FFDQ千一夜物語 題百八十五夜at FF
FFDQ千一夜物語 題百八十五夜 - 暇つぶし2ch2:さ
02/05/12 00:58


3:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/05/12 00:58
3

4:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/05/12 00:58
4

5:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/05/12 00:59
2げっとやで~

6:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/05/12 00:59
>>5
おめ

7:ギコガード ◆FFDQ/roc
02/05/12 00:59
【過去スレ】

FF&DQ官能小説スレッド
URLリンク(north-cape.parfait.ne.jp)

FF官能小説スレッド PART2
URLリンク(north-cape.parfait.ne.jp)

FF・DQ千一夜物語
URLリンク(north-cape.parfait.ne.jp)

FF・DQ千一夜物語  第九六夜
URLリンク(north-cape.parfait.ne.jp)

8:ギコガード ◆FFDQ/roc
02/05/12 01:00
あー、過去スレ間に合ってよかったぁ!!
危うく10レス目以降になるところだったよ(´Д`)

9:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/05/12 01:02


10:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/05/12 01:05
やっぱり愛だろ、愛。

11:ギコガード ◆FFDQ/roc
02/05/12 01:12
とりあえず千一夜の方、過去ログとリンクを更新しました。
あと、●を買ったんで程度によりますがこの板内の
dat落ちしたスレのhtml化を請けおいますんで、
期待しないでURLを添えて要求してみてください。

あんまり多かったら対応出来ないかもしれないけど…。

12:ギコガード ◆FFDQ/roc
02/05/12 01:13
あああ!!! タイトル、誤字が残ったままだ!!
しまったぁぁ(´・ω・`)ショボーン

13:BlackVeil ◆Dry.6666
02/05/12 01:49
性懲りもなくまた立てやがったのか。

14:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/05/12 01:53
いいじゃねーか意味があるスレだと思うがね
他の糞スレに比べて

15:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/05/12 01:58
もちろんマンセーだぜ!
でも『題百八十五』は間違(略)

16:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/05/12 02:01
スレ落ち防ぐにはここでの連載小説増やせばOKなのではないの?
ところで『題百八十五』はちが(略)

17:ギコガード ◆FFDQ/roc
02/05/12 02:07
そうだなぁ。何か書こうかな?
でもおのおのの書き手さんは適したスレに書いた方が
レスやら反応やらもらえて良いと思うんですよね。

タイトルは……ε=ε=┏( ´Д`)┛

18:BlackVeil ◆Dry.6666
02/05/12 02:12
ああ、悪かあねえな。
でもタイトルは『FFDQ千夜一夜 題四十八手』ぐらいにしたかったな(藁

よってエロ小説書けギコガード。

19:ギコガード ◆FFDQ/roc
02/05/12 02:14
題は……。゜(゜´Д`゜)゜。

エロ小説は書くよ。
最近書いてないからなぁ。

20:BlackVeil ◆Dry.6666
02/05/12 02:22
題名:
『ドラゴンクエスト外伝 ネネの北斎漫画入門』

でどうよ?
たこまじんやエレフローパーとのカラミが見どころ。

21:BlackVeil ◆Dry.6666
02/05/12 05:00 QyRpDXwg


   /    ○      ○ ヽ
 /        ____    ヽ           |      |                         _  
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ヽ                   /         _/      |____     __|    /
 ヽ                 /
 

22:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/05/12 07:32
。。。前も途中でdat落ちしたのにまた立てたのか、この糞スレ。

23:ギコガード ◆FFDQ/roc
02/05/12 08:04
いつ止めてもいいんだけどね……。
何でこんなことやってるのか自分でもわからん時があるよ。
いっぺん始めちゃったから後は惰性かなぁ……。

24:ギコガード ◆FFDQ/roc
02/05/12 11:13
お絵かき掲示板のログを更新しました。
401から800までの分です。
絵板のトップにあるリンクから倉庫に移動出来ます。

12時から徹夜で作業して10時間かかってしまった…。
死にそう。

25:ギコガード ◆FFDQ/roc
02/05/12 11:16
えーと、最萌トーナメントで自炊支援としてスレに
書き込まれた小説をこのスレに転載してもらえると
ありがたいのですが、どなたかお願い出来ませんか?
転載されたもの全てを保管するとは保証出来ませんけど…。

26:いたずら
02/05/12 11:16
 お兄ちゃんがヘンだ。
 世間一般の同じ年頃の男の子たちと比べると、確かに風変わりなお兄ちゃんだけど、そういう意味じゃないヘン。近頃、お兄ちゃんは様子がおかしい。浮き足立っているというか、地に足がついてない感じ。
 そんなお兄ちゃんが、お昼下がり、木陰の下で大の字に寝そべっているのを発見した。驚かせちゃおうかな?なんてイタズラ心がわきあがって、抜き足差し足忍び寄ってみる。
「おにい……ちゃん?」
 お兄ちゃんは寝ていた。口をぽかーんとあけてかっこわるい。よだれがこぼれちゃいそうな勢いだ。
 仕方ないなぁ、と笑って上唇と下唇をつまんでくっつける。少し鼻息が大きくなった。手を離してしばらくすると、また口が開く。閉じる、開くを何度か繰り返して、ようやく閉じたままになった。本当はうっすらと開いているけど、これくらいは妥協してあげよう。
「ん……」
 眠っているお兄ちゃんに唇を重ねる。お兄ちゃんの唇は冷たかった。
 ─本当は、お兄ちゃんじゃなくて、わたしの方が変。だって、兄妹なのにこんなにお兄ちゃんが好きなんだもん。わたしの気持ち、きっとお兄ちゃんは気付いてる。だから最近、困惑してるんだと思う。
「さてと、お兄ちゃんが起きる前に……」
 不自然なくらいピクリとも動かないお兄ちゃんを残し、お城に戻る。去り際、一言だけ耳元に囁いた。眠っているはずなのに、お兄ちゃん、顔真っ赤になった。

「本当は起きてるでしょ、お兄ちゃん」

27:ある部屋での出来事
02/05/12 11:17
 ベッドに眠るアリーナのあどけない寝顔を見下ろしクリフトは囁く。
「姫様、姫様……」
 アリーナの寝顔に変化はない。クリフトは小さく息を洩らし表情を和らげると、彼女の眠るベッドに腰をおろし手を彼女の髪に伸ばした。
「さて……」クリフトは呟く。
 考え事は二つ。一つは彼女をどうして起こすかということ。これが目下、優先すべき事柄なのはわかっている。もう一つはどのような言葉でもってすれば彼女の寝姿の愛くるしさを表現することが出来るだろうかということだ。
 彼にとってこうした思索は時と場合を選ばず最も優先され、そのためにしばしば失敗をしでかしそうになる。
 クリフトは頭をふり、気持ちの切り替えを図る。彼女の魅力について想いを馳せる時間は今でなくともいつだってあるのだから。 
「姫様、時間ですよ。起きて下さい」
 露出した彼女の肩に手を置き軽くゆすりながら、声をかける。肩までかけられたシーツが揺れ、出来た隙間からアリーナの肌が覗く。思わず見つめてしまい、慌てて視線をそらし咳払いする。照れ隠しの意味もあるのか、多少語気を強めアリーナの名を呼んだ。
「う……ん……」
 アリーナの声。クリフトはそれだけで満足してしまいそうになる自分を恥じ頬を染めた。
「姫様、もう時間がありません。起きて下さい。早く準備をしなければ……」
「うーーーー。もう少しだけ……」
 目覚めたもののまだ微睡みの中にいるアリーナは今の状況がよくわかっていない。あと半刻もしない間に彼女が部屋に戻らなければ、家庭教師役を勤めるブライがいつアリーナを探しここ、クリフトの部屋へやって来るかもしれないというのに!
 クリフトは心を鬼にしてアリーナを急きたて、身だしなみを整えさせた。彼女の着替えに背を向け、クリフトは
「次は寝かさない方が良さそうですね……」
 と一人ごちた。背中越しにアリーナの恥じらいが伝わって来たような気がして、クリフトはまた白々しい咳払いを一つ。

28:今は居ぬ犬、今そこに居る君
02/05/12 11:17
 王都墜とされ不遇の身をかこっていたムーンブルク王女セリアが、同じく王族であるローレシア王子アレンとサマルトリア王子クッキーの旅に加わり早三ヶ月が過ぎようとしていた。
 セリアが仮の姿で過ごしていた頃の話を、アレンやクッキーが振り返ることは少ない。たとえ心の中で思うところあったとして、それを口に出すことは希だった。誰にも触れられたくない事柄があるのである。
 過去を振り返ることはままあった。そこには若さ故の過ちに対する反省と、自らの勇気に依る誇りがある。それでも、二人の王子はセリアが席を外している時でさえ、ムーンペタの町であった出来事は避け続けていた。
 そんな三人だが、ごくごく偶にセリアが犬の姿で居た時のことが俎上に乗ることがある。

 ─それは、ちょっとした行き違いから彼女が激昂したときだ。

29:今は居ぬ犬、今そこに居る君
02/05/12 11:18
「こんなこと、お前に話しても仕方ないんだろうけど……、不思議だ。お前を見てると何故かセリアのことを思い出すよ。……セリア、今頃どうしているんだろう。もう何年も会ってないけど、無事ならきっと綺麗になってるだろうな……。
 いや、何を気弱になっているんだ俺は! 無事でない筈がないじゃないか! ……でも、こんなことになるならもっと早く彼女をローレシアに迎えていれば良かった! 俺に勇気が足りないばかりに!!」

「そう言えばセリアは動物が好きだったなぁ……。お前を連れて行けば、喜んでくれるかな? セリアの持ち物が何か一つでもあれば、お前に探すのを手伝ってもらうのにな、なんて……。
 ……セリア、今頃どこでどうしているんだろう。お願いだから無事でいてよ……。こんなことになるなら、サマルトリアは妹に任せてムーンブルクに入れば良かった! そうすれば、敵を退けるまで言わない、せめて彼女だけは守り通して見せたのに!!」

30:今は居ぬ犬、今そこに居る君
02/05/12 11:18
「どう、忘れたとは言わせないわよ!? あなたたち、どっちもわたしのこと好きなくせに、肝心な時に側にいてくれなかったんだから!」

 誰にも触れられたくない事柄がある。
 アレンとクッキーは極力この話題を避けようとするのだが、セリアがそれを許さない。切り札と言わんばかりに、ここぞと言うとき彼女は二人の台詞を物真似込みで語って聞かせるのだった。
 自分の発言を聞かされるだけでも恥ずかしいのに、それを恋敵に聞かれるとあってはもう耐えられない。二人は耳を塞ぎ、顔は真っ赤で懇願するのだった。

「お願いだからやめてくれええぇぇぇぇ」
「あれは気の迷いだったんだよおぉぉ」











「それで、セリアは僕と」
「俺と」
「どっちが好きなの?」
「……んーふふふ、それはまだ、ナイショ」

31:ギコガード ◆FFDQ/roc
02/05/12 11:19
とりあえず、自分が書いた分を貼っておきました。
よろしくおながいしまつ。
いいかげん、寝よう……(´Д`)

32:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/05/12 15:18
作業辛そうなのが見ていて悲しいです。。
保管の数を絞るとか(申告制にするとか)してのんびりできませんか?

33:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/05/12 16:14
復活おめでとさん

34:◆MOMO/RMo
02/05/12 16:25
ギコガードさん、お疲れ様です。
ゆっくりお休み下さい。
ナナシクラゲさんは、ここのスレ見てるかな?
あのムーンたん自炊SSは保管対象でしょう。エガッタ!
自分のは、小説ではないので貼り付けないことにします。

さて、ナナシクラゲさんを捜しに冒険に出るか……。
一応、本人の了解がないとね。
4女勇者スレあたり?に逝ってきます。はじめてのおつかい♪

35:ナナシクラゲ
02/05/12 23:38
MOMO様に捜されてまいりました~。その辺ふわふわ漂っている
空気コテなもので、お手数かけて申し訳ないです。
ムーンたん支援SS、気に入っていただけたのなら幸いでつ。
ギコガードさん、スレ立て&更新お疲れさまでした。
のんびり休まれてください。
自炊支援転載を……とのことなので、シンシアSSも一応、ウプ
させていただきますね。今後も、支援SS書いたら、こちらに
転載するようにいたします。もちろん、保管するかしないかは
ギコガードさんにお任せいたします。

36:A dog meets boys
02/05/12 23:40
 彼らがムーンペタの町に入ってきたとき、わたしにはすぐにわかった。
 だから、とっさに逃げて、路地裏に身を隠した。
 だってこんな姿見られたくないじゃない?
 なのに、人の気も知らないで、彼らはあっさりわたしを見つけて、あまつさえ話しかけてさえきた。
「かわいいなー。お前、どこの子?」
「なんか元気ないみたいだね。お腹空いてるのかな」
「何か食べ物あったっけ?」
「うーん、お弁当はお昼に食べちゃったし。薬草ぐらいしか……」
「薬草かぁ。ないよりマシかな」
 ……ちょっと待って。
 わたしは、脳天気な笑顔を浮かべてる2人を睨みつけた。
 彼らがハーゴン退治の旅に出たというウワサを、わたしはこの町で聞いていた。2人の旅装束を見ても、それが本当だということはわかる。
 だったら、薬草は必需品なんじゃないの? たとえサマルトリア王子がホイミを使えたって、いざという時のために、大切にとっておくのが普通でしょう。
 それを通りすがりにあげてどうするのよ!
 ―と、訴えたわたしの言葉は、当然2人に通じるはずもなく。
「食べるかなー?」
 サマルトリア王子がわたしに薬草を差し出す。もちろん、わたしは首を振って断った。
「好き嫌いしてると大きくなれないぞ。大丈夫、この薬草はローレシア王国の特産だ。うまいぞー」
「……薬草の味なんか、似たり寄ったりだと思うけど」
「いーや、全然違う。噛みごたえといい、傷の治りの早さといい……!」
 目の前で漫才繰り広げる2人に脱力する。

