FFカップルのエロ小説が読みたいat FF
FFカップルのエロ小説が読みたい - 暇つぶし2ch98:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/07 22:14 wuzsnnu+

某良スレから来ますた。
いや、こういう所探してたんだけど、なかなか見つからなかったんでな。
というわけで、一応始めから書きます。 









99:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/07 22:15 wuzsnnu+
「おーっちゃん♪」

 飛空挺内に割り当てられた一室。アーロンがベッドに腰かけて、愛用の太刀の手入れをしていると。
 不意にベッドが小さく揺れて、聞き慣れた愛らしい声とともに心地よい重みがやんわりと肩に凭れかかってきた。胸の前で交差された細い腕と、視界の隅に映る淡い金髪。そして、鼻腔をくすぐる甘い芳香。振り向いて顔を確認するまでもない。
 もっとも、伝説のガードの彼にこんな風に気安く抱き付いたりできる人間など、仲間の中にも一人しか存在しないが。
「……なんだ、リュック」
刀身から目を離さぬままそっけなく返事を返すと、後ろで不満げに鼻を鳴らす音が聞こえた。
「も~、刀磨いてる時まで眉間にシワ寄せちゃってさぁ。そんな表情ばっかしてると、そのうちホントに顔中シワだらけになっちゃうよ?」
 それでもまだ、たくましく盛り上がった筋肉質の男の肩に顎を乗せたままからかい混じりに頬を突ついてくるリュックを、隻眼で鋭く一睨みして。
「余計な世話だ。用がないなら部屋に帰れ」
アーロンは再び正面の太刀に視線を戻す。
もちろん、それですごすごと引き下がるリュックではなかった。

100:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/07 22:16 wuzsnnu+
「用があるからこうしてるんじゃんかぁ~……ね、かまって?」
「悪いが、俺は子供のお遊戯に付き合っている暇はない。他を当たるんだな」
これ以上ないほどの甘い猫撫で声でアーロンの耳元に囁きかけてもやはり彼は取り合わず、太刀を磨く手の動きを止めることもない。
全く相手にしてもらえない上に子供扱いまでされ、リュックは不貞腐れたようにむぅ~、と口を尖らせた。
「いっつも子供子供ってさ!アルベドで一五歳っつったら、もう立派な大人なんだから~!」
お酒だって飲めるんだぞっ、と言葉を続けると、ナイトテーブルに置いてあった飲みかけの徳利に腕を伸ばそうとする。
「俺から見れば十分子供だ」
アーロンはリュックの手をぱしっと払いのけると、徳利を取り上げてぐいっと煽った。後ろであ~っ、至極残念そうな声が聞こえたが、無視して全部飲み干す。
空になった徳利をナイトテーブルに戻して再び作業に専念するアーロンに、リュックがなおも抗議の声を上げようと彼の肩を掴んで身を乗り出した瞬間。
「お―んっ……!?」
いきなりその顎を掴んで自分の方を向かせると、アーロンは薄く開かれた柔かい唇に自分のそれを押し当てて、口に含んでいた酒を流し入れた。リュックの口の端から酒が零れて顎を伝ってぽたぽたと滴り落ち、紅い衣を濡らす。
「……ん……っぅ……こくっ……」
口を塞がれているので吐き出すこともできずに、リュックは白い喉を鳴らしてアーロンの唾液が混じったそれを飲み込んだ。


101:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/07 22:17 wuzsnnu+
「ごほっ……うぇ~……なにコレ、メチャメチャきっつぅ~」
喉と胃が焼けつくようにひりひりと痛み、思わず顔をしかめてけほけほっと咳き込む。
「度の強い酒だからな……どうだ、おまえの口には合わんだろう?」
 アーロンは愉快そうに喉の奥でくつくつと笑いながら、涙目になってむせるリュックの様子を眺めている。
「ってゆーか……げほっ、……そゆ問題じゃなくって!」
「なんだ、酒が飲みたいんじゃなかったのか」
「だっ、誰も口移しで飲ませてなんて頼んでないよ……!」
 ようやく咳が収まってきたかと思えば、今度は耳まで真っ赤になった自分の顔を両手で覆ってリュックが悲鳴に近い声で呟いた。今の口づけすっかり腰が砕けてしまったらしく、その場にへたり込んでしまっている。
「ふん……こんなことでうろたえるようでは、俺の女は務まらんぞ」
「オ、オンナって……そいじゃあ、あたしのこと認めてくれるのっ?」
 思わぬアーロンの言葉に驚きつつも、目を輝かせて顔を上げると。
「俺を満足させられたらな」
 いつの間にか彼がさっきまで磨いていたはずの太刀は鞘に納められ、ベッドの横にベッドの横に片付けてあった。
「へっ?……あ、あれ?もう終わったの?」
「ああ。刀より先に、お前の方を可愛がってやる……覚悟しろ」
 上に羽織っていただけの着流しをかなぐり捨てながら、アーロンはニヤリと意地の悪い笑みを浮かべてそう告げる。


102:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/07 22:24 wuzsnnu+
 リュックは一瞬頭の中が真っ白になり―ベッドの軋む音ではっ、と我に返った時には、すでにアーロンの手によってシーツの上に
組み敷かれていた。
 どんなに邪険にされようともめげずに通い続けてきた日頃の努力が、ここに来てようやく報われたことに喜んだのも束の間。性急す
ぎる男の行為には、さすがに思考がついていけなかった。
「ギャーッ!?ちょっ、ちょちょちょちょっとぉっ、いいよ!ああたしは後回しでいいよ!!」
「気が変わったんだ」
 混乱と恐怖と焦りが入り混じった頭で、目の前に晒し出された分厚い胸を必死で押しのけようとするも、もちろん大の男の力にか弱
い少女の腕力が敵うはずもなく。
「いっ……!」
 あっという間に両手を掴み取られ、頭上に無理矢理押さえ込まれる。
「やだっ、やだってばっ……ひゃぅっ」
 なおも抵抗を試みようとするリュックだったが、鎖骨に唇を落とされ軽く吸い上げられただけで、呆気なく体の力が抜けて大人しくなってしまう。
 アーロンは空いている手でリュックの前髪の髪留めを抜き取り、頭の天辺で後ろ髪を結わいていた髪紐を慣れた手つきで解いて、そ
れらをサイドテーブルの上に放り投げた。零れ落ちたその髪の毛を梳くように指を滑らせていきまとめて耳にかけると、露になった耳
朶をねっとりと舐め上げてやる。
「ぁっ、あ……!」
 味わったことのない不思議な感覚に戸惑いを覚えつつも、リュックは自然に唇から甘い声が漏れるのを止めることができない。その
ままやわやわと耳朶を甘噛みされ、完全に無抵抗になる。
 それを確認すると、アーロンはリュックの手首を拘束していた手を離して本格的な愛撫を開始した。

103:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/07 23:07 TQj/WIiW
アーリュもキタァァァァァ!!!!

104:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/07 23:24 wuzsnnu+
ごめん、でも↑これの続きまだ書けてません。
誰か書ける奴いたら書いてくれてもいいよ。

105:砂漠の王と風の覇者18
03/04/07 23:32 gP46V/9f


「……うっ……」
 堪えきれずに吐き出されたリルムの小さな声に、エドガーは立ち止まって後ろ
を振り返る。
「大丈夫かい?」
 男の仕掛けた爆薬が順調に作動していたお陰で、城中が黒煙に包まれはじめて
いた。視界は遮られるうえ、ろくに息も出来ない。考えていた以上に脱出は困難
を極めていた。
 それでも、あの大扉を抜ければ一旦は屋内から外へ出られる。そこでひとまず
落ち着けるのだから、最終的に脱出は可能だとエドガーは考えていた。
 それに煙で殆ど視界の無い中ではあったが、そこは住み慣れた城である。彼の
的確な誘導が功を奏し、二人は大扉まであと数メートルほどの所まで辿り着いた。
 しかし。
「……しまった!」
 エドガーは思わず声を上げ、リルムの身体を自身の方へ抱き込む様にして引き
寄せた。
「え!?」
 突然の行為に、自分の身に何が起きたのか一瞬思考が追いつかなかったリルム
は、躊躇いがちな表情で頭上のエドガーを見上げた。
 直後、大扉の前に大量の瓦礫が降り注ぐ。危うく難を逃れ引き返した二人だったが、
地上へ続く唯一の脱出口である大扉は完全に閉ざされてしまった。
 エドガーの算段は、城の内壁と共に音を立てて崩れたのである。
(万事休すか……だが彼女だけでもなんとか……)
 リルムの身と負傷した左腕を庇いながら、何とか脱出の術を探ろうとするエドガーの
耳に、ことのほか明るいリルムの声が届いた。
「……そうだ上っ! セッツァーが来るんだよ!」
 その言葉は、煙の中に閉じこめられた二人にとってまさに希望だった。

106:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/07 23:36 gP46V/9f
職人の皆さんありが㌧! こんなに各シリーズのSSが一堂に会したスレは他になさそうで(゚д゚)ウマー
……自分のSS投稿分より感想の方で改行規制に引っかかった漏れ…(w
>>87
シュウって言うともしや……ニーダの隣にいた女子生徒の事でつか……(;´д`)ハァハァ
もとい、うpキボンヌです。
 …少し余談ですが、漏れはエロ描写そのものより、エロに至るまでの過程が萌えなので、
 現状のエロ規制に賛同する訳じゃないけど、内容のないエロは萌えない…。
 流れ(物語の主題)によっては、エロも必要な時(=萌え)だってあるわけだし、
 その辺を分かって欲しいと思う今日この頃。(力量あれば作品という形で反論したい…)

>>89(サロンシップ)
やはりそうでしたか! ギャグで削除依頼出される様な自体になったら、
この板だけじゃなく、それこそ2ちゃんの存在意義を根底から揺るがす大事件でしょう。(w
続きとして書かれたシドの嘆き、本当にありそうで(・∀・)イイ!
(シドからは昔カタギな職人気質を感じます。…そう言う所萌えなんですが、
凄く良く出てますよね。)出来ればまた書いて頂けると……(煩)。

>>91(スコセル)
…スマソ、未プレイだと分かりづらいのは漏れも同じくですた。……同じく精進します。
それから、感想までありがとうございます。
ミサイル基地潜入作戦後だと言う事が分かっただけでもカナーリ有り難い解説です!
スコールと、自分の(これまでの)行いに対して真っ直ぐに向き合うセルフィの姿は
作中で感じたそのままで(・∀・)イイ!、スコセル読んで思い出しますた……
故郷のガーデン壊された時とか、それでもセルフィ明るく振る舞っていたり、
周囲を気遣っていたり、健気な娘やぁ…・゚・(ノД`)・゚・
そんな二人の展開に期待sage!

>>98
自分の中にあるアーロン像と180度違っているのである意味新鮮です。
時期的にはいつ頃の話なんでしょうかね? そう言った所も読んでると気になって
きたものですから……こちらも期待sage。
(´-`).。oO(できればご自身の手での完結をキボンヌ!!)

107:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/08 00:27 QITfH3mE
エドリル好きでつ。今回はハラハラな展開でドキドキですた

108:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/08 14:05 FbDw5NrN
萌えます。アリガトン

109:サロンシップ ◆KEY/rAMfMQ
03/04/08 19:40 MIxdDtKH
スコセル様
Σ(゚Д゚*)おおおお!イメージ画が美人さん!有難うございます~。(涙
セルフィは明るいけど奥行きがあって、大好きでつ。
気丈なセルフィの、切ない展開が気になりますです。
音楽が聴こえるような、繊細な文体に萌えても宜しいでしょうか?
(*´Д`)ハァハァ/lア/lア/ヽァ/ヽァ

エドリル様
あ、有難うございますです。・゜゜・(>_<*)・゜゜・。
実は他所でコソーリお笑いを書いてたので、ギャグになる悪寒がします…。
スレリンク(ff板:122-143番)
シドシエラ続編(多分お笑い)近日書かせて頂けたら、幸せです。
エドガ-がリルムを庇うシーンに萌えました!
リルム健気であります…。ガンガってくださいませ!

アーリュ様
親父キタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!!l \ァl \ァ

110:場違い小説 ◆de2SptS62s
03/04/08 20:26 6PIMaFzB
需要ありますか?なんて聞いといて、途端に体調不良&風邪。アホだ俺。
書き出しだけ書いて、「この設定ならいけそう」とか思った途端でした。

でも一応、書き出しだけでも載せてみます
続きは、この状態が治り次第。

111:場違い小説 ◆de2SptS62s
03/04/08 20:29 6PIMaFzB


「スコールとサイファーはね、本当に凄い素質を持ってるのよ。サイファーもかなりのものなんだけど、問題ばかり起こすのがね・・。でもスコールは、ちょっと暗くて冷たいのが欠点だけど、それ以外は完璧なの。きっと、いえ絶対seedになれるわ。それも一流のね」
「またサイファーがやってくれたわ。相手は言わなくても良いわね。頭が痛い・・。これからまた、私まで説教されそう」
「スコールがね・・・」
昼食時の親友との会話。相変わらず聞かされる話は、例の問題児(有名人)二人の事についてだった。私は少し甘ったるいパンを食べながら、半分いい加減に耳を貸す。
キスティスが教師になった時から繰り返される、愚痴のような話。しかし最近は、恋の相談を聞かされているとしか思えなくなってきていた。
(で、どっちなの?)
多少のイライラを伴って、私はキスティスを見つめた。見つめたって答えるわけは無いが、しかしそれでもキスティスは、何かに気付いたように立ち上がり、
「さ、そろそろ行かないと。じゃ、また後でね」
と、自分の受け持つ教室へと去って行った。私の口からため息が一つ漏れる。
「ハーッ・・」
キスティスの話を聞く度、自分にはそんなに夢中になれる男がいないことを思い知ってしまう。
「・・・本当にそんなに良いのかぁ?」
無駄に勢いをつけて立ち上がると、私は重い足取りでその日の仕事に向かった。

