04/02/09 22:05
海野「みんなの座薬は僕が入れてあげるからね…さっ、誰が最初?」
後ろ手に保健室のドアを閉める海野の手には巨大な座薬と何故か注射器が。
15分後、意気揚々と保健室から出てくる海野先生。
中からは4人のうめき声が…。
982:いけない名無しさん
04/02/09 22:10
七条「さあ、伊藤君はこちらですよ。僕が送ります。」
啓太「し、七条さん…(一体いつ)」
七条「郁も心配していましたよ。療養中の伊藤君が部屋に居ない
と言ってね。」
4人に見えるように啓太の肩に自分のコートを掛ける七条。
983:いけない名無しさん
04/02/09 22:20
海野の言葉通り、保健室を後にした啓太であったが…。
啓太『…良かったのかなぁ。元はと言えば俺が原因で皆にうつしちゃった
ようなものなのに……』
とはいえ、啓太の体調も万全では無く、足元がふらつきます。
啓太「あっ………」
丹羽「おっ…っと。啓太、大丈夫か?」
まだ熱っぽくよろめいた啓太の身体を、大きな手がガシッと支えます。
啓太「…王様!…ありがとうございます…」
ふんわりと熱で潤んだ瞳で丹羽を啓太が見上げます。
うるうるオーラ発動です。
丹羽〈……………………………!!!)
984:いけない名無しさん
04/02/09 22:25
その頃、保健室内では。
成瀬「うーうー(あぁあああハニーっ!)」
和希「あーうー(け、啓太・・・待って!)」
座薬ショックで言葉が出ない成瀬さんと和希。
篠宮「・・・」
篠宮、放心。
中嶋「・・・(海野にやられるとは俺も落ちたものだな・・・フッ)」
中嶋、別の意味で放心。
985:いけない名無しさん
04/02/09 22:31
その頃、滝はというと…。
滝「ん~、こんなもんやろなぁ。大サービスでネギと卵も落としたるわ。」
やや投げやりに四人分のおじやを作っていた。
986:いけない名無しさん
04/02/09 22:46
丹羽「座薬…!?」
啓太「そうなんです。海野先生が座薬の方が良く効くからって、中嶋さん達に」
丹羽「…………………………」
七条「…あの中嶋さんがねぇ。ふふっ。彼も挿れる事はあっても挿れられる事は
今まで無かったでしょうに。さぞいいお薬になった事でしょうね」
七条が心底楽しそうに悪魔の微笑みを浮かべます。
本当に楽しそうです。
丹羽「そ、それで。啓太も座薬をうたれたのかっ!?」
啓太「えぇっ!!?」
啓太のいつもよりほの白い顔が、真っ赤に染まります。
七条「会長…。伊藤君、いいんですよ。僕には分かっています。君は恥ずかしがり屋
ですから人前ではそんな事は答えられませんよねぇ。あ、座薬は奥までちゃんと
押し込みましたか?ちゃんと入れないと後で出てしまいますからね。」
丹羽・啓太「「…………!!!!!」」
七条「ふふっ。奥ですよ。奥」
987:いけない名無しさん
04/02/09 22:56
西園寺「臣、丹羽、いつまで啓太を廊下に立たせて喋っているつもりだ?
