02/11/25 20:33
「…ねえ、ここ、さっきも通らなかった?」
この台地に降り立ってから三時間。ルーキー達は思いっきり道に迷っていた。
「たぶん、そうでござるな。足跡も残っているでござるし」
「う~ん。この森、なにか魔力でもかかってるのかな?」
抜群のサバイバビリティを持つとんぬらでさえ惑わされるほどだ。
密林の枝には重く雪が積もり、木々の隙間から見える青空は小さい。
地形は平坦な部分の方が少なく、崖や壁にいくどとなく出くわす。雪の台地に根付く森は
魔の地に相応しい死の樹海。時々見かける巨大生物の白い骨がこの森の厳しさを垣間見せる。
「…これで雪でも降り出したら抜けられなくなるかもな」
「やめてよ」
さすがに冷えるのでライアンの肩の上に乗っているルーキーはブルッと体を震わせた。
「あ~あ、前の町でぼくも毛皮持ってくるんだった」
ルーキーはうらやましそうにとんぬらのマントを見る。アレを着てても十分寒いだろうが。
「これこれルーキー殿、コレくらいの寒さで音をあげてちゃいけないでござるよ」
神経切れてんじゃないんか?このおっさん。ゾンビ状態のアイラさんはともかく、このおっさんは
雪国では目も疑うような露出度の高い鎧をしているのに、寒そうなそぶりは一切見せない。
「ハハハ…。あれ?森をぬけたようだよ」
薄暗い森の中を照らす、とても強い光が木立の間から漏れる、
一同は森の外に出て、絶句した。
「…ここ、スタート地点、だよね?」
「たぶん、そうでござるな。足跡も残っているでござるし」
森の中の、少し開けた空間。ここには木々の屋根が無い為、光が満ちていた。
ご丁寧に空間の真ん中から森の中に続く足跡も残っている。
87:ライアンとか
02/11/25 20:34
「あ~も~!!」
ルーキーは思いっきり雪の中にへたれこんだ。
「なにか対策を練らなきゃなぁ」
「う~む。しかしワシはこういう事には専門外でござるしなぁ」
二人があーでもないこーでもないと話をしている最中に、雪の中で寝ている
ルーキーの真上の空間が歪んだ。
「…ん?」
ルーキーはなんとなく自分の頭上を見上げた。――デジャ・ビュ
ぽっかり開いた穴の向こうから、物凄い速度で金槌が落ちてきた。
「どひいいいいいいぃ!!!」
ルーキーは叫び声をあげて、身をかわす。森の方に。しかし、それがいけなかった。
金槌はなんの抵抗も受けないまま地面に接触し、激しく地面を揺らした。
「…イタタタ。ライアンさん、大丈夫ですか?」
たまらず転んでしまったとんぬらは身を起こしながら問い掛ける。
「うむ。大丈夫でござるよ」
ライアンも立ち上がる。アイラは無言で立ちあがり、髪についた雪を払う。
「…うーん、なんでハンマーがぼっ」
身を起こしかけたルーキーに、木々に積もった大量の雪がルーキーごと地面を埋め尽くした。
「おーい、ルーキー殿~、生きてたら返事するでござる~」
森の開けた場所にいて雪に埋もれなかった三人は、懸命にルーキーを探していた。
そこら中掘り返したが見つからない。早くしないと死んでしまうだろう。
誰もがあきらめかけたその時、雪の下からのびた炎の息がちょうどそこにいたライアンを包みこんだ。
「ケホケホ。あんな死に方じゃ、死んでも死にきれないよ」
自分で雪を溶かして出てきたルーキーは、となりでとんぬらの回復魔法を受けている
ライアンを見ないように呟いた。
「いやあ、ルーキー殿が無事でよかったでござる」
この人がこういう人で良かった、とルーキーはつけたしておいた。
88:ライアンとか
02/11/25 20:35
「ん?アイラさん、どうしたんだい?」
アイラがじっと、積もった雪を見つめていた。よく見ると、そこが微かに揺れている。
「…いったい何でござろうか…ム!?」
ライアンが言い終わる前にソレは姿をあらわした。
しかし、姿をあらわしただけだった。ソレは一抱えくらいの大きさの、
瞳を思わせる紋様を彫りこんである球状の物体。少し浮かんで、そのまま動かない。
「…なんでござろう、あれ」
ライアンが回収しようと近づき、手を伸ばす。ソレはあっさり捕まりライアンの腕の中に浮かんでいる。
「なにか魔法がかけてあるようでござるが」
「……このパターンはたぶん、マヌーサのようだけど」
「うん。ぼくもそんなカンジがする」
二人はライアンから手渡された球体をいろいろ弄くり回す。
「…なかなか高度な魔道技術だね。……設置されてだいぶたってるみたいだ」
「だとすると、コレを壊せばこの森からでられるの?」
「たぶん。やってみよう」
とんぬらは球体の隙間に剣を当て、一瞬で縦に貫く。
爆発するかと思ったが、その球体は魔力を失い小さなノイズをたてて瓦解した。
「強度はそんなでもないみたいだ。地面にぶつけても壊れるんじゃないかな。
木の上にあればそうそう発見される事はないだろうからね」
「…でも、こんなのが何個もこの森の中にあるの?」
「ずいぶん昔のモノみたいだから壊れてるモノもあるんじゃないかな?」
「なに、迷った時はまた同じ事をすればいいんでござるよ」
ライアンはいつのまにか拾ってきたハンマーを片手で軽々と振りまわしている。
「……やめて。また生き埋めになりたくないよ」
89:ライアンとか
02/11/25 20:38
ルーキーは特別暗い声で言った。とんぬらも曖昧な笑みを浮かべている。
「大丈夫でござるよ。操作もそんなに難しくないでござるし」
「…なるべくアレを使ってもらわないようにしないとね」
「…うん」
なんども試し撃ちをしているライアンを横目に、二人はため息をついたのだった。
【ライアン/ルーキー 所持武器 大地のハンマー/スナイパーアイ ブーメラン
現在位置:台地の北中央の森 行動方針 仲間を探す】
【とんぬら(DQ5主人公) 所持品:さざなみの剣 現在位置:台地の北中央の森
行動方針:王子と王女を助ける、パパスに会う アイラの呪いを解ける人を探す】
【アイラ(ゾンビ) 所持武器:死者の指輪 マンイーター 現在位置:台地の北中央の森
行動方針:ゾンビ状態中はとんぬらについていく。死者の指輪が外れたら???】
(フライパン×2は放置) (流出アイテム 残り3個)
(森の中に妨害装置確認 範囲は一マス 強度 弱 数はそんなに多くないかも)
90:1/3
02/11/25 23:35 4S5yLfma
ロンダルキアの大地は、これまでにない寒さであった。
水の巫女たるエリアにとって、それはある種心地よいものであったかもしれないけれど、
先ほどの悲劇、すなわちファリスの夭折から、自身の無力さにひどく慚愧の念に駆られていた。
物陰ひとつない白銀の寂寥たる世界もまた、それに拍車をかけている。
とはいえ、いつまでも悲しんでいるわけにもいかない。
今自分を惨めな思いにさせている今は亡き彼女は、決してそのようなことを望んでいないだろうし、
エリア本人もまたこれ以上ただ悲嘆にくれることは嫌だった。
一方彼女と同じ時を過ごしたロックはといえば、現在その思考は遙か別の世界へ向かっている。
今になって再び、かつての仲間たちのことが彼の頭を擡げてきたのだ。
彼はこのゲームにおいて、身近な人物の死というものを初めて見た。
これまでにも散々見てきた筈であったのに、それとはまた違う不思議な感覚が彼の身体を駆け巡っている。
それはまさしく、『不安』に相違ない。
どこかにいる筈の仲間は、果たして今何をしているのか、まだ生きているのか、そのような思いが彼の頭を占領しており、
なんといっても自身の死への恐怖さえ彼の心に本格的にわき始めたことは否定する余地がない。
思えば、彼の仲間たるセッツァーの訃音を聞いたとき、いったい自分は何故平然としていられたのか不思議で仕方ない。
自分は何をすべきなのか、彼はここにきてようやく真剣に考え始めたのだ。
そんなロックを忖度してかどうかは定かではないが、
比較的早く心の整理のついていたエリアは彼に話しかけることはなかった。
ただ、目を瞑って、あたりを警戒している様子であった。
だが、ついに沈黙を破るときがきた。
エリアは「あっ」と短く叫んだ後、逡巡し、ゆっくりと言ったのだ。
「水の反応が、消えました」
91:2/3
02/11/25 23:36
その瞬間、飛んでいたロックの思考は戻り、目を見開いて絶叫した。
「なんだって!?」
「違いありません。つい先ほどまで感じることができたのですが…」
「…じゃあ、それは、つまり、その、なんだ…」
エリアはこれ以上なにも言わなかった。ただとても、暗い顔をしていた。
北に風を感じ、西には土を未だ感じるが、水はない。これが意味することは―
「北に行きましょう。まだ、風の反応があります。西にも土の反応がありますが、ここからはだいぶ遠いですし」
「…ああ、わかった」
ロックは暫くの間なにか考えたあと、言った。
本来ならもっと慌てふためく状況であるのだろうが、不思議と落ち着いていた。
二人はそのまま無言で歩いていたが、ふとエリアが怪訝な表情になって立ち止まった。
「どうしたんだ?」
「…いえ、なんでもありません」
ロックは妙な顔をしたが、「そうか」とだけいって再び歩き始めた。
エリアが立ち止まった理由―それはひどく奇妙なことに、
以前とはまったく違う、しかし他ならぬ水の反応がまた感じられたからだ。
ただ、それはとても弱く、ちょっと気をぬくとすぐに感じられなくなってしまう。
以前の人物とは違うことは明らかだった。
それが何故かはエリアにはわからなかったが、なにか恐ろしいように思え、
ファリスの意志に反するかもしれないが、まず北へと向かうことにした。
気になることはその水の反応は存外自分たちの近くにあり、
さらにそれは北、つまり自分たちのほうへと向かっていることである。相変わらず、反応は弱々しい。
エリアは地平線まで続く白銀の世界に終わりのあることを祈りながら、ただただ歩いていた。
92:3/3
02/11/25 23:36
【エリア/ロック
所持武器:妖剣かまいたち・水1,5リットル・小型のミスリルシールド・ミスリルナイフ・加速装置・食料2ヶ月20日強分&毒薬 水1,5リットル×2 吹雪の剣 小型のミスリルシールド・クイックシルバー フィアーの書×7
小型のミスリルシールド 現在位置:ロンタルギア東の端の雪原
行動方針:クリスタルの戦士との合流(ロックは今行動方針についてやや考え直していますが、基本的にはファリスの意志を継いでいます)】
(エリアは一度だけ召喚魔法『シルドラ』を行使可能)
ageてスマソ
93:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/11/25 23:41
見える。次の大地が─
オルテガは呼吸を整えて大地に降り立つ。
降り立った衝撃は微塵もない。雪がクッション代わりだった。
ほぼ同時にオルテガを追ってきたチョコボも降り立つ。
「…全く、お前というやつは…」
クェー…とないて顔をオルテガに摺り寄せる。
やれやれといった顔でオルテガはチョコボの頬をなでる。
「さて、どうするか。」
前を見る…水。右を見る…水。左を見る…水。
考えたくもないが後ろを見る。
…やっぱり水。
ここはどうやら湖に浮かぶ孤島。やれやれといった様子だ。
どうしようか。そう思っているうちにあるものを握り締めている自分に気がついた。
覆面。
次の瞬間ロンダルキア中になんともいえない叫びが響いたのであった。
「HAHAHAHAHAHAHAHAHA!!!!!」
見る人が見たならこう言うだろう。「マッスルダンス」と。
一通り踊りきった後高く跳躍する。
「クローーースッッ!!!!アウツッッッ!!!!!!!」
三回転半ひねり。それを見ていたチョコボが楽しそうに嘶く。
「行くぞ!」
「クェーーーー!!!!」
オルテガは颯爽とチョコボに飛び乗る。
「東だ!そこに向かうぞ!」
チョコボはそれを聞くと湖の中に飛び込んでいった。
【オルテガ(あらくれ状態) 所持武器:水鉄砲 グレートソード 覆面 現在位置:南の湖、島から東に約二マスくらい 行動方針:東へ】
(チョコボが一匹います。オルテガを乗せて湖を渡ってます。)
94:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/11/26 00:14
数分後。だれもいなくなったはずの孤島に何者かの人影が現れた。
それはついさっきこの島を出ていったはずのオルテガであった。
島を回り、脱ぎ散らかした自分の衣服を集め、いそいそとたたんでいる。
変身が解けた時、覆面マントにパンツだけでは相方がカワイソウだとおもったからだ。
変身直後のハイテンションも少しだけ冷め、オルテガはある事に気がついた。
