03/03/16 01:09 SDZnBpSC
ザックスとスコールはそのまま素手の殴り合いに移行した。
元々剣使いである二人にとって格闘術は専門ではなかったが、それでも素人のリノアが立ち入れる領域ではなかった。
超近接状態でザックスが拳を繰り出せば、スコールはそれをしゃがんでかわし、そのまま足を払う。
綺麗に転倒したザックスはお手本どおりの受身を取り、そのままで蹴りを放つ。
最初はかわしかわされの攻防も、次第にお互いの攻撃が決まり始めて動きが止まる。
こうなると、負傷しているスコールの方が不利だ。顔面を殴られ、尻餅をついたところにザックスが馬乗りに圧し掛かる。
「これで、終わりィッ…!?」
スコールの動きを封じようとして自分の動きも止まる、そこに付け込む隙があった。
リノアは背後から妖精のロッドを思い切りザックスの横顔に叩き込む。
それ自体の威力はたいしたことは無いが不意をつかれてザックスは倒れる。
「スコール!」
その脇を抜けて、リノアはスコールの手を取る。
はぁ、はあ、と息を切らすスコールに人間味を感じて、リノアは少し嬉しくなった。
「行こう」
スコールの手を引いて駆け出すリノア。それに黙ってついていくスコール。
そんな二人の足音が遠くに消えた時、ザックスはダルそうに上体を起こした。
「ちェ、そう言えばそうだったな…あの子は、あいつを」
すぐにまた、地面に倒れる。ヒリヒリと頬が痛んだが、それ以上に胸がムカついた。
「これじゃ、道化師じゃねーか。クソッ」
54:ウルザの保管庫
03/03/16 01:10 SDZnBpSC
ザックスが追ってこないことを確認したリノアとスコールは走るのをやめた。
ただ、手は繋いだままだった。繋いだ、と言ってもリノアがスコールの手を掴んでいるというのが正確だろうが。
スコールと離れたくない、ということもある。それ以上に、離したらどこにいってしまうかわからないことが不安だった。
人気のない洞窟の中を進む。何度も迷いながらもさしたるトラブルもなく、出口近くまで来ることができた。
そこで彼等はその男に遭遇した。
暗くてよく見えないが、体格のいい男性である。腰には剣が下げられていた。
向こうはこちらのことに気付いていないようだけど、どうすればいいのだろう…とリノアは迷う。
スコールは迷わなかった。
「あっ!」
リノアの手を振り払い、その男めがけて疾走する。
殺到してくるスコールに気付いた男、だが彼が反応する前にスコールは彼の脇に入り、腰の剣に手をかける。
剣を半ばまで抜いたところで、スコールの腹に、男の筋骨隆々とした肘がめり込んだ。
弾き飛ばされるスコール。その拍子で男の腰から剣が抜け、地面に落ちた。
「スコール!」
男はリノアのほうをちらりと見た。そしてすぐに、スコールに視線を戻す。
スコールはふらつきながら落ちた剣を拾い立ち上がる。男はそれを冷ややかに見つめていた。
「賢しいな、小僧。そうやって人を騙して生き抜いてきたか」
重い、大人の声が洞窟に響く。それを断ち切ろうとスコールは一歩前に出ようとした。
その前に、男の足が前に出た。スコールは前に出るのをやめて、一歩退いた。
もう一歩、男が前に踏み出す。それにあわせてスコールは後退する。
「どうやら、性根が腐っているようだな。親に代わって私が仕置きしてやろう」
55:ウルザの保管庫
03/03/16 01:11 SDZnBpSC
男が前に進めば、スコールは下がる。男に向けた剣の先が揺れ、スコールの頬に一筋の汗が伝う。
緊張を断ち切るように、スコールは男から奪ったアイスブランドを振るう。
男はかわそうともしない。アイスブランドはかわすまでもなく空を斬るのみ。
「小僧、覚えておくがいい。戦場では闘気の勝るほうが勝つ」
