03/04/16 10:55 ryPK7LTi
>>191
セッツァーカコ(・∀・)イイ!
194:姐 ◆ane/8MtRLQ
03/04/16 10:56 ryPK7LTi
きゃーっっっあげてしまった!!!
ごめんなさーーーーい!!
195:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/16 12:24 Dl6lN30G
ラトーム様が、ココでのハァハァ描写に関して書かれてまつね。
URLリンク(yotsuba.saiin.net)
プ…プロジェクトX!冴え渡った、スリリングな見せ場の直後にそんな…。
モニターに吹いてしまいました。。。御免なさいです~(汗
フィガロ兄弟もセッツァーも素敵であります!
わーい姐さまだvドンマイですー。
それとコレとは丸っきり無関係ですが…。
>>121さんのおっしゃるベイオウーフ×レーゼなら
「ハートを盗む」ベイオウーフや
「調教アビリティ使用」しるレーゼが居るのでしょうか?イネーヨ
196:砂漠の王と風の覇者32
03/04/16 23:42 qTDXGzlr
「無茶だ!!」
叫んだのは塔にいたエドガーだった。
「兄貴! 飛び降りろ」
高度を下げ、速度を上げたせいでマッシュの掴まっていた碇が振り子のように
大きく揺れる。不安定な体勢だったが、それでも兄を受け止める自信はあった。
もっとも、自信はあっても確証は無かったが。
「しかしこのままでは……」
飛空艇が城に直撃しかねない。と口に出そうとしたが、そんな状況ではなかった。
「エドガー!」
飛空艇の甲板から身を乗り出して、リルムは声の限り叫ぶ。
「……早くしろ、時間がない!」
皆の声に後押しされるように、エドガーはマッシュの目の前で塔から飛び降りた。
次の瞬間、紅い炎の海の中に蒼いマントが翻る。
「兄貴!」
宙に舞う兄に手を差し出した直後だった。全身に叩きつけるような爆風が襲いかかる。
塔の中層部で起きた爆発が誘爆を起こし、塔全体を巻き込む大爆発となった結果だった。
刹那、二人は炎と爆風に阻まれて互いの姿を見失っていた。
「畜生! 舵が……っ!」
いくらなんでも強烈な爆風を真正面と直下からまともに浴びて、航行を維持でき
る筈がなかった。それでもセッツァーは操縦桿を離そうとはしない。
197:砂漠の王と風の覇者34
03/04/16 23:43 qTDXGzlr
どんなにしても飛空艇は爆風に押し戻されるだけで、塔から離れる一方だった。
それは舵に掴まっていたマッシュも同じで、むしろ彼よりも碇の方がもろに風の
煽りを受け押し戻されていく。
「くっそー!」
連続して起きる爆音と、それに伴って崩れ落ちる城壁の轟音が幾重にも重なり、
轟き渡る騒音の中で、彼女の決意を秘めた声が二人の男の耳に届いた。
「私、行く!」
「あぁ?!」
凄まじい振動と叩きつける熱風の中、リルムは意を決したように手すりに足を
かけて声をあげた。
「リルム!」
「大丈夫、必ず助け出してみせる!」
自信に満ちた言葉とは裏腹に、どう考えても無策としか言い様がない。
「何言ってんだ! 無茶だ戻れ!!」
「だからって、このまま見捨てる訳にはいかないじゃんか!」
それだけ言い捨てると、リルムは飛空艇から炎の中へ身を投げ出した。
「リルムー!!」
ゆっくりと炎の海に消えていく小さな少女の姿を追おうと、舵を取り直した瞬間、
遂に飛空艇の尾翼に火の手が及んだ。
「しまっ……!」
セッツァーの発した声と同じように、飛空艇ファルコンは立ち上る黒煙の中で
失速した。
198:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/16 23:51 qTDXGzlr
番号振り間違えましたスマソ。>>197は「33」です…。そして、このシーンをご覧になって
「どこかで見たかも!?」と思った方、このレスのメール欄参照です。
いやぁ、あそこをフィガロ城に、あの主人公をリルムに置き換えて妄想していたのは
漏れだけ……でつね、はい。(´・ω・`)
>>193
あ、ありがとうございます……!
実は某所に投下させていただいたSSも、セッツァー萌えが前面におs(略。
し、修行してきます…。
>>195
「プロジェクトX」に笑って貰えて、本気でもの凄く嬉しいです。(こういう書き方で笑いを取るな!)
そして参考リンク、ありがとうございます。これまでの経緯把握と参考にさせて頂きます。。。
か~え~る~の~大っ合っ唱!! なメリアドールも(・∀・)イイ!(良くない)
199:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/17 15:02 HdMzKLKx
リルムたんの運命やいかに…!?
200:砂漠の王と風の覇者34
03/04/17 23:17 QYiusJIc
周囲を見やればオレンジの光と紅蓮の炎だけが支配する世界、その中を自分は
ゆっくりと―熱や痛みと言った感覚はまったく無いままで―落ちている。
塔から身を投げたエドガーは思いの外冷静に、落下していく自分の状況を認識
していた。
(……どうやら、あの男とはすぐに再会できそうだな)
この時ようやく、エドガーは初めて己の“死”を意識したのだった。三闘神や
古の怪物とも鉾をまみえ、ここへ至るまでに幾多の死地を脱してきた。だがそん
な中でも今ほど痛切に“死”に近づいたと感じた事は無い。
(…………)
走馬燈―とはよく言った物である。塔から落ちる僅かな時間の中で、彼の脳
裏にはこれまで29年間の思い出と、大切な者達の顔が―次々と浮かんでは消え
ていった。
もちろん、一年前ケフカを倒す為に集った仲間達の事も。
(……シャドウ……そう言えば、今日は……)
瓦礫の塔から唯一戻らなかった、彼の命日だった事を思い出す。
まさかちょうど一年後に、自分も彼と同じ運命を歩む事になろうとは。そんな
風に考えると、なんとも皮肉な話だ。
こうして、死を目前にした者だけが知る弛んだ時間と静寂の中で。
『ダメだよ! 簡単にあきらめないで。エドガー……』
叱咤するリルムの声が、聞こえた気がした。
(……おかしいな。なぜリルムの……)
最期に語りかけるのは、てっきり弟―意識の中に一番強く残る者の姿―が、
現れるのだとばかり思っていたのに。
あるいは、それがリルムだったのだろうか?
「そうだな……もう一度生まれ変われたのなら、その時に口説くのも悪くない」
観念したように呟いた。
身体から徐々に力が抜けていく。頭を地上に向けて落下を続けるエドガーの意
識が、この世界から放たれるのはもうすぐだ。最後の最期まで、彼らしい笑顔を
浮かべながら、その時を待つかのように静かに瞼を閉じたのだった。
201:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/17 23:46 QYiusJIc
>>199
申し訳ないです…。そして、どうもありがとう。
本当にスマソ。
202:白 ◆KEY/rAMfMQ
03/04/18 20:30 1lQiHQVF
ダレモイナイ…(゚Д゚ ≡ ゚д゚)ベイオウ-フ×レ-ゼ貼るなら今の内…。
冥き迷宮の深奥へ。玲瓏たる光が広がる。
身肉を削がれ、命を奪われた者達が
クリスタルへと変貌し、炯々と輝くのだ。
「あああ!ポーキーが塵地螺鈿飾剣、掘り当てちゃった!」
「なんだってぇ!待ってろ。今ポーキーの足留めしちゃる!」
賑やかな一団は、これから最終決戦!と云う状態のラムザ達。
ふと。
「忍者の投げるレア武器が欲しいなv」
などと思ったばかりに、ディープダンジョンの住人と化しているのである。
「う、麗しいよ…レ-ゼ(;´Д`)ハァハァ 」
レ-ゼの柔らかな、亜麻色の~長い髪を~風が優しくt(ry
もとい。優しい黄金の髪が、踊る毎に風と戯れる。
妖艶にして優美な踊子姿。
とは言え天麩羅ナイトさん、戦闘中ハァハァしるのってどうよ。
と、天冥士も聖騎士も機工士も思ったが。
ベイオウ-フにチキンにされるのは嫌なので、とりあえず沈黙が支配する。
「う…!」
忍者の投げた銘刀正宗が、白魔導士姿の異邦人剣士の額に刺さった。
「やった!キャッチしたぞ!増やそう!!」
「だ、大丈夫か?クラウド…(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル」
「テンプルナイトが怯えるんじゃありません!」
調教かハートを盗まれたのか。
ベイオウ-フは、今日も若干嬉し気に。
漸く再会出来た恋人、レ-ゼの尻に敷かれている様だった。
203:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/18 20:30 1lQiHQVF
>>200-201
Σ(゚Д゚|||)エドガ-!凄くハラハラしつつ気になります!
なんてカコ良い文章だろう…!映画のようであります。
職人様のお陰で、毎日このスレを覗くのが楽しみです。
どうか御無理はなさらず、マターリお続けくださいませ。
そしてスレ汚しゴメソ。
204:姐 ◆ane/8MtRLQ
03/04/18 20:35 JxkfK0Rz
>>202
2ちゃん風いいまわしで~の
205:姐 ◆ane/8MtRLQ
03/04/18 20:42 0kWkdNjq
>>202
途中で送ってしまった…
「2ちゃん風いい回し~」でのスレを思い出しますね(笑
すごい面白いです。
>>200
た…大変な事に。ハラハラ(・∀・;)
生活板のオカンアートスレに誤爆までしちゃった…。
もうだめぽ。
206:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/18 20:48 R7EkSzNa
良スレハケーン。
207:砂漠の王と風の覇者35
03/04/19 00:07 5PJq6VHe
一方、飛空艇から炎の中に身を投じたリルムは、ゆっくり宙を舞いながら汽笛
の音を聞いていた。
「魔列車……!?」
視界に入る光景はどこも黒煙が立ちこめ、その隙間をときどき地上から吹き付
けるオレンジ色の火の粉と熱風が横切るだけで、他には何も見えない。地獄絵図
とはまさにこんな物なのだろうと言うただ中で、微かではあるが耳に届く汽笛の
音に。思い当たったその名を、リルムは口にしたのだった。
『魔列車』―命尽きた人々の魂を運ぶというその列車の話を、以前マッシュ
とカイエンから聞いたことがあった。
しかし、まさか自分がその姿を垣間見る事になろうとは。
―『まったく世話の焼ける奴らだ。』
「!?」
どこからともなく響く、聞き覚えのある声。
―『またお前は、火の中に飛び込んだのか?』
「……この声……」
―『今助けてやる。だが、これが本当に最後だ。』
落下を続ける身体が、瞬間ぴたりと止まる。まるで誰かに抱き留められた様に。
「シ……」
彼の名を呼ぼうとするリルムを阻むように、その声は告げた。
―『脱出するぞ。』
2年前のサマサ。炎に包まれた家屋と重なる記憶。
「イヤだ! お願い待って!! 私だけ助かる訳にはいか……っ」
―『…………。』
リルムの声が虚しく霧散し、やがて視界から炎は一気に姿を消したのだった。
彼が告げた、最後の言葉と共に。
208:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/19 00:35 5PJq6VHe
ざっと読み返したら誤字脱字文章不備+同じ表現の多用に気付いて…
・゚・(ノД`)・゚・ゴメンナサイ 長文駄文にお付き合い下さっている皆様、どうもありがとうございます。
>>202
ベイオウーフとレーゼ(・∀・)イイ! 漏れ個人的には
幻想的な雰囲気さえ感じさせる最初の三行から、ディープダンジョン内で(;´Д`)ハァハァしてる
ベイオウーフ。という落とし方がやっぱりツボです。(w
(「増やそう!」とか、プレイヤー視点に恐ろしくリアルで、そこが更に笑えたり…w)
この勢いで“人の持ち物を破壊する剣士メリアドール”ネタもリクエストしたい程に…!(煩)
関係ないですが、ゲストキャラもジョブチェンジ時に衣装変わっていたらそりゃ萌えt(略。
重ね重ね、お気遣い有り難うございます。いつか職人と呼ばれるに相応しい物を書ける様に
なりたいでつ、はい。
>>205
誤爆も2ちゃんの醍醐味ということでドンマイです!