37:A dog meets boys
02/05/12 23:41
 ……あんまりだわ。このとぼけたコンビに世界の運命が託されてるなんて。
 もどかしい。もうちょっとしっかりしなさいって、言いたくなっちゃう。
 あなたたちだけが頼りなんだから。
 わたしたちの轍は、踏んで欲しくないの。
 一国の軍も魔物には叶わなかった。
 ロトの血も、1人だけでは何もできなかった。
 なすすべもなく、倒れていく人を見ることしかできなかった。
 炎の中に崩れていく城。兵士の悲鳴。お父様の、血を吐くような叫び―!
 と。
 物思いに沈んでいたわたしを、ローレシア王子がひょいと持ち上げた。
「ホント、元気ないな、お前。病気でもしてるのか?」
「お医者さんに連れてってみる?」
 ちょっと、レディに何てことすんのよー!
 わたしはローレシア王子の手の中でジタバタもがく。
 だって、わたしってばつり下げられる格好になってて、その……。

38:A dog meets boys
02/05/12 23:42
「あ、こいつメ」
 わたしは思いっきり王子の手に噛みついた。その先は、言ったらコロス!
「いってー!」
 王子がわたしを放り投げる。わたしは空中でくるりと回転して、地面に降り立った。
「あははは、猫みたいな子だね」
「笑い事じゃないぜ。急に何なんだよまったく。いってぇ~」
「抱き上げられたのが嫌だったんじゃないの? この子、野良みたいだし」
 あれは抱き上げるなんて可愛いものじゃないわ、サマルトリア王子。
 ……とはいえ、ちょっと悪かったかな。
 手を押さえてヒイヒイ言ってるローレシア王子の前に、わたしはさっきもらった薬草を置いた。
「へえ、頭もいいんだな」
 サマルトリア王子がわたしの頭を撫でてくれる。……不覚。気持ちよかったわ。
「いいよ、これはお前にやったんだから」
 ローレシア王子が唇を尖らせ、わたしに薬草を戻した。むっとして、わたしはまたその薬草を彼へと押しやる。彼はますます不機嫌な顔になって、薬草を掴むとわたしに差し出す。わたしは首を振る。
「……ぶっ」
 サマルトリア王子が吹き出した。
「何だよ」
「いや、何か、似てるなと思って。2人とも頑固で」
 失礼な。

39:A dog meets boys
02/05/12 23:42
「ちぇ。もう行くぞ」
 むすっとした顔で立ち上がると、ローレシア王子は踵を返した。あ、ちょっと、薬草は?
「またね」
 小さく手を振って、サマルトリア王子も後に続く。
 わたしは薬草をくわえて、慌てて王子たちを追いかけた。
 本当のことを言うと、薬草はもうどうでもよかった。ただ、2人と一緒にいたかった。
 だから、2人が町にいる間中、ついて回った。王子たちが宿屋に泊まった後は、その前で夜を明かした。
「お前、一晩中ここで待ってたの?」
 宿屋から出てきたサマルトリア王子はビックリしてた。ローレシア王子が参ったなというように頭をかく。
「エサなんか与えたから、懐いちまったのかな」
「僕たちは、君を連れて行くわけにはいかないんだよ」
 しゃがみこんで、わたしを撫でるサマルトリア王子。
 わかってるわ。今のわたしがついてったって、足手まといになるだけだって。こんな姿じゃ、武器も防具もつけられない―何より、呪文が唱えられない。
 だけど、せめてお見送りぐらいさせてよ。
 わたしは王子たちの先に立って歩き出した。
「おいおい」
 戸惑う2人を振り返って、ひと声かける。そしてまた、歩いていく。
 本当は、一緒に行きたい。昨日一日でわかったけど、この子たちったら、本当に頼りないんだから!

40:A dog meets boys
02/05/12 23:43
 普通、町に着いたら一番に防具屋や武器屋行ったりして、装備を調えるものでしょう? なのに、2人が真っ先に行ったのってどこだと思う? 福引き所よ、福引き所!
 しかも、ハマっちゃって、延々延々と引いてるし。これがまた、いいタイミングで当たるのよ、福引き券が。
 結局、閉店間際になって、あわてて武器屋に駆けこんだのよ。あんなんじゃ、武器の吟味が充分にできないじゃない。
 本当にもう……。
 それでもね、あなたたちしかいないんだから。―わたしには、もう、できないから。
 町の門に来ると、わたしはぴたりと足を止めた。目の前を行きすぎる2人を見上げる。
 頑張って。大変なこといっぱいあると思うけど。
「なんだ、見送りだったのか」
「本当に頭のいい子だね。こういうところは似てないね」
「何だと!?」
 ……万感の思いを込めて見つめたんだけどね。まあ、わかるとは思わなかったけれど。
 わたしを放って、またもや漫才を始める2人に頭を抱える。
 いい加減にしなさい、と、ひと声鳴くと、2人がピタリと会話を止めた。
「何だか叱られてるみたいだね」
「チビのくせに生意気なヤツ」
 ローレシアの王子がしゃがみ込んで、わたしの鼻を軽く弾く。もう、痛いじゃないの。
「心配すんなって。俺たちは強いんだから」
「絶対、負けたりしないよ」
 サマルトリア王子がまたわたしの頭を撫でる。

41:A dog meets boys
02/05/12 23:45
 ……通じてたの?
「じゃな、お前も元気でな」
 ニコリと笑って、あっさりと2人は離れていく。
 わたしは思わず一歩踏み出して―でも、追いかけるのを必死で堪えた。
 目の端に映る茶色の足。
 小さな子犬。
 それが、今のわたしの姿。
 ハーゴンは手下を使って、わたしに生涯消えない呪いをかけた。
 悔しくて憎くて悲しくて。
 いっそ死んでしまいたいと思ったこともあった。
 だけど―。
 旅立っていく2人の背中が遠くなる。
 ロトの血を引くわたしの仲間たち。
 あなたたちが起ってくれたから、また希望が持てたの。
 信じてるからね、さっきの言葉。
 絶対、絶対、ハーゴンなんかに負けないでね。
 待ってるから。その時が来るのを、ずっとずっと待ってるから―。


 ―――ところが。
 感動の別れ―わたし的に―から、わずか1日後。
 わたしは、ムーンペタの町でローレシア王子とサマルトリア王子に早くも再会してしまった。

42:A dog meets boys
02/05/12 23:46
 旅立ったんじゃなかったの?
 2人はわたしを見つけると、顔中に笑顔を浮かべて駆け寄ってきた。
 いえ、あの、そりゃわたしも再会は嬉しいけど。
 旅はいったいどうなったのよぅ。
 複雑な気分で王子たちを見上げるわたしの前に、ローレシア王子が何かを取り出した。
 鏡だ。丸い鏡面に、子犬の姿が映って―。
 その途端、わたしは奇妙な衝撃に包まれた。体が痺れるような、それでいて何かから解き放たれるような。
 ―気がついたときには、わたしは元の姿に戻っていた。
 元の、人間の姿に。
「……って、きゃああああああああああ!」
 わたしは慌ててしゃがみこむ。
 だって、わたしってば、何も着てなかったんだもの。
「何見てるのよー、あっち向いてて!!」
 わたしの叫びに我に返ったらしく、2人が慌てて後ろを向く。
 サマルトリア王子が後ろ手に差し出してきたマントを、わたしはひったくるようにして身につけた。
 それから立ち上がって、自分の体を点検する。……うん、手も、足も、ちゃんと元に戻ってる。顔も触った限りでは異常ないみたい。
 一生消えない呪いだというのは、どうやら嘘だったらしい。
 許すまじ、ハーゴン。
 乙女の玉の肌を見られた罪は重いのよ。

43:A dog meets boys
02/05/12 23:47
「もう、大丈夫よ」
 振り向いた王子たちに向かって、わたしはニッコリと微笑んだ。
「元の姿に戻れるなんて……。もう、ずっとあのままかと思いましたわ。わたしはムーンブルク王の娘。わたしもあなた方の仲間にしてください。ともに戦いましょう!」
 早口で、有無を言わせずまくし立てる。
 まだ真っ赤な顔の2人は、「でも、女の子が……」とか「危ないから」とか呟いてたけど、結局、わたしが押しきった。
 だってもう、遠ざかっていく背中を見送るなんて寂しいこと、したくない。
 待ってるだけなんて、絶対できない。
 一緒に戦いたいの。わたしも、ロトの仲間だもの。
 それに―。
 わたしは福引き所へと向かおうとする2人の腕をはっしと掴んだ。
「……まずは、武器や防具、道具を揃えてから、時間があったら福引きしましょうね」
 ええ~と不満そうな声を上げ、2人がガックリと肩を落とす。
 これだもの。頼りないというか、呑気といおうか……。
 だからやっぱり、わたしがついてなくっちゃ、ね。
                  (終)

44:解けない魔法~奇跡の物語~
02/05/12 23:48
 ―これは奇跡の物語。

 その時が来るのを知っていた。
 だから、不思議と恐怖はなかった。
 悔しそうな顔を作って魔物の顔を見上げながら、私の心は穏やかだった。
 いいえ、悔しい気持ちはちょっとあったかも知れない。
 覚悟はしていたけれど、敵の襲撃はあまりに突然で、私たちはあっけなく蹂躙されてしまった。
 私たちの前に、魔物の首領は姿すら見せていない。かなうことなら一太刀浴びせたかった。
 脇腹が熱い。
 どくどくと脈を打って流れ出す熱い滴りが、膝をつく私の下に血溜まりを作る。
 もうすぐ、その時はやってくる。
 目の前の魔物が、嘲るように笑った。分厚い唇がまくれて、尖った牙が覗く。
 そうして、剣を構えてゆっくりと近づいてくる。
 放っておいてもその時は間近いけれど、相手はそれをさらに短縮させるつもりらしい。
 私は、わずかな残りの魔力を指先に集中させた。
 魔物の首領は無理だとしても。
 せめて、お前ぐらいはおみやげにさせてもらうわ。
 魔物が私に向かって手を伸ばしてくる。
 ―まだよ。

45:解けない魔法~奇跡の物語~
02/05/12 23:50
 私の胸ぐらを掴んで、つり上げる。
 ―もうちょっと。
 息苦しくて、少しのけぞる。咳と一緒に血の塊が吐き出された。
 魔物はそれが嬉しかったのか、下卑た笑いを浮かべて、いたぶるように私の喉元に剣を当てる。
 ―今!
 充分に近づいたのを見計らって、相手にイオナズンを放とうとした、その瞬間。
 私は自分の―勇者の―姿がブレているのに気がついた。
 まさか。
 モシャスが解けかかっている?
 ―ダメ。
 ここで解けては、何もかもが無駄になってしまう。
 私はぎゅっと手を握りしめた。指先に集まっていた魔力を拡散させる。
 魔物は自分が命拾いしたことにも気づかずに、ニヤニヤ笑いながら喚いている。
 私は魔力を体中に広げる。
 目を閉じて。
 勇者の姿を思い浮かべる。
 あの子の姿を刻みこむ。

46:解けない魔法~奇跡の物語~
02/05/12 23:51
 心の中だけじゃなくて、体中に、強く、強く。
 私の魂が離れても、この身がずっと覚えていられるように。
 ―いつも一緒にいたね。
 緑の森で。光きらめく川辺で。風薫る花畑で。
 剣が重くて掌にマメを作ったり。魔法の宿題を額つき合わせて考えたり。家の壁にイタズラ描きして叱られて。
 かけっこ。お昼寝。ピクニック。
 楽しかったよ。
 幸せだった、あなたといられて。
 私が勇者を―あなたを守る。
 それは今、神様にだってできない、私だけの特権。
 それがとても誇らしい。
 ―どうか。
 どうか、あの子の上に祝福を。
 運命に立ち向かっていける力を。
 どうか―どうか、幸せになってください。
 それだけが私の祈り。

47:解けない魔法~奇跡の物語~
02/05/12 23:52
 ……大好きよ。


 魔物が大きく剣を振りかぶる気配がする。
 その時が、きた。



 勇者の死体を見た魔物は誰も、デスピサロさえもそれが偽物だとは考えもしなかった。
 何故ならば、モシャスは術者が命を失えば効力の失せる魔法だからだ。
 骸がある以上、それは本人でしかあり得ないと、魔物たちは頭から信じこんだ。
 ―それは、奇跡の物語。伝説が始まる前に、少女の想いが起こした、解けない魔法の物語。
                       (終)

48:ナナシクラゲ
02/05/13 00:05
お粗末様でした。
もうひとつ、シンシアSSを女勇者スレにウプしてあります。
こちらはリンクで大丈夫ですよね?
スレリンク(ff板:73-74番)

他の方の支援SS、貼り付けたいのがイパーイ……。
勝手に貼っちゃ、やはりマズイですよね。作者のわからない
支援はどうすればいいのだ。ウガー!

49:ギコガード ◆FFDQ/roc
02/05/13 00:09
ありがとう~∩(´∀`∩)ワショーイ

そのあたり、俺にもどうすればいいのか
わからんちんって感じであります!

50:◆MOMO/RMo
02/05/13 20:42
おお、ナナシクラゲさん、さんくすです!

