FF・DQ千一夜物語 第413夜at FF
FF・DQ千一夜物語 第413夜 - 暇つぶし2ch409:ギの人
03/11/06 21:57 SlOzloHn
>ラの人
なんか色々と大変そうだけど頑張ってね。

410:ラトーム ◆518LaTOOcM
03/11/06 22:13 00CdYu34
>>409
 お久しぶりですヽ(´∀`)ノ
 またーりやってます……。

411:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/11/06 23:56 0r74voMu
すみません、今この板にDQの小説総合スレみたいのないですか?

412:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/11/07 00:09 ORUzD5A0
>>411
>>396のリンク先とか。

413:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/11/07 22:07 gjxDLMpX
>>412
ありがとう。
ただあのスレは現在進行中の小説をリレーするスレみたいだけど、
いきなり何の関係もないSS貼ってもいいのかな。
ま、いつか聞いてみよう……

414:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/11/08 00:25 tVP6YwNE
>>413
そこのスレでも同じ質問してる人いたよ。リレーじゃないSS書いてる人もいるみたいだし。
スレの1にある最後のQ&Aでも、SS歓迎みたいなこと書いてたから大丈夫だと思う。
tu-ka読みたいな>413のSS


415:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/11/08 13:29 zhiyjM9B
現状を維持してくれてるだけでもすごくありがたい

416:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/11/08 13:49 KDv60jKr
>>413
 実はこのスレでSS書いてもOKだったりするんだけどね
最近は書く人いないねえ

417:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/11/08 23:55 UR0XXNEE

以前、こちらでいろいろ聞いてました。

ごめんなさい、エロいのしか書かないので、エロパロにいってました。
しかも、連カキを躊躇してたら、ここ2週間ほど書いてなくて凄いダメな人でした。
これから最後まで連アタしてきます…


418:ラトーム ◆518LaTOOcM
03/11/11 00:13 3IBjxAoW
>>417
 そんなに恐縮されないでもいいのでは。
 ここはいろいろな用途に使えるスレです、ということで(ですよね?)

 R@no-nameさんに質問があったのを思い出しました。
 いただいたファイルの中にいくつかフォルダがありますが、一番初めのフォルダが
空なのですが、これは空で良いのでしょうか? フォルダ名が全て化けてしまった
のでわかりにくいのです。申し訳ありませんが、教えていただけると嬉しいです。
 SSは20本いただけているので、空で良いのだと思うのですが。

419:R
03/11/12 00:08 uxVNotW2
>ラトーム殿
ご無沙汰しております

現在作業中のPCとネット接続しているCPが別なのですぐに確認ができない
のですが、ファイル数があっているなら問題は無いはずです
官スレ6のファイルの圧縮に使った圧縮フォルダを使いまわしたので、多分何か
ファイルの残りが入ってしまったのかもしれないです

圧縮フォルダ内に入れたフォルダには「恋スレ」と「カプエロ」とカナで名前を
つけていましたので、これからはローマ字で名前をつけるよう気をつけます(礼)

420:R@no-name ◆Vlst9Z/R.A
03/11/12 00:09 uxVNotW2
入力ミスってしまいますたスマソデス・・・

421:ラトーム ◆518LaTOOcM
03/11/13 18:06 6TJNv0SO
>>419-420
R@no-nameさん、ありがとうございました。
フォルダ名の日本語の件、ご連絡しそびれていて
すみませんでしたm(._.)m

422:雫夜 ◆sizukTVGK.
03/11/16 09:02 fuGzgsYb
遅くなりましたが、ラトームさん、保管作業乙でした。

DQ5リメイク祝いで、ちょっと書いてみました。保守も兼ねてうpらせて頂きます。
ドリームでスマソ。記憶に基づいて書いているため、ゲーム中と違う箇所がありましたら
これまたスマソ、です。

423:伝えたい想い ◆sizukTVGK.
03/11/16 09:07 fuGzgsYb
 その石像は、かつて青年が奴隷として働いていた大神殿の広間にひっそりと佇んでいた。
「ビアンカ!!」
駆け寄った彼は、石像の天辺から爪先まで、確認するかのようにじっくりと眺める。十年前、
青年と別れたあの時と寸分違わぬ姿で、彼女は穏やかな表情を浮かべていた。
妻のうなじを青年はそっと指先で辿る。滑らかだけれど冷えきっていたそこに一瞬、熱がと
もったようだった。
ビアンカと同じ蜂蜜色の髪を持つ双子の息子と娘が、口々に声を上げる。
「お母さん…ぼくらが必ず助けるから」
「イブールを倒して、早くお母さんを元に戻してあげようよ。ね、お父さん」
動こうとしない父親に焦れて、子どもたちは彼の服を引っ張り始める。そうだね…ごめん、と
彼らに微苦笑して、青年は妻に視線を戻した。
 何か言葉を紡ごうとしたらしいビアンカの唇は、ほんの少し開かれている。あの瞬間、僕の名
を呼ぼうとしたのだろうか―彼の中に沸き起こるのは、妻を石に変えた魔物と、自分への怒り。
(僕にもっと力があったなら、君をこんな姿にはしなかったのに)
 父親のパパスが殺されたときもそう思った。あの日もう誰も悲しませないと誓ったのに、それを
果たせぬまま今の自分は妻と向き合っている。
(そんなに自分を責めないで)
 彼の心に呼びかける懐かしくて優しい声―ビアンカだ。間違えようはずがない。この十年、
片時も忘れたことはなかったのだから。

424:伝えたい想い(ラスト) ◆sizukTVGK.
03/11/16 09:10 fuGzgsYb
(私は嬉しいの。あなたが私を忘れないでいてくれたことが―こうして私を見つけてくれたことが。ほら、いつも私
の方が先に、あなたに気付いたでしょう?)
 父親が生きていた子どもの頃も、そして山奥の村で再会したあの日も、先に青年に気付いたのはビアンカだった。
そういえば結婚前、お互いへの想いを打ち明けたのも彼女が先だ。私の方が年上だからかな、とビアンカは小さく笑う。
そんな思いをさせていたことが忍びなくて、ビアンカ、と小さく呟いた青年に、彼女は静かに語りかける。
(あなたがイブールを倒して、子どもたちと一緒にまた私のところへ戻ってきてくれるのを―待っているわ)
 さあ行って―妻に促され、ようやく彼は身を起こした。双子の手を引いて、広間を去る間際、もう一度ビアンカを
振り返る。
「あっ、見て!! お母さんがっ!!」
 息子が声を上げる。だが青年が気付く方が早かった。
 動けないはずのビアンカの口元に、微かな笑みが浮かんでいたのだ。みんな、無事に戻ってきてね―妻であり
母親であるビアンカの言葉が、親子の心に響き渡る。
「…ありがとう、ビアンカ」
 伝え切れない想いは、今は置いて行くから。そして今度は、僕が先に君に告げるから―愛している、と。
「行こうか」
 子どもたちの手を握り直す。決意を新たにした青年と子どもたちの背を、ビアンカの瞳が幸せそうに見つめていた。

 《END》

425:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/11/16 17:05 cTHyJ2Cd
ビアンカキタ━━━(゚∀゚)━━━!!

426:ラトーム ◆518LaTOOcM
03/11/19 02:24 qvavu+mb
>>422
 雫夜さんキテタ━━(゚∀゚)━━!!
 ほんわかしました。がんばれ主人公!って思いました。
 素敵なお話ありがとん!。

 記念あげ

427:370
03/11/19 03:03 H/M3khpP
記念あげに便乗して。。。。。。。。。
ここで、もう一度
蜜国さんの名を叫んでみる

蜜国さん、カムバック!キテ━━━(゚∀゚)━━━!!!!

待ってます!

428:姐 ◆ane/8MtRLQ
03/11/19 17:05 z5q5fk9E
こちらのスレではお久し振りです。
恋スレの方ではなんだか掻き回すだけ掻き回して逃げちゃったみたいに
なってしまい、結果いろんな方にご心痛と迷惑だけをかけた感じに
なってしまい、反省しております。
某所でも書いたのですが、連載の最後の投稿から物凄く時間が
空いていることに初めて気付きまして、お待ち下さってる方に
とても申し訳ないことをしています。
とりあえず書きかけのストックをここに少しだけ貼らせて
いただいて、今後の事はまた考えようかと思っています。
申し訳ありませんがしばらくお付き合い下さい。

既投稿分のまとめはこちらです。
URLリンク(ane2ch.hp.infoseek.co.jp)

429:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/11/19 17:06 z5q5fk9E
朝、教室に入るとあまり顔色の良くないアリスがいた。
「シグ!」
私の方へ向かって来るアリスが何を言いたいのか私にはわかってた。
「試験、今日になったんだってね」
「知ってたの?」
アリスが驚いたように私を見る。
「うん」
私は頷いた。
「今朝、トラビアから転校して来た先輩が言ってた」
私はセルフィ先輩の事を説明した。
「やっぱり、本当なんだ……」
アリスはすごく心配そうな顔をした。
「ドールがガルバディアと交戦してるって噂があったけれど……」
確かゼルさんも実地試験に参加するはずだった。
朝のホームルームで先生から実地試験の説明があって、私とアリスはそっと目を合わせた。
なんだか頭が痛くなった気がして、昼休みは寮の部屋に戻った。
セルフィ先輩は色々と忙しいのか、ここに帰った気配はなかった。
コンテナも一切触っていないみたいだった。
昼からの実習授業のために作業着の替えを出そうとクローゼットを開けると前に買ったパーティー用のドレスが目に入った。
少しでも浮かれていた私がバカみたいだった。
試験を受ける人達は戦場に行くのだ。
なんだか気分が悪くなって私はベッドの上に座りこんでしまった。
今朝見た夢を思い出した。
怖くて、涙が出そうだった。
「あれ~?シグ、戻ってるの~?」
突然明るい声がした。
セルフィ先輩だった。

430:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/11/19 17:08 z5q5fk9E
「どうしたの?気分悪いの?」
先輩が私のブースの入口で心配そうにこっちを見ている。
「いえ、大丈夫です」
私は慌てて手を振った。
「そう?良かった。あたし、ちょっと仮眠するのに戻ってきたんだ」
セルフィ先輩はにこにこと笑った。
「あれ?シーツは自分で用意しろって言われたのに~?」
先輩は自分のベッドのカバーを外して私を振り返った。
「もしかして、シグが用意してくれた?」
「あ、はい」
転校生が何時来るかわからなかったので、昨日自分のを交換するついでに隣の分もベッドメーキングしたのだ。
「ラッキ~。シグは本当に気が利くね、いい奥さんになれるよ~」
ガーデンの生徒に対しては褒め言葉としては微妙な気がしたけれどうれしかった。
「あの」
私は聞かずにいられなかった。
「先輩は、怖くないんですか?」
「ん~?戦場に出る事?」
先輩はベッドに入りかけた手を止めて私を見た。
私は頷いた。


431:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/11/19 17:09 z5q5fk9E
「シグは、軍事研究科だったよね」
「はい」
セルフィ先輩はちょっと考えてから私を見た。
「全然怖くないって言ったら、嘘になるよ。でも本科に入った子は大抵これしか生きる手段がないか、
何かの理由で戦う力を身に付けたいっていう理由があるからね」
セルフィ先輩はえへへ、と笑った。
「なんだかエラそうだけど、自分で戦う事を選んだんだから、怖いなんて言ってられないっていうのがホントかな」
セルフィ先輩の顔は明るくて優しいけれど、きりっとしてその視線は強かった。
「誰か知ってる人が試験受けるの?」
気持ちを見透かされたような気がして私はどきりとした。
「だったら、つらいかな~?でも幸運を祈ってあげて。無事に帰って来れる様に」
そこで昼休みの終わりを告げる予鈴が鳴った。
「じゃ、私、寝るね」
「あ……、ごめんなさい」
「いいって~。ベッドメークありがとね、シグ」
セルフィ先輩はにっこり笑った。
私は作業着を持って実習室に向かった。

実習室に入った途端、私の足は止まってしまった。
そこにはニーダさんがいた。
「あ、シグ、ちょうど良かった」
ミゲルが奥から私に手を振る。
「この間頼んだ弾の演算結果、どこに保存してあるか教えて」
「あ、はい」
私は急いでキャビネットからディスクを探した。

432:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/11/19 17:10 z5q5fk9E
「これのA-153っていうファイルに入ってます」
「ありがと」
ミゲルはディスクからデータを取り出すとプリントアウトしてニーダさんに見せていた。
「たぶん、これより距離開けると格段に威力落ちるから。引き付けてからな」
「ああ、ありがとう」
「メンテ終わったぜ~」
奥からクリスが銃を持って出てきた。
ニーダさんがそれを受け取る。
私は訳もなくドキッとした。
ニーダさんが銃を持つ所を見てしまったからだ。
「しかし、俺がチェックするまでもないだろ、お前なら」
クリスがニーダさんに言う。
「チェックは何回やったって多いって事はないだろ?見落としがあっても困るし」
ニーダさんはにこにこ笑う。
その笑顔と銃の組み合わせに、私はうまく息ができない気がした。
「しかし、ここ、久し振りに来たよ」
ニーダさんが教室を見回す。
「なんか、小奇麗になってないか?」
「ああ。それはシグが」
ミゲルが突然私を指した。
「図面をデータ化して片付けてくれるし、ファイリングがとにかく早くて丁寧なんだ」
「そんな……」
私は思わず手を振った。
ニーダさんが私に笑みを向ける。
「俺がいた頃にいてくれたら良かったのになあ」
「え?」
「ニーダは昔、このクラスにいたんだよ」
クリスが思いがけない事を言った。
「専攻の関係で、止めちゃったけどね」
ニーダさんはそう言いながら銃をホルスターに収めた。

433:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/11/19 17:11 z5q5fk9E
「がんばれよ」
「ああ」
ニーダさんはミゲルに答えると、ドアに向かった。
「じゃあ、ありがとう」
「おお。受かれよ」
クリスが手を振る。
「あの!」
ドアを出かけたニーダさんに私は声をかけた。
少し驚いたようにニーダさんが振り向く。
「無事に、帰って来て下さい」
「ありがとう」
ニーダさんは目を糸のように細めたあの笑顔で言った。
私は祈るように気持ちでその背中を見送った。
SeeD試験開始まで三時間を切っていた。


434:姐 ◆ane/8MtRLQ
03/11/19 17:13 z5q5fk9E
とりあえず書けているのはここまでです。
お邪魔いたしましたm(__)m

435:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/11/20 23:21 TTwHoxxK
書き手ばかりを責めてるレスが続いたのはロムラーとして気付てたけどあんな風にして出ていかれると、あの煽りのが正しかったんじゃないかと思うよ。ここはみんなが使う掲示板だろ私物化するなよ‥

なんかあそこで書いてる人がかわいそうだし失礼すぎないか?