寧ろ、そうまでして感想を書き込もうという姐さんの姿勢に萌えたりしますた。(違)
209:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/19 00:48 5PJq6VHe
連投スマソですが、漏れのリクエストネタを書き逃げしてみるテスト。
・人の装備品を破壊して歩く為、「裏で武器商人と連んでるんじゃないか?」
と、疑惑の視線を一手に浴びるメリアドール。(FFT)
・そのほっかむりの下は、実はアフロヘアなんじゃないか? と、
またも疑惑の視線を浴びるメリアドール。(FFT)
・レーゼのブレス攻撃は恐いので間近で見たくない。と、密かに思うムスタディオ。(FFT)
・できればキスティスの「臭い息」も見たくない。と、密かに思うスコール。(FF8)
・ケット・シーの後ろについてるチャックを開いて、中を覗きたいと常々思っている
ハイウインド搭乗員。(FF7)
…ダメですか? …ダメですね。(カップルのネタではないという罠)
210:砂漠の王と風の覇者36
03/04/19 20:24 LTTK2bOj
あたたかい何かに包まれているような感覚が全身を支配する。懐かしいような、
例え難いその感覚はとても心地よく、エドガーは黙ってそれに身を委ねていた。
しかし一つだけ思い当たる節がる。今は失われた魔法“アレイズ”。
三闘神と幻獣が姿を消してしまったこの世界で、それはあり得ない。
とはいえ、その感覚にとても良く似た心地だった。
『……生命を司る精霊よ、目の前で失われゆく魂に、今一度生命を与えたまえ』
神々しい声と共に光が降り注ぐ。同時にエドガーの身体に戻り始める意識―
小さな痛み、手に触れる砂の感触、風の臭い―まるでその声に導かれる様にし
て、ゆっくりと瞼を開いた。
「リ……ルム?」
「エドガー!!」
ぼんやりとした視界に映った少女の顔。はっきりと姿は見えなくても、それがリ
ルムだと何故かすぐに分かった。エドガーが彼女の名を口にすると、返って来た
のは、まだあどけなさの残る声。
僅かに掠れたその声音は、溢れんばかりの喜びを含んでエドガーの名を紡ぐ。
「……泣いて、いるのか?」
エドガーは確かめるようにリルムの頬にそっと触れた。その手の上に、あたた
かい滴がぶつかる。
「ちが……」
「すまなかった」
否定しようとしたリルムよりも、エドガーの言葉の方が早かった―こうも素直に
謝られたら、何も言えないじゃない!―リルムは心の中で悪態をついたが、
それが言葉になる事はなかった。
「要らぬ心配をかけてしまったね。……それに、レディをこんな危険な目に遭わせて
しまうなんて」
ようやく焦点を合わせた蒼い瞳はリルムの顔を真っ直ぐに見つめる。彼女の頬に
添えられた手は、あふれ出した涙を拭う様にそっと肌をなぞる。
その動作がくすぐったいという様に―それ以上に恥ずかしさから―リルムは
エドガーの手から逃れるように顔を背けると、いつもの口振りで呟いた。
「……今さら何言ってるんだよ。忘れたの? 私だってケフカとやりあった一人なんだから!」
そんな口振りとは裏腹に、どうしてもエドガーと視線を合わせることができなかった。
211:白 ◆KEY/rAMfMQ
03/04/19 22:59 2LD2qMSW
銃が、陽光を弾く。旋回する突風が頬を斬る。
一行が気付いた時、既に敵の手中へ落ちていたのだ。
「赤チョコボキタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!!!」
丘を埋め尽くす、もうお腹一杯になる程の赤チョコボ軍団。
敵よりも速く、オルランドゥ伯が唱える。
「…CT3、トード」
殆ど全てのチョコボが蛙に変わる。…赤チョコボを除いて。
メリアド-ルの瑞々しい唇が、空に向かい、呪文を詠う。
「かーえーるーの…♪」「蛙かよ!」
巻き込まれて、ラムザが蛙になりますた。
てか、チョコボが、味方になったばかりの
…ぶっちゃけLvが低く、か弱いメリアド-ルに突進です。
「──!」
聖光爆裂破が、閃光と共に敵を散らす。
アグリアスの手の中で、蛙ラムザが震えていた。
「大丈夫ですか?ラムザ殿」
「あ、ありがとう…アグリアスさん」
聖騎士に介抱され、ラムザの頬が紅くなる。
チョコボ達はHPがた落ちの上、チキン+ストップ+ドンムブで泣きそう。
「剛剣、エルムドアに使いたかったねー」
「…メンテナンスを付けてるから、絶対源氏シリーズは盗めない筈よ」
Σ(゚Д゚|||)最近知った事実をメリアド-ルに告げられ、青ざめるラムザ。
「メリアド-ルさんの髪型って何?七色アフロ?」
「武器商人と結託して装備品を壊してるって噂だが?」
命知らずな一行の質問に
『最強Lvになったら覚えてらっしゃい…』と心に誓うメリアド-ルでした。
212:白 ◆KEY/rAMfMQ
03/04/19 22:59 2LD2qMSW
>>205
スレ違いですが。姐さま、小説連載ガンガってください!
オリキャラさんカワイイデス。
誤爆私もやりますた。。。ドンマイです!
>>210
ももも萌え!エドリルシーンキタ━━(゚∀゚)━━ !!!!!
エドガ-甦って良かったよう~!(涙
リクエストの方が絶対面白い罠。でも書いちゃいましたです。。。
私事ですが。FFTのセーブデータが見つからずウボァー(゚Д゚)してました…。
213:姐 ◆ane/8MtRLQ
03/04/19 23:49 RpmjOijo
>>212
ありがとうございます。
あのキャラ、今だかつて書いた事のないタイプなので
褒めていただいてうれしいです。
一応ゲームに出てくるキャラなんですが、背景に近い存在なので
好き放題に設定できて思いついた時ちょっとうれしかったんですよ(藁
FFTも未プレイなんですが、書き手さんのほぼ全てがラムザを書く時に
愛を注いでいるのがわかってすごいなあと思います。
しかし白さん、コメディのセンスありますね。落とし所を心得ているというか…。
>>210
エドガー…やっぱりそういうキャラでしたか。
いろんなSSのエドガーはかなりたらしっぽいのに
この作品だとたらしなのは世を忍ぶ仮の姿な感じなので???だったんですが
(つまりそれだけエドガーがカコ(・∀・)イイ!って事なんですけれど)
「本当に娘さんが好きなんだな……」とむしろ感心しますた。
萌えていただけたんですか。それは素直にうれしいです(藁)
214:砂漠の王と風の覇者37
03/04/20 23:24 d2noSDm1
「これは失礼。けれどリルムに……」
そんな彼女の姿を見ながら、すっかり意識を取り戻したエドガーは上半身を起
こすと、苦笑気味に出しかけた言葉を呑み込んだ。
「何?」
「いや、何でもないんだ。それより今のは……?」
話を逸らそうと左腕の方に視線を落としながら呟く。先ほど負ったはずの傷が
すっかり癒えている事を知る。
加えて、炎の中を落下していた自分が無傷で済むはずはないのに、なぜ?
冷静になった思考は、たちまち疑問の波にのまれた。
「助けてくれたの……あの人が」
「?」
リルムはそう言って、いつの間にか分厚い雲に覆われた空を見上げながら呟いた。
「シャドウ……炎の中から助けてくれたんだよ、また」
「そうか」
つられるようにエドガーも空を見上げると、この砂漠には珍しく低い雨雲が立ち
こめていた。
「ストラゴスさんが心配しているだろうな」
「ジジイは放っといても大丈夫よ」
「……なあリルム、ジジイはどうかと思うんだが……」
「だってジジイだもん。……あっ!」
そんなことをしているうちに、やがて大粒の水滴が降りてきた。凄まじい勢いで
地上に降り注ぐスコールは、塔の中で燻っていた炎を鎮めてくれるだろう。
しかし、二人にとっては水難以外の何物でもなかった。
「火の次は水かよ~」
「ははは。水も滴るいい女。だな」
「水なんか無くてもいい女だ!」
はっきりと断言するが、嫌味ではなく素直に聞こえるところが彼女らしさだろうか。
などと一人で考えながら。
「それじゃあ、こうするといい」
そう言ってエドガーは自らの懐へリルムの身体を引き寄せると、右手で彼女の
頭を覆い、マントを傘代わりにして雨をしのいだ。
215:砂漠の王と風の覇者38
03/04/20 23:28 d2noSDm1
「それでも、この分だとあまり変わらないかな?」
二人ともすっかりずぶ濡れだった。いまさら雨露をしのぐ努力をしても遅いとは
分かっていても、それでもエドガーの気遣いが嬉しくて、同時に照れくさかった。
「ほんと、女には優しいんだね」
まるで照れを隠すように、リルムはいつもの様に皮肉を言ってみせる。
「女性に“も”、だよ」
言いながら、エドガーは苦笑を漏らす。
「……『俺が死んだら、世界中のレディが悲しむ』んでしょ?」
一年前、瓦礫の塔へ臨む直前に飛空艇でエドガーが口にした言葉を思いだし、
リルムはその口調を真似ながら、戯けた様子で話を続ける。
「だったら……もう、あんな無茶はしないでよね」
しかしエドガーから視線を逸らすように、まっすぐ正面を向いたままで小さく
呟いた。それがリルムにとって精一杯の照れ隠しである事は、エドガーでなくと
も見抜けたかも知れない。
一瞬、何かを躊躇うように視線が宙を彷徨したエドガーだったが、やがていつ
もの柔らかな口調と笑顔をリルムに向ける。
「……そうだな……。だけどリルムを口説き落とすまでは死ねないさ」
彼女の頭上を覆っていた右手で、その髪を何度か軽く撫でながら、冗談交じり
にエドガーは言った。
「口説き落としたって死なないでよ!」
エドガーの右手を振り払い、リルムが叫ぶようにして言い放った。
「リルム……?」
突然の手を振り払われた事に、エドガーは呆然と立ち尽くす。さらに向けられ
たリルムの顔が、涙を堪えている様な悲痛な表情だった事に動揺する。
「すまなかった。……だからもう、そんな顔をしないでくれるかい?」
言葉をかけるものの、リルムは無言のまま俯いてしまう。
城内に蟠っていた黒煙は、降り注いだ雨のお陰で勢いを失い、しばらくすると
上空に広がっていた厚い雲も風に流され、辺りはいつもの明るさを取り戻しつつあった。
けれど、リルムの表情が晴れることはないままで。
216:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/20 23:51 d2noSDm1
URLリンク(members.tripod.co.jp)
↑FF6をプレイしたのは、これを見たのがそもそものキッカケでした。
このFLASH作った方、マジで凄いです。
>>211
リクエスト以上に応えてくれてありが㌧! 赤チョコボ…“フィナス河の悪夢”でつね!?
(違ったらスマソ。記憶が激しく曖昧。ついでに忍者軍団スペシャルバトルも悪夢だ…)
アグリアスの手の中で介抱されてるラムザの図が(・∀・)イイ!
源氏シリーズが盗めないと知ってショック受けるラムザネタに笑い、親近感をかんじますた。(w
うっかりセーブしてハマってるという悲惨なネタは、ゲーム中の人達視点で描くと面白そう
だよな…などと新たなネタをリクエストしてみたり。(w
>>213
エドガー、こういう人なんです。(w
普段、手当たり次第に女性に声かけているだけに、実際本命となると弱いんじゃないか?
という妄想の産物…。
でも、女性以上にフィガロを愛しているっていうキャラとして本編中で描かれていたので
漏れとしてはそこを魅力として描きたかったから、そんな感想を頂けて嬉しいです。
217:白 ◆KEY/rAMfMQ
03/04/22 18:31 4F6eCLLM
スレ削除依頼キター!(゚Д゚ ;≡ ;゚д゚)リクエストニ、オコタエスルナライマノウチ…
闇に浮かび上がる、豪奢にして堅牢たる城郭。
重厚な石壁が、全ての怨嗟を呑込む。呪わしき城に朝が訪れる。
透明な空気。明るい庭園。その中で
王妃オヴェリアの兇刃が、王の前に舞う。
「止せ!」
「皆を巻き込んで!何人の人が犠牲になったの!」(うる覚え)
覇王の拳が、華奢な王妃の手を押さえ込んだ。
ディリ-タの指が、するりと細い腋に潜り込む。
「あ…ッ!くすぐらないで…あははは!」
「やっと笑ってくれたな」
短刀が王妃の手を離れ、撩乱たる花壇に落ちる。
王妃の瞳がけぶり、痛々しく臥せった。
「笑ってる場合じゃ、無いのに…」
噴水が唸り、立続けに噴出する。古い、自動装置が作動したのだ。
広大な王城に、水の輝きが溢れる。
「私達が生き延びる為に、幾つの屍を踏んだの?」
「─それでも俺は。
お前を手に入れる為に、覇王となる道を選んだ。
王女では無い、本当のお前が欲しくて」
最低限の犠牲で済むように、皆にとって佳い邦で有るように、と王は続ける。
オヴェリアの涙が、ディリ-タの指を潤す。
218:白 ◆KEY/rAMfMQ
03/04/22 18:32 4F6eCLLM
王妃の瞳が指輪と共に光る。ディリ-タの腕の中で。
「分ってるわ。分ってる。私だってずっと、貴方に…
本当の貴方は、優しくて、雄々しくて」
でも。私達は殺め過ぎた。と王妃の懐から、小さな短刀が覗く。
止める間も無く。
王妃自身の手が、王妃の喉元を切り裂いた。
「……俺は、今迄…何の為に闘って来た?」
王の問いに答えは無く。水音だけが庭園を満たす。
それは、ラムザ達一行が倒れてる二人を発見し
「Σハッ!!わぁぁぁフェニックスの尾!」しるまでの間だけ。ではあったが。
そんなこんなのポーキーやらチョコボやら300時間分の、
トロの思い出も詰め込んだまま、そのポケットステーションは
洗濯物と共にうっかり入水(実話)するのであった。(ー人ー)ナムー
そして──
草笛の音が夕闇に溶け込む。若き剣士、ディリ-タの音色。
「今度こそ俺は、彼女とラブラブ目指すぞ!ラムザ!
