ストーリーを教えてもらうスレin女向ゲ一般板at GGIRL
ストーリーを教えてもらうスレin女向ゲ一般板 - 暇つぶし2ch187:まとめ
06/05/15 20:22:46
未解決
・ダブルリアクションプラス
・幕末恋華・新選組 近藤
・星の降る刻(特に逆ハ部分)
・マイネリーベのナオジ(1か2か不明)
・マイネリーベ2のカミュ
・アンジェリークエトワールの新キャラ3人
・フルハウスキス2の松川
・ぼくとわたしの恋愛事情(主人公が黒の導師に召喚された理由)
・ラブレボ保険医、と一ノ瀬
・ネオアンジェリークのニクス
予約
・幕末恋華・新選組 近藤以外 >95

解決済み
・金色のコルダ メインストーリー >8
 柚木 >72
・放課後のラブビート >9
・遙か3十六夜記 リズルート(バッドED含む) >171
 景時ルート >175-177
 銀ルート >179-185
 バッドED >16-23
・遙か3運命の迷宮 メインストーリー >163-170
・フルハウスキス メインストーリー(ノーマルルート) >34-36
・フルハウスキス2 メインストーリーと御堂 >75-79
 山本ルート >81
 一宮ルート >84-88
・ときメモGS 理事長 >43-44
・ラブレボ 兄ノーマルルート >47-56
 兄ラブルート >60-64
 華原ルート >92
 神城ルート >111-121
 幼馴染ルート >135
・水の旋律 >141-159
 犬に噛み殺されるバッドED >104-106

家ゲーRPG板のスレで解決済み >3



188:名無しって呼んでいいか?
06/05/17 01:47:19
>>187
まとめ乙!

189:名無しって呼んでいいか?
06/05/20 22:03:59
ラブレボ一ノ瀬です。主人公はデフォの桜川ヒトミで、時期は共通で
ヒトミが2年の4月から3月14日の三年生の卒業式迄。

初対面の印象は冷たく最悪の一ノ瀬。ダイエットを進め6月、夜にお腹
が空いてマンションを出ると一ノ瀬と遭遇。「どうせ腹でも空かせて買
い食いしようとしたんだろ」と自己管理の出来ていないヒトミにキツイ
言葉をかけるがヒトミもこれには素直に自分のだらしなさを認める。口
だけでなくちょあんと成功させたら前言を撤回してやると一ノ瀬。

夏、親友二人との旅行に一ノ瀬を付き添いで誘うと最初は断られるがし
つこく粘ると一ノ瀬の行きたい場所でそこでは自分に従ってくれればOK
との返事を貰う。場所はスイスのツェルマットの一ノ瀬家のシャレー。





190:ラブレボ 一ノ瀬
06/05/20 22:13:51
名前入れ忘れた…すみません

スイスにつくと友人&ヒトミは一ノ瀬家のパーティーのメイドとして働く
事に。働くのは1日だけでチケットの手配や旅費は全て一ノ瀬が持ってく
れたので従う事に。家族の姿はなく一人でパーティーを切り盛りする一ノ
瀬。夜、一人でたたずむ一ノ瀬に声をかけるヒトミ。食事を取ったか等気
にかけるヒトミだがお前には関係ない、俺はお前みたいな無神経な奴が一番
嫌いだ。アイツもそうだった…。と冷たい。すると自分はお節介なんです、
一ノ瀬が心配だ、自己管理出来てないって事だ と返すヒトミ。気まずい
雰囲気になるがヒトミのお腹が鳴って場は収まる。一ノ瀬の話が気になる
ヒトミ

そして10月、マンションに戻ると一人の女の子が。声をかけると一ノ瀬
の住んでいる所を見に来たという。名前は唯。一ノ瀬のファンではなさそ
うで誰なんだろうと思っていると一ノ瀬に声をかけられる。唯の名前を出す
と表情の変わる一ノ瀬。


191:ラブレボ 一ノ瀬
06/05/20 22:29:16
一つ忘れました…9月に一ノ瀬の家に煮物を持っていくと具合が悪いと言う。
寝てれば治るという一ノ瀬。心配して自宅に電話するが一ノ瀬母の対応は冷
たい。なら私が看病すると食事を作るヒトミ。匂いにつられ起きた一ノ瀬だ
がいつもと違いどこか柔らかい。家に電話をしたと知るとあの人にそんな事
を言うなんてバカな事をすると一ノ瀬。帰り際に御礼を言われ本当に一ノ瀬
さん?と思うヒトミ。

11月の文化祭、演劇部の裏方が終わり裏庭に行くと一ノ瀬の姿が。舞台
を見ていたという。頑張ったご褒美とジュースをおごって貰う。すると「呑
気なものね」と唯の姿が。二人で話をするから帰れと言われるが気になるヒ
トミ。追いかけると口論している唯と一ノ瀬。一ノ瀬の冷たい切り返しに帰
る唯。見ていたのがバレるが一ノ瀬の態度を責めると何も知らないのに余計
な口出しをするなと怒鳴られる。「私はお節介なんです」と逆ギレするヒトミ
一ノ瀬も怒鳴って悪かったと謝罪しその場は別れる。

192:ラブレボ 一ノ瀬
06/05/21 12:59:28
そしてクリスマス。一ノ瀬の自宅でパーティーがあるので参加して欲しい
と言われる。一ノ瀬の母親が自分に電話をかけてきたヒトミの顔が見たい
という。一ノ瀬母が用意したドレスにそれだけじゃ首元が寂しいからプレ
ゼントしてやる…と一ノ瀬からネックレスを貰う。一ノ瀬はパーティーの
挨拶をして一人でいるとパーティー来ていた同級生の百合香に声をかけら
れる。一ノ瀬が女性を連れてくるのは初めてだと言う。面白くない百合香
に突き飛ばされテーブルの料理に突進してしまう。すると一ノ瀬母がやっ
てきて、明らかな敵意を持ってでヒトミに侮蔑の言葉を投げつける。パー
ティーに似つかわしくない、蓮もあきれてどこかへ行ってしまったと言わ
れるが「俺はここにいますよ 俺のパートナーに失礼な事を言わないでいた
だきたい」と一ノ瀬が助けてくれる。震えて立てないヒトミを姫抱きし、
これ以上彼女を侮辱するなら俺が黙っていませんよ。貴方は俺の連れてきた
大事なパートナーに恥をかかせたんだ、まずは彼女に謝って下さい」と一ノ瀬。
何時もポーカーフェイスの一ノ瀬が怒っているようでその理由が自分が連れてき
た事に対しての責任からなのかそれとも…。遅れて悪かったと初めて微笑んで
くれる一ノ瀬。もういても意味がないと帰る二人。一ノ瀬が女性を連れるのが初
めてだと言う百合香の言葉を思い出すヒトミ。気の滅入るパーティーにわざわざ
疲れる相手を連れて行かない、お前は口先だけの女と違って根性だけはある、そ
その程度の違いだといつもの調子で言うがヒトミには一ノ瀬がわざとキツい言葉
を探している様に感じる。

193:ラブレボ 一ノ瀬
06/05/21 13:34:41
正月、マンションから出ると神社に行くという一ノ瀬と遭遇、一緒に行く
事に。人混みの中はぐれないよう手を握ってくれる。ヒトミが籤を引くと
なんと大凶で一ノ瀬は大吉。悄気るヒトミに「御神籤くらいでべそべそす
るな」とヒトミと一ノ瀬の御神籤を一緒に結びこれで中和されて吉くらい
になるだろうと言う。

1月中旬、修学旅行でスキーの準備をするヒトミだがウェアのサイズが当然
合わず買いに行く事に。廊下で一ノ瀬と偶然会いスノボを教えてくれる事に。
買い物にも付き合ってくれスノボもスパルタながら面倒見の良い一ノ瀬。
帰宅するとクリスマスに一ノ瀬から貰ったネックレスがない。慌ててウェア
を買った店に行くと無事見つかるがそこで唯と出会う。何故一ノ瀬に辛く当
たるのか尋ねるヒトミ。

一ノ瀬には麟という弟がいたという。唯はその彼女で一ノ瀬は元々養子で
麟は引き取られた後に生まれた正真正銘の一ノ瀬家の子供。当時から冷たか
った一ノ瀬だが麟は本当は優しい兄だと慕っていたという。だがある事件
があり麟は無くなってしまう。それは一ノ瀬のせいだという唯。絶対あの
人を許さない、苦しめばいいと言う唯。一ノ瀬は冷たい人じゃない、自分にも
厳しい人だと反論するヒトミ。すると唯は一ノ瀬を解放出来る"鍵"を持っ
ている、貴方がそこまで言うのなら賭をしないかと言われそれにのるヒトミ。
連絡先を教えてて別れる。

修学旅行中も唯の言葉が気になるヒトミ。旅行も終わり、お土産を渡しに
一ノ瀬の部屋へ。一ノ瀬に話があると切り出すと何か察した一ノ瀬に連れ
られ公園へ。一ノ瀬は隠さず全て語り出す。義弟の麟はヒトミにそっくり
でバカみたいに脳天気に一ノ瀬にくっついていたが一ノ瀬は麟にたいして
冷たく酷い言葉を投げかけた時もあった。理由はなく、ただあの家では一ノ
瀬だけが他人だったという。跡継ぎとして評価をしている義父と麟とでは
全く態度の違う義母だが麟は変わらず接していてそんな顔を見るとイライラ
して子供みたいに意地になり無視していたという。

ツェルマットで麟に話があると呼び出された時も無視をした。放っておけば
戻ってくると思っていたが遅くまで一ノ瀬を待っていた麟は帰る途中に事故
にあいそのまま帰る事はなかった。最初から麟と向き合わなかった自分の責
任だと言う一ノ瀬。お互いのすれ違いでの悲劇に気づけば涙いていたヒト
ミ。こんなすれ違いは悲しい、唯の行っていた"鍵"が鍵なのか比喩的なもの
か解らないけれどそれで一ノ瀬が笑ってくれるならどんな事をしても手に入れ
たいと思う。そして一ノ瀬から翌日息抜きも良いだろうとオペラに誘われる。
喜ぶヒトミの携帯が鳴りそこで一ノ瀬と別れる。相手は唯で明日例の話をす
る事に。

194:ラブレボ 一ノ瀬
06/05/21 13:54:26
唯の言っていた鍵とは麟の日記がしまってある引き出しの鍵だった。これを
よんだらあの人は楽になる、それが嫌で勝手に持ち出したという。そんなの
は唯の勝手だと責めるヒトミだが唯はその鍵川に投げ捨ててしまう。必死
で川に入り鍵を捜すヒトミだがなかなか見つからない。日も暮れてきて手足
の感覚もなくなってくる。すると携帯が鳴り一ノ瀬からオペラの時間なのに
何処にいると連絡が。鍵を捜さないともう見つからない気がして急用が出来
たと断るヒトミ。一ノ瀬は突然相手に迷惑をかける奴と二度と付き合うつも
りは無い、失望したと告げられる。そのまま鍵を探し続け夜になるがまだ見
つからない。すると唯が来てまだ捜していたの?と驚いている。どうしてあ
の人の為にそこまでするのと問われ一ノ瀬の笑顔が見たい、一ノ瀬の笑顔に
はそれだけの価値があると言うヒトミ。鍵を探し続けるヒトミに唯がもう止
めて、鍵は私が持っているから見つかるわけはないと言う。唯が投げ捨てた
のは麟の鍵ではなかった。あなたみたいなお人好しが信じるなら…と鍵をヒ
トミに渡してくれる。その日は一ノ瀬の部屋のドアノブに鍵を引っかけて
帰宅するがヒトミは高熱を出して寝込んでしまう。看病に来た若月に一ノ瀬
が実家に帰っていると聞き上手くいけばいいと願うヒトミ。寝込んでいると
額に冷たい手が触れてくる。香りにも覚えがあったが眠くて目を開けられな
い、この香りは…。

そしてバレンタイン、一ノ瀬が学校に来ているという。一ノ瀬にチョコを
渡してオペラの事を謝るヒトミ。他に言う事があるだろうと鍵を見せる。
唯に連絡して全てを知った一ノ瀬。実家に帰り麟の話をしたという。今回
の事で自分は子供だった、お節介馬鹿だと思っていたヒトミの方が大人な
のかもしれないという。無事にチョコを渡せたが一ノ瀬を捜して昼食を取
っていなかったヒトミはその場にへたりこんでしまう。今から食べればい
いだろう、俺がおごってやる。今日だけは特別に甘やかしてやるという。

195:ラブレボ 一ノ瀬
06/05/21 14:06:34
そして卒業式。待ち合わせをしていた場所に向かうと女生徒に追われる
一ノ瀬が。なんとか逃げ切る二人。ボタン欲しさに追われていたという。
「お前はそんな事言わないよな」との一ノ瀬に「欲しいに決まってるじゃ
ないですか」と返すと「お前の事だからそんな事言いそうだと思った」と
自分のネクタイをヒトミにかける。ネクタイは元々戦地に赴く兵士が恋人
に結んで貰ったのが始まりだ、この場合逆だけどな と一ノ瀬。麟が死ん
でから他人と関わらないようにしてきたがお前が徹底的に壊してくれた。
俺は自己管理の出来ない馬鹿は嫌いだが一度決めた事はやり遂げる間抜け
は嫌いじゃない。最初にあった日に言った事は撤回する。「俺は好きだぜ
お前みたいなお節介馬鹿。おかげでもうちょっとお前と一緒にいたくなっ
た。だから…傍に居ろよ、ずっと。そのネクタイはそういう意味だよ。」

卒業後もずっと傍にいたいと返すヒトミだが恥ずかしくて顔を上げられな
い。こっち向けよとヒトミの首にかけた一ノ瀬のネクタイを引っ張り引き
寄せキス。今日はホワイトデーだろと手渡されたのは指輪。これが似合う
ように自分を磨いておけ、そうしたらいつか俺の秘書として雇ってやる。
俺が言いというまで離さず付けておけと告げる。卒業後もマンションから
大学に通う一ノ瀬。でもそれは以前のように人を寄せ付けない顔でなく、
ヒトミにだけに見せる優しい顔。

