03/04/05 00:01 b1v/fGl0
>>64
キタ━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━( )━( )━(゚ )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━ !!!!
シドシエラありが㌧! ちょっと強引な艇長がハァハァ…もとい萌えますた。
実は漏れ、シドシエラはロケット発射(7本編中のイベント)後の話だと思っていたんで、
言い意味で期待を裏切ってくれて更にヨカタ!!
よく考えたらヤシら二人は 同 棲 してたんだよな……自宅を訪れた客人に
お茶入れてるぐらいだし。(w
どうするよ…なんか7のロケット発射イベント見たくなって来た…。(データねぇよ(´・ω・`))
68:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/05 00:03 b1v/fGl0
スマソ、だから>>64謝らないでくれ。漏れは楽しませてもらったから…。
それと上のレスで誤字ってるケド気にしないで下さい…。(w
69:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/05 08:50 ecq6jHvs
エロ小説…
70:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/05 12:40 pEzJwQDf
ちょっとスマソが、FF8のカドワキ先生は女性ですよ。
ゲーム中は男だとばかり思ってて、アルティマニアで真実を知った時はショックだった・・・
71:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/05 18:22 i9r5JZq8
さり気なく良スレ
72:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/05 19:54 UibbY9TI
>>67
優しいお言葉、有難うございますです。(T∀T*)うpしてから
文章の書き方が色々、無茶苦茶だった事に気が付きウボァー(゚Д゚)
やはし漏れ、お笑い書いてる方が性に合…ゲフゲフン。
嗚呼、エドリルの方の文体、格好良いです!
激しくリルムが可愛いです。続編楽しみにしています。
応援l \ァl \ァ(止めれ)
73:砂漠の王と風の覇者16
03/04/05 23:23 lvSaVWKp
しかし、彼女の肩に支えられて立ち上がろうとエドガーの足に、新たな衝撃が
伝う。
「わっ!!」
思わぬ揺れによろめくリルムの腰を、今度は片膝をついたエドガーが支える。
「ありがと」
エドガーのお陰で横転を免れたリルムはすぐさま自分の足で立ち上がり、煙の
立ちこめる室内に目を転じた。
「思ったよりも手の込んだ細工をしてくれているらしいな……急がないと」
下から伝わってきた衝撃。それを考えると恐らくあの男は自分たちの退路を断
つために、下のフロアから破壊していく計算なのだろう。
いくら下が砂地とはいえ、この塔の上層から飛び降りたとなれば無傷では済ま
ない。
彼らに残された時間はなかった。
「脱出するぞ」
「色男、無理しないでよ」
皮肉るような口調ではあったが、リルムの視線は血の滲んだエドガーの左腕に
向けられていた。
「リルムこそ」
そう言って僅かに笑みを浮かべるとエドガーは立ち上がり、リルムを先導する
様にして前へ一足を踏み出す。
こうして二人は、地上を目指して黒煙立ちこめる城内を共に走り始めた。
74:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/05 23:29 lvSaVWKp
>>70
女だったんですか!?
(最初に名前を尋ねてくる校医をシドだと思い込んでいた事よりもショック…)
……しばらく立ち直れそうにないかも。(´・ω・`)
駄レスしてスマソ。
エロ小説と謳われたスレで、自分のエロ無しSS投下するのもスレ違いかなとは
思うんですが…ホント スマンカッタ。(まだ書きたい場面までもうチョットあるんです…)
75:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/05 23:34 lvSaVWKp
連投申し訳ありませんが。
>>72
こちらこそ、嬉しいお言葉ありが㌧。
投稿したあとで誤字脱字、文法ミス、記述不備に気付くのは毎度の事ですが(汗。
もしかしてサロンシップネタを書かれた方ですか? ああ言うノリ凄く好きなんですが、
個人的にエロとギャグは文章にするのがもの凄く難しい気が…(要修行)
76:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/06 01:23 Sy+OivaM
>>50
バレユフィ…中々に盲点ですな(・∀・)イイ!!
問題はⅩのアロリュよりユフィがはしっこい事位…か?
77:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/06 14:23 WvqCFD1L
スコセル投下していいですか? >>ALL
78:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/06 16:29 gX9+br7n
>>77
もち!!
79:77
03/04/06 17:42 2ib73H3j
じゃあお言葉に甘えて。
でもエチくないよ?と前置きしてみたり。
最近この板規制が厳しくなったのでエチくなったら
ピンク鯖に行きますんで。
では↓
80:スコセル1
03/04/06 17:44 2ib73H3j
キスをする事は難しくない。
むしろ難しいのはその後どうするかだって、誰かが言っていた気がする。
それは、たぶん本当。
だって今、私はどうしていいかわからない。
戸惑いながら彼の顔を見ている。
■ ■ ■
F.H.の駅長宅前を借りて行ったコンサートは大成功だった。
混乱続きで気の休まる暇のなかったガーデンの生徒はもちろん、外部の人間との接触がまれなF.H.の住人も
ステージの設営を始め、いろんな点で惜しみなく協力してくれ生徒達と一緒に楽しんでいたようだった。
昼間、問答無用とばかりに攻撃をしかけて来たガルバディア軍をスコール達が追い払った事が無関係とは言えないようだった。
話合いによる解決に誇りを持っている駅長夫妻はそれなりに複雑な気持ちがあるようだったが自宅前をステージとして
提供する事を了承してくれた事を思えば、一応SeeDの存在に理解を示してくれたのかもしれない。
「スコール!」
ステージの奥に立つセルフィはスコールの姿を見つけるとすぐに声を上げた。
「ガーデンの若き指導者スコールの前途を祝してセルフィが贈ります!」
そしてセルフィはスコールの隣のリノアに視線を移す。
「リノアもがんばれ~!」
スコールはセルフィの言葉に、はにかんだような仕草でこちらをちらりと見るリノアの様子を見逃さなかった。
『なんだよ……』
邪気のない、セルフィの笑顔。
それがスコールには面白くなかった。
「では!『セルフィバンド』の素敵な演奏で~す!」
セルフィの声をきっかけにアーヴァインがタップを踏み、セルフィがギターを、ゼルがフィドルを、
キスティスがフルートを演奏した。軽快でどこか哀愁のあるアイリッシュ・ギグ。
セルフィを中心に結成されたバンドは即席とはいえなかなかの演奏を披露していた。
「ね、座ろうよ」
傍らに立っていたリノアに促され、スコールはステージのフロアの端に腰を下ろした。
81:スコセル2
03/04/06 17:45 2ib73H3j
「話ってなんだ?」
「スコール、ガーデンの指揮をとることになったんだよね」
リノアがスコールの顔をのぞきこむ。
正直な所、スコールは他人からその問題について触れて欲しくなかった。
けれどリノアは話続ける。
どうやら皆からメッセンジャーを頼まれたらしい。
他人を頼らないことを旨とするスコールにとって協力を申し出るリノアの意見は平行線のまま、噛合わないままだった。
「ね、わたしたちの提案、どうかな? よけいなお世話かな?」
「みんなの気持ちはわかった。でも……」
スコールは何とか自分の気持ちをリノアに伝えようとした。
リノアだけでなく、心配してくれている皆に。
スコールが言葉を続けようとすると、リノアが慌てて駆け寄ってきた。
「『でも』はいらないの」
そうして言葉を遮るようにスコールの前に手を突き出した。
「あのね……」
リノアはいつになく遠慮がちに言った。
「みんなで一緒にいられるのって、今だけかもしれないでしょ?
だから、せっかく一緒になんだから、たっくさんお話ししたたほうがいいと思うんだ」
「……今だけか」
スコールはリノアの言葉に反応する。
ここまで意見が対照的なのがいっそおかしいくらいだった。
「明日いなくなるかもしれない仲間なんていらない」
スコールは一言だけ、本心を伝えた。
「なんでも悪く考えちゃうんだね」
リノアはまた笑った。たぶん考え方が違いすぎる事に同じような感想を抱いたのだろう。
「未来の保証なんて、誰にもできないよ」
リノアの顔から笑いが消えた。
「だから、い・ま、なの。みんなが、今したいことはスコールの力になりたいってこと」
そう言ってリノアはスコールの胸を叩いた。
「みんなスコールが好きなんだよ。スコールと一緒にがんばりたいんだよ」
「俺といっしょに……」
82:スコセル3
03/04/06 17:45 2ib73H3j
スコールはリノアに勢いと言葉に呆気にとられてそうつぶやくしかできなかった。
「スコールはそのことだけ覚えといて。1人じゃどうしようもなくなった時に思い出して。
みんな待ってるから」
そこでリノアは思い出したようにまた笑った。
「保証はないけど、明日とか明後日とか、そんなにすぐにいなくなったりしないよ」
リノアはそこまで言うと、おどけたようにゆっくりとスコールの前を歩き始めた。
「スコールがしたいことって何?今とか将来とか」
唐突な質問にスコールは戸惑った。
まるで今日の昼間にその事で悩んでいたのを見透かされたような気がした。
『わからないんだよな……』
少し間をおいてスコールはしかたなく答えた。
「悪いな、そういう話ならパスだ」
ふと思いついてリノアに質問を返す。
「あんたはどうなんだ?」
「遠い未来の話は……わたしもパス。よくわからないの」
リノアは少し間をおくとスコールを見た。
「今は……。……こうしてたいな」
ステージからは相変わらず美しい旋律が聞こえていた。
コンサートはまだまだ終わりそうになかった。
83:スコセル4
03/04/06 17:46 2ib73H3j
結局その後、スコールはリノアを置いてガーデンへ戻った。
正確には『戻ろうとした』途中、寄り道をした。
昼間立ち寄った場所にふと、行きたくなったのだ。
ガーデンと町を繋ぐ階段の手前、本来は海中での工事のために設置されたと思しい作業スペース。
F.H.の入口にあるこの施設は本来の用途としてよりこの町の有名人専用の釣り場として機能しているらしく、
町の住人は名人に敬意を表しあまり近寄らないのだと言う。
彼の小さな弟子も師匠の許可が出てからと心に決めているらしい。
そんな場所に寄りたくなったのはあの不思議な老人と交わした会話のせいかもしれなかった。
話し合いでの解決を貫いたために故郷を離れて新しい町を作ったという駅長。
そして一筋縄ではいかない技術者をまとめたという『百汽長』の異名を持つ老人。
どちらもスコールの価値観の外にいる人間だった。
物心ついた時から兵士としての英才教育を受けその事に欠片も疑問を抱いた事さえなかった。
戦場で頼れるのは自分だけ。
そう思って生きてきた。
なのになぜ、こんな風に多くの人間の命運を左右する立場に立たされる事になったのか。
わからなかった。
「魔女討伐の先頭に立つ事は君の定めなのです」
まるきり自分の運命が決まっているかのような学園長の物言い。
魔女と戦う事自体は問題ではない。それがSeeDの本当の目的なのだとしたら。
SeeDを辞めるという選択肢はスコールにはない。
辞めたとしてその後どうするか、考える事さえ面倒だった。
今回は三人だった。
三人分の命に関わる決定。
それですら、心臓に針が刺さったような痛みが常に自分に付きまとっていた。
今度はその何十倍以上の人間の命を預かる立場に立つ事になる。
指揮官となった以上、スコールはガーデンの生徒に対して責任を持たなければならない。
一刻も早く、魔女とのバトルに持ち込んで全てを片付ける。
スコールに考え付けた対策はそのたった一つだけだった。
84:スコセル5
03/04/06 17:48 2ib73H3j
クレーンの先には釣り名人の残したパラソルが夜の闇の中、頼りなげにぽつんと残されていた。
名人の指定席に腰掛けてみる。
海面はそれでも月の明かりを受けてゆらゆらと穏やかな波紋を浮かべている。
工場塔にぶつかる波と飛沫がクレーンの下で反響してガラスのオルゴールのような不思議な音を立てていた。
幼児期の記憶は殆どないというのに、何故か懐かしい気がしてスコールは目を閉じた。
波の音。潮の匂い。
バラムには海があったからそれ自体は珍しい物ではないはずだ。
なのに何故?
何か、記憶の隅に引っかかるような異様なざわめきを感じた。
「あれ~?もしかしてはんちょ~?」
思考を遮ったのはどこかとぼけてさえ聞こえるセルフィの声だった。
振り向くと闇の中にセルフィの黄色いワンピースが月見草のようにあでやかに浮かんで見えた。
「セルフィ……」
驚きを悟られないようにスコールはゆっくり立ち上がる。
「どうしてここに?」
スコールの疑問にセルフィは「ん?」と首を傾げながらスコールの座っていた辺りに視線を向けている。
「アーヴァインに聞いたんだ~。面白いおじいちゃんがいたって」
そういえばここに来た時アーヴァインも一緒だった事をスコールは思い出す。
そして今夜、彼が何やら決意を固めていた事も。
「一緒じゃないのか?」
思わず滑り出た疑問にセルフィはきょとんとした顔をしてみせる。
「なんで?」
「いや……理由はないが」
どう答えた物かと思案するスコールにおかまいなくセルフィが答える。
「あたし達が一通り演奏した後でF.H.の人もお返しに、って演奏してくれたんだ~。
それでなんとなく集まった人みんなでダンスが始まって、たぶんアーヴァイン、まだ踊ってるんじゃないかな?」
その様子が容易に想像できたのでスコールは頭に手をやった。
『結局、誘えなかったのか……』
「やっぱり、夜はいないんだ」
どうやらセルフィは釣り名人にかなり興味があったらしく本気でがっかりしているようだった。
85:砂漠の王と風の覇者17
03/04/06 23:22 fu+PhALM
一方、サウスフィガロに到着したセッツァーは、ろくに事情も説明しないまま
半ば人浚いのように無理やりマッシュを飛空艇に押し込むと、再度フィガロ城へ
向けて舵を取った。
「セッツァー、一体どうしたんだよ?」
数十分前に降りたばかりの飛空艇に、どうしてまた乗らなければならないのか、
当然だがマッシュは尋ねる。
「……いいかマッシュ、よーく聞けよ」
「なんだよ」
セッツァーは出来る限り少ない言葉で、今起きている状況を伝えようとした。
「フィガロ城が占拠された。国王を人質にされているらしい」
「そうか。ケフカがいなくなっても物騒な世の中だよな……って本当か!?」
フィガロの内情を良く知るマッシュにとっては、あまりにも非現実的な話だっ
た。最初は何をふざけているのかと聞き流そうとしたが、セッツァーの冗談にし
ては趣味が悪い。
それに、彼の目を見ればそれが冗談でない事ぐらいすぐに分かる。
「一体なんだってそんな事に!?」
「それは俺らが聞きたいぐらいだ。……とりあえずリルムを残しているが……」
「リルムちゃんがなんで!?」
「それも俺が聞きたいぐらいだ……とにかく行くぞ!」
まるでマッシュから矢継ぎ早に浴びせられる質問を振り切るように、飛空艇を
急加速させるた。
―二人を乗せた飛空艇ファルコンのフィガロ城到着まで、あと5分。
86:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/06 23:28 fu+PhALM
あ、一応断っておきます。(タイトルから察している方もいらっしゃるかと思いますが)
実はエドリル+セッツァーな話なので、途中途中↑の様になりますが、なにとぞご容赦下さい。
>>79(スコセル)
序文が激しく(・∀・)イイ! 釣り場で再会した二人はこの後一体どう展開するんでしょう?