ギコガードさん、とりあえず作家さんがいそうな

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に最萌小説アップ要請しておきました。

はー、疲れました。ギコガードさんの苦労が少しわかったような気がします。
またフォズたんものができたら、ここに書かせて下さい。では………。

51:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/05/13 21:09
ギコガードさんお疲れです。遅くなりましたがスレ立て乙です!
ずっとこのスレ探してたんだけど復活してくれてよかったー。
いつも楽しみにしています。体に気をつけてがんばって。

52:NEZMY ◆NezmymcE
02/05/14 02:13
あ~~やっと見つけました~~。遅ればせながら、新スレ、おつかれさまです。
ナナシクラゲさんに探されているシンシアSS書きで~す(探されてないですか??)
えと、あと、最萌えではミネアとアリーナで書いてました。
アリーナ敗退につき、今までに書いたのをゆっくり手直ししようと思っていたところです。
今日のところは、ご挨拶まで~♪

53:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/05/15 02:58 nbaLB6FY
hozen

54:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/05/15 08:48
早速保全か・・・今度dat落ちしたら二度とクソスレ立てるなよ
ただでさえクソスレ乱立で規制厳しくなってるのに
>いっぺん始めちゃったから後は惰性かなぁ……。
オナニーもほどほどにしとけ、ウザい

55:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/05/15 09:25
保守

56:◆NezmymcE
02/05/15 12:06
なんだか保守だと、文句がでちゃうんでしょうか‥‥
私はこのスレが好きなので、ちょっと悲しいです。

ということで、シンシアの時に出したお子さま勇者を。

お子さま勇者の想い出ばなし-1

「死んでしまったら、どこへ行くの?」
幼かった頃、飼っていた仔犬があっけなく死んでしまった時。
泣きじゃくりながら聞いた僕に、シンシアは優しく言ってくれた。
「きっとお星様になるのよ」
「どうして?」
「身体が無くなってしまっても、お星様になれば、ずうっとあなたを見つめていられるしょ? 好きな人の事はずっと見つめていたいでしょ? だからよ」
「でも、お星様なんて沢山あって、僕にはどの星なのかわからないよ?」
「そうか……あのね」
シンシアは僕の手を取って、その手を僕の胸に当てた。
「いい? 死んでしまっても、死んでしまった人は胸の中にいてくれるの。そしてね、それだけじゃなくって、お星様にもなっていてくれるのよ」
「どうして?」
「死んでからも見守っていたいからかなあ」
「……僕にはよくわかんないや」
「そうね、今はわからないかもねえ。でもいつか、思い出してね。もし私が先に死んでしまっても、私は星になって見守っているって」
「やだよ、シンシアはそばにいてくれなくちゃ」
「うふふ、ありがとう」

泣きながら眠ったあの日。思い出すと胸が痛い。
そういう時は、空を見上げる。昼でも、夜でも。その向こうに彼女がいるはずだから。
大人になった今考えると、あの時のシンシアとの会話は噛み合ってなかったなと思うけど。
まあ、それはそれとして。とにかく、彼女が星になっていてくれればいいなと、僕は思う。
心の綺麗な彼女のことだから、とても美しい星に生まれ変わっているだろう。

57:ギガコード
02/05/15 15:19 L2Sf6GDY
そうかい、じゃあもうやめるよ
せいせいするぜ

58:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/05/15 16:27
>54
雰囲気乱すような発言はやめてほしい

59:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/05/15 21:24
ギコガードはどうでもいいが、ヤツがいなくなると絵板とうぷ板がなくなるのが痛い
職人も減るかもな・・・・

60:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/05/15 21:52
圖穡なくなるんか・・・
よーしワョ,ヲ、がんばって圖穡蜚っちゃうぞー

61:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/05/15 22:36
>57
わざわざID出して「ギガコード」



……ワラタ。

62:R@no-name
02/05/15 22:40
うぇぇぇぇん みんなおちけつ~
     。  ∧_∧。゚   ド
      ゚(゚ ´Д`゚ )っ゚  ド
       ( つ  /    ォ
      ( |  (⌒)`)   ォ
    (´ ´し'⌒^ミ `)`)ォ
               !!

63:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/05/16 02:57
>62
まったくだねw

ギコさんに続けて欲しいのはやまやまだけどそれを強制するのは
酷だよなあーといつも思ってるよ

小説の数も増えまくってるしさ
誰か手伝ってあげれば?

64:◆NezmymcE
02/05/16 10:18
お手伝い……
できることならしたいと思いますです。
しかし、具体的にはどうすればいいのやら。

保管する小説をギコさんの保管サイトのレイアウトに沿ってHTML化して、
一旦自分のサイトに上げて、ギコさんが後でそれを拾う、というような形なら
お手伝いになるでしょ~か。
しかし、どのスレから保管すればいいのかよくわからない罠。
このスレだと前スレあたり?

65:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/05/16 10:38
>>63
いいんじゃねーの?最初本人から名乗り出たんだし。
好きでやってるんだろ?

66:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/05/16 12:07
R@no-name様 お久しぶりです。(*⌒ヮ⌒*)ゞ
もうFF小説は書いておられないのですか?
dat落ちしたスレ悲しく思っておりました。
もしご自身のHP等お持ちでしたら誘導お願いします。
蜜國様もどこへ行ってしまったのか・・・ 。・゜・(ノД‘)・゜・
ギコさんの保全にはただただ感謝する日々です。
皆さんマターリ行きましょうね?

67:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/05/16 17:15
だべ

68:ギコガード ◆FFDQ/roc
02/05/16 21:29
あらあら、まあまあ。
保管作業は >65 の言うとおり、自分の好きでやってる
ことだからお気遣いは無用ですよん。
手伝ってもらえるなら、小説があるスレの情報とか
書き込んでもらえると嬉しいです。
次の更新では女勇者スレとティファスレから拾い上げる
予定ですが、確かそれも誰かから聞いたような……。

糞スレの乱立する現状ですが、一応は支持してくれる
人もいるんで下の方でひっそりと続けさせてもらえたら
なぁと思うんですが。
このスレが糞スレじゃないとは言いませんけど。
次スレからは地下スレでも再利用しようかな。

つーかFFXI、未だに会員登録出来ないんですが…(´Д`)
あっちで俺の姿を見かけたら一声かけてやって下さい。
タルタルもにゃー、じゃなくてタルタルを使う予定でっす。

69:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/05/16 21:53
ろくきゅー!!

70:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/05/16 23:31
ギコさんうらやましー!買ったのね
はまりまくって保管できなくなったりしてw

XIの小説って出てくるのかな?
どういう形なんでしょうね。

71:R@no-name
02/05/16 23:41
>66
えと……誘導って根城にご案内してくんろということでふか?
ではまずググールで官能スレにて連載中のカプ名を検索して
やたら長い名称の同盟を探してください
同盟から本館サイトへ移動しましたらトカゲを見つけてぷちっ
とやるとメルフォームが出てくるのでそこからご連絡ください

小難い説明ですが一回ここの板にアド置き逃げされてごっつヒヤヒヤ
したのですんまそんです( ´Д`)

72:保守
02/05/17 18:51
 .

73:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/05/17 21:35
FF11スレ乱立のおかげで一時も気の抜けない保守作業(w
エロ書けんからここでなら披露できるかな~というネタ検討中なので、
どうか落ちずにいてください。

74:56
02/05/17 22:53
56と同じく、お子さま勇者の話の続きです。

お子さま勇者の想い出ばなし-2-1

「シンシアにだまされたのかい? おやおやまあまあ、あの子もいたずら好きだからねえ。覚えたばかりの魔法を使ってみたかったんだろうさ。で、何に化けてたんだい?」
「……カエル」
母さんは、大笑いした。
「お前が小さい頃、カエルが大嫌いだった事を忘れちゃったのかね~。それともわざとかねえ。やっぱり今でもカエルは怖いのかい?」
「そ、そんな事ないよっっ。もう僕だって大きくなったんだからっ」
ほんとは、ちょっとだけ今でも嫌いだけどさ。でもちょっとだけ、だからなっ。
「でもさあ、カエルのシンシアに『勇者様』って呼ばれたんだよね。いつもみたいに名前で呼ばれたらすぐに気付いたのにな~。ばれないようにそう呼んだのかな」
母さんは、何故か、ちょっと真面目な顔になった。
「お前は、勇者と呼ばれるのは嫌かい?」
「ん~、村の皆が僕を勇者になれるように鍛えてくれてるから、頑張ろうとは思うけど、でも、本当に勇者になんてなれるのかな、って思う事はあるよ」
「なれるのかな、じゃダメなんだよ。お前は勇者にならなけりゃ」
「……どうして?」
小さい頃から『お前は勇者になるんだよ。その為に魔法も剣術も磨くんだよ』というのが父さん母さんの口癖だったのだけど。
僕には正直、ピンと来ていなかった。
5歳になった時から剣や魔法の修行が始まって、結構厳しく鍛えられたと思っているけど、でも、他の村の子供達の方がもっと厳しい修行をしているのかもしれないし。村には男の子供は僕1人だったから、僕がこの年齢にしては強いのかどうかとか、比べる相手がいないしね。
それにさ、村はよそ者を入れないようにいつも見張りを立てていて、そういう意味ではピリピリしていたけど、でも、のどかで平和な村だったから。勇者として育てられる意味が、よくわからなかった。
「どうしても、さ。さあ、父さんを呼んでおいで。ご飯にしようね」

75:56
02/05/17 22:55
お子さま勇者の想い出ばなし-2-2(これで終わりです)
そんな話をした翌日。僕は同じ事をシンシアに聞いてみた。
「村の皆は、僕を勇者にしようと思って鍛えてくれるだろ? どうしてだと思う? こんな小さな村じゃなくて、外の世界の大きな町なんかには、もっと強い人がいるんじゃないのかなあ?」
シンシアは少し考えこんでから、こう言った。
「いつかわかる日が来ると思うわ」
「そりゃまあ、村の皆だって、いつまでも理由を教えてくれないって事はないと思うけどさ」
「まあ、その日が来るのが遅ければいいなって、私は思ってしまうけどね……」
「シンシアは何か知っているの?」
「………いいえ」
嘘だなと思った。思ったけれど、シンシアが言いたくないのなら、聞かないでおこうと思った。だから、僕は聞かなかった。
「でもその日が来れば、あなたはこの村を出て、戦いの旅に出なくてはいけないんだと思うの。その旅に私はついていけないと思うから、すぐにその日が来たらやっぱりちょっと寂しいから、ね」
「え~、じゃあ、僕ひとりで行くの?」
「勇者の旅は、ひとりで始まるものよ。どんな事があっても、ひとりで歩き始めなくてはいけないのよ。でもね、どんなに遠くにいても、私は応援してる。それに村の皆だって、応援し続けてる。だから、ひとりでも、頑張ってね」
シンシアは、寂しそうに笑ってこう言ったけど、でも、なんて綺麗な笑顔だったことか……。僕は一生、あの時の笑顔を忘れやしない。

僕は、この時のシンシアの言葉を、今でも時々思い出す。今はひとりではないけれど、それでも。いつひとりに戻っても、頑張って歩いて行こうと思うんだ。
シンシアや村の皆が、きっと応援していてくれるから、歩いていけると思うんだ。

76:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/05/17 23:31
>56
ちょっと1行長いよ。
途中でも適宜改行入れたら?

77:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/05/18 00:50
発言数に規制がかかったみたいなんですが、大丈夫っすか、このスレ。

78:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/05/18 01:06
連投規制が3になったようです
4レス以上の長文書く人は注意

79:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/05/18 01:22
ただし、改行が32までOKらしいね。

80:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/05/18 14:44
連投規制が3って…ノリ悪過ぎだよ
一気に読めるのが一番面白味があるのに

81:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/05/18 23:17
ムーンブルクの最後の支援SS、……NANAさん?
フカーツだったら嬉しいな。

82:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/05/19 02:27
>>81
Round23 の >60 のSSのことですか?
ご本人が名乗っていないので、名前は出せませんが
NANAさんではありません

83:ナナシクラゲ
02/05/19 09:44
あのSS、すごくうまくて感動しました。キレのイイ文章で、簡潔なんだけど
必要なことは全部盛り込まれているという感じで。
私はついダラダラと長くなってしまう(か、短くしようと焦るあまりに必要な
ことを書き漏らす)ので羨ましいです。でも、懲りずに書いちゃうんですけどね。

保守代わりに、アリーナ支援で出したSSをひとつ置いていきます。連投
規制があるので、一度に出さずにせこく小出しにしようかと(笑)。
しかし、せめて5にしてほしいですよね>連投規制

84:テンペにて
02/05/19 09:45
「姫様は、私の命に代えてもお守りします」
 クリフトがよく言うセリフ。テンペの村で、生け贄の身代わりに籠の中に入る前にも言われたわ。
 逆よねって思ってたの。わたしの方が強いんだから、わたしがクリフトを守るのよ。
 だけど。
「姫様、危ない!」
 夜の祭壇に現れた化け物は強かった。
 今まで出会った魔物とは比べものにならないほど。
 攻撃しても攻撃しても倒れない。
 それでも、何とかカメレオンマンをやっつけて、ほっと息を抜く。
 ほんの一瞬。
 それがまずかった。
 気がついたときには、暴れ狛犬が目の前にきていた。わたしの喉元を狙う鋭い牙。
 間に合わない―!
 そう思った瞬間、緑色のものが視界いっぱいに広がった。わたしに覆い被さるように。
「ぐっ」
 喉に何かが詰まったような、くぐもった声。飛び散る……赤。
 ペタリと座りこんだわたしを、その人は抱きかかえる。
 緑を染める赤。魔物のうなり声。そしてもう一度、肩口に深く食いこむ牙。
 やだ……死んじゃう。死んじゃうよ。
「クリフト!」
「大丈夫、ですか、姫様」
「わたしじゃないわ、あなたが!」
「もう魔力が、なくて……すみません、姫様を治して、さしあげることが……」
 血の気の引いた顔が、それでもわたしに向かって微笑みかける。
「わたしのことなんかいいんだったら! 離して、クリフト!!」
「ヒャド!」
 ブライの呪文が高々と響いて、暴れ狛犬の後ろ足を凍らせた。
「今です、姫様……!」
 クリフトがわたしを解放する。わたしは後ろにとびすさる。視界が一気に広がる。
 自分の動きが、ひどくゆっくりと感じられた。ううん、わたしだけじゃなくて、周囲すべての時間が遅くなったかのようだった。自分の腕の動き、脚の動き、髪の毛ひと筋の流れすらも感じられるような、不思議な瞬間。

