FFカップルのエロ小説が読みたいat FF
FFカップルのエロ小説が読みたい - 暇つぶし2ch296:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/05/01 20:35 YuO4y0M7
「おい~、新入生のカップどれ使うんだよ~」
タイミングを図ったように奥から声がした。
「流しの所に出してあったでしょ?」
サラ先輩は小走りに奥の部屋に行ってしまった。
「ここでは皆先輩後輩なしでファーストネームで呼びあうから。よろしくシグネ」
セーラ先輩はにっと笑って手を出した。
「よろしくおねがいします、先……」
さっそく「先輩」と言いそうになって私はあわてて口を押えた。
「すぐに慣れるよ」
セーラ先輩は私の手をぎゅっと握って言った。
「コーヒーはいったぞ」
奥の部屋からジョージ先輩が出てきた。
「こら、シグネが先でしょ。歓迎会なんだから」
ガイ先輩の手をぺしっとはたいて、セーラ先輩が私にきれいなピンクのカップを手渡してくれた。
「一応、あなたのマイカップはそれね。余ってる奴にかわいいのあったからそれにしたけど
別のがよければ自分で用意してね。……だから、シグネが先だっての」
セーラ先輩は再びケーキに伸びた手をぺしっと叩いた。
「遠慮してると皆の手にセーラの手形がついちゃうよ?」
サラ先輩が私の前にケーキの箱を押しやった。
皆がにこにこしているので気分が軽くなって私はケーキを一つ取った。
私の好きなお店のケーキなのでうれしくてつい顔がゆるんでしまう。
「お前ら見ろよ、シグネを。あの顔。ケーキを前に天使のような笑み。女の子っていうのはこういうもんだろ!」
クリス先輩が突然女子の先輩二人に訴えたので私はフォークを落としそうになった。

297:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/05/01 20:36 YuO4y0M7
「おあいにく。ここでの食物争奪戦で鍛えられましたからね」
「そうだよ。あたし達だってここに初めて来た時は似たような事、先輩に言われてたもんね」
セーラ先輩とサラ先輩はすばやいフォークさばきでケーキをみるみる平らげて行く。
コーヒーを飲むと意外、と言っては悪いけどかなり良い味だったので驚いた。
「このコーヒー、おいしいですね」
私が言うとジョージ先輩はちょっと照れくさそうに、でも自慢そうな顔をした。
「意外だろ?こいつコーヒー淹れるのはうまいんだぜ。コーヒー担当兵としてなら今でもすぐにどっかの軍に入れるだろうな」
ミゲル先輩がからかうように言う。
コーヒーと山盛りのケーキをつついているうちに緊張はすっかりほぐれた。
そこで私は初めて大変な事に気付いた。
「あの……」
「ん、何?」
私がおそるおそる尋ねるとミゲル先輩が反応した。
「『兵器研究実習A』の授業は、この教室でやるんですよね?」
私の問いに皆は一瞬しん、と静まり返った。
次の瞬間には考え込むように、でも一斉に笑い出した。
「ああ、ごめん。授業内容あんまり知らないんだ?」
クリス先輩の言葉に私は頷く。
歓迎してもらって大好きなケーキとおいしいコーヒーを出してもらって、楽しく喋って。
すごく居心地のいい部屋だった。
でも、私は授業を受けにきたはずだった。
「このクラスはね、研究なんて名前が付いてるけど実際はガーデンの兵器開発を担当してるんだ」
クリス先輩はさらっととんでもない事を言う。
「基本的に、受講できるかどうかは選抜制で、希望したから入れるわけじゃないよ。実績がいる。
そうだね、例えば関連授業で高成績とか実際の戦場での訓練でそれなりの結果をだすとか」
そこまで聞いて私は血の気が引いた。
だってガーデンに入学したばかりの私には受講資格があるはずないから。
初日から時間割を間違うなんて、と眩暈がしそうだった。

298:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/05/01 20:36 YuO4y0M7
「『ティンバー・ナショナルバンクテロの爆弾についての考察』」
ミゲル先輩が口にしたのは私が入試用に書いた論文のタイトルだった。
「実におもしろいね。爆発が激しすぎて現状ではどの形状の爆弾か特定されてない、有名な事件」
「そうよね。爆発のタイミング的に、時限式じゃないっていう説が有力だけどある種のタイマーが特定条件下では
狂う可能性だとか、爆弾の仕組みだけじゃなくてプロファイリングもからめて予想しているのがなかなかいい感じ」
サラ先輩が驚いている私を見てくっくと笑う。
「あなたの論文のコピー、私たちにも回ってきたのよ。専門分野からの視点だけじゃなくて犯人の視点から考える事の
必要性についての好例だって。ここの先生が大絶賛してたわよ」
「つまり、ここで間違いないって事」
そう言うとガイ先輩は2個目のケーキを手でつかんでかじりついた。
「講義スタイルじゃなくて、実際に設計して作るの。作業着が支給されてるから次の時限はそれ着てね」
サラ先輩の言葉に私はうなずいた。
ケーキを食べ終わって机を片付けても先生は現れない。
「先生はガーデンの専属じゃなくて通いの人だから毎回は来ないよ」
ミゲル先輩が私の疑問を先読みするように教えてくれた。
そしてまた、皆がパソコンの周りに集まる。
「この先、どうする?」
ミゲル先輩がマウスをぐりぐり動かしながらディスプレイの画像を動かす。
「電算上級クラスに頼む?」
「それか、操作をきちんと教えてもらうかだな。深夜作業の時自分でいじれないと困る」
ミゲル先輩がマウスポインタをふらふらと動かす。
「でもこれ以上細かく設定するのに後何時間かかるんだ?」
先輩はうんざり、という顔でサラ先輩を見た。
私は画面の隅の見覚えのあるツールバーに気付いて思わず言った。
「あの、これ『ウルカヌス』ですか?」
「知ってるの?」
サラ先輩が驚いたように言う。
「はい。以前通ってた学校で使ってました」
「マジで?!」
ミゲル先輩がやった!!という顔をして立ち上がる。

299:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/05/01 20:37 YuO4y0M7
「このバージョン、使える?」
私は空いた椅子を勧められ、パソコンの前に座った。
以前使っていた物より一つ前のバージョンだった。
「使えます。後、あの、私これの追加機能のデータ持ってます」
今度インストールしても、と言いかけた私を遮るようにミゲル先輩とサラ先輩がまさに手を取り合う、という様子で飛び跳ねた。
「やった!!!!これで製作に戻れる!!!!!」
「早速だけど、そのモデルの修正とシュミレート、やってもらえる?」
サラ先輩が普通の設計ソフトで作ったらしい設計図を私に差し出した。
私は設計書の通りに画面の拳銃のフォルムの訂正をし、シュミレート機能の画面を開いてデータを送り、演算にかけた。
「たぶん、このスペックだと結果が出るまで1時間くらいかかると思います」
私が顔を上げるとサラ先輩は喜色満面、と言った様子で画面をのぞきこんでいた。
「助かったわ。これ、期限が迫ってたの」
いえ、と私が首を振るとセーラ先輩がはあ、とため息をついた。
「以前はこれ担当の先輩がいたんだよね。その先輩が卒業してからはここでストップしちゃっててさあ。
ミゲルとサラが二人かかってやっても、まともな結果が返ってこなかったんだよね」
『ウルカヌス』は小火器や飛翔兵器の設計ソフトだ。
このソフトは兵器開発をする人間なら大抵一度くらいは触った事がある。
設計図から、実際に使用した時の弾速や安全性、弾の軌道などかかなりの精度でシュミレートできる。
代わりに設計手順が厄介で、独自の言語で入力する必要のある項目もあるため使える人間はそう多くない。
「前の学校で、私このソフトのオペレーターだったんです」
手先がイマイチ不器用だったので、と付け足したんだけど先輩達はそこら中から設計図をかき集めるのに必死で
聞いてくれてないみたいだった。

300:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/05/01 20:39 YuO4y0M7
「じゃあ、シグネはそれを主に担当してくれるかな」
クリス先輩はパソコンの傍の机に設計図の束どっさりと置いた。
「はい」
私は先輩に認められたのがうれしくて思わず口元がゆるんだ。
「あ~、やっぱりいいな、その笑顔」
クリス先輩の言葉に、私は思わず手で口元を覆ってしまった。
「気にしないで。こいつものすごいフェミニストだから言われた方が赤面するセリフ連発するから」
セーラ先輩も設計図の束をくれた。
「たくさん頼んでごめんね。かわりに製作の方もみっちり仕込んであげるから。手先がどうでもね」
セーラ先輩は楽しそうに、にっと笑って私を見た。
「はい!」
私はうんとはりきって返事をした。


301:姐 ◆ane/8MtRLQ
03/05/01 20:47 YuO4y0M7
うわ、むっちゃ長い~(汗
本当はこの部分カットしようかと思ったんですが学園生活の上で
結構大事な箇所なんでノーカットで一気に投稿しました。すみません。

>>281
いよいよ話が核心に迫った感じですね。なんかドキドキします。
食堂のパンはですね、私も気になって直前のセーブデータを使って
チェックしましたよ。「絶対に取られるな」とか言うんですよね。必死だなw

>>284
7で最も好きなキャラが揃った話キタ─wwヘ√レvv~(゚∀゚)─wwヘ√レvv~─!!!!!!
食堂のおばちゃんはどうしても入れたかったのでそう言ってもらうとうれしいです。

>>292
「続きが読みたい」とはうれしいお言葉・゚・(ノД`)・゚・
書いていて一番うれしいのはその言葉です。
もうちょっとでシュウ出てきますのでお待ちくださいませ。
白さんのスレ初期作のコメディは特に面白いですよ♪

302:29
03/05/01 21:24 Lql+z+sN
>>301
やばい、、、シグたんに萌えてきたですよ。かあいいなあ、、、。
シュウの登場、楽しみにしております。

303:コックさんは見た!(1)
03/05/01 23:12 8/SsyHJ6
 城壁に守られた家々の光が、半円形に街を包む。
人々は飲み、歌い、そして賑わう。不夜城の天蓋を星が旋回する。

「言葉使いを直す方法?」
「はい。トット先生なら、御存知かと」
大国アレクサンドリアの姫君、ダガーことガーネットは恩師に問いかけた。
「この言葉では、身元が知られてしまうと、ジタンさんが…」

「ダガー?」
太古の採掘場、フォッシル・ルーの柔らかな灯。
階段に腰を下ろし、ダガーは独り、呪文を詠唱する。
そうっと。ジタンは姫君の背後に近付き、目隠しを試みた。
「……願わくば、来れ。精霊の戯れんことを…」
「!?」
一面が眩い閃光に覆われ、ジタンをも呑込む。

 幼い魔導士と謎の怪生物…もといコックさんが飛んで来た。
「…大丈夫でございますか?王女様!」
「あ、あたいは大丈夫さ。ジタン、あんたは?」

一同 ………………。>(゚д゚)ポカーン

「…お、おねえちゃん?」
「なにか壊れた蛙でも食べたアルか?」
どうやら両者の言葉が入れ替った模様です。

 ずーん。と。擬音がするっぽい感じでダガーが沈み込みますた。
「僕の魔法で、何とかならないかなぁ…(;´Д`)」
「グゴォー…」
なんて云うか、乗用外骨格生物ガルガントも心配してます。

304:コックさんは見た!(2)
03/05/01 23:15 8/SsyHJ6
「気にすんなよ、ダガー。この方が旅には都合が善いじゃ無いか」
と言ったつもりのジタンの台詞も
「どうかお気に病まずに。随行する上では、寧ろ利に叶っております故」
とかなんとか、間違った敬語に誤変換。

「あ、あたいはただ、普通に話したかっただけなんだ。
 このままじゃ、政務もまともに果たせないよ。
 ──國はどうなるんだい?城は。何よりも民は。」

 不意に、我らが乗用外骨格生物ガルガントが、泣きそうなダガーと
あと如何にもついでっぽく、ジタンを乗せて暴走。
「追うアルよ!」
「ガルガント!王女が居るのです、止まりなさい!」
ズサー。急停止により、我らが尻尾主人公くんとお姫さまは投げ出されますた。
とっさに自らがクッションになって、姫を庇う尻尾君。

 其処は、静かな場所。水滴の音が断続的に続き、流麗な彫刻が泉を彩る。
泉の内に。色とりどりに光り、点滅する水草達。
「これは…山彦草ですよ、ダガー王女。元に戻れます」
ジタンは、清浄な水の内から、藤納戸に光る水草を絡め取った。
その一葉をダガーの唇に押し当て、自らの口にも触れさせる。

「…どうですか?お姫さま」
「あ、ありがとうございます…ジタン。あ!戻ったわ!」
「味見するアルよ!」
事態は解決しますた。ダンジョン攻略は未だですが。

「ダガー女王の騎士になったら、あんな風に?…なりたいなぁ!」
そう思うと、ジタンの脈拍が、ちょっとだけ早くなったのは内緒です。

305:白 ◆SIRO/4.i8M
03/05/01 23:17 8/SsyHJ6
こっそり29さんの下ゲットしつつ、FF9ぺたりと貼り逃げします。。。

>>291 >>302
>そして鐘の音、、、。
も、萌え!サイファーと風神タンの幸せを願う雷タソ萌えです。
脳漿から湯水のように湧いて止まらない時ってありますね。
ネタはネタでメモして、お勉強が片付いた時に、情熱をPCにぶつけてホスイです。
って、いや…言葉で云うのは簡単なのですが。それは(以下略)
29さんのPNが気になります。長篇書ける方って凄いですよね。尊敬。

>>292
御感想、感謝致しますです。○| ̄|_ ヨロシク オネガイ シマス
物凄い高速で、雫夜さんのアーロンにうっとりして来ました。
深みのあるアーロンさんに激しく萌えです!スフィアの若き日の姿にも。
遡って…って、Σハッ!!サロンシップとかデブモーグリl \ァl \ァとか
ギャグネタしか書いてな…ウボァー(゚Д゚)

>>293-301
生うp見ちゃった…!┬┴┬┴┤(*´д├┬┴┬┴
兵器研究実習クラス、楽しそう+かなり奥が深そうで楽しみです。
シグネタンの今後の活躍期待してます!
面白いと言って頂けて至福です。有難うです。

306:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/05/02 18:29 7qFr9Es1
良スレハケーン

307:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/05/02 22:34 YB22D3EZ
どなたかガラフとレナのSS書いていただけないでしょうか?