196:ラブレボ 一ノ瀬
06/05/21 14:16:45
そして数年後、新米秘書となったヒトミ。昼休みの公園でヒトミの作った
弁当を食べながら。
「ヒトミ、お前いつになったらその"一ノ瀬さん"を卒業するんだ」、上司と
部下だからケジメが必要と返すと二人の時くらい名前で呼べと言うが恥ずか
しくて言えないヒトミ。
「なんではずかしいんだよ。今のうちに言えないとそのうち絶対困るぞ」
と一ノ瀬。何でですかと返すと
「お前の名字が一ノ瀬になったら、俺の事は名前で呼ぶしかなくなるだろ
うが …ほらお前だけのために作らせたんだ」とヒトミの指に指輪をつ
け指にキスをする。恥ずかしくてさん付けで呼ぶヒトミ。
「まあ良いか…そのうちさんも取れるよな。しかし本当にお前って…可愛
い奴だって思ったんだよ」と一ノ瀬。からかわないで下さいと言うがこの
俺が言っているんだ、間違いないだろと返す一ノ瀬。慣れないので一ノ瀬
さんと呼んでしまうヒトミ。
「まったく何時になったらちゃんと呼んでくれるだろうな。まあ、気長に
待っててやるよ。どうせずっと一緒にいるんだからな」

で終わり。ノーマルEDは鍵を捜すのを止めオペラに行き、卒業後はマンシ
ョンを出た一ノ瀬と時々手紙の遣り取りをするという友情っぽいエンディン
グです。

どなたかラストエスコートのカズマ・エンジュを…。

197:名無しって呼んでいいか?
06/05/21 14:45:11
>>189乙!
分かりやすかったよ

でも同じ文の長さで揃えてくれるのは有り難いのだが
改行での文の切り方が不自然で読み辛いので、
今度投下してくれる時は気にしてくれると嬉しい

198:189
06/05/21 16:47:00
読み返したら誤字だらけだ…ごめん。名前ネタが出てくるけれど在学中
のお互いの呼び方は
一ノ瀬→桜川、ヒトミ→一ノ瀬さん です。若月は書ける程覚えてない
な…。

199:フルキス2 依織
06/05/22 23:46:26
クリスマスに恋人同士になった依織とむぎ。むぎの親友・夏実も以前依織を好きだったが
告白し、振られた過去を持つが心から祝福してくれる。
穏やかな日々を過ごしていたが、依織は次第に表面には出さないが、
過去のトラウマから愛する人を失う恐怖に追い詰められていた。
その頃、依織の弟・皇が、歌舞伎の襲名に関して相談のため御堂家を頻繁に
訪れるようになていた。
最初は、歌舞伎ばかりしか頭になく、無愛想で感じの悪かった皇も、
むぎと顔を合わせ話していくうちに仲良くなっていく。
依織はむぎに、悩んでいる皇の支えになってほしいと思いつつも、
嫉妬に駆られ心の余裕がなくなっていく。
その一方で御堂グループの子会社が中泉の陰謀で慌ただしくなっている隙に、
依織をずっと狙っていたゴシップ雑誌に、たまたまクリスマス前に一緒に歩いていた
依織と夏実のでっちあげのゴシップ記事と依織の女性遍歴を書いた捏造記事が
載ってしまう。学園の子に悪く言われる夏実の力になってほしいと依織に頼み、
依織も承知する。

200:フルキス2 依織
06/05/22 23:50:56
一方で皇が車に狙われ事故にあいかける事件がおきる。
不審な点が多いため一哉はこの事故と中泉との関連も調べる。
夏実の相談に乗るため帰りが遅くなる日も増えた依織。ある日一哉からむぎ宛てに
皇の事故はやはり中泉が関わっていたため、中泉の息がかかっている皇のスポンサー
を早く切るよう伝えたいが、皇にも依織にも連絡がとれないため、
むぎに皇の家に行って欲しいと頼まれる。それを聞いたむぎは急いで皇の家へ向かおうとし、
丁度家を出ようとしたところに帰ってきた依織は、むぎが皇の所に行くというのを
聞いて、ついに隠していた嫉妬心が決壊。皇にむぎを奪われてしまうのではないかと
焦っていた依織は、それならばいっそ、全てを自分のものにしてしまいたいと、
むぎを押し倒す。
だがそんな依織に脅えたむぎは依織を突き飛ばし、依織自身も自分がしようとした事と
むぎを傷つけたことにショックをうける。
動揺をおさえられないまま、皇の元に行ったむぎ。皇はむぎの様子がおかしいため、
話をきき、依織に会いたくないなら泊まって行くかと言われむぎも泊まる事にする
翌日、皇はむぎに家に戻るよう説得。そして、自分もむぎが好きだと告白するが、
それと同時に自分が過去にしてしまった依織に対する罪を告白し、
依織を支えてほしいとも告げる

201:フルキス2 依織
06/05/22 23:56:11
二人の過去というのは、兄弟共に名門の歌舞伎一家の息子として歌舞伎に励んでいた
が、どんなに努力してもいつも兄ばかり称賛をうけ、越えられない壁に
段々兄を憎みはじめた皇は、あるとき兄が中学時代の担任・雪音と付き合っている
事を知る。依織は、襲名公演でありとても大切な公演の当日、皇から依織と雪音の事
をきいた雪音の夫の罠にはまり、公演にでることができなかった。
また、その時に雪音に夫がいることも知らなかったうえに、雪音からも突き離され、
傷心のまま公演会場に向かった依織。だがそこには依織の代わりに舞台に立って
称賛を浴びている皇の姿があった。父は依織に激怒し、勘当され、依織は最愛の人や
大好きな歌舞伎や家族、全てを失い、アメリカに渡った。
その後、依織の代わりに注目される皇だが、その度に自分は兄を越えられないと
気づき、依織にまた歌舞伎に戻ってほしいと心から思うようになっていた
自分がしたことが原因でもう人を好きになれなくてもおかしくない兄が
むぎに会って救われたのだと言う皇。むぎは依織ときちんと話すことにした。
だが、依織は昨夜むぎを傷つけた自分を責め、これ以上一緒にいても
もっとむぎを傷つけてしまうからと別れ話を切り出してくる。
だがむぎはそんな依織を、逃げないでと叱咤し、自分の想いを告げやり直すことになる

202:フルキス2 依織
06/05/23 00:10:49
その後は、むぎは夏実から、依織に相談に乗ってもらっているうちに
また昔の恋心が再燃してしまいむぎを裏切って依織に告白しようとしていた、
と詫びられて、腹を割って話す事で友情を深めたり、まだ微妙にぎこちない
むぎと依織のために夏実と他のラプリがパーティをしてくれたりと楽しく過ごす
その数日後セカンドからも諦めきれなかったと告白もうけつつ(ちなみにこれを
オッケーすると告白した本人からも「え、本当に?」みたいにすごく驚かれるw)
波乱はありながらも共に歩んでいき絆を深める二人。
そんな日々の中でむぎは皇と同じように、依織がまだ歌舞伎を好きだし
戻るべきだと思う。そして皇のはからいで2月14日、依織が改めて父と話し合う
機会が出来る。依織もむぎや皇と話すうち、自分も逃げずに向かい合う決意をする。
そして当日、父に会う前にむぎと電話をしていた依織。
だがむぎがその途中でチャペルに入る理事長とSGの西浦の不審な姿をみかける。
自分がそちらに行くまで待っているようにと依織は告げむぎも了解するが、
依織はむぎが無茶をしないか心配で父に会わず学園にかけつける。
そして案の定チャペルに突入し危険な目にあっていたむぎを助ける。
夜、二人でデートをして、この日は父に会えなかったが、父に会う機会は
これからいくらでもあるが、むぎだけは失えないと、
歌舞伎に戻る決意とむぎへの愛を語る。そんな時、皇から電話がきて、
父がまだ依織を待っていると知らされ、依織は父に会いにいった。
どうなったかは教えてもらえなかったが嬉しそうな依織を見て、
上手くいったのだろうとむぎも喜ぶ。
中泉の事件も無事に解決し、むぎは依織にずっと一緒にいると誓う。
そして卒業プロム後、急な雨に客室に避難した二人。
依織は、卒業後は時間はかかるだろうが歌舞伎に戻ると伝え、喜ぶむぎ。
そして依織は演技の勉強のためにフランスに行くがむぎにもついて来てほしいと言い
、むぎもOKした


って感じ。ちなみに押し倒された後、皇のところに行かなければ、その後むぎの
様子がおかしい事に気づいたセカンドが、それぞれのやり方で依織に怒りをぶつけて
くれたり、しつこい別れてくれ攻撃をOKすると強制的にセカンドとの恋愛√になる


203:名無しって呼んでいいか?
06/05/23 00:29:40
>>199
乙!

フルキスは微エロと昼ドラ展開とノリのよさが売りだと
知人に薦められてたんだが、見てて面白そうだからやってみたくなったよ

204:名無しって呼んでいいか?
06/05/23 13:49:23
>>202
サンクス!
確かにちょっと昼メロw
本命とのルートも面白そうだが、
セカンドからの告白というのがまた楽しそうだな

205:名無しって呼んでいいか?
06/05/26 15:07:40
十六夜記の譲ルートを教えて下さい。
絶叫していると聞いたのですが。3無印はプレイ済みです。

206:名無しって呼んでいいか?
06/06/02 13:41:37
どなたかラスエスのチヒロEDをお願いします

207:ラスエスカズマ ◆l1l6Ur354A
06/06/04 03:16:17
ラスエスカズマ行ってみます。

主人公明里は高校卒業後進学も就職もせず家にいる、目的も自信もない20才。
父はいくつも会社を経営する社長だが、その一つのホストクラブは経営危機にある。
見合い写真をゴミ箱に捨ててバイトでもしなさいと叱責された明里は、
バイト探しに出た街で、美人を連れた高校の時の同級生を見かける。
成績優秀、優しく面倒見がよく委員長と呼ばれていた樫宮。
今は大学生のはずだが、2年前とは雰囲気が変わっていた。
数日後再び見かけた樫宮が入って行ったのは、父がオーナーのホストクラブ『ゴージャス』だった。

樫宮(以降、源氏名のカズマで表記)にお子様の来る場所じゃないとあしらわれ
反発した明里は、客としてゴージャスに足を踏み入れる。
優しく丁寧な接客モードとは裏腹に、店の外で会うと「カズマのことは誰にも言うなよ」と
脅迫めいた態度を取っていたカズマだが、ゴージャスに通ううちに二人の距離は少しずつ近づいていく。

208:ラスエスカズマ ◆l1l6Ur354A
06/06/04 03:17:30
7月。カズマにスーツを見立ててプレゼント。
8月から長期休暇に入るため会えなくなるのを少しさみしがる明里を、
カズマは1日だけならと海に誘うが、当日4時間たっても待ち合わせ場所にカズマは現れない。
夕方になって駆けつけたカズマは遅刻を謝り、二人は海で初めてのキスをする。

キスした後も変わらないカズマの態度に落ち込む明里。
カズマはホストとしてそうした、擬似恋愛で楽しませるのが仕事だと突き放すが、
9月になり「この前は言い過ぎた」とプラチナのブレスレットをプレゼントする。
でもカズマの言う通りだからという明里に、理屈と感情は違うと答えるカズマ。

10月。明里はカズマを永久指名(他のホストを指名できなくなるシステム)。
明里の協力もあってカズマはその月の売上NO.1を取る。

トップのお祝いに初めてスカートをはいてきた明里を、
他のホストたちはかわいいとほめてくれるが、カズマは無反応。
アフターのカラオケの途中、眠ってしまった明里にカズマは
「嬉しかったんだよ。俺を永久指名してくれたことも、
スカートはいてきてくれたことも。聞いてないから言えるんだけどな」
と素直な心情を吐露する。

209:ラスエスカズマ ◆l1l6Ur354A
06/06/04 03:18:30
12月。明里は街中でカズマと他の女性客のキスシーンを目撃。
「自分と同じ立場の人なんて何人もいるのに」
止まらない涙に、ホストのカズマではなく樫宮が好きだと自覚する。
店で会ってもぎこちなくなり、そんな明里をカズマは心配する。

クリスマス。気持ちを抑えきれなくなった明里はカズマに告白。
カズマもずっと悩んでいたことを伝え、
ホストのカズマではなく樫宮祐一朗としておまえが好きだと応える。
嬉しくて思わず泣いてしまう明里を、カズマはホテルへ誘い一夜を過ごす。

1月。カズマは目標額が貯まったからトップにこだわる必要がなくなったと話し、
二人はペアリングをそろえる。
ホストを辞める3月が過ぎたら「普通の恋人同士みたいになれるのよね?」と言う明里に、
カズマは曖昧にうなづくと人目も構わず強く抱き締めた。
突然ホテルに呼び出されて一日中一緒に過ごしたりと幸せな日々が続く。

今度はどこかへ出掛けようという話になり「車の免許は持ってない」と言うカズマ。
だが街中で落としたカズマの財布からのぞいたものは運転免許証だった。

210:ラスエスカズマ ◆l1l6Ur354A
06/06/04 03:19:23
悩んだ末に免許についてたずねた明里に、カズマは隠してきた真実を告げる。
免許を取ったばかりの頃に起こした事故で車のハンドルを握れないこと、
その事故で助手席に乗っていた幼なじみ=遥香は今も意識不明で入院していて、
目覚めてもどんな障害が残るかわからないこと。
ホストをしているのはその治療費を稼ぐためで、
夏に明里との約束に遅れたのも遥香の容態が突然悪化したためだった。
「俺には責任がある。一生を遥香と共に過ごすつもりだ」とカズマ、
「遥香さんは女性で、彼女と結婚するつもりなのね」と泣く明里。
明里の親友で以前からカズマを知る薫は、カズマは本気だったとなぐさめる。

3月。久しぶりにゴージャスに顔を出した明里を、カズマはアフターでホテルへ誘う。
カズマには眠ったままの婚約者がいるのに、これでいいのかと悩みながらも別れられない明里。
「おまえだけを愛していたい、おまえだけを見ていたいんだ」と抱き締めるカズマ。
責任と本気の恋に葛藤するカズマは、病床の遥香に「どうすればいいのか教えてくれ」と
呼びかけるが返事はない。

211:ラスエスカズマ ◆l1l6Ur354A
06/06/04 03:20:57
最後の日。ゴージャスに行った明里はカズマが電話1本で店を辞めたことを知らされる。
直接話を聞きたいとカズマを探して病院へ行くが、
眠る遥香を見守るカズマの姿に「私の居場所なんかない」と声をかけずに立ち去る。
その直後、目覚める遥香。
数日後話ができるまでに回復した遥香はカズマに感謝を述べるとともに、
責任を取って結婚なんて困る、たとえ結婚したとしても不幸な人が3人できるだけだと告げる。
礼を言いカズマは明里のもとへ向かうが、電話は繋がらず、
家に行っても事情を悟った家族によって明里に会わせてもらえない。指輪だけがその手に残った。

それから5年後。父の会社で受付嬢として働く明里の前に、営業マンが取り次ぎを願い出る。
今は会社員として働くカズマだった。あの指輪をしていることに驚いてたずねる明里に、
遥香は今は普通に日常生活を送っていること、恋人ができたとのろけられたことを話す。
明里の指にも同じ指輪があった。
「もう一度、最初からやり直させてくれないか?」二人の時間が再び動き出す。

ノーマルEDだと5年後はなし。
3月のホテルなどのイベントがないぶん、カズマのヘタレ度が少し下がります。
バッドEDでは遥香は目覚めず、明里は指輪を海に投げ捨てて終わり。
グッドEDのために貢ぐ金額は少なくても2000~2500万円くらい。

212:名無しって呼んでいいか?
06/06/04 17:08:23
>207モツカレ!すごく読みやすくて楽しめたよ。
ラスエス、ただ単に目当てのホストを№1にするゲームじゃないんだな。

213:名無しって呼んでいいか?
06/06/07 17:10:20
婚約者について聞きたいんだけど
そういう表記なのは、目が覚めたらカズマが責任とって結婚するつもりだからってこと?
それとも事故る前から結婚の約束していた、正式な婚約者?