85:テンペにて
02/05/19 09:46
 ゆっくり、ゆぅっくりと、狛犬がわたしに視線を向ける。その鼻先に。
 ありったけの力をこめて、蹴りを叩きこむ。
 クリフトの体から牙が離れる。そこを狙って、今度は首筋に手刀。
 ゴキッと嫌な音がして、狛犬は動かなくなった。たぶん、首の骨が折れたんだと思う。
「お見事ですじゃ、姫様!」
 ブライの声がして、不意に、時間の感覚が普通に戻った。
 もう一頭はと周囲を見回すと、クリフトの剣を背中に刺した狛犬が、氷づけになって倒
れているのが見えた。
 もう敵はいない。
 わたしは身を翻すと、クリフトに駆け寄った。
 ひどい、傷……。
 うつぶせに倒れる彼の、背中一面に残る爪痕。大きく噛み裂かれた肩。
 手当てしなくちゃ。えっと、まず血止めと、薬草と……。
 荷物から薬草を引っ張り出そうとするんだけど、手が震えてうまくいかない。
 やだな、どうしちゃったんだろう。しっかりしなくちゃ。
 震えるわたしの手を抑えるように、ブライがそっと手を重ねた。
「大丈夫ですじゃ、姫様。傷は深いが……命を落とすようなことはない」
 そして、わたしの手から荷物を引き取り、てきぱきと薬を取り出す。
 ポタリ。
 手の甲に、水滴が落ちた。
 どうして? いつも弱いくせに。弱かったくせに。こんな時だけ……。
 違う。
 ポタリ。ポタリ。
 水滴は、次々と増えていく。
 弱いのはわたしだ。
 ポタリ、ポタ、ポタ……。
 自分の力量なんか、全然わかってなかった。

86:テンペにて
02/05/19 09:47
 なのに、自分は強いんだと勘違いして。
 2人をここまで振り回して。
 こんなことがあるかもしれないって、わかってなかった。
 自分だけじゃなくて、クリフトやブライも危険にさらしているんだってこと、全然わかってなかった。
「……ひめ、さま…………」
 弾かれたように、わたしは顔をあげる。クリフトが薄く目を開いて、私を見つめていた。
「泣いてらっしゃるのですか……?」
 わたしは首を振る。
 泣いてなんかない。泣くつもりなんか全然ない。
 なのに。
 喉が震えて声が出ない。
 クリフトの手がゆっくりあがって、わたしの頬を撫でる。わたしの涙を、拭ってくれる。
「う~~~~」
 わたしは両拳で口元を押さえる。嗚咽を漏らさないように。
 ごめん。ごめんね、クリフト。
 強くなるから。
 もう二度と、こんな目に遭わせなくていいように。
 クリフトも、ブライも、誰も。
 わたしは、強くなる。
 もっと、もっと―。


蛇足。
ブライ「姫様、『強くなる』じゃなくて……。どうしてそこで城に帰ろうと思ってくださらんのじゃ」
それがアリーナ(笑)。

87:ナナシクラゲ
02/05/19 09:50
お粗末様でした。
一回目で、いきなりコピペ失敗……。
お目汚し失礼しました。

88:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/05/19 19:00 wam23LOk
hosyu

89:57 ◆NezmymcE
02/05/20 09:30
>76
改行規制にひっかかって警告が出まくるので、適時改行しなかったんです。
読みにくくてすみませんでした(最萌に出した時より文章が増えたせいもあって)
でも、改行が32までokなら、今度から適時改行に戻せるかな?
3連投しかできないのは、やっぱり辛いですけどね。

90:MOMO ◆MOMO/RMo
02/05/20 19:58
やっぱり最萌で連投は、辛いものがあります。
ブチブチにSSが切れるのも、悲スィものがありますし
支援で処理混みして、投票の邪魔をしても悪いですしね。
私も前回8レスの連投をして痛感しました。
かっ、書き込めんぞぉ……(゚Д゚)ゴルァー!!
ナナシクラゲさんに習って、私も次回はあぷろだにしようと決意しました。
しかし、あぷろだやったことがないので不安~。

91:ナナシクラゲ
02/05/21 02:02
私も不安でしたが、やってみたらどってことなかったです。
結局「ファイルを貼り付ける」ってことに変わりはないのだなぁ、と
拍子抜けしました。(HTMLだと画像は出ないけど)
txtも貼り付けられるようですが、読みにくいので私はHTMLに
してます。ただ、たぶん壁紙などの画像素材は使えないので注意です。

でも、SSだとリンクで飛んでまで読む気がしない、という人もいる罠。
短いSSなら、やはりトーナメントスレ内に貼った方が、多くの人に
読んでもらえるかも知れませんね。5レスぐらいまでならオッケーとか、
前に感スレでうかがったんですが……連投規制が……………………。

92:MOMO ◆MOMO/RMo
02/05/21 19:53
そうなんですか。
テキスト形式の方が、サクッと軽くていいのかなぁ等と思っていました。
でも、読みにくいんじゃ本末転倒ですねー。
SS短くすればいいんですけど、最近なんだか長くなる傾向が…。21レスとか(汗)
ナナシクラゲたん、レスありがとです。
あなたとまた最萌トナでお会いするのが楽しみです。

93:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/05/22 02:30
FF4の18禁小説なんですが、まとめて?千一夜にUPしていただけませんか?
スレリンク(ff板)
の224以降で、連載になってて、324で終了(話自体は10話前後)です。
それでは、よろしくお願いします。

94:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/05/22 10:58
そう言えば更新作業ってどうなってましたっけ?

95:改名
02/05/22 23:34
ギコガードさんスレ立てお疲れ様です。
官能スレPART4の文ももし保管を考えて居られたら、
《無題》ギアガの番人     《あにいもうと》武闘家×勇者
《洞窟の夫婦》ノルド×勇者  《不感症》男勇者×女勇者
この四本保管の除外をお願いします。
理由はシリーズ中の物ですが別物の感覚で書いた物なので。
あと不評だった話や本人気に入らない話もあります。
他の方の文を沢山保管して欲しいです。
前スレ387 いつも嬉しいですよ。気になる事があったらまたよろしく。

前スレ380~384 382、384さんはどうでしょう…?)がんばりますよ~。ありがとう。

96:ギコガード ◆FFDQ/roc
02/05/23 03:16
一言言うならば……FF11は恐ろしいゲームだ、と。
眠れない、と。
書けない、と。
読めない、と。

……。゜(゜´Д`゜)゜。

97:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/05/23 20:17
ホシュホッシュ

98:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/05/24 01:29
FF11ネタもそのうち披露されるようになるのでしょうか。
無限に書けそうな気もするけど、どうなのかな?
やってないからわかりませんけど~

99:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/05/24 10:21
認証されないー!みたいな話だったらウケル

100:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/05/24 15:28
100

101:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/05/25 03:09
私もやってないからわからないけど、11ネタも楽しそう。

102:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/05/25 08:30
>>96
とりあえず





                 犯                れ            







 

103:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/05/25 19:33
>>98
そのうちっていうか、もう書いてる人見かけた(w
スレリンク(ff板)(dat落ち、html化待ち)
の前の方にもエロ小説あったし。

104:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/05/25 21:10
>ギコ
これ何?
スレリンク(ff板:52-54番)

105:ギコガード ◆FFDQ/roc
02/05/26 10:43
>104
俺にもわかんねっす。
てか、なんで俺に聞かれたのかもわかんねっす(´Д`)
今はやばいくらいにFF11にどっぷり浸かり中。
そのうち、ほとんどオリジのようなタルタル小説を
書くやも知れません。
保管は続けますんで心配はご無用でありんす。

106:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/05/27 02:49 VpzZdqMo
hozen

107:御連絡
02/05/27 02:50
DQのエロ小説スレが容量一杯でお引っ越しです。
スレリンク(ff板)l50
↑ここから↓ここへ
スレリンク(ff板)l50
立った早々板違いと言われてますが、エロはいかんだろ、という事ですかね?

108:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/05/28 06:35
sage

109:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/05/28 16:26
最近エロスレに良質なSSが大量ですね。
次回(それとももっと先かな?)のサイト改訂時が楽しみでつ。

110:いつも、どんな時も
02/05/29 14:21
「怖くはありませんの……?」
 エンドールの武術大会に出場するアリーナを気づかいながら、モニカ姫はそう訊ねた。
「全然」
 アリーナは首を振って、太陽のような笑顔を浮かべる。
「それどころか、ワクワクしてるわ! 任せて。必ず優勝してみせるから」
 そうして、本当に優勝したアリーナにモニカは感嘆の声を漏らした。
「アリーナ様は勇敢ですのね。怖いものなんかないみたい」
 アリーナはただ笑っただけで、今度は答えなかった。

 ―怖いものは、ある。
 サントハイムの城の中を人の姿を求めて走り回りながら、アリーナは唇を噛みしめた。
 自分の体が震えているのがわかる。
 アリーナは、『死』を知っている。
 彼女の母親は、姫がまだ幼い頃に病で亡くなっていた。
 呼びかけても開かない瞳。答えてくれない唇。冷たくなっていく体。
 一瞬前まで確かに動いていたその人の時間が、止まってしまったというその事実を、アリーナはなかなか受け入れることができなかった。
 一生懸命お願いすれば、たくさんお祈りすれば、何とかなるんじゃないかと思った。
 力を尽くせば叶わない望みはないと、教えてくれたのはその人だったから。
 けれども。
 どれほどにアリーナが頑張っても、母の時間がふたたび動くことはなかった。
 人の力ではどうしようもない、無慈悲な現実があるのだと、アリーナはその時初めて知った。
 そしてそれを、運命というのだとも。
 ―台所。聖堂。兵士たちの控えの間。
 城の中を探し回るアリーナの足は、どんどん速くなっていく。
 ブライが、やがてはクリフトがついてこられずに引き離されていったが、彼女は気がついていなかった。2人の呼ぶ声にも気づかない。
 誰もいない。誰もいない。誰もいない。誰もいない。
 扉を開けては失望する、その繰り返し。

111:いつも、どんな時も
02/05/29 14:22
 この城は、こんなに広かっただろうか。石柱の回廊は、こんなに冷たくて、寒々としていただろうか。
 階段を駆け上り、玉座の間に足を踏み入れる。だが、誰よりも彼女を暖かく迎えてくれるはずの人の姿は、やはりない。
 玉座の前で呆然と立ちつくす。
 でも、それも一瞬。
 ようやく階段を昇ってきたクリフトとブライの前で、くるりと踵を返して、アリーナは階段をさらに昇っていった。
 そこは、王と姫の寝室のある場所だった。
 真っ先に王の寝室を空けて―人の気配がないのはわかっていたが―、それから女官の控えの間を覗く。
 誰もいない。
 アリーナは、今までの急(せ)いた様子とはうって変わってゆっくりと、自分の部屋……この城で開けられる最後の扉へと向かう。
「……姫様」
 取っ手に手をかけ、けれども開けることができずに俯いていたアリーナは、背後からの声に面を上げた。
 張りつめた瞳に決意の色が浮かび、腕に力がこめられた。
 音も立てずになめらかに開いた扉の向こうには、やはり人の姿はなかった。

112:いつも、どんな時も
02/05/29 14:23
「……」
 アリーナは声ではなく、ひとつ、吐息を漏らして室内へと進んでいった。
 そして、壁に掛けられた肖像画の前に立つ。
 そこに描かれているのは、アリーナによく似た女性だった。ただし、雰囲気はまったく違う。アリーナを太陽とするならば、彼女は淡雪のような儚さを持っていた。
 彼女こそが、若くして亡くなったサントハイムの王妃、アリーナの母親だった。
(お母様……)
 母の姿を見ているうちに、次第に体の震えがおさまっていくのをアリーナは感じた。
 大きく息を吸って、吐く。緊張で強ばった心が、少しでもほぐれるように。
 そして、勢いよくブライとクリフトを振り返った。心配そうな顔をした―自分たちだってショックだろうに、アリーナのことを心配してくれる―2人の供に、元気よく笑いかける。
「お父様たちは、生きてるわ!」
 城中を探し回って、誰も見つけることはできなかった。それはまた、誰の亡骸もなかった、ということでもある。
 戦いの跡も、城にはなかった。ただ煙のように人々が消えてしまっただけだ。
 母のように、サントハイムの危機を知らせてくれた兵士のように、無慈悲な死の影が降り立ったわけではない。
 彼らはまだ、取り戻せる。その可能性が残されているのだ。
「きっと見つけだしてみせる。どこにいても……どんな敵が相手でも」
 ぜったいに、あきらめない。
 真っ直ぐ前を見つめて、凛としてアリーナは宣言する。それは、自分自身に対する誓約でもあった。
 ―怖いものは、ある。
 それは『死』ではない。
 誰の上にもいつかはその時が来る、それは避けようがないこと。
 怖いのは―何よりも怖いのは、大切な人のその瞬間を、なすすべもなく迎えてしまうことだ。
 母の死を、城の神父は運命だと言った。
 たが、アリーナは運命だからといって諦めてしまうのは嫌だった。
 例え、その先に待っているのが冷徹な結果だったとしても、精一杯の力を尽くして、最後の瞬間まで抗いたい。
 後悔したくはない。
 だからこそ、アリーナはいつだって全力で戦ってきたのだ。

113:いつも、どんな時も
02/05/29 14:24
 その経過で悲しみを見ようとも、どんな傷を負おうとも、アリーナは恐れない。
 誇り高く頭(こうべ)を上げて、サントハイムの王女は母の肖像画に向かった。
「安心してね、お母様。お城のみんなは、わたしが必ず探し出してみせます。それまでこの城を、サントハイムを見守っていてね。……いってきます!」
                   (終)

114:ナナシクラゲ
02/05/29 14:27
アリーナ支援SSの2つ目です。
またコピペ失敗で、3レスに入りきらなかった……。
いつになったら上手くできるのやら。
お粗末様でした。

115:ギコガード ◆FFDQ/roc
02/05/30 01:41
次の更新……当分先になるかもε=ε=┏( ´Д`)┛
でもスレの保存はしてるからだんじょうぶー
きなが~に待ってねぇ。
って、明日は鯖レンタルの延長しないといけないなぁ。

 忘  れ    て     た

おのれFF11め。てか、誰かシルフ鯖の人いないかなぁ……。

116:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/05/30 22:29 /Hpb.uwo
400以下はヤバイとどこかで見たのであげとく

117:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/05/30 22:42
ギコさ~ん
アルマリ小説の続きはまだでつかー?

118:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/05/30 22:56
保守

119:決意の船出-1 ◆NezmymcE
02/05/31 11:26
かびくさい匂いと、体中の痛みで眼が覚めた。そろりそろりと手足を動かしてみる。
骨が折れたりはしていないようだ。
「う~ん、ここはどこなの?」
隣で目覚めた姉のマーニャの言葉に、自分がどこにいるのか把握できていない事に気付く。
暗くて狭い部屋のベッドの上に、父の弟子オーリンさんと3人並んで寝かされているが……。
「気付かれたかな?」
左から老人の声がするのに気付き、そちらを見ると、横たわる老人の向こうに鉄格子と牢番が見えた。
ここはキングレオ城地下の牢屋らしい。
私たちは父の仇を追ってこの城へきて、そして破れたのだ……。
「私はキングレオの前の国王じゃ。王に監禁されてしまったのだが、今は何もできん。隠し通路の奥に
乗船券があるから、それを持ってこの国から逃げるがよい。そしていつか、この国を正しい方向へ導く為に
戻ってきてくれ‥‥」
前王の言葉に、素直にうなずく事はできなかった。あれほどの強さのキングレオに太刀打ちできるとは
到底思えない。
……本当は、戦う前から感じていた。バルザックの影に何か強大な力があって、自分達はまったく
歯が立たないのではないかと。それは予知といえぬほどの漠然とした不安で、決戦前の自分が脅えて
いるだけだと、そう思う事にして胸にしまったのだが……。
「いつになるかわからないけれど、必ずこの国に戻ってくるわ」
姉の強い言葉に、無意識で、肩がびくり、とした。
「弱気になっちゃダメよ、ミネア。必ず仇を討たなくちゃ。父さんの大事にしていた研究を奪って、
あまつさえ命までとっていったあいつは許さないわ。ミネアだってそう思うでしょう?」
「そうだけど、でも」
「強すぎるから諦めるの!?あんたはそんな意気地なしじゃなかったはずよ!」

120:決意の船出-2 ◆NezmymcE
02/05/31 11:29
姉さんは、お金にだらしなくていい男に弱くてどうしようもない人だけれど、
こういう時だけカッコよく見える。見せ所を知っているのは踊り子の本能かも
しれないな……。ああ、いけないいけない。変な事を考えてしまった。
「あんたは先見ができるから、慎重になりすぎるのよ。破れたとはいえ、
私たちはまだ生きてる。今なら逃げ延びてチャンスを待つ事ができるわ。
頑張ろう、ミネア」
……姉さん。今はあなたの妹に生まれて良かったと思えるわ……。今だけかもしれないけど……
「姉さんの言う通りね。どうかしてた。王様、私たちは必ず強くなって、
この国に戻って参ります。どうか、それまでお元気で」
前王のしなびた手は、彼の寿命の短さを予感させたけれど。
彼の手を取った私には、この言葉しか出てこなかった。
「行きましょう、姉さん、オーリンさん。そして必ず、ここへ戻って来ましょう」

しかし、私たちは城を脱出する際に衛兵に見つかってしまい、
オーリンさんを残してキングレオを立つ事になってしまった。オーリンさんは、
私たちを逃がす為に、兵士を取り押さえていてくれたのだ。
「娘さん方はどうしてこの国を立つのです?」
船で一緒になった乗客が遠慮がちに尋ねてきた。どう答えて良いのかわからず、
姉と顔を見合わせる。
「……まあ、何があったかは聞きませんが、生きてさえいれば、いつか良い日がきますよ」
「生きてさえいれば」
そうか、生きてさえいれば。生きて、技を磨いて、心を強く持ってさえいれば。
いつか必ず仇をとれるはず……いつか、必ず。
……私がその誓いを果たすのは、何年も何年も、ずっと先の事になるだろうと、
漠然と思っていたけれど。でも、もう、弱気になるつもりは、なかった。

121:とびねずみ ◆NezmymcE
02/05/31 11:42
またしても改行下手なとびねずみでした~。
手許で見ている時はそれほど気にならなかったんですが、2はともかく
1は長いですね。次回もっと気をつけます。
(ハンドルど~しよ~とうだうだ悩んでたんですが、以降とびねずみで行きますので
皆様よろしゅうにm(._.)mペコリ)
最萌に出した時に描けなかったミネアの心情とか、少し加えてみました。
ミネアはもう一本あるので、それとの整合性でちょと悩んでいたり。

あ、最後の方の「姉と顔を見合わせる」は「姉さんと」ですね。
ってか、他にも地の文で「姉」ってのがあるか~。シマッタ。
できれば「姉さん」に脳内変換してお読みください。
一番最初の「姉のマーニャの言葉」は「姉さん-マーニャ-の言葉」にして
いただくと、統一できると思います。
こんな短くて、何度も読み直したものなのにこんな失敗とは。うぅ。
次回のでは気をつけます~。

122:とびねずみ
02/05/31 14:04
最初の方で、破れたと敗れたを間違ってました。
さらに、地の文で「父」とあるのは全部「父さん」であるべきっすね。

   || 
   || 
   || 
  ∧||∧
(  ⌒ ヽ 
  ∪  ノ
   ∪∪

123:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/06/01 11:50
保管サイトに
タイトル、作者、登場人物のほかに
2chへの投稿日時が書いてあると
非常にうれしい・・・。お願い!

124:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/06/01 20:44
保全

125:ギコガード ◆FFDQ/roc
02/06/02 06:07
>123
う、うそんッ!?Σ( ̄ロ ̄;)

でも情報量が増えると画面の横幅が増えるからなぁ
今でも結構いっぱいいっぱいでしょ?
1024+768推奨ならもちっと余裕あるんだけど・・

126:「大団円五秒前」(1)
02/06/02 17:37
 初投稿でございます。少々長いので、うまくいくか心配しつつ……
 DQIV、非エロで基本的に喜劇。軽い気持ちでお読みください。

---------------------------------------------------------------------------------------
 魔族の王を討ち果たした勇者ソロ一行は、マスタードラゴンの導きで天空城に帰還していた。
 ソロは玉座の間と場内を繋ぐ渡り橋の真ん中で立ち止まり、眩しげに上空を仰ぐ。
 今、彼と共にいるのは、ライアン・アリーナ・マーニャの三人。せっかくだからゆっくり
城内を廻って行こうというソロの言葉に、賛同したのが彼らだった。

 「この光景も、これで見納めよね。しっかり見ておかなくっちゃ!」
 アリーナは橋の手摺りから身を乗り出してきょろきょろしていたが、やがてその動きが
ぴたりと止まった。
 「アリーナ、どうした?」
 ソロはアリーナの隣に並んで立ち、じっと動かない彼女の視線を追う。その先には……
 「……おっ?」
 ソロは思わず目を見張った。
 眼下に見える中庭の木陰に、互いの手を取り見つめ合う、クリフトとミネアの姿が
あったのだ。
 「おや」
 「まあ」
 同じように下をのぞき込んだライアンとマーニャが、それぞれに驚きの声を上げる。
 「あの二人、さっさといなくなったと思ったら…こーゆーことか」
 「やられたわ。ミネアったら奥手なくせして、このマーニャ姉さんより先に男を
  捕まえるなんてっ」
 「ははは、大いに結構ではありませんか。思えばわれらがこうして共に旅するのも、
  今日で最後。思い残しはないほうがいい」
 遥か頭上でそんな言葉が飛び交っているとも知らず、中庭の二人は変わらぬ様子で
見つめ合っている。二人の間に何事か言葉が交わされているのはわかるが、さすがに
橋の上までは聞こえてくるわけもない。

127:「大団円五秒前」(2)
02/06/02 17:39
 「は~、青春よねぇ。『清く正しい男女交際』って感じよねぇ」
 「しかし…なんですな。少々じれったいというか。せっかくの状況なのですから、
 もっとこう思い切って……」
 「やだ、あの二人まだバージソでしょ?いきなりアオカソはムリよぉ」
 「い、いや、自分はなにもそこまでは」
 「あら。じゃ、どこまでのつもりだったのかな?ん~?」
 (おいおい……)
 お子様禁止ゾーンに突入したライアンとマーニャに呆れつつ、ソロは隣のアリーナ
に目を向けた。
 「……………」
 と、それまで無言でぼーっと中庭の二人を見ていたアリーナが不意に手摺りから
身を離し、城内に続く扉に向けてすたすたと歩き出した。
 「あっ、おい……」
 アリーナに向けて伸ばした手を宙で止め、ライアンとマーニャの方を振り返るソロ。
 二人はアリーナの行動に気づいた様子もなく、あーだこーだと大人の会話を楽しんでいる。
 ソロはため息をつき、一人でアリーナの後を追った。

 「アリーナ、どこ行くんだよ!」
 城内への扉をくぐったところで、ソロは先を行くアリーナに呼びかけた。
 その声にアリーナは一瞬立ち止まったが、振り返ることもなく再び歩きだす。
 ソロもつられて後を追う。
 アリーナの歩調は急ぎ気味ではあるものの、ソロを振り切るつもりはないらしい。
 (もしかして、俺を誘ってるのか……?)
 ふと、そんな考えが頭に浮かぶ。そういえば普段の彼女なら、別行動を取るにしても
ライアンたちに一声かけたはずだ。ソロの呼びかけにも答えたはずだ。
 『共に旅するのも、今日で最後。思い残しはないほうがいい』
 先程耳にしたライアンの言葉が、頭の中でこだまする。
 (アリーナも、俺に伝えたいことがあるのか?それも…他の連中のいないところで…)
 橋の上から見た、中庭で見つめ合うクリフトとミネアの姿が脳裏に浮かぶ。…その二人の
姿を、ソロはいつしか自分とアリーナに置き換えていた。
 (だったら……応えてやらないとな。男として)

128:126-127
02/06/02 17:42
ううっ、本文長いと警告受けまくりです……。
続きの区切りをちょっと考え直しますね。
あと、連続投稿規制も受けそうなんで、ココで一旦休みます。
本文は書き終わってるので、また後ほど~。

129:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/06/02 19:00
>>128
勇アリ!?好きだっ!!続きキボンヌ!!
クリミネと言う組み合わせも激しくイイッ!!!!!!!

130:「大団円五秒前」(3)
02/06/02 20:40
>>129
………………。
先に謝っておきます。ええもう、土下座して謝っておきます。
ごめんなさーーーーーーーーーーーいッッッ!!!