308:ドリル装備の名無し ◆Lv.1/MrrYw
03/05/02 23:51 gp0qq2tc
一応あんな作品でも書き込んだ以上完結はさせますです。。。
ただ、締め方が何パターンかあってどうしようか考え中&時間無くて
今回は感想のみ書き逃げにて失礼します。

>>284-289(浮金石)
シドカコ(・∀・)イイ! 反則だと思うぐらい萌えますこのシド。(役どころが(゚д゚)ウマー)
> 「将来の宇宙飛行士様でぃ。お前、スゲーな。宇宙から来たって?」
ここにシドの男気と夢追い人な姿の片鱗をみた気がします。とんでもなくグローバルな視点を
持っているのか、それとも単なる熱血漢なのか…。
そう言えば7作中でもそんな場面ありましたよね、(ウェポン襲来直前の飛空艇内。「男なら、
いや人間なら~」って感じのセリフ。いつもの如く記憶違いだったらスマソ)

>>293-300(スニフの恋人)
兵器研究実習Aの授業、漏れも激っしく受けたいです。(無理)
なんていうか、今回文面から伝わるこのクラスの雰囲気に萌えました。
文化祭前とか、某かのプロジェクトを立ち上げようとする時みたいな団結感、大好きなんです。
(だからDisc2が一番印象的だったりw)
チョット長かったけど、一気に読めたし未だかつて無かった様な心地よい高揚感がっ!! ありが㌧。
続編期待sage。

>>307
FF5プレイ中ですが、ガラフの立ち位置も(゚д゚)ウマーな感じですよね。古代図書館のミド関連の回想シーン
(ガラフの妹?娘? が出てくる)だけしか見てませんが、それでも今後、ガラフには(・∀・)イイ!ネタがありそうな予感。
ネタを振ってみてはいかがでしょうか? あまり詳しく知らないので、「こんな感じなんだYO!!」と
言う説明代わりにもなるでしょうし。。。それがキッカケで書いてくれる職人さんが現れる事を期待しつつ…。

309:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/05/03 00:17 sYx0oG7r
>>308
おお!!レスありがとう。

もともと極度のファザコン気のあるレナが父を失った心の傷を
ガラフが優しく埋める・・・

こんなシチュだめですかね?

310:白 ◆SIRO/4.i8M
03/05/03 00:48 i5R7GhEG
他所にいつものギャグ書きますた。宜しければお茶請けにドゾー
って、恋愛が全く無いのでスレ違い…。・゚・(つД`)・゚・  ゴメソ
スレリンク(ff板:202-206番)

>>308
わーい。ドリルさんお元気ですか?
選択に迷う、何パターンもの締め…。練りこまれたお話、良いですね。
ドリルさんのキャラは筋が通ってて、背筋が伸びていて格好良いです。
お忙しいようですが、マターリ続編お待ちしてます。

>>307 >>309
Σ(゚Д゚*)そこ迄丁寧な設定が有るとは…!
309さんの文章、読み易いですし、シュチュとキャラに愛があるし
SSの書ける方とお見受けしたのですが、駄目ですか?

311:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/05/03 02:02 sYx0oG7r
>>310
いや、SSなんて書いたことないし、自信もないっす(´・ω・`)

312:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/05/03 02:37 15Ot5yDe
同人女臭せえスレだな

キ モ イ 馴 れ 合 い は 自 サ イ ト で や れ


晒しage

313:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/05/03 02:42 pGCDNpyl
>>312
ほっといてやれよ......
変なスレあげんなっつ~の!

314:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/05/03 02:47 Y1a9BNkV
うわ、こんなスレあったのか…
本当にきもいな…上げるなよ
同人女はどうしてお世辞で誉めまくったりや変な謙遜が好きなんだろう
ここの奴等見てると本気で不思議でならない
とにかく馴れ合いがしたくてたまらないのか



315:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/05/03 02:48 8NdlIntX
昼下がり。スコールは一人、バラムガーデンの食堂でコーヒーを飲んでいる。
現在位置はトラビア・ビッケ雪原。
スコールはトラビアの澄んだ空気が好きなのだ。
窓際席で一人寛いでいると、セルフィとゼルがにぎやかにやってきた。
「あ、スコール!窓際いいなぁ。」
「よぅ!俺らも座らせてくれよ。なっ、いいだろ~?」
指揮官としての肩書きを忘れ、久しぶりに一人を楽しんでいたスコールは少しふてくされた。
「・・・勝手にしろ。・・・ん?」
「ありがとスコール・・・わぁ~~!めっちゃキレイやわぁ!!!」
「す、すっげぇ!俺、初めて見たぜ!」
突然のダイヤモンドダストに3人は驚きを隠せずにいる。
空中をキラキラと輝く宝石に、しばし見入っていた。
冷気属性GFシヴァの召喚魔法にも、ダイヤモンドダストという技があるが、天然物はとても繊細で、攻撃性を全く感じさせない美しい物だった。
凍りつくほど冷たいはずなのに、むしろ温かみを感じる。
しばらくの間沈黙が続いた。

「なぁ・・・セルフィ」
以外にも、沈黙を破ったのはゼルだった。
「トラビアガーデン時代にGFジャンクションしてたんだよな?そのGFの名前、思い出したか?」
セルフィは以前も思い出そうとしたが、その記憶が頭のなかにうっすらと残っているだけだったので、
「ぜんっぜん!あたし、な~んにも覚えてないんだよね。でも、ソイツ属性は氷だったんだよぉ~!」
「それはそうだ」
スコールが口をはさんだ。
「GFの力の代償・・・それが俺たちの記憶だからな」




316:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/05/03 02:52 15Ot5yDe
>>314
それが同人女の狙いなんだろ

謙遜すればそんなことないよガンバレとか言ってもらえるとか期待してんだよ

そのくせ本当に貶されたら怒るのが馴れ合い大好きキモ同人女の特徴


再度晒しage

317:314
03/05/03 03:03 Y1a9BNkV
そうだったのか…ありがとうよくわかったよ…
でももう上げないでね…

318:315>>GF物語2
03/05/03 03:15 8NdlIntX
「ははん、じゃあこの『物知りゼル』様が教えてやろう!セルフィがジャンクションしてたGFの名前は、『シルヴィア』って言うんだぜ、多分!」
「え~~?なんだかシヴァの仲間っぽい名前~~」
セルフィは半信半疑のようだ。
「ゼル!嘘言ってたらスロットでどっか~ん!しちゃうからねっ」
「・・・いや、おそらく本当だ」
スコールはゼルの話に興味を持ったらしい。
海洋探査人工島のこともそうだった。少なくとも、ゼルは面白半分に知ったかぶりをする人間ではない。
「さっすが班長!ところで、雪女の話は知ってるよなぁ?」
「いいから続きを話せよ」
除々に苛立つスコール。
手にしたコーヒーの紙コップは、もう冷たくなっていた。
「これを話さないことには始まらないんだ、セルフィは分かるか?」
セルフィは椅子をガタガタさせながら、
「うん!知ってるよぉ~、昔話だよねっ」

319:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/05/03 03:23 ro0w4lz5
36 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ 投稿日:03/05/03 02:39 ID:15Ot5yDe
同人女はこの板から出て行け

129 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ 投稿日:03/05/03 02:39 ID:15Ot5yDe
同人女の巣窟晒しage

373 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ 投稿日:03/05/03 02:48 ID:15Ot5yDe
同人女age

343 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ 投稿日:03/05/03 02:54 ID:15Ot5yDe
キャラに恋って本気で言ってんの?

頭大丈夫?

845 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ 投稿日:03/05/03 03:06 ID:15Ot5yDe
同人女晒しage

110 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ 投稿日:03/05/03 03:08 ID:15Ot5yDe
同人女晒しage

342 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ 投稿日:03/05/03 03:08 ID:15Ot5yDe
同人女晒しage                            

171 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ 投稿日:03/05/03 03:14 ID:15Ot5yDe
同人女晒しage


320:315>>GF物語3
03/05/03 03:30 8NdlIntX
「えっとお~、雪女に助けてもらった旅人が、雪女のことばらしちゃうんだよね。約束したのに~~っ!」
「あぁ・・・俺も聞いたことあるな。最後は氷漬けにされるんだろ」
「二人とも正解。じつは雪女の話は、ある実話が元になってるんだぜ」
スコールとセルフィは一瞬背筋がぞくっとした。
まませんせいがしてくれた話で、一番恐ろしかった話を思い出してしまったからだ。
自業自得が教訓の恐ろしい昔話。
その実話とは、一体何なのだろう?

ゼルはゆっくり話し始めた。
「元は氷の女王伝説って言うんだ。・・・・・・・・・・


321:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/05/03 03:38 vSZhSIhU
ノアだけがガチ

322:315>>GF物語4
03/05/03 03:43 8NdlIntX
・・・・・・・で、その女王の名前がシヴァ。
氷の女王なのに、人間と恋に落ちちゃうんだよ。
月の涙によって破壊されたと言われる、トラビアの古代王国の王様とな。うん。
ここからは、雪女の話と同様。
シヴァは自分のことを打ち明けて、永遠の愛を誓うために約束をするんだ。
ま、結局は『絶対に誰にも言わない』とか言っときながら、酒の席で豪語するんだよ。
『俺の后は氷の女王・シヴァだ!』ってな」

「そ、それでどうなっちゃったの~~!!」
楽しそうに語るゼルと、焦るセルフィ。
そして、新しいコーヒーを飲みながら黙って聞くスコール。




323:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/05/03 03:45 TZPWMrXo
315>>GF物語さん
8もの書いてくれたの嬉しいけど
sage進行でよろしくお願いします。

324:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/05/03 03:46 vSZhSIhU
シヴァ遼太郎



つまんね

325:315>>GF物語5
03/05/03 04:02 8NdlIntX
「その夜、国王の枕元にシヴァが現れた。
そして約束どおりに国王を氷漬けにして殺しちまったんだ。
ところが・・・数日後に、シヴァの妊娠が発覚したんだよな」

「かわいそう・・・」
「確かに、むごい結果だな・・・」
自分たちが普段何も知らずにジャンクションしているGFの過去を知り、ショックを受けるのも当然である。
スコールはGFを道具のように使っていた自分を恥じた。
「ゼル、もしかして『シルヴィア』がその赤ちゃんとかかなぁ~?」
ゼルはうなずいて見せた。
「そうそう!そうなんだよ~。でもこの話まだ続くんだぜ。
国王・・・シルヴィアの父親を殺したシヴァはとても後悔して、親子でGFになったらしいんだが・・・
この辺がよく分かんねぇんだ。
どうやってGFに変化したんだぁ??
まぁ、俺が考えても分かんねぇよな!」




326:315
03/05/03 04:08 8NdlIntX
>>323
あ、そーなんですかぁ・・・?じゃあ続きはまたそのうち書くとすっかぁ!
それよりここ、女性向けだったのかよー・・・(ショックだ)知らなかった!


327:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/05/03 09:03 Nnqc/+xg
>326
sageは、メール欄に sage と入れてください。
女性向けとか言ってるのは煽りなのでスルーで。

328:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/05/03 22:59 jJQMu/se
長期休みになると荒れるなぁ…。
場違い小説さん、もしここ見てたら消息を教えてやって下さい。

329:R@no-name
03/05/04 03:06 v0m7Glch
るるる~♪やまーなし~♪
スレの秩序を乱すモノには天に代わってもれなく
(,,,・Д・)ぃぇぁ
 ****
>>249

 シヴァはガラスの鈴を転がすような声で言った。
 リノアと出会ってから、来月で四ヶ月になろうとしていた。
 始まりは些細な出会いだったと思う。
 決して、雷に打たれたかの如き衝撃的でドラマティックなスタートではなかったはずだ。
 最初は気の会う友人で、それから隣り合った氷が解けて一つの水溜りになっていくように、二人
の関係は密度を増していった。
「彼女とは何処まで進んだの?」
 最初のキスを渡したのは先々月だ。
 電話があったのは、昨日、五回目のキスを送った夜の後だった。
「……キスと、夕食と、アクセサリーのプレゼント。それだけだ」

330:R@no-name
03/05/04 03:08 v0m7Glch
 サイファーは、無意識に自分の前髪を掴んでいた。
「その先は……俺はまだその気にはなれそうにない」
「まだ不安なの?」
「わからねえよ」
 リノアの方が、互いの関係を狭めるのに熱心だった。無頓着とも思えるほど大っぴらにモーション
をかけてくる度に、サイファーは、心臓が焼け焦げる思いをしてきた。
「どう答えてやればいいのか、俺にはまだわからねえ」
 欲求だけなら煮詰めてジャムに出来るくらい有り余っていたが、それをリノアの前で見せること
だけは避けてきた。
「じゃあ……さ、私で練習してみない?」
 不意に、シヴァの手が肩に触れた。
「な!?」
 返答を考える間もなく、青白い彫像を思わせる肢体が、サイファーを仰向けにして跨いでいた。
 不敵というべきか、無邪気とも感じられる笑みをたたえながら、サイファーの胸に手を着き顔を
見下ろしていた。
 丁度、二つの膨らみが腕に挟まれ、谷間を強調する格好になっていた。
「シヴァ!?」
「大丈夫よ、サイファー」
 何が大丈夫だ、と言いかけたところで、口を塞がれてしまった。
 リノアとのキスより、何倍もこそばゆい感触がした。
 感覚を共有しているせいだろうか。シヴァの分も同時に感じている気がした。
「私も貴方が好きなんだから」
 シヴァの唇には、冷気ではなく、ほのかな微熱が含まれていた。

 ****
続きはピンク板に移動予定でつ~
(おぬうど描写&一緒にお風呂くらいならここでもおけ?)

331:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/05/04 12:59 bfESJHrY
R@no-nameさんの新作キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!
(・∀・)イイ!!です♪続き楽しみ♪

>328さん
私も場違いさんのファンなので消息が気に成増。
このスレにも最初見えたみたいだけど・・・
どうされてるのかなぁ


332:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/05/04 16:58 1/XwA648
職人さん方、気にせずガンガッテ