112:場違い小説 ◆de2SptS62s
03/04/08 20:30 6PIMaFzB
昼食時に言った言葉を、私は撤回しなくてはならなくなった。スコール・レオンハートは、確かに美しい顔立ちをしていた。
今までも遠くから見かける事はあったが、近くで見ると確かにきれいな顔立ちだった。それこそ、嘘のような。
ちなみにその時は、サイファーの顔もじっくりと見ることが出来た。といっても、サイファーは過去何度も試験に落ちているため、見るどころか何度も喋ったことさえある。サイファーも決して悪い顔ではなかったが・・
しかし、スコールの顔のインパクトには叶わなかった。
私の呼吸がわずかに荒かったのは、船内の狭さのせいだけではなかった。
(こりゃ、確かにはまってもおかしくない)
「キスティス。確かにスコールかっこ良いね」
ドールでの試験後、私はちょっと興奮した声でキスティスに話しかけた。
「えっ、そんな事私言ったっけ?」
「白々しい。耳にタコが出来るほどね」
「あははっ」
私はキステイスを軽くからかいながらも、自分の中に、固い友情を壊しかねない感情が生まれているのに気付いていた。

113:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/08 22:05 HWbsa3Vq
8好きな漏れには有り難い。
>>110
体に気を付けてマターリ執筆してください。

114:スコセル11 ◆ane/8MtRLQ
03/04/08 22:47 Vw7dpi6q
びっくりするくらいスコールは優しかった。
パーティーを組んでからずっと、他人に必要以上関わろうとしない人だと思っていた。
けれどアイアン・クラッドから脱出した時見たスコールの顔はすごく優しかった。
あの時、初めて気付いた。
スコールも自分と同じ年の、経験の浅い兵士だっていうことに。
いつもクールで、余計な事や泣き言を言わない人だから冷静な指揮官タイプの人間だって勝手に決め付けていた。
出会ってからの事を思い出せばいくらでも、スコールが皆に気を使って行動していたのがわかる。
けれどその時には気付かなかった。わかろうともしていなかった。
さっき梯子から落ちた時だって、スコールは真っ先にセルフィの頭を庇った。
抱きとめてもらったのに気付いた時、心臓が飛び出しそうなくらいドキドキした。
背中を抱えてくれている腕の力が強くて、その腕の中はとても暖かで。
そしてすごく切なくなった。
リノアの言葉を思い出したから。
魔物に襲われていたリノアを守った時も、こんな風にしたんじゃないか、って。
当然なんだけど「俺のそばから離れるな」っていう言葉はあたしは貰えないんだな、って思ったから。
そんな事が理由で泣きそうになるなんて、初めてだった。
笑ってごまかすつもりだった。なのに。
「どこか、怪我したか?」って心配してくれたスコールの声を聞いたとたん、目の奥が熱くなった。
うつむいて、こらえて、顔を上げたらスコールの顔が本当にすぐそばにあった。
そうして、気が付いたら自分からキスしていた。

115:スコセル12 ◆ane/8MtRLQ
03/04/08 22:48 Vw7dpi6q
「ごめんな~」
誰に、というわけでもなくセルフィはつぶやいた。
自分がした事なのにまるで現実じゃないみたいで、どうしていいかわからなかった。
頭の芯がすーっと白くなったみたいだった。
馬鹿みたいに、スコールの顔を見上げていた。
スコールもたぶん困ったんだと思う。
あのタイミングだと、考えようによってはキスっていうより唇がぶつかったみたいだし。
「大丈夫か?」ってあたしに言った時、スコールはどうしようって感じの顔で首を傾げてた。
もしかしたら途方に暮れてたのかもしれない。
だからあたしは、あれはキスじゃなかった事にしようと思った。
これ以上スコールを困らせたくないから。
今まであたしはスコールの「仲間」ですらなかった。頼って甘えていただけだった。
ちゃんと仲間になりたかった。
スコールに言おうと思った事、自分がすらすら話しているのが嘘みたいだった。
それでも、最後にスコールは「ありがとう」って言ってくれた。
『きっと今頃スコール、何だったんだろうって思ってるやろな』
明日どんな顔をしてスコールに会えばいいのか、セルフィにはどうしても思いつく事ができなかった。

116:砂漠の王と風の覇者19
03/04/08 23:29 v3n1VwEt


「……ちっ。思った以上にヒドイ有様だな」
 城の中央塔の上部が黒煙に包まれ、その合間から時折覗くオレンジの炎を目の
当たりにしたセッツァーが、露骨に顔をしかめて舌打ちするのも無理はない。
 今目の前に広がる光景は、禍々しい以外の何でもないからだ。
「一体なんだってんだこりゃ!? ……ってセッツァーあそこ!!」
 炎上する塔の最上部に、小さな人影を見出しマッシュは叫んだ。それがリルムと
フィガロ国王である兄だという事はすぐに分かった。
「セッツァー! イカリと一緒に俺を降ろしてくれ……二人を連れ戻す!!」
 既にマッシュは甲板から飛空艇の船底へ降りようと手摺に掴まり、身を乗り出
していた。
「んな無茶な!」
「こんな状況で、玄関から入ったって間に合わないだろ? それとも操縦に不安
があるか?」
 言うとおり、炎に包まれた塔周辺は気流が乱れている。特に厄介なのが上昇気
流だ、並の飛空艇と操縦者ならその気流には耐えられないし、何より船と人の両
方に多大な危険を課すことになる。
 マッシュとしてはセッツァーの操縦能力や飛空艇ファルコンの性能を疑っている
訳ではない、むしろ彼らだからこそ言えた台詞だった。
「……ふん、俺を誰だと思ってる? やってやるさ」
 この状況下でも不適に笑ってみせるセッツァーの表情は、自信に裏打ちされた
頼もしい笑みである。
「そーこなくちゃな!」
 相変わらず明るい口調のマッシュに向けて、釘をさすように冷然と言い放った。
「だがチャンスは多くない。いいな?」
「一発で決めてみせるぜ!」
 そう言うとすぐさま碇に飛び移る。一年前、瓦礫の塔へ降りた時と同じ様に。
そうして炎渦巻くの城の中へ、飛空艇ファルコンは迷うことなく二人のいる塔を
目指して進むのだった。

117:砂漠の王と風の覇者20
03/04/08 23:36 v3n1VwEt



 信じ難い光景を目にしたのは、炎に包まれた塔に立つリルム達の方だった。
「飛空艇……セッツァー達だ!」
 喜びの声を上げるリルムだが、黒煙の間から覗くファルコンの姿は、自分たち
目がけて一直線に飛んでくる。それももの凄いスピードで。
「……セッツァーのヤツ、私らにどーしろって……」
 溜息を吐いたリルムの身体が突然宙に浮く。思いがけない出来事に何がと見れ
ば、エドガーが笑いながらリルムを抱き上げている。
「本当はもう少し楽な体勢にしたかったんだが、今の私ではちょっと無理な様だ。
窮屈だろうが、少しの間これで我慢してくれるかい?」
 傷を負った左腕はさすがに使えず、エドガーは右腕でリルムの腰を抱える様に
して抱き上げていた。お陰様で、普段は見上げなければならないエドガーの顔を
すぐ真横に見る事ができるのだが。
「こんなトコで何やってんだよ! おろせ、降ろせったら!!」
「……美しくなったリルムの顔を、間近で見たかったからね」
 こんな非常時にこの男は一体何を考えているんだと抗議しつつ、内心ではなぜ
か恥ずかしいと言う感情の方が勝っていた―それこそ、こんな状況下で感じる
物ではないのに。

118:砂漠の王と風の覇者21
03/04/08 23:36 v3n1VwEt
 自らの動揺を悟られまいと、リルムはエドガーの腕から逃れるため全力をもって
反抗を試みる。
「……。……すまない、暴れられると……傷に響くんだ」
「ご、ごめん」
 エドガーの僅かに辛そうな表情が見えて、リルムはとたんに大人しくなった。
心から申し訳なさそうな表情で謝る彼女の姿に、密かに愛らしさを感じながら、
エドガーは柔らかな微笑を向ける。
「本当に、美しい女性に成長したね」
「だからこんな時に……」
 炎に包まれた城に閉じこめられた状況で吐く台詞ではない。と、冷静に突っ込
みながらも、いつもは見上げていたエドガーの顔がすぐ横にある。
 こんなに近くで目が合うと、耳の辺りが熱い様に感じて、リルムは堪らずに視線を
逸らした。
「もう少し大人になったら、本気で口説かせてもらうよ」
 そんなリルムの横顔に、冗談ともつかないエドガーの声が届いた。
「子どもで悪かったわね」
 視線を逸らしたままで返した言葉は、リルムにとって今日二度目のセリフだった。

119:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/08 23:38 v3n1VwEt
現在、6ブームのまっただ中にあるので……純粋にエドリル望んでる方、スマソ。
色んな方の描写出てきますです。。。

>>107-108
このスレは萌えSS(しかも他ではお目にかかれない)が多くて萌える。
ホントここ通りかかって幸せだYO!!
107さん、そう言っていただけると自分も(妄想の)突っ走り甲斐があるってもんです。

>>109(サロンシップ)
そ、その名にされるんですか……?(w
他スレの文章拝見させていただきました。松田優作風ザックスから先は大爆笑。(w
でも、漏れ◆KEY/rAMfMQさんの描写好きです。言葉というか、単語の選択が(゚д゚)ウマー
途中まではもの凄いシリアスな戦闘物なのかと思うほど。(そこからギャグに転じる
せいで、余計笑えるんでしょうかね……どちらにしても羨ましいです)
シドシエラ続編、激しく期待まちsage。

>>110(場違い小説)
もしやこれはキスティスとシュウとスコールの三角関係でつか!?(違)
こちらも展開気になりますsage……でも体調回復を優先させて下さいませ。
読み手としてはマターリ期待sageって気構えでお待ちしておりますです。

>>114-115(スコセル)
セルフィの心情描写がもの凄いスムーズに読めて(・∀・)イイ!
言葉少ななスコールのモノローグとは違って、普段明るいセルフィだけに
もの凄く切ない……そ、そこが萌えなんですが(*´Д`)


毎度感想長くてスマソ。ウザかったら遠慮なく言って下さい。

120:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/08 23:41 QpxPCssb
立て続けにキタ━━(゚∀゚)━━!!!!
イイ!このスレめちゃイイッ!!

121:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/09 05:16 CWmWYj4H
こんなスレを待っていた!
職人さんたちありがとう、そして頑張って。

そしてベイオウーフ×レーゼをキボン、と言ってみるテスト。


122:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/09 17:04 FSERIqll
職人さん達ガンガレー
応援パピコ

123:スコセル13 ◆ane/8MtRLQ
03/04/09 20:40 N1xjMrm7

『明日、どんな顔でセルフィに会えばいいんだ』
スコールはベッドの上で寝返りをうつ。
あれはキスじゃなく、事故だ。
そう自分に言い聞かせる。
たぶんセルフィも気まずかったのだと思う。
ひどく戸惑った顔をしていた。
考えてみればミサイル基地からずっとアイアン・クラッドに閉じ込められた挙句、自分達に
攻撃されてようやく脱出できたという状況で、そのまま演奏の練習と会場の手配までこなしていたのだ。
いくらセルフィがイベント好きと言っても無理のしすぎだった。
もしかしたらあの場所に来たのは一人になりたかったのかもしれない。
『だとしたら、悪い事をしたな……』
考えなければならない事は他にもいろいろあるはずなのに、柔らかい唇の感触が不意に蘇ったり、
抱きしめた時、セルフィが思ったより小柄だった事を思い出してしまう。
『何考えてるんだ、俺……』
中庭からは虫の声が響いていた。
「スコール、本当はイヤなんでしょ?指揮官になるの」
本心を言い当てられた。
自分の気持ちは自分以外には理解できないと思っていた。
他人に自分の気持ちを伝える努力などするつもりもなかった。
「もっと話して」と、リノアは言う。
「手伝うから」と、セルフィは言う。
『仲間……だからなのか?大体、仲間って何なんだ。どうして、一人でいる事ができないんだ……』
ガーデンの皆と自分の共通点はSeeDに象徴される、一流の兵士になるという目的だと思っていた。
一人で生きて行くために兵士を目指したはずだった。
『他人はそうじゃないのか?』
今まで考えてもみなかった事が次々に起こる。
「SeeDは何故と問うなかれ」
疑問とは最優先に排除されるべき物だ。
任務に関してなら、スコールはいくらでも雑念を振り払う努力をしただろう。
『こんなに個人的な理由で悩んでいる人間が、ガーデン全ての人間を統率できるのか?』
悩み続けるうちに疲労している身体はあっさりと睡魔を受け入れていた。

124:スコセル14 ◆ane/8MtRLQ
03/04/09 20:42 N1xjMrm7
雨の音だ。
庭の木を滑り落ちる水滴が立てる葉掏れの音。
湿った空気が肌にひんやりとまとわる。
目に見える景色の中には誰もいない。
一人だった。

  おねえちゃん、ぼく    ひとりぼっちだよ。


でも がんばってるんだよ。

 おねえちゃんいなくても、だいじょうぶだよ。

なんでもひとりでできるようになるよ。


雨は止まない。


「スコール委員長、スコール委員長!至急ブリッジまで来てください」
眠りを破ったのは校内放送のアナウンスだった。
『……委員長?』
自分を呼んでいる事は間違いないと思いながら、聞いた事のない肩書きにスコールは首をひねった。
「スコール委員長、ごくろうさま!」
ブリッジに入るなり、キスティスが笑顔で言う。
「委員長って?」
「なんか、肩書きがあった方がいいでしょ?私とキスティスで決めたわ」
キスティスの傍らのシュウが答えた。


125:スコセル15 ◆ane/8MtRLQ
03/04/09 20:59 N1xjMrm7
「スコール委員長、スコール委員長!至急ブリッジまで来てください」
眠りを破ったのは校内放送のアナウンスだった。
『……委員長?』
自分を呼んでいる事は間違いないと思いながら、聞いた事のない肩書きにスコールは首をひねった。
「スコール委員長、ごくろうさま!」
ブリッジに入るなり、キスティスが笑顔で言う。
「委員長って?」
「なんか、肩書きがあった方がいいでしょ?私とキスティスで決めたわ」
キスティスの傍らのシュウが答えた。
「私、ガーデン内のいろいろな物資の補充とかそういう手配担当するから」
シュウはそうつけたすと続きをキスティスに譲った。
「私はカドワキ先生と手分けして、生徒たちの面倒みるわね。あなたは移動や戦闘の方針決定に専念してちょうだい」
「ああ」
昨日言われた事がこういう意味とは思わなかったので予想外に肩の荷が下り、
スコールはうなずきながらほっとした。
ガーデンが移動する上での最優先事項の二つが片付いたのだ。
「え~と、それから」
キスティスが少し考えるように首を傾げる。
「セルフィをちょっと休ませてあげて」
突然出た思いがけない名前にスコールは心臓が跳ねた様な気がした。
「理由をあれこれ言ってたけど……」
スコールは自分の顔に血が昇って行くのを感じた。しかしそれは本人が感じ取る体の反応であって、表面上には現れない。
「本当はミサイル基地とかの疲れがドッとでちゃったんだと思うの。どう、OK?」
心配そうなキスティスの顔にスコールは安堵しながらうなずいた。
「ああ、わかった」
「鉄面皮」などと言われる事もある自分の表情の乏しさに、心から感謝した。
操縦担当者にニーダが着任した報告を受け、スコールは一度自分の部屋に戻った。

126:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/09 22:40 LLXxa1v2
スコセルキタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!!!
ゲームの裏側って感じがイイ!(・∀・)ね。


127:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/09 23:43 4orQoQ7m
萌え

128:サロンシップ ◆KEY/rAMfMQ
03/04/10 00:20 fKBPSxiV
場違い小説様、お体お大事にどうぞです。スコールハアハア
エドリル様、有難うございます(泣)熱く激しく応援しますです。
スコセル様、切ない…!毎日楽しみにさせて頂いております。

129:発光(1)白 ◆KEY/rAMfMQ
03/04/10 00:21 fKBPSxiV
 サイレンがスラムを振動させる。教会に、開発途中の宇宙船が墜落したのだ。
船体が、鈍い灰白光を反射する。その、真下に。
「……内臓が破裂している」
寒さを避けて、教会に忍び込んだ老人が、巻き込まれた。
事後処理に隠密部隊が来た。屋根の大穴から、吹雪が這い寄る。
黙って、黒衣の部隊長が痛み止めを打つ。
「眠らせてやらねえと…」
幼い少年兵が、特殊部隊員の手を遮った。
「待ってくれ。
 ──もうすぐ、医者が来ます」
老人が、金髪の少年兵の腕を掴む。
一片、クラウドの頬に雪の結晶が落ち、静かに流れる。
老人の骨ばかりの躯。その元から、魔晄が微かに湧き、こぼれる。

 広大な廃虚の上を、萌葱色の水が滑る。
「おう、リーブ部長」
「お?艇長さん、久し振りやね」
メテオで崩壊した都市、ミッドガルの再建。
避難民達にとってそれは、悲願でもある。
二人の男が、歩き乍ら瓦礫のハイウエイで語る。
「で、どうだい?」
「どうもこうも、見ての通り、ライフストリーム浸しですわ」
住人達は、元の街に戻ろうとして言葉を失った。
一夜にして、都市が、深い薮や蔦に覆われていたのだ。
「…ワイは、諦めませんで。此処が駄目なら、何処か近い場所に。
 今度こそスラムの無い街を作るんや」
魔晄に満たされた水が、黄昏の内に光を放つ。
URLリンク(www.weartv.com)

130:発光(2)白 ◆KEY/rAMfMQ
03/04/10 00:22 fKBPSxiV
「そう言う訳でよ、暫く飛空艇は、部長に使って貰いてぇんだが」
クルー達は喜び、鯨波を上げた。

 星が旋回し、雲がゆるりと移動する。柔らかな灯が、家々に宿った。
「ロケットどころじゃ、ねえなぁ」
「あら?どうしたの?シド」
ネルで抽出したコーヒーが、シドのゴーグルを烟らせる。
「一度行ったのに、贅沢かも知れねぇが。
 この面見てくれよ。…生き物そのものじゃねえか。」
URLリンク(photojournal.jpl.nasa.gov)
URLリンク(www.astro.web.sh.cwidc.net)
色鮮やかな堆積物を吐き、沸き立ち、侵食する星の貌。
「木星の衛星、イオね?」
「ロケットは、メテオにぶつかってバラッバラでぃ」
「作れば良いのよ」
「シエラよぅ。簡単に云うない」
「じゃ、部品を捜してみたらいいじゃない」
「……」
「手伝うわよ。シド」

 小さな、魔王も勇者も居ない旅が始まった。
或る部品はエアリスの生家に。或る物は崩落したミッドガルの地下に。
大半の機材は、ギ族の洞窟の隠し通路から見つかった。
そして──

131:発光(3)白 ◆KEY/rAMfMQ
03/04/10 00:26 fKBPSxiV
 夜気の中、潜水艇のハッチが開く。
「ふう。──ん?ありゃあなんだ?」
凪いだ海面を、白く大きな巻貝が滑る。
「アルゴス…ね。蛸船の揺り籠よ」
「って、タコかよ!」

 太古の冒険者達を乗せ、黄金の羊と云う光冠を求めた船。
殻を脱ぎ捨て、擬態の達人となる事で、今も賑やかな蛸達。
遠い昔に、大繁栄したアンモナイトの子孫。
その証は、紙のオウムガイの半透明の揺籠にも、残されている。
「この辺りに落ちた筈なの」
「……なぁ、シエラ」
なぁに?と、朗らかに答えるシエラの首を、シドの唇が吸う。
赤褐色の結い髪を解き、逆さに梳き上げ、囁く。
「有難う、な」
シエラの腕が、柔らかくシドの頬を包み
            ガターン!
とゆう音と共に、パーティメンバー全員が転がり落ちて来た。
「やっぱりこうなんのかぁ。…なんでぃ!てめぇらぁ!」
「興味ないんだが!…ウプッ。いや、手伝わせて欲しいんだ、シド」
クラウドを追い掛け、シドの鎗が月光に反射する。
喧しい程賑やかに、潜水艇が潜行してゆく。

 かつてエアリスが植えた花が、魔晄の泉水に運ばれ
崩壊したミッドガルに広がり、芽吹く。
建造中の街に、老人が辿り着き、花を撫でる。
遠い昔、ロケットに押し潰された傷を抱えながら。

132:affection 16 ◆ane/8MtRLQ
03/04/10 21:33 JyiQaeYf
■ ■ ■

「セルフィ……。無理に明るく振舞ってる」
キスティスはブリッジを出て行くセルフィの背中を見送ってつぶやいた。
「サイファー、雷神、風神……。ちょっと前まで、このガーデンにいたのよね……」
キスティスの言葉はわずかに湿り気を帯びていた。
ニーダのおかげでガーデンが移動可能になった後、まず最初に行った場所はバラムだった。
ガーデンが制御不能だった時、街の手前で無理やり海へと方向転換したものの、被害が出なかったとは言い切れない。
何よりバラムは軍を保有しているものの小規模で、ガーデンが創立されて以降、学園の運営協力の代わりに
出兵依頼の優先権を獲得してそれに依存しているのが現状だ。
ガルバディアが侵攻してきた場合、自衛できない可能性が高い。
果たして、様子を見に行ったバラムはガルバディア軍に占領されていた。
なんとか潜入し、司令官と指揮官に対面してみるとそれは風神と雷神だった。
二人は魔女の騎士となったサイファーを認め、協力するのだという。
仲間だから全てを肯定し、助けるのだという。
予想していない訳ではなかったが、ひどく苦い思いが残った。
二人の主張は立場の違いをのぞけばセルフィ達がスコールに言った事と同じ事だ。
ガーデンでは戦いの理由はは善悪ではなく、それぞれの立場の違いから起こると教えられる。
だから敵と味方も良いか悪いかではなく置かれた立場による物で状況の流れでどうにもなってしまう。
それは特別な事ではない。
傭兵はクライアントに従う。憎いとか許せないとかいう自分の感情では戦わないのだ。
ガーデンを出た後で状況によっては卒業生同士が敵対する事だってある。
それは決して特殊な事ではない。感情を挟めば、死ぬのは自分なのだ。
それなのに自分はひどく動揺してしまっている。
指揮官としては褒められた事ではなかった。
だからスコールは元教官であるキスティスの言葉にどこか安心した。
揺らいでいるのは自分だけではないと。

133:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/10 21:34 EhZa4hQn
サイ風書きたいのだが、、、。なにぶん文章能力が無いのとベンキョが忙しいのとでもうだめぽです。ウワアアアン
あと二年くらい、、、人に塗られて出直して来ます。

むしろどなたかサイ風キボ、、、ン、、、。

134:affection 17 ◆ane/8MtRLQ
03/04/10 21:35 JyiQaeYf
「どうする?セルフィのリクエストに答える?」
シュウの質問で、スコールは本題に戻った。
バラムをガルバディアから開放したのはいいが、特に進むべき場所がどこかは決まらないままだった。
補給の問題もあるので報告を兼ねてスコールがブリッジにいるとセルフィが現れたのだ。
そしてもし目的地が決まっていないならトラビアの様子を見に行ってはどうかと尋ねられた。
SeeD試験に合わせて転校するまでセルフィはトラビアガーデンの生徒だった。
気になるのは当然だろう。
魔女とガーデンの繋がりを考えればそう筋違いの行き先でもなかった。
「ああ。トラビアに向かう」
スコールはニーダに行き先を告げた。

トラビアガーデンの惨状は予想はしていたがひどい物だった。
正直に言って建物の破損状況からすると生存者がいる方が不思議なくらいだった。
ガーデンという名を冠するだけに軍事訓練を受けている人間が殆どなので変事に気付いて
それなりに対応していたのだろう。
それでも魔女やガルバディアの気配がないのが救いだった。
セルフィはガーデン中を駆け回って皆を元気づけていた。
バラムガーデンの目的としては外れだったがセルフィの様子を思えばここに来た事は無駄ではなかった。
スコール達はセルフィの気が済むまでバスケットコートで待つ事にした。
トラビアの空はうっすらと曇っていた。
晴天の方が珍しい土地なのだと習った覚えがある。

135:affection 18 ◆ane/8MtRLQ
03/04/10 21:36 JyiQaeYf
「セルフィはここで育ったのかぁ……」
アーヴァインが空を見上げてつぶやいた。
遠い目だった。
スコールの視線に気付いたアーヴァインが振り返る。
ほんの一瞬だけ、スコールの胸がうずいた。
スコールはそれが罪悪感だという事に気付かなかった。
アーヴァインが意味ありげに笑う。
「なんだ?」
居心地の悪さをごまかしてスコールは尋ねた。
「別に」
アーヴァインは腕を組んで一人でうなずいた。
「セルフィが頼りにできるような、男のよゆ~ってやつを身に付けなくっちゃ!」
スコールは胸のうちを見透かされたような、かすかな不快感を感じた。
気配に気付いて顔を上げるとコートの向こうからセルフィが駆けてくる。

そしてその日、アーヴァインは心に閉じていた全てを、語りだした。


■ ■ ■

季節外れの雪は夜までわずかに降っては思い出したように降るのを繰り返した。
「きれいやなぁ……」
まるでアーモンドの花みたいだった。
夜になって皆が寝静まった後でセルフィは一人でバスケットコートに戻った。
トラビアガーデンはバスケットが盛んで転校前はセルフィもチームを組んで校内戦に出ていた。
バラムガーデンは飲料水の補給のためにトラビアガーデンから少し離れた場所に停泊している。
本当はバラムガーデンの生徒たちが補給の間だけでもと協力を申し出たがトラビア側は断った。
バラムガーデンの生徒が攻撃に関与しているという噂を掴んだせいもあるが彼らなりのプライドと遠慮も
あるのだろうとスコールは彼らの意見を尊重した。
せめてその間だけでも、というキスティスの勧めでセルフィはトラビアガーデンに残らせて貰った。
夜半には補給が完了する予定なのであらかじめ決めておいた時間には迎えが来る事になっている。
一人になると寒さと共にじんわりと現実が心に染み込んでくる。

136:affection 19 ◆ane/8MtRLQ
03/04/10 21:37 JyiQaeYf
ミサイルの威力を考えると人的被害は予想よりいくらかましなレベルではあった。
けれど、やはりたくさんの友人が死んだ。
それなのに涙は一滴もこぼれなかった。
とにかく、生きている皆を助けよう。
そう決めたはずだった。
「嘘ばっかり」
セルフィは自分に対してつぶやいた。
ミサイル基地から生還してバラムガーデンが無事と知った次の瞬間から気を抜くと浮かんだのはここの惨状だった。
みんなと約束したから、と自分に言い聞かせながらバンドのステージを用意した。
でも、本当は立ち止まったら泣きそうだから。
トラビアにミサイル攻撃があったなんて嘘だって誰かに言ってもらいたくなるから。
皆がバラムで戦っている間、一人になって脳裏に浮かぶのは、過去の思い出ばかりだった。
死んでしまった友達との、懐かしい日々の影がこのガーデンのあちこちに転がっていた。
皆の仇を討つために魔女と戦うって決めた。
たとえ相手がママ先生でも。あたしは今、ママ先生と戦うべき立場にいるのだから。
それがSeeDだから。
そして結果として自分の記憶をG.F.に食い破られるとしても。
優しい、暖かい思い出を失ったとしても。
それが生き残った自分のやるべき事だと思うから。
記憶は失うわけじゃない。思い出せなくなるだけだ。
だから日記を書いて、皆と話して思い出せるきっかけをたくさん作ればいい。
でも、スコールとのキスは?
セルフィの中の悪魔がささやく。
あの思い出は誰とも語れない。記録に綴る事だってできない。
だって、自分で無かった事にするって決めた事だから。
腕の中の温かさや、あの時聞いた言葉の全て、いずれ瑣末な日常の出来事と一緒に記憶の欠片になって
思い出せなくなるだろう。
セルフィの瞳から、初めて涙がこぼれた。

137:affection 20 ◆ane/8MtRLQ
03/04/10 21:38 nBQdfFHE
人でなし。
セルフィの中で、誰かの声がしたような気がした。
友達を失っても泣かなかったくせに過ちを犯した事を思い出して泣くなんて。
「ごめんな……」
殆ど消え入る寸前の声でセルフィはわびた。
「きっと、あと、ほんのちょっとの間だけやから……」
いずれ今日の雪のように消えてしまう思い出。
自分と、そしてスコールからも。
そしてセルフィは自分の心の中に耳を澄ます。
聞こえてくるのは波の音。鉄塔にぶつかってガラスの粒のように弾けて消える、オルゴールのようなあの音。
月の明るい夜の下、振り返るスコールの顔。
『セルフィ』
指揮官ではないスコールの声。
『どうしてここに?』
あの時、夜の中にあたし達二人しかいなかった。
何も望まない代わりに心の中の箱にしまっておくつもりの思い出だった。
これはきっと罰だ。
トラビアの皆が苦しんでいる時、笑っていたあたしへの、罰。