以下続き
----------------------------------------------------------------------------------
 いつも明るくにぎやかなアリーナは、今は別人のようにおとなしく、ソロの前を早足で歩いている。
 ソロにはそれが、たまらなくいじらしいものに感じられた。

 アリーナは広場を抜けたところで右に曲がる。見失わないよう、ソロが駆け足で曲がり角に
来たとき、彼女はすぐ側の右手にある扉の中へ消えた。
 (この先にあるのは確か……)
 アリーナが通り抜けた後の閉まりかけた扉を、ソロはもう一度押し開いた。
 吹き抜ける風に、色とりどりの花びらが舞い上がる。…天空城の、空中庭園。
 (いた……)
 アリーナは花畑の側の壁にもたれかかり、うつむいて足元の小石を蹴っていた。
 いつもここで踊っているエルフたちの姿は、今は見えない。
 (二人きり、か)
 ソロは無言で、ゆっくりと彼女に歩み寄る。その足音に、アリーナが顔を上げた。
 「ソロ……」
 ささやくような声でそう言ったアリーナの瞳は、かすかに潤み、揺れているようだった。
 ソロは鼓動を抑えるように深呼吸し、アリーナの眼前に立つと、その華奢な両肩をぐっとつかんだ。
 「アリーナ、何も言うな。おれにまかせろ!」
 「……え?ちょっと?キャッ!」
 戸惑ったようなアリーナの声にもかまわず、ソロはその肩を強く引き寄せ、唇を寄せ……ようと
した瞬間、アリーナの両手に思い切り突き飛ばされた。
 「うわっ!?」
 ソロは数メートル先の地面に尻餅をつき、胸部を直撃した衝撃にゲホゲホと咳き込む。
 「なにすんのよ、いきなり!」
 打って変わった非難の声。
 ソロは内心舌打ちしつつ、展開を急ぎすぎたと少々反省した。

131:「大団円五秒前」(4)
02/06/02 20:44
 「ゴメン、ちょっと舞い上がりすぎたかな。誘ってくれたの、嬉しくてさ」
 ソロは照れ笑いを浮かべつつ、立ち上がってズボンの土ぼこりを払う。
 アリーナは怪訝な表情で、不機嫌そうに言った。
 「……あたしがいつ、どこにあんたを誘ったのよ」
 「いつって、たった今…俺を待ってたんだろ?」
 「待ってた……と言えなくもないけど。別に誘ったつもりはないわよ」
 邪険なアリーナの言葉を、ソロは勝気な彼女の照れ隠しと解釈した。
 しょうがないな、という風に苦笑いしながら、再びアリーナの前に立つ。
 「悪かったよ。いくらなんでもいきなりすぎた。俺、こういうの慣れてないから…」
 アリーナは無言で、警戒するような視線をソロに向けている。
 「なあ、俺たちがこうして一緒にいられるの、今日で最後なんだよな」
 「……そうね」
 「だからさ。今日くらい素直になろうぜ、アリーナ……」
 ソロはもう一度、手をアリーナの肩に伸ばす。
 しかし、アリーナはその手をバシッと力一杯に払いのけた。
 痛みと驚きで呆然としているソロを、アリーナは鋭く睨みつけて言った。
 「つまり、なに?…まさか、あたしがソロを好きなんだろうって言いたいの?」

132:「大団円五秒前」(6)
02/06/02 20:46
 「え?…あ、まぁ……その……」
 ようやく険悪な空気に気づき、ソロは手を引っ込めた。
 「それで、二人きりになるためにここに誘ったんだろってこと?」
 「……あ…あれ、本当に違うの?」
 アリーナは呆れ果てた表情で、「はぁ~っ」と大きなため息をついた。
 「慰めに来てくれたのかと思ったら……なに考えてるのよ、サイッテー!!」
 強烈な怒声に、ソロは頭を思い切り殴られたかのような衝撃を受ける。
 彼女の意図したところの『慰め』が何に対して必要なのかは思い至らなかったものの、少なくとも
自分の思い描いていた状況が全くの幻想であったということは、理解できた。
 自分の誤解にようやく気づき始めた哀れな男に、しかしアリーナは容赦なかった。
 「あのね。どこをどうやったら、そんなおめでたい勘違いができるわけ!?」
 心底理解できないといった表情で、アリーナは腕組みをしてソロを睨む。
 言えるものなら言ってみろという、無言の圧力を感じる。
 仕方なく、ソロはしどろもどろに釈明を試みた。
 「えーと…まず、お前は強い男が好きなんだろ?」
 「んー、そういやそんなことも言ったかしらね」
 「言ったよ。だから俺がその『強い男』なんじゃ……ないの?」
 はあ?とアリーナは首をかしげる。視線が冷たい。
 「そ、それにほら、アリーナ言ったじゃないか。俺とお前は会ったときから大親友で……」
 「『大親友』はあくまで『大親友』でしょ?勝手に都合良くねじ曲げないで」
 ぴしゃりと言い切るアリーナ。さらに続けて、
 「だいたいあたしに勝てもしないくせに、『強い男』ですって?うぬぼれにも程があるわ!」

133:「大団円五秒前」(6)
02/06/02 20:48
※すいません、上のは「5」ですね。6になっちゃってました…。
 飛ばしているわけではありません。(w

-----------------------------------------------------------------------------------
 「う…うぬぼれだと!?」
 「そーよ。身の程を知りなさい、このドスケベ!」
 「なっ……」
 さすがにこれには、ソロもカチンときた。その手がゆっくりと、天空の剣の柄にのびる。
 「言ってくれるじゃないか。そんなら今すぐここで、どっちが強いか試してみるか?」
 額に青筋を立てつつ剣を抜き放ち、切っ先をアリーナに向け、ソロは続けた。
 「ただし負けた方は、相手の言う…グハァッ!!」
 ソロの口上が終わる前に、アリーナの鉄拳がソロの胴にめり込んだ。
 衝撃に吹き飛ばされそうになりつつも、なんとか持ちこたえたソロは顔を上げる。
 「甘い!俺のHPはパーティ1ィィィ……ゲボォッ!?」
 アリーナの装備はキラーピアスだった。二つ目の会心の一撃が容赦なくソロのあごを捉え、
その身体を上空に吹き飛ばす。
 「『大親友』撤回!あんたは『昔世話になった知り合い』で十分よ!」
 花畑に落下するソロに向かって大声で宣告した後、アリーナはすっきりした表情でつぶやいた。
 「けど、おかげさまで泣く気も失せたわ……」
 

134:「大団円五秒前」(7)
02/06/02 20:49
 「やはり彼の手袋は、外すべきだと思うのですが」
 「んー、もともと着けてないならいいけど、わざわざその場で外すのはどうよ?」
 「いけませんかな?」
 「なんか、ヤル気満々!準備OK!!みたいでちょっとねぇ」
 アリーナが橋まで戻ると、ライアンとマーニャは未だ中庭を見下ろし、あれこれ談義を続けていた。
 中庭のクリフトとミネアの様子も相変わらずだ。
 「もう…二人とも、いつまで出歯亀やってんのよ」
 呆れ半分のアリーナの声に、ライアンとマーニャが振り返る。
 「出歯亀とは失敬な。仲間の幸せを暖かく見守っているのではありませんか」
 「……こーゆーのって、見守られたくはないんじゃない?」
 「そりゃまぁ、ねぇ。ていうか見てるのがバレたりしたら、あの二人のことだから……」
 その瞬間、三人の脳裏に浮かんだのは、ザラキとバギクロスの嵐が吹き荒れる天空城の
地獄絵図だった。
 無言で蒼い顔を見合わせる三人。
 「…そ、そういうわけだから、もう行きましょ。見守るよりそっとしておいてあげた方がいいって」
 「はいはい。ま、このまま見てたら日が暮れそうだしね」
 ようやくその場を離れたライアンとマーニャの後ろで、アリーナは立ち止まり、もう一度だけ
中庭の木陰に視線を落とす。
 そのとき、ミネアがふっと微笑んで、クリフトの胸に頬を埋めた。
 クリフトは一瞬、遠目にもわかるくらいに全身を硬直させ、やがて微笑ましいほどにぎこちなく、
ミネアの背に腕を回した。
 (……クリフトのバカ。キープくらいにはしてやってもいいって、思ってたのに)
 アリーナは眼下の二人にべーっと舌を突き出してから、くるりと踵を返して仲間の後を追っていった。

 - 完 -

135:126
02/06/02 20:55
以上でございます……勇アリ好きな方、本当にごめんなさいでした。
あくまで強気な姫、および暗くない勇者を書いてみたかったのでこうなっちゃいました。
元来、自分は勇者×シンシア大好き人間でして…このソロは例外的存在です。
クリミネ大好きというのは、言うまでもなくご覧のとおりです(w

個人的に、姫には一生凛々しく独身を貫いてほしいのであります。もちろん生涯処女で。

136:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/06/03 06:52
>>135
勇アリー!!と喜んでいた者です。
わー早とちりし過ぎて恥かティーーーーー!!!(//////)
でもでも、クリミネはクリミネなんですね!?
クリミネ大好き!!
また書いて下さいね!

137:126
02/06/03 19:37
>>136
いえいえ。私の区切り方も、思わせぶりなとこで切っちゃってまずかったです。
初投稿でオドオドしながらだったんで……ぬか喜びさせちゃってすみませんでした。
クリミネいいですよね~。今度はまともなクリミネで書けるといいんですが。

上の作品。もしソロが最初にアリーナの意図を正しく理解していたら、
慰めからエロにまで発展できたかもとか考えてみるテスト。

138:ギコガード ◆FFDQ/roc
02/06/04 01:10
すみません、また皆さんにお願いなのですが……。
最萌トーナメントに端を発するキャラの支援サイトに
絵板からリンクしようと思うのですが、全部を
把握できてないのでよかったらURLを貼って
もらえないでしょうか?

あと、余計なお世話だと思うんですが更新を
停止する時などご一報頂ければ支援サイトを
丸ごとこちらの鯖にて預からせていただきますので。

よろしくお願いしまする。

139:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/06/04 01:53
最萌後夜祭スレに支援サイトのまとめ、貼ってありましたよ。

723 :名前が無い@ただの名無しのようだ :02/05/31 01:07 ID:???
↓ムーンの支援サイトはここですね。
URLリンク(moonburg.tripod.com)
へたれん氏とまりあ氏の支援がイイ━━(゚∀゚)━━!!!!!!!!!!
724 :ふろ ◆FUROX/TE :02/05/31 01:07 ID:om.cwBRA
◆アグリアス (颯爽!Holy Knight)
URLリンク(ramza_beoulve.tripod.co.jp)
◆アリーナ (アリーナ最萌サイト)
URLリンク(www.m-st.tv)
◆アルマ (妹はクレリック)
URLリンク(ramza_beoulve.tripod.co.jp)
◆エリア (水の巫女エリア 支援サイト)
URLリンク(www.geocities.co.jp)
◆グランバニアの王女 (Princess of Glanvania)
URLリンク(isweb43.infoseek.co.jp)
◆クルル (クルル支援サイト)
URLリンク(isweb27.infoseek.co.jp)
◆セリス (セリス支援サイト)
URLリンク(kamakura.cool.ne.jp)
◆ティナ (FF6ティナたん用支援物資倉庫)
URLリンク(blue.ribbon.to)
◆ティファ (TifaLockhart)
URLリンク(rx.sakura.ne.jp)
725 :ふろ ◆FUROX/TE :02/05/31 01:08 ID:???
◆ビアンカ (ビアンカ支援サイト)
 URLリンク(members.tripod.co.jp)
◆ファリス (~最萌えトーナメントファリスたん支援~)
URLリンク(suzuka.cool.ne.jp)
◆フォズ (ダーマの大神官 フォズ○歳)
URLリンク(members.tripod.co.jp)
◆フローラ (DQ5・フローラ応援サイト)
URLリンク(members.tripod.co.jp)
◆ムーンブルクの王女 (MOON QUESTII)
URLリンク(moonburg.tripod.com)
◆リディア (リディア支援仮設サイト)
URLリンク(isweb5.infoseek.co.jp)
◆賢者・僧侶 (賢者たん僧侶たん支援)
URLリンク(sage_priest.tripod.co.jp)
◆導師 (導師たん&白魔たん萌えスレ保管庫ぷいぷいぷ~)
URLリンク(www3.to)

140:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/06/04 22:16
クルルの支援サイトは6/10閉鎖予定とな……

141:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/06/06 11:47
一つ忘れてるぞ(w
◆(´∀ゝ`)(□ヒトデ魔人たん萌え萌えサイト□ )
URLリンク(www47.tok2.com)

142:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/06/07 20:56
ギコガードさん、1439-141さん、お疲れさまでつ。
支援サイト、こんなに数があるんですね。
最燃本戦が始まったら、もっと増えるのかな~。
素晴らしい支援の数々を気軽に見返すことができるのも、
ギコガードさんや支援サイト作成者さんのおかげ。感謝感謝です。

保守代わりに、SSをまたひとつ、置いていきますね。

143:惑いの城
02/06/07 20:57
「……、……よ」
 呼ぶ声にムーンブルク王女が目を開けると、そこには懐かしい風景が広がっていた。
 慌てて辺りを見回す。
 懐かしい……確かに自分はこの場所を知っている。
 けれども、どうして今、自分がここにいるのかがわからない。
 一瞬前には、自分は決戦を覚悟して―どこにいた?
 ムーンブルク王女の瞳が不安に揺れる。
 ついさっきまでの記憶が、あやふやになっている。
「どうしたんだね、娘や」
 穏やかな声が耳に届いて、王女は顔を上げる。
 そこには、彼女が幼い頃から親しんできた温かな笑顔があった。
 カラン……と音を立てて、王女の手からいかずちの杖が落ちた。
(……そんなはずはない)
 一瞬棒立ちになって、それから走り出す。両手を広げて待つ、父王―ムーンブルク王のもとに。
(何かがおかしい)
 抱きついた父王の体は暖かかった。王も、しっかりと王女を抱き返してくれた。
「お父様、お父様、お父様……!」
 ムーンブルクの落城とともに、命を落としたはずの父王が何故ここにいるのか。王女の頭の隅で、理性が警鐘を鳴らす。けれども、圧倒的な喜びの前にすべてが流れ去っていく。
「生きていらしたんですね、お父様。わたし、わたし、てっきり……」
「すまなかったな……心配をかけて」
「いいえ、いいえ、お父様が生きていてくださった、それだけでもう……」
「ハーゴン様のおかげなのだよ」

144:惑いの城
02/06/07 21:00
「え……」
 ムーンブルク王の腕の中で、王女は瞳を見開いた。背筋を冷たいものがすべりおちていく。
「ハーゴン様のお力によって、わしは生き返ることができたのじゃ。それだけではない、我が城も……ムーンブルク城もこうして元に戻してくださった」
 王女を片手で抱きしめたまま、右腕で王は周囲を指し示した。そう、今、2人はムーンブルク城の石畳の上に立っていた。王女の生まれ育った懐かしい城は、あの悲劇などなかったかのように変わらぬたたずまいを見せている。
「我らは、ハーゴン様を誤解しておった。ハーゴン様が望むのは、魔物と人間とが共存する平和な世界なのじゃ」
「おとうさま……」
「ハーゴン様こそまことにこの世界の支配者の相応しいお方。そなたには苦労をかけたが、もう大丈夫だ。これからは、ハーゴン様のもとで幸せに暮らしていける」
 王女の瞳を王の瞳が捕らえる。吸い込まれそうな感覚。
「しあわせに……?」
 王女はうつろな口調で繰り返す。理知的で意志の強い瞳に霞がかかる。
「そうじゃ。苦しまず、悲しまず……何も考えずに、な」
「まるでゆめのよう……」
 ムーンブルク王の口元に笑みが浮かぶ。それまでとは違う、温度を感じさせない笑みが。
「そうじゃ、極上の夢の中に、いつまでもいつまでも漂っておればいい」
「ごくじょうの、ゆめ……」
 うっとりとムーンブルク王女は瞳を閉じる。その頬に、涙が一筋こぼれ落ちた。
「……たびのあいだ、なんどもなんども夢に見ましたわ」
 ぎゅっと、王を抱きしめる腕に力をこめる。
「お父様が本当は生きていて、戻ってきてくださるの。あんなに強かったお父様が、お亡くなりになったりするはずがないって」
「そうだ、わしは還ってきたのだよ……」
「でも、それは夢なの」
 王女は瞳を開ける。そこに灯るのは、悲しみと―そして、激しい怒り。
「決して現実にはならない、現実にしてはいけない悪夢なのよ!」