214:名無しって呼んでいいか?
06/06/08 19:04:02
>>213
前者

215:転生八犬士封魔録 ◆l1l6Ur354A
06/06/14 03:31:18
すぐでなく、期間を置いてからでも良いので、
八犬士のメインストーリーを教えて頂けませんか?
何か攻略スレざざっと読んだ限りでは、
(以下改行後ネタバレ)










主人公が親友の身代わりのための取替え子状態で
だから八犬士も実は親友付きの存在で
ぶっちゃけ主人公は部外者で後半イラネ扱いみたいな流れが
読み取れるんですが…(((((゚Д゚;)))))

………実は買ってあるんですが、そんなん見たらもう
プレイする気になれなくなったのでおながいします…orz

216:名無しって呼んでいいか?
06/06/14 16:45:12
>>215
じゃあ私が予約しておく
章タイトルは書いた方がいい?

217:名無しって呼んでいいか?
06/06/14 22:30:12
>>216
どうも有難うございます、おまかせします。
萌えが無い訳ではないであろうので、
主人公が最終的に恋愛以外の部分できちんと救いがあったり
報われたりの流れがあれば自分でも頑張ってプレイしようと思っていますので
よろしくお願いします。

218:名無しって呼んでいいか?
06/06/15 20:05:43
ドラゴンペナンスをお願いします
全員攻略すると真相ルートが開くそうですが、どういう内容なんでしょうか

219:転生八犬士封魔録 ◆l1l6Ur354A
06/06/21 19:17:18
~プロローグ~

「この姫には、呪いがかかっておる。」

無表情の幼い姫に重い口調で語る老人。
彼が姫にあるもの見せると、生まれてから一度も表情を変えたことのなかった姫が笑った。

「姫よ、おぬしの身に刻まれた呪いは途方もなく強い。
しかし、その八つの石はおぬしを永劫に守ってくれるじゃろう。
そしていつか……遠い先、呪いというくびきからおぬしを解き放ってくれるかもしれん。
大切に、するんじゃぞ。」


~1章 転生、八犬士~

高校の入学式当日、鏡に向かって制服姿をチェックしてる少女がいた。
彼女の名前は桐沢結奈。
2年前に両親をなくし、現在はペットの飼い犬“ナポリタン”と二人暮し。

そこへ近所に住んでおり、昔から家族ぐるみで交際している親友の八尋香澄がやってくる。
香澄はやっぱり私の家で一緒に暮らさないかと提案するが
いくら両親が友達同士でも、そこまではお世話になるのは悪いと結奈は断る。

「私にはナポリタンもいるし、亡くなった両親、おばあちゃん。
それからおばあちゃんが残してくれた代々伝わるペンダントもあるから。
これをおばあちゃんだと思って大切にしている。だから、ひとりじゃないんだよ。」

新たな学園生活の舞台となる高校の話題で盛り上がりながら
高校に着いた結奈と香澄。しかし校門の前に辿り着くと、突如空が犬が降ってくる。
いきなり大勢の野犬に取り囲まれるあせる二人。しかもなぜか野犬は
逃げる他の生徒たちには目もくれず、結奈たちだけを狙ってくるのだった。

剣道の心得がある結奈は、カバンで応戦してみるが
香澄を守りながら竹刀もない状態で戦うには限界がある。
そのとき、祖母から受け継いだペンダントが光り、なぜか野犬が怯む。
一瞬の隙を突いて急いで逃げるものの、しつこく二人を追いかけ続ける野犬たち。

光らなくなったペンダントへの期待を捨て
どこかに武器になるものはないかと結奈が考えたときだった。

「勇ましい姫君だな。貴方がそんなことをする必要はない。」

220:転生八犬士封魔録 ◆l1l6Ur354A
06/06/21 19:18:23
学園の生徒会長である飼葉万珠が現れ、簡単な自己紹介を済ませると
野犬はただの凶暴な犬ではなく、“業羅”という異常な力で生み出されたもので
普通の人間では倒せない存在であると解説。そして上着を脱いで上半身裸になった。

いきなり半裸になった生徒会長に慌てる少女たちをよそに
あくまで冷静に飼葉は結奈に告げる。

「僕の身体のどこかへ痣があるだろう? 君には見えるはずだ!」

飼葉の言う通り、結奈が彼の身体を見ると確かに右脇腹に痣をあった。
するとなぜか飼葉は喜び、
「やはり君で間違いない。八犬伝の物語は本当にあったのか。」と一人で納得し
その痣に触ってくれとまで言い出す。

知らない男の人の肌になんて触れないと嫌がる結奈に対し
このままでは君も君の友達も犬に襲われてしまう、それでもいいのかと痛いところを付く飼葉。
触れれば香澄のことも助けてくれると了承され、恥ずかしながら触ってみることに。

痣に触れると、視界が揺らめき不思議な感覚に襲われる。

(……不思議な形の痣、なにかの花みたい。
 ……なんだろう、この感触。ずっと昔に、どこかで……)

結奈に触れられたことにより、力を解放した飼葉は野犬を倒すことに成功。
入学式の後に生徒会室で詳しい説明をしてくれる約束をし、飼葉とは一旦別れる。

説明を聞くために生徒会室にやってきた結奈と香澄。
飼葉は君たちは南総里見八犬伝という物語を知っているか?と質問する。

飼葉によると、江戸時代に滝沢馬琴によって書かれた小説の南総里見八犬伝とは別に
この地にはひとつの八犬伝の伝説があると言うのだ。

「伏姫が八房の妻となった後、八房が玉梓の転生であると気づいた伏姫は、
里見家への恨みに満ちた八房を何とか救いたいと考え、彼を慈み愛情を注いだ。
また、八房も真摯な伏姫の愛に心を開き、次第に恨みを忘れていった。
ところが、伏姫たちが暮らす山の近くに住む、八房に恐怖心を抱く村人たちが
村を訪れた尼の言葉に扇動され、八房を殺そうと行動を起こした結果、八房を庇った伏姫を殺してしまう。
愛する妻を失った八房は怒り狂い、伏姫によって静まりかけた恨みが
里見家だけでなく、人間すべてに対するものに変わり、周りのすべてを攻撃し始めた。

そこで立ち上がったのが伏姫の幼馴染で
八房に嫁いだ伏姫の無事を祈るため、若くして出家した灯如尼という女性だ。
彼女は伏姫の形見であり、姫の魂が宿る首飾りを使って八房を封印。
その際、首飾りから八つの光りが日本の各地に飛び散り、八人の人間がこの光りを受けた。
その八人は首飾りに宿る伏姫の魂が選んだ、封印を守るための存在、すなわち八犬士なんだよ。」

飼葉の語ったもうひとつの伝説。だが、それも架空の話のはず。今の状況と何の関係があるというんだろう…。
結奈に疑問に、飼葉は幼い頃から見ていた夢について語り始める。

221:転生八犬士封魔録 ◆l1l6Ur354A
06/06/21 19:20:50
ひとりの姫が犬を庇って殺され、ひとりの女性が光り輝く首飾りを掲げて
何かを封印する光景と、迫ってきた光が自分の腰を強く打った後
そこに牡丹の形をした痣と「信」という文字が浮かぶ夢。

幾度なく見続けた夢の影響で八犬伝について調べるうちに、この地にあった八犬伝は
過去に実際に起きたことで、南総里見八犬伝はその伝承を元に作られた話ではないか、
そして自分は八犬士の生まれ変わりなのではないかと考えるようになったと話す。
それでも確信があったわけではなかった。結奈に出会うまでは…。

香澄から
「あなたが痣に触れるまでは、先輩に痣は見当たらなかった。けどあなたが触ったら途端、急に浮かんできたの。」
と告げられた結奈は、どうして自分だけが痣をハッキリ確認できたのか…私は一体何なのかと戸惑う。

伝承では伏姫の首飾りは灯如尼の手から里見家に戻され、大切に祭られたらしい。
夢で首飾りを見ていた飼葉は、結奈が持っているペンダントがそれと全く同じものであり
結奈にしか痣が見えなかった事実を挙げる。
結奈は里見家の遠い子孫で伏姫の生まれ変わり、だから狙われたのだろう。

「そして、八犬士として君を守るのが僕の使命なんだ。」

仮に私が伏姫、先輩が八犬士の生まれ変わりだったとしても
なぜ私が狙われて、先輩の使命が伏姫を守ることなのか分からない結奈に
飼葉は再び説明を始める。

この地のどこかに封印された八房だが、その封印は完全なものではなく
解けてしまう可能性も十分にある。
近頃、業羅(恨みや憎しみによって作られた化け物)と思われる野犬が出没始め
行方不明者や幽霊の目撃談が急増し、妙な占いと呪いが流行り出したのは
八房の封印が解けかかっているせいかもしれない。
八房が復活すれば、人間すべてに向けられた憎しみで世界を滅ぼそうとするだろう。
だが、万が一八房の封印が解かれてしまっても
八犬士と伏姫が揃えば、再封印することも可能である。

しかしこの事実は熱心に調べれば、簡単ににわかってしまうことであるため
伝承を知った誰かが八房の復活を企み、再封印されないために
封印の要となる伏姫を消してしまおうとしていても不思議ではない。
もう一度封印を行うためには、伏姫の転生である結奈を失うわけにはいかない。
だから、八犬士の使命は、伏姫を守ることでもある。

222:転生八犬士封魔録 ◆l1l6Ur354A
06/06/21 19:27:12
「八房の復活を望む者がいて、君を狙っている。もう始まってしまった。
君を守り、そして一刻も早く八犬士を集めることが、事態を収める一番いい方法なんだよ。」

「先輩、結奈の気持ちも考えてください。協力しろとか守るとか
今日初めて会った人に言われたって信じられません」

香澄の反論と、結奈の少し考えさせて欲しいという言葉を聞きいた飼葉は
「確かに急にこんなことを言われても困るのは当然だと同意した飼葉は
 返事はそれほど急がなくてもいい、考えがまとまったらいつでも来てくれ」と告げた。

家に帰った後、今日の出来事について結奈は考えていた。
そこへ香澄から電話がかかってくる。
八犬伝について、家族の話、そして励まし…。
香澄との会話は、結奈にある決断を下させた。

(私のこと、必要とする人がいて、支えてくれる友達もいる。
 生まれ変わりとか、前世とか、関係ない。困っている人を助ける、それでいいじゃない。
 明日、飼葉先輩のところに行こう。)

次の日の放課後、協力を承諾をしに来た結奈に飼葉は礼を言う。

「ありがとう。でも、危険は承知の上なのかい?」

「もちろんです。けど、なにかわからないで狙われるのもすっきりしないし
 私にできることがあるのなら、お手伝いします」

「君は強い子だな。正直、お姫様の生まれ変わりだから
 もっと気の弱い子を想像してたんだけど、いい意味で想像を裏切られた。
 これからなにが起こるか分からないし、命の危険もあると思う。
 僕は、八犬士のひとりとして、この身をかけて君を守るよ。」

結奈が大変な目にあってるのに知らん顔できない、私も協力しますと言い張る香澄を交えて
今後の行動について話し合うことにする三人。
敵の正体も出方も分からない今、とりあえずは八犬士集めに専念するに決まる。

飼葉が言うには、最近学園で起こる事件は、業羅によって引き起こされることはほぼ間違いなく
結奈を狙っている何者かが業羅を利用していることを考えれば
事件の原因を調べていけば、誰かに行き着くに違いない。
そして、八犬士も自然と事件に関わってくるんではないだろうか…

すると、そこへまたも突然業羅が現れ、三人を襲う。

「ここでも業羅か…。
 ひょっとしたら相手は、僕たちよりも事態をよく知っているのかもしれないな。」

業羅を倒すが、部屋はガラスが割れめちゃくちゃになってしまう。
入学式に続いて事件に巻き込まれたら、言い逃れができずに面倒なことになるため
話の続きは明日にして、結奈たちはその場を後にする。


その夜、屋上には謎の人物が立っていた。

「あれが伏姫と、八犬士のひとり。ようやく八犬士を集める気になってくれたか。
 道化たちはすでに放たれた。あとは、踊りだすのを待つだけ……。」

223:転生八犬士封魔録 ◆l1l6Ur354A
06/06/21 19:29:49
今日はここまで。続きます

224:名無しって呼んでいいか?
06/06/21 19:35:37
×「確かに急にこんなことを言われても困るのは当然だと同意した飼葉は
○「確かに急にこんなことを言われても困るのは当然だ。

ゴメン。消すの忘れた



225:名無しって呼んでいいか?
06/06/23 02:02:51
遥かキャラ個別お願いします、あちらのスレでもいいと思ったのですが・・・

226:217
06/06/23 02:53:40
>>223
思わず引き込まれる丁寧な語り有難うございます。
…何か、今の時点ではむしろすごい好みな話なのが切ない(;´Д`)
続きはマターリお待ちしています。

227:名無しって呼んでいいか?
06/06/23 08:58:17
>>225
1~3あるけど、どれ?

228:名無しって呼んでいいか?
06/06/23 11:03:16
もし負担でないのでしたら、せっかくなので全員読みたいです>遥か

229:名無しって呼んでいいか?
06/06/23 11:09:19
2なら出来るが、諸事情ですぐには投下できそうもない。
遅くなってもいいというなら予約しておくが

230:名無しって呼んでいいか?
06/06/23 12:23:56
キャラ個別って星の姫や黒龍の神子含めて?