「そうか。泳がなくても氷の上を走れば良いではないか」
ひとしきり高笑いをあげ、気合の声をあげて高く跳躍をしチョコボに飛び乗る。
「いくぞ!」
「クェーーーーー!!!」
そしてチョコボは氷の上を走り出した。
そばで死にかけている二人に気付くには、まだまだテンションが高すぎた。
【オルテガ(あらくれ状態) 所持武器:水鉄砲 グレートソード 覆面 現在位置:南の湖、島から東に約二マスくらい 行動方針:東へ】
95:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/11/26 00:49
ここはハーゴンの城の一室。
そこではマゴットがかなりのスピードで本を読んでいた。ハーゴンが言うには、
「兎に角、この本を理解できなければ話にならん。正午までに覚えろ」
との事だ。当の本人は机の上でよくわからない物をいじっている。
不意にハーゴンの顔に笑みが浮かんだ。ハーゴンは立ち上がり、言った。
「マゴット。授業は中止だ。着いて来い」
「???」
二人は長い洞窟の中を歩いていた。城の中からのびた、おそらく隠し通路というモノだろう。
「だまってついて来い。仲間がみつかった」
「!!!」
「だまっておれといったであろう。着けばわかる」
「………」
どのくらい歩いただろうか。不意にハーゴンが立ち止まり、簡単な呪文を唱える。
すると頭上の岩盤が裂け、そこから光が漏れた。
「………」
「ここか?地図で言うとここだな。」
ハーゴンは地図の一点を指差す。そこは城から南東、湖に浮かぶ小島だった。
「………」
「まっておれ。占いによるとここらヘンに…」
96:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/11/26 00:50
程なくして二人は死にかけているジタンとビビを発見した。
「やはり酷いな。マゴット、べホマだ」
マゴットはうなずくと二人を回復する。彼女の実力もあって二人はすぐに危機的な状況を脱した。
「一寸見せてみろ。なに、我が教団の簡単なまじないだ」
不思議そうな顔をしているマゴットを手で制して、二人の首筋に複雑な紋様を彫りこむ。
「これでいいな」
ハーゴンは呪文を呟き、一回手を叩いた。すると二人は立ち上がり虚ろな瞳でハーゴンを見る。
「…………」
「まだ目を覚まさんようだ。こいつ等を城まで運ぶのはちと骨だろう」
もちろんそれだけの術ではない。心配そうな顔をしているマゴットを口先三寸で丸め込む。
「では我が城に戻るぞ。授業はまだまだ先が長いのだ」
「………」
そしてハーゴンは、ジタンとビビを引きつれて城に帰っていった。
【ジタン(人形)/ビビ(人形): 所持アイテム:仕込み杖/ギザールの笛 現在位置:小島隠し通路
行動方針:?】
【ハーゴン(あと二日で呪文使用不能)
武器:グロック17、グレネード複数、裁きの杖、ムーンの首、グレーテの首、首輪×3
現在位置:隠し通路 行動方針:授業 ゲームの破壊】
【マゴット 武器:死神の鎌 現在位置:隠し通路 行動方針:ゲームから脱出、仲間と合流】
97:1/2
02/11/26 01:00
荒涼とした丘の上でエドガーは腰を下ろすと、
バックの中からマランダの道具屋から持ってきた工具を使い、自分の支給武器である、
ボウガンの改造に着手していた。
「連射機能は無理としても射程や威力に関しては改造の余地がまだあるはずだ...うん?」
自分の背後で何か様子をうかがうような気配を感じる、エドガーは鏡状になっている、
工具箱のフタで背後の風景をそっと確認してみる....と、そこにはまだ幼い少年が映っていた。
エドガーの顔に一瞬緊張が走るが、すぐにもとの表情に戻る。
敵かと思ったが、この少年は自分の気配を押さえる術もまだ知らないようだ、それでいて
必死で隠れている様子が、エドガーには何だかほほえましかった。
「かくれんぼは楽しいかい?」
エドガーは振り向くと少年が隠れている、背後の木陰に向かって声をかける
と、わっ!という声がして、木陰ががさがさと揺れる。
そこをすかさずエドガーは木陰へと滑りこみ、少年の肩を掴む。
「おっと、捕まえたぞ」
必死でもがく少年だったが、その時その腹がぐぅ~と大きく鳴る。
それを聞いてエドガーは笑顔でパンを少年へと差し出す。
「腹が減っているんだろ?ほら」
だが、少年が無言でパンを手に取ろうとしたとき、エドガーはパンを持った手を少年から離す。
「ママに教わらなかったかい?何かをしてもらったときは”ありがとう”だろ?」
「うん....ありがとう、僕はテリーって言います、おじさんの名前は?」
ありがとう、を聞いてようやくエドガーはテリーにパンを渡す。
「良く出来ました、けれどな俺はおじさんじゃないぞ、おにーさんだ。俺の名前はエドガーだ。」
「うん、わかったよ、エドガーおじさん」
98:2/2
02/11/26 01:01
ちょっとだけ溜息をついて、また工具をいじりはじめたエドガーの隣で、
無言でしばらくパンをもふもふと食べていたテリーだったが、不意に口を開く。
「所でおじさんって、強い?」
「ああ、弟には負けるが強いぞ」
「だったら僕に戦い方を教えてよ、僕には倒さなきゃいけない相手がいるんだ」
その言葉を聞いてエドガーの目が鋭く輝いた。
「理由がありそうだな、正直に話せば考えてやらんでもないぞ」
「なるほど....」
テリーは自分が見たまま、聞いたままのことを包み隠さず正直にエドガーに語った。
セッツァーの死を聞いたとき、エドガーは一瞬叫びたくなったが、すぐに思いととどまった。
アイツの死を涙で送るのは似合わない、そう思ったエドガーは、
空に向かって餞のワインを振りまいたものだが、
まさかその最期を演出した当事者の1人にお目にかかれるとは思わなかった。
「おじさん、いいでしょう、僕は絶対仇を取るって決めたんだ」
「そうだな....」
確かにこのまま放っておく訳にもいくまい、
ティナはおそらくバカ正直にテリーに殺されてやるつもりであることは間違い無い。
それでは何の解決にもならない、いや、だからといって自分が出来る事など無いに等しいが.....
ならば、その無きに等しいことだけでも、とりあえずはやろうではないか。
そう思ったエドガーはテリーへと優しく微笑む。
「いいか、おじさんがこれから言う事をちゃんと守れるのならおじさんが戦い方を教えてやろう」
「一つ、その女の子に出会ったら、おじさんの名前を名乗った上で、必ず正々堂々と戦いを挑む事」
「一つ、女の子にも本気を出してもらうよう必ず頼む事」
「一つ、もしもおじさんが途中で死んでも、殺した人を憎んだり仇を取ろうとか思わないこと」
とりあえずテリーの憎しみを取り除く事は出来なくとも、暴走だけは押さえなくては.......。
あとはティナの行動にかかっているが、こればかりはその場にでもいない限り対処はできない。
99:3/2
02/11/26 01:03
テリーは予想外の言葉に戸惑っていたようだが、やがて唇を引き締めて強く頷く。
それを見てやや複雑な表情でエドガーもまた頷くのだった。
(とりあえずティナを探さないことには話にならんな......)
【テリー/エドガー 所持武器:チキンナイフ/ボウガン&天空の鎧(装備不可)
現在位置:ロンダルキア中央西よりの山地 行動方針:謎の剣士の敵(ティナ)を取る
強くなりたい/魔法使い、デッシュを探し首輪を解除する、ティナを探してテリーのお守】
100:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/11/26 08:13
「ここがロンダルキアかあ。本当にあたり一面山と雪ね。」
ティファは木越しに見える雪山を見てそう思った。
「あ、山の向こうに何か見えるなあ。何だろう、よく見えないけど。傷が癒えたら行ってみようかな。」
ティファは視線を南の方に移した。すると20m程先に腕輪が落ちている。
「何かしら? 腕輪? どうやら邪気はなさそうだけど…。」
彼女はしばらく悩んでいたが自分のカンを信じることにしたようだ。
腕輪をつけてみる。
「ん?」
体が躍動感に満ち溢れてくる。ためしに蹴りを放ってみる。シュッ。
いつもより素早い蹴りが繰り出された。今度は正拳突きを出してみる。シュッ。
「やっぱりスピードが上がっているわ。これはいいものを拾ったわね。」
【ティファ(負傷) 装備品 星降る腕輪 現在位置 台地西の森 行動方針 クラウドたちを探す/傷の治療後、神殿に行く】
(流出アイテム 残り2個)
101:1/5
02/11/26 11:54
雪原の中、エビルプリーストは道に迷っていた、彼の現在の位置はロンダルキア北東、確か祠があるはずだが、
そこには木々が生い茂っているだけで、他に何の痕跡も無い。
「おかしな話だのう」
そう思い首をかしげるエビルプリーストだったが、不意に現れた青年に目を見張る。
その青年は確かに何も無い空間から出てきたように見えたのだ。
しばらく凝視していると、青年はまた空間の中へと消えて行く。
「そういう事か....くくく」
恐らく敵の侵入を防ぐために、保護色か何かで建物を隠していたのだろう、
これで納得がいく。
と、どうやら出発するようだ、青年と男に率いられ、3人の子供たちが後から続く。
エビルプリーストは変化の杖で念じるとその姿をアリアハン地下で1度見かけた少女
モニカの姿へと変える。
そしていかにも道にはぐれた風を装って彼らへとゆっくり近づいてゆく...そして、
「じゃあ、そろそろ出るか」
バッツの声に、は~いと3つの声が重なる、まるで幼稚園の先生になったみたいだ。
苦笑するバッツだったが、こういうのも悪くは無い。
と、ピピンが何かを見つけたようだ。バッツの肩をせわしなく叩く。
「バッツさん、あれを見てください」
ピピンの指が指す先に、1人の少女がいかにも疲れ果てた風にこちらに向かってくるのが分かる。
ふらふらと足取りもおぼつかなく歩くその姿は、手を差し伸べずにはいられなかった。
「どうしたんです.....」
バッツとピピンが少女へと駆けより、声をかけようとしたその瞬間だった。
「イオナズン!」
少女の声と同時に、閃光と爆発が周囲を包んだ。
102:2/5
02/11/26 11:55
「くっ!」
至近距離からの大規模呪文.....一杯食わされてしまった。
バッツの目にごろごろと斜面を転がり落ちていくピピンの姿が見える。
そうだ、クーパーたちは?逃がしてやらないと、
少なくとも背後には彼らの気配は無い、どうやら祠に逃げ込んでくれたようだ。
とりあえずバッツはひたすら少女の行く手を阻むように剣を振るい、牽制を続ける。
(どうする.....)
このまま魔法剣士で戦うか、それともジョブを変えるか......
と、バッツが迷っている間にも少女はバッツには構わず、祠の方へと攻撃を仕掛ける。
(迷っている暇は無い!、やるしかない)
バッツはジョブを竜騎士へとチェンジすると、竜剣の構えを取ろうとする。
だが、少女の方が早かった、少女はバッツの手首を取ると早口で呪文を唱える。
「イオラ」
強烈なショックが全身を襲う中で、バッツは悟っていた。祠への攻撃は誘いだった事を、
(ちくしょう、こんな事なら最初から竜騎士にチェンジしてれば良かった....)
そして少女が手を離すと、バッツはそのままの姿勢でスローモーションのように地面へと倒れた。
「他愛も無い」
モニカという少女の姿をした、エビルプリーストは気を失ったバッツを嘲る。
「戦場では一瞬の迷いが死に繋がる、まだまだ青いよの」
余裕の表情のまま、エビルプリーストは祠の中へと入って行く、あとは子供3人
どれほどのことがあろう......、だが祠の中は衝撃で多少散乱していたものの
そこには子供たちの姿は無かった、何処に行ったのかと、部屋の中を色々と捜す
エビルプリーストだったが、ふと床板が微妙にずれているのに気がつく。
床板を外すと、そこには6段ほどの小さい階段があり、その下では旅の扉が渦を巻いていた。
ここは邪教のお膝元である場所柄、当然魔物等の襲撃にも2重3重の備えがある。
そう、本来のものとは別に、床下には小規模ながらも予備の旅の扉が設置されていたのだ。
エビルプリーストが続こうとしたとたん、扉は消滅する、後を追って来れないように、
一回限りの使い捨てなのだろう。
103:3/5
02/11/26 11:55
憮然とした表情で祠から出てきたエビルプリーストへとバッツが罵声を浴びせる。
「俺を殺すつもりか.....だが俺1人殺しても無駄な話だぞ」
その声に無念さはあれど、恐怖は微塵も感じられなかった。
(気に入らんな.....)