145:惑いの城
02/06/07 21:01
 王女の右手が上がり、高く澄んだ声が最強の雷の呪文を唱える。
「イオナズン!」
 真っ白な光が周囲に満ちる。閃光が王女の瞳を灼く。それでも、彼女は目を逸らさずに見つめる。父王が光の中に溶けていく姿を。
 ……やがて光がおさまると、周囲の様子は一変していた。
 どこか神殿を思わせる―だが、禍々しい気に満ちた巨大な建物。
 そこは、ロトの勇者たちが決意に満ちて乗りこんだハーゴンの城の中だった。
 辺りを見回していた王女の瞳に、ルビスの守りを掲げたローレシアの王子が映った。その隣にはロトの剣を構えたサマルトリア王子。
「ローレシア王子! サマルトリア王子!!」
「わわわわわわわわ」
 夢から覚めたばかりのような、どこか呆けた表情をしていた王子たちに駆け寄って、狼狽える2人に構わず、力いっぱい抱きつく。
 ……暖かい。ずっと自分を支えてきてくれた、ふたつの腕。
「どどどうしたんだよ、いったい」
 突然の抱擁に真っ赤になっていたローレシア王子は、王女の肩が震えているのに気がついて、サマルトリア王子と顔を見合わせた。
「……何か、ひどい幻でも見た?」
 サマルトリア王子が王女の背中を撫でる。
 ハーゴン城には、幻影の呪法がかけられていた。ローレシア王子もサマルトリア王子も、身をもってそのことを知っている。

146:惑いの城
02/06/07 21:05
 ルビスの守りが幻影をうち消すまで、ここは2人にとってローレシア城であり、サマルトリア城であったから。
 それならば、きっと、彼女が見たのは……。
「んーん」
 王子たちの首にしがみつく格好の王女は、下を向いたままふるふると頭を振った。
「いい夢だったよ。すーっごく幸せな気持ちになれたもの」
 けれども、あれは夢。二度と戻らない幻。
 腕の中の温もりを確かめて、王女は顔を上げる。
 目の前には、まだ赤い頬をして……それでも、心配そうに自分を見つめる2人の王子。
 ―わたしの現実はここにある。
 2人を解放して、王女は足下に転がっていたいかずちの杖を拾い上げた。
「さぁ、先に進みましょうか!」
 花のようにあでやかに、王女は2人に笑いかける。王子たちも笑顔を見せ、それから表情を引き締めて前を向く。
 そして3人のロトの勇者は、決戦の地へと足を踏み入れていった。
                 (終)

お粗末様でした。

147:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/06/08 04:35
やばいんであげますね

148:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/06/08 04:37
緊急保全

149:ギコガード ◆FFDQ/roc
02/06/08 06:57
>139
ありがとうー! さっそくリンクしますた。
でもアグリアスとアルマのサイトはデリられてるみたい
ですね……。
クルル支援サイトはこっちで保管しちゃっていいのかなぁ……。

てか最近、FFがメンテの時しか更新してませんね。
すみません。゜(゜´Д`゜)゜。

150:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/06/08 22:23
どもー。
最萌時の自炊物を貼り付けさせて頂きまっす。
自分でどこに書いたか忘れてしまってやっと見つけてきたよ…。

151:ひとつ終わってまたひとつ
02/06/08 22:26
西風温く、空青く。
ハーゴン潰してシドーもボコって、
世の中平和に浮き浮かれ。
私に平和はまだ来ない。
やる事あんのよ、色々と。

「お父様…」

浮かれた町々後にして、
帰ってきたわ、ムーンブルク。
燃えた外壁はそのまんま、
だけど、風化したのか喰われたのか、
それともリビングテッドになったのか。
死体はないし、瓦礫もない。
お城の中はそんなに荒れていなかった。

「前来た時より綺麗になってるね」

後ろを付いてきていたアーサーが意外なことを言う。
吃驚して後ろを向くとああそうだな、とアレンが答えてた。
そんなに酷かったのか、と聞いたら口をそろえて『呪われた城』だの
『B級ホラーの舞台』だの失礼な事を散々言ってくれる。
本当のことだったとしても配慮しなさい無神経。

152:ひとつ終わってまたひとつ
02/06/08 22:28
「おお、姫様」

無礼者二人を膝蹴り込みで躾し直していたら
後ろから声をかけられた。
振り向いてみれば何百人もの人人人。
老若男女とりまぜて、手に手に道具をもっている。

「急に魔物の気配が消えまして」
「きっと王女さまがハーゴンを討ったのだと」
「お城を清めてお迎えしようと思いまして」

皆が取り囲んで一斉に口を開くものだから
聞くのも大変、答えるのも大変。
何とか状況を把握して、
王女らしく感謝を述べなきゃと思っていたのに、

思っていたのに。

「皆、あ、あり、ありがと…」

出てきたのは嗚咽交じりの単語だけ。
笑おうと思って失敗した。
国の代表がコレじゃ情けないわ。
そう思うとまた涙が出てきてとうとう顔を覆って
その場に蹲ってしまった。

「姫様、これからです」
「みなで城を再建しましょう」
「サマンサ様」

そんな私を姫様王女様って慕ってくれる人たちがいる。
嬉しいのに、ただ頷くことしか出来なかった。

「そ、うね、これから、ね。頑張り、ま、しょう」

やっと搾り出した声はしゃがれててみっともなかったけど、
周囲の人たちはみな笑顔で答えてくれた。

153:ひとつ終わってまたひとつ
02/06/08 22:31
「もちろんです!」
「ムーンブルクに栄光を!」

姫様バンザイ王国バンザイという万歳合戦に入り、
ふと気が付けば後ろで二人が笑ってる。
何よ、って毒づいたら『ま、ついでだ』と二人に胴上げされた。
その周りを人が囲ってさらに万歳祭り。
さっきまで大泣きしてたのにいつの間にか大笑いしていたわ。

お父様、お母様。
お城はなくなったけど私には慕ってくれる民がいます。
(ちょっとクセ強いけど)頼りになる仲間もいます。
だから安心して見守っていてくださいね。

そう思った途端に手を滑らされて落とされた。
これだから力馬鹿と貧弱コンビは……。
気分良かったから往復ビンタだけで許して『あげた』

ほんとに良い仲間達。
まったくよ。

154:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/06/10 04:58
sage

155:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/06/11 03:10
ローレとサマルを尻に引いてそうなムーンたんに萌えたので保守。

156:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/06/12 07:50
sage

157:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/06/12 15:43
ギコさんは、最燃えのSSも収集されるのかな?

158:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/06/12 16:44
小説スレのリンクがいくつか抜けてますが収集しましょうか?不要でしたら気にしないでください。

159:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/06/13 09:59
そろそろ圧縮がありそう。
保全

160:アルミラージ斉藤 ◆CwTW2YVw
02/06/13 15:42
sage

161:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/06/14 17:23
保全

162:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/06/14 22:40
>ギコガードさん
まだ収集はだいぶ先のスレではあるんですが
スレリンク(801板)
↑のスレの
186-195
217-229
278-293


スレリンク(ff板)l50 の
221-229
は、保管対象から外してください。
ご迷惑おかけしますが、よろしくお願いします。

163:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/06/16 08:57
sage

164:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/06/18 03:11
保守

165:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/06/18 23:01
保守

166:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/06/19 19:29
今にも落ちていきそうだ・・・
保守

167:名前がある@ただのブロのようだ
02/06/19 19:55
俺なんかが保守していいのか分からんが
とりあえず保守

168:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/06/20 08:33
きっとFF11で忙しいんだろうな・・
楽しそう

169:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/06/21 09:40
ビンボーなわしはFF11なんて無縁でございます

170:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/06/22 15:23
sage

171:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/06/23 01:43
保守

172:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/06/23 09:48
保守ばっか。

173:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/06/23 10:18
こちらのスレに書き込んだSSを、自分のサイトで公表したら
ギコさんの保全対象から外れます?
最萌&最燃えで結構書いたから、サイト立ち上げようかと
思い始めたんですが。

174:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/06/23 15:02 JnswfXqE
あげ

175:ギコガード ◆FFDQ/roc
02/06/23 17:22
ううう、申し訳のないことです。゜(゜´Д`゜)゜。
えーと、ご自分のサイトで保管されましても
特に拒否の意思表示がない限りは勝手に
こちらでも保管していく所存でありまする。

……FF11、キチガイ沙汰のように面白いっすよ!

ε=ε=┏( ´Д`)┛

176:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/06/25 11:23
>175
なるほど
だまされたと思って買ってみようかな・・

177:173
02/06/25 20:55
了解!
自分のサイトを作ってもギコさんのところに置いておいていただくのでは
悪いなあとか思ったのでした。
では、こそーりとサイト作成を目論みつつ、こちらに書いたものはそのままに
しておこうと思います。

178:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/06/25 23:02
お前らサイト作りぐらい自分で挑戦してみてはいかがですか?

179:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/06/27 18:45
最萌え陵辱トーナメント
ラグナ×エルオーネ
URLリンク(game.2ch.net)
1000ワッカ×フォズ
URLリンク(game.2ch.net)
ギコガードさんこういうのは保管対象になるんでしょうか?

180:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/06/27 20:23
最萌関係のはSSを直接こちらのスレに貼る以外は拾いきれない、という話じゃなかったです?
でも別物のスレだから、レス番を書いて拾いやすくすれば拾ってくださるかも~ん。

181:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/06/28 14:12
スレリンク(ff板)l50
はここに入るの?

182:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/06/28 23:04
>181
うーん・・。

183:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/06/30 13:30
ファリス超萌えスレの6は保管対象なってるんだっけ
リンクなかったから一応貼っとく
スレリンク(ff板)l50

184:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/06/30 23:03
181は場違いの信者?

185:ギコガード ◆FFDQ/roc
02/07/01 10:23
どうやら8月あたりからとても暇になりそうな気配ですよ?
更新はそのあたりにぽつぽつ再開しようかと思ってます。
それまではFF三昧っすよ。
てか、FF11の小説書きたいなぁ……。

オニオン団に犯されるナナー・ミーゴとか書きたい(´Д`)ハァハァ

186:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/07/01 12:07
>186で今やってるヒトデ×ファリスは保管対象ですか?
コテハン×ファリスだから違うのかな
でも極めて良作なので保管してほすぃ

187:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/07/02 19:03
ほぜん

188:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/07/04 19:03
ほぜーん

189:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/07/06 01:24
保全

190:アルミラージ斉藤 ◆CwTW2YVw
02/07/06 23:56
hozen

191:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/07/07 02:40
ローリング保守

192:◆469/wPAw
02/07/07 15:19
保全

193:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/07/07 18:42 F3Qi0XIs
落ちないようにあげ

194:ギコガード ◆FFDQ/roc
02/07/08 00:44
いつもすみません…。゜(゜´Д`゜)゜。

195:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/07/08 01:51
つぎの更新は楽しみな小説が結構あるからなあ
量がいままでで最高数だと思うけど大丈夫かしらん

196:MOMO ◆MOMO/RMo
02/07/09 06:14
お久し振りですー。
ようやく串規制の悪夢から、解放されました。
おかげで最燃で、サマル投票できませんでした…。
哀しみを忘れる為と保全を兼ねて、当時イキオイで突っ走りながら書いた
最萌トナのムーンブルク王女様支援の小説を、少しずつ貼らせて下さい。
今読み返すと、激しく恥ずかすぃですが…。

197:果てしなき凍土(FC版 DQII)
02/07/09 06:15
<1>
 「ね、アレン……少し休まない?」
 ぐったりした様子で、ムーンブルク王女プリンが提案した。
 「なに言ってるんだよ、もうすぐ出口が近いってのに。それに、こんな所に休める所なんてあるもんか!」
 確かにここは、ロンダルキアに続く洞窟。恐ろしく強い魔物がうようよする、魔の巣窟だ。
 「じゃあ、戻りましょう。これ以上は無理よ」
 「せっかくここまで来たんだぜ。あと戻りなんて、できるか!」
 そう言うと、ローレシア王子アレンは二人の仲間を置いて、さっさと先に行ってしまった。
 それまで黙って二人の会話を聞いていたサマルトリア王子クッキーは、アレンを追いかけ、こう言った。
 「僕もプリンの意見に賛成だ。僕たち魔法を使う者にとって、MPが枯渇した時は死と同じ意味を持つんだよ」
 「俺はどうせ魔法を使えないからな。そんな難しいこと、わからねえよ!」
 「僕は皮肉を言ってるわけじゃない、今なら引き返せると言っているんだ。勇気と無謀は違う。次にもし戦いがあったら
 リレミトできる保証は無いよ」
 「クッキー……いいわ。リーダーはアレンなんだもの。わたし、わがまま言ってごめんなさい」
 「でも、プリン………」
 「いいの。ありがとう、クッキー」
 にっこりとプリンは笑った。