啓太、早く部屋に帰って休め…さ、後は私がエスコートしてやるぞ」
ふわり、と西園寺さんの手が啓太の肩に。
その心地よい香りにドキッとする啓太。
啓太「は、はい…///」
988:いけない名無しさん
04/02/09 22:59
滝「あ、殻はいってもた。ま、ええか、食うのはあいつらや。」
煮えてる鍋を横目でみながら、啓太用の中華粥の横に、手際よく
薬味を揃えていく滝←物凄い差別待遇
滝「干し貝柱と、干しエビで出汁とったし…にしても女王様、
啓太のことになるとホンマ気前ようなる人や。」
材料費は女王様持ちらしい。
989:いけない名無しさん
04/02/09 23:14
トノサマ「ぶにゃ~お」滝「お、海野ちゃんとこのネコやないか」
お粥を持った滝の先を行くトノサマ
滝「なんや、お前も啓太の見舞いか?」
危うし王様W
990:いけない名無しさん
04/02/09 23:33
啓太に付いて来ようとする丹羽と、さりげなく西園寺の後を憑けてきた七条を
啓太の部屋の前でシャットダウンする西園寺。
西園寺「啓太…。大丈夫か?熱が引いたからといってあまり動きまわらない方が
いい。…私をこれ以上心配させるな…」
白く細いけれども、暖かく優しい西園寺の手が啓太の髪を撫でる。
啓太「…西園寺さん」
そのなめらかな感触にうっとりと啓太が瞳を閉じ、艶やかなため息をもらす。
きっと、お金持ちの家に生まれた犬はいつもこんな思いをしているに違いない。
その頃、滝は…。
海野「あっれぇ~?滝君、なぁにぃその手にもってるのお」
滝「お粥や。粥! こっちが啓太の分で、こっちが保健室の四人の分!」
その時です。海野先生の眼鏡が妖しく光りました。
海野「滝君は伊藤くんの方を持っていきなよっ。僕があの四人の分持って
行ってあげるからぁ。両方持ってたら冷めちゃうよお。ねねっ」
滝「ホンマかいなっ。んじゃ、よろしゅう頼むでぇ。海野ちゃん」
海野「うんうん♪よろしく頼まれてあげるぅっ」
海野がマッドサイエンティストよろしく、眼鏡のブリッジを上げたことは
誰も知りません。
991:いけない名無しさん
04/02/10 00:10
その頃トノサマはどっちについていくかで迷っていた。
(滝の持ってる方は美味そうだけど、聡の持ってる方が量が多いし…)
でもトノサマは猫らしく猫舌なので
お粥がアツアツのままではどちらも食べられません
992:いけない名無しさん
04/02/10 06:43
結局トノサマはどこかへ行ってしまったようだ。
そして海野は保健室の前で何やら白い粉を粥に混ぜていた。
「これでよし、と」
にっこり笑って保健室のドアを開けた。
「みんなぁ~滝くんがお粥作ってくれたよ!これを食べて早くよくなってね」
「海野先生…すみません」
律義に礼を言い食べ始める篠宮。
「ハニーの手づくりじゃないのか…」
こんな時まで啓太でいっぱいな成瀬も口に運ぶ。
「味がないな…」
文句を言いつつ人一倍食べるスピードが早い中嶋。
「で、その滝さんはどうしたんです?」
鋭い指摘をする和希。
「滝くんだったら伊藤くんにお粥を持ってったよ。遠藤くんも早く食べて治さないと」
海野がそう言うと、和希も渋々食べ始めた。
それを満足そうに見つめる海野。
「!!うっ…」
突然崩れ落ちる四人。
「うまくいった…これでこっちはよし。さあ、伊藤くんの所にいこう」
993:いけない名無しさん
04/02/10 10:29
西園寺「啓太…」
うっとりとして目をつぶる啓太に、顔を近づけていく西園寺、そして…。
滝「まいどー!!みんなのお役立ち、俊介ちゃんで~す!!」
西園寺「~!(…いつか殺す!!)」
滝「西園寺はんからの差し入れ、俊介ちゃん特製、中華粥や。うまいで~。」
スポンサーへの義理は欠かさない滝だった。
丹羽「啓太、大丈夫か!?」
七条「伊藤君、汗をかいたら早めに着替えるんですよ。」
滝「…なんや急に部屋がせもなった気ィするわ。」
994:いけない名無しさん
04/02/10 13:26
丹羽「さっ、啓太、着替えだ着替え!」
いきなりその怪力で啓太のパジャマを引っぺがす丹羽。
啓太「ちょ、ちょっと王様…寒い」
あえなく素肌をさらす啓太。
西園寺「啓太、体は私が拭いてやろう…こんなに汗をかいて」
つつ…と啓太の首筋に触れる西園寺さん。
七条「郁、それは僕が」
滝「お前ら何考えてんねん!先にお粥やろ!啓太、ほれバスタオル!」
啓太「あ、ありがとう俊介」
あわててバスタオルを体に巻きつける啓太。
995:いけない名無しさん
04/02/10 15:56
滝「ほんまにもう…ほれ、着替えや。」
啓太「あ、ありがと俊介…」
滝「さ、食わな治らんからな。」
丹・西「…(チッ)」
七「…(まずは餌付けですか)」
滝「デザートはお粥食うてからや。お見舞いに岩井はんがイチゴくれはったんや。」
イチゴ、の一言に目を輝かす啓太。
滝「うるそうなると啓太に迷惑やから顔ださん言うてはったけどな…」
安全圏に身を置きながら、さり気なく啓太の好感度を上げている岩井だった。
996:いけない名無しさん
04/02/10 20:19
その頃、海野先生は…。
トノサマ「ウニャ?」
海野「さっきのお粥?滝君が伊藤君のとこへ持っていったんだ。」
トノサマは考えた。あのいつもおかずを分けてくれる人なら、お粥にも
ありつけそうだ。
トノサマ「ニャニャー」
海野「そうだねえ。お粥美味しそうだったね。じゃ、トノサマも一緒に
行こうか。」
果たして王様は、トノサマから逃げられるか?
