FFの恋する小説スレPart2at FF
FFの恋する小説スレPart2 - 暇つぶし2ch2:投稿時のご注意など
03/08/13 21:49 LLObPZt5
【お約束】
 ※18禁なシーンに突入したら、エロパロ板に書いてここからリンクを貼るようにしてください。
  その際、向こうに書いた部分は概略を書くなりして見なくても話はわかるようにお願いします。
【推奨】
 ※長篇を書かれる方は、「>>?-?から続きます。」の1文を冒頭に添えた方が読みやすいです。
 ※カップリング・どのシリーズかを冒頭に添えてくれると尚有り難いかも。

 初心者の館別館 URLリンク(m-ragon.cool.ne.jp)

◇書き手さん向け【以下は千一夜サイト内のコンテンツ】
 FFDQ板の官能小説の取扱い URLリンク(yotsuba.saiin.net)
 記述の一般的な決まり URLリンク(yotsuba.saiin.net)
◇関連保管サイト
 FF・DQ千一夜 URLリンク(www3.to)
◇関連スレ
 FF・DQ千一夜物語 第413夜
 スレリンク(ff板)l50
◇21禁板
 ★FINAL FANTASY 壱~壱拾&拾壱エロパロ小説スレ
 スレリンク(eroparo板:1番)
 FF・DQかっこいい男キャラコンテスト第6幕
 スレリンク(801板:1番)-2

 どうしても議論や研鑽したい方は URLリンク(book.2ch.net)
 挿し絵をうpしたい方はこちらへどうぞ URLリンク(ponta.s19.xrea.com)

◇専用ブラウザー URLリンク(www.monazilla.org)
◇トリップ URLリンク(www.2ch-trip.com)

3:関連スレ
03/08/13 21:49 LLObPZt5
◇カップリングスレ
 【絶対】ガラフ×ファリスに萌えるスレ【皆無】
 スレリンク(ff板)l50
 エッジ×リディアを応援するスレpart5.5
 スレリンク(ff板)l50
 【盗賊】ジタン×ガーネットを応援するスレ【姫】
 スレリンク(ff板)l50
 FF?☆ティーダとユウナについて語るスレ
 スレリンク(ff板)l50
 なぜベアトリクスはスタイナーとくっついたのか。
 スレリンク(ff板)l50
 クラティをマターリ愛すスレ
 スレリンク(ff板)l50
◇リレー小説スレ
 DQFFバトルロワイアル PART6
 スレリンク(ff板)l50
 【マジかよ‥】FF都市伝説【怖~~】
 スレリンク(ff板)l50
 泣くぞ すぐ泣くぞ 絶対泣くぞ ほ~ら泣くぞ 5
 スレリンク(ff板)l50
 FF学園その12~血の十二限~
 スレリンク(ff板)l50

4:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/08/13 21:53 LLObPZt5
と、言うわけで前スレのテンプレ案から一部加筆修正してますがスマソ。
見切り発車過ぎたでしょうか?


今後もこのスレの賑わいを祈念しつつカキコ。

5:雫夜 ◆sizukTVGK.
03/08/13 22:06 w7+u9YhY
>>1さん、モツカレ~!!
修正㌧クスです。

前スレ、容量怖くて感想カキコできませんでした…スマソ。

6:白 ◆SIRO/4.i8M
03/08/13 22:22 bRETeRu5
1さん、雫夜さん乙華麗様でした!
新スレおめでとうございます。

7:雫夜 ◆sizukTVGK.
03/08/13 22:44 w7+u9YhY
では前スレで書けなかった感想をば。

>>ドリルさん
まずはゴメソ…盾持ってるの、ロックだと思ってました。その意識があって前の感想レスは、見当違いなこと書いてます。
盾をエドガーに『持ってきた』のがロックでつね…オオオー オオオー。
で、リルムは? 動揺してどこかに行ってしまったとか?
エドガーとリルムだけのシーンがありそうな予感が…。
>ルールー話
リクエスト頂いたので書かせて頂こうかと思います。×ワッカでもいいでつか?
アーリュのEDネタは実は作っていたので、またしてもドリルさんに驚いてしまったり。

>>鈴さん
>いつもの場所、いつもの時間。 いつもと違うのは、二人の距離。僕はユウナちゃんと少しだけ離れて座っていた。
テンポのいい文章ですごく好きな一文。だけど切ない…少しの距離っていうのが。
この距離が縮まるときが、バリャたんがアルベド族の血が混じったユウナんをまるごと受け止めるときなんでしょうね。
それにしてもバリャたんママ、エボン僧とは…予想外で驚き。
前スレの私宛感想レス、ありが㌧でした。深く読んで下さっていて、嬉しいです。
新スレでもバラユウと共に、パブロ×シモーヌにも期待していますので…てか、書いてホスィ。

8:新スレお祝い
03/08/13 22:53 6seeWTkz
旅の目的地、ザナルカンドは目と鼻の先だった。
霊峰ガガゼトを抜け、降りてきたのは荒れ果てたハイウェイの残骸と瓦礫の山。
黄昏の彼方に炎は燃え尽き、今はただ、蛍火のようにちらちらと瞬く幻光虫のみが辺りを彩っている。
ここでいったん休もうと初めに言い出したのは誰だったか、
旅人達は小さな焚き火を取り囲むようにして座り込んでいた。

言葉を発する者は誰もいない。
まるで、喋ることで無情にも流れていく時間を意識することを恐れるかのようだった。
喋らずとも、心は繋がっているのだとその場にいた誰もが思った。
想いはたった一つだった。

ふと、一人の青年が立ち上がった。
今生の別れを惜しむかのような、その場の雰囲気に嫌気がさしたのかもしれない。
彼はゆっくりと歩き出し、愛しい娘の肩口へと手をやった。
この世界で出会った、誰よりも愛しい娘。
彼女を守り、戦って、ここまで来た。
娘はその手をまるで慈しむかのように頬ずりした。

青年は、仲間達の座る場所から少し離れた、小高い丘の上に立った。
遙か遠くに、世界の果てが見えた。
彼は何か言いかけて口を噤み、また意を決したように唇を開いた。

……最初かもしれないだろ、だから早く伝えておきたいんだ……

「   新スレ、おめでとう!!   」

9:鈴 ◆BELLSBdFOI
03/08/13 22:58 6seeWTkz
…とか書いてるうちに初レスを逃してしまったわけですが(w
気を取りなおして…

1さん、スレ立て乙カレーでした。ありがとうございます。
同じく今後のこのスレの賑わいをお祈りしつつ…

10:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/08/14 09:06 5efhQfpc
あれ?初心者の館別館へのリンクはずしたんですか?
アレは人大杉や爆撃の際に大変重要なんですが。

何はともあれ1さん乙。

11:姐 ◆ane/8MtRLQ
03/08/14 09:45 AM82ZSln
>>10
>>2にリンクあると思いますが?違うのかな・・・。

1さん、乙です。
とりあえず保全のために書きかけの物を貼るだけ貼ってしまうテスト。
シュウの出てくる話です。


12:Fire(仮)
03/08/14 09:46 AM82ZSln
戦場は予想外の展開の繰り返しだった。
「どういう事なのよ全く!」
シュウは苛立ちを隠しきれないでぼやいた。
「どうやら私達が一番『ハズレ』引いたみたいね」
サラは予備のマガジン二つをテープで止めながらシュウに応えた。
現在彼女達がいるのはビルの最上階だった。
「サラ、それやると装填口に負荷がかかるよ」
ベルナールがおそるおそるサラに声をかけた。
「平気。常時やってるわけじゃないしこのマガジン、強化軽量プラスチックだから」
サラはベルナールの方さえ見ずに言った。
「私の武器の心配より、自分の武器の心配したら?」
サラの言葉にベルナールは困ったようにシュウを見た。
「やっぱり、怒ってる?」
「怒っているというより」
シュウは槍の切っ先をハンカチで磨きながら言った。
「減点はすごいだろうなと思ってるけど」
「やっぱり……」
ベルナールは落ち込んだようにため息をついた。
「ともかく。対策を練らないとね」
シュウは落ち込まれた所で何の足しにもならないと判断して意見を求めた。
「どう、陥落(お)とす?」

13:Fire(仮)
03/08/14 09:47 AM82ZSln
現在の状況を整理すると以下の通りになる。
ガーデンに依頼があったのは32時間前。
クライアントはガルバディア大陸東部のウィルバーン自治州にある地方都市ウィルディア市長。
自治区とは名前だけで年々ガルバディアのデリング政権からの干渉が強まっていた。
現在の市長は穏健派として知られていたがその気弱さゆえ、デリング政権に迎合しているとの反発が高まり、
自治州の特殊部隊の一部が反政府テロを起こしたのだ。
州幹部がガルバディア軍およびガルバディアガーデンに混乱の制圧を依頼したものの、官僚体質の上層部の対応は
曖昧でまるきり埒があかない状態だった。
そのため市長の独断でバラムガーデンのSeeDへと依頼が持ち込まれた。
SeeD実地試験の課題としてシュウ・ツォイユエを班長とするC班はテロリストの占拠したビルの奪還作業の補助を命じられた。
今回テロリストが占拠したのは市内中央にある電力会社の地方本社ビルだった。
そのビルは市内全体の電力配信を制御しており、オール電化システム導入のモデル地区でもあるウィルディア市の心臓と
言って良いビルで当然、ターゲットの本体はそこにいると思われた。
しかし特殊部隊から脱走した人数と占拠ビルにいると思われるテロリストの数が合わない事が判明した。
SeeD部隊は重点的にそのビルの制圧に配置され候補生に割り当てられたのはテロリストがテロ決行前に拠点としていたと
思われる雑居ビルの調査と制圧だった。
拠点自体が試験開始時には突き止められておらず、候補生達が候補の建物を当たり、それがわかった時点で
テロに関係した人間を割り出すように指令が与えられていた。
シュウ、サラ、ベルナールの三人は指定されたビルに侵入し、活動の痕跡を調査していた。
遺留品に通信機器でもあればそこから作戦指揮のための連絡記録を割り出せる。
「SeeDが本丸を陥落させる前に私達に証拠集めさせるなんて余裕よねえ」
サラがビルの内部を調査しながらこぼした。
「サラ。余計な発言していると発言記録に残るよ。残留部隊もいるかもしれないし」
シュウの注意にサラは首をすくめて沈黙した。

14:Fire(仮)
03/08/14 09:48 AM82ZSln
「これ、なんだろう?」
ベルナールがビルの一室で奇妙な物を発見した。
シュウとサラが壁に付いているらしい『これ』と言われた物を見るために傍に寄った。
そして二人は同時に声を上げた。
「バカ!」
シュウとサラは同時に手を伸ばした。
二人の手が「call off」というボタンに届く数秒前にけたたましい音が響いた。
「え?」
戸惑うベルナールにサラが声を荒げた。
「体温感知式センサーよ!防犯システムの!」
シュウは即座にプロテスをかけた。
サラと、慌てたベルナールがそれに続いた。
「どっちから?」
シュウの声に目を閉じていたサラが告げた。
「上から、よ」
「ラッキー」
シュウはほっとしたように槍を構えた。
サラはサブマシンガンのマガジンを抜いた。
「何するの?」
「ホットロードに変えとくわ。特殊部隊だとプロテスくらいは使うかもしれないから」
サラは炸薬量を標準量よりも多く装填して爆発力を大きくした弾に装填し直した。
ベルナールはチタン製のトンファーを構えた。
「行くわよ」
シュウの言葉に二人は従った。
その言葉とほぼ同時に、戦闘服を着た男が3人現れた。
「なんだ、お前らは」
銃口を向けられた瞬間にシュウが壁を蹴って宙を飛んだ。
男達がそれに気を取られた隙にサラが魔法を放った。
白い靄が男達を包んだ。二人がスリプルによって倒れた。

15:Fire(仮)
03/08/14 15:43 KodGLkOV
「レジストしたぞ!」
ベルナールが残った男に向かって駆け出すと同時に、男達を飛び越えて背後に回ったシュウが後頭部に回し蹴りを食らわせた。
「どう?」
シュウの問いにベルナールが答えた。
「テロリストに確定だな」
男達の首にはテロリストメンバーが付けている逆五芒星のマークの入ったドッグタグがかかっていた。
「じゃあ、民間人として扱わなくていいわね」
3人は手早く男達の手を縛った。
「これっておかしいんじゃない?」
サラが言った。
「テロ行為の最中なのに、なんでこんな所にまだ実行部隊みたいなのがいるの?」
普通ならこういう場合、残留しているのは戦闘能力に劣る人材のはずだった。
しかしこの男達は臨戦体勢時のように完全武装をしている。腕もそう悪くない。
「考えられるのは」
ベルナールが勿体つけたように言った。
「本体がミスした時のフォロー、または占拠したメンバーを救出するための別部隊」
テロで篭城した場合テロリストが生存できる可能性は相当に低い。
「向こうも特殊部隊ならバカじゃないだろうし」
「バカじゃないから、来たわよ」
シュウがベルナールの所見を遮った。
「私がとりあえず散らすわ」
サラが銃を構えた。
廊下の影からテロリストが来た瞬間にサラは引き金を引いた。

16:Fire(仮)
03/08/14 15:43 KodGLkOV
「うわっ!」
発砲音の直後、叫び声と共にテロリストは倒れた。
「シュウ、ベルナール、潰して!殺してないから!」
サラは見事に相手の足だけに銃弾を当てていた。
相手もさすがにプロだけあって、倒れながらも銃口をこちらに向けて引き金を引いた。
シュウとベルナールはその間を掻い潜って飛び、相手の頭を殴って気絶させた。
「極力殺さないようにするのって、殺すより難しいと思うんだけどな……」
ベルナールは男達の手から武器を奪うと即座に叩き壊した。
SeeD候補生はなるべく対象を殺さないよう指令を受けている。
「間違って民間人殺すよりはマシでしょ?」
「サラ、さっきの警報、どう思う?」
シュウはサラに意見を求めた。
「そうね」
サラは少し考え込んだ。
「やっぱりここ、『当たり』なのかもね。あれ、ビルの標準装備じゃなくて急ぎで取り付けたやつだと思うから」
「だよね?ザッパ仕事もいいところだったもんね、見た目無視で」
「……どういう事だ?」
ベルナールが尋ねる。
「セキュリティ会社が付けたような警報装置なら見た目をもっと目立たなくしてるでしょ?メーカー品じゃない手作りで、
しかもセンサー部品むき出しなんてありえないわ。そんなもんわざわざ付けてるって事はここ、なんかあるよ」
「そうか……俺、メーカーの正規品しか見た事なかったから……」
ベルナールは自分の過失に落ち込んだようだった。
「帰ったら、ちゃんとおさらいしなさいよ」
シュウはやれやれ、というようにベルナールに言った。
「どうしよう、本部に連絡する?」
サラがシュウにたずねた。

