか?俺たちが小屋を訪ねようとする前に
狩人の格好をした老人がいそいそと小屋から出てきた。

158:102
03/10/10 22:26
老人は「オールドジャック」と名乗り、王室専用の狩猟場の管理を
まかされているのだという。閑散としていた狩猟場を突然訪れた俺たちが
何ものか知りたがっているようだ。俺たちは「ドレイク王」のミイラから
手に入れた「王家の紋章」を「オールドジャック」に見せてやった。
もちろん俺たちは王家なんかと縁遠いただの冒険者だが
老人から情報を貰うために身分を偽ったのだ。その行為に
ちょっと気が引けたので、こちらからも情報をと思い
「ドレイク王」の死を老人に告げた。するとどうだ、
「オールドジャック」は突然嗚咽を漏らし涙を流し始めた。
彼が言うには、自分は「ドレイク王」が子供の頃からの忠実な家臣だという。
今すぐにでも仇を討ちに行きたいが歳を重ねすぎた自分にはもう無理だと
悔しそうに吐き捨てる。しばらくの沈黙の後、俺たちに
「ドレイク王」の仇を討ってくれないかと頼んできた。
「ナムター」を倒し、「キングズホーム」を解放して
「ドレイク王」の息子の「ジョーダン王子に王位を継承させる為に
王子を導いてやってくれと。さらにフリーポートにいる自分の弟の
ハリファックスにも手紙を書くから、弟と一緒にナムターを
倒してくれと懇願している。一通り話し終えると、最後にドレイク王から賜ったという
「まほうのゆみ」を俺たちに是非と譲り、寂しそうに森の奥へと姿を消したのだった。
俺たちはその落ち込み様に、ドレイク王の死を告げたことを後悔し始めていた。
何故だろうか、今声をかけて呼び戻さなければ、オールドジャックとはもう
二度と会う事が無いような気がする。しかし結局彼の姿が見えなく
なるまで、誰も口を開くことは無かった・・・。

159:102
03/10/10 22:28
俺たちは「フリーポート」へは戻らなかった。
「オールドジャック」の言うとおり、「フリーポートには彼の弟らしき
人物が、宿屋にいたことを覚えている。だがなんとなくこの手紙を持って
そこに行くことは気が引けたのだった。俺たちは手紙をバックパックの
奥へと押し込め、もしもナムターを倒すことが出来たなら
その時に再びフリーポートの宿屋を訪れて、この手紙をハリファックスに
渡そうと決めたのだった。

ここにもガードドラゴンがいたので覚えておこう。

今日の冒険はここまでだ。
ときどきオールドジャックとの別れのシーンのような
素晴らしい台詞というか演出があるのでこのゲームはあなどれない。

160:NAME OVER
03/10/11 00:27
続きキタ Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒(。A。)!!!

161:NAME OVER
03/10/12 00:30
やっぱビッグチル(1つ20000で売ってたような)を全員におぼえさすのは基本だよな
初めは魔法使い1人のビッグチルでも
それで敵を退けてドラゴンのキバを拾いまくって売れば大金持ち

162:NAME OVER
03/10/13 12:41
大昔のゲームブック思い出した。
盗賊都市とか。

163:102
03/10/14 11:42
やぁ、フリーポートの酒場で一杯ひっかけている最中の102だ。
今日も冒険の続きを書いておこうと思う。

「フリーポート」では「ナムター」の仕掛けた罠に辛酸を舐め、
「プリザーブ」での「オールドジャック」との出会いと別れは後味の悪いものだった。
しかし、今はめげている場合では無い。一歩でも先に進み、一刻も早く
「フリーダムソード」を手に入れナムターを倒す。それが「フリーポート」で
偽者の「フリーダムソード」に倒れた勇者達へ、「プリザーブ」で
「ドレイク王」の死を歎いて森の奥へと消えた「オールドジャックへ」
俺たちがしてやれるたった一つのそして最大の行動なのだ。
さぁ、「ドワーフルーイン」へ行こう。そこで今度こそ手に入るはずだ。
本物の「フリーダムソード」が。

164:102
03/10/14 11:44
「ドワーフルーイン」に来るのは2度目だ。前回の訪問では何をしていいのか
全く分からないといった状態だった。だが今回は違う。
何をなすべきなのかハッキリと分かっている。
俺たちはまず、目の無いドワーフの石像に「ロングジョンアグリー」 が
隠し持っていた「ひすいの目」を入れてやった。ピタリと合致する。
低い響きに振り返れば巨大な岩が取り除かれ、「ドワーフルーイン」への道が
開いている。俺たちははやる心を抑え、慎重に奥へと進んでいった。

「ドワーフルーイン」はひっそりと静まり返っている。怪物さえ
いないようだ。不気味だ。静寂を破ったのは暗闇から飛び出してきた
魔物「ゴーゴン」だった。人気の無くなった「ドワーフルーイン」を
我が物顔で歩き回るこいつがドワーフ達を石にしてしまったに違いない。
俺たちはすぐに戦闘態勢を整え悪意の元凶を取り除くことに成功した。
一瞬で気絶させられる攻撃にややひるんだものの
今の俺たちには大したことの無い相手だった。

「ゴーゴン」を倒した俺たちは一層開けた場所に地獄の釜の如く
猛烈な勢いで燃え上がる炎を発見した。どうやら鍛冶場のようだ。
ここで様々な武具が鍛え上げられたに違い無い。
だが肝心の鍛冶屋がいないではないか。なんとしても「フリーダムソード」を
打ってもらわなければならないのだ。探しに行こう。

165:102
03/10/14 11:46
鍛冶屋を探し回る俺たちはいくつかの場所でドワーフの財宝を
発見した。しかし側には必ず財宝の番人としてなんと「ロボット」が
配置されていたのだった。盗人には「ロボット」が襲い掛かってくるであろう
ことぐらい俺たちにも容易に想像できる。しかし
こんな「ロボット」一体破壊できないで「ナムター」に勝てるわけもないのだ。
財宝といえど、世界を歩き回った今となっては目ぼしいアイテムも無かったが
俺たちは迷わずに財宝をバックパックへ忍ばせた。途端に案の定
「ロボット」が襲い掛かってきた。案外というかさすがというか
「ロボット」というだけあって、防御力だけは大したものだった。
軽く一撃で決める予定が、渾身の力で2、3発切り付けないと倒れなかった。
ふー、もし冒険の序盤に訪れていたら歯が立たなかったことだろう。
ドワーフに会ったら、次に「ロボット」を作る時は装甲をルナチタニウムに
することを勧めてやろう(なんのこっちゃ)

最北の広場に石になったドワーフ達はまとめて閉じ込められていた。
俺たちはさっそく「ソフトンストーン」の魔法を唱える。
みるみるドワーフ達に血色が戻り、やがて元の姿になった。
が、どうしたことだ、ドワーフ達はお礼も言わずに俺たちを
罵倒しはじめたではないか!何?財宝を盗んだだろうって?
いやそれはだな、単なる腕試しのつもりで・・・いやそうじゃなくて
だから盗んだ訳じゃ・・って話を聞けよ!全くこのゲームの
登場人物は皆セッカチだ。それにしてもどうしてお前たちは
俺たちが財宝に手を出した事を知っているんだよ!たった今まで
石になってたくせに!

166:102
03/10/14 11:47
鍛冶場へ戻ると、その場所の主が俺たちを無愛想に迎えた。
さっきまで石になっていたというのに、もう剣を鍛えている。
全く仕事熱心な奴だ。俺たちは早速「フリーダムソード」の話を持ち出した。
「ローバの骨」があれば可能だというドワーフの鍛冶屋に、間髪いれずに
「ローバの骨」を見せる。驚いた様子も見せず、それを手にとり釜へと向かう
鍛冶屋を俺たちは黙って見守る。数時間が過ぎただろうか。作業は思いのほか早く終った。
俺たちを振り返り、鍛冶屋が自慢げに叫んだ。

「この つるぎ ドワーフの はがねを じごくの ひで 
 きたえに きたえて つくった!!」

「でんせつのヒーロー ローバの たましい そそぎ
 アプスかいで やきをいれた さいこうの つるぎ!!
 まぼろしの フリーダムソードだ!!」

「これ もって ニザールやまに いけ!!
 なにかが おこる!!
 ドワーフ うそ つかない!!」

これこそ俺たちが待ち望んだ瞬間であり、希望が、願いが
確かな形となって目の前に現れたのだ!さぁ、これをもって「ニザール山」に出発だ!
そこで「ナムター」と決着をつけるのだ!世界を回りパワーアップし、
ついに「フリーダムソード」を手に入れた俺たちにはそれが出来るはずだ。
・・・ん?でもまだ「ガードドラゴン」が守っている「ラナクター」の欠片の
捜索とか「神秘の森」の「ザトンの墓」とか、気になることが結構あるんだけど、
そこらへんのイベントはどーなってんだろうか。放り出したままでいいのかなぁ。
まぁ「アンダーワールド」の女王「イルカナ」からもこれ以上は聞いてないし
ドワーフの鍛冶屋も「ニザール山」に行けって言ってるし、
とりあえず目的地はそこなのだ!いざ「オールド港」へ!

ドワーフの手先の器用さは様々なファンタジーで語られたことだろうが
ロボットまでこしらえるドワーフもそうはいまい。

167:102
03/10/14 11:49
「フリーダムソード」を手に入れた俺たちはドワーフルーインの
鍛冶屋の助言に従い巡礼者に交じって「オールド港」から
「ニザール港」へとやってきた。もうすぐそこには目的の「ニザール山」が
他を圧倒する存在感で屹立している。

もう何時間歩き続けているだろうか。頂上はまだ遠く紫がかった
雲に隠されている。辺りにはごつごつとした岩が剥き出しになり、歩きにくい。
ふと振り返れば遥か下まで、巡礼者が列を作り険しい山道を
一歩一歩登ってくるのが見えた。その列は全く途切れることがない。
山にはモンスターもいるというのに。彼らは信じているのだ。
危険を顧みず山を登り、聖堂に祈りを捧げることで救いが訪れることを。

隣を歩いていた巡礼者の一人が突然声を上げた。驚愕の色に満ちた彼の視線を追うと
雲の切れ間に奇妙な光を放つ星が見つかった。その光りは他の星の光りを
遮るほどに明るく、赤に青に激しく明滅しているようだ。その
奇妙な明滅は次第に激しさを増し、まるで太陽が膨張したようにも見える。
不思議な光景だった。巡礼者たちは皆、地に顔を付して頭の上で手を合わせ
なにやら必死に呟いている。この山には何か得体の知れない
力が働いていることだけは確かなようだ。その力が何なのか、見極める
為に俺たちはここに導かれたのかもしれない。

168:102
03/10/14 11:50
山の中腹を過ぎてしばらくたった頃に、突然開けた場所に出た。
明らかに人の手が入っており、道は舗装され、人工的な建造物も
あちこちに目にすることが出来た。どうやらここが巡礼者たちの
目的地である聖堂のようだった。俺たちはその中でいっそう大きな
建物に足を踏み入れた。聖堂の中は祈りを捧げようと、
白い服を着た巡礼者の列で一杯だった。彼らは皆、
聖堂の天上に描かれた、「顔の無い全宇宙の神」を見上げている。

神、そう、この世界には神がいる。俺たちは現実に
「アンダーワールド」の女王「イルカナ」やその夫「ネクロポリス」の王
「ナガール」などに謁見した。人間と獣の神である「エンキデュ」とは
剣を交えもした。俺たちが神との対話で得たものは、神は極めて
人間と近しい存在であり神ですら万能では無いということだ。
「イルカナ」や「ナガール」は突然地の底から現れた「ナムター」に
あっさりと利用され不覚を取っていたし「エンキデュ」は人間と獣の神のクセに、
全てを守護してくれるわけではない。自らを打ち負かすほどの勇敢さを
示さない限り、「エンキデュ」の守護は得られないのだ。一番まともで
勇敢そうな「イルカナ」の息子「ローバ」は既に魂の存在となっている。
・・・ん?おいおい、目の前の巡礼者には悪いが、本当に神なんかに
すがっているだけで救いが訪れるのか?「ナムター」が「ディルムン」大陸を
支配してしまうのも時間の問題に思えてくる。英雄の出現を待つ余裕は
この世界にはもうないのだ。全くこの世界の行く末を考えると全く頭が痛い。
「顔の無い全宇宙の神」とやらが本当にいるのだとすれば、この世界は
そいつに見放されたに違いない。それなら取るべき行動は一つしかないのだ。
なってみるさ。俺たちが。

169:102
03/10/14 11:52
新たな決意と共に「フリーダムソード」を天空に掲げる。巡礼者の目にそれは
「顔の無い全宇宙の神」に剣を向けるような姿勢にも見えただろう。
その時だった。一瞬辺りが暗くなったかと思うと、突然稲妻が走り
聖堂の屋根を吹き飛ばした。何事かと細めた目の奥で見上げた空は真っ二つに割れ
再び走った稲妻は「フリーダムソード」の先端に繋がった。途端に今度は
静寂が聖堂を支配し「フリーダムソード」から声が聞こえてくる。
「どくさいしゃ ナムターを おいだせ!!」
「ナムターを ころせ!!」
そう言って声は消えた。ハッとなって辺りを見回すと、まるで何事も
無かったかのように何もかもが元のままだった。聖堂の天上も傷一つ無い。
あれは夢だったのかと視線を「フリーダムソード」に移す。
剣はまるで今始めてこの世に生を受けたかのように新鮮で
あふれ出るエネルギーを脈々とこの手に伝えてくる。
今の声は夢などではなかったのだ。「フリーダムソード」は今
洗礼を受け、真なる力を引き出されたのだった。
「フリーダムソード」の力を引き出してくれたのは
「顔の無い全宇宙の神」だったのだろうか・・・。まだこの世界を
見放した訳ではなかったのだろうか。

「フリーダムソード」に新たなる力が備わったことで
さらに無敵っぷりを増した俺たちが、聖堂を後にしようとした時だった。
突然あたり一面に緊張を伴った不気味な空気がたち込めてきた。
間髪いれず空を切り裂く落雷。雷のフラッシュが弾けると同時に
俺たちの前に立ちはだかる影があった。「ナムター」だった。

今日の冒険はここまでだ。この冒険もそろそろクライマックスに
近づいてきたようだ。

170:NAME OVER
03/10/14 14:55
ところで、あやふやな記憶なんだが…
このゲーム、ちょいとした裏技っぽいもので
ボーナスポイントを全て振りこんだ後、元に戻すとなぜかポイントが増えている
っていうのがあったと記憶しているんだが…

171:NAME OVER
03/10/14 17:42
続きキタ━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)人(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━ !!!!!