なんかがっかりした

436:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/11/20 23:58 fcHU9OZU
前スレからの流れを見ていたんで「またかよ」と思って
うんざりだったんだろなと思ってたけど。
正直、あそこでのあの手のレスはお腹いっぱいでつ。
何回も同じ事を答えるハメになる職人さんたちがしんどいだろなと
思ってる。でも訪れる人は変わってゆくから仕方ないんだろうなあと
いう気もして、どうしていいのかわからんなと思う。
わからないからって名無しがレスつけないでいるのもいかんだろうと
思ったりしながらも。
自分は一所懸命作品を書いてくれる人の味方でありたいんだが、
レスつける勇気がなくてスマソ、といつも思っている……


437:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/11/21 01:34 iEJMekMT
そのスレの空気が気に入らない香具師は、「見ない」という選択をすれば良い。
けど、それを言ってしまうとスレが閉鎖的になっていく一因になってしまうわけで、難しい問題だよなあ…
この先スレ住民が「閉鎖的でも何でも、ここはこれでいく」と開き直るか、スレの空気を総入れ替えするか
しないと、何時までもループするんだろうな。

438:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/11/21 07:27 CUQPZfh4
立つ鳥があとを濁すってやり方は半端なあらしよりタチ悪いだろうなーとは正直思った。

出た方も残った方もどっちにも良い作品を書き続けてもらいたいが…

439:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/11/21 09:02 iEJMekMT
>出た方も残った方もどっちにも良い作品を書き続けてもらいたいが…

これにはドウイ。
まあ、個人的には、去る人は多くを語らず黙って…がスマートだと思うけど
一言言い残していきたい気持ちも判る。
誘い受けって言葉もあるくらいだからねえ…(ニガワラ

440:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/11/21 22:33 IzmKf7fo
んー、某スレの次スレ、
Q&Aのhtml頁を作って>>1にリンク貼れば良くない?
…思い付いたのがカインスレを見てというのが嫌なんだけどw

441:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/11/22 20:51 2cRP7wOF
>>429-433
お疲れさまです。人間模様がさりげなくカッコイイですね。
続きを読める日を楽しみに待ってます。

442:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/11/25 10:08 UbGGb0ER
そろそろ保守のきせつ?

443:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/11/25 20:10 mgMFGiA2
3日に1レスの人、最近来ないね~。
地味にあの人の保守萌え。

444: ◆2CDckY/JG6
03/11/28 06:26 wOD9uBxx
3日に1レス。これ基本。

445:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/11/28 13:20 mJrpRmwu
>>444
キタワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・* !!!!!

446:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/11/28 19:01 AsqErODg
>>444-445
おまいら面白すぎです。

447:ラトーム ◆518LaTOOcM
03/11/30 00:02 MNSepoc7
 FFTを2本更新しました。このところ、少しずつの更新ですみません。
あと残っているアグスレ6-7の作品は連作と長編です。長編テンプレについての
異議(?)とかは無いようだから良いのかな? >>366で提示してますが、
ご意見無いようなのですが。
 先にファイルいただいているスレはまだ残ってますが、もしかしたら次は
千一夜の前スレを作業してしまうかと思います(過去ログを読み直したい
事情があるので、ついでに作業してしまおうかと)すみません。

>>444
 いつもありがとうございます。
>>443,445さんと同じ気持ちです(*゚ー゚)


 

448:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/11/30 01:29 9FUWysWI
ラトームさん、乙ー。
ご自分のペースで作業なさって下さい。

449:ラトーム ◆518LaTOOcM
03/11/30 03:48 tB5VvbHb
 長編作品のテストです。一番下に次のページ、前のページへのリンクが
ありますが、この形式だと次のページに行かれない、等という方は教えて
ください。小さな事でもかまわないので、ご指摘いただけるとたいへん
ありがたいですm(._.)m
 問題なければこれで行きますが、ブラウザによって何か問題があったり
しませんですか?

URLリンク(yotsuba.saiin.net)

>>448
 お気づかいすみませんー。

450:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/11/30 06:12 3G+egJgU
モウマンタイ!

451:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/11/30 07:41 Ohr6A0DO
マイナーキャラだな・・・

452:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/11/30 12:24 zg/e7jmt
ちゃんと次のページに行けたし、閲覧も大丈夫でした。
お話も面白かったです>ラトームさん

453:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/11/30 17:46 KyLAc67j
>>449
WinXP I.E6.0 で動作確認しますた。
リンクも問題ありません。

454:ラトーム ◆518LaTOOcM
03/11/30 22:39 XDHclGDK
 皆様チェックありがとんでつm(._.)m
 自分でもmacのsafariとNN7、IE5で確認できました。
問題なしの模様ですが、NN4のシリーズをお使いの方には
どうでしょうか?
 レイアウトが崩れてしまうのはどうしていいかわからない
のですが、とりあえず、次のページ(次の話)が問題なく
リンクできているのであれば、これでいいかと思うのですが。

455:昼寝士 ◆BIdtzyaiEw
03/12/01 00:38 GVx7kiOm
当方MozillaFirebird0.7で問題ありませんでした。ラトームさんお疲れさまです。

私の方もちょっと忙しくて保管作業が棚上げになってしまっていますが、年内に
再開します。まずは作業が消滅してしまったファリスレ8をやりなおさないと。

456:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/12/01 08:57 v2CkoEtT
保守がてら、DQ4SSなんぞをちまちまと投下してみようかと思っています。
さあ、書くぞ。

457: ◆2CDckY/JG6
03/12/04 13:42 LEemH4i7
3日に1レス。これ基本。

458:アリーナ姫の動機
03/12/05 09:39 UIbGEGDO
 サントハイムのアリーナ姫様はご立腹でした。
 なぜなら、付き人のクリフトが意外に女性にモテることが分かっ
たからです。
 元々、武道にあけくれていたアリーナ姫はそういう色恋沙汰には
あまり敏感ではなかったのですが、旅に出ていろんな街や村を巡る
たびに、幾人もの女性たちの熱い視線がクリフトを追い、隙あらば
お近づきになろうとしているのを見るうちに、さすがに気づかされ
たのでした。
「なによ。デレデレしちゃって!」
 アリーナは宿屋の一室で、壁に枕を叩きつけました。
 今日もクリフトは宿屋つきの食堂で、頬を赤く染めたうら若い給
仕の女性に話しかけられて楽しそうに談笑していたのでした。
 実際のところ、クリフトは言い寄る女の子にデレデレしたりする
こともなく、丁寧な姿勢をくずすことも無かったのですが、アリー
ナには公平に物事を見ることができませんでした。
「大体、みんななんであんな奴がいいのよ。別に格好よくないし、
優柔不断だし、いじめられっ子だし、ひ弱だし、すぐ泣くし……」
 そこまで言ったところでアリーナはなんだか淋しくなって、ベッ
ドの上でシーツと一緒に膝を抱えこみました。

459:アリーナ姫の動機
03/12/05 09:45 UIbGEGDO
 昔、学校の生徒たちに体が弱いのを理由にいじめられてたクリフ
トを庇ってあげていた頃の事を思いだしたのです。確かにその頃の
彼はひ弱で、よく泣いていました。アリーナは彼をまもってあげる
ことで武闘家らしい誇らしい気持ちになったものです。
 しかし、いつしか彼はエリートである神官戦士となり、成長する
につれ武闘家としては扱ってもらえなくなったアリーナを逆に守る
立場へとその身を転じたのです。
 今感じている淋しさはあの時と同じだ。彼女は思いました。
 それは、神官戦士になったクリフトに初めて「アリーナ様」と様
付けで呼ばれた時の事でした。
「クリフト……か」
 アリーナは溜息をつきました。
 さきほど彼女は、給仕の娘にサントハイムの話を聴かせているク
リフトに「どうぞ、ごゆっくり!」と吐き捨てて自分の部屋に戻っ
ていたのです。その後、彼女の様子をうかがいにやってきた時も、
彼を部屋に入れようとはせず邪険に追いかえしてしまいました。
 別にクリフトが悪いことをした訳ではありません。アリーナもむ
しろ自分の態度の方が悪いと頭ではわかっていたのですが、だから
といってあれ以上、他の女性と楽しそうにする彼を見ている事はで
きませんでした。

460:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/12/06 18:18 qfpxCOC8
DQ4、第2章の重要セリフやイベントの詳細が載ってるページってないでしょうか?
探してみたんですけど、攻略ページが主で……。

461:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/12/06 20:34 DcpD3wnE
>>460
DQ4 台詞集でぐぐるとよろし


462:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/12/07 02:25 dbDStxBr
「明日、どうしようかな……」
 アリーナはもう一度溜息をつきました。

 サントハイムの神官戦士クリフトはご落胆でした。
 近頃、お仕えしているアリーナ姫に嫌われているような気がして
いたからです。旅をはじめた頃はそうでも無かったのですが、最近
は話しかけられることも少ないようです。
「いったい私の何が気に障ったのでしょう?」
 彼は宿の自室で肩を落としていました。
 この旅が始まった時は本当にワクワクしていました。表に出すこ
とはなかったとはいえ、彼は昔からアリーナ姫の事が大好きでした。
おてんばと呼ばれていても、強くてやさしい彼女が、本当に、本当
に大好きだったのです。
「私がお嫁さんになって、クリフトを守ってあげるね」
 いじめられていた彼を助けてくれた時のアリーナのその言葉は、
―おそらく彼女にとっては何気ない一言だったのでしょうが―
クリフトにとって何物にも代えがたい宝物でした。

463:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/12/07 02:27 dbDStxBr
 しかし、長じるにつれて自分のような下賤の者が、王族である彼
女と一緒になるなどという事はありえないとクリフトにも分かって
しまったのです。
 ならば、せめて彼女の側にいたい。
 そんな気持ちが、難関である神官戦士への道へと彼を駆りたてま
した。
 見事にその座を射とめた時には、誇らしい気持ちでいっぱいにな
ったものです。
 そんなおり、今回のお供としての旅です。
 彼女の凛々しく戦う姿、そして清々しい笑顔をまた見ることがで
きる。彼の喜びは、遙か空の果てにあるという天空城にも届きそう
な勢いでした。
 本当に危険な事には自分が身を呈せばいい。そのために戦いも呪
文も学んだのだ。
 彼は意気揚々と旅に望んだのです。
 それなのに……。
「はぁ」
 思わず溜息が漏れます。

464:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/12/07 02:29 dbDStxBr
 彼はさっきの店員との話を思いだしていました。どこから来たの
かと聞かれたのでサントハイムの話をしていたはずです。もちろん、
アリーナがサントハイムのお姫様であることは隠したままで。
 最初は姫の様子も普通で、変わったところもなかったように思い
ます。
 ところが彼が宿の店員の娘に、
「どうして、彼女に付き添ってらっしゃるんですか?」
 と聞かれて、
「それが私の役目なのです」
 と答えた途端に彼女は激昂し、先に部屋に戻ると言って席を立っ
たのです。
 決して役目が嫌だとか、面倒だとか言ったつもりはありません。
実際、そんな風に思ったことすらなかったのです。誇りと満足をこ
めてクリフトは言いました。
 だからこそ彼には、アリーナ姫がなぜ激昂したのかわからなかっ
たのです。
「やっぱり、嫌われたのでしょうか……」
 クリフトはもう一度溜息をつきました。

465:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/12/07 06:03 dbDStxBr
>461
どもです。助かりました。
ヘボSS書きで遅筆ですが、がんばります。

466: ◆2CDckY/JG6
03/12/10 03:21 8xsqD0w7
3日に1レス。これ基本。

467:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/12/12 00:35 krUkH5tB
DQ4SS面白い!イイ!
すごく読みやすくて、キャラの心情がバシバシ
伝わってくる。続き楽しみです!

468:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/12/13 08:54 cZIOEK1i
ありがとうございます。
そう言っていただけると書いたかいがあります。
がんばって続き書きます。

469: ◆2CDckY/JG6
03/12/16 10:44 wr0/kcfe
3日に1レス。これ基本。

470:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/12/17 18:57 r5pCvP4v
エロパロ板DQスレ移行しました。

ドラゴンクエスト官能小説Part7
スレリンク(eroparo板)

即落ち防止のため、書きこみお願いします。
(でも、21歳未満は行っちゃだめよん)

471:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/12/17 22:29 cjTGEfdK
1000行く前にスレ容量が一杯になったんだ

472:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/12/19 23:34 A+bPffGd
 これで、よかったのだとクリフトは思う。
 神官帽を目深にかぶり、くちびるを固く結んだ。噛み締めるように。
 嫉妬、後悔、羨望、焦燥……そして愛する人への想い。
 さまざまな感情が混ざり合い表現のしようもない思いを抱えて、
 今クリフトはサントハイム城内謁見の間にいた。

 主君であるサントハイム国王の声が耳にいつまでも残っていた。
「わが娘アリーナと、スタンシアラ第二王子カイリの結婚を認める」

 サントハイムのアリーナ姫とスタンシアラのカイリ王子との婚約が
成立してから数ヶ月…いよいよ明日に結婚式を控えて城内は活気だっていた。
 普段から手入れの行き届いている城内はいつもにまして美しく、
花壇には美しい花々が咲き乱れていた。厨房ではコックが明日のための
料理の仕込みに余念がなく、メイドたちは慌しく廊下を走り回っている。
城内の教会にも真っ赤な絨毯が敷き詰められ、参列者の席が用意されており
それだけですでに厳かな雰囲気が漂ってきていた。
 そしていつしか日も落ちて、明日のためにと早々に城の者はそれぞれの
家へと帰っていった


473:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/12/19 23:35 A+bPffGd

 教会の裏の自室にて、クリフトはひとり聖書を読んでいた。ランプの光が
ゆらゆらと揺れながら手元を照らしてくれている。心を落ち着けようと
開いた聖書も思うようにクリフトのざわめき立つ心を静めてはくれず、
言いようのない焦りのような気持ちと断ち切れないアリーナへの恋心を
掻き立てるばかりだった。
「……だめだ」
 聖書をたたみ、机に肘をつき指を組み、その上に額を乗せた。
 今更どうしようもないことはわかっているのに、焦る気持ち。未熟な感情。
 こんな状態で眠れるはずもなく、クリフトは上着を手に部屋を出た。

474:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/12/19 23:39 A+bPffGd
明日のために美しく飾られた中庭を、クリフトはひとり歩く。
 胸のうちに秘めた様々な感情を、ひとつひとつ殺していくように努めながら。
 アリーナが気付くのが遅かったからなのか、クリフトが隠しきれなかった
ことが悪いのか。身分の違うふたりの間に生まれた愛は、周囲に打ち明ける
ことなどできぬまま、かといって互いに消滅させることもできぬまま、
今日のこの日まで持ち越してしまった。
 割り切れるほど簡単なものではなく、壊してしまえない強さを放つ純な愛情。
 クリフトはアリーナに触れられぬまま、アリーナもクリフトに触れて
欲しいと言えぬまま、自分たちの恋する感情を誰に告げることも
できぬままに密やかに過ごしてきた。
 結ばれることなどありえない。約束できる未来などなかった。
「……姫さま…」
 囁きはあたりの空気にとけて消えた。
 この声がもう届きはしないとわかってはいても、愛しさを込めて声に表す。
「クリフト……」
 さえずりのような甘い声が聞こえた。
 はじかれたように振り替えればそこに、薄手の夜着を纏った
アリーナの姿があった。


475: ◆2CDckY/JG6
03/12/22 09:26 IfLF/dBj
3日に1レス。これ基本。

476:ラトーム ◆518LaTOOcM
03/12/23 00:12 mg4/s5cD
皆様いつもありがとうございます~。

千一夜サイトの方でご質問いただいていて気付いたのですが
保管人の皆様、作業ファイルをupしたいなあとお思いでしたらば、
よろしくおねがいいたしますですー。
私の作業が滞っていることでお気遣いいただくのは申し訳なく。
すみません。

477:470
03/12/23 01:35 SFtv379g
ラトームさん、いつもお疲れさまです。
どうぞ無理なさらず、マイペース運営でマターリ
続けてくださいませ。

官能小説スレ、どうやら即死免れたようです。
皆様、ご協力ありがとうございました。

478: ◆2CDckY/JG6
03/12/26 14:42 U9XUdClb
3日に1レス。これ基本。

479: ◆2CDckY/JG6
03/12/29 08:51 rH9sRMUD
3日に1レス。これ基本。

480: ◆2CDckY/JG6
04/01/01 08:42 6eu6vIqv
新年に1レス。これ基本

481:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/01/04 05:49 ldEVEPK+
今年も良いSSが書かれますように ナムナム

482:ラトーム ◆518LaTOOcM
04/01/06 02:18 7NICUZFZ
 明けましておめでとうございました、って感じの日数があいてしまいましたが。
本年もまたーりでよろしくおながいします。
 保管作業の方は、地味にやっておりますが、保管よりも削除の方が対応が早い
という具合になってます。新春早々の仕事は削除でした(メールでいただいた話と
いうこともあって、サイトには書いてないですが)。
 前にも別の作品でご連絡いただいたのですが、作品が作者以外によるコピペでは
ないかと思われた場合はご連絡ください。メールの方がありがたいかと思いますが。
 今年は保管も一気に進められるようになりたいと思っております。htmlエディタを
新調しまして、やっと使い方に慣れましたので、なんとかいけるかと思います。
 ただ、過去ログのupには少々手間どっています。手もとにログはあるのですが。
htmlにするのがどうもうまくいかなかったりしまして。
 リンク集も鯖移転で直さないといけませんね。仕事いっぱい溜め込んでしまってるなあ。

 今年も私に出来る範囲で進めて行く事に変わりはありません。仕事がのろくてイライラ
される事もあるでしょうが、気長におつきあいくださいませ。

483:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/01/06 08:54 D/8AtCnK
いいですよー、マターリヽ(´ー`)ノ いきまっしょい!

484:雫夜 ◆sizukTVGK.
04/01/06 19:33 +0T4aCdL
あけましておめでとうございます。
サイト運営乙です。しばらくこちらにいらっしゃらないので気に
なっていました>ラトームさん
無理なさらずに、ラトームさんのペースでマターリ進めて下さいね。

485:ラトーム ◆518LaTOOcM
04/01/06 20:45 7NICUZFZ
 過去ログを8本追加、過去ログ集のページと、現行スレへのリンクページを
分けました。SS目次のページもわけた方が軽くて良いかなあと前から思って
いるのですが、全部が見られると、他の作品のSSも読もうかなと思えるだろうと
いうのもあり、決断しかねております。
 FFTA及びFFXIのエロ系保管サイトさんに勝手にリンクしてますが、まずそう
でしたら教えてください。特にリンクについての注意のないサイトさんだったので
良いかなと思ったのですが。

>483-434
 どもですー。
 なぜか2回に1度しか書き込めないので(マカエレが調子悪いらしく)
このところ書き込みを控えておりました。それでご心配おかけしたかも
しれないですね、すみませんー。



486:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/01/06 21:09 X+DKkDUw
>全部が見られると、他の作品のSSも読もうかなと思えるだろう

確かにこれは大きいです。
目当てのSSを読もうと画面をスクロールさせてると、
ふと、他のシリーズ作品も読んでみようかな、ということはよくありますよ。

487:ラトーム ◆518LaTOOcM
04/01/06 23:46 7NICUZFZ
 logをupできないなあと思っていたら、鯖の利用制限一杯になってました。
50Mごとの契約なので、さらに50M容量追加するか、過去ログを圧縮するかしか
ないわけですが。
 現在のところ、497本保管しているので、目指す1001話の約半分。単純に
計算すると、さらに50M追加すれば足りるんでしょうかね。それで足りるなら
追加の方が簡単かなあ。
 それにしても、ほとんどテキストで50Mとは。過去ログ倉庫が重いとはいえ
すごいものですね。

>486
 そうですよね。しばしあのままにしておこうと思います。

488:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/01/09 12:55 Pmq58Pxd
保守

489:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/01/09 16:02 izQNWYEf
保守っしゅっしゅっしゅ

490:雫夜 ◆sizukTVGK.
04/01/11 01:35 1eqR4Gnq
FFの恋する小説スレが、新スレに移行しました。

FFの恋する小説スレPart3
スレリンク(ff板)l50

よろしくお願いします。

491: ◆2CDckY/JG6
04/01/14 04:12 lQVCcUK8
3日に1レス。これ基本。

492:ラトーム ◆518LaTOOcM
04/01/14 09:32 0XdtY1L3
 前に長篇用テンプレ例としてまとめていたFFT長篇をちゃんと収録しました。遅く
なりましてすみませんでしたー。うっかりしておりました。
 サーバーの容量が一杯になったので追加申請しているのですが、まだ容量追加許諾
連絡がありません。そのため、作業を終えたファイルがあってもupできない状態に
なっています。次の更新は容量追加後になります。

>>488-489,491
 いつもありがとうございます。

>>490
 あいかわらず、容量いっぱいになるのが早いですね。
 またーり楽しくスレが進んでゆきますようにー。

493: ◆2CDckY/JG6
04/01/17 09:35 97XTMrIJ
3日に1レス。これ基本。

494:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/01/17 23:33 ZW8HQJ/H
初めての保守レス。これ基本。

495: ◆2CDckY/JG6
04/01/20 13:05 AJC2o24d
3日に1レス。これ基本。

496: ◆2CDckY/JG6
04/01/23 09:18 +er7PsEl
3日に1レス。これ基本。

497:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/01/24 17:09 e9rGqjvu
エロパロのFF小説スレどこいった?

498:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/01/24 22:01 wCaau7Ok
>>497
総合スレなら板の下のほうに沈んでいますよ。
直接逝くならこれで。
スレリンク(eroparo板)

499: ◆2CDckY/JG6
04/01/27 09:59 bWZiMV4g
3日に1レス。これ基本。

500: ◆jH3Q3bIrRM
04/01/27 18:58 y4BdBqeS
仕事中に500get

501:ラトーム ◆518LaTOOcM
04/01/29 01:42 78b//ca8
 いつも保守などなどありがとうございます<皆様
 2ちゃんに書き込みにくい状態なので、レスなどお任せになっててすみません。

 サーバーの容量が一杯になってしまったので、更新できるファイルが手元にあっても
いじれない状態のままです。増量依頼はしてあるので、手続き待ちです。

 ということで、簡単ながら近況報告でした…

502: ◆HTGdrEd8R2
04/01/29 06:22 XYRasS6i
スラムダンク32巻発売決定キタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!!!
URLリンク(unyuu.yoll.net)

503: ◆2CDckY/JG6
04/01/29 09:16 SMX8nLyw
ブラクラらしいです。注意めされ。
ていうかすべてのスレッドに張られています。

504:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/01/29 09:23 SMX8nLyw
名前消し忘れました。申し訳ないです。

505:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/01/29 20:58 QxM9+Pc/
>>503-504
3日に1レスの人のフツーなレスを初めて見た…保守とかブラクラ対策とか乙。

506:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/01/31 14:39 cGQiOLso
保守ついでに、
誰か勇者×アリーナの甘甘バカップルな話を書いてくれー
と要望してみるテストとか試してみるとかそんなの。

507: ◆2CDckY/JG6
04/02/04 18:01 Sm8FcAOH
4日に1レス。これ応用。

508:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/02/04 22:49 vcHPfRKc
どんなカプでもなんでもいいから、
DQ4のピサロ、ロザリー書いてくださぁい

509:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/02/04 22:52 KqO4id3G
>>508
イミワカンネ

510:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/02/05 10:44 0EzGThDG
黙れハゲ

511: ◆2CDckY/JG6
04/02/08 09:32 sM6CPN6Z
3日に1レス。これ基本。

512:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/02/10 18:51 NFsAXtrF
クリフト「ライアン、男の子はきらいなの?僕はあなたが、・・・・好きだ。」


513:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/02/10 20:25 1VhN6OmR


514:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/02/11 08:40 H/ikdMxL


515:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/02/12 00:51 5MMlohVH


516:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/02/12 09:15 wFG64kRi


517:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/02/12 10:18 NVoOxUjD


518:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/02/12 15:36 DHLnMpYf


519:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/02/12 18:23 9VbcV2Zk


520:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/02/12 19:31 7xVoQ0Fd


521:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/02/12 19:32 7xVoQ0Fd


522:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/02/12 19:35 7xVoQ0Fd


523:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/02/12 19:53 5MMlohVH


524:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/02/12 20:43 QA8vYBpa


525:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/02/12 21:00 t4P6uwEJ
    \   \v/  /    
   __ ヽ(`Д´)ノ ___ ほぼまりもんば!
        ( 回 )        めるとだ!!
      / / ヽ  \

526:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/02/12 21:03 sq/xYWxq
   | v/  レンゾクキセイガ ツライノデ、マタネ・・・
   |Д´)ノ 》
   |回.ノ    
   | <     ゼンカイトハ、チョットチガウゾ

527:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/02/12 21:07 dCbrql7R
このスレの人こういう時団結するよね。
ほのぼのしてて(・∀・)イイ!

528:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/02/12 21:08 GR3rE7kX
未だにこのスレがどういうスレなのかわからん・・・

529:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/02/12 22:20 5MMlohVH
>>525-526
千一夜スレのsage保守神サマ~。
今回降臨されるのではないかと思ってましたよ。
連投規制に負けず、がんがってくださいませ。

>>528
FF・DQの小説スレッドの本スレだと思ってたけど…チガウノ?

