FFカップルのエロ小説が読みたいat FF
FFカップルのエロ小説が読みたい - 暇つぶし2ch237:ラトーム(トリップ行方不明)
03/04/25 01:31 9I9lhC8k
削除依頼解除おめ! ってとこですが、新スレについての相談をまとめるのもいいかなと
思いますたので、そういう書き込みをさせていただきますです。実際に使うのは、このスレが
950に達してからでもいいかなあと。それともやっぱり早い?

>>234
801スレの件は、801板ではSS専門板を持っているので、掲載するなら
そちらの方がいいのかなと思った、という事でした。説明付属スマソ。
「男同士のカップルについては、801板でお願いします」という1行でもいいかもしれません。

>>235

> この板での文章系スレで過去に起きた事例を知らない漏れが言うとあれですが、
> > 批判採点議論禁止です。
> は、特に記述しておかなくても大丈夫じゃないかな~? なんて。

自分もそう思いました……って、前に書き忘れてました。前に「採点つき」というサブタイトルで
たったスレでも採点されていなかったと思いましたし。
どっちかというと「カップリング相手についての批判は禁止です」の方が必要かもしれません。

> スレリンク(ff板)
> とか、自板にある掘り出し物っぽいスレッドを張っておくのも(・∀・)イイ!かと思われ。

ガラファリの他に、ジタンガーネット、エッジリディがありますね<FFカップルスレ

238:ドリル装備の名無し ◆Lv.1/MrrYw
03/04/25 01:32 Mgt7VLGw
>>231
追加要望です。
「SS職人様、リクエスト歓迎」の部分に加えて
「ネタ振り、突っ込み」も入れてホスィー。(完璧にお笑いを考えてますたスマソ。w)
とりあえず、これぐらいのノリで行けたらいいなと…。(スレの方向性はテンプレ
だけで決まる物ではないですが)

>>229
シヴァ…やっぱりあのシヴァなんですね!?
き、気になります。どこをどうしたらそんなシチュエーションになるのかと小一時間
悩みます。ぜ、ぜひ……うpキボンヌ……|・ω・`)シテミルテスト。

239:ドリル装備の名無し ◆Lv.1/MrrYw
03/04/25 02:04 Mgt7VLGw
度々のレスですみません。

>>237
備えあれば憂い無し、という事で。(w
> どっちかというと「カップリング相手についての批判は禁止です」の方が必要かも
このぐらいマターリしたスレだと(人がいないだけか?w)、その心配もなくて良いんですが…。
6も7も8も、悲しいかな内部に火種を抱えているのがなんとも(´・ω・`)
関連リンクに、挙げられたジタンガーネットなんかも含んでおいたら良いですね。有名所
は探せばすぐ見つかるし、書いたらキリがないのでこの辺が妥当かと思いますが…。
情報ありがとうございます。

>>236
その意味深なレスは一体…?・゚・(ノД`)・゚・(事情に詳しくないのでスマソ)

書き込んでくれた方、読んでくれている方、皆さん本当にありが㌧&乙ですた。

240:R@no-name
03/04/25 02:46 i63kTfXY
「勝訴」!
……の紙持った8頭身AA何処だー<張ろうと探してたらしい

>238
簡単に言うと「お姉さんが教えてあ・げ・るv」系でしょうか(w;
エチ入る前までなら大丈夫か……な?>うp

241:トリップが無い@ただの白のようだ
03/04/25 12:05 ZbO3rbkD
ヤター削除解除キタ━(゚∀゚)━━ゲホゲホッ…キ、キタ━!!!!!

>>ドリル様
掘り出し物カポースレリンク名案ですね。
1ヶ月でスレを四分の一消費してるので、
お引っ越しは3ヶ月後位でしょうか?後、質問です。
>「ネタ振り、突っ込み」も入れてホスィー。
|д゚)ノ゛……出来れば、ボケも追加キボンヌします。

>>236
アイツとは誰でしょうか?(((((((;゚Д゚)))))))

>>ラトーム様
801小説板へのリンク許可が頂けたらh抜きリンク、駄目だったら
>「男同士のカップルについては、801板でお願いします」
はどうですか?犯したいスレのような、ギャグ需要はあるかもです。
>「カップリング相手についての批判は禁止です」悲しいけど必須ですね。。。

母さん、谷底に誤爆したあのトリップ、どうしたでせうね 。゚(゚´Д`゚)゚。

>>R@no-name様
>「お姉さんが教えてあ・げ・るv」系
うp、熱いハートと期待のハアハアでお待ちしてます!
微妙に頭身が違う悪寒がしますが、AAコピペしますでつ。

242:トリップが無い@ただの白のようだ
03/04/25 12:06 ZbO3rbkD
      ┌───┐
        │  .       |
        │   勝訴!   |
        │ .        |
        └∩──∩┘
         | |       . | |
         | | ∧_∧ | |
         | (  ´Д`)/
          \    イ
           〉    ゝ
           |    |
            T |\ \
        彡   | |  〉 〉
         彡  |__| /__/
       彡 彡 ∪ ∪
        彡
彡 彡 彡:,  , ,.,,,. ,. ., ..,., ,
       ~"`'`''`'`'`'`''`'`''`'`'`'`'`

 謝   罪   と   賠   償   を   要   求   す   る   !!!


 ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
              .   (○)
           ..      ヽ|〃
 '⌒⌒丶マッタク ..      /⌒⌒ オロロロ        
((((()))          彡彡彡ミミ     .    /⌒ヽ、イカンナ!! 
.<丶`д´>=3  ....      ( ロ∀ロ) =3       く_.| ♯ |._ゝ
V|__ |V          V|__|V      ...   │、,│   
  || ||       ..      || ..||        .   .| ゚∀゚| =3
 〈_フ_フ    ..      〈_フ_フ         V.ルリルリV-~~

243:ラトーム ◆518LaTOOcM
03/04/25 13:10 9I9lhC8k
勝訴AAキタ━━( ´∀`)゚∀゚)*゚ー゚)・ω・) ゚Д゚)´ー`)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)-_-)´Д`).`∀´)ノД`)・゚・。━━!!
私もAA探してますた。白さん、ありがとん!

>>236のアイツとは、前からエロ系スレタイをめざとく削除依頼だしていた人物(私は彼の人等と呼んでました)を
指してと思われ。同一人物だという証拠はないですが(でも同一人物ぽゴニョゴニョ)
あんまりガクガクブルブルしないでマターリいきましょう……

次スレテンプレ案、まとめました(最初の部分だけ) あまり堅い感じにならないで、
このスレのいい感じをうまくテンプレにしたいなあと思ったのですが。難しい。
(自分で書きながらカップリングに文句つけるな、って感じの文章はキツイなと思って直しました)

----------------------
文章で遊べる小説スレです。
SS職人様、ネタ振り、リクエスト歓迎(ボケ、ツッコミ、イッパツネタもщ(゚Д゚щ)カモーン)
(*´Д`)ハァハァは有りですが、エロは無しでお願いします。sage推奨。
いろんなカップリングを楽しみましょう! 煽り荒しはスルーでマターリいきましょう。 

疑問などお持ちになったら、これらを参考にしてみてください

…………あり? ボケは不要ですか?w

244:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/25 13:13 bTwJD7zq
URLリンク(moe.homelinux.net)



245:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/25 13:13 bTwJD7zq
URLリンク(www3.kcn.ne.jp)



246:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/25 21:56 ms94IeCW
勝利おめ

247:ドリル装備の名無し ◆Lv.1/MrrYw
03/04/26 00:49 TNGAM0sb
これでまた、いつものスレに戻りますね…。ヒソーリ、コソーリ、マターリを信条に、また細々と
書かせて頂きますです。。。(今日は無理ぽなんですが)

>>240
シヴァ好きです。8のG.Fの中では、じゃんけん兄弟と並んで好きなんです!
是が非でもうpして下さいませんでしょうか?
ああ、漏れもシヴァに教えてもらいt(ry。

>>241
「ネタ振り、突っ込み、ボケOK」…語呂的に何かのセールですね。(w
スレの消費速度はどうなんでしょう? 投下される文章の量に大きく左右されそうですね。
>>243
次スレテンプレ案、そんな感じで良いと思います。乙ですた~。

で、自分で言っておいてあれなんですが、カップリングスレは貼るなら全部、
なければ一切無い方が良いのかな? とも。(カップリングで色々揉める元にも
なりかねないかな? すみません、この辺がちょっと分からないです。)

一行リレー小説スレとか、「文章で遊べる」関連スレだけ貼ったとしても
結構な量になりそうだし、今の漏れには全部掘り起こすのは微妙に無理ぽなんですが。
…そこまで気にする必要はないのでしょうか?

248:R@no-name
03/04/26 03:05 g0jyzk/S
            ___                       ┃
    /      ┏ ))))                        ┃ ■■
   /     / ┃  ┃                  | ヽヽ  ┃\
  /    / /┃勝 ┃          i 、、  | ヽヽ  |\    ┃  \
 / /  \ \┃  ┃__∧  ド ド  |ヽ   |\    |     ┃
/ /     \ ┃訴 ┃゚∀゚)
/ /      ヽ┃  ┃  ⌒\
/         ┃  ┃/ /
          /┗ (((┛ / アッタ━━━!!!!
         /  / ̄ \
―      /  ん、  \ \
―    (__ (   >  )
   ⌒ヽ   ’ ・`し' / /
     人, ’ ’, ( ̄ /
   Y⌒ヽ)⌒ヽ、 )  |
            \_つ
>カプスレへのリンク
これは投稿があったレス部分を随時報告ってことでどうでしょ?
反対に、カプスレ側で創作キボンがあった場合は駐在の職人が
一肌脱ぐor保管作品の紹介ってことで

ではサイシヴァうpいきますですー

249:R@no-name
03/04/26 03:12 g0jyzk/S
 その日は酷く気が立っていた。原因は実技試験での凡ミスが七割を占めていたが、残りの三割
にこそ本当のストレス元が隠れていることを、サイファーは、薄々ながら感じていた。
 自室に戻ると、コートとブーツを投げ捨てて、ベッドに容赦ないボディプレスを見舞った。
 胸糞悪い。ひたすらにそれだけだ。
 ベッドサイドに備え付けられている有線ラジオのスイッチを弾き、自分からの雑音が聞こえない
ように、大きくボリュームを捻った。
 運悪く、ハードコアバンドの演奏は終わりを迎え、遠吠えを思わせるギターの余韻が引いていく
ところだった。
「……けっ」
 サイファーは、気の利かないDJのしゃべりに気分を毛羽立たされる前にベッドを離れ、ダイニング
に向かった。
 台所は狭く、電熱コンロに流しと小型冷蔵庫があるだけだが、毎朝トーストを三枚焼き、出来合い
の惣菜を温め直す分には贅沢すぎる設備だ。
 冷蔵庫の扉を引き、ミネラルウォーターの小瓶を引き出す。
 背後に気配を感じて振り返った。
「またお前か?」
 気配は空を滑りながら、部屋へ戻っていった。
 心霊の類ではない。それは、サイファーの最も側にいる存在であり、唯一のルームメイトだった
からだ。
 サイファーは、ミネラルウォーターの瓶を手に、ベッドに腰を下ろした。
 ラジオからは次の楽曲が流れていた。重厚なドラム、ベースの絡みが心地良い。
 封を切った瓶を口に当て、一息に半分手前まで飲み干した。
 すぅ、と風が過ぎていった。
「今日はどうしたんだ?」
 微かに冷気をまとった存在は、音もなくサイファーの前に下りてきた。

250:R@no-name
03/04/26 03:18 g0jyzk/S
「貴方の方こそ、随分と荒れているみたいだけど?」
 そう言いながら床につま先を当てると、風に巻き上げられたスカーフさながらに空を泳いでいく。
 静かに舞い降り、サイファーの横に並んだ。
 青く透き通る肌の魔人。氷の女神、シヴァだ。
「どうしたの? また彼と喧嘩した?」
「……そんなんじゃねえよ」
 サイファーは、瓶を傾ける合間に短く答えた。
「全部わかってるくせに、余計なこと言うな」
 シヴァは日常的にジャンクションしているガーディアン・フォースだ。
 使用者の心の片隅を住処として、文字通り一心同体となって行動を共にしている。サイファーの
生活の約半分は、シヴァと共有しているといっても構わないだろう。
 心に住まうものに嘘はつけない。
 ただ、サイファーの考えることが完全に把握されているというわけではなかった。
 幻獣と人間では、思考形態や物事の捉え方が異なるために、思い違いや擦れ違いは少なくな
かった。
「お前に話すようなことじゃねえって」
「彼女のこと?」
 サイファーは、何も言わなかった。
「……図星だね」
 正解だ。
 冷気を司る精霊でありながら、シヴァの性格はガーデンの中でも陽気な部類に入る方だった。
「リノアちゃん、ていったっけ。この間電話してくれた子」

 ****
何気に性格大破してる気もしないではないですがご勘弁を(倒)

251:トリップが無い@ただの白のようだ
03/04/26 21:02 WxfCdToJ
>>243
おお!テンプレが読みやすくなってる!流石であります。
Σガーン ボケは、ボケは不要なんですか?( ´Д⊂ヽ
こうやって皆様で「次どうしようか?」とお話するの、楽しくて良いですね。

>>246
ありがトンですv

>>247
スレ消費速度は神の味噌汁(寒)ですね。保守とか…もしくは容りょ(ry
でも、容量で真っ赤になる迄、マターリSSで埋まったスレは、幸せです。
あ、リンクですが。次スレの頃違う「文章系カプ系スレ」も立ってるかと。
950あたりで、わいわいリンクまとめると、楽しそうです。
続編、心震わせ期待sageでお待ちしてます。リルムタン…。(´д`*)

>>248
サイシヴァと8頭身勝訴キタ━(゚(゚∀(゚∀゚(☆∀☆)゚∀゚)∀゚)゚)━!!
随時報告+一肌脱ぐor保管作品の紹介、名案ですね。
ワイルドなサイファーとカコ良いシヴァさんに萌えです!