198:果てしなき凍土(FC版 DQII)
02/07/09 06:16
<2>
 「おい、回復頼む」
 「………」
 「………」
 「なんだよ、MP切れたのかよ………じゃあ、薬草」
 「さっき使ったので最後よ」
 「アイテムも無しかぁ。仕方ない、クッキー、リレミトだ。脱出しよう」
 「………すみません」
 「なんだよ!リレミトも出来ないのかよ!役立たずだなっ!」
 「アレン!クッキーになんてこと言うのっ!」
 「役立たずだから、役立たずだって言ったんだっ!文句あるかっ!」
 二人がもみあっている内に、足元が崩れ落ちた。落とし穴だ!
 「わあっ!!」
 「きゃあ――っ!!」
 黒い闇が、ぱっくりと口を開ける。
 逃げ遅れたクッキーとプリンが、闇の中に消えてゆく。
 「クッキー!!プリーン!!」
 アレンは穴に向かって叫んだ。

199:果てしなき凍土(FC版 DQII)
02/07/09 06:18
<3>
 クッキーは咄嗟にプリンを引き寄せ、頭を抱えるように彼女を抱きしめた。
 ドサリと鈍い音がして、硬い地面に二人は投げ出された。
 「う、ううん………」
 痛い。ここの穴は特別深かったみたい。プリンは、ゆっくりと半身を起こした。
 「クッ…キー…?」
 ゴツゴツとした硬い岩の上に、クッキーが倒れている。
 おびただしい血が彼の体から流れ出していた。
 「クッキーッ!!」
 這うようにプリンはクッキーの元に近づく。
 「あああ、なんてこと………クッキー、目をあけてっ!しっかりっ!」
 「プ……リン……?」
 泣きながら、プリンは自分のスカート部分の布を持っていたナイフで切り裂いた。止血しようというのだ。
 クッキーの傷に押し当て、なんとか止血しようとする。しかし傷は深く、広範囲すぎた。
 「プリン……無事で……よかった…」
 「しゃべっちゃだめよ!あ………」
 プリンの耳に、ヒタヒタと近づく魔物たちの足音が聞こえてきた。
 「……逃げて……僕はもう………」
 クッキーが、かすれた声で言う。
 「わたしがクッキーを置いていけるわけないでしょう!!」
 「大丈夫……ルビス様がついてる………アレンも………もうすぐ来るよ」
 「わかった。アレンを呼びにいくわ!でも、階段がわからないの!」
 「僕の袋に…マッピングがある。見せて………」
 プリンはクツキーの袋を外し、地図らしきものを取り出して、彼に見せた。
 「このフロアなら…ここから九時の方向…に階段があるよ……」

200:果てしなき凍土(FC版 DQII)
02/07/09 06:22
<4>
 だが、遅すぎた。魔物たちは血のにおいを嗅ぎ付け、すぐそこまで押し寄せてきていたのだ。
 「ダメ………敵が多すぎるわ!」
 クッキー庇うプリンの前には、魔物の群れが取り囲んでいた。
 「……プリン……僕に考えがある………言う通りにして。いいね!」
 クッキーの、いつにない強い語気に呑まれ、思わずプリンは頷いた。
 「……走って……プリン………できるだけ遠くに!」
 クッキーの口からは、プリンが聞いた事のない、不思議なフレーズの呪文が詠唱された。

 「  メ  ガ  ン  テ  ッ  !! 」

 カッ!とまばゆい閃光が走り、爆風にプリンは足元をすくわれた。
 倒れこむ彼女の上を、熱砂が吹き抜ける。


 「……リン……プリン………大丈夫かッ!」
 アレンの声に、プリンは顔を上げた。
 「アレン!アレン!早くっ……クッキーを!」
 「プリン………」
 「……クッキーを………!」
 「………」
 アレンの顔はひどく蒼かった。
 「なぜ答えてくれないの、アレン!!」
 「………」
 「まさか………」
 制止しようとするアレンの腕を振り切って、プリンはクッキーの倒れていた場所に向かって走った。

201:MOMO ◆MOMO/RMo
02/07/09 06:26
ガ━━(゚Д゚;)━━ン
「連続投稿規制警告」が出ました!
やっと書き込み規制から解放されたのに……わし、荒らしじゃないよう!
残りはまた後日に………スミマセン。

202:名前が無い@ただの名無しのようだ
02/07/09 17:51
お手伝い割り込み

203:果てしなき凍土(FC版 DQII)
02/07/09 19:20
<5>
 ――それは凄惨な光景だった。
 黒焦げの魔物の死体が、まるでオブジェのようにひとつに固まっている。
 その中心部だけ、やけに白く円形に焼け残っていた。
 「クッキ――ッ!」
 プリンの絶叫が洞窟内にこだました。

 プリンのすみれ色の瞳から、とめどなく溢れる涙が、クッキーの頬に降り注ぐ。
 事切れて、冷たくなったクッキーの体を、彼女はしっかりと抱きしめた。
 「プリンには、黙っていてくれって言われてたんだ………」
 いつの間にか隣で膝を抱えて座っているアレンが、うつむいたまま呟く。
 「――クッキーが、メガンテを使えるってこと」
 「メガンテって、自分の命と引き換えに敵を討つ、自己犠牲呪文の?」
 「男と男の約束だったから――くうううっ!クッキー!!」
 プリンはアレンが泣くのを初めて見た。
 彼女は、号泣するアレンの肩に、そっと手を置いた。
 「帰りましょう、アレン。クッキ―を早く生き返らせてあげたいの………」

 二人はクッキーの遺したマッピングを頼りに、入口までたどり着いた。
 アレンは、クッキーをそっと抱きかかえ直すと、キメラの翼を天に向かって投げた。

204:果てしなき凍土(FC版 DQII)
02/07/09 19:23
<6>
 「申し訳ありませんが、わたしの手には負えません」
 ベラヌールの教会に駆け込んだ二人に向かい、神父はすまなさそうに言葉を濁した。
 「生き返らないって………どうして!」
 「ご遺体の状態がひどすぎるのです。骨はほぼ全体が骨折していますし、内臓も……」
 「そんな………クッキーは意識もあったし、魔法まで使ったのよ!」
 「それは奇跡です。よほど強い意志をお持ちの方だったのですね………常人なら痛みで気を失っているところですよ」
 「プリンが心配でたまらなかったんだろう。あいつは、いつも自分より仲間を優先する奴だったから……」
 「せめて、ご遺体を綺麗に清めて差し上げましょう」
 神父は人を呼び、クッキーの眠る棺桶を教会の奥に運ばせた。

 「クッキーが死んだなんて、サマルトリア王や妹さんに言えないわ……」
 「クッキー、俺のこと、恨んでいないかな……」
 「アレン、クッキーがそんな人間じゃないってこと、あなたが一番よく知ってるでしょう?!」
 「ああ!でも、恨んでくれた方が気が休まるんだよ!」
 アレンは顔を覆った。

 「お二方っ!少しお聞きしたいことがあるのです!」
 息を切らして神父が走ってきた。
 「あのご遺体の方は、もしや勇者ロトの縁者ではございませんか?!」
 「隠してもしょうがないか。いかにも、あいつはロトの子孫、サマルトリアの王子だよ」
 「それでは大丈夫ですッ!あの方は、蘇生できるでしょう!」
 「ホントかっ!!」
 「神父様、お願いします!!」
 アレンとプリンは、手と手をとって喜びの声をあげた。

205:果てしなき凍土(FC版 DQII)
02/07/09 19:23
<7>
 「ご遺体の方の服の紋章を見て、気が付いたのです。先程は、血で汚れていてわかりませんでした」
 「紋章がどうかしたのか」
 「こちらをご覧下さい」
 神父は天井を指差した。
 天井には、ルビス神と、不死鳥ラーミアが描かれている。
 「古い言い伝えによりますと、この地を大賢者様が訪れ、この教会を建て、こう言い残して去ったそうです」

 ――世界が再び闇と破壊に包まれんとする時、ラーミアを胸に抱く勇者現れ、禍根を絶つであろう――

 「そして、その時はどんな不可能をも可能にする、聖なる力で勇者は復活を遂げると!」

 すっかり清められたクッキーを前に、神父が蘇生の儀式を始めた。
 棺桶に香入りの聖水がまかれ、聖書の朗読が始まった。
 「――彷徨える、勇者ロトの末裔にしてサマルトリアの王子クッキーの魂を、この肉体に戻し給え!!」

 ルビス様っ!お願いです!クッキーを生き返らせてください!
 あいつはまだ死ぬのには早すぎる!ルビス様!クッキーを俺たちに返してくれ!
 プリンとアレンは一心に祈りを捧げた。

 「………う………うぅん………」
 クッキーの瞼がゆっくりと開き、彼は棺桶からむっくりと起き上がった。
 「やったあああぁっ!!」
 「よかった!クッキーッ!!」
 不思議そうに辺りを見回すクッキーに、二人は抱きついた。
 二人の涙が、クッキーの服を濡らす。
 だが、今度の涙は嬉し涙だった。

206:果てしなき凍土(FC版 DQII)
02/07/09 19:24
<8>
 それから暫らくして、三人は再びロンダルキアに向けて出発した。
 「さぁ、行こう!!」
 「うんっ!!」
 「ええ!!」
 「今度は同じ轍を踏まないからな!」
 真顔で、アレンは後ろにいるクッキーに言う。
 「気にしてないよ、アレン」
 「クッキー、いいのよ。アレンは少しぐらい慎重な方がいいわ」
 「ちぇ。クッキーは優しいのになぁ」

 ロトの血筋で結ばれた彼ら三人の前には、これからも幾多の困難が待ち構えているに違いない。
 しかし、彼らには仲間がいる。かけがえのない仲間たちが。
 例え、強大な敵が行く手に立ちはだかったとしても、彼らは撃破してそれを証明する事だろう。
 不可能な事は何一つ無いのだと――。

                                                             (完)

―――――――――――――――――――――

>>202-tan Thanks a lot!

207:いつか陽光の下で(DQII)
02/07/10 22:23
<1>
 地下都市ペルボイに、夕闇が迫っていた。
 否、正確に言うならば、たいまつの火を調節して、人工的に夜を作り出しているのだ。
 魔物を操る邪教の大神官ハーゴンを恐れ、この地の人々が地下に潜伏するようになって久しい。
 そのハーゴンを倒すべく集結した私たち“ロトの末裔”は、つかの間の休息に浸っていた。

 「今夜は、何処に行くつもり?」
 窓辺で、細々と燃えるたいまつの炎を眺めていた私 ― ムーンブルク王女マリアは、ちらりと ― ローレシア王子アレフの
方を振り返った。
 「うーん、そうだなぁ」
 その長身をもてあまし気味にソファーに寝転んで、天井を見つめているアレフの視界に、華奢な金髪の少年が入り込む。
 「アレフ、もう決まってるくせに」
 おかしそうに、その少年 ― サマルトリア王子カインは笑った。
 「決まっているなら、教えなさいよ。今夜の夕食の場所は、あなたが決める番でしょ」
 私は椅子から立ち上がった。
 「マリア、アレフはね、気になってる人がいるんだよ」
 「ばっ、ばか!そんなんじゃねぇ!」
 凄い勢いでアレフが否定する。
 「どういうことかしら。くわしく教えて」
 「どうもこうもねぇよ。バカバカしい!」
 「あら、そう。じゃあカインに聞こうかしら。ね、カイン、アレフは一体何をそんなにあせっているのかしらね?」
 「マリアも聞いたでしょ、あの歌」
 私には心当たりがあった。宿に入る道すがら、街の中に流れていた、甘く切ない恋の歌を。
 「ああ、あれね」
 「アレフはあの歌を生で聞きたいんだよね」
 「まぁ、意外にロマンチストなのね」
 「うるへ!」
 あら、赤くなってる。可愛いところあるじゃない。

208:いつか陽光の下で(DQII)
02/07/10 22:23
<2>
 「それにしても、この街は密閉されているせいか、暑いね~」
 「空気孔位しかないから、熱がこもるんだろ」
 「でしょう?そう思ってね。は~い、二人ともこれを着てちょうだい!」
 私は先ほど店で購入しておいた、半そでの開襟シャツ状になった短い上下の服を渡した。
 いつもと同じ服じゃ、リゾート気分が味わえないものね。
 「ありがと、マリア!」
 「気がきくじゃん」
 さっそく二人は、私の買ってきた服に着替え始めた。
 私も別室でお召し替え。
 以前は、一人で着替えなんて想像もしなかったけど、今では全く当たり前の光景になってしまったわ。

 元の部屋に戻ると、彼らも着替え終わっていた。
 うんうん、二人とも私の見立て通り、とてもよくお似合いだこと。
 もともとラフなスタイルが好みであるアレフは、本人も満足げだ。
 問題は、この子よね………あ、やっぱり浮かない顔してる。
 「何よ、気に入らないの?」
 「マリア、聞くけどコレ女物じゃないの?」
 「そんなことないわよ。ホラ、下もちゃあんと半ズボンでしょ?」
 「そう?これってキュロットスカートっていうんじゃない?」
 ばれてる。
 そうだったわ。一人っ子のアレフはともかく、この子には妹がいたんだっけ。
 これ以上、ごまかすのは無理のようね。
 「仕方なかったのよ。あなたのサイズでは、それしか置いてなかったんだもの。我慢してちょうだい」
 「やっぱり~。変だと思ったよ。じゃ、僕コレ着ないよ!」
 「ワガママ言わないの!そんなワガママ言う子は、お仕置きですからね」
 ちょっとした悪戯心が起きた私は、カインをつかまえていじくり回した。
 当初は抵抗をしていた彼だが、私がひと睨みすると、すっかりあきらめ顔で、なされるがままになっていた。


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