楽しみですsage。
そう言えば(もう8プレイの記憶に自信がないのに…)、フィッシャーマンズホライズンに到着
するのって、ガーデン攻防戦直後でしたっけ? あそこのスコール校内放送と、
文化祭準備していたのを台無しにされ、落ち込むセルフィに萌えた記憶はあるんです…。
そ、その続きと解釈して…(;´д`)ハァハァ。
…記憶違ってたらスマソ。本気で8買い直してプレイしようかと…。
87:場違い小説 ◆de2SptS62s
03/04/06 23:54 9rd+3DS4
もう官能系って、載せられなくなったんだね・・
ところで、8のシュウって、ここでは需要ありますか?
88:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/07 00:45 ++dDqsEf
このスレ(・∀・)イイ!
>>87
シュウは8の最萌えキャラなので是非おながいします。
89:サロンシップ
03/04/07 12:13 CwxTNtoH
>>75
ありがとうです。ただもし、折角のスレが
阿呆なギャグの所為で削除されたら…((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
エドリル+セッツアー楽しみにしておりまつ。セッツアーガンガレ!
無理矢理「サロンシップが、その後どうなったか」書こうとすると…。
艇長はシエラタンに、もっぺん蛸口でチューしようとしますた。
村中の人々が、野次馬出歯亀猫杓子な黒山の人だかりで見物です。
やけくそで、艇長は宴会を始めますた。
二日酔で目が覚めたら、ウヲッチな人々がイパーイ窓に張り付いてますた。
クラウド「あんたの奥さんじゃないのか?」
シド 「奥さん?だったら手ぐらい繋がせろってんだ!ウワァァン」
(以下略)
>>79
スコセル美しいですvFHは景色も曲も大好きでありまつ!
>>87
おおお!かの名スレの職人様が!シュウさんは大好きですv
90:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/07 15:09 8aA5rpQR
良スレsage
普段なかなか見られないカプの小説が読める稀少な所だ。
職人様方がんがってください!
91:スコセル
03/04/07 18:53 8Q3TGoey
皆様感想ありがとうございます。
投稿してから読んだら未プレイの人にはさっぱりな内容なんで
しまつたーと思ったのですが…。精進します。
エドリル様
スピード感のある展開に惚れ惚れしますた。
6は未プレイなんですがそれでも面白いです。
この話はミサイル基地とマスターノーグ戦の後エル姉が船に乗って行って
ガーデンがFHにぶつかったので上陸し、セルフィたちと再会した後
校庭でへこんだセルフィをなぐさめてたら校内放送でいいんちょにされた日の夜です。
↑むりやりな説明。たぶん思っておられる所ではないかと。
サロンシップ様
いやもう、たのしかったです。
シドの江戸っ子口調最高。ちんまいの……(;´д`)ハァハァ。カワイイ…。
軍服のシドに萌えますた。
ちなみにややリアル系シエラさんイメージ画↓
URLリンク(www.gazo-ch.net)
92:スコセル6
03/04/07 18:56 8Q3TGoey
「夜釣りしてるんじゃないかと思ったのにな~」
「ここの宿屋のオーナーみたいだから、町に戻ってるんじゃないか?」
慰めにもならない言葉をかけながらスコールはセルフィの様子がいつもと違うのに気付いた。
いつもに比べて幾分表情が平坦なのは薄闇の中だからとは思えなかった。
「疲れているんじゃないか?」
スコールの言葉にセルフィは驚いたように幾度か瞳を瞬かせた。
瞬時にスコールは昼間のやり取りを思い出す。
校庭のステージが壊れて落ち込んでいるセルフィを励まそうとして「意外」と言われた事をすっかり忘れていた。
自分の進歩のなさにスコールがため息をつきそうになった時、セルフィが呟いた。
「ごめんね、はんちょ」
突然の謝罪にセルフィを見ると、彼女はスコールにぺこんと頭を下げた。
「……何の事だ」
スコールの問いにセルフィは顔を上げた。
「昼間、励ましてもらったのに茶化すような事言ったから。せっかく、気を使ってくれたのに悪かったな、って」
はしばみ色の瞳に見つめられてスコールはどきりとした。
「本当は、うれしかったんだ~」
セルフィは無邪気な笑顔を浮かべる。
「いいんだ」
スコールは首を振った。
「……帰るぞ」
スコールはセルフィにも視線で帰寮を促した。
遠くで、まだ音楽が聞こえる。
ダンスはまだ続いているのだろう。
クレーンの周囲の通路は複雑な段差と梯子が組み合わされ、いくら訓練を受けている人間でも夜間、照明なしで歩くのは困難だった。
しかもパーティーを組んで知った事だが、セルフィは軍事訓練を受けた優秀な兵士とは思えないほどよく転ぶ。
スコールは先導する形でガーデンに向かった。
「そこ、気を付け……」
クレーンの接合部の梯子を降りかけたセルフィに注意した時には遅かった。
スコールが床に足を付けるのとほぼ同時に、セルフィが降って来た。
93:スコセル7
03/04/07 18:57 8Q3TGoey
抱きとめられたのが嘘のようなタイミングだった。
スコールは床に背中をしたたかに打ち付け、一瞬息が詰まった。
それでもどうにか上半身を起こす。
とっさにセルフィの頭だけは庇ったものの、梯子にぶつかる嫌な音を確かに聞いた。
スコールの腕の中で、セルフィは動かない。
「……おい?」
スコールがおそるおそるセルフィに触れかけた時、セルフィが顔だけを上げた。
「……滑っちゃった~」
いつもの、ちょっとしたミスの後に見せる笑顔。
けれど今、その瞳のふちに涙が滲んでいた。
「どこか、怪我したか?」
スコールの言葉にセルフィはうつむいて無言で首を振った。
「セルフィ?」
スコールがセルフィをのぞきこもうとした時、セルフィが顔を上げた。
驚くほどの至近距離で、二人の目があった。
スコールがどきりとした瞬間、セルフィの唇がスコールに触れた。
キスの後で、気まずい沈黙が流れる。
そもそもこれをキスと呼んでいいのか?
スコールの中に疑問符が浮かぶ。
客観的に見れば落下してきた人間を受け止めた後、タイミング悪く唇が触れただけと言えなくも無い。
事故と言えば、事故だ。
けれど-。
今、スコールの腕の中にはセルフィがすっぽり収まっている。
そしてセルフィの瞳は真っ直ぐスコールを見上げたまま、微動だにしない。
94:スコセル8
03/04/07 18:58 8Q3TGoey
「大丈夫か?」
スコールがようやく口にする事ができた言葉はずいぶんと間の抜けた物だった。
言った本人も目の前の相手と自分、どちらに対して言っているのかよくわかっていなかった。
「どうも、そうみたい」
セルフィはまるで他人事のように言う。キスした事など、なかった事のように、淡々と。
「ごめんね」
二度目の謝罪がセルフィからこぼれる。
スコールは問いかけて、止めた。
セルフィの体が震えていた。
しばらくスコールはセルフィを抱きかかえたまま、じっとしていた。
「スコール、本当はイヤなんでしょ?指揮官になるの」
不本意ながら決められてしまった事。その事についての本心をスコールは誰にも言うつもりはなかった。
セルフィの言葉はスコールの思考を止めた。
否定も肯定もできなかった。
「……アイアン・クラッドに閉じ込められてる間、いろいろ考えたんだ。
ミサイル基地に行きたいって言った事は我侭だったかもしれないけど、間違いじゃないって思った。
でも、基地の自爆装置を作動させた後で、閉じ込められて、とっさにあの中に入ったのはいいけど出られないし。
あたし一人だったら別に良かったんだよ?自分で行きたいって言った事だから。だけどキスティスとアーヴァインはそうじゃない。
基地の中で作戦を主導してたのはあたしだから、二人だけはなんとか助かって欲しいって思ったんだ。
……その時、メンバーを決めた時のスコールの顔、思い出した」
「俺の?」
「そう。……すっごく、張り詰めた顔、してた」
スコールの腕につかまっていたセルフィが、手に力を込めた。
「あたしはスコールを信頼してた。皆もそうだったと思う。だけど、あの時ああしよう、こうしようって皆で
考えたみたいに思ってたけど決定はスコールに委ねてた。リーダーだからっていう理由だけで」
「……仕方なかっただろ?実際あの時も俺はリーダーだったんだから」
半ばあきらめに近い言葉をスコールは口にする。
セルフィの言う事は間違っていないが過去の事を今更話した所でどうしようもなかった。
95:スコセル9
03/04/07 18:59 8Q3TGoey
「違うよ」
セルフィは大きく首を振った。
「あたし達、自分をスコールの仲間だと思ってた。でも違ってた。スコールに頼ってるだけだった。
信頼しているっていう言葉で、自分達をごまかしてた。ただ、難しい決断をスコールに押し付けてただけだった」
セルフィは相変わらず真っ直ぐスコールを見上げていた。
「スコールがそんな仲間ならいらないって思っても仕方ないよね。それでもあたし達、コンサートの準備しながらいろいろ話したんだ。
どうすればスコールの負担をちょっとでも減らしてあげられるかって」
砂にしみこむ水のような言葉だった。
「本当に、本当だから。皆でスコールの事、手伝うから」
「……ありがとう」
スコールは初めて素直にそう思った。
セルフィはスコールの言葉に安心したように笑い、勢いよくスコールの腕の中から立ち上がった。
「じゃっ!あたし、先に戻るね!」
呆気に取られているスコールを残し、セルフィは駆け出した。
スコールは小さくなっていくセルフィの黄色い後姿を呆然と見送った。
96:スコセル10
03/04/07 19:01 kx59cVTE
『なにしてるんやろ、あたし』
自室に辿り着いた途端、セルフィは自分の膝から力が抜けて行くのを感じた。
キスを、してしまった。
それも自分から。
リノアの気持ち、知ってるのに。
収容所でリノアと一緒になった時、色んな事を話した。
「俺のそばから離れるなって、言ってくれたんだ」
無謀にもイデアに挑み、挙句魔物に襲われてもうだめだと思った時、
スコールが現れてそう言ったのだと話すリノアはとても幸せそうだった。
幼少期から戦いのための訓練を受け、自分を守るのは自分という常識の中で育ったセルフィには、
理解はできたが共感できない話だった。
好きな人に守られるという事に喜びを見出せない。
セルフィの価値観からすると好きな人に守られるより一緒に戦う方が良いと思う。
でも、リノアは良い子だ。
自分がミサイル基地へ行きたいと言った時、ガーデンの生徒ではないのに一緒になってスコールを説得してくれた。
リノアが強引に決を取ってくれなかったらスコールは基地に潜入する許可をしてくれなかったかもしれない。
ガーデンで育った人間には、自分の気持ちに正直に行動するリノアは眩しくさえ見える。
『だから、皆で応援しようねって言ったはずやのに……』
コンサートの途中、スコールがリノアを置いてガーデンの方へ戻ったのをステージから見た。
その時、セルフィは自分がどこかでほっとしているのに気付いた。
自分であれだけお膳立てしておいたくせに。
どうしてこんな事をしたのか、セルフィ自身にもわからなかった。
ステージでダンスが始まって、皆楽しそうにしているのに何故か心がもやもやとしてイヤな感じだった。
一人になりたくて、昼間アーヴァインに聞いた場所に来てみた。
たぶんおじいちゃんはいないだろうと思っていたけれど。でも。
思いがけない事にスコールが、いた。
97:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/07 19:15 QzCd+ofG
スコセルキタ━━ヽ(゚∀゚)人(゚∀゚)人(゚∀゚)ノ━━ッッ!!!!!
98:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/07 22:14 wuzsnnu+
某良スレから来ますた。
いや、こういう所探してたんだけど、なかなか見つからなかったんでな。
というわけで、一応始めから書きます。
↓
↓
↓
99:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/07 22:15 wuzsnnu+
「おーっちゃん♪」
飛空挺内に割り当てられた一室。アーロンがベッドに腰かけて、愛用の太刀の手入れをしていると。
不意にベッドが小さく揺れて、聞き慣れた愛らしい声とともに心地よい重みがやんわりと肩に凭れかかってきた。胸の前で交差された細い腕と、視界の隅に映る淡い金髪。そして、鼻腔をくすぐる甘い芳香。振り向いて顔を確認するまでもない。
もっとも、伝説のガードの彼にこんな風に気安く抱き付いたりできる人間など、仲間の中にも一人しか存在しないが。
「……なんだ、リュック」
刀身から目を離さぬままそっけなく返事を返すと、後ろで不満げに鼻を鳴らす音が聞こえた。
「も~、刀磨いてる時まで眉間にシワ寄せちゃってさぁ。そんな表情ばっかしてると、そのうちホントに顔中シワだらけになっちゃうよ?」
それでもまだ、たくましく盛り上がった筋肉質の男の肩に顎を乗せたままからかい混じりに頬を突ついてくるリュックを、隻眼で鋭く一睨みして。
「余計な世話だ。用がないなら部屋に帰れ」
アーロンは再び正面の太刀に視線を戻す。
もちろん、それですごすごと引き下がるリュックではなかった。
100:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/07 22:16 wuzsnnu+
「用があるからこうしてるんじゃんかぁ~……ね、かまって?」
「悪いが、俺は子供のお遊戯に付き合っている暇はない。他を当たるんだな」
これ以上ないほどの甘い猫撫で声でアーロンの耳元に囁きかけてもやはり彼は取り合わず、太刀を磨く手の動きを止めることもない。
全く相手にしてもらえない上に子供扱いまでされ、リュックは不貞腐れたようにむぅ~、と口を尖らせた。
「いっつも子供子供ってさ!アルベドで一五歳っつったら、もう立派な大人なんだから~!」
お酒だって飲めるんだぞっ、と言葉を続けると、ナイトテーブルに置いてあった飲みかけの徳利に腕を伸ばそうとする。
「俺から見れば十分子供だ」
アーロンはリュックの手をぱしっと払いのけると、徳利を取り上げてぐいっと煽った。後ろであ~っ、至極残念そうな声が聞こえたが、無視して全部飲み干す。
空になった徳利をナイトテーブルに戻して再び作業に専念するアーロンに、リュックがなおも抗議の声を上げようと彼の肩を掴んで身を乗り出した瞬間。
「お―んっ……!?」
いきなりその顎を掴んで自分の方を向かせると、アーロンは薄く開かれた柔かい唇に自分のそれを押し当てて、口に含んでいた酒を流し入れた。リュックの口の端から酒が零れて顎を伝ってぽたぽたと滴り落ち、紅い衣を濡らす。
「……ん……っぅ……こくっ……」
口を塞がれているので吐き出すこともできずに、リュックは白い喉を鳴らしてアーロンの唾液が混じったそれを飲み込んだ。
101:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/07 22:17 wuzsnnu+
「ごほっ……うぇ~……なにコレ、メチャメチャきっつぅ~」
喉と胃が焼けつくようにひりひりと痛み、思わず顔をしかめてけほけほっと咳き込む。
「度の強い酒だからな……どうだ、おまえの口には合わんだろう?」
アーロンは愉快そうに喉の奥でくつくつと笑いながら、涙目になってむせるリュックの様子を眺めている。
「ってゆーか……げほっ、……そゆ問題じゃなくって!」
「なんだ、酒が飲みたいんじゃなかったのか」
「だっ、誰も口移しで飲ませてなんて頼んでないよ……!」
ようやく咳が収まってきたかと思えば、今度は耳まで真っ赤になった自分の顔を両手で覆ってリュックが悲鳴に近い声で呟いた。今の口づけすっかり腰が砕けてしまったらしく、その場にへたり込んでしまっている。
「ふん……こんなことでうろたえるようでは、俺の女は務まらんぞ」
「オ、オンナって……そいじゃあ、あたしのこと認めてくれるのっ?」
思わぬアーロンの言葉に驚きつつも、目を輝かせて顔を上げると。
「俺を満足させられたらな」
いつの間にか彼がさっきまで磨いていたはずの太刀は鞘に納められ、ベッドの横にベッドの横に片付けてあった。
「へっ?……あ、あれ?もう終わったの?」
「ああ。刀より先に、お前の方を可愛がってやる……覚悟しろ」
上に羽織っていただけの着流しをかなぐり捨てながら、アーロンはニヤリと意地の悪い笑みを浮かべてそう告げる。
102:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/07 22:24 wuzsnnu+
リュックは一瞬頭の中が真っ白になり―ベッドの軋む音ではっ、と我に返った時には、すでにアーロンの手によってシーツの上に
組み敷かれていた。
どんなに邪険にされようともめげずに通い続けてきた日頃の努力が、ここに来てようやく報われたことに喜んだのも束の間。性急す
ぎる男の行為には、さすがに思考がついていけなかった。
「ギャーッ!?ちょっ、ちょちょちょちょっとぉっ、いいよ!ああたしは後回しでいいよ!!」
「気が変わったんだ」
混乱と恐怖と焦りが入り混じった頭で、目の前に晒し出された分厚い胸を必死で押しのけようとするも、もちろん大の男の力にか弱
い少女の腕力が敵うはずもなく。
「いっ……!」
あっという間に両手を掴み取られ、頭上に無理矢理押さえ込まれる。
「やだっ、やだってばっ……ひゃぅっ」
なおも抵抗を試みようとするリュックだったが、鎖骨に唇を落とされ軽く吸い上げられただけで、呆気なく体の力が抜けて大人しくなってしまう。
アーロンは空いている手でリュックの前髪の髪留めを抜き取り、頭の天辺で後ろ髪を結わいていた髪紐を慣れた手つきで解いて、そ
れらをサイドテーブルの上に放り投げた。零れ落ちたその髪の毛を梳くように指を滑らせていきまとめて耳にかけると、露になった耳
朶をねっとりと舐め上げてやる。
「ぁっ、あ……!」
味わったことのない不思議な感覚に戸惑いを覚えつつも、リュックは自然に唇から甘い声が漏れるのを止めることができない。その
ままやわやわと耳朶を甘噛みされ、完全に無抵抗になる。
それを確認すると、アーロンはリュックの手首を拘束していた手を離して本格的な愛撫を開始した。
103:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/07 23:07 TQj/WIiW
アーリュもキタァァァァァ!!!!
104:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/07 23:24 wuzsnnu+
ごめん、でも↑これの続きまだ書けてません。
誰か書ける奴いたら書いてくれてもいいよ。
105:砂漠の王と風の覇者18
03/04/07 23:32 gP46V/9f
「……うっ……」
堪えきれずに吐き出されたリルムの小さな声に、エドガーは立ち止まって後ろ
を振り返る。
「大丈夫かい?」
男の仕掛けた爆薬が順調に作動していたお陰で、城中が黒煙に包まれはじめて
いた。視界は遮られるうえ、ろくに息も出来ない。考えていた以上に脱出は困難
を極めていた。
それでも、あの大扉を抜ければ一旦は屋内から外へ出られる。そこでひとまず
落ち着けるのだから、最終的に脱出は可能だとエドガーは考えていた。
それに煙で殆ど視界の無い中ではあったが、そこは住み慣れた城である。彼の
的確な誘導が功を奏し、二人は大扉まであと数メートルほどの所まで辿り着いた。
しかし。
「……しまった!」
エドガーは思わず声を上げ、リルムの身体を自身の方へ抱き込む様にして引き
寄せた。
「え!?」
突然の行為に、自分の身に何が起きたのか一瞬思考が追いつかなかったリルム
は、躊躇いがちな表情で頭上のエドガーを見上げた。
直後、大扉の前に大量の瓦礫が降り注ぐ。危うく難を逃れ引き返した二人だったが、
地上へ続く唯一の脱出口である大扉は完全に閉ざされてしまった。
エドガーの算段は、城の内壁と共に音を立てて崩れたのである。
(万事休すか……だが彼女だけでもなんとか……)
リルムの身と負傷した左腕を庇いながら、何とか脱出の術を探ろうとするエドガーの
耳に、ことのほか明るいリルムの声が届いた。
「……そうだ上っ! セッツァーが来るんだよ!」
その言葉は、煙の中に閉じこめられた二人にとってまさに希望だった。
106:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/07 23:36 gP46V/9f
職人の皆さんありが㌧! こんなに各シリーズのSSが一堂に会したスレは他になさそうで(゚д゚)ウマー
……自分のSS投稿分より感想の方で改行規制に引っかかった漏れ…(w
>>87
シュウって言うともしや……ニーダの隣にいた女子生徒の事でつか……(;´д`)ハァハァ
もとい、うpキボンヌです。
…少し余談ですが、漏れはエロ描写そのものより、エロに至るまでの過程が萌えなので、
現状のエロ規制に賛同する訳じゃないけど、内容のないエロは萌えない…。
流れ(物語の主題)によっては、エロも必要な時(=萌え)だってあるわけだし、
その辺を分かって欲しいと思う今日この頃。(力量あれば作品という形で反論したい…)
>>89(サロンシップ)
やはりそうでしたか! ギャグで削除依頼出される様な自体になったら、
この板だけじゃなく、それこそ2ちゃんの存在意義を根底から揺るがす大事件でしょう。(w
続きとして書かれたシドの嘆き、本当にありそうで(・∀・)イイ!
(シドからは昔カタギな職人気質を感じます。…そう言う所萌えなんですが、
凄く良く出てますよね。)出来ればまた書いて頂けると……(煩)。
>>91(スコセル)
…スマソ、未プレイだと分かりづらいのは漏れも同じくですた。……同じく精進します。
それから、感想までありがとうございます。
ミサイル基地潜入作戦後だと言う事が分かっただけでもカナーリ有り難い解説です!
スコールと、自分の(これまでの)行いに対して真っ直ぐに向き合うセルフィの姿は
作中で感じたそのままで(・∀・)イイ!、スコセル読んで思い出しますた……
故郷のガーデン壊された時とか、それでもセルフィ明るく振る舞っていたり、
周囲を気遣っていたり、健気な娘やぁ…・゚・(ノД`)・゚・
そんな二人の展開に期待sage!
>>98
自分の中にあるアーロン像と180度違っているのである意味新鮮です。
時期的にはいつ頃の話なんでしょうかね? そう言った所も読んでると気になって
きたものですから……こちらも期待sage。
(´-`).。oO(できればご自身の手での完結をキボンヌ!!)
107:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/08 00:27 QITfH3mE
エドリル好きでつ。今回はハラハラな展開でドキドキですた
108:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/08 14:05 FbDw5NrN
萌えます。アリガトン
109:サロンシップ ◆KEY/rAMfMQ
03/04/08 19:40 MIxdDtKH
スコセル様
Σ(゚Д゚*)おおおお!イメージ画が美人さん!有難うございます~。(涙
セルフィは明るいけど奥行きがあって、大好きでつ。
気丈なセルフィの、切ない展開が気になりますです。
音楽が聴こえるような、繊細な文体に萌えても宜しいでしょうか?
(*´Д`)ハァハァ/lア/lア/ヽァ/ヽァ
エドリル様
あ、有難うございますです。・゜゜・(>_<*)・゜゜・。
実は他所でコソーリお笑いを書いてたので、ギャグになる悪寒がします…。
スレリンク(ff板:122-143番)
シドシエラ続編(多分お笑い)近日書かせて頂けたら、幸せです。
エドガ-がリルムを庇うシーンに萌えました!
リルム健気であります…。ガンガってくださいませ!
アーリュ様
親父キタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!!l \ァl \ァ
110:場違い小説 ◆de2SptS62s
03/04/08 20:26 6PIMaFzB
需要ありますか?なんて聞いといて、途端に体調不良&風邪。アホだ俺。
書き出しだけ書いて、「この設定ならいけそう」とか思った途端でした。
でも一応、書き出しだけでも載せてみます
続きは、この状態が治り次第。
111:場違い小説 ◆de2SptS62s
03/04/08 20:29 6PIMaFzB
1
「スコールとサイファーはね、本当に凄い素質を持ってるのよ。サイファーもかなりのものなんだけど、問題ばかり起こすのがね・・。でもスコールは、ちょっと暗くて冷たいのが欠点だけど、それ以外は完璧なの。きっと、いえ絶対seedになれるわ。それも一流のね」
「またサイファーがやってくれたわ。相手は言わなくても良いわね。頭が痛い・・。これからまた、私まで説教されそう」
「スコールがね・・・」
昼食時の親友との会話。相変わらず聞かされる話は、例の問題児(有名人)二人の事についてだった。私は少し甘ったるいパンを食べながら、半分いい加減に耳を貸す。
キスティスが教師になった時から繰り返される、愚痴のような話。しかし最近は、恋の相談を聞かされているとしか思えなくなってきていた。
(で、どっちなの?)