231:転生八犬士封魔録 ◆l1l6Ur354A
06/06/23 19:05:55
二章 八犬士を探せ

結奈と香澄が登校すると、騒いでる生徒たちの姿が目に入る。
その原因は高校生徒会主催の中高合同の水泳大会を知らせたポスターにあるらしい。
話しかけたきたクラスメイトは、季節外れの大掛かりな水泳大会を不思議がる。

奇妙な事件を追うと話し合ったばかりだというのに、飼葉先輩は一体何を考えてるの?
結奈から問い詰められた飼葉は、水泳大会の目的は八犬士集めだと答える。

「八犬士の証は君にしか見えない。つまり、君が裸を見て痣を確認するのが唯一の方法なんだ。
 だからって、事件に関わる人間を手当たりしだいに脱がせるわけにもいかないだろう?
 水泳大会なら、全員が水着になるから労することなく、この学校のほとんどの生徒の身体を確認できる。
 これで少なくとも学校内に犬士がいた場合には、対応できるんだ。」

要するに「周りの水着姿をチェックしろ」、そういうことだった。

最初は拒絶する結奈だが、他にいい方法も思いつかないため、渋々承諾する。
そして痣を確認しやすくするため、結奈、それから香澄も
大会運営側に回るということになる。

水泳大会で痣をチェックしなければならないことでどんよりしながら、香澄と帰る途中、
朝知り合ったばかりの上級生、江積と遭遇する二人。
二人がこの街に引っ越してきたばかりだと知った江積は、世話好きの性格からか
案内を申し出るが、ふと香澄を見ると彼女の表情は暗い。

「結奈……。あっち、見て。」

香澄が示した方向にいたのは、野犬の姿をした業羅がいた。
しかも、必死で飼葉のところまで逃げよう二人を、なぜか江積までも追いかけくる。

「なんで先輩までついてくるんですか!?」

「バカ、ほっとけるか! 大体こいつら、なんでお前らを追っかけてんだよ!」

業羅はいきなり違う方向から襲ってくるが、江積が庇ってくれてたおかげで
結奈は難を逃れる。けれど江積は業羅に噛み付かれて制服が破れてしまう。

だが破れた制服から露出した江積の肌を見た結奈は驚く。
江積の脇腹には牡丹の形をした痣が浮かんでいた。

「江積先輩が……八犬士?」

説明してる暇がない結奈は簡単に謝ると、江積の肌を触り彼を覚醒させる。
事情がわからないままの江積と共に業羅を倒し、ホッと息をつくと、タイミングよく飼葉が現れる。
嫌な予感がしたので先に帰った結奈たちを追いかけてみると、江積を覚醒した所を見つけた。
すぐに現れなかったのは、江積の力がどれくらいなのか様子見したのだという。
そして飼葉は手短に八房と八犬士のことを江積に説明するが、あまり反応は良くない。
江積は少し黙った後、結奈に問いかける。

「なあ、お前は、自分が伏姫だって言われてどうだったんだ?」

「……最初は、困りました。けれど、私のことを必要とする人がいて、その人の手助けになりたいから。
 今は生まれ変わりとか前世とか関係なく、困っている人を助けるつもりで……います。」

結奈の飾らない答えを気に入った江積は、困ってる人を助けるってのは俺だって同じ、
だから俺がお前を助けてやると承諾する。

「桐沢は俺が守ってやる。文句は言わせねーからな。」

「は、はいっ! ありがとうございます!」

232:転生八犬士封魔録 ◆l1l6Ur354A
06/06/23 19:06:45
後日、水泳大会運営の手伝いのために生徒会室を結奈と香澄が訪れると、飼葉の他に
風紀委員長で飼葉の幼馴染でもある矢尾がいた。彼は開催された水泳大会についての小言を始めるが
他の生徒たちが来たため、その場から立ち去る。

その場に集まったのは、運営を担当することができない水泳部のかわりに
協力を申し出てくれた弓道部の代表者である高等部3年の坂下と
同じく剣道部の代表として来た中等部2年の袴田、救護係を務める校医の村崎、
臨時で手伝うことになった江積、結奈、香澄。
そして主催者である飼葉を含んだ7人。

坂下は入学したばかりで生徒会の役員でもない結奈たちが手伝うことを不思議がるが
うまくごまかして坂下を納得させ、表向きの水泳大会運営話し合いは無事に終わる。

一方、結奈たちだけの話し合いでは、飼葉は独自に調べた
「水着姿を確認しやすいチェックポイントの場所」を書き記した結奈専用の資料を渡し
それをちゃんと暗記するよう指示する。

「まさか大会中にその資料を持ってウロウロするわけにもいかないだろう? 
 それにそのデータは、万が一他人に知られたら悪用される可能性が高い。
 だから君が覚えたらすぐに処分したいんだ。」

「がんばってね! 結奈」

「うん、がんばる……。」

233:転生八犬士封魔録 ◆l1l6Ur354A
06/06/23 19:08:39
いよいよやってきた、水泳大会当日。
結奈はプールで出くわした袴田の太ももに、飼葉や江積と同じような牡丹型の痣があるのを発見するもが
位置が位置だけに、一体どうやって切り出せばいいのかと悩む。

そのとき、突然プールの水が渦巻きはじめ、生徒たちはパニックに陥る。
その上、飼葉と江積、どちらの姿も見当たらないことに結奈は気づく。

(もしかしてこれも業羅の仕業で、先輩たちは巻き込まれたの?)

結奈は香澄に更衣室の見張りを頼み、袴田を更衣室に連れて行く。
袴田を覚醒させるために…。

説明もそこそこに袴田を覚醒させた結奈が再びプールに戻ってみると
水が飼葉と江積を襲っていた。やはり今回の騒ぎは業羅の仕業なのだと結奈は考える。

「先輩! プールサイドに誰かいます! みんな避難したはずなのに。」

袴田の言うとおり、プールサイドにはクラスメイトの夏見あかねが突っ立っている。
今まで事態を見ていた香澄によると、あかねが水を操って飼葉たちを襲ったという。

「水を操るって、そんなこと……あかねちゃんが業羅だって言うの!?」

「否定。私は業羅ではない。私は私の主のためにこの力を行使する、
 その意思を持っている。これでこの二人は戦えない。残る排除対象は、あなた。」

普段の内気で大人しいあかねとは全く違う、機械的な喋り。
あかねの言う「主」が今まで業羅を使って結奈を襲ってきた人物なのか。
しかしだとしても、なぜあかねがこのような力を使えるのかまでは結奈にはわからない。
ただひとつわかっているのは、あかねを止めようとしたら、攻撃体勢に移り襲ってきたこと。

袴田と一緒にあかねと戦い、彼女を追いつめるが
あかねはまたも不思議な力を使ったのかあっさりその場から消えてしまう。
とりあえず消えたあかねは放っておき、急いで先輩たちを村崎に診てもらうことにした。
村崎の診断によると、病院に行くほどでもなくどちらも大丈夫とのこと。
無事だったことに安心して、話は自然に袴田が犬士だったことへと移る。

「結奈先輩、僕、貴方を守ります。
 遠い昔からの約束なんて、とてもすてきな話じゃないですか。
 先輩方、これからもよろしくお願いします!」

「くぁー。なんつーか恥ずかしいやつだな。でもまあ、よろしくな。」

「よろしくね、遥平くん。」

そんな中、飼葉だけはあることを考えていた。

「同じ学校内に三人も犬士がいるなんて。……気になるな。」

234:転生八犬士封魔録 ◆l1l6Ur354A
06/06/23 19:09:35
その日の夜の屋上

「……あの、これでよろしかったのですか?
 あの場で、犬士と姫、四人とも葬ることも可能でしたが。」

「お前は黙って命令を遂行していればいい。それが、役目だろう?」

「申し訳ございません。」

「今後、姫や犬士たちとの接触を絶て。そろそろ、ひとりめの道化が踊りだす頃だ。
 お前はそのサポートに回れ。後始末役はまた別に用意したからな。」

「了解いたしました。」

235:転生八犬士封魔録 ◆l1l6Ur354A
06/06/23 19:10:08
二章終わり。今回はここまで

236:名無しって呼んでいいか?
06/06/23 19:14:56
>230
個人的意見では>228を見る限りそうだと思われる

>229
俺も完成待ってるからな、㌧

237:名無しって呼んでいいか?
06/06/24 08:21:48
八犬士すごい面白いw
期待してます。

238:転生八犬士封魔録 ◆l1l6Ur354A
06/06/25 21:56:21
三章 ~共通パート~

水泳大会以来、あかねは学校に来なくなった。
飼葉の話によると、あかねは自らの意思で家を出て
警察に家出として捜索願いが届け出されたらしい。

(誰かに操られてるのではなく、自分の意思で行動してるのかな? それとも巻き込まれただけ?)

結奈は精神集中するために一人で剣道の稽古をするが、あかねのことが気になって練習に身が入らない。
そこへ飼葉から「すぐに生徒会室に来て欲しい」と結奈に伝えるよう頼まれた香澄がやってくる。
香澄と一緒に生徒会室に行くと、飼葉だけでなく江積と袴田も待っており
この間の事件について話し合いが始まる。

水泳大会の事件は排水機械の故障による事故ということで処理されることや
あかねは依然として行方不明なことを飼葉が報告し終わると、
話題は八犬士が瀧田学園で三人も見つかったことへと移る。

袴田は伏姫である結奈が学園に来たから、八犬士も周りから選ばれたのではないかと言うが
飼葉が八犬士は生まれたときから決まっているようだからそれはないと否定する。
そもそも結奈が瀧田学園の入学を決めたのも、奨学金制度があったからに過ぎない。
それにあかねのこともある。

偶然にしては出来すぎてる以上、学園で何かが起こってると考えるのが自然だが
これ以上話し合っても結論は出ないため、この件は一旦保留となり、
八犬士集めのため学園で起こっている妙な噂や事件を追うことになった。

239:転生八犬士封魔録 ◆l1l6Ur354A
06/06/25 21:58:48
三章 ~生きた人形~ルート

江積が最近学園内で起こっている、ある騒ぎについての話を始める。

「夕方、中庭や校庭から校舎を見上げると、長い髪の毛をしたゾッとするような美人の女子生徒が
 校舎の廊下の窓からこっちを見ている。なんだろうって見返すと、フッと消えちまうんだと。
 その女子生徒はこの学園のどこにも存在しないから、幽霊ってことになってる。見たやつは結構多いぜ。」

江積本人も目撃者の一人で、しかもその幽霊が知り合いに似ているらしい。
だが、チラッと見ただけだから、知り合いかどうかは確信が持てるわけじゃないとも言う。

「知り合いに似ている幽霊か。それは気になるだろうな。
 もともと八犬士探しの有力な手がかりはないことだし、この幽霊騒ぎを調べてみよう。」

まず幽霊が本当に実在しない生徒かどうかはっきりさせるため、飼葉と江積が調べ
他の三人は幽霊についての情報収集をすることで決まる。
飼葉は知り合いについてなにか思い出したらすぐに報告してくれと江積に言うが、
江積はわかったと口では言いながらも、その表情は沈んでいた。

幽霊が本物なら学園内で亡くなったか、学園に関わる事件で亡くなったのではないかと考え
学園内の図書館へと足を運んだ結奈。するとそこでいびきをかいて居眠りしてる江積を見つける。
呆れながら、飼葉と一緒に幽霊について調べたんじゃないかったのかと聞くと
それはもう調べ終わった、やっぱりこの学校には存在しない生徒だったと江積は答える。

お前はなに調べてんだ?と聞かれた結奈は図書館に来た目的を素直に話すが、それに対して江積は
なにも出てこないだろうと言ってしまう。
即効で否定した江積を不思議に思って理由を問うが、
彼はうっかり本心を漏らした自分に舌打ちし、忘れろとしか言わない。
結奈は明らかになにかを隠してる江積の様子に怒りを露にする。

「わかった、わかったよ。話してやるから機嫌直せ。
 第一、面白くもない話だけど、それでも聞くのかよ?」

「先輩が話してくれるのならちゃんと聞きます。」

「まあ、はっきり言っちまうとな、俺、あの幽霊が誰かわかってるんだ。
 あの幽霊はな、俺の幼馴染に似てるんだよ。似てるってもんじゃねぇ、そのものだって言っていい。」

240:転生八犬士封魔録 ◆l1l6Ur354A
06/06/25 22:00:28
「……あいつ、生きてれば俺たちと同じ高校生だったはずだ。」

子供の頃に隣の街まで探検に行ったとき知り合い、それから何度か遊ぶようになったが
学校も違い共通の友人もいなかったため、彼女が病気になっても入院するまで知らなかった。
そして最後には会ったのは、葬式。

「あの、えっと、その……。幽霊は美人だって評判ですけど、その人もきれいな人だったんですか?」

「ガキだったし、美人だったかはわかんねぇ。でも、将来きれいになるってよく言われてたな。
 まあ、少なくともお前よりは、ずーっとかわいかったな。」

「……。思い出は美化されるものですよ、先輩。」

「言うじゃねぇの。まあ、辛気くせえ空気出されるよか、全然マシだけどな!」

しんみりした雰囲気から、明るい雰囲気に戻りつつあったとき……

「見つけたぞ、このドロボウ女!」

人形を抱えた男子生徒が現れ、腹話術で結奈を泥棒扱いする。
男子生徒は1年の藤岡で、常に人形を持ってるために学園でも有名な生徒だと江積が説明する。

「腹話術までやるようになったとは、さすがに知らなかったけどな。」

藤岡の後を追いかけ、彼を止めようとしている香澄に事情を聞くと、
友人と会話をしてた最中に藤岡が急に教室に入ってきて、結奈はどこだと騒ぎ出し
ここまでやってきたのだという。

「俺の大事な人形、盗んだんだろ!」

身に覚えのないことで責められた結奈は反論するが、何を言っても藤岡は耳を貸さず
「人形を返せ」の一点張り。
ついに怒りが頂点に達した藤岡は、人形を動かして襲ってくる。

(あかねちゃんと同じ……敵なの!?)

