FFカップルのエロ小説が読みたいat FF
FFカップルのエロ小説が読みたい - 暇つぶし2ch565:白 ◆SIRO/4.i8M
03/06/11 22:47 nJdNE0Ik
>564
マターリな御意見ありがとうございます。ウレシイ!(・∀・)
そうですね。単体スレは外しマスです。
引っ越しは…私も950とかにしたいのですが、如何せん容量が(w
SS一話で10KB位使うみたいなので、そろそろかなぁと。
多分、500KBで完走の筈なのですよ。
(515KB表示は、500超えると自動的に出る模様)

566:白 ◆SIRO/4.i8M
03/06/11 22:54 nJdNE0Ik
>563
そうでしたΣ(゚Д゚;)初心者の館別館、お引っ越しでしたねー。
御指摘有難うございます。○| ̄|_

567:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/06/11 23:34 nJdNE0Ik
スレ立ちマスタ。

FFの恋する小説スレ
スレリンク(ff板)l50

568:ドリル装備の名無し ◆Lv.1/MrrYw
03/06/12 00:53 xNwU5Phm
スレ立て乙です! ……この板、レス数だけじゃなくバイト数も関係してるんでつね。。。
知りませんでした。(w

アグスレはカップリングというよりSSの宝庫という感じがしますね。萌えながらも勉強に
なるところです。

カップリングはあれなんですが、文章の可能性をとことん追及してるスレだな~と思った
【マジかよ‥】FF都市伝説【怖~~】
スレリンク(ff板)
テンプレに加える加えないという訳ではなく、この板のネタスレというか、みんな発想が
面白いなと思った。(w

569:懸想人9
03/06/12 00:56 xNwU5Phm


 あれから更に半年の月日が流れた。いつしか気が付けば、人目をは憚るように
この洞窟に居着いていた。大地から緑の失われた世界を慰めるかの様に、所狭し
と並べられる造花に囲まれながら、何通目になるか分からないローラ宛ての手紙
をしたためていた。
  ローラへ
   これまで、うそを書き続けてきた儂を許してほしい。
   もう真実から目をそらすのは終わらせなければならぬと思い
   今は、筆を執っている。
   モブリズのあの若者はもう、この世にいない。
   拙者が代わりに手紙を書いていたのだ。すまない…。

   過ぎ去ったことに縛られ、未来の時間を無駄にすることは容易い。  
   だが、それは何も生み出さぬ。前に進むことができぬ。

   もう一度、前を見ることを思い出してほしい…。
  カイエン
 この手紙を書き上げてから、幾度と無く出そうと試みた。
 けれど、いつも出せずにまた机の上に戻って来てしまう。
(拙者の弱さ……だろうか)
 机上に置かれた手紙を見下ろすと、声には出さず苦笑を浮かべた。



570:懸想人10
03/06/12 00:57 xNwU5Phm


 送った手紙に返事が来るようになっておよそ半年が経つ。いつしか気が付けば
笑顔の失われたローラの心を慰めるかの様に、所狭しと並べられる造花に囲まれ
ながら、何通目になるか分からない彼に宛てた手紙をしたためていた。
  名前も知らない誰かへ
   これまで、うそを書き続けてきた私を許して下さい。
   もう真実から目を逸らすのはやめようと思い、
   今、こうして筆を執っています。
   モブリズは裁きの光に襲われたという事を、本当は知っていました。
   そして、あなたが代わりに手紙を書いていてくれた事も…。
   ごめんなさい…。

   過ぎ去った日々に囚われ、未来の時間を無駄にするのは簡単です。 
   けれど、待っているだけでは何も生まれませんし、前にも進めません。

   私の事なら大丈夫です。
   どうぞもう一度、あなたはご自身の道を歩んで下さい。
  ローラ
 この手紙を書き上げてから、何度も出そうと思っていた。
 思っているだけで、実際にはずっと引き出しの中にしまわれた手紙を見ながら
ローラは複雑な笑みを浮かべた。
「それでも私、嬉しかった……」
 ―この手紙の主は誰かは分からない。けれどこの人は、私やモブリズにいた
彼の事を良く知っている―文面から伝わる温もりと優しさに、この人の心遣い
を感じずにはいられなかった。
「……いつか、会ってみたい」
 それは彼女の中に生まれた小さな希望だった。