333:砂漠の王と風の覇者44
03/05/04 23:22 p17OpiaK
 なぜそんなことを聞いたのだろう? と思う。
 確かにあの時、リルムは無謀にも飛空艇から炎の中に飛び込んだ。
 “エドガーを助けるため”に。
 それが無茶な行為だと、自分でも分かってた。だけど、それでも助けたかった。
 “絶対に死んで欲しくなかった”から。
 ―じゃあ、エドガーは?
「エドガーは、あたしが死んだらどう思うんだよ? あたしは……」
 そうか。
 エドガーに死んで欲しくない。あの時そう思ったんだ。
 仲間として、それ以上に大切な存在として。
「あたしは……エドガーがいなくなるよりは、良いと思っ……」
 口にしかけた言葉が最後まで語られる事はなかった。リルムは頬に触れた温も
りと、芳しい香油の香りに気付いて目を見開いた。
「エド……?!」
「今の私に、彼を裁く権利など無いのだ」
 片膝をつきリルムの肩を抱き寄せながら、エドガーは小さく呟く。
「どうし……て」
 抵抗することも忘れ、リルムはエドガーに身を預けたままで問う。
「私は平和を願いながら、ケフカや帝国と同じ道を歩もうとしていた……」
 それはエドガーしか知ることの無い真実。
 これまで誰にも明かされる事のなかった真実を、ゆっくりと語りはじめた。

334:ドリル装備の名無し ◆Lv.1/MrrYw
03/05/04 23:40 p17OpiaK
いやぁ、一人6ネタで突っ走ってるもんでスンマセン。
烏滸がましくも、下手の横好きで文章書いたりしてる身として言わせて頂けるなら、
単なる記号の羅列に過ぎない文字に、色々な物を込めるという作業は相当難しいと思います。
それから、個人的にコストパフォーマンス良いと思いますよ、このスレ。(相当端折ってマジレス)

>>309
カップリングより親子ネタの方が好きなので、漏れはそういう作品を是が非でも読みたい!
正直に言うと、17歳差のエドリルで萌える理由はそう言う面にもありますが。(w
一度メモ帳にネタを箇条書きして、整形していくと結構(・∀・)イイ!物が書けると思います。
(SSって、アイディア・見せ方の要素がそれぞれ半々だと思うんです。)
挑戦してみて損はないと思いますし、5ネタを書けない漏れとしては読んでみたいです。期待sage。

>>GF物語
8ネタでGF視点の話をはじめて見たので面白かったです。6の幻獣は“神によって作られた”
という設定が作中で出てくるのですが、8のG.Fはどういう存在だったのか? というのを掘り
下げている様な話なので興味深く拝見させていただきました。できれば続きもあると嬉しいですが…。

>>330-331
シヴァ姐さん素敵です!(w あの問題児サイファーを手懐ける(違)とはさすが氷の女王。
でもすいません、シヴァって人身大でしたけ?(なんかやたら大きいというイメージがあるの
ですが。…あれは10か?)
表現がやんわりしてる物なら、この板でもOKなのではないかと呟いてみるテスト。
(どの辺が「やんわり」なのかは分かりませんが。w)

335:R@no-name
03/05/05 02:17 XuNvVga6
>334
伸 縮 自 在 ですが何か<ガッ
そもそも実体ないし、決まったサイズから変更不能だったらダンジョンの
小部屋で激しく頭上注意の予感なわけで(慌)

非戦闘時はサイファーとタメはるくらいか、-10cmくらい大きさで部屋を
ふわふわしてる(ラ○タンですか……)と考えていただきたいでつ>身長

続き出せるかなーいいのかなー(;´Д`)

336:姐 ◆ane/8MtRLQ
03/05/05 18:44 BOoDDslw
>>335
微妙ですね(汗
安全策を取るとしたらおぬうど辺りからピンク?とも思うのですが、
エロくないシーンをピンク鯖に書くとピンク鯖の中の人から怒られるという罠。
上の方にアーリュの結構きわどい作品があったのでそれ辺りと比べて見ては
いかがでしょうか?

>>333
6ネタは少ないと思うので今後も是非がんがっていただきたいなあと
私としては思っております。
(もちろんドリルさんが書きたいと思っているのが前提ですけれど)

>>305
はうっ。見られてましたか。
でも私もけっこう白さんやドリルさんの生うP目撃してますよw
「コックさんは見た!」タイトルの時点で禿藁でした。

>>302
白さんといい、とうとうシグネに「たん」が…。
一応萌えキャラとして書けてると思っていいんでしょうか。
(そういえば「お兄ちゃん」連発してるし…)
次作、期待してます。

337:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/05/05 21:57 6CY+Kj7f
午前最後の授業は、実習授業のため作業服を着ていたので、制服に着替え直したりしていたら
食堂に着くのが少し遅れてしまった。
「ごめんね、遅くなっちゃった」
私はアリスの後ろ姿を見つけて駆け寄った。
アリスは私のかけた声に気付かないようで、食堂の入口辺りをじっと見ていた。
私は不思議に思ってその視線を追うと、その先ではふわふわの金髪が揺れていた。
ゼルさんだった。
よく見ると、アリスはパンの袋を抱えている。
「……どうしたの?」
私がもう一度声をかけるとアリスはびっくりしたように振り向いた。
「シグ。お疲れ様」
アリスは一生懸命笑おうとしていたみたいだけどがっかり、という表情が拭えなかった。
「はい。ひとつあげる」
アリスは私にパンの袋を手渡した。
「え?いいの?」
私はびっくりして聞き返した。
「うん。今日はたまたま早く授業が終わったから二つ買えたの」
私はこっそりアリスがさっき見ていた方を見た。
「え?パン売り切れ?……じゃあ、チキンヌードル大盛で」
ゼルさんはパンが買えなかったみたいで、違う物を頼んだみたいだった。
もしかしたらアリスはこれ、ゼルさんにあげたかったんじゃないかな、と思ったけど何も言わない事にした。
だってそういうのは本人が話したい時に聞いてあげればいい事だと思うから。
せっかくなので私はフィッシュ&チップスのバスケットと飲み物を買ってきてアリスと分けた。

338:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/05/05 21:58 6CY+Kj7f
パンは取合いになるのがわかる、おいしいパンだった。
「最近、有名店のパン職人だった人が調理場に入ったらしいの」というのがアリスの聞いた話らしい。
午前の授業の感想を話したりしているうちに昼休みは終わった。
今日の午後は必須ばかりなのでずっと教室で授業を受けた。
一通りの授業が終わり、私は実習授業の方で先輩の作業を手伝う約束をしていたしアリスは図書委員の
仕事をしながらレポートの準備をするのでそこで別れ別れになった。
晩御飯は一応時間を決めておいて落ち合えたら一緒に食べるという事にしておいた。

実習の教室に作業服に着替えてから戻ると先輩たちが午前に私が修正を手伝ったデータを元に
作業にかかっていた。
「お帰りシグネ。待ってたよ~」
このクラスでは一番手先が器用だというセーラ先輩は細い筒を磨く手を休めず私に声をかけた。
現在このクラスが手がけているのはガーデンで標準モデルとして採用している拳銃を軽量化し、
尚且つ弾の飛距離と命中精度を上げる事だった。
一番手っ取り早いのは口径を小さくする事だけどシュミレーションで上手く行っても実際それを作るとなると大問題だ。
基本的にこの教室は手作りでやっているし、出来上がった物がガーデンの審査でパスしてもあまり繊細な設計だと
量産するのにコストがかかる。
「正直、ここにいるとマーケティングの方に詳しくなれるわよ」
サラ先輩は弾の原型を作るのに取り掛かっている。実はこの先輩はSeeD資格を持っている。
ミッションを受けると新しい武器を持って行ってテストする事が多いらしい。
私は溜まった設計図を入力するのに追われた。
後4人いる男子の先輩たちは仮眠をしに寮に戻ったらしい。

339:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/05/05 21:58 6CY+Kj7f
「あいつら夜型なんだよね」
セーラ先輩は次の筒に取り掛かった。
私はデータを演算にかけている時間を利用して先輩にお茶を入れた。
コーヒーばっかりだと胃に悪いので部屋からアリスにも出したのと同じお茶を取ってきてそれを入れた。
「あ~、なんか頭がすっきりする」
セーラ先輩が気持ちよさそうに伸びをする。
「これ、ティンバーのお茶でしょ?珍しいわね」
サラ先輩はさすがに色んな所に行くので詳しいみたいだった。
「肌にいいのよね、これ」
サラ先輩の一言でセーラ先輩が目を輝かせる。
「ホント?シグネ、余分持ってたら分けてくれない?ちゃんとお金払って買うから」
「友達のお母さんが作って送ってくれたお茶だから、お金はいいですよ」
「あのね、シグネ。礼儀正しいのはいいんだけどあたし、あんたと同い年だから敬語やめてくれる?」
先輩、もといセーラが困ったように言った。
「同い年?」
「そうだよ。図書委員のアリシアと同い年でしょ?あたしも」
ガーデンでは年齢毎のクラス分けじゃないのでこういうところがやっかいだった。
「以前は年齢別のクラスだったんだけどね。数年前に専門毎のクラス編成になったのよ」
サラ先輩が笑った。
「あの……サラ…は?」
どっちにしろ先輩と言うなと言われたので私はおそるおそる尋ねた。
「18歳よ。まあ、そんなに気にしなくていいから」
私がここのクラスに慣れるまで、もう少しかかりそうだった。

340:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/05/05 21:58 6CY+Kj7f
設計図の内容をチェックするとソフトをバージョンアップさせてからの方がよさそうなので
残りは来週にやる事にして私は食堂に向かった。
アリスとの約束の時間には少し遅かったけれど、アリスはお茶を飲んで待ってくれていた。
「お疲れ様、シグ」
アリスは私に気付いて手元の雑誌を閉じた。
「何食べるか決めた?」
アリスの質問に私は首を振る。
「クラムチャウダーの方がおすすめよ。今日のはトマト味のほうだったから」
夕食には少し早いじかんだったせいもあってさほど待たずにアリスのお勧めのメニューを買うことができた。
席に戻ってご飯を食べ終わるとアリスが雑誌りページを広げた。
「ね、シグはどっちの方がいいと思う?」
アリスの広げた雑誌には薄いピンクとラベンダー色のドレスを着たモデルがにっこり微笑んでいた。
「私だったらピンクが好きなんだけど、アリスが着るなら、こっちかな」
薄い生地を何枚か重ねたドレスの裾が柔らかくウエーブしているデザインで、アリスに似合いそうだった。
「そう思う?デザインは好きなんだけど色がちょっと私には大人っぽいかなぁって思うんだけど」
「そんな事ないよ。これ写真だし多分実物はもっと明るい感じだと思う」
アリスはうーん、と腕を組んで悩んでいる。
「パーティーにでも出るの?」
私の言葉にアリスはびっくりしたように雑誌から顔を上げた。
「教えてあげてなかった?もうすぐSeeD試験があるのよ。その後の就任パーティー」
「あ」

341:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/05/05 22:01 6CY+Kj7f
自分には関係ない話だと思っていたのですっかり忘れていた。
バラムガーデンは毎年春季にSeeD試験を行う。
成績によってSeeD候補生クラスに入った生徒の中でさらに事前選考を通った人だけが筆記試験を受け、
その合格者はさらに実際の戦場で行われる実地試験場に派兵されて指令達成によって初めてSeeDになれる。
そしてその試験の後は新任のSeeDのお披露目を兼ねてパーティーが催される。
SeeDが死亡したりした場合に実地試験での不合格者の中から再試験で追加合格させる事もあるけれど
その時は学園長室から認証式があるくらいだ。
ガーデン生にとって年に1回の一大イベントである事には違いない。
「私達の学年からは全員パーティー会場に入場できるのよ」
アリスはうっとりとした顔をしている。
SeeD就任パーティーはダンスパーティー形式で行われる。会場の収容人数の関係からSeeD受験可能年齢である
15歳はSeeD候補生のみ、16歳からようやく一般クラスの生徒も参加できるらしい。
「校内の男女比率の関係もあるから、女子はなるべく出席するよう言われるわよ」
アリスはそう言うと真剣にドレスの写真を見つめている。
「入学祝に服って、そういう事かぁ……」
実は今週の週末、私はバラムの家にお兄ちゃんと帰る事にしている。
お兄ちゃんがガーデン入学祝いに服を買ってやるなんていうからどういう事かと思っていたら、たぶんこれのせいなんだろう。
「シグネはどんなの着るの?」
アリスが目を輝かせる。
「ぜんぜん。だってたぶんこれから買うんだもん」
週末の予定をアリスに説明した。
「じゃあ、同じ日に私もバラムに行くからもしかしたら会うかもね」
「アリス、どうやって行くの?」
「バスよ。私車持ってないから」
「じゃあ、私と一緒に行かない?」
「でも、お兄さんの車でしょ?悪いわ」
「全然。私もアリスの服見たいし。それで家にも来ない?たぶんお母さんがケーキ死ぬほど用意してるから」
私としてはできればアリスにも一緒に来てもらいたかった。
お兄ちゃん同伴でドレス選びなんて恥ずかしすぎる。
「本当に、いいの?」
「うん」
アリスとの約束を取り付けて私はうきうきしながら週末を待った。

342:姐 ◆ane/8MtRLQ
03/05/05 22:04 6CY+Kj7f
本日は以上です。
とうとうストック全部使ってしまった…。
次回辺りから皆さん御存知のキャラがでてくると思いますので
もうちょっとだけお待ち下さい。