172:NAME OVER
03/10/14 22:25
すごいね
ファミコンのゲームでも息づいた世界って表現できるんだね

173:NAME OVER
03/10/15 04:27
いや、このゲームのストーリーは凄いよ。
初プレイ時はドキドキしっぱなしだった。
いきなり捕まるし。
甘さがない、という感じがする。
日本のゲームはどうしても甘さがでてる。

174:NAME OVER
03/10/17 12:05
リプレイいいですねえ。
そういえば昔この板でカオスエンジェルスのリプレイ書いてた人がいたのを思い出したよ。

175:NAME OVER
03/10/17 12:24
>>172 173

ゲームのストーリーも確かにいいんだが、102の
リプレイっぷりというかなんというか、それが大きいと思う。
普通の人にこのゲームのストーリーの素晴らしさを
いくら説いたところで伝わらないと思う。でもこれを読めば
どれだけ魅力的な世界が広がっているか伝わりそうだ。と俺は思う。

176:NAME OVER
03/10/18 20:23
hosyu

177:NAME OVER
03/10/20 12:21
ほしゅっしゅ

178:NAME OVER
03/10/20 21:44 XQW3/e/B
一旦あげ

179:102
03/10/21 16:23
やあ、今日は出先の漫画喫茶から書き込んでいるところなのだが
隣に座っている学校帰りの高校生らしき3人組がラーメン食いながら
辺り構わず騒ぎ散らしているので殴り飛ばしてやりたい気分の102だ。
とりあえず今日も冒険の続きを書いておこうと思う。

目の前に「ナムター」がいる!

「きみたちは なぜ わたしの じゃまをするのだ?
 わたしは かみの むすこだ。
 わたしに さからって ただですむとは おもうな!!」

「ナムター」は恐ろしい形相でこちらを睨みつけながら、一息で告げた。
覚悟はしていたとはいえ、突然の出会いに怯む俺たちをよそに
さらに語気を荒げて続ける。

「これから きみたちが たたかう てきは
 いっそう きょうりょくに なっているだろう。
 きみたちも ばかなことを したもんだ!!」

吐き捨てるようにそう言うと、青い光りが「ナムター」を包み
一層激しく光ったかと思うと、光りは空の彼方へと飛び去り
やがて見えなくなった。あっと言う間の出来事だった。

180:102
03/10/21 16:25
俺たちはしばらくその場に呆然と立ち尽くしていた。
驚きと恐怖で思考は混濁し、今の出来事は幻だったのかとさえ思えてくる。
振り返るとそこには聖堂が聳え立ち、視界を遮る切り立った岩肌も
そのままだ。辺りの風景に変化は無い。ふとある思いが心をよぎる。
力を蓄えたつもりだったが、俺たちは心の奥底では
「ナムター」の底知れぬ力に恐怖していた。その心が
「ニザール山」の不思議なエネルギーに反応し幻影を見せたのだろうか。
・・・いやそうではない。
耳の奥にまだ殷々と広がる雷の残響が
今の出来事が幻で無かったことを告げている。
「ナムター」は間違いなく俺たちの目の前に現れ
そして邪悪な魔法を使い、各地にばら撒かれた魔物達を
より強力にパワーアップしたのだ!おお、なんと恐ろしいことだ!
これからの冒険はよりいっそう困難なものになるに違いない!
だが、逆を言えば、少なくとも「ナムター」が目障りに思う程度には
俺たちは成長していたのだ。「ナムター」とのファーストコンタクトでは
まるで相手にされていなかった俺たちだったが、真の力を
引き出された「フリーダムソード」を手に入れた今では
奴にとって小さな脅威ぐらいにはなったのだろう。
世界をめぐる冒険は伊達ではなかったのだ。

181:102
03/10/21 16:26
「ナムター」によって強化された魔物を退けつつ、俺たちは
とうとう「ニザール山」の山頂へとさしかかった。一息ついて周りを見渡せば
きりたつ崖の向こう側に、もやに包まれた黒い塊が目に入った。
塊は岩石群に違いなかったが、そのどれもが黒く怪しく輝いている。
そのさまはまるで岩石が呼吸をしているかのようで、この黒い岩石がもやの原因
ではないかと思えてくる。不気味な光景だった。目を凝らせば
黒い岩が吐き出すもやの奥に何か巨大な建造物があることに気が付いた。
それは遥か天空まで、いやそれを突き破るかの如く高く聳え立つ塔が見える。
崖から吹き上げる熱風がもやを塔に巻きつけ、その存在を
隠しているようだった。ここが「ナムターの塔」に違いなかった。

崖を慎重に迂回し「ナムターの塔」へと近づいていく。
崖の底は暗く閉ざされ計り知れない深さを覗き込んだ俺たちに伝えている。
恐らくこの崖は「アンダーワールド」まで繋がっているのではないかと
俺たちには思えた。もしバランスを崩して崖に落下すれば命の保証は無いだろう。
一歩一歩確実に足元を確かめながら俺たちは崖の渕を進んだ。そんな様子だったので
「ナムターの塔」の前にたどり着いた時には、精神的に随分と疲労してしまっていた。
けれどのんびりしている暇は無い、この塔の奥に「ナムター」が待っているはずだ。
今や俺たちは「ナムター」を倒し世界を救う可能性を持った、
たった一つの希望なのだから。だが塔の入り口付近には迂回出来ない亀裂が
走っている。しかしこの程度の距離なら「ゴールデンブーツ」で
飛び越えられるはずだ。まったくこのブーツには色々なところで世話になる。
うまく亀裂を飛び越えた俺たちは、勇気を奮い起こして塔の中に足を踏み入れた。


182:102
03/10/21 16:30
暗い。剣を握る自分の腕の輪郭さえ掴めぬ真の闇だ。これでは
何も行動を起こせぬと、咄嗟に魔法の明かりを剣に灯すが
それでもようやっと数歩先までの視界が確保される程度だった。
不意打ちを食らえば一たまりも無いだろう。止め処も無い不安が
心の奥から押し寄せて、それに押しつぶされそうだ。だがいくら
先に進んでも、「ナムター」はおろか、ネズミ一匹出てこない。
それどころか、この塔には随分長い間何者も出入りした形跡が無いのだ。
ここは一体どこなんだ?本当に「ナムターの塔」なのだろうか?
暗闇が恐怖を煽り頭が混乱してくる。それでも勇気を振り絞り
前へと足を踏み出したがその先に踏みしめられるべき床は無かった。
落とし穴だ!!
「あっ!! ゆかが ないぞ?
 おっ おちるーっ!!」

どのくらい落下し続けたのだろうか。
気が付くと湿った岩の上に横たわっていた。
そっと体を動かし傷の具合を確かめるが、幸いかすり傷程度で
済んだようだ。意識がハッきりしてくるとカビくさい臭いが
辺り一面に漂っていることに気が付いた。魔法の明かりをつけて
周囲を確認してみる。どうやらここは自然に出来た洞窟のようだ。
落ちた場所から考えて、「ニザール山」の地下なのだろう。
このままじっとしているわけにもいかない。俺たちは
地上へと帰る手段を探して洞窟の探索を開始したのだった。

183:102
03/10/21 16:36
だが、心配をよそに地上へと続くらしい階段が落下したすぐ側に
あっさりと見つかった。ん?ということは何者かがこの地下洞窟に
出入りしているということなのだ。俺たちは帰り道が見つかった
安心感から、この洞窟を詳しく調べてみることにしたのだが
洞窟は意外に狭く、階段の他に人の手が入っているような場所は
見当たらない。それならさっさと地上へ出て一休みしようかと
思っていた時、どこか他と様子の違う石壁を発見した。
俺たちはその壁に「ソフトンストーン」の魔法を唱えてみた。
石化したドワーフを救ったこの魔法なら、壁を軟化させられるのでは
ないかと考えたのだ。だが結果は思わしくなかった。
魔法が上手くかからないのだ。どうもこの壁には強力な結界が
施されているらしい。明らかに怪しい。だがあらゆる方法を試したが
この壁の奥に進む手段は見つからなかった。しかし「ソフトンストーン」
以外の魔法ではアクションに対するメッセージが出なかったので
何かがあることだけは確かだ。しっかり覚えておこう。

ふー、「ニザール山」では色々あって疲れた。ここは素直に引き返そう。
俺たちは階段を上って地上へと帰ることにしたのだった。しかし
階段の行き着く先はなんと「アンダーワールド」だった。あの洞窟は
「アンダーワールド」よりさらに深い場所に存在していたのだ。
だとすれば相当な距離を落下したはずなのに
よくもまぁ助かったもんだと地下洞窟への階段を振り返ると、
階段は跡形も無く消えていた。「ニザール山」は本当に不思議なところだ。

今日の冒険はここまでだ。最近ちょっとあれなのであまり
ドラゴンウォーズをプレイする時間がない。もしこのリプレイを
期待してくれているとかいう頭のおかしい人がいるなら、
一刻も早くスネークピットにでも隔離されつつのんびり構えてくれると嬉しい。

184:NAME OVER
03/10/21 19:10
続きキタワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。..。.:*・゜゚・* !!!!

185:NAME OVER
03/10/23 00:15
このスレは保存版

186:NAME OVER
03/10/25 19:15
保守

187:NAME OVER
03/10/27 23:34
保守

188:NAME OVER
03/10/28 02:24
スネークピットにいます

189:NAME OVER
03/10/28 22:34 RvKTR4vh
一時あげます

190:NAME OVER
03/10/31 00:21
玉座でミイラになりつつも保守。

191:102
03/11/01 12:34
やぁ、保守してくれたみんなありがとう。時間はかかるが
この冒険は必ず最後までやり遂げると約束しよう。
それじゃぁ今日も冒険の続きを書いておこうと思う。

折角久しぶりに「アンダーワールド」に来たんだ、「イルカナ」に
挨拶しにいこう。そういえば「フリーダムソード」を手に入れたことも
報告しないとね。
しばらくぶりの対面に「イルカナ」は笑みを浮かべながらこういった。

「おお!!
 りっぱな フリーダムソードだ。
 そのつるぎで にっくきナムターを やっつけろ!!」

願をかけられる立場のくせに全く他力本願な神様だ。
あちこち周って「フリーダムソード」を手に入れてやったのだから
後はオマエがなんとかしろよと言いたくなる。
だがこの世界の神はただそこにいるだけの、自分からは何もしない
形骸、ただのお飾りの神様なので頼っても仕方が無いことは
十分に承知している。だから何も口には出さなかった。
俺たちは愛想良く、まかせておけなんて大そうなことを言って
「アンダーワールド」の女王「イルカナ」と別れた。

「アンダーワールド」を「プロガトリー」方面の階段から脱出する。
この町は俺たちが投げ出された時と何一つ変わっていない。
まるでこの町で失われた命や壊れた夢を
記念するかのように立てられている高い壁が町全体を覆い、
壁の隙間を抜けて海から吹き付ける湿った風は何かが腐ったような
生臭いを町全体に撫で付けている。変わらぬ町の気配は
俺たちに苦しかった記憶を蘇らせた。だがどこかそれが懐かしい。

192:102
03/11/01 12:36
俺たちは「ニザール山」で「ナムター」との決戦を覚悟していた。
しかし「ナムターの塔」で罠にはまり、「ニザール山」の地下洞窟へと
落下してしまったのだ。その地下洞窟の奥に、何か怪しい場所が
あることだけは突き止めたが、それ以上の情報は手に入らなかった。
恐らく再び「ニザール山」へ挑んでも、同じ事を繰り返すだけだろう。
「ナムターの塔」の落とし穴を回避することは出来そうに無いし
地下洞窟の怪しい壁を攻略することも今の俺たちには出来やしないのだ。
完全に冒険の道しるべを失ってしまった。

何故わざわざ冒険のスタート地点に戻ったかと言えば
もう一度最初から「ディルムン大陸」を歩き回る必要が出来たからだ。
そこでたくましいハングリー精神を再び思い出す為にここに来たのだ。
俺たちは目的を見失い、裸一貫で「プロガトリー」のスラムに放り出された時と
同じような不安を感じていた。だが気を落とすことは無いのだ。それならもう一度
世界を周って情報を手に入れるだけのことだ。今の俺たちには世界を
歩き回って血と汗とコントローラを握る手に出来たマメが完成させた
掛け替えの無い地図が手元にあるのだ。幸い世界にはまだやりのこした
冒険の端緒が散らばっている。それらを一つずつ解決していけば
必ず「ナムター」打倒に繋がるに違いはないのだ。さぁ、ぐずぐずしては
いられない。もう一度新たな冒険が始まるのだ。そしてそれにふさわしい
場所は、ここ「プロガトリー」でしかありえない。
やれやれ「死体袋」が懐かしいなんてドラゴンウォーズならではだ。

