02/10/30 20:26
「…ムウ……」
ライアンは低く唸ると辺りを見回して、そして視線をツェンの町にむけた。
唇の端は笑みの形に歪み、先程まで虚ろな闇を抱いていた眼帯のソコにはまるで目のように
動く赤い光点が浮かんでいた。
「どうしたの?ライアンさん。」
不安そうにルーキーが見つめている。もしコレが呪われてたりしたら…。
「ム?いやいやコレは大した物でござるよ。着けてみるでござるか?」
ライアンは眼帯を外しルーキーに手渡した。そして装着し、目を開けた。
最初に見たのは風に揺れる木々の梢。いつもと違うのは、その像に赤い残像がついていた
ことだ。いや、その像にあわせて木が動いているから残像と言うには語弊があるだろう。
町を見ると、視力が良くなったように細部まで確認できる。隠れている人だろうか、赤いマークが
町の中に2つ確認できる。今ならどんなに速くて小さな的にもこのブーメランをあてることができるような気がした。
「うわぁ。すごいねコレ。」
眼帯を手渡しながら率直な感想を述べた。
「うむ。なかなかの品でござるな。町の中にいる者は二人、場所もわかるでござる。
まず無人の家から調べてみる事にするでござる。」
「うん。あ、このブーメランはライアンさんが持って。僕より使えそうだし。」
それにアノ眼帯をつけていればはずすことは無いだろう。アレはそういう力を持っている。
そして彼らはこの丘を後にした。
【ライアン/ルーキー 現在位置:ツェンの丘
所持武器 スナイパーアイ、ブーメラン 行動方針 町へ 仲間・武器をさがす】
93:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/10/30 22:42
ベクタ北。狭い山道を幼いテリーは駆けていた。
その目には涙を浮かべながら。
その手にはチキンナイフを握りながら。
その顔は憎悪の表情を浮かべながら。
「許さない!許さない…!」
手に握られたチキンナイフは憎しみと、悲しみと、恐れで如何なる剣よりも鋭い輝きを宿していた。
彼を守ってくれた剣士はすでにない。
剣士を殺したのは緑髪の女性。
煉獄の火炎で焼き殺した女性。
涙に濡れた瞳で捕らえた女性。
疲れも忘れ、ただ、当てもなく走っていた。剣士の敵を討つ。ただそれだけで。
【テリー 所持武器:チキンナイフ 現在位置:ベクタ北の細道 行動方針:謎の剣士の敵(ティナ)を取る 邪魔するのなら手当たりしだい】
94:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/10/30 23:47
「騎士様はどんな服がお好みかしら?」
マランダの街の民家で、セーラは洋服ダンスから次々と服を引っ張り出しては試着していく
「これなんかどうかしら?でも少し大人し過ぎるかも」
少し首を傾げると、また服選びを始める
結局、彼女の気に入るような服は無かったようだ
渋々ながら、白いロングスカートにブラウス、それと緑色のチョッキを羽織ったものに落ちつく
まるで姫君というより街娘だが、あのようなみずぼらしい姿よりはまだマシというものだろう。
着替えも終わったし、早速これから・・・と思った矢先こちらに近づく何人かの姿が見える
姿は4つ、1人は片腕を失っているようだ、青い顔をして仲間の肩にしがみついている
しかしそれよりもセーラはその傍らに従う異形の騎士の姿に眉をひそめる
「まぁ・・・・汚わしい、あのようなモンスターを連れて」
そうだ、あれはきっと騎士様の行く手を阻む敵に違いない、ならば私が倒さなければ
4対1とはいえ仲間の振りをして慎重に行動し、油断を誘い1人ずつ殺していくようにすればなんとかなるかもしれない
「騎士様、待っていてください、必ずやセーラは貴方のお役に立ってみせますわ」
それからしばらくして
「ここでしばらく休もう」などと声が聞こえ、扉が開く
セーラは手はず通り
「まぁ・・・大変、大怪我をされてますわね・・・こちらのベッドへ」
とピエール達を部屋の中に招き入れるのであった。その懐に銃と殺意を忍ばせて・・・・・・
【セーラ 装備品 癒しの杖 ブレイズガン 現在位置:マランダの街 行動方針:ピエール一行を殺す】
【ピエール/マリベル/ビビ/フローラ(右腕喪失) 所持武器:珊瑚の剣/エルフィンボウ/ギサールの笛/爆弾岩×10
現在位置:マランダの街 行動方針:休息】
95:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/10/31 00:07
訂正
ピエール一行の所持武器の中にある爆弾岩×10 は
爆弾石×10 です。
96:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/10/31 01:07
「はぁ・・・・」
ガライは渦潮を上げる海原を見ながら溜息をついた
これからどうすればいいのだ・・・・・・竪琴の弦も切れてしまった
街もいくつかあるようだが、正直1人で近づくのが怖い・・・・・
「せめて誰か連れがいれば・・・・・・」
と、周囲を見渡すと岩場に1人の男が引っ掛かっているのが見える
ガライは慌てて駆けよって男を浜辺へと引き上げる、あちこち痣だらけだが
まだ温かいし息もある・・・生きているようだ。
「しっかりしてください、しっかりしてください!」
ガライは必死で呼びかける・・・ここに送られてようやく出会えた人間だ。
もしかしたら仲間になってくれるかも
ガライの必死の祈りが通じたか、男は目を開け、周囲と自分の身体を見渡し、それからゆっくりと立ちあがる
「気がついたんですね、よかった・・私はガライといいます、いや話せば長くなるんですけど、実は・・・・・」
興奮状態で話し始めるガライは男が両手に何時の間にか石を握っていた事に気がつかなかった。
ぐしゃり
ぐちゃっ、ぐちゃっ・・・・・
ガライの頭が原型をとどめないほどに叩き潰されて行く。
こうしてガライを殴り殺すと、スコールは何事も無かったかのようにまた獲物を求め歩き始めた。
【スコール(負傷) 所持武器:なし 現在位置:アルブルク南東の岬 行動方針:人形状態】
【ガライ:死亡】
97:1/4
02/10/31 02:30
「少し様子を見るぞ…」
私とハーゴンが移動を開始したその時、ほんの僅かに小屋の扉が開き、女の方が顔を出した。
「!」
凄い火傷…それに足にも大きな傷…、次の瞬間私は立ち上がって呪文を唱えていた、この人は深く
傷付いている、だけどまだ死ぬ程の負傷ではない筈、一度傷を治してから話を聞いてみよう、そし
てもう一度、もっとまともな脱出方法を三人で相談しよう、きっと何か別の方法が…
「ベホィ…」
ウォォォン!!
彼女が振り上げた杖に導かれ、風が唸りを上げて私に襲いかかる、えっ……私の呪文は間に合わな
い、必死で精神を集中してダメージを…
「!」
脇腹を裂かれた、呪文の集中が途切れてしまう、崩れる私の喉に真空の刃が…そんな…私、ただ…
「マァゴォォォット!」
間一髪、私はハーゴンに突き飛ばされていた。
98:2/4
02/10/31 02:33
ウォォォォン!
「ぬうう……」
再び振るわれる真空の刃、私を庇ってそれを背中で受けるハーゴン…さん。
「馬鹿者……」
私の事ですか?
「弱き者は容易に恐怖に心を喰われる、あの状態の相手に不用意に呪文など使うからこうなる。」
ウォォォォン!
ハーゴンさんの緑の血が私の服を斑に染めていく、はやく治療を…
「その前にけりを付けろ、魔力は…無限……では…」
私の手に『それ』を押し付け力を失っていくハーゴンさんの身体、再び振るわれようとする真空の刃。
させない!
「メラゾーマ!」
私の造り出した火球は女に向かって突き進み女は素早く扉の影に隠れた、確かにメラ系の呪文は単体
にしか効果が無い上に対象が見えていなければ効果がない、だから私の火球は正確に扉の脇の壁を吹き
飛ばす、女は……姿が見えない、それでもいい。私は更にハーゴンさんに渡された『それ』、グレネー
ドと首輪を小屋の中に放り込む、そして…
轟轟轟ゥゥゥゥゥン!!
爆発するグレネード、その爆風に歪められる事で爆発する首輪、その二つの爆発に耐えられなかった
小屋は崩壊した。
99:3/4
02/10/31 02:35
それから5分ほど後、私は瓦礫の山で彼女に再会していた、更に酷くなった火傷、折れ曲がった手で
しっかりと握り締められた杖、もう何処へ行ったのかわからない両足……余程爆発が近くないと首輪は
反応しないのだろう、辛うじて生きているものの既に彼女を助ける術は私には…無い。
「ヒュゥヒュゥ」
彼女は何か喋っている様だが私にはただの呼吸音にしか聞こえない…ひょっとしたらさっきの勝負の
途中でも何か言っていたのかもしれないが、風のせいで聞こえなかった。でも彼女の意思はわかる、そ
の瞳が語りかけてくる、まだ生きていたいと。
「………。」
私は鎌を振り上げる、もうこれ以上余計な逡巡は許されない、皆の為に、ハーゴンさんの為に。
「ヒュゥヒュゥ」
恐怖に彩られた瞳、戦慄く唇、私の心の奥から湧き上る恐れ、その全てを振り払い。
鎌を振り下ろす事で私は彼女と過去の私に別れを告げた……
100:4/4
02/10/31 02:37
「ふむ、これで良し。良くやってくれたな。」
「…………」
わしはマゴットの持ち帰った首に印を書き込みつつ労いの言葉をかける。
やっとマゴットも完成したといって良いだろう、少々身体を張ったのは予定外だが、最初からベホマ
の期待できるマゴットと組んでいるのだからあの程度ならリスクでも何でもない。
今後は次の協力者を育てるべきなのだろうが…いや、時間的にその余裕はないと思って良いだろう、
後は脱出メンバーの選定と首輪の解析と触媒集めと……
「………」
「む、そうであったな。」
先の事より今の事、またも目立ってしまったわしらは戦利品をしまうとこの森を後にした。
【グレーテ 死亡】
【ハーゴン 武器・グロック17、グレネード複数、ムーンの首、グレーテの首、首輪×3
場所・ツェン付近の森から北に移動 行動方針・ゲームから脱出】
【マゴット(呪文連発によりMP減少気味) 武器・死神の鎌、裁きの杖
場所・ツェン付近の森から北に移動 行動方針・ゲームから脱出、仲間と合流】
※ツェン近郊のチョコボ小屋が崩壊しました
101:オルテガとか
02/10/31 19:24
スタート地点から何かの足跡を辿ること1時間、森の少し開けた所に小屋が建ててあった。
小さな井戸と小屋の裏に畑があり、入り口の上には鳥の頭を描いた看板がついていた。
中に誰かがいる気配はない。が、一応そこらへんの小石を屋根に投げ待つこと数分。
やはり誰もいないみたいだ。そして幾分警戒しながらもその小屋の扉をくぐった。
中は割と広かった。出入り口は家畜用と人間用と共通らしく扉は大きくとってあり、
床は藁で敷き詰めてあった。壁際には螺旋階段がついている。外から見た時には
わからなかったが二階建てのようだ。おそらく人間用の部屋は二階にあるようだ。
しかしここに入って一番印象に残ったのはこの強烈な臭いだった。獣のようで獣では
無く、鳥のようで鳥でもないこの形容しがたい獣臭さは生きとし生ける物全てを拒絶
しているようだった。ここから出ようと思ったが足が少しも動かない。意識が朦朧としてくる。
さすがに生命の危機を感じた彼は活路を見出そうと部屋を見渡す。しかし無情にも役に立つ
物は見当たらない。不意に足元の感覚が失われ、たまらず地面に倒れた。床も、壁も、天井も
ぐるぐる回っている。手足の感覚も無くなってきた。最後の力を振り絞り何かないかと
手持ちの袋を開ける。この中にも何も役に立つ物は無かったはずだが……。
あった。それはすっかり存在を忘れていた因縁のアイテム。
覆 面
ほとんど麻痺しかけた頭でなんとかソレを引っ張り出し、かぶった。
すると今までの不快感が朝霜のように消え去り体の隅々まで感覚も戻った。
なぜか先程まで感じていた臭いも消え去っていた。意識はまだはっきりしないが
小屋の奥に何かいることくらいはわかった。おそらくあの臭いの原因だろう。
オルテガはしっかりした足取りで小屋の奥に向かって歩き出した。
102:1/3
02/10/31 19:57
ズズズッ・・・と何やら遠くから轟音が響くと同時に、
先程まで順調に稼動していた機械が動かなくなる
デスピサロとサマンサは顔を見合わせる
「どうやら動力関係に何らかのトラブルが発生した模様ですね」
「うむ、少し調べてきてくれないか?」
サマンサは頷くと、そのまま工場の奥へと歩いて行く
1人になったデスピサロは再び資料の閲覧を始めていたが、こちらに近づく気配に気がつく
この気配は・・・・アリアハンの城内で出会った二人組ではないか
今は厄介事は避けたい、そう思いこの場を離れようとしたデスピサロだったが
少し遅かったようだ、続きの棟への扉を開け放した途端まともに2人と鉢合わせしてしまった。
彼らもそれは同じだったようだ、一瞬妙な沈黙が周囲を包むが
アルスが剣を抜き躍り掛かるよりも早く、デスピサロは工場の奥へと逃げ出していた。
「まてっ!今度こそ逃がさないぞ!!」
アルスは必死の思いでデスピサロを追う、あわててティーダも一緒に追う
デスピサロも必死に逃げるが、様々な機械が設置された工場内では思うようにスピードが出せない
みるみるうちにその差は縮まっていく。
仕方なさ気にデスピサロは振り向く、2人同時は骨が折れるが・・・やれない事も無い
それを見て、アルスとティーダもじりじりと間合いを詰めていき、アルスが再び剣を構えたとき、
デスピサロの背後に人影を見る・・・・あれは
「サマンサ!サマンサじゃないか!ちょうど良かった、探していたんだよ、これで3対1だ」
しかし、サマンサはアルスの喜び様とは正反対に表情を変えることなく、言い放った
「いいえ、2対2ですよ・・・・・・・ ヒャダルコ!」
アルスとティーダの足下に氷塊が叩きつけられた。
103:2/3
02/10/31 19:59
「どうして・・・サマンサ、嘘だよね、こんなこと」
震える声で話しかけるアルスへ、サマンサは表情を変えることなく淡々と告げる
「アルスさん・・・申し訳有りませんが、ここで倒れるのは貴方たちの方です
アレを知る前に出会えていれば私は貴方に味方していたでしょう・・・・ですが運命は皮肉ですね」
余りのことに言葉が出ないアルスの足下にさらに氷塊が叩きつけられる。
「かつての同志のよしみで、ここは退いてくだされば良しとします・・・・ご決断を」