17:Fire(仮)
03/08/14 15:44 KodGLkOV
「後一時間は無理。無線封鎖してるから」
シュウはふう、とため息をついた。
十数年前から続いている電波障害のため、地球上の無線通信システムは現在ではほとんど使用できない。
ごく近距離なら軍用の特殊無線での通信は可能だが、電波障害の度合いは時間帯によって変化する。
それはほぼ月の周期と一致し、この地区では2時間ほど前から極端に強い電波障害が始まっている。
そのため、その時間帯に無線を使用すると確実に混線をきたす。
今本部と連絡を取ろうとしようものなら敵に傍受される可能性の方が高かった。
「有線連絡……って言っても、エマージェンシーコールとみなされた時点で試験放棄、だよね」
サラがため息をついた。
「決を取るわ。安全を優先して連絡するか、続行するか」
「私は続行希望」
「俺も」
シュウは二人を見てにやりと笑った。
「同意見ね。このビル、制圧するわよ」
「それにしても、次が来ないな」
ベルナールがつぶやいた時だった。
「下から、来るわ」
サラが階段のある方を見た。
「増援?」
ベルナールが期待に目を輝かせる。
「残念だけど」
シュウが首を振った。
「違うみたい」
階下から上がって来たのは敵側の増援だった。

18:Fire(仮)
03/08/14 15:44 KodGLkOV
底に鉄鋲の仕込まれた特殊部隊員の靴が立てる独特の音でわかる。
「こういう時は下から追い立てるのがセオリーなんだけど」
サラがやれやれ、という風に首を傾げた。
「セオリー通りにいかないのが実戦てもんでしょ」
「違いない」
「とりあえず、敵に逃げられないように玄関のシャッターを閉めて、敵をおびき寄せながら最上階に後退。
屋上まで到達したら、交代でG.F.を使用して敵の兵力を削ぐ。いいわね」
ビルの中央管理室は最上階だった。
「私が囮になるから、管理システムのハックお願い」
シュウは二人に告げると階段の方へ向かった。
G.F.はなるべくなら使いたくなかった。
閉鎖空間でのG.F.の使役は下手をすると建造物の崩壊を引き起こす。
平常時ならG.F.の力を制御するのはさほど難しくなかったが乱戦になったらそうも言っていられない。
しかも召喚中に攻撃を受ければダメージはG.F.が受ける事になる。
本当に止むを得ない場合にG.F.を盾にする事もないわけではないが、召喚不可能なまでにダメージを負ったG.F.は
特殊な機材を使用しないと二度と使い物にならない。
「冗談じゃないわ」
シュウは独り言を呟くと手槍を握りなおした。
そしてわざと敵の目に付くように動いた。
慎重に距離を測って敵をおびき寄せる。
屋内にいる敵はとにかくどこかに潜むような余裕を与えないようかき回すに限る。
シュウは敵の銃弾を掻い潜って再び最上階を目指した。

19:Fire(仮)
03/08/14 15:51 KodGLkOV
そして最上階に辿り着いた時、シュウは驚きに叫び声を上げた。
「どういう事よ、これ!」
屋上に出るはずの通路には頑丈な防火シャッターが下りていた。
「ベルナールがコンソール操作を間違えたのよ」
ベルナールがばつの悪そうな顔をしている横で、サラが忌々しげにキーを叩いていた。
次いでシュウの背後で再びシャッターの下りる音がした。
「とりあえず、敵は1階とこの下の階の間に閉じ込めたけど、私達も出るに出れないわ。
このシャッター、安全のために解除パスないと開かないのよ」
それが現状だった。


「陥落させる、というよりむしろ私達が陥落させられないように、という気もするわ」
サラがふうっとため息をついた。
「問題はこのビルの確保方法よね」
サラの問いにシュウは頷いた。
「こんなにまでしてこのビルを守る理由がわからないんじゃ、ビル破壊して逃げるわけにもいかないしね」
「あの……」
部屋の隅にいたベルナールが怯えたように手を挙げた。
「何?」
「もしかして、アレのせいじゃないかな」
シュウは軽く警戒しながらベルナールの指した場所にある物を見た。
「……何?」
「プラスチック爆弾。たぶん、セムテックス使ってると思うから大きさからしてあれ一個でこのビル丸ごと吹っ飛ぶと思う」
「あんた、ケロっとした顔してすごい事言うわね」
シュウは軽く驚きながらベルナールを見た。

20:Fire(仮)
03/08/14 15:52 KodGLkOV
「別にケロっとしてるわけじゃ……」
ベルナールが抗議した。
シュウはこの班の編成の意味を今更ながらに理解した。
白兵戦に強いシュウを班長に置き、魔法・機械の扱いに長けたサラと博識なベルナール。
攻守のバランスはそう悪くないのかもしれない。
ただ、ベルナールはプレッシャーに弱いようだった。
授業では好成績のはずなのにミスが多すぎた。
だからこそシュウとサラより一つ年上なのに班長になれなかったのだろう。
「時限式?」
シュウの問いにベルナールは首を振った。
「いや。タイマーかリモコンのどっちかを付ける前の段階だ。まだ沈黙してる」
「分解可能?」
「可能……と今の僕が言っても説得力ないね。今はこのまま触らずに置いておく方がベストだ。いじらなきゃどうって事ない」
「安心したわ」
失敗を取り返そうとハイリスクな賭けに出ようとしたら殴っていたかもしれない。
シュウはそういう意味合いでベルナールに笑って見せた。
「じゃあ、作戦立て直しましょう」
三人は敵がドアを破壊を完遂するまでに相談をまとめた。
「行くわよ」
向こう側から今にも叩き壊されそうなシャッターの前でシュウは二人に告げた。
さすがに向こうも素人ではないために機材を持っていたらしく、シャッターはバーナーでくり貫かれる所だった。
「ベルナール、お願い」
シュウの言葉にベルナールは目を閉じた。
ベルナールの周りに、淡い若葉色の靄が生じた。
次いでその中から敏捷そうな体を持つ、若い男の影が現れた。
男は手にした杖のような物を振りかざした。
瞬時に三人は自分の体の内に特別な力が宿ったのがわかった。

21:Fire(仮)
03/08/14 15:53 KodGLkOV
「普通のヘイストなんかよりはかなり長く持つ……でも、油断しないで」
ベルナールの言葉にシュウは片目を閉じて見せた。
「ありがと」
ベルナールの使役するG.F.の「メリクリウス」は使役者とそれが選んだ者に対して一時的に身体能力を
上げる能力を持っていた。
サラが再び自分にプロテスを張り直した。
シャッターが焼き切られ、隙間が出来た。
「じゃ、お願い」
シュウの言葉にサラが頷いた。
こじ開けられたシャッターから兵士が乱入してきた。
やはりプロテスを張り、飛び込むと同時にわずかな遮蔽物に身を隠そうとしていた。
しかし、元は早撃ちの名手として知られ、しかも身体能力を上げられたサラには格好の獲物だった。
サラの銃で第一陣の殆どは倒れた。
それを越えて飛び込んで来た相手はベルナールが仕留めた。
ベルナールは落ち着きさえしていればなまじの兵隊など及びも付かない戦闘力を持っている。
シュウはベルナールが訓練通りの動きで戦っているのを確認し、安心した。
「じゃ、私も行って来るね」
シュウはまるでこれから遊びに出かける様な気軽さで手を振った。
二人に爆弾を守る事をまかせてシュウは倒れた男達を踏んずけながら敗れたシャッターの向こうに飛び出した。
シャッターの向こうは階段だった。
突然飛び込んで来た少女に男達は一瞬あっけに取られた。
「なんだ?女!?」
「バカ言え、まだガキじゃねえか」
その言葉にシュウはむっとした顔を作った。
「失礼ね」
その言葉が男達の耳に届いた時には、既にシュウは彼らの視界から消えていた。
シュウは槍を投げると階段の手すりに手を突く様に飛び、体を大きくスイングさせて反動で手近にいた男の延髄に蹴りを入れた。

22:姐 ◆ane/8MtRLQ
03/08/14 16:02 KodGLkOV
とりあえずここまでで21KBになったみたいです。
即落ち逃れる条件の容量がわからないのですが…。
まあ、この話なら万一スレが死んでもいいかなと思いつつ
保全用に書き込みしてみました。
ただ、これは少し前に冗談で書いたストックの中から引っ張り出してきたので
続きの投稿がいつになるかわかりませんが(汗 (FF8の執筆に関しては長期休暇中なので)
一応スニフの恋人と話は繋がっております。
 
いてうか、帰省してる姉ちゃんの子の目を盗んで投稿するのは厳しいっす・・・。
(今も別の部屋から私を呼んでます…・・・)

今スレも沢山の作品と読者さんのカキコに恵まれたスレになりますよう祈願してます。

23:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/08/14 16:17 RuPNp3Fy
すんません。前スレリンク間違ってる事に今気付きました
前スレ475で訂正されていたURL見落としてた…激しく鬱。

正しくは
スレリンク(ff板)l50

ほんとにスマンカッタ....。_| ̄|○

24:鈴 ◆BELLSBdFOI
03/08/14 23:02 bNkx7j8N
即死判定の基準を調べてかれこれ小1時間ほどぐぐってるんですが、どこにも正確な数字が…
30レスだとか20KBだとか、まちまちです。
で、そんなことしてるよりもSSの続きをうpした方が早いんじゃないかとさっき気付きました。

>>ドリルさん
周りに余計な心配をかけたくないというエドガーの考え方が、逆に周りの人をイラつかせる原因になってしまって…。
ガイシュツかもしれないんですが、ドリルさんのエドガーは考え方も生き様もすごく「国王」らしくて(゚Д゚)ウママーです。
こういう王様の国は栄えるんだろうなぁ…
FF10-2は色々気になる点も多々ありますが、その辺は見 な か っ た こ と に し ま し ょ う。
老師は素晴らしい名言を遺して下さいました。

…メイチェンが萌えを語り…始めたらきっと引きまつ。

>>雫夜さん
をを、次はワカルルですか。がんがってください!!
バリャたんからはなんとなく育ちの良い家出少年スメルが漂ってる気がします。
ゲバルト棒(みたいなモノ)まで持ち出すし…もまいさんは学生運動家かと。
さぞ家中エボン一色だったんだろうなぁと、まあ深く考えずに一家総寺院勤めです。
パブロとシモーヌは…もっと原作の雰囲気を出せるように、修行し直したいです。
いっそ全編シリアスで補完とか(w

ああそうそう、こんなスレドゾー↓
スレリンク(mona板:194-224番)

>>姐さん
…な、なんだか普通にFF8をプレイしてみたくなってきたんですが…マジデカオウカナ
ドラマ化された映像を見ているみたいで楽しいです。
ベルナールとメルクリウスに萌えました。ツボです。激しく(´Д`*)ハァハァ
冗談なんて勿体無い。続きお待ちしてます。期待sage


25:Mit deinen blauem Augen (30)
03/08/14 23:09 bNkx7j8N
前回は前スレの504です

 夕暮れの雷平原。僕は二度目にアルベド族を見た。
厚い黒雲に覆われた平原には昼夜の区別はなかったに等しいけれど、とにかく夕方だった。
誰からともなく休息しよう、という声があがり、避雷塔の下で一晩を過ごすになった時だ。
同行する僧兵が、剣を振り上げるたびに魔物の身体から幻光虫が舞い上がる。
大地に突き刺さるような、白い閃光。
闇の中で二つの光がひっきりなしに煌めくその光景は綺麗だったけれど、
幼い僕は雷の音が怖くて母さんに抱きかかえられたままずっと泣いていた。
そんな折、僕は丘の向こうにぼんやりとした明かりが灯っているのを見つけた。
僕は泣きやんで、「あそこへ行きたい」と言った。
避雷塔の下にいれば雷が当たることはないから安全だとはいえ、
この耳をつんざくような音と青白い光からは逃れられない。
だから、こんな所で夜を過ごすよりあの建物の中で休みたかった。
けれどそれを聞いた大人達の反応は冷淡そのものだった。
「あれはアルベドの店だ」
「奴らの店で休んだりしたら、エボンの罰が下る」
口々にそう言う大人達によって、僕のささやかな願いは却下された。
ごつごつした岩の上に、申し訳程度に敷かれた布の上に横になったまま、
僕はあの建物の中で眠る自分を夢見ていた。
暖かなベッドと真っ白なシーツ。ううん、ベッドの上でなくてもいい。屋根のある所で眠れるのなら。
大人達がアルベド族を忌み嫌う理由が、僕には理解出来なかった。


26:Mit deinen blauem Augen (31)
03/08/14 23:09 bNkx7j8N

 だけど、僕だって決してアルベド族が好きだったわけじゃない。
「嫌い」とは言わないまでも少なくとも「苦手」だったし、
ユウナちゃんがアルベド族のハーフだということとアルベド族を好きになることはやはり別の事のように思えた。
それならば、アルベド族だからといってユウナちゃんを嫌いになる理由だって、どこにもないのだけれど。
……滴り落ちる雫のように、ぽつり、ぽつりとユウナちゃんは語り出す。
「うん、私の母さんは、アルベド族……」
父さんがアルベドのホームにエボンの教えを広めに行った時に出会ったんだって。
私を産んですぐに、乗ってた船が「シン」に襲われて……
だから、顔も、覚えてないの。
「自分を産んでくれた母さんのことなのに、全然思い出せないの」
ユウナちゃんの言葉は、遠い、さざ波のようで、僕はその言葉に揺られながら全く別のことを考えていた。
湧き水のように溢れ出す、彼女の悲しみ。
けれども、僕はその時自分の記憶を辿ることに頭がいっぱいで、その悲しみに耳を貸そうとさえ、しなかった。


27:雫夜 ◆sizukTVGK.
03/08/14 23:22 XRc3ej6Q
私も30レス超えれば安全としか聞いたことないです>>即落ちしない基準

>>23=1さん
改めて乙でした。
うぅ前スレ475は私…元々はコピペ時に気付かなかった私が悪いのです。スマソ。

>>白さん
続き待ってます。

>>鈴さん
またしても生うpに遭遇した模様。
オープニング改、誰だろうと思っていたら鈴さんだったのでビクーリ。
オチにワロタ。

>>姐さん
これって8開始の前のエピソードですね。サイコーでつ。
しかもシュウが素敵。サラが出てきてたんで、スニフに関連してるのはすぐに分かりました。
続きはまったりと待ってますので。