ただ殺すのでは収まらない、さてどうやって、と思ったエビルプリーストに妙案が浮かんだ。
「くくく......貴様は殺さんさ、貴様が死ぬと放送でばれてしまうではないか」
モニカ.....いや、エビルプリーストは手に待った杖に軽く念じる、と、
その姿が一瞬でバッツへと変化したではないか。
「今日からワシがお前の代わりを勤めてやる....くくく、というわけじゃしばらく眠っておれ」
余りの事に呆然とするバッツへ、エビルプリーストはラリホーを唱える、
戦闘による消耗、そして目の前での出来事、隙間だらけの心を突かれ、
バッツは深い眠りへと落ちていった。
それからしばらく後、エビルプリーストはバッツを身包みはいだ上で凍らせ、
仮死状態にした上で橋の上から湖へと投げ落とした。
ぶくぶくと水底深く沈んでいくバッツ....これで当分発見されることは無いだろう。
そして後始末を終わらせ、立ち去ろうとしたエビルプリーストに声を掛ける者がいる。
「バッツさん、無事だったんですね」
バッツ....いやバッツの姿をしたエビルプリーストへと安堵の表情で近づくピピン、
そんな彼にエビルプリーストはメラゾーマを持ってして応えたのだった。
特大火球に直撃され、業火に包まれるピピン、
「バッ....ツさ、どうし....て」
虫の息の中、途切れ途切れの声で叫ぶピピンへ構うことなくバッツ...いやエビルプリーストは
さらに火球をピピンへと放つ。さらなる業火の中、灰になっていくピピンの顔は涙に濡れているように見えた。
104:4/5
02/11/26 11:56
完全に黒焦げになったピピンの亡骸を踏み砕き、やはり湖へと蹴りこみながら、
エビルプリーストは淡々と呟く。
「立つ鳥跡を濁さず.....」
そうやって今度こそ後始末を終えると、エビルプリーストは北に向かって歩き始めた。
【バッツ(仮死状態)所持武器:無し 現在位置:ロンタルギアの祠近くの湖底
行動方針:レナ、ファリスを探す】
(身包み剥がれてます、素っ裸です)
【エビルプリースト 所持武器:危ない水着 変化の杖 現在位置:ロンタルギアの祠から北へ
行動方針:天空の勇者(ソロ・クーパー)の始末】
(現在はバッツの姿です)
【ピピン:死亡】
105:5/5
02/11/26 11:57
「ここどこだろ?」
偶然見つけた旅の扉、行き先が何処かよりも一刻も早く逃れなければという気持ちの方が強かった。
そしてその結果、クーパーたちは暗闇の中で目を見合わせる始末だった。
本来麓の街へと脱出できるはずの旅の扉であったが、やはり強大な結界の力の前では効果を発揮できなかったようだ。
彼らは今、ロンダルキアに向かう洞窟の4階にいた。
「もしかしたら、外に逃げられるかもって思ったのに」
だが、考えて見れば彼らは幸運だったのかもしれない、
境界線に阻まれれば、彼らは間違い無く爆発四散していただろうから。
「とにかく外に出よう」
クーパーの声にエーコとリディアも歩き出そうとするが、その瞬間エーコの姿が消える。
「!!」
2人は慌ててエーコが立っていた場所を調べて見る、案の定そこは巧みにカモフラージュされた、
落とし穴になっていた。
「どうしよう....」
「放っとけないだろ、行くしかないよ」
そしてクーパーとリディアも覚悟を決めると、落とし穴の中へと飛びこんでいった。
【クーパー/リディア/エーコ/
所持武器:天空の盾、ロングソード/なし/なし
現在位置:ロンダルキアの洞窟3Fへ
行動方針:父親、アニー探し/セシルを探す/仲間探し】
106:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/11/26 16:57
>>104の修正です。
【エビルプリースト 所持武器:危ない水着 変化の杖 ブレイブブレイド(バッツの所持物全て)
現在位置:ロンタルギアの祠から北へ 行動方針:天空の勇者(ソロ・クーパー)の始末】
(現在はバッツの姿です)
107:メルビンとか
02/11/26 19:28
「…どうやら現在地は地図によると中心から北東の森でござるな」
メルビンは太陽の光と、周囲の地形から判断した。
目の前には鬱蒼と茂る森。背後には壁のようにそびえる山脈が連なっていた。
今いる場所は、そのちょうど中間のほんの少しひらけた平地だった。
「…南の小島に祠があるな。まずそこに向かうとしようか」
「それならまず湖岸に出た方がいいでござるな。この森、いやなカンジがするでござる」
「…寒いですわね」
「…雪国だからな。そんな靴では歩けないだろう」
モニカのはいているハイヒールを指してアーロンは言った。
「大丈夫ですよ。…キャア」
アーロンは軽くモニカを持ち上げ、抱える。
「無理するな。雪はお前が思っているほど甘くはない」
「…アーロンさんこそ。…ケガがまだ治りきっていないんでしょう?」
「…祠についたら続きをやってもらう。オレも一秒でもはやく祠に着きたいからな」
軽口をたたくアーロンに、モニカはそっと首に手を回した。
「わかりました。…ダメですね、私。皆さんに迷惑かけてばかり……」
「おまえにしか出来ない事が何かあるはずだ。そう悲観するな」
(私にしかできないコト。かぁ)
アーロンの言葉に、モニカは深く頭を悩ますのだった。
「…この山脈を辿って南に歩く。森の中には入らない方がいいようだ」
「そうでござるな。それでは行くでござる」
「ガウ!」
「…あの、メルビンさん。」
「なんでござるか?」
「もしかして、体を温める魔法ってしっていますか?」
そこまで言って、モニカは後悔した。なにバカなコトを聞いているんだろう私は。
アーロンもたぶんあきれた顔をしているだろう。
「ああ、知っているでござるよ。その服じゃさすがに寒いでござるな」
108:メルビンとか
02/11/26 19:29
平然と言い放つメルビンを、二人は不思議生物でも見るかのような目で見た。
そんな二人の視線に気付いていないのか、メルビンは袋の中をまさぐる。
「…あった。ウールガード~」
メルビンが取り出したのは、純白の羊毛のモコモコした服だった。
「心配しなくてもいいでござるよ。とりあえず四人分あるでござるし。」
二人のなんとも言えない表情を、メルビンはそう解釈したのだった。
「…あっ。これあったかい。アーロンさん、似合ってますか?」
手渡された服を着たモニカはクルリとターンする。
「…ああ。よく似合っているぞ」
「アーロン殿は着ないんでござるか?」
ガウに服を着せ終わったメルビンは、手に服を持ったまま硬直しているアーロンに問い掛けた。
前に大怪我した時、着ていた赤のコートが台無しになったので今は黒のアンダーシャツしか着ていない。
「…オレは、いい。」
アーロンは手に持ったもこもこをメルビンにつき返した。
「あー。もしかしてアーロンさん、はずかしいんですか?」
モニカが下からアーロンを覗き込む。アーロンは顔を赤らめて視線をそらした。
「ははーん。モニカ殿、コレには……(ごにょごにょ)」
「アーロンさん。ちょっとソコに立ってください」
「…何をする気だ?…なに!」
モニカは羊毛の塊をアーロンに投げつけた。羊毛の塊が瞬時にほどかれ、アーロンを包む!
「はい。私が着せたんですから脱いじゃだめですよ」
アーロンは純白のモコモコに身を包み、顔を赤くしてフルフル震えていた。
「無理しちゃだめですよ、アーロンさん。雪国の寒さは甘くないんですから」
「…誰のマネだ?」
「アーロンさんのです。…似てませんか?」
返事の代わりにアーロンはモニカを持ち上げる。今度なモニカも何も言わない。
「すまなかったな。コイツが我侭を言って」
「いやいや。それでは出発するでござる」
109:メルビンとか
02/11/26 19:34
【モニカ/アーロン:所持武器:エドガーのメモ(ボロ)/鋼の剣(中古) 現在位置:台地最北東 行動方針:南の祠に 仲間を探す】
【メルビン/ガウ 現在位置:台地最北東 所持武器: 虎殺しの槍 /なし 行動方針 南の祠に 仲間を探す ホフマンの仇をうつ】
モ「そういえばこの剣、折れちゃったんですよね」
メ「壁おばけの時でござるな。」
ア「ああ。しかし無いよりマシだろう?」
110:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/11/26 22:20
>>101-105
は無効とさせていただきます、ご迷惑をおかけしました。
111:次元 ◆yGAhoNiShI
02/11/27 00:09
【ルパンごっこ】
1. コンビニにいく。
2. 普通に買い物をする
3. なにくわぬ顔で店を出る
4. 数分後、息を切らしてコンビニのレジにかけよる
5. 「お、おい!さっきこんな顔をした奴がこなかったか!」と叫ぶ
6. 「あなたがさっき買い物していったんですよ?」と店員に言われる
7. 「ば、ばかもぉ~ん!それがルパンだ!追えぇ~!」と、叫びながら店を出る
112:1/
02/11/27 00:47
何も無い空から二人は飛び出した。
―足場がない!
今の今まで大地に足を降ろしていた二人は、突然の事に為す術も無く大地に落下した。
フライヤは硬い地面で背中を打ち、
少し遅れてピエールは、人間の上に落ちた。
「うごぇっ!」
下敷きになった男の悲鳴が、スライム部分の下から洩れる。
ピエールは慌てて男から飛び退った。 今度は確かに冷たい大地の感触がスライムに伝わる。。
「も、申し訳ない!」
相手が自分たちの命を狙うものであろうとなかろうと、まずは謝るのが礼儀。
もし打ち所が悪ければ、回復魔法もかけてやるべきだろうと思ったが、
男が起き上がろうとするのを見て大丈夫だと判断した。
所持品らしいスーツケースも傷一つついていないようだ。
男の後ろでフライヤが背中を押さえながらこちらを覗っている。
ピエールは苦笑いを浮かべながら手を振った。
フライヤは笑うでもなく、目配せして応じる。
ややあって、男は立ち上がった。
「くそっ、僕が何をしたっていうんだ…」
ピエールのボディプレスの洗礼を受けた男はソロだった。
彼は立ち上がると、綺麗な顔立ちを歪めてピエールを憎憎しげに睨む。
「ち、違うんです。旅の扉の出口が空中だなんて予想でき…」
ピエールの口が止まった。ソロの目に異様な光が帯びているのを見た。
113:2/
02/11/27 00:48
「なんだ……魔物じゃないか。いっちょまえに言葉を話すのか。
僕の前に出てくるなんていい度胸だな」
ソロから発せられるものは殺気。
―この人は一体!?
「退がれ!」
言われるままに退がる。
ビュッ!!
ソロの剣がピエールの体をかすめた。
フライヤが叫ばなかったら、今ごろ胴体は真っ二つだったろう。
「もう一匹いるのかあ!」
ソロは後ろを振り向き、今度はフライヤに襲い掛かった。
「フライヤ殿!」
フライヤの武器は小剣のみ。
ソロのエンハンスソードと比べて性能の差は明らかだ。
(自分が助けなくては…)
あの前大陸でセシルに襲われたとき、ピエールは旅の扉に逃げ遅れたジタンとビビを助ける事が
できなかった。 紅蓮の炎を目の前にして尻込みしてしまったのだ。
―自分は騎士失格だ、iいや、ビビ殿という恩人を見捨てて逃げるなど獣以下だ!
激しく自己嫌悪し、苦悩していたところいきなりの第三舞台、ソロと対面。
そしてフライヤが危機に見舞われている。
あの二人に何としても詫びたい。
どんなに軽蔑されようと、どんなに罵られようとも構わない、許してくれるまで。
だが、二人はここにはいない。
ならば、今はフライヤ殿を守るのが、このピエールの役目。 ビビ殿の仲間はこの私が守る!
114:3/
02/11/27 00:48
ピエールは珊瑚の剣を高く掲げ、咆哮を上げながらソロに向かって突進した。
あと数メートル。
しかし既にソロは、フライヤを捉える間合いに入っていた。
どうやっても間に合わない。
絶対に埋められない距離。
ソロの咆哮。
光を断つ剣。
景色が、歪む。
ピエールは息をのんだ。
ソロの斬撃をフライヤが避けたのだ。
しかも剣が振り下ろされた後に回避行動をとったように見えた。
すぐさまフライヤはソロを突き飛ばして大きく間合いを取った。
ピエールはフライヤを、そしてソロは自分の手を見つめてただ呆然とするだけであった。
【ソロ 所持武器 スーツケース核爆弾、エンハンスソード 現在位置;ロンダルキア南 行動方針?
フライヤ、ピエール 所持武器 エストック、珊瑚の剣 行動方針 ジタンとビビを探す】
115:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/11/27 19:40
ロンダルキアの西、断崖絶壁の崖付近…。
空から何かがふわりふわりと舞い落ちてくる。
どうやら羽がついた帽子のようだ…。
※使い古しのはねぼうしがロンダルキア西に置かれました。
(流出アイテム 残り1個)
116:1/4
02/11/27 19:57
セシルが今立っているのは闇の中、時折蝋燭の炎に似た灯が通り過ぎる以外、
何の光も存在しない。
そしてその炎が照らすものは、見渡す限りの無数の屍の山だった。
そこにはカインがいた、リディアがいた、テラが、エッジが、ギルバートが.......
皆、無念の表情で息絶えている。
しかしセシルは構わず進んでいく、彼らの屍を踏みしめて......
やがてセシルの目の前に1人の女性が姿を現す、彼女はまだ生きているようだ。
それを見たセシルの瞳に初めて表情のようなものが浮かぶ、
「ローザ!.....良かった、戻ってきてくれたんだね」
しかし、ローザはセシルを拒絶するかのように怒りと悲しみの表情で弓を構える。
セシルにはそれも分かっていたようだ、両手を広げ、自らの心臓を射手へと晒す。
「いいんだよ、だけど君だけは生きて、僕が奪った命の分まで」
そしてローザの矢をその心臓に受け、セシルもまた無数の屍の中へと落ちていった。
「......夢か」
セシルが目を開けるとそこは一面の雪化粧で覆われた森の中だった。
目覚めると同時にカインの嘆きにも似た叫びが頭の中に甦ってくる。
だが、その叫びをもってしてもセシルの心は動く事はなかった。
彼には罪の意識と悲しみは存在すれど、もはや迷いは存在しない、
自分にとって唯一無二の輝ける太陽を再び甦らせるため、
永遠の夜にその身を堕とそうとする、悲しき騎士の姿がそこにはあった。
ただ一言、
「ごめん.....」
と口の中で呟き、彼はまた新たな戦いを求め白銀の世界へと踏み出していった。
117:1/4
02/11/27 19:58
ひとまず話を止めます。申し訳無い
【セシル 所持武器:暗黒騎士の鎧 ブラッドソード 源氏の兜 リフレクトリング 弓矢(手製)
ギガスマッシャー 現在位置:ロンタルギア東の森 行動方針:皆殺し
(ハーゴンorエドガーを最優先ただし遭遇すれば他のキャラでも殺す)】
118:1/2
02/11/27 20:26
デ「はぁはぁ。おい少年。こいつなんとかしろって!」
導「なんとかしたいところなんですが……、エアロが効かないんですよぉ!!」
デッシュは変な機械においかけられていた。それはアークマージのキラーマシーンである。
新しいフィールドにきて、現在の位置がロンダルキア西部の森だと分かりこれからの対策を考えていたところ、
いきなり矢がデッシュの左腕にささり、その後、キラーマシーンが2人の前に姿を現した。
どうやらキラーマシーンはデッシュをターゲットにしたらしく、右腕のブレードでデッシュに襲い掛かる。
デッシュは逃げ始め、その後をキラーマシーンが追い、その後ろをまた導師が追うという形になった。
導師は走りながらエアロを唱えるも殆どきかなかった。
木が多いのでボウガンは使えないというのもキラーマシーンは理解しているようだ。
導『もしかしたらホーリーなら効くかもしれないけど、下位のエアロならともかく上位のホーリーは、
走りながらじゃむりだし……。せめて戦士系のジョブならなあ。』
先頭を走るデッシュとキラーマシーンとの間が詰まってきた。人間の機械の差だろう。
119:2/2
02/11/27 20:27
とその時、導師の後方から女性の声がした。
「わたしに任せて。」
というと、その女性は全力で走っている導師を軽々と抜き去り、あっというまにキラーマシーンに追いつき、
キラーマシーンのボディに裏拳を叩き込む。キラーマシーンの動きが遅くなる。
キラーマシーンも目の前の敵の排除を優先させたのか、女性に攻撃を開始した。
キラーマシーンの攻撃もかなり激しかったが、女性の攻撃は機敏な動きでそれをかわし、キラーマシーンに的確にダメージを与えた。
デッシュも何時の間にか走るのをやめ、痛みをこらえ1人と1体の戦いを口をあけてみていた。
導師も自分が同じように口をあけてみていることに気づき、口を閉じる。