どれくらいの時間がたったのだろう、やがてアルスはふるふると頭を振ると
なおもデスピサロへと剣を向ける、しかしその構えはまるで力が入ってなかったし
その瞳には涙が光っていた。
そしてティーダはそれを黙って見ている事しか出来なかった。
「なるほど・・・・それが答えですか・・・では私も本気を出させていただきます」
サマンサの口が再び呪文を紡ぎ出す。
「ドラゴラム!」
巨竜へと変身したサマンサは容赦なくアルスへとブレスを発射した。
どうして・・・僕たちは固い絆で結ばれた仲間だったじゃないか
本当は逃げ出したかった・・・・だが、勇者としての本能がそれを拒絶した
だからあえてそれでも立ち向かう事を選択したのだ。
しかし、実際は自分に迫るブレスを目の前にしても身体が動かない
ティーダがアルスを突き飛ばすのがあと数秒遅ければ、黒焦げになっていただろう
「何してるッスか、今は逃げるッスよ!」
しかし、サマンサとデスピサロは巧妙に2人を追い詰めていく
逃げ道はもはや無いかと思われたが、そのときティーダが壁際の何かに気がつく
「ここっ、ここから何とか逃げられそうッスよ!早く」
ティーダはアルスの肩を掴み強引にダストシュートに放りこみ、自らもそれに続く
今のサマンサの巨体ではここをくぐることは出来ない・・・・・こうして2人は何とか難を逃れた。
104:3/3
02/10/31 19:59
それからしばらく後、人間の姿に戻ったサマンサにデスピサロが尋ねる。
「サマンサよ、貴様連中をわざとあの方向に誘導したな」
「お見通しでしたか・・・・流石ですね」
「かつての同志とか言っておったな・・・・まぁいい次に出会えば貴様も容赦すまい、では行くぞ」
今度はサマンサが怪訝な顔をしてデスピサロに尋ねる
「行く・・・とはどちらへ?」
「知れたことよ、あの道化が言っていた腕輪を探す、どうやらここで
これ以上の研究は無理なようだからな」
それだけを言うとデスピサロは足早に工場の外へと進んでいく
ちらりともう1度だけ後ろを振り返り・・・それからサマンサはデスピサロの後を追った。
その頃、うずたかく積みあげられたゴミの山の中
アルスは壁をばむばむと叩きながら泣きじゃくっていた
「どうして!どうしてなんだよぉ~~~サマンサぁ!!」
そんなアルスにかける言葉もなく、見つめる事しか出来ないティーダだった。
【デスピサロ/サマンサ: 所持アイテム:正義のそろばん、『光の玉』について書かれた本
勲章(重装備可能 現在位置:魔導工場→外へ 行動方針:腕輪を探す】
【ティーダ/アルス:所持アイテム:いかづちの杖/鋼の剣 現在位置:魔導工場のゴミ捨て場
行動方針:ゲームを止める】
105:オルテガとか
02/10/31 20:23
奥には長い間手入をしてなかった様に荒んだ飼育場所があった。
水飲み桶は乾き、寝藁は汚れてぼろぼろ。そしてそこに大きな生物一匹横たわっていた。
馬より一回り大きく、体全体に黄色い羽毛を持ち、その足はとても強靭にできていた。
しかし酷く痩せていて羽は汚れていた。生きたままここにずっと縛りつけられていたのだろう。
おそらく、ここの住人を消されたその時から。
もう死んでいるだろうと思い、近づいてその胸にふれる。しかしその肌はまだ暖かく
本当に小さいが心臓の鼓動も感じられた。くちばしの間から息が漏れていた。
袋から水袋を出し、くちばしの間から流し込む。ゆっくりのどが水を嚥下し、
水袋が空になる頃には首をもたげ、目を少しこちらに向け、か細く鳴いた。
「待っていろ。すぐ水を持ってきてやるからな。」
オルテガは桶を抱え、外の井戸に向かった。桶を洗い水を満たし、ついでに畑に生えていた
大根のような野菜を数本抜くと、それらを抱え小屋の中に戻った。
鳥はまだ立てないほど衰弱しており、頭の脇に置かれた桶になんとか首だけを
突っ込んで飲んでいた。オルテガは野菜をバラバラに砕き、少しずつ口の中にいれていった。
よほど乾き、飢えていたのだろう。すぐに全て食べきってしまった。
同じ事を4、5回繰り返すと、鳥はなんとか立ちあがり、羽を広げ大きくいなないた。
そしてオルテガを見つめ、彼の体を甘噛みした。そして外に出たそうに檻の仕切りを
くちばしで軽く叩いた。
仕切りを外すと鳥は目を輝かせ、軽い足取りで外に走っていった。
106:オルテガとか
02/10/31 20:25
外に走っていく鳥を見送ったオルテガはまずこの小屋を掃除しようと決心した。
まず建物の窓を全て開け換気をし、寝藁を全て取り替えた。外を走っていた鳥を捕まえ
ブラシをかけ羽をキレイにした。井戸から水を汲み水飲み桶に水を満たし、畑から
野菜を引き抜き飼葉桶に混ぜて入れておいた。ふと気がつくともう日が落ちかかっていた。
小屋の中は入った時に比べ見違えるほどキレイになっていた。
心地よい疲労感と心を満たす充実感。夕暮れの中を駆ける鳥の姿を見て彼はふと思った。
農業ってイイ、と。
【オルテガ 所持武器 水鉄砲 グレートソード 覆面 現在位置 マランダのチョコボ屋
行動方針 目標喪失中】
107:1/2
02/11/01 00:00
足早に去っていくデッシュを見送るセシル
慎重に背後から近づくつもりだったが、何故か感づかれてしまった。
ふぅ、と息をつくセシルだったが、背後の気配に素早く振り向く
そこにはエビルマージが立っていた。
「ふふ・・・・何を勿体つけておる、貴様の技量ならば充分に殺せたはずだ」
セシルはそれを聞いてエビルマージに喰ってかかる
「僕は僕自身の判断で戦います、あなたに指図までされる覚えはない」
エビルマージは何も言わず、ただ水晶球をセシルへと差し出す
そこに写るのは、苦悶の表情を浮かべるローザの姿だった・・・・・
「勝ち残ったのはいいが、手遅れにならんとも限らんぞ・・・・ふふふ」
嘲るように耳元で囁くエビルマージを振りほどき
「僕はお前を殺してやりたいよ・・・・・」
血を吐くような声で言い残すとそのまま平原へと駆け出していった。
まぁよい、せいぜい励むことだ・・・・
セシルの後ろ姿を見ながらエビルマージは考える
殺戮を繰り返し生まれた憎悪と血に塗れた猛き魂、これもまた例の超魔獣を目覚めさせる鍵
まさにここはうってつけの舞台だ。
しかしゾーマは一体何を考え、この戦いを企てたのか・・・・・
そこがエビルマージの唯一の不安といえば不安だった。
ただの座興のように振舞ってはいるが、その真意は計りかねる。
秘宝も探さねばならんがここはひとまず戻ろうと上空に上がり
そこからふと地上を見るとセシルはようやく決心がついたのだろう
黒髪の剣士・・・確かザックスとかいったか?の後を追い始めた。
「そうだ・・・戦え、戦いこそが我が野望を成就させる・・・・セシル=ハーヴィ
果たして我が供物となってくれるのは貴様なのかな?」
それだけを呟きエビルマージは姿を消した。
108:2/2
02/11/01 00:01
【デッシュ 所持道具:ミネアの首輪 現在位置:封魔壁監視所付近の平原
行動方針:エドガーと合流と首輪の解除】
【セシル 所持武器:暗黒騎士の鎧 ブラッドソード 源氏の兜 リフレクトリング
現在位置:封魔壁監視所付近の平原 行動方針:皆殺し
(ハーゴンorエドガーを最優先ただし遭遇すれば他のキャラでも殺す)】
【ザックス 武器:バスターソード 現在位置:封魔壁監視所付近の平原 行動方針:非的好戦的
女性にはやさしく。】
109:スラリソ ◆5VrxCs/8kA
02/11/01 03:50
ゾーマ城…
光の中では決して見えず、闇の中で浮かんで見える。
誰もがその場所を知っているはずであるが、誰もがその場所を知らない場所。
余分なものを一切取り払った部屋。
あるのはゾーマのが鎮座する玉座とゾーマ自身。そして水晶玉である。
窓の外は地獄の雷が輝き、刹那の美しさを引き出す。
「この地はなかなかによい舞台だ…」
ホビット細工のグラスを片手にゾーマは水晶玉を眺めていた。
「…準備は抜かりないな…?」
傍らの部下に問う。旅の扉を出現させた者と同様のようだ。
どう大きく見積もっていても人間の腰ほどの大きさしかない。
だが、ゾーマが絶対の信頼を置いている。その実力を問うのは愚問というものであろう。
「はっ…」
「…先ほどからエビルマージが何かと飛び回っている…」
「万事問題なしだ。」
「…よろしい。ではやれ。」
110:スラリソ ◆5VrxCs/8kA
02/11/01 03:53
聞くからに邪悪な声を持つもの。それが辺り一面に響き渡る。
「参加者の諸君…
新たな地には慣れたか…?
慣れようが慣れまいが私の知ったことではないがな…
新たなルールについて説明する。
新たな禁止呪文の追加である。
…「ラナルータ」である。
この呪文を知らぬものもいよう。
そんなことはどうでもいいことであるがな。
闇に落ちし者の名前は日没時にゾーマ様が直々に発表なさる。
ゾーマ様のお声を聞ける機会だ。感謝するがいい。
最後に。ゾーマ様のお力でこの地に雨を降らせるとの事だ。
日没後に雨が降ることであろう。
…以上だ…せいぜい楽しいゲームを我らに見せてくれ…」
「…エビルマージの仕事ではあるがご苦労であった。」
ゾーマはねぎらいの言葉をかける。
「…どうする?やつは放っておいてもいいのか?」
「しばらくは踊らされるのも悪くはないであろうな…」
「お手並み拝見ということか…」
「そういうことだ…」
111:スラリソ ◆5VrxCs/8kA
02/11/01 03:55
【生存者に新ルールが伝わりました。ちなみに>>110の下6行は参加者には聞こえてません】
112:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/11/01 04:40
フラットレイは先程の戦いの場からできるだけ離れようと移動していた。ここまで来れば大丈夫か。
その瞬間突然体が重くなる。しまった。魔法を受けたのか?その瞬間、何かが飛んできた。
とっさに回避しようとするが体が思うように動かない。右肩に激痛がはしる。襲撃者はどこだ。
再び何かが飛んできた。とっさにジャンプして回避する。いた。敵は金髪の女性のようだ。
すばやい!狙いがつけられない。ジャンプ攻撃をあきらめて着地した瞬間を狙って
なにかが飛んでくる。それはまともに胸を直撃した。痛みと共に骨の砕ける嫌な音がする。
肋骨が何本かやられたらしい。激痛をこらえながら敵に接近しようとするが、
敵は自らにも魔法をかけているのか、異常な機動速度で接近を許さない。
逃げようとしても追いつかれてやられてしまう。相手を倒すしかない。また何かが飛んできた。
ならばカウンターでジャンプ攻撃だ。しかし起死回生の一撃は紙一重でかわされてしまった。
その直後、敵の魔法攻撃による黒い球体が直撃した。体から力が抜ける。気が遠くなる。
一瞬気を失っていたようだ。足跡が近づいてくる。とどめをさしにくるのか。最後のチャンスだ。
もっと近づいて来い。今までのお礼をしてやる。そうだ。もっと・・・・
足跡が大きくなる。フラットレイの体にあたる日差しがかげった。今だ!ダイヤソードを
相手に突き立てた。骨を砕き肉を貫くたしかな手ごたえ・・・おびただしい血が体に降りかかる。
敵は彼の脇に倒れた。やったぞ。俺は助かったのだ。しかしフラットレイは剣を引き抜こうとした時、
何かが違うことに気がついた。倒れていたのは女性だったが髪が黒髪だったのだ。
その時背後に気配を感じ振り返ろうとした瞬間、頭部に強い衝撃を受けて意識を失った。
113:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/11/01 05:23
すいません。ゾーマの放送の直前ということにしてください。
アグリアスはねずみタイプの亜人の頭をラファーが持っていたモーニングスターで砕くと、
ラファーの死体からダイヤソードを引き抜いた。同僚として生死を共にしたラファーの死は
アグリアスの心に動揺をもたらしたが、だが、彼女はオベリア様のもとへと戻るという使命があった。
最後の1人がもとの世界へ戻れる。だからいずれは、彼女と殺し合いになったはずだ。
アグリアスは自分を無理やり納得させると、そのことを頭の隅に追いやった。
ヘイスト、スロウ、グラビガ・・精神の消耗が激しい。当分魔法は使えないだろう。
しかし、剣が手に入った。採算は十分とれた。
アグリアスは新たな敵を求めて、帝都の方へと移動を開始した。
【アグリアス ジョブ:ホーリーナイト スキル:時魔法
装備武器:スリングショット ダイヤソード なべのふた
現在位置:封魔壁監視所付近
行動方針:ゲームにのる】
【ラファ 死亡】【フラットレイ 死亡】
鉄扇 モーニングスター放置
114:113
02/11/01 08:48
たびたびすいませんが113を無効にしてこれを代わりに入れてください。
ゾーマの放送直前の話です。
アグリアスはねずみタイプの亜人の頭をラファーが持っていたモーニングスターで砕くと、
ラファーの死体からダイヤソードを引き抜いた。アグリアスは倒れた敵にとどめをさそうとした時
近づいてくる気配に気づきとっさに身を隠したのだ。その結果ラファーは倒れていた敵に不用意に
近づき命を落としたのだ。彼女は私の変わりに死んだのだ。同僚として生死を共にしたラファーの死は
アグリアスの心に動揺をもたらした。だが、彼女はオベリア様のもとへと戻るという使命があった。
最後の1人だけが元の世界へ戻れる。だからいずれは、彼女と殺し合いになったはずだ。
アグリアスは自分を無理やり納得させると、そのことを頭の隅に追いやった。
ヘイスト、スロウ、グラビガ・・精神の消耗が激しい。当分魔法は使えないだろう。
しかし、剣が手に入った。採算は十分とれた。
アグリアスは新たな敵を求めて、帝都の方へと移動を開始した。
【アグリアス ジョブ:ホーリーナイト スキル:時魔法
装備武器:スリングショット ダイヤソード なべのふた
現在位置:封魔壁監視所付近
行動方針:ゲームにのる】
【ラファ 死亡】【フラットレイ 死亡】
鉄扇 モーニングスター放置
115:1/6
02/11/01 12:39
「ん…。」
どこかで不気味な声が聞こえた気がして、アリーナはゆっくり目を開けた。
髑髏の穴を風が通り抜けるような音。それに明確な『意味』が込められたら、こんな感じに聞こえるかもしれない。。
「…以上だ…せいぜい楽しいゲームを我らに見せてくれ…」
ゲーム…?そうだ、自分達は今、殺し合いをしている。それで、ギルバートが…ギルバートが死んで、リディアと一緒に歩いてて…。それで…!…っ!