252:蜜蜂(1)
03/04/26 21:03 WxfCdToJ
 月夜に、白蘭が眠る。
真珠の粒子を纏めた花弁が、産まれたばかりの香気を振り撒く。
枝の元に。蜜の珠が連なり、蝶達を惑乱しているのだ。

 蘭の鉢の向うに、ガーデンの光が広がる。
水盤のゆるやかな流れ。睡蓮に、光冠の色が映った。
「…全部、忘れた訳じゃないよ」
アーヴァインの掌が、セルフィの頬に触れる。
「優しかったな、アービン。って思ってたんだ」
夜風と共に、蘭の甘やかな匂いが肌に触れる。
「─今度、これ読んでみて下さい。冒険物、ゼルさん好きですよね?」
「お!サンキュ!」

 恋人達が集う、研究用植物園の夜。その中で
「せんせい、団子虫!」
「お、お化けいたぁぁぁぁ!ウワァァン(ノД`)」
キスティス教官は、年少クラスの理科の授業中だった。
「せんせいまた目からビームしてー」
何故か覗きながら、スコールは、…臭い息だけは嫌だ…と思ったりした。

 眠る花に包まれて、金属質の甲虫が休んでいる。
花園の内で、蝶が二頭寄り添う。
─虫も、恋をするのね。私は…
そう呟きながら、キスティス先生の授業は続く。

 真昼の風が、新緑を騒がせる。
「…思っちゃった。私って、蜜蜂みたいって」
「蜜蜂?」
カードを切りながら、カドワキ先生が首を傾げた。

253:蜜蜂(2)
03/04/26 21:04 WxfCdToJ
 清潔な保健室に、琥珀色の紅茶が薫る。
「働いて、闘って。恋もしない」
「蜜蜂ねぇ。あれは──働き蜂同士で恋をするらしいね」
「Σ(゚Д゚|||)ええ?」

 カドワキ先生それってレ…と思いながら、キスティスがカードを取る。
「女王蜂の恋の方が、寂しいよ。相手が爆死しちまうんだから」
「そう云えば、カドワキ先生の旦那さまは…」
「古い戦争の話かい?─セイム」
窓から、小さな花虻が迷い込む。
 
 殻に包まれ、中を管と液体が満たす、昆虫の躯。
「蜂って、機械みたい」
「そうさね。でも蜜を採って来る大人の蜂が減ると、若い蜂が行くのさ。
 それは、本能じゃなく、蜂自身の判断だって報告があるんだよ」

 コトリと、ドアの隙間に紙片が差し込まれた。
「おや?これは…見て御覧。キスティス先生」
拙い筆で描かれた、キスティスの顔。
「きすてすせんせえへ…最後のニ文字が小さくて判らないわ」

 ドアを開けると、年少クラスの子供達が待っていた。
「どうしたの?」
「せんせい…僕達と結婚して」
完璧な美しさを誇る、教官の目が、見開く。
「強くなるから」
「頭良くて綺麗で優しい、せんせいじゃなきゃやだよう!」
「……せ、せんせいが……すき…!」
キスティスは子供達の目線にしゃがみ、抱き締めた。
今はこの小さな恋人達がいればいい、と思いながら。

254:トリップが無い@ただの白のようだ
03/04/26 21:06 WxfCdToJ
リクエストって、世苦寒画得た…良く考えたら
おいらが書かんでも良かったような。。。
ドリルさん皆様すいません(;´Д`)

255:砂漠の王と風の覇者39
03/04/27 02:11 hGhCiIhm



「エードガーー!」
 耳の奥にまとわりつく様な声で名を呼ばれ、エドガーは眉を顰めたくなる衝動
を抑えながら、つとめて平静を装って声の主の方を振り返る。
 そこに立っていたのは満身創痍のセッツァーだった。
「やぁセッツァー、久しぶりだな。……元気そうでなによりだよ」
 まるで何事もなかったようにエドガーは告げた。実際、瓦礫の塔跡地で行われ
た慰霊の集いに出席できなかった国王にしてみれば、セッツァーとは1年ぶりの
再会になるから、そんな風に言ってもなんら不自然ではなかった。
 ……あくまでも『何事もなければ』の話だが。
「で? これは、どういう事なんだよ」
 城の中央部分のうち、上半分は見るも無惨な瓦礫と化した建物を見上げながら
問いかけている筈なのに、セッツァーの口振りに苛立ちと怒りが感じられるのは、
決してエドガーの気のせいではない。
「…………」
 珍しく返答に窮しているエドガーに、視線だけで無言の圧力をかけるセッツァー。
さすがに、およそ二年の旅路を共にした間柄は伊達ではない。
 この二人の間に流れる気まずい沈黙を打破してくれたのは、どこまでも明るい
弟の声だった。
「兄貴! リルム! 無事で良かったぜ!!」
 全身に煤と砂埃をまとったマッシュは、四人が無事に再会できた喜びと安堵を、
全身で表現していた。
「バカ野郎! 何が『無事』なもんかっ!!」
 見事な銀髪をなびかせながら勢いよく振り向いたセッツァーが、堪らずに怒鳴り
声をあげる。

256:砂漠の王と風の覇者40
03/04/27 02:23 hGhCiIhm
「大体マッシュ! お前いっつも無茶しすぎなんだよ」
 確かにあの状況下では、マッシュの下した判断はやむを得ないものだった。が、
少しはデリケートな作業を強いられる操縦者と、船の事も考えて欲しいとも思う。
「無理言って悪かったよ。でもさ、あれセッツァーだから言えたんだぜ?」
 浴びせられる怒号にもめげず、相変わらず屈託のない笑みを向けながら主張す
るマッシュ。
「セッツァーだって、マッシュだからあんな無茶な飛行が出来たんだろう? あの状況
なら普通の人間は気絶してるさ」
 城壁に触れる寸前の高度で飛行する飛空艇の碇に、マッシュは腕一本でぶら
下がっていた事を思い出し、エドガーは横から話に加わった。
 いくら危険な旅を共にしてきた同志とは言え、この兄弟は一体どんな育ち方を
したのだろうとセッツァーは疑いたくなりながら、それでも根負けした様に笑う
のだった。
「まったく。大した奴らだぜ」
「だけど本当に大したヤツなのは、彼女だけどな!」
 マッシュが視線をやるその先には、小さなリルムの後ろ姿。
「……まったく。飛空艇から炎の中に飛び込もうなんて、とんでもない女だ」
 皮肉と称賛が入り交じったセッツァーの声に、いつもなら多少の反撃があっても
おかしくない筈なのに、リルムは何故か黙ったまま振り向こうとさえしなかった。
「どう……?」
 声をかけようと歩み寄ろうとしたセッツァーをエドガーが制す。彼は無言のまま
首を横に振るだけだった。
「…………」
 その意図を朧気ながら汲み取ったのか、わざとらしくエドガーに視線をくれると、
セッツァーは大げさに溜息を吐きながら。
「ファルコンの修復にも手を貸してもらうからな。飛び立てるようになるまでしばらく
世話になるぞ」
 その台詞に些か肩を落としたエドガーだったが、その申し出を快く引き受けた
のだった。

257:ドリル装備の名無し ◆Lv.1/MrrYw
03/04/27 02:43 hGhCiIhm
次スレテンプレ案は、また流れを見ながらという事で、今は一旦>>243+>>231って
事で。スレもまだ257/1000ですから、先は長い…かも知れません。(w
そんなわけでヒソーリ、コソーリ、マターリSS投下させて頂きますた。
(『砂漠~』は50~60ぐらいで終了予定です。今暫くお付き合い頂ければ嬉しいです…)

>>248(サイシヴァ)
サイシヴァ、もの凄く新鮮ですた。そう言えばG.Fのジャンクションって「記憶」を
代償に成り立つ、みたいな事を本編中で言っていたような思い出があるのですが
それを考えると、そんなシヴァ姐さんの話があっても(・∀・)イイ! と素直に思います。
問題児、無く子も黙るシヴァタン…(*´Д`)。
むしろ、その先も読みたいと思うのが人情というのもですよ……そう、続きです。(w

>>251(キスティス先生話)
最後の一行が漏れの理想のキスティス先生像とピッタリ一致していて激しく 萌 え。
今回は、笑えると言うよりこの部分がツボだったので好きですた。描写文、漏れには
思いつかない言葉を持ってくるところが幻想的な雰囲気を創り出している要因なのかな?
漏れのリクエストに応えてくれてありが㌧! 書ける人が書く、読みたい人がリクエストする。
需要と供給の素敵な構図です。(何)

258:姐 ◆ane/8MtRLQ
03/04/27 14:30 SFrFEcqg
以前ここに冗談で書いたリュック×ギップル話ですが
一部、気に入って下さった方がいらしたようなので
こちらの↓スレに続き投稿してます。(664番から)
スレリンク(eroparo板)
ピンク鯖なので21歳未満の方は御遠慮下さいね。

>>257
続き待ってました!
前回教えてもらったフラッシュ、良かったです。
あれを見てドリルさんの作品読むと兄弟の関係が
すごく良くわかって信頼しあっているからできる事
なんだなー、と感動が深まりました。

スレを早く消費した方がよさそうなら、千一夜スレに
連載している私のニーダ話、こっちに移動しましょうか?
あれこそレスを100くらいは使うと思いますので。
千一夜スレには短編が書けたら投稿すればいいような
気もしますし。どうでしょうか?


259:砂漠の王と風の覇者41
03/04/27 23:32 NW/ZHHIw


 瓦礫の撤去作業は一晩では終わらず、その夜は三人ともフィガロ城に泊まる事
になった。幸いにも爆発の被害を受けたのは王の間のある城中央の一部だけだっ
たため、城の潜航機能やフィガロの政治機関への影響は最小限に留まった。
 とはいえ真相が露呈すれば一大事である。この政変騒動の全容は国王エドガー
と直接関わった王弟マッシュ、セッツァー、リルムに加えて数人の側近にだけ知ら
された。
 『フィガロ国王』としての判断で、表向きはエドガーの“趣味が高じた事故”
という扱いにした為に、ひたすら釈明と謝罪の処理に奔走する姿を目にしていた
せいからか。
「……しかし。無様も良いトコだぜ」
 不愉快を露わにした口調でセッツァーは呟いた。全ての事情を知る彼からすれ
ば、方々へ頭を下げる彼の姿は不自然でしかなかった。
 それに、この件ではどうも歯切れの悪いエドガーの態度が腑に落ちないのだ。
 用意された部屋に備え付けられた大きなベッドに身を投げだし、天井に向かっ
て溜息混じりに声を吐く。
「まーた、何か抱えてやがるな」
 そうとは分かっても、直接問いつめる気にはなれなかった。国王としての彼の
判断に口を挟む資格はないし、権利もない。
 ただセッツァー個人としては、国王として体裁を繕うようなエドガーの姿を見
ているのは、少なくとも気分のいい事ではないし、理解しがたい物だった。
「……俺が考えても仕方ねぇか」
 諦めたように吐くと渦巻く思考から逃れるように、セッツァーにしては少し早
い眠りに就くべく目を閉じた。

260:ドリル装備の名無し ◆Lv.1/MrrYw
03/04/27 23:51 NW/ZHHIw
>>258
嬉しいです…。漏れの拙い文章からそこまで汲み取って頂けるなんて感涙・゚・(ノД`)・゚・
あのFLASH本当に素敵ですよね。一年ほど前に開催された祭りで出された物ですが、
……そう言えば、あのトーナメントで漏れ、FF8のニーダに惚れた覚えがあります。(w
FF8の表紙を飾っている彼の勇姿(←支援物資であったんですw)は、忘れられません。
そんなニーダ話を書かれていたんですね! 拝見させていただきます!!(萌)


スレ消費の件ですが、漏れはどちらでも(・∀・)イイ!と思います。投稿される作品やレスが
増えれば自然に消費されていくだろうし、急ぐこともないかな~? と、どこまでも楽観視
してまつ。(スマソ)
でも、このスレで色んな話が読めるのは個人的に(゚д゚)ウマーなので大歓迎!!
反面、あちらのスレの事を思うと少々複雑かも知れません。(まだ拝見していないので
何とも言えませんが)

あとは書き手である姐さんご自身の判断で良いと思います。

261:29 駄文スマソ。
03/04/28 22:00 GQeVLnzu
空を埋め尽くすガルキマセラの大群。遠く地平線からはベヒーモスの咆哮が聞こえる。
ここはエスタシティのはずれ。雷神は、ひとり立ち尽くしていた。

何故、彼が此処にひとりでいるのか。話は五時間ほど前にさかのぼる。
エスタから、月の涙による被害のため、バラムガーデンに救援要請があったのだ。
自室で昼寝をしていた雷神は、突然の呼び出しにすぐに対応した。
もともと傭兵を育てるためのガーデンである。この程度の事は日常茶飯事であるのだ。
しかし、今日はいつもと決定的に違うことがあった____________

262:29 
03/04/28 22:01 GQeVLnzu
「一人か?」
スコール・レオンハートが雷神に問いかける。彼はガーデンの軍事面のほぼ全てを任されている、いわば総司令である。
「あの二人の邪魔をできるとでもいうもんよ?」
サイファーと風神は、雷神がプレゼントしたリゾート旅行へ行っている。とてもおめでたい事があったので、記念に雷神が給料を前借りして贈った、二人だけの旅行へ。

そう、二人は結婚が決まったのだ。

「・・・いや、何でもない。しかし・・・」
「俺の腕を見くびってもらっても困るもんよ。1対3で苦戦してたのはどこの誰だもんよ?」
「う・・・。わかった。じゃあ早速エスタに向かってくれ。ポイントはAの・・・」

というわけで、雷神はエスタにいるのである。
「月の涙」による被害は、あの世界を揺るがせた大事件から一年半経った今でも続いていた。
一体どこで増えるのか、モンスターは倒したそばから新しいのが出てくるのだ。
キスティス、ゼルといったガーデンの主力達も現地部隊としてエスタに駐屯していたが、いかんせんエスタの領土は広く、全体を守る事はほぼ不可能に近かった。
今回のようにガーデンからの派遣部隊が出るのも、そう珍しい事ではなかった。

263:29 
03/04/28 22:04 GQeVLnzu
今回は今までになく多数のモンスターが出現していた。
雷神の任されたのはエスタシティの南ゲート。防衛網をかいくぐったモンスターが最初の標的にする場所である。
「おうおう、よくもこんなに湧いたもんだもんよ」
彼が見るところ、モンスターは総勢で五千以上。一人では荷が重いはずだった。
だが___________

雷神は、想った。
この一年半、あの二人を見守り続けてきた。
サイファーが風神の本当の気持ちを知ったのは、SEED試験の時だったようだ。
やきもきさせられる事もあった。それは同級生の恋を応援する親友の気持ちであった。
二人が離れていってしまうような気がして寂しい気持ちになる事もあった。それは父親のような感覚であった。
そして、二人はとうとう結ばれた。それは・・・とても嬉しい事だ。
幸せになるのだろう。
それを思えば、ベヒーモスやガルキマセラの一千匹や一万匹、小指でいなせる様な気分にもなるのだ。
そうだ。とっとと終わらせて帰って、びっくりお祝いパーティーの準備をしなければ。
サイファーの照れ隠しの大笑いと、風神のローキックが頭に思い浮かんで、雷神は戦場だというのに微笑を隠せなかった。

愛用の棍を振り回し、叫ぶ。
「バラムガーデンSEEDにして風紀委員、サイファーが片腕、雷神!後には退かんもんよ!