戦闘はスピードで勝る女性が徐々にマシーンの動きをおさえ、最後はアッパーからのハイキックをマシーンに叩き込むと、
マシーンは動かなくなった。
女性は「この腕輪がなかったら危なかったわね。」とひとりごちると、2人ににっこり微笑んだ。
「あ、まだ名乗ってなかったわね。私の名前はティファ。」
【導師/デッシュ 所持武器:天罰の杖/なし
現在位置:新フィールドへ 行動方針:エドガーに会う・首輪の入手】
【ティファ 装備品 星降る腕輪 現在位置 台地西の森 行動方針 クラウドたちを探す/神殿に行く】
※ロンダルキア巡回のキラーマシーン動かなくなりました。
※デッシュとティファの怪我は導師が回復しました。
120:↑修正
02/11/27 20:28
【導師/デッシュ 所持武器:天罰の杖/なし
現在位置:台地西の森 行動方針:エドガーに会う・首輪の入手】
【ティファ 装備品 星降る腕輪 現在位置 台地西の森 行動方針 クラウドたちを探す/神殿に行く】
121:オルテガとか
02/11/27 20:48
ロンダルキア大雪原地帯
洞窟を抜けてきた者への、第二の洗礼。
遠目には平坦な雪原に見えるソコは、歩みを拒む深い雪と山地特有の急な斜面。
そして犠牲者を求む数多くのクレバスが聖なる者の侵入を拒む。
この地には珍しい青空の下、黄色い影がこの台地の創生以来のスピードで駆け抜けて行く。
「クエーーーー!!」
嘶きも鮮やかに、チョコボは羽をはばたかせながら一際大きな裂け目を飛び越える。
それに乗っているのは覆面マントにパンツ一丁。荒くれ戦士オルテガだった。
しかし華麗に着地するチョコボの表情とは対照的に、彼の顔はすぐれない。
「むう、やはり充電が少なかったか……。そろそろ変身が解けてしまうな」
おもむろに地図を広げ、どこか休めそうな場所を探す。
「ふむ。北の森で休憩を取るか。どこか隠れる場所があるだろう」
オルテガは進路を変え、北の森にまっすぐ向かって行った。
「…相方にも困ったものだ。何か手紙でも置いといてやるか」
とりあえず変身のシステムを説明しなければな。消耗が激しいのだ、コレは。
変身してから20分。もうすぐオルテガが眠りにつく時間だ。
森の中は非常に入り組んでおり、所々に巨木が聳え立っている。
「…ふむ、あそこが良いか。」
オルテガの言葉の意図を読み取り、かなり高く跳躍した。
チョコボは頭上の巨木の枝に飛び乗り、再び高く跳躍する。
そして三度目に跳躍した時、チョコボは木の洞に着地した。
「…高低差はほとんど無視か。よくやった」
チョコボから降りたオルテガはやさしくチョコボの首をなでる。
チョコボもオルテガを甘噛みする。
「時間も少ない。はやく手紙を残さなければな」
122:オルテガとか
02/11/27 20:49
~覆面の使い方~
このたびは当社の製品を… (この辺は省くか)
この覆面はあなたの内面に眠るもう一人のあなたにアクセスする手段の一つです。
この覆面に封印されし荒くれ達の記憶は以下の通りです。
・荒くれ戦士 ・荒魔道士 ・慰安夫 ・武器防具屋
もう一人のあなたの活動時間は、あなたの意識のある時間によって回復していきます。
健全な成人男性の場合、一時間で約20分の活動時間が回復します。
最大活動時間は約四時間くらいです。また、変身が解けた時に気絶する恐れがあります。
説明は以上です。それでは快適な荒くれライフを御送り下さい。
「…こんなものか。余計な脚色が入ってしまったがな」
大剣で器用に木の壁にメッセージを彫りこんだ
「…ここまでか。今度は長い眠りになりそうだ」
オルテガは側に腰を下ろしているチョコボにもたれかけ、ゆっくりと覆面を外した。
【オルテガ(眠り) 所持武器:水鉄砲 グレートソード 覆面 現在位置:洞窟北西の森の巨木の洞 行動方針:休憩】
123:>>91修正
02/11/27 22:24
>>91最後の段、 ロックは妙な顔を~反応は弱々しい。 までを以下に修正します。ご迷惑おかきしまう。
ロックは妙な顔をしたが、「そうか」とだけいって再び歩き始めた。
エリアが立ち止まった理由―それはひどく奇妙なことに、
以前とはまったく違う、しかし他ならぬ水の反応がまた感じられたからだ。
ただ、それはとても弱く、ちょっと気をぬくとすぐに感じられなくなってしまう。
以前の人物とは違うことは明らかで、 何故かはエリアにはわからなかったが、それは恐ろしいように思えた。
しかし、自分たちよりは遙か西の方向にいる。ちょうど、城の南にある森のあたりだろう。
結局今のところはとにかく北へ向かうことに変わらないのならば、この問題はとりあえず放擲し、騒擾して心配をかけることのないようにしたほうがよい。
水の反応もまた北へと向かっている。相変わらず、反応は弱々しい。
124:2/4(116の続きです)
02/11/28 00:01
「くそっ!なんでこんなっ」
ロックとエリアは雪の平原をひたすら逃げつづけていた。
雪道で倒れている少女を助けようとしたら、その少女がいきなり攻撃を仕掛けてきたのだ。
「メラミ」
少女の手から火球が放たれる。
エリアに放たれたそれをロックがミスリルシールドで防ぐ、
「ぐうっ」
いかにミスリルと言えども呪文を受けとめた衝撃までは吸収しきれない、
強烈な痺れにロックは盾を落としそうになるが、
それでも何とか2人は森の中へと逃れる。
そして逃げながらもロックは心の中でずっと考えていたことがあった。
(俺の行為だ.....)
ロックはずっと後悔していた、あの時、先走って拳銃を射たなければ、
ファリスが傷つくことも無かったし、アモスが囮になることもなかったと。
だから....今度こそ俺が守らなければ、たとえ死ぬことになったとしても、
「俺がコイツを引きつける!アンタは必ず俺が守る!だから生き延びてくれよ!」
ロックはクイックシルバーを握り締め、盾を構えるとそのまま少女へとこれ見よがしに
その姿をさらし、南の方角へと逃げていく。
「お前の相手は俺だっ!」
「ほう」
少女、その正体は変化の杖で変身したエビルプリーストだ、は、禍禍しい笑顔を見せると
嬉々としてロックの後を追う。
(ふふふ、自分から別れてくれたわ、これは都合が良い、逃げろ逃げろ、くくく)
彼の目的は相手を倒す事でなく、自分が成り代わるべき確実な対象を拉致するためだ。
(死人が甦るわけには行くまいて、それにいつ本人と鉢合わせするかもしれんしの、
にしても、工場で出会ったお主とまた会えるとは思いもよらんかったわい)
そう頭の中で語りながらエビルプリーストは、あえて距離を置き、まるでロックを誘導するかのように
火球を放っていくのであった。
125:3/4
02/11/28 00:04
それからしばらくまた時間が経過する、と、森の中に潜むエリアの耳に足音が聞こえる。
(ロックさん.....!)
一瞬そう思ったが、どうやら違うようだ。
やがてその足音の主はエリアの前へとその姿を見せる、影のように黒い鎧をまとった青年だ。
エリアの存在は彼にとっては予想外だったようだ。
彼女を前にして少しだけ固まってしまうが、思いなおしたように剣を取る、その時、
「私を殺すつもりですね」
機先を制するようなエリアの声に、またその手が止まってしまう。
「ええ、まさかこんなところで会うとは思いませんでしたけど、ごめんなさい」
そう言って、ぺこりと頭を下げる青年。
その瞳はあまりにも哀しく、そして美しい色をしているとエリアは思った。
これほどの戦士を殺戮に走らせるには余程の理由があるはずだ。
エリアは迫り来る死の恐怖よりもその理由について知りたいと思った。
だからエリアは優しく微笑むと、青年へと問いかける。
「逃げも隠れもいたしません、ですが少しだけ理由をお聞かせ下さいませんか?」
青年はその言葉と表情に少し驚いたような感じだったが、そして......。
126:4/4
02/11/28 00:04
【セシル 所持武器:暗黒騎士の鎧 ブラッドソード 源氏の兜 リフレクトリング 弓矢(手製)
ギガスマッシャー 現在位置:ロンタルギア東の森 行動方針:皆殺し
(ハーゴンorエドガーを最優先ただし遭遇すれば他のキャラでも殺す)】
【エリア 所持武器:小型のミスリルシールド・ミスリルナイフ・加速装置・食料2ヶ月20日強分&毒薬
水1,5リットル×2 吹雪の剣 フィアーの書×7 小型のミスリルシールド 現在位置:ロンタルギア東の森
行動方針:クリスタルの戦士との合流】
(エリアは一度だけ召喚魔法『シルドラ』を行使可能)
【ロック 所持武器:クイックシルバー 小型のミスリルシールド 現在位置:ロンタルギア東の平原
行動方針:エリアを守る】
【エビルプリースト 所持武器:危ない水着 変化の杖 現在位置:ロンタルギアの祠から北へ
行動方針:天空の勇者(ソロ・クーパー)の始末 ロックを確保し成り替わる】
127:修正
02/11/28 00:05
【エビルプリースト 所持武器:危ない水着 変化の杖 現在位置:ロンタルギア東の平原
行動方針:天空の勇者(ソロ・クーパー)の始末 ロックを確保し成り替わる】
128:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/11/28 03:52
ロンダルキアの祠から西へ二つ目の橋の上。ミレーユは占いを再開していた。
近くにいる。
それだけはわかる。
けど…
「あの森の中で人を探すとなると厳しいわね。」
落ち着いていそうだが、彼女は焦っていた。
占いで守るべき人の反応が一つ消えた。
再び占いをしてみると二人が離れ離れになっているではないか。
「お願い。…アモス。私を導いて…」
そう思った瞬間。
──爆音が聞こえる。
「近い…?」
確かに近い。今、この橋の上から煙が見える。
そう思った瞬間、体が走り出していた。
【ミレーユ 所持武器:ドラゴンテイル・妖剣かまいたち・小型のミスリルシールド・水筒1.5ℓ 現在位置:ベクタから旅の扉へ 行動方針:占いで見た三人に会う(ロック、エリア)】
129:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/11/28 06:31
訂正です。
【ミレーユ 所持武器:ドラゴンテイル・妖剣かまいたち・小型のミスリルシールド・水筒1.5ℓ 現在位置:ロンダルキアの祠の西の橋の上 行動方針:占いで見た二人に会う(ロック、エリア)】
130:アルス組
02/11/28 06:36
「冷たっ!!」
降り積もる雪に顔からダイビングしてしまい、アルスは思わず声を上げる。
荒い息のまま、アルスは立ち上がって首に手をあてた。
どうやら時間には間に合ったらしい。安堵感がこみ上げてくる。
(あぁ、精霊ルビス様ありがとうございます。
さっきは暴言吐いちゃってすみませんでした。
これからも毎日お祈りします)
本当に時間ギリギリだった。
時間切れで死亡、なんて情けない死に方は死んでもごめんだ。
いや、情けなくない死に方ならいいってわけでもないんだけど。
自分でツッコミを入れつつ、アルスはティナの方に顔を向ける。
ティナは息を整えつつ、その場にしゃがみこんで雪を掬い上げていた。
手の上で雪がゆっくり溶けていくのをじっと見つめている。
神秘的な姿に一瞬見惚れてしまったが、すぐに頭を振って気を取り直した。
「ティナは、雪を見るのは初めて?」
「ううん、私達が元いた世界には、年中雪に覆われた炭鉱都市があるの。
とても・・・思い出深い所」
あの地――炭鉱都市ナルシェは、ティナ=ブランフォードという
人間にとって第二の始まりの地といえる。
ナルシェで氷付けの幻獣に出会ったこと。
あの瞬間から全てが始まったのだ。
もういちどナルシェに行きたい。今も炭鉱に住むモグに会って、抱きしめたい。
ささやかな願いではあったが、それだけに本心からの想いであった。
「そっか。もう一度行けるよ、きっと」
「そうだと・・・いいね」
弱々しく微笑むティナ。
131:アルス組
02/11/28 06:37
話題が途切れる。痛々しい沈黙。
(ど、どうしよう。雰囲気が重くなっちゃった。なにか話題は~っと・・・)
「あ、あのさ、これからのことなんだけど・・・」
さんざん知恵を絞った挙げ句出てきたのは、
ヒネリもウィットも効いていない、あまりに現実的過ぎるセリフだった。
世界を救う勇者だなんだと言われても、ここらへんはまだまだ16歳の子供である。
「あ、ごめんなさい。そうよね、私達にはやることがあるものね」
微妙に情けない気分になりつつも、
アルスはティナの隣に腰を下ろし、考えをまとめる。
「やっぱり、仲間を探すことから始めようと思うんだ。
またティーダ達と会えればベストだね」
「そうね。あのゾーマっていう魔王を倒すにしても、
このゲームを抜け出すにしても、私達だけじゃ力不足だし」
アルスは周りを見渡した。
周囲は360度完全に険しい山脈で閉ざされている。
その頂は深い雲に覆われ、どれほどの高さなのか見当もつかない。
「あの山は丸1日かかっても越えられない。
きっと参加者は山に囲まれたこの土地の中に全員飛ばされてるんだ。
だとすれば、ここはさっきまでいた帝国領よりだいぶ狭いから、
誰かを探すだけならそう難しくないと思う。この杖もあることだし」
対人用のレミラーマの杖。
今までに試してみたが、感知できる範囲は半径100メートルといったところだ。
杖を手に取って念じなければ効果が現れないという欠点はあるが、
これさえあれば少なくとも不意の遭遇は免れることができる。
「問題は、『誰に会えるか』ね」
ゲームが始まってから2日以上が経過している。
この期に及んで単独行動をしているのは、ゲームに乗った人間である可能性が高い。
しかし、パーティを組んでいても全面的に信じることはできない
(デスピサロとサマンサという、アルスにとって信じたくない実例がある)。
安全度が高いのは3人以上のパーティだろうか。
とはいってもそういうパーティが都合よく見つかるかどうかは未知数だ。
132:アルス組
02/11/28 06:40
(結局、絶対確実なんてありえないんだな)
胸中でつぶやく。
単独行動をしているいい人だっている。
悪人同士が手を組む事だってある。
最終的には自分達の目で相手を見通すしかないのだ。
風が吹き抜けていった。寒さがじわじわと体に染み込んでくる。
砂漠を全力疾走してかいた汗が、こちらの世界の
寒冷な気候によって冷やされているのだ。
隣を見ると、ティナも寒そうに体を縮こまらせている。
「とりあえず動こう。じっとしてたら寒いし。
動き回った方が他の人を見つけやすいだろうから」
言いながらマントを外し、ティナにかぶせる。
「あ、これ・・・」
「使って。その格好じゃ寒いよ」
「ありがとう・・・アルスは、優しいね」
柔らかい笑顔を向けられて、アルスは思わず下を向いた。
心臓がドキドキいっている。
(変な気分だ。どうしたんだろう・・・)
あまり深く考えると泥沼にはまってしまいそうな気がする。
緊張しているからだと自分に言い聞かせて、アルスは立ち上がった。
「じゃ、じゃあ行こうか。とりあえずこっちの方向でいいかな?」
「? ええ」
慌てたように言って歩き出すアルスをきょとんとして見つめていたティナだったが、
すぐに後を追って歩き出した。
【アルス/ティナ:
所持武器:対人レミラーマの杖・天空の剣/プラチナソード
現在位置:ロンダルキア中央やや南西の平原を北へ(平原と砂漠の境目には結界)
行動方針:仲間を探す/謎の少年(テリー)の手にかかって殺される】
133:1/4
02/11/28 18:29
一面の銀世界。先ほどのベクタよりも、空気が薄く、冷たい。
「雪山、か」
慣れていない人間にとっては、厳しい戦場となるだろう。
酸素の不足は戦闘力の低下を招くし、冷たい外気は容赦なく体温を奪う。
最も、高山での奴隷生活を長年強いられてきたヘンリーにとっては、何の苦もないが。
アグリアスは、ヘンリーより少し離れた場所に降り立っていた。
二人ともすぐに互いの姿を見つける―が、少し困惑した表情を浮かべる。
殆ど垂直に近い、険しい斜面で阻まれていたのだ。
大した距離ではないが、飛び降りるには危険が過ぎる。さりとて道具もなしに昇れる角度でもない。
「私がそちらにいく」
辺りを見まわし、先に回り道を見つけたアグリアスが、声をかけた。
その時だ。
およそこんな雪山には似つかわしくない、透き通った歌声が響いたのは。
「おい、先に向こうに行ってるぞ」
ヘンリーはアグリアスの返事を待たずに、声の方向へと向かった。
134:2/4
02/11/28 18:30
セリスは、切り立った崖の上にいた。
重過ぎる罪の意識と、深い後悔に囚われて。
時と共に増大していく、死への誘惑に誘われて。
「…………」
虚ろな瞳に映ったのは、白銀の世界と、どこまでも広がる空。
それは『彼』と、彼に会った『場所』を思い起こさせた。
……だからだろうか?
