07/05/17 00:54:48
①まっすぐ駅に向かう
人気のない所を避けるようにして、大通りをまっすぐ駅へと向かう。
平日ほどではないけれど、私と同じ様に駅へと歩く人たちも多かった。
(なんだか、疲れちゃったな……)
歩きながらぼんやりと目を向けたショーウィンドウに映りこむ自分の顔は
随分泣いたせいか、目の充血はそうでもないものの瞼がうっすら腫れあがって
お世辞にも可愛いとは言えない、そんな表情だった。
どこか冷静にそう思う自分がおかしくて、自然と小さく笑みがこぼれた。
「……大堂?」
不意に後ろから呼び止められた。反射的に振り返ると、そこには一郎くんの姿があった。
「一郎くん……」
「一人で一体どうしたんだ?弟くんは……」
よほど私の顔に出ていたのだろうか。言いかけて、一郎くんは途中で口をつぐんだ。
気付いてしまった一郎くんの気遣いがなぜだか悔しくて、私は無理矢理笑顔を作って言った。
「私たち、いつも一緒にいる訳じゃないよ?春樹だって春樹の都合もあるしね」
「……そうだな」
一郎くんはそれ以上、何も聞かなかった。
ただ一言『家まで送ろう』、そう言って私の前を歩き出す。
どうしよう?
①一人で帰りたいと断る
②黙って後をついてゆく
③なぜそれ以上聞かないのか尋ねる