選択肢を選んで1000スレ目でエンディングat GGIRL
選択肢を選んで1000スレ目でエンディング - 暇つぶし2ch241:名無しって呼んでいいか?
07/02/28 20:38:11
③「やっぱり隆と水野先生は同じ組織なのかな?」

「違うんじゃないか?」
「え?どうして?」
「同じ組織の人間なら、一郎先輩が水野先生を隆さんへけしかける理由がないじゃないか」
「あ…そうか」
「別の組織か、もしくは隆さんはどこにも属していないか…」
隆が水野先生の組織とは関係ないと聞いてなんとなくほっとする。

「まあ、推測だよ。でも、姉さん本当に危険なんだから、隆さんには近づかないこと!」
「……どうしても?」
「当たり前だろ!?隆さんと話しがしたいなら、ファントムを退治できるようになってからにしてくれよ?取り付かれたら大変なんだからね」
「あ、そっか、そうだよね…」
見ることはできても、ファントムを退治できないんだから、万が一取り付かれるようなことがあったら大変だ。

(でも、隆はいままで私にファントムを取り付かせようとはしなかったのよね…?)
もしその気になれば、今までだって隆はいつでも私にファントムを取り付けることができたはずだ。
そういうと、春樹は首を振った。

「今までは姉さんと隆さんの関係は良好だったじゃいか。ファントムを取り付ける理由なんてなかったよ」
「……そうかな?」
「そうさ。もし水野先生が隆さんへちょっかいをかけなければ、何もしなくても姉さんは隆さんを信用してたろ?」
「そうだね、たぶん……」
「でも、これからは違う。姉さんは隆さんを不信に思ってる」
「うん……」
「自由にならないなら、自由にできるようにファントムを取り付けることだってするかもしれない」
「………」
春樹の言うことはもっともだ。

じゃあ、どうすればいいんだろう…
1.隆に近づかない
2.一郎君か修二君と一緒に行く
3.それでも一人で話しをしに行く

242:名無しって呼んでいいか?
07/02/28 23:33:17
3.それでも一人で話しをしに行く

春樹に言うことは、正しい。
でも、裏切られたけれど、私はまだ隆を嫌いになれないでいた。
悔しくて、悲しいけれど他にも隆とはたくさんの思い出があるからだ。
幼い頃の隆は元気な男の子で、暗くなるまでよく遊んだ。
そんな過去からは、何かを企てていたようには思えない。

「わかったよ、春樹」
「絶対に隆さんには近づかないこと」
「……大丈夫だってば」

(ごめんね春樹。どうしても納得できないんだ)

隆が別の組織、または単独で動いているのは間違いなさそうだ。
だけど、ファントムを取り付けなかったことについて理由がはっきりしない。
操れる力があって、当時の私はそれが見えないのだから、取り付かせたほうが早い。
一郎君が水野先生に近づいていたように、もし何らかの理由があって隆も水野先生に近づいていたとしたら……。
そこに私の力を狙っている理由も隠れている気がする。

隆と水野先生を音楽室で見たときは、とにかくショックでただ逃げ出したかった。
そのせいで、ちゃんと話すらもできなかった。
また逃げ出せば、真相はいつまでも分からないままだ。
ファントムが見える今なら、新たな真相が明らかになるかもしれない。
春樹の言うとおり危険を冒すことにもなるけど……。

私は自室に戻り、携帯を手とって
①隆にメールをする
②隆に電話をかける
③やっぱり止める

243:名無しって呼んでいいか?
07/03/01 06:33:09
②隆に電話をかける

直接に会うのは危険だけれど電話なら…?
隆との付き合いは長い。声だけでも嘘をついているかどうかは大体判別できる。
短縮に入っている隆の番号を押す。

(さっきどこかへ向かっているようだったけれど…でるかな)
1コール 2コール 3コール ……

「愛菜!?」
3コール目で慌てたような隆の声。

「………」
「……愛菜から電話もらえるって思わなかった」
とっさに言葉の出なかった私にかまわず、隆が言葉をつむぐ。

「愛菜ごめん。俺、お前を傷つけてばっかりだな」
謝罪の言葉。今回隆は言い訳する気はないようだ。

「……隆、聞きたいことがあるの」
「………なんだ?」
私の真剣な声に、隆の声も真剣なものに変わる。

1、「隆は水野先生に、何がしたかったの?」
2、「隆はいつからファントムを作れるようになったの?」
3、「隆はどうして私を狙っているの?」

244:名無しって呼んでいいか?
07/03/01 09:35:20
2、「隆はいつからファントムを作れるようになったの?」

「ファントム…?」
何のことだか分からない、といった感じの隆の声。ウソはついていない。

(あ、そうか、ファントムって呼び方は一郎君たちの呼び方なんだ…)
「えっと、黒い霧みたいなもやもやした…隆の周りにあるのよ」
「愛菜にも見えるのか…?いつから……」
「私は最近よ。で、隆はいつからあれを作れるの?」
私が見えるのは御門君との契約のおかげだ。けれどそれは言わないでおく。

「……いつから、と聞かれるとはっきりとは分からないとしか答えられないな」
少し考えるような間の後隆が話し出す。

「中学二年くらいからか?俺はミストの…俺はアレをミストって呼んでるんだけど…、ミストの存在を知った。それからそれを作ったり操れることに気づいた」
隆の声にウソはない。

「見え始めてしばらくして、俺が作った以外のミストが愛菜を狙ってるってことに気づいたんだ」
「え?」
思いがけない隆の言葉。

「ミストの性質は分かってる。だから必死だったよ。なるべく近くにいて他のミストを愛菜に近づけないようにするのにさ…」
隆の声にウソは感じられない。
それじゃあ、一郎君たちがウソをついているのだろうか?
けれど一郎君たちにもウソをついている様子はなかった。

それじゃあ一体…?

1.隆が私を狙ってるって言うのは一郎君たちの勘違い?
2.やっぱり隆がウソをついてる?
3.一郎君たちが本当は敵?

245:名無しって呼んでいいか?
07/03/01 19:27:45
1.隆が私を狙ってるって言うのは一郎君たちの勘違い?

隆の影と別の第三者が操る影を間違えているとしたらあり得る話だ。

「ねえ、そのミストは誰が操っているのかは判るの?」
「そこまでは判らない。だけど、他の誰でもなく愛菜だけを狙ってくる」
「私だけを?」
「なのに愛菜は見えてないみたいだし、こっちは大変だったんだからな」

(隆がずっと守ってくれていたって事だよね)

「愛菜にもミストが見えるようになったって事はもう影を操ることも出来るんだよな」
「ううん。私は見えるだけで、操れないんだ」
「えっ! じゃあ今まで通り愛菜のお守りは継続しなくちゃいけないって事か。まぁ、見えるようになったのなら少しはマシか」
「影の事、一度でも相談してくれればよかったのに……」
「愛菜にミストの話しても、テレビの観過ぎって笑うだけだろ」
「確かに、信じなかったかも」

そして、電話の向こう側の隆が不意に黙り込む。
隆が次に話し出すまで、私はじっと待った。

「……ヘンな影が見える事、愛菜に黙っていたせいで…誤解させて、悲しませて……その……」
「うん」
「……悪かったっていうか…」
「ううん、私こそ今までごめんね」
「でさ、電話だけじゃなんだし今から会えないか? あのファミレスで待ってるからさ」

私は……
①ファミレスに向かう
②断る
③考える

246:名無しって呼んでいいか?
07/03/01 19:49:34
③考える

隆には会いたい。
でも、春樹から離れるわけにも行かない。
春樹だって狙われる可能性があるのには、かわりないんだから。

「………やっぱり、駄目か?」
考え込んでしまって、返事をしない私に隆の暗い声が聞こえてくる。

「あ、そうじゃなくて…春樹が……」
「春樹?」
隆にはどうしてそこで春樹の名前が出てくるのか不思議らしい。
私は隆に水野先生が私を狙っていること、水野先生のバックには何かの組織があること、そしてだんだん手段を選ばなくなってきていることをかいつまんで説明した。

「私と同じく春樹も危険なの……私には見えるけど春樹には見えないし」
「そうか……」
隆も納得したらしい。

「それじゃあ、俺がそっちに行くよ。それならいいか?」
それならいいかも…でも、ちょっと不安が残る。

1「いいよ。まってる」
2「一郎君と修二君も呼んでもいい?」
3「春樹に聞いてみる」

247:名無しって呼んでいいか?
07/03/01 22:35:33
1「いいよ。まってる」

(春樹には後で説明すればいいよね)
「そうか……じゃあ、すぐに愛菜ん家に行くから」
「うん、待ってるよ」

私は携帯を置くとため息をつく。
隆の一件は私の勘違いだったようだ。
裏切られたと泣いたりして、一人空回りしてしまっていたことが今更恥ずかしい。

(そうだ。春樹に隆のことを言わないといけない)
階段を降り、リビングに向かう。
「春樹、今から隆が来るから……って、あれ?」
リビングは静まりかえって、人の気配はしない。
「春樹の部屋かな?」
急いで二階に上がり、春樹の部屋をノックする。
「春樹、いる?」
返事はない、どうやら部屋にも居ないようだ。
「どうしたんだろ……買い物かな? まさか……」

ピンポーン

(どうしよう、もう隆が家に来ちゃったよ)