343:砂漠の王と風の覇者45
03/05/06 00:44 galVtqm0
「彼の本当の目的は、私の命でもこの城でもなかったんだ……。その証拠に」
 言いながら視線を上げて、倒壊した塔に向ける。
 そして、焼け落ちた王の間の上にある隠し部屋に、エドガーが密かに開発を
進めていた『機械』の設計図が置かれていた事を明かした。
 帝国の支配。世界の崩壊。ケフカの暴走―悲劇を二度と繰り返さない為に
―そして何より、そこから立ち直る為に作ろうとした物だ。
「しかし……それが『兵器』となり得る力を秘めている。その事に彼は気付いた」
 それでは力を求め、幻獣達を蹂躙し魔導を利用した揚げ句、力そのものに取り
込まれ、その傀儡となってしまった帝国やケフカの過ちを繰り返そうとしているだけだ。
 だから抑止力として必要になる時が必ず来る、彼はそう主張し続けた。
「そして―」
 結局彼は、最後まで自分の主張を曲げることはなかった。大量の瓦礫を残して
図面を道連れに死を選んだ。
 そうすることでエドガーに託したのだ、この国と世界の未来を。
「私が間違っているのかも知れない。彼の言っていた事は決して外れてはいない。
けれど」
「……エドガー……」
 こんな風に胸の内をさらけ出すエドガーの姿を、初めて見たような気がする。
普段の自信に満ちた彼からは想像も出来ないほど、実際には相当の重圧の中に立
たされていた事を知る。
 国と、世界と、仲間を守るために生きている男なのだと。
「けれど私は……」
「もういいよ」
 堪えきれないと言った様子で短くリルムが告げる。
「何も言わなくていいから」
 言葉と同じようにゆっくりと、拙い動作でエドガーの背に腕を回しながら。
「……あたしが守ってやるよ」
 宣言したのだった。
 魔導が失われたこの世界で、以前のように戦う力はないけれど。
「ね?」
 彼を失いたくない。その想いだけははっきりと分かったから。
 抱き寄せられた身体を離して、自らの宣誓を確かめるようにエドガーの顔を見つめ直す。

344:砂漠の王と風の覇者46
03/05/06 00:49 160Qi7v3
「……リルム」
 向けられた彼女の笑顔は、まるで砂漠のオアシスの如く透明な美しさを帯びて
いる。そんな彼女を目の当たりにしたエドガーの表情には戸惑いと躊躇い、何よ
り驚きの色をない交ぜにしてた複雑な顔で。
 ―こんなに動揺するエドガーを見たのも、初めてだと思った。
「言わせてくれないか?」
 彼女の気遣いを退けてでも、これだけは伝えておきたいと。
 黙って頷いたリルムを見て、エドガーは口を開く。
「リルムが塔から無事に脱出できたと分かった時、心の底から安心したんだ。け
ど、本当は」

345:砂漠の王と風の覇者47
03/05/06 00:50 160Qi7v3
 目を閉じて、塔から身を投げたときの光景を思い起こしながら。
「もう二度と君に会えなくなると気付いた時、分かったんだ」
 再び開かれた瞳は、目の前のリルムの姿をしっかりと捉えていた。

「俺は、リルムを失いたくない」

 フィガロも夢も仲間も。
 セッツァーの言うように、多くを求め過ぎているのかも知れない。
 でも、こう思う気持ちは本心なのだから仕方がない。
「……迷惑かな?」
 力無く笑うと、照れたように視線を外す。いつもは見せないそんな仕草を見な
がら、リルムは小さく笑みを浮かべる。
「へー、色男でも照れたりするんだ?」
 揶揄するような口調は嬉しさの裏返し。
「自分でも驚いたよ。こんなに口下手だと思わなかったからね」
 兄とは対照的に、女っ気の欠片もない弟に偉そうなことを言えないな、などと
苦笑しながら。
「いつかこの城へ来てくれる日を待ってるよ」
 これだけを口に出すことが、今の彼には精一杯だった。
 今までは、女性も夢も、追っている方が楽しいと思っていた。
 だけど今は―
 訪れる幸せを、静かに待ってみようと思うのだった。


 砂漠の城を淡く照らし出す月光の下、二つの影が並ぶ。
 肌に触れる冷たい夜気と穏やかな静寂が支配するこの場所が、やがて二人を祝
福する熱気と歓声に包まれるのは、そう遠い日の話ではなかった。


                                   砂漠の王と風の覇者ー終ー

346:ドリル装備の名無し ◆Lv.1/MrrYw
03/05/06 01:00 160Qi7v3
…………。
あ、あれ? 気が付けばリルムよりエドガー視点の方が多くなっていたよ(´・ω・`)

一つの括りとしてここで少し言い訳をさせて下さい。
この『砂漠の王と風の覇者』というお話は、そもそも「FF6のED後の世情を予想して
みる」というコンセプトの上に、個人的に書いた物だったりします。(そもそも萌えと
言うよりは、そう言う系統のスレを良く回ったり書き込みしていたもので。w)
 国王エドガー29歳、彼が即位してから生まれたリルムが12歳。つまりリルムはエドガーが
 「国王として生きてきた年数」と同じ年齢になります。

 王位継承者として生まれた者として、兄として、個人を捨て国王という“公人”として生きる
 道を選んだエドガーが、リルムだからこそ“個人”として彼女と接する事ができるんじゃないか?
 そう言う面を描きたかったんです。

 また、リルムの場合は……描ききれませんでしたが、本当はここを主題にしたかった……(撃沈)
 修行して、出直して来ます。

この様な駄文にお付き合いいただいた方、本当に有り難うございました。そしてお疲れさまです。。

347:ドリル装備の名無し ◆Lv.1/MrrYw
03/05/06 01:17 160Qi7v3
>>335
伸縮自在……って、なんか某湿布のような(w。
でもイメージは掴めました、ありが㌧。
(やっぱりFF10のシヴァの印象が強くて、それを持ってきてしまった様です。彼女は
大きかったので…w)
……あれ? するとアレクサンダーはあんなにごついのに等身d(略。

ピンク鯖に持って行くにも色々大変なんですね…なんとかここで書ける様に修正する
…とか?(他のレスの中に紛らわせてしまうという手があるかも知れない!w)

>>337-341(スニフの恋人)
いつも読みながら凄いなと思うのは、日常生活のありふれた場面描写って、漏れが書くと
得てして単調になりがちなのに、そう言う感覚がない(飽きさせない)ままで、すんなり話の
世界に入って行けるという所です。それだけ主人公の心理描写が自然に書かれているという
事なのでしょうか? 続きが楽しみですsage。
6ネタ…恐らく性懲りもなくまた書きに来ると思います(w。今回描ききれなかったリルム視点
で(例の如くHDDの中にある駄文を何とか加工してw)。
今度は言い訳しないでも伝わるぐらいの作品を書きたいです。
精進あるのみ、ですかね。・゚・(ノД`)・゚・


長々と失礼いたしました。

348:R@no-name
03/05/06 03:26 kU4d5Aas
ご指導感謝しまつ>姐さま、ドリル殿

問題の部分なんですが、絵にすると間違いなく修正逝きと思われる場面
なので、ついでに加筆した状態でピンク鯖へ持っていくことにします
「壱~壱拾&拾壱エロパロ小説スレ」にて、またおあいしませう~>成人RomALL

349:白 ◆SIRO/4.i8M
03/05/06 22:00 +MfKr/BN
お久しぶりです。。。
代行シリーズ電撃再開!!! スレに久々職人さん降臨ハァハァ (*´Д`)
スレリンク(ff板)l50

350:【モルポル山海月風味】
03/05/06 22:01 +MfKr/BN
 深き霧の真上に。垂直に昇る雲。
薄紅の濃霧が山稜から傾れ、流れ落ちる。
その空間をはぜる、凛とした若武者達。

 闇に剛剣が駆ける。
押し寄せる妖獣を両断し、更に宙を舞う。
「ソルジャーブルー!」
しなう剣と、炸裂する閃光。
すうっ、と瞳が光り、その視線が見る者を鷲掴みにする。
「ソルジャ-ブラック」
拍動する、勇壮な楽の音。
「──君も神羅軍で英雄と握手!」
♪魔晄戦記ソルジャ-ドン!おっおおおお~神羅~(※テーマ曲)

 鯨の潮みたく金髪を引っ括り、TVの前でアイスを抱えた子供。
翌朝、幼馴染みとのおままごと中、花冠を載せたまま
彼は突如立ち上がり
「俺絶対!ソルジャーになるんだ!」と初恋の彼女に誓うのだった。
「…クラウドTV見過ぎ!(ノДT)」などと突っ込みが入っていた頃。

 ソルジャー二人組は、変装覆面匿名状態で
ウオールマーケットの噂のモルポル山クラゲ拉麺に
舌鼓を打っていたのだった。

351:白 ◆SIRO/4.i8M
03/05/06 22:02 +MfKr/BN
>>311
自信は私もマジ無いです。。。(TДT)
こういう話が読みたいなぁ。って言う311さんのお気持が
物語になるのでしょうね。FF5好きの職人様期待sage。

>>315
コピペを、御自分の物として発表するのは
激しく遠慮して頂きたくおながいします。

>>323 >>327 >>332
本当にお疲れさまです。m(_ _)m

>>328
私も場違い小説さんのファンです。
読み易くて明るくて色香があって大好きなのです。
御元気でいらっしゃるのでしょうか…。続編マターリ期待sage。

>>329-330 >>335 >>348
おお!R@no-nameさん降臨続編キタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!!
ミュージッククリップのような映像を想像しました!
カコ良いクールビューティカップルですね。
続編、何処で続いても楽しみにしておりますです。

352:白 ◆SIRO/4.i8M
03/05/06 22:03 +MfKr/BN
>>333-334
ドリルさん乙華麗様ですた!
最後迄、張り詰めた緊張感が、ダレず持続なさってたのが凄いであります。
最後の最後に解き明かされた秘密に(゚д゚*)ウマー!です。
(*´Д`)ハァハァというより、両者の深い愛*がカコ良い…。
祝典を想像して萌えました!次回作もマターリお待ちしておりますです。

>>336-342
ああ(つД`)又パンが買えなかったのですね、ゼル。(w
兵器開発に神経を研ぎすます感じや、パーティ前の賑わいを
目の前で観ている感じがして、シアワセです。
サラさんの事情も気になります。
姐さんの、背景や設定の作りの丁寧さに萌えますたです。

353:29
03/05/06 22:10 BJw0mj2d
このスレは女性向けってわけでもない様な、、、。
そもそも漏れ、野郎ですし。
あと、謙遜っていうか卑下しすぎるのもやっぱりイクナイんでしょうね。反省すべ。

354:road to homeーこころの故郷1
03/05/06 23:12 NTnNJ4Il


  今日ほど、自分の軽率さを恥じた事はない。
『よしっ! あのオヤジに教えてやろう!!』
  なぜ、あんな事を口走ってしまったんだろう?
『このガウが本当の息子だってことを!!』
  どうして、あそこへガウを連れていってしまったのだろう?
『待てよ……せっかくの親子の対面だ…おめかしでもさせるか』

 ―結局、傷ついたのはガウだったのに―。


 草原の一軒家から飛空艇へ戻った四人の表情は一様に沈んでいた。ファルコン
に残っていた他の仲間達も察したのか、一人としてその件について触れる者はい
なかった。
 彼らだってそれぞれつらい過去を背負い、あるいは掛け替えのない存在を失い、
それでも生きようとこの船に集っていた。
 しかしそんな彼らでさえ、今のガウにかける言葉を見出せず、ただひたすらに
平静を装いながら沈黙を守るだけで精一杯だった。
 それは誰一人としてガウの受けた―失ったと思っていた肉親との再会を果た
し、その直後に目の前で拒絶されるという―痛みを、受け止められる者がいな
かったから。
 本来ならばそんな態度をとるべきではない。つらい時こそ支え合うのが仲間で
あった筈なのに……誰もがそう思いながら、己の非力さを実感せずにはいられな
かった。
「ウー……」
 そんな中でただ一人、ウーマロだけはいつもと変わりなくガウと戯れていたの
が唯一の救いだっただろうか。
 すっかり沈みきった仲間達を乗せて、飛空艇は次の目的地へ向けて飛び立った。

355:ドリル装備の名無し ◆Lv.1/MrrYw
03/05/06 23:30 NTnNJ4Il
性懲りもなくFF6エドリル@リルム視点でリベンジ……と、思ったのですが、
今回はFF6本編中の『ガウの父親再会イベント』の余話的な物になります…。

前回のよりも短く…最後はお笑いにしてみたいと画策中(希望)。マターリ進行
ですが、やっぱりエドリルになります。(しつこいよ!)

>>350
あの神羅ならあり得そうですね…。恐らくセフィロスも広告塔として色んな所に
かり出されていたのかもしれないと思うと出張費が……(それは違)。
明るくノリのいい文章を書かれるんですが、視点の置く場所が(・∀・)イイ!ですよね。

それと、事情を知らないとはいえ正直スマンカッタ。

>>353
漏れも気をつけます。

改めて見方というか、見せ方というか、見られ方というか、
人の捉え方は様々だなと思います。文章も何もかも。
(けっきょく「答えが一つじゃないから面白い」、って事なんですけどね。w)

356:ドリル装備の名無し ◆Lv.1/MrrYw
03/05/06 23:39 NTnNJ4Il
す、すいません。一応>>354でこれだけ解説入れさせて下さい。

 パーティーメンバーの中に「ガウ」という野生児がいます。
 彼の父親は、妻を失ったショックから、生後間もないガウを獣ヶ原に捨てます。
 曰く、「悪魔の子」だからだそうです。
 本編中で、マッシュ(エドガーの弟)が好意から二人を引き合わせるという
 イベントがあります。
 んで、彼はガウを捨てた事を肯定しながら、さらにガウの目の前で
 「(マッシュのような)息子を持った父親は幸せだ」と言います。
 それでもガウは怒る事なく、「しあわせ」だと告げて、仲間達と共に家を後にする。


…という、もの凄い切ないイベントがあるんです。

357:姐 ◆ane/8MtRLQ
03/05/07 20:32 2/NdPD2M
>>345
お疲れ様でした。エドガー、五年後が楽しみですなw
続いてマッシュキタキタキタキタ━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━?????
昔この板でツクールのFF風ゲームでマッシュがやたら強かったので
6は未プレイなのにマッシュは大好きだったりします。

>>350
> ♪魔晄戦記ソルジャ-ドン!おっおおおお~神羅~(※テーマ曲)
ぷはははははははは(T∀T;)
笑 い 死 さ せ る 気 で す か ?

358:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/05/07 20:34 2/NdPD2M
結果的に週末は大変だった。私じゃなく、むしろお兄ちゃんが。
週末、お昼前にアリスと一緒にお兄ちゃんの車に乗り込んだ。
ガーデンとバラム市街は結構距離があるけれど車の運転が出来れば通学もムリじゃない。
カリキュラムのきついお兄ちゃんはともかく私まで寮に入る事になったのは私の反射神経の鈍さのせいだ。
一応車の免許は取ったものの危なくて自動車通学なんかさせられないというのがお父さんの意見だった。
家についたのはちょうどお昼だった。
ガーデンは兵士養成学校だけに私がなじめるかどうか心配していたお母さんは友達を連れて帰ると言った時に
電話の向こうで張り切っていたので嫌な予感はしていたけれど、居間に入るとテーブルがお昼ご飯より沢山の
手作りケーキで埋め尽くされていた。
お母さんのケーキはおいしいけれど、このまま10人くらいのティーパーティーを開いても大丈夫そうな量の
お菓子にアリスは目が点になっていた。
アリスは気を使って、ガーデンの食堂で売っているジャムの瓶詰めをいくつかかわいく包んで持ってきてくれた。
年少クラスの子の授業で栽培したベリー類や、バイトの学生がガーデンのそこら中にある果物を収穫したものを
食堂のおばさんが煮て作る手作りだ。
お兄ちゃんがガーデンから帰ってくる時に買っていた物で、我が家の定番だった。
「まあ。ガーデンのジャムって梨や葡萄もあるのね?オリーったらベリーのジャムしか買ってこないんだから」
お母さんはアリスの買ってきてくれたジャムに大喜びだった。
「ジャムって言えばイチゴだろ?」
困ったような顔でお兄ちゃんは抗議しているけれど、私は知っている。
お兄ちゃんはピーナツバター&ジェリー(ピーナツバターとジャムを同量ずつ塗ったパンを重ねるサンドイッチ。
ベリー以外のジャムだと当り外れあり。かなり甘い)が食べたいがためにイチゴジャムばっかり買っている事を。
「梨のジャムなんて久しぶりだわ。梨のタルトが作れるわね」
梨のタルトはお父さんの好物だ。多分今夜のデザートでカルバドスとエスプレッソがセットで出てくるに違いない。
「シグネにこんな良いお友達が出来てよかったわ」
お母さんはうきうきした様子でサンドイッチを勧める。

359:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/05/07 20:34 2/NdPD2M
アリスは一見するとガーデンの生徒より市街にある女子高の生徒っていう感じだからムリもない。
お母さんは娘が欲しかったのに子供はお兄ちゃん一人しかできなかったのだ。
娘がいないお母さんが全員こうではないと思うけれど、お兄ちゃんがエマさんを紹介したらお兄ちゃんそっちのけで
エマさんにケーキを食べさせて着せ替えでも始めかねないと思う。
その時、電話が鳴った。
お母さんがキッチンの方の受話機で取った。
「彼女かな?」
アリスがこそっとつぶやいたので私も頷いてみせた。
「かもね」
「誰?」
お兄ちゃんはサンドイッチを飲み込むと聞いた。
「カータトレットさんって言ったわよ?」
一瞬紅茶を吹きそうになった。お母さんは既に好奇心満々になっている。
お兄ちゃんを含め、私達の間に変な緊張が走った。
妹、妹と言っていても実は従妹な訳だし、彼女としてはやっぱり面白くないかもしれない。
お兄ちゃんがキッチンで話す声は小さくてよく聞こえなかった。
お母さんが何か知ってるんでしょう的な顔をしているのに気付かないふりをしてサンドイッチを食べたけど
あんまり味がしなかった。
そうしている内に、お兄ちゃんが居間に戻ってきた。
「何だったの?」
私の質問にお兄ちゃんはげんなりとした様子で顔を上げた。
「昼飯食ったらすぐに買い物って言ってたけど、悪い、少し待ってくれ」
「もしかして、エマさん怒ってた?」
私が恐る恐る尋ねるとお兄ちゃんは頷いた。

360:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/05/07 20:35 2/NdPD2M
「私とアリスが買い物に行くのに、運転してるだけだって言えば良かったのに」
アリスも私の言葉にこくこくと頷く。
「いや、それも言ったんだけど、余計叱られた」
「……なんて?」
「ずるいって」
「え?」
聞き違いとしか思えない言葉がお兄ちゃんの口からこぼれた。
「……自分一人だけ、女の子二人がドレス買いに行くのに付き合うなんてずるいって。
今からここに来るから一緒に行くって。……なんで私も誘ってくれなかったのって、怒ってた。すごく」
お兄ちゃんは腕を組んではーっと、大きくため息をついた。
「じゃあ、あの、お兄ちゃんが別の女の子と一緒だから怒ってるんじゃ、ないの?」
「うん。お前の言う意味では怒ってない。そういうわけで悪いがあいつも一緒だ」
お兄ちゃんはすまなそうに言った。
「私は別にいいけど。……アリスは?誘っておいてなんだけど」
私の質問にアリスはちょっと考えるような顔をした。
「カータトレット先輩でしょ?私も知り合いだからかまわないわ。いい先輩よね」
「私もエマさん好きだな。楽しみだね~」
「うん。楽しみ」
私とアリスの様子にお兄ちゃんは複雑な顔をしていた。
それから1時間と経たない内にドアのチャイムが鳴った。
迎えに出るとオフベージュに薄藍と黒の模様の入った洒落たワンピースに上品なカーディガンを羽織った
エマさんが立っていた。
「こんにちは」
にっこりと笑った顔はやっぱり綺麗で、怒っているというのが嘘みたいだった。
「ごめんなさいね、押しかけちゃって」
「いいえ、どうぞ」
私が居間に通すとエマさんはお母さんにきちんと挨拶した。

361:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/05/07 20:37 2/NdPD2M
「えーと彼女は……」
お兄ちゃんがどう紹介しようかと戸惑っていると先輩はにっこり笑った。
「同級生なんです。いつもお世話になってます。これ、授業で栽培したものですけど」
エマさんはミニブーケにまとめたブラウン系の大人っぽいバラの花をお母さんにお土産として渡した。
理系の選択授業でバイオテクノロジーの初歩として花の品種改良しているクラスがあるのだ。
エマさんもケーキ責めにしたそうなお母さんに悪かったけれど私達は市街に向かった。
アリスの欲しいドレスのブランドのお店はエマさんの行きつけだったらしく、店員さんが奥から
ウインドウにない物まで出してきてくれた。
エマさんは店員さんと一緒にすごく楽しそうに私達にドレスを見立ててくれた。
結局、アリスは本で見ていたラベンダーのドレスに白のストールを合わせる事で納得した。
私は薄い若草色で肩の所がフリルのようにひらっとしている物に決めた。
「靴はどうなさいます?」
店員さんが出してくれたパンプスを見て、私はちょっとドキッとした。
殆どの靴のヒールが5㎝はあるのだ。こんなのを履いたらますます背が高くなってしまう。
私の隣でもアリスが同じような顔をしている。私はなんとなく理由がわかるので黙っていた。
「このドレスなら断然これですね」
店員さんが合わせてくれた靴は確かにドレスにぴったりだけどハイヒールだった。
私とアリスの様子を見て、エマさんはおや?という感じに靴を見た。
「二人とも、ダンス得意?」
突然のエマさんのセリフに私は首を振る。基本のワルツとラテン風のステップの初歩を子供の時習ったくらいだ。
アリスも基本くらいはできてもあまり踊った事がないと言っていた。
「じゃ、この靴全部却下ね。転んじゃう」
エマさんは別の場所から殆どヒールのない靴を幾つか探してきてくれた。
「これなら、大丈夫じゃない?」
細い皮紐を編み上げたヒールの無いサンダルを私に、アリスにはかかとに通したリボンを足首に巻きつけて結ぶ
ローヒールのセパレートパンプスを持ってきてくれた。
サイズもいいし、ハイヒールほど華やかじゃないけれど悪くなかった。
「私はこれにしようっと」
エマさんは手持ちの服に合わせるのだと言って青いハイヒールを選んだ。

362:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/05/07 20:39 2/NdPD2M
「オリー、ホールドしてみてくれる?」
お兄ちゃんがエマさんをワルツの姿勢でホールドする。
エマさんはわりと小柄でお兄ちゃんは長身の部類に入るからハイヒールの高さがあってちょうどいいくらいだった。
「すてき……」
アリスが口元で手を合わせて言った。
私もかっこいいなとは思ったけれどさすがにお兄ちゃん相手にアリスのように褒め言葉を口にはできなかった。
アリスの褒め言葉にエマさんは苦笑した。
「二人とも、パートナーは決まってるの?」
尋ねられて私とアリスは顔を見合わせる。当然、二人ともそんな人はいない。
「まあ、あなた達なら当日一人でいたらお誘いはかかるだろうけど」
エマさんは意味ありそうに笑うと試着していた靴を店員に渡した。
「私達はパーティー前にまず一仕事終えなくちゃね。オリー」
エマさんの視線に、お兄ちゃんが気まずそうな顔をする。
「何があるんですか?」
私の質問にはエマさんが答えた。
「筆記試験。SeeD実地試験前のね」
そういえばお兄ちゃんとエマさんはSeeD候補生だった。
お兄ちゃんは体術が専門でエマさんは剣技とクラスは違うけれど筆記試験は同時に受ける。
「帰ったら、しっかり勉強しなきゃ。来週だもんね」
お兄ちゃんは、またはーっとため息をつく。
「お前はもう大丈夫だろ?絶対受かるって」
そのセリフでエマさんの眉が上がった。
「何言ってるのよ。私は事前選考で落とされる可能性が高いのに。あなたは筆記さえクリアすれば絶対SeeDになれるのよ」
後で聞いた話によると、エマさんは体力不足という理由でSeeD候補生段階から先に進めないらしい。
お兄ちゃんはお兄ちゃんで、体力、技術に問題はないけれどペーパーテストが大の苦手で
二人ともお互いの得意分野にコンプレックスがあるみたいだった。
私とアリスのドレスを包んでもらうと、一度家に帰ってお母さんのケーキの残りを詰めた箱を受けとって私達はガーデンに戻った。
「エマ、そういえば家に来る時どうやって来たんだ?バスにしては早かったよな」
お兄ちゃんが不思議そうに聞く。
「バラムに行く人がいたから乗せてもらったのよ」
「よく家がわかったよな」
「だって乗せてくれたのニーダだもの」

363:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/05/07 20:40 2/NdPD2M
心臓が、どきりと音を立てたかと思った。
「ニーダが?」
「そう。先生の所に顔を出しに行くって言ってたわ」
エマさんの言葉にお兄ちゃんがヤバイ、という感じの顔をした。
「しまった。俺も行けば良かったな。もうずっと顔出してないや」
「先生って?」
私はできるだけ何でもないように聞こえるように尋ねた。
「道場の先生。覚えてないか?俺とゼルが通っていた体技の道場があったろ?」
そういえば私が一度ティンバーに戻る少し前、時々お兄ちゃんが白い服を持ってどこかお稽古に行っていた気がする。
「ニーダって、この間俺の代わりにお前の迎えに行ってもらった奴な。あいつも同門の生徒なんだよ」
そんな事、知らなかった。
「クラスメートかと思ってた」
「クラスも一緒だけどな。あいつと友達になったの、シグがティンバーに行ってからだったもんな。
そのうちまた紹介するよ」
まさか私があの人に「スニフ」なんてあだ名をつけてた事なんて知らないであろうお兄ちゃんは呑気に言った。
「そういえばあいつも今回受験だろ?」
エマさんにお兄ちゃんが聞く。
お兄ちゃんとクラスメートなんだから考えてみれば当然の事なんだけど、それでもあの人がSeeD候補生で
ガーデンの中でも特別な部類に入る人だなんてとても信じられなかった。
穏やかで、控えめな感じで、戦場で生死をかけて戦うような人だなんて、どうしても思えなかったのだ。
「この間G.F.の正式登録済んだって言ってたわよ」
「マジで?ヤバイな、俺。置いていかれそうだ」
そう言いながらお兄ちゃんの口調にはあせりがない。
正直な所、私から見てもお兄ちゃんにはSeeDになろうという気は殆どなさそうだった。
お母さんが言うには友達に付きあってなんとなく受けたら受かってしまったというのがガーデンに入った理由らしいから
むしろSeeD候補生になれた時点で奇跡のような物なのだ。

364:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/05/07 20:40 2/NdPD2M
エマさんにもそれがわかるのか、黙って苦笑いのような表情をしていた。
ガーデンに着くとお母さんのケーキの中で日持ちしない物を優先的にお兄ちゃんに引き受けてもらって4人で分け、
それぞれの部屋に戻った。
寝る前に日記を書こうと思った所でペンが止まってしまった。
この一週間は普通にあった事を書いていたのだけど、今日はどうしても「スニフ」に宛てて書きたかったのだ。
もうあの人は知らない人じゃなくてガーデンの先輩なんだから「スニフ」に宛てて書くのは良くないとは思ったけれど
結局、最後にはこう書いてしまった。
 
「スニフへ
 私が思っていたよりずっとずっとお兄ちゃんと仲良しだったんですね。
 もしかして家に来た事もあったのかな?そう思うなんだかびっくりです。
 来てくれていたとしたら、お母さんの事だからガトーショコラ丸ごと1つ、
 「あなたの分よ」って出したりしませんでしたか?
こんな事、冗談じゃなくて本当にやっていたらどうしよう。
 私が初めて友達を連れて来た時はオレンジ・シャルロットでそれを
 やっちゃったので友達が次の日食べ過ぎでお腹を壊して大変でした。  」

そこまで書いた所で、あの大きな目を瞬かせて「それは大変だったね」と言うニーダさんの顔が浮かんで来た。
最後に私はこう書いて日記を閉じた。
「パーティーで、スニフは誰と踊るのかな?」


365:road to homeーこころの故郷2
03/05/07 23:45 V3hMfw5m



 その日の夜、整備点検を兼ねて停泊中のファルコン号甲板。
「…………」
 いつも以上に仏頂面だった飛空艇の現所有者を見やりながら、なだめる様に声
をかけたのはロックだった。
「まーた、今日はいちだんと不機嫌だな」
「お前に愛想振りまいても何の得にもならんだろ?」
 が、どうやら逆効果だったようだ。当てが外れたようにロックは口をとがらせ
不満を漏らす。
「何だよ。……ったく、人が色々悩んでるってーのによ」
「悩むヤツは悩めばいい。だが今お前が悩んでるのは、もともと他人がどうこう
口出しできる問題じゃないだろ」
 セッツァーは簡単に言い捨てた。抗議の声をあげようと口を開きかけたロック
だったが、彼の言うことはもっともで反論しようが無い。
 が、理性が納得したそばから口をついて出たのは感情に任せた言葉だった。
「……でもさ」
 ロックという男は、頭で分かっていても放っておけない性分なのだと言う事は、
セッツァーも充分承知していた。しかし今回はそれが裏目に出るだろう―現に、
マッシュがそうだったのだから。
「まだ何か余計な世話を焼こうとするか?」
「そうじゃないけど」
「じゃあ黙って寝ろ」
「そーいう言い方って無いんじゃないか?」
 ロックの声に明かな怒気を認めながらも、セッツァーは態度を変えようとはし
なかった。
「お前がどう思おうと勝手だがな、傷つくのはガウ自身だって事を忘れるなよ」
「…………」