多少のイライラを伴って、私はキスティスを見つめた。見つめたって答えるわけは無いが、しかしそれでもキスティスは、何かに気付いたように立ち上がり、
「さ、そろそろ行かないと。じゃ、また後でね」
と、自分の受け持つ教室へと去って行った。私の口からため息が一つ漏れる。
「ハーッ・・」
キスティスの話を聞く度、自分にはそんなに夢中になれる男がいないことを思い知ってしまう。
「・・・本当にそんなに良いのかぁ?」
無駄に勢いをつけて立ち上がると、私は重い足取りでその日の仕事に向かった。
112:場違い小説 ◆de2SptS62s
03/04/08 20:30 6PIMaFzB
昼食時に言った言葉を、私は撤回しなくてはならなくなった。スコール・レオンハートは、確かに美しい顔立ちをしていた。
今までも遠くから見かける事はあったが、近くで見ると確かにきれいな顔立ちだった。それこそ、嘘のような。
ちなみにその時は、サイファーの顔もじっくりと見ることが出来た。といっても、サイファーは過去何度も試験に落ちているため、見るどころか何度も喋ったことさえある。サイファーも決して悪い顔ではなかったが・・
しかし、スコールの顔のインパクトには叶わなかった。
私の呼吸がわずかに荒かったのは、船内の狭さのせいだけではなかった。
(こりゃ、確かにはまってもおかしくない)
「キスティス。確かにスコールかっこ良いね」
ドールでの試験後、私はちょっと興奮した声でキスティスに話しかけた。
「えっ、そんな事私言ったっけ?」
「白々しい。耳にタコが出来るほどね」
「あははっ」
私はキステイスを軽くからかいながらも、自分の中に、固い友情を壊しかねない感情が生まれているのに気付いていた。
113:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/08 22:05 HWbsa3Vq
8好きな漏れには有り難い。
>>110
体に気を付けてマターリ執筆してください。
114:スコセル11 ◆ane/8MtRLQ
03/04/08 22:47 Vw7dpi6q
びっくりするくらいスコールは優しかった。
パーティーを組んでからずっと、他人に必要以上関わろうとしない人だと思っていた。
けれどアイアン・クラッドから脱出した時見たスコールの顔はすごく優しかった。
あの時、初めて気付いた。
スコールも自分と同じ年の、経験の浅い兵士だっていうことに。
いつもクールで、余計な事や泣き言を言わない人だから冷静な指揮官タイプの人間だって勝手に決め付けていた。
出会ってからの事を思い出せばいくらでも、スコールが皆に気を使って行動していたのがわかる。
けれどその時には気付かなかった。わかろうともしていなかった。
さっき梯子から落ちた時だって、スコールは真っ先にセルフィの頭を庇った。
抱きとめてもらったのに気付いた時、心臓が飛び出しそうなくらいドキドキした。
背中を抱えてくれている腕の力が強くて、その腕の中はとても暖かで。
そしてすごく切なくなった。
リノアの言葉を思い出したから。
魔物に襲われていたリノアを守った時も、こんな風にしたんじゃないか、って。
当然なんだけど「俺のそばから離れるな」っていう言葉はあたしは貰えないんだな、って思ったから。
そんな事が理由で泣きそうになるなんて、初めてだった。
笑ってごまかすつもりだった。なのに。
「どこか、怪我したか?」って心配してくれたスコールの声を聞いたとたん、目の奥が熱くなった。
うつむいて、こらえて、顔を上げたらスコールの顔が本当にすぐそばにあった。
そうして、気が付いたら自分からキスしていた。
115:スコセル12 ◆ane/8MtRLQ
03/04/08 22:48 Vw7dpi6q
「ごめんな~」
誰に、というわけでもなくセルフィはつぶやいた。
自分がした事なのにまるで現実じゃないみたいで、どうしていいかわからなかった。
頭の芯がすーっと白くなったみたいだった。
馬鹿みたいに、スコールの顔を見上げていた。
スコールもたぶん困ったんだと思う。
あのタイミングだと、考えようによってはキスっていうより唇がぶつかったみたいだし。
「大丈夫か?」ってあたしに言った時、スコールはどうしようって感じの顔で首を傾げてた。
もしかしたら途方に暮れてたのかもしれない。
だからあたしは、あれはキスじゃなかった事にしようと思った。
これ以上スコールを困らせたくないから。
今まであたしはスコールの「仲間」ですらなかった。頼って甘えていただけだった。
ちゃんと仲間になりたかった。
スコールに言おうと思った事、自分がすらすら話しているのが嘘みたいだった。
それでも、最後にスコールは「ありがとう」って言ってくれた。
『きっと今頃スコール、何だったんだろうって思ってるやろな』
明日どんな顔をしてスコールに会えばいいのか、セルフィにはどうしても思いつく事ができなかった。
116:砂漠の王と風の覇者19
03/04/08 23:29 v3n1VwEt
「……ちっ。思った以上にヒドイ有様だな」
城の中央塔の上部が黒煙に包まれ、その合間から時折覗くオレンジの炎を目の
当たりにしたセッツァーが、露骨に顔をしかめて舌打ちするのも無理はない。
今目の前に広がる光景は、禍々しい以外の何でもないからだ。
「一体なんだってんだこりゃ!? ……ってセッツァーあそこ!!」
炎上する塔の最上部に、小さな人影を見出しマッシュは叫んだ。それがリルムと
フィガロ国王である兄だという事はすぐに分かった。
「セッツァー! イカリと一緒に俺を降ろしてくれ……二人を連れ戻す!!」
既にマッシュは甲板から飛空艇の船底へ降りようと手摺に掴まり、身を乗り出
していた。
「んな無茶な!」
「こんな状況で、玄関から入ったって間に合わないだろ? それとも操縦に不安
があるか?」
言うとおり、炎に包まれた塔周辺は気流が乱れている。特に厄介なのが上昇気
流だ、並の飛空艇と操縦者ならその気流には耐えられないし、何より船と人の両
方に多大な危険を課すことになる。
マッシュとしてはセッツァーの操縦能力や飛空艇ファルコンの性能を疑っている
訳ではない、むしろ彼らだからこそ言えた台詞だった。
「……ふん、俺を誰だと思ってる? やってやるさ」
この状況下でも不適に笑ってみせるセッツァーの表情は、自信に裏打ちされた
頼もしい笑みである。
「そーこなくちゃな!」
相変わらず明るい口調のマッシュに向けて、釘をさすように冷然と言い放った。
「だがチャンスは多くない。いいな?」
「一発で決めてみせるぜ!」
そう言うとすぐさま碇に飛び移る。一年前、瓦礫の塔へ降りた時と同じ様に。
そうして炎渦巻くの城の中へ、飛空艇ファルコンは迷うことなく二人のいる塔を
目指して進むのだった。
117:砂漠の王と風の覇者20
03/04/08 23:36 v3n1VwEt
信じ難い光景を目にしたのは、炎に包まれた塔に立つリルム達の方だった。
「飛空艇……セッツァー達だ!」
喜びの声を上げるリルムだが、黒煙の間から覗くファルコンの姿は、自分たち
目がけて一直線に飛んでくる。それももの凄いスピードで。
「……セッツァーのヤツ、私らにどーしろって……」
溜息を吐いたリルムの身体が突然宙に浮く。思いがけない出来事に何がと見れ
ば、エドガーが笑いながらリルムを抱き上げている。
「本当はもう少し楽な体勢にしたかったんだが、今の私ではちょっと無理な様だ。
窮屈だろうが、少しの間これで我慢してくれるかい?」
傷を負った左腕はさすがに使えず、エドガーは右腕でリルムの腰を抱える様に
して抱き上げていた。お陰様で、普段は見上げなければならないエドガーの顔を
すぐ真横に見る事ができるのだが。
「こんなトコで何やってんだよ! おろせ、降ろせったら!!」
「……美しくなったリルムの顔を、間近で見たかったからね」
こんな非常時にこの男は一体何を考えているんだと抗議しつつ、内心ではなぜ
か恥ずかしいと言う感情の方が勝っていた―それこそ、こんな状況下で感じる
物ではないのに。
118:砂漠の王と風の覇者21
03/04/08 23:36 v3n1VwEt
自らの動揺を悟られまいと、リルムはエドガーの腕から逃れるため全力をもって
反抗を試みる。
「……。……すまない、暴れられると……傷に響くんだ」
「ご、ごめん」
エドガーの僅かに辛そうな表情が見えて、リルムはとたんに大人しくなった。
心から申し訳なさそうな表情で謝る彼女の姿に、密かに愛らしさを感じながら、
エドガーは柔らかな微笑を向ける。
「本当に、美しい女性に成長したね」
「だからこんな時に……」
炎に包まれた城に閉じこめられた状況で吐く台詞ではない。と、冷静に突っ込
みながらも、いつもは見上げていたエドガーの顔がすぐ横にある。
こんなに近くで目が合うと、耳の辺りが熱い様に感じて、リルムは堪らずに視線を
逸らした。
「もう少し大人になったら、本気で口説かせてもらうよ」
そんなリルムの横顔に、冗談ともつかないエドガーの声が届いた。
「子どもで悪かったわね」
視線を逸らしたままで返した言葉は、リルムにとって今日二度目のセリフだった。
119:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/08 23:38 v3n1VwEt
現在、6ブームのまっただ中にあるので……純粋にエドリル望んでる方、スマソ。
色んな方の描写出てきますです。。。
>>107-108
このスレは萌えSS(しかも他ではお目にかかれない)が多くて萌える。
ホントここ通りかかって幸せだYO!!
107さん、そう言っていただけると自分も(妄想の)突っ走り甲斐があるってもんです。
>>109(サロンシップ)
そ、その名にされるんですか……?(w
他スレの文章拝見させていただきました。松田優作風ザックスから先は大爆笑。(w
でも、漏れ◆KEY/rAMfMQさんの描写好きです。言葉というか、単語の選択が(゚д゚)ウマー
途中まではもの凄いシリアスな戦闘物なのかと思うほど。(そこからギャグに転じる
せいで、余計笑えるんでしょうかね……どちらにしても羨ましいです)
シドシエラ続編、激しく期待まちsage。
>>110(場違い小説)
もしやこれはキスティスとシュウとスコールの三角関係でつか!?(違)
こちらも展開気になりますsage……でも体調回復を優先させて下さいませ。
読み手としてはマターリ期待sageって気構えでお待ちしておりますです。
>>114-115(スコセル)
セルフィの心情描写がもの凄いスムーズに読めて(・∀・)イイ!
言葉少ななスコールのモノローグとは違って、普段明るいセルフィだけに
もの凄く切ない……そ、そこが萌えなんですが(*´Д`)
毎度感想長くてスマソ。ウザかったら遠慮なく言って下さい。
120:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/08 23:41 QpxPCssb
立て続けにキタ━━(゚∀゚)━━!!!!
イイ!このスレめちゃイイッ!!
121:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/09 05:16 CWmWYj4H
こんなスレを待っていた!
職人さんたちありがとう、そして頑張って。
そしてベイオウーフ×レーゼをキボン、と言ってみるテスト。
122:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/09 17:04 FSERIqll
職人さん達ガンガレー
応援パピコ
123:スコセル13 ◆ane/8MtRLQ
03/04/09 20:40 N1xjMrm7
『明日、どんな顔でセルフィに会えばいいんだ』
スコールはベッドの上で寝返りをうつ。
あれはキスじゃなく、事故だ。
そう自分に言い聞かせる。
たぶんセルフィも気まずかったのだと思う。
ひどく戸惑った顔をしていた。
考えてみればミサイル基地からずっとアイアン・クラッドに閉じ込められた挙句、自分達に
攻撃されてようやく脱出できたという状況で、そのまま演奏の練習と会場の手配までこなしていたのだ。
いくらセルフィがイベント好きと言っても無理のしすぎだった。
もしかしたらあの場所に来たのは一人になりたかったのかもしれない。
『だとしたら、悪い事をしたな……』
考えなければならない事は他にもいろいろあるはずなのに、柔らかい唇の感触が不意に蘇ったり、
抱きしめた時、セルフィが思ったより小柄だった事を思い出してしまう。
『何考えてるんだ、俺……』
中庭からは虫の声が響いていた。
「スコール、本当はイヤなんでしょ?指揮官になるの」
本心を言い当てられた。
自分の気持ちは自分以外には理解できないと思っていた。
他人に自分の気持ちを伝える努力などするつもりもなかった。
「もっと話して」と、リノアは言う。
「手伝うから」と、セルフィは言う。
『仲間……だからなのか?大体、仲間って何なんだ。どうして、一人でいる事ができないんだ……』
ガーデンの皆と自分の共通点はSeeDに象徴される、一流の兵士になるという目的だと思っていた。
一人で生きて行くために兵士を目指したはずだった。
『他人はそうじゃないのか?』
今まで考えてもみなかった事が次々に起こる。
「SeeDは何故と問うなかれ」
疑問とは最優先に排除されるべき物だ。
任務に関してなら、スコールはいくらでも雑念を振り払う努力をしただろう。
『こんなに個人的な理由で悩んでいる人間が、ガーデン全ての人間を統率できるのか?』
悩み続けるうちに疲労している身体はあっさりと睡魔を受け入れていた。
124:スコセル14 ◆ane/8MtRLQ
03/04/09 20:42 N1xjMrm7
雨の音だ。
庭の木を滑り落ちる水滴が立てる葉掏れの音。
湿った空気が肌にひんやりとまとわる。
目に見える景色の中には誰もいない。
一人だった。
おねえちゃん、ぼく ひとりぼっちだよ。
でも がんばってるんだよ。
おねえちゃんいなくても、だいじょうぶだよ。
なんでもひとりでできるようになるよ。
雨は止まない。
「スコール委員長、スコール委員長!至急ブリッジまで来てください」
眠りを破ったのは校内放送のアナウンスだった。
『……委員長?』
自分を呼んでいる事は間違いないと思いながら、聞いた事のない肩書きにスコールは首をひねった。
「スコール委員長、ごくろうさま!」
ブリッジに入るなり、キスティスが笑顔で言う。
「委員長って?」
「なんか、肩書きがあった方がいいでしょ?私とキスティスで決めたわ」
キスティスの傍らのシュウが答えた。
125:スコセル15 ◆ane/8MtRLQ
03/04/09 20:59 N1xjMrm7
「スコール委員長、スコール委員長!至急ブリッジまで来てください」
眠りを破ったのは校内放送のアナウンスだった。
『……委員長?』
自分を呼んでいる事は間違いないと思いながら、聞いた事のない肩書きにスコールは首をひねった。
「スコール委員長、ごくろうさま!」
ブリッジに入るなり、キスティスが笑顔で言う。
「委員長って?」
「なんか、肩書きがあった方がいいでしょ?私とキスティスで決めたわ」
キスティスの傍らのシュウが答えた。
「私、ガーデン内のいろいろな物資の補充とかそういう手配担当するから」
シュウはそうつけたすと続きをキスティスに譲った。
「私はカドワキ先生と手分けして、生徒たちの面倒みるわね。あなたは移動や戦闘の方針決定に専念してちょうだい」
「ああ」
昨日言われた事がこういう意味とは思わなかったので予想外に肩の荷が下り、
スコールはうなずきながらほっとした。
ガーデンが移動する上での最優先事項の二つが片付いたのだ。
「え~と、それから」
キスティスが少し考えるように首を傾げる。
「セルフィをちょっと休ませてあげて」
突然出た思いがけない名前にスコールは心臓が跳ねた様な気がした。
「理由をあれこれ言ってたけど……」
スコールは自分の顔に血が昇って行くのを感じた。しかしそれは本人が感じ取る体の反応であって、表面上には現れない。
「本当はミサイル基地とかの疲れがドッとでちゃったんだと思うの。どう、OK?」
心配そうなキスティスの顔にスコールは安堵しながらうなずいた。
「ああ、わかった」
「鉄面皮」などと言われる事もある自分の表情の乏しさに、心から感謝した。
操縦担当者にニーダが着任した報告を受け、スコールは一度自分の部屋に戻った。
126:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/09 22:40 LLXxa1v2
スコセルキタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!!!