では私も保守を兼ねてちょっと投下。
次スレでも10とか言ってましたが、今回は…ウソツキニナチマッタ。

28:作者
03/08/14 23:31 pfcS3hxL
新スレおめ!!早速(;´д`)ハァハァ汁。

29:fragile【1】(仮)
03/08/14 23:36 XRc3ej6Q
「お帰り、サ・ジェ!!」
 濃い茶色の髪を肩で短く切り揃えた少女が、村に帰る途中のクリスタルキャラ
バンの一行に気付いて、近づいてくる。
 サ・ジェと呼ばれたセルキーの少年は、彼女の姿を認め、驚き混じりに呟いた。
「エルヴィラ?」
「ふふ、一年ぶりだね」
 エルヴィラは屈託なく笑う。
「これが『ミルラの雫』? いつもとおんなじで、フツーの水みたい」
 サ・ジェの脇に立っていたリルティのディオが抱えている『クリスタルケージ』に気
付いて、エルヴィラは指先で触れようとした。
「ちょっと、触んないでよっ!!」
 ディオは素早く彼女の指を跳ね除ける。
「キャラバンに加わんないで、一年中村で遊びほうけてるアンタに触られたら、ディ
オたちが苦労して取ってきたせっかくの雫がダメになるわ。」
 エルヴィラが一瞬悲しそうな表情をしたのが、サ・ジェには分かった。
「あのねぇディオ、フランは普通の人よりも特に瘴気に弱いから、キャラバンでの旅
ができないんだよ」
 サ・ジェの幼なじみでやはりセルキーの少女ロナ・リィが見かねてとりなしても、デ
ィオの怒りは収まらない。
「ふぅぅぅん、ディオには、アンタが村長の孫だから、トクベツ扱いされてるようにしか
見えないけどぉ」
「ディオ!!」
 サ・ジェの声に、ディオは驚いて黙ったがすぐに、ホントのことだもん、とぼそぼそと言い返した。

30:雫夜 ◆sizukTVGK.
03/08/14 23:42 XRc3ej6Q
ということでFFCCネタです。
あ、カプは セルキー〝うるふへっど〟×クラヴァット(?)・〝しょーと〟 になります。
ちなみにリルティは〝ぶらんど〟。
…クロニクル、ハマってます(w

あ、これで30?
即落ち回避でつかね。



31:雫夜 ◆sizukTVGK.
03/08/14 23:44 XRc3ej6Q
>>29
フラン→エルヴィラ
…スマソ。

32:R@no-name ◆Vlst9Z/R.A
03/08/15 00:39 CoPIkImu
新スレ乙です多!

ちょっとは何か支援せねばと昔の一太郎ファイルから目ぼしい書きかけを
サルベージしてみたのですが、
内容が 全 然 恋 し て ま せ ん _| ̄|○ミンナスマネェ・・・

>鈴殿
ユウナん的白ニャンコを双葉板で(σ゚Д゚)σゲッツしたので
疲れ目回復にドゾー
URLリンク(www.42ch.net)

33:あぼーん
あぼーん
あぼーん

34:雫夜 ◆sizukTVGK.
03/08/15 23:08 zEXZjJ3Q
ドリルさん、今日も来ていない?

>>鈴さん
素敵スレの紹介ドモ。思い切りワロタ。早速お気に入り登録したでつw >>MFT
バリャたん自身は、根っからの差別意識があるわけではないと知り安心。
スマソ…バリャたんではないですが、私もユウナんの母さん話以上に、バリャたんの記憶が気になってます。

35:fragile【2】(仮)
03/08/15 23:10 zEXZjJ3Q
 >>29の続きです。

 ディオに注意しようとしたサ・ジェを制して、エルヴィラが微笑む。
「別にあなたたちに嫌われてたって構わないわ」
 わたしには、サ・ジェだけがいればいい―この微かな呟きに、エルヴィラを
見ていたロナ・リィの表情が強張った。
 ディオには聞こえなかったらしく、怪訝な顔でロナ・リィを見上げている。
「エルヴィラ、そんな風に―」
 戸惑っているサ・ジェの言葉を遮り、エルヴィラは言った。 
「だって本当のことだもの―だからいいの。それよりサ・ジェ、今夜、いつもの
ところで待ってるから」
 絶対来てね、とサ・ジェの返事を確認せずにっこり笑って、エルヴィラは踵を
返し自宅の方へ走って行った。待てよ、というサ・ジェの声にも振り向かない。
 そんな二人の様子をロナ・リィの陰に隠れて見ていたディオが、不満げな声を
漏らした。
「なぁにが『いつものところで待ってるから』よぉ。ホント、ムカつくったら。サ・ジェ
も振り回されっぱなしじゃない…ロナ・リィは悔しくないわけ?」
「え? あ、あたし?」
 突然話題を振られ、彼女は困ったようにリルティの少女を見下ろす。ディオは
こくりと頷いた。
「だってロナ・リィはサ・ジェを…おぁっ、むぐぅ、ひおっほ!! なひ、ふんのおお!!」
「それは君が言うことではない」
 喚くディオの口を塞いで抱え上げたのは、一行からかなり遅れて歩いていた
ユークのアンヴァーハーセンだ。
 ディオが暴れて取り落とした『クリスタルケージ』を、地面にぶつかる前に、彼は
片手で器用に掴んでそっと下ろした。

36:雫夜 ◆sizukTVGK.
03/08/15 23:13 zEXZjJ3Q
女セルキーは〝うるふれっぐ〟、男ユークは〝あろまへっど〟のイメージですw

37:ドリル装備の名無し ◆Lv.1/MrrYw
03/08/17 01:49 oHNNe6ba
遅ればせながら新スレおめ! 皆様乙ですた。

>>8
新スレ祝いワロタ。途中までの描写を読んでいる時は脳内であのピアノ曲が流れて
いたのに…(w。

>>12-22
面白い! んでもって槍使いシュウ先輩の勇姿に(;´д`)ハァハァ
主人公3名の経緯と置かれている状況が丁寧に説明されていて、しかも彼らの
潜入作戦遂行中の描写が文字だけなのに手に取る様に分かる…凄いです。
説明文が説明文というよりその雰囲気に溶け込んでいる様で、読んでいても
全然飽きないから(・∀・)イイ!
というか、個人的にこういう話(潜入とか陥落とかビル制圧とか……)好きなんでつ。(w
是が非でも続きのうpをキボンヌ…!! してみるテスト。

>>24-26
分厚い雲に覆われた平原の中で、遠くに見つけた旅行公司の灯り。なんだか幼い
彼の心そのものを暗に表している様に読めたり読めなかったり。(はい、考えすぎですねw)
彼にしてみれば理不尽な大人達の反応。アルベドという存在に対する興味と敬遠する行動。
…さざ波のような彼女の言葉に揺れる彼の描写が(゚д゚)ウマーです。
 ※「国王と個人の間で揺れるエドガー」って言うのが萌(燃)えな事もありますが、
  純粋に書いていて楽しいです、こういう人の葛藤、みたいなもの(ネタ?w)って。

38:ドリル装備の名無し ◆Lv.1/MrrYw
03/08/17 01:51 oHNNe6ba
>>6>>28
声を大に……この状況ならフォントを大にして言わせてホスィー事があるんでつが。
  続  き  を  待  っ  て  ま  す  !

>>32
これまた同じく、新  作  待  っ  て  ま  す  !
(´-`).。oO(ソレヲイッチャ……モレ、モウコノスレニコレネェYO…w)
それにしても、カワイイなぁ……(*´д`)

>>29>>35
その存在がもの凄く気になって仕方がないFFCC……な話でつね。全く予備知識が
ないままで読んでいると、タイトルから察するに壊れそうな物が二つあるのでしょうか?
(というか、邪推しすぎレスしすぎですね。反省)
それにしても漏れのリクエスト2つに応えていただけるんでつか!?(;´д`)ハァハァ期待sage!!


ところで、前スレって埋め立てするんでしょうか?
どっちに投下しようか迷いつつ、うp途中のエドリルから一旦横道に逸れてマニアックな6ネタ
(短編)を投下させて下さい…。

39:Echo-心ない天使の微笑-1
03/08/17 01:57 oHNNe6ba

 彼―いや彼女なのか―の声を聞いたのは一度きりかも知れない。
 特にこれといって特徴はなく、強いて言えばごく普通の、ありふれた成人男子
の声だと聞こえた……ような気がする。
 正直、あまりよく覚えている者はいなかった。

「俺は、ゴゴ。ずっとものまねをして生きてきた」

 奇怪な洞窟の奥深く、辿り着いた先に待っていたのは奇妙な格好をした一人の
『ものまね士』だった。

「お前達は、久しぶりの来客だ」

 彼が住むのそこは、来る者を拒むように様々な仕掛けの施された洞窟なのだか
ら、自分たちが久しぶりの来客であるのも無理はない。
 何者なのか? そう尋ねようとする仲間達の問いかけを避けるように、彼は一方的に
話を進めた。

「そうだ。お前達のものまねをしてやろう。お前達は今なにをしているんだ?」

 そんなことを聞かれても、到底一言では語り尽くせない。その場にいた四者四
様―仲間とはいえ、それぞれ抱えている物や目指す場所は違うのだから―の理由がある。
 皆、互いに顔を見合わせて何と答えればいいのか回答に窮していたところへ、
納得したようなゴゴの言葉。

「そうか。世界を救おうとしているのか」

 何と抽象的で的を射た言葉だろう、と仲間達が感心している最中。

「では、俺も世界を救うというものまねをしてみるとしよう」

 こうして、ゴゴが仲間としてファルコンへ招かれた。

40:Echo-心ない天使の微笑-2
03/08/17 02:05 oHNNe6ba

 まるで抑揚のないしゃべり方。
 奇妙な服で覆われた彼の表情を伺い知ることはできない。
 全てが謎に包まれ―ファルコンへ来ても、決して自らを語ろうとしない―
前触れもなく突然現れたゴゴに、船で待っていた仲間達も最初こそ戸惑いを覚え
ていたものの、彼の能力―ものまね―を垣間見たとき、その認識を改めさせ
られることとなる。



「なかなか大した腕だよな」
 盗賊の小手と腕輪を借りて、相手の懐に潜り込むと華麗な“技”を披露する。
自分の身動きをマネたゴゴの流れるような動作に、ロックは感心する。
「……とても初めてとは思えない、見事な扱いだね」
 パーティーの中ではエドガーにしか扱うことのできない機械も、ゴゴは一度見
ただけで見事に操ってみせた。
「まさか、魔封剣まで真似られるなんて……凄いわ」
 帝国ひろしと言えど、相手の魔法を封じる事のできる魔封剣を使用できたのは
セリスだけだったし、見ただけで真似できるような容易い事ではないはずなのに、
いとも簡単にゴゴはそれを使って見せた。
「……拙者、正直申し上げて複雑な心境でござるよ」
「俺もだなー。覚えるのけっこう苦労したんだぜ?」
 掛け替えのない家族との死別を経て、カイエンが苦心の末極めた必殺剣。
 兄弟子との死闘、更に師ダンカンとの再会を経て極めたマッシュの必殺技。
 とにかくゴゴは、仲間達一人一人が持っている特技を「一度見ただけで」寸分
違わぬ動きで真似できる能力を有していたのだ。これには誰もが驚かされた。

41:白 ◆SIRO/4.i8M
03/08/18 21:57 vHelpCiH
お久しぶりです。。。
某スレでドタバタ遊び過ぎて、こちらに来れなくなってた
アフォ白であります。(;´Д⊂)アウチ…

1さん
改めてありがとうございますです。感謝です。

雫夜さん
連載終了お疲れ様でした。哀しくて暖かい余韻が沁み入りましたです。
FFCC元気で可愛いですね!がんがってくださいませ。

鈴さん
お祝い文、最後に爆笑しました!素敵過ぎますー。
透明感のある深い文章が、カコ良いであります!切なくもうっとり。

姐さん
計器類の画面が浮かびそうな文体が凄いです。尊敬の(*´Д`)ハァハァ
シュウさんに激しく萌えました!

作者さん
(*´Д`)ハァハァ/lア/lア/ヽァ/ヽァ

R@no-nameさん
恋してなくても、激しく読みたいであります。
てかオイラのも恋してな(以下略)<コ:彡ドウゾです!

ドリルさん
新作キタ━━(゚∀゚)━━!!!!
謎のものまねしさんが、どう動かれるのか楽しみです!

42:(´ _ `*マターリ旅(仮)番外編
03/08/18 21:59 vHelpCiH
■今迄の粗筋■
神羅屋敷温室に、ラベルが付いている。
『グリーンハーブ』
地下書庫からセフィロスが、研究員のファイルを取り出した。
『今日わ、ほうじょuせんせえ之、魔晄照射お…かゆい、うま』
「バ○オじゃん!ヒィー(((゚Д゚)))ガタガタ」
イン&ヤン(゚∀。)が鉢に水やりしてますた。

一応前話は
スレリンク(ff板:426-429番)
になりますです。

カプ(?)は、クラウドがデートした4人です。

43:【王子と乞食】(1)
03/08/18 22:01 vHelpCiH
 昔々、小さな修道院に、金髪ツンツン頭の男の子が住んでいました。
王子さまに少し似ていたので、子供は
『ルーファウス坊々』とか『王子さま』と呼ばれてました。

 ちいさな『王子さま』は一度も、頭を撫でてもらったり
遊んでもらった記憶がありません。

 ある日。お坊さん達が、しかめっつらしい顔で話込んでいました。
「ルーファウス王子が、帝王に即位なされたうひょ」
「ほひー?同じ顔の…ツンツン頭の命が危ないのか?」
「僧院から一生出ないなら、問題は無いっス」
『王子さま』は
僧院の陰で、木にしがみつき、シャウトしますた。
「クソ坊主の河童ハゲ━━(`Д´)━━!!!!」
えー。禿はさておき。誰にも抱きつけなかったからです。

 その日以来、幼い『王子さま』の様子が変です。
「俺は帝王だ!」と叫び続け、盗んだバイクで走り出し
壁にグラフティーアートし、畑の蕪を引っこ抜き、髪を脱色し
修道院長に叱られますた。それでも。
彼はますます怒鳴りました。小さな体で、「俺は帝王だ!」と。

 やがてそれは、本物の幼き帝王、ルーファウスの耳に届きました。
ツォン枢機卿が問いかけます。
「如何致しますか?」
幼くも、帝王は恐ろしい人でした。
反逆する者達を、猛将にヌッ殺させていたのです。
半熟…もとい、将軍の中でも、
特に冷酷なセフィロス公爵が、修道院へ遣わされました。