私は……
1.春樹の携帯に連絡を取る
2.とりあえず玄関に行く
3冷静になって考える

248:名無しって呼んでいいか?
07/03/01 23:25:52
2.とりあえず玄関に行く

玄関を開ける。
「……よぅ」

案の定そこには隆の姿。
「隆…ごめん、ちょっと中に入ってて、私電話を…」
「電話?」
「春樹が居ないのっ、携帯に電話してみる」

春樹が私に何も言わずに出かけるなんておかしい。
「落ち着け。春樹を探してるんだな?」

隆の言葉に頷く。
「まさか、ファントム…ミストに取り付かれてどっかいったんじゃ…」
「3日前に春樹に会ったときには大丈夫だった。ミストが取り付いた人間を動かせるようになるまで少し時間がいる。早くても1週間だ」
「隆は、取り付いてる人間と取り付いてない人間がわかるの?」
「わかる。ミスト同士は共鳴するようなものがあるからな」

修二君はとりつかれた人間は見ただけじゃわからないといった。
だが、ミストを作り出せる隆の方法だとわかるのだろう。
「じゃ、いったいどこに……」

そのとき庭のほうで音がした。
慌てて向かうと、春樹の姿。手には古びたアルバムを持っている。
庭に居たということは、物置から探し出してきたものだろう。
「春樹!よかった……」
「姉さん?どうしたのそんなに慌て……っ、姉さんこっちに!」

春樹は私の姿に首を傾げたが、後ろから隆が姿を見せると、私の腕をつかんで後ろにかばった。
「は、るき!隆は大丈夫!私たちの誤解だったのっ!」
「……どういうことさ?」
「それは俺から説明するよ。中に入ろう」

春樹は隆をじっとにらみ、私をかばったまま頷いた。
「わかりました。ですが、一郎先輩と修二先輩も呼びます」

春樹警戒しすぎだよ…
①「わかった、二人を呼ぶね」
②「呼ばなくても大丈夫だから」
③「その前に、そのアルバムはどうしたの?」

249:名無しって呼んでいいか?
07/03/02 00:30:25
③「その前に、そのアルバムはどうしたの?」

私は春樹が持っているアルバムを指差した。
「……さっき姉さんと昔話をしていたら懐かしくなったんだ」
春樹は相変わらず、隆を見据えたままだ。
「はぁ、春樹が無事で良かった」
春樹が居た事に、私はほっと胸をなでおろした。
「……共鳴はしていないようだし、大丈夫みたいだな」

そのとき、アルバムの中から一枚の写真が地面に落ちた。
「これ……」
「俺が中学二年の夏休みに交通事故で怪我した時の写真だな」
そう言いながら隆は、ひょいと写真をとった。
病室で隆と私が並んで写っている。
「俺、この怪我以降から少しずつミストが見えるようになったのかもしれない……」
隆は写真をじっと見つめて、考え込んでいる。

「ミスト?」
「黒い影……ファントムを隆はミストって言っているの。詳しい事は中に入って話そう」
「……わかったよ」

私たちは揃ってリビングにあるソファーに腰を下ろす。
「単刀直入に聞きますけど、隆さんは敵なんですか、味方なんですか?」

私は……
①二人の様子を黙ってみている
②味方だと答える
③わからないと言う

250:名無しって呼んでいいか?
07/03/02 06:51:17
①二人の様子を黙ってみている

「味方に決まっている。俺はずっと愛菜を守ってきたんだ」
隆は憮然とした顔で言った。

「守る?」
訝しげに眉を寄せた春樹に、隆は私にしたのと同じ話しをする。
春樹はそれをじっと聞いていた。

「では姉さんが怪我をした日、保健室へ来るのが遅かったのは何故なんですか?」
「あの時は、宗像兄のほうを監視してたんだよ…」
「え?一郎君?」
「そう。お前が、水野先生とあいつの話をしただろう?それで気になって…。宗像兄に怪しい動きはなかったけどな」
「そうだったんだ…」
「特に怪しい動きもなかったし帰ろうとおもったら、お前が怪我をしたって聞いて慌てて保健室に行ったんだ」
そういえば、隆にそんな話しをした。まさかそれを調べているなんて思いもしなかったけれど…。

   ぴんぽ~ん

「あれ?誰か来た…見てくるね」
私は立ち上がり玄関へ行く。
玄関ののぞき穴からみるとそこには…

1、一郎君と修二君
2、宅配のお兄さん
3、隣の家の人

251:名無しって呼んでいいか?
07/03/02 19:00:36
3、隣の家の人

「回覧板です」
私は隣の家の人から回覧板を受け取る。
「ありがとうございました」

(なんだ……ただの回覧板か)
玄関の扉を閉めると、私は二人の居るリビングに戻る。

「じゃあ、隆さんは中学二年の頃から影が見えたって事ですか?」
「そうなんだ。見えないヤツに言っても仕方がないし、ずっと黙っていた」
「……そうですか」
隆と春樹は先に話を始めていた。
隆が一通り説明しても、春樹はまだ疑っているみたいだ。

「じゃあ、水野先生と音楽室に居た事についてはどう説明してくれますか?」
「それは、いつ会っていた時の話なんだ?」
「姉さんがその……隆さんに別れるって言った時ですけど」
「春樹にまで知られちゃってんのかぁ~。かっこ悪い……」

「ごめん、私が言ったの」
私は肩をすくめて言った。

「実のところ、その時の記憶が無いんだ。気がついたら、愛菜が泣きながら去るところだった。やっぱり……俺が泣かせたんだよな」
「記憶にないって!? 開き直るつもりかよ!」
春樹は隆の胸ぐらに掴みかかる。
「酷いよ。言い訳してくれる方がまだマシじゃない」

「今なら、二人とも信じてくれるから言うんだけど。実は俺、ミストを操るようになってからたまに記憶が無くなるんだ」

何よ……。せっかく隆を信じようって思っていたのに
①隆に帰ってもらう
②詳しく尋ねる
③様子をみる

252:名無しって呼んでいいか?
07/03/02 19:31:27
②詳しく尋ねる

「…どういうこと?」
私の胸の中にもやもやと不安が広がる。

「なんていえばいいかな…唐突に意識が鮮明になったとおもったら、急に意識だけ別のところへ飛ばされるような感じになる」
そのときの様子を思い出すように、視線をさまよわせながら隆が言う。

「その間、体のほうで起こってることは記憶にないんだ。意識と体が別になってるかんじがする」
うまく説明できないようで、もどかしげに隆がため息をつく。
けれど私と春樹には思い当たることがあった。

「春樹、もしかして……」
「物理的な消滅……」
「何だそれ?」
一郎君と修二君が教えてくれた、消えてしまう、という現状が起こるところだったのではないか…?
私は慌てて隆に、昨日一郎君たちから聞いた話しをする。うまく説明できなくて時々春樹が補足してくれる。

「だから、隆、あんまり無茶しないで!」
「………そうなのか」
隆は少なからずショックを受けたようだった。

これ以上隆に負担をかけるわけにはいかない…
1「私のことはもう守らなくてもいい」
2「私がそばに居ればいい」
3なにも言わない

253:名無しって呼んでいいか?
07/03/03 01:34:20
1「私のことはもう守らなくてもいい」

私は隆の手を取る。
「もう、十分だから」
「愛菜……」
「影を操る力は絶対に使わないって約束して」
私が掴んだ手を隆はそっと離す。
「なぜ手を離すの! 消えちゃうかもしれないんだよ」

「…………」
隆は何も言ってくれない。

「あのさ……姉さん、隆さん」
考え込んでいた春樹が突然話しかけてきた。

「隆さんが記憶を失っていた時……、隆さんは普通に会話していたんだよね?」
「うん。水野先生に促されるように言い逃れをしていたけど……」
「隆さん。意識が体に戻ったのが、姉さんが去る時ですよね?」
「ああ。宗像兄に連れられて愛菜が音楽室から出て行くところだった」
「意識がない隆さんが会話が出来るのはおかしいんだ」

春樹は一呼吸置くと、続けて話し出す。
「あくまで俺の憶測だけど……消滅の影響で不安定になった隆さんを何者かが乗っ取ったんじゃないのかな」

私は……
①自分なりに考える
②隆を見る
③春樹を見る

254:名無しって呼んでいいか?
07/03/03 08:36:20
①自分なりに考える

ちょっと待って。
キスの時の記憶がなかったって言ったわね。
それじゃあ一回目、私が初めて見たときはどうなるんだろう。
隆、一回目のこと知ってた。
後から記憶がフラッシュバックするのかしら。
今のことは忘れているみたいだし……。
一回目のことは水に流すとか言ってるから
安易に口に出せないのよね。

なんか色々ありすぎて頭いたい。

1・いっそ隆にそのことについて聞いてみる
2・春樹に相談してみる
3・御門君なら答えをくれそうな気がする。

255:名無しって呼んでいいか?
07/03/03 09:30:52
1・いっそ隆にそのことについて聞いてみる

「…ねぇ隆、一回目は?初めのときは記憶があったのよね?」
「ああ」
隆はバツが悪そうに頷く。

「力のこと隠さなくて良いから言えるけど、ミストを強化しようとしてたんだ」
「?」
疑問の表情を浮かべる私と春樹に、隆が説明をする。

「ミストは人に取り付いて人の生気をすって強くなるってのは知ってるよな?」
頷く私と春樹を確認して続ける。

「でも、それだと複雑な命令は出来ないんだ。作った主である俺から離れるから」
ちょっと間を空けてこちらを見る。

「ミストは作った本体、俺のことだけど、俺といるとかなり複雑な命令も受け付ける。俺の意思をそのまま実行するから」
ここまではいいか?と隆が確認する。私と春樹が頷く。

「でも、ミスト自体は本体である俺から生気を奪うことはない。強くするには他の奴の生気が必要なんだ」
「じゃぁ、あのとき水野先生の生気を…?」
「まあ、そうだな……別にキスする必要はなかったんだが、やけに先生が積極的で…」
言いにくそうに隆が目をそらす。
それは当然だろう。水野先生は一郎君に頼まれていたんだから…。