まだ三章の途中ですが、今日はここまで。

241:名無しって呼んでいいか?
06/06/26 02:58:11
未解決
・ダブルリアクションプラス
・幕末恋華・新選組 各キャラシナリオ
・星の降る刻(特に逆ハ部分)
・マイネリーベのナオジ(1か2か不明)
・マイネリーベ2のカミュ
・アンジェリークエトワールの新キャラ3人
・ぼくとわたしの恋愛事情(主人公が黒の導師に召喚された理由)
・ラブレボの保険医
・ネオアンジェリークのニクス
・遙か3十六夜記の譲
・ラストエスコートのチヒロED
・ドラゴンペナンス
・遙か1、3の各キャラ個別シナリオ

予約
・遙か2の各キャラ個別シナリオ(6/23)

解決済み
・金色のコルダ メインストーリー >8
 柚木 >72
・放課後のラブビート >9
・遙か3十六夜記 リズ(バッドED含む) >171
 景時 >175-177
 銀 >179-185
 バッドED >16-23
・遙か3運命の迷宮 メインストーリー >163-170
・フルハウスキス メインストーリー(ノーマルルート) >34-36
・フルハウスキス2 メインストーリーと御堂 >75-79
 山本 >81
 一宮 >84-88
 松川 >199-202
・ときメモGS 理事長 >43-44
・ラブレボ 兄ノーマルルート >47-56
 兄ラブルート >60-64
 華原 >92
 神城 >111-121
 幼馴染 >135
 一ノ瀬 >189-196
・水の旋律 >141-159
 犬に噛み殺されるバッドED >104-106
・ラストエスコート カズマ >207-211

執筆中
・転生八犬士封魔録 >219-

家ゲーRPG板のスレで解決済み 
・>3
・エバーグリーン・アベニュー
・THE友情アドベンチャー ~炎多留・魂~

要約スレで解決済み
・遙かシリーズ(1~3、十六夜、迷宮)メインストーリー




242:名無しって呼んでいいか?
06/06/26 03:00:20
スレリンク(gamerpg板:7番)n
に基づき、3ヶ月経った予約は無効にしました

243:名無しって呼んでいいか?
06/06/26 03:02:13
依頼、ラストエスコートのエンジュ忘れてました。スマン

244:転生八犬士封魔録 ◆l1l6Ur354A
06/06/26 20:29:22
「うわぁ! 人形が、人形がっ!」

襲ってきた藤岡を江積と撃退すると、人形を傷つけられた藤岡は錯乱したまま、その場から逃げ出す。
飼葉への連絡を香澄に任せ、結奈は江積と藤岡を追いかけることにしたが
藤岡の姿をなかなか見つけられない。かわりに廊下で女子生徒が倒れてるのを発見した二人は
慌ててその場へ駆けつけるが、少女のそばへ近寄った江積は急に言葉を失う。

彼女の胸にはナイフが刺さっているのに、なぜか血が一滴も流れてなかった。

「……なんだ。よく見たらこれ、人形ですね。
 もしかして、これが藤岡くんの探し物でしょうか?
 これだけの人形ならとっても大事にしてるだろうし、あれだけ取り乱してもおかしくないですよ。」

「………。」

「……先輩? あの、どうしたんですか?」

口を開いた江積は予想外のことを言い出す。
こいつは怪我人だから、早く保健室に運ばなければいけない、だからお前も手伝えと。

「こいつは人形じゃない、生きてるんだ!」

自分の言葉を信じない結奈に痺れを切らした江積は、一人で人形を抱えて保健室へ行ってしまう。

(どういうことなのかさっぱりだけど、とにかく先輩を追わないと!)

保健室へたどり着き、校医の村崎に急患として人形を見せる江積。
突然人形の診察を頼まれた村崎は話がわからず、戸惑いを見せる。
そこへ飼葉と香澄もやってきた。

人形は生きてるという自分の主張を信じない周りに対して、
とにかくこいつに触ってみろと言い出す江積。
彼の言うとおりに村崎や飼葉が人形に触れてみると、確かに体温があり、脈もしている。
事情を聞かれた江積は、俺にもよくわからない……でも
この人形は知り合いにそっくりで、しかもそいつは心臓の病気で死んだのだと答える。

結奈はその知り合いが、図書館で話してくれた幼馴染のことだと気づき、
だからあんなに取り乱したのかと納得がいく。

「……わかった。目の前に怪我人がいるんだ。助けるのが私の務めだね。」

江積の答えを聞いた村崎は人形を治療すること意思を見せ
治療に必要な物を集めるくるよう、皆に指示する。結奈も手芸用の糸を探してくることにした。

治療が終わった後、結奈が保健室に向かうとそこには江積しかいなかった。
ずっと目を閉じたままで息もしていない「生きた」人形を見つめながら、江積は
幼馴染の思い出を結奈に語る。

「なんでいまさら、あいつが……俺と同じように年を重ねて、
 着れるわけねぇ制服着て、ここにいるんだ?
 これ、藤岡の仕業なのか? だとしたら……俺は……。」

(藤岡くんの仕業としても、目的もどうして先輩の過去を知ってるのかもわからない。
 本当に……なにが起こってるんだろう?)

245:転生八犬士封魔録 ◆l1l6Ur354A
06/06/26 20:34:54
再び人形を診察した村崎は、薬が効いて落ち着いたようだと診察の結果を告げる。

「薬が効くということは、やっぱりこの人形は生きてるんですか?」

「わからない。私の印象だと人のふりをしている人形、という感じだね。
 人形が無理やり、人のふりをさせられている。そう言えばいいのかな。
 ……君たちはこの人形の正体を知っているんじゃないかな?
 それだけじゃない。先日のプールの一件も、なにか事情があるんじゃないかい?」
 
村崎から問われ、返事に窮してると、突然、部屋が大きく揺れ動き
怪我をした袴田が駆け込んでくる。
袴田は僕ひとりではやっつけることができなかったと謝る。

「見つけたぁ! 俺の人形! 俺の人形!」

袴田に続いて、たくさんの人形を連れた藤岡が現れ、
やっぱりお前が人形を隠してたんだと結奈に襲い掛かる。

とっさに村崎が庇ってくれたために、結奈は怪我をしないで済むが
村崎から押し倒されてるような状態になり、肌に触れてしまう。
だがその瞬間、過去に数度体験した、ある感覚に襲われる。

「この感じ……! 八犬士の封印が解けた?」

先生が八犬士だったのかと驚く江積たちに対し、事情を知らない村崎は当然ながら困惑する。
ところが、暴走した藤岡が説明する時間を与えてくれるはずもなく
説明は後にし、藤岡から生きた人形を守るため、村崎も他の犬士と共に戦うことになる。

結奈たちに負けて力が尽きた藤岡は気絶し、それと同時に
生きた人形もしおれて普通の人形に戻った。

「藤岡ぁ! お前、これはどういうことなんだ、説明しやがれ!」

殴りかかる程の剣幕で、気を失ってる藤岡に詰め寄る江積を、村崎が冷静に止める。
そして藤岡や痣のことなど、さっき起きた不思議な出来事について尋ねるのだった。

「いまなら……話してもらえるかな?」

一連の事情を聞いた村崎は、八犬士として協力してくれることになったのだが
結奈は彼にお礼を言いながらも、どこかすっきりしない気分だった。

(四人目の犬士が見つかった。でも、なんだかスッキリしない。これでよかったのかな……。
 とにかく、藤岡くんが目を覚ましたら詳しいことを聞いてみるしかないか)

246:転生八犬士封魔録 ◆l1l6Ur354A
06/06/26 20:35:34
夜の屋上

「報告は、以上です。また、先ほど藤岡健吾の反応が消えました。いかがいたしますか?」

「放っておけ。それで予定通りに事は進む。多少陳腐な演出を施してやったが
 しょせん駒のひとつ。奴がどうなろうと、どうでもいいことだ。」

「はい。おっしゃる通りです。」

三章終了

247:転生八犬士封魔録 ◆l1l6Ur354A
06/06/26 20:37:56
三章 ~呪いのサイト~ルート

「呪いのサイト?」

「はい、携帯で見られるネットのページらしいんですけど。
 結奈先輩は知らないんですか? 僕、高校の人に聞いたんですよ。」

袴田は具体的にどういうことが起こるなどの詳しいことは知らないが
サイトの呪いを受けた生徒が、もう何人も休んでるのは本当だと言う。
実際に休んでる生徒が何人もいる以上、調べてみる必要があるという飼葉の言葉で
みなで手分けして話を聞いて回ることになった。

情報収集の結果、呪いのサイトの詳しい内容が判明する。

呪いのサイトの名前は「99の呪い」といって
呪いたい相手の名前を書き込むと、別のページに飛ばされ
そうやって99番目まで同じことが繰り返されると、呪いが成就しその相手が呪われるというもの。
つまり、呪いは99番目の書き込みにしか発動しないのだが
99人分の恨みが重なるだけに、99人目にかけられた呪いは大きくなる。

また、これは一人一度まで、今が何番目の書き込みなのかはわからないルールとなっていて
10日間の間に99番まで書き込みが届かなかったら、書き込んだ人間全員に呪いがはね返ってくる。
現に、呪いの被害を受けた生徒が何十人も出ていた。

さっそくサイトにアクセスしてみるも、これといって手がかりは見つけられず
各自で何かいいアイデアはないかと考えてみるのだが、なかなか思い浮かばない。
そんな中で唯一、飼葉はあるアイデアが出たらしいがお世辞にもいい考えとは言えないらしい。
とりあえず、飼葉のアイデアに任せることにする。

飼葉の出したあまりよくないアイデア…
それは運が悪いことで有名な校医、村崎の名前を呪いのサイトに書くことだった。

「村崎先生がちょうど99人目だったみたい。運の悪いことに。
 いや、この場合は運のいいことに、かな?」

「それって、偶然じゃ……。」

「まあ、賭けだと言えばその通りだけど、あの人の運の悪さは筋金入りだからね。
 どういうわけか、いつも貧乏くじを引いてしまう。
 そういう星の下に生まれてきたんだね。」

「心配しなくてもだいじょうぶ。先生のことは僕たちが必ず守る!」

「いや、あの、力強く言われても。それに僕「たち」って……。」

飼葉を信じて本当によかったんだろうかと結奈は少し後悔した。

248:転生八犬士封魔録 ◆l1l6Ur354A
06/06/26 20:39:34
その夜、村崎を校庭に呼び出して囮にして、
呪いのサイトの首謀者がやってくるのを待つことにする結奈たち。
そこへ村崎を取り囲むように、人形が出現する。

「……人形? いきないり、どこから現れて……。」

「村崎先生、危ないっ!」

「桐沢さん!? それに飼葉くんも? これは一体、どういうことなんだ?」

「事情はのちほど説明します!
 とにかくいまは、僕の指示に従ってください!」

「わ、わかった。君たちの邪魔をしないように、引っ込んでいるよ。」

ところが、結奈たちが人形を倒しても、
遠くに逃げてなかった村崎が別の人形に囲まれてしまう。

「危ないっ!!」

結奈が素早く村崎を助け、彼の肌に触れると、村崎を囲んでいた人形が瞬時に消える。

「人形たちが……消えた……。私がやったのか?」

「ウソ……村崎先生が八犬士だったの!?」

そこへ1年の藤岡が巨大な人形を連れて現れる。

「なんでだぁぁ! なんで邪魔するんだよぉぉ!!」
 俺はみんなの願いを叶えてやったんだぞ? それなのに……。
 お前たち、邪魔するな邪魔するなぁぁ!!」

怒り狂って襲ってきた藤岡に勝つものの、彼は

「人形……。願いを……かなえて……。」

と呟くと、気を失ってしまった。

この後、村崎に事情を話す展開になりますが
これ以降は生きた人形と同じなので省略します。

249:遙かなる時空の中で3 将臣ルート
06/06/27 17:04:16
一週目は要約スレ(RPG板)にあるので省略。
一番最初に白龍に召還されたとき、時空の波の中で、将臣とはぐれています。
望美らの三年前に京にきてしまい、平家に拾われ、亡き重盛似ている事から、還内府として、平家の為に行動します。

時空跳躍で一番最初に戻った望美。そこで出会った義経らと共に戦った功績を認められ、源氏の一員として京に来ます。
そして、夢の中で鎧姿の将臣と会います(一週目は学ラン。一週目で鎧姿の将臣と一度会って現在の将臣を知っているので、変わったと思われる)
そこで一週目と同じく、クリスマスプレゼントの懐中時計をもらいます(ブツ自体はすでに一週目でもらってるので、望美がもってますが)
望美らも京に来ている事を知り、将臣は驚き、京を出る前に下鴨神社に寄るつもりだからと、会う約束をとりつけます。
次の日、下鴨神社で会い、将臣がここへ来たのは、3年前だとわかります。
再会を喜びますが、将臣には用事があり、もう西へ帰るつもりだが、一応八葉だしって事で、京を離れるまでは付き合ってくれる事に。
京の出口あたりで、将臣を追いかけて、お忍びで来ていた安徳天皇達に会います。
将臣は、お世話になった人たちだから、恩を返すまでは元の世界に帰る気も無いといって、一緒に帰ってしまいます

リズ先生の協力も得、有川兄弟の祖母が、星の一族だったということも突き止めます。
そして三草山での戦に勝利した望美達は、中立の勢力である、熊野水軍の説得に熊野へ行くことに。
そこでまた将臣に出会い、お互い目的地が一緒だったのでしばらく共に。
途中の川に怨霊がいたので、それを鎮め、目的地に到着。
そこで将臣と別れますが、帰り道を聞き出し、一緒に帰れるかもしれない。と話します。
その後、熊野の頭領である、ヒノエに個人的に協力してもらうことになり、京に帰る事に。
その途中で将臣にあい、吉野の里まで一緒に行く事になります。
吉野の里で一夜を明かすことになった夜、落ち武者が村を襲います。
落ち武者は撃退しますが、村は焼かれてしまいます。
意気消沈する将臣を追いかけた望美は、戦を終わらせたいという将臣のつぶやきを聞きます。
そして、望美に、
「お前は皆と一緒にいろ、これは、俺が一人でやらなければならない戦いだ。
生きていれば何度でも会えるさ。」
といい、一人で帰ってしまいます(お互いにまだ正体は知りません)

250:遙かなる時空の中で3 将臣ルート
06/06/27 17:05:07
そして、福原で和議が行われることになったのだが、頼朝の妻、政子はこれは好機だからと福原を攻め落とせと命令します。
本心では嫌なものの、逆らえるはずもなく、仕方なく攻めることに。
そして平家の本陣で、還内府として奮戦している将臣に出会ってしまいます。
そして、源氏の神子が後ろににいるという平家の兵士の言葉から、剣を突き出してくる将臣。
剣をつき合わせる二人。
「嘘…だろ。お前が…源氏の神子…なのか?」
知らず放った譲の矢で離れた二人。平家は落ち延びていき、将臣も落ち延びて行った。