138:affection 21 ◆ane/8MtRLQ
03/04/10 21:41 nBQdfFHE
セルフィは涙をぬぐった。
腕時計のアラームが鳴った。定時だ。迎えが来る。
セルフィはもう一度コートを見回した。
雪はとっくに止んで、消えていた。
「またね」
コートのすみっこの思い出の影にセルフィは手を振る。

ガーデンの入口に、車が止まっていた。
「セルフィ、こっち」
アーヴァインが手を振っている。
「ごめん、待たせた?」
アーヴァインは首を振る。
「補給が少し早く終わりそうなんで、早めに迎えに出たんだ」
「本当に?ありがとう」
セルフィは車に乗り込む。
「疲れたんじゃない?そんな顔してる」
アーヴァインが尋ねる。セルフィは苦笑する。
もしかしたら、という淡い期待が胸にちくんと棘を刺す。
「ガーデンはどこらへんに行ったの?」
「ここから一時間弱ってとこかな?けっこうあったよ」
セルフィはトラビアの地理を思い出す。
距離的には昔野外訓練に行った湖のあたりの気がした。
「道、大丈夫?」
「ま~かせなさい!」
アーヴァインの明るい声につられてセルフィは思わず笑った。


139:affection 22 ◆ane/8MtRLQ
03/04/10 21:42 nBQdfFHE
「あ、やっと元気になった」
アーヴァインがほっとしたように言った。
「スコールに頼まれたんだ」
意外な名前にセルフィはどきりとする。
「何を?」
「こんな状態だからさ、セルフィはきっと疲れてるだろうって。そんな状態でもスコールが相手だとセルフィは
気を使っていろいろ話したりしようとするだろうから僕が言った方がセルフィが気楽なんじゃないかって。
スコール、なかなかわかってるよね~」
「本当だね……」
セルフィは胸が暖かくなるのを感じた。
目の奥がじんとする。
スコールは優しい。たとえあたしが特別な女の子じゃなくても。それで十分。
「ごめん、アービン、ちょっと疲れたから寝てもいい?」
「いいよ」
アーヴァインは前を向いたまま答えた。
「道がわからなくなったら起こしてね」
セルフィは腕で目を覆った。
「おやすみ、セフィ」
アーヴァインの声に安心して、セルフィは眠りについた。

End

140:姐 ◆ane/8MtRLQ
03/04/10 21:49 nBQdfFHE
は~、やっと終わりました。
別スレで違うカップリングで書いてるのでご存知の方が
混乱しないように覆面かぶってましたがここも保管されてる
みたいなんで名乗っておきます。

別カプの話で行き詰ってるのと友達から少女漫画借りて
一気読みしたためコテコテの少女漫画風味が書きたくなって
思わず書いたのがこれでした。
最初短かったんですが萌えてくださる方がいたみたいなんで
こってりめに書き足ししつつ投稿しました。

感想下さった方、ありがとうございました。
後ほどまた参ります。


141:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/10 22:09 DCClnPVD
もつかれですた

142:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/10 22:21 fKBPSxiV
姐様、乙華麗様でした!エンディングの余韻が至福です。

>>133
だ、ダイジョブですか?133さんの勉強は大切なので
優先して頂きたいですが…。
133さんの一番好きなサイ風は、133さんの中にしか無いでつ。
他の方のサイ風を期待sageしつつ
133さんのお話をマターリ読める迄、何年でもお待ちします。

143:133
03/04/10 22:32 0M+RLUVV
うぐぉ割り込んでしまた。ゴメンナサイ
私=>>29なわけなんですけどね。がんがりまつ。
スコセル、萌えますた。少女漫画風味イイ!

144:砂漠の王と風の覇者22
03/04/10 23:30 5V+A5lIY
「……やはり若い男の方がいいかな?」
「なっ……何言ってるんだってば!」
 しかしセッツァーとは全く異なる反応に、逆にリルムが狼狽える。それを面白くて
仕方ないと言った様子でエドガーは見守る。
 笑顔を絶やさずに優しい瞳を向けながら、けれども真剣な口調でエドガーは告げた。
「リルム。私とマッシュを信じられるかい?」
「え?」
 最初、リルムは聞かれている事の意味が分からなかった。黙って前方を見つめている
エドガーの視線を追う。その先には、迫りくる飛空艇ファルコンの姿。
 さらに目を凝らして見れば、船の下に揺れる小さな影―マッシュだ。
「マッシュなら大丈夫さ。君一人ぐらい何ともないだろう」
「あ?」
 そう言うと、エドガーは両腕でリルムの身体を持ち上げる。前方に見えていた
小さな影が徐々に大きくなり、やがて手を伸ばすマッシュの輪郭もはっきりと見
えてきた。
「―また会おう」
「っ!?」
 異を唱える間もなく、リルムの身体はエドガーの手を離れ一瞬だけ宙に舞った。

145:砂漠の王と風の覇者23
03/04/10 23:31 5V+A5lIY
 次の瞬間、しっかりとマッシュの腕が彼女を捉えていた。
「大丈夫かい?」
「…………」
 マッシュの問いにただ頷いただけで、リルムの視線は塔の上に残された男に向
けられたままだった。
「バカだよ! ……ホントにどーしよーも無いぐらいのバカだ……」
 絞り出すような声でリルムは呟いた。わき起こる失意と後悔の念に、小さな体
が押し潰されそうな錯覚さえ感じるほど。
 今になってようやく、塔の上での不可解な行動の意味が分かった―あれは全
て計算し尽くされた行動。初めからエドガーは、リルムを塔から脱出させるつも
りだったのだ―自分に向けられた柔らかな笑顔と、最後の言葉の持つ意味が胸
を締め付ける。
「兄貴の事なら心配ないさ」
 そんな彼女の心中を察したマッシュは、笑顔で言い切った。
「……うん」
 操縦士セッツァーの腕と、マッシュの事を信用していないと言うわけではない。
 ただ。
「やっぱり、魔法が無くちゃ足手まといだったね」
 悔しいけれど、それが現実だった。
「…………」
 マッシュからの合図を確認すると、セッツァーは飛空艇を大きく左に旋回させ
て一旦その場から離れた。体勢を立て直しつつリルムを甲板へ収容すると、再び
炎の海へ船を向けた。
「リルム、中へ……」
 不安定に揺さぶられる舵を取りながら、セッツァーは口にしかけた言葉を呑み
込むと、強い口調で言い放った。
「このまま突っ込むぞ! 吹っ飛ばされたくなかったらその辺に掴まってろ」

146:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/10 23:34 5V+A5lIY
この後、しばらくはエドガー視点で話が進みます。(リルムの見せ場はもうちょい先…)
どうかご了承下さいませ。

>>121
FFTって(・∀・)イイ!キャラ多いよなー。漏れも6知る前まではFFTネタ色々
考えていたクチなもんで…。
便乗で漏れもキボンヌ。特にムスタディオとメリアドールの話を!!(少数派?)
(余談:イズルードも(・∀・)イイ!んだが、メリアドールと姉弟だったんだよな……)
他にもウィーグラフとかバルマウフラとかオーランとか……魅力的なキャラ多いし。

>>133
自分が今一番優先させる事を優先させて下さい……とはいえ、142さんの仰るとおり、
自分の中にある萌の形は自分が一番良く表現できる物だから、いつかうpキボンヌ!
……かく言う漏れも、今は研修中。(ここ来てる場合なのかと小一時間。略)
息抜きにはなると思う……うん。

>>発光
都市再建に奔走するリーブ。再び宇宙を夢見るシド。
シド以上に根性座ってるシエラ。……(・∀・)イイ! どれも漏れのツボっていうか
抱いてるイメージに合っててヨカタ!!(そして覗き見部隊も。w)

>>affection(スコセル)
ゲーム中の場面が思い返される感じで(・∀・)イイ! 実際にはそんな出来事はなかった
筈なのに、スコセル全然違和感なく、寧ろ本編と上手く合わせて読んでいけるのが良かった~。
漏れは特に、FF8本編中でも出てきたG.F.使用による記憶障害という副作用。その回避策と
セルフィの前向きな考え方(日記の真相>>136-137)辺りが切なくて良かった……。
乙ですた!

147:姐 ◆ane/8MtRLQ
03/04/11 00:22 DSa0+9Vj
今読み返すとメモ帳からコピペする時に重複してるとこありますね(汗
誤植はいつも事なんですが(大汗
本当は15と16の間にバラム封鎖のエピソードが入るんですが
スコセルには関係無いのでカットした関係でちと消化不良です。
記憶喪失の話とかもきちんと書きたかったんですがすごく長くなるので。

サロンシップ様
画像付きでイメージが膨らみます。シドがすごくセクシー。(;´Д`)ハァハァ
アルゴス、親戚の家にありますた。きれいですよね。
やはり覗きがキタワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・* !!!!!

>>133
いえいえ、おかげでレス1個たくさん書き込めましたので。
ぜひがんばって下さい。お待ちしてますので。

>>146
毎回読み込んだ感想ありがとうございます。
一応スコキス作家という事になっているのですが、それでもこのスコセル話は
あった事として組み入れる事ができるのではという疑問から生まれました。
今日もエドガー(・∀・)イイ!

そして感想くださったたくさんの方、ありがとうございました。

148:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/11 00:36 L+CRQ2O4
このスレの小説全てに萌える。

149:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/11 16:58 ffCV0Jq1
職人さんは神様だ
エロじゃないけど(*´Д`)イ…イイッ!

150:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/11 20:18 MvWATMjt
リュック×ギップルかいてください。だれか

151:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/11 20:30 1b8Zcd9x
リュック攻めかい

152:白 ◆KEY/rAMfMQ
03/04/11 20:48 DiprR/Yw
>>29さんの可愛くて爽やかなお話、大好きです!
…Σハッ!!もしや勉強って…!
風神「因風神是SAIFA的朋友、 他他是急切的!」(偽中国語スマソ)
雷神「ナニ云ってるか判らないもんよ…」
風神「勉強汁」

姐さま
スコールやキスティスは、無感情にサイファーと闘ってる訳では無い。
…そうですよね。何だかホッとして、でも余計悲しいでありました。
セルフィも苦しい中ガンガってたのでつね。。。( *´Д⊂ヽ エエ話ヤ…
優しいアーヴァインに、熱く激しく萌えますたです!

エドリルさま
エドガーもセッツアーもマッシュもカコ良いであります!
良い男っぷりに (*´Д`)/lァ/lァ
リルムを守ろうとしたエドガーに萌え萌えであります。
お忙しいようですが、お体にだけは負担の無いよう応援してまつ。

153:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/11 20:57 zvN4ymU+
俺パフェさんのHPがおすすめだな

154:姐 ◆ane/8MtRLQ
03/04/11 21:33 JLEALkYj
>>150 
※凡例
その日も疲れ果てたギップルは寝室のベッドにようやく辿り着くと考える間もなく眠りについた。
どれくらい眠ったのだろう。
圧迫感を感じてうっすら目を開くと、リュックがいた。
「ギップル~♥」
「うわっ!なんだよシドの娘!何してんだお前!」
あわてて起き上がり、ベッド脇の照明に手を伸ばす。
「あ~、何だとはヒドイ。せーっかくアタシが来てあげたのにさ~」
そこでギップルが見たのは、肌も露な姿のリュックだった。
概してアルベドの服装は露出が多いが、リュックの今の服は薄い布で作られた、世間で言う「勝負下着」に近いものだった。
「それに『シドの娘』じやなくてリュックって呼べ~」
ぷうっとふくれるリュックはなかなかに可愛らしいが、状況としてはかなり異常だ。
「わ…悪かった、リュック。謝るから、自分の部屋に戻ってくれ」
ギップルとしては『アニキの妹』というくらいしか意識していないリュックの突然の行動に面食らい、頭が真っ白だった。
「やだ」
リュックはぷいと横を向く。
「やだって、お前」
「ギップルがアタシの事恋人にしてくれるまで帰らないもん」
「こ・・・恋人ってどういう」
ギップルがぱくぱくと口を動かすとリュックはふん、と鼻を鳴らす。
「女の子が夜中に男の子の部屋にこーんな格好でいるんだよ? する事なんて一つじゃん」
数秒後、言葉の意味を理解したギップルは真っ赤になって絶叫した。
「モ・・・モレミニヤネオツヌレダ、ハシミッセウンガ~!!!!」
そういう所で、ギップルは案外古風な男だった(藁

リュック×ギップルってこういうことですぜ?
つか何書いてんだアタシ(藁

155:姐 ◆ane/8MtRLQ
03/04/11 21:41 YEDREDPK
ちなみに
「モ・・・モレミニヤネオツヌレダ、ハシミッセウンガ~!!!!」

「よ…嫁入り前の娘が、何言ってんだ~!!!!」
で、ございます。

156:砂漠の王と風の覇者24
03/04/11 23:13 WfWvJLRL


 一人塔に残ったエドガーは、何とかこの炎を鎮火させる方法を考えていた。
できれば延焼は少ない方が良い。最悪でもこの城の地下機関部だけは、
なんとか火の手を免れて欲しかった。
「こんな時、魔法があれば便利なんだがな……そう言う訳にもいかないか」
 ケフカと三闘神を葬り去った世界―それは自分たちが望んだ平和であり、手
にした結果―もちろん、それを後悔しているのではない。
 しかし、この猛火のただ中に一人身を置いて、成す統べなく炎に包まれる城を
見ていれば、そんな希望を呟きたくなるのも仕方がない。
「虫のいい事を言うものだな、エドガーよ」
 炎が迫る中、背後から聞こえてきたのは先ほどの兵士の声。それはどこか満足気な
ものを含んでいる様だった。
 エドガーはさして驚いた様子もみせず、男の方を向いて尋ねた。
「なぜここへ来た? 急がないと君も崩落に巻き込まれるだろうに」
「それはお互い様だろ? ……まぁ、焼け死ぬ前に俺が殺してやるがな」
 二人の立つ塔の直下で燃え盛る炎の光を映し出し、臙脂色の光をたたえた剣
を再びエドガーに向けながら、男は笑った。
 抵抗の素振りは示さないが、エドガーは彼を正面から見据えたまま静かに問う。
「リルムは君を『帝国兵の生き残り』と言っていたが……本当は違うな。いや、
寧ろもっと身近な人間……そう、たとえば王族の誰かだろう?」
「…………」
 ほんの少しだけ、剣を持つ男の手が震えた。
 構わずにエドガーは先を続ける。
「城にこれだけ被害を及ぼし、私達の退路を断つべくうまく仕掛けられた爆薬の
事を考えれば、城の内部構造に詳しい者だろうとは……すぐに察しがつくさ」
 フィガロ城稼働のシステムは門外不出の最高機密である。城の機関部分に精通
しているのは、一部の技術者か王族の関係者だけだった。
 それに、王族の人間ならば反乱を起こす動機は十分にあるとも思ったからだ。
既存の体制を変えようとするとき、多かれ少なかれ必ず内部からの抵抗が起きる。
それはどんな世界でも同じだ。