571:懸想人9[訂正]
03/06/12 01:04 xNwU5Phm
>>569に一行付け加えて下さい‥
>    もう一度、前を見ることを思い出してほしい…。
    愛するという事を、思い出して欲しい‥。

お手数をおかけします。

572:白 ◆SIRO/4.i8M
03/06/12 19:12 Vu4te5X0
ドリルさん
ありがとうです。予告もせずいきなりですみません。(;´Д`)
多分立てられないと思って、確認と冗談でやってみたら(以下略)でした。
都市伝説リンクしますた!アグスレは憧れがありますです。
カイエンとローラの手紙が、良い意味で大人で切ないです。。。
そして、影の立て役者雨の日も風の日もガンがれ鳩さん!

573:興味無いね(´ _ `*と愉快なマターリ旅(仮)
03/06/12 19:14 Vu4te5X0
■今迄の粗筋■
村立神羅中学校。1年桃組のクラウドは幸せだった。
「パラレルだと、戦闘とか無くていいなぁ!」
「テストがあるぞー」
「……き、興味…無い…ね」
ザックスの突っ込みにクラウド、号泣です。

前話は>>553-556です。。。

574:【君はそこに居る】(1)
03/06/12 19:15 Vu4te5X0
 飛空艇のデッキに、バレットが佇む。影の内の反射光が揺れ、扉が開いた。
「お、ここに居たのか、バレット」
呑むかい?と聞きながら、艇長が冷えたエールを投げた。
それは、指を滑り、突風に浮き上がり、けたたましく壁面に激突する。
「……今呑んだら爆発する、よな?」
バレットは破顔一笑。興味ねぇ!とばかりに缶を開ける。

 其処をヴィンセントが覗き込んだ。
「賑やかだと思ったら…飲んでいるのか?」
「おう。俺様ァ水だがな」
「水かよ!」
「艇長が酔ってどうすんでぃ!」そう云ってシドが笑う。
ヴィンセントもどうだ?との問い掛けに
「火を貸してくれ」と応える。

 濃密な煙が、硝煙の匂いと混じり合う。
「コレでクラウドが無事なら、一安心だ」
「俺はリーダーに向いて無かったんだな」
「あん?おかしな事云うない。バレット。
 俺は、アバランチの大将に任せるつもりで居たぜ」
「…クラウドは。卑屈ではなく、上に立とうともしなかった。
 だから。リーダーだった…」
吹き抜ける風が柔らかい。南の海に近付いているようだ。
「クラウド以外で本当に向いてんのは、都市部門総括…ゲフン 
 いやいや。ケット・シーだと思うぜ。
 でなきゃ年嵩で人情家のヴィンセントだぁな」
「私は……激情に流される」
「そこが良い。それは俺にも分る!」
バレットに背を叩かれ、ヴィンセントが微笑む。

575:【君はそこに居る】(2)
03/06/12 19:16 Vu4te5X0
 シドがふと、空を仰いだ。
「俺ぁよ。一つだけ後悔してることがあるんでい」
「……?」
「戸棚の饅頭を喰わずにカビさせたかぁ?」
「そうでぃ!って違うぞ!ヽ(`Д´)ノウワァァァァン」
「何時の間に饅頭を……」

 ひゅうっ、と。耳元で風が唸る。
「ユフィの事だ。
 俺は、ウータイに空爆してた事が有る。そいつが
 年端もいかねぇウータイの嬢ちゃんに、戦闘させちまってる」
「──!」
「赦される事じゃ、ねぇ」

 その時。ずるりと
「う。う、う、う。ぎぼじ�hぁるい…」
船酔いのユフィが這い出してきた。
キャ━━━━Σ( ̄◇ ̄|||)━━━━ !!!!
「な、なんか…シドつまんナイ事云いっこなしだよ…ウプッ」
「だだだ大丈夫かよ、おい!」
青ざめ、ヨレヨレのユフィが、バレットからビールをひったくった。
「あ」
一気に頬が赤らみ目が座る。
「いい?シド。アタシはウータイの事、確かに忘れないよ!
 でも…後悔してるなら、反省してるなら良いよ。それなら許すよ。
 アタシは自分で望んで旅してるんだから、良いのっ!」
バタン。そのままユフィがひっくり返った。
親父三匹が、大急ぎで救護室に担ぎこむ。
ユフィの頭を撫でながら。