だからお前も頑張れ!」
「うん、頑張っ…えええ?!」
もう一つの物語。
それは全ての人々の中に息づいている。
稀に、作り手すらも動かす、小さな力ともなるのだ。
219:白 ◆KEY/rAMfMQ
03/04/22 18:33 4F6eCLLM
スレリンク(ff板:154-155番)
スレ削除依頼悲しいです。…ここマターリしてて大好きなのに…。以前
FF・ドラクエの名せりふを敬語に直してみるスレ
URLリンク(dat2ch04.free-city.net)
がdat落ちした時「 FFDQの文章で遊べる、小説有りのスレあっても良いな」
と思ったのですが。それなら何処のスレに行っても
ネタとして書き込めるので、止めた事がありますた。
>>213
ニーダ大好きです。さり気なくX-2にも居たそうですが。彼が操縦席で言った
「ガーデンの何とか(盆踊り?)大会で優勝」で爆笑した思い出が。
FF8はエンディングも含めて萌えです!コメディと言って頂けて嬉しいです。
実は、シノプスと落描き漫画しか…書いた事ないのでありまする。
文章力どっかに落ちてねぇが~。ネーヨ
>>216
マントが素敵ですね。ああリルムタン泣かないで…。何時も乙華麗様です。
さんぴん茶…もとい新茶ドゾーです。(・∀・)⊃宣
FLASH綺麗ですね。ヤバい…FF6禿げ如くプレイしたくなりますた。
220:R@no-name
03/04/22 22:21 l/ZNXEmP
念のためログゲッチュしときますた
どうしようこの不発弾(サイシヴァ)……
221:ドリル装備の名無し ◆Lv.1/MrrYw
03/04/22 23:31 F7edzxsl
エドリル(と、それを取り巻く諸々の)SSを投稿させて頂いていた者です。
念のためこんな名前にしてみました。(w
削除自体は削除人さんに委ねます。[FFカップルのエロ小説が読みたい]って
スレタイは確かにルールに抵触していると言われれば、それまででしょうし。
内容は別でもタイトルが利用者に誤解を与えると言う見解なら、ごもっともです。
(元々廃スレ利用の意図で書き込んでいたので。w)
もし削除されたなら、その時は[FFマイナーカップルの小説とかが読みたい]って
タイトルでおながいします。(w
そしたら漏れも、まだHDDに残ってる分(カイエンローラ@FF6やエルミナリーブ@FF7)
を投下したりしなかったり…(迷惑極まりない)。
>>219
漏れはこういうスレが無かったから、全シリーズ・ジャンルが混在するという感じで
凄く好きだった。自分が投下したSSが駄文な事だけが心残りだが。(w
文章で遊べる小説ありのスレ、まさにそんな感じです。(w
それにしても、あの虚脱感に満ちたEDがこんなに印象変わるとは思わず、驚きです。
文章力(…って、漏れが言える程じゃないですが。泣)、素敵な物を持っていると思います。
漏れ個人的には、特に言葉の選定が好きなんですが。
(2ch語を登場させず、そのまま行けばシリアスでも充分いけると思うのです…)
>>220
それはサイファーとシヴァの省略だと受け取ってよろしいんでしょうか?
ならば是非拝見したいのですが…。(シヴァってあのシヴァですよね…?)
222:白 ◆KEY/rAMfMQ
03/04/23 20:14 Lw/yD4pW
某ヴィンセントスレのSS、い、色っぽい…!(*´Д`)ハァハァ
…でもあの描写で「不健全」だと何を書いて良いのやら分りません、隊長。
あ、1行リレー小説スレが産まれてました。
スレリンク(ff板)l50
>>220
おお!有難うございます。・゚・(つД`)・゚・
某スレでいつもお世話になってますです。
R@no-name様のサイシヴァ、是非拝見したいです。
>>221
ドリル様のトリップ。。。常に初心なのですね。見習わねば。
そうですね。全ては削除人さん次第。
レスと違って、早くてもスレ削除は2~3日かかる筈。
このスレタイである限り、騒ぎは又起きる悪寒がします。
おいらがシリアスで行ける!ありがとうです。ガンガります。
ドリルさんが駄文だなんてとんでもないです!
折角のドリル様のSSを、安全にうp出来るスレが欲しいです。
ちょっと試しにテンプレこさえてみますです。あくまで試しにですが。
223:白 ◆KEY/rAMfMQ
03/04/23 20:16 Lw/yD4pW
FFの恋する小説スレ(仮スレタイ)
文章で遊べる小説ありのスレです。SS職人様、リクエスト歓迎。
マターリ推奨。(*´Д`)ハァハァは有りですが、エロ描写は無しでお願いします。
批判採点議論禁止です。煽り荒しは無視通報削除で。
書き方の基本
URLリンク(yotsuba.saiin.net)
お困りの時はこちらにどうぞ
初心者の館別館 URLリンク(osaka.cool.ne.jp)
>>3-15のどこか 関連スレッド
──────────────────
※18禁なシーンに突入したら、エロパロ板に書いてここからリンクはる。
で、その部分は見なくても話はわかるようにする(概略書くなりして)。
◇関連保管サイト
FF・DQ千一夜 URLリンク(www3.to)
◇関連スレ
FF・DQ千一夜物語 第413夜
スレリンク(ff板)l50
◇前スレ
FFカップルのエロ小説が読みたい
スレリンク(ff板)l50
◇21禁板
★FINAL FANTASY 壱~壱拾&拾壱エロパロ小説スレ
スレリンク(eroparo板:1番)
FF・DQかっこいい男キャラコンテスト第6幕
スレリンク(801板:2番)
…禿如く手直しキボンヌします。(汗)削ったり追加したりしたい所とか
教えて頂きたいです。新スレイラネと云われたらそれ迄ですし…。ショボーン(´・ω・`)
224:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/23 22:13 NQx0r2nD
多分だいじょうぶだろ。
ここが削除されたら、それこそもはや末期の気がする…
225:姐 ◆ane/8MtRLQ
03/04/23 22:34 w7lDE6pW
>>223
私も多分大丈夫とは思うのですが、もしだめだったら
このテンプレで次スレを立てていただければいいんじゃないかと思います。
仮タイトルもかわいくて(・∀・)イイ!
ただ、経験的に私が立てたスレは必ず途中でなくなってしまうので
私はスレ立て役はご遠慮させていただきます・゚・(ノД`)・゚・スマソ
万一削除された時の相談は千一夜スレをお借りするという事に
しておけばよいのではないかと思います。
せっかくここまでマターリと交換日記のようなノリで楽しく書いてたのに…(´Д⊂
226:ラトーム(トリップ行方不明)
03/04/24 00:38 8kbj2Pi3
スレ住人の皆様、おつかれさまです…。もし新しいスレに、ということになったら、テンプレから
以下の部分を変更してください。
---------------------
書き方の基本
URLリンク(yotsuba.saiin.net)
お困りの時はこちらにどうぞ
初心者の館別館 URLリンク(osaka.cool.ne.jp)
>>3-15のどこか 関連スレッド
-------------------------
ここの部分なのですが、書き方の基本として千一夜のQ&A全部をお読みいただく必要はありませんので
下記のような形ではどうかと思います。
-------------------------
疑問などお持ちになったら、これらを参考にしてみてください
この板についての疑問等は 初心者の館別館 URLリンク(osaka.cool.ne.jp)
FFDQ板における官能小説の取扱い URLリンク(yotsuba.saiin.net)
記述の一般的な決まり URLリンク(yotsuba.saiin.net)
その他関連スレッド >>3-15のどこか
227:ラトーム(トリップ行方不明)
03/04/24 00:39 8kbj2Pi3
そういえば、削除依頼で消されたスレって、倉庫にも残らないんじゃなかったでしたか?
これは私の誤解ですかね?
228:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/24 01:28 UbmoF8S/
このスレが削除されたら泣きます
229:R@no-name
03/04/24 01:45 AXK/S5Og
>221
サイファー×シヴァ(G.F)です
エチーまでの前置きが珍しく短くまとまりそうなので、今のこのスレに
投下してよいのかもう少し考えてみます
>222
某所ではども、ということで(w
テンプレご苦労様でつ
願わくばこのスレが生き延びることを願います……
230:白 ◆KEY/rAMfMQ
03/04/24 17:56 oIaxKL5X
>>224 >>228
熱く禿如く同意です。
ココ以上に、(゚∀。)アヒャなスレタイのエログロスレが
削除依頼が出ても保留になって生き延びてるので
大丈夫ですよね。多分。。。
>>225
ス、スレ立て迄考えて下さったですか…(ρ_T)アリガトウ 実は私も
1. 家族が、とほほスレ立てちゃいました
2. ファイヤーウォールに弾かれます
で、駄目ぽなので…「新規スレッド作成相談所」のお世話になろうかと。
本当に此処、マターリしてて良いですよね。
>>226
ラト-ム様、改善案有難うございます!
削除で消されたスレは、間違い無く全て消えますね。
仮に今回の携帯依頼者さんが
「白血病解析スレも削除依頼して、削除人様に断られた方」
でしたら。次スレも削除依頼して来そうです。
その上で削除を断られたら、当分依頼者さんも大人しい…と願いたいです。
>>229
有難うです!エロ描写無しのお色気ゆんゆん文、読みたいであります。ハァハァ
スレ削除作業は一通り片付いた後、通常1ヶ月位間が空くので
今の状態でも、SSは書けそうですが…ココ、生き延びて欲しいです。
このままだと、職人様が安心して作品をうp出来ない悪寒が。
人が居ないっぽいので時間が懸かるかもですが。明日辺り
スレ立てお願いして来ようかと思うのですが、どうでしょうか?
231:<コ:彡もとい以下テンプレ修正案
03/04/24 17:57 oIaxKL5X
FFの恋する小説スレ
──────────────────
文章で遊べる小説スレです。SS職人様、リクエスト歓迎。
マターリsage推奨。(*´Д`)ハァハァは有りですが、エロは無しでお願いします。
批判採点議論禁止です。煽り荒しは無視通報削除で。
疑問などお持ちになったら、これらを参考にしてみてください
この板についての疑問等は 初心者の館別館 URLリンク(osaka.cool.ne.jp)
FFDQ板における官能小説の取扱い URLリンク(yotsuba.saiin.net)
記述の一般的な決まり URLリンク(yotsuba.saiin.net)
>>2-15のどこかに詳細、及び関連スレッド
──────────────────↑ここまでが>>1です。ここからが>>2-15に入れたい部分↓
──────────────────
※18禁なシーンに突入したら、エロパロ板に書いてここからリンクはる。
で、その部分は見なくても話はわかるようにする(概略書くなりして)。
◇関連保管サイト
FF・DQ千一夜 URLリンク(www3.to)
◇関連スレ
FF・DQ千一夜物語 第413夜
スレリンク(ff板)l50
◇21禁板
★FINAL FANTASY 壱~壱拾&拾壱エロパロ小説スレ
スレリンク(eroparo板:1番)
FF・DQかっこいい男キャラコンテスト第6幕
スレリンク(801板:1番)-2
どうしても議論や研鑽したい方は URLリンク(book.2ch.net)
挿し絵をうpしたい方はこちらへどうぞ URLリンク(ponta.s19.xrea.com)
──────────────────
232:白 ◆KEY/rAMfMQ
03/04/24 18:00 oIaxKL5X
× ──↑ここまで
○ ──
↑ここまで
か、改行が…。(つДT)スイマセン
233:ラトーム(トリップ行方不明)
03/04/24 20:22 8kbj2Pi3
いや、今新スレってのは過剰反応すぎでしょう。
官能小説スレだって、私の知る限り2回は削除依頼がスルーされてますからね。
今のこのスレの状態及び官スレの過去の状況を考えると、今回もスルーだろうと
思いますよ。
ただ、削除されてから次善案だと遅いんで、今話しておいた方がいいだろうと
思いますが。
801系スレへのリンクはいらないんじゃないかと思ったけど、どうなんでしょう。
234:白 ◆KEY/rAMfMQ
03/04/24 21:18 oIaxKL5X
>>233
そうですね。とりあえず万が一に備えたので
まずはココが完走する迄使い切らないと、ですね。
801系リンクはマッシュ×カイエンが
スレ冒頭でギャグっぽく続きキボンヌされていたので
つい付けましたが、外しますです。
235:ドリル装備の名無し ◆Lv.1/MrrYw
03/04/25 01:07 Mgt7VLGw
やっと来れた……色々動きがあったみたいですが、皆さん大変乙ですた。
で、ようやく一連の流れを追えたのですが、削除依頼板で削除人さんの見解が
一応出ていましたね。タイトルに難あり、とのこと。
ここは削除人さんの見解に従った方が良いのか、とも思うのですが。漏れとしては
このスレを全うさせてやりたい(+当初の廃スレ利用という意図もありますが)と、
言うのが本音。
(なので、時間が取れる状況になり次第、エドリルSS続き書き込みますです。。。)
>>白 ◆KEY/rAMfMQ
テンプレ作成作業乙ですた。
この板での文章系スレで過去に起きた事例を知らない漏れが言うとあれですが、
> 批判採点議論禁止です。
は、特に記述しておかなくても大丈夫じゃないかな~? なんて。
それと801系スレへのリンクですが、漏れはあってもなくてもどっちでも(・∀・)イイ!と
思います。が、向こうの方の意向を汲む方がいいかな? とも。
そのかわり、
スレリンク(ff板)
とか、自板にある掘り出し物っぽいスレッドを張っておくのも(・∀・)イイ!かと思われ。
(専用スレのないキャラクター萌えなヤシの為の救済的なスレとしても利用したいな、とか)
236:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/25 01:12 7KXcxhHK
なんかなあ…
これ以上あいつの思うようになるのもなあ…
237:ラトーム(トリップ行方不明)
03/04/25 01:31 9I9lhC8k
削除依頼解除おめ! ってとこですが、新スレについての相談をまとめるのもいいかなと
思いますたので、そういう書き込みをさせていただきますです。実際に使うのは、このスレが
950に達してからでもいいかなあと。それともやっぱり早い?
>>234
801スレの件は、801板ではSS専門板を持っているので、掲載するなら
そちらの方がいいのかなと思った、という事でした。説明付属スマソ。
「男同士のカップルについては、801板でお願いします」という1行でもいいかもしれません。
>>235
> この板での文章系スレで過去に起きた事例を知らない漏れが言うとあれですが、
> > 批判採点議論禁止です。
> は、特に記述しておかなくても大丈夫じゃないかな~? なんて。
自分もそう思いました……って、前に書き忘れてました。前に「採点つき」というサブタイトルで
たったスレでも採点されていなかったと思いましたし。
どっちかというと「カップリング相手についての批判は禁止です」の方が必要かもしれません。
> スレリンク(ff板)
> とか、自板にある掘り出し物っぽいスレッドを張っておくのも(・∀・)イイ!かと思われ。
ガラファリの他に、ジタンガーネット、エッジリディがありますね<FFカップルスレ
238:ドリル装備の名無し ◆Lv.1/MrrYw
03/04/25 01:32 Mgt7VLGw
>>231
追加要望です。
「SS職人様、リクエスト歓迎」の部分に加えて
「ネタ振り、突っ込み」も入れてホスィー。(完璧にお笑いを考えてますたスマソ。w)
とりあえず、これぐらいのノリで行けたらいいなと…。(スレの方向性はテンプレ
だけで決まる物ではないですが)
>>229
シヴァ…やっぱりあのシヴァなんですね!?