530:ラトーム ◆518LaTOOcM
04/02/13 01:36 uLz5q5Rz
 おぉ、ほぼまりもんばが完成しているヽ(´∀`)ノ ワーイ
(でも元ネタあるんですか?あれ。偶然できた単語だと思ってたけど…)。
 皆さんいつもありがとうございますー。

 相変わらずサーバー使用量拡張許可の連絡がありません。また連絡入れないと
いけないかな。

>>527 同意でっす。

>>528 1に書いてある通りです(という答えじゃ駄目なのかな…)

>>529 
> FF・DQの小説スレッドの本スレだと思ってたけど…チガウノ?
 本スレといえば本スレなんですかね。FFDQの小説を書く事のできるスレで
あるのは確かですが。どちらかというと「こんな小説読みたいけどどこで読める?」
「こんな小説書きたいんだけどどこならOK?」というようなお問い合わせ用スレに
なっているかもしれないですね。
「こんなスレがあるけど保管しておくれ」というのもアリなんですが、最近はそう
いう情報も少ないかな。

531:不可思議な少年
04/02/16 15:49 yC42kH8G
そのとき、人影が見えた。
僕らは、ポカパマズさんが帰って来たのだと思った。
だって、あんまり似ていたから。
「ポカパマズさん!」
「ポカ…?
ああ、僕はポカパマズだよ」

その応えに、僕らはみんな不信感を持った。
自分の名前に、それはないだろう。


532:ストレンジ・スレイヤー
04/02/16 15:50 yC42kH8G
ところが彼があんまりハンサムで、あんまり強烈なカリスマだから、
僕らはすっかりチャームされてしまった。
彼は僕らのスウィートハート、僕らは彼を崇拝し、その周りで踊った。

躍るリズムに魅せられて、森から現れるスライムたち。
踊る半裸の僕らを見て、可愛らしい歓声をあげて跳ねてきた。
ところが彼は、「うるさいな」とでも思ったのか、
一瞬でスライムたちを殲滅した。

あんなに平和的なスライムたちを、
邪魔する奴らは指先一つでデリートなんて、
人間業とは思えない。
僕らはほとんど発狂した。

彼は絶対にポカパマズさんじゃない。


533:消え去り
04/02/16 15:51 yC42kH8G
恐慌する僕らに、彼は秘蔵の薬物を取り出して言った。
「これを飲めば、それは消える」

僕らには見えるが、大人たちの目には見えない。
僕らは武装し、村を襲撃した。
「え?」
「なに?」
「なんだって!」
「おおっと!」
「いてっ」

楽しければ、
ポカパマズさんじゃなくてもいい。


534:不明瞭な少年
04/02/16 15:52 yC42kH8G
夕焼け小焼けで日が暮れて、
帰る時間がやってきた。
「ああ、ホームっていいよな…」

明日もまた来てくれる? 彼は、ただ寂しそうに微笑んだ。


彼はやっぱり、ポカパマズさんだった。


535:魚
04/02/17 09:10 5et/cOIb
もう一件。

536:武神流窮鼠派の伝説
04/02/17 09:11 5et/cOIb
大ねずみのチウは若くして拳法を志した。
志を立てれば即断行、チウは近辺の山野に強き者を求めた。
拳の道を志す者、すなわち天下無双を目指す者。
強い者と闘い勝利し続ける先にこそ、わずかに道は開かれる。
一匹のねずみが野心に目をぎらつかせ、肩で風切って道をゆく。

あるときチウは一人の人間を見つけた。
白頭白髯、腰は曲がり、見るからにひょろひょろの爺さんである。
渓谷に迫る大岩にひょいと座し、弁当など使っている。
いかにも弱そうだが、人間は見掛けによらぬもの、
チウは即断し、老人に襲いかかり、そして無惨に敗れた。

チウがどのように敗れたのかは伝わっていない。
とにかく一指も掠ることなく、チウは完全に制圧された。
ミミズやカエル(巨大だが)を相手に築いてきた自信は粉砕され、
チウはひたすら平伏し、許しを乞うた。願わくば、弟子にと。
老人は笑って何やら呟く。
何やら。
人間に師事するためには、まず言語を学ばねばならぬ。
そのときより、チウは武神流に入門した。


537:名義法
04/02/17 09:12 5et/cOIb
老人は武神流拳法の祖、拳聖と呼ばれ、武術の神様のような人物であった。
言語を学ぶにつれ、チウは武神流拳法の深奥を、言語的に学んでいった。

武神流の技は常に五字より成る。
最初の二字は枕、本題を引き出すための冠頭詞である。
次の二字は技の本義を示し、最後の一字は「拳」で締める。
老師はチウの拳法に、「窮鼠」の枕詞を授けた。
このねずみに、どこか追い詰められたようなところを見取ったためである。

チウの編み出した最初の技の名は「窮鼠文文拳」、
武神流・窮鼠派の一技、手をぶんぶん振り回す、拳であった。


538:魔拳戦士
04/02/17 09:13 5et/cOIb
武神流を一通り修めたチウは、師に暇を乞うて山を降り、武者修業に出た。
下界はまさに戦乱の時代、人界と魔界の血で血を洗う闘争の中に、
チウは自ら身を投じ、ねずみでありながら人間に与し戦った。

『窮鼠伝』によると、チウは無数の魔物を従え、「獣王」と畏れられたという。
また、人間の勇者を率いて大魔王と戦い、これに止めを刺したのもチウだという。
この時代のチウについては広く知られており、物語などにも登場する。
小躯を翻し機敏に活躍するねずみの姿は、小説・講談・演劇に多く取り入れられ、
現在でも各地の祭の呼び物となっている。

戦後、一線を退いたチウは、正式に武神流窮鼠派を開山し、後進の育成に当った。
同時に人間と魔物との融和活動に奔走する、窮鼠山はその一大拠点となった。

窮鼠派の技は従来の拳法の概念を大きく塗り替え、
人間の身体構造にとらわれないという特色をもつ。
尻尾があってもよい。腕が六本あってもよい。空を飛んでもよい。
百様の身体をもつ全生物の拳法であり、人間の拳もそのひとつに過ぎない。

一見すれば極端に誇張的な、外道の流派のようであるが、
百の技を統括する精神は、おのれを知り、最大限に活かすことで武器と化す、
これは武神流の精神を正当に継いだものである。


539:武神流窮鼠派の奥義
04/02/17 09:19 PdDK7beP
老師に言語を教わってより、いつの間にか人間と交わり、物を教えるまでになった。
けっきょく、拳法とは何なのか? 天下無双とは何だったのか? 強さとは?
疑問がないわけではない…。

武神流奥義をさらに展開した、窮鼠派の奥義は以下の二種である。

肉体を体当たりの弾丸と化し、直撃の瞬間に全身から反生物エネルギーを放射する、
一の秘拳、「窮鼠烈光拳」。
これを受けた生物は例外なく、全身を灰と化し、砕け散る。

敵に顔面から突撃し、衝撃が身体内部から破壊する、
二の秘拳、「窮鼠破砕拳」。
顔面衝撃により、敵の背にねずみの貌が浮かび上がる。



540:野生のねずみ
04/02/17 09:20 PdDK7beP
ねずみ色だった毛もほとんど白く変わり、身は痩せて皺が寄ってきた。
老師は既に亡く、いまやチウ自身が武術の神様とみなされていた。

晩年のチウは、後年を述懐して次のように語っている。
「若い頃の私は、強さに憧れ、人間に憧れ、がむしゃらに滑稽に生きていた。
人間に恋したりね。手の届かないものばかりだっただろうか?
私は今でも、そうは思わない…」

年老いて死を悟ったとき、チウは高弟・マリンスライムのマリべえにのみ、
そっと告げて窮鼠山を去った。
「ねずみは死せず、ただ去るのみ」
しかし、その言葉の中にマリべえは、老いてなお変わることのなかった、
追い詰められたねずみの、自嘲めいたものを感じていた。

チウが何処で果てたかは知られていない。
その後、武神流窮鼠派は門弟たちによって引き継がれ、千年を経て現在に至る。

(武神流窮鼠派の伝説 おわり)


541:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/02/17 09:38 97XTMrIJ
感動しますた。まじで。

542:ほしふるうでわ
04/02/17 12:16 kYSwnDdI
輪になって遊ぶ子供たちは、ベンチに座って眺める二人が
予言の勇者と一国の王女だとは、夢にも思わないだろう。
小さな町の片隅の、平和で平凡な子供たち。

  ほしふるうでわ つけたなら
  すばやさあがって うれしいな

輪の中の女の子は歌に合わせて、けんけんぱ、と飛ぶ。
一巡するごとに、どんどん歌が早くなる。どんどんステップが早くなる。

  ほしふるうでわ、つけたなら!
  すばやさあがって…

ステップを踏み違えた。きゃっきゃっと子供たちが喜ぶ。交替だ。
「ヘンな歌だなぁ」
「そう?」
きらめく夜空に星降る腕輪、あなたの腕に着けたなら…。
それは何か、とても素敵なことのように思われた。

王女が振り向いた。
「素早さは?」

予言の勇者は考えかけたが、やめた。
「それは…たぶん、嬉しい」
王女は鼻で笑った。そして二人は、また子供たちを眺めた。

---
>>506
さらにもう一件、お昼即席。我的甘甘はこんな感じの印象派。
3だけど4。しばらく黙ります。


543:ラトーム ◆518LaTOOcM
04/02/17 12:37 PkpHmtsn
わ、久しぶりにSS到来ですね!
ほわわ~んと、幸せな感じがしますヽ(´∀`)ノ ワーイ
特にチウは大好きだったので、嬉しかったですよ。

さて、千一夜をちょっとだけ更新しました。現行スレへの
リンク訂正です。サーバー容量が増えないと困りますが、
どうなっているのかなー。
まあのんびりお待ちくださいです。

544:ザ・サバイバー
04/02/17 18:29 /GvVtTn+
「ねえクリフト。わたしたちこうしてどれくらいになるのかしら……」
「申し訳ありません、姫様。私にももう時間の感覚が無いのです」
「そっか……。そりゃそうよね。こんなに目の前の景色が変わらないんじゃあ……」

 二人の声をかき消す様に風音が唸りを上げる。
 風雪吹き荒れる大地に穿たれた洞穴にて、二人は膝を抱え座り込んでいた。

「どうしてこんなことになったのかしら」
「どうしてでしょうねぇ」
「やっぱり馬任せで行き先決めるってのが無理があったのよ」
「駿馬と言えど、所詮家畜ですからねぇ」
「そもそも言い出しっぺは誰って話なのよ」
「サイコロ任せで旅も面白いかもって言い出したのは姫様では?」
「問題は誰が『馬』なんて項目を書いたのかってことよ!」
「確か、マーニャさんだったかと」
「マーニャか……。今は居ない人を責めても仕方ないわね」
「そうですね……」
「マーニャってば、あんな陽気な性格してて逝く時はあっけなかったなぁ」
「あの軽装じゃあ、当然って気もしますけどね」
「最後のダンス、まるで夢のように綺麗だったわ」
「儚いですよね……。人の命なんて」
「気の触れた姉を介錯するミネアの愛に涙したもの」
「ええ。……まさか直後、マーニャさんの後を追うとは予想もしませんでした」
「向こうでもきっと、姉妹仲良くしてるわよね……」
「そうですね……」
「装備と言えばライアンよ。あれは酷かったわ」
「凍り付いた鎧が素肌に張り付いて全身がズタズタですものね……」
「やっぱり時と場合をわきまえない格好してる人は駄目ねぇ」
「当たり前の事が出来ない人が多いんですよ……」


545:ザ・サバイバー
04/02/17 18:30 /GvVtTn+
「……ああ、寒い。ここは寒いわ。寒くってもう凍えちゃいそう」
「姫様、もっとこちらへ寄った方が……」
「それはイヤ」
「そうですか」
「トルネコなら暖かそうだったのになぁ。臭いけど」
「みんなの為だったんですよ、仕方ないです」
「ソロがみんなの食料を確保するためにしたことだものね」
「ええ、口減らしを言い出したお前が死ねよと思いましたが……」
「選民思想って奴ね……。神にでも選ばれた気だったのよ」
「いや、実際選ばれてるんですけど」
「その割にはあっけない死に様だったわ」
「シンシアが呼んでる、とかワケの分からない事を言いながら……」
「崖から飛び降りるとはね……。哀れな勇者様」
「世界どころか自分一人も救えませんでしたね」
「モンスターを食べるって案はなかなか良さそうだっただけどなぁ」
「ここ、ブリザードばっかりですからねぇ」
「倒しても何も残らないんだもん。肉っぽいのが居れば良いのに」

546:ザ・サバイバー
04/02/17 18:33 /GvVtTn+
「私の馬肉永続案も惜しかったんですけどね」
「うん、パトリシアから馬肉を取ってはホイミで補充する案ね」
「まさか、脚一本切っただけでショック死するとは思いませんでした」
「畜生は畜生ってことかぁ」
「腐る心配はなかったけど、パト肉もそんなに保ちませんでしたね」
「生で食べるのは結構キツかったけどね」
「そうですねぇ……。火を起こす魔法の使い手がいませんから」
「ブライなんて氷作るしか能がないのに最後の火まで駄目にしちゃうんだから」
「ああ……、ブライ殿の最後の献身には驚きましたよ」
「姫様、ワシの肉を食べてくだされー!なんて火に飛び込んで……」
「結局、誰も口にしませんでしたね」
「あったりまえじゃない! それに筋張ってて美味しくないんだもん」
「た、食べてるじゃないですか!?」
「やあね、一口だけよ」
「い、いや、しかし……」
「もう、あんまりうるさいと食べちゃうわよ」
「洒落になってませんよ!!」
「あら? シャレじゃないわよ……?」
「あ、あはは、や、やだなぁ姫様ってば……あはは」
「うふふ……ふふっ」
「あ、あは、あはは……」
「うふふふふっ……」

 洞穴にはいつまでも二人の笑い声がこだましていた。
 デスピサロが進化するより先に、二人が人間を止めるまであと数日─

547:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/02/17 20:38 cuL8MWTn
ひかりごけか良栄丸か・・・(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

