03/06/12 21:32 ma3gmZGv
しまっつ!!名前残ってた?( 爆 発
前は>>520です。
---------- キリトリ -----------
中間達の集う遠くの焚き火で、ようやく顔が見える明るさの中、隣に座る娘
を、まるで妹のように感じていた。
「……星…綺麗だね」
「……ああ」
もし、もしも自分に娘がいたら…この位の歳になっていたかも知れない。
娘の頭を、なんとなく撫でたくなった。
栗色の髪は柔らかで、子供のようだった。
参ったな……。本当に、可愛い。
しかしその瞳の色は、愛しいあの女の瞳の色を思い出させる。
ヴィンセントはその手を娘の肩に伸ばした。
普通に、抱き寄せようとしていた。
肩に触れる寸前、それは違うような気がして。
拳を握って、止めた。
気付かれないように力を抜いて、そっ、と手を下ろし。
二人は木の上で並んで、しばらく満天の夜空を静けさと共に眺めていた。
銀粉を散りばめた空は、二人の頭上で、ゆっくりと回転していた。
それから間も無くして、娘は帰らぬ人となってしまった。