03/05/04 23:22 p17OpiaK
なぜそんなことを聞いたのだろう? と思う。
確かにあの時、リルムは無謀にも飛空艇から炎の中に飛び込んだ。
“エドガーを助けるため”に。
それが無茶な行為だと、自分でも分かってた。だけど、それでも助けたかった。
“絶対に死んで欲しくなかった”から。
―じゃあ、エドガーは?
「エドガーは、あたしが死んだらどう思うんだよ? あたしは……」
そうか。
エドガーに死んで欲しくない。あの時そう思ったんだ。
仲間として、それ以上に大切な存在として。
「あたしは……エドガーがいなくなるよりは、良いと思っ……」
口にしかけた言葉が最後まで語られる事はなかった。リルムは頬に触れた温も
りと、芳しい香油の香りに気付いて目を見開いた。
「エド……?!」
「今の私に、彼を裁く権利など無いのだ」
片膝をつきリルムの肩を抱き寄せながら、エドガーは小さく呟く。
「どうし……て」
抵抗することも忘れ、リルムはエドガーに身を預けたままで問う。
「私は平和を願いながら、ケフカや帝国と同じ道を歩もうとしていた……」
それはエドガーしか知ることの無い真実。
これまで誰にも明かされる事のなかった真実を、ゆっくりと語りはじめた。