「あ、もちろん生気をもらうって言っても命に別条がない程度で…」
無言の私にあわてたように、隆が付け加える。

私は…

①「それでキスしちゃったんだ、サイテー」
②「仕方ないよね…水野先生にも目的があったんだし」
③無言で隆を見つめる。


256:名無しって呼んでいいか?
07/03/03 10:04:19
①「それでキスしちゃったんだ、サイテー」

ボソッと呟く。
事情があったとはいえ、今までの真剣な隆がなんだか一気に台無しになってしまった気がする。
……ついでに言うと私の感謝の気持ちとか無駄に悩んだ時間とかも。
(流されやすいにもほどがあるよ、隆……)
私は白けた気持ちのまま、隆を見る。

「まあ……確かにキスしなくてはならないと言うならともかく、
別にそうじゃないのにキスしてしまうって言うのは……ちょっと」
春樹も呆れたように隆を見ている。

「いや、その、それは」
言い訳するつもりだったのか、隆は口を開いたけど……うまく言葉にはならなかったみたい。
「…………ごめん…………」
やがて、私に向かって大きく頭を下げた。

1、「私に謝られても困るよ」
2、「謝ってすむ問題じゃないよ」
3、「隆は誰でもいいわけ?」

257:名無しって呼んでいいか?
07/03/03 10:25:10
1、「私に謝られても困るよ」

私の言葉に、隆が情けない顔をする。
私はため息をついてふと手に持ったままの回覧板に目をおとした。

(あれ?)
いつもの町内会誌の隙間から何かがのぞいている。

(封筒?)
それを引き抜く。
『大堂 愛菜 さま』
表には私の名前が印刷されている。

「…な、に?」
「どうしたの姉さん?」
「どうした?」
春樹と隆が私の持つ封筒に移る。
なんで回覧板に手紙なんて挟まっているのか?

ひっくり返してみると、差出人の名前。
それは…

①水野先生
②周防さん
③隆

258:名無しって呼んでいいか?
07/03/03 11:58:33
③隆

隆の名前だった。
宛名と同じく…手書きではない、印刷されたもの。

何の手紙なんだろう?
普通に考えるなら、最近の事……それについての謝罪の手紙?
でも、それにしてはなんというか……固い感じがするし、
なにより回覧板に挿む意味が分からない。

回覧板に入れてしまえば、近所の目に付くのは当然のこと。
どこでどうなってしまうかもわからない。それが分からない隆じゃないはず。
近所の人たちがそうするとは思えないけど……。

家にはポストだってある。
お互いのメールアドレスだって知っている。
……私に伝えるなら、他にもいろいろな方法や手段はあるはず。
(まあ、他の方法で伝わったかはちょっと分からないけどね)

何せ、大きく誤解していたわけだし。
……一部誤解でないところもあったけど。

それとも、特に重要なことではないのだろうか?
もしくは個人的なことではない……それこそご近所に関わるようなこととか?

あるいは、意識が無いときの隆が関係している?

「姉さん?誰からの手紙だったの?」
春樹の問い。
隆もじっと私の答えを待っているようだ。

私は……

①隆に覚えがあるか聞いてみる
②中を確認してみる
③手紙がいつからあったのか近所に確認する

259:名無しって呼んでいいか?
07/03/03 12:38:08
①隆に覚えがあるか聞いてみる

「この封筒、差出人が隆になっているよ?」

隆は私の持っている封筒を掴む。
「俺、こんなの書いた記憶が無いんだけどな……」

私は息を呑んで封筒から手紙を取り出す。

『はじめまして。僕は隆の中に潜む武といいます。
さきほど隆と愛菜さんが影についての話をしていたので、僕の存在も信じてもらえるかもしれないと思い筆を執りました』

冒頭から、妙に意味深だ。
私は手紙を声に出して読み進める。

『僕は隆の細胞を培養して作られたクローンでした。
組織は能力者の力を集めています。
ですから、施設では今でも僕のような多くの能力者の複製を作り続けているのです。
三年前、交通事故で隆が意識不明の重態になった際、損傷部分はコピーである僕の体が使われました。
それ以降、僕の意識は隆の中で目覚め、分割されていた能力は一つになりました。
影を操る力の覚醒は僕を取り込んだことによる副作用によるものです。

隆の意識がまれに剥離した場合、僕が出てきます。今のところ、僕の存在に組織は気付いていないようです。
ですが、僕は組織の人間に従うようにマインドコントロールを施されています。
僕の存在に組織が気付けば、いつどこで、あなたを傷付けてしまうかわからないのです』

『愛菜さん、あなたはすでに組織に狙われています。組織はその特殊な力の覚醒を待っています。
組織の狙いはあなたの』

あれ……中途半端のところで終わってる……。
隆の中に武君って別人格がいるっていうこと?私の特殊な力の覚醒?

私は
①隆に意見を聞く
②春樹に意見を聞く
③自分で考える

260:名無しって呼んでいいか?
07/03/03 13:52:09
①隆に意見を聞く

「ねえ、私と隆が影の話をしてからそんなに時間経ってないわよね?」
「そうだな、電話を切ってここにくるまで20分もたってなかった」
「その間に、この、武くん?は手紙を書いたの…?」
「そうなるんだろうな……でも………俺はその間の記憶ははっきりある」
いつの間に…?という疑問がわく。

「もしかして、隆さんとは別に、この武という人格もミストを作れるんじゃないですか?」
春樹が言う。

「その武が予め操れるようにしておいた人間を使ったとは考えられないですか?」
「じゃ、もしかして隣の人がミストに…?」
「俺ちょっといって調べてくる」
隆が立ち上がって、リビングを出て行く。

「…隆さんも後天的ではなく先天的に能力があって、それを組織に利用されていたということか…」
春樹がポツリとつぶやく。

「え?」
「この手紙が嘘じゃないなら、組織はなぜか覚醒前の隆さんの力を知っていたことになる」
私はその言葉を頭の中で反芻する。

「隆さんの力がこの事故で移植したことによる副作用なら、本来はもっと別の力を見込まれてクローンが作られたはず…」

1.「予知の力を持ってる人が組織にいる?」
2.「一郎君や修二君みたいに力のある人を見つけることが出来る人がいる?」
3.「私の力はまだ覚醒していない…?」

261:名無しって呼んでいいか?
07/03/03 16:15:47
2.「一郎君や修二君みたいに力のある人を見つけることが出来る人がいる?」

「そうなるだろうね。赤ん坊に力が備わっているのがわかるんだから……」
春樹は手紙を見つめながら呟いた。

「水野先生は一郎君や修二君の力を利用したいのよね? それって、組織の中に見る能力がある人がいないからじゃないの?」
「もしかしたら、能力者かどうかを判別できる方法を組織は手に入れているのかもしれない」
「どういうこと?」
「組織は高度のクローン技術があるみたいだし、能力者を判別できる技術があってもおかしくは無いよ」
そう言って、春樹は手を組んだ。

「じゃあ、水野先生が一郎君と修二君に近づく理由は何? それにあの双子は「見える力」の能力なんじゃないの?」

「一郎先輩と修二先輩が持っている「見える力」が高度なのかもしれない。たとえば、組織にはどういう能力を持っているかまでは判別できないとか……」
「そっか。修二君は隆がファントムを操る能力があるって知っていたものね」

「どちらにしろ、一郎先輩たちに聞いてみないことにはわからないよ」

私は
1.隆が帰ってくるのを待つ
2.一郎君か修二君に電話する
3.もう少し春樹と話を続ける

262:名無しって呼んでいいか?
07/03/03 16:52:59
3.もう少し春樹と話を続ける

あ、でも…
「でも、まって…一郎君と修二君にも私の力は分からないみたいだったよ?」

確かにあの二人は見える力を持っているといっていた。
でも、いつも私の中の力を探ろうとしているようだった。
なんとなく春樹の言葉に頷いてしまったが、隆の場合は…
「隆がファントムを操れるって分かってたのは、隆の周りにいつも影があるからじゃないかな?」

私は春樹に、ファントムに取り付かれたら見ただけでは分からないことを伝える。
取り付かれるわけでもなく、影をまとっているのはそれを作り出せる人だけ。
「なるほど…、それじゃあ別の目的で近づいてるってことになるのか…」

春樹はまた何かを考え出した。そして小さくつぶやく。
「……カギ」
「え?なに?」
「修二先輩は、自分たちが水野先生が探しているものへのカギだって言った」

私は修二君の言葉を思い出す
『ん~、情報そのものじゃないんだけどね。たぶん情報へとつながる…カギ、かな?』
たしかそう言っていた。
「もしかしたら、本当にカギなのかもしれない。あの時は僕も姉さんも力のことは良くわかってなかった。だから先輩は真実を言わなかった。あのときの言葉「情報」を「力」に置き換えれば…」
「力へとつながるカギ?」
「そうだよ、組織が姉さんの力を狙ってるのは間違いない。でも、姉さん自身に力を持っている自覚がない」

私は春樹の言葉に頷く。
「可能性は二つ。まだ力に覚醒していない。もうひとつは、力を封印されているか」

春樹の言葉に聞きたいことが増えていく。

①「力を封印?」
②「二人は私を監視してるってこと?」
③「私の力が分からないのに、カギになってるの?」

263:名無しって呼んでいいか?
07/03/03 19:47:55
②「二人は私を監視してるってこと?」

いつ覚醒してもいいように……そして、覚醒した能力が何であるかを確かめるために?