アリーナは、未だぼんやりしている自らの意識に渇を入れて、思いっきり立ち上がろうとして…。
縛られた手足が意識に付いていかず、思いっきりこけた。
「いったぁ…。」
頭に出来た小さなコブをさする事も出来ずに、アリーナはそこらを転がった。いつもなら、クリフトが「大丈夫ですか」などと言いながら駆け寄ってきて…ホイミを使ってくれる。
だが、今、彼女の前に存在しているのは、彼女にとっての敵だった。
「あなた達…!」
彼女は縛られている手足を器用に扱い、しっかり起きあがって座り直してから『敵』を見つめた。
「あなた達…コレはどういうつもり?」
見つめる対象が発火しかねないほどの怒気を込めて『敵』…目の前に座る青年、バッツ=クラウザーを睨み付ける。
バッツはその瞳を真っ正面から浴びながら、手の中に残っていたパンの一切れを口に放り込んだ。
その後ろに隠れている子供二人も、口をもぐもぐさせながら、怯えた目でこちらを見ている。
「どういうつもり…って、縛ってる。暴れられたら困るしな。」
バッツは申し訳なさそうに言いながら、狭い部屋…封魔壁監視所の武器庫…の窓に歩み寄った。
晴れ渡った空を見て、呟く。
「ラナルータとか言う魔法が禁止になった。それから、夜から雨になるみたいだ。」
疲れたバッツの声音。回復呪文をかけてもらったとは言え、アリーナから受けたダメージは大きい。
その、疲れたバッツを庇うように、子供の一人…アニーが『本題』に入った。
「あの…どうして、私達を…その、殺そうとしたんですか?」
116:2/6
02/11/01 12:41
そのアニーの問いに、アリーナは少々動揺した。少なくとも、その内面で。
理由はある。コイツラが…ミネアを殺した『かもしれない』からだ。
だがその理由も、頭が冷めてみるとどうも乱暴な結論に思えた。
ソロでない、と言う保証は…残念ながら…無いし、雷撃呪文を使えるからと言って即座に『犯人』と決めつけるには無理がある。
それに、相手がやる気なら、恐らく自分はとっくに死んでいる。
…どうも、ギルバートの事で精神疲労が溜まっていたようだ。この、自分らしくもない思考の暴走の原因は恐らくソレだろう。
だが、確かめておく必要はあった。
「あなた…そこの男の子は…人を殺した?私の友達を殺した?」
「殺してなんか無いよ…まだ、誰も。」
「…本当に?」
すぐに答えを返した男の子…クーパーをアリーナは更に問いつめた。ソロがミネアを殺したと、信じたくないから。
クーパーは、天空の盾を掲げて応じた。普段は、剣を使っていたが。
「…この天空の盾に誓って、ボクはそんな事は…してない。」
そのクーパーの言葉に、アリーナは少なからず驚いた。
天空の盾?まさか。それはソロにしか使えないはずで…。
だが、すぐに納得する。広い世の中、もう一人か二人『天空の勇者』が居たりしてもいいだろう。
「…ゴメンね。勘違い…だったみたい。」
アリーナがそう言うと、バッツはため息を付きながら彼女のいましめを解いてやる。
「…ごめんなさいね。まだ、痛む?」
「傷はクーパーの魔法ですぐ治ったよ。魔法力も…いくらかは。」
そんな会話を交わすアリーナの目の前に、何か茶色いモノが突然現れた。丸パン。
「あの…これ、あなたのザックに入ってたものですけど…。」
アニーが、まだ少し怯えながら、手に持ったパンをアリーナに渡した。
アリーナはアニーを怖がらせないように笑顔を作り、ありがとう、と礼を言った。少し、場の空気が和らいだ。
117:3/6
02/11/01 12:42
「ふう…食べた食べた!」
大きめの丸パンを、あっと言う間に食べきったアリーナは、すっくと立ち上がると言った。
「ホントにゴメンね。私、仲間も探しに行かなくちゃいけないから…リディアはどこ?」
何気ない最後の一言に、和んだ場がぴきっ、と凍り付く。ハタから見てて面白いくらいに。
「ひょっとして…。」
「一緒に誰か…いたんですか?」
クーパーとアニーの呟き。それが、凍り付いた時間を一気に溶かし蒸発までさせた。
「あぁぁぁっ!あ、あなた達リディアおいて来ちゃったの?!何やってるのよ!」
「ってぇっ!そっちがいきなり襲いかかってきたのにそんなヒマなんて無いって!」
「は、は、は、早く助けに行かないと!」
「早く行かないと雨が降って来ちゃうよ!」
狭い武器庫が滅茶苦茶に混乱する。その混乱はひとしきり続き…いきなりばたんと開いた扉の音でいきなり収まった。
扉の開いた音に反応し、全員がさっと扉の方に振り向く。
そこには、緑色の髪の少女が一人、立っていた。
「リディア…。」
安心したように、アリーナがへたり込む。そう、ドアを開けて入ってきたのは、リディアだった。
ふう…と、全員が一斉にため息を付いた。さっきまで大騒ぎしていたのが馬鹿みたいだ。
そんな、色々と疲れたような顔をしているバッツとアリーナを見て、リディアは慌ててなにやら言い訳めいた事を口にする。
「あ、あの、その、お話は、外で聞いてて、怖かったから、外で待ってて…ごめんなさい!」
勢いよく謝るリディアを見て、バッツは苦笑し、アリーナはほっと胸をなで下ろす。
アニーとクーパーがリディアに駆け寄り、「一緒に御飯を食べよう!」と、子供らしい笑顔を浮かべた。
リディアも笑顔で双子に続こうとした、その時。
黒い爆圧と共に吹っ飛んできた男が、小さな武器庫を滅茶苦茶に破壊した。
118:4/6
02/11/01 12:44
「っててて…。」
ぶつけてしまった頭をこすりながら、ザックスは黒衣の男を睨め付けた。
あの野郎!いきなり攻撃してくるなんてどういう了見だ!ソルジャーじゃなかったら大怪我だぞ?!
両手でバスターソードを握りしめ、黒衣の男…セシルとしばし睨み合う。
ちらと後ろを見ると、男が二人と…おしとやかそうな女の子と謎めいた美少女、それによく鍛えられた体のスポーツ美少女が呆然とこちらを見ている。
「ここから逃げろ!ヤツはやる気だ!」
さすがに気の利いた台詞は出なかった。
リディアは呆然と、黒髪の男と向かい合うセシルを見ていた。男…ザックスの声など、耳にも入らない。
セシルがいる!今、目の前に!
「セシル!」
瞳に涙を溜めて、リディアがセシルに駆け寄る。よかった!生きていた!これで、助かる…!
セシルが、ためらいもなくリディアに剣を向けた。その切っ先にう゛ぉんと闇光が迸り…黒い濁流となってリディアを襲う。
リディアはそれも目に入らないかのように、真っ正面から濁流に突っ込もうとして…。
「危なぁぁぁぁぁいっ!」
絶叫と共に飛び出したクーパーに押し倒されて、何とか黒の濁流から逃れた。
クーパーに押し倒されたリディアは、呆然と青い空を見上げていた。
(今のは、何?セシルは、聖騎士になったんだよね…なんで、黒い鎧を着ているの?なんで、あの黒いのを撃ったの?なんで、私を殺そうとしたの?)
脳裏に赤が過ぎる。火の赤。燃える村。血の赤。倒れた母。黒い赤。暗黒騎士と竜騎士…!
「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!」
リディアは、絶叫した。そして、それに次いで発生した物理的な何かが、覆い被さったクーパーを吹っ飛ばした!
吹っ飛んできたクーパーを受け止めてから、バッツは信じられない思いでリディアを見つめていた。アニーも、アリーナもザックスもセシルも。
リディアの身体から、なにか白い影が生まれていた。白い影…霧が、よく見知った生物の形をとる。翼を持った、ドラゴン。
「いゃぁぁあぁぁぁぁぁあああああぁぁぁぁっ!」
リディアの絶叫とともに生まれた火柱と雷撃、それに霧で出来たドラゴンのはき出したブレスが、魔封壁監視所をただの一瞬で廃墟に変えた。
119:5/6
02/11/01 12:47
「っ……!」
アリーナは、ただの一瞬で起こった破壊に目を剥いた。
稲妻は階段を一撃で吹っ飛ばし、立ち上がる火柱は監視所の小屋の一つを瓦礫に帰る。ブレスは今なおあらゆるモノをなぎ倒し続けている。
「何なんだよアレは…っ!」
バッツはクーパーを地面に下ろし、足下のアニーの頭を撫でてやると、きっ、と霧の竜を睨み付けた。止めなければ…!
バッツは両手を上げて呪を紡ぎ、唱えた。「スロウ!」と。
その魔法がリディアに届く一瞬前、ドラゴンの身体が紅く輝いた。暴走したリディアの魔力が『ヘイスト』の魔法を紡いだらしい。
…その二つの魔法が“時間差を持って”激突した場合、後から紡がれた魔法が優先される…はずだった。
しかし、この瞬間は勝手が違った。何しろ、二つの魔法は寸分の狂いもなく“同時に”効果を発揮したのだから。
リディアの周囲の時間が混乱した。進み、停滞し、停止し、そして逆回転をも始める。位相が反転し、時間軸がずれる。そして。
かっ、と言う閃光が目を裂いた。音も衝撃も熱もない爆発に、監視所が神々しく照らし出される。
「…っ。逃げるぞ!二人とも!」
そう叫んで、バッツは傍らのクーパーの手を握った。そしてクーパーも、傍らの小さな手を握りしめた。
アリーナも、すぐ近くにチラリと見えた手をがしっと掴む。
バッツとアリーナ、それにザックスは、それぞれがバラバラに、外に向かって逃げ出した。
…光が収まった時、そこに立っているのはセシルだけだ。
セシルはちっ、と舌打ちすると、彼らが逃げていったのとは逆の、封魔壁の方に歩き出した。
リディアを、追いたくない。そんな、セシルの良心の最後の抵抗だった。正真正銘、最後の。
谷を通り抜け、平原をしばらく走ってから、バッツはふうと息を一つ付いて座り込んだ。
「クーパー、アニー…大丈夫か?」
荒く息を付きながら、バッツは振り返り…目の前の光景に唖然とした。
自分の手はクーパーの右手を掴んでいる。では、クーパーの左手は…?