193:102
03/11/01 12:38
「スマグラー港」から南へ向かえば「マッドトード」まで半日もかからない距離だ。
4匹のガードドラゴンを撃破し、全ての「ラナクター」の欠片を手に入れた俺たちは
「ラナクター」を復活させようと、「マッドトード」にいる「ラナクター」の
弟子を訪ねた。

「マッドトード」の町の中央に積み上げられた瓦礫の山は
「キングズホーム軍」との魔法戦争が始まった際に
「ラナクターハイマジックスクール」が破壊され散乱したものだ。
「マッドトード」へはしばらくぶりで訪れたのだが、瓦礫は今も
片付けられてはいなかった。とてもそこまで人を回せないのだろう。
皆自分の生活だけで精一杯なのだ。しかし、その夥しい数の瓦礫の山を
一人地道に片付けている若い男がいた。以前に一度だけ見たことがある顔だ。
彼がラナクターの弟子だ。

俺たちがバラバラになったラナクターの欠片を集めてきたことを知ると
彼は飛び上がって喜んだ。

「こっ・・・これは!!
 ラナクターのあたまでは ないですか!!
 もしかして ぞうのかけらをあつめてくれるのですか?
 ありがとうございます!!」

ラナクターの頭ではないですか!ってちょっとマヌケな喜びようだ。
相当興奮していたのだろう。

ここでラナクターの欠片を渡す度に、あと何が足りないのか
教えてくれるのは親切だね。その都度台詞が変化していくのも
作りこみを感じるので好感。こういうとこで手を抜くRPGって
多いんだよね。

194:102
03/11/01 12:40
全ての欠片を渡すと「ラナクター」の弟子は

「これで すべて そろいました。
 これらを あしだけに なってしまった ぞうに
 つけてみましょう。」

と言い、バラバラだった欠片をぎこちない手つきで組み合わせ始めた。
おいおいそんなに簡単な作業で復活するのかよ!と思わず
突っ込みを入れたくなったが、必死で作業する彼の姿に
俺たちは黙って見守る。やがて像は人の形を取り戻した。
するとどうだ、空が真っ黒になり一瞬光ったかと思うと、像の頭めがけて
電光が直撃した。このゲームは何かあると、とりあえず雷が落ちることになっている。
しばらくすると一つになった「ラナクター」の像はゆっくりと
赤みを帯び、無機質な石から血の通った人間の体へと変化していく。
俺たちはその様子を「ラナクター」の弟子と共に固唾を飲んで見守った。
最後に重く閉じていた目蓋が開き、ぎょろぎょろと辺りを確認するように
忙しく目玉を動かしている。そして俺たちに視点を合わせると突然叫びを上げた。

「ああ!!
 いきているということは なんて すばらしいのだ!!
 ありがとう!!」

やった!「ラナクター」が生き返ったのだ!!


195:102
03/11/01 12:42
喜びに溢れる「ラナクター」は、お礼に地下の研究所にあるものは
何でも持って行って構わないと言ってくれた。随分な奮発っぷりだ。
今なら何でも言うことを聞いてくれそうな雰囲気だ。
でもまぁ生き返らせてあげたんだからこのくらいの報酬があっても
いいよね。生きていることの喜びに今にも踊りだしそうな雰囲気の
「ラナクター」だったが、突然真面目な顔になって話し始めた。表情はまるで
別人のように険しくなっている。「ラナクター」は「ナムター」に魔術師としての
名誉を傷つけられたことを悔しがり、「ナムター」を倒す為なら協力を惜しまないと
申し出てくれた。そこで俺たちは「ラナクター」に「ニザール山」での出来事を話し
アドバイスを求めた。すると「ラナクター」は「ザトン」を訪ねて
「ソフトンストーン」の魔法を今よりも強力なものにしてもらえと
知恵を貸してくれたのだ。もし「ソフトンストーン」がパワーアップすることが出来たなら
「ニザール山」の地下洞窟で俺たちを阻んだあの壁も、ぐにゃんぐにゃんに
溶かしてしまえるに違いないのだ。さすが四大魔法使いの一人、期待を裏切らない答えだ。
よしよし、また打倒「ナムターへ」一歩近づいたぞ。早速「ザトン」を探しに行くのだ。

ん?でも「ザトン」も魂だけの存在になっちまったとかなんとか冒険の最初の方で
聞いたような・・・。そういえば「神秘の森」には「ザトンの墓」まで
あったような気がする。おいおい「ラナクター」先生!肝心な部分を教えて下さいよ!
と聞き返そうと思ったが、もう「ラナクター」は弟子とマジックハイスクールの
再建について嬉しそうに話し合っている最中だった。傍目には何気ないやり取りに
見えたことだろうが、「ラナクター」もその弟子も肩を震わせ泣いていた。
「ラナクター」はきっとバラバラになっていた時も、この弟子が自分の体の一部を
大切に守っていてくれたことを見ていたのだろう。歳を重ねたしわくちゃの頬を伝う涙は
命を取り戻した喜びの為だけでは無いはずだ。この二人ならきっと素晴らしい
マジックハイスクールを作っていくに違いない。

196:102
03/11/01 12:47
二人の再会を邪魔するのも無粋と、そっと背を向けその場を立ち去ろうとする俺たちを、
ひとつだけ気がかりなことがあると「ラナクター」が呼び止めた。
「ラナクター」が言うには、石にされる前に飼育していた年老いたドラゴンに
ある宝石を飲み込ませ、「マッドトード」の町から逃がしたのだという。
その宝石が「ナムター」の手に渡れば世界は「ナムター」の思うが侭になってしまうほど
重要な宝石らしい。老ドラゴン・・・?そうだ、「ランスク」の地下に
年老いたドラゴンがいたはずだ。あの時は何もアクションに反応が無かったが、
ドラゴンが何か喉に詰まらせている様子だった。あのドラゴンこそ「ラナクター」の言う
老ドラゴンに違いない。喉に詰まらせていたのは重要な宝石だったのだ。
あの老ドラゴンにはもう「ナムター」の軍勢と戦う力は無い筈だ。「ナムター」に
居場所を突き止められてしまったらそれが最後なのだ。
成る程、これは急ぐ必要がありそうだ。「ランスク」の老ドラゴンが
それだと気づいた俺たちは、「ラナクター」にドラゴンはまだ無事だと告げ安心させた後
マジックハイスクール跡を出発した。

ふ~、色々と情報が手に入ったもんだ。
だが冒険の端緒は少なくなっていきているものの、あちらもこちらもと
手を出しては混乱するだけだ。まずは「ザトン」の行方、そして老ドラゴンと
俺たちは行動の予定を立てたのだ。老ドラゴンに対するアクションや
効果のありそうなアイテムは持っていないことだしね。唯一恐れるのは
それまでにドラゴンが老衰することだが、まさかそんなことも無いだろう。
おっと、その前に「ラナクター」の研究所に入って色々といただいていくことにしようか。

今日の冒険はここまでだ。こんなちゃちな文を読んでくれてるみんなには
感謝してます。次回も、ちょっと時間が開いてしまうだろうけど
気長に待っていてください。

197:NAME OVER
03/11/01 17:33
続きキタ━( ´∀`)゚∀゚)*゚ー゚)・ω・) ゚Д゚)´ー`)・∀・) ̄ー ̄)━!!

198:NAME OVER
03/11/04 17:46
保守

199:NAME OVER
03/11/04 21:49
うおっ
いつのまにか再開してたのね

200:NAME OVER
03/11/05 04:28
いいねー。いいよいいよー。

201:102
03/11/06 11:39
やぁ、最近はやや頻繁に冒険している102だ。
今日も冒険の続きを書いておこうと思う。

「ラナクター研究所」は「マッドトード」の町の地下に建設されてる。
入り口はマジックハイスクール跡のすぐ側にあり、辺りには瓦礫が
山のように散乱している。ここもハイスクール跡同様、戦争の被害を
受けているようだった。まぁ、「ラナクター」にとっては職場と研究室が近く
理想的な環境だったことだろう。俺たちは入り口を塞ぐ一際大きな
残骸をどかすと研究所へ足を踏み入れた。

研究所の中はヒドイありさまだった。まるで大地震に見舞われたかのように
机は引っ繰り返り、中の引き出しからは書類が放り出され、
本棚は前のめりに倒れいくつも重なり、収められていた本を周りにばら撒いている。
やれやれ、この中から目ぼしいものを探すなんて一体なんの罰ゲームなんだと
いきなり気分が落ち込む。ふと視線を足元に移すと、散乱する書類の中に
一冊の本を見つけた。手にとって調べて見ると、それは「ラナクター」の
日記のようだった。他人の日記をコッソリ覗き見る行為にちょっと気が引けたが、
研究所の中にあるものはなんでもくれるという話だったし、何か役に立つことが
書いてあるかもしれないと、何となくページをめくってみる。

「まほうのめがね・・・。
 わたしが とくべつに つくらせたもの・・・。

 これがあれば マジックカレッジの いりぐちを
 みつけることができる。

 めがねは このけんきゅうじょの なかにあるが
 かんたんには とりにいけない。

 ここは いりくんだ つくりに なっていて
 ひがしは にしにつながり
 きたは みなみにつながっている。」

202:102
03/11/06 11:40
「魔法の眼鏡」?「マジックカレッジ」?一体何のことだろうか。
「ラナクター」が校長を務めているのはマジックハイスクールだし・・・。
カレッジというからにはさらに上級のマジックスクールが
どこかにあるのだろうか。その入り口を見つけるために「魔法の眼鏡」が
必要で、それはこの研究所の中にあるということだが・・・。
なにやらイベントアイテムの雰囲気だ。ループするという
地形に気を配りつつ、お宝探索のついでに「魔法の眼鏡」も貰っておこう。

何!ここにもモンスターが入り込んでいるのか!「ラナクター」の
個人的な研究所ということで油断していた俺たちは不意を付かれた。
だが、取り立てて強力なモンスターは入り込んではいないようだ。
捜索に支障が出るほどでは無い。しかし一体どこからモンスターは
入り込んだのだろうか?入り口は巨大な瓦礫に塞がれていたし
あそこから堂々と中に入ったとは考えにくい。「ラナクター」の爺さんも
モンスターのことなど一言も言っていなかったが・・・。

研究所の捜索を続ける俺たちは突然物凄い悪臭に鼻を覆った。
水が腐ったような異臭に鼻がひん曲がりそうだ。このかぐわしいスメル
には覚えがある。「アンダーワールド」に充満するガスの匂いだ。
慣れてしまえば、いや、鼻が利かなくなるまで耐えればなんということは
ない匂いだが、乾いた埃の臭いの中で覚悟も無く突然遭遇したことにより
いつもの何倍も強力に感じられる。それにしてもどうして
研究所の中に「アンダーワールド」のガスが漂っているのだろうか?
ガスに耐えつつ、近くを探索すると、そこには「アンダーワールド」へ
通じるであろう階段があった。階段の手前には頑丈そうな扉があり
扉には「アンダーワールド」側からの侵入を防ぐ魔法の結界が張られている。
だが、どうやら魔法戦争の際に、この結界の力は働かなくなってしまったようだ。
研究所にモンスターが溢れていた原因はこれに違いない。
しかし俺たちには新しい結界を施すほどの魔法の力は無いので
どうすることも出来ない。地道にモンスターを退けつつ探索を続けよう。

203:102
03/11/06 11:41
ん、まてよ。魔法戦争の被害を考えれば、自分の研究所がどういう状況に
なっているのかぐらい、「ラナクター」には想像が出来たに違いない。
「アンダーワールド」への階段に施した封印の力が弱まるということも
その結果、モンスターが進入してくるということも。・・・ということはだ、
なんでも持って行っていいからと喜ばせて、俺たちは研究所内の
モンスターの掃除に使われたんじゃないのか?
この研究所には元々、いや、もう既に貴重品や凄い価値のアイテムは無くて
「ラナクター」が再び封印を施す為に邪魔なモンスターを片付けておく。
その代わりに、残り物を差し上げますよというのが真相だったのでは!?
全く喰えない爺さんだよ!とんでもないぬか喜びの正体ですよ!
さすが大魔法使い様様だと言っておこうか。それとも邪推が過ぎるかしら。
まぁなんにしてもやれやれだ。



204:102
03/11/06 11:43
数時間の探索の結果、俺たちはいくつかの魔法の記された巻物と
「魔法の眼鏡」を発見することが出来た。これらの発見に障害となったのは
モンスターでもループする地形でもなく、隠し通路と魔法の壁だった。
とりあえず見えている場所を全て踏破した俺たちは「魔法の眼鏡」どころか、
魔法の巻物ひとつ手に入れられないことに首をかしげた。いくら体のいい
モンスター掃除だろうと、命を助けてやったお礼が何も無いってのも
RPGとしては反則行為でレッドカードなのだ。