366:road to homeーこころの故郷3
03/05/07 23:48 V3hMfw5m
 怒るわけでもない、かといって諭すわけでもなく告げられたその一言に、今度
こそロックは閉口せざるを得なかった。
 一応は納得するものの、二人の内心に去来するのはやはり同じ様な思いで。
(ガウの事もそうだけどよ、マッシュも何とかしてやらないと……)
(大体、弟が落ち込んでるって時にエドガーは何をしているんだ?)
 残念ながらこういった場合、自分が出ていっても事態を悪化させるだけで好転
する事はないと、二人には自覚があった―からこそ、こうして悩んでいるのだ
が。
「親父か……」
 ふと思い出した。
 自分も父と同じ冒険家としての道を歩んだロックにとっては、身近で頼もしい
存在なのだろう。
「俺はどうでもいいがな」
 天涯孤独のセッツァーにしてみれば家族の温もりなどは縁遠い物で、今更求め
ようなんて思う事はない。
「…………」
 この後しばらく、二人の男は仏頂面をさげて甲板に佇んでいた。

367:ドリル装備の名無し ◆Lv.1/MrrYw
03/05/07 23:51 V3hMfw5m
>>358-364(スニフの恋人)
漏れが一番苦手とする描写(ファッション。w)が沢山でてきてて(゚д゚)ウマー!!
……勉強になります。
シグネの心理描写、たまらなく良いです。憧れの人を密かに思うときの
独特の雰囲気が文面から伝わって来ます。

それにしても、たらふくケーキ食べられるなんて贅沢な。(w

368:白 ◆SIRO/4.i8M
03/05/08 00:06 gKQD9Rw2
>>353
ヒゲ自慢、もとい卑下自慢とゆう奴ですね。
おいらも自嘲…自重しますです。。・゚・(ノД`)・゚・。ゴメン
誉められたら「え~違うよ」じゃなく「有難う」が基本ですか?

>>354-356 >>365-367
新作キタ━━(゚∀゚)━━ !!!!おお!ガウだ!l \ァl \ァ
ガウは楽しい+元気が出る+でも切ない、感じがしますです。
FF6主要男性キャラ、皆面倒見が良くて、事態が悪化しても素敵です!
じ、事情ですか?何か人様に言えない事情が私に…?(((((((;゚Д゚)))))))
ドリルさんがオイラに謝るような事は、一切思い当たりませんです…。
寧ろ私が謝罪(何)

>>357-364
スニフなニーダ萌え!シグネさんの家庭が楽しそうです。
シグネさん、何気に謙虚な天才児ですね。
ドレスも改良されたお花も憧れます。ブラウン(・∀・)イイ!!
毎日の長篇うp、乙華麗さまです。読むのが楽しみであります。

369:【トロ、もとい神と旅する】(1)
03/05/08 00:07 gKQD9Rw2
 灰白の月光。その背後に、凍り拡がる藍の闇。
血から湯気が立ち昇り、殲滅したドラゴンの肉体がどろりと崩れた。
英雄は逆光を浴び、凛と立っている。

「はーい、カットー!」
「やべ!俺台詞間違えた!」
「NG集だな…クックック」
此処、黄金円盤第6スタジオでは、お昼の連続ソープオペラ
『魔晄戦記ソルジャ-ドン』の撮影が続いていた。

「ソルジャーの仕事って、色々あんだなぁ!」
「TVに出たがったのはお前位だろう、ザックス。
 それとも、幼稚園慰問の仕事でも手伝うか?」
「え、遠慮するっす!」
「ひまわり組の皆さんが、待っているぞ」
「一体全体どうして、一日中上司にくっついての仕事なんだ…」

──真面目に考えるのならば、お前は将来の右腕候補。
恐らく又、未熟であっても基礎能力値の高い若者が
俺の近くに配備される筈──

「ん?何か言った?」
「明日は夜間演習だ。彼女に振られぬ様、注意して措け」
すたたたたっと、AD(22) 君が駆け寄って来た。
「次の衣装なんですが…」

370:【トロ、もとい神と旅する】(2)
03/05/08 00:11 gKQD9Rw2
A:ゴシック調の紅白小○幸子風
B:マント+パンツ付きシルバーのピチピチタイツ
C:怪奇!蜥蜴土竜蝟怪人

「……!」
英雄の額に、厭な汗が滴った。

 哀れなAD(22) 君はもはや顔面蒼白だ。
「ルーファウスぼっちゃま、たっての御希望だそうで…」
「スポンサー、か。大変だねえ、セヒロス(・∀・)」
「ザックスが着るそうだ。是非着せてやれ」

 Σ(゚Д゚;嫌だぁぁぁ!止めろデートで彼女に捨てられたらどうする!!
と絶叫するザックスに
「キャラクター商品になる日が…実に楽しみだ」などと
嬉し気な英雄の言葉が応え、犠牲者を衣装部屋に押し込んだ。

 次回はウエポン登場させるからな!と、小さなルーファウスは
画用紙一杯に怪獣を描く。ツォン主任は画用紙に触れ
「賜りました。ではデザイン室にその絵を送りましょう」と封筒を用意。

 その日。スラムの巨大モニターに
ヤケッパチで矢鱈メッタラ、大立ち回りな大童に快刀乱麻疾風怒濤する
「怪奇!トカゲもぐらハリネズミ」姿の
ソルジャーブルーこと、ザックスが大写しとなった。
その姿にも関わらず、優し気な花売り娘さんが
ソルジャーブルーにうっとりしてくれたのが、唯一の救いである。

次回、「ウエポン~星の呼ぶ声~」にリミットブレイク!
提供は(株)神羅魔晄ソーセージでした。(※続きません(;´Д`))

371:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/05/08 06:07 5Wk+eWII
>>354
??
あのオヤジの台詞、私は「(ガウのような)息子を持った父親は幸せ」って
意味に取ってたんだけど。
マッシュの連れて来たガウを見て、オヤジは自分の息子だって気付いたんだけど、
自分には父親だって名乗る資格がないと思ってる、
だからせめて会えて嬉しいの「幸せ」という言葉で表現…みたいに解釈してたよ。

SSの途中なのにこんなツッコミ入れてゴメン。


372:371
03/05/08 06:14 5Wk+eWII
すまん、>>356だった。
オノレちゃんの蛸足に絡まれて逝(ry

373:白 ◆SIRO/4.i8M
03/05/08 20:02 wM2dKlMO
>>371-372
生キロ。てか横レススマソ。m(_ _)m 
仰る通り物語も途中ですし、 解釈は人各々かなぁと。
371さん  →ガウの父親の視点
ドリルさん →ガウの仲間の視点 っぽいですね、面白い。

374:【未亡人】(1)
03/05/08 20:03 wM2dKlMO
 ピジョンブラッドの炎が、石榴状の瑕口を開け、天空に唸る。
星を壊滅させ得る隕石、メテオが宙吊りになっているのだ。
それでも。
平然と虫が鳴き、店が開き、勇者達はLv上げ中。

 ザックスの思い出に逢いに、神羅屋敷へクラウドが訪れた。
「懐かしいな…」
「昔此処で、ウチのパパが凶斬り喰らったのよね」
「Σ(゚Д゚|||)え?何それ?!」

 ティファの唇から、昔話が紡ぎ出される。
──小さな頃のクラウドは、可愛かったのよ。
『お医者さんごっこしよう!゚+.(・∀・)゚+.゚』
「Hだったけど」
「((((( ̄Д ̄;)))))←※クラウド」
クラウドは、幼稚園の秘密迄バラされそうな悪寒を覚えた!
「駄目じゃん。。。何か、村で浮いてたって聞いたよ!」
ユフィの問い掛けに、長い黒髪の先端が揺れ、溜息が溢れた。
「…そもそもはウチのパパが…」

 村を訪れた少女。豪奢な金髪と、華奢な躯。涼し気な容顔が愛らしい。
その娘に、村の顔役の息子は一目惚れしたのだ。

375:【未亡人】(2)
03/05/08 20:04 wM2dKlMO
「若い頃、パパは、村のブロンド娘さんを口説いたらしいの」
艇長が、煙と共に口を挟んだ。
「んで、コスモキャニオンで勉強して、ロケット技術者になった
 ストライフってぇ哥さんに、負けたんだろ?」
「そうなのか?!」
「夢の有る人って素敵ー!って事かな。アタシなら顔役にするけど」

 今は失われた、緑濃きニブル山の風景。
その山道を、山チョコボで疾駆する若き技師。
「親父の事、知らなかったよ」
「あの頃は山にモンスターなんざ、居なかったからなぁ」

「…でも」
ティファは俯き、手の平で顔を覆った。
「でも死んじゃうの。ウチのママも、クラウドのパパも」
私は止めたのだが。と、ヴィンセントが前置きし、
「神羅の新薬実験のバイトをしていたからな…」と答える。
「え━━━━━ ?!」
愕然とするケット・シー。
「それで、独り身同士って事で、パパがクラウドのお母さんに
 再チャレンジしたんだけど…」

 葬列から、黒衣の未亡人が離れる。
伝統衣装である、黒い頭巾付の外套を脱ぎ捨てると
するりと伸びたロングスカートと、レースに覆われた顔が露になった。
鉄杖の燭台が、神羅屋敷の内部を照らす。

376:【未亡人】(3)
03/05/08 20:05 wM2dKlMO
「御用は何ですか?ロックハートさん」
未亡人の瞳は涙に潤い、ハンカチを外す事が出来ない。
体格の良い、男盛りのティファの父親が、小柄なクラウドの母に触れた。
父親は、未亡人の背後から肩に手を回し、厳かに告げる。
「ストライフさん。
 貴女には、南に日当たりの良い果樹園が有る様だが?」
言わなきゃ良いのに。。。その一言で
クラウドママのリミットゲージが、一気に満タンになった。

 ブラックフォーマル姿の未亡人が、ピンヒールから
石畳に火花を散らし、呪われた館を突進する。
「うるぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!」
鉄の燭台が振り下ろされ、業火が空に文字を書く。
「 凶 」
衝撃波と共に、ティファパパは屋敷の外へ吹っ飛んだ。
轟音と共に、葬列の目前へパパが落下。

 勇気ある雑貨屋のオカンが、クラウドママを宥める迄
髪を黒のリボン結びにした、幼いクラウドとティファ
及び、村人全員は((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル状態だった。

──以来、両家の仲は最悪だった、と云う。
「ウチのパパ、完ッ璧に口説き文句間違えたわね!」
「でも隠れて遊んでたけどな」
クラウドの台詞に、バレットが叫ぶ。
「…そりゃあ、何処の親父も警戒するぜ!」

377:road to homeーこころの故郷4
03/05/08 23:13 uakOzuNy


 と、言うわけで飛空艇機関室。
 甲板で交わされたセッツァーとロックの仏頂面会談の事実など知る由もなく、
エドガーは黙々とエンジンの基盤と向かい合って作業に没頭していた。
 趣味と実益を兼ねたマシーナリー―技師としての腕は一級品で、飛空艇のメ
ンテナンスは彼とセッツァーが分担して引き受けていた。ブラックジャックと多
少構造の違いはあるものの、ファルコンの仕様にも慣れ、久々の点検作業も仕上
げの段階に入ろうとしていた。
「機械いじるのってそんなに楽しいか?」
 以前、機関室で一人作業に没頭するエドガーにロックが尋ねた事があった。
楽しい―と言うのも確かにそうなのだが、エドガーがこういう作業に没頭する
時は、表に出さなくとも何かしらの理由があったりする。
 まさに今日がその良い例だった。
 弟マッシュとは約10年間離れて暮らしていたし、ケフカに蹂躙され退廃しきっ
た世界で「明るく生きろ」なんて言う方が無理なのかも知れない。だがそれでも
マッシュはいつも前向きで、笑顔を絶やす日はなかった。
 だからこそエドガーは、今日のマッシュをまともに見る事ができずにいたのだ。
あれほど肩を落とした弟の姿は、これまで一度も見たことがない。父王がこの世
を去った時でさえ、あんな風に落ち込んだりはしなかったのに。
(……いや、そうじゃない)
 心の中に次々とわき起こる思いを振り払うかのように、エドガーは大きく頭を
振った。
(そうじゃないんだ……)
 マッシュが肩を落としている原因は言うまでもない。けれど、ああまでして彼
がガウと父親を引き合わせようとした理由は?
(…………)
 そして、苦しいであろう胸の内を誰にも―兄である自分にさえ―打ち明け
る事なく、一人抱え込んでいる本当の理由は……。
(……“父親”……)

378:ドリル装備の名無し ◆Lv.1/MrrYw
03/05/08 23:28 uakOzuNy
>>371
突っ込み、むしろ嬉しいのでありが㌧。掲示板(2ちゃん)に投稿する醍醐味です。
ご指摘通り356の解釈は漏れの主観がたっぷり含まれているんです。(w とくに
ガウの「幸せ」発言は仰るとおり。
ただ、ガウ父親のセリフを見ると、あのイベント非常に切ないと思うんです…。
----------
おやじ 「君みたいな立派な子をもった親は幸せじゃろうて。わしは今でも悪魔の子に
     追われる夢を見るんじゃ。恐ろしや、恐ろしや」
マッシュ「言わせておけばこのじじい! ガウの気持ちも考えないで!ブン殴られたいか!?」
----------
細かい部分は違うかも知れませんが、恐らくこういうやり取りがあったと思います。
それを見て
「が、ガウ…・゚・(ノД`)・゚・」
と、泣いたり泣かなかったり。(w