548: ◆2CDckY/JG6
04/02/20 08:40 AJC2o24d
3日に1レス。これ基本。

549:亀
04/02/23 10:09 FhmRWQZk
***青き星古典文学体系1 亀***


月から呼び寄せられた四天王の一角、『土のスカルミリョーネ』が倒されたという。
玉座にあって密偵の報を受けたとき、『水』のカイナッツォは
同僚を倒したという、白銀の髪の青年の姿を思い浮かべた。
若いが、漆黒の鎧兜に身を包んだ騎士姿はサマになったものだ。
骨と皮だけの身に目だけが光り、せわしなく嫌らしく笑う同僚と比べれば、
さもありなん、と納得するところがあった。

追い出したのは自分だが、カイナッツォは件の青年騎士にいくらかの好感を持っていた。
少なくとも、『親衛隊長』と称して傍らに侍る、図体はあるが目付きは小狡い男よりは。
「ゆゆしき事態ですな」
親衛隊長、ベイガンは言った。人間でありながら悪魔に魂を売った男。
自分はその、悪魔なのだが…。カイナッツォは苦笑した。

バロン王国は悪魔に魅入られていた。
勇猛にして賢明なる国王は、人知れず魔獣カイナッツォに取って代わられ、
王国の軍事力は世界に破滅をもたらすために振るわれていた。


550:悪
04/02/23 10:10 FhmRWQZk
魔獣カイナッツォは、巨大な亀の本性を隠して玉座に座る。
自分の千年の知恵をもってすれば、王国の統治は容易いという自信はあったが、
そのような指令は受けていなかった。軍を用い、『クリスタル』なる宝物を探せばよい。
バロン国王なるカイナッツォは、政事をかえりみず殺戮に走り、
国土は荒廃し国民は退廃した。

こうして利用される人間というのは憐れだ。カイナッツォは憐れをもよおしたが、
だが考えてみれば、人間がどうなろうとおれの知ったことではない。
憐れな連中をいたぶってみるのも面白いかもしれず、
そのようなとき、カイナッツォは城下に出、市民をさらって食った。

このように短絡するあたり、やはりおれは邪悪な化け物なのだ。
口許の血を拭いながら、カイナッツォは考える。
だが考えてみれば、人間に邪悪呼ばわりされたところで、おれは痛くも痒くもない。
化け物の行動の決定因は、究極的には「面白いか、否か」でしかありえないのだ。
愉悦に浸りながら、カイナッツォはどこか暗澹としたものを覚える。

この国の王にしても、殺すつもりなどはなかったのだ。
あの老人が、あまりに激しく抵抗したから
つい、食べてしまっただけで…。死ぬとは思わなかった。


551:火
04/02/23 10:12 FhmRWQZk
「彼には土地勘もあれば人望もある。一筋縄ではいかない」
豪奢な真紅のマントを翻し、騎士は言った。

金で縁取られた壮麗な鎧は、どこかの国の将軍といったところ。
表情を殺した冷徹な視線、ゆるぎない長身、
少ない口数と油断のない慎重さの後ろに、絶大な自信をカイナッツォは見て取る。

「このバロン城は、世界でもっとも堅固な城だ。彼が現れたところで、
絶対に破ることはできない」

「正面からは、な」
玉座に鋭い一瞥を投げ、騎士はカイナッツォに背を向けた。
大理石の床にかつかつと鉄靴が響く。
カイナッツォはいまだ、騎士の名前を思い出せずにいた。
「カビ、ルン…ルン」

去りかけた『火のルビカンテ』の足がぴたりと止まった。
振り返らない。しかし、じわりと室温が上がった。

「警告はした」
声に静かな怒りを込め、赤の騎士は去った。カイナッツォは嘆息した。


552:風
04/02/23 10:14 UbYipyQJ
「聖騎士の力を侮ってはならない」
妖女は控えめに警告した。

高く結い上げた髪は白金にきらめき、光を宿して、ゆるやかに巻きながら流れ下る、
さながら渦を巻く風。やさしげなまなざしの奥には情熱を秘め、
知的に成熟した容貌の中にも、乙女の風情を失わずある…。
と、カイナッツォは女を観察した。関心は湧かない。

「青き星の人間に、おれを殺すことはできないのだ。彼が現れたら、
逆に食い殺してみせよう」

「彼は只者ではないぞ」
かすかに眉を寄せ、穏やかに告げる女を、カイナッツォは玉座から見下ろした。
ドレスを透かし、尖った胸からくびれた腰へ、女の曲線をなぞる。
フンと鼻を鳴らしたとき、女の名前を思い出した。
「…バリバリ、シワ」

『風のバルバリシア』は柳眉を逆立てて怒った。
「この忌々しい爬虫類! そんな口を二度きいてご覧、ずたずたにしてやるから」

後ろに控える侍女らしき三人が必死に抑え、なだめすかす。
妖女は憤然と腰を振りながら去っていった。カイナッツォは玉座に身を沈めた。


553:魂
04/02/23 10:17 UbYipyQJ
死んだ「本物」のバロン王が、亡霊となって出没するという。
よろよろと現れたベイガンは、両手を示し、カイナッツォに泣きついてきた。
「洗っても洗っても、血が落ちないのです!」

カイナッツォの目には血など見えなかったが、
ベイガンはハンカチで神経質に手を擦り続けた。
カイナッツォは玉座から、親衛隊長を不快に見下ろした。

「お前とて既に人間ではない。引き返せない道を、お前は選んだのだ。
最初から分かっていたはずだ」

「ああ、私は悪魔に魂を売ってしまった!」
何をいまさら、とカイナッツォは思った。
手を振ってベイガンを追い出す。一匹になりたかった。

「やつが来る…やつが来るぞ!」
ひひひ、とベイガンの狂気じみた笑い声が回廊に響いた。

(亀 おわり)


554: ◆2CDckY/JG6
04/02/26 09:31 YJ66sH26
3日に1レス。これ基本。

555: ◆2CDckY/JG6
04/02/29 08:56 SMX8nLyw
3日に1レス。これ基本。

556:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/03/01 14:24 Oqy0i4k3
ほし

557:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/03/03 18:01 vWN1rP/i
保守あげ

558:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/03/03 19:01 6UlqU3mU
アレ許はどうなった?

559:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/03/03 20:16 lOpnyuFi
神のサイト発見
URLリンク(senyaaru.fc2web.com)

560:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/03/03 22:25 biKuhjlJ
>>558
 アレ許って何??

561:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/03/03 22:38 Kvd7B+nx
>>558
>>560
URLリンク(www.angelfire.com)
荒しのせいで中断したらしいです。

562:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/03/04 23:32 G/TB4TGB
スレリンク(gline板:332-番)
SS板を作るかどうかで議論してた模様

563:ラトーム ◆518LaTOOcM
04/03/05 01:10 7GxX6hih
 全レスはうざいかなーと思ってスルー気味になってますが、見てますー。
鯖の増量申請はまだ通らない模様……。

>>562
 見てきました。comic系の人が中心になって話が進んだようですね。
もともとFFDQは萌えスレ系でのSSもそれほどアンチはいないようだし、
格別にその板に引っ越しする必要はないようです(SS系は全てその板に
引っ越してこい、ということではないようですし)。

 ええと、544からのザ・サバイバーは保管しません、ごめんなさい。
怖すぎます (((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

564:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/03/05 03:00 tCdkuips
ここに一本アップしてもいいですか。
DQ5ネタのSSです。
okが出ればのせようと思います

よろしくおねがいします

565:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/03/05 03:02 MbD6hnL0
ジャンルによる
主人公中心→5主人公萌えスレ
ビアンカ→ビアンカ萌えスレ
フローラ→フローラ萌えスレ
その他ならこのスレでも構わないと思ふ

566:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/03/05 03:06 tCdkuips
萌えという類のものはほとんど無いと思います
シリアスものです。
ビアンカやパパスなども出てきますが主人公は5の主人公です

567:ラトーム ◆518LaTOOcM
04/03/05 03:16 7GxX6hih
>564さん GOGOですよー。
 別にOKをもらわなくともSSを書いて構わないスレだと思っていたんですが
違いましたっけ?
 あと、各々の萌えスレに書きにくい事もあると思うので(もともとそのスレ
住人じゃなかったり、スレによってはSSを歓迎しないかも?ですし)該当キャラの
萌えスレがあっても、こちらに書いても構わないのではないかと思ってますが。
 まあ、キャラを不要に貶めたりして荒れるような事は勘弁願いたいですが。
そういう事になるのはSSの内容そのものじゃなくて、それに関する感想とか、
あとがき次第ではないかと思いますから。その辺は気を使っていただきたいかな。

 眼が覚めたのは564さんに呼ばれたのかな。不思議な感じ。


568:鬼畜兄貴 ◆6VG93XdSOM
04/03/05 03:21 tCdkuips
では久しぶりにDQ板にアップさせてもらいます

569:K ◆6VG93XdSOM
04/03/05 03:33 tCdkuips
      ~プロローグ1~





   2004年 7月 ヨーロッパ ポーランド





とある南の町はずれの山道にて―――



アダム「おじいちゃん、ほらもうすぐだよ。」

リュカ「アダム、もう少しゆっくり行ってくれんか。」
アダム「おじいちゃん、もう疲れたの?」

リュカ「うむ、歳のせいか毎年お墓参りに山へ登るのも楽ではなくなったな。」
アダム「あーあ、ママたち何やってんだろ、まったく遅いんだからなー。」

リュカ「二人は車を停めてから後からくる、私たちで先に行ってくれと言っておったぞ。
    ばあさんも最近は足が悪くて車イスでないと無理だからな。」
アダム「そう、じゃ早く行こうよ。おじいちゃん。」

リュカ「わ、わかったわかった・・・そうせかさんでくれ。」

.

570:K ◆6VG93XdSOM
04/03/05 03:35 tCdkuips
      ~プロローグ2~


アダム「ぼく初めてだよ、おじいちゃんのお父さんとお母さんに会いにいくのは。」

リュカ「そういえばそうだったな、お前にとってはひいおじいちゃんだよ。アダム。」



木漏れ日のまぶしい7月末、暑い日々が続く毎日。
ある一人の老人とその孫が、田舎の町はずれにある墓地へ墓参りに来ていた。



リュカ「ほらごらんアダム、これが私の両親が眠っているお墓だよ。」
アダム「ふーん・・・」



雑草が生い茂った墓には、こう記されてあった。

‘パパス・グランバーグ&マーサ・グランバーグここに眠る’

.

571:K ◆6VG93XdSOM
04/03/05 03:36 tCdkuips
      ~プロローグ3~


リュカ「わがグランバーグ家は代々このお墓に眠る、私も老い先みじかい命だ。
    もうじき父と母のもとへ・・・」
アダム「いやだよ、今からそんなこと言わないでよ。おじいちゃん。」

リュカ「ははは、これはすまん。」
アダム「ぼくたち家族でしょ、いつまでもずっと一緒だよ。」
リュカ「家族か・・・・」

アダム「そうだよ、家族じゃんか。」
リュカ「そうだな。・・・さぁ新しいお花を添える前にお墓の周りの草むしりをしよう。
    アダム、お前も手伝ってくれ。」

アダム「はーい。」



その老人と孫は墓の周りの草むしりを終えたのち、新しい花を添えた。



リュカ「あれからもう60年か・・・年月というのは矢のように過ぎていくものだ。」
アダム「ふーん・・・」

572:K ◆6VG93XdSOM
04/03/05 03:37 tCdkuips
      ~プロローグ4~


リュカ「今日私がここにあるのは、今まで大切にしてきた家族という宝物があってこそ。
    アダム、お前にはまだ全ては理解できんかもしれんがな。」

アダム「そんなことないよ、だってぼくのお父さんやお母さんは大切だもん。」

リュカ「その通りだな。・・・だがなアダム。家族というのは、いて当たり前、父や母は
    いて当たり前という考えにもなりかねん。失ったときのことを考えたことはあるか?」

アダム「そんなこと考えたこともないよ、だってお父さんやお母さんは元気だし。」

リュカ「私の幼いころはその逆だったのだよ、家族が明日にでも失ってしまうかもしれんという
    恐怖の中で生まれ育った・・・。」
アダム「・・・・・」

リュカ「あのようなすさんだ時代は二度と来ない保障はない。戦争という時代において
    私にとって何よりも大切だったのは、家族というものだけだった。」



老人はそう言うと、内ポケットから二つの「指輪」を出した。
.

573:K ◆6VG93XdSOM
04/03/05 03:45 tCdkuips
規制がひどすぎて全然載せられない
誰か手伝ってもらえませんか

574:K ◆6VG93XdSOM
04/03/05 03:50 tCdkuips
連投の規制が激しくて全然進みません。冒頭でもうアク禁寸前です
何でもいいから誰か書き込んでくれれば・・

575:K ◆6VG93XdSOM
04/03/05 03:53 tCdkuips
      ~プロローグ5~


アダム「おじいちゃん、その指輪どうするの。」

リュカ「今日はこの二つの指輪を私の両親に返しにきたのだよ、私にはもう必要ないのでな。」
アダム「えぇ?もったいないなぁ・・・」

リュカ「ははは、確かに今でも相当な値打ちがあるかもしれんな。だがこれはもともと
    この二人のものなのだよ。」



老人は二つのリングを墓の前に置き、目を閉じて祈った。



リュカ「・・・・・・・」

アダム「ねぇねぇ、おじいちゃんの生まれたとこってどんなところだったの?」
リュカ「うむ・・・」

アダム「ぼくの街のように美しいところだった?おばあちゃんとの出会いってどうだったの?」

リュカ「・・・・・」
アダム「ねぇ教えてよ。」
リュカ「そうだな、じゃあお前にも話しておこう。」


576:K ◆6VG93XdSOM
04/03/05 03:54 tCdkuips
      ~プロローグ6~


やがて老人とその孫は、墓のそばにあるベンチへ座り込んだ。



リュカ「私たち親子が住んでいた街は、今のような平和な時代ではなかったのだよ。
    来る日も来る日も地獄のような毎日だった・・・。アダム、お前があの時代に
    生まれなくて本当に良かったと思う。」

アダム「そうなんだ・・・」



リュカ「これは指輪をめぐる私の家族にまつわるお話といってもいい。親から子へ渡され、
    そして再び子から親へ。この指輪をながめていると、あのころの時代が今でも
    目にうかぶようだ・・・・」



雲ひとつない晴れた青空の木陰のもと やがてその老人(リュカ)は


                自分の孫に その生い立ちを語り始めた。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

577:K ◆6VG93XdSOM
04/03/05 03:56 tCdkuips





      戦場の花嫁




.