264:29 
03/04/28 22:10 GQeVLnzu
やってしまったバイ・゚・(つД`)・゚・ カッコトジワスレタヨ、、、。
しかも文章おかしいし。。。
風神とサイファーを見守ってきた雷神の決意やらを書きたかったのにもう何が何やら。滅茶苦茶デスヨ、、、。
とりあえず豆腐の角に頭ぶつけて逝ってきます、、、。

265:トリップが無い@自粛中の白のようだ
03/04/28 22:50 fWEOXWp+
|д゚;)コソーリ

>>255-257 >>259-260
マッシュが喜ぶシーン、場が明るくなって凄く良いです。
大人の状況判断をしつつ無茶もするセッツァーにも萌えです。

千一夜スレさん、今回凄くお世話になりましたね。
以前R@no-nameさんが仰っていた、「機種依存文字」マカーなのに
分ってないので(;´Д`)向うの方に質問しても良いのかな…?
文字パレット記号やローマ数字に注意、位しか分らないです。

>>258
ニーダ話、期待しつつお待ちしてます!
おいら、尊敬する姐様の御作品の影響を、勝手に受けまくって
御迷惑お掛けしちゃった様なので、ちょっぴり吊ってきました。。。
自主的に「推敲100回の刑」喰らってきます。|||○| ̄|_ゴメンナサイ
スレリンク(ff板:577番)

>>261
お、お豆腐の角ですか?そんなー( ´Д⊂ヽ
文体も設定も良いし、雷神さん渋格好良いです!ちくしょう良い男だなぁ!
(;゚Д゚)=3=3 ハァッハァッ 是非又読みたいであります。

どなたか、フォッシルルーでガルガントに振り回されまくる
ジタン×ガーネット(FF9)書いて下さらないでしょうか。
もしくは迂闊にも、ジェシーの爆弾実験に巻き込まれるビックス(FF7)
自力で書け!と言われたらアレですが…自粛継続中。

266:姐 ◆ane/8MtRLQ
03/04/28 23:31 TM3Bu3sV
>>263
雷神が大活躍する話って初めて読んだかも…。
こうしていろんな方の作品を読むとクローズアップされるキャラや
性格が違ってて驚きます。
雷神て、こういう人だったんだ・・・

>>265
いやいや、とんでもないです。私なんてまだ駆け出しですから。
路線がいつもと違うなあ、とは思ってたんですが私の作品を
読んであの作品のヒントを掴まれたとしたらとてもうれしいです。
前回ここに書きこんだ日、ちょっとばたばたしてたので後で
ゆっくり書こうとしてたらピンク鯖の方にかかりきりになって遅くなりました。
ごめんなさい(・∀・;) ていうか吊らなくても…。
子供になつかれるっていうイメージがあまりなかったので年少クラスに好かれる
キスティスってすごく新鮮です。
つか、スコのへたれぶり(スマソ)なんか好きです。
私が初めてこの板に書いた時は8ネタは滅多にない状態だったらしいのに
最近8ネタ多いので、うれしい…。

>>259
セッツァーカコ(・∀・)イイ!
で、今更なんですがリルムってアラビアンナイトみたいな格好の
女の子でよかったでしょうか?6ってどうしてもティナを思い浮かべてしまう ・・・。

267:砂漠の王と風の覇者42
03/04/29 02:01 h2ku/E8M


 同じ頃。
 瓦礫の散乱する塔の下から、はるか地平の彼方で輝く下弦の月を眺めていたの
はリルムだった。
 誰もいないこの場所に立ちながら、あの時の事を振り返る。
(シャドウ……)
 何も考えず、ただエドガーを助けたいと言う一心で飛び込んだ炎の海で再会し
た彼が告げた、最後の言葉。
(なんて言ってたんだろう?)
 とても大切な事を言われた気がしたのに、どうしても思い出せなかった。
「リルム?」
 回想に耽っていたリルムの意識を現実に呼び戻す声。背後に声の主の姿を認め、
リルムは溜息混じりに城主の名を呼んだ。
「……なんだエドガーか」
 素っ気ない態度とは裏腹に肩を落とすリルムの後ろ姿に、エドガーの内心に不安が
よぎる。
「もしかして今日の……」
 彼女を気遣い、エドガーが口に出そうとした言葉を阻むようにリルムは問う。
「ねえ、あの男は誰だったの? 本当は知ってるんでしょ? どうして何も言わ
ないの?! こんなヒドイ目に遭ってるってのに」
 矢継ぎ早に浴びせられる質問に、さすがのエドガーの瞳に困惑の色が滲んだ。
レディファーストを一番に重んじる彼にとって女性を―共に旅をしてきた仲間
とはいえ―国の内乱に巻き込んでしまった事実は、何よりも許せない事だった。
「本当にリルムには申し訳ないと思っている。全ては私の不注意から……」
 しかしそれも一瞬のことで、すぐにいつもの穏やかな笑みが本心を覆い隠す。
 それでも。
「そんな堅苦しい言葉を聞きたい訳じゃない!!」
 ―王様面するのもいい加減にしてよ!
 『ピクトマンサー』―心を描き出す絵師―と呼ばれるリルムの眼を欺くには
至らなかった。

268:ドリル装備の名無し ◆Lv.1/MrrYw
03/04/29 02:03 h2ku/E8M
6ネタで突っ走ってごめんなさい。

>>261-264
おおおー待ってましたよ29の続き! しかし
> ベヒーモスやガルキマセラの一千匹や一万匹、小指でいなせる様な気分
の部分を読んで、漏れが最初に抱いた感想は雷神にとって本当に、余計なお世話
だったと思い知らされました…。
そんな雷神タンに萌えさせて頂きました! ありが㌧。

>>265
ため込むのは健康に良くないよ、等といってみるテs(略。
9ってSS書くのが一番難しいと思うのは漏れだけの先入観?

>>266
絵掲よりリルム
URLリンク(oekakies.com)
公式サイトより
URLリンク(www.playonline.com)

余談ですが、漏れの頭の中でSSを書くときは、常に3等身ドット絵キャラだったりします。(w

269:ラトーム ◆518LaTOOcM
03/04/29 02:31 Soyz6Ztc
>>265
 マカー! お仲間ハッケソヽ(´∀`)ノ
 macは日陰者なので(w、機種依存文字を使った場合に「これは機種依存だから
他の機種だと正確に表示されないかもしれないよ」と表示してくれるシステムが
あります。
 ATOKとかだとわかりませんが、ことえりなら、えんぴつメニューの中から「文字
パレット表示」を選んで、適当に文字選択してみてください。
「選択した文字は、Mac OSでのみ利用可能です」と表示されない文字は使えます。
ローマ数字、修飾数字(○つき数字とか)、単位記号などを使わなければ、普通は
それほど気にしなくても大丈夫なはずですが。

>>姐さん
 こちらのスレを急いで消費した方が良さそうな気もしますので、SSのお引っ越し、
いいかもしれません。また彼の人が削除依頼を出して、削除人さんがこのスレを読ま
なくてはならなくなってしまっては悪いですもんね。
 このスレを使い続けてはダメ、と言われたわけではないですが、本当は新スレを
立てた方が彼の人対策になるはずですから……(でもそんな理由で立て直すなんて
嫌ですよねっ!)
 千一夜スレ的にはどちらでも良いと思いますし。まあ、お引っ越しが決まったら
スレ住人さんにアナウンスしてあげてください程度の感じです。
 

270:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/29 02:40 En6D052x
レアな話がイパーイで嬉すぃ。
職人さん方がんがれぃ!

271:29 
03/04/29 10:20 lFq0Muf+
>>265
いや、どちらかというと書きなぐりに近いものがあります。
チャント、スイコウシヨウゼ、ジブン、、、。
まあちょっと長めの話を考える余裕があまりないというのもあるのですが。。。

>>266
雷神はこの話の中ではまさに宮廷の親衛隊長と化してますです。
ゲームやっていて、おおらかでやさしい、ついでに熱血な印象を受けたので。
守るもののある人は誰よりも強い、と言いますか。何と言うか。
ああもう自分で何言ってるのかわからなk(ry

>>268
萌えていただけてうれしいです。SSというよりは駄文に近い代物ですが。。。
2レス以上消費してこういった文章を書くのも初めてだったりして、なかなか大冒険でした。
雷神に関してはもう少し気持ちを掘り下げてもよかったやうな気はしないでもないのですが、、、。




272:姐 ◆ane/8MtRLQ
03/04/29 14:20 wkGnUcio
>>269
そうですよね。確かにあんまり(・A・)イクナイ!スレタイですけど
この良スレ、潰したくないです。

というわけで今まで千一夜スレで投稿させてもらってた
「スニフの恋人」はこちらにお引越しさせていただきます。
今までの既投稿分はこちらにまとめました。
URLリンク(ane2ch.hp.infoseek.co.jp)
このアドレスは後日変更予定がありますのでもしもエラーが
出たらこちらをから入って下さい。↓
URLリンク(ane2ch.hp.infoseek.co.jp)


273:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/29 22:16 6pWo4I38
良スレ~

274:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/04/29 23:38 buxyirmS
■ ■ ■
午前中に手続きは済んだ。お昼からは希望の時間割を作る事と部屋の片付けに割り当てられた。
食堂で時間割を作っているとエマさんが来た。
「どう、何かわからない事ある?」
「いくつか授業内容がよくわからないのがあるんです」
「どれ」
エマさんは丁寧に説明してくれた。
「ところでご飯は食べたの?」
エマさんは私の前にコーヒーのカップしかないのを目敏く見つけた。
「パンを買いに行ったんですけど、売り切れでした」
「あらー、体壊すわよ?」
エマさんは私を連れてカウンターの隅っこに行った。
そこには誰もいない。
「すみませーん。適当に何か見繕ってくださーい」
エマさんは奥に向かって声をかける。
「おや、エマちゃん。アンタさっき日替わり食べてなかったかい?」
食堂のおばさんが手をふきふき現れた。
「新入生がパン買いそびれてお昼食べてないんです」
「あらあら。気の毒に。ちょっと待ってて」
ほどなくトレイにいろんな料理をちょっとずつ盛り合わせたセットが目の前に差し出された。
「ここのパンは人気があるからね。向こうが売り切れだったらこっちにおいで」
おばさんはにこにこ笑って言った。
「支給された食券があるでしょ?一枚渡して」
エマさんの説明のとおり、私は食券を差し出す。
「ありがとうございます。無理お願いしてすみません」
私はおばさんにお礼を言った。
おばさんはきょとんとしてから笑い出した。

275:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/04/29 23:39 buxyirmS
「ずいぶん育ちのいいお嬢さんだねえ。
始終食いもんよこせって悪ガキに怒鳴られてるからお礼なんて言われるとこそばゆいよ」
「オリーの従妹で妹みたいな子なんです」
エマさんが説明するとおばさんはまた笑った。
「おやおや。兄ちゃんは妹を見習った方がいいんじゃない?」
おばさんは笑いながら手近にあった苺を幾つか私のお皿に載せた。
「じゃあ、これはアタシからのおまけ」
「すみません」
私が慌ててもう一度頭を下げると、エマさんとおばさんはまた笑った。

「向こうのブースが売り切れって言う時は正規のメニューが終わりました、って事なの。
だから奥のおばさんに声をかけたら半端な料理や残りの材料で作ったおまかせで良ければ何か食べさせてもらえるから」
ガーデンの料理はわりとおいしくて、エマさんはコーヒーを片手に私の時間割編成に付きあってくれた。
なんだか今日はツイている気がしてうれしかった。
小一時間で履修希望の時間割が出来た。
「ありがとうございました。早速提出してきます」
「教官控え室わかるわね?荷解きも手間取りそうだったら言ってね。1900には部屋にいると思うから」
エマさんは部屋番号を私のノートのはしっこにメモしてくれた。
授業があるというエマさんと別れ、時間割を提出して寮に戻った。
私が割り当てられた寮の部屋は二人部屋なんだけど、同室の人はいなかった。
案内してくれた先輩が言うには他のガーデンから転校してくる予定の人がいるので空けているらしい。
ここのガーデンの寮は収納スペースの関係で、入寮時に持ち込み可能な荷物の量と内容が決められている。
指定サイズのコンテナに三つまでと言うのが決まりだった。
もっとも、授業に関係ある資料や道具は後から別口で持ち込みすればいいらしいので私は最低限の身の回りの
道具だけを持ってきた。

276:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/04/29 23:40 buxyirmS
一般学生の部屋は共有スペースにテーブルとテレビ(ビデオなんかのAV機器が一通り付属している)があって、
シャワー、トイレ、洗面スペースが付いている。
寝室はそれぞれ独立してドアが付いているので一応プライバシーが保たれている。
私は寝室に付いている小さいクローゼットに着替えを収めた。
さほど荷物の量は多くなかったので夕方には荷解きは終わった。
夕食の時にはエマさんにもお兄ちゃんもいなかったので少し寂しかった。
部屋に戻ると、先輩が私に支給される一般学生の制服を届けてくれた。
「ありがとうございます」
私はいつもの通り頭を下げた。すると先輩は困ったように笑った。
「あの……私、一年早く入学したけれどあなたと同い年で、明日から同じクラスなんです」
「そうなんですか?」
「ええ、だから敬語を使っていただかなくても普通に喋ってもらえたら……」
「わかりました……よろしくお願いします」
「いえ、こちらこそ。女の子があんまりいないクラスなのでうれしいです」
「よかったら、いろいろ教えていただけませんか」
「ええ、もちろん」
そこまで言って私たちは顔を見合わせて吹き出した。
お互い敬語を止めようと言っておきながら一向に止める気配がないんだもの。
「なんだか、変。私たち」
「本当にね」
私は部屋に入ってもらってお話する事にした。
電気ポットのお湯が沸いたのでティンバーの人がよく飲む薄荷入りの香草茶を入れた。
「わあ、すごくいい香り」
先輩改め明日からのクラスメートのアリシアさんはカップの湯気の香りを嗅いで目を輝かせた。
アリシアさんはお茶好きだそうで、このお茶もすごく気に入ってくれた。
「シグネさんは何の専攻なの?」
アリシアさんは私の本棚を見て不思議そうに言った。
気持ちはわかる。およそ女の子らしくないタイトルの本が並んでるから。

277:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/04/29 23:43 buxyirmS
「機械類全般が好きなんだけど、目標は爆発物処理資格取得かなぁ」
「すごーい。私、物理とか工科苦手なの」
アリシアさんは睫の濃い瞼をぱちぱちと動かした。
「アリシアさんは?」
「私は従軍医療士になりたいの」
「え、そっちの方がすごくない?私、怪我とか見ると貧血起こすんだもん」
アリシアさんがくすっと笑う。
「私もそうだったわ。病理解剖とかさせられてるうちに少しは慣れたけど」
「じゃあクラスは一緒でも専門授業はあんまり一緒じゃないのかな」
「そうね。あ、でも私空き時間は大抵図書館にいるから」
「本が好きなの?」
「それもあるけど、私図書委員なの。だから苦手分野でもどんな本があるかは知ってるから何かあったら聞いてね」
「それってすごく助かる~。ありがとう」
それからしばらくアリシアさんに授業の事や行事の事をいろいろ教えてもらった。
すごく楽しくて、気が付いたら消灯時間が近くなっていた。
「大変。もう帰らないと。ごちそうさまでした」
「こっちこそいろいろ教えてくれてありがとう」
ドアから出掛けにアリシアさんが振り返った。
「私の事、よかったらアリスって呼んでね。友達は皆そう呼ぶから」
「うん、わかった。私の事もシグって呼んでくれるとうれしいな」
アリスはまた瞼をぱちぱちさせてからちょっと小首を傾げた。
「シグ?わかったわ。じゃあおやすみなさい、シグ」
「また明日ね、アリス」
ドアが閉まってまもなく点呼があった。
点呼の後、私はシャワーを浴びてベッドの上にころんと転がった。
不安もあったけど、良い事の方がいっぱいあった。
なんだか一日中誰かに助けてもらってた気がする。
おまけに早速友達まで出来てしまった。
ラッキーすぎて怖いくらいだ。
私は本棚から日記を取った。

278:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/04/29 23:44 buxyirmS
おじいちゃんが私の13歳のお誕生日にくれた日記帳だ。
綺麗な地紋の浮いた赤い革張りの表紙で、10年使える日記帳だ。
「これを毎日付けるようにしなさい。使いきった時、きっとお前の財産になるよ」
おじいちゃんはそう言った。
時々、本当に時々、病気の時は書けなかった事もあるけれどほぼ毎日私はこの日記を開いた。
今日のページを開いてペンを取る。
この日記は1ページを10段に区切ってどの年も同じ日付は1ページに書くようになっている。
去年までの三段にはきちんと書きこんである。そして去年の今頃の日記の最初にはこう書いてある。
「スニフへ」
ティンバーからバラムへ来た日、私は列車の中で「スニフ」を見つけた。
バラムのお父さんやお母さんは良い人で、お兄ちゃんは私を可愛がってくれるけれどそれでも
本当の家族が誰もいなくなった事がつらくて、不安なまま私はあの列車に乗っていた。
「スニフ」を見た時、不思議とほっとしたのを覚えている。
同じ年くらいの男の子が一人で列車に乗ってどこか行こうとしているのを見て安心したのと、
あの綺麗な人を見る「スニフ」はとても幸せそうで、うらやましかったのだ。
バラムに来た最初の日、私はほんの冗談で日記に手紙を書いた。

「スニフへ 
 はじめまして。今日あなたを列車で見ました。
 バラムで一緒に降りたけど、どこに行くつもりだったんですか?
 旅行?それとも家に帰ろうとしていたのかな。
 あの綺麗な人はあなたの恋人?それとも片思いなのかなあ。
 でもとっても好きな人だという事はわかりました。
 うまく行くといいですね                  」

279:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/04/29 23:44 buxyirmS
すごく、くだらなくて幼稚な手紙。
けれど「スニフ」がどんな人か想像して、恋の行方だとかを予想している限り私は幸せだった。
だからこちらの生活に慣れるまでの日記は全部「スニフ」に宛てて書いている。
バラムの生活に慣れてからはそんなに思い出す事もなかったけれど、それでも何かあった時に思い出すのは
不思議とあの日の「スニフ」の事だった。
まさか、再会するなんて。
しかもお兄ちゃんの友達で、話までするとは思わなかった。
私はちょっとだけお兄ちゃんのお節介にお礼を言いたくなった。
「お兄ちゃんありがとう」
私は男子寮の方を向いて一応お礼を言った。
そして今日の日記にはこう書いた。
「スニフへ
 まさか会ってお話できるとは思いませんでした。
 今日はどうもありがとうございました。
 今度からはちゃんと「先輩」って呼ぶようにします。」
私は日記を閉じて照明を落としベッドに潜り込んだ。 

280:姐 ◆ane/8MtRLQ
03/04/29 23:46 buxyirmS
というわけでシグネの長い入学初日は終わりです。
しかし書けば書くほどガーデンでの生活って謎が多い…。

>>268
ありがとうございます。
思っていた子で良かった…。


281:砂漠の王と風の覇者43
03/04/30 00:48 a5BSPjko
「…………」
「何で? なんでいっつもそうなんだよ! ……あたし達がどんだけ心配したと
思ってるんだよ……」
 ―なのにどうして、そんな風に笑うの?
 やり場のない怒り。なぜエドガーに辛く当たっているのか、実のところリルム
自身もよく分からない。
 けれど思考よりも早く溢れ出る言葉を止める術を、リルムは持ち合わせていなかった。
「セッツァーやマッシュは、あんたを助けたいから飛空艇で乗り込んで来たんだ!
その時から多少の無茶は覚悟してる! それでも……」
 荒くなる口調に混じる、僅かの戸惑い。
「それでも絶対、助け出したかった! だから謝られる筋合いはないんだよ!!」
 句を繋ぐうち、次第にその正体が見えてくる。
「……残される人が抱える痛みがどんだけツライか、分かってる筈でしょ……?」
 多くの命を呑み込んだ大地、引き裂かれた仲間。
 そして、平和と引き替えにシャドウを失ったあの日の記憶。
「もう、あんな思いはしたくないのに……」
「だから」
 最後の言葉を消え入りそうな声で呟いたリルムに、咎めるようなエドガーの声が重なる。
「え?」
「だからって、君はあんな無謀な事をしたのかい?」
 その口調に顔を上げたリルムが見たエドガーの表情は、今まで見たことが無い
程の険しさで。
「だ、……だって」
「セッツァーやマッシュならまだしも、リルム。君はあの時何を考えて飛び出した? それこそ命を捨てるのと同じ行為だ」
「…………」
 リルムに返す言葉はなかった。
「君に先立たれて、残された者達はどう思う? ストラゴスさんやサマサの人々、
それに仲間達だって同じ事を思うだろう」
「…………」
 まるでシャドウの二の舞だ。
 でも。
「……じゃあエドガーは?」

282:ドリル装備の名無し ◆Lv.1/MrrYw
03/04/30 00:59 a5BSPjko
途中、改行が無くて見づらい所があると思いますがご容赦下さい…。
どうしても、この一場面は1レスに収めたかったので、つい。

>>271
好みの問題ですが、漏れは先に挙げた一行の部分がちょうど良い案配で
読み手に想像させる余地があって(・∀・)イイ!と思ったんです。
自分ではそういう物が書きたいのだけれど、どうしても入れてしまう余計な言葉とかが
あるので、逆に好きなんですが…。って、余計な話ですたスマソ。
いずれにせよ、雷神に萌えた事は変わりないのですが。(w 時間があったらまた
読ませて下さい。

>>スニフの恋人
すっかり術中にハマった感がありますが、食堂のおばちゃんの描写なんか
ガーデン生徒の日常がありありと出ていて良いですね。
これを読んだ今、Disc2の校内放送で「食堂のパンを確保しろ」って選択肢を
迷わず選びそうになる漏れがいます。(w (選択肢、記憶違いだったらスマソ)

283:白 ◆SIRO/4.i8M
03/04/30 19:28 mMw5Zv2Z
推敲全然しないまま(待て( ゚Д゚)ゴルァ)コソーリ(゚Д゚≡*゚д゚)カキコ
あ、トリップ変えましたです。

284:浮金石(1)
03/04/30 19:29 mMw5Zv2Z
 重力風が、大気の水分を凍らせる。
漆黒に金や白の斑を絡めた、浮金石の天空。
オーロラ色の、淡い緑の光が、森の深奥で沸き上がる。
魔晄の結晶が森に鏤められ、水に溶け、光る。

 雪渓に、ちいさな子供が転がり落ちる。氷の薄い、凍てついた川へ向かって。
背の高い男の、長い指が大木の幹を捉え、子供の衿を掴んだ。
「──大丈夫か?」
「ニイちゃん、ありがと!」

 村には不似合いな、黒の三つ揃いの男が、金髪の子供を背負う。
「…どうして…あんな所にいた?」
「星!星、木に登って見たー」
長身の男の、端正な容貌。紅の瞳が天を見上げる。

 ニブルヘイムに辿り着くと、子供の母親が待っていた。
「この馬鹿!チビが夜中にウロチョロすんなって云ってっだろ!
 とっととウチへぇんな!」
悪鬼羅刹も退散しそうな勢いで、小奇麗な母親が子供を家に押し込む。
「あ、あら、すいませんねぇ。ウチの豚犬がお世話になりました。
 哥いさん、えらく良い男じゃありやせんか。お名前は?」
「……ヴィンセント。御子息が御無事で、何よりです。失礼」
長身の男が、神羅屋敷へ踵を返す。
母親はうっとりと頬を赤らめ、子供はジト目で母を見た。

 風の中の氷が、光の柱となり、玲瓏たる氷河を照らし出す。
「…何をしている?…おまえ、名前は?」
「ペットボトルロケットー!おれ、シドってんだ」
「このままでは危険だ…貸せ」

285:浮金石(2)
03/04/30 19:30 mMw5Zv2Z
 雪に、淡い花の香りが混ざる。雪の精霊が、笑っている。
「珍しいじゃない、ヴィンセント。子守なの?」
「今日は非番だ…ルクレッツイアこそ、無理をするな」
「あかんぼうがうまれんの?」

 ルクレッツイアが、幼いシドの頭を撫でる。
「そうよ、坊や。おばさんのお腹には、赤ちゃんがいるの」
「おばちゃんじゃない!」
ちいさなシドが、眉間に皺を寄せ、俯く。
「お…おねえさん、だよぅ」
「ありがとう。子供が産まれたら、遊んであげてね」

 神羅屋敷に、ピアノの音が反響する。
ステンドグラスが音を弾き、吸い取り、震わせる。
ルクレッツイアが歌っている。優しく、胎内の仔を撫でながら。
中で子は指をしゃぶり、微睡む。

「…産むのか」
「このままでは、産まれた途端に死ぬ子供よ」

でも、大切な人の子。
どんなに、おぞましい細胞実験のデータが出ていても
この子が助かるのなら、私は…。

 ルクレッツイアは深い緑の瞳を伏せ、言葉を呑込む。
ふと、ヴィンセントが横に立った。
ピアノは連弾へ変わる。音符の一つ一つが溶け、共鳴し、睦み合う。
曲がしなやかに、一本葛となってゆく。

286:浮金石(3)
03/04/30 19:31 mMw5Zv2Z
「……え?」
「だから、そんな女は居なかったと云ってるだろう!帰れ!」
屋敷を神羅兵に追い返され、シドは考え込む。お八つを平らげた頃
「忍び込めば良いんじゃねーか?」と云う結論に達した。

 実験動物用IDチップをポケットに入れ、窓からの潜入に成功。
余談だが、元実験動物の名は、ゴン太と云う
ハイウインド家愛玩のモルモットだった。

 言い争っている声がした。
白銀の、異様に美しい赤子が叫ぶ。
「ママ…マンマァ!…ねぇ、何処!」
「ふん。もう喋るのか」
赤子の瞳孔は、猫と同じ針の形をしている。宝珠の淡い緑を宿した、眼。
「母に会いたいか?ならば会わせてやろう」
眼鏡の痩身の科学者が、赤子を抱え、地下に向かう。
「これが、お前の母だ。セフィロス。
 二千年前の地層から発掘された、天からの厄災こそが!」

 シドが見た者は──
紅色の渦巻き紋様を全身に描き、腹から胸迄、縦に裂けた口の女。
硝子の向うから、妖かしの光を宿した眼が、嗤う。

「…あ…!イヤ…!厭ぁ!」
「可愛いセフィロスよ。認めなさい。お前は人では無い。
 人間のつもりでいる、宇宙から来た化け物だと」
若い宝条が笑っている。小さなシドの瞳に怒りが滾る。

287:浮金石(4)
03/04/30 19:34 mMw5Zv2Z
 セフィロスは宝条に爪を立て、振払う。
「…全く、何て力だ!」
宝条は赤子を突き落とし、消えた。