―愛しの貴方は遠いところへ 色あせぬ永久の愛誓ったばかりに
気がつけば、あの時の歌が、口をついて出ていた。
そう……初めて『彼』、セッツァーに出会った時の、オペラの歌。
―悲しいときにも辛いときにも 空に降るあの星を貴方と想い
ここが戦場だということも忘れ。
両手を広げ、声量を上げて。美しい歌声を響き渡らせて。
その姿は、オペラの主役、女優マリアそのものだった。
135:3/4
02/11/28 18:31
人の気配は、とうに察知していた。
それでも彼女は、歌うことを止めなかった。
―ありがとう私の愛する人よ
― 一度でもこの思い 揺れた私に 静かに優しく答えてくれた
避けようと思えば、避けられただろう。
受け止めようと思えば、雪の上に置いた剣を拾い上げ、止めることもできただろう。
セリスは、どちらもしなかった。
その代わりに、白い雪の上に舞い散った、赤い血を一瞥し。
斧を振り下ろした青年の方に向き直って。
「さようなら、ロック……」
永久に歌われることのないフレーズの代わりに、たった一言を残して。
彼女の足は、トン、と雪を蹴った。
彼女は、幸せだった。
彼女は確かに、『帝国将軍セリス』の枷から解放されていたのだから。
だから―最期の瞬間まで、彼女は微笑を浮かべていた。
136:4/4
02/11/28 18:32
風になびいた金の髪と、女性の浮かべた微笑が。
かつての妻の面影と、一瞬重なる。
「……マリア!」
思わず差し伸べたその手は、虚空を掴んだ。
神の塔のように、奇跡は起こらない。
投げ出された身体は、どこまでも落ちていくだけ。
彼はその場にしゃがみこみ、遠くなっていく女性の姿を見届けた。
「………」
どれほどそうしていただろうか?
アグリアスの足音が、近くで聞こえた。
ヘンリーはすっくと立ちあがり、女性の荷物を手にする。
「行くぞ。もうこんな場所に用はない」
そう声をかけて、彼は崖を後にした。
【セリス:死亡】
【ヘンリー 所持武器:ミスリルアクス イオの書×3 火炎瓶×1 ロトの剣
現在位置:ロンダルキアの祠西の山岳地帯 行動方針:皆殺し】
【アグリアス ジョブ:ホーリーナイト スキル:時魔法
装備武器:スリングショット ダイヤソード なべのふた
現在位置:ロンダルキアの祠西の山岳地帯 行動方針:ゲームにのる】
137:>>133-136
02/11/28 21:57
感想スレで『話が破綻している』との意見を戴きましたので、
>>133-136はNG扱いにしてください。
ご迷惑おかけしました。
138:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/11/28 23:38
剣を構える。
その場だけ静かなる刻が支配する。
──殺気が感じられない。
お互い何も言わずに剣を収める。
さぞ、名のある戦士に違いない。
…無言で互いの横を通り抜ける。
パパスは無言でその男の陰を見送った。
トーマスがクゥン?と鳴く。
「よい。とにかく私たちは人を探す。」
このまま山沿いに南にいけば洞窟があるはず…
そこに皆がいればいいが。
あの者は目的があり、それをしっかり見据えている人の目。
迷いなき目。
─かつては私もあのような目をしていたのかもしれない。
目的のない戦士、リバストはパパスの後姿を見て、そう思っていた。
自分はありもしない…
いや、あるのかもしれない。
友は何のために私を生かしたのだ。
まだ、自分の目に見えてないだけのかもしれないな…
リバストは空を見上げた。
見下ろした次の瞬間。その足は動き始めた。
【トーマス 所持品:鉄の爪 薬草×10 手紙 碁石(20個くらい) 現在位置:南東の森付近の平原。平原を南へ 行動方針:パパスについていこうと思ってはいる】
【パパス 所持武器:アイスブランド 現在位置:南東の森付近の平原。平原を南へ 行動方針:バッツと双子を捜す。最終的にはゲームを抜ける。跡地の旅の扉にて限界まで待つ】
【リバスト 所持武器:まどろみの剣 現在位置:南東の森付近の平原。平原を北へ(祠を経由し、神殿へ) 行動方針:今のところ無し】
139:1/5
02/11/29 00:01
ぽとり....ぽとり.....
セフィロスの肩に地下水の雫が落ちる。
ロンダルキアから下界に向かう洞窟の入り口付近で、セフィロスは何をするでもなく佇んでいた。
その表情にはわずかながらも苛立ちのようなものが見える。
デスピサロ.....そしてアモス、自分こそ最強を信じて疑わなかったセフィロスにとって、
昨夜からの一連の戦いは不快きわまりない苦い思い出として胸の中にくすぶり続けている。
これを払拭するにはやはり戦いしかない。
セフィロスに生き残りたいという欲求は正直乏しい、とりあえずはルールにしたがっているのみに過ぎない。
だがそれでも最強の座についた者こそ、生き残るべきだとも思っているし、
それが自分であると信じて疑ってもいないことも事実だ。
そんなことを考えているセフィロスだったが、やがてこちらに向かう何者かの足音と気配を察知すると、
わずかに唇を笑みの形に歪ませ、背中の正宗へと手を伸ばした。
「ありがとよ、お前さんのおかげで楽に抜け出す事が出来そうだぜ」
「いえ、そんなことありませんよ」
無限回廊を突破したラグナの感謝の言葉に、アーサーは少し照れたようなそぶりを見せる。
出口が近くなってきた安心感もあるのだろう、3人の表情に少しだけ余裕が浮かんでくる。
余裕が出来れば口も軽くなる、誰からとも無く雑談が始まる。
もちろん1番かしましいのは1番後ろを行くマリベルだ、ぺちゃくちゃと口が止まらない。
「それにしてもあのギルガメッシュって男は情けなかったわよぇ、なーにがセフィロスに出会ったら逃げろ、よ
そのセフィロスって奴がどれほどの者だってのよ、箱に隠れて振るえていた奴が言っていても説得力ないんだっての」
マランダの街で自分が犯した大失態を棚に上げて、マリベルは強がっている。
つられてラグナも笑うが、アーサーは笑う気持ちにはなれなかった、同じ事をクラウドにも言われていたからだ。
140:2/5
02/11/29 00:02
「大体、こんなビジュアル先行の男が見かけ通り強かった試しがないわよ、
ホントは顔の1/10の実力も 無いんじゃないの?」
と、相変わらず軽口を叩くマリベルだったが、先頭のラグナが突然立ち止まったためにその背中に
鼻をぶつけてしまう。
「ちょ、いきなり」
「おい....そのビジュアル男がいるぜ」
そう、確かにラグナの指差した先にはマリベル言うところのビジュアル先行の男、
すなわちセフィロスが出口の光を背負って立っているのであった。
セフィロスは待ち構えていた相手がようやく現れたのを見て、正宗を抜き放ち3人へと襲いかかる。
「ベギラマ!」
マリベルとアーサーの声が同時に洞窟に響く、先に発見した分彼らの方が迎撃が早い。
だが、セフィロスの踏みこみは彼らの予想を遥かに超えていた、
ベギラマによる炎の壁が出来たのはセフィロスの遥か背後だった。
「こっちだっ!」
洞窟の奥へと退避しながらラグナがマリベルから借りていた、エルフィンボウを発射する、
セフィロスがそれを防ごうと正宗を構えた時、マリベルが同時にいかづちの杖を振りかざし、
また再びアーサーがベギラマを唱える。
2重にとどろく閃光、だがしかしそれでもセフィロスはとっさに上に向かって飛ぶと、
天井に正宗を突きたてて、呪文も弓矢も回避する、まさに凄まじいまでの戦闘能力だった。
天井に張りついたまま、セフィロスはマリベルへと尋ねる。
「どうだ?、これでもセフィロスはビジュアル先行の男か?」
聞こえていたらしい、頭上の声にマリベルは思わす口を押さえてしまう、自分が勝気な分、
マリベルは敵を楽観視する傾向があるが、今回は見事にそれが裏目に出た。
(いまさらあやまっても許してくれないわよね.....どうしようか)
悩んでいる間にセフィロスが動く、一旦正宗を引きぬくとそのまま空中で天井めがけて何度も
斬撃を繰り返す、まさに一瞬の早業、そして地上に着地するとそのまま出口へとバックステップで退いてゆく。
141:3/5
02/11/29 00:04
「?」
その行動の意図が掴めず、困惑する3人だったが天井から落ちる砂と水滴を見て、はっと気がついたように、
ラグナが叫ぶ
「崩れるぞ!」
もともと造られてかなりの歳月が経過していたのだろう、その上この周り一帯は地下水脈が通っている様だ。
そのため、水を含んだ天井は、わずかな衝撃にも絶えられぬほど脆くなっていたのである。
しかし恐るべきは、それを見抜いたセフィロスである。
自分めがけて崩れ落ちる岩盤を見て、立ちすくむマリベル、それを、
「あぶねぇ!」
ラグナがマリベルを抱きかかえ洞窟の奥へと飛び退さる、そして土煙と轟音
それが収まったとき、洞窟は岩盤で完全に塞がれてしまっていた。
そしてその場に残っているのはセフィロスとアーサーの2人だけになった。
出口側にいるセフィロスは正宗を青眼に構え、余裕の表情を見せている。
一方、アーサーはがくがくと笑い出しそうな膝を必死でこらえながら、呼吸を整えている。
「戦えるのは僕だけか......」
アーサーにはたった一つだけ策があった、これを実行すれば間違い無くセフィロスを倒せる、
だが、それは同時にアーサーの死をも意味していた。
142:4/5
02/11/29 00:05
その脳裏に魔法の師の声が聞こえる。
『よいか、この呪文は成功・不成功に関わらず術者は必ず死ぬ、術者の生命が発動の触媒なのだ』
(死にたくない......死にたくないよ.....でも.....)
アーサーは、これまで出会った数々の人々の顔を思い出す......
(誰かの為に死ねるのなら、この命が無駄にならないのなら......)