44:【王子と乞食】(2)
03/08/18 22:03 vHelpCiH
 其処からは、電光石火の早業です。
騎士団が、必死で引き止める修道士達にストップを掛け
自称『王子さま』を簀巻きにして馬車に押し込み
レッツゴー塔に幽閉だ!とか、そんな勢いです。

 重厚にして豪奢な館の中。
目隠しを外された、小学校低学年の
自称『王子さま』は(((゚Д゚)))ガタガタしてますた。
銀髪の公爵が、かしづきます。
「ようこそ。クラウド陛下。
 此処は、貴方の城。
 私は──貴方を守護する者です」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!(AA省略)………………へ?」

 優しい帝王は。気の毒な自称『王子さま』に
城の一つを与え、彼を王様として扱うよう、部下に命じたのです。

 お城には、陽気な黒髪の騎士が居ました。
幼いクラウドは、修道院で出来なかった事をしました。
つまり、チャンバラや喧嘩やおいかけっこやかくれんぼです。
毎日、遊びました。友達も出来ました。

 近所の、可愛いさよちゃん。。。もといティファちゃんや
綺麗なお姉さんの、弥生さん。。。じゃなくてエアリスさんも
たまにからかって『半熟王子さま』とか呼んだりもしました。
元気な盗賊のユフィちゃんや
「暴力昼食(あばらんち)」の首領、バレットおじさんにも
(*´Д`)ハァハァしてる、節操無しな『王子さま』でしたが。

45:【王子と乞食】(3)
03/08/18 22:05 vHelpCiH
 剣豪、セフィロス公爵は良い先生でした。
魔法や科学に造詣が深く、
歴史絵巻そのものが其処に居ました。

 クラウドは、公爵を『先生』と呼ぶようになりました。
「俺、先生と違って何にも知らない…ショボーン(´・ω・`)」
「これから覚えれば良いのです。
 焦らずとも…否、このままでも良いのですよ」

 公爵が問いかけます。
「陛下。この國を良くする為にはどうしたら?」
「え?えっと…泥棒しない。喧嘩しない。道にゴミを捨てない…」
「何故窃盗が?」
「働けなくて、いや、働いてもパンが買えないから」
「それは、どうして?」
燭台の灯が、ふわりと窓辺に広がります。

 上天気のある日。
公国の竜騎士達は演習です。
飛竜と共に空に向かい、颯爽と陣型を組みます。
切り合い、またほどけ
何万もの剣舞が、蒼穹に旋回するのです。
槍の穂先がきらめき、剣が金属音を鳴り渡らせます。
人が死ぬ事はありません。
見学する貴婦人方に、ザックスが精悍な笑顔を見せます。

 ふと。
ドラゴンライダーの一人が、過って飛竜に斬り付けました。
飛竜はもがきながら落下し、観客席に激突寸前。
そして、その先には。

46:【王子と乞食】(4)
03/08/18 22:07 vHelpCiH
 桔梗屋、さよちゃんっ!…じゃなかった。
クラウドの、お友達がいました。
大好きな初恋の人4人(バレット含)がピンチです。
走っても間に合いません。
咄嗟にクラウドは壁を蹴りつけ、空中で呪文を唱えました。
「──ブリザド!」
ほんの一瞬ですが、飛竜の動きが止まりました。

 すかさずザックスがストップをかけ、
飛竜は、宙に浮いたまま止まりました。
観客からザックスへ、歓声が揚がります。

 クラウドは、と言えば。
擦り剥いた膝がジンジンします。
「うぁっ!」
洒落にならん程痛くて、動けそうにありません。⊂⌒~⊃。Д。)⊃
其処に、マントの武人が近付きます。
「…お怪我はありませぬか?お手柄ですよ、王子」
先生が飛んで来た様です。
 
 ひょい、と公はクラウドを、愛馬?レッドセフィロスに乗せました。
レッドセフィロスの羽根はふかふかで、ホッとします。
「…先生…」
「どうしました?」
10才にもならないクラウドが嗚咽を堪え、身を震わせます。
「すいません。ごめんなさい。。。
 俺、嘘つきました。
 本当は、王子様でも何でもないんです…。
 ただの、捨て子らしいんです。
 だけど、顔は帝王に似ていたから、だから…」

47:【王子と乞食】(5)
03/08/18 22:09 vHelpCiH
 公爵の寒色の瞳が、幼い自称『王子さま』を捕らえます。
どこまでも冷ややかで、表情の読めない眼。
白銀の鎧から、手甲が突き出され
くしゃくしゃと、クラウドのツンツン頭を撫でました。
「良く頑張ったな」
鼻水やら何やら、『王子さま』は大泣きです。

「ここに、居て…いいんですか?」
「お前が望むのなら。ずっと」

 こうして。クラウドは魔法使いの弟子になりました。
ちゃっかりと王の兄弟を養子に迎え、皇帝城の一つを管理下に置き
上機嫌な銀髪公爵の、政治的な目論みはさておき。
当面、小学校低学年のクラウドが
塔に幽閉されたり、鉄仮面を被せられたり、
暗殺される心配は無さそうです。

 ツォンさんが、ルーファウス帝に聞きました。
「あの法令の発布を、なさるのですか?」
「…僕は、庶民の生活を知りたかった。
 それが叶わぬのなら、賢君にあらず。
 普通の暮らしを知っている、彼の意見は貴重だ。そうだろう?」
クラウドが一所懸命考えた法令が、本当に発布されました。

「お!クラウド、無事だったか!」
「クラウド!ありがとう!」
バレットおじさんが、ユフィが、ザックスが、
仲間達が飛びついて来ました。
おとうさんもおかあさんも居ないけど。此処がクラウドの家だったのです。

48:白 ◆SIRO/4.i8M
03/08/18 22:13 vHelpCiH
次はいつもの「興味ないね(´ _ `*」になりますです。多分…。
■次号予告■
 涼しく穏やかな昼下がり。プール後の生徒達が、微睡んでいます。
「…パラメキア皇帝が叫んだのが、かの有名な(゚Д゚)ウボァーと…」
突如。3年A組の、魔王先生が乱入しますた。
「ジェノバはリユニオンするものだ…
 ここで問1。
 ジェノバは何年前に星に来た?」
「あんだぁ、てめえ。やんのかクルァ!」
「先生!授業して下さい!∩´Д`)」
次回「1年F組!勇者先生」「FF9はコカ・コー(ry」の2本です。

49:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/08/18 22:24 9oLztqdt
>>43
>盗んだバイクで走り出し
激しくワラタ

>「…パラメキア皇帝が叫んだのが、かの有名な(゚Д゚)ウボァーと…」
この先生は誰なんでつか(今書いてるネタにからむので気になって仕方ない)


50:作者@放置プレイ
03/08/19 02:30 irAcHrPW
キタ━━━━━( ・ ∀ ・ )━━━( ´∀`)━━アァァン(;´д`)ハァハァハァハァハァァァ(; ゚Д゚)ウッ!!
よかったねクラウド。
でも暴力昼食ってどんな食いもんなんでしょう先生。

51:白 ◆SIRO/4.i8M
03/08/19 21:57 U2k97P81
49さん
笑って頂けてシアワセです。
先生は1年F組!勇者先生(FF7クラウド)ですが、
勇者先生の続編は無いので
どうぞ御遠慮なく、ガンガンいっちゃってくださいませ。
49さんの御作品が、とても読みたいであります。
FF2のリチャードさんや元騎士団長さん (*´Д`)/lァ/lァ

作者@放置プレイさん
放置プレイでありますか?!(*TдT*)=3=3 ハァッハァッ
とても無理は言えませぬが、作者さんの愛のある美麗文を
お慕い残暑申し上げます。。。シクシク
「暴力昼食」はきっと、この世の何処かのセブンスヘ○ンにあります。
作者さんのヴィンセントさんに、作ってもらいたいであります。

52:興味無いね(´ _ `*と愉快なマターリ旅(仮)
03/08/19 21:58 U2k97P81
■今迄の粗筋■
漫才したりとか (*´Д`)/lァ/lァしたりとかしながら、
アバランチ、ツオン、ザックス、エアリス、セフィロス。
全員生存のまま、最終武器回収まで来てますです。

前話は>>42-48になりますです。
カプはギャグの為不明です。。。。

53:【飛空艇が見ている…】(1)
03/08/19 22:00 U2k97P81
──幻想を作りだしたのは…お前だ。──

 太陽の海岸。石英の粒子が、海藍波に舞い上がる。
微睡む素肌に、冷たい結晶が触れた。
「きゃあっ…!」
「びっくりした?ティファ」
満面の笑みを浮かべ、ユフィが大量のマテリアを抱えている。
「どうしたの?それ」
「そこのマテリア屋から盗…じゃなくて。
 イルカが、アタシに教えてくれたんだー。
 近くに、ライフストリームの噴き出し口があるって!」

「一緒に行こうよ、ね?」
エアリスが嬉し気に、ユフィとティファの手を引く。
まろやかな、女性陣の肢体。
薄い水着に覆われ、甘く優美な曲線を描く。
椰子の根元で、男性陣が(*´Д`)ハァハァ覗いていたが、それは兎も角。

「あ、ちょっと、待って?」
ふと。エアリスがティファの黒髪を梳く。
黒絹の光沢が零れ、透き通ったうなじが日に晒される。
「泳ぐなら、この方が良いよ」
ティファの長い髪がまとめられ、可愛らしいシニヨンになっていた。
「ありがと、エアリス」
ティファの頬が嬉し気に上気した。
「あー!ティファいいなあ。アタシにもやってやって!」
賑やかな海岸に、穏やかな潮風が吹き抜ける。

 水面に泡が昇ってゆく。
海嶺に、幾筋もの光の柱が揺らめき、魚達が乱舞する。
古い、遺跡。石柱が水に沈み、貝に似た家々が魚礁となっている。
エアリスの瞳が、家々に釘付けになる。

54:【飛空艇が見ている…】(2)
03/08/19 22:03 U2k97P81
 その中央に。
沸き起り広がりゆく、淡い緑の光。
魔晄の泉が、そこにあった。

 玉砂利を敷くように、色とりどりの結晶が珠を結び
皆、内に小さな光を点す。
魔晄の泉は、海中に、鏡の如き鮮やかな水面を作りあげている。
そのほとりに珊瑚が森を作り、遺跡群が静かに眠る。

 クラウドは宿で、静かに潮騒を聞いていた。
そこに、大量のマテリアが降って来たから堪らない。
「Σ(゚Д゚;)うわ!なんだこれ?!」
「えへへ、驚いた?」
ひょい、と女性陣が顔を覗かせる。
「今日はクラウド誕生日じゃん。だからさ」
「皆で、採って来たの」
「ポーキーとか、とぼけた魔法しか、使えないみたいだけどねっ!」
きょとん、としたクラウドが、微かに苦笑いする。

 楽しかった、思い出。
海も潮騒も以前と変わらない。けれど。
「…どこ行っちゃったの?エアリス」
太陽の海岸に、ティファが独り佇む。
優しく、温雅な友達。彼女は失踪したままだった。
もし、セフィロスが云ったように。
エアリスが助かった事。それが幻想だとしたら。
ふと、ユフィの手がティファの肩に触れた。
「泣かないで捜そうよ、ティファ」

 うすくれないの夕暮が、二人の女友達を染めあげる。

55:白 ◆SIRO/4.i8M
03/08/19 22:04 U2k97P81
■次号予告■
荒野の砂塵が、長髪のガンマンをけぶらせる。
「──行くぞ…」
「うひょ!いつでも来い!」
魔晄銃を構える我らがパルマ-。
あまりにもアレ(以下略)なので、
ヴィンセントにはハンデとして、銀玉鉄砲が装備されている。
銃声。そして、敗者の倒れる乾いた音。
ダメージ9999。
銀玉鉄砲が「投げ」られ、パルマ-の額にコブを作っていた…。
次回は「美麗なる狙撃手パルマ-」「ダイエット!」の2本です。

56:作者@携帯からI'll be back(シュワ
03/08/21 01:47 AVDp7vqI
>51
瓶㌣がSeven酢Hevenでエプロンして料理なんかしてたら(以下略)萌え(略)もうだめぽ(ry

あの超書きかけ放置プレイの聖域の墓標サザンクロスなんですが、家のPCがヌッ壊れ
まして、うpできまへん。今携帯からコソーリ覗いてるんですが…。携帯うp…考えては
いるんですが、禿しい指テクとパケ死を考えると、怖くてヤパーリ放置プレイて゛す。

57:ドリル装備の名無し ◆Lv.1/MrrYw
03/08/21 22:45 hKnT4U+9
>>【王子と乞食】【飛空艇が見ている…】
> ティファの長い髪がまとめられ、可愛らしいシニヨンになっていた。
ティファのうなj……も、萌え! ティファその髪型でおながいしまつ。
バルマウフラといいティナといいキスティスといい、やっぱりうなj…(違)。

オヤジ臭い感想でスマソ。

とぼけた魔法しか使えないマテリア、なんか暖かみがあって(・∀・)イイ!ですね。
戦いの記憶、ではなく平和の記憶が込められたマテリアって感じで。うん。

>>56
…ご、ご愁傷様です。PC壊れ(+バックアップ取っていなかった)時のことを
思い出すと、今でも(((゚Д゚)))。これで呪いの音楽がついて
「お気の毒ですがあなたの冒険の書(C:)は(以下略」
「お気の毒ですがあなたの冒険の書(D:)は(以下略」
…想像しただけでトラウマになりそうでつ。

症状が軽い事を信じ、カムバックを待ちながらsage。

58:Echo-心ない天使の微笑-3
03/08/21 22:49 hKnT4U+9
(前話は>>39-40です。カプ…敢えて、無理やり言うなら…ゴゴリル(!?))