そういえば、昨日ファントムが現れたときも、
『うーん、こっそり見張ってて正解?ってね♪』
修二君はそう言っていた。

それが心配からなのか、監視からなのか……私には判別がつかない。

「その可能性がないわけじゃないよ。
あの二人は、まだ姉さんに全部明かしてるわけじゃないし……
そこに何かがないとはいえないからね」
春樹が重々しく呟く。

そうだ。
あの二人にはそれぞれの目的があるはず。
そして、それを私たちはまだ知らない。

(でも、今の段階じゃ、どうにもならない……どうすることもできない)
今の私が問いかけたところで、二人が答えてくれる可能性は低い。
せめて、もう少し何か変化があれば……少なくとも変に疑ったりとか悩んだりとかもなくなるんだろうけど。

(それにしても……)
①隆、遅いな……大丈夫かな?
②春樹はよくこんなにいろいろと思いつくよね
③今一番謎なのってもしかして御門くん?

264:名無しって呼んでいいか?
07/03/03 21:53:04
③今一番謎なのってもしかして御門くん?

最近の出来事にかかわってる人の中で一番なぞの多い人。それは御門くんだ。
御門くんの行動を思い出す限りでは、敵とは思えない。
水野先生の組織にかかわっている可能性も0に近い。

(なぜか私を守るっていってくれる…)
自然と視線が痣へと向かう。
私が御門くんを拒否しない限り不完全ではあるけれど契約上の主の私。

(私の力はなに?)
御門くんに会いにいけば、すべてがわかる。
組織がなぜ私を狙うのかも、私の力も、そして御門くんが何者なのかも。

「……もどった」
いろいろ考えているうちに、隆が戻ってきた。
顔には疲労の色。

「どうしたの!?」
「隣の人、春樹が言ったとおりミストが取り付いてて…ちょっと処理してきた」
そういって、疲れ果てたというかんじで、ソファに座る。


1、「それじゃあ、この手紙は本当のことなんだ」
2、「隆、無理しないでっていったでしょ!?」
3.、「私に何が起こってるのか、聞いてくる」(御門くんに会いに行く)

265:名無しって呼んでいいか?
07/03/03 23:29:02
1、「それじゃあ、この手紙は本当のことなんだ」

「隆さんの中に武という別人格がいるのは間違いないってことだね」
春樹は隆を見て目を伏せた。

戻ってきてから、隆の顔色が悪いようにも見える。
疲労のせいか、ぐったりとうなだれていた。

「疲れたから……横になっていいか?」
「ちょっと待ってて。客間にお布団を敷いてくるから」
「いい……。このソファーで少しだけ寝させてくれ」
「うん」

隆は横になると、目を瞑った。
「隆さんのために、何か飲み物でも作ってくるよ」
春樹はそう言って、キッチンに向かう。

「なぁ、愛菜」
隆は目を閉じたまま話しかけてくる。
「何?」

「やっぱり……俺たちの関係は…もう終わってるんだよな?」

①「うん、ごめんね」
②「少し考えさせて」
③「終わってないよ」

266:名無しって呼んでいいか?
07/03/04 08:04:43
①「うん、ごめんね」

本当は終わっていないといいたかった。
今までのことは誤解だとわかったから。
でも、それじゃあ隆は私のために力を使い続ける。
そうして無理をしていたら消えてしまうかもしれない。
今もこんなに苦しそうで、不安定さを感じる。

「それじゃあ…」
苦しそうに息をつく。

「今、お前の一番近くに居るのは誰なんだ?」
「え?」
「この先お前を守るのは誰なんだ?」
(私を守るひと?)
ふっと顔が思い浮かぶ。

①春樹
②一郎くんと修二くん
③御門くん

267:名無しって呼んでいいか?
07/03/04 10:54:32
①春樹
②一郎くんと修二くん
③御門くん

私を支えてくれるみんなの顔が思い浮かぶ。
まだ、だれと一緒にいたいかなんて決められない。

「わからないよ……」
「そうか」
そう言って、隆は腕で顔を覆う。

「今まで、ありがとう」
「いいって……。俺が好きでやってたんだから……」
「隆にはいっぱい迷惑かけちゃったね」
「それはお互いだろ……。……気にすんな…」
「ねえ、隆」
「……ん…?」
「少しの間だったけど、楽しかったよ」
「…………」
「隆?」
規則正しい寝息が聞こえる。

(寝ちゃった……。すごく疲れてたんだね)

①隆の寝顔を見る
②これからの事を考える
③もう一度手紙を見る

すべての選択肢を選ぶのが無しでしたら華麗にスルーで次の人ヨロ。

268:名無しって呼んでいいか?
07/03/04 13:23:36
ゲーム板だから、やっぱりどれか一つを選ばないと駄目なんじゃなかろうか?
ゲームだと全部選ぶってできないし。
一応、選択肢選ぶバージョンで投下。
次の人に>>267か、コレかどっちを選ぶかまかせるよ。

①春樹

今一番私のそばに居て守ってくれているのは、多分春樹だ。
隆や一郎君たちとは違って特別な力はない。
けれど私は守られている。精神的に。
普通じゃない出来事に何とか耐えられるのは、普通の春樹がそばに居て私を普通でいさせてくれるから。

「……春樹、かな?」
「そうか」
隆は目を閉じたまま微笑んだ。
そのまま、呼吸が深くなる。眠ったみたいだ。

それから少しして、春樹が飲み物を持って戻ってきた。

「あれ?隆さん寝ちゃった?」
3人分のココアをテーブルに置きながら春樹が隆を見る。

「そうみたい」
私は感謝をこめて春樹に笑いかける。

「……どうしたの?」
「ううん、なにも」
不思議そうな春樹に小さく首を振る。

「気をつけろ」
「?!」
眠っていると思った隆が口を開く。

「……隆さん?いや『武』さん?」
「そう。隆が眠ったから俺が出てきた」
うっすらと目を開いて武が起き上がる。

いくら隆の中にある意識だって、勝手に体をつかっていたら隆の体は休めないのではないか?
けれど、武なら組織のことを色々教えてくれるかもしれない…

1、「何に気をつけるの?」
2、「隆に無理をさせないで」
3、「あなたなら、組織の目的を知っている?」

269:名無しって呼んでいいか?
07/03/05 09:31:02
やっぱり選ぶのはひとつじゃないかな?
と、思う。

2、「隆に無理をさせないで」

聞きたいことは山ほどあった。
けれど武が出てきても隆の顔色は悪いまま。
ふっとこのまま隆が消えてしまいそうな不安が心をよぎる。

「少しなら大丈夫。愛菜にお礼とお詫びを言いたくて」
「え?お礼?お詫び?」
「そうです。事故で入院していたときのことです」
武は頷いてちょっと微笑む。

「あの時、無意識にあなたが力を使ってくれたから隆も僕も生きている」
「え?」
「あなたは隆が元気になるように、ずっと祈っていてくれた。
 そして、無意識に力を発動させて……組織に愛菜の存在が知られてしまった」
「…私が力を使った?」
確かに隆が事故にあったとき、私はずっと祈っていた。
隆が無事でありますように、元気になりますようにって。
でも、力を使った覚えは……ない。

「ずっと呼びかけていてくれた。夢うつつでずっとその声を聞いていた」
「夢?」
やっぱり私の力は、夢に関係するものなの?

①力が夢に関することなのか聞く。
②呼びかけがどうして助けたことになるのか聞く。
③お礼は良いから隆を休ませてと頼む。

270:名無しって呼んでいいか?
07/03/05 18:54:24
了解。選択肢は一つだけにするよ

①力が夢に関することなのか聞く。

「やっぱり、私の力は予知夢なの?」
私は武に尋ねる。

「夢……ですか。それは、少し違うかもしれない」
「え?」

(私の力は予知夢なんじゃないの?)

「きっと、予知夢だと思い込んでしまったから……。もしも夢を見るなら、なるべくいい夢のほうが良い」
そう言って、武はやさしく微笑む。
「ねぇ、武くん。それはどういう事?」
「夢は時に深層の願望を表す……。きっと、そのせいかもしれない」

(願望って、私の?)
「あなたの祈りは尊きものです」
「隆! じゃなくて…武くん、もう少しだけ詳しく教えて!」
「あ……。もう、隆がもう限界の…ようです……」

武くんはそう言うと瞼をゆっくり閉じていく。
そして、再び呼吸が深くなった。
私は……

①春樹に話しかける
②自分の力について考える
③武について考える

271:名無しって呼んでいいか?
07/03/05 19:15:13
②自分の力について考える

夢は願望を表す…確かにそういうこともあるとおもう。
でも、私は隆と水野先生にキスをしてほしいなんて願望はなかった。

(むしろ逆だったはず…)
不安がそのまま夢の形になったというのならわかるけれど…。

(あ、でもそういえば…御門君に夢で会いたいって思ったら、あえたよね…)
あれは確かに願望だった。

(結局夢なんじゃ…?)
願望はすべて夢につながっている。
けれど、武くんは少し違うという。

(少し違うってことは、全然違うわけでもないのよね?)
色々考えるが、頭の中がごちゃごちゃになる。

①今はもう考えるのをやめる
②考え続ける
③春樹に話しを振る

272:名無しって呼んでいいか?
07/03/05 22:37:53
②考え続ける

(武くんが言っていたことをもう少し考えてみよう)

『予知夢だと思い込んでしまったから……。もしも夢を見るなら、なるべくいい夢のほうが良い』
そう武くんは言っていた。

予知夢だと思い込むって、やっぱり私の力は予知夢じゃないって事なのだろうか。
でも、夢をみるならいい夢のほうがいいって武くんは言った。
それって、やっぱり夢と関わりがあるって考えたほうがいいのかもしれない。

(思い込み……ってところが気になるのよね)

私が『予知夢かもしれない』って思い込むと夢が現実になるってこと?
もし私が思い込まなかったら、それは現実として起こらなかった……?