その夜、戦を終わらせようと二人で誓い、平家を倒せば、還内府を討てば戦が終わるって…。
何馬鹿な事を言ってたんだろうと落ち込む望美。
将臣と戦うことは避けられないと知った望美は、将臣の気持ちを知りたいと思い、皆の反対を押し切って、将臣を探します。
予感を感じて吉野の里へ向かった望美。はたして、将臣はそこにいた。
三年前に一人で京へ来てしまった将臣は、平家に拾われ、だんだんと落ちぶれていく平家をみていくうちに、
世話になった恩に報いたい。平家を守り通す。と決め、知っていたことを使い、平家を守っていた(だから一週目の一ノ谷の奇襲は見破られた)
戦わずにすむ方がいいと、和議を持ちかけたが、源氏は相手にしなかった。
「平家を見捨てることはできない。お前が源氏を捨てることはできないのと同じで。」
と、迎えに来た平家の兵士と帰って行ってしまった。

それを聞いた望美は、このまま戦うことなんてできないけど、あんな将臣に源氏に来て欲しいなんて、言えない。
せめて何も知らない時なら…
と、逆鱗の力で焼ける前の吉野の里に飛びます。
そこで将臣と話し、将臣が平家の人間だということ、自分たちが源氏側だということ、平家を裏切って、こっちへ来てとは言わないけど、
平家から離れて欲しい。和議だって、失敗するからと伝えますが、
今、離れたら、和議も成さない、和議が失敗するのなら、なおさら平家を見捨てることは出来ない。
と、将臣に言われてしまいます。
どんなに時空をさかのぼっても、将臣の意思を変える事はできないと悟った望美は、和議を成そうと、将臣と約束し、別れます。
(ここで、吉野を襲う夜盗を事前に成敗し、焼き討ちはなかったことに。変えられる運命はあるはずだと思う)

和議を成そうと政子への説得もむなしく、一ノ谷へ奇襲を行うことになった望美。
一ノ谷に差し掛かったとき、もし黙ってたら、平家は勝てるかもと思うが、一週目の事を思い出し(奇襲失敗でリズ先生が…京で白龍が…)
たとえ将臣と戦う事になっても、他の皆を裏切ることなんて出来ないと決意。奇襲がよまれていることを伝え、迂回。一ノ谷へ。
一ノ谷で、お互いにお互いの覚悟を知ります。そして、将臣は平家の軍と共に落ち延びていきます。

251:遙かなる時空の中で3 将臣ルート
06/06/27 17:05:41
平家は本拠地を屋島に移したが、屋島を攻める準備がはかどらないことを見てとった頼朝が、京に上り、義経の代わりに指揮をとる事に。
頼朝の指揮で屋島を攻めるも、囮だったようで、足止めを食っているうちに、将臣が頼朝の本陣に奇襲。
だが異界の神の化身である政子の力に阻まれ撤退。戦は源氏の勝利となり、平家は壇ノ浦に落ち延びていった。
将臣の事が心配な望美は陣を抜け出し一人海辺へ、そこで同じく陣を抜け出した将臣と出会う。
お互い、まだ高校に通っていた頃の事を思い出し、懐かしむ二人。だが過去にはもう戻れない。
別れ際、今だけだから…と抱き合う二人。ここで別れたら次は敵同士。政子に気をつけろといい残し、将臣は帰っていった。

壇ノ浦で還内府として、剣を向けてきた将臣と源氏の神子として戦う望美。
勝ったが、逃げていった皆を導いてくださいと願った平経正の邪魔により、将臣は落ち延びていった。
源氏が勝ったのに、素直に喜べない望美。いまだに心が迷っている事に気がつき、将臣にもらった懐中時計を捨てようとします。
そこで敦盛に、
「源氏と平家が、この世界があなたたち二人の望まないことを強いているのだから、あなた自身で将臣の絆を断ち切ることは無いと思う。」
と励まされます。

落ち延びた平家が厳島にいるとわかったので、厳島へ行くが、
厳島の舞台では、清盛の亡霊が、黒龍の逆鱗の力を使い際限なく怨霊を生み出していた。それを沈めるために、その元である舞台へ。
舞台では、将臣が待っていた。一触即発の雰囲気に、突如政子が現れる。
彼女は怨霊の源である、黒龍の逆鱗を手に入れると、それを飲み込み異形のものに変身。
清盛を飲み込み、平家も源氏も関係なく飲み込むその姿に、皆を守るため、源氏に剣を向けることになっても政子をとめる!と、
もうこうなっては源氏も平家もないと、皆で結託。本来の姿を取り戻した白龍と黒龍の力で政子は消滅。
義経が頼朝を説得し、平家は南の島に落ち延びることに。
将臣と望美はそれについていくことに。譲は一人現代に帰還。

252:名無しって呼んでいいか?
06/06/27 17:14:01
かなりがんばって削ったけど、個別ルートに入ったら削りにくいorz
将臣ルートかいて、かなり力尽きたので、他かける人お願いします。
本当はリズ先生書きたかったけど、あれはやっぱ最後かなぁって思って、十六夜にも収録されてる青龍で行ってみました。

他書く人いなかったらぼちぼちやるんで、気長にまってください。

253:名無しって呼んでいいか?
06/06/27 23:15:37
超乙です!文才すごいですね!気長に待ってます。

254:名無しって呼んでいいか?
06/06/28 06:06:48
魔法使いとご主人様 お願いします
ストーリーが良いと聞いたので…

255:名無しって呼んでいいか?
06/06/29 02:01:23
遙か3補足。
上のレスとかみてると、共通ルートの章の詳細も書いたほうがいいかなと思い、少し書きます。
一章
迷い込んだ宇治川で、黒龍の神子の朔と白龍(力がないためチビで人型)と出会う。
譲とも合流後、九朗と弁慶と出会う。
平家の陣に行くという、彼らについて行って、認めてもらうもよし(一週目不可)行かなくてもよし(二章の展開が若干変わる)

二章
春の京にて。先で認められてなければ、剣の修行をする。その途中でリズ先生登場。
剣を教えてもらい九朗に認めてもらう。
認められていればナシ。
譲の祖母が星の一族だということがわかる

三章
三草山で戦。帰り道で敦盛を拾う。

四章
熊野水軍の説得のために熊野へ。途中で力を少し取り戻した白龍が青年になる。

五章
福原で和議。一ノ谷で戦

共通ではこんな感じです。後の流れは、各ルートで色々ありますが、主な流れは
屋島の戦い→壇ノ浦→厳島です。
北条政子は異界の神の化身「荼吉尼天」

256:遙かなる時空の中で3 九朗義経ルート
06/06/29 02:03:15
四章の後の間章
将臣ルートであった熊野の帰りで、皆が休憩している間に一人剣の稽古をする九朗。
ひととおり付き合った望美は、なぜそんなに努力するのか?とたずねる。
九朗は大将としての責任もあるが、鎌倉の兄と共に平穏な治世を取り戻す事が、自分の夢だ。
そのために少しでも兄上の役に立ちたい。と語る。
その際に、望美の世界のことも尋ね、この戦が終わったら、必ず帰れるよう力になるからな。と約束してくれる。
その後は将臣と同じ感じで五章

一の谷の奇襲が成功し、平家は逃げていき、戦は勝利。
その功績から、法王から九朗に官位を授ける事に。景時は不安に思うが、九朗は源氏としても名誉な事だからと、これを受けてしまう。
しかし、それが元で、頼朝に謀反の疑いをかけられ捕らえられてしまう。
九朗と面会した望美(二章でちょっとした言い逃れの為に、衆人観衆のなかで許婚宣言をしていた)九朗から、弁解の為に書状を託されるが、鎌倉へ行っても頼朝が面会する気がないのか、
中々面会できず、そうこうしている内に九朗は処刑されてしまう。
あそこで官位を受けなければ…
望美は時を超え再び五章。今度は反対するも、九朗は中々聞き入れない。が、先の周で九朗本人から渡された書状を見せ、
周りの皆も反対したため、考え直し、受けないことに。
平家の捕虜から聞き出した情報で、鎌倉が狙われていることを知った一行は官位の話も報告しないと、ということで、いったん鎌倉に戻ることに。

鎌倉に戻った一行は、鎌倉で怨霊が出ていることを聞き、その元を浄化することに。
浄化している中で、景時らの予定が合わない日があることがわかり、その日に九朗から鎌倉の案内をしてもらう事に。
九朗は用事があるので、後で落ち合う事になったのだが、
先に待っていた九朗の下に女の人が現れ、用事があるという女の人の言葉に従い、九朗はその人についていってしまう。
約束が守れなくなったと、その辺にいた商人のおばちゃんに、言伝を頼むのだが、それを望美に伝えたおばちゃんは、
綺麗で身なりがいい女の人とどっかへいったよ。あなたは遊ばれてるんじゃないの?あんな男やめときなよ
と、余計な事まで伝えてしまい、望美は気にしてしまう。
そんな自分に気がついた望美は、九朗が好きだと自覚。けど、九朗が優しかったのはただのお芝居…
先で許婚宣言したことも、自分を守るための嘘…。私は特別じゃない…。と一人浜辺で落ち込みますが、
仲間なのは変わらないから、今までと同じように振舞おうと思います。

257:遙かなる時空の中で3 九朗義経ルート
06/06/29 02:03:48
怨霊も封印し、屋島。
戦の事で皆が話しているのに、鎌倉での出来事が頭を離れない望美。九朗は望美の様子がおかしいので、
戦場に置けないと、挟撃の為に一人で迂回しに行ってしまいます。
敵に囲まれてしまった様子をみて、いてもたってもいられなくなり、一人で九朗の下へ。
二人で敵陣を突破し、皆と合流。
屋島を攻略。その夜、望美の様子がおかしいので、心配した朔に鎌倉でのことを話すと、
朔は、その人は政子に間違いない。自分もこの目でみたから。と話してくれる。
自分の勘違いに気がついた望美は、誤解してごめんなさいと九朗に謝罪。
何を誤解したかは知らないが(話してない)解けたならいい。すべてが終わって、帰す方法が見つかったら、お前の故郷も見てみたい。
と話します。

壇ノ浦
戦が始まる前、弁慶やヒノエは、頼朝に疑われないように気をつけたほうがいいといいますが、
九朗は兄上が疑うわけがないと、聞く耳を持ちません。けれど、一人の時、俺は源氏の未来には必要のない人間なのか…
と、本当は不安だということを、望美に打ち明けます。
そして出陣。敵陣のなかで将臣と会い、打ち負かしますが、九朗はこれを見逃します。
これを頼朝への謀反だとみた政子は、望美を人質に、景時に命じ九朗を捕らえてしまいます。
白龍の逆鱗も奪われ、一人鎌倉に送られた望美。
九朗が護送の途中で逃げ出したことを知った頼朝は、望美を餌に九朗をおびき寄せるため、鎌倉に竜神の加護をよぶため舞をしろと強要します。
それを拒否した望美は投獄されますが、政子に投獄されても、九朗は助けにどうせ来る。
それなら、舞をして、歌に自分の気持ちを込めて伝えた方がいいのではないか?といわれ、舞うことを承諾。
「吉野山 峰の白雪 踏み分けて 入りにし人の あとぞ恋しき」
「しづやしづ しづのをだまき くり返し 昔を今に なすよしがもな」
と、歌にあなただけでも逃げてと込め舞います。
龍神の加護ではなく、九朗を慕う歌を歌った望美は、怒った頼朝に切られそうになりますが、
突然現れた九朗に助けられ、脱出。
途中で皆と合流(景時も)、九朗に助けられた恩へと、将臣もきて、皆で北へ逃げるところに政子が現れる。
彼女は頼朝を愛している。幼いときに島へ流され、周囲は敵だらけ、そんな境遇は自分にはよくわかる。
だから、頼朝の邪魔をする人間は許さない。と、荼吉尼天へ変貌。襲ってきますが撃退。
政子にこんなに絆が深まってたのねと、降参され、白龍の逆鱗も返してもらい、一向は無事鎌倉を脱出。
エンドロールをはさんで現代ED。

258:名無しって呼んでいいか?
06/06/29 02:06:25
九朗は史実があるために、それにそった話になってるっぽいですね。
十六夜エンドでは確か、都市伝説になってる、義経の生まれ変わりのフビライハン
関連のEDがあるらしいwww(見てない)

和歌は静御前が詠んだのと同じらしいですね。

259:名無しって呼んでいいか?
06/06/29 02:08:54
>256
補足。四章の後の間章から始めてしまってますが、それまでは将臣とあまりかわりません

260:名無しって呼んでいいか?
06/06/29 23:45:11
書く方いないなら、敦盛ルート書きます。

261:名無しって呼んでいいか?
06/06/30 00:01:00
テニスの王子様ST2の観月お願いします。
長くなるようでしたら方言イベ&合宿イベだけでもいいです。

262:転生八犬士封魔録 ◆l1l6Ur354A
06/07/03 00:21:51
4章 共通パート

生徒会室に呼び出された結奈を待っていたのは
飼葉が水泳大会のときに撮っていた、生徒たちの水着写真のチェックだった。
痣のある生徒はいないかと探しながらも、思わずため息が出てしまう。

(飼葉先輩は大真面目なんだろうけど、拷問に近いよ、これ)

「写真でも痣って見えるの?」

「見えるよ。でもなにかを媒介している場合は
 覚醒後でも私にしか見えないみたい。」

香澄と話をしながら写真をひとつひとつ確認していくと、
同じ1年の川瀬の背中、上級生らしき男子生徒の左肩にそれぞれ痣があるのを見つける。
するとそこへ江積が現れて、藤岡が病院から消えたこと、そのことについて
他の犬士たちと相談するから、保健室へ集まるよう言いにくる。

病院側の話によれば、藤岡は着替えや荷物など持たないまま、病室から忽然と消えてたという。
しかも藤岡は、姿を消すまで意識は戻っていない状態だった。
あかねの言っていた「主」が、邪魔になった藤岡を消したのだろうかという流れになるが
その主の正体が全くわからない以上、話は進みようがない。

「このまま推理合戦をしていても仕方ないか。そうだ、写真のチェックは終わったのかい?」

結奈は二人見つけたことを報告し、痣のあった生徒の写真を皆に見せると
左肩に痣のある生徒は2年の桧山だということが分かる。
そして桧山は飼葉と村崎が、川瀬は結奈が話をしにいくことになった。

263:転生八犬士封魔録 ◆l1l6Ur354A
06/07/03 00:23:02
教室で香澄と会話していた結奈のもとに、
飼葉と村崎から八犬士の話を聞かされたばかりの桧山が会いにやってくる。