その後出来上がったマップを穴が空くほど見つめて、隠し通路の存在を
確信したまではよかった。だがその先にあったのは全て魔法の巻物だけで、
肝心の「魔法の眼鏡」がどこにもない。しかしマップにはまだ何かありそうな
ダークゾーンが広がっている。う~ん、これは一体どういうことなのだと
ただ時間だけが過ぎていった。何も見つけられないまま苛立ちだけが募る。
その時、仲間の一人が研究所を覆う壁の変化に気がついた。調べてみると
周りの壁に比べて、そこだけ埃を被っていない部分がある。間違いなく
魔法の壁に違いない。ドルイドマジック「ソフトンストーン」の出番だ。
埃を被っていない壁に向かって魔法を放つと、壁はみるみる軟化して
やがて溶けてなくなってしまった。ふー、壁の変化に気がつかなければ
つまっていたかもしれない。壁の正面に立たないとメッセージが出ない
というのが気が付くのに遅れた原因だろう。

205:102
03/11/06 11:43
魔法の壁で隠されていたこじんまりとした部屋には、埃塗れになった
「魔法の眼鏡」が無造作に床に転がっていた。他にも散乱する魔法の巻物の山、
そして「ドラゴンシールド」などが入った宝箱が発見された。巻物には
珍しいものが紛れていた。恐らく「ラナクター」のオリジナルマジックだろう。
魔法の知識のある仲間が言うには、この巻物はハイマジック、サンマジック、
ドルイドマジック全ての属性を持ちながらローマジックの技術さえあれば
誰にでも使用が可能だと言うスグレモノだそうだ。
へ~、さすがにマジックハイスクールの校長、便利なものを研究しているもんだ。
俺たちはこの魔法を「ミクスマジック」と名付け、魔法と無縁の仲間に覚えてもらう
ことにしたのだった。まぁ、ちょっと話が違う部分もあったが、研究所の探索では
それなりに良いものを手に入れられたのでよしとしようか。
こうしてラナクター研究所の探索は終了した。しかし疑問が残っている。

「魔法の眼鏡」は手に入れたものの、「マジックカレッジ」とは一体
どこにあるのだろうか。「ディルムン大陸」は殆ど歩きつくしたはずなのだが・・・。
ん~?どこだ?全く想像がつかない。大体入り口が隠されてるんだから
見えないのでは?とか考えてしまう。とりあえず今までの冒険のメモを見直し
セレクトボタンを押してディルムン大陸のマップを見直す。どこかに未踏破の
場所は・・・あ、あるじゃん!これだ!「キングズホーム」の王族が
使用していた狩猟場「プリザーブ」の南にある「エンキデュ」の従者がいた場所だ。
「エンキデュ」と魔法ってイメージは結びつかなかったのですぐに浮んでこなかった。
しかし、もうディルムン大陸で足を踏み入れていないのは、あそこと「ニザール山」の
地下洞窟の奥しか無い。悩んでいても仕方が無いか。「マッドトード」から
「スマグラー港」はすぐそこだし、そんなに遠い旅にはならないだろうから
とりあえず行ってみよう。もしかすると行方が分からない
「ザトン」の情報も手に入るかもしれないしね。

206:102
03/11/06 11:46
「エンキデュ」の従者、サソリの下半身を持つスコーピオンマンは
ハッキリと我々は西の島々から「マジックカレッジ」を守っているのだと
俺たちに告げた。いや~、そんなことすっかり忘れていましたよ。そうだそうだ。
「プリザーブ」を冒険した時に、その近辺も探索して「エンキデュ」の従者が
何かを守っていたことは覚えていたのだが、初めて訪れた時には
マジックカレッジの情報など無くて、まだこの先に行く必要は無いだろうと
引き返してしまったんだよね。だから台詞の内容までは覚えていなかったのだ。
そりゃ、いつかまた来ることになるだろうとは思っていたけれど。

スコーピオンマンは俺たちを警戒していたようだが、「エンキデュトーテム」を
見せて、身分の証明を立てるとすんなり道を開けてくれた。う~む。これが
権力というものなのだ。神様もたまには役に立つねぇ。
さそり橋を渡りきると、崖を背にして建っている随分とくたびれた一棟が目に入った。
他にそれらしきものは見当たらないし・・・カレッジというぐらいだから
もっと立派な建物を想像していたのだが、あれが目指すマジックカレッジに違いない。
俺たちはやや拍子抜けしつつ、建物に向かって歩き出した。

建物にたどり着いたはいいが、入り口が見当たらない。だが首をかしげる
ことはない。ラナクターの研究所で、入り口は隠されているという情報を
つかんでいる俺たちは決して慌てはしないのだ。慎重に建物の周囲を調査し
建物の周りには複数の人間の足跡が残されていることを発見した。
恐らくマジックカレッジに通っていた生徒の足跡だろう。その足跡が
突然途切れている場所があった。そこは何の変哲も無い壁だが、俺たちは
バックパックから魔法の眼鏡を取り出し、レンズを通して再び壁に視線を
戻すと・・・あっ!壁が無い!魔法の眼鏡は真実の道を見透かして
マジックカレッジの入り口を教えてくれた。成る程、魔法学校らしい仕掛けだこと。
ちょっと行く先に不安を覚えないでもないが、とりあえず入学試験は
無事突破したというところかな。

今日の冒険はここまでだ。プレイした時間のわりにストーリーは
あまり進んでいないので、ちょっとお話を膨らませてみたよ。

207:NAME OVER
03/11/06 16:23
ハリーポッター思い出した

208:NAME OVER
03/11/06 18:19
続きキタ━ヽ(゚∀゚)ノ━( ゚∀)ノ━(  ゚)ノ━ヽ(  )ノ━ヽ(゚  )━ヽ(∀゚ )ノ━ヽ(゚∀゚)ノ ━!!

209:NAME OVER
03/11/07 02:07
マジで小説書いて欲しいな

210:102
03/11/07 03:00
>>192
やぁ、間違いに気づいてしまった102だ。
の後に入れるはずだった「ガードドラゴン撃破」のお話が
抜けていることに気が付きました。番外編としてお楽しみ下さい。

俺たちはまず「神秘の森」の祭壇から北の大陸へワープし
「スネークピット」へと向かった。行動の指針を決定付けたのは
「スネークピット」で初めて遭遇した「ガードドラゴン」の言葉を
仲間の一人が思い出したことだった。・・・あの時
宝箱を発見、喜々としてそれを開けた俺たちの前に突然現れた
「ガードドラゴン」、奴はおののく俺たちにこう告げたのだ。

「われは ナムターさまの めいを うけ
 ラナクターのぞうの かけらを まもっている!!
 おまえごときに わたすものか!!」

・・・「ナムター」の命令で守っている?そうだ。
俺たちは改めて冷静になった。大魔法使い「ラナクター」を石化させ、
さらにバラバラにし、駄目押しで「ガードドラゴン」に守らせている。
これでけの厳重な封印をする理由はただ一つで、それだけ
「ラナクター」に復活されては困るということの裏返しなのだ。
打倒「ナムター」には、「ラナクター」の力が必ず必要になる。
そう考えた俺たちはまず世界に散らばった「ラナクターの欠片」を
集めて、「マッドトード」にいる「ラナクター」の弟子を訪ねようと
目的を見つけ出したのだった。欠片が散らばっている場所など
先刻承知なのだ。前回は「ラナクターの欠片」を取り戻そうと
必死に戦ったがまるで歯が立たなかった。「ガードドラゴン」は
不思議なオーラに包まれていて、こちらの攻撃が全く通じなかったためだ。
だが完全なる「フリーダムソード」を手に入れた今なら
「ガードドラゴン」など恐れるに足りない。この剣で斬れぬものなど
この世に存在しないのだから。

211:102
03/11/07 03:03
やや緊張しながら「ガードドラゴン」の潜む宝箱を開ける。
邪悪な気配が辺りを包み、「ガードドラゴン」がその姿を現した。
その瞬間、「フリーダムソード」から稲妻がほとばしった!
剣から放たれた稲妻は無数に枝分かれし、あっという間に
「ガードドラゴン」の全身を包みこんで激しくスパークした。
稲妻が消えると同時に、「ガードドラゴン」を覆っていた
邪悪な気配が薄れていることに気が付いた。「フリーダムソード」から
飛び出した稲妻は「ガードドラゴン」のオーラを消し去ったのだ!
さぁ、リターンマッチの開始だ!全体に18ポイント程度のダメージを
与えてくる炎は強力だが、オーラさえなければ、勝てない相手では無い。
「フリーダムソード」以外の攻撃は効果がやや薄いものの
勝利は時間の問題だった。絶え間なく繰り出す必殺のハイパーオーラ斬りの前に
やがて「ガードドラゴンは」その巨体をだらしなく地面に横たえたのだった。

ふー、やれやれ、ようやっと「ラナクター」の欠片の一つ「ラナクターのあたま」を
手に入れたぞ。それにしてもなんだかあまり持ち歩きたくないアイテムだ。
ここだけの話だが、パーティーの中で誰のバックパックに収めるのか
揉めたことは内緒だ。だがネガティブな気分に浸るのはここまでだ。
まだ欠片は残っているのだから。さぁ、次の欠片を求めて出発だ!

こうして俺たちは「スネークピット」「ネクロポリス」「フリーポート」
「プリザーブ」の4箇所を周り、全てのラナクターの欠片を手に入れることに
成功したのだ。どこに何があるかメモしておくことは、いわゆる洋RPGにおいて
常に身を助けるのだ。

「ガードドラゴン」が消滅する際のエフェクトが他の雑魚と違うってのが
凝ってていいね。

次回はまた
>>206
の続きからです。時間を取って1週間以内には更新の予定です。

212:NAME OVER
03/11/08 00:48
(゚∀゚)乙

何気に中ボス戦の音楽が好きなのだが、どうか。

213:NAME OVER
03/11/11 02:56
保守

>>212
漏れも悲しげで好き。

214:NAME OVER
03/11/12 10:49
最初に聴いたのはモッグの館だったか。

215:NAME OVER
03/11/16 18:18
保守

216:NAME OVER
03/11/19 20:12
保守

217:NAME OVER
03/11/19 20:55 sUG1u+Ay
保守だけじゃなくてなんか書き込もうや

FC版しかやってないんですが、スキルやパラメータに好き勝手割り振れる
システムがすごく好きでした。
ラスボスも当時のうちには衝撃的。ツーカコワカタヨ。
敵がウネウネと動くさまなんて、夢にまで出てそりゃあもう・・・

218:NAME OVER
03/11/20 03:06
いやー、ラスボスは怖いでしょー。
あんなラスボス反則だって。
「もう起き上がるな!」とか思ってプレイしてたし。

219:102
03/11/20 18:47
やぁ、最近ちょっと忙しすぎてゲームをプレイする時間が取れなくて
困っている102だ。前も言ったけど、時間はかかっても途中でこのリプレイを
放棄するつもりは全く無いので、それだけは安心してもらっていいだろう。
それじゃ、今日は少しだけど冒険の続きを書いておこうと思う。

マジックカレッジに人気は無く不気味に静まり返っている。
校舎は年季を感じさせる粗末な木造の作りだった。
建物を支える梁や柱には亀裂が走り、今にも崩れてきそうだ。
地震でもあればひとたまりも無いだろう。
しかし、壁や床は磨き上げられ、机や椅子は整然と配置されている。
手が届かない天井付近に、僅かに明り取りの窓が設けてあるが
僅かな曇りも無い。太陽の光りを漏らさず舎内に届けている。
まるでついさっき誰かが掃除したばかりのようだ。
時間と空間のアンバランスな印象に俺たちは戸惑っていた。
だが俺たちにはザトンの魂の行方を知る必要がある。
ここでグズグズしているわけにはいかない。意を決して
一歩を踏み出した時だった。どこからかしわがれた老人の声が
俺たちに告げた。

「ここは 4だいまじゅつしと いわれる ナムター
 ミスタルビジョン ラナクター ザトンを
 そだてあげた めいもんの まほうがっこうじゃ。
 しんけんに まほうをまなびたいと おもうなら
 これから おこなわれる しけんに
 いっしょうけんめい とりくんでみなさい。」

220:102
03/11/20 18:49
まるで入学案内のような突然のアナウンスに俺たちは驚いた。
そしてここが4大魔術士を育て上げた場所なのだと知り
マジックカレッジの名が伊達ではなかったのだと考えを改めた。
さらにザトンもここの卒業生ということは、行方を推測する
手がかりも残されているかもしれないと期待を膨らませた。
しかしここであのナムターも魔法の勉強をしていたと思うと
少し複雑な気持ちでもある。
本当に人がいるのか、それともマジックカレッジを訪れる者に対する
自動的なアナウンスなのか声はさらに続けた。

「だい1しけんは これじゃ!!
 さあ!! おまえたちに このほのおが けせるかな?
 やってみなさい!!」


221:102
03/11/20 18:50
今度は声の響きが微妙に変わったような気がした。目の前の相手と
会話しているような雰囲気で、違和感が無い。俺たちは何故か声の主は
少し笑っているような気がした。はっ!声が消えると同時に
部屋の中央に突然炎が勢いよく燃え盛った。部屋の温度が一気に
上昇する。俺たちは一瞬緊張したが炎はまるで透明な壁に遮られているように
一定の場所から広がることなく燃え続けている。
炎が襲ってくるようなことは無いようだ。
試験なんて悠長なことはしていられないし、何より試験という言葉が
大嫌いな俺たちは炎を迂回して次の部屋へと続くであろう扉に向かった。
ガチャガチャ・・・カギが掛かっている。早速技術でこじ開けようと
試してみたが、まるで開く気配が無い。どうやら魔法で施錠されているようだ。
この部屋には入り口と出口が一つずつしか無いし・・・。
やれやれ、次の部屋に進むには試験を受ける以外になさそうだ。
それにこんな焚き火程度の炎を消してみせるぐらい、今の俺たちには
造作も無いことなのだ。ただの力馬鹿だと侮ってもらっちゃ困るぜ!
さぁ、やるとなったら容赦はしない、いくぞ「ビッグチル」!!
ハイマジックの詠唱が終ると同時に、空気中の水分が結晶し
巨大な氷の塊が、炎に襲い掛かった。炎は氷塊に僅かに抗ったが
瞬間、空しく消え去った。ふっ、どんなもんだよ!やったぜ!
どんとこい超常現象ってなもんだ!勝ち誇る俺たちの前に、声が響く。