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 無論、コピーがオリジナルには叶う筈はない。けれども彼の能力は単なる「も
のまね」の域を超えている。
 ……本音を言えば、それぞれが苦労して体得した技をいとも簡単に真似される
と、少ーし複雑な気分にはなったが。



 倒すべき敵を目前にした彼女が虚空に筆を走らせる時、小さく囁くそれは“秘
密の呪文”だと言う。
 対象物の心までをも鮮明に描き出し、その絵に心を宿らせる『ピクトマンサー』
リルムの特殊能力は、ゴゴのそれと通じるものがあった。
 けれど決定的に違う点がある―それが術者の心の在処なのだ―と。彼女は
後に語っている。
「ねーねー。どうして人のマネばっかすんの?」
 歯に衣着せぬ物言いで、リルムは単刀直入に尋ねる。
「…………」
 それでもゴゴが答える事はない。そうと分かっていてもやっぱり気になって仕
方ないのか、諦めずにもう一度聞いてみた。
 ところが。
「ねーったら! 人が質問してるんだから何か言えないの?」
「ねーったら! 人が質問してるんだから何か言えないの?」
 結果はこの有様、オウム返しで終了である。
 普通、こんな風にからかわれたら怒りたくもなるのだが、相手は『ものまね士』
というだけあって、オウム返しも芸術の域に達していた。

「なんか、アタシが二人いるみたいだ」

 そんな感想を呟きながら、リルムの挑戦は呆気なく幕を閉じたのだった。

59:Echo-心ない天使の微笑-4
03/08/21 23:01 hKnT4U+9


「ねね。ゲームやろ、ゲーム!」
 ブラックジャックよりスピードを追求した設計になっている飛空艇ファルコン
に、賭博場はない。
 それでもセッツァーの私物を拝借して、カードゲームをやろうと仲間達に持ち
かけるのはリルムだった。彼女の呼び掛けに応えて、仲間達はホールのテーブル
に集まり団らんの一時を過ごす―作戦会議とは呼ぶような緊迫感はないものの、
彼らが次の行動に迷った時は、こんな風にして気分転換をしたりするのだ。

「……また私が勝ってしまうが、それでも良いのかい?」
 早々と勝利宣言をするエドガーは、国王という職業柄かこの手の駆け引きには
めっぽう強い。レディファーストを常とする彼だが、勝負となると話は別で言う
通りの負け知らずである。
「このゲーム、面白いわよね」
 無表情、という訳ではないがティナの表情は読みとりにくい。実は賭事の才能
があるのでは? と思わせる程で、エドガーと並びこのゲームで負けた事は一度もない。
「けっ。今日こそ一番最初にあがってやる!!」
 リベンジに燃えるロックは、どうも顔に出やすいので手の内が見え見えらしく、
連戦連敗―とは言い過ぎかも知れないが、一番最初にあがった試しがない。
「エドガーやティナには負けそうだけど、ロックには勝たなくちゃ、ね」
 いたずらっぽく笑って見せるセリス。元常勝将軍の異名を持つ彼女だが、カー
ドゲームではそうもいかない。
「ふん。ガキの相手はつまらんが、暇だから付き合ってやる」
 賭博師セッツァー―は、どうやらババ抜きには向いていないらしく、戦歴は
ロックと似たり寄ったりである。
「ガウもやる! うーガウ!!」
「はいはい。じゃあ俺とペアな」
 何度やっても未だにルールを理解していないガウはマッシュとペアを組んで参加する。
(……いいかガウ。手札を相手に見えるようにして引かせちゃダメだからな)
 こっそりと耳打ちするマッシュのアドバイス、果たして今日は活かされるのだろうか?

60:ドリル装備の名無し ◆Lv.1/MrrYw
03/08/21 23:06 hKnT4U+9
>>58
×コピーがオリジナルには叶う
○コピーがオリジナルに叶う
>>59
×作戦会議とは呼ぶような緊迫感はないものの
○作戦会議と呼ぶような緊迫感はないものの

「は」を入れ過ぎますた・゚・(ノД`)・゚・スレ汚しスマソ

61:雫夜 ◆sizukTVGK.
03/08/23 00:42 uln7uhy3
FFCC未クリアだというのに、GCが半壊状態に…・゚・(ノД`)・゚・モウダメポ
リセットさんごめんなさい(板違

>>ドリルさん
今回のお話はコメディタッチな感じがするです>違ってたらスマソですが。
ゴゴは、私のプレイ時のパーティメンバーにはいなかったので、とても新鮮。
ティナが不思議ちゃんなのにも萌え。私的な彼女のイメージは、今回ドリルさんが書かれている通りでした。

>>白さん
待ってました!!
王子と乞食>かけっこに(*´Д`)ハァハァ・・・理由は板違いなので伏せますw
イキューさんネタにもワラタ。
飛空艇が見ている…>シリアスなヨカーン。続きが楽しみです。

>>作者さん
ヴィンセント(;´Д`)ハァハァしつつマターリ待ってます>聖域の墓標サザンクロス
パケ死…かつて私はしたことがあるのでw、携帯うpはお勧めできない。





62:fragile【3】
03/08/23 00:49 uln7uhy3
>>35の続きです。
主人公とかその幼なじみとか…種族設定間違えた気がしてますが、FFCCプレイ中の方、スマソ。

「…すまない。新しい武器の材料を考えていたせいで、いつのまにか歩みが
皆よりも遅れてしまったようだ」
 錬金術師の後継ぎである彼は、無口だが色々な知識に長けていて、一行
の知恵袋的存在だ。
 暴れるディオを下ろすと、彼女はアンヴァーハーセンに向かって、べ~っと
舌を出し、またロナ・リィの後ろに隠れてしまった。アンヴのバカっ、と背後か
ら詰る声が聞こえてくる。
 それに構わずアンヴァーハーセンは、少し離れた場所に立っているサ・ジェ
に近づいた。
「エルヴィラ、か…彼女がここまで来たのか?」
 驚きつつ訊いたアンヴァーハーセンに、サ・ジェは頷く。
「元気そうで良かったよ。今年は瘴気がいつもより濃くなっている気がしてたから」
「あぁ、確かに。ケージの近くにいても、空気が多少汚れているのは感じていた」
「ディオからすれば、エルヴィラは遊んでるようにしか見えないんだろうけど…
クリスタルの近くに居れば、普段通りに暮らせるから」
 去年、初めての旅から帰ってすぐに、エルヴィラが微量の瘴気に襲われ倒
れたことを思い出し、サ・ジェは呟く。
 そんな彼を励ますように、アンヴァーハーセンはそっと肩を叩いた。
「今年も無事に雫は手に入れたから―大丈夫だろう」
「だといいけど」
 力なく呟くサ・ジェの肩をもう一度軽く叩いて、アンヴァーハーセンは先へと促した。

63:fragile【4】
03/08/23 00:50 uln7uhy3
 毎年クリスタルキャラバンが『ミルラの雫』を持ち帰ると、それを祝う祭りが夜を
徹して開かれる。
 クリスタルに向かい、キャラバン一同が村長とともに祈りを捧げ、翌朝まで絶や
さないかがり火の周りで村人たちが踊るのが常だった。
 村人たちが口々にねぎらう声に応えながら、サ・ジェは辺りを見回す。
(エルヴィラは、来てないか…)
 村長も孫娘の扱いに手を焼いているのか、彼女の不在を特に気にも留めていな
いようだ。
 『いつもの場所』に向かうべく、踊りの列から外れたサ・ジェにロナ・リィが追いか
けてきた。
「行くの?」
「あぁ、ちょっと出てくる。オレのことは気にしなくていいから、みんなで楽しんでてくれ」
 じゃあ、と背を向けた彼に、ためらいがちにロナ・リィが声を掛けた。
「あ、あのね、サ・ジェ」
「何?」
 訊かなくても分かっていた。
 言いにくそうに、ロナ・リィが口を開く。
「エルヴィラのことなんだけど…これ以上関わるの、やめた方がいいよ」
「……」
 冷たい視線を向けたサ・ジェに怯まず、ロナ・リィは続けた。
「あのコの身体が弱いのは、あたしも分かってる。けどね、瘴気にやられて頭もおかしく
なってるって、村のみんなが―」
「ロナ・リィまで、そんなことを言うとは思わなかった」
 怒鳴ったわけではない。けれど隠せない怒りは、ロナ・リィに伝わったらしい。セルキー
の少女は悲しそうに俯いた。
 ふたりが立っていた物陰からガサッという音がしたのはそのときだった。
 ディオかと思い、そこを覗いて見るが、既に何の姿もなかった。
 ため息を吐いてロナ・リィに向き直る。
「とにかく、オレのことは放っといてくれ」
 今度こそ振り返らずに歩き出す。
 背中越しに、サ・ジェ…、とロナ・リィが涙混じりに呟くのが聞こえた。


64:雫夜 ◆sizukTVGK.
03/08/23 01:18 uln7uhy3
>>63
×踊りの列から外れたサ・ジェに
○踊りの列から外れたサ・ジェを
・・・『に』と『を』、間違えました。

65:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/08/23 22:44 FBdeNx1b
なんでこんな良スレがこんな奥深くにw

66:ドリル装備の名無し ◆Lv.1/MrrYw
03/08/24 01:15 x0E957LK
>>61-63
個人的にアンヴァーハーセンが(・∀・)イイ!味出してますね。皆年齢的には一緒なの
かも知れませんが、大人っぽい彼の雰囲気がまた素敵です(*´д`)
『ミルラの雫』はクリスタルの一部って言う解釈でいいのでしょうか?(スマソ、あまり
FFCC関連の情報を見ていないもので…)瘴気から保護する役目がある…とか?

>>65
1.実はSSスレを装った地下組織(リターナー)です。(w
2.わりと良い位置にいると思います。
3.仕様です。

67:Echo-心ない天使の微笑-5
03/08/24 01:22 x0E957LK
(前話は>>58-59です。…とてもマニアックなお笑いネタに走りました。ゴゴファン…
もとい6ファンの方…のみならず、スマソ)
-------------------------------------------------------------------

 そんなこんなでゲームは幕を開けた。
「……なぁ。お前今ババ持ってるだろ?」
 覆面から僅かに覗くシャドウの瞳を真っ直ぐに捉えながら、ロックは問う。
「俺は、何も教えてやれん。答えは自分で見つけるものだ」
 ―それは分かるがシャドウよ、そのセリフをババ抜き如きで使うのはどうか
と思うぞ?
 誰かが内心でそんなことを思った―その真偽はさておいて、意を決したよう
にロックはカードをめくった。
「ぬおっ!?」
 結果は、語るまでもないだろう。

 さて、ロックの手に渡ったジョーカーはセリスの手を経てこの二人の元へやって来た。
(いいか、ガウ。相手にカードを見せたらダメだからな)
 マッシュによる再三のアドバイスを理解したのか、ガウはおぼつかない手つき
ながらもカードを広げていた。
「……罠……でござるか?」
 示された三枚のカードの中で、真ん中のカードだけが引いてくれと言わんばか
りに飛び出ている―怪しい。どう見ても怪しすぎる。
 というわけで、カイエンは一番右側のカードを選び取った。
 途端。
「ひっかかった! ひっかかった!」
「こら、ガウ! それじゃ誰がババを持ってるかがバレちゃうだろ!?」
「まあ、まあ…落ち着くでござるよ」
 なんというか……とても分かり易い人達である。

68:Echo-心ない天使の微笑-6
03/08/24 01:24 x0E957LK

 更に分かり易い翁がここにも。
「ストラゴスさん?」
 にっこりと微笑むエドガーの、しかしその剣呑な視線に晒されるのは最年長者の
青魔導士。
「いや、知らぬ。知らん。知らん……ワシゃな~んも知らんゾイ!」
「……そうですか。ジョーカーをお持ちですね?」
 ぴたりと言葉が止んで、二人の間に訪れる沈黙。
 静かに抜き取られたカードの行方に場の皆が注目するものの、最終的にエドガー
がジョーカーを引いたのかは定かではない。

 次にエドガーと向かうのはティナ。二人の一見すると穏やかな遣り取りは、
だがパーティー中で最も先の展開が読めないものだった。
「……私はまだ、ジョーカーというカードを知らない」
「しかし、ゲームの最初からジョーカーを持った人間など一人しかいないんだ」
 ―そう言えば、こんなセリフを出会った頃口にしていたかも知れない。と、
気付く人間は誰もいないだろう。
「でも……私は、今知りたい」
「それじゃあ、カードを引くと良い。自ずと答えは見えてくるものさ」
 ―側から見てると真面目にアホです、この二人。

 さて。
 各地で様々な遣り取りが繰り広げられたこのカードゲームもいよいよ終盤を迎
えようとしていた。最後まで残っていたのはロック、リルムと―ゴゴである。
「遂に来たね!」
「おうよ! 絶対に負けねーからな」
「…………」
 最下位をかけた三人の白熱した争いは、見る者を圧倒した。

69:鈴 ◆BELLSBdFOI
03/08/24 02:36 7pMv5uK1
何があったのか勢いでシューレン書いてしまいました。
二人の世界デムパが発信されておりますので読まれる方は各自生暖かい視線をご用意ください。

>>零夜さん
FFCC、まだ世界観がいまいち掴めてないんですが、
何だか雫夜さんのお話からするとほのぼのとしたゲームみたいで気になります。
好意のある女の子二人…果たして主人公の動向は?
エルヴィラは愛らしくてロナ・リィはいじらしいです。どっちも萌え…

>>作者さん
携帯は何にあんなに金がかかるのだろうとPCユーザーなら思ってしまうくらいの通信料なので、
まだネットカフェその他の方が無難なのではないかと思います。
禿しい指テクもさることながら、打ち終わると指が痛くなったりもしますし。

>>R@no-nameさん
ありがとうございます~
も、萌えました。猫はやっぱり可愛いです。イヤサレル…
恋してなくてもSS投下しませんか?