隆と水野先生のことは起きて欲しくないと思っていた事が、現実に起こってしまった。
御門君には会いたいと思ったら会えた。
これはすべて夢で見た事だ。

そして、最後に『あなたの祈りは尊い』っていっていた。
祈りって……強く思い、願うこと。
私は隆が助かって欲しいとz強く願い続けた……、そして、それは叶ったんだ。

(私の祈りと夢の関係がもう少し分かればいいんだけどな)

1.考えるのをやめる
2.もう少し考える
3.春樹に話を振る

273:名無しって呼んでいいか?
07/03/05 23:02:56
2.もう少し考える

(あぁ、でも、まって…)
私は予知夢をみても覚えていない。
こんなのが力なのかと、ずっと不思議におもってた。
覚えていなければ、予知夢として全然つかえないって…。
もし、予知夢だと思っていたのが、普通の夢で…
私の不安とかが現れたただの夢だとして…

(それが現実になったって…?)
予知夢じゃなくて、私がそれを強く思ったから?
いいこと、悪いこと関係なく強く思ったからそれが現実になった…?

(まさか、ね)
「……まさか、ね」
私の心の声に重なるように、春樹のつぶやき。
おどろいて、春樹を見る。

(もしかして、同じことを考えていた?)

①「春樹は武くんのいったことどう思う?」春樹の話を聞く。
②「私、考えてみたんだけど…」春樹に私の予想を話してみる。
③「隆風邪ひいちゃうかな?」考えるのをやめて隆に毛布をもってくる。

274:名無しって呼んでいいか?
07/03/06 13:34:49
②「私、考えてみたんだけど…」春樹に私の予想を話してみる。

おそるおそる私は考え付いたことを口にする。

「まさか、とは思うんだけど…私が強く思ったことが現実になる…とか?」
「…………」
春樹は困ったように私を見る。

「そんなことないよねっ!?もしそんな力なら…」
もしそんな力なら…組織に狙われてもぜんぜん不思議じゃない。
ふと、脳裏に浮かんだ言葉に思わず身震いする。

「……ねえさん落ち着いて。まだ何もかも推測の域をでないんだから」
言いながら少しさめてしまったココアを私に手渡してくれる。

「それに、もしそうだとしても、全部が全部かなってるわけじゃないだろ?」
そういわれて、よく考えてみる。
確かに、思っただけでそれが現実になるなら、私の本当のお母さんは今私のそばにいるだろう。
テストなんかも軒並み100点とかとれているはず…

1、力を使いこなせてないのかな?
2、でも、そんな怖い力なら要らないよ…。
3、もう、考えても仕方ない、御門君に会いに行こう

275:名無しって呼んでいいか?
07/03/06 23:56:36
1、力を使いこなせてないのかな?

「私の力がまだ不十分ってこと……?」
「わからない。だけどこれは憶測に過ぎないんだから、姉さんは気にしちゃだめだ」
「うん……」

私の思ったことが現実になるのなら、こんな恐ろしい事はない。
相手に腹を立てたり恨んだりすることだって当然ある。
もしも、私が強く憎んだり恨んだりすることで、その相手を不幸にさせてしまったら……。

「……姉さん、大丈夫?」
春樹が心配そうに覗き込む。
「へ、平気だよ。それより、隆に毛布持ってくるね」

私は毛布を持ってきて、寝ている隆にそっと掛けた。

「まさか……隆に影を操る力があるなんて思いもしなかったよ」
私は春樹に声を掛けた。
「それだけじやなく、別人格まであるんだから……もう、驚くしかないよな」
春樹はそう言って、苦笑する。

隆は穏やかな顔をして眠っている。
そんな寝顔をみていると、まるで何も知らなかった頃に戻ってしまったようだ。
だけど、私も春樹も隆も、普通の生活には戻れない。

(戻れるものなら……戻りたいよ)

①隆が起きるのを待つ
②御門君に会いに行く
③最初の頃に戻りたいと強く願ってみる

276:名無しって呼んでいいか?
07/03/07 09:15:41
①隆が起きるのを待つ

元の場所に座りなおし、隆の寝顔をぼんやりとながめる。
ふと、手紙の内容と春樹の言葉を思い出す。

「隆の本当の力ってなんなんだろうね?」
「…え?」
唐突につぶやい言葉に春樹が一瞬疑問の表情を浮かべ、それから首をかしげた。

「ああ…なんだろう?もしかしたら本人も気づいていないのかもしれない」
副作用で操れるようになった影。
武の言うとおりなら、本来の力は別にある。

「影が見えることに意識がいってしまって、本当の力にのほうには気づいてないんじゃないかな?」
春樹が隆を見ながら言う。

「本来の力が何なのかは分からないけど…力を使うのは危険なんだから知らないほうがいいことなんだよきっと」
「そうだね」
春樹の言うことはもっともだ。

 チャーラーラーチャラーラーラー

「あ…」
唐突に携帯電話が鳴る。
あわてて取り上げて、ディスプレイを見ると…

①一郎くんの名前
②修二くんの名前
③香織ちゃんの名前

277:名無しって呼んでいいか?
07/03/07 23:24:57
保守

278:名無しって呼んでいいか?
07/03/07 23:41:07
流れ切って失礼します。
最近の投下率は異常ww職人さんたち、いつも乙+GJ!!

279:名無しって呼んでいいか?
07/03/08 01:32:56
③香織ちゃんの名前

「もしもし、愛菜?」
通話ボタンを押すと聞きなれた香織ちゃんの声が耳に飛び込んできた。
知らぬ間に身構えていたのか、肩の力がぬけていくのを感じる。

「香織ちゃん! どうしたの、休みの日に電話なんて」
「どうしたの、はこっちのセリフ! 昨日学校休んだでしょ?
そんなに怪我の具合悪いの? 大丈夫?」
電話の向こうで眉間に皺を寄せる香織ちゃんの顔が目に浮かぶようだ。

「…それでわざわざ電話くれたの?」
「悪い?」
「ううん。怪我は大したことないんだけど、大事をとってお休みしたの。
メールしとけばよかったね、心配かけてごめん」

反省して素直に謝ると、香織ちゃんは諦めたように笑った。
「まったくもう……。あ、そういえば。昨日愛菜の弟さんも早退したんだって?
脳震盪起こしたって聞いたけど、大丈夫なの?」
「うん。念のため検査もしてもらったけどなんともないって」
「そっか、良かった。でも弟さんもやるねー」

それまで神妙に話していた香織ちゃんの茶化すような声が気になって私は顔を上げた。
当の春樹は所在無さげに窓の外を眺めている。

「? 何の話?」
「聞いてないの? 女の子かばって怪我したってちょっとした噂になってるよ?」

そんな話は初耳だ。私は…
1、香織ちゃんに詳しく話を聞いてみる
2、なぜか動揺して言葉を失う
3、あとでさりげなく春樹に確認する

280:名無しって呼んでいいか?
07/03/08 06:46:24
2、なぜか動揺して言葉を失う

(え?)
急に香織ちゃんの声が遠くなる。

(春樹が女の子をかばって…?)
ちらりと春樹を見る。
春樹は何か考えているのか、少しうつむいて難しい顔をしている。

(そうだよね、春樹優しいもん)
困った人がいれば誰だって手を差し伸べるのが、春樹だ。

(私もいつも助けられてばかりで…)
急に苦しくなった胸に無意識に手を当てる。

「……だからね、って愛菜?聞いてる?」
「え?あ、ごめん、なに?」
「もぅ、どうしたの?本当は具合悪いのに無理してない?」
「だ、大丈夫だって」
「大丈夫そうな声じゃないわよっ!話しはまた後にするわ。今日と明日しっかり休んで元気になりなさいっ」
「う、ん、ごめん。ありがとう」
「じゃ、月曜日に。あ、具合悪かったらちゃんとやすむのよっ?じゃね」
なんとなく切れた電話を見つめる。
呼吸をするのが苦しい。

「姉さんどうしたの?長谷川先輩だったんだろ?なんかあったの?」
「え!?」
じっと動かない私を不信に思ったのか、春樹が顔をのぞきこんできた。

①なんて言おうか考える。
②春樹に昨日の話を聞く。
③なんでもないとごまかす。

281:名無しって呼んでいいか?
07/03/08 11:58:54
③なんでもないとごまかす。

「あ、えーっと…」
ぼーっとしているところを、覗き込まれてあわてた。

(別に怪我のこと聞くのは悪いことじゃないよね…でも、いまさらって感じも…)
春樹は自分の失態を話したがらない。

「姉さん?」
「…なんでもないよ」
「そう?」
少し眉をしかめた春樹はテーブルに置きっぱなしのアルバムを手に取る。
パラパラとめくると懐かしい写真ばかりだ。

「あ、この写真」
「……!な、なんでこんなのまで残ってるんだよ…」
小学校の演劇のときの写真。学年ごとに違う演劇をした。

「……ちぇっ、あと2ヶ月早く生まれてれば、姉さんと同じ学年でこんなことしなくて良かったのに」
春樹のつぶやきにふと自分たちが実質3ヶ月しか年が離れていないことを思い出す。

「あーそっか、5月生まれだもんね…そういわれれば、私が3月だから私が1ヶ月…というか2週間くらい遅ければ同じ学年だったんだ」

それにしても、演劇のときの春樹…
①「かわいかったよね」
②「かっこよかったよね」
③「おかしかったよね」

282:名無しって呼んでいいか?
07/03/09 02:06:46
②「かっこよかったよね」

「…目が笑ってるよ、姉さん」
春樹が恨めしそうにこっちを睨む。

「そう?」
「そうだよ。まったく、なんでこんな写真がいっぱいあるかな…」
そう言いながら春樹はアルバムをめくった。

アップのものから全身を写した物まで、数ページにわたって舞台上の春樹を写した写真が並ぶ。
まるで舞台演劇のパンフレットだ。

「何も不思議な事はないでしょ、なんたって王子様役だしね」
「~~だーかーらー!」
春樹は顔を真っ赤にして勢いよくアルバムを閉じた。

「そんなに照れなくたって良いじゃない。似合ってたよ、白タイツ」
「姉さん!」

再び開こうとしたアルバムを春樹は素早く私の手からもぎ取った。
(そういえば当時も王子様って呼んで怒られたっけ)