 サンルームで。小さなセフィロスが啜り泣く。子供の泣き方では無い。
声は無く。堪える様に手を握り、背中を震わせている。

「…男が泣くなよ」
「だれ?」
「将来の宇宙飛行士様でぃ。お前、スゲーな。宇宙から来たって?」
「あんまり、よく覚えてない…」

 産まれたばかりであろうに、髪は既に肩迄伸び、立ち上がり喋る赤子。
けれど表情は幼く、儚い。
「僕の事…兵器だって、みんな云う」
「な、なにいってんでぃ!おまえの母ちゃん心配してたぜ!」
セフィロスの表情が変わった。
「ママを知ってるの?!」
「ん~あ~…。ちょこっとだけ、な。優しくて、美人だったぜ」
「ママなら知ってるよ。お腹に居た時、優しかった!」
にこやかに、幼いセフィロスが頬を紅潮させる。

「僕、きっと軍に入れられると思う」
「えー?気の毒だなぁ」
若干僅か二歳のシドには、話がややこしかったが。
「飛行機に乗れたよな。よし、俺も行く!」

288:浮金石(5)
03/04/30 19:35 mMw5Zv2Z
 靴音と共に、大人の声がした。
「誰だい?よく此処迄入って来たねぇ」

「ガスト博士!」
「やべ!ごめん!ごめんなさい!」
手入れの良い髭を貯えた、青年博士がシドを抱き上げた。
「ガスト博士なら大丈夫。やさしいよ」

「な、なあ博士!ルクレッツイアって人、知ってる?」
博士の表情が曇った。
「彼女なら入院中だよ。赤ちゃんを産んだからね」
「ヴィンセントの兄ちゃんは?」
「任務で、遠くに行ったと聞いてるが」
「そっか」

 ふと。博士はシドの、異様な眼の輝きに気付いた。
深く、内から発光する。蒼い金剛石の瞳。
「君は…。魔晄の泉で遊んだ事でも、あるのかい?」
「あすこ大好きだい!父ちゃんと母ちゃん、デートしてたって!」

「さて。どうやって此処を出るのかね?」
「……あ」
脱出迄は考えてなかったシドが、青ざめた。
「僕についておいで。裏門から出よう」

 幼いセフィロスが、ガスト博士の裾を引っ張った。
「ねえ。お兄ちゃん。さっきの話、約束して。
 一人ぐらい、軍に知ってる人が居て欲しい…」
「ん?ああ、分った!約束する!神羅軍に入るぜ」

289:浮金石(6)
03/04/30 19:36 mMw5Zv2Z
 湖は鏡の如く凪ぎ、水鳥が鏡面に波紋を描く。
のびやかに広がった紋様が、ヴィンセントの靴先を濡らす。
「──ま、結局神羅行っても、ろくすっぽ会わなかったがよ」
「覚えていたのか、シド…」
「餓鬼は丸ごと覚えるからな」
「お前は良く、木から落ちたり、川に飛び込んだりしていたな」
シドが煙を吹き、咽せる。

「俺ぁよ。ずっと疑問だったんでぃ。
 宝条博士の眼は濃い茶色で、ルクレッツイア姉ちゃんは濃い緑。
 ジェノバは眼が光ってて分らねぇ。
 セフィロスの、あの淡い瞳は、誰に似たんだ?って」
 
 煙草の煙が、滝の飛沫に吸い込まれる。
「ルクレッツイア姉ちゃんが惚れた男で、眼の色素が無ぇのは、誰だ?」
「シド…それは…。しかし、確証の無い話だな」
惚れた腫れたに確証があっかよ。シドはそう云いながら、煙草を仕舞う。
「会って来いよ。ルクレッツイアに。居ないように見えても
 祠のどっかに、隠れてっから。
 ──もう、戦いは終わったんでぃ」

 祠にヴィンセントを独り残し、潜水艇が帰って行く。
「ルクレッツイア。そうなのか?」
「ごめんなさい…産むのなら、貴方の子供が良かったの」
ヴィンセントが、ルクレッツイアの瞳に口付ける。
「…セフィロスを愛していたわ。望んで、授かった子なのよ。
 そう、伝えてやりたかった…」

 優しい魔晄色の風と澄んだ紅の風が、祠に吹き込む。
白銀の髪の青年が、其処に立っていた。        END

290:白 ◆SIRO/4.i8M
03/04/30 19:38 mMw5Zv2Z
>>267-268 >>281-282
互いに深く思い遣る余り、喧嘩になる二人に激しく萌えました。
リルムちゃんに描いて貰いた…ゲフンゲフン続編期待sageです!
今後、溜め込まず(;´Д`)ハァハァする事にします。(違)

>>269
おおー!お仲間ですか!ヽ(*´▽`)ノマンセー
ことえり、10年近く使ってて、全く警告に気がつきませんでした。。。
丁寧な解説有難うございます。今度から表示見ながら使いますです。

>>270 >>273
ありがとです。おいらも職人さん目指してガンガろ…。

>>271
1からロムってて思ったですが、29さんの爽やかなお話で
スレの方向が決まったように思います。作風は人各々で、各々にハァハァですが
お話が綺麗にまとまってると感じますた。次作も期待してますです。

>>266  >>272
「スニフの恋人」キタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!!
まとめ乙カレー様です。お優しいお言葉有難うございます。。・゚・(⊃Д`)・゚・。
ガーデンに入学したい…(無理です)ミントティー、美味しそうです。
エマさんも 食堂の小母ちゃんもアリシアさんも、もちろんシグネタンも
キャラクターが立ってて、今後が気になりますです。

291:29
03/04/30 20:36 sQj14kiK
>>290
方向性が決まったなんてそんな、妄想を書き連ねただけですから。
ネタだけは脳漿から湯水のように湧いてくるのですが、、、それを文章にするとなると、なかなか、、、。
あと、時間も、、、。大学入試の勉強は早めに始めないとシャレでなく氏にますからねえ(ガクブル
長編なぞ夢のまた夢です。


結婚式、、、。純白のドレスと純白のタキシード、、、。ブーケ、、、。
そして鐘の音、、、。

292:雫夜 ◆sizukTVGK.
03/04/30 21:03 +7LpX0Rd
『スニフの恋人』の続きを読みたくて来ますた。
ホント良スレですね。

>>274-279
シグ可愛いっす。日記の中身も可愛らしい。
ガーデンの描写が丁寧で(・∀・)イイ!! 私もバラムに行きたくなってきたでつ。
後半でがんがん出てくるというシュウの登場にも期待しています。

>>284-289
ヴィンセント×ルクレツィアキタ━━ヽ(゚∀゚)人(゚∀゚)人(゚∀゚)ノ━━ッッ!!!!!
このスレ来てマジ良かったです!!
セフィロス誕生秘話がせつないけれど、とてもしみじみしますた。
そしてシド!!
とてもおいしい役どころだと思ったり。
白さんの作品、さかのぼって読んできます。

293:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/05/01 20:32 YuO4y0M7
翌日、私の所属するホームルームの教室に入ると、後ろの方の席でアリスが手を振っていた。
「おはよう。シグの席、私の隣よ」
アリスが声をかけて教えてくれたので私はその席に座った。
この教室は昨日アリスが言った通り、男の子の数の方がずっと多いみたいだった。
「このクラスは将来、戦闘支援部隊への入隊を希望する人がほとんどなの」
アリスが教室にいる男の子を指して説明する。
「窓側に立ってる人は私と同じで従軍医療士希望。その隣の人は通信暗号士。向こうの三人組は兵器開発」
このクラスは15歳以上の軍事研究科の生徒が所属している。
学校の全体行事や必須科目はこの教室からホームルームのクラスメートと一緒に受講し、各自が希望した専門分野の授業は
それぞれのクラスに分かれ、内容によっては正規コースの生徒と一緒に受ける。
例えばこのコースでも格闘の初歩は必須で、私の場合は数歳年下の正規コースの子と一緒に受ける事になる。
ガーデンは単位取得の状態やコース別、そして年齢で受けられるクラスが決まっているのだ。
例えば同じ軍事研究科でももう一つクラスがあり、そちらは戦略史や国際情勢の机上学習が主だ。
お兄ちゃんが言うにはもそっちのクラスは色んな所の偉い人の娘さんが多いためこちらのクラスより女子の比率が高いのだけど
「おっそろしいところだぜ」ということらしい。
今日はホームルームの後、必須科目を1時間受講して、専門の授業のために各自別の教室に移動する。
「お昼、食堂で待ってるから」
教室を出かけた時アリスが誘ってくれたので私はお昼を楽しみに次の授業に行った。

午前の残り2コマは兵器研究の実習クラスだった。
このクラスは上級生はもちろん、正規コースの生徒でも受講していると聞いていたので、
私は少し緊張しながら教室に入った。

294:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/05/01 20:33 YuO4y0M7
「だからこれじゃだめだって!」
教室に入るなり、大声がして私は思わずすくんでしまった。
落ち着いて教室の中を見ると、教室の隅のパソコンの周りに先輩らしい人達がたくさん群がっていた。
なぜか皆、制服ではなく作業服を着ている。
「でも、どうするんだよ。これ以上は無理だって」
私はどうしたものかと思いつつ、そっと皆の方へ近づいた。
「あの……」
私が声をかけると、ショートカットの女の人が振り返った。
「何?」
「私、今日から……」
「あ~!アンタ、オリーの妹?今日からこのクラスに入る」
パソコンの脇にいた別の先輩らしき男の人が私に気付いて声をあげる。
「……はい」
なんだかよくわからないけれどお兄ちゃんのおかげで私は無駄に有名らしい。
「ごめん、このクラスはみんな朝イチからこの授業の連中ばっかりで」
「2時限目になってたなんて気付かなかったな~」
「おい、歓迎会の用意はどうなったんだよ」
「ホントだ。ねえ、そこの冷蔵庫に白い箱ない?ケーキなんだけど」
「嘘だろ、オレそれ食っちまったよ」
「冗談よしてよ!何考えてんのよ」
先輩達は私におかまいなく盛り上がってしまい、会話に入れなかった。
「あ、ごめん。この教室席決まってないから適当な椅子に座って待ってて?」
私が初めに声をかけた先輩がにっこり笑って教室の真ん中を指差した。
私はおとなしく椅子に座った。
「ただいま~!!」
教室のドアが勢いよく開いて、バンダナを帽子みたいにかぶった女の人が、大きな箱を抱えて教室に飛び込んで来た。
「お前、全部俺に押し付けて行くなよな~」
大柄な男の人がそれに続いてゆっくりと教室に入ってきた。
手にはたくさんの武器ケースを抱えている。

295:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/05/01 20:33 YuO4y0M7
「だって私壊れ物持ってるんだもん。あ、新入生?」
なんだか元気のいい女の人だった。
「はい。よろし……」
私が挨拶しようと立ち上がると、背中をばんばん叩かれた。
「堅苦しい挨拶はナシ!」
「で、壊れ物って?そんなもん発注した覚えないけど」
ショートカットの先輩が言う。
「朝冷蔵庫開けたら、大事な物がなくなってから再調達してきたんだってば」
バンダナの女の人は私の前に手に持っていた大きな箱を置くと蓋を開けた。
中に入っていたのは色とりどりのケーキだった。
「ごめんね~、本当は昨日の夜、特大のオペラを買って用意しといたんだけどでっかいネズミがいるらしくってさぁ」
バンダナの先輩は私に笑顔を向けながら部屋の隅にいた男の先輩に冷たい視線を向けた。
「悪かったよ、こんな気の効いた事するなんて知らなかったんだよ」
視線を向けられた先輩は頭をかりかりかいた。
「普通、でかでかと『ようこそ!』なんて書いてあるホールケーキに無断でフォーク突立てる?」
「助かったわ、セーラ。私は今気付いた所だったのよ」
「まぁったく、せっかくの有望株でおまけに女の子なのよ。ちったあ考えなよ。
ケーキ食べちゃったんだからコーヒーくらい淹れてよね」
バンダナの先輩のセリフにケーキを食べたらしい先輩は気取ってガーデン式の敬礼をして、教室の奥のドアの向こうに消えた。
「さて」
ショートカットの先輩がにっこり笑った。
「はじめましてシグネ。私はサラよ」
「で、あたしがセーラ」
バンダナの先輩が手を上げる。
次いで、パソコンの前に座っていた先輩が立ち上がってこちらに来た。
「俺はミゲル」
「クリスティアン。長いからクリスって呼んでくれ」
こう言ったのはひょろっと背の高い先輩。
「俺はガイウス。ガイでいいよ」
私より後に来た、大柄な先輩はセーラ先輩の視線にうながされたように名乗った。
「で、今コーヒー淹れに行ったのがジョージ。ここの主なメンバーは以上」
サラ先輩が奥の部屋を指差す。

296:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/05/01 20:35 YuO4y0M7
「おい~、新入生のカップどれ使うんだよ~」
タイミングを図ったように奥から声がした。
「流しの所に出してあったでしょ?」
サラ先輩は小走りに奥の部屋に行ってしまった。
「ここでは皆先輩後輩なしでファーストネームで呼びあうから。よろしくシグネ」
セーラ先輩はにっと笑って手を出した。
「よろしくおねがいします、先……」
さっそく「先輩」と言いそうになって私はあわてて口を押えた。
「すぐに慣れるよ」
セーラ先輩は私の手をぎゅっと握って言った。
「コーヒーはいったぞ」
奥の部屋からジョージ先輩が出てきた。
「こら、シグネが先でしょ。歓迎会なんだから」
ガイ先輩の手をぺしっとはたいて、セーラ先輩が私にきれいなピンクのカップを手渡してくれた。
「一応、あなたのマイカップはそれね。余ってる奴にかわいいのあったからそれにしたけど
別のがよければ自分で用意してね。……だから、シグネが先だっての」
セーラ先輩は再びケーキに伸びた手をぺしっと叩いた。
「遠慮してると皆の手にセーラの手形がついちゃうよ?」
サラ先輩が私の前にケーキの箱を押しやった。
皆がにこにこしているので気分が軽くなって私はケーキを一つ取った。
私の好きなお店のケーキなのでうれしくてつい顔がゆるんでしまう。
「お前ら見ろよ、シグネを。あの顔。ケーキを前に天使のような笑み。女の子っていうのはこういうもんだろ!」
クリス先輩が突然女子の先輩二人に訴えたので私はフォークを落としそうになった。

297:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/05/01 20:36 YuO4y0M7
「おあいにく。ここでの食物争奪戦で鍛えられましたからね」
「そうだよ。あたし達だってここに初めて来た時は似たような事、先輩に言われてたもんね」
セーラ先輩とサラ先輩はすばやいフォークさばきでケーキをみるみる平らげて行く。
コーヒーを飲むと意外、と言っては悪いけどかなり良い味だったので驚いた。
「このコーヒー、おいしいですね」
私が言うとジョージ先輩はちょっと照れくさそうに、でも自慢そうな顔をした。
「意外だろ?こいつコーヒー淹れるのはうまいんだぜ。コーヒー担当兵としてなら今でもすぐにどっかの軍に入れるだろうな」
ミゲル先輩がからかうように言う。
コーヒーと山盛りのケーキをつついているうちに緊張はすっかりほぐれた。
そこで私は初めて大変な事に気付いた。
「あの……」
「ん、何?」
私がおそるおそる尋ねるとミゲル先輩が反応した。
「『兵器研究実習A』の授業は、この教室でやるんですよね?」
私の問いに皆は一瞬しん、と静まり返った。
次の瞬間には考え込むように、でも一斉に笑い出した。
「ああ、ごめん。授業内容あんまり知らないんだ?」
クリス先輩の言葉に私は頷く。
歓迎してもらって大好きなケーキとおいしいコーヒーを出してもらって、楽しく喋って。
すごく居心地のいい部屋だった。
でも、私は授業を受けにきたはずだった。
「このクラスはね、研究なんて名前が付いてるけど実際はガーデンの兵器開発を担当してるんだ」
クリス先輩はさらっととんでもない事を言う。
「基本的に、受講できるかどうかは選抜制で、希望したから入れるわけじゃないよ。実績がいる。
そうだね、例えば関連授業で高成績とか実際の戦場での訓練でそれなりの結果をだすとか」
そこまで聞いて私は血の気が引いた。
だってガーデンに入学したばかりの私には受講資格があるはずないから。
初日から時間割を間違うなんて、と眩暈がしそうだった。

298:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/05/01 20:36 YuO4y0M7
「『ティンバー・ナショナルバンクテロの爆弾についての考察』」
ミゲル先輩が口にしたのは私が入試用に書いた論文のタイトルだった。
「実におもしろいね。爆発が激しすぎて現状ではどの形状の爆弾か特定されてない、有名な事件」
「そうよね。爆発のタイミング的に、時限式じゃないっていう説が有力だけどある種のタイマーが特定条件下では
狂う可能性だとか、爆弾の仕組みだけじゃなくてプロファイリングもからめて予想しているのがなかなかいい感じ」
サラ先輩が驚いている私を見てくっくと笑う。
「あなたの論文のコピー、私たちにも回ってきたのよ。専門分野からの視点だけじゃなくて犯人の視点から考える事の
必要性についての好例だって。ここの先生が大絶賛してたわよ」
「つまり、ここで間違いないって事」
そう言うとガイ先輩は2個目のケーキを手でつかんでかじりついた。
「講義スタイルじゃなくて、実際に設計して作るの。作業着が支給されてるから次の時限はそれ着てね」
サラ先輩の言葉に私はうなずいた。
ケーキを食べ終わって机を片付けても先生は現れない。
「先生はガーデンの専属じゃなくて通いの人だから毎回は来ないよ」
ミゲル先輩が私の疑問を先読みするように教えてくれた。
そしてまた、皆がパソコンの周りに集まる。
「この先、どうする?」
ミゲル先輩がマウスをぐりぐり動かしながらディスプレイの画像を動かす。
「電算上級クラスに頼む?」
「それか、操作をきちんと教えてもらうかだな。深夜作業の時自分でいじれないと困る」
ミゲル先輩がマウスポインタをふらふらと動かす。
「でもこれ以上細かく設定するのに後何時間かかるんだ?」
先輩はうんざり、という顔でサラ先輩を見た。
私は画面の隅の見覚えのあるツールバーに気付いて思わず言った。
「あの、これ『ウルカヌス』ですか?」
「知ってるの?」
サラ先輩が驚いたように言う。
「はい。以前通ってた学校で使ってました」
「マジで?!」
ミゲル先輩がやった!!という顔をして立ち上がる。

299:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/05/01 20:37 YuO4y0M7
「このバージョン、使える?」
私は空いた椅子を勧められ、パソコンの前に座った。
以前使っていた物より一つ前のバージョンだった。
「使えます。後、あの、私これの追加機能のデータ持ってます」
今度インストールしても、と言いかけた私を遮るようにミゲル先輩とサラ先輩がまさに手を取り合う、という様子で飛び跳ねた。
「やった!!!!これで製作に戻れる!!!!!」
「早速だけど、そのモデルの修正とシュミレート、やってもらえる?」
サラ先輩が普通の設計ソフトで作ったらしい設計図を私に差し出した。
私は設計書の通りに画面の拳銃のフォルムの訂正をし、シュミレート機能の画面を開いてデータを送り、演算にかけた。
「たぶん、このスペックだと結果が出るまで1時間くらいかかると思います」
私が顔を上げるとサラ先輩は喜色満面、と言った様子で画面をのぞきこんでいた。
「助かったわ。これ、期限が迫ってたの」
いえ、と私が首を振るとセーラ先輩がはあ、とため息をついた。
「以前はこれ担当の先輩がいたんだよね。その先輩が卒業してからはここでストップしちゃっててさあ。
ミゲルとサラが二人かかってやっても、まともな結果が返ってこなかったんだよね」
『ウルカヌス』は小火器や飛翔兵器の設計ソフトだ。
このソフトは兵器開発をする人間なら大抵一度くらいは触った事がある。
設計図から、実際に使用した時の弾速や安全性、弾の軌道などかかなりの精度でシュミレートできる。
代わりに設計手順が厄介で、独自の言語で入力する必要のある項目もあるため使える人間はそう多くない。
「前の学校で、私このソフトのオペレーターだったんです」
手先がイマイチ不器用だったので、と付け足したんだけど先輩達はそこら中から設計図をかき集めるのに必死で
聞いてくれてないみたいだった。

300:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/05/01 20:39 YuO4y0M7
「じゃあ、シグネはそれを主に担当してくれるかな」
クリス先輩はパソコンの傍の机に設計図の束どっさりと置いた。
「はい」
私は先輩に認められたのがうれしくて思わず口元がゆるんだ。
「あ~、やっぱりいいな、その笑顔」
クリス先輩の言葉に、私は思わず手で口元を覆ってしまった。
「気にしないで。こいつものすごいフェミニストだから言われた方が赤面するセリフ連発するから」
セーラ先輩も設計図の束をくれた。
「たくさん頼んでごめんね。かわりに製作の方もみっちり仕込んであげるから。手先がどうでもね」
セーラ先輩は楽しそうに、にっと笑って私を見た。
「はい!」
私はうんとはりきって返事をした。


301:姐 ◆ane/8MtRLQ
03/05/01 20:47 YuO4y0M7
うわ、むっちゃ長い~(汗
本当はこの部分カットしようかと思ったんですが学園生活の上で
結構大事な箇所なんでノーカットで一気に投稿しました。すみません。

>>281
いよいよ話が核心に迫った感じですね。なんかドキドキします。
食堂のパンはですね、私も気になって直前のセーブデータを使って
チェックしましたよ。「絶対に取られるな」とか言うんですよね。必死だなw

>>284
7で最も好きなキャラが揃った話キタ─wwヘ√レvv~(゚∀゚)─wwヘ√レvv~─!!!!!!
食堂のおばちゃんはどうしても入れたかったのでそう言ってもらうとうれしいです。

>>292
「続きが読みたい」とはうれしいお言葉・゚・(ノД`)・゚・
書いていて一番うれしいのはその言葉です。
もうちょっとでシュウ出てきますのでお待ちくださいませ。
白さんのスレ初期作のコメディは特に面白いですよ♪

302:29
03/05/01 21:24 Lql+z+sN
>>301
やばい、、、シグたんに萌えてきたですよ。かあいいなあ、、、。
シュウの登場、楽しみにしております。

303:コックさんは見た!(1)
03/05/01 23:12 8/SsyHJ6
 城壁に守られた家々の光が、半円形に街を包む。
人々は飲み、歌い、そして賑わう。不夜城の天蓋を星が旋回する。

「言葉使いを直す方法?」
「はい。トット先生なら、御存知かと」
大国アレクサンドリアの姫君、ダガーことガーネットは恩師に問いかけた。
「この言葉では、身元が知られてしまうと、ジタンさんが…」

「ダガー?」
太古の採掘場、フォッシル・ルーの柔らかな灯。
階段に腰を下ろし、ダガーは独り、呪文を詠唱する。
そうっと。ジタンは姫君の背後に近付き、目隠しを試みた。
「……願わくば、来れ。精霊の戯れんことを…」
「!?」
一面が眩い閃光に覆われ、ジタンをも呑込む。

 幼い魔導士と謎の怪生物…もといコックさんが飛んで来た。
「…大丈夫でございますか?王女様!」
「あ、あたいは大丈夫さ。ジタン、あんたは?」

一同 ………………。>(゚д゚)ポカーン

「…お、おねえちゃん?」
「なにか壊れた蛙でも食べたアルか?」
どうやら両者の言葉が入れ替った模様です。

 ずーん。と。擬音がするっぽい感じでダガーが沈み込みますた。
「僕の魔法で、何とかならないかなぁ…(;´Д`)」
「グゴォー…」
なんて云うか、乗用外骨格生物ガルガントも心配してます。

304:コックさんは見た!(2)
03/05/01 23:15 8/SsyHJ6
「気にすんなよ、ダガー。この方が旅には都合が善いじゃ無いか」
と言ったつもりのジタンの台詞も
「どうかお気に病まずに。随行する上では、寧ろ利に叶っております故」
とかなんとか、間違った敬語に誤変換。

「あ、あたいはただ、普通に話したかっただけなんだ。
 このままじゃ、政務もまともに果たせないよ。
 ──國はどうなるんだい?城は。何よりも民は。」

 不意に、我らが乗用外骨格生物ガルガントが、泣きそうなダガーと
あと如何にもついでっぽく、ジタンを乗せて暴走。
「追うアルよ!」
「ガルガント!王女が居るのです、止まりなさい!」
ズサー。急停止により、我らが尻尾主人公くんとお姫さまは投げ出されますた。
とっさに自らがクッションになって、姫を庇う尻尾君。

 其処は、静かな場所。水滴の音が断続的に続き、流麗な彫刻が泉を彩る。
泉の内に。色とりどりに光り、点滅する水草達。
「これは…山彦草ですよ、ダガー王女。元に戻れます」
ジタンは、清浄な水の内から、藤納戸に光る水草を絡め取った。
その一葉をダガーの唇に押し当て、自らの口にも触れさせる。

「…どうですか?お姫さま」
「あ、ありがとうございます…ジタン。あ!戻ったわ!」
「味見するアルよ!」
事態は解決しますた。ダンジョン攻略は未だですが。

「ダガー女王の騎士になったら、あんな風に?…なりたいなぁ!」
そう思うと、ジタンの脈拍が、ちょっとだけ早くなったのは内緒です。

305:白 ◆SIRO/4.i8M
03/05/01 23:17 8/SsyHJ6
こっそり29さんの下ゲットしつつ、FF9ぺたりと貼り逃げします。。。

>>291 >>302
>そして鐘の音、、、。
も、萌え!サイファーと風神タンの幸せを願う雷タソ萌えです。
脳漿から湯水のように湧いて止まらない時ってありますね。
ネタはネタでメモして、お勉強が片付いた時に、情熱をPCにぶつけてホスイです。
って、いや…言葉で云うのは簡単なのですが。それは(以下略)
29さんのPNが気になります。長篇書ける方って凄いですよね。尊敬。

>>292
御感想、感謝致しますです。○| ̄|_ ヨロシク オネガイ シマス
物凄い高速で、雫夜さんのアーロンにうっとりして来ました。
深みのあるアーロンさんに激しく萌えです!スフィアの若き日の姿にも。
遡って…って、Σハッ!!サロンシップとかデブモーグリl \ァl \ァとか
ギャグネタしか書いてな…ウボァー(゚Д゚)

>>293-301
生うp見ちゃった…!┬┴┬┴┤(*´д├┬┴┬┴
兵器研究実習クラス、楽しそう+かなり奥が深そうで楽しみです。
シグネタンの今後の活躍期待してます!
面白いと言って頂けて至福です。有難うです。

306:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/05/02 18:29 7qFr9Es1
良スレハケーン

307:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/05/02 22:34 YB22D3EZ
どなたかガラフとレナのSS書いていただけないでしょうか?

308:ドリル装備の名無し ◆Lv.1/MrrYw
03/05/02 23:51 gp0qq2tc
一応あんな作品でも書き込んだ以上完結はさせますです。。。
ただ、締め方が何パターンかあってどうしようか考え中&時間無くて
今回は感想のみ書き逃げにて失礼します。

>>284-289(浮金石)
シドカコ(・∀・)イイ! 反則だと思うぐらい萌えますこのシド。(役どころが(゚д゚)ウマー)
> 「将来の宇宙飛行士様でぃ。お前、スゲーな。宇宙から来たって?」
ここにシドの男気と夢追い人な姿の片鱗をみた気がします。とんでもなくグローバルな視点を
持っているのか、それとも単なる熱血漢なのか…。
そう言えば7作中でもそんな場面ありましたよね、(ウェポン襲来直前の飛空艇内。「男なら、
いや人間なら~」って感じのセリフ。いつもの如く記憶違いだったらスマソ)

>>293-300(スニフの恋人)
兵器研究実習Aの授業、漏れも激っしく受けたいです。(無理)
なんていうか、今回文面から伝わるこのクラスの雰囲気に萌えました。
文化祭前とか、某かのプロジェクトを立ち上げようとする時みたいな団結感、大好きなんです。
(だからDisc2が一番印象的だったりw)
チョット長かったけど、一気に読めたし未だかつて無かった様な心地よい高揚感がっ!! ありが㌧。
続編期待sage。

>>307
FF5プレイ中ですが、ガラフの立ち位置も(゚д゚)ウマーな感じですよね。古代図書館のミド関連の回想シーン
(ガラフの妹?娘? が出てくる)だけしか見てませんが、それでも今後、ガラフには(・∀・)イイ!ネタがありそうな予感。
ネタを振ってみてはいかがでしょうか? あまり詳しく知らないので、「こんな感じなんだYO!!」と
言う説明代わりにもなるでしょうし。。。それがキッカケで書いてくれる職人さんが現れる事を期待しつつ…。

309:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/05/03 00:17 sYx0oG7r
>>308
おお!!レスありがとう。

もともと極度のファザコン気のあるレナが父を失った心の傷を
ガラフが優しく埋める・・・

こんなシチュだめですかね?