70:鈴 ◆BELLSBdFOI
03/08/24 02:37 7pMv5uK1

>>ドリルさん
お笑いネタ、かなり笑わせていただきました。
いいなぁババ抜き。マゼテホシイ(w
シャドウとエドガーがイイ味出してました。
ゴゴリルとはいかなるものなのか!?次回を期待しつつマターリと待ちます。

>>白さん
王子と乞食はちっちゃなクラウド王子に(*´Д`)ハァハァです
ルーファウスが何気にイイ人なのも。も、もしこれから変貌するとしましても。
飛空挺の話もなんだかほのぼのとしつつも立ち上る切なさが良かったです。
白さんの文章って色遣いがすごく綺麗だなーと思って毎回読んでます。
イイ子だ…ティファには強く生きてホスィ。

>>65
多分奥深いところは静かで涼しいからです(w

71:Lacrimosa(涙の日)
03/08/24 02:41 7pMv5uK1
FF10-2シューイン×レン
シューイン側の視点になります。


変わらないのは君と迎える明日。
そして俺の側にいる君の存在。
たとえ何があっても君だけは俺から離しはしないから。
一緒にいたいんだ。
誰よりも君が好きなんだ。
君さえいてくれれば俺は幸せなんだ。

キスしてしばらく見つめ合う。
そんな一瞬が好きだった。
でも彼女は最近俺の目を見ない。
「レン?」
そんなに俺のキスが嫌だった?
なんてことは怖くて聞けないけど。
「何?」
「んー、なんか、ぼーっとしてるなって思って。ごめん、気のせい」
俺はへらへらと愛想笑いを返した。


72:Lacrimosa(涙の日)
03/08/24 02:48 7pMv5uK1

彼女は以前からこんな風に遠い目をすることがたまにあった。
歌詞を考える時とか。どうしてもそっちに意識が行ってしまうらしい。
それも不意に浮かんでくるらしくて場所も時も選ばない。
デートの時とかにふっと自分の世界にこもられるのは困るけれど俺は彼女にベタ惚れだからそういう細かいことは気にしないようにしている。
「そんなこと言ってるシューインこそ、最近ちょっと人の話聞いて無くない?
 あ……ひょっとして私の他に女でも出来たかな?ブリッツのエースも可愛いファンが多くて大変だね」
肘で突っつかれた。ひどいな。もしかして俺のこと信用してないの?
俺はレンと付き合いだしてから他の女の子に声なんて一回もかけたことないのに。
……かけられたことなら何回かあるけど。
「はぁ?ひどいよレン。俺はレンをこんなに愛してるのにさ」
思い切り悲しげな調子を付けて彼女の肩を抱いたら彼女はくすぐったそうに笑った。いい感じだ。
「嘘ばっか」
「ホントにホント。っていうか、あー、なんでうまく伝わらないかな。レンの言葉はばっちり俺に伝わるのにさ」
彼女はさすが作詞も自分でやってるだけあって言葉の使い方とかが上手い。と思う。
正直そういう難しいことはよく分からないけど。
まあ俺の知らない言葉もよく使うし。
「シューイン、あのさ」
「ん?」
「なんでもない……早く、帰ろ」
そう言って彼女は俺の手に指を絡めてきた。
俺今すごく幸せだ……じゃなくって。
「そんなこと言われたら気になるって」
「そのうち、言うよ」
彼女は足早に歩き始めてしまった。
慌てて隣にくっつく俺。二人で並んで歩く明け方の道。
生きててよかったと思う瞬間。


73:Lacrimosa(涙の日)
03/08/24 02:49 7pMv5uK1


海が見たいと言うから北の海にやって来た。
少しずつ遠くの空が明るくなっていくロマンチックな雰囲気。
今ならずっと言えなかった言葉も言えそうだ。
雰囲気に流されて俺は口を開く。
「実はさ……言いたいことがあるんだ、レン」
「……うん」
俺はここぞとばかりぎゅっと彼女を抱きしめた。
柔らかな彼女の身体。今は俺だけの歌姫。
これからずっと俺のために歌ってほしいんだ。
呼吸を整える。心臓がドキドキ言ってる。だけど頭は意外に落ち着いてる。
試合前の静かな興奮みたいな感じかな。
彼女はきっと頷いてくれる。それだけは間違いない。
「俺、今度の試合が最終なんだ。まあ戦争とかいろいろあるからさ。けど、その試合が終わったら……」
俺は大きく息を吸った。

「結婚しよう」

「俺たちずっと一緒にいようよ、レン……」
「シューイン……」
俺の腕の中で彼女が小さく身じろぎした。
俺は何も言わずに彼女をより強く抱きしめた。
空の向こうに朝日が昇る。明日が来る。
君さえ側にいてくれれば幸せなんだ。
だから君と迎える明日は今日よりももっと幸せな気がした。

 

74:Lacrimosa(涙の日)
03/08/24 02:51 7pMv5uK1
そしてこちらがレン側です。


さようなら、大好きな人。
私はもうすぐ死んでしまう。
あなたともっと一緒にいたかった。
でもそれは儚い望み。
あなたに伝えたい言葉はみんな置いていくから。
だからあなたを置いてゆく私を許して。

キスをした直後の一瞬の沈黙が怖い。
まるで彼の真っ直ぐな目が無意識に私を責めているかのような後ろめたさを感じてしまう。
「レン?」
声を掛けられてはっとした。引きつったような笑顔で無理矢理笑う。
「何?」
「んー、なんか、ぼーっとしてるなって思って。ごめん、気のせい」
そう言って屈託無く笑う彼。彼の笑顔を見ていると嘘をひた隠しにした私の胸が痛む。


75:Lacrimosa(涙の日)
03/08/24 02:52 7pMv5uK1
「そんなこと言ってるシューインこそ、最近ちょっと人の話聞いて無くない?
 あ……ひょっとして私の他に女でも出来たかな?ブリッツのエースも可愛いファンが多くて大変だね」
今のところ彼は私しか見えていなくて大げさだけど私がいないと生きていけないと思ってる。
だから他の女なんているわけない。
けれど話をごまかすにはこういう話に持っていくのが一番いい。
「はぁ?ひどいよレン。俺はレンをこんなに愛してるのにさ」
ぎゅっと肩を抱かれて私は思わず笑い声をあげた。
「嘘ばっか」
「ホントにホント。っていうか、あー、なんでうまく伝わらないかな。レンの言葉はばっちり俺に伝わるのにさ」
ううん、伝わってる。痛いくらいに。
飾り気のない剥き出しの彼の言葉に私はいつだって強く惹かれている。
口には決して出さないけれど私は彼が思ってる以上にずっと彼のことが好き。大好き。
でも鈍感な彼はそのことにちっとも気付いていない。
早く言わなければ言うチャンスを一生無くしてしまう。だけどいざ言おうと思うと恥ずかしくて言えない。
素直になれないのは私。
「シューイン、あのさ」
「ん?」
「なんでもない……早く、帰ろ」
指先を絡めて歩くザナルカンドのハイウェイ。
この時間が永遠に続けばいい。
「そんなこと言われたら気になるって」
「そのうち、言うよ」
あなたを悲しませる一言を告げなくてすむから。


76:Lacrimosa(涙の日)
03/08/24 02:53 7pMv5uK1
夜が明け始める時刻。
私たちは二人きりで海を見つめている。
澄んだ深い藍色。
「実はさ……言いたいことがあるんだ、レン」
「……うん」
彼が私を後ろから抱きしめる。
優しい温もりに包まれて私はそっと彼に身体を預ける。
『私、も』
唇だけでそっと呟く。
音のない世界。
波の音さえ聞こえない。
聞こえるのは彼の鼓動と私の鼓動だけ。
「俺、今度の試合が最終なんだ。まあ戦争とかいろいろあるからさ。けど、その試合が終わったら……」
密着した胸から伝わる彼の鼓動が早くなる。
今、顔真っ赤でしょ?
だけど、ごめんね。
願いは叶えられそうにないよ。

「結婚しよう」

「俺たちずっと一緒にいようよ、レン……」
「シューイン……」
そうすることができたらどんなに幸せなんだろう。
でも私にはもう時間がない。早く言わなければ。言わなければ。
……さよならを。
振り返ろうとした私を抱きしめる腕に力がこもる。
私は彼に抱かれながら遠くに燃える太陽を見つめていた。
眩しい光は私の目にそして心に染み込んでいった。

END

77:HANABI
03/08/25 02:21 QP2FPr2w
す、素敵です!!
あ、他所のスレでお目汚しな詩をちょこちょこ書いてるものです!!
《Lacrimosa(涙の日》とっても素敵でした!!尊敬です!!
HP等はお持ちではないのですか?持っていらっしゃるのなら、是非おじゃまさせて下さい!

78:鈴 ◆BELLSBdFOI
03/08/25 21:31 Z6fhIphH
蛇足ですがレンは売れっ子アイドルだったので今まで召喚士なのに召集令状が来なかった…
という設定で書きました。
本文に入れたかったけれど入れると雰囲気壊しそうで無理でした。クヤシー

>>HANABIさん
お褒めの言葉ありがとうございます。
あまりのデムパラヴラヴバカッポーな話に、引かれるのではないかと思いつつもうpした甲斐がありました。
残念ながら、自分はサイト持ちではないです。
このスレでちょこちょこ書かせて頂いてるだけなので…とにかくスマソ。


79:ドリル装備の名無し ◆Lv.1/MrrYw
03/08/26 00:05 krNsTUpj
>>Lacrimosa(涙の日)
い……(・∀・)イイ! 同じセリフ(事実)を使って、両視点から見るって言う描き方が好きな
漏れにはまさに目から鱗、な作品ですた。引かれる? むしろ轢…もとい惹かれますた。
鈴さんの書く文章ってリズム感と詩文的な情緒があって(゚д゚)ウマーだと思います。好きだ~!
(´-`).。oO(ホントにFF10-2買おうかなとか思ってしまう…ううっ)
ところで、Mit deinen blauem Augenや今回の作品のタイトルって、フランス語とかですか?
(何気なく気になっていたりw)


感想書き逃げにて失礼。

80:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/08/26 01:43 7M1UPMwM
少々スレ違いかと思いますが、一応タイトルに「FF」が冠されているし…という事で
GB版初代聖剣伝説のオープニング部分のSSをうpさせて頂きます。

暗い上に捏造設定てんこもりの内容ですので、そういうのが嫌いだという方は
スルーよろしくお願いします。


81:暗い聖剣SS
03/08/26 01:45 7M1UPMwM
外の世界の清涼さからはおよそ想像も出来ないだろう、暗く錆びた闇がその空間に広がっている。
空気取りも兼ねた明かり取りの小さな穴から差し込むわずかばかりの光は
還って淀んだ陰を際立たせていっそう闇を暗く沈めている。
汚水が染み込んだ石壁には苔とカビが張付き、地下独特の嫌な臭気と不快な湿り気とが絡まりあい
ただでさえ腐っているような空気をなおいっそう醜悪なものへとしている。
そんな所に人が存在しているなど露とも思わぬ人間は、10分も呼吸が持たないだろうし
ましてやそこをねぐらにしているなんて正気の沙汰とは思えまい。
それが可能だとしたら、人としての何かが麻痺しているに違いない。
きっと、彼等はそんな風に思うだろう。そして、それはいささか間違っていない。
少なくとも嗅覚が麻痺しているのは事実だ。が、当然ながら、麻痺しているのは鼻だけではない。
鼻が麻痺するだけで済まされる世界ではないのだから。

こんな、血の腐臭にまみれた場所で正気でいられる人間などいやしない。
何かを麻痺させなければ生きていけない…否。
「生きる」という気力こそ、まっ先に麻痺してしまうような─。


82:暗い聖剣SS
03/08/26 01:46 7M1UPMwM
ベッドと呼ぶには余りにお粗末な(もし物に心があるならば、自分をそのように呼ぶなと
恥じ入るだろうし、他の、ベッドの役割を全うしている者は自分達と一緒にするなと憤慨するだろう)
固い板張りの上に、男が1人横たわっている。その傍らには、沈痛な面持ちの男が祈るような
膝立ちの姿勢で横たわる男の手を握りしめている。

男は傷だらけだった。鍛え上げられた肉体には無数の傷跡が浮かび、その上をつけられたばかりの新しい傷が
無惨にも刻まれている。殴打されたか、青あざがついた顔は変型して、腫上がったまぶたは右目の視界を完全に塞いでいた。
あらぬ方向に曲がった左腕に当てられた添え木も、充分に役割を果たしてるとは思えなくて
もはや滑稽でしかない。
手当てらしい手当てをできない身にあって、施されているものはすべて無駄だろう。
だけど、そうせずにはいられなかったのだ。
消え行く命を目の当たりにして、ただ何もせずにいられるほど彼は心が強くなかった。


83:暗い聖剣SS
03/08/26 01:48 7M1UPMwM
剣闘士と言えば聞こえはいいが、結局は最下層の奴隷でしかない。
与えられるものは全て最低、それもギリギリのものだけだ。
それすらも惜しい、とさえ思っているかも知れない。奴隷は人として扱われない。
様々な益を生み出す家畜の方が価値があり、水を溜める事ができる瓶の方がよほど有能であると
そんな考え方だから、奴隷の怪我を積極的に治療するはずもなく、瀕死の重傷だったらなおさら
治す手間をかけるなんてこの上なく愚かしい行為でしかない。
死んだら、また新しく仕入れてくればいい。その方が手間も時間もかからず合理的だ。
それでもごく稀に、見かねたのだろう、手を差し伸べる物好きがいたりするが、そんな変わり者は得てして長生きしない。

死ぬな、と心の奥で小さく呟く。
もう何度めだろうか。口にするのも憚られるその祈りが届かないのがわかっているのに。
今まで同じような、たくさんの死に様を見てきた。
目の前の男はどうやっても助からない。死相がはっきりと出ている。この傷は助からない。
期待すること、明日を望むこと。それが、この地下の牢獄に落とされた時に捨て去る最初のものだった。
もう、自分にできる事は何一つない。
本当はこうして看取っていることも辛くて、今すぐにでもこの場から逃げ出してしまいたかった。
それが出来ずにいるのは、無力感から足が萎えてしまったからか、それとも
何も出来ない自分にできるたった一つの事を手放したくないという、単なるエゴなのか
あるいは、逃げたところで現実が変わるはずもないとただ自嘲しているだけなのか。


続きます…

84:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/08/26 08:57 DO7PXHGK
聖剣キタ━━━(゚∀゚)━━━ !!
禿しく楽しみにしています。

85:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/08/26 21:11 taS1hh0b
相変わらずこのスレの品揃え凄いな

86:姐 ◆ane/8MtRLQ
03/08/26 21:37 1Rur+QE7
>>85
どういう意味ですごいのかと詳しく教えて?説明希望w

すみません、すっかり8を放置プレイしています。
実は質問なんですが、前スレで言っていたFF2シリーズ
ここでも需要はあるんでしょうか?
ピンク鯖かここに一作投下しようかどうか迷い中(まだ書いてないけど)です。
前スレで希望されていた方がおられましたが
プレイ人口より未プレイ人口多いみたいですし。

8はなんとか10月くらいには再開したいとは思ってます。
お待ちの方いたらスマソ。

87:マリア萌
03/08/27 00:56 2GnQ3pXe
>>86
前に推薦してみた某カプ同盟を久々に覗いてみた。
ら。

…━━━(゚∀゚)━━━…ッ!!!!
↑※感無量故閑話休題

それだけでも嬉しいです。
でもうpばかりは、このスレにいらっしゃる方々の意思を尊重すべきだと思います。
…読みたい者はここにおりますがw

88:作者@残暑見舞い
03/08/28 00:11 yx0QdTRL
おしさしぶりで短篇物ドゾー( ゚Д゚)ノ
カプは瓶㌣×宝条ハカソ

89:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/08/28 00:13 NUjLjdPj
誰もいない筈の午前0時、神羅屋敷。
そこは、重い空気漂う暗い地下室だった。
沢山の思い出達が、寂しい懐かしさに変わってしまうような…誰もがそんな気持ち
になってしまう、そんな場所で。
悲劇の物語は、始まった。
その地下室の静寂を破り、カビ臭い扉が重い音を立てて開いた。
扉から続く暗く冷たい廊下を、イン・ヤンと名付けられた奇妙な実験サンプルがう
ろついている。
歩いて来る人影は、白衣に身を包んだ一人の男。その姿は闇に紛れ、ただ輪郭だけ
が浮き彫りになるだけで、顔まではっきりとは判らない。
ただ、男の丸い眼鏡のレンズだけが、暗い野望の様に不気味に光っていた。
男は更に廊下を奥へと進み、次の扉を開けた。
そこは散らかった書斎…いや、秘密の研究室のようだ。
その部屋には先客の男がいた。
だがその様子が異常だった。
床に倒れて身を震わせ、苦しげにもがいている。
想像を絶する苦痛に死に物狂いで耐えているようで、時折体の中の何かに抵抗する
ように、しきりに体をかきむしっている。
そして眼鏡の男は満足そうに『彼』を見下ろすと、不気味な笑いを口端に含み、勝
ち誇った声で話し掛けた。
「…調子はどうだね?ヴァレンタイン君」

90:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/08/28 00:17 fJ9X2fWx
苦しむ男が顔を上げた時、その端正な顔がいきなり噴き出したような殺気を帯びた。
「ほ…宝条…ッ!!貴様、私にッ…何を、した…ッ!!」
その表情は殺気と恨みに満ち溢れ、宝条と呼んだ男を真っ直ぐに睨む。
宝条は腕を組み、眼鏡を中指で押し上げると、レンズの向こうの瞳を妖しく細めた。
「ふむ…強い拒絶反応か…。
 やはりヒューマンタイプのデスギガスを1stリミットに埋めた方が良かったか?
 ああしかしそれは君の…。……。」
後に宝条が続けた言葉は、意味不明で何を言っているのか判らなかった。
だが、埋めた、と奴は言っていた。それは何かを体内に入れたということか。
真相を問い質さねばならない。
だが声はおろか、奴の顔が霞んだ視界でよく見えない。
ヴィンセントは体を蝕む何者かに身を切り裂かれるような痛みと苦痛を与えられ、
既に息をすることも困難になった体は、視覚さえも閉じようとしていた。
「何か…入れたな…私の体中に、『何か』を!!」
搾り出すようにして出た声、しかし宝条は腕を組んでいた右の拳を口元に当てがう
と、うつむき気味にクククク…と小刻みに笑う。
人を小馬鹿にしたような笑いに怒りが込み上がる。

91:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/08/28 00:20 ANkgGnLt
「答えろォッ!!」
ヴィンセントは苦しみを吐き出して叫び、のたうち返った。
「答える必要はない。手術の経過は順調だ。
 君は自分の体に起こる奇跡を、まもなく理解する」
宝条は無言でヴィンセントに近づくと、無抵抗な彼の服を乱暴に剥ぎ取り、幻想的
な十字架の入墨が彫られた右肩を露出させた。
その彫り物は、彼が初めて人を殺した時に罪の意識に耐え切れず入れたものだった。
よってそれは彼の利き腕に彫られている。人を殺めた後、ヴィンセントは死者の冥
福を祈って右肩を触る癖があった。
その十字架めがけて、宝条はメスで深く切りつけた。
それにはヴィンセントは声も出さず、体を一瞬だけピクっとさせただけであった。
体を蝕む痛みに比べたら、ささいなものだったのかもしれない。
肉の裂け目からは、すぐに彼の瞳の色のような鮮血が溢れ流れた。
ただその後、驚異的な早さで傷が塞がり出すと、彼は切られた右肩を庇(カバ)って
声を張り上げて叫んだ。
「ぐああーッ!!!」
「おめでとう、よくやったぞヴァレンタイン君!!
 最も醜く美しい、最強の戦士の誕生だ!!
 そして君は、永遠の若い肉体をも手に入れたのだよ!!
 クァーックァックァッ!!」

92:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/08/28 00:23 6zzaWarb
宝条が何かほざいている。
奴の言っている意味が、判らない。
ただ、自分はもう人間でないような自覚はあった。
ヴィンセントは薄れ行く意識の中で、ただ、これが悪い夢であってほしい、と
切に願った。


ヴィンセント~The Nightmare's Outside~ 終

93:作者@逝くべし
03/08/28 00:29 s2voltG4
以上です、先生方。ちなみにこれは瓶㌣スレに上げようとしてたヤシです。
それより書きカケの放置プレイをなんとか汁>自分。

94:namae ◆Vlst9Z/R.A
03/08/28 00:37 eSz7bJyj
ヌギバとパインが交換スフィアを五分以内に一人二往復させると、
ヒュージな乙女「純情パイン」となるのだ!

「 臨・兵・闘・者・のむ・うつ・禅!」
「ユウナん、それ別の漫画だよ~」
「じゃあ、ええっと……たりく・また!(60度)」
「!!!」
キマソの*がキュッ!!!っとなりますた。

一方その頃ルブラン一味によるグアドサラムおいも王国化計画
がついに実行に移されようtおs……(雑音砂嵐)

        ガバッ
    ∧R∧!   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
__ ( ;゚Д゚)__< ……夢!?
|  〃( つ つ   | \_______
|\ ⌒⌒⌒⌒⌒⌒\
|  \           \
\  |⌒⌒⌒⌒⌒⌒|
  \ |________.|

というわけで半端なネタ投下してみたり

作者殿>
大変グッジョブ&ゴチになりますた
ところで検体と執刀医ってカプのうちになるんですかどうでしょうか(謎)

95:R@no-name ◆Vlst9Z/R.A
03/08/28 00:46 eSz7bJyj
ああん投稿ミス( ´∀`)σ)´Д`)
正解>カプのうちになるんでしょうかどうでしょうか

96:暗い聖剣SS
03/08/28 00:50 3WgTxkQu
>81-83続き


(お前はこの男の親友だったな)

……一つだけ。
さっきから同じ言葉が頭に響く。ずっとそれを考え続けて時折、唾を飲み込んだ。
だけど、傷付いた親友の姿に目を落とす度にためらい、定まらない心が揺れては沈む。

(どうせ、助からん。親友のお前が楽にしてやるのが思いやりってもんだろ?)
そう、一つだけできる事がある。
このまま命が消えるその時まで、堪え難い苦痛を長引かせる事は残酷だろう。
あの男─ボロボロになった親友を闘技場から文字どおり引きずってきた兵士─の言った事は正しい。
今の自分は情けのかけ方を間違っている。そう言い聞かせても、やはり決心がつかない。
湿気て倦んだ空気の中で、時間だけが気怠げにのろのろと動いていた。

「無念…だ…」
固く閉じられていた目をかすかに開き、男は苦し気にうめいた。
「ウィリー…しっかりしろ」
こんな時にかける言葉ではないとわかっている。わかっているが
他にどんな言葉をかければいいのだ。何か言葉をかけずにいられないが
適切な言葉がみつからず、そんな自分に苛立った。
「……シャドウナイト!」
ギリ、と唇を噛み、光が消えかけている瞳には押さえられない憎しみの炎が浮かぶ。
その名前を耳にした自分もまた、胸を灼け付く怒りに身体が震えた。

97:暗い聖剣SS
03/08/28 00:52 3WgTxkQu

グランス公国の王、シャドウナイト。
漆黒の鎧とマントを纏い、あたかも「恐怖」というものをそのまま象ったかのでは
ないかと思わせるほど、非道で悪らつな男だった。
自らの欲望の為には親を手にかける事も厭わず、そうして王位についてから
彼の暴虐が始まった。自国内のみならず、近隣諸国へと支配の手を進め
圧倒的な戦力をもって瞬く間に征服していった。
急襲に反撃すら出来なかった国もあれば、抵抗した為に、徹底的に略奪された上
跡形もなく滅ぼされてしまった国もあった。
惨状を目の当たりにして、この頃は進んで支配下に入る国も出てくる有り様だ。

シャドウナイトの機嫌を伺い、息を潜める日々の中で、彼を抹殺せんとする
動きは至極当然の流れだった。
故郷を滅ぼされた者、義憤で立ち上がった者、金で雇われた者。
しかし、剣客としても名を馳せるシャドウナイトを討ち取る事は容易でなく
逆に返り打ちにあい、または捕らえられた後、シャドウナイトを楽しませるための
剣闘士という屈辱を味わされる結果となった。そんな奴隷の噂は瞬く間に広がり
シャドウナイトの冷酷さを改めて思い知らされた人々は、さらなる恐怖と絶望に
嘆き、悲しみ、やがて諦めに打ひしがれた頃には、とうに逆らう気力も尽きてしまった。
誰もシャドウナイトを止められないのだと。

98:暗い聖剣SS
03/08/28 00:53 3WgTxkQu

強く光った瞳が不意に翳り、次の瞬間、ウィリーの身体が大きく跳ね上がった。
「ウィリー!」
大量の血を吐き出して激しく咳き込み、力なく宙を掻く手を慌てて握りしめた。
近い。死がもうそこまで迫っている。
「死ぬな、ウィリー」
酷な事を言っている。奴隷剣士として過酷な戦いを絶え抜き、そして今も瀕死の身体で
激痛を堪えなければならない、拷問のような状態でこれ以上どう耐えろというのか。
それでも、願わずにはいられない。

「ボガー…ド。…バが危惧して、た…通り、マ、マナの樹が…」
「ウィリー?」
ボガード?…初めて聞く名だ。そんな名前の奴隷はいなかったはずだ。
朦朧とさまようウィリーの目は、すでに見えていない。自分ではない誰かに向かって
ウィリーは話し掛けている。
ぜぇぜぇと息も絶え絶えに、なおもウィリーは言葉を続ける。
声を出す事すらもう相当辛いだろうに、必死に命をつなぎ止め、残された力に縋るその姿は
あまりに痛々しい。だからと言ってそれをとどめることはできようもなかった。
これほどまでに伝えたい事とはいったい何なのだ。そしてそれを、そんなにしてまで伝えたい相手とは。
「…アスが、あの子を探している。頼む!ジェ…マの……っき……が…」
そこで言葉が途切れ、しばらく息を詰めて耳を傾けていたけど
ウィリーの遺志を知る事はついぞ、叶わなかった。

続きます。

99:作者@マターリ
03/08/28 01:33 XvdkaUWK
>R@殿
このカプが恋なnかSたらもう豆ポ(ry
設定はルクレっつぁんのホコラでのニブル回想シーンで、瓶㌣が博士に開きにされた後、
瓶「(; ゚Д゚)うわあああー」
となった後博士が様子見に来たとゆう設定です。

100:白 ◆SIRO/4.i8M
03/08/28 17:16 aTILtodq
お久しぶりです。皆様、火星は見ましたか?

>作者さん
無茶言ってすいませんでしたー!○| ̄|_
ソムリエエプロンのヴィンさん、素敵すぎまつ。
鮮血を噴き出し、塞がりゆく十字架の刺青…かかか格好良いー!
強気なヴィンセントさんと鬼畜宝条せんせいに
ハァハァハァハァハァハァハァハァ ア、アハァ… ヤヴァイ萌えが止まりません。
回想シーンの一部なのですか?
全体を読める日を、鼻血を押さえつつお待ち申し上げます。

>ドリルさん
すごく楽し気で好きです!
ゴゴの鸚鵡返しキタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!!!
ござるの小父さんも、皆さんしあわせそうでしみじみホロリ。
最下位争い爆笑しますた!

>雫夜さん
GCの回復を祈りまつ(;´Д⊂)
モテモテなサ・ジェ君とエルヴィラタソが清楚で可愛いです。
お祭りの中、言いにくい事を必死に訴える
ロナ・リィが複雑で切ないです。。。
板違い…この世のどこかにある憧れのパラダイスですね。
逝ってみたいですが色香が(以下板違いにつきry)

101:白 ◆SIRO/4.i8M
03/08/28 17:16 aTILtodq
>65さん
深く( ´∀`)マターリ潜行しておりますです。

>鈴さん
最後の文章が……。。・゚・(ノД`)・゚・。
幸せ一杯なのに、物凄く哀しいです…。
台詞回しが自然で、滑らかな文章に萌えますた。
シュ-イン側とレンタソ側の描写、どちらも素薔薇しいです。
サインください。

>HANABIさん
SSはお書かきになりませぬか?拝読したいでありまつ。

>聖剣SSさん
重厚で金属質な文章に激しくドキドキしました。
鋭く怒りに燃える描写が、何ともカコ良いです!
逆境の剣闘士さんを応援したくなります。
聖剣はFF外伝でしたね。続編期待しておりまつ。ペコリ

>84さん
ご一緒に、聖剣キタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!!!でありまつ!

102:白 ◆SIRO/4.i8M
03/08/28 17:18 aTILtodq
>85さん
品揃えの凄い所に、オイラは阿呆な物を…Σ(゚Д゚;)
シリアスからマターリまで、皆様のFFな萌えをお持ちしております。

>姐さん
FF2ですか!l \ァl \ァ
ウボァー(゚Д゚)こうていは勿論、
良い男良い女揃いで、めちゃくちゃ萌えますです。
姐さんの書かれる、緻密で華麗な8も勿論大好きです。

>マリア萌さん
某カプ同盟…(;´Д`)ハァハァ
オイラも読みたいでありますです。

>R@no-nameさん
せんせい!笑いが止まりません!
ジャソプのアレ、哲学系ギャグが、震えが来る程大好きでした。
グアドサラムおいも王国には、
ヘ-ガス3姉妹(半熟英雄)が登場しまつか?