不意に蘇る懐かしい光景。
春樹が王子を演じたのは…

①ラプンツェル
②いばら姫
③白雪姫

283:名無しって呼んでいいか?
07/03/09 07:23:37
③白雪姫

学年ごとの演劇だったけれど、人数は結構いる。
演劇に出演する人と、舞台の外で舞台にあわせた歌や演奏する人に分かれていた。
王子様役の春樹は最後のほうにちょっとしか出番はなかったけれど…。

「うん、やっぱりかっこよかったよ」
春樹と家族になって半年くらいしかたっていない頃だったけれど、驚いた記憶がある。

「だーかーらー…」
「だって、本当にびっくりしたんだよ?春樹ってかっこよかったんだなーっておもったもん」
「………はいはい」
半分あきらめたようにため息をつく春樹。
そういえばあの後春樹はラブレターとか結構もらってた。

「そういえばあの後ラブレターとか結構もらってたっけ…」
思い出したことをそのまま口にして、ふとまた胸が苦しくなる。

「そんなの全部ことわったよ……。ねえさん、どうしたの?」
無意識に胸を押さえていた私に、春樹が心配そうに尋ねてきた。

1、「ちょっと苦しくなって…」
2、「…なんでもないよ」
3、「なんだろう?」

284:名無しって呼んでいいか?
07/03/09 23:24:53
1、「ちょっと苦しくなって…」

私は少し苦笑いしながら正直に言った。

すると、突然春樹の両手が私の肩に置かれる。
「……ど、う、し、てっ。そういうことを黙ってるんだよ、姉さんっ」
怒り半分呆れ半分といった感じで春樹が言った。
「えーと、さっき、急にだったし……その、ちょっとだけだったから。ね?」
「はぁーー……」
たどたどしく弁解する私に、春樹は大きくため息をついた。
そして、私から手を離す。

「もうここはいいから少し休んできなよ」
「え、だ、大丈夫だよ?」
そんな大げさな……と慌てる私の鼻先に、びしっと突きつけられる人差し指。
「ダメだよ!姉さんはそうやっていつも無茶するんだから」
「あの、でも、隆が……」
なおも残ろうとする私の後ろに回って、春樹が前へ前へと押してくる。
「俺が見てるから!姉さん、頼むから少しは自分の心配をしてくれよ!」
半ば追い出されるようして、私はリビングから出た。

「ちゃんと休んでること!いいね?」
春樹はそういい残して、リビングのドアを閉めた。
「あはは……はぁ」
残された私からは乾いた笑いと小さなため息。

(まあ、春樹も私を心配してくれてのことだもんね……)
ちょっと複雑な気持ちもあったけど、私は素直に部屋に戻ることにした。


部屋に入ってすぐ、ベッドに倒れこむ。

(なんだか、疲れたし……今だけ。ご飯まで。ちょっと……休憩……)
だんだんと意識が薄れていく。
(今だけ、何も考えずに。ゆっくり――)

そして、私の意識は途切れた。

(……?)
ふと、誰かに見守られているような気がして、そっと目を開ける。
ぼんやりとした意識のままで目の前の人物を確認しようとするとそこには……

①御門君がいた
②周防さんがいた
③お母さんがいた

285:名無しって呼んでいいか?
07/03/10 01:02:33
②周防さんがいた

「よっ」
目の前の人物は軽く手を上げて挨拶してくる。

それだけなら特に問題ない。
問題なのはその距離だ。

「わぁっ!?
ち、近っ!近い!近いですっ!」
私は慌てながらも後ろに下がって距離をとる。
「ははは、お前さんはホント面白いヤツなー」
そんな私の様子を見て、その人は子供のように笑うだけだ。

「ちょ、いきなり何なんですか――周防さんっ!」

私の口からすんなりと出てきた彼の名前。
それを皮切りにこの間の夢でのことを次から次へと思い出していく。
……どうしてずっと忘れていたんだろう?

「おー、覚えてたか。それとも思い出したか?
ま、どっちにしろえらいえらいっ」
周防さんは嬉しそうに笑いながら私の頭をわしゃわしゃと撫でた。
「か、髪がぐちゃぐちゃになるからやめてくださいよぉっ」
髪をおさえて、私はほぼ無意味な抵抗を試みる。

「ほれほれー」
私の反応が面白かったのか(?)、周防さんはしばらくそのまま撫で続けていた。
…………が、やがて。
「なんか、あったか?」
不意にその手を止め、私の顔を覗き込んでくる。
「え?」
「言ったろ。お前さんは分かりやすい顔をしてるって。
疲れてるの、もーバレバレだぞ?」
周防さんが優しく笑いながら、私の頭をまた撫でてくる。
今度はゆっくりと……優しく。

「何か悩んでるんなら、お兄さんでよければ相談に乗ってやるぜ?
……ま、話すも話さないもお前さんしだいだけどな」
言いながら、「どうする?」とばかりに僅かに首を傾ける周防さん。

私は……

1.話す
2.話さない
3.曖昧に誤魔化して話す

286:名無しって呼んでいいか?
07/03/10 08:14:16
1.話す


「組織って、何かなっておもって…」
するりと口から出た言葉に自分でも驚く。

「組織?」
周防さんはひょいと眉を上げた。

「私をねらってるんでしょ?隆には自覚はないみたいだけれど、隆の中の武くんは組織の人みたいだし…」
組織に武くんの存在がしられていないから、今は組織の人とは違うのかもしれないけど、少なくとも組織の人だった。
力のある人のクローンを作っているというのは、武君が教えてくれた。

「まあ、ヤツは昔から手段を選ばないやつだったよなぁ…」
「え?」
苦々しげに苦笑する周防さんを思わず見つめてしまう。

「周防さん組織のこと知ってるんですか?」
「うん、知ってるよ。というか、組織を作ったヤツを知ってる」

①組織の目的を聞く。
②組織を作った人のことを聞く。
③周防さんが何故知っているのか聞く。

287:名無しって呼んでいいか?
07/03/10 14:19:20
②組織を作った人のことを聞く。

「どんな人なんですか?その人」
「んー………………」
問いかけると、周防さんは微かに唸りながら考え込む。

しばらくして出てきた答えはこうだった。
「一言で説明するのが難しいヤツだな。
簡潔にまとめるのがまず無理。…これは今、気がついたんだけどな」
うんうんと神妙に頷きながら、周防さんは言葉を続ける。
「手っ取り早く会えば分かるんだろうが…そりゃお前さんの望むところじゃないだろ?」
今度は私は頷く。
「じゃ、今は気にしないほうがいいと俺は思うぞ。
わからんことで無駄に悩んでもストレスたまるだけだから。なっ?」
「は、はぁ…まあ、そうですね」
周防さんは苦笑いしながら小さくため息をついた。

「にしても、お前がそこまで悩んでたとはな。
そーんな疲れた顔になるまで考えこんで…ホントに大丈夫か?
胃潰瘍になってないか?頭ハゲたりしてないか?」
そして、私の頭をポンポンと軽く叩きながら聞いてくる。
「大丈夫ですよっ。た、たぶん…(周防さん、その心配は微妙です)」
されるがままになりながらも、なんとなく微妙な心境になる私。

「それに、その…それもあるんですけど。
他にもいろいろとあってですね…はぁー」
「ふむ……なるほどな」
ごにょごにょと呟きながらため息をつく私を見て、周防さんはひとつ頷く。

「じゃあ、お兄さんから提案だ。
…どうだ、ここいらで一度ゆっくり休憩してみるってのは」
「休憩?」
休憩って、どういうことだろう?
普通に考えれば休むってこと…だよね?
「そうそう。明日一日だけは、考えるのも悩むのも全部にしてだな。
で、パーッと遊ぶんだよ!」
満面の笑みで周防さんが言う。

①「そりゃ、そうできたらいいんでしょうけど…」
②「みんなが大変なのに、そんな無責任なことできませんよ」
③「どういうことですか?急にそんなこと言い出すなんて」

288:名無しって呼んでいいか?
07/03/10 15:05:42
③「どういうことですか?急にそんなこと言い出すなんて」

「だから、お前さんは疲れてる。考えすぎてるんだ」
ぽんぽんと私の頭をたたきながら、周防さんが優しく言う。

「お前さんの性格じゃ無理かもしれんが、お前は悩みすぎちゃいけない」
言い聞かせるような言葉がすんなりと心に染み渡る。

「悪いことばかり考えていると、いいことはないぞ。気分転換して明るく前向きに先をみるんだ」
「でも……」
周防さんの言うこともわかる。悪いことばかり考えちゃいけない。
でも、ファントムが私の都合を考えてくれるとも思えない。

「安心しな。お兄さんにまかせなさい。明日は何も起こらない。お兄さんが一肌脱いであげよう」
そういって周防さんは私の左手を取る。

「一日だけ契約だ。明日だけ俺が君に害をなすものを近づかせない。……さあ、返事を」

契約…なんて答えよう…?