578:K ◆6VG93XdSOM
04/03/05 04:00 tCdkuips
     戦場の花嫁    PAGE1


  第一章  ~赤い糸の幼年時代~




――私がまだ幼かったあのころ 今から60年以上も昔の話だ。



1939年 9月 ヨーロッパ ポーランド


第二次世界大戦が始まるこの年、英国政府やフランス軍が宣戦布告したのにもかかわらず
わがポーランド国はナチス・ドイツ軍による勢力がますます増強する一方だった。
そんな時代に生まれた自分を不幸だと呪ったのはまだ先のこと。

当時私は10歳、ドイツ語どころか英語すらもまだよく読めない年頃だった。



パパス「父さんはちょっと用があって出かけるが、あまり遠くまで行くなよ。
    遊ぶならそのへんの近所で遊びなさい。」
リュカ「はーい。」

579:K ◆6VG93XdSOM
04/03/05 04:01 tCdkuips
     戦場の花嫁    PAGE2


パパス「それからドイツ兵を見かけたらおじぎをするのを忘れるな。やつらは私たち
    ユダヤ人に対して容赦しない、子供のお前といえどくれぐれも気をつけるんだぞ。」
リュカ「うん、わかった。」



私が生まれ育った街の名はサンタローズという。

だがこの街は貧困の差が激しく、ドイツ軍の領域のもとでは生きていくだけが精一杯だった。

同胞が無差別に殺されていく私の幼年時代、その暮らしは過酷をきわめていた。
街では機関銃を持ったドイツ兵がウヨウヨいる中、生きた心地もしないこの時代に
私と幼なじみのビアンカは、いつものように二人で遊んでいた。



リュカ「ビアンカ、その本どうしたの?」
ビアンカ「新しいご本よ、いいでしょ。」

580:K ◆6VG93XdSOM
04/03/05 04:03 tCdkuips
     戦場の花嫁    PAGE3


リュカ「ボクも見たいな、読ませてよ。」
ビアンカ「だめよ、あなたにはまだ早すぎるわ。」
リュカ「どうしてさ。」

ビアンカ「だってあなたまだドイツ語が読めないでしょ。」
リュカ「キミは読めるの?」
ビアンカ「当たり前でしょ、わたしは12才だからあなたより二つもおねえさんなのよ。」



彼女の名はビアンカ・アンドリュース

ビアンカは私にとって友達であり、姉のような存在でもあった。
いつも私に絵本を読んでくれたり、ときにはお化け屋敷に一緒に行ったこともある。
だが彼女はときおり良からぬことも幼い私に教え込んでいた。



ビアンカ「右手をこうやって上げて・・・そうそう。」
リュカ「で、どうするの?」

581:K ◆6VG93XdSOM
04/03/05 04:05 tCdkuips
     戦場の花嫁    PAGE4


ビアンカ「大きな声で‘ハイル ヒトラー’って言うの。やってごらん。」

リュカ「ハイル ヒトラー!」

ビアンカ「そうそう、あなたユダヤ人だからドイツ兵にからまれたときは必ずこれをやるのよ。」
リュカ「ビアンカ、これ何なんだい?」
ビアンカ「知らないけど、これをやらなかったユダヤ人がドイツ兵に撃ち殺されたのを見たのよ。
     いい?ちゃんと覚えるのよ。」

リュカ「うん、わかったよ。」



意味もわかってないのに、私は‘非国民同然の行為’を自分の身を守るために覚えたのだ。
のちに父からこっぴどく叱られたが、それでもなぜ怒られたのか当時は理解できなかった。



~~~~~~~~~~~~~~~~

582:K ◆6VG93XdSOM
04/03/05 04:10 tCdkuips
     戦場の花嫁    PAGE5


パパスの家にて


サンチョ「さぁさぁ、夕食の用意ができましたぞ。」

パパス「リュカ、テーブルに食器を並べなさい。」
リュカ「はーい。」



当時の食事といえば、パンと野菜のスープぐらいがかなりのごちそうだった。
召使いのサンチョが夕食を作り、私がテーブルに食器を並べる。
つつましいながらも、三人で懸命に生きていた。

母は私が生まれてすぐドイツ兵に殺されたと父から聞かされていた。
なぜ殺されたのかは知らない、父に聞いても教えてくれない。



パパス「待てリュカ、誰にそれを教わった?」

リュカ「え・・・」
サンチョ「ぼ、ぼっちゃん、それは・・・」

583:K ◆6VG93XdSOM
04/03/05 04:12 tCdkuips
     戦場の花嫁    PAGE6


パパス「どこで覚えたのか知らんが、決してそれをやってはいかん。いいな。」
リュカ「おとうさん、ハイルヒトラーって何のこと?ヒトラーって誰?」

パパス「この国を支配し、何の罪もない私たちユダヤ人を迫害するドイツ軍の親玉だ。
    意味も知らずにそんなことやっていると街の人たちに恨まれるぞ。」

リュカ「でもおとうさん、これをやらないとドイツ兵に殺された人たちも・・・」

パパス「いかんと言っているだろう!何度も言わせるな!」
リュカ「ビクッ」
パパス「・・・・怒鳴ってすまん、とにかくリュカ・・・戦争が終わるまでは私たち三人で
    この時代を生きていかねば。」

サンチョ「そうですぞ、ぼっちゃん。」

584:K ◆6VG93XdSOM
04/03/05 04:14 tCdkuips
     戦場の花嫁    PAGE7


パパス「いいかリュカ。こんなすさんだ時代でも、私たちにはかけがえのない宝物がある。」
リュカ「たからもの?」
パパス「そう、家族だよ。私とお前、そしてサンチョもいるだろう。」
リュカ「うん。」

パパス「どんなことがあっても私は自分の家族を守りぬくつもりだ、お前もいつの日か
    自分の家庭を持つときがくるだろう。そのときにはきっと平和な時代がくるはずだ。」
リュカ「・・・・・」
パパス「それまではどんなつらいことがあっても生きていくことだ。お前の母さんも
    それを望んでいるはず。」

リュカ「ねえおとうさん。おかあさんはユダヤ人じゃなかったのに、どうして殺されたの?」
パパス「・・・・・」



この質問をすると、父は決まって沈黙するだけ。
もっともこの時期に本当のことを教えられていても、とうてい理解できなかっただろう。
.

585:K ◆6VG93XdSOM
04/03/05 04:16 tCdkuips
     戦場の花嫁    PAGE8


リュカ「おとうさん、ボクのおかあさんってどんな人だったの?」
パパス「・・・・・」
サンチョ「さぁさぁぼっちゃん、スープが冷めますぞ。早く食べないと・・・」

リュカ「うん・・・」



この日を境に、私は二度と母の話をするのをやめた。
何を聞いても答えてくれないし、母の話をすると父もサンチョも無視するだけ。
思えば父は私に二つのことしか教えなかった。


「生きてくことが最も大事」「この世で一番の宝物は家族」


そんなこと言われるまでもなく分かっていたつもりだったのだが・・・


~~~~~~~~~~~~~~~~

586:K ◆6VG93XdSOM
04/03/05 04:18 tCdkuips
     戦場の花嫁    PAGE9


サンタローズ市街


リュカ「ビアンカ、今日は何して遊ぼうか。」
ビアンカ「そうね、また幽霊屋敷に行く?」

リュカ「いやだよ、オバケが出るもん。」
ビアンカ「あなた男の子でしょ、そんなおくびょうじゃ・・・あ!」

リュカ「どうしたの?」
ビアンカ「・・・・・」



ある日、昼間から大通りに数人のユダヤ人がドイツ兵に捕らえられているのを見た。
なぜ捕らえられていたのかは知らない、ドイツ兵がユダヤ人に対して虐待する理由など
あってないようなものだ。



リュカ「ビアンカ見てよ、あの人たちドイツ兵に・・・」
ビアンカ「しっ、指さしちゃダメよ。」

587:K ◆6VG93XdSOM
04/03/05 04:20 tCdkuips
     戦場の花嫁    PAGE10


ドイツ兵の中でも特に、人間の皮をかぶった極悪非道の悪魔がいた。
やつらにとって人の命など何とも思っていない、特に私たちユダヤ人に対しては。

この日、数名ほどのドイツ兵が銃を構えながらユダヤ人を4人ほど捕らえていた。
現場で指揮を執っていたのは二人のドイツ士官。

やつらはドイツ語でしゃべっているため、子供の私たちにとっては何を話しているのか
さっぱりわからなかった。



ジャミ中尉「<これで全員か?>」
ゴンズ中尉「<たぶんな。>」

ユダヤ人A「わ、私たちが何をしたというのだ・・・」
ユダヤ人B「シッ、黙って。よけいなことを言うとまた怒らせることに・・・」
ユダヤ人C「・・・・」
ユダヤ人D「<俺たち何も悪いことなんかしてないぞ。>」

ジャミ中尉「<黙ってろ、無駄口をきくな。>」

588:K ◆6VG93XdSOM
04/03/05 04:26 tCdkuips
     戦場の花嫁    PAGE11


ドイツ士官のジャミ中尉とゴンズ中尉は短気ですぐ銃を抜く。
自分で殺した人間の数なんて覚えてないだろう。
やつらが私たちと同じ赤い血が流れているなんて、とてもじゃないが信じられない。


ジャミ中尉「<どうするゴンズ。>」
ゴンズ中尉「<面倒だからこの場で全員片付けてしまおう。>」

ジャミ中尉「<そうだな。・・・おい、四方から発砲しろ。>」
ドイツ兵「<はっ。>」


ジャキン!


ユダヤ人A「な、何をするんだ・・・!」
ユダヤ人B「<待ってください!私たちが何を?!>」
ユダヤ人C「!」
ユダヤ人D「うわああああああ!」


ジャミ中尉「<撃て。>」


ダダダダダダダダ!!

589:K ◆6VG93XdSOM
04/03/05 04:28 tCdkuips
     戦場の花嫁    PAGE12


理由も分からずに殺されたユダヤ人など星の数ほどいる。

幼い私とビアンカは、その狂った殺戮を身動きできずにただじっと見ているしかなかった。
明日はわが身かもしれないと考えると夜も眠れなくなる。



ユダヤ人C「た、助けてくれーーーー!!」

ジャミ中尉「<おい、一人逃がしたぞ。>」
ゴンズ中尉「<まかせろ、この距離からでも充分だ。>」


ダーン!


ユダヤ人C「うわああ!!」

ジャミ中尉「<ヘタクソめ、ぜんぜん当たらないじゃねえか。>」
ゴンズ中尉「<黙れ、今度こそ当ててみせる。>」

ユダヤ人C「だ、誰かーーーーー!」

590:K ◆6VG93XdSOM
04/03/05 04:29 tCdkuips
     戦場の花嫁    PAGE13


ジャミ中尉「<はははははは!どうした!もっと必死で逃げろ!殺されるぞ!>」


ダーン!