157:砂漠の王と風の覇者25
03/04/11 23:16 WfWvJLRL
「これが君の望んだ姿か? 私利私欲に走った末路がこの惨状だ」
 男を責めるわけでもなく、ただエドガーは淡々と句を繋ぐ。
「私利私欲? ……それは違うな、『理想』だよ。私と君とではその形が違うだ
けだ」
「…………」
 何も言わず依然として男を見据えるエドガーの胸中に、けれどやり場のない感
情がこみ上げてくる。自らの理想である『秩序のある国づくり』は安易な事では
ないと、そしてそれに反発する者も出てくる事も、全て承知しているはずだった
のに……。
 それでも拭いきれない感情が、確かにあった。
「さあ武器を取れ。でないとお前はこの場で私に斬り殺される事になる」
 刹那、二人の間を熱風が横切った。
「……言ったはずです。私一人殺してたところで何も変わりはしない、と。王の
代わりはいくらでもいるし、以前の帝国のような支配体制に戻りたいと願う民は
多くない。この流れは誰にも止められない」
 剣を突き付けられても、エドガーは武器を取るどころか防御すらもしなかった。
焦りや恐怖心で身動きできないのではなく、逆に余裕さえ感じられる口振りだ。
「それを、あなた自身分かっていた。だからこんな方法を選んだのではないか?」
 男の行動は、自らの身を危険に晒してまで王の命を狙うという最大の抵抗。
 失敗した時はもちろん、たとえ成功しても自分が還る場所のない選択だった。
「……ふん。全てお見通しという訳か」
 エドガーの放つ鋭い指摘は、言葉それ自体が武器となって男を追い詰めていた。
観念したと言う代わりに、男は剣を構え直すと冷淡とも思える口調で告げた。
「地獄で会おう」
「そうはいかないさ」
 対照的に、エドガーは僅かな笑みを浮かべながら言葉を返す。
「そうか。では私を殺し、ここから無事に脱出するのだな!」

158:砂漠の王と風の覇者26
03/04/11 23:16 WfWvJLRL
「どこまで行ってもお互い、平行線のままなのか……?」
 諦めと嘆きを含んだ複雑な声を漏らし、エドガーは静かに槍を構えた。
 火の手はもうすぐ後ろまで迫っている―残された猶予はない。それは即ち、
“迷い”が死に直結していると言う事を意味する。
「……だが忘れないで欲しい……お前も、フィガロの民であるという事を」
 だが、彼には捨てきれない思いがある。どうしても、どんな状況におかれても
捨てきれない物をたくさん抱えていた。


「ギャンブルでも女でも、多くを求めすぎると自滅するもんだ」


 セッツァーが以前言っていた、そんな言葉をふと思い出して苦笑する。
 それまで、男の前で決して見せなかった穏やかな表情を浮かべながら、エドガー
は呟いた。
「私はフィガロを愛している。……その為に、この身が滅びると言うなら本望だ」

159:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/11 23:28 WfWvJLRL
FF10-2やりたいよ~。でも金と時間がねぇYO!!

>>154
ギップルって誰でつか?・゚・(ノД`)・゚・(……10-2?)
それにしても、アルベド語ってこういう所に出てくると新鮮な感じがするなぁ。
(ネタとして使えそう……いやなんとなく。w)


ところで、このスレにFF6のマニアックな(実際にはそれ程マニアックではないけれど)
アイテムネタ書いても(・∀・)イイ!って人はいませんか?
『血塗られた盾』って結構面白いシチュエーション作れないかな~? とか妄想して
みたんですが。(これなら辛うじてエドリルでもエロ展開あり得るかな? なんて…)
血塗られた盾ですよ、血塗られた盾。
(参照)
『血塗られた盾』:これを装備した状態で255回戦闘に勝つと『英雄の盾』に変化する。
         『英雄の盾』は最高の防御力を誇り、属性防御・吸収と
         その名に相応しい高性能の盾。アルテマ習得も可能。但し装備車は
         混乱・バーザク・死の宣告など様々なステータス異常に陥り、各能力値
         も低下するという、全く使えない防具。リボン装備以外でのステータス異常回避は不可。

スマンカッタ。

160:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/11 23:43 loh5GsTw
乙ですた。
ハラハラする展開でどきどきでつ。
ラストのセッツァーのセリフがカコイイ!

161:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/12 00:08 CbtvKcvw
うわぁエドガーカコ良いv(;´Д`)ハァハァ 
…そして激しくピンチ!でつね。

ギップルって誰?は、公式サイトで設定や声が分りまつ。
うろたえるギップル…も、萌え~!
URLリンク(www.playonline.com)

162:姐 ◆ane/8MtRLQ
03/04/12 02:50 u9uwp1zk
なんか寝れなかったので続き書いてみますた。

「うちのオヤジみたいな事言うな~」
リュックはぴっ!と人差し指を立ててギップルの鼻先を突付いた。
「だいたい、ヘンだよ。なんでみんなアタシにばっかりそ~いう事言う訳?」
「そっ……そりゃあ、お前……」
ギップルは回らない頭で必死に言葉を探す。
そうなのだ。
アルベド族は15才前後から、労働力として役に立つとみなされた時点で一人前として扱う。
迫害を受けて一族内での結束が固い事もあるが恋愛に関しては開放的で比較的早熟だ。
ギップル自身、少年期に好奇心から年上の女性と付きあった(あるいは遊ばれた?)経験がある。
しかし、自分より年下の少女、中でもリュックはちょっと特別だった。
自分の経験から、あまり年若い女の子が好奇心だけで男と付き合うのはできれば避けさせたかった。
男女間でのトラブルで負うリスクはどうしても女の子の方が高いのだ。
リュックは因習や既成概念に囚われる事のない思考の持ち主で、一族の大人達からも一目置かれていた。
シドの娘だからというより、リュック本人の資質はアルベドにとっての宝なのだ。
しかしその性格は、裏を返せば向こう見ずな上に無防備という欠点ともなる。
リュックが伸びやかな心を失わずに育つよう、周囲の人間達は常に心を砕いて守ってきた。
アルベドでも三本の指に入るといわれた美人だった母に似た容姿を持つリュックは、いろいろな意味で
同世代の少年から遠巻きに眺められている存在なのだ。
「だいたいさぁ~、ギップルもマキナ派のリーダーなんだから、も~ちょっと自分の身辺に気を配ったら~?」


163:姐 ◆ane/8MtRLQ
03/04/12 02:51 u9uwp1zk
ギップルの考えがまとまらない内に、リュックは次の問題を提起する。
そこで初めてギップルは不自然な点に気付いた。
「お前……どうやってこの部屋に入った?」
「ん?ドアから」
「鍵がかかってただろ?」
「あ~んなの、ちょいちょいってやったらす~ぐ開いたよ」
ギップルは絶句する。
それなりの立場にいるために不穏な客が来る事もあるので寝室の鍵は色々工夫して現時点で不法侵入はまず無理という、
最新式の物を使っている。マキナ派のメンバーの自信作だった。
目が覚めたら美少女が夜這いに来ていたなんていう、普通の男ならラッキーとしか言えない状況なのだが
ギップルは色んな意味で頭痛がしてきた。
「シ……じゃない、リュック」
とにかく部屋に返さなければ、とギップルは説得を試みる事にした。
「な~によう」
「頼むから、部屋に帰ってくれないか。話は明日ちゃんと聞くから」
平静を装って頼んだもののリュックは口をきゅっとへの字に結んでギップルを見た後、冷たく言った。
「イヤ」
リュックがずいっ、と体ごと前に出る。顔と顔がぶつかりそうな所まで接近した。
いつもはターバンで結い上げた髪をまとめているが、今夜のリュックは髪を下ろしている。
のしかかられたギップルの肩や腕にさらさらとリュックの髪が触れる。
「どうしてもって言うなら、キスしてくれたら帰る」
そんな事したらどういう展開になるかわかってるのか、とギップルは叫びたくなった。
「……お前、酒飲んでるのか!?」
「悪い?」
リュックからかすかにアルコールの匂いがしていた。
「考えてもみてよぅ~。女の子が夜中に男の子の部屋にこ~んなカッコで、あ~んな理由で来るなんて
素面で出来るわけないじゃん。乙女心がわかんないやつぅ~」
そのわかんないやつに迫っているのはお前だと突っ込みたい気持ちを抑えてギップルはその話題から離れようとした。
「そうか。で、どんだけ飲んだんだ?」
「いっぱい」

164:姐 ◆ane/8MtRLQ
03/04/12 02:52 u9uwp1zk
グラス一杯にしてはまわりが良すぎる。
「たくさん、て事か?」
ギップルの質問にリュックは首をぶんぶんと振る。
「一杯だけ。カップに一杯」
「何飲んだんだ?」
「んとね、野いちごのお酒。このあいだルチル隊長にミヘン名物ですってもらったの~」
その答えにギップルの顔から血の気が引いた。
「おい!お前が飲んだの「貴婦人」と「騎士」どっちだ!」
「え~?」
「色だ!ピンクと赤!どっちの色だった!」
「ん~と、ピンク……」
ギップルは絶句した。
ミヘンの旅行公司でも扱っているが野いちご酒には2種類ある。
まず色が赤いのが「騎士」で、ミヘン街道の野いちごを使って作るワイン。
黒いちごを混ぜて作るので少し渋みがあるが、さほど度数は強くない。
そしてピンクは「貴婦人」と呼ばれ、野いちごをアルコール度数の高い酒に漬けて作る。
基本的に貴婦人は小さなリキュールグラスで供される。
なぜなら優雅な名前と甘い飲み口とは裏腹にアルコール度数がとても高いため、酒に弱い人間が
ビアカップ1杯くらいの量を一気に飲むと大抵アルコール中毒になるからだ。
ギップルが知る限りリュックは酒があまり得意でなかったはずだ。


165:姐 ◆ane/8MtRLQ
03/04/12 02:59 u9uwp1zk
「大丈夫なのか!?」
血相を変えたギップルの質問にリュックはきょとんとしたように首を傾げた。
「何が?」
「その……気持ち悪いとか、寒気がするとか」
「……ん~……ちょっと……眠いかも」
リュックの目がとろん、としていかにも眠たげになっていた。
「あ……おい!」
突然、ぱたりという風にリュックが倒れた。
中毒か、とあせってリュックを抱えてみると寝息はごく安らかで熟睡しているようだった。
その一瞬はほっとしたものの、再びギップルは途方にくれた。
こんな格好のリュックを抱えてリュックの部屋に行く所を他人に見られたらどう考えてもいい逃れできない。
それに、酔いつぶれている可能性のある人間に対して絶対してはいけない事が一つある。
それは『絶対に一人にしない事』だった。
「こりゃあ、寝ずの番だな……」
ギップルは半ばぐったりしながらリュックを見た。その寝顔は子供みたいに安らかだった。
「……シドに見つかったら、殺されるな……」
また新しい頭痛の種に気付き、ギップルは再び額を押えた。


166:姐 ◆ane/8MtRLQ
03/04/12 03:11 OaFQfzPS
×→『絶対に一人にしない事』
○→『一人して放置する事』

かーっ、何書いてるんだよアタシ・・・。と思いつつ適当に書いてみますた。
中途半端ですがとりあえず以上。
スコールの話を書いてる途中に思いついて書いてみたのでギップルが
私の書くスコール風味に・・・。
リュックはリュックでセルフィ風味ですが。
Ⅹ-2はキャラ立てるの難しいっす。
ここのスレでは大人向きは書かない事にしてるので期待した方いたら謝ります。
正直すまんかったです(藁

167:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/12 12:07 p6NfVahx
確かにスコールぽい。
やっぱりリュックはアーロンだな。
正宗まで持ってたし。
102の続きが読みたいよ~

168:150
03/04/12 14:34 nxljSzSV
どうもありが㌧!まさか誰かかいてくれるなんておもいませんでした・・・。本当にありがとう。
リュック×ギップルでもギップル×リュックか深くかんがえてなかったけど・・・
どっちも萌えだYO!

169:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/12 21:22 YPmMF8Mc
あんま目立たないが良スレだな

170:砂漠の王と風の覇者27
03/04/13 00:12 B1cCJo7W
「私はフィガロを愛している。……その為に、この身が滅びると言うなら本望だ」
 口が裂けても弟の前では言えない、それが“国王”の秘めたる決意だった。

          ***

 飛空艇ファルコンの甲板に差し込む淡い月明かりの下に、二つの影が並ぶ。
「お前、もう少し肩の荷を降ろしたらどうだ?」
「……重荷を背負っているとは思っていないが」
 ケフカ打倒の為の旅を続けていたある日の深夜、寝付けずにいたエドガーは夜
風に当たろうと出向いた飛空艇の甲板で偶然セッツァーと会い、話し込んでいる
うちにそんな事を言われた。
「お前はそう思っていても、周りはそう思わねぇだろ」
「そんなものか?」
「ああ。俺がそう思ってる」
「セッツァーらしいな」
 飛空艇を操り自由に生きるこの男は、まるで風のようだとエドガーは感じてい
た。何者にも縛られる事なく自分の思うように振る舞う様は、砂漠の城主である
自分とは対極の存在とも思える。
 少なからず、セッツァーに対して憧憬の念を抱いていたのは確かだった。
「ふん。どうせ俺には自分が感じた事しか分かんねぇよ」
「それが君の魅力じゃないか?」
「男に言われても嬉しかねぇな」
 と、口振りは素っ気ないが穏やかな表情で笑っていた。
「……なぁエドガー。この戦いが終わったら……やっぱり国に戻るのか?」
「ああ」
 何の躊躇いも見せずにエドガーは即答した。一点の曇りもなく強い意志を秘め
た瞳は自信と威厳に満ちあふれ、それでいて優しい色をたたえている。若いなが
らも王者に相応しい貫禄を、すでに充分備えていた。
 そんな姿を見るにつけセッツァーもまた、エドガーが自分とは正反対の生き方
をする人間なのだろうと感じていたのだ。
「争いで血と涙を流す時代は終わらせなければならない。俺達がこの戦いで終止
符を打っても、それだけでは混乱が残るだけだ。私の夢は……その先にある」

171:砂漠の王と風の覇者28
03/04/13 00:16 B1cCJo7W
 秩序ある国を作ること。それが自分の夢であり、使命だとエドガーは言い切る。
国に縛られるのではない、自らそれを望み傾倒する彼の姿勢には圧倒される。
 しかも今、三闘神とケフカを敵前にしているにも関わらず、エドガーはその先
をも見越している。自分には到底マネできない芸当だとセッツァーは思うのだった。
「悪かった。この前の言葉は取り消す」
「……どうして謝るんだ?」
「『勿体ない』ってな、つい言っちまったけど……悪かった」
 それは以前、リルムの不意打ちサンダラにより倒れたエドガーを手当した時、
彼の表情に何か違和感を感じたセッツァーがかけた言葉だった。
「が。俺としちゃ本心だ。お前の機工の腕は並のモンじゃねぇ。飛空艇所有者
の俺が言ってるんだ間違いねぇ」
「何も謝る事はないじゃないか。……もし仮に、俺がフィガロの王位継承者では
なかったとしたら、その道を進もうと思っていた程さ」
 そんな風に語るエドガーの表情から王者の風格は消え失せ、今度は一転して少
年のような印象さえ感じた。彼が“機械文明の旗手”と異名をとる理由も分かる
気がする。
「だから……あの時のセッツァーの申し出、本当は嬉しかったんだ」
 照れたように顔を背けると、眼下に広がる広野を見やった。目に飛び込んでき
たのは延々と続く草原と、上空に広がる星空だけだった。
 その間を通って来た風が、僅かな冷気を伴い頬の横を通り過ぎる。
(……私は……強欲なのかも知れない。けれど、どれを捨てる事もできない)
「ありがとう」
 心の中で呟いた言葉は、風がどこかへ運び去って行くような気がして。

172:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/13 00:25 B1cCJo7W
>>158の最後の一行と>>170の最初の一行が重複していますが、スマソ。一行
付け加えたい部分があったもので……。

漏れ個人的にはエドガーとセッツァーも良いコンビだったんじゃないかな?
なんて思ったのですが……結果的にセッツァーは、エドガーとリルムの間に挟まれる位置に。(w

>>161
公式サイトに載っていたんですね! 見るとやりたくなるので暫く見ていなかったんですが、
……一番上になっていた「???」って人がチョット萌えな予感……。
・゚・(ノД`)・゚・
ありが㌧

173:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/13 21:16 3NwWQuKo
ここってエロは駄目なの?

174:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/13 21:18 WdWL4DW5
エロパロ板へ逝きなさい。但しあなたが21歳以上であればだが。

175:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/13 22:15 6QO/AEt6
>>173
俺としてはいいと思うんだが…
官スレはけされちゃうからなあ…
なんでこんなことになっちゃったんだろ……

176:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/13 22:36 CnTupBym
アー×リュの続き激しくキボンヌ!!(*´Д`)ハァハァ…

177:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/13 23:16 L+0lsQOp
>>176
この板最近規制厳しいからあれより先はピンク鯖じゃないとまずいと思うんだが。

178:砂漠の王と風の覇者29
03/04/13 23:29 c4zznxs8
 エドガーは再び向き直ると、いつもの穏やかな表情のままでそうとだけ言って、
何とはなしに頭上に広がる星星を仰ぎ見た。
 そんな様子を見て小さく溜息を吐いた後、セッツァーはこんな事を口にする。
「お前はギャンブラーにはなれねぇな」
「え?」
 三度セッツァーの方を向くが、彼の視線は手元のカードに向けられていた。
「ギャンブルでも女でも、多くを求めすぎると自滅するもんだ」
 両手で器用にカードを裁きながら、ひいて見ろと言う様にエドガーの前へ差し
出す。
「セッツァー?」
「俺の戯言だ」
「……ありがとう」
 言いながら、おもむろに差し出されたカードの中から一枚めくってみる。
「クラブのK……ねぇ」
 出たカードを見て、セッツァーが思わず苦笑したように笑った顔が、なぜか
強く印象に残っていた。

          ***

「私は、強欲なのかも知れない」
 あの日呑み込んだ言葉を今、炎が迫る塔の上でエドガーは口にした。
「秩序ある国をつくる事が国王としての私の使命。だがマシーナリーとしての夢
もある。……どれも捨てられない」
「身に余る欲は、破滅を招くぞ……ガストラ皇帝の様に」
 言葉は違っても、言わんとしている事はセッツァーと同じだった。
「そうかも知れない。だが、だからといって簡単に捨てられる思いじゃないさ。
無論それはフィガロも同じ。……女性も夢も、追いかけている方が楽しいものさ」
 まったくエドガーらしい講説だ。と、男は兜の下で呆れたように笑んだ。

179:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/13 23:35 c4zznxs8
そもそもエロの線引きって(特に文章だと)難しいと思うんだけどなぁ…。
削除の基準は削除人の判断だけしかないのかな?
(漏れ個人としては、描写文勉強のためにエロSS投下してくれる職人様を激しく期待)


FF10だったら、密かに萌えた旅行公司にいた男(リン?)の話をキボンヌ…。

180:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/13 23:49 WdWL4DW5
Hシーンがあればピンク鯖行きと思ってればいいんじゃない?

181:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/14 00:14 QiAmuGfP
>179
だから、エロパロ板行って好きなだけ読んで来ればいいと思うのだが。
それとも年齢制限に引っ掛かるのか。

182:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/14 00:19 R6NSmgUo
 今までの流れを御存知ない方もおられるようなので、官能小説スレが削除された理由について。

・「スレタイから内容がエロではないかと推測したスレは全て削除依頼」という人がいた
(この人は内容を見て依頼してるわけではないようだったので、内容がエロじゃないのも依頼してた)
・そもそもpink鯖以外でのエロ描写は削除対象というのが2ちゃんのお約束。
・ゆえに、削除依頼が出され、スレ内容を確認したた削除人さんが「これはエロですね」と感じたら削除されても仕方ない。
(ただし、削除人さんによって感じ方が違って当然なので、依頼されても生き残った事もあったんだけど、結局削除に)

 官能小説スレは、このお約束を理解した上で「でも地下でこっそりやるから見のがして」というスレだった、と。
今はpink鯖にFF小説スレがあるんで、エロはそっちに書く方向の方が安全でしょう。
 自分の作品のせいでスレあぼーんになったら悲しいじゃないでつか……。

183:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/14 00:59 vw4WDD52
具体的に「何を書いたらエロ」で「書かなければエロじゃない」ってのが、(絵と違って)
非常に曖昧だなと思ったんです。ついで、そう言う要素が話に深みを与えている作品
だってあるわけだし、乱暴な言い方ですが「ただやってる」だけの物とも違う気がする
んですが……いやね、こんな風な発言で、マターリ進行なSSスレの雰囲気を壊したくは
ないんですが、どうにも腑に落ちなかったもので。

 # その「深み」を理解するのに設けられたのが“年齢制限”って事なら納得…。

>>182
丁寧な解説を頂けて幸いです。
…そうですね、181でも書かれている通り、住み分けしろって事なんですね。

事情に精通している方達にとっては激しく既出な質問だった事をお詫びします。

184:182
03/04/14 01:55 R6NSmgUo
>>183
> 乱暴な言い方ですが「ただやってる」だけの物とも違う気がするんですが……

 自分もそう思いますが、そこで区切りを持って来るのは非常に論議を呼ぶだろうから
機械的にやっていく基準がないとキツイんだろうなと、諦めてます。

> 事情に精通している方達にとっては激しく既出な質問だった事をお詫びします。

 おそらくこの話題は今後も新たにこのスレを発見された方との間でループすると思い
ますから、気にされなくても…。



185:173
03/04/14 15:45 2zM2C28Z
なんか俺のせいで話が広がってるな……スマソ。

いや、自分まだ18歳なんでエロパロには逝けません。

186:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/14 22:43 ZnI4+p6o
・・・( ´_ゝ`)

187:砂漠の王と風の覇者30
03/04/14 23:53 /QqKKHe5
 二人を取り巻く空気が熱気を帯びてきた、いよいよ炎が背後にまで迫って来ている
事をそれが告げていた。
「私達と共にフィガロを……秩序のある国にするという夢を追うのは無理なのか?」
 ―どんな罪人でも、彼はフィガロの民である。出来ることなら二人でここを
出たい―今尚そんな思いを抱いているエドガーの、恐らくこれが最後の問いに
なるだろう。 
 僅かの希望を込めた問いだった。
「言ったはずだ、目指す地点が違うと」
 男はエドガーの申し出をはっきりと拒んだ。
 しかし、拒みながらも自らの敗北を悟ったように剣を降ろす。
「だがこれだけは覚えておけ。過去の過ちを忘れ欲に溺れる時、人々は同じ惨劇
を繰り返すだろう。……魔法が無くなったからといって、それに替わる脅威は
いくらでも在る。何かしらの形で抑止力は必要になるのだ!」
 男がそう叫んだ刹那、足下から突然火柱がわき起こり、たちまち全身が炎に包
まれた。熱風と閃光を遮るように右手で顔を庇いながら、エドガーはそれでも男
を炎の中から引きずり出そうと手を差し出した。
「そこまで言うならせいぜい足掻くがいい。そして……地獄で会おう」
「ま……っ!!」
 一瞬、隙間から覗いた男の口元には笑みが浮かんでいた。差し出されたエドガー
の手を思い切り振り払うと、男は崩れ落ちる塔の一部と共に炎の海へと没した。
「…………」
 ここが崩れかけた塔の上だと言う事を忘れ、エドガーはひと時の間、この男へ
―自分と同じようにフィガロを愛し、それ故に違う道を歩もうとした彼への敬意と
哀悼を込めて―祈りを捧げたのだった。



188:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/15 00:08 7ZR0UKrU
>>184
重ね重ね丁寧な返答をありが㌧。
なんていうか……難しいな。というのが正直な感想でつ。
ここではスレ違いになるDQ5や、FF6のディーンとカタリーナを題材にした場合、
避けては通れないんじゃないかな? とか思っていたりするもんで……
(描写を避ければ良いって事なんだろうけれど)

色んな規制のなかで物を作ってるのは、ゲーム本編の制作者達も同じなのかな?

って話逸れましたスマソ。

189:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/15 20:21 nPdWRbnh
18禁なシーンに突入したら、エロパロ板に書いてここからリンクはる。
で、その部分は見なくても話はわかるようにする(概略書くなりして)。
っていうのはだめ?

190:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/15 20:25 YurrER02
>>189
それでいいんじゃない?
そうやってもわかるように書く工夫する事で上達する事もあるだろうし。

191:砂漠の王と風の覇者31
03/04/16 01:26 y+1YmJ10
「兄貴ー!」
 頭上彼方から降り注いだ弟の声に、エドガーは我に返る。上空を見上げ一つ頷
くと、塔の先端まで歩きはじめた―リルムを救出した時と要領は同じだ。何も
難しいことではない―と、二人は考えていた。
 しかし。
「……!?」
 突然、エドガーの足下が波打つように揺れ、視界が大きく歪む。
 一方、上空のマッシュ達も下から吹き上げる強烈な熱風に煽られながら
辛うじて飛行を続けていたが、これでは今の体勢を保つことで精一杯だった。
 塔の完全な崩落が近い―地上と上空の三人は、それを悟った。
「兄貴!!」
「セッツァー!」
 マッシュとリルムの声がほぼ同時にこだまする。倒壊寸前の塔にいるエドガー
と、飛空艇の尾翼に炎が迫っていた。
「マッシュ!」
 もしもの時はこの場を離脱しろ。エドガーは飛空艇の弟やセッツァーに向けて
そう伝える―万が一、自分が地上に戻れなかった時のために。
「……セッツァー」
 リルムは塔に残されたエドガーと、操縦桿を握るセッツァーを交互に見やった。
今の自分には何もできない、そんな無力感に苛まれながら。
 振り返らずに、セッツァーはその声に応えた。
「―そう簡単に引き下がる訳にはいかないな。俺を誰だと思ってる?」
 彼らしい不適な笑みを浮かべると、リルムとマッシュに向けて言い放った。
「覚悟は良いな……突っ込むぞ!」
 これが最後のチャンスだろう。塔が崩れるのが早いか、飛空艇が炎に巻き込ま
れるのが早いか……。
 その前に、エドガーを助け出す。
「ファルコンよ。今一度、俺に付き合ってくれるか?」
 “世界最速の男”―風の覇者セッツァーと、それぞれの思いと命を懸けた、
真剣勝負だった。



192:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/16 01:45 y+1YmJ10
うっかり最後の二行がプロジェクトX風な事に気付いて鬱になりつつ…(w

>>189-190
了解でつ。
(そんな作品を書ける日が来たらそうします…って、チョット難しそうだ。w)
新たにこのスレに降臨される職人さんに、これをどう伝えれば良いのかと
少し不安もありますが。(タイトルだけ見るとエロ小説と銘打ってあるし…)

193:姐 ◆ane/8MtRLQ
03/04/16 10:55 ryPK7LTi
>>191
セッツァーカコ(・∀・)イイ!


194:姐 ◆ane/8MtRLQ
03/04/16 10:56 ryPK7LTi
きゃーっっっあげてしまった!!!
ごめんなさーーーーい!!

195:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/16 12:24 Dl6lN30G
ラトーム様が、ココでのハァハァ描写に関して書かれてまつね。
URLリンク(yotsuba.saiin.net)

プ…プロジェクトX!冴え渡った、スリリングな見せ場の直後にそんな…。
モニターに吹いてしまいました。。。御免なさいです~(汗
フィガロ兄弟もセッツァーも素敵であります!
わーい姐さまだvドンマイですー。

それとコレとは丸っきり無関係ですが…。
>>121さんのおっしゃるベイオウーフ×レーゼなら
「ハートを盗む」ベイオウーフや
「調教アビリティ使用」しるレーゼが居るのでしょうか?イネーヨ

196:砂漠の王と風の覇者32
03/04/16 23:42 qTDXGzlr
「無茶だ!!」
 叫んだのは塔にいたエドガーだった。
「兄貴! 飛び降りろ」
 高度を下げ、速度を上げたせいでマッシュの掴まっていた碇が振り子のように
大きく揺れる。不安定な体勢だったが、それでも兄を受け止める自信はあった。
 もっとも、自信はあっても確証は無かったが。
「しかしこのままでは……」
 飛空艇が城に直撃しかねない。と口に出そうとしたが、そんな状況ではなかった。
「エドガー!」
 飛空艇の甲板から身を乗り出して、リルムは声の限り叫ぶ。
「……早くしろ、時間がない!」
 皆の声に後押しされるように、エドガーはマッシュの目の前で塔から飛び降りた。
 次の瞬間、紅い炎の海の中に蒼いマントが翻る。
「兄貴!」
 宙に舞う兄に手を差し出した直後だった。全身に叩きつけるような爆風が襲いかかる。
塔の中層部で起きた爆発が誘爆を起こし、塔全体を巻き込む大爆発となった結果だった。
 刹那、二人は炎と爆風に阻まれて互いの姿を見失っていた。
「畜生! 舵が……っ!」
 いくらなんでも強烈な爆風を真正面と直下からまともに浴びて、航行を維持でき
る筈がなかった。それでもセッツァーは操縦桿を離そうとはしない。

197:砂漠の王と風の覇者34
03/04/16 23:43 qTDXGzlr
 どんなにしても飛空艇は爆風に押し戻されるだけで、塔から離れる一方だった。
それは舵に掴まっていたマッシュも同じで、むしろ彼よりも碇の方がもろに風の
煽りを受け押し戻されていく。
「くっそー!」
 連続して起きる爆音と、それに伴って崩れ落ちる城壁の轟音が幾重にも重なり、
轟き渡る騒音の中で、彼女の決意を秘めた声が二人の男の耳に届いた。
「私、行く!」
「あぁ?!」
 凄まじい振動と叩きつける熱風の中、リルムは意を決したように手すりに足を
かけて声をあげた。
「リルム!」
「大丈夫、必ず助け出してみせる!」
 自信に満ちた言葉とは裏腹に、どう考えても無策としか言い様がない。
「何言ってんだ! 無茶だ戻れ!!」
「だからって、このまま見捨てる訳にはいかないじゃんか!」
 それだけ言い捨てると、リルムは飛空艇から炎の中へ身を投げ出した。
「リルムー!!」
 ゆっくりと炎の海に消えていく小さな少女の姿を追おうと、舵を取り直した瞬間、
遂に飛空艇の尾翼に火の手が及んだ。
「しまっ……!」
 セッツァーの発した声と同じように、飛空艇ファルコンは立ち上る黒煙の中で
失速した。

198:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/16 23:51 qTDXGzlr
番号振り間違えましたスマソ。>>197は「33」です…。そして、このシーンをご覧になって
「どこかで見たかも!?」と思った方、このレスのメール欄参照です。
いやぁ、あそこをフィガロ城に、あの主人公をリルムに置き換えて妄想していたのは
漏れだけ……でつね、はい。(´・ω・`)

>>193
あ、ありがとうございます……!
実は某所に投下させていただいたSSも、セッツァー萌えが前面におs(略。
し、修行してきます…。
>>195
「プロジェクトX」に笑って貰えて、本気でもの凄く嬉しいです。(こういう書き方で笑いを取るな!)
そして参考リンク、ありがとうございます。これまでの経緯把握と参考にさせて頂きます。。。

か~え~る~の~大っ合っ唱!! なメリアドールも(・∀・)イイ!(良くない)

199:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/17 15:02 HdMzKLKx
リルムたんの運命やいかに…!?

200:砂漠の王と風の覇者34
03/04/17 23:17 QYiusJIc


 周囲を見やればオレンジの光と紅蓮の炎だけが支配する世界、その中を自分は
ゆっくりと―熱や痛みと言った感覚はまったく無いままで―落ちている。
塔から身を投げたエドガーは思いの外冷静に、落下していく自分の状況を認識
していた。
(……どうやら、あの男とはすぐに再会できそうだな)
 この時ようやく、エドガーは初めて己の“死”を意識したのだった。三闘神や
古の怪物とも鉾をまみえ、ここへ至るまでに幾多の死地を脱してきた。だがそん
な中でも今ほど痛切に“死”に近づいたと感じた事は無い。
(…………)
 走馬燈―とはよく言った物である。塔から落ちる僅かな時間の中で、彼の脳
裏にはこれまで29年間の思い出と、大切な者達の顔が―次々と浮かんでは消え
ていった。
 もちろん、一年前ケフカを倒す為に集った仲間達の事も。
(……シャドウ……そう言えば、今日は……)
 瓦礫の塔から唯一戻らなかった、彼の命日だった事を思い出す。
 まさかちょうど一年後に、自分も彼と同じ運命を歩む事になろうとは。そんな
風に考えると、なんとも皮肉な話だ。
 こうして、死を目前にした者だけが知る弛んだ時間と静寂の中で。
『ダメだよ! 簡単にあきらめないで。エドガー……』
 叱咤するリルムの声が、聞こえた気がした。
(……おかしいな。なぜリルムの……)
 最期に語りかけるのは、てっきり弟―意識の中に一番強く残る者の姿―が、
現れるのだとばかり思っていたのに。
 あるいは、それがリルムだったのだろうか?
「そうだな……もう一度生まれ変われたのなら、その時に口説くのも悪くない」
 観念したように呟いた。
 身体から徐々に力が抜けていく。頭を地上に向けて落下を続けるエドガーの意
識が、この世界から放たれるのはもうすぐだ。最後の最期まで、彼らしい笑顔を
浮かべながら、その時を待つかのように静かに瞼を閉じたのだった。

201:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/17 23:46 QYiusJIc
>>199
申し訳ないです…。そして、どうもありがとう。


本当にスマソ。

202:白 ◆KEY/rAMfMQ
03/04/18 20:30 1lQiHQVF
ダレモイナイ…(゚Д゚ ≡ ゚д゚)ベイオウ-フ×レ-ゼ貼るなら今の内…。

 冥き迷宮の深奥へ。玲瓏たる光が広がる。
身肉を削がれ、命を奪われた者達が
クリスタルへと変貌し、炯々と輝くのだ。

「あああ!ポーキーが塵地螺鈿飾剣、掘り当てちゃった!」
「なんだってぇ!待ってろ。今ポーキーの足留めしちゃる!」
賑やかな一団は、これから最終決戦!と云う状態のラムザ達。

 ふと。
「忍者の投げるレア武器が欲しいなv」
などと思ったばかりに、ディープダンジョンの住人と化しているのである。
「う、麗しいよ…レ-ゼ(;´Д`)ハァハァ 」
レ-ゼの柔らかな、亜麻色の~長い髪を~風が優しくt(ry
もとい。優しい黄金の髪が、踊る毎に風と戯れる。
妖艶にして優美な踊子姿。
とは言え天麩羅ナイトさん、戦闘中ハァハァしるのってどうよ。
と、天冥士も聖騎士も機工士も思ったが。
ベイオウ-フにチキンにされるのは嫌なので、とりあえず沈黙が支配する。

「う…!」
忍者の投げた銘刀正宗が、白魔導士姿の異邦人剣士の額に刺さった。
「やった!キャッチしたぞ!増やそう!!」
「だ、大丈夫か?クラウド…(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル」
「テンプルナイトが怯えるんじゃありません!」
調教かハートを盗まれたのか。
ベイオウ-フは、今日も若干嬉し気に。
漸く再会出来た恋人、レ-ゼの尻に敷かれている様だった。

203:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/18 20:30 1lQiHQVF
>>200-201
Σ(゚Д゚|||)エドガ-!凄くハラハラしつつ気になります!
なんてカコ良い文章だろう…!映画のようであります。
職人様のお陰で、毎日このスレを覗くのが楽しみです。
どうか御無理はなさらず、マターリお続けくださいませ。
そしてスレ汚しゴメソ。

204:姐 ◆ane/8MtRLQ
03/04/18 20:35 JxkfK0Rz
>>202
2ちゃん風いいまわしで~の



205:姐 ◆ane/8MtRLQ
03/04/18 20:42 0kWkdNjq
>>202
途中で送ってしまった…
「2ちゃん風いい回し~」でのスレを思い出しますね(笑
すごい面白いです。

>>200
た…大変な事に。ハラハラ(・∀・;)

生活板のオカンアートスレに誤爆までしちゃった…。
もうだめぽ。

206:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/18 20:48 R7EkSzNa
良スレハケーン。

207:砂漠の王と風の覇者35
03/04/19 00:07 5PJq6VHe


 一方、飛空艇から炎の中に身を投じたリルムは、ゆっくり宙を舞いながら汽笛
の音を聞いていた。
「魔列車……!?」
 視界に入る光景はどこも黒煙が立ちこめ、その隙間をときどき地上から吹き付
けるオレンジ色の火の粉と熱風が横切るだけで、他には何も見えない。地獄絵図
とはまさにこんな物なのだろうと言うただ中で、微かではあるが耳に届く汽笛の
音に。思い当たったその名を、リルムは口にしたのだった。
 『魔列車』―命尽きた人々の魂を運ぶというその列車の話を、以前マッシュ
とカイエンから聞いたことがあった。
 しかし、まさか自分がその姿を垣間見る事になろうとは。
 ―『まったく世話の焼ける奴らだ。』
「!?」
 どこからともなく響く、聞き覚えのある声。
 ―『またお前は、火の中に飛び込んだのか?』
「……この声……」
 ―『今助けてやる。だが、これが本当に最後だ。』
 落下を続ける身体が、瞬間ぴたりと止まる。まるで誰かに抱き留められた様に。
「シ……」
 彼の名を呼ぼうとするリルムを阻むように、その声は告げた。
 ―『脱出するぞ。』
 2年前のサマサ。炎に包まれた家屋と重なる記憶。
「イヤだ! お願い待って!! 私だけ助かる訳にはいか……っ」
 ―『…………。』
 リルムの声が虚しく霧散し、やがて視界から炎は一気に姿を消したのだった。
 彼が告げた、最後の言葉と共に。

208:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/19 00:35 5PJq6VHe
ざっと読み返したら誤字脱字文章不備+同じ表現の多用に気付いて…
・゚・(ノД`)・゚・ゴメンナサイ 長文駄文にお付き合い下さっている皆様、どうもありがとうございます。

>>202
ベイオウーフとレーゼ(・∀・)イイ! 漏れ個人的には
幻想的な雰囲気さえ感じさせる最初の三行から、ディープダンジョン内で(;´Д`)ハァハァしてる
ベイオウーフ。という落とし方がやっぱりツボです。(w
(「増やそう!」とか、プレイヤー視点に恐ろしくリアルで、そこが更に笑えたり…w)

この勢いで“人の持ち物を破壊する剣士メリアドール”ネタもリクエストしたい程に…!(煩)
関係ないですが、ゲストキャラもジョブチェンジ時に衣装変わっていたらそりゃ萌えt(略。

重ね重ね、お気遣い有り難うございます。いつか職人と呼ばれるに相応しい物を書ける様に
なりたいでつ、はい。

>>205
誤爆も2ちゃんの醍醐味ということでドンマイです!
寧ろ、そうまでして感想を書き込もうという姐さんの姿勢に萌えたりしますた。(違)

209:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/19 00:48 5PJq6VHe
連投スマソですが、漏れのリクエストネタを書き逃げしてみるテスト。
 ・人の装備品を破壊して歩く為、「裏で武器商人と連んでるんじゃないか?」
  と、疑惑の視線を一手に浴びるメリアドール。(FFT)
 ・そのほっかむりの下は、実はアフロヘアなんじゃないか? と、
  またも疑惑の視線を浴びるメリアドール。(FFT)
 ・レーゼのブレス攻撃は恐いので間近で見たくない。と、密かに思うムスタディオ。(FFT)
 ・できればキスティスの「臭い息」も見たくない。と、密かに思うスコール。(FF8)
 ・ケット・シーの後ろについてるチャックを開いて、中を覗きたいと常々思っている
  ハイウインド搭乗員。(FF7)

…ダメですか? …ダメですね。(カップルのネタではないという罠)

210:砂漠の王と風の覇者36
03/04/19 20:24 LTTK2bOj

 あたたかい何かに包まれているような感覚が全身を支配する。懐かしいような、
例え難いその感覚はとても心地よく、エドガーは黙ってそれに身を委ねていた。
 しかし一つだけ思い当たる節がる。今は失われた魔法“アレイズ”。
 三闘神と幻獣が姿を消してしまったこの世界で、それはあり得ない。
 とはいえ、その感覚にとても良く似た心地だった。
『……生命を司る精霊よ、目の前で失われゆく魂に、今一度生命を与えたまえ』
 神々しい声と共に光が降り注ぐ。同時にエドガーの身体に戻り始める意識―
小さな痛み、手に触れる砂の感触、風の臭い―まるでその声に導かれる様にし
て、ゆっくりと瞼を開いた。
「リ……ルム?」
「エドガー!!」
 ぼんやりとした視界に映った少女の顔。はっきりと姿は見えなくても、それがリ
ルムだと何故かすぐに分かった。エドガーが彼女の名を口にすると、返って来た
のは、まだあどけなさの残る声。
 僅かに掠れたその声音は、溢れんばかりの喜びを含んでエドガーの名を紡ぐ。
「……泣いて、いるのか?」
 エドガーは確かめるようにリルムの頬にそっと触れた。その手の上に、あたた
かい滴がぶつかる。
「ちが……」
「すまなかった」
 否定しようとしたリルムよりも、エドガーの言葉の方が早かった―こうも素直に
謝られたら、何も言えないじゃない!―リルムは心の中で悪態をついたが、
それが言葉になる事はなかった。
「要らぬ心配をかけてしまったね。……それに、レディをこんな危険な目に遭わせて
しまうなんて」
 ようやく焦点を合わせた蒼い瞳はリルムの顔を真っ直ぐに見つめる。彼女の頬に
添えられた手は、あふれ出した涙を拭う様にそっと肌をなぞる。
 その動作がくすぐったいという様に―それ以上に恥ずかしさから―リルムは
エドガーの手から逃れるように顔を背けると、いつもの口振りで呟いた。
「……今さら何言ってるんだよ。忘れたの? 私だってケフカとやりあった一人なんだから!」
 そんな口振りとは裏腹に、どうしてもエドガーと視線を合わせることができなかった。

211:白 ◆KEY/rAMfMQ
03/04/19 22:59 2LD2qMSW
 銃が、陽光を弾く。旋回する突風が頬を斬る。
一行が気付いた時、既に敵の手中へ落ちていたのだ。

「赤チョコボキタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!!!」
丘を埋め尽くす、もうお腹一杯になる程の赤チョコボ軍団。
敵よりも速く、オルランドゥ伯が唱える。
「…CT3、トード」
殆ど全てのチョコボが蛙に変わる。…赤チョコボを除いて。
メリアド-ルの瑞々しい唇が、空に向かい、呪文を詠う。
「かーえーるーの…♪」「蛙かよ!」
巻き込まれて、ラムザが蛙になりますた。
てか、チョコボが、味方になったばかりの
…ぶっちゃけLvが低く、か弱いメリアド-ルに突進です。
「──!」
聖光爆裂破が、閃光と共に敵を散らす。
アグリアスの手の中で、蛙ラムザが震えていた。
「大丈夫ですか?ラムザ殿」
「あ、ありがとう…アグリアスさん」
聖騎士に介抱され、ラムザの頬が紅くなる。

 チョコボ達はHPがた落ちの上、チキン+ストップ+ドンムブで泣きそう。
「剛剣、エルムドアに使いたかったねー」
「…メンテナンスを付けてるから、絶対源氏シリーズは盗めない筈よ」
Σ(゚Д゚|||)最近知った事実をメリアド-ルに告げられ、青ざめるラムザ。
「メリアド-ルさんの髪型って何?七色アフロ?」
「武器商人と結託して装備品を壊してるって噂だが?」
命知らずな一行の質問に
『最強Lvになったら覚えてらっしゃい…』と心に誓うメリアド-ルでした。

212:白 ◆KEY/rAMfMQ
03/04/19 22:59 2LD2qMSW
>>205
スレ違いですが。姐さま、小説連載ガンガってください!
オリキャラさんカワイイデス。
誤爆私もやりますた。。。ドンマイです!