222:102
03/11/20 18:52
「よろしい!!
 だい1しけんは ごうかくじゃ。
 つぎのへやに すすんでいきなさい!!」

何!?
第一試験だって?まさかこの先新しい部屋に入る度に試験を
受けなきゃならないのか!・・・まぁこの程度の試験ならさして
苦にもならないか。楽勝だろう。第一試験を軽くクリアした
俺たちは随分と気が大きくなっていた。次の部屋へと進む足取りも軽い。
扉を開けた俺たちの目に映ったのは、さっきと全く同じような作りの
部屋に、さっきと全く同じような炎がメラメラと燃えさかっている
様子だった。

「さあ!!
 だい2しけんは もうすこし むずかしいぞ。
 このほのおも けしてみなさい!!」

223:102
03/11/20 18:53
はぁ?何言ってるんですか?俺たちはやや拍子抜けし
あきれてしまった。馬鹿にしないでください。
似たような炎をさっき消したばかりじゃないですか。
同じことを繰り返させて何が楽しいっていうのだ。だが俺たちは思い直した。
試験が簡単なことは逆に幸いだ。マジックカレッジの探索が
それだけ楽になるのだから。俺たちは見えない相手に噛み付くのは
止めて、なるべく低姿勢に試験に臨むことにしたのだ。
ハイマジックの使い手に「アイスチル」の指示を出す。
こんな炎にわざわざビッグチルでMPを15も消費することは無い。
氷の飛礫で十分さ。水固まりて炎を砕け!「アイスチル」!
呪文が完成すると無数の氷の槍が炎目掛けて閃き飛んだ。
炎は瞬く間に消え去り・・・ん?消え去らない?
お、おかしいな、さすがにちょっと威力が足りなかったのかな?
アハハ、MPをケチった貧乏根性がいけなかったな。
よし、ここはやはりビッグチルで景気よく吹き飛ばそうか。
全てを押し潰せ!「ビッグチル」!!炎の真上に
巨大な氷の塊が形成される。魔力から解き放たれた氷塊が
炎目掛けて勢いよく落下し、炎は成すすべも無く消え・・・去らない!
・・・ぐっ、どういうことだ?まだ氷の力が炎を消すに足らない
とでもいうのだろうか?しかし俺たちにはビッグチル以上の
氷系魔法を知らないし・・・。

224:102
03/11/20 18:54
冷静になるんだ。そう、パニックを起こすのが一番いけない。
落ち着け、落ち着くんだ・・・。そうだ、まず炎を調べるのだ。
俺たちは解決の糸口を見つけようと炎へと近づいた。ん?何かおかしい。
俺たちは途端に違和感を覚えた。その正体はすぐに分かった。
目に見えないある変化に気がついたからだ。炎から熱が感じられないのだ。
それどころか、この炎からは冷気さえ感じられる。
第一の試験をクリアして上気していたことと、部屋に入ってすぐの
場所から魔法を唱えていたこと、そして前回と全く同じ雰囲気から来る
錯覚が、俺たちに誤った判断を下させていたのだった。
そうか、そういうことだったのか。マジックカレッジ・・・こりゃぁ
侮れない場所だぜ。勝って兜の尾を締めよとはこんな時に使う
ことわざなのだねぇ。おっと、話がそれたな。それじゃぁ早速この
「氷の炎」に本物の炎で答えを示してやろうじゃないの!
MPなんか気にしない!サンマジックの使い手に「ファイヤーストーム」の
指示を飛ばす。灼熱の炎で敵を舐め尽くし灰に変えろ!「ファイヤーストーム」!
渦巻く炎が術者の指先からうねり飛び出し、炎にカモフラージュされた氷を
あっという間に飲み込んだ。氷の炎は音も無く空気中に分解された。
ふ~っ、ちょっとてこずってしまったぜ。苦笑いする俺たちに
例のしわがれた声が語りかけてきた。

「ふむ!!
 よくぞ ほのおが ただの げんえいであることに
 きづいたな。
 ほのおのように みえていたのは
 じつは こおりの かたまりだったのじゃ。
 だい2しけんも ごうかくじゃ。
 さあ!! つぎのへやに すすみなさい。」

これでまだ第二試験だっていうのだから先が思いやられる。
ついさっき第一の試験をクリアした時とはまるで違うことを考えていた。
俺たちは思い上がった態度を改め、第三の試験に臨むことにしたのだった。

225:102
03/11/20 18:58
今日の冒険はここまでだ。マジックカレッジは既にクリアしたので
文章に起こすだけなのだが、上手く話を繋げようと気を使うと
中々難しくて・・・。次回更新まで1週間とか言って守れなくてゴメンね。

226:NAME OVER
03/11/20 20:54
続きキタ━━━\(゚∀゚)/━━━!!!!

気にせずにマターリ書いて下され。

227:NAME OVER
03/11/21 01:02
ビッグチルって日本人の語感からは生まれない英語だよな
「デカイ寒気」

228:NAME OVER
03/11/23 13:04
それが新鮮で格好良く映るんだなぁ。
プーグボーテクス、サラズスウィフト、カワーディス。
意味はわからんけど・・・。

229:NAME OVER
03/11/24 20:04
召喚でパーティーいっぱいにしといてアルリック仲間にしようとすると
しょっぱなから初期メンバー外せるみたいね
これを利用すれば自分で作ったキャラ総外しパーティーも可能?

230:NAME OVER
03/11/30 01:13
フォボスの音楽が好きだ

231:NAME OVER
03/11/30 16:31
何げに落ちないよな、このスレ。

232:NAME OVER
03/12/01 13:18
プロガトリの音楽も好きだ。
なんか壊れた夢という感じが表現されていると思う。

233:NAME OVER
03/12/01 13:27
プロガトリか…
装備が整った後、正面から強行突破して
プロガトリ開放!!とか気取ったものだ…
当然そんなイベントはなく、町の人は同じ事を繰り返すだけだし
門にいけばまた襲われる。

でもやってみたかったんだ。ナムターへの反乱の口火として。

234:NAME OVER
03/12/03 17:41 ZUIF/XUs
102降臨待ち&保守age

235:NAME OVER
03/12/03 19:04
懐かしいので記念カキコ。

小学生の時に雑誌の紹介記事を見て
今まで見たこともない不気味なグラフィックと
何でもありな雰囲気に惹かれて発売日に買いにいった。
そうすると、入荷してなかった。
(ドラゴンボールの新作と発売日がかぶってたらしい)
まあ、取り寄せたらすぐ届いたけどね。

236:NAME OVER
03/12/03 19:05
ポイ捨て記念カキコ。

237:NAME OVER
03/12/05 16:57
応援カキコ
俺はFC版でその序盤から容赦ない絶望的な雰囲気と奥の深さには
惹かれていたのだがあまりの重たさに諦めてたよ。

(つД`)゚。・一歩で一秒だからなあ

238:102
03/12/05 21:07
やぁ、一歩で一秒のんびりとプレイしている102だ。
何故かお話が膨らんでしまったマジックカレッジ編も今回でオシマイだ。
それでは今日も冒険の続きを書いておこうと思う。

第三の試験は再び拍子抜けしてしまうほど簡単な試験だった。
暗闇に明かりを灯す魔法など、今時子供でも知っているというものだ。
だがここで油断してはいけないのだ。第一を受けての第二の試験の展開を
考えれば当然の判断だ。学習しない冒険者は早死にする。
しかし某小説を読んで以来、灯りを付けると聞くと、すぐに「シラク」
と呪文を唱えてしまいたくなるのはご愛嬌だ。

「よし!! だい3しけんも ごうかくじゃ。
 いまのは ちょっと かんたんだったかな。
 それでは つぎのへやに すすみなさい。」

しわがれた老人の声は明るい響きを含んでいた。
まるで俺たちの心を見透かしているようで小気味が悪い。
声に促されるままに足を踏み入れた第四の試験会場に待ち構えていたのは
突き出した耳と、背中に畳んだ大きな翼が印象的な怪物「ガーゴイル」だった。
「ガーゴイル」は次の部屋へと続く扉のすぐ横に陣取って獲物を
待ち構えている。この部屋の番人というわけだ。
上に広い空間で「ガーゴイル」と戦うのは危険だ。背中の翼を起用に扱い
空中を旋回し、狙いをつけた獲物に急襲する攻撃方法が厄介だからだ。
しかし幸いここは狭い空間で天上も低い。翼を封じてしまえば
今の俺たちに勝てない相手では無い。次の試験はこいつが相手かと
剣に手を掛け意気込む俺たちに、またあの声が聞こえてきた。

239:102
03/12/05 21:09
「さあ!! だい4しけんは これじゃ。
 ガーゴイルに みつからずに でぐちに
 たどりつくことが できるかな?
 やつに にらまれると にんげんは たちまち
 いしに されてしまう。
 どうすればよいのか かんがえてみなさい!!」

・・・成る程、ここが「マジックカレッジ」だということを忘れていた。
力で何もかも解決しようとする悪い癖がまた出てしまったようだ。
え~と、要するに「ガーゴイル」に気づかれずにこの部屋を脱出すれば
この試験は合格なのだ、つまり敵から発見されない魔法、姿を
消す魔法、「クロークアーケイン」が正解のはずだ。もはや
ランダムエンカウントが必要でない俺たちにとって、この魔法は
お馴染みのものだったので、答えはすぐに導き出されたのだった。
ハイマジックの使い手が呪文を完成させると、俺たちの姿は
霧につつまれ、やがて空気に溶けた。「ガーゴイル」は怪訝そうな形相で
こちらを睨んでいるが、奴には俺たちの姿は見えていないはずだ。
相手からは絶対に見えないと分かっていても、「ガーゴイル」の
目の前を通る時には息を殺し忍び足という慎重だ。鎧の留め金が
カチリとこすれる度に心臓が飛び出しそうになる・・・。
ガチャリ・・・ダダダダッ!バタン!扉を開けて
一気に次の部屋へとなだれ込む。ぶはぁっ!はぁはぁ・・・。
激しい運動などしていないのに、全員汗だくだ。
だらしなく地面に体を投げ出して体全体で呼吸する俺たちに
試験合格の知らせが聞こえてきた。

240:102
03/12/05 21:11
「よし!! だい4しけんも ごうかくじゃ。
 まほうのうでは まずまずのようじゃな。
 つぎのへやに すすんで よろしい!!」

合格は嬉しいけど、ちょっと休ませて・・・。
あ~、汗をかいた体に地面がひんやりして気持ちいい~。

次の部屋に待ち構えていたのは、両手に斧を握り締めた
筋肉質の凶暴そうな男だった。威嚇の声を張り上げ
敵対意識を剥き出しにしている男に警戒を強める俺たちに
声がアナウンスする。

「さあ!! だい5しけんじゃ。
 おまえたちに このおとこが たおせるかな?
 やってみなさい!!」

ん?珍しくさっぱりした試験だな。何か仕掛けがありそうな気が
しないわけでもないが、頭を使うことばかりでストレスが
溜まっていたところだ、思う存分暴れさせてもらおうじゃないのと
俺たちは腰に下げた剣を鞘からズラリと抜き放った。

「へっへっ!!
 おまえたちを まっぷたつに きりわけてやる!!」


241:102
03/12/05 21:12
男は「フィリスティン」と名乗り、裂帛の気合と共に飛び掛ってきた!
ん~、いいねぇ、なんかこーいうの久しぶりな気がするよ。
お頭の弱い俺たちだけど、力の勝負なら負けないっつーの!!いくぞ!
前衛は装備している武器で攻撃し、後衛は魔法で防御に攻撃と
RPG戦闘における黄金パターンで戦いに望む。仮にも「マジックカレッジ」の
試験がただの戦闘な訳が無いと思っていたが、戦闘を初めてすぐに
「フィリスティン」の特異な部分に気がついた。こいつには一切の
状態変化、攻撃魔法が通用しないのだ。無闇に魔法を連発して
MPを消費してはバカバカしい。魔力の全ては防御と回復に回そう。
パーフェクトな魔法防御に加え、通常攻撃にも抜群の耐性を持っている
「フィリスティン」だったが、久しぶりに剣を、斧を振り回せる
快感に勢いづくサディスティックな俺たちに、そんなことはむしろ
楽しみが増えるというプラス要素にしかならず、「フィリスティン」は
程なく床に屑折れた。

「ほっほっほっ!!
 どうじゃ いまのしけんは なかなか
 むずかしかったじゃろう?
 まほうを みにつけたからといって まほうのちからに
 おぼれては いけない!!
 つかう タイミングが かんじんなのじゃ。
 だい5しけんも まあ ごうかくじゃな。
 つぎのへやへ すすみなさい!!」