576:白 ◆SIRO/4.i8M
03/06/12 19:18 Vu4te5X0
■次号予告■
神羅軍は、しつこく新規特殊部隊の検討をしていた。
ソルジャーや兵士達は、米つきバッタの様に頭を下げまくる。
「お願いです!くノ一部隊に入って下さい!」
「えーんえーん。・゚・(ノД`)・゚・。イリ-ナタソ~」
「いやよ!貴方達、ハァハァするじゃない!」
「…………」
つかつかとルードが駆け寄る。
手際よくイリ-ナを逃がすと、ピンクの忍者服を身に纏い
『さあ(*´Д`)ハァハァしなさい』とばかりにポーズをとるルードだった。
次回は「では俺もくノ一部隊に!」「レノキタ━!!」の2本です。

577:ヴィンティ作者ですが
03/06/12 21:24 ma3gmZGv
(゚Д゚≡゚Д゚)新スレ立ってる?
どっちにうpすりゃええんだヽ(`Д´)ノウワァァァァン
しかもちと荒れ気味?
あわてんな。( ゚Д゚)y-~~~~ マターリマターリ

【君はそこに居る】
オヤジ北━━━(;´Д`)━━━ !!!!!
なんだか最近ヴィンネタ書いていたらヴィンにはまり出してしまいますたので
奴の登場禿しく嬉しいのです。
【懸想人】
そのイベント…思い出しました。
ドリルさんのカイエン読んで、やっぱ奴ぁサムライなんだなと。
何だか思い詰めて割腹しそうなサムライに…(ノД`)ハァハァしる。

578:聖域の墓標サザンクロス
03/06/12 21:32 ma3gmZGv
しまっつ!!名前残ってた?(  爆  発
前は>>520です。
---------- キリトリ -----------

 中間達の集う遠くの焚き火で、ようやく顔が見える明るさの中、隣に座る娘
を、まるで妹のように感じていた。

「……星…綺麗だね」
「……ああ」

 もし、もしも自分に娘がいたら…この位の歳になっていたかも知れない。
 娘の頭を、なんとなく撫でたくなった。
 栗色の髪は柔らかで、子供のようだった。

 参ったな……。本当に、可愛い。

 しかしその瞳の色は、愛しいあの女の瞳の色を思い出させる。

 ヴィンセントはその手を娘の肩に伸ばした。
 普通に、抱き寄せようとしていた。
 肩に触れる寸前、それは違うような気がして。
 拳を握って、止めた。
 気付かれないように力を抜いて、そっ、と手を下ろし。

 二人は木の上で並んで、しばらく満天の夜空を静けさと共に眺めていた。
 銀粉を散りばめた空は、二人の頭上で、ゆっくりと回転していた。



 それから間も無くして、娘は帰らぬ人となってしまった。



579:聖域の墓標サザンクロス
03/06/12 21:35 ma3gmZGv

 一緒に星を見たあの日、
 …あの日も、静かな夜だった。
 そして娘がいなくなった今日も、星座は輝く。
 今も昔も変わらず、ゆっくりと回転している。

 男は一人、悲しみの闇空を見上げてたたずんでいた。
 力なく垂れた彼の利き手には、拳銃が握られている。 

 娘の笑顔が、消えてしまった。
 消したのは自分だ。
 あの実験を止められなかった。
 だから、こんな事になってしまった。

 ガストが望んだ古代種の誕生はジェノバプロジェクトの失敗に終り、彼の
愛娘は皮肉にも彼が望んだ真実の古代種で、彼の犯した最大の罪(実験の産物)
によって、殺されたのだ。