ゲームの裏側って感じがイイ!(・∀・)ね。
127:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/09 23:43 4orQoQ7m
萌え
128:サロンシップ ◆KEY/rAMfMQ
03/04/10 00:20 fKBPSxiV
場違い小説様、お体お大事にどうぞです。スコールハアハア
エドリル様、有難うございます(泣)熱く激しく応援しますです。
スコセル様、切ない…!毎日楽しみにさせて頂いております。
129:発光(1)白 ◆KEY/rAMfMQ
03/04/10 00:21 fKBPSxiV
サイレンがスラムを振動させる。教会に、開発途中の宇宙船が墜落したのだ。
船体が、鈍い灰白光を反射する。その、真下に。
「……内臓が破裂している」
寒さを避けて、教会に忍び込んだ老人が、巻き込まれた。
事後処理に隠密部隊が来た。屋根の大穴から、吹雪が這い寄る。
黙って、黒衣の部隊長が痛み止めを打つ。
「眠らせてやらねえと…」
幼い少年兵が、特殊部隊員の手を遮った。
「待ってくれ。
──もうすぐ、医者が来ます」
老人が、金髪の少年兵の腕を掴む。
一片、クラウドの頬に雪の結晶が落ち、静かに流れる。
老人の骨ばかりの躯。その元から、魔晄が微かに湧き、こぼれる。
広大な廃虚の上を、萌葱色の水が滑る。
「おう、リーブ部長」
「お?艇長さん、久し振りやね」
メテオで崩壊した都市、ミッドガルの再建。
避難民達にとってそれは、悲願でもある。
二人の男が、歩き乍ら瓦礫のハイウエイで語る。
「で、どうだい?」
「どうもこうも、見ての通り、ライフストリーム浸しですわ」
住人達は、元の街に戻ろうとして言葉を失った。
一夜にして、都市が、深い薮や蔦に覆われていたのだ。
「…ワイは、諦めませんで。此処が駄目なら、何処か近い場所に。
今度こそスラムの無い街を作るんや」
魔晄に満たされた水が、黄昏の内に光を放つ。
URLリンク(www.weartv.com)
130:発光(2)白 ◆KEY/rAMfMQ
03/04/10 00:22 fKBPSxiV
「そう言う訳でよ、暫く飛空艇は、部長に使って貰いてぇんだが」
クルー達は喜び、鯨波を上げた。
星が旋回し、雲がゆるりと移動する。柔らかな灯が、家々に宿った。
「ロケットどころじゃ、ねえなぁ」
「あら?どうしたの?シド」
ネルで抽出したコーヒーが、シドのゴーグルを烟らせる。
「一度行ったのに、贅沢かも知れねぇが。
この面見てくれよ。…生き物そのものじゃねえか。」
URLリンク(photojournal.jpl.nasa.gov)
URLリンク(www.astro.web.sh.cwidc.net)
色鮮やかな堆積物を吐き、沸き立ち、侵食する星の貌。
「木星の衛星、イオね?」
「ロケットは、メテオにぶつかってバラッバラでぃ」
「作れば良いのよ」
「シエラよぅ。簡単に云うない」
「じゃ、部品を捜してみたらいいじゃない」
「……」
「手伝うわよ。シド」
小さな、魔王も勇者も居ない旅が始まった。
或る部品はエアリスの生家に。或る物は崩落したミッドガルの地下に。
大半の機材は、ギ族の洞窟の隠し通路から見つかった。
そして──
131:発光(3)白 ◆KEY/rAMfMQ
03/04/10 00:26 fKBPSxiV
夜気の中、潜水艇のハッチが開く。
「ふう。──ん?ありゃあなんだ?」
凪いだ海面を、白く大きな巻貝が滑る。
「アルゴス…ね。蛸船の揺り籠よ」
「って、タコかよ!」
太古の冒険者達を乗せ、黄金の羊と云う光冠を求めた船。
殻を脱ぎ捨て、擬態の達人となる事で、今も賑やかな蛸達。
遠い昔に、大繁栄したアンモナイトの子孫。
その証は、紙のオウムガイの半透明の揺籠にも、残されている。
「この辺りに落ちた筈なの」
「……なぁ、シエラ」
なぁに?と、朗らかに答えるシエラの首を、シドの唇が吸う。
赤褐色の結い髪を解き、逆さに梳き上げ、囁く。
「有難う、な」
シエラの腕が、柔らかくシドの頬を包み
ガターン!
とゆう音と共に、パーティメンバー全員が転がり落ちて来た。
「やっぱりこうなんのかぁ。…なんでぃ!てめぇらぁ!」
「興味ないんだが!…ウプッ。いや、手伝わせて欲しいんだ、シド」
クラウドを追い掛け、シドの鎗が月光に反射する。
喧しい程賑やかに、潜水艇が潜行してゆく。
かつてエアリスが植えた花が、魔晄の泉水に運ばれ
崩壊したミッドガルに広がり、芽吹く。
建造中の街に、老人が辿り着き、花を撫でる。
遠い昔、ロケットに押し潰された傷を抱えながら。
132:affection 16 ◆ane/8MtRLQ
03/04/10 21:33 JyiQaeYf
■ ■ ■
「セルフィ……。無理に明るく振舞ってる」
キスティスはブリッジを出て行くセルフィの背中を見送ってつぶやいた。
「サイファー、雷神、風神……。ちょっと前まで、このガーデンにいたのよね……」
キスティスの言葉はわずかに湿り気を帯びていた。
ニーダのおかげでガーデンが移動可能になった後、まず最初に行った場所はバラムだった。
ガーデンが制御不能だった時、街の手前で無理やり海へと方向転換したものの、被害が出なかったとは言い切れない。
何よりバラムは軍を保有しているものの小規模で、ガーデンが創立されて以降、学園の運営協力の代わりに
出兵依頼の優先権を獲得してそれに依存しているのが現状だ。
ガルバディアが侵攻してきた場合、自衛できない可能性が高い。
果たして、様子を見に行ったバラムはガルバディア軍に占領されていた。
なんとか潜入し、司令官と指揮官に対面してみるとそれは風神と雷神だった。
二人は魔女の騎士となったサイファーを認め、協力するのだという。
仲間だから全てを肯定し、助けるのだという。
予想していない訳ではなかったが、ひどく苦い思いが残った。
二人の主張は立場の違いをのぞけばセルフィ達がスコールに言った事と同じ事だ。
ガーデンでは戦いの理由はは善悪ではなく、それぞれの立場の違いから起こると教えられる。
だから敵と味方も良いか悪いかではなく置かれた立場による物で状況の流れでどうにもなってしまう。
それは特別な事ではない。
傭兵はクライアントに従う。憎いとか許せないとかいう自分の感情では戦わないのだ。
ガーデンを出た後で状況によっては卒業生同士が敵対する事だってある。
それは決して特殊な事ではない。感情を挟めば、死ぬのは自分なのだ。
それなのに自分はひどく動揺してしまっている。
指揮官としては褒められた事ではなかった。
だからスコールは元教官であるキスティスの言葉にどこか安心した。
揺らいでいるのは自分だけではないと。
133:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/10 21:34 EhZa4hQn
サイ風書きたいのだが、、、。なにぶん文章能力が無いのとベンキョが忙しいのとでもうだめぽです。ウワアアアン
あと二年くらい、、、人に塗られて出直して来ます。
むしろどなたかサイ風キボ、、、ン、、、。
134:affection 17 ◆ane/8MtRLQ
03/04/10 21:35 JyiQaeYf
「どうする?セルフィのリクエストに答える?」
シュウの質問で、スコールは本題に戻った。
バラムをガルバディアから開放したのはいいが、特に進むべき場所がどこかは決まらないままだった。
補給の問題もあるので報告を兼ねてスコールがブリッジにいるとセルフィが現れたのだ。
そしてもし目的地が決まっていないならトラビアの様子を見に行ってはどうかと尋ねられた。
SeeD試験に合わせて転校するまでセルフィはトラビアガーデンの生徒だった。
気になるのは当然だろう。
魔女とガーデンの繋がりを考えればそう筋違いの行き先でもなかった。
「ああ。トラビアに向かう」
スコールはニーダに行き先を告げた。
トラビアガーデンの惨状は予想はしていたがひどい物だった。
正直に言って建物の破損状況からすると生存者がいる方が不思議なくらいだった。
ガーデンという名を冠するだけに軍事訓練を受けている人間が殆どなので変事に気付いて
それなりに対応していたのだろう。
それでも魔女やガルバディアの気配がないのが救いだった。
セルフィはガーデン中を駆け回って皆を元気づけていた。
バラムガーデンの目的としては外れだったがセルフィの様子を思えばここに来た事は無駄ではなかった。
スコール達はセルフィの気が済むまでバスケットコートで待つ事にした。
トラビアの空はうっすらと曇っていた。
晴天の方が珍しい土地なのだと習った覚えがある。
135:affection 18 ◆ane/8MtRLQ
03/04/10 21:36 JyiQaeYf
「セルフィはここで育ったのかぁ……」
アーヴァインが空を見上げてつぶやいた。
遠い目だった。
スコールの視線に気付いたアーヴァインが振り返る。
ほんの一瞬だけ、スコールの胸がうずいた。
スコールはそれが罪悪感だという事に気付かなかった。
アーヴァインが意味ありげに笑う。
「なんだ?」
居心地の悪さをごまかしてスコールは尋ねた。
「別に」
アーヴァインは腕を組んで一人でうなずいた。
「セルフィが頼りにできるような、男のよゆ~ってやつを身に付けなくっちゃ!」
スコールは胸のうちを見透かされたような、かすかな不快感を感じた。
気配に気付いて顔を上げるとコートの向こうからセルフィが駆けてくる。
そしてその日、アーヴァインは心に閉じていた全てを、語りだした。
■ ■ ■
季節外れの雪は夜までわずかに降っては思い出したように降るのを繰り返した。
「きれいやなぁ……」
まるでアーモンドの花みたいだった。
夜になって皆が寝静まった後でセルフィは一人でバスケットコートに戻った。
トラビアガーデンはバスケットが盛んで転校前はセルフィもチームを組んで校内戦に出ていた。
バラムガーデンは飲料水の補給のためにトラビアガーデンから少し離れた場所に停泊している。
本当はバラムガーデンの生徒たちが補給の間だけでもと協力を申し出たがトラビア側は断った。
バラムガーデンの生徒が攻撃に関与しているという噂を掴んだせいもあるが彼らなりのプライドと遠慮も
あるのだろうとスコールは彼らの意見を尊重した。
せめてその間だけでも、というキスティスの勧めでセルフィはトラビアガーデンに残らせて貰った。
夜半には補給が完了する予定なのであらかじめ決めておいた時間には迎えが来る事になっている。
一人になると寒さと共にじんわりと現実が心に染み込んでくる。
136:affection 19 ◆ane/8MtRLQ
03/04/10 21:37 JyiQaeYf
ミサイルの威力を考えると人的被害は予想よりいくらかましなレベルではあった。
けれど、やはりたくさんの友人が死んだ。
それなのに涙は一滴もこぼれなかった。
とにかく、生きている皆を助けよう。
そう決めたはずだった。
「嘘ばっかり」
セルフィは自分に対してつぶやいた。
ミサイル基地から生還してバラムガーデンが無事と知った次の瞬間から気を抜くと浮かんだのはここの惨状だった。
みんなと約束したから、と自分に言い聞かせながらバンドのステージを用意した。
でも、本当は立ち止まったら泣きそうだから。
トラビアにミサイル攻撃があったなんて嘘だって誰かに言ってもらいたくなるから。
皆がバラムで戦っている間、一人になって脳裏に浮かぶのは、過去の思い出ばかりだった。
死んでしまった友達との、懐かしい日々の影がこのガーデンのあちこちに転がっていた。
皆の仇を討つために魔女と戦うって決めた。
たとえ相手がママ先生でも。あたしは今、ママ先生と戦うべき立場にいるのだから。
それがSeeDだから。
そして結果として自分の記憶をG.F.に食い破られるとしても。
優しい、暖かい思い出を失ったとしても。
それが生き残った自分のやるべき事だと思うから。
記憶は失うわけじゃない。思い出せなくなるだけだ。
だから日記を書いて、皆と話して思い出せるきっかけをたくさん作ればいい。
でも、スコールとのキスは?