「ホンマは放課後まで待てと言われとったけど
 あんましオモロそうなので会いに来てしもたんや。」

「は? 面白そうって?」

「ここで話すわけにはいかへんころやろ。ちょいと付き合うてな。」

「え、ちょっと、先輩、もうすぐ予鈴が……。先輩~!?」

強引に連れてこられた先は、誰もいない特別教室だった。
鍵までかけ、ここならしばらく誰も来ないだろうと言い出す相手に、結奈は微妙な危機を感じる。

軽やかに服を脱ぎ始め、覚醒を促す桧山。ノリノリの犬士の登場に結奈の方が引いてしまうが、
協力的であることには変わりはない。結奈は桧山を覚醒させた。

「……これで終わり? なんや、あっさりしたもんやな。
 どこが変わったか知らんけど、これでキミを
 業羅とかいう化けモンから守る力も使えるようになるんやろ?」

「……はい。それってつまり、命の危険もあるってことなんですよ?」

「わーかっとる。不肖・桧山真心、キミを命賭けて守らしてもらうで。
 こないオモロイこと、乗らずにおられへんわ。」

川瀬と昼休みに会えなかったため、放課後も川瀬の教室に行ってみるが、既に帰った後だった。
いつも授業が終わるとすぐにいなくなってしまうらしい。

「忙しい奴だとは知っとったけど、そこまでとは。
 またバイト増やしたんかもしれんなぁ。」

所属する部活に勧誘したことから、少し川瀬と面識のある桧山によれば、
川瀬はひとり暮らしで、生活費を稼ぐためバイトをいくつも掛け持ちしており
学校内に友人はおろか、まともに口をきく相手もいないのだという。

264:転生八犬士封魔録 ◆l1l6Ur354A
06/07/03 00:24:02
四章 割られた鏡 ルート

結奈はその日に川瀬に会うことは諦め、明日再び川瀬に会いにくることにした。

次の日の昼休み。香澄と一緒に川瀬に会いにいく途中、結奈は慌てていた村崎とぶつかる。
村崎から保健室の鏡が粉々に壊されていたこと聞かされて誰の仕業かと気になるが
早く川瀬を捕まえなければいけないことを思い出し、村崎と別れる。
だがその日も結局川瀬には会えずに終わった。

翌日、学園中の鏡が割られた事件についてクラスメイトから聞かされてる最中、
校内放送で川瀬が校長室に呼び出される。

「どうする、結奈?」

「これは校長室に行ってみるしかないよね。」

こっそり校長室を窺う結奈と香澄。
校長室では、川瀬が学園中のほとんどの鏡が割られた事件の犯人ではないかと校長から問い質されていた。
鏡が割れた現場で川瀬を見た証言が原因らしいが、本人が否定するにも関わらず
話が退学にまで及んでることに腹が立ち、我慢できなくなった結奈は校長室に入る。

「ちょっと待ってくださいっ!」

「なんだい、いきなり? お前さんは確か……。」

「1年C組の桐沢結奈です! 今の話、聞かせてもらいました。
 本人が違うって言ってるのに、いきなりなんてひどいじゃないですか!」

校長は入学式の日に続き、またも事件に絡んできた結奈を
騒動に首を突っ込みたがる子だと評して呆れつつ、
私も川瀬くんを退学にしたいわけじゃない、しかし
先生方を抑えるにはそれなりの条件を出さなきゃならないんだと本心を言う。

「じゃあ、私が真犯人を捕まえてみせます! それなら、文句はありませんよね?」

一枚や二枚じゃなく、学園中の鏡が割られるなんて普通じゃない。
ただの愉快犯ではなく何か目的があるはず。
私たちがそれを突き止めてみせると宣言する結奈。

「…わかったよ。そこまで言われちゃ、私も先生方を説得しないわけにはいかないね。
 ただし、いつまでも任せちゃおけないよ。期限は一週間。
 それまでに、なんらかの答えを出しとくれ。」

校長室を出た後、川瀬からなんで俺をかばうんだと聞かれた結奈は
八犬士に関する話を彼にするが、俺には関係ないしそんな話信じられるかと突っぱねられる。

「とにかく、俺は降りかかった火の粉は自分で払う。ほっといてもらおうか。」

その言葉を言い終わると川瀬はさっさと立ち去ってしまうが
川瀬のことを放っておくことのできなかった結奈は、香澄と別々に学園内を回り、聞き込みを開始した。

265:転生八犬士封魔録 ◆l1l6Ur354A
06/07/03 00:25:27
聞き込みの結果、事件についてはある程度詳しくなった一方で、
本来の目的である、川瀬の無実の証明となるような情報は入手できなかった。
こうなると残る手がかりは川瀬の姿を事件現場で見たと証言した人物しかない。
結奈と香澄は再び校長室へ行き、証言者が誰なのか尋ねることにする。

校長から証言者は高等部3年生・三船梨沙だと聞かされた結奈は
三船から直接話を聞くため、香澄と二手に別れて、彼女を捜し始める。
そんな折、結奈が三船を捜してるとどこからか聞きつけた桧山が
体育準備室のほうへ歩いていく三船を見かけたと教えてくれる。
そして桧山と一緒に体育準備室へ行ってみるのだが、そこには誰の姿も見当たらない。
念のためにと室内をくまなく捜してみるが、それでも三船は見つからなかった。

「なあ、そっちの机の下は、どうや?」

「はい、えっと……ひゃああ!? なななな、なに!?」

机の下からひょっこり現れたのは、業羅と同じ気を持つ大きな蛇だった。

「いよいよ、八犬士の力の見せ所ちゅうわけやな。いっくで~!」

二人きりの戦闘やや苦戦しながらもなんとか大蛇を倒すと、背後から三船が姿を見せる。

「なんでなのよ……。せっかく片付けてあげようと思ったのに。それなのに……。
 なんで、失敗するのよ!?」

鏡を割った理由を聞こうとして三船の顔を見た結奈は息を呑む。
彼女の顔面には、蛇のウロコのようなものが浮き出ていた。

業羅の力を派手に使ったから隠し切れなくなったんだろう、
人の目には見えなかっただけで、鏡にはずっと映っていたはず、
桧山の推測を聞いた結奈は、三船が学園中の鏡を割った理由に気づく。

「どうして、そんな顔をするの? アタシの顔が醜いとでも言うの!?
 アタシは醜くなんかない。醜くなんか……醜くなんか……。
 アタシは、誰よりも美しいのよ!」

狂乱した三船は結奈に襲い掛かる。

266:転生八犬士封魔録 ◆l1l6Ur354A
06/07/03 00:28:53
結奈の危機を間一髪のところで川瀬が救う。

「危ないところだったな。借りは返したぞ。」

「あ、ありがとう。でも、どうしてここに?」

「話はあとだ。まずはあの化けモンをなんとかしねえとな。」

「アタシの秘密を知ったやつは生かしておけない」、殺意を見せる三船に対抗するため
結奈は川瀬にせかされるまま彼を覚醒させて、三船に立ち向かう。

戦闘に勝利した後、なぜそんな力を使えるようになったんだと三船を問い詰め始めたとき、
全身をマントで覆った謎の人物が現れて、三船をさらって逃げてしまった。
ここは深追いしない方がいい、第一もう追いつかないと桧山から言われて
ガッカリする結奈に川瀬が声をかけてくる。

「なに、川瀬くん。」

「いや、その、なんだ……。テメェには……感謝してる。」

「ううん、いいの。前にも言ったけど、私は理不尽な処分に納得できなかっただけだから。」

「そうか。けど、まあ……ありがとな。それだけ言いたかった。じゃ、じゃあな!」

「……やれやれ。ホンマ、不器用なやっちゃな。
 けどまあ、これでまた八犬士の仲間がひとり増えたっちゅうことやな。」

「ええ、そうですね。」

校長には、学園内に入り込んだ不審者が犯人で、その犯人を捕まえようとしたけど逃がしてしまったと説明。
桧山が証人なってくれたこともあり、なんとか信じてもらうことができた。

(それにしても……三船先輩をさらったあの人は、一体?)


夜の屋上では、いつものように、主に報告をするあかねの姿があった。

「八犬士は、残り二名です。」

「ようやく、ここまで来たか。次の舞台の用意は?」

「万事、問題なく。」

「聞くまでもなかったか。」

「はい……。」

267:転生八犬士封魔録 ◆l1l6Ur354A
06/07/03 00:29:27
四章 散らないサクラ ルート

学校でこれ以上川瀬を捜してみても意味がないため、
結奈は香澄と桧山と共に、直接本人の家へ向かうことにする。

川瀬の家へ行く途中、美しく咲き誇った学園内の桜に目を留める三人。
桧山は他の桜がほとんど散ってしまっているにも関わらず、学園の桜だけが
いまだに咲き続け、いっこうに散る気配のないことを訝しがる。

「この学園だけ、か。なんや、事件の匂いがする感じやな。」


川瀬の家を訪ねるてみるも、留守で会えなかったため
明日の朝、また学校で川瀬の教室へ行ってみることにしたのだが
次の日の朝と昼に川瀬の教室へ寄ってみるも、既に彼はどこかへ移動した後ですれ違ってしまう。
授業には出ていたらしいので、一応学校には来ているらしいのだが…。
こんな調子では放課後も会えない可能性が高い。
結奈と香澄は残りの昼休みを使って、手分けして川瀬を捜すことにした。

いくつかの場所を回った後、ようやく屋上で川瀬と会うことが出来た結奈は
八犬士の話を説明して、私たちに力を貸して欲しいと頼み込むが、信じてもらえない。

「信じられるか、そんなバカな話。第一、俺には痣もねぇよ。」

「その痣は私にしか見えないの。川瀬くんの背に、確かにあるんだよ!」

食い下がる結奈に、川瀬はひとつの条件を出す。
それは、学園の桜の木がどうしていまだに満開なのか
その原因を突き止めたら、痣を確認させてやってもいいというものだった。

結奈は桜になにかあるのかと気になるが、川瀬は
俺個人の思い出があるだけとしか言わず、それ以上は答えない。

「約束、忘れないでね。突き止めたら、だよ。」

「俺は、約束は破らない。……テメェはどうだか知らねぇがな。」





268:転生八犬士封魔録 ◆l1l6Ur354A
06/07/03 00:31:04
放課後、結奈は香澄と学園の桜の木を調べるが、幹も花も特に変わった様子はない。
ただ、地面に花びらが落ちてるにも関わらず、花が減った様子が全くなかった。

(ん? ここの地面……。ちょっとだけ色が違う?
 普段はここまで人が近づかないからかな?)

桜を調べると、熱心に桜を見ている二人が気になったのか
3年の三船梨沙が声をかけてくる。

「ふたりとも、この桜がどうかしたの? ずいぶん熱心に見ていたけど。」

「えっと……この桜、ずっと満開でしょう? 不思議に思って。」
 
「三船先輩は、なにか知ってますか? この桜について。」

「さあ、特別なことは知らないわ。今年はずいぶん長く咲いてるとは思っているけど。
 でも、いいんじゃない? こんなに美しいんだもの。
 己の美しい姿を皆に見せたいと願う。それは、この世にある欲求のひとつよ。
 美しさは永遠であるべき。アナタたちもわかってるんじゃなくって?」

三船が立ち去った後、香澄が桜の枝に引っかかっているリボンを見つける。
香澄はそのリボンを職員室に届け、結奈はまだ校舎に残ってる人たちに
桜についての話を聞くことになり、二人は別れた。

その後、香澄と図書館で合流するも、お互いこれといった収穫はなし。
強いて言うなら、古典の教師から聞いた、昭和初期の小説が元になった
「美しい桜の下に死体が埋まっているというのは、根元に埋められた死体を養分として花を咲かせるから」
ということくらいかなと言う。

「最近、街とかこの学園で、家出とか行方不明事件が多いみたいだから。
 その先生も、そんな連想したのかも。」

香澄の話を聞いてる最中、結奈はふと、
先ほど拾ったリボンを香澄がまだ持っていることに気づく。
なんでも、職員室で遭遇した村崎が数学の問題集をうっかり床にばらまいてしまい
それを手伝っていたため、届けるのを忘れてしまったらしい。

「先生、相変わらず苦労してるんだね…」

269:転生八犬士封魔録 ◆l1l6Ur354A
06/07/03 00:31:50
そこへ桜について調べてる二人を不思議がる桧山がやってくる。
桧山に川瀬から出された条件のことを話すと、桧山も手伝ってくれることになった。

「ほな、まずはどないすんのや?」

「正直、手がかりがないんです。木を調べたりしたけど、別にごく普通でおかしな点もないし。」

「そういえば、一応、このリボンはそこで拾ったものですけど、関係はないですよね。」

「あれ? それって……。」

リボンを見せられた桧山は、心当たりがあるような様子を見せる。
桧山によると、そのリボンは同じクラスの女子生徒がよくつけていたものと同じであり
しかもその女子生徒は1週間前から行方不明の状態だった。
表向き家出ということになってるが、非常に真面目な子だったため
事件に巻き込まれたという話も出ているという。

「……行方不明、連れ去られる。桜の木……、まさか?」

さっき桜の木を調べたとき、桜の根元の地面の色が、他の場所とは違っていたことを思い出す結奈。
もしかしたら一度掘ってまた埋めたらからなのかも…
そう考えた彼女は、地面の色が他と違っていた部分を掘ることにした。


(女の子っ! 根っこに絡みとられてる……!)