ユダヤ人C「うあっ・・・!」


ドタリ


ゴンズ中尉「<見ろ、今度こそくたばったぞ。>」
ジャミ中尉「<バカめ、たかがユダヤ人ごとき何発ムダにしてんだ。>」



ビアンカ「ひ、ひどい・・・!」
リュカ「し、死んじゃったの・・・?」

591:K ◆6VG93XdSOM
04/03/05 04:32 tCdkuips
     戦場の花嫁    PAGE14


ビアンカ「リュ、リュカ・・・もう帰りましょ。」
リュカ「・・・・」
ビアンカ「こんなとこにいたら私たちも殺されちゃうでしょ。」

リュカ「う、うん・・・」



この街に住んでいるうちは自分が生きているだなんて、とうてい実感が沸かない。

父がいかに「生きていくことが大事だ」なんて耳がタコになるほど教えこまれても
それは無理というものだ。

なぜなら10歳にして私は死という恐怖感をいやというほど味わされた。
この時代に生きているかぎり、「生」よりも「死」というものを目の前で学ばされる。


~~~~~~~~~~~~~~~~~

592:K ◆6VG93XdSOM
04/03/05 04:40 tCdkuips
     戦場の花嫁    PAGE15


サンタローズ市街 大通り前



ある日私が父からもらったお小遣いで、店でアイスを買ったときのことだ。



リュカ「ビアンカー、アイス買ってきたよー。」

ビアンカ「リュカ、そんなにあわてて走らなくても・・・」
リュカ「うわっ!」


ドテ!


ビアンカ「あーあ、だから言ったじゃ・・・ハッ!」

リュカ「いててて・・・ころんじゃった。ん?」
ヨシュア大尉「・・・・・」

リュカ「あ・・・」

593:K ◆6VG93XdSOM
04/03/05 04:42 tCdkuips
     戦場の花嫁    PAGE16


お菓子を買って喜びすぎて周りをよく見ていなかった。
私の目の前にドイツ将校が立っていることに気づかなかったのだ。

しかもその将校の軍服のズボンには私のアイスがべっとりと・・・・


ヨシュア大尉「・・・・・」

ドイツ兵A「<このガキ、ヨシュア大尉のズボンによくも・・・>」
リュカ「ご・・ごめんなさ・・・」
ビアンカ「リュカ!」

ドイツ兵A「<ユダヤ人てのはこれだから始末に終えねえな。どうします、大尉。>」
ヨシュア大尉「・・・・・」

リュカ「あ・・・あ・・・」


私はこのときすでにアイスを片手に小便をもらし、恐怖で身体が動かなかった。
意味不明のドイツ語でしゃべっていても、このときだけは何を言ってるのかがよく理解できた。

どんなバカでもこの状況を把握できただろう。私は殺されると・・・


594:K ◆6VG93XdSOM
04/03/05 04:44 tCdkuips
     戦場の花嫁    PAGE17


ビアンカ「<ま、まってください!ごめんなさい!ゆるしてください!>」
リュカ「ビ、ビアンカ・・・!」



私をかばいにやってきた当時12歳のビアンカが、ドイツ語を話していたのには驚いた。
といってもおそらく謝罪の言葉ぐらいしか身につけていなかっただろうが。



ビアンカ「<わたしたち悪い。ゆるしてください。あなたがた正しい。>」

ドイツ兵A「<どけ、お前も殺されたいのか。>」
ヨシュア大尉「<待て、下がっていろ。>」
ドイツ兵A「<はっ。>」



小便もらして恐怖で固まった私をかばうビアンカのその手は、ガタガタと震えていた。
そのとき私は思った。
こんなにおびえているのに、彼女を守ってあげられないなんて・・・

595:K ◆6VG93XdSOM
04/03/05 04:48 tCdkuips
     戦場の花嫁    PAGE18


ビアンカ「うぅ・・・・」
リュカ「・・・・・・」

ヨシュア大尉「<こんな子供が片言とはいえドイツ語をしゃべるとはな。少女のほうは
       ユダヤ人ではないようだ、そっちの少年はユダヤだな。>」

ドイツ兵A「<ではこの少年のほうを?>」
ヨシュア大尉「<ふむ・・・>」



周りには通行人がたくさんいるのにもかかわらず、子供の私たちを助けてはくれない。
彼らは知っているのだ、ヘタなことに関わると自分たちまで巻き込まれるということを。

見て見ぬフリをするしかないのだ、現に私も今までそうしてきた。



ヨシュア大尉「<少年、お前は話せるか。>」

リュカ「う・・・・」
ヨシュア大尉「<口があるなら何か言ってみろ。>」

リュカ「あ・・う・・・」

596:K ◆6VG93XdSOM
04/03/05 04:58 tCdkuips
     戦場の花嫁    PAGE19


もうだめだ、明らかに私に対して敵意を持っていると感じた。

たぶん次の瞬間、この将校は銃を抜いて幼い私の眉間に一発ブチ込むに違いないと思った。
やつらは子供を殺すことも朝メシ前だということを私は知っている。

何がなんだかわからなくなった私は、ついに‘あれ’をやってしまった。



リュカ「ハ、ハイル ヒトラー!」
ビアンカ「?!」

ドイツ兵A「<あん?>」
ヨシュア大尉「?」

リュカ「・・・・・」

ヨシュア大尉「<ははは・・・面白い子供だな、意味わかってるのか?>」
ドイツ兵A「<バカかこのガキ。>」

597:K ◆6VG93XdSOM
04/03/05 05:00 tCdkuips
     戦場の花嫁    PAGE20


そのドイツ将校は、怯えきった私とビアンカを見据えるように言った。



ヨシュア大尉「<ここは車が多く通る道だ、遊ぶのなら向こうの広場で遊べ。>」

ドイツ兵A「<大尉、こいつらの始末は?>」
ヨシュア大尉「<もういい、行くぞ。>」

ドイツ兵A「<は、はい。>」

リュカ「・・・・・」
ビアンカ「・・・・・」



なぜ殺されなかったのかは今でもよくわからない。
そのドイツ将校は軍服のポケットからハンカチを出して、ズボンを拭きながら
ジープに乗って走り去っていった。

ともかくビアンカに教わった「あれ」のおかげで私たちは助かった。

だが今思えば、あのドイツ将校は最初から私を殺す気はなかったようにも思える。



~~~~~~~~~~~~~~~~

598:K ◆6VG93XdSOM
04/03/05 05:02 tCdkuips
     戦場の花嫁    PAGE21



    同年1939年 9月27日



この年の秋をむかえようとしていた9月末。
ついにドイツ政府はイタリア軍、およびソ連軍を敵に回し、本格的に
このポーランドを侵攻してきた。


――第二次世界大戦勃発である。




パパス「リュカ、おいリュカ。起きなさい。」

リュカ「う~ん・・・」
パパス「すぐに荷物をまとめて出かける準備だ。」

リュカ「え・・?」
サンチョ「ぼっちゃん、とりあえず身の回りのものだけでもまとめてください。」


とつぜん朝早くからたたき起こされ、荷物をまとめて家を出ると言い出した。

599:K ◆6VG93XdSOM
04/03/05 05:06 tCdkuips
     戦場の花嫁    PAGE22


リュカ「ね、ねぇ。いったいどうしたの?ボクたちひっこしでもするの?」

パパス「ドイツ軍からの命令なんだ、やむを得ない。」
リュカ「?」
サンチョ「ぼっちゃん、われわれユダヤ人は東の収容所へ送られるそうです。さあ
     ぐずぐずしているとドイツ兵にどやされますぞ。」

リュカ「う、うん・・・」



わけもわからずこの街を去ると言い出した。
なんでも東の収容所で強制労働させられるという。

父は元軍人だったが、働けることのできる者は全てドイツ軍の防衛ラインを築くよう
命令が下ったのだ。

あのドイツ軍のクソ野郎のために、なぜ私たちがそんな労働を・・・

600:K ◆6VG93XdSOM
04/03/05 05:12 tCdkuips
     戦場の花嫁    PAGE23


パパス「くそ!金目のものが何もないときた。何か売れるようなものがないと
    いざというとき食べ物に困ってしまうかもしれん。」

サンチョ「だんなさま、このフライパンは?」
パパス「サンチョ、ふざけてる場合じゃないだろう。」
サンチョ「す、すみません・・・」

リュカ「ねーおとうさん、ボクの貯金いる?」
パパス「ははは、ありがとうリュカ。それはお前が大事に持っていなさい。」

サンチョ「しかし困りましたな、どれも金になりそうもない品ばかりで・・・」
パパス「やむを得ん、もしもの場合は私の指輪を売ろう。」
サンチョ「な、なんてこと言うんですか!奥さまとの結婚指輪を・・・!」

パパス「心配するな、そうやすやすとこの指輪は手放さん。私たちが餓死でもしないかぎりな。」
サンチョ「それはそうですが・・・」

パパス「そうだリュカ。」
リュカ「なに?」

パパス「この街とも最後かもしれん、今のうちにビアンカにお別れを言ってきなさい。
    しばらく会えなくなるだろうし・・・」

リュカ「あ・・・そうか・・・」


~~~~~~~~~~~~~~~~

601:K ◆6VG93XdSOM
04/03/05 05:13 tCdkuips
     戦場の花嫁    PAGE24


サンタローズ 公園広場


リュカ「ビアンカ、ボクたちもう二度と会えないのかなぁ・・・」

ビアンカ「だいじょうぶよ、いつかきっとまた会えるわ。」
リュカ「ねぇビアンカ、今度会うときはボクがキミを・・・」

ビアンカ「なに?」

リュカ「ボクがキミを守ってあげられるようになるよ・・・」
ビアンカ「・・・・・」



ビアンカはポーランド人だったが、彼女はユダヤ人ではなかった。
もう会えなくなるのはとてもつらかったが、彼女までつらい思いをさせずに済んだと思えば
少しは気が楽になった。



ビアンカ「リュカ、私たちしばらく会えなくなるから、これをあげる。」

リュカ「何これ。」
ビアンカ「私のリボンよ。」

602:K ◆6VG93XdSOM
04/03/05 05:15 tCdkuips
     戦場の花嫁    PAGE25


リュカ「ありがとう。・・・じゃあボクも。」

ビアンカ「?」

リュカ「ボクのターバンをあげる。」
ビアンカ「・・・あ、ありがとう。」
リュカ「ビアンカ、泣いてるの?」

ビアンカ「・・・・・」

リュカ「泣かないで、戦争が終わったらきっとキミに会いにいくよ。」
ビアンカ「うぅ・・・・」



このときビアンカは私には言わなかったが、彼女は知っていた。

東の収容所へ送られたユダヤ人は、誰一人として帰っては来なかったということを。
さんざん強制労働させられたのち、あとに待っているのは死のみ。
ドイツ軍は約40万人のユダヤ人を一人残らず消すつもりだった。



ビアンカ「リュカ・・・きっとまた一緒に遊ぼうね。」

リュカ「うん。」
ビアンカ「約束よ、必ずこのリボンを返してね。」
リュカ「わかった、キミもボクのターバンを・・・」

603:K ◆6VG93XdSOM
04/03/05 05:25 tCdkuips
     戦場の花嫁    PAGE26


私たちはそれぞれリボンとターバンを交換し、再会を期しておたがいの約束を交わした。


いつの日か 再びこれを返しにくると。
いつの日か また一緒に遊ぼうと。

そしていつの日か私は 彼女を守ってあげられるようになると。


赤い糸で結ばれた約束は いつの日かきっと かなえられるときがくると。



――このリボンとターバンを交換するとき 



            それは 私たちが再会するときだと――




   第一章   ~赤い糸の幼年時代~

          完



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

604:K ◆6VG93XdSOM
04/03/05 05:35 tCdkuips
連投規制が激しくて全然書き込めないので第二章以降はまたあとにします

全部で5章までです。もうしばらくお付き合いを。


605:K ◆6VG93XdSOM
04/03/05 10:11 tCdkuips
     戦場の花嫁    PAGE27



   第二章   ~灰色の少年時代~



サンタローズ公園広場   1939年


ジャミ中尉「<よーし、ではユダヤ人は全員そこに並べ。今から移送先をグループ別に分ける。>」

ゴンズ中尉「<おい、ゲマ大佐は?>」
ジャミ中尉「<間もなくお見えになるそうだ。>」

ゴンズ中尉「<そうか。>」



たくさんの住人が広場に集められ、私たち家族はこれから移送されることになる。



リュカ「おとうさん、ボクたちこれからどうなるの?」
パパス「シッ、黙ってなさい。大丈夫、私たちが離ればなれになることはない。」

606:K ◆6VG93XdSOM
04/03/05 10:13 tCdkuips
     戦場の花嫁    PAGE28


サンチョ「だ、だんなさま・・・あそこを見てください。とんでもないヤツが現れましたぞ・・・」
パパス「何?・・・うっ!あ、あいつは・・・」

リュカ「(な、なんだろう、あのドイツ将校は・・・)」



私が‘そいつ’を初めて見たときの第一印象は、氷のような目をした悪魔にしか見えなかった。
ユダヤ人は「ゲマ大佐」という名を聞いただけで胃液が逆流してくるほど身の毛がよだつ。

それは泣く子もゲロを吐く冷酷非道のドイツ軍の指揮官、ゲマ大佐。通称‘氷のゲマ’。



ジャミ中尉「<ゲマ大佐、ユダヤ人すべて集合させました。>」

ゲマ大佐「<ほっほっほ、ごくろうさま。>」


やがてゲマの指示どうりにユダヤ人はいくつかのグループに分け、トラックに乗せられて
次々に移送させられていく。

当時は何を基準にゲマが私たちをグループに分けているのか理解できなかった。
おそらく‘働ける者’と‘そうでない者’を分けていたんだろう。

607:K ◆6VG93XdSOM
04/03/05 10:15 tCdkuips
     戦場の花嫁    PAGE29


ゲマ大佐「<ふむ、あなたは向こうのトラックに乗りなさい。あなたはそっち。>」

住人A「<は、はい。>」
ゲマ大佐「<あなたたちはそちらのトラック、あなたは向こう。あなたは・・・>」
住人B「<はい・・・>」



やがてゲマ大佐は私たち家族の前へやってきた。



ゲマ大佐「<ふむ、あなたはそっちのトラックへ。>」
サンチョ「<は、はい。>」

ゲマ大佐「<そこのボウヤは向こうのトラック。>」
リュカ「・・・・・」

ゲマ大佐「<何をしているのです、早く行きなさい。>」
リュカ「え・・・?」
ゴンズ中尉「<おいガキ、お前はこっちだっての。>」

リュカ「サンチョさん・・・!」
サンチョ「(ぼっちゃん・・・お元気で・・)」

608:K ◆6VG93XdSOM
04/03/05 10:18 tCdkuips
     戦場の花嫁    PAGE30


さよならの言葉もなく、サンチョとはここで別れることになった。
サンチョとは血はつながってはいなかったが、のちに戦後になっても彼の消息はつかめなかった。
おそらく始末されたのだろう。


ゲマ大佐「<では次、えーと・・・>」
パパス「・・・・・」

ゲマ大佐「<あなたはさっきのボウヤと一緒のトラックに。>」
パパス「(ほっ・・・)」
リュカ「(よ、よかった・・・)」


サンチョとは別れることになってしまったが、父は私と一緒のトラックのようだ。
私たちはお互いほっと胸をなでおろした、だがそのとき・・・


ゲマ大佐「<うん?待ちなさい。>」
パパス「ギクッ!」
ジャミ中尉「<どうかなされましたか、大佐。>」

609:K ◆6VG93XdSOM
04/03/05 10:26 tCdkuips
     戦場の花嫁    PAGE31


ゲマ大佐「<そこのあなた、ちょっとこちらへ来なさい。>」
パパス「(ま、まずい・・・)」
リュカ「?」


ゲマ大佐は父を呼びつけた。
そして父はなぜかゲマとは目を合わせようとしなかった。だがゲマは父の顔をじっと見つめ
まるで不信な目で父を見据えた。


ゲマ大佐「<名を名乗りなさい、ユダヤ人。>」
パパス「<トンヌラ・エニクス・・・>」

ゲマ大佐「<トンヌラ・エニクス?ユダヤ人にしてはずいぶん変わった名ですね。>」
パパス「<・・・・・>」

ゲマ大佐「<だが不思議ですね、なぜか見覚えのある顔だ。このボウヤはあなたの子ですか。>」
パパス「<い、いいえ・・・私は独身です。>」
ゲマ大佐「<・・・・>」


父とゲマ大佐が何をしゃべっているのかはわからなかった。
だが父はこのとき異様なほど冷や汗をかいているのは分かった。

まるで自分の正体を見破られることを恐れているかのように。

610:K ◆6VG93XdSOM
04/03/05 10:28 tCdkuips
     戦場の花嫁    PAGE32


ゲマ大佐「<念のためあなたにもう一つ質問しますよ、ユダヤ人。>」

パパス「<は、はい。>」
ゲマ大佐「<マーサという女性をご存知ですか?>」
パパス「(うっ・・・!)」



理解できないドイツ語の中で、私はこの「マーサ」という単語だけは何とか聞き取れた。
マーサとは死んだ私の母の名だ。

なぜこのゲマ大佐が母の名を知っている?



ゲマ大佐「<どうしました、答えなさい。>」
パパス「<・・・そ、そのような名は知りません。>」

611:K ◆6VG93XdSOM
04/03/05 10:30 tCdkuips
     戦場の花嫁    PAGE33


ゲマ大佐「<・・・・・・>」
パパス「(うぅ・・・)」

ゲマ大佐「<ふん、まぁいいでしょう。行きなさい。>」

パパス「<は、はい。>」
リュカ「・・・・・」

パパス「さぁリュカ、トラックへ。」

リュカ「う、うん・・・」



とりあえず無事に私たち親子は難をのがれたようだ。

だが父はしばらく私の顔も正面から向いてくれようとせず、申しわけなさそうな態度だった。
あのゲマ大佐と何を話していたのかは知らないが、会話の中で母の名が聞こえたことに関して
父に聞こうとしたがやめた。


どんなことがあろうと私は父を愛しているし、信じている。
きっといつか真実を話してくれる、そのときが来るまで待ってあげようと決めたのだ。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

612:K ◆6VG93XdSOM
04/03/05 10:33 tCdkuips
     戦場の花嫁    PAGE34



    1940年 2月



召使いのサンチョと別れて、もう一年が過ぎようとしていた。
私たち親子は何とか労働収容所で生き延びていく生活を続けていた。



ポーランド 東部労働収容所にて


リュカ「おとうさん、サンチョさん元気かなぁ。」

パパス「そうだな・・・」
リュカ「きっと生きてるよね、殺されてなんかないよね。」
パパス「あぁ、きっとサンチョも元気でやってるさ。」



石を懸命に運ぶ父や労働者のユダヤ人をながめながら、私はヒマさえあれば
ビアンカのリボンを出しては彼女のことを思い出していた。
.

613:K ◆6VG93XdSOM
04/03/05 10:37 tCdkuips
     戦場の花嫁    PAGE35


リュカ「ビアンカも元気かなぁ・・・」

ユダヤ人O「おい坊や、どうしたボーッとして。」
リュカ「え?あ、いやなんでもないよ。」
ユダヤ人O「んじゃまたコレ頼むわ、コートのほころび。」

リュカ「あー、ずいぶんボロボロになっちゃっいましたね。」
ユダヤ人O「あぁ、もう穴だらけさ。まあもう少しすればあったかくなる季節だがな。」
リュカ「えーと、12ゴールドですね。」

ユダヤ人O「よし、じゃ頼む。」
リュカ「まいどありー。」



このときにはようやく私も働けることができるようになった。
といってもつくろい物の仕事だが、小遣いかせぎ程度はかせげる。
石を運んだりする肉体労働は、年齢的にまだ不適格だそうだ。
.

614:K ◆6VG93XdSOM
04/03/05 10:41 tCdkuips
     戦場の花嫁    PAGE36


ドイツ兵「<よーし休憩だ!一時間の間に各自昼食をとっておけ!>」

パパス「ふぅ、やっと休憩か。」
リュカ「だいじょうぶ?」
パパス「あぁ、昼メシにしよう。配給係りへ行ってパンを二人分もらってきてくれ。」

リュカ「うん、わかった。」



すでに私の家族はもう父一人しかいなくなった。
だがこんなひどいところにいながらも私たち親子の絆はより深く、より強く結ばれたような気がした。

母も亡くしてサンチョもビアンカもいない。たった一人の父だけは失いたくはなかった。