スコールの目に、その男が大きくうつった。これまで出会ったことのない、強い力とそれを固める年齢を重ねた大人の存在が、果てしなく大きく見えた。
「腐抜けた魂と曇った気合、体だけで振ったそんな剣が、このパパスに通用すると思うな!」
刹那、スコールは殴り飛ばされた。顔面の骨格が歪むかのような強烈な一撃。
剣を取り落とし、洞窟の壁に叩きつけられる。そこに、追い討ちをかけるパパス。
リノアは呆然と目の前で繰り広げられる惨劇を見ていた。
一撃一撃がスコールの中の何かを削り取っていく様を、呆然と見ていた。
そして、スコールが完全に抵抗をやめ、成すがままにされているのに気付いて、ようやくリノアは我に返る。
「やめて!」
なおも拳を振るおうとするパパスと、ほとんど自力で立っていないスコールの間に飛び込む。
「お願いだから…止めてください。私たちが悪かったです、だから」
「だから、何かな。お嬢さん」
だから…言葉を続けようとして、リノアは口篭もる。だから…私は何をしたいんだろう。何が出来るんだろう?何が…
そんなリノアをパパスは射るような視線で見ていたが、すぐに見切りをつけて視線を外す。
床に落ちたアイスブランドを再び腰に戻すと、物影のほうに何か合図を送る。
物影から出てきたのは、一匹の犬である。近くまで来たことを確認すると、パパスは口を開いた。
56:ウルザの保管庫
03/03/16 01:13 SDZnBpSC
「子供と青年を探している。青みがかった髪の、10ぐらいの双子と、茶色の髪の20ぐらいの青年だ」
「…解りません。でも、奥に男性がいます。その人なら何か知っているかも」
「そうか。では会いにいくとしよう」
パパスは犬のトーマスを伴い、洞窟の奥へ歩いていく。威風堂々としたその姿には一片の揺るぎもない。
直後、スコールは力無く倒れた。地面に触れるところで慌ててリノアが抱きとめる。
「スコール…」
スコールはボロボロだった。これが、自分の弱さを隠すために人を殺めてきた報いなのだろうか。
自分より強いものに成す術もなく嬲られ、まもるべき人に逆に助けられる。
なんて、惨め。…何時しか、スコールの瞳から涙が零れ落ちた。
【スコール(気絶) 所持:真実のオーブ
現在位置:ロンダルキアの洞窟地下一階
第一行動方針:なし】
【リノア 所持:妖精のロッド・月の扇/アルテマ×1
現在位置:ロンダルキアの洞窟地下一階
第一行動方針:スコールに着いていく】
【ザックス 武器:バスタードソード
現在位置:ロンダルキアの洞窟5F(移動してるかも)
第一行動方針:エアリス・ティファの捜索】
【パパス 所持:アイスブランド
現在位置:ロンダルキアの洞窟地下一階(奥へ)
第一行動方針:奥の人物(ザックス)と接触
第二行動方針:バッツと双子を捜す。
第三行動方針:ゲームを抜ける】
【トーマス 所持:鉄の爪 薬草×10 手紙 碁石(20個くらい)
現在位置:ロンダルキアの洞窟地下一階
第一行動方針:パパスについていこうと思っている】
57:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/03/16 12:14 WGGwWcSl
――彼女は眠り続けていた。
自我は容易にかき消されてしまうくらいに希薄ではあったが、
確かにソコに存在していた。
まったく意識が無いわけではない。
時々、短い時間ではあるが半覚醒の状態が訪れる事があった。
――彼女は深い暗闇の海に浮かんでいた。
凶暴な、そして冷酷な暗闇。見えるものは何も無かった。
自分が何故ココにいるのか。自分が何なのかもわからなかった。
暗闇は圧倒的な冷たさと重圧を持って、彼女をかき消そうとする。
しかし、彼女は消えなかった。
何故、自分は消えてしまわないのか?