997:いけない名無しさん
04/02/10 23:36
一方、そんなに広くない啓太の部屋の中では丹羽・西園寺・七条・滝の四人が
啓太の世話を我が物にしようと、熾烈な争いが続いていた。
丹羽「ほら!啓太。あ~ん、してみろ」
滝から粥をぶんどった丹羽がふーふーしながら、頬を染めている啓太の口元
へとさじを運ぶ。
啓太「…………王様」
丹羽「どうした?啓太。食欲ねぇのか?」
啓太「……いえ、そういう訳では(恥ずかしいんです。公衆の面前で)」
丹羽「ちゃんと食べねぇと元気になれないぜ。そんなに味だって悪くないし
食わないよりマシだろ?」
滝「…………………………………………」
…というか。
西・七・滝『なんでお前が食べてんだよ。丹羽』
―その時です。
コンコン。
啓太「はい?どうぞ」
返事と共に、勢いよく啓太の自室のドアが開け放たれます。
海野「やっほ~!伊藤君、元気になったぁ??心配で来ちゃったよおっ♪」
満面の笑みを浮かべた海野先生の姿がそこにありました。
丹羽「どわぁぁぁぁぁぁっ!!!」
トノサマ「‥ウ?…ウニャ~ン♪♪♪」
獲物を見つけた猫よろしく、トノサマが丹羽に飛び付きます。
海野「あっ。ごっめ~ん!丹羽君、居たんだ?あははっ。トノサマも連れて
来ちゃったぁ。本当にゴメンねぇ」
うふふと笑って謝りながらも、たいして悪いとは思っていない海野先生です。
本当に怖い先生です。
998:いけない名無しさん
04/02/11 00:33
間一髪で王様の手からお粥をキャッチした七条が、啓太に匙を渡した。
七「伊藤君、どうぞ」
啓「あ、七条さん、すみません…///」
さり気なく指に触れることも忘れない。
七「全く、会長にも困ったものですね…悪気はないのでしょうが。」
海「あ、伊藤君、お粥食べてたんだね。」
滝「海野ちゃん、あいつらどうやった?」
海「うんっ。お腹すいてたみたいだねぇ。一生懸命食べてたよっ。
お腹いっぱいになって、そろそろ眠ってるんじゃないかなっ。」
滝「……ほな、片づけにいかなあかんなぁ。じゃ、西園寺はん、
七条、たのんます。」
滝は本能的な危機を察知し、啓太の部屋を出ていった。
999:いけない名無しさん
04/02/11 01:10
海野「さて、と。そうだ、七条くん!あのね、僕のPC調子が悪いみたいで…画面が全部トノサマなんだよ」
西園寺「海野先生…またですか」
海野「トノサマ可愛いからそのままでもいいんだけどデータが読み取れなくて困るんだ。七条くん、見てもらえないかなあ」
七条「構いませんよ」
海野「ほんとにぃ!?よかった~じゃあお願い!」
七条「今からすぐに、ですか?(この美味しい時に…)」
海野「うんっ!」
西園寺「臣。行ってやれ(そして啓太は俺が)」
七条「…わかりました。では、そういうことなので、伊藤くん。お大事に」
七条は海野のPCには新しいトラップを仕掛けてやろうと心に秘めつつ、啓太ににっこり微笑んで出て行った。
残りは後一人。
海野「西園寺くんは、丹羽くんについててくれない?」
西園寺「私が丹羽に?」
海野「うん。僕がついててあげたいんだけど…トノサマがいるでしょう?西園寺くんがついててくれれば安心だし」
西園寺「しかし、私は啓太について…」
海野「伊藤くんには僕がついてるから大丈夫だよ!」
有無を言わせない海野先生、必死です。
西園寺「(…そうきたか)啓太?お前はどちらがいい?」
啓太「えっ…俺は…その…(ゆっくり眠りたいから誰もいらないのに)」
海野「伊藤くん。僕が看病してあげるから!」
啓太「は、はぁ…」
西園寺「…仕方ない。では丹羽を連れていきます。海野先生、啓太をお願いします」
腑抜けになった丹羽を連れて西園寺も出て行き、遂に海野先生は啓太と二人きりになることに成功!
…したかに思われた。
1000:いけない名無しさん
04/02/11 02:48
ところが・・・
1001:1001
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