セルフィの中の悪魔がささやく。
あの思い出は誰とも語れない。記録に綴る事だってできない。
だって、自分で無かった事にするって決めた事だから。
腕の中の温かさや、あの時聞いた言葉の全て、いずれ瑣末な日常の出来事と一緒に記憶の欠片になって
思い出せなくなるだろう。
セルフィの瞳から、初めて涙がこぼれた。
137:affection 20 ◆ane/8MtRLQ
03/04/10 21:38 nBQdfFHE
人でなし。
セルフィの中で、誰かの声がしたような気がした。
友達を失っても泣かなかったくせに過ちを犯した事を思い出して泣くなんて。
「ごめんな……」
殆ど消え入る寸前の声でセルフィはわびた。
「きっと、あと、ほんのちょっとの間だけやから……」
いずれ今日の雪のように消えてしまう思い出。
自分と、そしてスコールからも。
そしてセルフィは自分の心の中に耳を澄ます。
聞こえてくるのは波の音。鉄塔にぶつかってガラスの粒のように弾けて消える、オルゴールのようなあの音。
月の明るい夜の下、振り返るスコールの顔。
『セルフィ』
指揮官ではないスコールの声。
『どうしてここに?』
あの時、夜の中にあたし達二人しかいなかった。
何も望まない代わりに心の中の箱にしまっておくつもりの思い出だった。
これはきっと罰だ。
トラビアの皆が苦しんでいる時、笑っていたあたしへの、罰。
138:affection 21 ◆ane/8MtRLQ
03/04/10 21:41 nBQdfFHE
セルフィは涙をぬぐった。
腕時計のアラームが鳴った。定時だ。迎えが来る。
セルフィはもう一度コートを見回した。
雪はとっくに止んで、消えていた。
「またね」
コートのすみっこの思い出の影にセルフィは手を振る。
ガーデンの入口に、車が止まっていた。
「セルフィ、こっち」
アーヴァインが手を振っている。
「ごめん、待たせた?」
アーヴァインは首を振る。
「補給が少し早く終わりそうなんで、早めに迎えに出たんだ」
「本当に?ありがとう」
セルフィは車に乗り込む。
「疲れたんじゃない?そんな顔してる」
アーヴァインが尋ねる。セルフィは苦笑する。
もしかしたら、という淡い期待が胸にちくんと棘を刺す。
「ガーデンはどこらへんに行ったの?」
「ここから一時間弱ってとこかな?けっこうあったよ」
セルフィはトラビアの地理を思い出す。
距離的には昔野外訓練に行った湖のあたりの気がした。
「道、大丈夫?」
「ま~かせなさい!」
アーヴァインの明るい声につられてセルフィは思わず笑った。
139:affection 22 ◆ane/8MtRLQ
03/04/10 21:42 nBQdfFHE
「あ、やっと元気になった」
アーヴァインがほっとしたように言った。
「スコールに頼まれたんだ」
意外な名前にセルフィはどきりとする。
「何を?」
「こんな状態だからさ、セルフィはきっと疲れてるだろうって。そんな状態でもスコールが相手だとセルフィは
気を使っていろいろ話したりしようとするだろうから僕が言った方がセルフィが気楽なんじゃないかって。
スコール、なかなかわかってるよね~」
「本当だね……」
セルフィは胸が暖かくなるのを感じた。
目の奥がじんとする。
スコールは優しい。たとえあたしが特別な女の子じゃなくても。それで十分。
「ごめん、アービン、ちょっと疲れたから寝てもいい?」
「いいよ」
アーヴァインは前を向いたまま答えた。
「道がわからなくなったら起こしてね」
セルフィは腕で目を覆った。
「おやすみ、セフィ」
アーヴァインの声に安心して、セルフィは眠りについた。
End
140:姐 ◆ane/8MtRLQ
03/04/10 21:49 nBQdfFHE
は~、やっと終わりました。
別スレで違うカップリングで書いてるのでご存知の方が
混乱しないように覆面かぶってましたがここも保管されてる
みたいなんで名乗っておきます。
別カプの話で行き詰ってるのと友達から少女漫画借りて
一気読みしたためコテコテの少女漫画風味が書きたくなって
思わず書いたのがこれでした。
最初短かったんですが萌えてくださる方がいたみたいなんで
こってりめに書き足ししつつ投稿しました。
感想下さった方、ありがとうございました。
後ほどまた参ります。
141:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/10 22:09 DCClnPVD
もつかれですた
142:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/10 22:21 fKBPSxiV
姐様、乙華麗様でした!エンディングの余韻が至福です。
>>133
だ、ダイジョブですか?133さんの勉強は大切なので
優先して頂きたいですが…。
133さんの一番好きなサイ風は、133さんの中にしか無いでつ。
他の方のサイ風を期待sageしつつ
133さんのお話をマターリ読める迄、何年でもお待ちします。
143:133
03/04/10 22:32 0M+RLUVV
うぐぉ割り込んでしまた。ゴメンナサイ
私=>>29なわけなんですけどね。がんがりまつ。
スコセル、萌えますた。少女漫画風味イイ!
144:砂漠の王と風の覇者22
03/04/10 23:30 5V+A5lIY
「……やはり若い男の方がいいかな?」
「なっ……何言ってるんだってば!」
しかしセッツァーとは全く異なる反応に、逆にリルムが狼狽える。それを面白くて
仕方ないと言った様子でエドガーは見守る。
笑顔を絶やさずに優しい瞳を向けながら、けれども真剣な口調でエドガーは告げた。
「リルム。私とマッシュを信じられるかい?」
「え?」
最初、リルムは聞かれている事の意味が分からなかった。黙って前方を見つめている
エドガーの視線を追う。その先には、迫りくる飛空艇ファルコンの姿。
さらに目を凝らして見れば、船の下に揺れる小さな影―マッシュだ。
「マッシュなら大丈夫さ。君一人ぐらい何ともないだろう」
「あ?」
そう言うと、エドガーは両腕でリルムの身体を持ち上げる。前方に見えていた
小さな影が徐々に大きくなり、やがて手を伸ばすマッシュの輪郭もはっきりと見
えてきた。
「―また会おう」
「っ!?」
異を唱える間もなく、リルムの身体はエドガーの手を離れ一瞬だけ宙に舞った。
145:砂漠の王と風の覇者23
03/04/10 23:31 5V+A5lIY
次の瞬間、しっかりとマッシュの腕が彼女を捉えていた。
「大丈夫かい?」
「…………」
マッシュの問いにただ頷いただけで、リルムの視線は塔の上に残された男に向
けられたままだった。
「バカだよ! ……ホントにどーしよーも無いぐらいのバカだ……」
絞り出すような声でリルムは呟いた。わき起こる失意と後悔の念に、小さな体
が押し潰されそうな錯覚さえ感じるほど。
今になってようやく、塔の上での不可解な行動の意味が分かった―あれは全
て計算し尽くされた行動。初めからエドガーは、リルムを塔から脱出させるつも
りだったのだ―自分に向けられた柔らかな笑顔と、最後の言葉の持つ意味が胸
を締め付ける。
「兄貴の事なら心配ないさ」
そんな彼女の心中を察したマッシュは、笑顔で言い切った。
「……うん」
操縦士セッツァーの腕と、マッシュの事を信用していないと言うわけではない。
ただ。
「やっぱり、魔法が無くちゃ足手まといだったね」
悔しいけれど、それが現実だった。
「…………」
マッシュからの合図を確認すると、セッツァーは飛空艇を大きく左に旋回させ
て一旦その場から離れた。体勢を立て直しつつリルムを甲板へ収容すると、再び
炎の海へ船を向けた。
「リルム、中へ……」
不安定に揺さぶられる舵を取りながら、セッツァーは口にしかけた言葉を呑み
込むと、強い口調で言い放った。
「このまま突っ込むぞ! 吹っ飛ばされたくなかったらその辺に掴まってろ」
146:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/10 23:34 5V+A5lIY
この後、しばらくはエドガー視点で話が進みます。(リルムの見せ場はもうちょい先…)
どうかご了承下さいませ。
>>121
FFTって(・∀・)イイ!キャラ多いよなー。漏れも6知る前まではFFTネタ色々
考えていたクチなもんで…。
便乗で漏れもキボンヌ。特にムスタディオとメリアドールの話を!!(少数派?)
(余談:イズルードも(・∀・)イイ!んだが、メリアドールと姉弟だったんだよな……)
他にもウィーグラフとかバルマウフラとかオーランとか……魅力的なキャラ多いし。
>>133
自分が今一番優先させる事を優先させて下さい……とはいえ、142さんの仰るとおり、
自分の中にある萌の形は自分が一番良く表現できる物だから、いつかうpキボンヌ!
……かく言う漏れも、今は研修中。(ここ来てる場合なのかと小一時間。略)
息抜きにはなると思う……うん。
>>発光
都市再建に奔走するリーブ。再び宇宙を夢見るシド。
シド以上に根性座ってるシエラ。……(・∀・)イイ! どれも漏れのツボっていうか
抱いてるイメージに合っててヨカタ!!(そして覗き見部隊も。w)
>>affection(スコセル)
ゲーム中の場面が思い返される感じで(・∀・)イイ! 実際にはそんな出来事はなかった
筈なのに、スコセル全然違和感なく、寧ろ本編と上手く合わせて読んでいけるのが良かった~。
漏れは特に、FF8本編中でも出てきたG.F.使用による記憶障害という副作用。その回避策と
セルフィの前向きな考え方(日記の真相>>136-137)辺りが切なくて良かった……。
乙ですた!
147:姐 ◆ane/8MtRLQ
03/04/11 00:22 DSa0+9Vj
今読み返すとメモ帳からコピペする時に重複してるとこありますね(汗
誤植はいつも事なんですが(大汗
本当は15と16の間にバラム封鎖のエピソードが入るんですが
スコセルには関係無いのでカットした関係でちと消化不良です。
記憶喪失の話とかもきちんと書きたかったんですがすごく長くなるので。
サロンシップ様
画像付きでイメージが膨らみます。シドがすごくセクシー。(;´Д`)ハァハァ
アルゴス、親戚の家にありますた。きれいですよね。
やはり覗きがキタワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・* !!!!!
>>133
いえいえ、おかげでレス1個たくさん書き込めましたので。
ぜひがんばって下さい。お待ちしてますので。
>>146
毎回読み込んだ感想ありがとうございます。
一応スコキス作家という事になっているのですが、それでもこのスコセル話は
あった事として組み入れる事ができるのではという疑問から生まれました。
今日もエドガー(・∀・)イイ!
そして感想くださったたくさんの方、ありがとうございました。
148:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/11 00:36 L+CRQ2O4
このスレの小説全てに萌える。
149:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/11 16:58 ffCV0Jq1
職人さんは神様だ
エロじゃないけど(*´Д`)イ…イイッ!
150:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/11 20:18 MvWATMjt
リュック×ギップルかいてください。だれか
151:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/11 20:30 1b8Zcd9x
リュック攻めかい
152:白 ◆KEY/rAMfMQ
03/04/11 20:48 DiprR/Yw
>>29さんの可愛くて爽やかなお話、大好きです!
…Σハッ!!もしや勉強って…!
風神「因風神是SAIFA的朋友、 他他是急切的!」(偽中国語スマソ)
雷神「ナニ云ってるか判らないもんよ…」
風神「勉強汁」
姐さま
スコールやキスティスは、無感情にサイファーと闘ってる訳では無い。
…そうですよね。何だかホッとして、でも余計悲しいでありました。
セルフィも苦しい中ガンガってたのでつね。。。( *´Д⊂ヽ エエ話ヤ…
優しいアーヴァインに、熱く激しく萌えますたです!
エドリルさま
エドガーもセッツアーもマッシュもカコ良いであります!
良い男っぷりに (*´Д`)/lァ/lァ
リルムを守ろうとしたエドガーに萌え萌えであります。
お忙しいようですが、お体にだけは負担の無いよう応援してまつ。
153:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/11 20:57 zvN4ymU+
俺パフェさんのHPがおすすめだな
154:姐 ◆ane/8MtRLQ
03/04/11 21:33 JLEALkYj
>>150
※凡例
その日も疲れ果てたギップルは寝室のベッドにようやく辿り着くと考える間もなく眠りについた。
どれくらい眠ったのだろう。
圧迫感を感じてうっすら目を開くと、リュックがいた。
「ギップル~♥」
「うわっ!なんだよシドの娘!何してんだお前!」
あわてて起き上がり、ベッド脇の照明に手を伸ばす。
「あ~、何だとはヒドイ。せーっかくアタシが来てあげたのにさ~」
そこでギップルが見たのは、肌も露な姿のリュックだった。
概してアルベドの服装は露出が多いが、リュックの今の服は薄い布で作られた、世間で言う「勝負下着」に近いものだった。
「それに『シドの娘』じやなくてリュックって呼べ~」
ぷうっとふくれるリュックはなかなかに可愛らしいが、状況としてはかなり異常だ。
「わ…悪かった、リュック。謝るから、自分の部屋に戻ってくれ」
ギップルとしては『アニキの妹』というくらいしか意識していないリュックの突然の行動に面食らい、頭が真っ白だった。
「やだ」
リュックはぷいと横を向く。
「やだって、お前」
「ギップルがアタシの事恋人にしてくれるまで帰らないもん」
「こ・・・恋人ってどういう」
ギップルがぱくぱくと口を動かすとリュックはふん、と鼻を鳴らす。
「女の子が夜中に男の子の部屋にこーんな格好でいるんだよ? する事なんて一つじゃん」
数秒後、言葉の意味を理解したギップルは真っ赤になって絶叫した。
「モ・・・モレミニヤネオツヌレダ、ハシミッセウンガ~!!!!」
そういう所で、ギップルは案外古風な男だった(藁
リュック×ギップルってこういうことですぜ?
