04/03/26 20:23
一人暮らしを始めて、かれこれ半年。
『自立』と言う言葉の重さに、少しは慣れてきた今日この頃。
僕は何時も通り、行きつけのゲーセンにバイト代を注ぎ込む事にした。
友人に話すと必ず笑われるが、好きな物はしょうがない。
生活費の一部を削り、死なない程度の金額を財布に入れてある。
その『程度』は人によっては上下差が大きいが、多分僕は大丈夫な範囲だろう。
ゲーセンのドアをくぐり、すっかり店の端に追いやられたDDRに向かう。
今日はNAOKIオンリーで踊ろうかな……そんな事を考えていた矢先。
無い。
今じゃこの店では僕以外やっていないとすら思える、あの時代遅れの筐体が無くなっていた。
すぐには信じられず、それほど広くない店内を何度も見渡す。
それでも、あの大きくて目立つ筐体は見つからなかった。
もういい、もう止めよう。
DDRは無くなったんだ、と認めていた僕が居た。
いや、どっかに移動しただけだ。
それを絶対に認めたくない僕も居た。