ま、まさかこれも記憶違いだったらどうしよう………((((;゜д゜)))))
もう、遠慮なく突っ込んじゃって下さい。

379:ドリル装備の名無し ◆Lv.1/MrrYw
03/05/08 23:38 uakOzuNy
>>373
さらに、漏れの文章力の無さを晒す結果になってしまった・゚・(ノД`)・゚・
あの356の文章中で
>  んで、彼はガウを捨てた事を肯定しながら、
この“彼”は=ガウの父親。です。直前にマッシュの事を書いているので彼がマッシュに
かかるものと勘違いさせてしまう文章だと、書き込んでから気付きますた。(ダメじゃん)

でも、人それぞれの解釈があって面白いっていうのは考察系も同じくなので
やっぱりそこが魅力かと思います。(w

>>374-376
新薬実験のバイトかYO!!(そこで爆笑w)
それにしても7って謎が多いですよね。クラウド父の描写って本編中に無かったような
気がするんですが。(あったらスマソ)
って、母ちゃん強すぎ(w。やっぱりジェn(ry。
笑いと共に、読んでいると7キャラクター達に対する書き手の愛を感じます。(゚д゚)ウマー

380:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/05/09 20:54 YEq0BCnR
ここの職人タンは人柄がいいね。
レスに好感が持てる。

381:ドリル装備の名無し ◆Lv.1/MrrYw
03/05/10 00:31 +6UYyDB6
少人数な中で突っ走ってるのかと安心していたんですが…スマソ、がんがります。

>>380
ネタを振ってくれたり突っ込んでくれたり、読み人もひっくるめてみんな(・∀・)イイ!と思う。
スレを作るのは住人だな~などと思う今日この頃。
そして、そうこうしているウチに誰かがリクエストに応えてくれると言う、同シリーズ異作品
同居型でさらに自給自足(?)なこのスレ(゚д゚)ウマー。と言ってみるテスト。


それと、自己ツッコミ風でスマソですが308は娘でも妹でもなく「孫」かも知れないと気付いた…。
>>307とガラフ…申し訳ない。

バッツの故郷の村の音楽、じーんと来ますね、なんか。

382:road to home-こころの故郷5
03/05/10 00:36 +6UYyDB6
 ―恐らくマッシュは……。
「エドガー殿」
「!?」
 突然名を呼ばれ、僅かだが怯えたようにエドガーの身体が震えた。その拍子に
右手に握られていたペンチが滑り落ち、澄んだ金属音を響かせて床に転がった。
 すると今度は、その音に驚き恐縮したような声が返ってくる。
「拙者、邪魔立てしたでござるか?」
「そんな事はないんだ。ちょっと手が滑って……」
 声の主はカイエンだった。彼の方を振り返りその姿を確認すると、エドガーは
少し慌てた様子で落としたペンチを拾い上げながら取り繕うように告げた。
「でも、カイエンが機関室に顔を見せるなんて珍しいな。……それとも上で何か
あったのか?」
「いや、そうではござらん」
 苦笑しながらカイエンは否定する。確かに機械は苦手だが、航行中によくここへ来て、
規則的に動き続ける機械類と対面する事は嫌いではなかった。
「皆もう今日は休んでいるでござる。エドガー殿もそろそろ休まれては如何かと
様子を見に参ったのでござるが」
「あ……ああ。これを設置し終わったらそうするつもりだったんだ。ありがとう。
私の事は気にせず、カイエンこそ休んだ方が良い。明日からもまた長いのだし」

383:road to home-こころの故郷6
03/05/10 00:37 +6UYyDB6
 いつもの柔らかな笑顔を浮かべながら告げると、外してあったプレートカバー
を手にしたエドガーは再び基盤に向かって作業をはじめた。
 カイエンはいつから機関室―エドガーの背後―にいたのか、どれだけの時
間黙って作業を見守り続けていたのか、既にカイエン自身すらも分からないほど
の時が流れていた。それでも尚、彼は機関室を出ようとはしなかった。
「……エドガー殿」
 先ほどよりも幾分か声量を抑えて、カイエンが問いかける。
「なんだい?」
 作業を続けながら、問いかけに応じるエドガーも、もう動揺する事はなかった。
「マッシュ殿は本当に良い兄上を持ったでござるな」
「カイエン?」
 そんなことを急に言われたものだから、思わず手元の作業を中断して振り返る。
「エドガー殿はエドガー殿であって、他の何者でもござらん」
 そう言った彼の表情は、清々しいまでの笑顔だった。

384:白 ◆SIRO/4.i8M
03/05/10 19:16 fHhrMwOs
>>377-379 >>381-383
あ、あ、あ、あ、あ、あ 。ド、ドリルさんゴメンなさいです!
おいら読解力が決壊してました。。。m(_ _|||)m
なのに温かい感想下さって、ホント有難うです。
クラウドの父ちゃんは、「小さい頃に死んだ」との台詞が有るだけ
だったような気がします。ヤター スキニ イジレル…!(・∀・)*ニヤリ

ガウもマッシュも、共通の苦悩を抱えているのでしょうか。(TДT)
整備するエドガーと、ゆったり兄弟を見守るカイエン…良いですね!
皆のパパが、カイエンみたいだったら、悩まなくて良いのに
などと思ってしまいますた。
ふとカイエン×ローザをリクエストしたくなりま(略)

>>380
380さんに、激しく好感を持ちつつ同意です。
ここは職人様方や、皆さんの雰囲気が良いので、読むのが楽しみでありまつ。
初心者のオイラも、書き込み易いです。
皆様が書き込んで下さってこそ、成り立つスレですね。

385:【人形の家。いえ、城】(1)
03/05/10 19:17 fHhrMwOs
 風が、乾く。荒野に張り巡らされた根。それは
星に喰いつき、ドクヲ('A`)を…毒を吐く、世界樹の触手。
その腕が窪地の古城に、うねり迫りくる。
天空の大冒険家、メサ・イプセンが発見した遺跡の城。
湖面へ、鏡写しに映る山嶺の様に、上下逆に張り付いた二つの城。

 城内に、幽かな声がした。
「どうせ俺は人形の様な物。ぐげ。。。」
「ノラ…!ゲフンゲフンいや、クラウド!」
どっかで見た様な勇者と魔王が、漫才をしてました。
「イプセン?(  ̄д ̄;)」
それはさておき。

 古城に、エーコの神火が振り落とされる。
浄火により、火達磨となった地獄の狗、ケルベロス。
それでも飛びかかろうとする狗に、灼熱の黒魔法が火花を散らす。
獣の心臓から、炸裂する紅の炎。

「──やった!」
「よく焼けてるアルよ!」
燻った匂いと共に、炙られた巨躯は…パーティの胃に納まった。
「ビビ殿お手柄じゃ!
 のう、帽子の下はどうなっておるのじゃ?」
「Σ(゚Д゚;≡;゚д゚) え?!」
思わず、魔導士くんはとんがり帽子を押さえる。
「ガ-ランドの技術を元に、クジャが作ったらしいですな!」
「ジタンみたいな、金髪かなぁ」

386:【人形の家。いえ、城】(2)
03/05/10 19:19 fHhrMwOs
 (´-`).。oO(…星のカー○ィみたいだったりして)
などとジタンは思いつつも、
「取り敢えず、メサ・イプセンの書を捜そうぜ!」と、皆を促した。

 大冒険家、救世主メサの書。
舞台の人気演目の一つ、「アグリアスタン(*´Д`)ハァハァ」に登場する幻の書。
演目には「でかい剣のツンツン頭」や「御山はしばれるべ」等がある。
噂では、失われた歓楽都市、ゴールデンパレスの記述が有ると云う。
「ゴールデンパレスの宝物、きっと手にしてみせるぜ!」
「頑張ろうね、ジタン」

 手分けして探索中、ふと、階段下の気配にジタンが気付く。
「ん?ダガ-?」
ジタンがコトリと音を立てる。
その都度、ダガ-が怯えたり、驚くのだ。
「(´д`*) 可愛い……」
つい悪戯心で、階下に小石を落としてみる。

 小石が床に落ちる。
と同時に、一つ目の妖獣、ア-リマンがダガーを襲撃した。
「…きゃぁ!」
「!」
ジタンは、吹き抜け付近の階段から、一気にホールに飛び下りる。

 王女を庇い、同時にカウンターがスパークした。
ア-リマンの羽根が、腕を払う。痛みで腕が効かないと知るや
勇者は剣を尾で掴み、秘技を放つ。

387:【人形の家。いえ、城】(3)
03/05/10 19:20 fHhrMwOs
「待たせてゴメン!」
ダガ-王女がジタンの胸に飛び込む。そして
「……ドルフィンブロウ!」
ホエールゾンビが突如、波飛沫と共に勇者に突撃した。
「ぎゃぁぁぁぁあ!?」
しかし攻撃の手は休まず、コンデヤ・パタのわんこが、物凄い勢いで
「アンジェロストライク!」するのであった。

 ⊂⌒~⊃。Д。)⊃ 勇者は倒れますた。
勢いで崩壊した壁から、メサの書がコロン。(コレを御都合主義と言います。)
王女の切ない瞳が、何かを訴える。
「ジ、ジタンの馬鹿ッ!」

「…悪戯に気がついていたんだろう」
サラマンダ-が頭を掻く。
攻撃を喰らい、ジンジン痺れる頬をさすりつつ
「ふっ、照れ屋さんめ」
何だか嬉し気な勇者君だった。

「人形の家、か」
「ジェノムは…ジタンは人形じゃ無いよ…」
おずおずと俯きがちに呟くビビ。くしゃくしゃとジタンがビビを撫でる。
三角帽子の下の、幼く愛らしい素顔が微かに笑った。

ちなみに、ようやく発見されたメサの書は
「※狸
 たきたたたったたとたどたっかたにたたあたるたさたた
 たたたBYたメたたサた・たたたたイたプセたンたたた」
という、かなりアレな物であった事も、追記しておこう。

388:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/05/10 20:04 tdaWzn4C
>>387
ワロタ

389:road to home-こころの故郷7
03/05/10 23:21 PWQDbb3a



 ちょうど同じ頃。
「ねえねえ、マッシュのお父さんってどんな人だったの?」
 停泊中の飛空艇周辺の草原で、一人夜空を眺めていたマッシュに興味津々と
いった表情を向けていたのはリルムだった。
 何の前触れもなく唐突にそんな質問をされた事、加えて昼間の一件を引きずっ
ていた事もあって、答える声に戸惑いの色は隠せなかった。
「ん? ……俺達の親父は先代フィガロ国王だったけど」
「それは色男に聞いたよ。そうじゃなくて『マッシュのお父さん』ってどんな人
だったの?」
 リルムが求めている答えが何なのか、マッシュにはいまいち分からなかった。
自分はエドガーの双子の弟であり、自分たちの父親は先代フィガロ王である。こ
れは紛れもない事実なのだが、そう言っても彼女は納得してくれなかった。
 どうしたら良い物かと考え込むマッシュを見ていたリルムが、思いついた様に
言葉を発した。
「んーっと、あ! マッシュには『お父さん』ってどんな人に見えたの?」
「え?」
 そう言われて改めて父王の記憶を辿る―国王としての公務が忙しかったせい
か、はたまたマッシュがダンカンの元へ通っていたからか―父ではなく国王と
しての威厳漂う姿ばかりが思い出される。
「……そーいえば、時々コインで遊んでくれたりもしたな」
 しばらく記憶の中を徘徊して、ようやく辿り着いた幼い頃の思い出。兄弟喧嘩
の仲裁役に現れた父王の優しい笑顔が脳裏に甦る。
「優しい人だった……でも、躾には厳しかったけどな」
 決して多いとは言えない父との思い出を振り返りながら答えるマッシュの横顔に、
複雑な色を見て取りながら、リルムは話の続きをねだるのだった。

390:ドリル装備の名無し ◆Lv.1/MrrYw
03/05/10 23:37 PWQDbb3a
>>385-387
ヤパーリビビの帽子の中身は仲間も気になってるもんだよな、漏れだけじゃないよな、うん。(納得)
それにしても9でSS書けるっていうのが凄いです、やっぱり視点を置く場所なのかな?
スタイナーの鎧の音が妙にうるさくて気に入った、って事だけは覚えてるんですが…。
それと、謝る事はないです。あの文面だとその受け取り方になっちゃいますし。(w
それよりもむしろ、ひとつ突っ込みたいところがあるんですが宜しいですか?