1.「お願いします」
2.「どうしてそこまでしてくれるんですか?」
3.「周防さんは味方なんですか?」

289:名無しって呼んでいいか?
07/03/10 16:21:22
3.「周防さんは味方なんですか?」

「味方……か」
周防さんはゆっくり呟く。
その質問をまるでかみ締めるかのように。

「その答えはイエスであり、ノーでもある」
やがて、静かにそう答えた。

「どの視点から物を見るのか、そしてお前がどのように動くのか。
……それによっても俺のスタンスは変わってくる」
周防さんの、諦めたような……寂しそうな笑い。
(どうして、そんな表情……)
なぜか強く胸を締め付けられる。

「正直に言っていい。……俺が信用できないか?」
私をまっすぐ見つめて、周防さんが問いかけてくる。

「……」
何もいえないでいると、周防さんはゆっくりと手を離した。

「ごめんな?」

「あ……」
離れていく感覚がなんだか悲しくて。
私は俯くようにして、周防さんの手をじっと見つめていた。

「なら、冬馬でも構わないぜ?」
不意にかけられたその言葉に顔を上げる。
……それとほぼ同時に、頭の上に置かれた大きな優しい手。
「大事なのは、お前の意思だ。
俺はお前に、今はゆっくり休んでほしいと思ってるんだよ。
それだけは……絶対に嘘じゃないって言える」
周防さんは、暖かい……優しい表情を浮かべていた。

「だから、俺のこと信用できないならできないで構わないさ」
そして……最後にはいつもの子供のような笑顔を浮かべたまま、そんな悲しいセリフを言った。

私は……

①「信じます、周防さんのこと」
②「……御門君なら絶対に安全なんですか?」
③「周防さんを信じたいから……まずは3人で行きましょう」

290:名無しって呼んでいいか?
07/03/10 17:00:47
①「信じます、周防さんのこと」

一呼吸おいて言った私に、周防さんは少し目を細めた。
「少なくとも今は…。私にもこれからのことはわからないし、どうなるかわからないけど」

ずるい言い方かもしれないと思ったけれど、今いえる精一杯のこと。
「今は、周防さんを信じます」

私の言葉に周防さんはうれしそうな、あきらめたような微妙な顔をして笑った。
「…かわらないな。相変わらず…。お前さんらしい答えだよ。でもまあ、いい答えだ」

周防さんはもう一度私の左手をとった。
「それじゃ、契約だ。明日一日お前さんを守ろう」
「…お願いします」

私の言葉に周防さんが私の左手に唇を寄せる。
周防さんが離れた後、左の手の甲に星型の小さな痣。
(今度は爪じゃないんだ…)

ぼんやりとどうでもいいことを思っていると、周防さんがどこか遠くを見るような目をしていった。
「そろそろ目覚める時間みたいだな。ちゃんと明日はゆっくり休むんだぞ」

周防さんの声がだんだん遠くなっていく……


コンコン

ノックの音に目が覚めた。
「姉さん、晩御飯の準備できたけど起きてる?」
「うん、今行く」

ぼんやりする頭を振って、部屋を出る。
リビングへ寄ると隆も起きていた。
「あ、隆。どう?疲れは取れた?」
「ああ、悪かったな。気ぃつかわせたみたいで」

そういいながら、毛布を持ち上げる。
「きにしなくていいよ。そうだ、一緒に晩御飯食べていかない?」
「よければどうぞ。実はそう思って多めにつくったので」

リビング顔をのぞかせた春樹も隆を誘う。
「あ~、どうしようかな………」

悩むように言った隆の視線が、私の左手に吸い寄せられる。
「…愛菜、その痣……さっきまでなかったよな?」
「え?」

言われて左手を見る。そこには確かに少し前まではなかった星型の痣。
   フラッシュバック。
夢での出来事を思い出す。

1.なんでもない
2.夢でのことを言う。
3.ごまかす

291:名無しって呼んでいいか?
07/03/10 18:14:44
1.なんでもない

「なんでもないよ」
私はとっさに手を隠す。
周防さんを信じることにしたけれど、春樹や隆が信じてくれるとは限らない。

「ふぅん……」
隆は隠した左手から視線を外そうとはしない。
じっと、見つめ続けている。

(なんとか、話題を逸らさないと……)
「ね、ねぇ、隆。さっき、春樹が持ってきたアルバムを一緒に見ましょうよ。
小さい頃の隆もたくさん写ってるんだから」
「え? ……俺はいいよ」
「どうして? いいじゃない」
「それより、愛菜のアザ……」
「晩御飯ができるまで、姉さんと見ていたらどうですか?」
再び顔を覗かせた春樹が加勢する。
(ナイスフォロー、春樹)

「だめって言っても、勝手に見ればいいのよね。えーっと……」
私はアルバムをパラパラとめくる。
「あっ、これは私の六歳の誕生会の写真だよ。隆、ちっちゃくて可愛い」
吹き消したケーキの前で何人かの子供たちが笑っている写真を指差す。

「愛菜だって、小さいだろ……」
隆はようやく左手から視線を外して、写真に見入った。
「この時に隆からもらったプレゼントの小さなテディベア。私、未だに大切にしてるんだから」
「六歳の頃にもらったのを大事にするほど、愛菜って物持ちよかったか?」
『ホントか?』という疑いの眼差しを向けられて、思わずムッとする。
「嘘なんか言わないわよ。失礼ね」
「じゃあ、その証拠の品を見せてみろよ」

①テディベアを部屋から持ってくる
②私の部屋に行って証拠を見せる
③別の写真の話に移る

292:名無しって呼んでいいか?
07/03/10 19:00:31
①テディベアを部屋から持ってくる

「わかったわよ、まってて持ってくるから!」
私は立ち上がり部屋に戻る。
チェストの上においてあったテディベアを持って、リビングにもどる。

「ほらっ」
両手でテディベアの脇を持ち隆の前に突き出す。
写真のなかよりは、少し色あせているが間違いなく同じものだ。

「マジかよ…」
隆は驚いたようにテディベアと写真を見比べる。

「ほんっっっっとに、失礼なヤツねっ」
私はテディベアを引き寄せると、そっと頭をなでる。

「これだけは、特別なんだから…」
「………」
隆にもこの言葉でわかったようだ。
私のお母さんが居なくなる直前の誕生日。
もしかしたら、この時にはすでにお母さんは私たちから離れることを決めていたのかもしれない。
甘えん坊で、まだ時々お母さんの布団にもぐりこんでいた私に『これから、この子がいるから独りで寝られるわね』といって微笑んだ。
そして、私はそのとき頷いて…。

「ま、大事にされてるんだから、こいつも本望だろ」
しんみりした雰囲気を飛ばすように隆がアルバムをめくっていく。

「あ…」
隆が手を止めた所を見て思わず声が漏れる。
その写真は…

1.春樹と隆が喧嘩した後の写真
2.春樹と隆が初めて会ったときの写真
3.中学の入学式の時の写真


293:名無しって呼んでいいか?
07/03/10 20:06:11
2.春樹と隆が初めて会ったときの写真

「これ……。隆と春樹が初めて会ったときのだよ」

新しい弟ができる事を隆に紹介した日の写真だった。
「あの時、俺に対して春樹のヤツ……凄い敵意剥き出しだったんだよな」
「私に対しても一緒だったよ」
「ずっと睨みつけられて何だコイツ? って思ったな」

『お前らなんか必要ない!』って、春樹に言われたのはあの日の夜だった。
そして、私はショックで泣いてしまって……

「あの頃に比べると、春樹は優しくなったよな」
「うん。あの後に誤解が解けて『ずっと守る』って約束してくれたんだ」
「そっか……」
隆は諦めたように目を伏せ、再び顔を上げる。
その顔には、もう諦めの色は無かった。

「しゃーねけど。まぁ、春樹になら任せられよなぁ」
冗談を言うような軽い口調で隆は言った。
私は隆に掛ける言葉を失って、思わず俯いてしまう。

「しんみりすんなって。よっし! 気分転換に俺のとっておきの手品みせてやるよ」
隆はそう言うと、ひょいと私の手元にあるテディベアを奪い取る。
「ちょっと、何する気?」
「いいから、いいから……」

隆はテディベアを握り、もう片方の手を添えると深呼吸をする。
すると、隆の手の中でテディベアがピクリと動いた。
「もういいかな。そら、歩け」
机の上でテディベアがふらふらと歩き出す。

私は……

①「かわいい!」
②「やめて!」
③「ミストの力?」

294:名無しって呼んでいいか?
07/03/10 20:43:14
③「ミストの力?」

隆の周りのミストに特に何の変化も見えなくて、不思議に思ってたずねる。

「いや、違うよ」
隆はあっさりと否定する。

「言ってなかったっけ……?あー、言ってなかったかも」
隆は記憶を探るように首をかしげ、にへらっと笑う。

「俺のもう一つの力さ」
「もう一つの?」
武の言葉がよみがえる。

「なんていうかな~、ほら昔から言うだろ?すべての物には神様がついてるってさ」
「…そう、なの?」
「八百万の神ですね。精霊とか、妖精とかそんな類の…」
「あ、春樹…」
春樹がお盆にスパゲッティを3つ載せて戻ってきた。

「お、うまそうだな。じゃ、遠慮なく」
「はい、どうぞ」
「ありがとう、で…その神様がどうしたの?」
「その物に宿ってる神様にさ、ちょっとお願いしする力さ」
「ミストと違うの…?」
「ちがうなぁ。ミストは生き物に対して使う。こっちはそうだな、物に対しての力か?ミストは生気をすって強くなる。けど、当然物に生気なんてないからな」
「まぁ…そうよね」
「もちろんミストを使って動かすこともできるけど、ミストを操るよりはもともと入ってる神様にお願いして動いてもらったほうが断然楽なんだ」
話しているうちにテディベアは私の目の前までやってきてポンと私の膝に飛び乗った。

