03/04/11 23:16 WfWvJLRL
「どこまで行ってもお互い、平行線のままなのか……?」
諦めと嘆きを含んだ複雑な声を漏らし、エドガーは静かに槍を構えた。
火の手はもうすぐ後ろまで迫っている―残された猶予はない。それは即ち、
“迷い”が死に直結していると言う事を意味する。
「……だが忘れないで欲しい……お前も、フィガロの民であるという事を」
だが、彼には捨てきれない思いがある。どうしても、どんな状況におかれても
捨てきれない物をたくさん抱えていた。
「ギャンブルでも女でも、多くを求めすぎると自滅するもんだ」
セッツァーが以前言っていた、そんな言葉をふと思い出して苦笑する。
それまで、男の前で決して見せなかった穏やかな表情を浮かべながら、エドガー
は呟いた。
「私はフィガロを愛している。……その為に、この身が滅びると言うなら本望だ」