幸い、ここには自分とセフィロスの2人しかいないし、後ろは分厚い岩盤で塞がれている、
使っても誰も巻き添えにはならない。
そして、アーサーもまたゆっくりとひのきの棒を構え、セフィロスへと叫んだ、
精一杯の勇気と覚悟を込めて.......。
「行くぞ!」
【マリベル/ラグナ 現在位置:ロンダルキアへの洞窟(出口手前、ただし岩で遮断されている)
所持武器:エルフィンボウ・いかづちの杖・エドガーのメモ/参加者リスト
行動方針:首輪を外してゲームを抜ける】
【アーサー 現在位置:ロンダルキアへの洞窟(出口手前・洞窟側)
所持武器:ひのきの棒 行動方針:何とかしてセフィロスを倒す】
【セフィロス:所持武器:正宗 現在位置:ロンダルキアへの洞窟(出口手前・ロンダルキア側)
行動方針:全員殺す・勝ち残る】
(5/5はありません、失礼)
143:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/11/29 02:28
青眼に構えたセフィロスからの一撃がアーサーへと迫る、アーサーはひのきの棒でそれを受けるが、
それは一瞬で手元から切断され、さらに返す刀が、
そのままアーサーの左脇腹から右脇までをも一気に斬り裂いていた。
アーサーも決して剣が不得手なわけではないが、だがいかんせんひのきの棒ではどうしようもなかった。
しかし、そうなるのは覚悟の上だった、アーサーは歯を食いしばり正宗を脇に挟み最期の力を振り絞り
呪文を・・・・・自分の生命を代償に、究極呪文の一つメガンテを唱え始める。
が、その時アーサーの視界に人影が入る、セフィロスの背後だ。
逃げてと言いたいが呪文の詠唱に入っているため声を出せない、究極呪文だけあって、
かなり長い詠唱が必要なのだ。
(だめだ・・・・これじゃ使えない)
今メガンテを唱えれば、確実にセフィロスは倒せる、しかしそれは背後の人を巻きこんでしまうことになる
(出来ないよ・・・・出来ない・・・よ・・・で・・も)
アーサーは呪文の詠唱を止める、と同時に正宗が閃き、アーサーの身体はバラバラになっていく、
薄れ行く意識の中で飛び散る自分の肉片を眺めながら、ぼんやりとアーサーは呟いていた。
「これで・・良かった・・んだ・・・・・そうだよ・・・ね」
ごとりという自分の首が地面に落ちる音を合図に、アーサーの視界は闇に閉ざされた、永遠に。
セフィロスはアーサーに止めを刺してから、ゆっくりと背後の気配を確認する。
「逃げたか・・・・」
つまらなさそうにセフィロスは呟いたが、彼はその人物に感謝すべきだろう、
そいつがあと1秒立ち去るのが早ければ今ごろセフィロスはアーサーもろとも、
粉微塵になっていたのだから・・・・
【アーサー:死亡】
【セフィロス:所持武器:正宗 現在位置:ロンダルキアへの洞窟(出口手前・ロンダルキア側)
行動方針:全員殺す・勝ち残る】
(逃げたキャラは不明・お任せします)
144:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/11/29 05:54
「…ん?」
リノアが目を覚める。鼻を突くのは腐敗臭。
生物の死骸が腐った臭い。
ここはロンダルキアの台地からある意味一番遠い箇所。
ロンダルキア、地下部。綺羅星の如きの勇者がこの洞窟に果敢にも乗り込んでいって敗れた者。
未練を残した英傑はこの洞窟にて、また一人仲間を増やさんと永久に彷徨うことになる…
いま、ここにいるのは二人。スコールとリノア。
ここを彷徨っているはずの腐った死体の姿は見えない。…当然ではあるが。
その代わり、すでに動くことを許されず終焉を迎えた死体はあるわけだが。
「スコール?」
沈黙を保ちつつ、振り返る。
─あれから、何も話してくれない。
何があったのか。何を問いかけてもその答えは首を振るだけ。
わかるのは今、ここに彼はいて、気を失っていた間守っていてくれたということ。
…それだけでも十分なのかもしれないけど。
「行こう。どこかへ…ね。」
スコールは頷く。
ふと、部屋の隅にある宝箱に目が行く。
それはかつて命の紋章というアイテムが眠っていた宝箱。
何か、ひきつける、ものがある。スコールは感じていた。
「…」
「これって、宝玉、だよね。」
かつての魔王が幾多の術を用いて、勇者たちを惑わした。
だけど、そのまやかしの術は必ずや破られることになる。
…真実のオーブ。まやかしの術を打ち破る術であるそれはエビルマージが恐れて自室に封印していた…はずのもの。
無言を保ちながら階段へと歩き出した。リノアがあわててそれを追う。
【スコール(負傷)/リノア 所持武器:真実のオーブ/妖精のロッド・月の扇/アルテマ×1 現在位置:ロンダルキアの洞窟地下一階 行動方針:?/スコールに着いていく 洞窟を抜ける方針で】
145:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/11/29 06:13
(流出アイテムは以上で全てです。)
146:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/11/29 06:34
「ちく....しょう」
あと数メートル先に進めば外に出られるというのに・・・・
ラグナは腹立ち紛れに、自分の目の前で出口を塞いでいる岩を殴りつける.....痛い。
どうやら大人しくしていた方がよさそうだ、ただでさえかなりヤバイ状態なのだから。
そう、マリベルは何とか助かったものの、ラグナは岩盤の下敷きになってしまっている。
その膝から先については痛みはおろか感覚すら感じない、どうやら潰れるどころかそこから千切れてしまったらしい。
「必ず助かるから......泣くなよな、おい」
ラグナはそれでも自分の傍らのマリベル----ラグナの位置からだと足しか見えないが、へと優しく話しかける。
「泣いてなんかいないわよっ!」
「何だよ、俺の為に泣いてくれてんのかと思ったのに」
強がる割りに瞳は真っ赤に充血している、とにかくマリベルは通路をびっしりと塞ぐ岩を色々と調べている。
(今のままでラグナさんを助けるのは無理ね)
崩れ落ちた岩と岩との微妙なバランスによってラグナの身体はペシャンコ寸前で保たれている、
もし下手に崩せば今度こそ本当にペシャンコになってしまうだろう。
ならばまずは何とかして通路を開通させて、誰か助けを呼ばないと、
マリベルは比較的頑丈でなおかつ安定している岩に目星をつけると、イオの力を一点に凝縮させて、
少しずつだが砕いていく、それは気の遠くなるような作業だった。
イオナズンやベギラゴンを使えばもっと楽なのだが、強力な分だけ制御が難しいし、
もし失敗すれば、ラグナが巻き添えになってしまう。
ラグナにもマリベルが何をしているのか分かったのだろう、嗜める声が飛ぶ。
「おいよせ、この岩がどれくらいあるのかわかってんのか!?」
しかしマリベルはそれには応じず、酸欠気味の洞窟内で早くも意識を朦朧とさせながら、
うわごとのように小声で呟くのみだった。
「それでも、何とかしなくちゃ.....何とか」
147:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/11/29 06:34
【マリベル/ラグナ(重傷) 現在位置:ロンダルキアへの洞窟(出口手前、ただし岩で遮断されている)
所持武器:エルフィンボウ・いかづちの杖・エドガーのメモ/参加者リスト
行動方針:首輪を外してゲームを抜ける・洞窟から脱出する】
(もし全体攻撃呪文等で岩を破壊しようとした場合、100%ラグナは巻き添えになります)
148:1/3
02/11/29 06:41
世界を渡る旅の扉、抜けた先にあったのは銀世界だった。
雪に覆われた山道に自分は立っている。
「…さむ」
吹き付ける風に、マントをすり合わせるセリス。
辛い事はこれまでにもあった。雪山で剣を振るった事もあった。
でも、その時にはそばに誰かがいてくれた。…『あの人』がいてくれた。
「……ロック……」
今は誰もいなかった。それが、堪らなく寒かった。
何でも、今自分達は殺し合いをしているのだという。
聞こえてくる放送では、仲間であるセッツァーがすでに誰かの手に掛かったそうだ。ケフカも、逝ったらしい。
だが、セリスには信じられなかった。仲間たちの強さは自分が一番知っているし、
それに自分は…この『ゲーム』が始まってから、誰にも会っていなかった。
実際にはすぐ側で殺戮が繰り広げられていたのだが、神懸り的な偶然でセリスはそれらに遭遇もしていない。
だが、それは逆にセリスの孤独を煽った。
もう、自分ひとりしかいないのではないか。いや、最初から誰もいないのではないか…
寂しさと不安がセリスを包む。
私は…たった一人で、朽ちていくのだろうか…?
耳の奥で、ケフカの笑い声が聞こえてきた。マリオネットを操る道化師の笑い声だ。
ああ…気が、狂いそうだ。
思い切り叫ぼうとした、そのときだった。
人の気配に気付いたのは。
「…誰」
思わず、口に出していた。
自分の命を狙う者かもしれない。それでも、出さずに入られなかった。
そして、物影から一人の男が現れた。
「こんにちわ。あなたも、今回の事に巻き込まれた人ですよね?」
一見友好的な態度。ヘンリーだった。
149:2/3
02/11/29 06:42
セリスは戸惑った。こんな非常事態に、これまで誰にも会わなかったのに、突然現れた男。
男は何事もなかったように平然としている。まるで、何事もなかったかのように。
もしかして、自分は騙されていたのかもしれない…ゾーマと名乗る、狂言師に。
何が正しくて、自分は何を信じればいいのだろう。
そんな事を考えているうちに、ヘンリーは歩み寄ってくる。
「そうそう、僕は『とんぬら』というんですよ。あなたは?」
笑顔。だが、後ろ手には幾人もの血を吸った斧が握られている。
後もう少し、そこが必殺の間合いだ。
なにやら考えているトロそうな女を見ながら、ヘンリーは口の中で笑った。
だが、その笑いは、凍りついた。
「マリア…です」
セリスは、ただ単に不用意に名乗るのはまずいかもしれないと思ったから、偽名を使ったに過ぎない。
『マリア』という名前も自分が初めて使った偽名で、咄嗟に頭に浮かんだからだ。
だが、ヘンリーにとっては違った。その名前はヘンリーにとって無二のもので…奇しくも、セリスと妻、マリアは同じ金髪だった。
硬直するヘンリーに、怪訝そうな表情を浮かべるセリス。
どうかしたのか。そう口を開こうとして、セリスは咄嗟に状態を逸らした。
「何をやっているっ!」
怒声。女のものだ。衝撃と痛みがセリスの頭をシェイクした。
何か、飛礫のようなものをぶつけられたらしい。右肩に当ってしまったが、咄嗟に身を逸らしたおかげで砕けてはいないようだ。
痺れる肩を抱きながら、ヘンリーから飛び離れる。再び飛礫がきたが、避けるまでもなく明後日の方向へ飛んでいった。
着地すると同時に腰に佩いていた剣を抜こうとして…
「え?」
セリスは、足元を見た。崩れる地面、奇妙な浮遊感。
次の瞬間、セリスは宙に投げ出されていた。
150:3/3
02/11/29 06:43
「キサマ、やる気あるのか!」
アグリアスは怒鳴った。
ヘンリーは、セリスが落ちていった崖を見ている。その姿は、腑抜けたものに見えた。
――この男、思った以上に役に立たんかも知れんな。寝首をかく日も遠くないようだ。
しばらくして、ヘンリーは、崖から視線を外した。
「どうする、止めを刺しに行くか」
「この崖を降りて、か?行きたければ一人で行け」
「キサマ…」
「ふん…行くぞ」
ヘンリーは歩き出す。
マリアと名乗ったあの女は、やはり自分の妻であるマリアとは違った。
わかっている、違うことは。
わかっているのに…ヘンリーの内には、小さなしこりが残ったままだった。
【ヘンリー 所持武器:ミスリルアクス イオの書×3 火炎瓶×1
現在位置:ロンダルキアの祠西の山岳地帯 行動方針:皆殺し】
【アグリアス ジョブ:ホーリーナイト スキル:時魔法
装備武器:スリングショット ダイヤソード なべのふた
現在位置:ロンダルキアの祠西の山岳地帯 行動方針:ゲームにのる】
【セリス 所持武器:ロトの剣
現在位置:ロンダルキアの祠西の山岳地帯 行動方針:錯乱? 崖下へ転落】
151:1/4
02/11/29 12:57
《午前8時四十分前後》
「愛する者の命のために。」
まっすぐなエリアの眼差しを正面から受け止めながら、セシルは答えた。彼女の問いに。
その言葉に、エリアの微笑が消え、何か別の表情が取って代わる。
「…そのために命を奪うのですか?沢山の、同じ、命を。」
我知らず手を握りしめながら、エリアは静かに言った。自分を押さえていないと、怒鳴りだしてしまいそうだ。
「僕にとって、命は“等価”じゃない。このゲームに参加してる全ての人間より、僕にとってのローザの命は重い。」
彼自身、冷たいなと驚くほどの声音でセシルが言う。まるで自分に言い聞かせるみたいに。
セシルは、ウソを言ってはいなかった。少なくとも今の時点では。
昔は、ゲームに参加する前は、そうは思っていなかった。全ての命は等価値だと思っていた。
だけど、気づいた。彼女が死んで。
彼女は何よりも大事だ。だから、他の命を奪ってでも彼女を生かす。
決意した時、彼はゾーマの操り人形になる事を決め、己を捨てた。
リディアと出会い、まだ僅かに心に残っていた己に気づき、再びソレを放棄した。
カインと出会って、再確認した。
セシルは今、誰だって殺せる。エッジでもカインでもリディアでも。ましてや知らない他人の命などそれ以前だ。
「…分かります、あなたの思いは…だけど、私にも背負うモノはあります!同じくらい、重いモノが!」
思わずそう叫んで、エリアは携帯していたミスリルナイフを抜いた。
エリアの心の中で焔(ほむら)が唸った。優しき水の心の中で、炎が怒りの産声を上げた。勇気の炎が。
その瞬間、セシルの表情が変わった。顔が強ばる。顔の裏で激情が爆発する!
どぉぅんっ!と、エリアの足下で黒の衝撃が弾け、ばっと雪が散る。周りに生えている木の一本が衝撃で倒れる。
剣の切っ先をこちらに向け、セシルが低く叫んだ。先ほどの黒の爆発も彼の仕業か。
「分かるものか…あなたに…!」
剣の切っ先に黒い光を集め、それをエリアに向ける。
…このまま話していたら、捨てたはずの己が戻ってくる。ソレは駄目だ。
ローザを生き返らせるためには、みんな殺すためには、何よりも、甘い自分自身が不必要なのだから。
152:2/4
02/11/29 13:01
ナイフを構えながら、エリアは小さく息をのんだ。
目の前にいる騎士は、強い。どうしようもなく強い。
ナイフを抜いて怒鳴ったのは失敗だったか?
否、そもそも彼女に打算など全くない。ただ、思いをぶつけただけ。
…騎士の、セシルの剣の切っ先の、黒い輝きが吠え狂う。
一瞬後には、エリアは黒い爆圧でバラバラになるだろう。避けられそうもない。
エリアはぐっと歯を食いしばった。その爆圧と、訪れる死を耐えるべく。
だあんっ!
爆圧は、エリアを殺しはしなかった。
「っ…!」
「エリア!無事か!」
「ロックさん!」
間一髪のところで駆けつけたロックのクイック・シルバーが、セシルの腕を撃ったのだ。
残念ながらその一撃は真芯を捕らえず、腕を軽く裂くにとどまったが。
「邪魔をするな…!」
セシルは静かな怒りをたたえ、ロックに向かって剣を向ける。
「ロックさん!これを!」
エリアはザックから吹雪の剣を取り出すと、ロックの方に向かって思いっきり投擲する。
非力な彼女としては長い時間、剣は宙を舞い、ロックの足下に突き刺さる。
「っ…!」
ロックが剣に向かって跳躍する、ロックの立っていた場所を黒が薙ぐ。クイックシルバーの弾丸が空を切る…!
「エリア!下がれ!遠くまでだ!」
剣を握ったロックが短く叫ぶ。エリアはソレを聞いて一瞬迷い…振り向くと、南に向かって走り出した。
自分では足手まといになる…味方がいる。
そして、ここからしばらく南には…あの、小さな水の反応があったはずだった。
153:3/4
02/11/29 13:09
「く…くう…。」
邪神官エビルプリーストは、弾丸に打ち抜かれた腕を引きずりながら雪原を歩いていた。こちらに走っていったロックを追って。
(あの男め、なかなかやる。)
彼と戦っていたバンダナの男、呪文すら使えないくせをして…。
あの弾丸さえ喰らわなければ、ヤツを捕縛できたのに。一瞬の隙に逃げられてしまった。
腕の治療にベホマを使っているが、どうも効きが悪い。なにか、力を制限されているような…。
ぼふっ!
突然なにかに足を取られて、エビルプリーストはその場に倒れた。
考え事をしていたせいで、足下に気が回らなかった。
「む、むう…。」
腕を引きずりながら立ち上がり、振り向く。何だ?何に足を取られた?
振り向き、足元を見ると答えは知れた。死体だ。死体に足を取られた。
深い雪に埋められ、埋葬されていたのだろう。彼が派手にこけたせいで雪が散り、ソレは顔を露わにしていた。
女性だった。紫色の髪の、美しい女性。
エビルプリーストは一時思案する。
死人に化けるのはリスクが大きい。本人の知り合いに会ってしまえば一発でばれる。
だが、いきなり出会ったら…どうだ?