試験事態はさほど困難を感じなかったが、確かに声の言うとおり
魔法を使うタイミングが重要だということを思わせる試験だった。
まぁ、そんなことよりいいストレス解消になったよ。
メタメタにしてしまった「フィリスティン」には申し訳ないけど(笑)

242:102
03/12/05 21:13
何だこれは?次の部屋に入った俺たちはロープで天上に吊り上げられた
巨大な石を見上げていた。どうやらまた知恵を働かせなければいけない
試験になりそうだ。

「さあ!! だい6しけんは これじゃ。
 いま たっている ばしょから いっぽでも うごけば
 ずじょうの いしが おちてくるぞ!!
 ほっほっ!!
 おまえたちは たちまち いしの したじきじゃ。
 さて どうするかな?」

おっと!
もっとよく調べようと、一歩踏み出そうとしていた足を
慌てて引っ込める。天上に吊り上げられた石は、部屋全体を
覆い尽くさんばかりの巨大なものだ。「ザックススピード」で
15ポイント程度素早さを上げて、素早くドアに向かい
万が一石の落下より素早くドアにたどり着くことが出来ても
結局は石の下敷きになるだけだろう。

243:102
03/12/05 21:14
俺たちはドアの高さを確保しつつ、支えになりそうな物は無いかと
部屋を見回すが、空っぽで机も椅子も無く、役に立ちそうなものは無い。
まぁ、大体ここから一歩も動けないのではどうしようも無いのだが。
ならば魔法だ。そうだ、これは「マジックカレッジ」の試験なのだ
解決にはやはり魔法が関係してくるに違いないのだ。しばらく思案し
「クリエイトウォール」の魔法で支えを作ろうかとも思ったが
天上から落下してくる巨大な石を支えるには、魔法で作り出せる壁は
あまりにも貧弱だ。・・・だとすればやはりこの石を
破壊するしかない。しかしだ、それには問題がある。もし
炎や稲妻の力で天上にぶら下がる石を破壊することが
出来たとしても、石の真下と言ってもいい場所に立っている
俺たちには間違いなく炸裂による被害を被ることになるということだ。
魔法を時と場所によって使い分けることを教えてきた
今までの試験からはとても想像出来ない、スマートでない
解決方法だ。

う~ん・・・。せめてもっと石を確実に細かく砕く魔法があれば・・・。
!そうだ、あの石を破壊するのではなく、溶かしてしまえばいいのだ。
そう、幾度となく冒険の進行に一役買い、今そのパワーアップを
求めているあの「ソフトンストーン」の魔法で。
呪文を浴びせると石はぐにゃりとその形を歪め、今度は
丸く膨らんだかと思うとパンッと勢い良く弾けとんだ。
まるで砂のように細かく砕かれた石の破片が俺たちの顔に降り注いだ。
やれやれ、これで石に潰されることは無いだろう。
俺たちは喜々としてノシノシ堂々と部屋の真ん中を歩いて
次の部屋に続くドアへと手をかけた。

「よーし!!
 いしをくだけば よいことに よくきづいたな」

244:102
03/12/05 21:15
声はそう告げた。俺たちは何故か声の主がすぐ側で
話しているような気がした。次に待っている試験は
一体どんなものなだろうか?そしてこの試験はいつまで続くのだろう
俺たちの心には不安が広がっていた。
やや沈んだ気持ちでドアをくぐる。その部屋は
作りそのものは変わらないものの、今まで通ってきた部屋よりも
随分と奥行きがあり、机や本棚などの生活用品も見受けられ、
今までとは雰囲気が異なっていた。その部屋の中央に立つ
魔法使い風の年老いた男がこちらを見てニヤニヤ笑っている。
俺たちが口を開く前に、老魔法使いらしき男がしわがれた声で話し始めた。

「さあ!!
 いよいよ さいしゅうの だい7しけんじゃ。
 わしの なは ウトナピティム。
 この マジックカレッジで ずっと せんせいを
 している。
 さいしゅうしけんは わしが ちょくせつ
 あいてを してやろう。
 ほっほっ・・・これまでのようには いかぬぞ。」

そこまで言うと、「ウトナピティム」は魔法で姿を消した。


245:102
03/12/05 21:16
あのしわがれた声、そしてホッホッという笑い声
間違い無い、俺たちに試験を出してここまで導いたのは
この「ウトナピティム」だったのだ。
そしてその「ウトナピティム」を倒すことが最終試験だという。
俺たちはふと最初に「マジックカレッジ」に
足を踏み入れた時に聞いた話を思い出した。
ここは「ナムター」を始めとする四大魔術士の母校でもあるのだ
彼らを指導した「ウトナピティム」を相手に俺たちは一体どこまで
戦えるのだろうか。不安が募る。部屋の奥には相変らず
一つのドアが見える。恐らく「ウトナピティム」と戦わずして
あのドアを開けることは出来ないだろう。戦闘態勢を整えると
俺たちはゆっくりとドアを目指した。

ぐはぁっ!!なんて強力な攻撃なんだ!一撃で100近い
ダメージを受けたぞ?防御の劣るキャラクターは150に近い
HPをあっさりと失っちまったぞ!しかもこちらの攻撃が
全くヒットしない。回復魔法などとても追いつかない状況だ。
既にパーティーの半分が瀕死の状態に追い込まれている。
あまりに一方的で絶望的な戦いだった。
今まで戦ったどんな相手とも、まるで強さの次元が違う。
「ウトナピティム」は俺たちが今まで対峙した中で最大の強敵で
あることは間違いなかった。殺される!力だけには自信があり
強さに溺れていた俺たちは久しぶりに死という存在に直面していた。
このまま戦いを続ければもう数ターンもしないうちに
俺たちは全滅するだろう。・・・俺たちは死にたくないという一心で
決断を下した。逃げる。今の俺たちに残された作戦はそれしかない。
パーティーを全滅の危機から救うにはそれしかないのだ。
俺たちは隙を見て「ウトナピティム」に背を向けると、
残された力を全て足の筋肉に注ぎ、惨めに逃げ出したのだった。

246:102
03/12/05 21:17
「そうじゃ!! よく わかったな。
 どうにもならないときには にげることも
 ひつようじゃ。

ハァハァ・・・
無様な姿で息も絶え絶えに走り続ける俺たちの後ろから
「ウトナピティム」はそう告げた。

「おめでとう!! さいしゅうしけんも ごうかくじゃ
 さあ ごうかくのほうびを とりに つぎのへやへ
 きなさい」

・・・・。
俺たちは朦朧とする意識の中で、最終試験を突破したことを告げられた。
「ウトナピティム」は最初から俺たちを本気で殺すつもりなど無かったのだ。
現状がどんなに辛くても苦しくても、悔しくても惨めでも生き残ること、
生きていることこそが何よりも重要だということを「ウトナピティム」は
この戦いで教えたかったに違いない。
生きていれば次の可能性を試すことが出来る
生き延びて新しい道を見つけることができる。
自暴自棄になりその可能性を捨てることは愚かなことだと
年老いた魔法使いは教えてくれたのだ。

「ウトナピティム」に促され奥の扉を開けて次の部屋へと向かう。
隣を歩く「ウトナピティム」は笑顔だ

「さあ!! きょうから きみたちも マジックカレッジの
 そつぎょうせいじゃ。
 がっこうのなまえをけがさぬよう がんばりなさい。」

まぁ、卒業目的でここに来た訳でもないのだが
苦労しただけあって「ウトナピティム」の祝辞が中々に心に響く。

247:102
03/12/05 21:20
「ここを そつぎょうしていった ラナクター・ザトン
 ミスタルビジョン・ナムターは 4だいまじゅしと
 よばれるほど りっぱに せいちょうした。
 しかし かなしいかな ナムターとミスタルビジョンは
 あくのみちに はずれ きょうりょくしなかった
 ラナクターとザトンを ひどいめにあわせたらしい。」

「ナムター」と「ミスタルビジョン」のことを話す「ウトナピティム」の
表情に一瞬陰りが見えたのを俺たちは見逃さなかった。
昔の話とはいえ、自分の教え子が悪の道に走ってしまったことに
責任を感じているのだろう。それにしても俺たちが驚いたのは
「ナムター」のことを思いやる者が、この「ディルムン大陸」にまだ
存在したということだった。悪逆の限りを尽くして人々を
恐怖で支配し続ける「ナムター」に憎悪や怒りといった負の感情以外を
向ける人間がいたことが、何かとても違和感だった。
恐らく「ウトナピティム」は自分を責め続けてきたことだろう。
老魔術士の心中は俺たちが推し量ることなど出来はしない程
複雑に理性と感情の相克でくたびれているに違いなかった。


248:102
03/12/05 21:20
「ふう・・・まほうは つねに ただしく
 つかわなければ ならないのじゃ。
 それだけは けっして わすれてはならぬぞ。
 この ソウルボールを しんぴのもりにある
 ザトンのはかのまえで つかってみなさい。
 ザトンのれいが ちからになってくれるはずじゃ。

「ソウルボール」だって?こ、これは「ザトン」の魂が宿るアイテムなのか?
「マジックカレッジ」を卒業したことで、すっかり満足してしまっていたが
そうだ、俺たちは「ザトン」の行方を追っていたのだ、その手がかりというか
答えが目の前に差し出されたのだ。恐らく「ザトン」が命を落とした時
それを哀れに思った「ウトナピティム」は「ザトン」の魂を
このアイテムに収め今まで守っていたに違いない。教え子たちの
醜い戦いをこの老魔法使いはどんな気持ちで見ていたのだろうか。
とにかくこれで「ザトン」と話が出来るかもしれない。その時に
「ソフトンストーン」を強化してくれるように頼んでみよう。

「それから ここにあるまきものを もっていきなさい。
 しっかりと がんばるのじゃよ!!」

最後に「ウトナピティム」からいくつかの巻物とアイテムを貰って
俺たちは「マジックカレッジ」を後にした。力だけでは、魔法だけでは
どうにもならないことを身をもって教えられ、精神的に成長した
俺たちが次に向かうのは神秘の森にある「ザトン」の墓だ。

っていうか誰もが思ったことだろうが
爺さん、ナムターちゃんもミスタルちゃんもあんたの教え子なんだし、
そんだけ強いんだったらなんとかしてくださいよ(笑

249:102
03/12/05 21:28
今日の冒険はここまでだ。

最近ドラゴンウォーズの箱説を980円で、もう1つ1980円で
見かけたのだが買わなかった。罪深い俺を許してくれ。
それでは次回にまたお会いしましょう。

250:NAME OVER
03/12/05 22:55
102氏乙カレ~

251:NAME OVER
03/12/06 08:59
しかし上手く話をつなげてるなw

252:NAME OVER
03/12/06 14:08
続きキタ━━ヽ(*゚∀゚)メ (゜∀゚*)ノ━━━!!!

253:NAME OVER
03/12/09 14:31
>爺さん、ナムターちゃんもミスタルちゃんもあんたの教え子なんだし、
>そんだけ強いんだったらなんとかしてくださいよ(笑

これ激しく同意w

254:NAME OVER
03/12/15 01:20
逃げる
といえばミスタルビジョン幻影戦も逃げると勝利になるな。
倒してもどうせ経験値はいらんし、逃げるが勝ちだ。

255:NAME OVER
03/12/15 09:35
FC版なんだけど、出て来る人間出て来る人間
みんなユラユラ揺らめいてるのは仕様ですか?

256:NAME OVER
03/12/15 14:26
蜃気楼です

257:NAME OVER
03/12/16 14:06
全員酔拳の使い手です。
だから街中で襲ってくるシチズン(市民という意味)も
いざ戦うと強いでしょう?

258:NAME OVER
03/12/18 17:06 dXsjFai7
ageだa~geageage(ry

259:NAME OVER
03/12/18 17:53
シチズンは手の動きが凄い

260:NAME OVER
03/12/19 17:26
おお!! 懐かしい!
まさかスレ立っていたとは。
当時TRPGにハマってたからデキの良さに感動してました。

102さんの日記見ていろいろ思い出しましたよ。
ところで秘密警察ストストルーペンが未登場ですけど、
そんなに後で出てきたんだっけ。
ガードドラゴンなんかよか印象が強いんだけどw

>>255
PC版もゆらゆらしていたので、やはり酔拳の使い手かと♪

261:NAME OVER
03/12/24 17:46




262:NAME OVER
03/12/28 02:30 Tu6+Bw62
age

263:NAME OVER
04/01/02 21:22
懐かしいなー。
マップが完成のために歩きまわったよ。
しかしほとんど忘れてるなーと102さんのリプレイ読んで思う…
音楽がけっこう好きだった。

264:NAME OVER
04/01/06 17:28 8xQs7wBe
プロ咎狩
プロが鳥
プロと狩り
プロト ガリ

265:102
04/01/07 15:21
みんなすまん。最近忙しい上にトラブル続きで精神的に
参っちゃってるんだ。だからドラゴンウォーズを遊ぶ時間も
取ってなくて、前回の書き込みからずいぶん時間空いてしまって
申し訳ない。前にも言ったけどちゃんと完結するまでプレイするから
ノンビリ待ってください。

266:NAME OVER
04/01/08 01:26
>>265
お暇な時でいいですよー(・∀・)ノシ

267:NAME OVER
04/01/08 18:07 TvhEweL3
リプレイを まつためにも このスレが
おちないことが だいじだ!!
よって ほしゅ する

268:NAME OVER
04/01/18 21:23
ふりーだむそーど

269:NAME OVER
04/01/19 14:19 7+tuKk6N
かくれる>したいぶくろ
のぼる>かべ

等など、いろいろスキルを駆使した覚えはあるが、
「ぬすむ」が役に立つところってあったっけ?

