03/05/13 21:27 73zy+ur6
部屋に戻るとアリスの部屋に内線をかけてみた。
「はい。シグ?」
運良くアリスは部屋にいた。
事情を簡単に説明して部屋に来てもらうように頼むとアリスはすぐに来てくれた。
「先輩、落ちちゃったんだ」アリスも心配そうな顔になる。
「気晴らしの手伝いをして欲しいって事だと思うんだ。手伝ってくれる?」
「もちろん」
アリスが快諾してくれたので私は先輩の部屋の番号をプッシュした。
「はい」
先輩は部屋にいた。気のせいか、少し声が暗い。
「エマ先輩ですか?私、シグネです。お兄ちゃんがお願いしてくれた事で」
「ああ、パーティーの事ね」
とたんに声が気安い物になる。
「それでもしお願いできるなら、アリスも一緒に」
「もちろんよ。良かったら今から私の部屋に来てくれる?」
私はアリスも連れて行く事を告げて電話を切った。
「私、先輩の部屋とか行くの初めて」
アリスがちょっと緊張したように言う。
図書委員の子の所に行く事は結構あっても皆同級生らしい。
私もちょっと緊張して先輩の部屋のドアをノックした。
「どうぞ」
部屋に通してもらうと共有スペースのテーブルに鏡が出ていた。
「座って」
先輩は優雅な手つきでお茶を淹れてくれる所だった。
「同室の子、今日は野外訓練で深夜帰りか外泊だから気楽にしててね」
先輩はにっこり笑ってお茶を私達の前に置いてくれた。
「オリーの思いつきでしょ?」
先輩の突然の言葉に私はどきんとした。
どうしよう、という顔の私とアリスを見て先輩はくすくす笑う。