驚くだろう。死んでいるはずの人物が生きて目の前にいるのだから。
その一瞬の隙さえあれば…呪文をたたき込める。
しかも、この女性は相当な美人だ。武器が無くて困ったフリでもしていれば、お人好しが助けに現れるだろう。ソイツを、仕留めればいい。
エビルプリーストはニヤリと笑い、変化の杖を振りかざした。すぐに彼の身体が女性の…ファリスの姿に変わる。
エビルプリーストはとりあえずおとなしい表情を作って、軽く一回転してみる…完璧だ。
「こんな物かしら…。」
声を出してみる。なるべくしおらしく。
もしもまったく事情を知らないバッツがコレを見たら大笑いするだろう。もしくはファリスは気でも狂ったかと心配するだろうか。
ファリスの姿をしたエビルプリーストは、にやっと嫌な…ファリスが絶対浮かべないような笑みを浮かべて、ファリスの死体を埋め戻した。
154:4/4
02/11/29 13:12
「む…。」
ファリスの死体を埋め戻そうとしたエビルプリーストの手に、何か堅いモノが触れた。
金属の感触。何か生き物のような形。
雪の中に手を突っ込んでまさぐり、ソレを取り出す。
ペンダント。大空を舞う飛龍を象ったペンダント。
「…もらっておくとするか。」
ファリスの姿をしたエビルプリーストは、ソレをザックの中に放り込んだ。
【セシル 所持武器:暗黒騎士の鎧 ブラッドソード 源氏の兜 リフレクトリング 弓矢(手製) ギガスマッシャー
現在位置:ロンタルギア東の森(狭い方) 行動方針:皆殺し(ハーゴンorエドガーを最優先ただし遭遇すれば他のキャラでも殺す)】
【ロック 所持武器:クイックシルバー 小型のミスリルシールド 吹雪の剣 現在位置:ロンタルギア東の森(狭い方)
行動方針:エリアを守る】
【エリア 所持武器:小型のミスリルシールド・ミスリルナイフ・加速装置・食料2ヶ月20日強分&毒薬
水1,5リットル×2 フィアーの書×7 小型のミスリルシールド 現在位置:ロンタルギア東の森(狭い方)から南へ
行動方針:クリスタルの戦士との合流】
(エリアは一度だけ召喚魔法『シルドラ』を行使可能)
【エビルプリースト(現在の姿はファリス) 所持武器:危ない水着 変化の杖 ファリスのペンダント 現在位置:ロンタルギアの祠南に8マス・ファリスの墓
行動方針:天空の勇者(ソロ・クーパー)の始末】
155:1/3
02/11/29 17:27
「あいててて……」
ティーダは頭を抑えながら立ちあがった。
「大丈夫ー?」
頭上から、エアリスの心配そうな声が響き渡る。
「大丈夫じゃないッス……もう、5回目ッスよぉ?」
「全く、情けないな! バッツならこれくらいの落とし穴、簡単に避けられるぞ?」
「オレより引っ掛かってる人に言われたくないっつーの!」
偉そうなことをいうギルガメッシュに突っ込みをいれてから、ティーダは階段に走った。
ティーダ・エアリス・ギルガメッシュは、かれこれ一時間以上も、4階と5階を行ったりきたりしていた。
理由は簡単。5階に仕掛けられた、異常な量の落とし穴のせいである。
それらは巧みに床とカモフラージュされている上、魔法でもかかっているのか、
時間が立つとまた、元の床に紛れて判別がつかなくなってしまう。
誰が仕掛けたのかはしらないが、意地悪ここに極まれり。
お陰で最初は、モロに全員引っ掛かった上、エアリスが頭を打って気絶してしまったりもした。
ちなみに、この間に、アーサーに道案内されたマリベル達が、5階を通り過ぎていたのだが。
この時は、誰一人としてお互いの存在に気づいてはいなかった。
156:2/3
02/11/29 17:29
「じゃ、今度は気をつけてね」
「は~い、はいはい……」
3人がとった手段は、マッピング。
ティーダとギルガメッシュが色々な方向に進み、エアリスが紙に印をつけていく。
地道だが、確実な手段ではある。
……しかし、この手の勘と運があまりない二人。
落とし穴という落とし穴に、片っ端から引っ掛かること引っかかること。
最初は呆れ顔だったエアリスも、だんだん笑いを隠しきれなくなってきた。
「……もうイヤッス」
「もう少しだから頑張って、ねっ?」
たんこぶだらけの頭をさするティーダに、有無を言わせない笑顔で励ますエアリス。
「まぁ、ここまでくれば後少しだからな……ぁぁあああああああ?!」
一歩踏み出したギルガメッシュの姿が、不意に消えた。
エアリスは早速ペンで印をつける。
「ここにも落とし穴ね……ということは、ここを迂回すれば、階段に着くはずよ」
「だってさ。頑張って上がってこいよー」
投げやりに声を掛けて、ティーダは先に進もうとする。
その時、上の階から、重く低い音が響き渡った。
157:3/3
02/11/29 17:30
―ズ……ズズゥン……
「……?」
二人は顔を見合わせる。昨日聞いた土砂崩れの音に、良く似た音……
「ちょっとオレ、行って見てくるッスよ!」
不安に駆られたティーダは、慌てて階段へと駆け出した。
「あ、待って、そっちは!」
「へ? ……うわぁあああああああ!」
エアリスの制止は、ちょっと間に合わなかったらしい。
ティーダは足を踏み外して、落っこちた。
ギルガメッシュの落ちた穴へと。
「はぐぅっ!」「うぎゃっ!」
二人分の悲鳴が、階下で木霊する。
「……私、先に行ってるね」
エアリスはため息をつくと、マッピングした紙を穴の下へ落とし、階段を上がった。
【エアリス/ティーダ/ギルガメッシュ/ 所持武器:癒しの杖/無し/無し/
現在位置:ロンダルキアの洞窟
行動方針:上階で何が起こったのか確かめる/落とし穴フロアを脱出(w)】
158:リュック
02/11/29 19:15
「…う~ん。…あれ?ここは…」
リュックは目を覚ました。いつの間に気を失っていたのだろう。
しかし、今はそんな事はどうでもいい。今いる場所は見覚えのある、
いや、自分の家と言ってもいい場所。飛空挺の中の、休憩室。
「あら、リュック。目を覚ましたのね」
「ユウナン!?」
「どうしたの?狐に化かされたような顔して」
「…えーと」
(なんで?私、あのゲームに参加してたはずなのに)
「ふふ、大丈夫そうね。うなされてて心配だったんだから」
(そう、なの?あれは全部夢だったの?)
「ちょっと待ってて。今、食べる物持ってくるから。おなかすいてるでしょ?」
「あ、うん。お願い」
部屋から出ていくユウナの背中に、なんとか言葉をかけた。
部屋の中に誰もいないのを確認して、リュックはベッドから出た。
腕を伸ばしてみる。あの腕輪はもちろん無い。意識を集中してみる。別にヘンなトコは無い。
「…ぜんぶ、夢だったの?」
飛空挺の駆動音が、質問に答えてくれる。YESと。
「あ~もう、ヤな夢だった。」
思いっきりベッドに仰向けに倒れこむ。あのバカらしいゲームも、銀髪の剣士も、
怪物になった自分も、…アーロンを殺してしまいそうになった事も、夢だったのだ。
みんながいる。いつもと変わらない、新しい今日が始まる。あたり前の事なのに、すごく嬉しい。
そして、長く大きな腹の音がリュックの思考を停止させた。外から美味しそうな匂いが漏れてきた。
159:リュック
02/11/29 19:17
「はい、今日のお昼ご飯。いくらダイエットしてるからって残しちゃだめよ」
(ダイエットなんかしてたっけ?まあいいや。すごくお腹すいてるし)
ユウナの持ってきたトレイの上には、ジューシーな音を立てているステーキとワインが乗せてあった。
「うわぁ、おいしそう。」
「ふふ、お代わりあるからたくさんたべてね」
「いっただっきまーす」
歓喜の声も高らかに、ナイフとフォークを巧みに操って肉を一口大に切り分ける。
中にまだ赤い部分が残っているレアステーキ。耐えきれずフォークに突き刺さったそれを口に運ぶ。
「…おいしーコレ!!」
中まで巧みに火の通った完璧なレアステーキ。味、風味、食べごたえ、どれも完璧。
フォークとナイフがきらめき、あっという間に食べきってしまった。
「ユウナン、おかわり!」
「はいはい。すぐに持ってくるからね」
お腹はまだ満たされていない。それとなく側のワイングラスに手を伸ばす。
透き通るようなクリムゾン・レッド。かぐわしい香りが鼻腔をくすぐる。
とりあえず一口。
…言葉が出ない。感動すら与えるこのワインを、リュックは一気に飲み干した。
「それにしても、ワッカもひどい事言うわよねぇ」
「モガ?」
口にお肉をほお張ったまま聞き返す。
「リュックの事、ぷにぷにっていうんだもん。女のコをなんだと思ってるのかしら」
(モグモグ、ごっくん)
「ワッカ、そんな事言ってたんだ。くぬ~。今にみてろ~」
160:リュック
02/11/29 19:18
「だからって、絶食なんかしちゃダメよ」
「大丈夫。明日っからたくさん運動するから」
いっぱいになったお腹をさすりながら、ワインをすする。
テーブルの上には皿が山のように積まれ、床にはワインのビンが散乱していた。
「ところでユウナン。このお肉とワイン、普通のじゃないでしょ。どこで買ってきたの?」
いたずらっぽい顔をして問い詰めるリュックに、ユウナは微笑して答えた。
「それ、アーロンさんよ」
――沈黙だけが空間を支配した。駆動音は、いつのまにか消えていた。
ゆっくりとした波紋のように、言葉の意味が部屋の中に広がっていった。
「…ユ、ユウナン?ナニ言ってるの?」
何十秒も経ってから、ずいぶん間の抜けた声で答えた。
「なにって、リュックが採ってきたんでしょ?」
表情を変えずにユウナが答える。対照的に、リュックの心は激しく荒れ狂っていた。
「厨房にまだ残ってるから、見にいってきたら?」
既にユウナの声では無かった。しかしリュックは弾かれたように走りだした。
ドアを開けて――
「いや、やめて、いやだよ、こんなの」
ドアを開けたソコは廊下になっているはずだが、厨房に変わっていた。
リュックの視線の先、真ん中に置いてある大テーブルの上には、後ろを向いているが間違いない。
アーロンの、生首が置いてあった。
体は…どこにも無い。床に置かれたバケツに、骨がたくさん入っていた。
血は…一滴もない。壁のところに、ワインのビンが積まれていた。
「どう?人って、とってもおいしいでしょ?」
声の方を振り向き――ソコにユウナはいなかった。そこにいたのは――私だ。
「どうして?どうして私がソコにいるの?…ヒッ!!」
目の前のリュックの背中から、黒い羽が生えた。
「…私はお前だ。驚く事もあるまい」
低く、暗い声。変化は、絶えず続いていた。
161:リュック
02/11/29 19:19
黒い鱗が体を覆い、腹部から何本も腕が生えてきた。蜘蛛を思わせるフォルム。
そう、さっきまでの私。
「いや、いやだよ、わたし、そんなんじゃない」
「人の肉の味はどうだ?血の味が忘れられないだろう?」
「違う、わたし、そんなもの食べてない」
「自分の親しい者を殺す快感も、残っているはずだ」
「違う、やめて、やめてぇ……」
思わず耳をふさぐ。しかし、自分の手のやわらかい感触はしない。
恐る恐る自分の手を見てみる。
「いや、いやーーーーー!!」
黒いカギ爪と化した自分の腕をみて、リュックは絶叫した。意識が弾けた。
――冷たい感触が肌を包む。開いた目に白い景色が映って、リュックは身を起こした。
あたりを見まわす。飛空挺の中ではない。一面の、銀世界。
「…夢、だったの?」
身を刺す冷気が答える。YESと。
「…そっか。移動中に気を失っちゃったんだ。」
それにしてもイヤな夢だった。大丈夫、アーロンは生きてる。
そこまで思い出して、リュックの中でナニかが動き出した。
162:リュック
02/11/29 19:24
急激に増した飢えが、リュックの体を激しく揺さぶる。
夢の中のアイツの言葉が、頭の中をむちゃくちゃにかき混ぜる。
人の味が、心の中の倫理をぐちゃぐちゃにすりつぶす。
(もうダメだ。このままじゃ、飢え死にしてしまう!)
視界の隅に赤い髪を確認した次の瞬間、リュックは羽を広げソレに向かっていった。
【リュック(ハラぺコ):所持武器:進化の秘法 現在位置:台地中央山間砂漠南
行動方針:御食事 】
(魔獣時の能力を行使可能(レベル3コンフュ・真空波)・腕輪を失えば再び暴走の危険性有り。ただし腕輪を持ってしてもいずれ暴走あるいは死が訪れる(暴走とは別に吸血衝動が現れ始めています))
163:1/3
02/11/30 09:33
「くっ……。」
通路を半分ほど戻った辺りで若造がわしの術を振り払った。
あれだけの術を使ってもこの程度しかもたぬとはな、わしの衰えは思ったより進んでいる様だな。
現在わしの魔力、生命力の源である闇の力はほぼ枯渇状態にある、補充しようにもわしに力を授けてくださるお方、シドー様は既に身罷っておられる。
従って後はわし本来の人間としての魔力、生命力で勝負するしかないのだが、200年以上生きているわしにそんなものが残っているかは甚だ疑わしいな。
「少々相談したいことがあったのでな、我々が魂を駆集めるのを手伝って貰いたい、報酬はその魂を使ってのゲームからの脱出。」
別に死ぬ事自体はどうでも良い、わしの総てを捧げたお方、シドー様のおらぬ世界に未練なぞ無い。
だが、そんなわしを後悔と絶望しかない現世に呼び戻した連中にはたっぷりと復讐してやる、楽しいゲームをぶち壊しにすることでな。
「誰がそんな話に…」
「良いのか?このままいったら最後の一人になるまで殺し合うしかないのだぞ?どうせ失われる命だ、我々が有効に活用してやった方がまだましだとは思わぬか?」
問題はマゴットだ、今の中途半端な状態でわしの真実を告げるのは流石に不味い、下手に発狂でもされようものならわしの計画は頓挫せざるを得ない。
それに戦力の問題も深刻だ、今はまだ身体が動くから良いがいずれわしが荷物になるのは目に見えておる。
本来アルスかサマンサがベストなのだが、そこまで贅沢を言っている場合でもあるまい。
「無論他に良い方法を知っているならそちらに乗ろう、返答は?」
その時、小さな人影がわしに襲い掛かった。
164:2/3
02/11/30 10:14
「それが答えか?」
明らかに術者にしか見えない小僧の攻撃をあっさりと交わす。
そんな工夫もスピードも無い攻撃にわしが当たるものか。
「ビビ?」
どうやら相棒にも意外だった様だな、まあ相手に噛み付こうとする術者は非常に珍しい気がするが。
うん?そうか、そういう事なら遠慮は要らんな。
わしは真空を作るべく大きく杖を振りかざす。
「くっ…」
間に割って入る若造。
「馬鹿者がぁっ!」
わしは咄嗟に左の拳を叩き付け、あっさりと若造がそれを避け、そして若造の首筋を狙っていたビビの顎がわしの左手を食い千切った。
「どうしちまったんだよビビ……。」
わしの左手はそのまま租借されてビビの腹に収まってしまった、こうなると流石にべホマを使っても再生は不可能だな。
「この地方は非常に負の生命力に満ち溢れていてな、死にぞこないを長時間放置しておくとごく稀にアンデット化してしまう事がある。」
そんな特徴が無ければいかに難攻不落とは言えこんな食糧事情の悪い所に大神殿など作らぬよ。
「元に戻す方法は……」
「愚問だな、貴様らはアンデットに会った時にどう対処している?」
それにあそこに有るのはビビという魂を入れていた肉の器に過ぎぬのだがな。
「邪魔だけはするなよ若造。」
それさえなければただのゾンビ風情に我々が負ける筈が無いからな。
165:3/3
02/11/30 10:22
【ジタン: 所持アイテム:仕込み杖 現在位置:小島隠し通路
行動方針:不明】
VS?