>>210
ももも萌え!エドリルシーンキタ━━(゚∀゚)━━ !!!!!
エドガ-甦って良かったよう~!(涙
リクエストの方が絶対面白い罠。でも書いちゃいましたです。。。
私事ですが。FFTのセーブデータが見つからずウボァー(゚Д゚)してました…。

213:姐 ◆ane/8MtRLQ
03/04/19 23:49 RpmjOijo
>>212
ありがとうございます。
あのキャラ、今だかつて書いた事のないタイプなので
褒めていただいてうれしいです。
一応ゲームに出てくるキャラなんですが、背景に近い存在なので
好き放題に設定できて思いついた時ちょっとうれしかったんですよ(藁

FFTも未プレイなんですが、書き手さんのほぼ全てがラムザを書く時に
愛を注いでいるのがわかってすごいなあと思います。
しかし白さん、コメディのセンスありますね。落とし所を心得ているというか…。

>>210
エドガー…やっぱりそういうキャラでしたか。
いろんなSSのエドガーはかなりたらしっぽいのに
この作品だとたらしなのは世を忍ぶ仮の姿な感じなので???だったんですが
(つまりそれだけエドガーがカコ(・∀・)イイ!って事なんですけれど)
「本当に娘さんが好きなんだな……」とむしろ感心しますた。

萌えていただけたんですか。それは素直にうれしいです(藁)



214:砂漠の王と風の覇者37
03/04/20 23:24 d2noSDm1
「これは失礼。けれどリルムに……」
 そんな彼女の姿を見ながら、すっかり意識を取り戻したエドガーは上半身を起
こすと、苦笑気味に出しかけた言葉を呑み込んだ。
「何?」
「いや、何でもないんだ。それより今のは……?」
 話を逸らそうと左腕の方に視線を落としながら呟く。先ほど負ったはずの傷が
すっかり癒えている事を知る。
 加えて、炎の中を落下していた自分が無傷で済むはずはないのに、なぜ?
 冷静になった思考は、たちまち疑問の波にのまれた。
「助けてくれたの……あの人が」
「?」
 リルムはそう言って、いつの間にか分厚い雲に覆われた空を見上げながら呟いた。
「シャドウ……炎の中から助けてくれたんだよ、また」
「そうか」
 つられるようにエドガーも空を見上げると、この砂漠には珍しく低い雨雲が立ち
こめていた。
「ストラゴスさんが心配しているだろうな」
「ジジイは放っといても大丈夫よ」
「……なあリルム、ジジイはどうかと思うんだが……」
「だってジジイだもん。……あっ!」
 そんなことをしているうちに、やがて大粒の水滴が降りてきた。凄まじい勢いで
地上に降り注ぐスコールは、塔の中で燻っていた炎を鎮めてくれるだろう。
 しかし、二人にとっては水難以外の何物でもなかった。
「火の次は水かよ~」
「ははは。水も滴るいい女。だな」
「水なんか無くてもいい女だ!」
 はっきりと断言するが、嫌味ではなく素直に聞こえるところが彼女らしさだろうか。
などと一人で考えながら。
「それじゃあ、こうするといい」
 そう言ってエドガーは自らの懐へリルムの身体を引き寄せると、右手で彼女の
頭を覆い、マントを傘代わりにして雨をしのいだ。

215:砂漠の王と風の覇者38
03/04/20 23:28 d2noSDm1
「それでも、この分だとあまり変わらないかな?」
 二人ともすっかりずぶ濡れだった。いまさら雨露をしのぐ努力をしても遅いとは
分かっていても、それでもエドガーの気遣いが嬉しくて、同時に照れくさかった。
「ほんと、女には優しいんだね」
 まるで照れを隠すように、リルムはいつもの様に皮肉を言ってみせる。
「女性に“も”、だよ」
 言いながら、エドガーは苦笑を漏らす。
「……『俺が死んだら、世界中のレディが悲しむ』んでしょ?」
 一年前、瓦礫の塔へ臨む直前に飛空艇でエドガーが口にした言葉を思いだし、
リルムはその口調を真似ながら、戯けた様子で話を続ける。
「だったら……もう、あんな無茶はしないでよね」
 しかしエドガーから視線を逸らすように、まっすぐ正面を向いたままで小さく
呟いた。それがリルムにとって精一杯の照れ隠しである事は、エドガーでなくと
も見抜けたかも知れない。
 一瞬、何かを躊躇うように視線が宙を彷徨したエドガーだったが、やがていつ
もの柔らかな口調と笑顔をリルムに向ける。
「……そうだな……。だけどリルムを口説き落とすまでは死ねないさ」
 彼女の頭上を覆っていた右手で、その髪を何度か軽く撫でながら、冗談交じり
にエドガーは言った。
「口説き落としたって死なないでよ!」
 エドガーの右手を振り払い、リルムが叫ぶようにして言い放った。
「リルム……?」
 突然の手を振り払われた事に、エドガーは呆然と立ち尽くす。さらに向けられ
たリルムの顔が、涙を堪えている様な悲痛な表情だった事に動揺する。
「すまなかった。……だからもう、そんな顔をしないでくれるかい?」
 言葉をかけるものの、リルムは無言のまま俯いてしまう。
 城内に蟠っていた黒煙は、降り注いだ雨のお陰で勢いを失い、しばらくすると
上空に広がっていた厚い雲も風に流され、辺りはいつもの明るさを取り戻しつつあった。

 けれど、リルムの表情が晴れることはないままで。

216:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/20 23:51 d2noSDm1
URLリンク(members.tripod.co.jp)
↑FF6をプレイしたのは、これを見たのがそもそものキッカケでした。
このFLASH作った方、マジで凄いです。

>>211
リクエスト以上に応えてくれてありが㌧! 赤チョコボ…“フィナス河の悪夢”でつね!?
(違ったらスマソ。記憶が激しく曖昧。ついでに忍者軍団スペシャルバトルも悪夢だ…)
アグリアスの手の中で介抱されてるラムザの図が(・∀・)イイ!
源氏シリーズが盗めないと知ってショック受けるラムザネタに笑い、親近感をかんじますた。(w
うっかりセーブしてハマってるという悲惨なネタは、ゲーム中の人達視点で描くと面白そう
だよな…などと新たなネタをリクエストしてみたり。(w

>>213
エドガー、こういう人なんです。(w
普段、手当たり次第に女性に声かけているだけに、実際本命となると弱いんじゃないか?
という妄想の産物…。
でも、女性以上にフィガロを愛しているっていうキャラとして本編中で描かれていたので
漏れとしてはそこを魅力として描きたかったから、そんな感想を頂けて嬉しいです。

217:白 ◆KEY/rAMfMQ
03/04/22 18:31 4F6eCLLM
スレ削除依頼キター!(゚Д゚ ;≡ ;゚д゚)リクエストニ、オコタエスルナライマノウチ…

 闇に浮かび上がる、豪奢にして堅牢たる城郭。
重厚な石壁が、全ての怨嗟を呑込む。呪わしき城に朝が訪れる。

 透明な空気。明るい庭園。その中で
王妃オヴェリアの兇刃が、王の前に舞う。
「止せ!」
「皆を巻き込んで!何人の人が犠牲になったの!」(うる覚え)
覇王の拳が、華奢な王妃の手を押さえ込んだ。

 ディリ-タの指が、するりと細い腋に潜り込む。
「あ…ッ!くすぐらないで…あははは!」
「やっと笑ってくれたな」
短刀が王妃の手を離れ、撩乱たる花壇に落ちる。
王妃の瞳がけぶり、痛々しく臥せった。
「笑ってる場合じゃ、無いのに…」

 噴水が唸り、立続けに噴出する。古い、自動装置が作動したのだ。
広大な王城に、水の輝きが溢れる。
「私達が生き延びる為に、幾つの屍を踏んだの?」
「─それでも俺は。
 お前を手に入れる為に、覇王となる道を選んだ。
 王女では無い、本当のお前が欲しくて」
最低限の犠牲で済むように、皆にとって佳い邦で有るように、と王は続ける。
オヴェリアの涙が、ディリ-タの指を潤す。

218:白 ◆KEY/rAMfMQ
03/04/22 18:32 4F6eCLLM
 王妃の瞳が指輪と共に光る。ディリ-タの腕の中で。
「分ってるわ。分ってる。私だってずっと、貴方に…
 本当の貴方は、優しくて、雄々しくて」
でも。私達は殺め過ぎた。と王妃の懐から、小さな短刀が覗く。
止める間も無く。
王妃自身の手が、王妃の喉元を切り裂いた。
「……俺は、今迄…何の為に闘って来た?」
王の問いに答えは無く。水音だけが庭園を満たす。

 それは、ラムザ達一行が倒れてる二人を発見し
「Σハッ!!わぁぁぁフェニックスの尾!」しるまでの間だけ。ではあったが。

 そんなこんなのポーキーやらチョコボやら300時間分の、
トロの思い出も詰め込んだまま、そのポケットステーションは
洗濯物と共にうっかり入水(実話)するのであった。(ー人ー)ナムー

 そして──
草笛の音が夕闇に溶け込む。若き剣士、ディリ-タの音色。
「今度こそ俺は、彼女とラブラブ目指すぞ!ラムザ!
 だからお前も頑張れ!」
「うん、頑張っ…えええ?!」
もう一つの物語。
それは全ての人々の中に息づいている。
稀に、作り手すらも動かす、小さな力ともなるのだ。

219:白 ◆KEY/rAMfMQ
03/04/22 18:33 4F6eCLLM
スレリンク(ff板:154-155番)

スレ削除依頼悲しいです。…ここマターリしてて大好きなのに…。以前

FF・ドラクエの名せりふを敬語に直してみるスレ
URLリンク(dat2ch04.free-city.net)

がdat落ちした時「 FFDQの文章で遊べる、小説有りのスレあっても良いな」
と思ったのですが。それなら何処のスレに行っても
ネタとして書き込めるので、止めた事がありますた。

>>213
ニーダ大好きです。さり気なくX-2にも居たそうですが。彼が操縦席で言った
「ガーデンの何とか(盆踊り?)大会で優勝」で爆笑した思い出が。
FF8はエンディングも含めて萌えです!コメディと言って頂けて嬉しいです。
実は、シノプスと落描き漫画しか…書いた事ないのでありまする。
文章力どっかに落ちてねぇが~。ネーヨ

>>216
マントが素敵ですね。ああリルムタン泣かないで…。何時も乙華麗様です。
さんぴん茶…もとい新茶ドゾーです。(・∀・)⊃宣
FLASH綺麗ですね。ヤバい…FF6禿げ如くプレイしたくなりますた。

220:R@no-name
03/04/22 22:21 l/ZNXEmP
念のためログゲッチュしときますた

どうしようこの不発弾(サイシヴァ)……

221:ドリル装備の名無し ◆Lv.1/MrrYw
03/04/22 23:31 F7edzxsl
エドリル(と、それを取り巻く諸々の)SSを投稿させて頂いていた者です。
念のためこんな名前にしてみました。(w

 削除自体は削除人さんに委ねます。[FFカップルのエロ小説が読みたい]って
スレタイは確かにルールに抵触していると言われれば、それまででしょうし。
内容は別でもタイトルが利用者に誤解を与えると言う見解なら、ごもっともです。
(元々廃スレ利用の意図で書き込んでいたので。w)
 もし削除されたなら、その時は[FFマイナーカップルの小説とかが読みたい]って
タイトルでおながいします。(w
 そしたら漏れも、まだHDDに残ってる分(カイエンローラ@FF6やエルミナリーブ@FF7)
を投下したりしなかったり…(迷惑極まりない)。

>>219
漏れはこういうスレが無かったから、全シリーズ・ジャンルが混在するという感じで
凄く好きだった。自分が投下したSSが駄文な事だけが心残りだが。(w
文章で遊べる小説ありのスレ、まさにそんな感じです。(w
それにしても、あの虚脱感に満ちたEDがこんなに印象変わるとは思わず、驚きです。
文章力(…って、漏れが言える程じゃないですが。泣)、素敵な物を持っていると思います。
漏れ個人的には、特に言葉の選定が好きなんですが。
(2ch語を登場させず、そのまま行けばシリアスでも充分いけると思うのです…)

>>220
それはサイファーとシヴァの省略だと受け取ってよろしいんでしょうか?
ならば是非拝見したいのですが…。(シヴァってあのシヴァですよね…?)


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