クーパーは、ぐっすり眠る緑の髪の小さな女の子の手をしっかり握りしめていた。
ちょうどその頃少し離れた場所で、アリーナは間違えて連れてきてしまったアニーと共に途方に暮れていた。
120:6/6
02/11/01 12:48
【バッツ:魔法剣士 時魔法(魔法力消耗)/王子クーパー/リディア(幼児化)
所持武器:ブレイブブレイド/天空の盾、ロングソード/なし
現在位置:封魔壁前の砂漠北側
行動方針:非好戦的だが、自衛はする。レナとファリスを探す。最終的にはゲームを抜ける。/両親探し/気絶】
【アリーナ/王女アニー 所持武器:イオの書×4 リフレクトリング/マンゴージュ 現在位置:封魔壁前の砂漠南側
行動方針:仲間を捜す/両親探し。クーパーも探す】
【セシル 所持武器:暗黒騎士の鎧 ブラッドソード 源氏の兜 リフレクトリング
現在位置:封魔壁の洞窟へ 行動方針:皆殺し
(ハーゴンorエドガーを最優先ただし遭遇すれば他のキャラでも殺す)】
【ザックス 武器:バスターソード 現在位置:封魔壁前の砂漠 行動方針:非好戦的
女性にはやさしく。】
121:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/11/01 16:10
激戦区から遠く離れたマランダの町。
ゾーマの放送を聴いたエドガーは雨が降ると聴き、急ぎ近くの民家へやってきた。
鳩が多い。そういえばマッシュが伝書鳩の代筆をやっていたと…
ここのようだな。
空を見上げる。
まだ夜が更けるのには時間はあるが…真っ黒い雲が出始めている。
なぜ、雨を降らせるとわざわざ告知したのだろう。
エドガーは怪訝に思っていた。
自分の送ったメモを流そうと…いや、それはない。それだったらもっと早く雨を降らしていたはず。
この雲はもしかすると、監視のための雲…いや…
エドガーは深く考えた。
それがただの単なる雲であると知らずに。
…最も、それを知るすべはないのだけど。
【エドガー 現在位置:マランダ民家 武器:ボウガン&天空の鎧(装備不可) 行動方針:魔法使い、デッシュを探し首輪を解除する 思考中】
122:メルビンとか
02/11/01 19:46
彼らは今、マランダからだいぶ北の平原まで来ていた。
焚火を起こして服を乾かした後、はぐれたライアン達を探すため
町の近くまで行ったのだが、ガウがおそらくライアンの側にいるであろう
ルーキーの気配を感じないらしいのでそのまま北に向かったのだ。
そして例の告知があったのがついさっき。日没まではもうあまり時間は無い。
それまでに町に戻るのは不可能に近かった。
「…地図では雨がしのげそうな所はありませんねぇ。」
「しょうがないでござるな。
ここから北に山があるでござるからそこに洞穴があれば…」
「雨が降りそうな気配は無いんですけどねぇ。」
日は少し傾いてはいたが空はまだ青く、それらしい雲は見当たらない。
「遺失魔法には天候を変えるモノもあるでござるから。」
「なんでそんなこと知ってるんですか?そんなの聞いたこと無いですよ。」
「ワシが若い頃にはあったでござるよ。」
「あなた、年いったいいくつなんですか。」
そんなことを話ながら歩いて、山の麓につく頃には西の空が少し赤く色付いていた。
「それじゃあガウ殿。いいとこが見つかったらおたけびをあげるでござるよ。」
「ガウ!!」
ビシッと敬礼すると一目散に山へ走っていった。
「…かなり飼いならしてますね。いつのまにあそこまでしつけたんですか?」
「いや、前に少し羊飼いをやってたでござるから。」
「…今までどんな生活してたんですか?」
「戦士を中退した後少しばかり笑わせ……ム!合図があったでござる。」
(ちぃっ。もう少しだったのに)
そう呟いて走っていくメルビンの後を追いかけていった。
123:メルビンとか
02/11/01 20:21
(これで五度目…)
頭の中のどうでもイイ部分でそんな事を考えていた。
たしかに見つけるのは速い。場所も普通に探していたら見つからない所ばかりだ。
しかしどこも何かしら問題を持っていた。入り口が狭かったり天井にあたる部分に
穴が開いていたり。入ろうとしたとたん入り口が崩れた時は死ぬかと思ったよ。
「もう時間ないですよ。どうするんですか?」
山を照らす赤い光が日の入りが近いことを示している。
「うむ。しかしコレしか方法はないでござるからなぁ」
半ば本気で雨の中で野宿するのを覚悟したその時、6度目の合図が聞こえた。
「今度のはわりとまともですね。」
安堵の息を漏らしつつそう呟いた。最初にいた所から少し北に行ったところの
山の中腹にゴツゴツとした岩に隠れる様に開いていた。中はなかなか広く、床は
さらさらと乾いていた。これなら浸水する恐れはないだろう。メルビンは得意そう
にしているガウにリンゴをあげていた。本当にこの二人は仲が良かった。
一度ふもとに下りて低木の枝を集め、それで入り口に中からふたができるようにする。
これで中で光を灯しても外からはわからないだろう。日没まであと少し。
三人は外に出てゾーマの告知を待つ。夜明けから半日、また多くの人が死んだので
あろう。ただ自分の大切な人の名前が言われないよう、身を硬くして祈っていた。
【ホフマン/メルビン/ガウ 現在位置:マランダ北の山
所持武器 ギガスマッシャー、虎殺しの槍 行動方針 雨宿り 仲間をさがす】
124:hage
02/11/01 23:01
hage
125:1/2
02/11/01 23:10
「するとセーラ殿もまた一国の姫でございましたか、いや街娘に身をやつそうとも」
あふれるその気品、私はとうにお見通しでしたよ」
ピエールは照れ隠しにハハハと声を出して笑う
セーラもまた釣られて笑ったが、それは浅ましくも人間のふりをする愚かな化物に対しての
嘲笑の笑いだ。
ピエールの背後で笑うマリベルとビビについても同じ感情をセーラは抱く
こんな賎しい化物風情にたぶらかされるような輩はロクなものではないだろう。
やはり生かせておけば、きっとあの騎士様に害を成すことになるだろうとの思いがますます強くなる
セーラは三人と雑談しながらもいかにして彼らを殺すかをひたすら考えていた
しかし正直、勝算があるとは思えない、だが考えようによってはこれはもう1度
騎士様に出会うための試練なのではないのか?そう考えると気が楽になる。
セーラは計画通り、ピエールたちに話を振る。
「そういえば、皆様がこちらの街に入られる前に人影を見ましたわ
・・・なんとなく皆様が探してらっしゃる方と面影が似ているような気が・・・・」
それを聞いてピエールたちは相談事を始める、結論はすぐに出たようだ。
ピエールは申し訳無さ気にセーラへと頭を下げる。
「セーラ様、フローラ様を任せてもよいでしょうか?」
「ええ・・・ちょうど良く眠っているようですし、ここは私にお任せください」
「ご無理を言って申し訳無い・・・・ではマリベル様、ビビ様、行きましょうか、
あ、それからセーラ様、ドアにはしっかりと鍵をかけておくよう用心して下さい」
こうして三人は民家を出て街の中心部へと向かっていった、後にセーラと疲労のため
ベットで眠っているフローラを残して。
126:2/2
02/11/01 23:11
上手くいった・・・・・さてここからが肝心だ。
彼女はフローラの身体の横に置いてある大きな枕に手を伸ばすと
それをフローラの顔にありったけの力で押しつけた
フローラも気がついたようだ
枕の下からフローラの苦悶の息遣いが伝わってくる、傷つき動かない身体で必死にもがき
圧迫から逃れようとする。
しかしそれでもセーラは全体重をかけて、フローラの顔に枕を押しつけ続ける
はぁはぁと息を荒くしながらもセーラは己の中に生まれた新たなる感情に戸惑っていた
・・・・この高揚した気分は、爽快感は一体!?
何時の間にかフローラは動かなくなっていた、それでもなおセーラは枕から離れようとはしなかった
素敵・・・こんな気分は初めて・・・・
フローラの死体を眺めながらうっとりとセーラは自分の肩を抱きしめる
これが試練を乗り超えた達成感というものなのかしら?
騎士様、セーラはまた1歩貴方に近づきましたわ、ですから待っていてください
必ずおそばに参ります。
軽くワルツを踏むようなステップで小踊りするセーラだったが、
窓の向こうに落胆したような表情でこちらに戻ってくる三人の姿が見える。
「いけないわ、後始末をしないと」
慌ててセーラは苦悶の表情のままのフローラの死に顔を整えはじめた。
【セーラ 装備品 癒しの杖 ブレイズガン 現在位置:マランダの街
行動方針:ピエール一行を殺す(ついに殺人の快感に目覚める)】
【ピエール/マリベル/ビビ/ 所持武器:珊瑚の剣/エルフィンボウ/ギサールの笛/爆弾岩×10
現在位置:マランダの街 行動方針:休息】
【フローラ:死亡】
127:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/11/01 23:25
「むう…?」
何だったんだ、あの告知は?リレミトやルーラを禁止した時は定時のメッセージと一緒だったろうに。
それにわざわざ雨を降らせる理由もわからん、そんな事に魔力を使ってどうするつもりだ?
「マゴット。」
「?」
「ラナルータとは、いかなる呪文だ?」
「………」
聞いた限りでは特に問題は……いや……昼夜の逆転……雨……そうか!
「わかったぞ!何故ゾーマが雨を降らせるのか!」
「……?」
ククク……成る程、意外と底は浅かったという事か…ククク……。
「………」
「まだ推論の段階だ、それより雨宿り出来る場所を探すぞ。」
【ハーゴン 武器・グロック17、グレネード複数、ムーンの首、グレーテの首、首輪×3
場所・ツェンの北の山脈 行動方針・ゲームから脱出】
【マゴット(呪文連発によりMP減少気味) 武器・死神の鎌、裁きの杖
場所・ツェンの北の山脈 行動方針・ゲームから脱出、仲間と合流】
※何かに気付いた模様?
128:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/11/01 23:46
「スコール、会える、よね。」
アルブルグの東の広大なる砂漠。
砂漠は…静かだった。
挫けそうになったこともあった。
だけど挫けなかった。
泣き出してしまいそうになったこともある。
だけど泣かなかった。
心の拠り所を求めて彷徨い歩く。
「スコール、今どこにいるの…?」
愛しい者の姿を思い空を見上げる。
風がまた吹く。
雨が近い。雨の特有の匂いを感じる。
「…西に町があったわね。…スコールも来てくれるといいけど…」
彼女は知らない。彼がすでに戻れないところにいることを。
【リノア 所持武器:妖精のロッド・月の扇/ドロー:アルテマ×1 現在位置:新フィールドへ 行動方針:スコールに会う】
129:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/11/01 23:51
>>128の現在位置は【アルブルグ東の砂漠】に修正です。
130:1/2
02/11/02 00:26
アルブルク南東の岬。
血塗れの男が一人、海を見渡していた。
その血はどうみても彼の血のみとは言い切れず、
明らかに返り血が付着していると用意に見て取ることができた。
その姿を見れば、万人が疑うことなく彼がゲームに乗ったと理解することができるであろう。
そしてその瞳は、もはや正常とは言い難かった。
明らかに狂気の色が浮かんでいる。
いうまでもない、先ほどにアリーナたちと一戦を交え、敗れて気絶したものの、
きづいた後なんの躊躇もなく傍にいたガライを無惨にも殴り殺したスコールである。
もはや彼はもとの道に戻ることなど到底不可能としか思えなかった。
しかし、辺りの景色を眺め、ゾーマの放送をきき、一人歩くうちに、その心情にはやや変化の兆しが見えた。
もともと彼がこのような状態になったのは、
大きくいってしまえば死への恐怖。殺戮への恐怖。
彼の心は脆く、それらに耐えうることができなかった。
しかし、幾重の殺傷、そして先ほどの少女らとの一戦は、彼自身に直接的な死を感じさせ、実戦は脆弱な心を強くした。
ガライを殴り殺したとき、彼は殴る手が痛いと微かに感じたのだ。ほんの、微かに。
とはいえ、相変わらず彼の瞳の狂気は色褪せることなどなかったが・・・。
決定的な何かが、彼には欠けていたのかもしれない。
131:2/2
02/11/02 00:27
「・・・ここは寒い」
久しぶりに言葉を発した。
地図を見た。少し遠いが、街がある。
人が集まりそうなところだ。
彼は歩いた。
一連の動作はあまりに自然だった。
そしてそこには、浅いけれども思考があった。
もっとも、ただ、それだけ。マリオネットの糸は依然健在、彼に殺戮への衝動を駆り立てていく。
【スコール(負傷) 所持武器:なし 現在位置:アルブルク南東の岬→マランダの町 行動方針:人形状態?】
132:1/2
02/11/02 00:53
ゴミ捨て場の中をティーダとアルスはとぼとぼと歩いていた。
「ごめんね、ティーダみっともないところみせちゃって」
「別にいいッスよ、勇者だって泣きたいときは泣いてもいいッスよ」
その言葉を聞いてアルスはまた黙り込む
「ご、ごめん変な事言ってしまって」
あわてて弁解するティーダだったが、アルスは笑ってそれに応じる
「そうだね・・・・僕、ティーダに会えて本当によかったと思うよ
ありがとう・・・・ティーダがいなかったらとっくにくじけていたと思う」
これを聞いてティーダは顔を赤くする
「そんな、感謝するのは俺の方ッスよ!」
そして2人はお互いの顔を見合わせ笑うのだった。
そのときゴミ捨て場の床が振動と共に大きく開く
主を失ってなお処理システムは稼動し続けていたのだ
大量のゴミが地下深く、奈落の底へと落ちて行く
アルスは判断良く壁に取り付いたが、ティーダは逃げ遅れてしまった
辛くもアルスが伸ばした手に捕まり難を逃れるが、このままだと落ちるのは時間の問題だ
「アルス!手を離すッス、このままだと2人とも助からないッスよ」
「離すもんか!だって君は・・・僕の友達だから・・だから絶対離さない!!」
しかし、床の傾斜はますます大きくなっていく、それにあわせてアルスも少しずつ奈落の方へと
引きずられていく、そのとき何処かからか声が聞こえた。
「レビテト!」
アルスとティーダは急に身体が軽くなるような感覚を覚えていた
なんだか空を飛んでいるような・・・・・見ると足が床から浮きあがっている。
さっきの声の方向を見ると、女の子が手招きしていた。
「ぼさっとしないで!はやくこっちに」
2人は何だか泳ぐような気分で足をばたつかせながらなんとかゴミ捨て場を脱出した。
133:2/2
02/11/02 00:54
ゴミ捨て場を抜け出すとそこは草原だった。
一息ついたアルスとティーダは思い出したように改めて命の恩人にお礼を言う
「あろがとうございます、おかげで助かりました、ところであなたのお名前は?」
「私はティナ=ブランフォード、良かったわ間に合って」
そのまま2人は色々と話をしながら草原の中を進む、しばらく行くとティナが何かを見つけたようだ
厳しい顔で地面を見つめている。
見ると草原になにやら這いずったような痕がある、それははるか西の方に続いていた。
ティナはしばらく考え込んでいたが、やがて申し訳無さ気に2人に頭を下げる
「実は2人にお願いがあるの・・・・倒すのを手伝って欲しいモンスターがいるの・・・・」
暫しの沈黙、しかしティナには答えが分かっていた、せっかく助かった命をまた危険にさらす
人間が何処にいるというのだ・・・・・
「ごめんね・・・やっぱり無理・・・」
だがアルスとティーダは快くティナの依頼にこたえたのだった。
「ええ、モンスター相手なら僕たちもお役に立てると思います、手伝わせてください」
ティナは予想外の言葉にびっくりしたような顔をしている。
「いいの・・・でも君たちも」
「いいッスよ!あそこでティナさんに会わなければ今ごろ死んでいたッス!
