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帛楼群(はくろうぐん)
中国は唐の玄宗皇帝の時代、瑠嘉(ルカ)という凄腕の宮廷料理人がいた。
彼は豚料理を中心にあらゆる料理を極め、中でも彼の最高傑作である料理は
味は勿論のこと、見た目が絹で出来た楼閣の如く美しかった為、
帛楼群と呼ばれ、あらゆる食通を唸らせた。
しかし、彼は料理人としては間違いなく中華一の腕前だったが、
人格は歪であり、ある時は幻の食材を手に入れる為、村を丸ごと一つ焼き払ったり、
又ある時は弟子の蘇論爾(ソロンジー)を「豚は死ね!」と罵りつつ斬殺し、
その死体を狼の餌にしたりなど、凶行が目立った。
(一説によると、実の父を毒殺したとも言われているが、信頼できる史料が存在しないので、真相は不明)
その為、命の危険を感じた三人の弟子、条維(ジョウイ)、倶琉巌(クルガン)、史威度(シード)
によって瑠嘉は殺され、その料理の流派、杯蘭怒(ハイランド)料理は、
瑠嘉の妹と結婚した条維によって受け継がれることとなった。
なお現在とあるゲームにおいて、ハイランド王国という国に、白狼軍という強力な軍勢が存在しているが、
これが杯蘭怒と帛楼群をモチーフにして作られているのは言うまでも無い。
民明書房刊「幻想中華料理伝」より抜粋