そこで初めて、彼女は自分が何かを抱えている事に気がついた。
圧倒的な暗闇に対抗する力強い光。
刃のような冷気に対する暖かい炎。
重圧に対するやわらかい力。
一枚の虹色の羽だけが、彼女を護っていた。
この羽は、自分に生きろと言っている。
彼女は悔しさと、はっきりとしたもどかしさと、絶望を感じた。
どうしたらココから抜け出せるのかわからない。
感情だけは、完全に覚醒していた。
しかし、それも次第に闇に落ちていく。
彼女は自分の抱えている炎を意識しながら、再び眠りについた。
【リュック :所持武器:なし 現在位置:エビマジの研究室 行動方針:なし 】
58:保管庫
03/03/19 22:12 jgRyoC6j
日が完全に落ちるには、まだ少し時間がありそうだった。
紅の空に浮かび上がった白い月が、太陽を追うように山の線の向こうに沈んでいく。
それをミレーユは森の中で、声を潜めながら見ていた。
占いに出てきた人物は確かにこの森近くにいるはずだった。
中に分け入りしばらく散策して、出会いの時を今か今かと待ち続けたが、結局誰も現われなかった。
それとも行き違いになったのだろうか。
もう一度占ってみようとしたが、何故か気が落ち着かず集中力が沸かなかった。
少し間を置いて何度か実行を試みても、やはりダメだった。
病み上がりの時のような気だるさが全身を襲い、気が削がれてしまうのだ。
自分のセンスを疑い出しため息をついた。
いい加減、別の場所を探そうと森を抜けようとしたそのとき。
背筋に悪寒が走り体が思わず反転した。
木の陰からそっと外を覗ってみると、南の方から歩いてくる者が見えた。
長身で銀髪をした精悍な男だった。
自分にはない強靭な精神力で雪原を踏み鳴らし、真正面のみを見据えながら北へ歩いていった。
男が一歩進むたびに、周りの空気が膨張して破裂しそうだった。
ミレーユが隠れ蓑にしている木も連動して震えていた。
残された足跡にさえも抑えきれんばかりの衝動が注ぎ込まれているようで、ミレーユは圧倒された。
ミレーユは大きな吐息をついた。今度は心からの安堵のために。
誰もいなくなったことを確認すると、森から出て男が向かっていった方を見つめた。
日はほとんど沈みかけていたが雪明りで思ったより遠くまで見えた。
あの先は間違いなく嵐だろうと予感して、ミレーユは肩をすくめた。
【ミレーユ 所持武器:ドラゴンテイル・妖剣かまいたち・小型のミスリルシールド・ 現在位置:ロンダルキア東部の森 行動方針:占いで見た人に会う(ロック、エリア)】
【セフィロス:所持武器:正宗 現在位置:ロンダルキア東部の森→祠の方へ向かう
行動方針:全員殺す・勝ち残る】
59:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/03/20 18:37 SFlN6nUO
60:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/03/20 18:56 I6WF1Tk2
61:ネルフの補完庫
03/03/20 21:56 jL3AVb0z
祠の離れの中は騒然としていた。
「オルテガ殿、今すぐここを出よう!」
「何故だ? もう少し話を聞いても」
「わからないか、外を取り巻く『気』が変わっている」
言われてみると確かに只ならぬ気配が接近していることがわかる。
この娘の連れとはまた別の人物。他にもまだ誰か来る……?