103:興味無いね(´ _ `*と愉快なマターリ旅(仮)
03/08/28 17:20 aTILtodq
■今迄の粗筋■
火花が地上に降り注ぎ、花火がゴンドラを覆う。
「綺麗だな…」
そう呟くクラウドの横に
ムッキーとディオとバレットとデブモ-グリがぎゅう詰めでした。
地上では、半纏に捻り鉢巻のシドが
花火の操作に駆け回っています。

カプは…うーんシドシエラでしょうか。
前話は>>52-55になりますです。

104:【飛空艇が見ている…】(3)
03/08/28 17:31 aTILtodq
 探検隊が、深き古の森にさまよう。
水の響き。羽虫の囁き。湧水が、巌の表面を撫でてゆく。
「隊長!空から蛇が降ってきました!」
「食虫花に齧られたよ-ヽ(`Д´)ノウワァァァァン」
マテリア成長3倍と謳われた幻の剣を求め、パーティは大童。
「クラウド-!うしろうしろー!」
「金盥でも落ちるのか!?」
巨大モンスター、オチュ-がパーティの横にいますた。

 主人公が戻った所で作戦会議。
葉っぱに顔をつけた、煮ても焼いても食えないリルフサックが
円陣に混ざって話を聞いてます。
冒険者達が脊髄反射で斬りつけ、スカスカ躱されますた。
「(;´Д`)…とりあえず。次行こう、次」

 不意に。柔らかな触手が、クラウドの足首を捕らえた。
ぼ び ょ り ょ こ ょ び よ よ ~ ん
訳の分らない音がして、彼は樹冠へ消えて行く。
「クラウド!」
ザックスが飛び出す。
「ついでにテュポーンのマテリア回収してくれ!」
「行って来るけど興味ないね!」
グッ!とクラウド、親指を立ててOKサインです。

 微かに光る洞窟に。紅の刃が眠っていた。
「お前は、ずっと此処で待っていたのか?」
クラウドが、その剣を静かに抱く。
「で、何故剣が宝箱に?」
「突っ込むなよー(ノД`)シクシク」
ふと。ケット・シーが呟いた。
「勇者です。きっと。誰かに引き継いで貰いたかったんちゃいますか?」

105:【飛空艇が見ている…】(4)
03/08/28 17:36 aTILtodq
 上昇気流に乗って、コンドルが天空を目指す。
チョコボファームに戻ると、クリンが飛び出して来た。
幼いクリンの腕の中で。小さな、小さな雛が、震えながら鳴いた。
「産まれたよ!この牝チョコボに、何て名前つける?」
「シエラ!」
艇長が眼を丸くしますた。
「親とカップリングさせて、トウホウフハイに勝つ!」
「鬼畜か━━━(゚Д゚;)━━━ ??」
ふと、クラウドの背後にモップが。
牧場で、シドが大乱闘しますた。

 上空にアルテマウエポンが浮かび、
砂漠でルビーウエポンがゆらゆらしてる、平和な昼下がり。
「つったく。やってらんねぇぜ!」
紅茶の芳香が、笑うシエラの指に吸い寄せられる。
彼女がシドの顔を、覗き込んだ。
「艇長。艇長は、帰って来ますよね?」
「ここにいるじゃねぇか」
空色の眼に、シエラの、花色をした瞳が映る。
「宇宙までは、お供出来ましたが。
 ここから先、私、何も出来ないです」
そう云って俯き、カップを握る。
唇を噛み締めながら。
「お願いです。無事に…っ、帰って来てくださ…」
不意に。
椅子の倒れる音が響く。
そのひとの身体が、扉に押し付けられた。
シドに、きつく、全身を抱きすくめられて。
──柔らかく。
シエラの吐息が、艇長の耳に触れ、溶ける。

106:白 ◆SIRO/4.i8M
03/08/28 17:37 aTILtodq
挿し絵自炊しますた。。。⊂⌒⊃´Д`)⊃シクシク
URLリンク(sylphys.ddo.jp)

■次号予告■
逃亡するアルテマウエポソ!
なかなか入手できない最終リミット!
ビンタをかます正体不明!
イラネーヨなへたれチョコボを寄越す、カームの爺!
次回「勇者は辛いよ」「デスペナルティ強化計画」の2本です。

107:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/08/28 21:36 poE7iZj3
雫夜さん、FFCCの続きマダー?

108:聖剣SS
03/08/29 11:54 0FxV2kS0
>96-98続き

背後の気配に気付いても、振り返る気分も起きない。
「……こんな時になんだけど、さ。…仕事だよ」
仕事、か。
返事をするのも億劫で、何とか身を引き起こして立ち上がる。
途端に体のあちこちが軋んで、こんなに強張るほどウィリーを看取っていたのかと思うと
何だか可笑しいやら半ば呆れるやらで、思わずこみ上げた笑いは、渋く喉を詰まらせた。

知らせに来た女戦士が寝台に目を落し、息を飲んだ。
「死んだんだ…」
呆然と立ち尽くす女の横を言葉もなく通り過ぎ、扉のない部屋を出ようとした間際
「みんな、死ぬんだ……」
ぽつりと、抑揚のない声が聞こえた。
「アマンダ」
肩ごしに見えた背中はこれまでに見た事がないほどちっぽけで
いつもの気の強さはかけらも見当たらない。
「大丈夫だって…ウィリーを見てたらいつかここを出て、弟にあえる日が来るって信じてた」
重みに耐えかねた雫がぱたり、と足元の影に吸い込まれて消えていった。


109:聖剣SS
03/08/29 11:55 0FxV2kS0

ひと月で奴隷が総入れ替えになる事も珍しくない中で
自分を含めここにいる3人は古参に入る部類で、中でもウィリーは異質だった。
暗闇の中で彼はけして明るさを失わずにいた。
連日の戦いにも、勝ち抜くだけでなく無傷で帰ってくる日もあった。
そんな姿を見ているとなんだか、このやるせない日々も実はたいして
苦しいものでもなんでもなく、ただ落された衝撃から立ち直れてないだけで
悲観的に捕らえ過ぎなんじゃないだろうかと、そう考えたら
折れかけていた心にほんの些細ではあるが、余裕が生まれた。
彼がいたからこそ、自分達は今日まで生き抜いて来れたと言える。

「最後に一目、弟に会いたかった……」
一筋、また一筋と涙がこぼれ、かすかな嗚咽を漏らすアマンダを見てるうちに
ひどく冷たい声が口を突いた。
「諦めるのか。そんな簡単に」
振り向いたアマンダと、この時初めて視線があわさった。驚きで見開いた目には
困惑と怒りがないまぜになった色が浮かんで、青白い顔をより一層際立たせている。
何故そんな事を言われるのかわからない、と混乱した頭を振払い
噛み締めるように、言葉の意味を反芻する。
沈んだ空気はにわかに一変して、部屋は険悪な雰囲気に包まれた。


続く


110:聖剣SS
03/08/30 15:33 bqybbPwB
>108-109続き

「その程度の安い気持ちだったのかって言ってるんだよ」
カッと頬が朱に染まるやいなや、渾身の力を込めた平手をくり出す。
よくわかる反応だと苦笑いをかみ殺しながら、躱した右手をなんなく捕らえた。
忌々しいとばかりに手を振りほどいたアマンダは、ひと睨みで石化するメデューサも
かくやとばかりに烈しい眼差しで対面する男を刺し貫く。
相変わらずアマンダの瞳からは涙があふれていて、怒りの所為か
さっきより頬を伝うしずくが若干増えているように見える。
うらやましい、と思った。
彼女はいつもこうだ。感情に素直で、逆らわない。
自分はといえば、かけがえのない無二の友を失ったというのに一滴の涙も出てきやしない。
自身への嫌悪が、嫉妬と羨望という歪んだ形に変えてアマンダの涙へ向けられた。

なんという、身勝手な八つ当たり。

それを自覚しながら、なおも抑えられない自分に愛想が尽く。
「ウィリーだって駄目だったじゃないか!これ以上、何を望めって言うの!」
「それで諦めて泣いて、大人しく死んでいくのか?そんなの、まっぴらだ」
フン、とアマンダは侮蔑の笑みを浮かべる。

111:聖剣SS
03/08/30 16:56 rkeQ1OYC
「そう、大した覚悟だね。何年、何十年、ここに居座る気?天寿を全うできたら
 あんたは伝説の存在になるわね」
「それこそごめんだな。こんな所にもう未練はない」
アマンダは瞬いた。その顔から次第に表情が消えていく。
「─あんた、まさか…。ウォーレンの戯れ言を信じるって言うの?」

『闘技場のモンスター入場ゲートは外に直接通じている』
何を馬鹿な、と笑う者やそれを知ったとこでどうする、と呆れる者。
無駄な知識だと一笑に付された中で、充分あり得る話だと頷いた男がいた。
ウィリーだった。そして自分も同じ意見だった。
奴隷の対戦相手であるモンスターの大半は、大型の凶暴な肉食獣で
そういった魔物はまず飼い馴らせない。そもそも気性の荒い魔物を建物の中に
繋ぐ事自体無茶な話で、かと言って大人しく檻に閉じ込められているような
魔物では、かえって最高のショウを望むシャドウナイトの不興を買ってしまうだろう。
毎日生け捕りしてくる兵士どもや魔導師連中も気の毒なこったと
同情しつつ、いい気味だと笑い飛ばした日も既に懐かしい。
(今思えば、その役目も別の奴隷達に割り振られていたかも知れないが)

112:聖剣SS
03/08/30 16:59 rkeQ1OYC

「馬鹿な考えはよすんだ。無理だ」
「やってみなくちゃわからない」
引きとどめるように腕に縋り付いてきたアマンダを無造作に押し退ける。
「あんた、死に急ぐ気かい?」
「遅かれ早かれ、ここにいたらウィリーの後を追う羽目になる。
 それなら、いっその事賭けてみる」
脱走した奴隷がいなかったわけではないが、イルージア山脈の中腹にそびえる
グランス城は深い森と急峻な崖に囲まれていて、攻め込む事もさることながら
逃げ出す事もまた容易ではなかった。野垂れ死んだり、あるいは牢獄に連れ戻されるのは
まだいい方で、そうでなかった奴隷がどういう末路を辿ったのか想像するのも恐ろしい。
「やめて……お願い。死んでしまう…!」
「暗闇の中で果てるより、太陽の下で死ぬ方を選ぶ」
何を言っても止められないと悟ったか、項垂れたまま、壁に寄り掛かった。
ややあって仰ぎ見た静かな目が、ひどく印象的だった。
「─何を、賭ける?」
迷わず、己の胸を指し示す。
もはや失うものは何一つない。
「ウィリーが繋いでくれた命だからウィリーに返さなければならない。
 全部は無理でも、そうする義務がある」
「正気じゃないね…」
「ここで生きて来た事は何一つ無駄にしたくない。だからアマンダ……君も
 捨てないでほしい。どんな手段を使ってでも」
返事はなかった。代わりに突き出された拳を、小突くように軽く合わせる。
言葉もなく交わした約束が果たされる保証など、どこにもありやしない。
だけどそれで充分だと思った。─思うしか、なかった。

続く


113:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/08/31 15:43 w0DDZRcu
レナ×バッツ
ティナ×ロック
の小説読みたい。

114:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/08/31 17:34 f9cx3uwg
>聖剣SS
燃える(* ´∀`)

115:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/08/31 20:35 qUJHtEw0
熱い!イイ!
聖剣はやっぱり熱くなくちゃw

116:ドリル装備の名無し ◆Lv.1/MrrYw
03/09/03 00:49 7YnPSOem
レベルage作業はツライ。

>>聖剣SS
(・∀・)イイ! チョット暗い雰囲気が漂っているけど、そこから沸いてくる力強さみたいなのが
たまりません。>>110のアマンダの怒りが込められ溢れ出た涙の描写なんか燃えます。
……これって確かマナの樹が出てくる奴でしたっけ? 未プレイなのに何故か蛙(?)に
なる友人のエピソードがあるという事だけは強く印象に残ってるんですが。(ゲーム違い?)

>>86
FF2も見てみたいですが個人的にはシュウ先輩のSeeD実地試験編の続きを激しく
切実にキボンヌ…(*´д`)シテミルテスト

>>マリア萌え
マリア、良いですよね。一度も画面に姿を現すことはないけれど、元帝国将軍に似ている
という噂の美貌を見てみたかったです。(違)
または、父親と戦わざるを得ない状況下で、操縦者である彼女を守るべく自律行動を始め
るプログラムに戸惑う姿には涙を誘われました(もっと違)
横レスなうえにネタでスマソ。

117:ドリル装備の名無し ◆Lv.1/MrrYw
03/09/03 00:51 7YnPSOem
>>88-92
この短い文章の中によくぞこの雰囲気を込めたな~という感じがします。
宝条博士のマッドサイエンティストっぷりが相変わらず(;´д`)ハァハァ…もとい、悪役っぷりが
見事です。
作者さんの描くヴィンセントって、儚げでカコイイなぁ……(漏れのプレイ時の印象とは
まるで正反対で印象変わったり。w)

>>94
ドレスに巫女さんの格好があったら是非装備させてみたいとか思った漏れは…
…聞く前に逝ってきます(w。(あいかわらず、新作を心待ちにしつつsageてみる)

>>103-106
シドシエラキタ━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━( *)━(゚ *)━(∀゚* )━(*゚∀゚*)━━ !!!
(;´д`)ハァハァ
健気なシエラタン、艇長を待つと心に決めつつも、信じていても心配になってしまう
そんな微妙な女心が(・∀・)イイ! その気持ちを黙って受け止めてやる艇長も(・∀・)イイ!
あんたぁ立派な男児だねぇ!
そして絵が自炊できる事実に驚きますた。(w

>>113
ティナ×ロックに激しく興味があります。ど、どういう感じなんでしょう…?

スマソ、休みの日にでもゴゴリル完結うpします。。。。

118:姐 ◆ane/8MtRLQ
03/09/04 19:43 qr/0KwrF
爆撃も治まったらしいので久し振りに投稿など。
要望もありましたので途中で止めてたシュウの試験の続きです。

リハビリ?として書きましたがやっぱり8の話の勘が戻ってないです。
前の部分は>>12-21です


119:Fire(仮)
03/09/04 19:44 qr/0KwrF
蹴飛ばされた男が別の男を巻き込んで階段を転げ落ちた。
シュウは手すりから手を離した。
体が宙に投げ出される。
「レビテト」
シュウがかすかに呟いた。
言葉に出す必要はないが時として詠唱は意識を集中するより早く体が反応して魔力を放つ。
シュウの体が軽くなる。
そのまま階段の吹きぬけを3フロア分落下しながらさっき投げ出した槍を受け止め、もう一方の手で手すりを掴んだ。
ふわり、と風に舞う花びらのようにシュウは再び階段に着地した。
着地点を狙って攻撃を受ける。
シュウはにやり、と唇の端を上げると槍で相手の腕を叩きのめす。
次の瞬間にはまたシュウは空中にいた。
壁を蹴る。
その反動でまた高く舞い上がる。
腰を中心にくるり、と足を上げる。
まるで見えない鉄棒で逆上がりするように回ると、シュウは敵の一人の頭の上に着地した。
男が倒れる前に次の攻撃を避ける。
1階に降りるまでに一人でも多く潰しておきたかった。
「責任者はどこよ……」
シュウは舌打ちしながら敵に回し蹴りを叩きこんだ。
来るのは雑魚ばかりだった。
そろそろ倒した敵の数が分隊二つ(ここでは1分隊8名)になった辺りで明らかに格が違う相手が現れた。
「やっと来た……」
シュウは少しも怯む事なく槍を構えた。
「SeeD……学生の傭兵部隊だな」
戦場に不相応な年若い、しかも強い娘を前にしてその男は言った。


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