03/03/26 01:27 tfLTht0Y
16歳の誕生日と、冒険に出る事をきっかけに、僕は日記をつける事にした。
アリアハンでは、16歳になると成人と認められ、自由に城に登る事を許される。
僕は王様に謁見して、父オルテガの敵である、魔王バラモスを倒す旅に出る事を願い出た。
すると王様は、快く僕の申し出を聞いて下さった後、こう仰った。
「しかし、一人ではそなたの父、オルテガの不運をなぞるかもしれない。
町の酒場で仲間を見つけ、これで仲間達の装備を整えるがよかろう。」
と、旅の資金や装備まで、僕に提供して下さった。
この王様のご好意は、いくら感謝しても、感謝したりないと思うんだけど、
僕はあえて一人で旅に出る決意を固めていた。
この旅は、魔物達との戦いの旅だ。旅の途中に、父オルテガのように命を落としてしまうかもしれない。
そんな危険な旅に、見も知らずの人達を巻き込むわけにはいかない……
だから、母さんとお爺ちゃんに別れを告げて、僕は一人でアリアハンを出ようとした。
だけど、僕と同じ誕生日のローザラインが、町の入り口で僕を待っていた。
「アレク……」
「ローザ。わざわざ見送りに来てくれたんだ。ありがとう。」
「一人で……行くつもりなの?」
「うん。近頃は魔物達も数が増えて、更に凶暴になっているらしいからね。
見ず知らずの人を巻き込むわけには行かないから。」
「見ず知らずの人じゃなかったら……アレクについて行ってもいい?」
「えっ?」