「ここが見つからなければ良いのだが、そう都合よくいかないだろう。
もし火でも放たれたら事だ」
「む、わかった。このお嬢さんは……」
モニカが不安そうな顔をして座っていた。オルテガはどうしたものかと頭を掻いたが、
やがてすっと手を差し出した。
「仲間はすぐ近くにいるんだったね?」
「え、ええ。外にいるはずです」
モニカはオルテガの手を取って立ち上がった。
「お嬢さん、申し訳なかったな」
「いえ、私は別に。息子さんのことは驚きましたけど」
二人を待っていたリバストが声を強めて言った。
「早くした方がいい。敵は待ってくれんぞ」
そのとき祠の方で物音がした。
「そうだ、向こうにも何人かいたな……」
【オルテガ 所持武器:水鉄砲 グレートソード 覆面 現在位置:ロンダルキアの祠の離れ
第一行動方針:アルスを探す】
【リバスト 所持武器:まどろみの剣 現在位置:同上
行動方針:外へ出るか、祠の人物をどうにかするか】
【モニカ:所持武器:エドガーのメモ(ボロ) 現在位置:祠の離れ
第一行動方針:仲間と合流
第二行動方針:アーロンの傷を完治させる
第三行動方針:仲間を探す】
チョコボが奥に隠れています。
62:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/03/21 00:10 /dH6nJNz
age
63:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/03/21 00:18 N0fB1O1L
お つ か れ コ ピ ペ
64:保管庫
03/03/22 19:43 MtcNUNPe
「…アーロン殿」
「ああ…見られて…いるな」
アーロンの言葉に、メルビンは無言で頷いた。
南の方から現れた何者かは、じっと息を潜めてこちらを伺っている。
気配はほとんど感じられない。
もちろんこんな芸当のできる奴など、まともな人間ではない。
「どうする? どんな人間かわからんが…」
相手に聞こえない様に、アーロンは小さい声で問いかけた。
「十中八九、味方ではないでござるな。
こんな気味の悪い視線はまともな人間が出せる代物ではないでござる」
「こちらから仕掛けるか。相手にやる気があるのかはわからないが、
先手を取られるのは面白くない」
「うむ。わしが隙をつくるでござる。飛び道具があるやもしれぬでござるから、
正面からは避け、左右から挟みこむ形で行くでござる」
「わかった。中にいるモニカが心配だ。すぐにケリを…!!!」
その時、思ってもみない事が起きた。
三人が行動に移す前に、森の中にいる何者かが足早にこちらから遠ざかっていくのだ。
「話が聞こえていたのでござるか!?」
「たぶんな。おそらく、時間を置いたらまた来るだろう」
「うむ。追いかけたい所でござるが…」
「やめておこう。先にやらなくてはならない事がある」
建物の中にいる連中には、未だに動きが無い。
モニカが叫んでからは静寂を保ったままだ。
さっきの奴がまたいつくるのかわからない。
しかし人質をとられている以上、こっちの相手には先手を取る事が出来ないのだ。
どうしたものか…。と三人が考えを巡らせていたその時、
南の森の方からの女性の叫び声が、保たれていた静寂を切り裂いた。
65:保管庫
03/03/22 19:45 MtcNUNPe
「アーロン殿!!」
「ああ。俺達より向こうを優先したんだな」
「うむ。見過ごすわけにはいかないでござるな。
わしとガウ殿で行く。アーロン殿はここで待機していて欲しいでござる」
「…わかった。気をつけろよ」
この状況で半怪我人の自分がどれだけ足手纏いになるのか
アーロンもよくわかっているのだろう。
メルビンとガウを見送り剣を鞘に収めると、建物の中の様子に意識を集中させた。
今、自分が果たさなくてはならない仕事に専念しなくてはならないのだ。
「とんぬらさん、今の悲鳴は!」
「ああ。助けに行かないと…。
アニー、ここで待っていて。すぐに戻るから」
「イヤ、行かないで!」
アニーはとんぬらの服の裾をつかんで離さない。
「アニー…」
「なにがあるかわからないのよ。もしなにかあったら…私……」