だからこれは恩返しッス!!」
恩返し、という言葉を聞いて少し照れたような表情をしたティナだが、笑顔で頷くと
「そう・・・なら遠慮なくお願いするわね、2人ともよろしく」
と手を差し出す、そしてアルスとティーダも笑顔でその手を握り返すのであった。
【ティナ 所持武器:エンハンスソード、プラチナソード 現在位置:ベクタ西の草原
行動方針:デモンズウォールを追う 備考:テリーに殺されるのならばかまわない】
【ティーダ/アルス:所持アイテム:いかづちの杖/鋼の剣 現在位置:ベクタ西の草原
行動方針:ティナに協力する】
134:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/11/02 01:05
激しい剣戟が聞こえる。
レオンハルトの疾風のごとき剣の鋭さにリバストはかつてない高揚感に襲われていた。
リバストもまたそれに相応しい激しい突きを繰り出す。
レオンハルトもまたリバストの未だ見たことのない剣裁きに惚れ込んでいた。
幾度となる剣同士のぶつかり合い。
戦士双方に疲れの色は見えない。
またとない好敵手に出会えた喜びか。
時が経つにつれその剣の鋭さは増し、二人の辺りには光が満ちているように感じられた。
リバストが飛翔すると思えば地を駆け、
レオンハルトが切り払いが来ると思えば諸手突きが繰り出される。
舞踏を舞っているが如く二人の剣戟は美しかった。
そして再び二人の戦士の影が重なる…
135:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/11/02 01:05
「…名前は。」
「リバストだ。」
「俺はレオンハルトだ。」
「…いい、名前だな。」
「…ああ。」
次の瞬間レオンハルトが見たのは天空。
自分が倒れていることを知る。
胸に手を当てる。
血が出ている。これはおそらく心臓に達しているのだろうな…
ああ。負けたのだな。
「…お前の勝ちだ…」
「……」
「…お前のすべてが見えたような気がする。…お前にも見えただろう。俺のすべてが。」
「…ああ」
「…ふふ。俺たちは不器用だな。このような形でしか分かり合えないとはな。」
「…ああ」
「…俺の人生の中で一番楽しかった。そして、一番心が晴れたときだ。」
「…もうしゃべるな。」
「いいんだ。裏切りと死に塗れた俺にとっては…」
時が一瞬止まる。
「天に昇らん思いだ…」
レオンハルトの目が閉じる。
リバストは空を仰ぐ。
…空に一番近い。そんな場所へ彼を埋葬しよう。リバストは物言わぬレオンハルトの体を背負い無言でベクタを離れて行った…
【レオンハルト 死亡】
【リバスト 所持武器:まどろみの剣 現在位置:ベクタ入り口 行動方針:レオンハルトの埋葬】
136:ソロとか
02/11/02 01:24
「ここなら大丈夫そうだな。」
例の告知があった時から今までずっと山の中で雨のしのげそうな所を探していた。
だいぶ疲れているみたいだ。それに手に持ったケースの重みがその疲れに拍車を
駆けている。早く休みたい。そう思ってフラフラと中に入っていった。
すでに先客がいることに気付く術は無かった。
幾分ひんやりとした空気が頬をなでる。中を見渡し座り心地のよさそうな所を探す。
そして目に入ったのは誰かのザック…。それと同時に首筋にひんやりとした刃があてられた。
「動くな。少しでも変な動きをしたら斬る。」
幾分声を抑えソロに刃をあてた者…ラムザは言った。
(くそっ!油断した)
ソロは気を抜いていた自分に悪態をつく。いつもならこんなヘマはしないのに。
このゲームが始まってから一番濃厚に死の香りがする。
「まずそのケースを捨ててもらおうか。」
ソロは足元にケースを置く。ラムザは姿勢を崩さないようにケースを奥の方に蹴った。
「…オレを殺す気なのか?」
声がかすれている。普通の人だったらケースに注意がいった時に反撃できたのだが
少しも隙を見出せない。この状況を自分には打破できない。そう思った。
「君次第だ。」
簡潔に言うと、手馴れた手付きでボディチェックを始めた。
一通り調べるとソロの背中を軽く突き倒した。たまらず数歩前によろめく。
「一つ質問をする。君はやる気なのか?」
殺気はまだ解けてはいない。ソロの目をじっとみつめるラムザの目には
彼には嘘は通用しないと思わせるなにかがあった。
「いや、やる気は、無い。」
なんとか声にだせた。ラムザの目はまだソロをみつめている。
137:ソロとか
02/11/02 01:25
不意にラムザの目から殺気が消え、いつものやさしいかんじになった。
「ごめん。驚かせたみたいだね。」
そういって剣を鞘にしまう。
ソロは緊張が解けたのとかなりの疲労感で、たまらず地面にヘたれこんだ。
「あ~~~。もう。」
いろいろな感情が混ざり合って言葉にならなかった。しかしなぜかこの青年に
対してイヤな感情は持てなかった。先程まで感じていた雰囲気は霧散していた。
「ほんとにゴメン。でもああするしかなかったんだ。」
ソロが怒っていると思ったラムザは必死に弁解していた。そんな姿がソロには
とてもおかしく見えた。
「いや、もういいよ。警戒して当たり前なんだし。」
軽く笑みをうかべそう答えた。彼が悪人とは思えなかった。
「そう言ってくれると助かる。ぼくはラムザ。君は?」
「ソロだ。」
いまだ地面に座っていた自分に差し出された手を強く握り、そう答えた。
「ところでその剣なんだけど・・・。」
「え?この剣か?」
あれから今ままでの事を話し合って一段落ついた時、さっきから気になっていた
ラムザの持っていた剣。かつて自分の使っていた天空の剣について聞いた。
「前の島で拾ったんだ。重過ぎて全然使えないけどね。」
「それ、前にオレが使ってた剣みたいなんだ。少し貸してくれないか?」
傍らに置いてあった剣に手をかける。見覚えのある形と重さ。もはや手に馴染んだ
グリップの感触がコレが自分のモノだという事を確信させる。
おもいきり剣を鞘から引き抜き、かまえた。………しかし剣は手から落ち、
地面にあたって金属質な音を立てた。手が滑ったワケではない。ただ、鉛のように
重かった。いままで感じたことが無いくらい、とても。
「な?おもいでしょう。こんな剣使える人なんているのかな。」
「…ああ。……そうだな。」 平静を装って剣を鞘に収め、元の位置に戻した。
しかしソロは激しく動揺していた。この剣は間違い無く本物だ。それなのになぜ!
なんでオレがつかえないんだ!!オレは勇者なんだぞ!!!
138:ソロとか
02/11/02 01:30
ソロは気付いていなかった。剣が自ら持ち主を選ぶ事。
そして自分自身が既にこの剣を持つ資格を失っていた事に。
ソロは結論をだした。
この剣はニセモノだ、本物はこんなモノじゃない。と。
【ラムザ ジョブ:忍者 スキル:白魔法 装備武器:天空の剣 対人レミラーマの杖
現在位置:マランダ北の山 行動方針:アグリアスを探す】
【ソロ 装備品 スーツケース核爆弾 行動方針 デスピサロを倒す】
139:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/11/02 05:35
体が痛い…
辺りが暗い…
体が…動かない…
体に重圧がのしかかる。
意識が途切れ途切れになる。
ああ。俺もここまで…
いや、
ここで終わるわけには行かない。悲しむ人がいるから。
…死ぬわけには行かない。待っている人がいるのだから。
目がかっと開かれる。
その瞬間。
光が辺りに満ちる。
「もう…気が…つかれたのですか…」
アモスは辺りを見回す。
どうやらここは酒場のようである。
自分はソファに寝かされていた。
そして、声の主を見る。
140:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/11/02 05:39
「…あなたは。」
彼女は美しい。…それ以外の言葉は野暮と思えた。
「私はエリアと申します。…お怪我のほうは…大丈夫ですか。」
体を起こす。一体どうしてここにと思ってみる。
「気がつけばこちらのものだ。…俺はアモス。…いったいどのくらい気を失っていたのだ?」
「おおよそ、一時間半…派手な音をしたのでそちらに向かっていたら派手に横転したトロッコとあなたが倒れていましたのでここまであなたを担いできたのですが…こんなに早く目覚めて本当に大丈夫ですか?」
「回復の心得はある。…情けないところを見せてしまったな。」
…そうだ、あれからトロッコに乗ったはいいんだが…外に出てもまったくスピードは落ちずにコーナーを曲がりきれずにクラッシュしたんだ…
いやはや、自分ながら情けない。怪物が尻に噛まれた時位恥ずかしい。
「…お尻…ですか?」
「あ、いや…独り言だ。」
恥ずかしいもほどがある。声に出てしまった。
「…あれから、ゾーマからの通信がありました。…お話します。」
「待ってくれ。…なぜ、そんなに親切にしてくれる?」
エリアを言葉で制し、立ち上がる。まだ体が痛む。
「私は、このゲームに対し、何らかの行動をしたいと思っています。…ですが、私は戦士でもないし、魔法の知識もそれほどありません。…勝手なお願いですが。あなたの力を借りたいのです。」
「…命の恩人の言葉に断る理由はない。」
「よかった…。あの、どちらに行くつもりですか?」
アモスは自分の体にベホマをかけ体調を整えていた。剣を持ち盾を持ち。
「友が戦っている。苦戦は免れない…」
「…一緒に行きます。話はそちらに向かいながら。ゾーマの部下らしい者が雨が降ると言ってました。なるべく早くに合流したいですね。」
エリアはミスリルナイフを手に持った。意志は固いようだ。
「雨か…急ごう。」
アモスはエリアを連れて、酒場を後にした。
【アモス/エリア 所持武器:妖剣かまいたち・水・1,5リットル・小型のミスリルシールド/ミスリルナイフ 現在位置:ベクタ酒場→魔導工場 行動方針:ロック、ファリスとの合流】
141:1/3
02/11/02 09:41
ツェンの町の北。そこにある山脈は地元の人間から“階段山脈”などと呼ばれていた。
しかし、山のカタチは“階段”などと表現できるような生やさしいモノではない。
その山脈の“階段”とはつまり、上ったっきり帰ってこれない、天国か地獄への“階段”なのである。
そんな山脈の頂上近くの、なにかの具合に開いた浅い洞穴。
レナ=シャーロット=タイクーンとバーバラは、そこで焚き火の暖をとっていた。
「雨、か…私、雨は嫌いだな。」
バーバラの独り言のような呟きに、レナは小さく頷いた。
雨。しとしとと降りしきる雨。ざあざあと地面を抉る雨。そのいずれもが、たいがいの人間を憂鬱にさせる。
何より、『今』の状況での雨は致命的な要素となりうる。激しい雨の音は、他の…致命的な音までもをかき消してしまう。
だけど、雨の後には太陽が顔を覗かせ、その恵みが大地を潤すのだ。
二人はどんよりとした空を見ながら、二言三言、他愛ない会話を交わす。
……いつの間にか、レナが小さくメロディを口ずさんでいた。バーバラは言葉を止め、しばしそのメロディに聴き入る。
それは、旅人のメロディだった。宮廷で流れるようなクラシックとはどこかが違う。
それは全てを知ろうと駆けめぐる風のように。それはいたわりを持ってせせらぐ水のように。
それは勇気を胸に抱き燃える炎のように。それは希望の全てを受け入れる大地のように。
そしてそれは、万人が駆けめぐりたいと願う大空のように。
「なんか…すっごく元気が出てくる曲ね。」
以前に比べればずっと明るい声で、バーバラが評する。
その言葉を聞いて、レナは少女らしい、満面の笑みを浮かべた。このゲームの中で、初めて。
「バッツに教えてもらったの。名前は…“大いなる翼を広げて”。」
「大いなる翼…かぁ。」
瞳を煌めかせて、バーバラが空を見る。
翼を持って、空を飛びたい。金色の翼。金色の鱗。黒い角。巨大なあぎと…。
「…?」
バーバラは、つい今さっき脳裏に浮かび、そして一瞬で消えたイメージに疑問を抱いた。
今のは…何だ?
142:2/3
02/11/02 09:42
イリーナは、へとへとになった身体を引きずって、やっとこさ“階段山脈”を登り切った。
全く何なんだろうこの山は!まるで人が上るのを断固として拒否してるみたいだ。
(だけど、タークス仕込みのサバイバル技術の前に上れない山なんてなぁい!)
心の中で得意げに勝利宣言…山に対する勝利宣言をしてから、イリーナはふと後ろを振り返った。
海が見えた。限りなく広がる海を。
山を征服した事の、ささやかなご褒美。とても気分が良くなる。
(タークス辞めたら登山家…ってのもいいかも。)
そんな、未来への希望を胸一杯にふくらませたイリーナの耳に届いてきたモノがあった。さわやかな、メロディ。
(はっ!ワタシってばなにしてるのよっ?)
いつの間にかふらふらとメロディに誘われて歩き続けたイリーナは、突然はっ、と気が付いた。
このメロディは人間が奏でているモノだ。間違いない。こんな美しい曲を奏でるネズミやらムカデやらがいるはずがない。
人がいる。そしてソイツは、敵なのだ。
イリーナは、うかつな自分を戒めるように頭をこんこん叩いた。
そして辺りを見回すと…いた。少し離れた洞穴の奥に、女の子が二人いるのが確かに見えた。
片方の、秋桜色の少女…とは言っても、イリーナより一つか二つ上に見えたがとにかく…の腰には、短剣が一本。
アレならば、今手にしているオモチャよりはずっとマシだろう。
「いよっし、タークス希望の星、イリーナ行きますっ!」
ざっ、とイリーナは彼女達にむかって駆けだして…。
岩にこびりついていたコケに足を取られて、思いっきり転倒した。
143:3/3
02/11/02 09:45
「ふにゃ…ツォンさぁん……そんな所触っちゃ嫌ですよぉ…きゃ♪」
横で幸せな寝言を呟くイリーナをみて、パンを囓りながらバーバラはくすくす笑った。
外で倒れていたイリーナは頭にでっかいコブを作って、しかもオモチャの銀玉鉄砲を握りしめていたのだ。
こんな武器でこんな中を…よほど怖かったに違いない。
「ツォンさん…って、恋人の名前かな?いいなぁ…。」
バーバラの呟きに、レナはきょとんとした顔になる。
「アレ?バーバラちゃん好きな人いないの?カワイイのに…。」
…その言葉に、バーバラは飲み込みかけたパンを吹き出しかけた。何とか堪えたが。
「ゴホゴホ…あ、あはは…ちょっとね。」
ごまかし笑いを浮かべながら口の中のパンを飲み下す。
まあ、いいな、と思う男性がいるにはいるが……しかし、まあ。
「レナは恋人いるから気楽でいいよね。バッツ…だったっけ?」
…レナは、飲みかけた水を思いっきり吹き出した。手加減なしで。
「ゲホゲホ…あ、あはは…そんなのじゃないのよ。ホントに。バッツは…。」
妙にうわずった声で言うレナ。咳が収まると、ふうと息を付いてもう一度支給されたマズイ水に口を付ける。
そう、そんなのじゃないのだ。バッツは多分、ファリスの…姉さんの事が好きだから、だから…。
レナは知らない。ファリスは、バッツがレナを好きだと思っていて、身を引こうと考えている事に。
ついでに、バッツが「どうして自分は女の子にもてないんだろう」という勘違いにも程がある悩みを抱えている事に。
【バーバラ/レナ:シーフ 所持武器:果物ナイフ/メイジマッシャー 現在位置:ツェン北の山脈頂上付近 行動方針:仲間の捜索/ファリスの捜索】
【イリーナ 所持武器:銀玉鉄砲(おもちゃ) 現在位置:ツェン北の山脈頂上付近 行動方針:弱そうなヤツを脅して武器を奪う・気絶中】
144:1/2
02/11/02 14:33
見慣れない大地に放り出されてから、1・2時間。
「やぁっと着いたぜ…」
ゼルは呼吸を整える。その顔には、疲労の色がありありと滲んでいる。
無理もない、この街=アルブルクを目指して、山の中を全力で走り続けていたのだ。
これで疲れないのは、アンデッドか『リノアしか見えない』モードのスコールぐらいだろう……
などと考えながら、休めそうな場所―目に映った民家の扉を開けた。
その瞬間。
ばっしゃぁああん!