310:白 ◆SIRO/4.i8M
03/05/03 00:48 i5R7GhEG
他所にいつものギャグ書きますた。宜しければお茶請けにドゾー
って、恋愛が全く無いのでスレ違い…。・゚・(つД`)・゚・  ゴメソ
スレリンク(ff板:202-206番)

>>308
わーい。ドリルさんお元気ですか?
選択に迷う、何パターンもの締め…。練りこまれたお話、良いですね。
ドリルさんのキャラは筋が通ってて、背筋が伸びていて格好良いです。
お忙しいようですが、マターリ続編お待ちしてます。

>>307 >>309
Σ(゚Д゚*)そこ迄丁寧な設定が有るとは…!
309さんの文章、読み易いですし、シュチュとキャラに愛があるし
SSの書ける方とお見受けしたのですが、駄目ですか?

311:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/05/03 02:02 sYx0oG7r
>>310
いや、SSなんて書いたことないし、自信もないっす(´・ω・`)

312:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/05/03 02:37 15Ot5yDe
同人女臭せえスレだな

キ モ イ 馴 れ 合 い は 自 サ イ ト で や れ


晒しage

313:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/05/03 02:42 pGCDNpyl
>>312
ほっといてやれよ......
変なスレあげんなっつ~の!

314:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/05/03 02:47 Y1a9BNkV
うわ、こんなスレあったのか…
本当にきもいな…上げるなよ
同人女はどうしてお世辞で誉めまくったりや変な謙遜が好きなんだろう
ここの奴等見てると本気で不思議でならない
とにかく馴れ合いがしたくてたまらないのか



315:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/05/03 02:48 8NdlIntX
昼下がり。スコールは一人、バラムガーデンの食堂でコーヒーを飲んでいる。
現在位置はトラビア・ビッケ雪原。
スコールはトラビアの澄んだ空気が好きなのだ。
窓際席で一人寛いでいると、セルフィとゼルがにぎやかにやってきた。
「あ、スコール!窓際いいなぁ。」
「よぅ!俺らも座らせてくれよ。なっ、いいだろ~?」
指揮官としての肩書きを忘れ、久しぶりに一人を楽しんでいたスコールは少しふてくされた。
「・・・勝手にしろ。・・・ん?」
「ありがとスコール・・・わぁ~~!めっちゃキレイやわぁ!!!」
「す、すっげぇ!俺、初めて見たぜ!」
突然のダイヤモンドダストに3人は驚きを隠せずにいる。
空中をキラキラと輝く宝石に、しばし見入っていた。
冷気属性GFシヴァの召喚魔法にも、ダイヤモンドダストという技があるが、天然物はとても繊細で、攻撃性を全く感じさせない美しい物だった。
凍りつくほど冷たいはずなのに、むしろ温かみを感じる。
しばらくの間沈黙が続いた。

「なぁ・・・セルフィ」
以外にも、沈黙を破ったのはゼルだった。
「トラビアガーデン時代にGFジャンクションしてたんだよな?そのGFの名前、思い出したか?」
セルフィは以前も思い出そうとしたが、その記憶が頭のなかにうっすらと残っているだけだったので、
「ぜんっぜん!あたし、な~んにも覚えてないんだよね。でも、ソイツ属性は氷だったんだよぉ~!」
「それはそうだ」
スコールが口をはさんだ。
「GFの力の代償・・・それが俺たちの記憶だからな」




316:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/05/03 02:52 15Ot5yDe
>>314
それが同人女の狙いなんだろ

謙遜すればそんなことないよガンバレとか言ってもらえるとか期待してんだよ

そのくせ本当に貶されたら怒るのが馴れ合い大好きキモ同人女の特徴


再度晒しage

317:314
03/05/03 03:03 Y1a9BNkV
そうだったのか…ありがとうよくわかったよ…
でももう上げないでね…

318:315>>GF物語2
03/05/03 03:15 8NdlIntX
「ははん、じゃあこの『物知りゼル』様が教えてやろう!セルフィがジャンクションしてたGFの名前は、『シルヴィア』って言うんだぜ、多分!」
「え~~?なんだかシヴァの仲間っぽい名前~~」
セルフィは半信半疑のようだ。
「ゼル!嘘言ってたらスロットでどっか~ん!しちゃうからねっ」
「・・・いや、おそらく本当だ」
スコールはゼルの話に興味を持ったらしい。
海洋探査人工島のこともそうだった。少なくとも、ゼルは面白半分に知ったかぶりをする人間ではない。
「さっすが班長!ところで、雪女の話は知ってるよなぁ?」
「いいから続きを話せよ」
除々に苛立つスコール。
手にしたコーヒーの紙コップは、もう冷たくなっていた。
「これを話さないことには始まらないんだ、セルフィは分かるか?」
セルフィは椅子をガタガタさせながら、
「うん!知ってるよぉ~、昔話だよねっ」

319:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/05/03 03:23 ro0w4lz5
36 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ 投稿日:03/05/03 02:39 ID:15Ot5yDe
同人女はこの板から出て行け

129 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ 投稿日:03/05/03 02:39 ID:15Ot5yDe
同人女の巣窟晒しage

373 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ 投稿日:03/05/03 02:48 ID:15Ot5yDe
同人女age

343 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ 投稿日:03/05/03 02:54 ID:15Ot5yDe
キャラに恋って本気で言ってんの?

頭大丈夫?

845 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ 投稿日:03/05/03 03:06 ID:15Ot5yDe
同人女晒しage

110 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ 投稿日:03/05/03 03:08 ID:15Ot5yDe
同人女晒しage

342 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ 投稿日:03/05/03 03:08 ID:15Ot5yDe
同人女晒しage                            

171 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ 投稿日:03/05/03 03:14 ID:15Ot5yDe
同人女晒しage


320:315>>GF物語3
03/05/03 03:30 8NdlIntX
「えっとお~、雪女に助けてもらった旅人が、雪女のことばらしちゃうんだよね。約束したのに~~っ!」
「あぁ・・・俺も聞いたことあるな。最後は氷漬けにされるんだろ」
「二人とも正解。じつは雪女の話は、ある実話が元になってるんだぜ」
スコールとセルフィは一瞬背筋がぞくっとした。
まませんせいがしてくれた話で、一番恐ろしかった話を思い出してしまったからだ。
自業自得が教訓の恐ろしい昔話。
その実話とは、一体何なのだろう?

ゼルはゆっくり話し始めた。
「元は氷の女王伝説って言うんだ。・・・・・・・・・・


321:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/05/03 03:38 vSZhSIhU
ノアだけがガチ

322:315>>GF物語4
03/05/03 03:43 8NdlIntX
・・・・・・・で、その女王の名前がシヴァ。
氷の女王なのに、人間と恋に落ちちゃうんだよ。
月の涙によって破壊されたと言われる、トラビアの古代王国の王様とな。うん。
ここからは、雪女の話と同様。
シヴァは自分のことを打ち明けて、永遠の愛を誓うために約束をするんだ。
ま、結局は『絶対に誰にも言わない』とか言っときながら、酒の席で豪語するんだよ。
『俺の后は氷の女王・シヴァだ!』ってな」

「そ、それでどうなっちゃったの~~!!」
楽しそうに語るゼルと、焦るセルフィ。
そして、新しいコーヒーを飲みながら黙って聞くスコール。




323:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/05/03 03:45 TZPWMrXo
315>>GF物語さん
8もの書いてくれたの嬉しいけど
sage進行でよろしくお願いします。

324:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/05/03 03:46 vSZhSIhU
シヴァ遼太郎



つまんね

325:315>>GF物語5
03/05/03 04:02 8NdlIntX
「その夜、国王の枕元にシヴァが現れた。
そして約束どおりに国王を氷漬けにして殺しちまったんだ。
ところが・・・数日後に、シヴァの妊娠が発覚したんだよな」

「かわいそう・・・」
「確かに、むごい結果だな・・・」
自分たちが普段何も知らずにジャンクションしているGFの過去を知り、ショックを受けるのも当然である。
スコールはGFを道具のように使っていた自分を恥じた。
「ゼル、もしかして『シルヴィア』がその赤ちゃんとかかなぁ~?」
ゼルはうなずいて見せた。
「そうそう!そうなんだよ~。でもこの話まだ続くんだぜ。
国王・・・シルヴィアの父親を殺したシヴァはとても後悔して、親子でGFになったらしいんだが・・・
この辺がよく分かんねぇんだ。
どうやってGFに変化したんだぁ??
まぁ、俺が考えても分かんねぇよな!」




326:315
03/05/03 04:08 8NdlIntX
>>323
あ、そーなんですかぁ・・・?じゃあ続きはまたそのうち書くとすっかぁ!
それよりここ、女性向けだったのかよー・・・(ショックだ)知らなかった!


327:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/05/03 09:03 Nnqc/+xg
>326
sageは、メール欄に sage と入れてください。
女性向けとか言ってるのは煽りなのでスルーで。

328:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/05/03 22:59 jJQMu/se
長期休みになると荒れるなぁ…。
場違い小説さん、もしここ見てたら消息を教えてやって下さい。

329:R@no-name
03/05/04 03:06 v0m7Glch
るるる~♪やまーなし~♪
スレの秩序を乱すモノには天に代わってもれなく
(,,,・Д・)ぃぇぁ
 ****
>>249

 シヴァはガラスの鈴を転がすような声で言った。
 リノアと出会ってから、来月で四ヶ月になろうとしていた。
 始まりは些細な出会いだったと思う。
 決して、雷に打たれたかの如き衝撃的でドラマティックなスタートではなかったはずだ。
 最初は気の会う友人で、それから隣り合った氷が解けて一つの水溜りになっていくように、二人
の関係は密度を増していった。
「彼女とは何処まで進んだの?」
 最初のキスを渡したのは先々月だ。
 電話があったのは、昨日、五回目のキスを送った夜の後だった。
「……キスと、夕食と、アクセサリーのプレゼント。それだけだ」

330:R@no-name
03/05/04 03:08 v0m7Glch
 サイファーは、無意識に自分の前髪を掴んでいた。
「その先は……俺はまだその気にはなれそうにない」
「まだ不安なの?」
「わからねえよ」
 リノアの方が、互いの関係を狭めるのに熱心だった。無頓着とも思えるほど大っぴらにモーション
をかけてくる度に、サイファーは、心臓が焼け焦げる思いをしてきた。
「どう答えてやればいいのか、俺にはまだわからねえ」
 欲求だけなら煮詰めてジャムに出来るくらい有り余っていたが、それをリノアの前で見せること
だけは避けてきた。
「じゃあ……さ、私で練習してみない?」
 不意に、シヴァの手が肩に触れた。
「な!?」
 返答を考える間もなく、青白い彫像を思わせる肢体が、サイファーを仰向けにして跨いでいた。
 不敵というべきか、無邪気とも感じられる笑みをたたえながら、サイファーの胸に手を着き顔を
見下ろしていた。
 丁度、二つの膨らみが腕に挟まれ、谷間を強調する格好になっていた。
「シヴァ!?」
「大丈夫よ、サイファー」
 何が大丈夫だ、と言いかけたところで、口を塞がれてしまった。
 リノアとのキスより、何倍もこそばゆい感触がした。
 感覚を共有しているせいだろうか。シヴァの分も同時に感じている気がした。
「私も貴方が好きなんだから」
 シヴァの唇には、冷気ではなく、ほのかな微熱が含まれていた。

 ****
続きはピンク板に移動予定でつ~
(おぬうど描写&一緒にお風呂くらいならここでもおけ?)

331:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/05/04 12:59 bfESJHrY
R@no-nameさんの新作キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!
(・∀・)イイ!!です♪続き楽しみ♪

>328さん
私も場違いさんのファンなので消息が気に成増。
このスレにも最初見えたみたいだけど・・・
どうされてるのかなぁ


332:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/05/04 16:58 1/XwA648
職人さん方、気にせずガンガッテ

333:砂漠の王と風の覇者44
03/05/04 23:22 p17OpiaK
 なぜそんなことを聞いたのだろう? と思う。
 確かにあの時、リルムは無謀にも飛空艇から炎の中に飛び込んだ。
 “エドガーを助けるため”に。
 それが無茶な行為だと、自分でも分かってた。だけど、それでも助けたかった。
 “絶対に死んで欲しくなかった”から。
 ―じゃあ、エドガーは?
「エドガーは、あたしが死んだらどう思うんだよ? あたしは……」
 そうか。
 エドガーに死んで欲しくない。あの時そう思ったんだ。
 仲間として、それ以上に大切な存在として。
「あたしは……エドガーがいなくなるよりは、良いと思っ……」
 口にしかけた言葉が最後まで語られる事はなかった。リルムは頬に触れた温も
りと、芳しい香油の香りに気付いて目を見開いた。
「エド……?!」
「今の私に、彼を裁く権利など無いのだ」
 片膝をつきリルムの肩を抱き寄せながら、エドガーは小さく呟く。
「どうし……て」
 抵抗することも忘れ、リルムはエドガーに身を預けたままで問う。
「私は平和を願いながら、ケフカや帝国と同じ道を歩もうとしていた……」
 それはエドガーしか知ることの無い真実。
 これまで誰にも明かされる事のなかった真実を、ゆっくりと語りはじめた。