つか何書いてんだアタシ(藁
155:姐 ◆ane/8MtRLQ
03/04/11 21:41 YEDREDPK
ちなみに
「モ・・・モレミニヤネオツヌレダ、ハシミッセウンガ~!!!!」
↓
「よ…嫁入り前の娘が、何言ってんだ~!!!!」
で、ございます。
156:砂漠の王と風の覇者24
03/04/11 23:13 WfWvJLRL
一人塔に残ったエドガーは、何とかこの炎を鎮火させる方法を考えていた。
できれば延焼は少ない方が良い。最悪でもこの城の地下機関部だけは、
なんとか火の手を免れて欲しかった。
「こんな時、魔法があれば便利なんだがな……そう言う訳にもいかないか」
ケフカと三闘神を葬り去った世界―それは自分たちが望んだ平和であり、手
にした結果―もちろん、それを後悔しているのではない。
しかし、この猛火のただ中に一人身を置いて、成す統べなく炎に包まれる城を
見ていれば、そんな希望を呟きたくなるのも仕方がない。
「虫のいい事を言うものだな、エドガーよ」
炎が迫る中、背後から聞こえてきたのは先ほどの兵士の声。それはどこか満足気な
ものを含んでいる様だった。
エドガーはさして驚いた様子もみせず、男の方を向いて尋ねた。
「なぜここへ来た? 急がないと君も崩落に巻き込まれるだろうに」
「それはお互い様だろ? ……まぁ、焼け死ぬ前に俺が殺してやるがな」
二人の立つ塔の直下で燃え盛る炎の光を映し出し、臙脂色の光をたたえた剣
を再びエドガーに向けながら、男は笑った。
抵抗の素振りは示さないが、エドガーは彼を正面から見据えたまま静かに問う。
「リルムは君を『帝国兵の生き残り』と言っていたが……本当は違うな。いや、
寧ろもっと身近な人間……そう、たとえば王族の誰かだろう?」
「…………」
ほんの少しだけ、剣を持つ男の手が震えた。
構わずにエドガーは先を続ける。
「城にこれだけ被害を及ぼし、私達の退路を断つべくうまく仕掛けられた爆薬の
事を考えれば、城の内部構造に詳しい者だろうとは……すぐに察しがつくさ」
フィガロ城稼働のシステムは門外不出の最高機密である。城の機関部分に精通
しているのは、一部の技術者か王族の関係者だけだった。
それに、王族の人間ならば反乱を起こす動機は十分にあるとも思ったからだ。
既存の体制を変えようとするとき、多かれ少なかれ必ず内部からの抵抗が起きる。
それはどんな世界でも同じだ。
157:砂漠の王と風の覇者25
03/04/11 23:16 WfWvJLRL
「これが君の望んだ姿か? 私利私欲に走った末路がこの惨状だ」
男を責めるわけでもなく、ただエドガーは淡々と句を繋ぐ。
「私利私欲? ……それは違うな、『理想』だよ。私と君とではその形が違うだ
けだ」
「…………」
何も言わず依然として男を見据えるエドガーの胸中に、けれどやり場のない感
情がこみ上げてくる。自らの理想である『秩序のある国づくり』は安易な事では
ないと、そしてそれに反発する者も出てくる事も、全て承知しているはずだった
のに……。
それでも拭いきれない感情が、確かにあった。
「さあ武器を取れ。でないとお前はこの場で私に斬り殺される事になる」
刹那、二人の間を熱風が横切った。
「……言ったはずです。私一人殺してたところで何も変わりはしない、と。王の
代わりはいくらでもいるし、以前の帝国のような支配体制に戻りたいと願う民は
多くない。この流れは誰にも止められない」
剣を突き付けられても、エドガーは武器を取るどころか防御すらもしなかった。
焦りや恐怖心で身動きできないのではなく、逆に余裕さえ感じられる口振りだ。
「それを、あなた自身分かっていた。だからこんな方法を選んだのではないか?」
男の行動は、自らの身を危険に晒してまで王の命を狙うという最大の抵抗。
失敗した時はもちろん、たとえ成功しても自分が還る場所のない選択だった。
「……ふん。全てお見通しという訳か」
エドガーの放つ鋭い指摘は、言葉それ自体が武器となって男を追い詰めていた。
観念したと言う代わりに、男は剣を構え直すと冷淡とも思える口調で告げた。
「地獄で会おう」
「そうはいかないさ」
対照的に、エドガーは僅かな笑みを浮かべながら言葉を返す。
「そうか。では私を殺し、ここから無事に脱出するのだな!」
158:砂漠の王と風の覇者26
03/04/11 23:16 WfWvJLRL
「どこまで行ってもお互い、平行線のままなのか……?」
諦めと嘆きを含んだ複雑な声を漏らし、エドガーは静かに槍を構えた。
火の手はもうすぐ後ろまで迫っている―残された猶予はない。それは即ち、
“迷い”が死に直結していると言う事を意味する。
「……だが忘れないで欲しい……お前も、フィガロの民であるという事を」
だが、彼には捨てきれない思いがある。どうしても、どんな状況におかれても
捨てきれない物をたくさん抱えていた。
「ギャンブルでも女でも、多くを求めすぎると自滅するもんだ」
セッツァーが以前言っていた、そんな言葉をふと思い出して苦笑する。
それまで、男の前で決して見せなかった穏やかな表情を浮かべながら、エドガー
は呟いた。
「私はフィガロを愛している。……その為に、この身が滅びると言うなら本望だ」
159:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/11 23:28 WfWvJLRL
FF10-2やりたいよ~。でも金と時間がねぇYO!!
>>154
ギップルって誰でつか?・゚・(ノД`)・゚・(……10-2?)
それにしても、アルベド語ってこういう所に出てくると新鮮な感じがするなぁ。
(ネタとして使えそう……いやなんとなく。w)
ところで、このスレにFF6のマニアックな(実際にはそれ程マニアックではないけれど)
アイテムネタ書いても(・∀・)イイ!って人はいませんか?
『血塗られた盾』って結構面白いシチュエーション作れないかな~? とか妄想して
みたんですが。(これなら辛うじてエドリルでもエロ展開あり得るかな? なんて…)
血塗られた盾ですよ、血塗られた盾。
(参照)
『血塗られた盾』:これを装備した状態で255回戦闘に勝つと『英雄の盾』に変化する。
『英雄の盾』は最高の防御力を誇り、属性防御・吸収と
その名に相応しい高性能の盾。アルテマ習得も可能。但し装備車は
混乱・バーザク・死の宣告など様々なステータス異常に陥り、各能力値
も低下するという、全く使えない防具。リボン装備以外でのステータス異常回避は不可。
スマンカッタ。
160:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/11 23:43 loh5GsTw
乙ですた。
ハラハラする展開でどきどきでつ。
ラストのセッツァーのセリフがカコイイ!
161:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/12 00:08 CbtvKcvw
うわぁエドガーカコ良いv(;´Д`)ハァハァ
…そして激しくピンチ!でつね。
ギップルって誰?は、公式サイトで設定や声が分りまつ。
うろたえるギップル…も、萌え~!
URLリンク(www.playonline.com)
162:姐 ◆ane/8MtRLQ
03/04/12 02:50 u9uwp1zk
なんか寝れなかったので続き書いてみますた。
↓
「うちのオヤジみたいな事言うな~」
リュックはぴっ!と人差し指を立ててギップルの鼻先を突付いた。
「だいたい、ヘンだよ。なんでみんなアタシにばっかりそ~いう事言う訳?」
「そっ……そりゃあ、お前……」
ギップルは回らない頭で必死に言葉を探す。
そうなのだ。
アルベド族は15才前後から、労働力として役に立つとみなされた時点で一人前として扱う。
迫害を受けて一族内での結束が固い事もあるが恋愛に関しては開放的で比較的早熟だ。
ギップル自身、少年期に好奇心から年上の女性と付きあった(あるいは遊ばれた?)経験がある。
しかし、自分より年下の少女、中でもリュックはちょっと特別だった。
自分の経験から、あまり年若い女の子が好奇心だけで男と付き合うのはできれば避けさせたかった。
男女間でのトラブルで負うリスクはどうしても女の子の方が高いのだ。
リュックは因習や既成概念に囚われる事のない思考の持ち主で、一族の大人達からも一目置かれていた。
シドの娘だからというより、リュック本人の資質はアルベドにとっての宝なのだ。
しかしその性格は、裏を返せば向こう見ずな上に無防備という欠点ともなる。
リュックが伸びやかな心を失わずに育つよう、周囲の人間達は常に心を砕いて守ってきた。
アルベドでも三本の指に入るといわれた美人だった母に似た容姿を持つリュックは、いろいろな意味で
同世代の少年から遠巻きに眺められている存在なのだ。
「だいたいさぁ~、ギップルもマキナ派のリーダーなんだから、も~ちょっと自分の身辺に気を配ったら~?」
163:姐 ◆ane/8MtRLQ
03/04/12 02:51 u9uwp1zk
ギップルの考えがまとまらない内に、リュックは次の問題を提起する。
そこで初めてギップルは不自然な点に気付いた。
「お前……どうやってこの部屋に入った?」
「ん?ドアから」
「鍵がかかってただろ?」
「あ~んなの、ちょいちょいってやったらす~ぐ開いたよ」
ギップルは絶句する。
それなりの立場にいるために不穏な客が来る事もあるので寝室の鍵は色々工夫して現時点で不法侵入はまず無理という、
最新式の物を使っている。マキナ派のメンバーの自信作だった。
目が覚めたら美少女が夜這いに来ていたなんていう、普通の男ならラッキーとしか言えない状況なのだが
ギップルは色んな意味で頭痛がしてきた。
「シ……じゃない、リュック」
とにかく部屋に返さなければ、とギップルは説得を試みる事にした。
「な~によう」
「頼むから、部屋に帰ってくれないか。話は明日ちゃんと聞くから」
平静を装って頼んだもののリュックは口をきゅっとへの字に結んでギップルを見た後、冷たく言った。
「イヤ」
リュックがずいっ、と体ごと前に出る。顔と顔がぶつかりそうな所まで接近した。
いつもはターバンで結い上げた髪をまとめているが、今夜のリュックは髪を下ろしている。
のしかかられたギップルの肩や腕にさらさらとリュックの髪が触れる。
「どうしてもって言うなら、キスしてくれたら帰る」
そんな事したらどういう展開になるかわかってるのか、とギップルは叫びたくなった。
「……お前、酒飲んでるのか!?」
「悪い?」
リュックからかすかにアルコールの匂いがしていた。
「考えてもみてよぅ~。女の子が夜中に男の子の部屋にこ~んなカッコで、あ~んな理由で来るなんて
素面で出来るわけないじゃん。乙女心がわかんないやつぅ~」
そのわかんないやつに迫っているのはお前だと突っ込みたい気持ちを抑えてギップルはその話題から離れようとした。
「そうか。で、どんだけ飲んだんだ?」
「いっぱい」
164:姐 ◆ane/8MtRLQ
03/04/12 02:52 u9uwp1zk
グラス一杯にしてはまわりが良すぎる。
「たくさん、て事か?」
ギップルの質問にリュックは首をぶんぶんと振る。
「一杯だけ。カップに一杯」
「何飲んだんだ?」
「んとね、野いちごのお酒。このあいだルチル隊長にミヘン名物ですってもらったの~」
その答えにギップルの顔から血の気が引いた。
「おい!お前が飲んだの「貴婦人」と「騎士」どっちだ!」
「え~?」
「色だ!ピンクと赤!どっちの色だった!」
「ん~と、ピンク……」
ギップルは絶句した。
ミヘンの旅行公司でも扱っているが野いちご酒には2種類ある。
まず色が赤いのが「騎士」で、ミヘン街道の野いちごを使って作るワイン。
黒いちごを混ぜて作るので少し渋みがあるが、さほど度数は強くない。
そしてピンクは「貴婦人」と呼ばれ、野いちごをアルコール度数の高い酒に漬けて作る。
基本的に貴婦人は小さなリキュールグラスで供される。
なぜなら優雅な名前と甘い飲み口とは裏腹にアルコール度数がとても高いため、酒に弱い人間が
ビアカップ1杯くらいの量を一気に飲むと大抵アルコール中毒になるからだ。
ギップルが知る限りリュックは酒があまり得意でなかったはずだ。
165:姐 ◆ane/8MtRLQ
03/04/12 02:59 u9uwp1zk
「大丈夫なのか!?」
血相を変えたギップルの質問にリュックはきょとんとしたように首を傾げた。
「何が?」
「その……気持ち悪いとか、寒気がするとか」
「……ん~……ちょっと……眠いかも」
リュックの目がとろん、としていかにも眠たげになっていた。
「あ……おい!」
突然、ぱたりという風にリュックが倒れた。
中毒か、とあせってリュックを抱えてみると寝息はごく安らかで熟睡しているようだった。
その一瞬はほっとしたものの、再びギップルは途方にくれた。
こんな格好のリュックを抱えてリュックの部屋に行く所を他人に見られたらどう考えてもいい逃れできない。
それに、酔いつぶれている可能性のある人間に対して絶対してはいけない事が一つある。
それは『絶対に一人にしない事』だった。
「こりゃあ、寝ずの番だな……」
ギップルは半ばぐったりしながらリュックを見た。その寝顔は子供みたいに安らかだった。
「……シドに見つかったら、殺されるな……」
また新しい頭痛の種に気付き、ギップルは再び額を押えた。
166:姐 ◆ane/8MtRLQ
03/04/12 03:11 OaFQfzPS
×→『絶対に一人にしない事』
○→『一人して放置する事』
かーっ、何書いてるんだよアタシ・・・。と思いつつ適当に書いてみますた。
中途半端ですがとりあえず以上。
スコールの話を書いてる途中に思いついて書いてみたのでギップルが
私の書くスコール風味に・・・。
リュックはリュックでセルフィ風味ですが。
Ⅹ-2はキャラ立てるの難しいっす。
ここのスレでは大人向きは書かない事にしてるので期待した方いたら謝ります。
正直すまんかったです(藁
167:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/12 12:07 p6NfVahx
確かにスコールぽい。
やっぱりリュックはアーロンだな。
正宗まで持ってたし。
102の続きが読みたいよ~
168:150
03/04/12 14:34 nxljSzSV
どうもありが㌧!まさか誰かかいてくれるなんておもいませんでした・・・。本当にありがとう。
リュック×ギップルでもギップル×リュックか深くかんがえてなかったけど・・・
どっちも萌えだYO!
169:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/12 21:22 YPmMF8Mc
あんま目立たないが良スレだな
170:砂漠の王と風の覇者27
03/04/13 00:12 B1cCJo7W
「私はフィガロを愛している。……その為に、この身が滅びると言うなら本望だ」
口が裂けても弟の前では言えない、それが“国王”の秘めたる決意だった。
***
飛空艇ファルコンの甲板に差し込む淡い月明かりの下に、二つの影が並ぶ。
「お前、もう少し肩の荷を降ろしたらどうだ?」
「……重荷を背負っているとは思っていないが」
ケフカ打倒の為の旅を続けていたある日の深夜、寝付けずにいたエドガーは夜
風に当たろうと出向いた飛空艇の甲板で偶然セッツァーと会い、話し込んでいる
うちにそんな事を言われた。
「お前はそう思っていても、周りはそう思わねぇだろ」
「そんなものか?」
「ああ。俺がそう思ってる」
「セッツァーらしいな」
飛空艇を操り自由に生きるこの男は、まるで風のようだとエドガーは感じてい
た。何者にも縛られる事なく自分の思うように振る舞う様は、砂漠の城主である
自分とは対極の存在とも思える。
少なからず、セッツァーに対して憧憬の念を抱いていたのは確かだった。
「ふん。どうせ俺には自分が感じた事しか分かんねぇよ」
「それが君の魅力じゃないか?」
「男に言われても嬉しかねぇな」
と、口振りは素っ気ないが穏やかな表情で笑っていた。
「……なぁエドガー。この戦いが終わったら……やっぱり国に戻るのか?」
「ああ」
何の躊躇いも見せずにエドガーは即答した。一点の曇りもなく強い意志を秘め
た瞳は自信と威厳に満ちあふれ、それでいて優しい色をたたえている。若いなが
らも王者に相応しい貫禄を、すでに充分備えていた。
そんな姿を見るにつけセッツァーもまた、エドガーが自分とは正反対の生き方
をする人間なのだろうと感じていたのだ。
「争いで血と涙を流す時代は終わらせなければならない。俺達がこの戦いで終止
符を打っても、それだけでは混乱が残るだけだ。私の夢は……その先にある」
171:砂漠の王と風の覇者28
03/04/13 00:16 B1cCJo7W
秩序ある国を作ること。それが自分の夢であり、使命だとエドガーは言い切る。
国に縛られるのではない、自らそれを望み傾倒する彼の姿勢には圧倒される。
しかも今、三闘神とケフカを敵前にしているにも関わらず、エドガーはその先
をも見越している。自分には到底マネできない芸当だとセッツァーは思うのだった。
「悪かった。この前の言葉は取り消す」
「……どうして謝るんだ?」
「『勿体ない』ってな、つい言っちまったけど……悪かった」
それは以前、リルムの不意打ちサンダラにより倒れたエドガーを手当した時、
彼の表情に何か違和感を感じたセッツァーがかけた言葉だった。
「が。俺としちゃ本心だ。お前の機工の腕は並のモンじゃねぇ。飛空艇所有者
の俺が言ってるんだ間違いねぇ」
「何も謝る事はないじゃないか。……もし仮に、俺がフィガロの王位継承者では
なかったとしたら、その道を進もうと思っていた程さ」
そんな風に語るエドガーの表情から王者の風格は消え失せ、今度は一転して少
年のような印象さえ感じた。彼が“機械文明の旗手”と異名をとる理由も分かる
気がする。
「だから……あの時のセッツァーの申し出、本当は嬉しかったんだ」
照れたように顔を背けると、眼下に広がる広野を見やった。目に飛び込んでき
たのは延々と続く草原と、上空に広がる星空だけだった。
その間を通って来た風が、僅かな冷気を伴い頬の横を通り過ぎる。
(……私は……強欲なのかも知れない。けれど、どれを捨てる事もできない)
「ありがとう」
心の中で呟いた言葉は、風がどこかへ運び去って行くような気がして。
172:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/13 00:25 B1cCJo7W
>>158の最後の一行と>>170の最初の一行が重複していますが、スマソ。一行
付け加えたい部分があったもので……。
漏れ個人的にはエドガーとセッツァーも良いコンビだったんじゃないかな?
なんて思ったのですが……結果的にセッツァーは、エドガーとリルムの間に挟まれる位置に。(w
>>161
公式サイトに載っていたんですね! 見るとやりたくなるので暫く見ていなかったんですが、
……一番上になっていた「???」って人がチョット萌えな予感……。
・゚・(ノД`)・゚・
ありが㌧
173:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/13 21:16 3NwWQuKo
ここってエロは駄目なの?
174:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/13 21:18 WdWL4DW5
エロパロ板へ逝きなさい。但しあなたが21歳以上であればだが。
175:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/13 22:15 6QO/AEt6
>>173
俺としてはいいと思うんだが…
官スレはけされちゃうからなあ…
なんでこんなことになっちゃったんだろ……
176:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/13 22:36 CnTupBym
アー×リュの続き激しくキボンヌ!!(*´Д`)ハァハァ…
177:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/13 23:16 L+0lsQOp
>>176
この板最近規制厳しいからあれより先はピンク鯖じゃないとまずいと思うんだが。
178:砂漠の王と風の覇者29
03/04/13 23:29 c4zznxs8
エドガーは再び向き直ると、いつもの穏やかな表情のままでそうとだけ言って、
何とはなしに頭上に広がる星星を仰ぎ見た。
そんな様子を見て小さく溜息を吐いた後、セッツァーはこんな事を口にする。
「お前はギャンブラーにはなれねぇな」
「え?」
三度セッツァーの方を向くが、彼の視線は手元のカードに向けられていた。
「ギャンブルでも女でも、多くを求めすぎると自滅するもんだ」
両手で器用にカードを裁きながら、ひいて見ろと言う様にエドガーの前へ差し
出す。
「セッツァー?」
「俺の戯言だ」
「……ありがとう」
言いながら、おもむろに差し出されたカードの中から一枚めくってみる。
「クラブのK……ねぇ」
出たカードを見て、セッツァーが思わず苦笑したように笑った顔が、なぜか
強く印象に残っていた。
***
「私は、強欲なのかも知れない」
あの日呑み込んだ言葉を今、炎が迫る塔の上でエドガーは口にした。
「秩序ある国をつくる事が国王としての私の使命。だがマシーナリーとしての夢
もある。……どれも捨てられない」
「身に余る欲は、破滅を招くぞ……ガストラ皇帝の様に」
言葉は違っても、言わんとしている事はセッツァーと同じだった。
「そうかも知れない。だが、だからといって簡単に捨てられる思いじゃないさ。
無論それはフィガロも同じ。……女性も夢も、追いかけている方が楽しいものさ」
まったくエドガーらしい講説だ。と、男は兜の下で呆れたように笑んだ。
179:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/13 23:35 c4zznxs8
そもそもエロの線引きって(特に文章だと)難しいと思うんだけどなぁ…。
削除の基準は削除人の判断だけしかないのかな?
(漏れ個人としては、描写文勉強のためにエロSS投下してくれる職人様を激しく期待)
FF10だったら、密かに萌えた旅行公司にいた男(リン?)の話をキボンヌ…。
180:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/13 23:49 WdWL4DW5
Hシーンがあればピンク鯖行きと思ってればいいんじゃない?
181:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/14 00:14 QiAmuGfP
>179
だから、エロパロ板行って好きなだけ読んで来ればいいと思うのだが。
それとも年齢制限に引っ掛かるのか。
182:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/14 00:19 R6NSmgUo
今までの流れを御存知ない方もおられるようなので、官能小説スレが削除された理由について。
・「スレタイから内容がエロではないかと推測したスレは全て削除依頼」という人がいた
(この人は内容を見て依頼してるわけではないようだったので、内容がエロじゃないのも依頼してた)
・そもそもpink鯖以外でのエロ描写は削除対象というのが2ちゃんのお約束。
・ゆえに、削除依頼が出され、スレ内容を確認したた削除人さんが「これはエロですね」と感じたら削除されても仕方ない。
(ただし、削除人さんによって感じ方が違って当然なので、依頼されても生き残った事もあったんだけど、結局削除に)
官能小説スレは、このお約束を理解した上で「でも地下でこっそりやるから見のがして」というスレだった、と。
今はpink鯖にFF小説スレがあるんで、エロはそっちに書く方向の方が安全でしょう。
自分の作品のせいでスレあぼーんになったら悲しいじゃないでつか……。
183:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/14 00:59 vw4WDD52
具体的に「何を書いたらエロ」で「書かなければエロじゃない」ってのが、(絵と違って)
非常に曖昧だなと思ったんです。ついで、そう言う要素が話に深みを与えている作品
だってあるわけだし、乱暴な言い方ですが「ただやってる」だけの物とも違う気がする
んですが……いやね、こんな風な発言で、マターリ進行なSSスレの雰囲気を壊したくは
ないんですが、どうにも腑に落ちなかったもので。
# その「深み」を理解するのに設けられたのが“年齢制限”って事なら納得…。
>>182
丁寧な解説を頂けて幸いです。
…そうですね、181でも書かれている通り、住み分けしろって事なんですね。
事情に精通している方達にとっては激しく既出な質問だった事をお詫びします。
184:182
03/04/14 01:55 R6NSmgUo
>>183
> 乱暴な言い方ですが「ただやってる」だけの物とも違う気がするんですが……
自分もそう思いますが、そこで区切りを持って来るのは非常に論議を呼ぶだろうから
機械的にやっていく基準がないとキツイんだろうなと、諦めてます。
> 事情に精通している方達にとっては激しく既出な質問だった事をお詫びします。
おそらくこの話題は今後も新たにこのスレを発見された方との間でループすると思い
ますから、気にされなくても…。
185:173
03/04/14 15:45 2zM2C28Z
なんか俺のせいで話が広がってるな……スマソ。
いや、自分まだ18歳なんでエロパロには逝けません。
186:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/14 22:43 ZnI4+p6o
・・・( ´_ゝ`)
187:砂漠の王と風の覇者30
03/04/14 23:53 /QqKKHe5
二人を取り巻く空気が熱気を帯びてきた、いよいよ炎が背後にまで迫って来ている
事をそれが告げていた。
「私達と共にフィガロを……秩序のある国にするという夢を追うのは無理なのか?」
―どんな罪人でも、彼はフィガロの民である。出来ることなら二人でここを
出たい―今尚そんな思いを抱いているエドガーの、恐らくこれが最後の問いに
なるだろう。
僅かの希望を込めた問いだった。
「言ったはずだ、目指す地点が違うと」
男はエドガーの申し出をはっきりと拒んだ。
しかし、拒みながらも自らの敗北を悟ったように剣を降ろす。
「だがこれだけは覚えておけ。過去の過ちを忘れ欲に溺れる時、人々は同じ惨劇
を繰り返すだろう。……魔法が無くなったからといって、それに替わる脅威は
いくらでも在る。何かしらの形で抑止力は必要になるのだ!」
男がそう叫んだ刹那、足下から突然火柱がわき起こり、たちまち全身が炎に包
まれた。熱風と閃光を遮るように右手で顔を庇いながら、エドガーはそれでも男
を炎の中から引きずり出そうと手を差し出した。
「そこまで言うならせいぜい足掻くがいい。そして……地獄で会おう」
「ま……っ!!」
一瞬、隙間から覗いた男の口元には笑みが浮かんでいた。差し出されたエドガー
の手を思い切り振り払うと、男は崩れ落ちる塔の一部と共に炎の海へと没した。
「…………」
ここが崩れかけた塔の上だと言う事を忘れ、エドガーはひと時の間、この男へ
―自分と同じようにフィガロを愛し、それ故に違う道を歩もうとした彼への敬意と
哀悼を込めて―祈りを捧げたのだった。
188:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/15 00:08 7ZR0UKrU
>>184
重ね重ね丁寧な返答をありが㌧。
なんていうか……難しいな。というのが正直な感想でつ。
ここではスレ違いになるDQ5や、FF6のディーンとカタリーナを題材にした場合、
避けては通れないんじゃないかな? とか思っていたりするもんで……
(描写を避ければ良いって事なんだろうけれど)
色んな規制のなかで物を作ってるのは、ゲーム本編の制作者達も同じなのかな?
って話逸れましたスマソ。
189:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/15 20:21 nPdWRbnh
18禁なシーンに突入したら、エロパロ板に書いてここからリンクはる。
で、その部分は見なくても話はわかるようにする(概略書くなりして)。
っていうのはだめ?
190:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/15 20:25 YurrER02
>>189
それでいいんじゃない?
そうやってもわかるように書く工夫する事で上達する事もあるだろうし。
191:砂漠の王と風の覇者31
03/04/16 01:26 y+1YmJ10
「兄貴ー!」
頭上彼方から降り注いだ弟の声に、エドガーは我に返る。上空を見上げ一つ頷
くと、塔の先端まで歩きはじめた―リルムを救出した時と要領は同じだ。何も
難しいことではない―と、二人は考えていた。
しかし。
「……!?」
突然、エドガーの足下が波打つように揺れ、視界が大きく歪む。
一方、上空のマッシュ達も下から吹き上げる強烈な熱風に煽られながら
辛うじて飛行を続けていたが、これでは今の体勢を保つことで精一杯だった。
塔の完全な崩落が近い―地上と上空の三人は、それを悟った。
「兄貴!!」
「セッツァー!」
マッシュとリルムの声がほぼ同時にこだまする。倒壊寸前の塔にいるエドガー
と、飛空艇の尾翼に炎が迫っていた。
「マッシュ!」
もしもの時はこの場を離脱しろ。エドガーは飛空艇の弟やセッツァーに向けて
そう伝える―万が一、自分が地上に戻れなかった時のために。
「……セッツァー」
リルムは塔に残されたエドガーと、操縦桿を握るセッツァーを交互に見やった。
今の自分には何もできない、そんな無力感に苛まれながら。
振り返らずに、セッツァーはその声に応えた。
「―そう簡単に引き下がる訳にはいかないな。俺を誰だと思ってる?」
彼らしい不適な笑みを浮かべると、リルムとマッシュに向けて言い放った。
「覚悟は良いな……突っ込むぞ!」
これが最後のチャンスだろう。塔が崩れるのが早いか、飛空艇が炎に巻き込ま
れるのが早いか……。
その前に、エドガーを助け出す。
「ファルコンよ。今一度、俺に付き合ってくれるか?」
“世界最速の男”―風の覇者セッツァーと、それぞれの思いと命を懸けた、
真剣勝負だった。
192:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/16 01:45 y+1YmJ10
うっかり最後の二行がプロジェクトX風な事に気付いて鬱になりつつ…(w
>>189-190
了解でつ。
(そんな作品を書ける日が来たらそうします…って、チョット難しそうだ。w)
新たにこのスレに降臨される職人さんに、これをどう伝えれば良いのかと
少し不安もありますが。(タイトルだけ見るとエロ小説と銘打ってあるし…)
193:姐 ◆ane/8MtRLQ
03/04/16 10:55 ryPK7LTi
>>191
セッツァーカコ(・∀・)イイ!