き、気になります。どこをどうしたらそんなシチュエーションになるのかと小一時間
悩みます。ぜ、ぜひ……うpキボンヌ……|・ω・`)シテミルテスト。
239:ドリル装備の名無し ◆Lv.1/MrrYw
03/04/25 02:04 Mgt7VLGw
度々のレスですみません。
>>237
備えあれば憂い無し、という事で。(w
> どっちかというと「カップリング相手についての批判は禁止です」の方が必要かも
このぐらいマターリしたスレだと(人がいないだけか?w)、その心配もなくて良いんですが…。
6も7も8も、悲しいかな内部に火種を抱えているのがなんとも(´・ω・`)
関連リンクに、挙げられたジタンガーネットなんかも含んでおいたら良いですね。有名所
は探せばすぐ見つかるし、書いたらキリがないのでこの辺が妥当かと思いますが…。
情報ありがとうございます。
>>236
その意味深なレスは一体…?・゚・(ノД`)・゚・(事情に詳しくないのでスマソ)
書き込んでくれた方、読んでくれている方、皆さん本当にありが㌧&乙ですた。
240:R@no-name
03/04/25 02:46 i63kTfXY
「勝訴」!
……の紙持った8頭身AA何処だー<張ろうと探してたらしい
>238
簡単に言うと「お姉さんが教えてあ・げ・るv」系でしょうか(w;
エチ入る前までなら大丈夫か……な?>うp
241:トリップが無い@ただの白のようだ
03/04/25 12:05 ZbO3rbkD
ヤター削除解除キタ━(゚∀゚)━━ゲホゲホッ…キ、キタ━!!!!!
>>ドリル様
掘り出し物カポースレリンク名案ですね。
1ヶ月でスレを四分の一消費してるので、
お引っ越しは3ヶ月後位でしょうか?後、質問です。
>「ネタ振り、突っ込み」も入れてホスィー。
|д゚)ノ゛……出来れば、ボケも追加キボンヌします。
>>236
アイツとは誰でしょうか?(((((((;゚Д゚)))))))
>>ラトーム様
801小説板へのリンク許可が頂けたらh抜きリンク、駄目だったら
>「男同士のカップルについては、801板でお願いします」
はどうですか?犯したいスレのような、ギャグ需要はあるかもです。
>「カップリング相手についての批判は禁止です」悲しいけど必須ですね。。。
母さん、谷底に誤爆したあのトリップ、どうしたでせうね 。゚(゚´Д`゚)゚。
>>R@no-name様
>「お姉さんが教えてあ・げ・るv」系
うp、熱いハートと期待のハアハアでお待ちしてます!
微妙に頭身が違う悪寒がしますが、AAコピペしますでつ。
242:トリップが無い@ただの白のようだ
03/04/25 12:06 ZbO3rbkD
┌───┐
│ . |
│ 勝訴! |
│ . |
└∩──∩┘
| | . | |
| | ∧_∧ | |
| ( ´Д`)/
\ イ
〉 ゝ
| |
T |\ \
彡 | | 〉 〉
彡 |__| /__/
彡 彡 ∪ ∪
彡
彡 彡 彡:, , ,.,,,. ,. ., ..,., ,
~"`'`''`'`'`'`''`'`''`'`'`'`'`
謝 罪 と 賠 償 を 要 求 す る !!!
 ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
. (○)
.. ヽ|〃
'⌒⌒丶マッタク .. /⌒⌒ オロロロ
((((())) 彡彡彡ミミ . /⌒ヽ、イカンナ!!
.<丶`д´>=3 .... ( ロ∀ロ) =3 く_.| ♯ |._ゝ
V|__ |V V|__|V ... │、,│
|| || .. || ..|| . .| ゚∀゚| =3
〈_フ_フ .. 〈_フ_フ V.ルリルリV-~~
243:ラトーム ◆518LaTOOcM
03/04/25 13:10 9I9lhC8k
勝訴AAキタ━━( ´∀`)゚∀゚)*゚ー゚)・ω・) ゚Д゚)´ー`)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)-_-)´Д`).`∀´)ノД`)・゚・。━━!!
私もAA探してますた。白さん、ありがとん!
>>236のアイツとは、前からエロ系スレタイをめざとく削除依頼だしていた人物(私は彼の人等と呼んでました)を
指してと思われ。同一人物だという証拠はないですが(でも同一人物ぽゴニョゴニョ)
あんまりガクガクブルブルしないでマターリいきましょう……
次スレテンプレ案、まとめました(最初の部分だけ) あまり堅い感じにならないで、
このスレのいい感じをうまくテンプレにしたいなあと思ったのですが。難しい。
(自分で書きながらカップリングに文句つけるな、って感じの文章はキツイなと思って直しました)
----------------------
文章で遊べる小説スレです。
SS職人様、ネタ振り、リクエスト歓迎(ボケ、ツッコミ、イッパツネタもщ(゚Д゚щ)カモーン)
(*´Д`)ハァハァは有りですが、エロは無しでお願いします。sage推奨。
いろんなカップリングを楽しみましょう! 煽り荒しはスルーでマターリいきましょう。
疑問などお持ちになったら、これらを参考にしてみてください
…………あり? ボケは不要ですか?w
244:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/25 13:13 bTwJD7zq
URLリンク(moe.homelinux.net)
245:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/25 13:13 bTwJD7zq
URLリンク(www3.kcn.ne.jp)
246:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/25 21:56 ms94IeCW
勝利おめ
247:ドリル装備の名無し ◆Lv.1/MrrYw
03/04/26 00:49 TNGAM0sb
これでまた、いつものスレに戻りますね…。ヒソーリ、コソーリ、マターリを信条に、また細々と
書かせて頂きますです。。。(今日は無理ぽなんですが)
>>240
シヴァ好きです。8のG.Fの中では、じゃんけん兄弟と並んで好きなんです!
是が非でもうpして下さいませんでしょうか?
ああ、漏れもシヴァに教えてもらいt(ry。
>>241
「ネタ振り、突っ込み、ボケOK」…語呂的に何かのセールですね。(w
スレの消費速度はどうなんでしょう? 投下される文章の量に大きく左右されそうですね。
>>243
次スレテンプレ案、そんな感じで良いと思います。乙ですた~。
で、自分で言っておいてあれなんですが、カップリングスレは貼るなら全部、
なければ一切無い方が良いのかな? とも。(カップリングで色々揉める元にも
なりかねないかな? すみません、この辺がちょっと分からないです。)
一行リレー小説スレとか、「文章で遊べる」関連スレだけ貼ったとしても
結構な量になりそうだし、今の漏れには全部掘り起こすのは微妙に無理ぽなんですが。
…そこまで気にする必要はないのでしょうか?
248:R@no-name
03/04/26 03:05 g0jyzk/S
___ ┃
/ ┏ )))) ┃ ■■
/ / ┃ ┃ | ヽヽ ┃\
/ / /┃勝 ┃ i 、、 | ヽヽ |\ ┃ \
/ / \ \┃ ┃__∧ ド ド |ヽ |\ | ┃
/ / \ ┃訴 ┃゚∀゚)
/ / ヽ┃ ┃ ⌒\
/ ┃ ┃/ /
/┗ (((┛ / アッタ━━━!!!!
/ / ̄ \
― / ん、 \ \
― (__ ( > )
⌒ヽ ’ ・`し' / /
人, ’ ’, ( ̄ /
Y⌒ヽ)⌒ヽ、 ) |
\_つ
>カプスレへのリンク
これは投稿があったレス部分を随時報告ってことでどうでしょ?
反対に、カプスレ側で創作キボンがあった場合は駐在の職人が
一肌脱ぐor保管作品の紹介ってことで
ではサイシヴァうpいきますですー
249:R@no-name
03/04/26 03:12 g0jyzk/S
その日は酷く気が立っていた。原因は実技試験での凡ミスが七割を占めていたが、残りの三割
にこそ本当のストレス元が隠れていることを、サイファーは、薄々ながら感じていた。
自室に戻ると、コートとブーツを投げ捨てて、ベッドに容赦ないボディプレスを見舞った。
胸糞悪い。ひたすらにそれだけだ。
ベッドサイドに備え付けられている有線ラジオのスイッチを弾き、自分からの雑音が聞こえない
ように、大きくボリュームを捻った。
運悪く、ハードコアバンドの演奏は終わりを迎え、遠吠えを思わせるギターの余韻が引いていく
ところだった。
「……けっ」
サイファーは、気の利かないDJのしゃべりに気分を毛羽立たされる前にベッドを離れ、ダイニング
に向かった。
台所は狭く、電熱コンロに流しと小型冷蔵庫があるだけだが、毎朝トーストを三枚焼き、出来合い
の惣菜を温め直す分には贅沢すぎる設備だ。
冷蔵庫の扉を引き、ミネラルウォーターの小瓶を引き出す。
背後に気配を感じて振り返った。
「またお前か?」
気配は空を滑りながら、部屋へ戻っていった。
心霊の類ではない。それは、サイファーの最も側にいる存在であり、唯一のルームメイトだった
からだ。
サイファーは、ミネラルウォーターの瓶を手に、ベッドに腰を下ろした。
ラジオからは次の楽曲が流れていた。重厚なドラム、ベースの絡みが心地良い。
封を切った瓶を口に当て、一息に半分手前まで飲み干した。
すぅ、と風が過ぎていった。
「今日はどうしたんだ?」
微かに冷気をまとった存在は、音もなくサイファーの前に下りてきた。
250:R@no-name
03/04/26 03:18 g0jyzk/S
「貴方の方こそ、随分と荒れているみたいだけど?」
そう言いながら床につま先を当てると、風に巻き上げられたスカーフさながらに空を泳いでいく。
静かに舞い降り、サイファーの横に並んだ。
青く透き通る肌の魔人。氷の女神、シヴァだ。
「どうしたの? また彼と喧嘩した?」
「……そんなんじゃねえよ」
サイファーは、瓶を傾ける合間に短く答えた。
「全部わかってるくせに、余計なこと言うな」
シヴァは日常的にジャンクションしているガーディアン・フォースだ。
使用者の心の片隅を住処として、文字通り一心同体となって行動を共にしている。サイファーの
生活の約半分は、シヴァと共有しているといっても構わないだろう。
心に住まうものに嘘はつけない。
ただ、サイファーの考えることが完全に把握されているというわけではなかった。
幻獣と人間では、思考形態や物事の捉え方が異なるために、思い違いや擦れ違いは少なくな
かった。
「お前に話すようなことじゃねえって」
「彼女のこと?」
サイファーは、何も言わなかった。
「……図星だね」
正解だ。
冷気を司る精霊でありながら、シヴァの性格はガーデンの中でも陽気な部類に入る方だった。
「リノアちゃん、ていったっけ。この間電話してくれた子」
****
何気に性格大破してる気もしないではないですがご勘弁を(倒)
251:トリップが無い@ただの白のようだ
03/04/26 21:02 WxfCdToJ
>>243
おお!テンプレが読みやすくなってる!流石であります。
Σガーン ボケは、ボケは不要なんですか?( ´Д⊂ヽ
こうやって皆様で「次どうしようか?」とお話するの、楽しくて良いですね。
>>246
ありがトンですv
>>247
スレ消費速度は神の味噌汁(寒)ですね。保守とか…もしくは容りょ(ry
でも、容量で真っ赤になる迄、マターリSSで埋まったスレは、幸せです。
あ、リンクですが。次スレの頃違う「文章系カプ系スレ」も立ってるかと。
950あたりで、わいわいリンクまとめると、楽しそうです。
続編、心震わせ期待sageでお待ちしてます。リルムタン…。(´д`*)
>>248
サイシヴァと8頭身勝訴キタ━(゚(゚∀(゚∀゚(☆∀☆)゚∀゚)∀゚)゚)━!!
随時報告+一肌脱ぐor保管作品の紹介、名案ですね。
ワイルドなサイファーとカコ良いシヴァさんに萌えです!