 こんな事になってしまった。

 自分が、あの実験を止められなかったばっかりに。
 悲劇は、遠いあの日から始まっていたというのか。


 ヴィンセントの記憶は、また過去へと遡(サカノボ)る。


 ズバ抜けた記憶力と分析力、それは、最も優れたタークスといえよう。
 が、その能力は過去の傷をほじくり、記憶の強靭な縄が彼を縛る。



580:聖域の墓標サザンクロス
03/06/12 21:38 ma3gmZGv
 もともと、人体実験の発案者は宝条だった。
 卵子を取り出し、DNAを抜き取った精子にジェノバのDNA情報を乗せ
て受精させ、再び母親の胎内に戻して着床させる。
 ガスト博士も、宝条の熱意だけは認ていたが、当初は首をかしげていた。
 しかし許可を待たずにプロジェクトを開始した宝条に、最終的には実験を
許可したのだ。
 だが、宝条のした事は違った。
 腹の中の胎児に直接ジェノバ細胞を打ち込んだのだ。

 そして、セフィロスが生まれた。

 自分だけが、あのプロジェクトを止められたと、今でも信じている。

 宝条に撃たれた時……何故あの時、撃ち返さなかった?
 撃ち返すだけの余力も技も自分にはあった。
 彼を殺っていれば、間違えなくルクレツィアは我が子を抱く事が出来た。
 セフィロスは正しい母親を知り、彼女に育てられたハズだ。
 このまま宝条がルクレツィアに赤ん坊を抱かせないなんて、ありえないと
思っていた。
 そう、どこかであの宝条を信じていたのだ。
 何故?
 何故撃たなかった?
 彼女の夫だから?
 そうだ、宝条が死ねば、彼女が悲しむ。
 ……ダメだ。やっぱり、出来ない。

「…君は甘い。タークスとは思えない。優しい、哀れな男だよ」

 意識を手放す間際、宝条の高笑いを聞いた気がした。


581:聖域の墓標サザンクロス
03/06/12 21:44 ma3gmZGv

 再び目を覚ますと、そこは闇だった。
 右を見ても左を見ても、闇はどこまでも続いているようだった。
 闇の中横たわっていた自分は、なぜか両手が胸の上で祈るように組まれて
いることに一瞬首をかしげる。
 体を動かしてみる。かなり狭い。
(……ここは…どこだ?)
 体を起こそうと膝を立てると、すぐに低い天井にぶつかった。
 組んでいた手を解き、手の平を上に押し当ててみる。
 身の回りに起きている異状に、不安になる。
 自分の身が閉じられた空間に置かれている事を確認できたからだ。
 まさか、と思い、天井を叩く。
 木板を叩いたような、くもった音が跳ね返る。
 何度か天井を叩くと、重い蓋が持ち上がった。
 差し込んだ光は薄暗かったが、目を射るには十分だった。

 棺の中だった。

 宝条に体を改造された後、体の異常に目覚めた感触は覚えている。
 ……その後、覚えていない。


(そうか、私は死んだのか…)

 暫らく放心状態が続いた。


(では、何故…今、生きているのだ?)


582:作者
03/06/12 21:53 ma3gmZGv
疑問に応える声は、無かった。

---------- キリトリ -----------
おおっと!
サイズが496KBを超えています。512KBを超えると表示できなくなるよ。
表示出てしまいましたね!
本日はこのへんで。

583:ドリル装備の名無し ◆Lv.1/MrrYw
03/06/12 22:22 m05H6h1t
あと16KBって……!? 漏れはどっちに書いた方がいいんでつか!?(汗)
慣例からいくと、このスレ全うさせてから次スレ移行って方がいいのかな?

>>573-576
そのまま潜水艦イベントに話が進むのかと予想していたのですが、良い意味でそ
れを裏切ってくれて(゚д゚)ウマー!!
漏れ、ユフィに関してまるで考察を巡らす事はなかったんですが、ウータイ戦争
ってあったんですよね。ゴトーとの戦いで少し触れられる程度ですが、白さんの
作品で描かれるユフィはとても好き~。マテリアハンター(?)は伊達じゃない
ですね。
というか、空軍パイロットとしてそれに参加していたシドの独白が…さらに(゚д゚)ウマー!!!