~~~~~~~~~~~~

615:K ◆6VG93XdSOM
04/03/05 10:43 tCdkuips
     戦場の花嫁    PAGE37


ユダヤ人H「パパスさん、一緒に昼メシ食わないか。」

パパス「あぁ、いま息子にパンを取ってきてもらっているところだよ。」
ユダヤ人H「そうか、じゃあ今のうちにちょっと話があるんだが。」
パパス「どうした?」

ユダヤ人H「なぁパパスさん、あのウワサを聞いたか?」
パパス「ウワサとは?」

ユダヤ人H「知らないのか?私たちユダヤ人はアウシュヴィッツ収容所へ移送されるそうだぞ。」
パパス「また移送か・・・次から次へと。」

ユダヤ人H「あんた何も知らないんだな、アウシュヴィッツ収容所がどんなところだか
      知ってるのか?」
パパス「知らないな、ここよりももっとひどいところなど想像もつかん。」

ユダヤ人H「なんでも俺たちユダヤ人はガス室へ送りこまれて皆殺しにされるそうだぞ。」
パパス「バカな・・・ドイツ軍はわれわれを一人残らず消す気なのか?」

ユダヤ人H「ここに送られてきたユダヤ人の数を見ろ、最初にいたときの半分ほどに
      減ってきているだろ。」
パパス「むぅ・・・」
ユダヤ人H「やつらドイツ兵は俺たちに何も言わないが、あのゲマ大佐がここへ来るときに
      決まってユダヤ人を10名ほど連れていく。そして彼らは二度と帰ってはこない。」

パパス「・・・・・」

616:K ◆6VG93XdSOM
04/03/05 10:47 tCdkuips
     戦場の花嫁    PAGE38


ユダヤ人H「だが俺たちはあきらめてない、実は以前から仲間とこの収容所を脱走する計画を
      極秘に立てていたんだ。」
パパス「何だって?」
ユダヤ人H「これは謀反だよ。あんたも協力してくれないか、元軍人だろ?」

パパス「し、しかしそんな計画がドイツ兵に漏れたら大変なことになるぞ。」
ユダヤ人H「計画は厳重に内密進行させてきた、情報が漏れることはない。」
パパス「しかし・・・」
ユダヤ人H「あんたドイツ軍にこんな仕打ちをさせられて平気なのか?あんたや俺の家族も
      やつらに殺されただろ。」

パパス「私にはまだ一人息子がいる。」
ユダヤ人H「息子さんのためにもこのまま放っておくわけにはいかないはずだ。ヘタしたら
      あんたの息子さんもアウシュヴィッツ収容所へ・・・」

パパス「ま、待ってくれ。息子が戻ってきた、その話はやめよう。」
ユダヤ人H「わかった・・・」


リュカ「もらってきたよ、おとうさん。」
パパス「すまんな。」

617:K ◆6VG93XdSOM
04/03/05 10:50 tCdkuips
     戦場の花嫁    PAGE39


ユダヤ人H「やぁリュカ、元気か。」
リュカ「こんにちは。」

ユダヤ人H「こんな小さな子でももう働いているもんなぁ、えらいな。」
リュカ「石を運ぶのはまだムリだけど、ズボンがやぶけたりしたらボクに言ってね。
    1cmにつき1ゴールドで直してあげるよ。」

ユダヤ人H「ははは、しっかりした坊やだ。」

パパス「さぁリュカ、お前も食べなさい。」
リュカ「はーい。」


わずかな安らぎのひとときの昼食を、私たちは楽しんでいた。


パパス「む・・・そうだリュカ、お前に渡しておくものがある。」
リュカ「なに?・・・もぐもぐ。」
パパス「この指輪はお前が持っていろ。」

リュカ「おとうさんこれ・・・おかあさんとの結婚指輪じゃないか。」
パパス「私にもしものことがあったときの場合だ、いざというときはそれを売って
    お金にしなさい。」

リュカ「や、やだよ・・・」
パパス「リュカ、気持ちはわかるが生き残るためだ。万が一ということもある。くれぐれも
    ドイツ兵たちにバレないように隠しておくんだぞ。」

リュカ「・・・・・」

618:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/03/05 10:52 50K1Eh7d
支援カキコ
がんがってください

619:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/03/05 11:01 50K1Eh7d
遅かったか?(;´Д`)

620:K ◆6VG93XdSOM
04/03/05 11:16 tCdkuips
ありあとうございまs
連投規制でもうしにそうです

621:K ◆6VG93XdSOM
04/03/05 11:19 tCdkuips
     戦場の花嫁    PAGE40


父は大切にしていた母との結婚指輪を私にゆずった。
このときから私はイヤな予感がしていたのかもしれない、父を失ってしまうんじゃないかと。



パパス「売るのがイヤだったらお前がずっと持っているだけでもいい。だがドイツ兵たちには
    見つかるなよ、できればどこかへ隠しておいてほしいんだが。」

リュカ「なんでそんなにこの指輪を隠したがるの?」
パパス「い、いやその・・・」
リュカ「?」

パパス「あぁそうそう、知ってるか?その指輪は‘炎のリング’といってな、炎の聖霊が
    宿っているという伝説があるのだよ。」

リュカ「ふーん・・・」

パパス「母さんがつけていた指輪は‘命のリング’といってな、命の聖霊が宿っているという
    似たような伝説があったんだ。」
リュカ「ほかにも同じような指輪があるの?」

パパス「あぁ、詳しくは知らんが‘水のリング’という水の聖霊の指輪があるらしい。」

リュカ「へぇー。」

622:K ◆6VG93XdSOM
04/03/05 11:20 tCdkuips
     戦場の花嫁    PAGE41


パパス「お前が炎のリングを持っているとすれば、いつかこの世界のどこかにいる
    ‘水のリング’を持った人に出会うときが来るかもしれんな。」
リュカ「だとしたら何なの?」

パパス「ははは、お前のお嫁さんになる人のことだ。」
リュカ「えぇ?」
パパス「お前のお嫁さんはどんな娘なんだろうな、私も見てみたい。」

リュカ「や、やだよ。今からそんな・・・」
パパス「ははは。」



わずかな休憩時間、昼食をとっている私たちの前に数名のドイツ兵と
あのゲマ大佐がジープでやってきた。

ブロロロロ・・・・キキキィィッ!

ガチャリ



ユダヤ人H「ゲッ、またあのゲマの野郎が・・・」
パパス「まずいな・・・リュカ、向こうのほうへいってろ。」

リュカ「う、うん。」

623:K ◆6VG93XdSOM
04/03/05 11:22 tCdkuips
     戦場の花嫁    PAGE42


ジャミ中尉「<労働者は全員そこに並べ!ぐずぐずするな!>」

パパス「何事だ・・・?」
ゴンズ中尉「<ゲマ大佐からお前らユダヤ人にお話があるそうだ!さっさと集まらんか!>」

ジャミ中尉「<おい小僧、お前もだよ。>」
リュカ「うわ!な、なにするんだ・・・!」
パパス「<乱暴はよせ!まだ子供なんだぞ!>」

ジャミ中尉「<黙って集合しろ!まったくトロトロしやがって!>」


ゲマ大佐「<ほっほっほ、全員集まったようですね。>」

ユダヤ人H「いったい何事だ?」
ユダヤ人I「さあな、どうせロクな用じゃない。」

ゴンズ中尉「<ゲマ大佐、どうぞ。>」



ゲマが私たちの前に現れるときは、決まって悪いことが起きる。
また例によってムチで虐待するか、気に入らないユダヤ人を射殺するかのどれかだ。

だがこの日はそんなことよりも、もっと非道な仕打ちにやってきたのだ。

624:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/03/05 11:24 50K1Eh7d
>>620
よかった。初のリアルタイムで楽しみながら読ませてもらってます

625:K ◆6VG93XdSOM
04/03/05 11:25 tCdkuips
     戦場の花嫁    PAGE43


ゲマ大佐「<あなたたちユダヤ人の中で謀反をたくらんでいるとの情報をつかみました。
      これはかなり確かな情報です。>」

ユダヤ人H「!」

ユダヤ人T「謀反だと・・・そんなバカなことをするやついるのか?」
ユダヤ人R「お、おれじゃないぞ・・・」

パパス「・・・・・」
リュカ「おとうさん、あいつ何をしゃべっているの?」
パパス「シー、だいじょうぶ。お前には関係のないことだよ。」

ゲマ大佐「<そのような愚かな計画を単独で犯すとは思えません、おそらく犯人は複数でしょう。
      犯人を一人一人捜し出すのもかまいませんが、私は面倒なことが嫌いです。>」

パパス「・・・・・」

ゲマ大佐「<謀反をたくらんでいる輩は今すぐ名乗り出なさい、さもないとこの場にいる
     すべてのユダヤ人を一人ずつ射殺していきます。>」
ユダヤ人H「!!」
ユダヤ人E「な、何だって・・・?!」
ユダヤ人J「バ、バカなことを!」
ユダヤ人K「ヤ、ヤバイぞ!あいつマジで殺る気だ・・・!」

リュカ「な、なに?どうしたの?」


わけがわからない間に、幼い私の目の前で信じられない光景が繰り広げられた・・・・
.


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