頭上から、逆さになったバケツと液体が降り注いだ。
警戒をすっかり忘れていたゼルは、もろにびしょ濡れになってしまう。
「なんだよ、子供のイタズラか!?」
怒りに任せ、床のに落ちたバケツを蹴っ飛ばし、……そこで、彼は気がついた。
液体から漂う匂い。キツイ酒、つまりは『アルコール』の匂いに。
「……まさか」
ゼルの感じた悪寒を肯定するように、奥から炎の灯ったビンが飛んできた。
「うわああああああああ!!」
避けきれなかった。炎は、一瞬にして燃え広がった。
全身を焼かれる苦痛に、地面の上をのた打ち回る。
その視界の端で、人影が近づいてくるのが見えた。
(……スコール、リノア、それに、…………)
最期の時を覚悟した彼の脳裏に、あの、三つ編みの図書委員の姿が浮かんだ。
(……帰れなくて、ごめんな。)
いつの間にか、彼の瞳からは涙がこぼれていた。
しかし、それも束の間の事。
人影は容赦なく、手に持った武器で彼の身体を分断していた。
145:2/2
02/11/02 14:36
「ちっ……ロクなモンがないな」
ヘンリーは少年(ゼル)の死体からふくろを奪い取り、中身を物色していた。
しかし入っていたのは、基本的な道具を除けば魔道書が数本だけ。
それも、彼が元々知っているイオの呪文だ。
(まぁいい。無いよりはマシだろう)
そう思いなおし、魔道書を自分のふくろに移しかえる。
そして、今まで作っていた火炎瓶を全部、ベルトにくくりつけた。
「……日没後に雨が降る、とか言っていたな」
雨の中では、折角作った火炎瓶も役に立たない……が、残念だとは思わない。
むしろ雨の方が、参加者の動きが止まる分、不意打ちもしやすくなるだろう。
「……さてと」
ヘンリーは、今だ燃え続けている少年の身体を蹴った。
炎が戸口にこぼれた酒に燃え移る。
やがてこの家全体を焼き尽くすであろう火のゆらめきを背に、ヘンリーはアルブルクの町を後にした。
【ヘンリー 所持武器:ミスリルアクス イオの書×3 火炎瓶×3
現在位置:アルブルクの町→ベクタ方面へ 行動方針:皆殺し】
【ゼル 死亡】
(*家が一軒燃えています。消火しない限り、雨が降るまで燃えつづけます)
146:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/11/02 14:40
マランダの街から北に離れた平原でエアリスとエッジは遅めの昼食をとっていた。
エッジの肩の傷はエアリスの力で回復に向かいつつある。
「戦いを止めるだと、しかしそれは思ったよりも難題だぞ」
エッジはエアリスに釘をさす
「戦いに乗った者もいるのだろう? 俺の考えだと今生き残っているのは大体70人前後だと思う・・・
そのうち ゲームに乗っているのが大体10人くらい・・・
それもここまでのペースを考えると徐々にその数は増えつつあると考えた方がいい
正直、自分たちが生き残るための戦いを考えた方がいいと思うぞ」
しかしエッジの言葉にエアリスは静かに首を振る
「それでも私は一人でも多くの人を救わないといけないの・・・・私にそれを託して死んでいった
トルネコさんのためにも、もちろんそのためには倒さねばならない敵がいることは承知しています
傷の具合はもう大丈夫なようですね、では」
エアリスはペコリと頭を下げて東の方へ歩いていこうとするが、それをエッジが呼びとめる。
「しゃあないな、君には借りもあるし・・・・・少なくともその借りを返せるまでは付き会ってやるぜ」
(悪い、リディア・・・俺はこの人を置いてはいけないよ)
「さっき雨が降るとか言っていたな、なら急ごう」
そして2人は連れ立って平原を進んでいった。
【エアリス/エッジ:所持武器:無し/忍者ロング 現在位置:マランダ北部の平原→ベクタへ
行動方針:戦いを止める】
147:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/11/02 15:55
「たっ・・助けて誰か!」
ここはマランダとベクタとの街道のちょうど中間にある谷間
そこでモニカは、得体の知れない巨大な壁に追われていた
息を切らせて必死で逃げるが、壁はそれをあざ笑うように常に一定の距離を置いて
モニカを追う・・・まるで狼が兎を嬲るように
どれだけ走っただろうか?谷間の出口が見える・・・もうすぐ
そう思ったモニカの足がもつれる、そんな・・ここまできて
頭から転倒したモニカを見て、壁はスピードを上げて迫る、追いかけっこは終わりのようだ
自分の目前に黒々とした石の腕が迫るのをみて、モニカは悲鳴すら上げられずにがたがたと震えていた
しかしその時、モニカの背後から割って入った影が、壁が伸ばした腕を断ち斬った。
モニカがはっと視線を上げると、そこには大男が彼女をかばうように剣を構えていた。
その男は苦々しげに剣の刃を見つめている、その刃にはわすかだが刃こぼれが出来ている
ここでやりあっても勝ち目は無い・・・・と、なれば
男はモニカの手を握り
「逃げるぞ、掴まれ」
と、一言だけ言うと男はモニカを自分の肩に担いで全速力で逃げ出した。
【デモンズウォール(負傷) 装備品:天空の兜(装備不能) 現在位置:ベクタ⇔マランダ間の谷間
行動方針:獲物を追う】
【モニカ 所持武器:ブロードソード 現在位置:ベクタ⇔マランダ間の谷間
行動方針:デモンズウォールから逃れる】
【アーロン:所持武器:鋼の剣 現在位置:ベクタ⇔マランダ間の谷間
行動方針:デモンズウォールから逃げる】
148:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/11/02 16:02
寒い、乾いた風が吹き抜ける。
道無き道を、とんぬらは歩いていた。あるいは登っていた。
旅の扉に飛び込んで、ついた先は草木もない山間だった。
周囲を警戒したが、あの剣士はいないようだ。
というか、警戒するまでもなく、誰もいなかった。隠れる場所さえなかった。
まったく、極端な場所に飛ばしてくれるものだ。
主催者の底意地の悪さに溜息をつきながら移動を始めて半日近く。
その途中でその主催者の放送を聞いた。
「…雨だって?」
とんぬらは愕然とした。
標高の高いこの辺りは、はっきり言って寒い。
おまけに雨露を凌げる場所さえ見当たらない。しかも、降り始めるのは夜だという。
「…凍死確定」
なんて間抜けな死に方だろう、とんぬらは笑おうとして…失敗した。
はやく、この山脈を下らないと。父さんにあえないまま終わるなんて、ごめんだ。
そして、太陽が西の空に差し掛かった頃。
何とかとんぬらは眼下に平原を見下ろせるところまで来ることができたのだった。
道具袋から地図を取り出す。周囲の地形…海岸線の形や、山脈の外観から見当はついた。
「北西にツェン、南東に封魔壁、山脈を越えた南西が…首都のベクタか。
今更山越えはできないとして、ツェンか封魔壁か…距離は大体同じかな」
【とんぬら(DQ5主人公)
所持品:なし
現在位置:ベクタ北東、ツェンと封魔壁の中間
行動方針:パパスに会う】
149:ホイミンとか
02/11/02 21:27
144の少し前の話です。
「……あれ。ここは……うわぁっ!」(ドシン!)
ふらふらと体を起こしたらバランスを崩してカウンターから落ちてしまった。
辺りを見回すと、部屋の中は台風でも来たかの様に荒れていて棚の所に置いてあった
のだろういくつもの薬瓶が割れて床の所ドコロに水溜りを作っていた。
なんでこんな所にいたのか全然思い出せない。無い首をひねっていると聞き覚え
の無い声が自分の名前を呼んだ。
「おうホイミン。やっと気がついたか。」
声のした方を見ると、空の薬瓶をいくつか抱えた、緑の髪の男が階段から降りてきた。
もちろんこんな人は知らない。自分が知っている人間はライアンさんぐらいだ。
「びっくりしたぞ。ここに入ったらいきなり棚の下敷きになってるんだもんな。」
まるで自分の事をよく知っているかの様に喋っている。
「どうしたんだ?黙り込んで。頭でもうったか?」
「えーーと、一つ聞きたいんだけど。」
「?。なんだ?」
「…あんた誰よ。」
緑の髪の男ヘンリーは浮かべた笑顔をこわばらせた。どうやら人違いのようだ。
150:ホイミンとか
02/11/02 21:28
「えーと、それじゃあお前はトンヌラのトコの奴じゃないのか。」
「うん。それとさ、顔とかヤケドしてるみたいだけど…」
「へ?ああ、前の世界でやられたんだ。」
「大丈夫?すごく痛そうだけど。」
「ああ。薬を探しにココに来たけど、全部ダメになっているみたいだしな。」
「ぼくで良かったら治しましょうか?」
「出きるのか?頼む。」
ホイミンの触手の先に淡い光が灯る。数本の触手が傷口に近づいた。
次第に痛みが消えていく。新しい皮膚が再生し、ただれていたソコが
他の所と同じ白い肌に戻った。
「…もう痛くないですか。」
「ああ、助かったよ。火傷跡が残るか心配だったからな。」
「どういたしまして。ぼくも助けてもらっちゃったみたいだしね。」
「…あれ?おい、壁の所になにか書いてあるぞ。」
ヘンリーは部屋の奥の壁をゆびさした。
「え?どれどれ。」
ホイミンほフヨフヨとただよいながら、指差された所に行った。
「………ヘンリーさん。ナニも書いてな…」
レンガでできた壁が二つに割れ、拡散していく。目の焦点があわない。
体が動かない。浮遊感が失われていく。
そしてホイミンはなにが起きたのかわからないまま、
床にできた水溜りの中に落ちていった。体を真っ二つにして。
「ふん。手間かけさせやがって。」
青い液体の付着した斧を側にあった手拭いでふき取りながら
新たにできた青い水溜りに悪態をついた。
「ちっ。おまけにナニも持っていやしねえしな。」
見つけたザックの中身はとっくに自分のに移し替えて二階に置いてある。
もちろんめぼしいものはナニもなかったが。大地のハンマーは一階のどこかに
埋まっているはずだった。
「ビンは見つかったし、そろそろ移動するか。」
カウンターに置いておいたビンを抱え二階に戻っていった。
151:ホイミンとか
02/11/02 21:29
「中身は酒場で探せばいいな。」
少しばかり増えた荷物を整理して、斧を持ってヘンリーは立ち上がった。
部屋にあった町の地図で大体の場所はわかっていた。火炎瓶なんか何度も作っている
無論、人に向かって使って見た事は無いがな。そんな事を考えていた。そのとき背後でドアを開ける音がした。
「!!! だれだ!」
階段を上る音は聞こえなかった…はずだ。
「…なんだ貴様、まだ生きていたのか。」
開かれたドアから現れたのは、ついさっき殺したばかりのホイミンだった。
しかし、先程までの雰囲気は無い。青かった体は透き通るような緋色になり、
触手はそれに映えるミントグリーン。そして一番変わっていたのは、先程まで
理性の光を灯していた目が、いまでは虚ろな光に変わっている。
「ちっ。死に損ないが。くたばれ!」
手に持った斧を一閃させる。しかしホイミンはなんなく身かわすと、ゆっくりと
ヘンリーに近づいていく。
「この!よけるんじゃねえ!さっさとくたばりやがれ!!」
後退しながら斧を何度も振り下ろす。しかしホイミンは全て難無くかわしていた。
ホイミンは触手を数本振り上げた。
(ホイミスライムのくせに攻撃か?笑わせやがる)
そんなに速くもないスピードで振り下ろされた触手を斧で受け止め……
異常な手応えを感じた。受け止めきれず、斧が弾かれ部屋の奥に飛んでいった。
背中に壁があたる。もう後は無い。目の前でふよふよ浮いているホイミンの触手
が急に何本か消え…。ヘンリーはなんとか身をひねって攻撃をかわす。
さっきまでいた所に触手が突き刺さり、壁を貫いていた。
(うそだろ。ホイミスライムにこんな攻撃力は…)
もはや全てにおいてヘンリーは追い詰められていた。このままではやられてしまう。
(こうなったら…)
ヘンリーはマントを外してホイミンに投げつけた。
体がマントに絡まり、少しだけ動きを止め触手を使ってマントをバラバラに切り裂いた。
しかしそこにヘンリーの姿は無かった。窓は開け放たれていた。ホイミンはゆっくりと
ソコから宙に身を躍らす。しかし、既にヘンリーの姿はどこにも無かった。
152:ホイミンとか
02/11/02 21:30
いくつモノ薬品が不均等に混ざりあった液体は、ずっと心に封じてきた
魔物としての本能。開放されずに蓄積されてきた、人間の戦士と旅をしていた
時の経験値。そしてホイミン自身の資質を開放してしまったのだ。
知っている者がコレをみたら、こう呟いただろう。
「進化の秘法」と。
(…ぼく…どうしたんだろう…。…なにも考えられない。
…なにも思い出せない。…………体がゾワゾワする。)
もうヘンリーの事は忘れていた。ふらふらとしながら町をさ迷っていた。
(…ぼくは…どうしたら……。…人間…に……なる…殺す……ライアン…サン…)
会いたい。
自分が人間になれることを信じてくれたただ一人の人間。
(ライアン…サン…。)
ホイミンはおぼつかない足取りで北に向かっていった。
ヘンリーは町から去っていくホイミンを見送り、道具屋の二階に戻っていた。
ザックは持ち去られていなかったし、斧も残っていた。
斧を持ち上げ……。ヘンリーの顔が強張った。
強固なミスリルでできた斧に、凹みができていた。
さっきのホイミスライムがやったのだろう。
自分がまだ生きていることを、まだ信じる事ができなかった。
【ヘンリー 所持武器:ミスリルアクス イオの書×3 火炎瓶×3
現在位置:アルブルクの町 行動方針:火炎瓶を作る】
【ホイミン(強化) 所持武器:なし 現在位置 北へ 行動方針 ライアンを探す】
153:1/5
02/11/02 23:39
夕刻近い平原の中で生死を賭けた追いかけっこはまだ続いていた
「どうやらわずかでもダメージを与えた方がまだマシかもしれんな」
さんざんあちこち走りまわったが
このままではいずれ追いつかれ踏み潰される・・・幾分かでもひるませる事が出来れば・・・・
モニカを背後の茂みに隠し悲壮な覚悟で剣を構えるアーロンだったが