252:蜜蜂(1)
03/04/26 21:03 WxfCdToJ
月夜に、白蘭が眠る。
真珠の粒子を纏めた花弁が、産まれたばかりの香気を振り撒く。
枝の元に。蜜の珠が連なり、蝶達を惑乱しているのだ。
蘭の鉢の向うに、ガーデンの光が広がる。
水盤のゆるやかな流れ。睡蓮に、光冠の色が映った。
「…全部、忘れた訳じゃないよ」
アーヴァインの掌が、セルフィの頬に触れる。
「優しかったな、アービン。って思ってたんだ」
夜風と共に、蘭の甘やかな匂いが肌に触れる。
「─今度、これ読んでみて下さい。冒険物、ゼルさん好きですよね?」
「お!サンキュ!」
恋人達が集う、研究用植物園の夜。その中で
「せんせい、団子虫!」
「お、お化けいたぁぁぁぁ!ウワァァン(ノД`)」
キスティス教官は、年少クラスの理科の授業中だった。
「せんせいまた目からビームしてー」
何故か覗きながら、スコールは、…臭い息だけは嫌だ…と思ったりした。
眠る花に包まれて、金属質の甲虫が休んでいる。
花園の内で、蝶が二頭寄り添う。
─虫も、恋をするのね。私は…
そう呟きながら、キスティス先生の授業は続く。
真昼の風が、新緑を騒がせる。
「…思っちゃった。私って、蜜蜂みたいって」
「蜜蜂?」
カードを切りながら、カドワキ先生が首を傾げた。
253:蜜蜂(2)
03/04/26 21:04 WxfCdToJ
清潔な保健室に、琥珀色の紅茶が薫る。
「働いて、闘って。恋もしない」
「蜜蜂ねぇ。あれは──働き蜂同士で恋をするらしいね」
「Σ(゚Д゚|||)ええ?」
カドワキ先生それってレ…と思いながら、キスティスがカードを取る。
「女王蜂の恋の方が、寂しいよ。相手が爆死しちまうんだから」
「そう云えば、カドワキ先生の旦那さまは…」
「古い戦争の話かい?─セイム」
窓から、小さな花虻が迷い込む。
殻に包まれ、中を管と液体が満たす、昆虫の躯。
「蜂って、機械みたい」
「そうさね。でも蜜を採って来る大人の蜂が減ると、若い蜂が行くのさ。
それは、本能じゃなく、蜂自身の判断だって報告があるんだよ」
コトリと、ドアの隙間に紙片が差し込まれた。
「おや?これは…見て御覧。キスティス先生」
拙い筆で描かれた、キスティスの顔。
「きすてすせんせえへ…最後のニ文字が小さくて判らないわ」
ドアを開けると、年少クラスの子供達が待っていた。
「どうしたの?」
「せんせい…僕達と結婚して」
完璧な美しさを誇る、教官の目が、見開く。
「強くなるから」
「頭良くて綺麗で優しい、せんせいじゃなきゃやだよう!」
「……せ、せんせいが……すき…!」
キスティスは子供達の目線にしゃがみ、抱き締めた。
今はこの小さな恋人達がいればいい、と思いながら。
254:トリップが無い@ただの白のようだ
03/04/26 21:06 WxfCdToJ
リクエストって、世苦寒画得た…良く考えたら
おいらが書かんでも良かったような。。。
ドリルさん皆様すいません(;´Д`)
255:砂漠の王と風の覇者39
03/04/27 02:11 hGhCiIhm
「エードガーー!」
耳の奥にまとわりつく様な声で名を呼ばれ、エドガーは眉を顰めたくなる衝動
を抑えながら、つとめて平静を装って声の主の方を振り返る。
そこに立っていたのは満身創痍のセッツァーだった。
「やぁセッツァー、久しぶりだな。……元気そうでなによりだよ」
まるで何事もなかったようにエドガーは告げた。実際、瓦礫の塔跡地で行われ
た慰霊の集いに出席できなかった国王にしてみれば、セッツァーとは1年ぶりの
再会になるから、そんな風に言ってもなんら不自然ではなかった。
……あくまでも『何事もなければ』の話だが。
「で? これは、どういう事なんだよ」
城の中央部分のうち、上半分は見るも無惨な瓦礫と化した建物を見上げながら
問いかけている筈なのに、セッツァーの口振りに苛立ちと怒りが感じられるのは、
決してエドガーの気のせいではない。
「…………」
珍しく返答に窮しているエドガーに、視線だけで無言の圧力をかけるセッツァー。
さすがに、およそ二年の旅路を共にした間柄は伊達ではない。
この二人の間に流れる気まずい沈黙を打破してくれたのは、どこまでも明るい
弟の声だった。
「兄貴! リルム! 無事で良かったぜ!!」
全身に煤と砂埃をまとったマッシュは、四人が無事に再会できた喜びと安堵を、
全身で表現していた。
「バカ野郎! 何が『無事』なもんかっ!!」
見事な銀髪をなびかせながら勢いよく振り向いたセッツァーが、堪らずに怒鳴り
声をあげる。
256:砂漠の王と風の覇者40
03/04/27 02:23 hGhCiIhm
「大体マッシュ! お前いっつも無茶しすぎなんだよ」
確かにあの状況下では、マッシュの下した判断はやむを得ないものだった。が、
少しはデリケートな作業を強いられる操縦者と、船の事も考えて欲しいとも思う。
「無理言って悪かったよ。でもさ、あれセッツァーだから言えたんだぜ?」
浴びせられる怒号にもめげず、相変わらず屈託のない笑みを向けながら主張す
るマッシュ。
「セッツァーだって、マッシュだからあんな無茶な飛行が出来たんだろう? あの状況
なら普通の人間は気絶してるさ」
城壁に触れる寸前の高度で飛行する飛空艇の碇に、マッシュは腕一本でぶら
下がっていた事を思い出し、エドガーは横から話に加わった。
いくら危険な旅を共にしてきた同志とは言え、この兄弟は一体どんな育ち方を
したのだろうとセッツァーは疑いたくなりながら、それでも根負けした様に笑う
のだった。
「まったく。大した奴らだぜ」
「だけど本当に大したヤツなのは、彼女だけどな!」
マッシュが視線をやるその先には、小さなリルムの後ろ姿。
「……まったく。飛空艇から炎の中に飛び込もうなんて、とんでもない女だ」
皮肉と称賛が入り交じったセッツァーの声に、いつもなら多少の反撃があっても
おかしくない筈なのに、リルムは何故か黙ったまま振り向こうとさえしなかった。
「どう……?」
声をかけようと歩み寄ろうとしたセッツァーをエドガーが制す。彼は無言のまま
首を横に振るだけだった。
「…………」
その意図を朧気ながら汲み取ったのか、わざとらしくエドガーに視線をくれると、
セッツァーは大げさに溜息を吐きながら。
「ファルコンの修復にも手を貸してもらうからな。飛び立てるようになるまでしばらく
世話になるぞ」
その台詞に些か肩を落としたエドガーだったが、その申し出を快く引き受けた
のだった。
257:ドリル装備の名無し ◆Lv.1/MrrYw
03/04/27 02:43 hGhCiIhm
次スレテンプレ案は、また流れを見ながらという事で、今は一旦>>243+>>231って
事で。スレもまだ257/1000ですから、先は長い…かも知れません。(w
そんなわけでヒソーリ、コソーリ、マターリSS投下させて頂きますた。
(『砂漠~』は50~60ぐらいで終了予定です。今暫くお付き合い頂ければ嬉しいです…)
>>248(サイシヴァ)
サイシヴァ、もの凄く新鮮ですた。そう言えばG.Fのジャンクションって「記憶」を
代償に成り立つ、みたいな事を本編中で言っていたような思い出があるのですが
それを考えると、そんなシヴァ姐さんの話があっても(・∀・)イイ! と素直に思います。
問題児、無く子も黙るシヴァタン…(*´Д`)。
むしろ、その先も読みたいと思うのが人情というのもですよ……そう、続きです。(w
>>251(キスティス先生話)
最後の一行が漏れの理想のキスティス先生像とピッタリ一致していて激しく 萌 え。
今回は、笑えると言うよりこの部分がツボだったので好きですた。描写文、漏れには
思いつかない言葉を持ってくるところが幻想的な雰囲気を創り出している要因なのかな?
漏れのリクエストに応えてくれてありが㌧! 書ける人が書く、読みたい人がリクエストする。
需要と供給の素敵な構図です。(何)
258:姐 ◆ane/8MtRLQ
03/04/27 14:30 SFrFEcqg
以前ここに冗談で書いたリュック×ギップル話ですが
一部、気に入って下さった方がいらしたようなので
こちらの↓スレに続き投稿してます。(664番から)
スレリンク(eroparo板)
ピンク鯖なので21歳未満の方は御遠慮下さいね。
>>257
続き待ってました!
前回教えてもらったフラッシュ、良かったです。
あれを見てドリルさんの作品読むと兄弟の関係が
すごく良くわかって信頼しあっているからできる事
なんだなー、と感動が深まりました。
スレを早く消費した方がよさそうなら、千一夜スレに
連載している私のニーダ話、こっちに移動しましょうか?
あれこそレスを100くらいは使うと思いますので。
千一夜スレには短編が書けたら投稿すればいいような
気もしますし。どうでしょうか?
259:砂漠の王と風の覇者41
03/04/27 23:32 NW/ZHHIw
瓦礫の撤去作業は一晩では終わらず、その夜は三人ともフィガロ城に泊まる事
になった。幸いにも爆発の被害を受けたのは王の間のある城中央の一部だけだっ
たため、城の潜航機能やフィガロの政治機関への影響は最小限に留まった。
とはいえ真相が露呈すれば一大事である。この政変騒動の全容は国王エドガー
と直接関わった王弟マッシュ、セッツァー、リルムに加えて数人の側近にだけ知ら
された。
『フィガロ国王』としての判断で、表向きはエドガーの“趣味が高じた事故”
という扱いにした為に、ひたすら釈明と謝罪の処理に奔走する姿を目にしていた
せいからか。
「……しかし。無様も良いトコだぜ」
不愉快を露わにした口調でセッツァーは呟いた。全ての事情を知る彼からすれ
ば、方々へ頭を下げる彼の姿は不自然でしかなかった。
それに、この件ではどうも歯切れの悪いエドガーの態度が腑に落ちないのだ。
用意された部屋に備え付けられた大きなベッドに身を投げだし、天井に向かっ
て溜息混じりに声を吐く。
「まーた、何か抱えてやがるな」
そうとは分かっても、直接問いつめる気にはなれなかった。国王としての彼の
判断に口を挟む資格はないし、権利もない。
ただセッツァー個人としては、国王として体裁を繕うようなエドガーの姿を見
ているのは、少なくとも気分のいい事ではないし、理解しがたい物だった。
「……俺が考えても仕方ねぇか」
諦めたように吐くと渦巻く思考から逃れるように、セッツァーにしては少し早
い眠りに就くべく目を閉じた。
260:ドリル装備の名無し ◆Lv.1/MrrYw
03/04/27 23:51 NW/ZHHIw
>>258
嬉しいです…。漏れの拙い文章からそこまで汲み取って頂けるなんて感涙・゚・(ノД`)・゚・
あのFLASH本当に素敵ですよね。一年ほど前に開催された祭りで出された物ですが、
……そう言えば、あのトーナメントで漏れ、FF8のニーダに惚れた覚えがあります。(w
FF8の表紙を飾っている彼の勇姿(←支援物資であったんですw)は、忘れられません。
そんなニーダ話を書かれていたんですね! 拝見させていただきます!!(萌)
スレ消費の件ですが、漏れはどちらでも(・∀・)イイ!と思います。投稿される作品やレスが
増えれば自然に消費されていくだろうし、急ぐこともないかな~? と、どこまでも楽観視
してまつ。(スマソ)
でも、このスレで色んな話が読めるのは個人的に(゚д゚)ウマーなので大歓迎!!
反面、あちらのスレの事を思うと少々複雑かも知れません。(まだ拝見していないので
何とも言えませんが)
あとは書き手である姐さんご自身の判断で良いと思います。
261:29 駄文スマソ。
03/04/28 22:00 GQeVLnzu
空を埋め尽くすガルキマセラの大群。遠く地平線からはベヒーモスの咆哮が聞こえる。
ここはエスタシティのはずれ。雷神は、ひとり立ち尽くしていた。
何故、彼が此処にひとりでいるのか。話は五時間ほど前にさかのぼる。
エスタから、月の涙による被害のため、バラムガーデンに救援要請があったのだ。
自室で昼寝をしていた雷神は、突然の呼び出しにすぐに対応した。
もともと傭兵を育てるためのガーデンである。この程度の事は日常茶飯事であるのだ。
しかし、今日はいつもと決定的に違うことがあった____________
262:29
03/04/28 22:01 GQeVLnzu
「一人か?」
スコール・レオンハートが雷神に問いかける。彼はガーデンの軍事面のほぼ全てを任されている、いわば総司令である。
「あの二人の邪魔をできるとでもいうもんよ?」
サイファーと風神は、雷神がプレゼントしたリゾート旅行へ行っている。とてもおめでたい事があったので、記念に雷神が給料を前借りして贈った、二人だけの旅行へ。
そう、二人は結婚が決まったのだ。
「・・・いや、何でもない。しかし・・・」
「俺の腕を見くびってもらっても困るもんよ。1対3で苦戦してたのはどこの誰だもんよ?」
「う・・・。わかった。じゃあ早速エスタに向かってくれ。ポイントはAの・・・」
というわけで、雷神はエスタにいるのである。
「月の涙」による被害は、あの世界を揺るがせた大事件から一年半経った今でも続いていた。
一体どこで増えるのか、モンスターは倒したそばから新しいのが出てくるのだ。
キスティス、ゼルといったガーデンの主力達も現地部隊としてエスタに駐屯していたが、いかんせんエスタの領土は広く、全体を守る事はほぼ不可能に近かった。
今回のようにガーデンからの派遣部隊が出るのも、そう珍しい事ではなかった。
263:29
03/04/28 22:04 GQeVLnzu
今回は今までになく多数のモンスターが出現していた。
雷神の任されたのはエスタシティの南ゲート。防衛網をかいくぐったモンスターが最初の標的にする場所である。
「おうおう、よくもこんなに湧いたもんだもんよ」
彼が見るところ、モンスターは総勢で五千以上。一人では荷が重いはずだった。
だが___________
雷神は、想った。
この一年半、あの二人を見守り続けてきた。
サイファーが風神の本当の気持ちを知ったのは、SEED試験の時だったようだ。
やきもきさせられる事もあった。それは同級生の恋を応援する親友の気持ちであった。
二人が離れていってしまうような気がして寂しい気持ちになる事もあった。それは父親のような感覚であった。
そして、二人はとうとう結ばれた。それは・・・とても嬉しい事だ。
幸せになるのだろう。
それを思えば、ベヒーモスやガルキマセラの一千匹や一万匹、小指でいなせる様な気分にもなるのだ。
そうだ。とっとと終わらせて帰って、びっくりお祝いパーティーの準備をしなければ。
サイファーの照れ隠しの大笑いと、風神のローキックが頭に思い浮かんで、雷神は戦場だというのに微笑を隠せなかった。
愛用の棍を振り回し、叫ぶ。
「バラムガーデンSEEDにして風紀委員、サイファーが片腕、雷神!後には退かんもんよ!