そのままだと、カイエンと西條秀樹が泣きます。(w
 # だけどこれ、よく間違われる名前みたいです。>ローザ


またふと思った事を書き逃げ。
6はティナ・フィガロ兄弟・ガウ・リルム・カイエンと「父親」に関するイベントが多いのに、
7はエアリス(イファルナ、エルミナ)、ルクレツィア、セフィロス(ジェノバ)と、「母親」に
関する事柄をテーマにしている向きがあるんですね…。(純粋に6は女性が少ないだけ?)
…スマソ、関係ないしネタ振りにもならないかも。

391:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/05/11 19:05 KGWpF2as
というかFFって親に縁のないキャラが多いんだよね。
FF7はキャラの大半(クラ・エア・ティ・ユフィ・セフィロス等)が
片親いなかったし、
FF8に至ってはヒロインが片親で他全員孤児院出身だし。

392:road to home-こころの故郷8
03/05/12 01:03 /LyJWeOb


「拙者は先王の頃よりドマに仕えておりました故……」
 ケフカの卑劣な攻撃によって滅んだドマ王国最後の王。元々カイエンは彼の父
に仕える侍であった。
「陛下が王に即位される以前から存じ上げていたのでござる」
 文明も文化も違うフィガロとドマをそのまま比べることは出来ない、と前置き
した上でカイエンは話を続ける。
「先王もドマの政を統べるお立場でしたから、陛下と水入らずで過ごされる時間
をもつ事がかなわず……口には出しておりませんでしたが、察するところ陛下も
淋しい思いをなさっていた様でござる」
 エドガーは手元の作業を止めて、カイエンの方をじっと見つめたままで話に耳
を傾けていた。
「拙者が妻をもらい子をもうけて以来、陛下は事有る毎に拙者の家族を気遣って
くれたでござる―『妻や子にとっての、こころの故郷になる事がつとめだ』と」
 ドマ城が陥落したあの日、主君の元へ駆けつけたカイエンの呼び掛けに、毒に
冒され呼吸すらままならない状態に置かれても尚、王は彼の家族の所へ急ぐよう
にと告げたのだった。
「恐らく陛下ご自身の体験から、拙者の家族の事を気遣って下さったのだろうと
思うのでござる……しかし」
 あの日の悪夢が頭の中をかすめる。忘れる事はできないが、もう囚われることはなかった。
「たとえ血の繋がりがなくとも、こころの故郷である事は可能でござるよ」
 エドガーへ真っ直ぐに向けられた瞳に宿る優しさと決意が、何より雄弁に物語
っている。信じた者、愛する者を守るために戦って来た男が持つ“強さ”を確か
に感じた。力や権力ではない、けれど揺るぎない“強さ”を。
「…………」
 そんなカイエンの姿に、どこか懐かしい思いが重なる。魅入られたように呆然
としていたエドガーだったが、やがてそれが何であるかに気付き、苦笑にも似た
笑みを漏らす。
「……二人のドマ国王はきっと幸せだったでしょうね、こんなに頼もしい人が傍
にいてくれたのだから」
 それは心の支えであり、未だに超えることの出来ない目標であった父王の姿そのものだったから。

393:ドリル装備の名無し ◆Lv.1/MrrYw
03/05/12 01:21 /LyJWeOb
エドリルって漏れのツボなんだけど、エドガー=ロニ=フィガロの事を
                        エロガー=ロリ=フィガロ
って言われているのを見てうかつにもワラタ。…一体どういうキャラなんだ。。(w

>>391
リノアって片親でしたっけ?(そう言えば母親の描写あったっけか…?)
7は本当に片親が多いですね。レッド13は勇者セト(父)が語られるも、母親って
出てこなかったし。セトイベント泣けたけど、考えると死地に赴く夫を見送ったセト
の妻も悲痛だっただろうに…。

それを考えると、10主人公は真っ当な家庭に育ってるんだなーとオモタ。。。

6シャドウ(一応父親)。7宝条。8学園長。9ガーランド。10のブラスカ・ジェクト
……父親のセリフって、心に残る物が多いなぁ。

394:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/05/12 01:36 zKF9FzAW
>393
リノアの母親はラグナの元カノのジュリアで、
たしかリノアが5歳くらいの時に交通事故で死んでる。

395:ドリル装備の名無し ◆Lv.1/MrrYw
03/05/12 01:58 /LyJWeOb
度々長レススマソ。

>>394
ソレダ!!
宇宙船ラグナロク(?)船内で流れるEyes On Meに鳥肌立ちつつ、
その後、この板の8スレで歌詞の意味を知った後にDisc1~2の
ラグナ編(バーで足つる~村でジュリアのその後を知る)をやって
不覚にも泣きそうになった。(いや、もう何度も泣いてるから不覚どころじゃない。w)

歌詞と併せて聴くと非常に切なくなって、さらに墓石の前のEDを見ると……

・゚・(ノД`)・゚・
(レス継続不可)

…今度の休みに残っているデータ掘り起こして来ます。思い出させてくれてありが㌧。

396:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/05/12 01:59 Bwl52Vw2
スコールとリノアが兄弟でなくてよかったな。

397:姐 ◆ane/8MtRLQ
03/05/12 21:16 iosyY5+t
白さん
>>369
> 「ひまわり組の皆さんが、待っているぞ」
英雄がッ!幼稚園に行くんですか?(((((゚д゚;)))))ガクガクブルブル
ああ、他にも笑い所が多すぎるこの話……(T∀T;)
>>376
>  貴女には、南に日当たりの良い果樹園が有る様だが?」
これって要約すると「ねーちゃん(・∀・)イイ!乳してるね」って事でいいんでしょうか。
最近読解力に自信がなくなってきました。
人形の家の冒頭部も烈しく笑いマスタ。
しかし白さん顔文字使うのうまいですね。
惜しむらくはこの面白さの一部が2ちゃんねる限定という事です。
かの名スレ「2ちゃん風いい回しでFF・DQ」のエッセンスがここに……。

ドリルさん
忠義の人情話キタ━━ヽ( ゚∀゚)人(゚∀゚ )メ( ゚∀゚)人(゚∀゚ )メ( ゚∀゚)人(゚∀゚ )ノ━━!!!!
私、家族愛の話って書くの苦手なのでエドガー&マッシュのお父さん絡みの
エピソード烈しくきぼんです。
でも確かカイエンの妻子って亡くなってませんでした?
だとしたら>>392、切ないなあ……。


398:姐 ◆ane/8MtRLQ
03/05/12 21:22 iosyY5+t
後、先日私の書いた部分に対してファッション関係の
記述があるというレスいただきましたが、私も実は
とても苦手です。
見た物を書く事は出来ても想像では無理なので
通販サイトやヤクオフでイメージに近い写真を探して参考にします。
なので今回はシグネはこちら↓のストールなし。
URLリンク(www.rakuten.co.jp)
アリスのドレスはこちらを参考にしてます。
URLリンク(www.rakuten.co.jp)

399:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/05/12 21:28 iosyY5+t
「シグネってエマ先輩の事知ってるよね?」
買い物に行った週明けから、私は時間があると実習室に篭っていた。
お母さんが作ってくれたお菓子のうち日持ちする物はここに持って来て皆に食べてもらった。
セーラは私に尋ねながら、残りわずかになったクッキーを火薬用に常備してあるはずのシリカゲルの
特大缶から取り出してかじっている。
「知ってるけれど……どうしたの?」
「私、同じクラスなんだけどSeeD試験の事前選考から落ちちゃったみたい」
セーラはSeeD候補生の剣技・特殊武器使用者クラスに所属しているのだ。
「エマさんが?」
「うん。それとあたしも」
セーラはクッキーを食べ終わると指を拭きながら口をちょっと尖らせた。
「あたしはまあ、仕方ないかなとは思うんだよね。最近SeeD資格よりこっちの方に必死になってるから。
エマ先輩は気の毒だったよ。体力測定の基準が今回はいつもより厳しかったみたい」
「基準て、そんなに変わる物なの?」
私の質問にセーラはバンダナをむしりとって頭を掻きながら答えた。
「最低ラインは変わらないんだけど、その時SeeDが不足している分野を埋める感じではあるかな。
今回は作戦能力とか知識よりバトルでの戦闘力重視みたい」
SeeDは様々な能力を必要とするが、個性を重視するガーデンは全てを一定基準の成績でクリアしていれば
苦手分野があってもそれを補って余りある特技があればSeeDとして認める事もあるらしい。
「前回の基準だったら体力測定値はなんとかクリアできたはずだからショックも大きいみたいだった。
オリー先輩がすごく一生懸命慰めてたよ。それでシグがどうとかって、あんたの名前も出てたよ」
だから聞いてみたのだ、という風な様子のセーラにそれ以上質問しても仕方ないような気がしたので私は手を止めたついでに
お茶を淹れようとした。
するとちょうどジョージがやってきた。
「お。今日は早いな」
ジョージが私を見て言う。私は必須の授業が他の人より多い関係でここに顔を出す時間が比較的遅めなのだ。
「コーヒー飲む?」
先輩が先に声をかけてくれたので私はお願いする事にしてクッキーを出すために缶を開けた。

400:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/05/12 21:29 iosyY5+t
「あ、ごめん。クッキーさっき私が食べたのが最後」
セーラの言葉にジョージが即座に反応した。
「ふざけるなよ。俺、今日楽しみにして来たんだぜ?」
ジョージはお母さんがバリバリのキャリアウーマンで、すごく忙しかったためホームメイドのお菓子に
人一倍執着があるのだそうだ。もっともセーラに言わせると「食べ物になら何でもじゃないの?」らしいけれど。
それでもお母さんのクッキーは確かに美味しいし、褒められると私だってうれしい。
お母さんは高級な服やアクセサリーにはさほど興味を示さないけれど新型オーブンとか希少種の小麦粉なんかには
舌なめずりしそうな表情になるので我が家では製菓材料メーカーの最新カタログは危険物と見なされている。
「二人とも、ちょっと待っててくれる?」
私は思いついて寮の部屋に戻った。
フリーザーからワックスペーパーに包んだ生地を出し、スライスして簡易オーブンで10分ほど焼く。
教室に戻ると、まだ険悪な空気が漂っていた。
「これ、お母さんが作ったんじゃないけれど」
ジョージにお皿に載せたクッキーを差し出す。
「え?焼き立て?」
ジョージがびっくりしたようにまだ熱いクッキーを口にする。
「おいしいな、これ」
言うが早いかジョージは立て続けにクッキーを頬張る。
「ずるい。あたしも」
「お前、もう食ったんだろ」
二人が揉めながら食べたのであっという間にお皿は空になった。
「これ、シグネが作ったの?」
セーラが最後の一枚を眺めて言った。
「うん。バター多めの生地を凍らせといて食べるときに切って焼くの。簡単だよ」
このクッキーは見た目は搾り出しクッキーほど綺麗じゃないけど味は負けてない。
「お母さんはもっと凝ったの作るから、私は簡単な奴教えてもらったの」
大した道具がいらないから寮の部屋でも作れて便利だった。
セーラは首を数度振ってからクッキーを食べた。
「シグ、あんた『ウルカヌス』のオペレーターじゃなきゃ、市内のお嬢様学校の方が似合うと思うわ」
良妻賢母の養成を第一義にしているその学校はお母さんの母校だ。

401:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/05/12 21:29 iosyY5+t
「うーん、でも私はクッキーより爆弾の方に興味あるから」
私の言葉にジョージが吹き出した。
「違いない。でなきゃ、このクラスに入れる道理がないな」
ジョージが思い出したように私にコーヒーを淹れてくれた。
「そうそう。今作ってる銃のテストモデル、今月中には出来るだろ?そしたら今度はオリジナルの武器設計が
課題になるからシグネも準備しておいた方がいいぞ」
「一人が一つ作るって事?」
私の質問にジョージは首をふる。
「いや。一応全員が設計プランを上げてクラス内コンペにかけて上位作を数点試作する格好だ」
「じゃあ、あたしはシグと同じ班希望だな。ジョージとじゃ期限内は無理っぽそうだもん」
「うるせえな。俺だってお前と一緒なんてやだよ」
憎まれ口を叩きあいながらもこの二人は仲がいい。
「それって、完全オリジナルじゃないとダメなの?」
私は思うところあって尋ねてみた。
「盗作みたいな事しなきゃ、他人の作品のアレンジでもいいけど?」
ジョージがおや、という顔になる。
「もしかして、なんかいいのがある?」
セーラはセーラで興味津々だ。
「うん。使えるかどうかわからないけれど」
「「何?」」
二人が同時に私に聞いた。本当に、息が合ってると思う。
「今は秘密」
私は唇にそっと指をあてた。
「シグ。いるか?」
突然、教室の前のドアが開いた。
「お兄ちゃん?」
私は驚いて立ち上がった。
私がこの学校に来てまだ日が浅いけれど、お兄ちゃんが私に会いに来た事なんてなかった。

402:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/05/12 21:30 iosyY5+t
「ごめん、ちょっといいか?」
私はパソコンの画面をロックして隠すと廊下に出た。
「作業中なのに悪いな」
ばつの悪そうなお兄ちゃんを見て私はぴんと来た。
「もしかしてエマさんの事?」
お兄ちゃんはえ?という顔で私を見る。どうやら図星だ。
「ああ、そういえばセーラはエマと同じクラスだったな」
私は頷く。
「じゃあ、話が早い。悪いけどちょっと手伝ってくれ」
「何すればいいの?」
お兄ちゃんは首に手をあてて何か考えるようにして言った。
「エマが落ち込んでるんだ。それでつい、SeeD就任パーティーの事でお前が相談に乗って欲しそうだったから頼むって
でまかせを言っちゃったんだよ。悪いけど話合わせてくれないか」
「いいけど。相談って何の事?」
「うーん、俺も適当に言っちゃったんだけど、化粧だとかそういう事で。あいつそういうの好きだから」
私はその点についてはすごく納得できたのでうなずいた。
「わかった。何にも考えてなかったんだけどエマさんにいろいろ教えてもらえばいいんだよね?」
「そういう事」
「んーと、じゃあアリスも誘っていいかな?私よりアリスの方がそういうの好きだし」
「あの子か?そりゃいいや。人数多い方があいつ喜ぶわ。頼むな」
「ところでお兄ちゃんは通ったの?選考」
私の質問に、お兄ちゃんはめちゃくちゃ渋い顔をした。
「ああ」
お兄ちゃんにとってはどうでもいいと思っている自分が通ったのもそれなりに負担なのだと思う。
「これから来週のテストまで勉強漬だな」
「じゃあ、エマさんの事はまかせて。どれくらい役に立てるかわかんないけど」
お兄ちゃんは力なく手を振って戻って行った。
私は教室に戻ってキリのいい所まで入力を済ませると寮に戻った。

403:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/05/12 23:41 Niny3AJr
オリキャラかよ・・・

404:白@飛空艇掃除中 ◆SIRO/4.i8M
03/05/13 00:21 6IvvMbui
>>388
有難うございます。笑って頂けて幸せでつ。

>>ドリルさん
分りますた。お詫びに「秀樹カンゲキー!」と叫びつつ
ブラックジャック号掃除して来ます。
人来ないし、あのスレdat落ちするのかな…(´・ω・`)ショボーン
ドリルさんの書かれる登場人物は、
落ち着きがあって大人で格好いいです!王様ハァハァ

>>391
そうですね。良く云われているのが、坂口さんがどうとかこうとか(以下略)
親世代リメイク見たい方、7でも8でも10でも多そうです。
リーブとヴィンセントとルクタン活躍するFF7-0.5キボンヌ!

>>姐さん
ドレス素敵ですー!シックだl \ァl \ァ
「ねーちゃん(・∀・)イイ!乳してるね」わ、笑いが止まりません先生。
と云いますか、「資産運用は俺に任せて、実印よこせや奥さん!」みたいな
一行入れるつもりで忘れてました…。
顔文字無しのちゃんとしたSS、いつかやってみたいであります。
勉強キツそうだったり、クッキーを焼きつつ武器の話をしたり、
士官候補生で女の子らしくて、とても(・∀・)イイ!!です。

>>403
そのあたりは最初にきちんと、姐さんが説明なさってまつよー。
オリキャラは人物の説明が必要な分だけ、凄い気がしますです。
モレ カケネー。・゚・(ノД`)・゚・。


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