そのとき聞き覚えのある声がする・・この声は・・・・
「アーロン、よかったまた会えて、アーロンが走ってくるのが見えたから急いでこっちに来たんだよ」
何時の間にかリュックがアーロンのすぐそばまでやってきていた
「お前・・・何処から来たんだ」
「うんっとねー、あそこの丘の上」
リュックの指差した先の丘は、とてもじゃないが、ここまで急いでやって来れる距離ではないように思えた
それに良く見ると汗一つかいていないし、息一つ乱していない。
少しだけ疑問に思ったアーロンだがそんなことを考えている暇は無い、リュックはリュックで
「アイツと戦うの?なら手伝うよ、ちょっと貸してくれる?」
ちゃっかりモニカの持っていたブロードソードを借りて、アーロンの隣で構えを取っている。
そしてしばらくたって不気味な振動と共に巨大な壁が2人に迫ってきた
「来るぞ!!」
そのころ
「地鳴りがする・・・アイツはこの近くにいるわ」
「ティナさん・・あ、あれ」
アルスの指差した先にはティナの説明通りの壁が2人の戦士と戦っていた
154:2/5
02/11/02 23:40
「!!」
2人の姿を見たティーダがいきなり走り出す
慌ててそれを追うティナとアルス
「ちょっといきなりどうしたんだよ!」
「今戦っているのは、俺の仲間なんスよ、早く助けないと!」
それを聞いた二人は頷くとティーダに合わせて全力疾走で戦場へと走る
アルスは剣を抜き、ティーダはディクトシュートの準備をし、ティナは呪文の詠唱を始め
3人一丸になって目前の巨大な壁、デモンズウォールへと襲いかかった。
そしてさらにそれからわずかに遅れて
「おいおいデモンズウォールじゃねぇか!!・・・こりゃ厄介な相手だぞ」
偵察目的で先行していたエッジは樹木の上に立ち、さらに戦いの様子を観察する
デモンズウォールを取り囲むようにして5人が戦っているのが見える
彼らは1人1人はかなりの腕前だったが、デモンズウォールには通じていないようだ
「やべぇな・・・このままだとあいつらやられるぞ・・・・」
そのときゆさゆさと幹が揺れる、見るとすぐ下にエアリスが待っていた
少し考えていたエッジだったが、やがてエアリスに
「わりぃ、俺ちょっと用事ができちまった、だからしばらくここで隠れてな、すぐ戻る」
とだけ木の頂上から告げるとそのまま樹木伝いに戦場へと向かった。
「くそっ・・・どうすれば倒せるんだ!」
腹立たしげにアルスが叫ぶ
とにかく装甲が硬くて刃がほとんど通らない、だからと行って不用意に魔法を喰らわすと
バラバラに砕けた瓦礫が周囲に降り注ぎ却って危険だ。
155:3/5
02/11/02 23:43
その叫びは残りの4人の気分も代弁していたらしい、疲れきった表情で顔を見合わせる
と、その時戦場に割って入る影がある
「バラバラに攻撃してもだめだ!、そいつを倒すには1点に攻撃を集中してまず完全に装甲をはがすんだ!!」
エッジのその言葉を合図にこれまで闇雲に攻撃していた5人はしめしあわせて攻撃を始めようとするが
なかなか上手くは行かない
エッジの叫びを聞いたからかどうかは知らないが、デモンズウォールが俄然反撃に転じたからだ
「狙うったって何処をッスか!」
雨あられと吐き出される瓦礫を紙一重で何とか避けながらティーダがぼやく
残りの面々とてそれは同じだった・・・・反撃に出たデモンズウォールの猛攻から
逃げるので精一杯だ。
そんな中、ティナは攻撃には加わらずデモンズウォールの動きをじっと観察している
(何処かにあるはず・・地下室で出会った時につけた傷が・・・・・)
じっと目を凝らすと、デモンズウォールの足元、地面すれすれの位置が何かの液体で滲んでいる
「見つけたっ、みんな・・・・」
そこに大量の瓦礫が飛んでくる、しかし観察に集中していたティナは
それを避けられる状態ではない
(駄目・・・避けられない)
「邪気封印!!」
その時、光と共にティナに殺到した瓦礫が全て弾け飛び、そして幾分デモンズウォールの動きも遅くなったようだ
「大丈夫ですか?」
この声・・・まさか
そう、エッジの予想通り、がさがさと茂みの中からエアリスが得意げな笑顔で姿を現したのだった。
156:4/5
02/11/02 23:44
エッジは納得がいかないようだ、エアリスに食って掛かる。
「隠れてろって言っただろ!!、足手まといなんだよ!!」
エアリスも言い返す
「私だって少しは役に立てます!!、事実立ったじゃないですか!!」
「そんなことより皆聞いて、あそこに傷があるわ・・そこに攻撃を集中して!」
ティナの言葉を聞き、アルスたちが動き出すよりも早く
デモンズウォールは今度は石造りの巨大な腕を何本も振りまわしてアルスたちを牽制する
もちろんその間にも瓦礫は休むことなく降り注いでいる。
「以前戦った時よりも強くなってやがる・・まいったな」
エッジがぼやいている間にも巨石の拳をなんとか防いだ、アルスの鋼の剣が弾かれて根元から折れる
それを見たティーダが何かを思いついたようだ
「アルス、借りるね」
ティーダは折れた剣を抱えると、そのまま全速力でデモンズウォールの懐深く、
傷跡の場所へと走りこむ
自分めがけて飛んでくる瓦礫をギリギリで避けていくティーダ、
さすがはスポーツで鍛えただけはあるが・・・・しかしその行く手に巨大な拳が唸りをあげて迫る
「あいつ!いい格好しやがって・・・影縫い!!」
エッジの術で腕の振りがぎくしゃくと鈍くなる、そのおかげで何とかティーダはギリギリで
すり抜けることが出来た
「早くしろ!術のかかりが弱い!!」
身体を低くして迫り来る腕を避けていく
いかにスローモーになっているとはいえ、恐怖が消えたわけではない
「うおぉぉぉぉぉっ!!」
ティーダは恐怖を振り払うように雄たけびをあげると最後の腕を避け
毒々しい体液が流れる傷口へと鋼の剣を突きたてた。
157:5/5
02/11/02 23:47
が、ティーダの側面からまた腕が迫る、どうやらまだ残っていたようだ
これは完全には避けられなかった、自分から飛んでダメージは最小限に押さえてはいたが
吹っ飛んだティーダを空中でリュックが受けとめる、リュックの腕の中でティーダは叫ぶ
「今ッス!!アイツに雷撃をかけるッス!!」
ティナの身体が光り・・その姿が幻想的な獣の姿へと変わっていく
アルスが持てる精神力を全て集中し呪文を唱える、エッジが気合と共に印を切る
「サンダガ!!」「ギガデイン!!」「雷迅!!」
ちなみに数拍おくれてエアリスが、落ちていたいかづちの杖をかざしたが何も起こらなかった・・・・・
それはともかく相乗効果でその威力は単発の撃った時の数倍になっているだろう
それら三者三様の雷が鋼の剣を通じてデモンズウォールの全身を駆け巡る
ぶしゃっ!!
そしてデモンズウォールの全身を囲む装甲が帯びただしい量の体液と共に弾け飛ぶ
それでもよろよろと何歩か動いたが、もう1度大量の体液を吐き出すと
それっきり2度と動く事は無かった。
それを見ると一気に気がゆるんだのだろう
7人は力が抜けたようにへたり込んでしばらく動く事はなかった。
【アルス、ティーダ、ティナ、エッジ、エアリス、リュック、アーロン、モニカ
所持武器/鋼の剣/ブロードソード/忍者ロング/エンハンスソード/プラチナソード/いかづちの杖
現在位置:マランダ北部平原 行動方針:とりあえず休憩】
【デモンズウォール:死亡】
158:アーサー
02/11/03 12:07
マランダの森を通過し、彼はアルベルクへ向かって走っていた。
「くそ・・・雨が降ったら得意のギラの威力も半減してしまう・・・」
クラウドと別れ一人になってから彼は怯えていた。
自分では焦っていると思っているが、先程からかすかな物音にも反応している。
彼はアルベルクに向かって走っているのではない。
恐れから、恐怖から逃げているのだ。
【アーサー
所持武器:ひのきの棒
現在位置:アルベルク西付近
行動方針:アルベルクへ移動】
159:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/11/03 17:21
灰色の雲が空を高く駆け巡る。湿気を含んだその雲から大粒の雨が降り注いだ。
フライヤは立ち止まって空を見上げていた。
雨を凌げる場所が何もない草原では、ただ耐えるしかない。
地面はぬかるみ、あちこちで水溜りができあがっていた。
・・・あの日の故郷もこんな雨だった
かつてジタンやビビたちと共にブルメシアを訪れた時を思い出す。
国から逃げ出そうとしていた同胞、生きる希望を失いかけていた夫婦、
アレクサンドリアの女王、将軍ベアトリクス、そしてクジャ・・・
故郷で出会った者たちの数々。
あの日の記憶が鮮明に甦って、フライヤの心をかき乱した。
・・・だがフラットレイ様はいなかった
フラットレイを探し続けて世界中を駆け巡ったフライヤにとって、
ブルメシアへの帰郷は最後の希望だったのだ。
すなわち、誰でもいつか故郷に帰るはずだ、あのお方ももう戻っているのではないか、と。
―それは結局叶わなかった
雨はますます激しさを増してきた。
水を含んで重たくなった衣服がフライヤの体にのしかかる。
これから待ち受ける運命を暗示するかのように。
フライヤに恵みの雨が降ることはないのだろうか。
「おーいこっちだ。町がある、雨宿りできるぜ」
そのとき、雨の音に負けない大きな声でジタンが呼ぶのが聞こえた。
【ジタン、フライヤ 所持武器:仕込み杖、エストック 現在位置:マランダの町近く
行動方針:町へ移動】
160:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/11/03 17:41
道具屋の扉が開かれる。先ほどの放送で目を覚ましたラグナの姿が見える。
「おーおー…今にもきそうだな。」
南の空が真っ黒い。下手したら南のほうは降り出しているかも…
…まだ、この最北の地ツェンが降り出すにはまだ時間があるだろうが。
あれから支給された食料を食べておなかいっぱいになったラグナはまた昼寝をしたのだ。
「あいつは大丈夫かな~」
欠伸をかみ殺しながら呟く。
地図を眺める。今度は間違いなく普通に見る。
「…どうしよっかな。今から走って行けばベクタとやらに辿り着けそうだが。」
再び欠伸が出る。
「やめたっ。もう少し寝るわ。」
暢気なものである。
【ラグナ 所持武器:? 現在位置:ツェンの町 防具屋 行動方針:寝る】
161:1/3
02/11/03 18:17
眠りこけているリディアを見ながら、これからどうすべきかバッツは思案に暮れていた。
彼女が幼児化したことも驚きであったが、今はそれよりも考えるべきことがある。
これからどこに行くか、だ。
さすがに戻るわけにはいかない。
バッツは、躊躇なくリディアに剣を向けた男のことを考えた。
あの男とこの少女は、どうやら知り合いのようだったが―男は、やる気だった。
バッツは彼が恐怖に駆られて狂気に走ったとはなかなか思えなかった。
たしかにあの瞳は普通ではなかったかもしれない。
だが、狂気のそれとはまた違う気がした。
彼は、確固たる理性のうえで行動しているようにみえた。
ただ、少しばかり歪んだ理性のうえで―
もっとも、歪んだ理性の行き着く先など決まってはいるが。
今となっては彼はもう元の道には戻れないように思えた。少なくとも、バッツには。
(いや、もしくは・・・)
バッツはリディアを一瞥すると、すぐにまた視線を戻した。
とりあえず、バッツは次の行く場所を決めるために地図を見た。
「ここから一番近いところは、アルブルクの町・・・かな」
パパスとアリーナに合流する必要がある。
そのためには、どこか町にいくのが一番いい。
それに、もしかしたら・・・いるかもしれない。大切な仲間が。
162:2/3
02/11/03 18:17
―レナ、ファリス・・・
ふと、思った。
自分は、彼女らに会ってどうするつもりなんだろう。
思えば、なんの考えもなしにここまできた。
不可能を可能にする、そんな大それたことを考えながら、
その具体的な方法などまったく思いつきもしなかったのだから。
―ゲームを止める・・・本当に、そんなことができるのだろうか。
ゲームから逃げ出すことは、まず無理だろう。
どうもここは、自分たちがいた世界とは別の世界のようであったし、前の舞台も同じであった。
いや、それより・・・
―この舞台は、いったいどうなっているんだろう。
あのゾーマとかいう奴が作ったのだろうか。
いや、大陸を作るなど、それこそ不可能だ。消すことはできても、作り出すことはできない・・・。
ならば、いったい・・・
はたとバッツは我に返った。
そんなこと、考えてもしようのないことだった。
どうもさっきから考えていることがどんどん飛躍していくな、
そう苦笑しながら、彼はクーパーを呼びかけた。
163:3/3
02/11/03 18:18
「次の目的地が決まったぞ。アルブルクの町だ。もうすぐ雨が降るとゾーマがいっていたからな、
砂漠を抜けて草原からいく。雨の中の砂漠は厳しいからな。」
「うん・・・このこは?」
「そうだな・・・俺がおんぶでもするよ。もしも急に敵が現れたら、
俺は手をすぐには放せなくなるけど・・・。ま、そのときは頼むぜ。」
「う、うん・・・」
クーパーはやや不安げながら、しかししっかりとロングソードを握りしめた。
歩き出した後も、バッツは考えていた。
自分が本当にするべきことを。
なんとかなるではない、具体的ななにかを。
【バッツ:魔法剣士 時魔法(魔法力消耗)/王子クーパー/リディア(幼児化)
所持武器:ブレイブブレイド/天空の盾、ロングソード/なし
現在位置:封魔壁前の砂漠北側→アルブルクの町
行動方針:非好戦的だが、自衛はする。レナとファリスを探す。最終的にはゲームを抜ける。
暫定行動方針としてパパス、アリーナ(アニー)との合流/両親探し/眠り】
164:1/3
02/11/03 19:54
「?」
リノアは首を傾げた。
鉛色に変わった空、その一角が赤い光に照らされている。
……そう、ちょうど自分が向かっている、アルブルクの街がある辺り。
(赤い……炎……まさか、火事?)