264:29
03/04/28 22:10 GQeVLnzu
やってしまったバイ・゚・(つД`)・゚・ カッコトジワスレタヨ、、、。
しかも文章おかしいし。。。
風神とサイファーを見守ってきた雷神の決意やらを書きたかったのにもう何が何やら。滅茶苦茶デスヨ、、、。
とりあえず豆腐の角に頭ぶつけて逝ってきます、、、。
265:トリップが無い@自粛中の白のようだ
03/04/28 22:50 fWEOXWp+
|д゚;)コソーリ
>>255-257 >>259-260
マッシュが喜ぶシーン、場が明るくなって凄く良いです。
大人の状況判断をしつつ無茶もするセッツァーにも萌えです。
千一夜スレさん、今回凄くお世話になりましたね。
以前R@no-nameさんが仰っていた、「機種依存文字」マカーなのに
分ってないので(;´Д`)向うの方に質問しても良いのかな…?
文字パレット記号やローマ数字に注意、位しか分らないです。
>>258
ニーダ話、期待しつつお待ちしてます!
おいら、尊敬する姐様の御作品の影響を、勝手に受けまくって
御迷惑お掛けしちゃった様なので、ちょっぴり吊ってきました。。。
自主的に「推敲100回の刑」喰らってきます。|||○| ̄|_ゴメンナサイ
スレリンク(ff板:577番)
>>261
お、お豆腐の角ですか?そんなー( ´Д⊂ヽ
文体も設定も良いし、雷神さん渋格好良いです!ちくしょう良い男だなぁ!
(;゚Д゚)=3=3 ハァッハァッ 是非又読みたいであります。
どなたか、フォッシルルーでガルガントに振り回されまくる
ジタン×ガーネット(FF9)書いて下さらないでしょうか。
もしくは迂闊にも、ジェシーの爆弾実験に巻き込まれるビックス(FF7)
自力で書け!と言われたらアレですが…自粛継続中。
266:姐 ◆ane/8MtRLQ
03/04/28 23:31 TM3Bu3sV
>>263
雷神が大活躍する話って初めて読んだかも…。
こうしていろんな方の作品を読むとクローズアップされるキャラや
性格が違ってて驚きます。
雷神て、こういう人だったんだ・・・
>>265
いやいや、とんでもないです。私なんてまだ駆け出しですから。
路線がいつもと違うなあ、とは思ってたんですが私の作品を
読んであの作品のヒントを掴まれたとしたらとてもうれしいです。
前回ここに書きこんだ日、ちょっとばたばたしてたので後で
ゆっくり書こうとしてたらピンク鯖の方にかかりきりになって遅くなりました。
ごめんなさい(・∀・;) ていうか吊らなくても…。
子供になつかれるっていうイメージがあまりなかったので年少クラスに好かれる
キスティスってすごく新鮮です。
つか、スコのへたれぶり(スマソ)なんか好きです。
私が初めてこの板に書いた時は8ネタは滅多にない状態だったらしいのに
最近8ネタ多いので、うれしい…。
>>259
セッツァーカコ(・∀・)イイ!
で、今更なんですがリルムってアラビアンナイトみたいな格好の
女の子でよかったでしょうか?6ってどうしてもティナを思い浮かべてしまう ・・・。
267:砂漠の王と風の覇者42
03/04/29 02:01 h2ku/E8M
同じ頃。
瓦礫の散乱する塔の下から、はるか地平の彼方で輝く下弦の月を眺めていたの
はリルムだった。
誰もいないこの場所に立ちながら、あの時の事を振り返る。
(シャドウ……)
何も考えず、ただエドガーを助けたいと言う一心で飛び込んだ炎の海で再会し
た彼が告げた、最後の言葉。
(なんて言ってたんだろう?)
とても大切な事を言われた気がしたのに、どうしても思い出せなかった。
「リルム?」
回想に耽っていたリルムの意識を現実に呼び戻す声。背後に声の主の姿を認め、
リルムは溜息混じりに城主の名を呼んだ。
「……なんだエドガーか」
素っ気ない態度とは裏腹に肩を落とすリルムの後ろ姿に、エドガーの内心に不安が
よぎる。
「もしかして今日の……」
彼女を気遣い、エドガーが口に出そうとした言葉を阻むようにリルムは問う。
「ねえ、あの男は誰だったの? 本当は知ってるんでしょ? どうして何も言わ
ないの?! こんなヒドイ目に遭ってるってのに」
矢継ぎ早に浴びせられる質問に、さすがのエドガーの瞳に困惑の色が滲んだ。
レディファーストを一番に重んじる彼にとって女性を―共に旅をしてきた仲間
とはいえ―国の内乱に巻き込んでしまった事実は、何よりも許せない事だった。
「本当にリルムには申し訳ないと思っている。全ては私の不注意から……」
しかしそれも一瞬のことで、すぐにいつもの穏やかな笑みが本心を覆い隠す。
それでも。
「そんな堅苦しい言葉を聞きたい訳じゃない!!」
―王様面するのもいい加減にしてよ!
『ピクトマンサー』―心を描き出す絵師―と呼ばれるリルムの眼を欺くには
至らなかった。
268:ドリル装備の名無し ◆Lv.1/MrrYw
03/04/29 02:03 h2ku/E8M
6ネタで突っ走ってごめんなさい。
>>261-264
おおおー待ってましたよ29の続き! しかし
> ベヒーモスやガルキマセラの一千匹や一万匹、小指でいなせる様な気分
の部分を読んで、漏れが最初に抱いた感想は雷神にとって本当に、余計なお世話
だったと思い知らされました…。
そんな雷神タンに萌えさせて頂きました! ありが㌧。
>>265
ため込むのは健康に良くないよ、等といってみるテs(略。
9ってSS書くのが一番難しいと思うのは漏れだけの先入観?
>>266
絵掲よりリルム
URLリンク(oekakies.com)
公式サイトより
URLリンク(www.playonline.com)
余談ですが、漏れの頭の中でSSを書くときは、常に3等身ドット絵キャラだったりします。(w
269:ラトーム ◆518LaTOOcM
03/04/29 02:31 Soyz6Ztc
>>265
マカー! お仲間ハッケソヽ(´∀`)ノ
macは日陰者なので(w、機種依存文字を使った場合に「これは機種依存だから
他の機種だと正確に表示されないかもしれないよ」と表示してくれるシステムが
あります。
ATOKとかだとわかりませんが、ことえりなら、えんぴつメニューの中から「文字
パレット表示」を選んで、適当に文字選択してみてください。
「選択した文字は、Mac OSでのみ利用可能です」と表示されない文字は使えます。
ローマ数字、修飾数字(○つき数字とか)、単位記号などを使わなければ、普通は
それほど気にしなくても大丈夫なはずですが。
>>姐さん
こちらのスレを急いで消費した方が良さそうな気もしますので、SSのお引っ越し、
いいかもしれません。また彼の人が削除依頼を出して、削除人さんがこのスレを読ま
なくてはならなくなってしまっては悪いですもんね。
このスレを使い続けてはダメ、と言われたわけではないですが、本当は新スレを
立てた方が彼の人対策になるはずですから……(でもそんな理由で立て直すなんて
嫌ですよねっ!)
千一夜スレ的にはどちらでも良いと思いますし。まあ、お引っ越しが決まったら
スレ住人さんにアナウンスしてあげてください程度の感じです。
270:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/29 02:40 En6D052x
レアな話がイパーイで嬉すぃ。
職人さん方がんがれぃ!
271:29
03/04/29 10:20 lFq0Muf+
>>265
いや、どちらかというと書きなぐりに近いものがあります。
チャント、スイコウシヨウゼ、ジブン、、、。
まあちょっと長めの話を考える余裕があまりないというのもあるのですが。。。
>>266
雷神はこの話の中ではまさに宮廷の親衛隊長と化してますです。
ゲームやっていて、おおらかでやさしい、ついでに熱血な印象を受けたので。
守るもののある人は誰よりも強い、と言いますか。何と言うか。
ああもう自分で何言ってるのかわからなk(ry
>>268
萌えていただけてうれしいです。SSというよりは駄文に近い代物ですが。。。
2レス以上消費してこういった文章を書くのも初めてだったりして、なかなか大冒険でした。
雷神に関してはもう少し気持ちを掘り下げてもよかったやうな気はしないでもないのですが、、、。
272:姐 ◆ane/8MtRLQ
03/04/29 14:20 wkGnUcio
>>269
そうですよね。確かにあんまり(・A・)イクナイ!スレタイですけど
この良スレ、潰したくないです。
というわけで今まで千一夜スレで投稿させてもらってた
「スニフの恋人」はこちらにお引越しさせていただきます。
今までの既投稿分はこちらにまとめました。
URLリンク(ane2ch.hp.infoseek.co.jp)
このアドレスは後日変更予定がありますのでもしもエラーが
出たらこちらをから入って下さい。↓
URLリンク(ane2ch.hp.infoseek.co.jp)
273:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/04/29 22:16 6pWo4I38
良スレ~
274:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/04/29 23:38 buxyirmS
■ ■ ■
午前中に手続きは済んだ。お昼からは希望の時間割を作る事と部屋の片付けに割り当てられた。
食堂で時間割を作っているとエマさんが来た。
「どう、何かわからない事ある?」
「いくつか授業内容がよくわからないのがあるんです」
「どれ」
エマさんは丁寧に説明してくれた。
「ところでご飯は食べたの?」
エマさんは私の前にコーヒーのカップしかないのを目敏く見つけた。
「パンを買いに行ったんですけど、売り切れでした」
「あらー、体壊すわよ?」
エマさんは私を連れてカウンターの隅っこに行った。
そこには誰もいない。
「すみませーん。適当に何か見繕ってくださーい」
エマさんは奥に向かって声をかける。
「おや、エマちゃん。アンタさっき日替わり食べてなかったかい?」
食堂のおばさんが手をふきふき現れた。
「新入生がパン買いそびれてお昼食べてないんです」
「あらあら。気の毒に。ちょっと待ってて」
ほどなくトレイにいろんな料理をちょっとずつ盛り合わせたセットが目の前に差し出された。
「ここのパンは人気があるからね。向こうが売り切れだったらこっちにおいで」
おばさんはにこにこ笑って言った。
「支給された食券があるでしょ?一枚渡して」
エマさんの説明のとおり、私は食券を差し出す。
「ありがとうございます。無理お願いしてすみません」
私はおばさんにお礼を言った。
おばさんはきょとんとしてから笑い出した。
275:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/04/29 23:39 buxyirmS
「ずいぶん育ちのいいお嬢さんだねえ。
始終食いもんよこせって悪ガキに怒鳴られてるからお礼なんて言われるとこそばゆいよ」
「オリーの従妹で妹みたいな子なんです」
エマさんが説明するとおばさんはまた笑った。
「おやおや。兄ちゃんは妹を見習った方がいいんじゃない?」
おばさんは笑いながら手近にあった苺を幾つか私のお皿に載せた。
「じゃあ、これはアタシからのおまけ」
「すみません」
私が慌ててもう一度頭を下げると、エマさんとおばさんはまた笑った。
「向こうのブースが売り切れって言う時は正規のメニューが終わりました、って事なの。
だから奥のおばさんに声をかけたら半端な料理や残りの材料で作ったおまかせで良ければ何か食べさせてもらえるから」
ガーデンの料理はわりとおいしくて、エマさんはコーヒーを片手に私の時間割編成に付きあってくれた。
なんだか今日はツイている気がしてうれしかった。
小一時間で履修希望の時間割が出来た。
「ありがとうございました。早速提出してきます」
「教官控え室わかるわね?荷解きも手間取りそうだったら言ってね。1900には部屋にいると思うから」
エマさんは部屋番号を私のノートのはしっこにメモしてくれた。
授業があるというエマさんと別れ、時間割を提出して寮に戻った。
私が割り当てられた寮の部屋は二人部屋なんだけど、同室の人はいなかった。
案内してくれた先輩が言うには他のガーデンから転校してくる予定の人がいるので空けているらしい。
ここのガーデンの寮は収納スペースの関係で、入寮時に持ち込み可能な荷物の量と内容が決められている。
指定サイズのコンテナに三つまでと言うのが決まりだった。
もっとも、授業に関係ある資料や道具は後から別口で持ち込みすればいいらしいので私は最低限の身の回りの
道具だけを持ってきた。
276:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/04/29 23:40 buxyirmS
一般学生の部屋は共有スペースにテーブルとテレビ(ビデオなんかのAV機器が一通り付属している)があって、
シャワー、トイレ、洗面スペースが付いている。
寝室はそれぞれ独立してドアが付いているので一応プライバシーが保たれている。
私は寝室に付いている小さいクローゼットに着替えを収めた。
さほど荷物の量は多くなかったので夕方には荷解きは終わった。
夕食の時にはエマさんにもお兄ちゃんもいなかったので少し寂しかった。
部屋に戻ると、先輩が私に支給される一般学生の制服を届けてくれた。
「ありがとうございます」
私はいつもの通り頭を下げた。すると先輩は困ったように笑った。
「あの……私、一年早く入学したけれどあなたと同い年で、明日から同じクラスなんです」
「そうなんですか?」
「ええ、だから敬語を使っていただかなくても普通に喋ってもらえたら……」
「わかりました……よろしくお願いします」
「いえ、こちらこそ。女の子があんまりいないクラスなのでうれしいです」
「よかったら、いろいろ教えていただけませんか」
「ええ、もちろん」
そこまで言って私たちは顔を見合わせて吹き出した。
お互い敬語を止めようと言っておきながら一向に止める気配がないんだもの。
「なんだか、変。私たち」
「本当にね」
私は部屋に入ってもらってお話する事にした。
電気ポットのお湯が沸いたのでティンバーの人がよく飲む薄荷入りの香草茶を入れた。
「わあ、すごくいい香り」
先輩改め明日からのクラスメートのアリシアさんはカップの湯気の香りを嗅いで目を輝かせた。
アリシアさんはお茶好きだそうで、このお茶もすごく気に入ってくれた。
「シグネさんは何の専攻なの?」
アリシアさんは私の本棚を見て不思議そうに言った。
気持ちはわかる。およそ女の子らしくないタイトルの本が並んでるから。
277:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/04/29 23:43 buxyirmS
「機械類全般が好きなんだけど、目標は爆発物処理資格取得かなぁ」
「すごーい。私、物理とか工科苦手なの」
アリシアさんは睫の濃い瞼をぱちぱちと動かした。
「アリシアさんは?」
「私は従軍医療士になりたいの」
「え、そっちの方がすごくない?私、怪我とか見ると貧血起こすんだもん」
アリシアさんがくすっと笑う。
「私もそうだったわ。病理解剖とかさせられてるうちに少しは慣れたけど」
「じゃあクラスは一緒でも専門授業はあんまり一緒じゃないのかな」
「そうね。あ、でも私空き時間は大抵図書館にいるから」
「本が好きなの?」
「それもあるけど、私図書委員なの。だから苦手分野でもどんな本があるかは知ってるから何かあったら聞いてね」
「それってすごく助かる~。ありがとう」
それからしばらくアリシアさんに授業の事や行事の事をいろいろ教えてもらった。
すごく楽しくて、気が付いたら消灯時間が近くなっていた。
「大変。もう帰らないと。ごちそうさまでした」
「こっちこそいろいろ教えてくれてありがとう」
ドアから出掛けにアリシアさんが振り返った。
「私の事、よかったらアリスって呼んでね。友達は皆そう呼ぶから」
「うん、わかった。私の事もシグって呼んでくれるとうれしいな」
アリスはまた瞼をぱちぱちさせてからちょっと小首を傾げた。
「シグ?わかったわ。じゃあおやすみなさい、シグ」
「また明日ね、アリス」
ドアが閉まってまもなく点呼があった。
点呼の後、私はシャワーを浴びてベッドの上にころんと転がった。
不安もあったけど、良い事の方がいっぱいあった。
なんだか一日中誰かに助けてもらってた気がする。
おまけに早速友達まで出来てしまった。
ラッキーすぎて怖いくらいだ。
私は本棚から日記を取った。
278:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/04/29 23:44 buxyirmS
おじいちゃんが私の13歳のお誕生日にくれた日記帳だ。
綺麗な地紋の浮いた赤い革張りの表紙で、10年使える日記帳だ。
「これを毎日付けるようにしなさい。使いきった時、きっとお前の財産になるよ」
おじいちゃんはそう言った。
時々、本当に時々、病気の時は書けなかった事もあるけれどほぼ毎日私はこの日記を開いた。
今日のページを開いてペンを取る。
この日記は1ページを10段に区切ってどの年も同じ日付は1ページに書くようになっている。
去年までの三段にはきちんと書きこんである。そして去年の今頃の日記の最初にはこう書いてある。
「スニフへ」
ティンバーからバラムへ来た日、私は列車の中で「スニフ」を見つけた。
バラムのお父さんやお母さんは良い人で、お兄ちゃんは私を可愛がってくれるけれどそれでも
本当の家族が誰もいなくなった事がつらくて、不安なまま私はあの列車に乗っていた。
「スニフ」を見た時、不思議とほっとしたのを覚えている。
同じ年くらいの男の子が一人で列車に乗ってどこか行こうとしているのを見て安心したのと、
あの綺麗な人を見る「スニフ」はとても幸せそうで、うらやましかったのだ。
バラムに来た最初の日、私はほんの冗談で日記に手紙を書いた。
「スニフへ
はじめまして。今日あなたを列車で見ました。
バラムで一緒に降りたけど、どこに行くつもりだったんですか?