結奈の考えた通り、桜の木の下にはリボンの持ち主である
桧山のクラスメイト、芦屋音々が埋まっていた。
結奈はまだ息のある音々を助けるため、音々に絡んでいる根を切り払おうと
スコップを叩きつけるが、根は突然動き始める。

「根っこやない、蛇や!」

普通の蛇では考えられない程の跳躍を見せる大蛇。
それが業羅だと思い当たった結奈たちは大蛇と戦い、音々を救い出した。
すると桜の花がいっせいに散り始め、一人の女が現れた。

「アナタたちのせいよ。
 桜の永遠の美しさを邪魔するとは、あなた、すいずんと無粋ねぇ。」

270:転生八犬士封魔録 ◆l1l6Ur354A
06/07/03 00:33:09
「三船先輩!?」

音々を埋めたことを肯定した三船は
悪びれるどころか、自慢でもするように手口を話し始める。

「彼女、この桜の美しさがずいぶんとお気に入りだったみたい。だから、その糧にしてあげたの。
 彼女の生気を吸い取って自らの養分とし、光合成で作り出した酸素と
 根から吸い上げた水を彼女に与えて生かす。そして、また生気を吸い取って……。
 フフ、完璧でしょう?」

「いまなら、まだ間に合うわ。芦屋さんと八尋さんと、桐沢さん。ついでに桧山くんも。
 アナタたちのその生気があれば、桜はまた、その美しさを取り戻す。」

蛇を使って、桧山と香澄を捕らえた三船は、まずはあなたからと結奈に手を伸ばした。

「大・丈・夫、痛くしないから。」

この後は割られた鏡ルートと大体同じ展開なので省略。
(襲われた結奈を川瀬が助け、彼を覚醒させて三船を倒すが、三船は謎の人物に連れ去られる)

三船が連れ去られた後、どうしてここに来てくれたのかと結奈に聞かれた川瀬は
助けに来たと思ってるなら違う、この桜を見に来ただけ、
そして桜についてもこれ以上答える気はないと返答する。

「で、どうするんや?
 八犬士としてこれで証明されたわけやし協力してやってくんか?」

「……俺が約束をしたのは桐沢だ。お前らと馴れ合うつもりはねぇ。」

「じゃあ、私個人に協力して。
 それがひいては、八犬士として協力してもらうことになるから。」

「わかった。……テメェを守るってことなら、やるだけ、やってやるよ。」

「うんうん。これでまるーく収まったな。」

意識を取り戻した音々を皆が保健室に運ぼうとしたとき、
桜がすべて散ってしまったことを知る結奈。
残念な気持ちが芽生えるが、すぐに考えを改める。

(ううん、これでいいんだ。限りある綺麗なものだって、たくさんあるんだから)

四章終わり

271:名無しって呼んでいいか?
06/07/03 00:43:59
すいずんと→随分と

また誤字ゴメン

272:名無しって呼んでいいか?
06/07/03 14:00:50
322 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2006/07/03(月) 05:37:05 ID:xa4XPuCR
転生八犬士封魔録っていうのをまとめサイトに収録した人、
あれはどこのスレから収録したもんなんでしょうか?
このスレでも要約スレでもないようだし。
ここ(http//www8.atwiki.jp/storyteller/pages/18.html)の「テストページ1」みたいに、
初出のスレやレスがどこだったのかを一番上に示してもらいたいです。

323 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2006/07/03(月) 05:37:56 ID:xa4XPuCR
おっと失敗。ここね。
URLリンク(www8.atwiki.jp)

324 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2006/07/03(月) 05:44:06 ID:xa4XPuCR
「遙かなる時空の中で3」のページも、
108と109は要約スレから持ってきたようだけど
249からはこのスレや要約スレじゃないようだね。

325 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2006/07/03(月) 06:00:00 ID:xa4XPuCR
あーわかった
ストーリーを教えてもらうスレin女向ゲ一般板
スレリンク(ggirl板)
ここからの収録みたい。

これどうするの?まとめWikiにこのスレのも収録するの?
それならまとめWikiの
「ストーリーを教えてもらうスレ暫定Wikiは2ch家庭用RPGゲーム板の同名スレのタイトル別まとめサイトです。」
ってとこを
「ストーリーを教えてもらうスレ暫定Wikiは2ch家庭用RPGゲーム板の同名スレおよび要約スレ、そして女向ゲ一般板の同名スレのタイトル別まとめサイトです。」
に変えなくちゃいけなくなるけど

326 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2006/07/03(月) 10:31:37 ID:Xxz0LlOZ
現状でもツクールゲーやらPCゲーやらが入っててすでに混沌としてるんだし
エロゲー板とか女向けゲーム成人と違って全年齢向けだから収録してもいいんじゃないかとも思うが、
向こうのスレでは収録するかどうかの話し合いがまったくされてないっぽいのが気にかかる。
つまり、単に誰かが一人で独自に判断して収録してるだけっぽい。

まずはあっちのスレに、ここのまとめに収録してほしいのかどうか話あってもらうべきじゃ?

273:名無しって呼んでいいか?
06/07/03 14:01:51

こんな意見が出てるがどうする?
そもそも遥かって誘導されてこっち来たんだよな

274:名無しって呼んでいいか?
06/07/03 14:03:27
1 名無しって呼んでいいか? 2005/10/19(水) 18:39:58 ID:2CDa00MB
発売して半年以内の新作について語る際は名前欄に
タイトルと新作ネタバレ用の共有トリップの #新作ネタ をつけて下さい。
新作のネタバレを読みたくない人は ◆l1l6Ur354A に要注意。

・スレの性質上ネタバレは避けられません。sage進行推奨。
・ストーリーを書き込む際は名前欄にタイトルを記入してください
・時間を置いて数回に分けて投稿する際には、最後に「続く」と御書き下さい。
 そうする事でストーリーの投稿の混交を防げます。
・これを書こう、と思われた際は「○○○○を書きたい」と意志表明し、予約していただけると、
 投稿の重複が防げて大変ありがたいです。
 また、書くのはよそう、と思われた時には面倒でも予約の取り消しを御願いします。

関連スレなどは>>2-5あたり

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ひたすらガールズゲーを挙げるスレ(レビュースレ)
スレリンク(ggirl板)l50
【やるのが】ストーリーを教えてもらうスレPart19【面倒】
スレリンク(gamerpg板)l50
ギャルゲーのストーリーを教えてもらうスレ
スレリンク(gal板)l50
その他、エロゲ、女向ゲ大人板にもあります
関連リンク
RPG板派生のまとめサイト(一部の女向ゲあり)
URLリンク(www8.atwiki.jp)

275:名無しって呼んでいいか?
06/07/03 14:04:08
.>1
には

>RPG板派生のまとめサイト(一部の女向ゲあり)

とあるんだがな。

276:名無しって呼んでいいか?
06/07/03 14:04:56
家ゲーRPG板のスレですでに紹介されている女向ゲーム(&女向け要素のある一般ゲーム)

・エリーのアトリエ/・王子さまLV1/・高機動幻想 ガンパレードマーチ
・サモンナイトシリーズ/・ジルオール /・帝国千戦記
・フェイバリットディアシリーズ /・マリーのアトリエ

277:名無しって呼んでいいか?
06/07/03 14:20:22
wikiで一緒に扱ってもいいんだとしたら、その方がよいと思うけど
どうなんだろね。
このスレだっていつかは落ちるし

278:名無しって呼んでいいか?
06/07/03 17:29:59
進行遅いしなぁ。こちらはこいらでWIKI作っても、そんなにタイトルうまらないきもする。
おいらは向こうのスレもみてるから、かまわないけど

279:名無しって呼んでいいか?
06/07/03 18:07:57
まとめてない私が言うなって感じだけど、家庭用WIKIにこのまままとめてりゃいいと思う
18禁なら反対だけどそうじゃないから


280:名無しって呼んでいいか?
06/07/05 07:25:30
同意。
あっちのスレの人が反対してるんじゃなければ
まとめさせていただけるとありがたいな、という感じ。

281:転生八犬士封魔録 ◆l1l6Ur354A
06/07/05 22:50:48
五章 共通パート

授業中に考え事をして教師の話を聞いてなかった結奈は廊下に立たされてしまう。
そこに運悪く矢尾が通りかかり、小言を言った後
最近結奈たちが生徒会室によく出入りしていることを指摘して
どんな良からぬことを企んでいるのか知らないが、そのうちしっぽを掴んでみせると言い出す。

「良からぬことって! なにもしてませんよ!」

「どうでしょうね? 実際、君たちが集団として働くようになった水泳大会より前後して、
 この学園内で妙な事件が頻発している。風紀委員長としては、見過ごせませんね。」

通りかかった江積が助け舟を出してくれるが
江積にまで廊下に立たされたことを知られ、結奈はバツが悪くなる。

そんなことがあった日の放課後、いつものように生徒会室に集まって話し合いを行う結奈と犬士たち。
あかねと藤岡の行方についてはいまだに分からず、警察の方でも進展はなし。
それは先日謎の人物に連れ去られた三船にも言えたことだった。

次に、いよいよ残り二人となった犬士がどこにいるかの話になり
既に見つかった六人が学園内にいたということは、残り二人も同じように
学園内の関係者である可能性が高いのではないか、
その理由は、瀧田学園の一芸入試や推薦制度で日本中から生徒を集めている方針、
整った奨学金制度のためではないかという話になるが
それだとしても、あまりにも確率が高すぎる。

「なんにせよ、そう考えると水泳大会をやったのはあながち的外れでもなかったんだな。」

「そうなんだけど、水泳大会で得られた情報から探っていくのは、もう限界だ。
 こうなると、次は水泳大会に出場していなかった生徒を片っ端から当たるしかないね。」

飼葉の提案で、まずは生徒会からアンケートを取るという形で
水泳大会に出場しなかった生徒に接触して
彼らをそれとなく監視し、痣を見る機会をうかがうことになる。
そしてアンケートは結奈と香澄が任され、犬士たちは結奈の身辺の注意と
失踪者についての調査を引き続き行うことで話し合いはお開きになった。

282:転生八犬士封魔録 ◆l1l6Ur354A
06/07/05 22:56:24
五章 蜘蛛の巣ルート

「ねえねえ、ふたりとも知ってる?」

友人の浜崎と衣本から、最近この学園の生徒で行方不明になってる人がいると聞かされた結奈。
てっきり、あかねたちのことが噂になってるのか思いきや、どうも話が違っていた。

「いなくなったのって、女の子ばっかりなんだよね。」

「えっ!?」

そのとき、袴田が結奈を訪ねに教室に入ってきた。
浜崎たちに年下の彼氏かとからかわれた結奈は慌てて袴田を屋上へと連れて行く。

結奈になにかあったかと聞かれた袴田は
特に用事はなかったけれど、最近女の子が行方不明になる事件が続いていて心配になり
結奈の手伝いに来たのだと答える。

「それ、浜崎さんたちも言ってたけど……あかねちゃんとか、三船先輩のことじゃないの?」

「どうも、それだけじゃないみたいなんですよ。
 他にも二年の先輩がふたりと三年の先輩がひとりいなくなってるみたいで……。
 しかも、いなくなったのはこの学校でのことらしいんです。」

「どういうこと?」

「いや、カバンや靴が置いたままだったり校門を出た形跡もないから、
 そうだろうっていうだけなんですけど。」

警察が校舎を捜索しても、手がかりはなにも見つからなかったのだという。
どうして次から次へとヘンな事件が起きるんだろう…頭を痛める結奈に
失踪事件のことは自分たちに任せ、結奈はアンケートに専念してくれと飼葉から言われたことを
結奈に伝える袴田。

「うう~、やっぱりそうなんだ。」

アンケートを取りにいく作業に乗り気じゃない結奈はガッカリするが、仕方がないので
袴田と別れた後、アンケートを取りに行くことにした。

アンケート回収がある程度終わった後、廊下で矢尾から注意されている袴田を見かけた結奈は
そこへ割って入るが、先日、廊下に立たされたとき同様に
生徒会の行いを怪しんで詮索する矢尾から追求されてしまう。

飼葉の幼馴染で友人なら
本人を信用して任せるとかそっと見守るとかできないのかと聞き返す結奈に
矢尾は幼馴染が、結奈と香澄のように良好な関係を常に築いていられるとは限らないと答えた。

「幼馴染が……? でも、先輩たちは本当に仲がいいんですよね?」

「悪くはありませんね。私も別に万珠のことを憎んだりしているわけではない。
 ただ、少々……意地になっているだけです。一度は万珠に勝ってみたい、と。」

万珠とは勉強や運動、学園生活の評価などあるゆる面においてよく比べられ
お互いを良きライバルとして切磋琢磨を繰り返してきたが
一度も万珠に勝ったことがない。いつだったか、マラソン大会で勝負したときも
万珠に勝つために、雨の日も風の日も土手沿いの道を走り続けて必死で特訓するも、結局負けてしまった。
大会当日に40度の高熱を出して、途中で棄権するしかなかったから。
運までもが万珠に味方をしていた。

「まったく……。これでは、私はまるで万珠の引き立て役ですよ。」

283:転生八犬士封魔録 ◆l1l6Ur354A
06/07/05 22:58:57
幼馴染へのコンプレックスを吐露する矢尾。そんな彼を袴田が勇気付ける。

「勝てないからといって文句を言ってるだけではダメだ、
何十回、何百回と負けようと最後に勝てば矢尾先輩の勝利なんだから」と。
しかし、矢尾は中学生から説教を受けたことにショックを受けて、立ち去ってしまう。

矢尾が立ち去ると、結奈は袴田と一緒にまだ残っていたアンケートの回収を再開するが
それらしい人間はなかなか見つからず、ついに最後のひとりになってしまう。
その相手は、水泳大会の運営委員会の話し合いのときに会ったことのある三年の坂下那智だった。

坂下に会うため、彼の所属する弓道部の部活動が行われてる武道館に足を運ぶと
坂下が上半身裸で弓道の自主練習をひとりで行っているところだった。

「あれっ!?」

弓を引く坂下の右腕に牡丹の痣を見つけた結奈は、
さっそく坂下に話しかけて、一連の事情を説明する。
話を聞かされた坂下は、最近の生徒会の妙な動きはそのためだったのかと納得する。

「そう、緊張した顔をするな。
 信じがたい話ではあるが、妄想だと笑い飛ばす気もない、ただ…」

そのとき、なにかを見つけた坂下が突然壁に矢を放つ。

「最近、クモが多い……。」

そっと呟く坂下の言葉通り、矢の先には蜘蛛がいた。
黙ったまま、厳しい顔で蜘蛛を見つめてなにかを考えている坂下。
口を開いた彼は、今すぐにでも私の力を解放して仲間にしたいのは重々承知だが
少し考えたいことがあるから、返答は明日までに待ってくれないか、と答えた。

その日の帰り道、袴田に送ってもらうことになった結奈は
犬士の中で一番年下ながらも、最も紳士的な袴田を褒める。

「みんな少しくらいは、遥平くんのことを見習ってほしいよ。」

「なにを見習うんだってぇ?」

「あっ……。」

「よっ、桐沢チャン! 今日もカワイイな~。」

「ど、どうも、乾先輩。」

声をかけてきたのは、学園一のプレイボーイ、二年の乾幸城だった。
いつものように口説いてきた乾を結奈は拒むが、乾はしつこく食い下がる。
その上、話を中途半端に聞いていた彼は、結奈が頼りになる彼氏が欲しいと解釈して
オレがアンタの王子様になってやるからとまで言い出す。

「お礼は、そうだなぁ……キスでいいよ。今日のところは。」

「キ、キス!?」

「そ。おやすみのキス。もちろん、ほっぺとかじゃなく唇で頼むよ?」

「………。」

呆れて何も言えない結奈を、袴田が逃げましょうと急き立てて、二人は乾から逃げ出す。

「……って、どうしたんだよ、ハニー!? 照れなくてもいいんだよ~。」


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