【ハーゴン(あと二日で呪文使用不能、左手喪失)
武器:グロック17、グレネード複数、裁きの杖、ムーンの首、グレーテの首、首輪×3
現在位置:隠し通路 行動方針:授業 ゲームの破壊】
【マゴット 武器:死神の鎌 現在位置:隠し通路 行動方針:ゲームから脱出、仲間と合流】
VS
【/ビビ(アンデット化): 所持アイテム:ギザールの笛 現在位置:小島隠し通路
行動方針:生者を食べる】
166:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/11/30 11:55
>>151->>154の内、
《午前8時四十分前後》→《午前9時前後》
南には…あの、小さな水の反応があったはずだった→北には…まだ確実に生きている、風の戦士がいるはずだ。
ファリスの墓・祠から8マス→西に4~6マス、南に15~20マス
エリア現在位置:ロンタルギア東の森(狭い方)から南へ→ロンタルギア東の森(狭い方)から北へ
を、上記のように訂正します。
どうもご迷惑お掛けしました。
167:163訂正
02/11/30 12:07
二行目の
>通路を半分ほど戻った辺り
を
>通路を幾らも戻らぬうちに
に訂正します。
スレ汚しスマソ
168:163,164訂正
02/11/30 13:06
若造を全て若僧に変更します。
169:バーバラ
02/11/30 13:10
バーバラは今、神殿南東も雪原を歩いていた。
足取りは決して速くはないが、その目には色濃く意思の光が満ちていた。
吐く息は白く、薄い空気が体を蝕む。しかし彼女は歩く事をやめない。
「…見えた。あの砂漠まで着ければ……」
視線の先、雪原の果てにうっすらと黄色の砂が見える。
それと同時に、なにか黒い影がこちらに飛んでくるのがみえた。
砂漠から飛来した黒い影は次第に大きさを増し、今ではその羽をも確認できる。
人の背中に羽が生えたようなフォルム。そしてその羽が一瞬ブレて――
「!!! きゃあ!」
間一髪バーバラは真横に飛び退く。風の刃が、さっきまでいた場所を薙ぎ払う。
「これは……真空波!?」
黒い影はなおも真空波を生み出し、バーバラに向かって解き放つ。
しかし、バーバラはそのことごとくを避けきっていた。
「…大丈夫。雪のおかげで軌道が読める。」
新たに放たれた二つの真空波を見切って避ける。
「…私、戦う。死んじゃ、いけないから。約束、守らないと、いけないから…!」
バーバラはこのゲームが始まってから初めて攻撃のための呪文を紡いだ。
「……アルス君、反応があったわ」
「そうなんですか!?方角は?」
「ここから北西、人数は一人ずつ、二人よ。名前はバーバラと、…リュックさん」
アルスは近くの雪丘に登り、その方角を見る。
「……!! ティナさん、二人が戦ってるみたいです!あの怪物は…やっぱり……」
「……どうするの?アルス君…」
「リュックさんを…殺しに行きます。たとえ、どんな結果になっても」
アルスの意思は、固かった。誰にも曲げられないくらい。
「…わかったわ、私も行く。行きましょ、手遅れにならないうちに」
170:バーバラ
02/11/30 13:12
「行け!バギマ!!」
真空の渦が、リュックの直前に発生する。進行を止め、目をくらますため。
風が雪を巻き上げる。バーバラはソコに向かって呪文を放った。
「くらえ!べギラゴン!!」
両手に生み出された熱線が対象の周囲を燃やす。雪がソレを反射し、対象を閉じこめる。
突然、対象を中心に風が巻き起こる。ソレが収まったとき、ソコにはモンスターが現れていた。
「…え?こんな怪物、参加者にはいなかったじゃない!?」
8本の足、黒い羽、黒い鱗、蜘蛛を思わせるフォルム、かなりの巨体。
こんなのが最初の広間にいて、気付かないはずが無い。
バーバラの叫びの答えのかわりに、ソレの羽が振動した。
「キャア―――!!」
バーバラは真空波にあたり、雪原に吹き飛ばされた。
「くっ、風で相殺しなかったらやばかったわね」
アレが真空波を放った直後、バーバラはとっさにバギを唱えていたのだ。
「大丈夫、外傷はないわ。でも、あんな怪物どうやって」
距離が離れたためアレの出す真空波は避けれるようにはなったが、近づけない。
「とりあえず、あの羽をなんとかしないと……」
アレは今同じ技しかやってこないが、もし別のパターンに切り替えたら……
「とりあえず、マヌーサ!!」
怪しい霧がリュックを包む。効いているならあたりを無茶苦茶に攻撃するはずだ。
しかし真空波は確実にバーバラのいたあたりをなぎ払う。
「次は、ラリホー!!」
甘い空気がリュックを包む。効いているなら眠ってしまうはずだ。
しかし真空波は絶えずバーバラのいたあたりをなぎ払う。
「これなら、メダパニ!!」
奇妙な物がリュックを包む。効いているならワケのわかんない事をするはずだ。
しかし真空波は(略
「状態変化呪文は効かないってワケね。方針を変えたほうが良さそうね」
171:バーバラ
02/11/30 13:12
リュックには呪文は効いていなかったが、中では少しだけ本来のリュックが目を覚ましていた。
(やめて、あたし、こんなことしたくない)
心の叫びは、体に届かない。そして再び意識が闇に落ちていった。
「くっ、あと使ってない魔法は…」
べギラゴンは効かない。中級魔法も多分効かないだろう。それなら大魔法クラスになるのだが…。
「こんな事なら、スーパースターより先に賢者をマスターしとくんだったわね」
後悔しても始まらない。ストックは3つ。いなづま、フェニックス、そして……
「…マダンテ…か。」
(コレを使ったら、あたしはナニもできなくなる。でも、使うべき呪文はコレじゃない。
北に行かなきゃならないから。『北西に行ったら良くない事が起こる』
だから、コレは良くない事じゃない。絶対、打開策はあるはず。だよね?お姉ちゃん)
「…よし。たぶんコレがあたしにできる精一杯。いくわよ!化け物!!」
そして、バーバラはリュックに向かって走り出した。
「せーの、みかわしきゃく!」
流れるようなステップを踏み、迫りくる真空波を避ける。
「いくわよ、まぶしいひかり!」
接近してくるバーバラを見ていたリュックの目は、その光に直撃して機能を失った。
「いけ!いなずま!!」
天空より墜ちし稲妻の剣がリュックの体を貫く。リュックは耐えきれず叫びを上げた。
バーバラはその叫びを聞きながら、最後の呪文を紡ぐ。
「クリスタルにこめられし炎の記憶。断罪の名をもつ汝の翼をもって魔を焼き尽くせ!!」
「フェニックス!!!」
――死の大地に不死鳥が舞い、紅蓮の炎がリュックの体をつつみこんだ。
172:バーバラ
02/11/30 13:13
「ハア、ハア、、、、やったの?」
猛烈な脱力感と喪失感に体を蝕まれながらも、バーバラは目の前の火柱を見つめていた。
火柱の中で黒い影はのたうちまわり、次第にその動きも鈍ってくる。
そしてその骸が剥がれ落ち、中から一人の女性の姿が生まれた。
「…どうして?なぜ……?」
「おねがい、わたしを、、ころして、、、、、、
もう、おさえきれない、、わたしが、きえちゃう、、、
いまなら、わたしを、、ころせる、、、おねがい、、はやく、、、」
「ダメ…できないよ。だって、あなたは、まだ生きてる」
さっきは殺してしまう気持ちでいた。でも、相手が人間だったのなら話しは違う。
「…もう、わたしじゃないの、もう、わたしは、もどれない、、
もっと、はやく、、ころされるべきだった、、
わたしが、わたしであるうちに、、おねがい、、」
「だめ、なにか方法があるはず。あきらめたら……」
「じかんが、、ないの、、、あいつは、まだ、しんでない、、、
あいつが、、めをさます、、まえに、、、はやく、、、!!!」
「だめ、あたしにはできない!!」
「もう、、だめ、、あいつが、、、」
そして再び、リュックの体が黒い鱗で覆われた。
173:バーバラ
02/11/30 13:14
「グウウウ、、オマエ、、、クワセロォ!!!」
「きゃあーーー!!」
リュックの体当たりに、バーバラは大きく吹っ飛ばされた。
「くう、…お姉ちゃん、あたし、どうしたらいいの?」
リュックは空に浮かび、物凄いスピードでこちらに向かってくる。
そのとき、黒髪の剣士の斬撃がリュックの羽を切り飛ばし、
巨大な火球がリュックを雪の中に叩きこんだ。
【リュック(ハラぺコ・重傷):所持武器:進化の秘法 現在位置:台地中央砂漠から南
行動方針:御食事 】
(魔獣時の能力を行使可能(レベル3コンフュ・真空波)・腕輪を失えば再び暴走の危険性有り。ただし腕輪を持ってしてもいずれ暴走あるいは死が訪れる(暴走とは別に吸血衝動が現れ始めています))
【アルス/ティナ: 所持武器:対人レミラーマの杖・天空の剣/プラチナソード
現在位置:ロンダルキア中央砂漠から南
行動方針:仲間を探す/謎の少年(テリー)の手にかかって殺される】
【バーバラ:所持武器:果物ナイフ・ホイミンの核
現在位置:ロンダルキア中央砂漠から南 行動方針:北に】
174:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/11/30 15:18
カインは洞窟近くの岩山の頂上にいた。
無論、龍騎士たるカインなればこそ侵入できる場所だ。
そこから下界を見下ろすカインの息がはぁはぁと荒い、その視線の先には首をかしげながらも、
北に向かうセフィロスがいた。
「ちくしょう、俺って奴は」
カインはつい数秒前の事を思い出す、
本当は助けに行きたかった、だが、そこに到着したときにはすでに手遅れだったのだ、
と自分では思っているが、違う・・・本当はあの銀髪を見た瞬間、身体が竦んでしまったのだ。
結果、彼はセフィロスから、いや戦いから逃げてしまったのだ。
「こんなので・・・俺はアイツを止める事ができるのか」
カインの脳裏にセシルの言葉が甦る、もはやセシルを救う事は叶わないだろう。
ならば戦って止める以外に無い、それは親友である自分の役目だ、他の奴には譲れない。
だがこの体たらくは何だ。
命を無駄にするな、という観点から見れば、カインの行動は正しい。
だが、カインはそれを正当化するには、あまりにも一途でまっすぐな心を持ち過ぎていた。
どこまでも殺風景な景色に囲まれ、1人で頭を抱えるカインだった。
【カイン:所持武器:ビーナスゴスペル&マテリア(回復) 現在位置:ロンダルキア洞窟近くの岩山
行動方針:セシルを止める】
(セフィロスへの苦手意識あり)
175:1/5
02/11/30 18:26
ライアン、ルーキー、とんぬら、アイラの4人は森の中を歩いていた。
魔法の球はかなり広範囲に配置されているらしく、現に今も同じところを回っているようである。
ルーキーは白い息を吐きながら呟いた。
「なんだか、ぜんぜん進まないねぇ」
「仕方ないでござるよ。とにかく、今は一刻も早く森を出ることでござる」
そのとき、とんぬらがある方向に指をさした。
「今度こそ、抜けたみたいだよ」
森から抜けた先には、山道があった。
白く染まった道を見て、ルーキーはため息をつく。
「今度は山に登るの?」
「仕方ないでござるよ。あの森の中にいたのではいつまで経っても進めないでござる」
もちろん、それはわかる。だが、森の中は木々のおかげで風は届かないという利点もある。
この寒さだ、防寒具を着ているとんぬらやゾンビ状態のアイラはとにかく、自分はつらい。
ルーキーはライアンの方から飛び跳ねると、とんぬらの肩に移った。
「ねぇ、とんぬらさん、とんぬらさんのマントの中に入れてよ。もう、寒くて寒くて」
「これ、多少涼しい程度でござらぬか。あまりわがまま言うものではないぞ、ルーキー殿」
大真面目な顔でいうライアンに、とんぬらは苦笑した。
「まあまあ。僕はかまいませんから。いいよ、マントの中にお入り」
「やったぁ!ありがとうとんぬらさん!」
言うが早く、襟からマントの中に潜り込むルーキー。
そんなルーキーを、アイラはうらやましそうに見ている。
「やれやれ、モテモテでござるなぁ」
肩をすくめるライアン。とんぬらはあいまいな笑みを浮かべた。
山道は、険しい山脈の狭間に伸びていた。
こんなところで敵に会ったら、堪らない(でござる)な。
戦いに慣れた二人はそんなことを思いながら、先に進む。
この山を抜けて、とにかく見通しのよい場所に出る。
そこには勿論危険もあるだろうが、探し人がいる可能性もあるのだ。