旅行?それとも家に帰ろうとしていたのかな。
あの綺麗な人はあなたの恋人?それとも片思いなのかなあ。
でもとっても好きな人だという事はわかりました。
うまく行くといいですね 」
279:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/04/29 23:44 buxyirmS
すごく、くだらなくて幼稚な手紙。
けれど「スニフ」がどんな人か想像して、恋の行方だとかを予想している限り私は幸せだった。
だからこちらの生活に慣れるまでの日記は全部「スニフ」に宛てて書いている。
バラムの生活に慣れてからはそんなに思い出す事もなかったけれど、それでも何かあった時に思い出すのは
不思議とあの日の「スニフ」の事だった。
まさか、再会するなんて。
しかもお兄ちゃんの友達で、話までするとは思わなかった。
私はちょっとだけお兄ちゃんのお節介にお礼を言いたくなった。
「お兄ちゃんありがとう」
私は男子寮の方を向いて一応お礼を言った。
そして今日の日記にはこう書いた。
「スニフへ
まさか会ってお話できるとは思いませんでした。
今日はどうもありがとうございました。
今度からはちゃんと「先輩」って呼ぶようにします。」
私は日記を閉じて照明を落としベッドに潜り込んだ。
280:姐 ◆ane/8MtRLQ
03/04/29 23:46 buxyirmS
というわけでシグネの長い入学初日は終わりです。
しかし書けば書くほどガーデンでの生活って謎が多い…。
>>268
ありがとうございます。
思っていた子で良かった…。
281:砂漠の王と風の覇者43
03/04/30 00:48 a5BSPjko
「…………」
「何で? なんでいっつもそうなんだよ! ……あたし達がどんだけ心配したと
思ってるんだよ……」
―なのにどうして、そんな風に笑うの?
やり場のない怒り。なぜエドガーに辛く当たっているのか、実のところリルム
自身もよく分からない。
けれど思考よりも早く溢れ出る言葉を止める術を、リルムは持ち合わせていなかった。
「セッツァーやマッシュは、あんたを助けたいから飛空艇で乗り込んで来たんだ!
その時から多少の無茶は覚悟してる! それでも……」
荒くなる口調に混じる、僅かの戸惑い。
「それでも絶対、助け出したかった! だから謝られる筋合いはないんだよ!!」
句を繋ぐうち、次第にその正体が見えてくる。
「……残される人が抱える痛みがどんだけツライか、分かってる筈でしょ……?」
多くの命を呑み込んだ大地、引き裂かれた仲間。
そして、平和と引き替えにシャドウを失ったあの日の記憶。
「もう、あんな思いはしたくないのに……」
「だから」
最後の言葉を消え入りそうな声で呟いたリルムに、咎めるようなエドガーの声が重なる。
「え?」
「だからって、君はあんな無謀な事をしたのかい?」
その口調に顔を上げたリルムが見たエドガーの表情は、今まで見たことが無い
程の険しさで。
「だ、……だって」
「セッツァーやマッシュならまだしも、リルム。君はあの時何を考えて飛び出した? それこそ命を捨てるのと同じ行為だ」
「…………」
リルムに返す言葉はなかった。
「君に先立たれて、残された者達はどう思う? ストラゴスさんやサマサの人々、
それに仲間達だって同じ事を思うだろう」
「…………」
まるでシャドウの二の舞だ。
でも。
「……じゃあエドガーは?」
282:ドリル装備の名無し ◆Lv.1/MrrYw
03/04/30 00:59 a5BSPjko
途中、改行が無くて見づらい所があると思いますがご容赦下さい…。
どうしても、この一場面は1レスに収めたかったので、つい。
>>271
好みの問題ですが、漏れは先に挙げた一行の部分がちょうど良い案配で
読み手に想像させる余地があって(・∀・)イイ!と思ったんです。
自分ではそういう物が書きたいのだけれど、どうしても入れてしまう余計な言葉とかが
あるので、逆に好きなんですが…。って、余計な話ですたスマソ。
いずれにせよ、雷神に萌えた事は変わりないのですが。(w 時間があったらまた
読ませて下さい。
>>スニフの恋人
すっかり術中にハマった感がありますが、食堂のおばちゃんの描写なんか
ガーデン生徒の日常がありありと出ていて良いですね。
これを読んだ今、Disc2の校内放送で「食堂のパンを確保しろ」って選択肢を
迷わず選びそうになる漏れがいます。(w (選択肢、記憶違いだったらスマソ)
283:白 ◆SIRO/4.i8M
03/04/30 19:28 mMw5Zv2Z
推敲全然しないまま(待て( ゚Д゚)ゴルァ)コソーリ(゚Д゚≡*゚д゚)カキコ
あ、トリップ変えましたです。
284:浮金石(1)
03/04/30 19:29 mMw5Zv2Z
重力風が、大気の水分を凍らせる。
漆黒に金や白の斑を絡めた、浮金石の天空。
オーロラ色の、淡い緑の光が、森の深奥で沸き上がる。
魔晄の結晶が森に鏤められ、水に溶け、光る。
雪渓に、ちいさな子供が転がり落ちる。氷の薄い、凍てついた川へ向かって。
背の高い男の、長い指が大木の幹を捉え、子供の衿を掴んだ。
「──大丈夫か?」
「ニイちゃん、ありがと!」
村には不似合いな、黒の三つ揃いの男が、金髪の子供を背負う。
「…どうして…あんな所にいた?」
「星!星、木に登って見たー」
長身の男の、端正な容貌。紅の瞳が天を見上げる。
ニブルヘイムに辿り着くと、子供の母親が待っていた。
「この馬鹿!チビが夜中にウロチョロすんなって云ってっだろ!
とっととウチへぇんな!」
悪鬼羅刹も退散しそうな勢いで、小奇麗な母親が子供を家に押し込む。
「あ、あら、すいませんねぇ。ウチの豚犬がお世話になりました。
哥いさん、えらく良い男じゃありやせんか。お名前は?」
「……ヴィンセント。御子息が御無事で、何よりです。失礼」
長身の男が、神羅屋敷へ踵を返す。
母親はうっとりと頬を赤らめ、子供はジト目で母を見た。
風の中の氷が、光の柱となり、玲瓏たる氷河を照らし出す。
「…何をしている?…おまえ、名前は?」
「ペットボトルロケットー!おれ、シドってんだ」
「このままでは危険だ…貸せ」
285:浮金石(2)
03/04/30 19:30 mMw5Zv2Z
雪に、淡い花の香りが混ざる。雪の精霊が、笑っている。
「珍しいじゃない、ヴィンセント。子守なの?」
「今日は非番だ…ルクレッツイアこそ、無理をするな」
「あかんぼうがうまれんの?」
ルクレッツイアが、幼いシドの頭を撫でる。
「そうよ、坊や。おばさんのお腹には、赤ちゃんがいるの」
「おばちゃんじゃない!」
ちいさなシドが、眉間に皺を寄せ、俯く。
「お…おねえさん、だよぅ」
「ありがとう。子供が産まれたら、遊んであげてね」
神羅屋敷に、ピアノの音が反響する。
ステンドグラスが音を弾き、吸い取り、震わせる。
ルクレッツイアが歌っている。優しく、胎内の仔を撫でながら。
中で子は指をしゃぶり、微睡む。
「…産むのか」
「このままでは、産まれた途端に死ぬ子供よ」
でも、大切な人の子。
どんなに、おぞましい細胞実験のデータが出ていても
この子が助かるのなら、私は…。
ルクレッツイアは深い緑の瞳を伏せ、言葉を呑込む。
ふと、ヴィンセントが横に立った。
ピアノは連弾へ変わる。音符の一つ一つが溶け、共鳴し、睦み合う。
曲がしなやかに、一本葛となってゆく。
286:浮金石(3)
03/04/30 19:31 mMw5Zv2Z
「……え?」
「だから、そんな女は居なかったと云ってるだろう!帰れ!」
屋敷を神羅兵に追い返され、シドは考え込む。お八つを平らげた頃
「忍び込めば良いんじゃねーか?」と云う結論に達した。
実験動物用IDチップをポケットに入れ、窓からの潜入に成功。
余談だが、元実験動物の名は、ゴン太と云う
ハイウインド家愛玩のモルモットだった。
言い争っている声がした。
白銀の、異様に美しい赤子が叫ぶ。
「ママ…マンマァ!…ねぇ、何処!」
「ふん。もう喋るのか」
赤子の瞳孔は、猫と同じ針の形をしている。宝珠の淡い緑を宿した、眼。
「母に会いたいか?ならば会わせてやろう」
眼鏡の痩身の科学者が、赤子を抱え、地下に向かう。
「これが、お前の母だ。セフィロス。
二千年前の地層から発掘された、天からの厄災こそが!」
シドが見た者は──
紅色の渦巻き紋様を全身に描き、腹から胸迄、縦に裂けた口の女。
硝子の向うから、妖かしの光を宿した眼が、嗤う。
「…あ…!イヤ…!厭ぁ!」
「可愛いセフィロスよ。認めなさい。お前は人では無い。
人間のつもりでいる、宇宙から来た化け物だと」
若い宝条が笑っている。小さなシドの瞳に怒りが滾る。
287:浮金石(4)
03/04/30 19:34 mMw5Zv2Z
セフィロスは宝条に爪を立て、振払う。
「…全く、何て力だ!」
宝条は赤子を突き落とし、消えた。
サンルームで。小さなセフィロスが啜り泣く。子供の泣き方では無い。
声は無く。堪える様に手を握り、背中を震わせている。
「…男が泣くなよ」
「だれ?」
「将来の宇宙飛行士様でぃ。お前、スゲーな。宇宙から来たって?」
「あんまり、よく覚えてない…」
産まれたばかりであろうに、髪は既に肩迄伸び、立ち上がり喋る赤子。
けれど表情は幼く、儚い。
「僕の事…兵器だって、みんな云う」
「な、なにいってんでぃ!おまえの母ちゃん心配してたぜ!」
セフィロスの表情が変わった。
「ママを知ってるの?!」
「ん~あ~…。ちょこっとだけ、な。優しくて、美人だったぜ」
「ママなら知ってるよ。お腹に居た時、優しかった!」
にこやかに、幼いセフィロスが頬を紅潮させる。
「僕、きっと軍に入れられると思う」
「えー?気の毒だなぁ」
若干僅か二歳のシドには、話がややこしかったが。
「飛行機に乗れたよな。よし、俺も行く!」
288:浮金石(5)
03/04/30 19:35 mMw5Zv2Z
靴音と共に、大人の声がした。
「誰だい?よく此処迄入って来たねぇ」
「ガスト博士!」
「やべ!ごめん!ごめんなさい!」
手入れの良い髭を貯えた、青年博士がシドを抱き上げた。
「ガスト博士なら大丈夫。やさしいよ」
「な、なあ博士!ルクレッツイアって人、知ってる?」
博士の表情が曇った。
「彼女なら入院中だよ。赤ちゃんを産んだからね」
「ヴィンセントの兄ちゃんは?」
「任務で、遠くに行ったと聞いてるが」
「そっか」
ふと。博士はシドの、異様な眼の輝きに気付いた。
深く、内から発光する。蒼い金剛石の瞳。
「君は…。魔晄の泉で遊んだ事でも、あるのかい?」
「あすこ大好きだい!父ちゃんと母ちゃん、デートしてたって!」
「さて。どうやって此処を出るのかね?」
「……あ」
脱出迄は考えてなかったシドが、青ざめた。
「僕についておいで。裏門から出よう」
幼いセフィロスが、ガスト博士の裾を引っ張った。
「ねえ。お兄ちゃん。さっきの話、約束して。
一人ぐらい、軍に知ってる人が居て欲しい…」
「ん?ああ、分った!約束する!神羅軍に入るぜ」
289:浮金石(6)
03/04/30 19:36 mMw5Zv2Z
湖は鏡の如く凪ぎ、水鳥が鏡面に波紋を描く。
のびやかに広がった紋様が、ヴィンセントの靴先を濡らす。
「──ま、結局神羅行っても、ろくすっぽ会わなかったがよ」
「覚えていたのか、シド…」
「餓鬼は丸ごと覚えるからな」
「お前は良く、木から落ちたり、川に飛び込んだりしていたな」
シドが煙を吹き、咽せる。
「俺ぁよ。ずっと疑問だったんでぃ。
宝条博士の眼は濃い茶色で、ルクレッツイア姉ちゃんは濃い緑。
ジェノバは眼が光ってて分らねぇ。
セフィロスの、あの淡い瞳は、誰に似たんだ?って」
煙草の煙が、滝の飛沫に吸い込まれる。
「ルクレッツイア姉ちゃんが惚れた男で、眼の色素が無ぇのは、誰だ?」
「シド…それは…。しかし、確証の無い話だな」
惚れた腫れたに確証があっかよ。シドはそう云いながら、煙草を仕舞う。
「会って来いよ。ルクレッツイアに。居ないように見えても
祠のどっかに、隠れてっから。
──もう、戦いは終わったんでぃ」
祠にヴィンセントを独り残し、潜水艇が帰って行く。
「ルクレッツイア。そうなのか?」
「ごめんなさい…産むのなら、貴方の子供が良かったの」
ヴィンセントが、ルクレッツイアの瞳に口付ける。
「…セフィロスを愛していたわ。望んで、授かった子なのよ。
そう、伝えてやりたかった…」
優しい魔晄色の風と澄んだ紅の風が、祠に吹き込む。
白銀の髪の青年が、其処に立っていた。 END
290:白 ◆SIRO/4.i8M
03/04/30 19:38 mMw5Zv2Z
>>267-268 >>281-282
互いに深く思い遣る余り、喧嘩になる二人に激しく萌えました。
リルムちゃんに描いて貰いた…ゲフンゲフン続編期待sageです!