>>578-582
寡黙…というよりむしろ暗過ぎるほどという印象だったヴィンセント、彼の心の
葛藤が見事に表現されていてこれまた(゚д゚)ウマー!! そりゃ無口にもなりたくなる
よね…と、さらに。
「宝条の非を咎めなかったのではなく、ルクレルィアの悲しむ姿を見たくなかった。」
そんな自責と後悔の念が、神羅ビル宝条戦前のヴィンセントの台詞なんだな~! と
本編のイベントの意味を今更ながら噛みしめております。ありが㌧

性懲りもなくまた長文感想書いてスマソ。。。でも、このスレのSSの影響でFF7熱が再燃しそうな悪寒…。

584:懸想人11
03/06/12 22:25 m05H6h1t
 幸か不幸か、これまでずっと出しそびれていたローラへの手紙を読んだのは、
カイエンを追ってゾゾの山奥まで辿り着いた仲間達だった。
「……これは」
「やっぱり……あれはカイエンだったのね」
 マランダで、ローラという女性から見せてもらったあの手紙が、彼の居場所を
突き止める最初の手掛かりになった。
 あの日、孤島でセリスを救ってくれた一羽の鳥が、マッシュやエドガー達の所
へ導いてくれた様に、今は手紙を運ぶ鳥がカイエンの居所を教えてくれていた。
(きっと、ロックにも会える日が来るわ)
 ―だから諦めない、諦めるわけにはいかない―セリスは決意を新たにした
のだった。
「……心の迷い、か」
 横にいたマッシュは珍しく神妙な面もちで小さな呟きを漏らす。マランダで出
会った老人の言葉を思い出していたのだ。
『以前ここを訪れた剣士…なかなかの腕前じゃった。だが心に迷いがある。迷い
がなくなったその時きっと、最強の必殺剣をあみだすじゃろう!』
 マッシュの拳術の師ダンカン―彼の消息は今もって不明のままである。彼な
らきっと生きている。そう信じてはいるけれど、それでも心配なのは仕方がない。
 それに……。
 いくら成り行きとは言え、師の実子であり兄弟子バルガスをこの手にかけた事
への罪悪感が、全くなかった訳ではない。
(おっしょうさまの事、大丈夫だ!)
 大きく頭を振って、心の内に巣くう迷いを払おうとするマッシュの姿に、この
時誰も気付いてはいなかった。

 ―壊滅直前の世界。
 だが夜明けの光は変わらぬ
 人の心も、決して変わらぬ……。

「皆……無事であったか!!」
 心からの安堵と、喜びに満ちたカイエンの声。かつて故郷を滅ぼされた自分を
救い、そして共に戦った仲間達との再会。

585:懸想人12
03/06/12 22:30 m05H6h1t
「……でもどうして、ここが……? ま、まさか、わしの書いた手紙を読んだで
ござるか?!」
 喜びの波が過ぎたあと、理性が冷静な回答をもたらす。
 慌てて手紙や造花をしまうカイエンの仕草が、とても人間らしいと感じながら。
「カイエン。この造花、けっこう上手いよ」
「むむっ、おぬしらー!!」
 そんな誉め言葉をもらって照れる一方、やっぱり嬉しかったりするのである。
「……ほんとでござるか?」
 全員ではないものの、かつて打倒帝国の名の下に共に戦った仲間達の顔がそこ
にある。三闘神の封印解放から世界崩壊―絶望に満ちたこの世の中で、それは
小さくも確かな光明を見出したような気がした。

 人の心は変わらない。迷いが完全に無くなった訳でもない。
 けれど、だからこそ前を向いて一歩を踏み出せるのだ。
 今こそ出立の時なのだと。
 前から来る、光へ向かって……。



 『心の迷い』。
 それは自分の過去にあるものだ、と旅の途中に町で出会った名もない女性は言っ
ていた。恋人、家族、あるいは故郷、そんな物にあるのだと。
「拙者、一つお頼み申したいことがあるのでござるが」
 この船に集う仲間達に、カイエンは願い出た。彼には三闘神とケフカのいる瓦礫の塔へ
赴く前に、訪れなければならない場所がある。
 そして、決着をつけなければならない―憎悪と、過去に捕らわれた己の心と―。


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