270:NAME OVER
04/01/19 14:47
あっマッシュルームだ!

ちゃんちゃんちゃららん
とかいう軽快な音楽とともに、まぬけなセリフを吐くナガール

いいね!いいね!うまいね!

コマンド>ぬすむ

271:NAME OVER
04/01/20 23:43
どっかの酒場の主人から魔法書を盗めなかったっけ?
けっこう大量に持ってて、1回でもしくじると二度と盗めなくなるやつ

272:NAME OVER
04/01/21 16:01
102氏に触発されて漏れもリプレイ中



リビールグラマー強すぎwwwwwwwwwww
修正されるねwwwっうぇっうぇwwwwwwwwww


いや、まじでヤヴァイだろこの魔法

273:NAME OVER
04/01/21 18:45
なんかバグ発見した
ハイマジック覚えてないのにアイスチルが撃てる
そのうえ消費量=MPに設定できるから凶悪につえぇ・・・

274:NAME OVER
04/01/22 21:45
キャラメイク時に魔術士タイプえらんでキャンセル
次に自分でふりわけを選んで、ハイマジックにポイント入れずに始めるだっけ?

レベル上限が0なのにレベル設定が1から始まるから
増やせど増やせど上限値に辿り着かないw

このゲームのキャラメイクはキャンセルすると
ポイントはリセットされるんだけど、魔法がアサインされたままなんだよね

275:102
04/01/27 05:51
やぁ、ついにドラゴンウォーズをクリアした102だ。
全てを手放しで褒めるつもりなんてないし、改善するべき点も多数あると思う。
特にシステム関係のレスポンスは悪いところばっかりだ(笑
でもね、それでもドラゴンウォーズは
俺の考えるRPGの本質を見事に満たしたゲームだったよ。
俺の気まぐれで始まったリプレイも、もうすぐ最後だ。
とりあえずテキストにまとめた部分の冒険は書いておこうと思う。

「マジックカレッジ」で「ザトン」の魂が封じ込められているという
「ソウルボール」を手に入れた俺たちは、神秘の森の南にひっそりと佇む
ザトンの墓を訪れていた。ザトンは生前随分と弟子に慕われていたらしい。
慰霊の石版には弟子からの死を悼む言葉が刻まれている。
俺たちは「ソウルボール」石版の上に置きザトンとの交信を試みた。
精神を集中させる・・・
はっ!石版周辺の空気が揺らいだかと思うと、辺りは突然緑色の霧に包まれた。
その瞬間、一切の雑音が遮断され、墓の周辺は特殊な力場に支配される。
石版を取り巻くように漂っていた霧はやがて人の形を取ることで、ザトンの霊が
ここに出現したことを告げた。

「わたしの ねむりを さますのは おまえか・・・。
 ソウルボールを もっているとは
 かなり まほうが つかえるようだな。」

成る程。そういうことだったのか。俺たちはてっきり「ソウルボール」に
「ザトン」の魂が封じられているのだと思ったが、優れた魔力を持つ者は
恐らく死者の念が強く留まっている場所で「ソウルボール」を媒介に
死者との交信が出来るということだったのだ。少なくとも「マジックカレッジ」を
卒業する程度の魔法の心得が必要なのだろう。「マジックカレッジ」の校長
「ウトナピティム」は俺たちが「ソウルボール」を使える程の魔力を
持っているかどうか、それを確かめる為に試験を科したに違いなかった。

276:102
04/01/27 05:53
「ザトン」の霊は「ナムター」の魔法禁止令のおかげで、全ての魔法使いが
迫害に遭ったことを嘆いた。それは四大魔術師である「ザトン」や「ラナクター」も
例外では無かったという。

「ラナクターは ドラゴンジェムという
 ドラゴンを あやつれる ほうせきを もっていた。
 それを ねらう ナムターは
 ゲイズデーモンと ミスタルビジョンに
 ラナクター を あんさつするように めいれいした。」

 さっきをかんじた ラナクターは かれらが
 おそってくるまえに かっていたドラゴンに
 ジェムをのみこませ ランスクのまちに にがした。」

ドラゴンを操る宝石のことは既に助け出した「ラナクター」から
聞いて知っている。やはり「ランスク」の地下で見た老ドラゴンは
「ラナクター」の逃がしたドラゴンだったのだ。それにしても
「ゲイズデーモン」なんて随分久しぶりに聞いた名だ。冒険の序盤、
「モッグの館」で戦ったあの怪物がまさか「ラナクター」を石化させた
張本人だったとは。「ゲイズデーモン」は人間に擬態する能力を持っているようだったし、
恐らく「ラナクター」の親しい人物に成りすまして近づいたのだろう。
俺たちが「ラナクター」を既に助けたこと、「ランスク」で老ドラゴンを見たことを
「ザトン」の霊に告げると、今まで険しかった表情を幾分和らげてこう続けた。

「しかし ラナクターが いしにされたとき
 ジェムを はきださせる アンクを
 ミスタルビジョンに うばわれてしまったのだ。」

277:102
04/01/27 05:55
どうやら老ドラゴンよりもミスタルビジョンに会って、アンクを
取り戻すことが先のようだ。恐らく「ミスタルビジョン」は「ナムター」の
すぐそばにいるはずだ。もうこの世界で隠れる場所は「ニザール山」の
地下しかないはずだから。やはり二ザールの地下洞窟の壁を
何とかしないことにはどうにもならないのだ。

「ナムターとミスタルビジョンがいる ニザールのちかへ
 はいるためには じゃあくなちからで まもられている
 かべを こわさなければ ならない。
 
 しかし ふつうの ソフトンストーンでは
 そのかべは ぜったいに こわれないのだ。

 わたしの さいごのちからを ふりしぼり
 ソフトンストーンを となえるちからを
 より きょうりょくに してあげよう。」

おぉっ!今は霊の存在とはいえ、さすがに元四大魔術師だけのことはある
期待を裏切らない答えだ。俺たちがここを訪れた目的は
まさにそれなのだから。頼みますよ「ザトン」先生!
「ザトン」の霊は精神を集中させているのか、空中に静止したまま
微動だにしない。暫くの後、霊体は大きく膨らんだかと思うと
裂帛の気合と共に一気に練り溜めた魔力を開放した。


278:102
04/01/27 06:00
「ハイヤーーーーーッ!!」

迫力の動作からは想像できないほどに柔らかいオーラが霊体から発せられ
俺たちを優しく包み込んだ。オーラが消えると同時に
体の中で新しい力が弾けるのを感じた。

「これで あのかべを こわすことができる。
 できるだけ はやく ナムターを たおし
 へいわな よのなかに してくれ!!」

そういうと「ザトン」の霊は輪郭を崩し始め、やがて完全に
緑の霧状に戻り形を失ったかと思うと空中に四散した。
近くで木々のざわめきが、遠くで鳥の鳴き声が聞こえる。
「ザトン」の霊はこの場を去り交信が終わったのだ。
石版に目をやると、そこにはいくつかの巻物が落ちていた。
最後の戦いに望む俺達に「ザトン」が残してくれたものだろう。
俺たちは巻物を拾い上げると、早々に神秘の森から
「アンダーワールド」へと向かった。最後の力を使い果たした「ザトン」は
霊体としてもこの世に留まることはもう出来ないだろう。
「ザトン」が魂までもを賭してパワーアップした「ソフトンストーン」、いや
「ソフトンストーンソウル」(勝手に命名)で
「ニザール山」の地下洞窟に最後の戦いの開始を告げる穴を穿つのだ!

279:102
04/01/27 06:06
今日の冒険はここまでだ。冒険の続きは
記憶が新鮮なうちに時間を見つけて文章にまとめたい。
ナムターとの決戦まではもうちょい時間がかかるけど勘弁してほしい。

クリアしてようやく
>>1
の意味が分かりました(笑

280:NAME OVER
04/01/27 10:00
>>102
キター!
ついに大詰めですね。
次辺りのエピソードは個人的に一番盛り上がったところかな~
タイトルに関連してる部分だろうし。

ところで、もしかして本当にSFC版には秘密警察ストストルーペンいないの??

私はPC版だったからなぁ。

281:NAME OVER
04/01/27 13:23
>>280
スタストラッペンとかいうドラキュラみたいな格好で
両手に棒を持ってる奴なら出てくる。でも特にイベントキャラじゃなかった。
ちなみにSFCじゃなくてFC版ねw

282:NAME OVER
04/01/27 13:30
続きキタ━(*^ー゚)=○Д`)=○)・ω・`)=○)´Д`;)=○)´A`)=○ 3`)━!!!!!

283:280
04/01/29 10:01
>>281
あ、たぶんそいつですね。
う~ん、PC版やった時はすごく印象に残ってたんだけどなぁ。
イベントキャラというか、どっかの刑務所(?)みたいな街とかで
山ほど出てきたり、重要な通路を警備していたりして
怖かったイメージが残ってまつ。

つか、FCで出てたのか!! ちょっとびっくり。
そんなに前だったのか、、、。

284:NAME OVER
04/01/29 18:47
>>283
多分フォボスの街だと思う。ミスタルビジョンの部下って
感じですごい沢山出てきたような。

285:NAME OVER
04/01/29 23:46
あー、なんかこわいよね、スタストラッペン。
まあ、このゲームはほとんどの要素が怖いのだが・・・。
スタストラッペンって気力攻撃だけしてきた覚えが。

286:102
04/02/03 06:46
やぁ、ドラゴンウォーズのエンディングは実にエンディングらしい
エンディングで大満足だった102だ。
今日も冒険の続きを書いておこうと思う。

「アンダーワールド」の南、「ナムター」が生まれでたという
地獄の穴の直ぐそばには「ニザール山」の中腹へと繋がる階段が存在している。
俺たちはそこから「ニザール山」へと上り詰めることにした。
「キングズホーム」に戻って「ピルグリムガーブ」を入手し
巡礼者に偽装している暇などもはや無いのだ。
っていうか面倒なのだ。

「ニザール山」では以前に訪れた時と同じ道を辿り、谷の裂け目を
「ゴールデンブーツ」で飛び越え、やがて「ナムターの塔」へとたどり着いた。
塔の中は前に訪れた時と何も変わっていないように見える。
闇と静寂が空間を支配し、徐々に正常な思考が失われていく。
長く留まっていると恐怖に精神が崩壊してしまいそうだ。
前回は無様に塔に仕掛けられた落とし穴にはまってしまったが、今度は慎重に
体勢を整えて落とし穴から地下洞窟へ飛び込んだ。

287:102
04/02/03 06:47
ニザールの地下洞窟に侵入した俺たちは、すぐさま邪悪な力で守られている
「ナムター」の本拠地への入り口とも言うべき石壁へ急いだ。
前回は何も打つ手が無く引き返すしか無かったが、今回は違う。
俺たちにはザトンから受け継いだ「ソフトンストーンソウル」がある。
この魔法で石壁を崩して、洞窟の最深部へと侵入するのだ。
ドルイドマジックの使い手が呪文を完成させると
通常の「ソフトンストーン」ではびくともしなかった石壁が
ぐにゃりと歪み、みるみるうちに柔らかく変化していくのが分かる。
おおっ!!俺たちは思わず歓喜の声を上げた。「ザトン」先生やりましたよ!
貴方が「ソフトンストーン」をパワーアップさせてくれたおかげで、
敵の本拠地へ乗り込むことが出来ます!石壁はやがてドロドロに解けて
地面に染み込んでいった。俺たちは新たに示された道の先に視線を突き立てる。
・・・この先に「ナムター」と「ミスタルビジョン」が待っている。
戦いはより一層の激しさを増すだろう。しかし恐れることは無い。
もし俺たちが倒れても、ここに開いた穴を通って、必ず後に続く者が
出てきてくれると信じているからだ。

288:102
04/02/03 06:48
ニザールの地下洞窟は広大だった。魔法の光も受け付けない真の闇が支配する
ダークゾーンや、方向感覚を狂わせる回転床、突然別の場所に飛ばされてしまう
ワープゾーンなどがあちこちに仕掛けられ、俺たちの行く手を阻む。
洞窟を警備する「ナムターガード」や「インホーサ」を退けつつ、
俺たちは地下洞窟の地図を完成を急いだ。
・・・ニザール山の地下洞窟に侵入してからもうどれくらいの時間が経ったのだろう。
俺たちはひとつの隠し扉を発見していた。隠し扉の周辺の通路には
侵入者を拒むように電撃の罠が仕掛けられている。何やら厳重な警戒だ。
間違いなく何かがある。
俺たちはやや緊張しながら隠し扉の先に設置されていたワープゾーンに飛びこんだ。

あ、熱い、なんという熱だ。まるで燃え盛る炎の中にくべられたような気分だ。
ワープゾーンに送り届けられた先は、今までの無造作な石壁とはうって変わって
人工的に整えられた場所で、開けた場所に柱や祭壇のようなものが均一に設置されており
何かの神殿のような雰囲気だ。何より目を惹くのは天上に浮遊する強烈に明るい
炎の塊だ。まるで太陽のように煌々と輝き弾けながら揺らめいている。
これが熱さの原因に間違いない。一体何の目的でこんなものがあるのだろうか?
そして人工太陽の真下で嘲笑を浮かべこちらの様子を伺っているのは、
裏切り者の魔法使い「ミスタルビジョン」だった。