今後、溜め込まず(;´Д`)ハァハァする事にします。(違)
>>269
おおー!お仲間ですか!ヽ(*´▽`)ノマンセー
ことえり、10年近く使ってて、全く警告に気がつきませんでした。。。
丁寧な解説有難うございます。今度から表示見ながら使いますです。
>>270 >>273
ありがとです。おいらも職人さん目指してガンガろ…。
>>271
1からロムってて思ったですが、29さんの爽やかなお話で
スレの方向が決まったように思います。作風は人各々で、各々にハァハァですが
お話が綺麗にまとまってると感じますた。次作も期待してますです。
>>266 >>272
「スニフの恋人」キタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!!
まとめ乙カレー様です。お優しいお言葉有難うございます。。・゚・(⊃Д`)・゚・。
ガーデンに入学したい…(無理です)ミントティー、美味しそうです。
エマさんも 食堂の小母ちゃんもアリシアさんも、もちろんシグネタンも
キャラクターが立ってて、今後が気になりますです。
291:29
03/04/30 20:36 sQj14kiK
>>290
方向性が決まったなんてそんな、妄想を書き連ねただけですから。
ネタだけは脳漿から湯水のように湧いてくるのですが、、、それを文章にするとなると、なかなか、、、。
あと、時間も、、、。大学入試の勉強は早めに始めないとシャレでなく氏にますからねえ(ガクブル
長編なぞ夢のまた夢です。
結婚式、、、。純白のドレスと純白のタキシード、、、。ブーケ、、、。
そして鐘の音、、、。
292:雫夜 ◆sizukTVGK.
03/04/30 21:03 +7LpX0Rd
『スニフの恋人』の続きを読みたくて来ますた。
ホント良スレですね。
>>274-279
シグ可愛いっす。日記の中身も可愛らしい。
ガーデンの描写が丁寧で(・∀・)イイ!! 私もバラムに行きたくなってきたでつ。
後半でがんがん出てくるというシュウの登場にも期待しています。
>>284-289
ヴィンセント×ルクレツィアキタ━━ヽ(゚∀゚)人(゚∀゚)人(゚∀゚)ノ━━ッッ!!!!!
このスレ来てマジ良かったです!!
セフィロス誕生秘話がせつないけれど、とてもしみじみしますた。
そしてシド!!
とてもおいしい役どころだと思ったり。
白さんの作品、さかのぼって読んできます。
293:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/05/01 20:32 YuO4y0M7
翌日、私の所属するホームルームの教室に入ると、後ろの方の席でアリスが手を振っていた。
「おはよう。シグの席、私の隣よ」
アリスが声をかけて教えてくれたので私はその席に座った。
この教室は昨日アリスが言った通り、男の子の数の方がずっと多いみたいだった。
「このクラスは将来、戦闘支援部隊への入隊を希望する人がほとんどなの」
アリスが教室にいる男の子を指して説明する。
「窓側に立ってる人は私と同じで従軍医療士希望。その隣の人は通信暗号士。向こうの三人組は兵器開発」
このクラスは15歳以上の軍事研究科の生徒が所属している。
学校の全体行事や必須科目はこの教室からホームルームのクラスメートと一緒に受講し、各自が希望した専門分野の授業は
それぞれのクラスに分かれ、内容によっては正規コースの生徒と一緒に受ける。
例えばこのコースでも格闘の初歩は必須で、私の場合は数歳年下の正規コースの子と一緒に受ける事になる。
ガーデンは単位取得の状態やコース別、そして年齢で受けられるクラスが決まっているのだ。
例えば同じ軍事研究科でももう一つクラスがあり、そちらは戦略史や国際情勢の机上学習が主だ。
お兄ちゃんが言うにはもそっちのクラスは色んな所の偉い人の娘さんが多いためこちらのクラスより女子の比率が高いのだけど
「おっそろしいところだぜ」ということらしい。
今日はホームルームの後、必須科目を1時間受講して、専門の授業のために各自別の教室に移動する。
「お昼、食堂で待ってるから」
教室を出かけた時アリスが誘ってくれたので私はお昼を楽しみに次の授業に行った。
午前の残り2コマは兵器研究の実習クラスだった。
このクラスは上級生はもちろん、正規コースの生徒でも受講していると聞いていたので、
私は少し緊張しながら教室に入った。
294:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/05/01 20:33 YuO4y0M7
「だからこれじゃだめだって!」
教室に入るなり、大声がして私は思わずすくんでしまった。
落ち着いて教室の中を見ると、教室の隅のパソコンの周りに先輩らしい人達がたくさん群がっていた。
なぜか皆、制服ではなく作業服を着ている。
「でも、どうするんだよ。これ以上は無理だって」
私はどうしたものかと思いつつ、そっと皆の方へ近づいた。
「あの……」
私が声をかけると、ショートカットの女の人が振り返った。
「何?」
「私、今日から……」
「あ~!アンタ、オリーの妹?今日からこのクラスに入る」
パソコンの脇にいた別の先輩らしき男の人が私に気付いて声をあげる。
「……はい」
なんだかよくわからないけれどお兄ちゃんのおかげで私は無駄に有名らしい。
「ごめん、このクラスはみんな朝イチからこの授業の連中ばっかりで」
「2時限目になってたなんて気付かなかったな~」
「おい、歓迎会の用意はどうなったんだよ」
「ホントだ。ねえ、そこの冷蔵庫に白い箱ない?ケーキなんだけど」
「嘘だろ、オレそれ食っちまったよ」
「冗談よしてよ!何考えてんのよ」
先輩達は私におかまいなく盛り上がってしまい、会話に入れなかった。
「あ、ごめん。この教室席決まってないから適当な椅子に座って待ってて?」
私が初めに声をかけた先輩がにっこり笑って教室の真ん中を指差した。
私はおとなしく椅子に座った。
「ただいま~!!」
教室のドアが勢いよく開いて、バンダナを帽子みたいにかぶった女の人が、大きな箱を抱えて教室に飛び込んで来た。
「お前、全部俺に押し付けて行くなよな~」
大柄な男の人がそれに続いてゆっくりと教室に入ってきた。
手にはたくさんの武器ケースを抱えている。
295:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/05/01 20:33 YuO4y0M7
「だって私壊れ物持ってるんだもん。あ、新入生?」
なんだか元気のいい女の人だった。
「はい。よろし……」
私が挨拶しようと立ち上がると、背中をばんばん叩かれた。
「堅苦しい挨拶はナシ!」
「で、壊れ物って?そんなもん発注した覚えないけど」
ショートカットの先輩が言う。
「朝冷蔵庫開けたら、大事な物がなくなってから再調達してきたんだってば」
バンダナの女の人は私の前に手に持っていた大きな箱を置くと蓋を開けた。
中に入っていたのは色とりどりのケーキだった。
「ごめんね~、本当は昨日の夜、特大のオペラを買って用意しといたんだけどでっかいネズミがいるらしくってさぁ」
バンダナの先輩は私に笑顔を向けながら部屋の隅にいた男の先輩に冷たい視線を向けた。
「悪かったよ、こんな気の効いた事するなんて知らなかったんだよ」
視線を向けられた先輩は頭をかりかりかいた。
「普通、でかでかと『ようこそ!』なんて書いてあるホールケーキに無断でフォーク突立てる?」
「助かったわ、セーラ。私は今気付いた所だったのよ」
「まぁったく、せっかくの有望株でおまけに女の子なのよ。ちったあ考えなよ。
ケーキ食べちゃったんだからコーヒーくらい淹れてよね」
バンダナの先輩のセリフにケーキを食べたらしい先輩は気取ってガーデン式の敬礼をして、教室の奥のドアの向こうに消えた。
「さて」
ショートカットの先輩がにっこり笑った。
「はじめましてシグネ。私はサラよ」
「で、あたしがセーラ」
バンダナの先輩が手を上げる。
次いで、パソコンの前に座っていた先輩が立ち上がってこちらに来た。
「俺はミゲル」
「クリスティアン。長いからクリスって呼んでくれ」
こう言ったのはひょろっと背の高い先輩。
「俺はガイウス。ガイでいいよ」
私より後に来た、大柄な先輩はセーラ先輩の視線にうながされたように名乗った。
「で、今コーヒー淹れに行ったのがジョージ。ここの主なメンバーは以上」
サラ先輩が奥の部屋を指差す。
296:スニフの恋人/姐 ◆ane/8MtRLQ
03/05/01 20:35 YuO4y0M7
「おい~、新入生のカップどれ使うんだよ~」
タイミングを図ったように奥から声がした。
「流しの所に出してあったでしょ?」
サラ先輩は小走りに奥の部屋に行ってしまった。
「ここでは皆先輩後輩なしでファーストネームで呼びあうから。よろしくシグネ」
セーラ先輩はにっと笑って手を出した。
「よろしくおねがいします、先……」
さっそく「先輩」と言いそうになって私はあわてて口を押えた。
「すぐに慣れるよ」
セーラ先輩は私の手をぎゅっと握って言った。
「コーヒーはいったぞ」
奥の部屋からジョージ先輩が出てきた。
「こら、シグネが先でしょ。歓迎会なんだから」
ガイ先輩の手をぺしっとはたいて、セーラ先輩が私にきれいなピンクのカップを手渡してくれた。
「一応、あなたのマイカップはそれね。余ってる奴にかわいいのあったからそれにしたけど
別のがよければ自分で用意してね。……だから、シグネが先だっての」
セーラ先輩は再びケーキに伸びた手をぺしっと叩いた。
「遠慮してると皆の手にセーラの手形がついちゃうよ?」
サラ先輩が私の前にケーキの箱を押しやった。
皆がにこにこしているので気分が軽くなって私はケーキを一つ取った。
私の好きなお店のケーキなのでうれしくてつい顔がゆるんでしまう。
「お前ら見ろよ、シグネを。あの顔。ケーキを前に天使のような笑み。女の子っていうのはこういうもんだろ!」
クリス先輩が突然女子の先輩二人に訴えたので私はフォークを落としそうになった。