「………」
アニーは目に涙を溜め、服の裾をより強く握りなおした。
「イヤ…イヤなの……」
とんぬらはすすり泣く娘を抱きしめた。
お互いに程度の違いはあれ、離れたくないのは同じだろう。
それに、おそらくこの舞台には安全地帯など存在しないのだ。
「…これじゃあ行けないね」
「………」
「えっと、僕が見てくるよ。とんぬらさんはアニーについていてあげて」
「ルーキー。…ごめん」
「気にしなくていいよ。でも、なにかあったら助けにきてよ」
「ああ。約束する」
ルーキーはスナイパーアイを装備すると、まっすぐ悲鳴のした方へ走り出した。
66:保管庫
03/03/22 19:46 MtcNUNPe
「足跡は残っているでござるな。ガウ殿、臭いを追えるでござるか?」
「ガウ!!」
ガウは地面に残った足跡を嗅ぐと、南西の方角へと走り出した。
メルビンも後ろからついて行く。
途中足跡が増え、おそらく襲われた女性も同じ方向へ逃げているらしい事がわかった。
木々の隙間を縫う様に走る事数分、森が開け、
切り立った崖と、対岸の島へ渡る吊り橋が見えた。
「ガウ!」
「この橋を渡っていったのでござるな。行くでござるよ!!」
そう言って二人は吊り橋の上を駆け出した。
ちょうど半分まで来た所であろうか、前を走っていたガウが急に立ち止まった。
「どうしたんでござるか?」
「ガウゥ…。(臭いが…消えてる…?)」
メルビンの顔がこわばり、弾かれたように後ろを振り返った。
対岸にいたのは、紫の髪をした女性の姿。
「しまった! 罠か!!」
女性は醜く顔をゆがめると、掌に生み出した火球を吊り橋に叩きつけた。
「ガウ殿! 逃げるでござる!!」
「ガウ!!」
間一髪、二人は橋が落ちる前に対岸にたどり着くことが出来た。
後ろを振り返ると、さっきの女性の姿はどこにも見当たらない。
火に包まれた吊り橋があげている、黒い煙しか見えなかった。
(どうしよう。すごいものをみてしまった。
キレイな女の人が変な杖をふると、メルビンさんそっくりに変身したんだ。
それだけじゃない。変身する直前、一瞬だけど気配を隠すのをやめた時、
…アイツの体からものすごい瘴気が漏れたんだ。あんなの、高位の魔族じゃなきゃ…。
アイツの向ってる方向は、地図で祠が書いてあった方みたいだ。
橋の方が気になるけど、先にとんぬらさん達と合流しないと)
67:保管庫
03/03/22 19:49 mLjNNz4l
「…どうなっているんだ」
つい数分前から立ち上った黒い煙を、アーロンは歯がゆそうに見上げていた。
煙とメルビン達が向かっていった方角は一致していた。
「…あの二人に何かあったのか?」
建物の中は未だに沈黙を保っている。
今すぐ向こうの様子を見に行きたいが、モニカを放っておく訳には行かない。
体を二つに裂いてしまいたい衝動に襲われる。
どちらも自分の命の恩人であり、大切な仲間なのだ。
その時、森から誰かが姿を現した。
「アー…ロン…殿……」
現れたのは傷だらけになったメルビンだった。脇腹から血を流している。
「どうした! なにがあったんだ!!」
アーロンは今にも倒れそうになっているメルビンを支えた。
「罠…だったんで…ござる…。ガウ殿は…」
「わかった。もう喋るな」
「モニカ殿は…どうなったで…ござるか?」
「まだ中にいる。さっきから何も動きがない」
そういってアーロンは見えない祠の方を向いた。
「なるほど。そこに祠があったんだな」
耳慣れない言葉。アーロンがその言葉の意味を理解する前に、
メルビンの右手に発生した雷撃が、アーロンの体を絡め取った。
「ぐ…がぁ…」
「ほう、確かにここに何かがあるな」
メルビンは地面に倒れこんだアーロンを一瞥すると、
アーロンの向いた方向を調べ始めた。
「貴様…何者だ……」
アーロンは剣を構え、フラフラと立ち上がった。
68:保管庫
03/03/22 19:50 mLjNNz4l
「…そうか。そんな奴が……」
とんぬらは帰ってきたルーキーの話を聞くと、アゴに手をやって思案し始めた。
「…行こう。祠の中にだれかいるかもしれない」
とんぬらはそう言って立ち上がった。
「………」
アニーは心配そうにとんぬらを見上げる。