289:102
04/02/03 06:50
「よく ここまで おいかけてきたな!!
 そのことだけは ほめてやろう。

 だが おまえも ばかなやつだ。
 こんど あったときにも わらうのは
 わたしのほうだと いっただろう?」

「ミスタルビジョン」はそこまで言うと素早い動作で指を動かし印を結ぶ。
俺たちも既に「ミスタルビジョン」に向かって走り出していた。
言葉を交わす必要は無い。お互いに倒さなければならない相手が
目の前にいるだけだった。「ラナクター」の、「ザトン」の仇を
「ウトナピティム」の代わりに俺たちが取らねばならない!
・・・決着はすぐについた。「フォボス」では
あれだけの脅威に感じた存在も、世界を巡り力をつけた俺たちを
再度阻むことは出来なかった。それにしてもやけにあっさりした
勝利だった。「ナムター」の腰巾着とはいえ、34ゴールドと400ポイントの経験値
程度の相手だったのだろうか?「サイクロン」の魔法で退けられなければ、ものの数分で
戦いは決したことだろう。しかし、とりあえず今はこの勝利を喜ぶべきだ。
俺たちは早速「ミスタルビジョン」の死体を漁り、「ランスク」の老ドラゴンから
「ジェム」を吐き出させるための「アンク」を探し始めた。
仰向けに倒れた「ミスタルビジョン」の顔には何かやり遂げたような、
満足げな表情が浮かんでいて不気味だ。
唇の端をゆがめて、ぎこちなく笑みを浮かべているようにも見える。
ゴソゴソ・・・あ、あったぞ。これが「アンク」に違いない。
俺たちは「ミスタルビジョン」のポケットから、手のひらに乗る程度の
十字形の装飾剣を見つけた。柄の部分に宝石が埋め込まれて、宝石の中では
魔法の炎が輝いている。ハッ!「アンク」を手にした途端、不思議な力が
俺たちの体を取り巻き、意識が薄れていく・・・。

290:102
04/02/03 06:53
気が付くと俺たちはニザールの地下洞窟の出口に立っていた。
「ナムターの塔」の落とし穴から降りてきた場所だ。
「アンク」の不思議な力が一刻も早く「ランスク」の地下に行くのだと
俺たちを導いたのだろうか?何にしても好都合だ。
「ミスタルビジョン」を倒し手に入れた「アンク」を持って、
「ランスク」の地下にいる老ドラゴンの元へ急ぐのだ!

「ミスタルビジョン」の意識がこの世界から消えると同時に
人工太陽の炎が一際大きく燃え盛った。灼熱のエネルギー球は
邪悪な生命力に満ち満ちていた。

今日の冒険はここまでだ。
ミスタルビジョンの台詞に合わせて、ナムターが不死身っぽい理由を
こっそり設定してみました(笑

291:NAME OVER
04/02/03 15:31
続きキタ―♪ o(゚∀゚o) (o゚∀゚o) (o゚∀゚)o キタ―♪

292:NAME OVER
04/02/05 11:10
さぁ! 来るぞ来るぞ! 

 ド ラ ゴ ン ウ ォ ー ズ

   がぁ!!

エンディングは確かによかったなぁ。
この日記で再体験させてもらおw

293:NAME OVER
04/02/08 03:52
一旦上げとくか

294:NAME OVER
04/02/11 09:53 VR5PGlIK
ドラゴンウォーズ、ネオファミコンで動きます?

295:買ってきた
04/02/11 14:44
動きました。

296:NAME OVER
04/02/13 21:17
同じく噂のFC版を購入。
結構アレンジされてますな。よい方向に。

297:NAME OVER
04/02/15 17:10
うほっ。

298:NAME OVER
04/02/20 23:55
いいナムター・・・。

299:NAME OVER
04/02/22 05:21
ドラゴンウォーズは処理が重いのが難点
それでもクリアしたけどw
FC以外は何で出てるの?>日本語版ドラゴンウォーズ

300:300
04/02/25 21:53
PC-98

301:NAME OVER
04/02/27 01:12
X68000も。
俺はそっちで解いたが、かなり違うんですな。

302:ピンクの小粒
04/03/02 11:11
PC98版を以前クリアしたんだすが、伝説の剣を取らずにナムターごり押しで倒せてしまったんだが、これって正常すかね?


303:NAME OVER
04/03/02 21:18 2pb2mYt+

M&Mの人か?

304:NAME OVER
04/03/03 13:40
ファミコン版だとフリーダムソード取らないと絶対にクリアできないが、
PC98だとそんなことないのか?
ナムター自体はフリーダムソードあってもなくても倒せるが・・・
厳しいけど。

305:302
04/03/03 14:08
PC98版をやってるときに、FCかSFC版だかのドラゴンウォーズの攻略ページを参考にしながら、
やったんすけど、どうしてもそのフリーダムソードというのがとれなかったんだす。
で、しょうがないのでそのままナムターに突撃しただす。
ナムターの一歩手前の大群はたぶんどうやっても倒せなかった(敵の数が半端じゃない)ので、こちらも援軍(以前に助けた王子の軍隊だったような・・)で蹴散らしたんだす。
ナムター自身はフリーダムソードなくても普通に倒せたっす。
そのあとは例によってゴミ箱にポイっと。

FCかSFCの攻略ページ見ながらやった感想としては、大まかな流れはPC98版と同じながらも、アイテム等細部で異なるという感じだったす。
多分難易度的には大分違うんだと思うんだすが・・・・

306:302
04/03/03 14:11
いや、援軍はドラゴンだったような・・・
記憶があいまいですまんだす・・・

307:NAME OVER
04/03/03 19:20
>>302
なるほど、だからFC版はガードドラゴンがいるんですな。
ってPC98版にもいたらスマソ(英語版にはいない)

308:302
04/03/03 21:16
>>307
PC98版もガードドラゴンてのは出てこなかったと思いまふ。
そもそも、フリーダムソードの本物が存在したのかどうか怪しいと思われまする。
ドワーフの鉱山(?)でもドワーフ助けてもなんもしてくれなかったし・・・


309:NAME OVER
04/03/04 18:30
おいらも98版、ガードドラゴンは記憶にないからやっぱりいなかったのかな。

フリーダムソードは手に入れたような、、、?
取ると雷落ちて死んじまうんでなかったっけ?
あれは偽者だっけ???

ああ、もうボケちった

310:102
04/03/04 18:41
やぁ、ドラゴンウォーズをプレイしてくれる人がいいなぁと思って
激安通販を紹介してみちゃったりする102だ。
URLリンク(kumazou.net)
今日も冒険の続きを書いておこうと思う。

数日後、俺たちは「ランスク」の地下に到着していた。
相変わらずガラの悪いゴロツキはチラホラ目に入るが
街は比較的穏やかで、商店街を行き交う人の流れを眺めていると
「ニザール山」の地下洞窟で極限の緊張の中剣を振るっていたのが
まるで嘘のように思えてくる。俺たちは町のほぼ中央に設置された
「老ドラゴン」の隠れ場所を目指した。

よく見ると「老ドラゴン」の喉元がなにやら丸く膨らんでいる。
さらに調べると、「アンク」と同じ剣型の刻印を発見した。これは
「ラナクター」が「老ドラゴン」に施した刻印に違いない。
俺たちはやや緊張しながら「アンク」と刻印を重ね合わせた。
年老いたドラゴンは悲しい目でこちらを見つめたまま、何も抵抗しようとしない。
完全に「アンク」と刻印が重なる・・・。ドラゴンは突然、グェッ!グエッ!と
重い咳に苦しみ始めた。相当苦しいのだろう。目には涙が滲んでいる。
しばらくすると、ドラゴンの咳は止まり、ムクッと起き上がると
顔をこちらに向けた。ゆっくりと開口すると、あちこち穴の開いた舌が
ダラリとぶら下った。そして舌を器用に丸めると、そこには
青く透き通った水晶が姿を現した。これこそドラゴンを意のままに操るという
「ドラゴンジェム」に間違いないだろう。「ジェム」を吐き出した
「老ドラゴン」の表情は「ジェム」の束縛からの解放感からだろうか、とても
穏やかに見えた。「ジェム」を失った今、「老ドラゴン」は「ナムター」の
軍勢から隠れる必要も無いわけだが、「ナムター」の軍勢からしてみれば
知らぬところなので「老ドラゴン」はまだこの狭い隠れ場所を
抜け出すにはいかないだろう。俺たちが「ナムター」を倒す時まで、
もう少しだけ辛抱してくれ。

311:102
04/03/04 18:42
「ランスク」を後にする俺たちは、どこかの街で聞いた噂話を思い出していた。
「ナムター」は「ヤングドラゴン」という強力なドラゴンを数多く
従えているらしいということだ。この噂を補足する情報として、
港町「フリーポート」では「ヤングドラゴン」を倒すためには
ドラゴンの女王の協力が必要なことを教えてくれたっけ。この情報を信じるなら
恐らく「ヤングドラゴン」に「ドラゴンジェム」は通用しないのだろう。
全てのドラゴン族を支配できるはずの「ドラゴンジェム」が機能しないとなると
「ヤングドラゴン」とは「ナムター」が異界から呼び寄せた魔物の俗称で
純粋なドラゴンの血族ではないのかもしれない。俺たちは一刻も早く
ニザールの地下洞窟に舞い戻りたい気持ちだったが、万が一が許されない状況に
はやる気持ちを押さえ、ドラゴンの女王に謁見を求めることにしたのだった。
向かうは「ドラゴンバリー」。以前に一度だけ足を踏み入れたが、あまりの
敵の強さに・・・いや敵が同時に大量に出現して戦闘が中々終わらないので
閉口して引き返したあそこだ。「ドラゴンバリー」のモンスターも他に漏れず
「ナムター」が「ニザール山」で放った邪悪な魔法によって
パワーアップしているに違いない。十分に力を付けたとはいえ
「ディルムン大陸」最強の怪物達の猛攻に俺たちは耐えられるのだろうか。
もっとも、ドラゴンの女王にさえ会えれば他は戦う必要など無いのだが。

312:102
04/03/04 18:44
・・・相変わらずドラゴンの鳴き声が聞こえてくる。その声は仲間の死を
嘆いているようでもあり、また戦闘意欲を掻き立てているようにも聞こえる。
もし俺たちに低級ドラゴンの言葉を理解することができたなら
その鳴き声の意味も「侵入者を殺せ!同胞の敵を取れ!」とハッキリ
聞こえたことだろう。

「ドラゴンバリー」に到着して既に半日が経過していた。日は傾き、空には
うっすらと星がその輝きを見せ始めていた。辺りには血と残骸、汚物の臭いが
入り混じって漂い、むせ返るような死の臭いが充満している。血は好戦的な
ドラゴン族との戦いで流れた血であり、残骸はその結果、汚物は
幼いドラゴンの巣に運ばれ、食い散らかされた餌と排泄物が重なったものだ。
「ドラゴンバリー」、ここはドラゴン族の聖域である。だがその聖域は
今や地獄と化していた。「ドラゴンバリー」に進入してからは戦いの連続だった。
俺たちは出来るだけこの聖域を荒らさぬよう、「ドラゴンクイーン」を探すことに
努めたが、新たな道を見つけるたびに、そこには必ず「ドラゴンファンガー」の大群が
道を塞ぎ排除する以外に先に進む方法が無かったのだ。一度血が流されてしまえば
臭いにつられて後から後からいきり立ったドラゴン族が俺たちを殺そうと向かってきた。
ドラゴンの聖域で行う戦闘行為が「ドラゴンクイーン」との交渉に影響を与えない
わけがないと、もちろん考えはしたが今更どうにもなりそうもない。
望まない戦いに苦いものを感じつつも、「ドラゴンクイーン」に会い、協力を
取り付けるまでは、引き下がるわけにはいかないと決意を新たにする。

313:102
04/03/04 18:46
もうどれだけのドラゴン族を排除したか覚えていない。道を塞ぐ
「ドラゴンファンガー」だけでも裕に100匹は殺したはずだ。
世界には夜の帳が下り、星の光がそれぞれに主張し合っている。俺たちは
未だに「ドラゴンクイーン」を捜し求め、「ドラゴンバリー」を彷徨っていた。
一歩踏み出す度に足の筋肉が悲鳴を上げる。肉体だけでなく、精神的にも
限界が近づきつつあった。その時だった。
・・・ハッ!
辺りに突然緊張した死の気配が充満したのを感じ取った。強烈な殺気だ!
冒険者の勘が警戒しろと告げている。身を硬くして精神を研ぎ澄ます。
次の瞬間、どこからとも無く突然目の前に巨大なドラゴンが姿を現し、
怒りに満ちた声を上げた。それはぎこちないながらも
俺たち人間にも理解できる言葉だった。

「よくも わたしの かわいい こどもたちを
 ころしたな!!
 ゆるさない!! ぜったいに!!」

目の前の巨大なドラゴンは「ドラゴンクイーン」に間違いなかった。
背中の翼は畳まれているにも関わらず、丘と見紛うほどの巨体は
ビッシリと分厚い緑色の鱗に覆われどんな武器でも傷つけられそうにない。
縦に長く伸びた頭部には巨木から削りだしたように荒々しい7本のコブが
放射状に突き出し、その合間からは、鋭い2本の角が天に向かってそそり立っている。
あの角で突き刺されたらどんなに頑丈な城壁だって
簡単に穴が開いてしまうだろう。手錬の冒険者が数人集まったところで
とても適いそうに無い。しかし、怒りに震えるドラゴンに
邪悪な気配や禍々しさは皆無で、他を超越する存在が発する威圧感は
俺たちに畏敬の念を抱かせた。


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