胸騒ぎがした。とてつもなく、不吉な。
だけど、行かなくてはならないような気がした。
何が起こったのか、この目で確かめなくてはいけない―そう思ったときには、彼女は既に走り出していた。
熱風が辺りを包み込んでいる。
その家は、最早原形がわからないぐらいに燃えていた。
だが、そんなことはどうでもよかった。
リノアの目を引いたのは、近くの地面にこぼれている、血の跡の方だ。
大量の血溜まりから、何かを引き摺ったように、火事の家へと続いている赤黒いライン。
そして街外れの方向に、点々と続く同じ色の跡。
(何があったんだろ……)
恐怖を感じつつも、リノアは街外れへと続いている血を辿ることにした。
165:2/3
02/11/03 19:57
こんもりと盛られた土。その上に、自分と同年代らしい青年が十字に組み合わせた木を立てていた。
その傍ら、年端もいかない少女が、小さな花を置いている。
「あの、誰か……亡くなった…んですか?」
リノアは思わず話しかけた。
二人は、彼女の存在に驚いたように目を見張る。
「あ……ごめん。悪気はないの。ただ、ちょっと気になって……って、不謹慎だよね。本当、ごめん」
「あ、いや、そういうわけではないのですが」
頭を下げるリノアに、青年は慌てて首を振る。そして、少し視線を逸らしながら、口を開いた。
「もしかして……あなた、リノアって名前、だったりしませんか?」
「え?」
名前を言った記憶はないし、会ったこともない。
それなのに、何故この青年は自分の名前を知っているのだ?
困惑するリノアに、少女が言った。
「ゼルって人から聞いた……っていうより、聞かれたの。あなたのこと」
166:3/3
02/11/03 19:59
「ゼル?!」
ゼル・ディン。バラムガーデンのSeed。大切な仲間。
彼の名前を、こんなところで聞けるとは思ってもいなかった。
「どこで会ったの!? もしかして、一緒にいるの? ねえ!」
いてもいられず、リノアは二人に詰め寄る。
だが、二人は何も答えずに、視線を逸らした。
その視線の先は………
「………え?」
十字架。花束。作られたばかりの、小さな墓。
「……冗談、だよね? まさか、そんなことって」
リノアは助けを求めるように、青年を見つめた。それから、急いで土を掘り返し始めた。
二人は、何も言わなかった。青年は俯いたままで。少女は、哀しげな視線をリノアに向けていた。
「……何、これ」
出てきたのは、顔のない、腕もない。胸から下だけの、ところどころが焼け焦げた身体。
しかしそれは、この間まで一緒にいたゼルの姿を、断ちがたく留めていた。
「全身は、見つからなかったんだ。……あの火事に、巻き込まれたんだと思う」
青年の言葉も聞こえなかった。
リノアは、ゼルの前で泣き崩れていた。
【ピピン/エーコ 所持武器:大鋏 現在位置:アルブルクの街外れ 行動方針;ゼルの埋葬】
【リノア 所持武器:妖精のロッド・月の扇/アルテマ×1
現在位置:アルブルグの街外れ 行動方針:放心状態】
167:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/11/03 21:02
>>157の捕足です
【エアリス:所持武器:無し】
【エッジ:所持武器 :忍者ロング】
【アルス:所持武器:無し(天空の兜 回収)】
【ティーダ:所持武器:いかづちの杖】
【ティナ:所持武器:エンハンスソード/プラチナソード】
【アーロン:所持武器:鋼の剣】
【リュック:所持武器:ブロードソード】
【モニカ:所持武器:無し】
【以下8名の現在の行動方針:マランダ北部平原にてとりあえず休憩】
【デモンズウォール:死亡】
168:アーサー
02/11/03 22:32
(アルベルクってとこに着いたらまずは家を探して休憩だな・・・・)
アーサーは、ただひたすら走っていた。
マランダの森を抜けて約2時間。
ようやく彼はアルベルクに着いた。
彼の目に入ったのは民家や街道などではなかった。
火、炎。
燃えている家であった。
初めは一軒しか燃えていなかったが近くの民家にその炎が引火し、三軒ほどの家が
炎で包まれている。
その炎の被害にあったのは家だけではないようだ。
その炎の中を目を凝らして見ると、人と思われる物体が倒れているのが見える。
「あ・・・・・あ・・・・あああああっ!!」
彼は悲鳴にならない声を上げアルベルクから脱出し、北へ。
ベクタの方角へ逃げるように走って行った。
【アーサー
所持武器:ひのきの棒
現在位置:アルベルク
行動方針:ベクタ方面へ移動】
169:テリー
02/11/03 22:46
・・・・・雨?
ゾーマからの放送を聞いたテリーは、慌てて来た道を引き返した。
体力の少ない自分が雨の中を走り、風邪でもひいてしまったら剣士の仇すら討てず
弱っているところを殺されてしまうかも知れない。
慌ててはダメだ。
冷静にならなければ自分で自分の首を絞めることになる。
テリーはそのことを知っていた。
(それにこんな武器じゃだめだ・・・これじゃあ誰も倒せない)
しかしティナへの怒りが消えたわけではない。
魔導研究所の扉を開け、テリーは中へ入っていった。
【テリー
所持武器:チキンナイフ
現在位置:ベクタ・魔導研究所
行動方針:謎の剣士の敵(ティナ)を取る 雨が降り終るまで武器の調達、休息】
170:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/11/03 22:53
>>10と>>51に疑問。
前スレの217見たら武器はブーメランじゃなくてくないだけど・・・
171:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/11/04 06:51
南に真っ黒い雲が見える。
南はもう、降っているのかしら。
首都ベクタから西の山道。結構急な坂のため近くの木の下でミレーユは休憩していた。
「これじゃあ雨に濡れてしまうわ…」
ミレーユはひとつ気がかりがあった。
テリーがこれに参加しているのは知っている。
…だけど、二人いるということ。
彼女の知っているテリーが二人いるということ。
年齢の違いはあれど二人のテリーがいることが信じられなかった。
そして、その二人が同時に行動しているはず…だった事。
どう占っても幼少のころのテリーしか見えず、もう一人のテリーは見えない。
嫌な予感がする。
もう一人のほうのテリーのはなんと呼ばれていたかしら。
思い出そうにも思い出せない。
兎にも角にも彼女の足は限界に近かった。少し、休もう。そう思った。
【ミレーユ 所持武器:ドラゴンテイル 現在位置:ベクタ西の細い山道 行動方針:テリーに会う】
172:パパス
02/11/04 09:27
「む…。」
パパスは痛む頭を振って、立ち上がった。
…何があった?
旅の扉に飛び込んだ後、扉が『歪んで』…後のことは、さっぱりだ。
「熱いな…。」
呟きながら辺りを見回してみれば、紅い光が目に付いた。
赤。ぐつぐつと煮立つ溶岩の赤。
…熱いはずだ。狭い洞窟の中で、ぐつぐつ溶岩が唸っているのだから。
「気絶していたのか?」
呟きつつ、座り込む。そして考える。
どれくらい気絶していた?そして…あの双子とバッツは…どこだ?これからどうする?
「…考えていてもしょうがない…な。」
あっさりとそう結論づける。現在の状況からソレを推測する事は、ほぼ不可能だ。
パパスは立ち上がり、ゆっくり歩き出した。適当な方向に。
【パパス
所持武器:アイスブランド
現在位置:封魔壁の洞窟
行動方針:バッツと双子を捜す。最終的にはゲームを抜ける。】
173:ゾーマ
02/11/04 10:16
静止した闇の中で、唸り声が聞こえた。
魔性のモノの咆哮か。闇に封じられた犠牲者の苦悶の声か。
それを知る者はいない。この世界の『支配者』ですら、それがどちらなのかは分からない。
知ろうとも思わない。どちらにせよ『支配者』にとってこの上なく心地の良い声だったから。
声の源は、ただ「ゾーマの城」と呼ばれていた。
空になったグラスから手を離すと、それは重力に従って床に落ち、砕け散った。
僅かに残ったワインが血のように床に広がる。そこまでは、普通だった。そこまでは。
割れたグラスから、際限なくワインがこぼれる。どう考えてもそのグラスには入りきらないくらいに。
それは、ワインではなく血だった。このゲームで流された全ての。
それを見てグラスを落とした者…ゾーマは髑髏のような顔を笑みのカタチに歪めた。
正義。友情。愛。この血は、それらを信じていた者達の血だ。血を流させた者も同じモノを信じていたはずだ。
(所詮は欺瞞に過ぎぬか…)
そう思いながらゾーマが指を鳴らすと、グラスの欠片はあっさり消失する。血と共に。
「時間だ。放送を始めろ。」
心が底冷えするような声で、ゾーマは傍らの影に命じた。
影はカタカタという足音を立てながら放送基材に向かう。
そして…放送は始まった。
174:ゾーマ
02/11/04 10:19
「参加者の諸君…元気かな?
そろそろ納得したか?このゲームのルールに。
出来ないのならかまわん。さっさと死ぬといい。逃れる手段はそれだけだ。
さて、我が手に抱かれた者の名を告げるとしようか。
「ベロリンマン」「モンスター爺さん」「トム爺さん」「ガーネット」「パノン」「トルネコ」「フリオニール」
「セッツァー」「謎の剣士」「ベアトリクス」「クイナ」「ホンダラ」「ケフカ」「ギルバート」「ガライ」
「グレーテ」「ラファ」「フラットレイ」「フローラ」「レオンハルト」「ゼル」「デモンズウォール」
…以上だ。
いいペースだ。多くの魂が我が手の中にある。
…貴様らが殺したのだ。だが気に病む事はない、もっと殺すがいい。生きたければ…な
…クッ…ハハハハハ…!」
175:ゾーマ
02/11/04 10:21
放送が終わった事を確認して、ゾーマは正面に手を伸ばした。
ふっ…とその手元に、さっき砕け散ったはずのグラスが現れる。
ゾーマはグラスの中のワインに口を付け、ニヤリと笑う。
不気味な笑みそのものが呪文となり、発動する。
…最初はぽつぽつと遠慮がちに、やがて我が物顔で雨が、降り始めた。
「エビルマージはどうしている?」
ゾーマは、唐突に影に…目の前の小さな影に問いかける。
「移動している…次の獲物を見つけたと見える…。」
独り言のように影が言う。影とゾーマは、共におかしそうに笑った。
「全てが思うままに行くと思うな。エビルマージ…。」
ゾーマは飲み干したグラスをことっ…と傍らに置く。
…黒い影がばっと振り返り、その身を包むローブを引きはがした。
ローブの下にあった腐肉と骨の塊が、立ち上がった。かちゃかちゃと音を立てて骨が組み合わさり、元のカタチを取り戻す。
もうすでにそれは『小さな影』ではなかった。
「あのような者にそれを言っても無駄でしょう。」
腐肉と骨を引きずるソレは、昔、『大魔王バラモス』と呼ばれていた者のなれの果てだった。
【フィールドに雨が降り出しました】
176:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/11/04 13:30
アーサーはアルベルクから離れるように北に向かっていが、雨がぽつぽつと降り出したかと思うとあっという間にざーざー降りになってしまい、
近くに見えた木々が折り重なるかのようになっている場所で雨宿りをしていた。
「すごい雨だ…」
気を落ち着かせるかのように体の力を抜き、樹にもたれかかるアーサー。
「雨か…子供のころを思い出すな…」
わざわざ雨の日を選んで魔法の練習させられたっけ。
「アーサー! この雨にも負けないほどの火力を生み出すんだ!」
「そんなこといってもできないよ、父さん…」
「ロトの血を引きしお前になら容易いことのはずだ」
「お前にはご先祖さまのように武器も魔法も自在に扱えるようになってもらいたいのだよ」
自在に、か。
今の僕はなんて中途半端なのだろう。
「ロトの血か…」
僕は本当にロトの血を引いているのだろうか? ロトの装備すら満足に扱うことのできない僕はなんなのだろう。
そういえば…旅の扉で僕を助けてくれた女性がロトの剣を持っていたような…。
ロトの剣を思う存分振り回せれるようになったなら…ゾーマも倒せるだろうか? こんな中途半端な僕から脱出できるだろうか?
そんなことを考えながら眠りについていった…。
【アーサー
所持武器:ひのきの棒
現在位置:アルブルクとベクタの中間地点
行動方針:ベクタへ移動】
177:1/3
02/11/04 14:04
ゾーマの放送の少し前
マランダの北、大陸のほぼ西端に位置する岩山のふもとでアルスたち8人は野営の準備を始めていた
もう少し休憩していたかったが、雨が降る前に多少なりとも凌げる場所へと移動しておかねばならなかった
アルスとアーロンがいろいろと準備をして回る中、ティーダはその傍らで寝かされている
「やっぱ俺も手伝うッス、あいたたた」
「今は無理をなさらない方が・・・・・」
起きあがろうとして脇腹を押さえるティーダを野草を摘んで帰ってきたモニカが抱きとめる。
威力を押さえられていたとはいえ、やはりデモンズウォールに殴られた傷は、かなりの深傷だった
回復呪文で処置してはあるが完全復活までには、まだ多少時間がかかるようだった。
退屈そうにごろりと寝返りをうつティーダの背中を、モニカがやさしくさすっていた。
アルスたちがドタバタと働いているころ
「行ってしまうのね・・・・・・」
そこから少し離れた広場で、エッジがエアリスに別れを告げていた。
「ああ、これだけ人数がいれば俺なんか必要無いだろ・・・まだ借りも返していないってのに悪ぃな」
それを聞いてエアリスは少し申し訳ないような表情になる。
「借りなんて、そんなもう充分・・・・」
「まっ、とにかくそんな訳だ、俺は一足先に行かせてもらうぜ」
そのまま走り去ろうとしたエッジをさらにエアリスが引き止める
「じゃあ、せめて皆に一言でも・・・・」
それを聞いてエッジは照れたように笑う
「そういうの苦手でね、よろしく言っといてくれよ」
「分かったわ、でもまた会えるよね?」
エアリスもそれ以上引き止めようとはしなかった、エッジは心配そうに見つめるエアリスへ笑顔で応える
「当然じゃねぇか!次会うときはもっと大勢の仲間を連れてきてやるぜ!!、じゃぁまたな!!」
そう言ってエッジが印を切ると木の葉が舞い散り、それが晴れた時にはエッジの姿は何処にも無かった。