「アニー。さっき話しただろう。
ぼくは死なない。おまえやクーパーを残して死ねるわけはないだろ?」
とんぬらはアニーの肩に手を置いて、ゆっくりと話し掛ける。
「大丈夫。ぼくがどれだけ強いかわかってるだろ?」
アニーは黙って首を縦に振る。
「ここで隠れていなさい。でも危なくなったすぐににげるんだよ」
「…私も行く。もう離れたくない!」
少女の決意は固く、曲げる事はできないようだ。
「…わかった。急ごう。もう祠についているかもしれない」
「ぐうっっ」
見えない衝撃波にアーロンの体は吹き飛ばされ、近くの木に叩きつけられた。
「わしか?…そうだな。次の姿は貴様にしようか」
「一体…何を……!!!」
メルビンは袋のなかから奇妙な杖を取り出し、呪文を唱えた。
奇妙な煙がメルビンの体を覆い、次の瞬間、メルビンの姿はアーロンそっくりになった。
「こういう事だ。まあ、貴様は見事にだまされてくれたわけだな」
アーロンもどきはそう言うと、印を組み呪文を唱え始めた。
「同じ人間が二人もいるのはおかしいからな。貴様はしばらく眠っておれ」
69:保管庫
03/03/22 19:51 mLjNNz4l
少しずつアーロンの体から自由が奪われていく。指先が痺れて動かない。
舌が全く動かない。モニカに危険を知らせる事も、もはや出来ないようだ。
(くっ…意識が……気を…失っ…て……たまるか…)
「安心しろ。殺しはしない。もっとも、誰も貴様を助けに来る者などいないのだがな。
ヒョーッヒョッヒョッヒョッヒョッヒョぶっ!!!」
えらそうに高笑いをしているアーロンもどきの後頭部を、
彼方から飛来したブーメランが直撃した。
【アーロン(怪我・半冷凍
所持武器:折れた鋼の剣 現在位置:祠の離れのそば
第一行動方針:気を確かに持つ
第二行動方針:モニカを助ける
第三行動方針:仲間を探す】
【メルビン/ガウ
所持武器: 虎殺しの槍 /なし 現在位置:祠から南の島
第一行動方針:アーロンとモニカを助けに行く
第二行動方針:仲間を探す
第三行動方針:ホフマンの仇をうつ】
【エビルプリースト(現在の姿はアーロン)
所持武器:危ない水着 変化の杖 ファリスのペンダント 現在位置:祠の離れのそば
第一行動方針:この場にいる全員の始末】
第二行動方針:天空の勇者(ソロ・クーパー)の始末】
【とんぬら(DQ5主人公)/ルーキー/王女アニー
所持品:さざなみの剣/スナイパーアイ ブーメラン/マインゴーシュ
現在位置:祠の離れのそば
第一行動方針:アーロンもどきを倒す
第二行動方針:クーパーをみつける】
祠から南にある橋は焼け落ちました。
70:保管庫2
03/03/24 00:09 RholzO5q
不意をつかれ、エビルプリーストは横によろけた。
今はアーロンの姿をしている事も忘れ、血走った目を衝撃が襲ってきたほうに向ける。
雪の中駆け抜けてくる人影一つ、剣を抜き放って振りかぶる。
「何者だぁっ!」
言うが早く魔力を構成し、イオナズンの魔法を唱える。相手の動きは速いが、こちらのほうがもっと速い…!
突進してくる人影の周りに光の粒が浮かび、それが連鎖自壊していく…
寸前。
「はぁぁぁぁっ!」
男の掲げた剣から光のベールが生まれた。それは、エビルプリーストも知っているある呪文と同じ現象である。
大爆発。だが、その衝撃は男に届かず、エビルプリーストに跳ね返ってきた。
「ぬうううぅぅっ!」
両腕を突き出して耐える、だがそれにも限界があった。
腕に無数の裂傷が生まれ、宙に投げ出されて雪の上を撥ねて転がる。その衝撃か、変化も解けて凶相の老人に戻った。
慌てて変化の杖で再び変化しようとする…それ自体には何の意味もなかったが、強襲に彼も混乱していた…が、
杖を持っている手にブーメランが直撃し、取り落としてしまった。
ブーメランは何かの元に戻っていく。何か。それはスライム。
あの「スライム」に邪魔をされた。エビルプリーストの頭に血が上った。
魔属の王ですら駒にしてきた自分が、最底辺の魔物に虚仮にされた。
紫のターバンをしている男もそうだ。選ばれし者でもない人間の分際で、自分を出し抜こうなどと大それたことをした!