334:ドリル装備の名無し ◆Lv.1/MrrYw
03/05/04 23:40 p17OpiaK
いやぁ、一人6ネタで突っ走ってるもんでスンマセン。
烏滸がましくも、下手の横好きで文章書いたりしてる身として言わせて頂けるなら、
単なる記号の羅列に過ぎない文字に、色々な物を込めるという作業は相当難しいと思います。
それから、個人的にコストパフォーマンス良いと思いますよ、このスレ。(相当端折ってマジレス)

>>309
カップリングより親子ネタの方が好きなので、漏れはそういう作品を是が非でも読みたい!
正直に言うと、17歳差のエドリルで萌える理由はそう言う面にもありますが。(w
一度メモ帳にネタを箇条書きして、整形していくと結構(・∀・)イイ!物が書けると思います。
(SSって、アイディア・見せ方の要素がそれぞれ半々だと思うんです。)
挑戦してみて損はないと思いますし、5ネタを書けない漏れとしては読んでみたいです。期待sage。

>>GF物語
8ネタでGF視点の話をはじめて見たので面白かったです。6の幻獣は“神によって作られた”
という設定が作中で出てくるのですが、8のG.Fはどういう存在だったのか? というのを掘り
下げている様な話なので興味深く拝見させていただきました。できれば続きもあると嬉しいですが…。

>>330-331
シヴァ姐さん素敵です!(w あの問題児サイファーを手懐ける(違)とはさすが氷の女王。
でもすいません、シヴァって人身大でしたけ?(なんかやたら大きいというイメージがあるの
ですが。…あれは10か?)
表現がやんわりしてる物なら、この板でもOKなのではないかと呟いてみるテスト。
(どの辺が「やんわり」なのかは分かりませんが。w)

335:R@no-name
03/05/05 02:17 XuNvVga6
>334
伸 縮 自 在 ですが何か<ガッ
そもそも実体ないし、決まったサイズから変更不能だったらダンジョンの
小部屋で激しく頭上注意の予感なわけで(慌)

非戦闘時はサイファーとタメはるくらいか、-10cmくらい大きさで部屋を
ふわふわしてる(ラ○タンですか……)と考えていただきたいでつ>身長

続き出せるかなーいいのかなー(;´Д`)

336:姐 ◆ane/8MtRLQ
03/05/05 18:44 BOoDDslw
>>335
微妙ですね(汗
安全策を取るとしたらおぬうど辺りからピンク?とも思うのですが、
エロくないシーンをピンク鯖に書くとピンク鯖の中の人から怒られるという罠。
上の方にアーリュの結構きわどい作品があったのでそれ辺りと比べて見ては
いかがでしょうか?

>>333
6ネタは少ないと思うので今後も是非がんがっていただきたいなあと
私としては思っております。
(もちろんドリルさんが書きたいと思っているのが前提ですけれど)

>>305
はうっ。見られてましたか。
でも私もけっこう白さんやドリルさんの生うP目撃してますよw
「コックさんは見た!」タイトルの時点で禿藁でした。

>>302
白さんといい、とうとうシグネに「たん」が…。
一応萌えキャラとして書けてると思っていいんでしょうか。
(そういえば「お兄ちゃん」連発してるし…)
次作、期待してます。

337:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/05/05 21:57 6CY+Kj7f
午前最後の授業は、実習授業のため作業服を着ていたので、制服に着替え直したりしていたら
食堂に着くのが少し遅れてしまった。
「ごめんね、遅くなっちゃった」
私はアリスの後ろ姿を見つけて駆け寄った。
アリスは私のかけた声に気付かないようで、食堂の入口辺りをじっと見ていた。
私は不思議に思ってその視線を追うと、その先ではふわふわの金髪が揺れていた。
ゼルさんだった。
よく見ると、アリスはパンの袋を抱えている。
「……どうしたの?」
私がもう一度声をかけるとアリスはびっくりしたように振り向いた。
「シグ。お疲れ様」
アリスは一生懸命笑おうとしていたみたいだけどがっかり、という表情が拭えなかった。
「はい。ひとつあげる」
アリスは私にパンの袋を手渡した。
「え?いいの?」
私はびっくりして聞き返した。
「うん。今日はたまたま早く授業が終わったから二つ買えたの」
私はこっそりアリスがさっき見ていた方を見た。
「え?パン売り切れ?……じゃあ、チキンヌードル大盛で」
ゼルさんはパンが買えなかったみたいで、違う物を頼んだみたいだった。
もしかしたらアリスはこれ、ゼルさんにあげたかったんじゃないかな、と思ったけど何も言わない事にした。
だってそういうのは本人が話したい時に聞いてあげればいい事だと思うから。
せっかくなので私はフィッシュ&チップスのバスケットと飲み物を買ってきてアリスと分けた。

338:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/05/05 21:58 6CY+Kj7f
パンは取合いになるのがわかる、おいしいパンだった。
「最近、有名店のパン職人だった人が調理場に入ったらしいの」というのがアリスの聞いた話らしい。
午前の授業の感想を話したりしているうちに昼休みは終わった。
今日の午後は必須ばかりなのでずっと教室で授業を受けた。
一通りの授業が終わり、私は実習授業の方で先輩の作業を手伝う約束をしていたしアリスは図書委員の
仕事をしながらレポートの準備をするのでそこで別れ別れになった。
晩御飯は一応時間を決めておいて落ち合えたら一緒に食べるという事にしておいた。

実習の教室に作業服に着替えてから戻ると先輩たちが午前に私が修正を手伝ったデータを元に
作業にかかっていた。
「お帰りシグネ。待ってたよ~」
このクラスでは一番手先が器用だというセーラ先輩は細い筒を磨く手を休めず私に声をかけた。
現在このクラスが手がけているのはガーデンで標準モデルとして採用している拳銃を軽量化し、
尚且つ弾の飛距離と命中精度を上げる事だった。
一番手っ取り早いのは口径を小さくする事だけどシュミレーションで上手く行っても実際それを作るとなると大問題だ。
基本的にこの教室は手作りでやっているし、出来上がった物がガーデンの審査でパスしてもあまり繊細な設計だと
量産するのにコストがかかる。
「正直、ここにいるとマーケティングの方に詳しくなれるわよ」
サラ先輩は弾の原型を作るのに取り掛かっている。実はこの先輩はSeeD資格を持っている。
ミッションを受けると新しい武器を持って行ってテストする事が多いらしい。
私は溜まった設計図を入力するのに追われた。
後4人いる男子の先輩たちは仮眠をしに寮に戻ったらしい。

339:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/05/05 21:58 6CY+Kj7f
「あいつら夜型なんだよね」
セーラ先輩は次の筒に取り掛かった。
私はデータを演算にかけている時間を利用して先輩にお茶を入れた。
コーヒーばっかりだと胃に悪いので部屋からアリスにも出したのと同じお茶を取ってきてそれを入れた。
「あ~、なんか頭がすっきりする」
セーラ先輩が気持ちよさそうに伸びをする。
「これ、ティンバーのお茶でしょ?珍しいわね」
サラ先輩はさすがに色んな所に行くので詳しいみたいだった。
「肌にいいのよね、これ」
サラ先輩の一言でセーラ先輩が目を輝かせる。
「ホント?シグネ、余分持ってたら分けてくれない?ちゃんとお金払って買うから」
「友達のお母さんが作って送ってくれたお茶だから、お金はいいですよ」
「あのね、シグネ。礼儀正しいのはいいんだけどあたし、あんたと同い年だから敬語やめてくれる?」
先輩、もといセーラが困ったように言った。
「同い年?」
「そうだよ。図書委員のアリシアと同い年でしょ?あたしも」
ガーデンでは年齢毎のクラス分けじゃないのでこういうところがやっかいだった。
「以前は年齢別のクラスだったんだけどね。数年前に専門毎のクラス編成になったのよ」
サラ先輩が笑った。
「あの……サラ…は?」
どっちにしろ先輩と言うなと言われたので私はおそるおそる尋ねた。
「18歳よ。まあ、そんなに気にしなくていいから」
私がここのクラスに慣れるまで、もう少しかかりそうだった。

340:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/05/05 21:58 6CY+Kj7f
設計図の内容をチェックするとソフトをバージョンアップさせてからの方がよさそうなので
残りは来週にやる事にして私は食堂に向かった。
アリスとの約束の時間には少し遅かったけれど、アリスはお茶を飲んで待ってくれていた。
「お疲れ様、シグ」
アリスは私に気付いて手元の雑誌を閉じた。
「何食べるか決めた?」
アリスの質問に私は首を振る。
「クラムチャウダーの方がおすすめよ。今日のはトマト味のほうだったから」
夕食には少し早いじかんだったせいもあってさほど待たずにアリスのお勧めのメニューを買うことができた。
席に戻ってご飯を食べ終わるとアリスが雑誌りページを広げた。
「ね、シグはどっちの方がいいと思う?」
アリスの広げた雑誌には薄いピンクとラベンダー色のドレスを着たモデルがにっこり微笑んでいた。
「私だったらピンクが好きなんだけど、アリスが着るなら、こっちかな」
薄い生地を何枚か重ねたドレスの裾が柔らかくウエーブしているデザインで、アリスに似合いそうだった。
「そう思う?デザインは好きなんだけど色がちょっと私には大人っぽいかなぁって思うんだけど」
「そんな事ないよ。これ写真だし多分実物はもっと明るい感じだと思う」
アリスはうーん、と腕を組んで悩んでいる。
「パーティーにでも出るの?」
私の言葉にアリスはびっくりしたように雑誌から顔を上げた。
「教えてあげてなかった?もうすぐSeeD試験があるのよ。その後の就任パーティー」
「あ」

341:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/05/05 22:01 6CY+Kj7f
自分には関係ない話だと思っていたのですっかり忘れていた。
バラムガーデンは毎年春季にSeeD試験を行う。
成績によってSeeD候補生クラスに入った生徒の中でさらに事前選考を通った人だけが筆記試験を受け、
その合格者はさらに実際の戦場で行われる実地試験場に派兵されて指令達成によって初めてSeeDになれる。
そしてその試験の後は新任のSeeDのお披露目を兼ねてパーティーが催される。
SeeDが死亡したりした場合に実地試験での不合格者の中から再試験で追加合格させる事もあるけれど
その時は学園長室から認証式があるくらいだ。
ガーデン生にとって年に1回の一大イベントである事には違いない。
「私達の学年からは全員パーティー会場に入場できるのよ」
アリスはうっとりとした顔をしている。
SeeD就任パーティーはダンスパーティー形式で行われる。会場の収容人数の関係からSeeD受験可能年齢である
15歳はSeeD候補生のみ、16歳からようやく一般クラスの生徒も参加できるらしい。
「校内の男女比率の関係もあるから、女子はなるべく出席するよう言われるわよ」
アリスはそう言うと真剣にドレスの写真を見つめている。
「入学祝に服って、そういう事かぁ……」
実は今週の週末、私はバラムの家にお兄ちゃんと帰る事にしている。
お兄ちゃんがガーデン入学祝いに服を買ってやるなんていうからどういう事かと思っていたら、たぶんこれのせいなんだろう。
「シグネはどんなの着るの?」
アリスが目を輝かせる。
「ぜんぜん。だってたぶんこれから買うんだもん」
週末の予定をアリスに説明した。
「じゃあ、同じ日に私もバラムに行くからもしかしたら会うかもね」
「アリス、どうやって行くの?」
「バスよ。私車持ってないから」
「じゃあ、私と一緒に行かない?」
「でも、お兄さんの車でしょ?悪いわ」
「全然。私もアリスの服見たいし。それで家にも来ない?たぶんお母さんがケーキ死ぬほど用意してるから」
私としてはできればアリスにも一緒に来てもらいたかった。
お兄ちゃん同伴でドレス選びなんて恥ずかしすぎる。
「本当に、いいの?」
「うん」
アリスとの約束を取り付けて私はうきうきしながら週末を待った。

342:姐 ◆ane/8MtRLQ
03/05/05 22:04 6CY+Kj7f
本日は以上です。
とうとうストック全部使ってしまった…。
次回辺りから皆さん御存知のキャラがでてくると思いますので
もうちょっとだけお待ち下さい。

343:砂漠の王と風の覇者45
03/05/06 00:44 galVtqm0
「彼の本当の目的は、私の命でもこの城でもなかったんだ……。その証拠に」
 言いながら視線を上げて、倒壊した塔に向ける。
 そして、焼け落ちた王の間の上にある隠し部屋に、エドガーが密かに開発を
進めていた『機械』の設計図が置かれていた事を明かした。
 帝国の支配。世界の崩壊。ケフカの暴走―悲劇を二度と繰り返さない為に
―そして何より、そこから立ち直る為に作ろうとした物だ。
「しかし……それが『兵器』となり得る力を秘めている。その事に彼は気付いた」
 それでは力を求め、幻獣達を蹂躙し魔導を利用した揚げ句、力そのものに取り
込まれ、その傀儡となってしまった帝国やケフカの過ちを繰り返そうとしているだけだ。
 だから抑止力として必要になる時が必ず来る、彼はそう主張し続けた。
「そして―」
 結局彼は、最後まで自分の主張を曲げることはなかった。大量の瓦礫を残して
図面を道連れに死を選んだ。
 そうすることでエドガーに託したのだ、この国と世界の未来を。
「私が間違っているのかも知れない。彼の言っていた事は決して外れてはいない。
けれど」
「……エドガー……」
 こんな風に胸の内をさらけ出すエドガーの姿を、初めて見たような気がする。
普段の自信に満ちた彼からは想像も出来ないほど、実際には相当の重圧の中に立
たされていた事を知る。
 国と、世界と、仲間を守るために生きている男なのだと。
「けれど私は……」
「もういいよ」
 堪えきれないと言った様子で短くリルムが告げる。
「何も言わなくていいから」
 言葉と同じようにゆっくりと、拙い動作でエドガーの背に腕を回しながら。
「……あたしが守ってやるよ」
 宣言したのだった。
 魔導が失われたこの世界で、以前のように戦う力はないけれど。
「ね?」
 彼を失いたくない。その想いだけははっきりと分かったから。
 抱き寄せられた身体を離して、自らの宣誓を確かめるようにエドガーの顔を見つめ直す。


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