今も、自分に害をなそうと迫ってくる。許せない。あの男と、あの屑モンスターだけは…!
71:保管庫2
03/03/24 00:10 RholzO5q
彼自身は頭に血が上っていて気付いていないが、状況はエビルプリーストにとって絶体絶命だった。
相手は魔力反射ができる戦士、自分はろくに武器も持っていない、こんな状況で勝てるわけがない。
だが、彼にもまだツキは残っていた。
一つはとんぬらたちがエビルプリーストを仕留めようとした矢先に離れの扉が開いたこと。
「お父さん、危ないっ!」
後方に控えていたアニーがヒャダルコを唱えて入り口付近に氷柱を作り出し、
とんぬらとルーキーは一旦足を止めて離れの入り口に視線を向けた。
そして、もう一つ。
エビルプリーストが弾かれたあたりに、ちょうど祠の入り口があったこと。
その扉の向こうには息を殺した人の気配に、エビルプリーストが気付いたことだった。
【エビルプリースト
所持武器:危ない水着 ファリスのペンダント 現在位置:祠の離れのそば
第一行動方針:この場にいる全員の始末】
第二行動方針:天空の勇者(ソロ・クーパー)の始末】
祠(ピピンたち)の存在に気付きました。変化の杖を落としました。
【とんぬら(DQ5主人公)/ルーキー/王女アニー
所持品:さざなみの剣/スナイパーアイ ブーメラン/マインゴーシュ
現在位置:祠の離れのそば
第一行動方針:エビルプリーストを倒す/オルテガたちとの対応を決める
第二行動方針:クーパー・パパス・ライアン・アイラをみつける】
祠の離れからオルテガたちが出てこようとしたのでヒャダルコで入り口を塞ぎました。
72:保管庫
03/03/24 20:59 rPD/+BDK
「ぬっ!?」
「ちっ、いきなり仕掛けてきた!」
リバストが舌打ちしながら凍りついた扉を拳で叩いた。
「呪文か、厄介だな。相手は見たのか?」
「いや、見えなかった。……蹴破れば出られそうだがどうする?」
「無論、行くまで!」
オルテガがそう息巻いた。
「待って! 今のは私の連れがした事かもしれません」
それまで黙っていたモニカが突然口を開いた。
少し息を弾ませ、振り返ったオルテガとリバストと交互に視線を交わす。
「まさか。誰が出てくるか確認もせずいきなり攻撃してきたんだ。
もし扉を開けたのが我々でなくお嬢さんだったらどうなる。仲間なんだろう?」
「え……そうだったんですか?」
モニカが不可解な表情をした時。
「しっ! 静かに」
そう言ってリバストが部屋の奥の壁に寄り聞き耳を立てるのを見て、オルテガたちは口を噤む。
「……声がする」
祠の方からだ。
「くはははは これぞまさしく人間の盾」
「卑怯だぞ!」
「子供を離せ!」
微かにそんな声が聞こえてくる。リバストもオルテガも瞬時に事態を悟った。
「我々のことは眼中になかったわけか」
リバストは弾かれたように部屋の入口まで駆け寄り、力任せに凍りついた扉を何度も蹴りつけた。
「こいつもただの足止めだ。厄介払いされるとはな」
「それにしても忌々しい。悪の臭いがぷんぷんする」
オルテガも加わり、扉は二人の勇者の猛攻に晒された。
扉は今にも音を立てて崩れそうだった。
モニカが遠巻きに声を殺しながらじっと二人を見守っていた。
73:保管庫
03/03/24 21:00 rPD/+BDK
【オルテガ 所持武器:水鉄砲 グレートソード 覆面 現在位置:ロンダルキアの祠の離れ
第一行動方針:アルスを探す】
【リバスト 所持武器:まどろみの剣 現在位置:同上
行動方針:外へ出る】
【モニカ:所持武器:エドガーのメモ(ボロ) 現在位置:祠の離れ
第一行動方針:外へ出る
第二行動方針:アーロンの傷を完治させる
第三行動方針:仲間を探す】
チョコボが奥に隠れています。