「おまえそいつのこと本当に大事にしてたんだな。好かれてやがる」
「お願いということは、特に何か力を必要とするとか、ないんですか?」
「う~ん?どうだろう…こっちの力は事故の前からあったしな。まぁ、使えない力だからほとんど使うこともなかったが…」
「え…?」
「こっちの力は、その物に宿ってる神様の気分、機嫌しだいだからな。自由に何でもできるわけじゃない」
「そうなんだ…」
隆のもう一つの力が意外な形で明らかになって驚くほかない。

「こういう風に、大事にしている物の中に居る神様はさ、その持ち主を好きだからこうやって少しお願いすれば動いてくれる。こいつみたいに」
テディベアは、私の膝の上に来ると、ちょこんとそこに座った。

1「この子、ずっと動けるの?」
2「いつその力が使えるってわかったの?」
3「ちなみに、今はなんてお願いしたの?」

295:名無しって呼んでいいか?
07/03/10 22:48:36
3「ちなみに、今はなんてお願いしたの?」

「い、今?」
私の質問に、隆が急に慌てだす。
……どうしたんだろう?
「なに、何なの?教えてよ」
問い詰めようと隆に近づく。
同じ分だけ後ろに下がられた。
「ねえ、隆ってば」

「そ、そ…………そんなこと言えるかバカっ」
追求から逃れるように、スパゲティを勢いよく食べ始める隆。

「何それ………しかもバカって」
私はちょっとムッとしながら、同じくスパゲティを食べ始めた。
「じゃあ、もういいもん。隆のけーち」
「ケチで結構だっ」
食事をしながらも子供のような言い争いは続く。
「…二人とも、もうちょっと行儀よく食べてよ」
言い争う私たちをよそに、春樹が大きなため息をついた。

そんな感じで私たちは終始和やか(?)な食事の時間をすごしたのだった。

夕食後。
隆を出入り口まで見送って、そのまま部屋まで帰ってきた。
ベッドに腰掛けて、窓の外を見てみる。
…今夜も月が綺麗だった。

「明日は、休日かぁ」
夕方の周防さんの言葉を思い出す。
彼の言葉をそのまま信じるなら、明日は特に何かを気にせずに出かけられると言うことだ。

「ふふふ」
なんだか嬉しくなる。
少し前までは当たり前だったことなのに、今は何故かとても懐かしくて尊いものに感じる。

(でも、何しようか?)
あれこれと考えては見るものの、改めてみると『これ!』といったものがない。
だからと言って部屋でのんびりしていると、また一人で考え込んでしまいそうだ。

(それをしないための休日だもんね。
なら…せっかくだから、誰か誘ってみようかな?)
不意にそんなことを思いつく。
(うん、いいかも。一人でいると、どこにいても考えちゃいそうだし。
……………でも、問題は誰を誘うかだよね)
一人悩む。

(一番妥当なのは香織かな?
あ、でも、今日の電話で無理しないように言われちゃったしなぁ……)
香織は事情を知らないから、逆に余計な心配をかけてしまうかもしれない。

(だとすると……うーん)
次に考え付いた可能性。

それは、
①隆か春樹かな?
②一郎君か修二君はどうだろう?
③御門君か周防さん?なーんて。

296:名無しって呼んでいいか?
07/03/10 23:07:51
②一郎君か修二君はどうだろう?

つんつんとテディベアをつつきながら考える。
テディベアはまだ動いていて、つつく私の指を捕まえようと手をパタパタと動かしている。
(かわいいなぁ)

思わず微笑んで、思考を元に戻す。
今日の昼の様子を見ると、春樹も隆も疲れているみたいだからつき合わせるのは悪い。
かといって、御門くんか周防さんはどうやって連絡を取ればいいのかわからない。
夢でならあえるかもしれないけれどそのためにわざわざ夢に呼ぶのも悪い気がする。

となると、ある程度事情を知っている、一郎君か修二君…。
誘って了承してもらえるかはわからないけれど。

一郎君となら落ち着いた感じでゆったり、のんびりすごせるだろう。
修二君なら一日明るく楽しく暗いことなんか吹き飛ばせるだろう。

携帯電話を手に悩む。

さて、どうしよう?

1一郎君を誘う
2修二君を誘う
3二人とも誘う

297:名無しって呼んでいいか?
07/03/11 00:41:19
1一郎君を誘う

修二君は二人揃うと見えすぎる、というようなことを言っていた。
なにかが見えるということは何かしらの力を使っている訳で、
それはつまり大なり小なり疲労が伴うのではないだろうか。

ふと夕べの隆の様子を思い出す。
(顔色すごく悪かったし、辛そうだったよね…)

一郎君も修二君も色々と気にかけてくれてありがたいとは思っている。
だからこそ私の息抜きに二人を引っ張り出して、故意ではないにしろ
負担を強いるというのはあまりに申し訳なさすぎる。

そうなるとどちらか一人を選ぶのが無難なのだろうが。
(修二君、予定あるんじゃないのかな。
それに二人でいるところを他の女の子に見られたら大変なことになるんじゃ…)

華のある修二君はただ立っているだけでも人目をひくひとだ。
思いを寄せるたくさんの女の子達のうちの誰かの目に止まったとしても不思議はない。

そこまで思いついて身震いが出た。

「やっぱりここは一郎君にお願いしてみようかな」
自らを奮い立たせるように声に出して、電話をかける。

プルルル、プルルル…

無機質なコール音が延々と続く。
(一郎君、いないのかな…)

1、もうしばらくそのまま待つ
2、しばらくしてからかけ直す
3、別の人にかける


298:名無しって呼んでいいか?
07/03/11 04:57:53
3、別の人にかける

しばらくそのまま待ってみたけれど、一郎君が電話に出ることは無かった。
(はぁ…)
なんだかがっかりした気分で電話を切る。

(でも、出ないんじゃ仕方ないよね。誘いようもないし)
だけど、このままだと一人で過ごしてしまうことになる。
それはあまりよろしくないかもしれない。
…何と言うか、いろいろな意味で。精神的に。

(一郎君には悪いけど、他の誰かを誘ったほうがいいかな。…ごめんね、一郎君)

とはいえ、むやみやたらと誘うのも問題だ。
そろそろ決めたほうがいいのかもしれない。

(次でダメならあきらめよう。そうしたら一人でお出かけすればいいんだし…)

さて、どうしよう?

1.ダメもとで修二君にかけてみる
2.春樹か隆にお願いしてみるって言うのは…
3.御門君とか事情を知ってる周防さんのほうがいいかな?

299:名無しって呼んでいいか?
07/03/11 06:29:31
3.御門君とか事情を知ってる周防さんのほうがいいかな?

なんだかんだで御門くんには結構助けられているし、
周防さんは今回の休日の提供者でもあるわけだし……。
この辺りでお礼とか……何かできればいいんだけど。

それに、この二人のどちらかなら話が通じやすい可能性が高い。
周防さんはお休みのことを知っているし、御門くんは周防さんの知り合いみたいだった。
……なら周防さんの名前を出して説明すれば納得してくれるかもしれない。

二人のことを考える。

かたや、休日の姿がまったくと言っていいほどつかない年下。
かたや、現実では一度も顔を合わせたことのない所在地不明の年上。

(改めて考えると、本当に謎だな……)
そんなことを考えているうちに、徐々に意識が深くに落ちていくのを感じる。

彼らに一番会える確率が高い方法……夢の中で会うためだ。

(お願いだから、夢の中に出てきて!)
意識が途切れる直前、私が心に思い浮かべたのは――

①御門君
②周防さん
③二人とも

300:名無しって呼んでいいか?
07/03/11 08:02:28
③二人とも

よく知らない人と二人きりででかけるのはちょっと不安だ。
3人だと安心というわけでもないけれど…。

気がつくといつものとおり学校の前。
目の前に御門君が立っていた。

(あれ…周防さんは?)
おもったとたん目の前が真っ暗になる

「だーれだっ」
「……周防さん」
「あったりー」
「もう、なにしてるんですか」
振り返ると楽しそうに笑った周防さん。

「目隠し」
悪びれることなく答えた周防さんに思わず笑ってしまう。

「ところで、今回はどうしたの?」
笑う私の顔を覗き込むように身をかがめて、周防さんが言う。

「あ、そうだ!明日…もしかしたら、もう今日?暇ですか?」
「うん?……まぁ、特に予定はないよ」
「御門くんは?」
振り返るとかすかに御門君が頷く。

「それじゃあ、明日一緒にでかけませんか?」
「それって、デートのお誘い?」
「えっ、デート…?」
深く考えなかったけれど、これってやっぱりデートなのかな?

「あ、えーっと、ほら明日、一人で居ると色々かんがえちゃって、せっかくの休みなのに休めなさそうだし…」
「照れちゃってかわいーなー」
周防さんが私の頭をくしゃくしゃとなでる。

「まあ、そういうことならお付き合いしますよお姫様。冬馬もいいよな」
御門君の言葉に、少しの間をおいて御門くんが頷いた。

「よっし、決まり。で、どこ行くの?」

あ、そういえばどこ行くかとか、決めてなかった…。

1ショッピングモール
2遊園地
3二人に行きたいところを聞く

301:名無しって呼んでいいか?
07/03/11 10:43:02
1ショッピングモール

「ショッピングモール…とか?」
とっさに思いついて口に出す。

「うんうん、ショッピングモールね。たしかに色々あるし、一日中いても飽きないかな?」
周防さんはちょっと首をかしげてショッピングモールを思い出しているようだ。

「たしかあそこは色々施設も充実してるし…」
たしかにショッピングモール内には、映画館があり、隣接して小さな公園、そしてイベントホールではいつでもなにかしらやっている。

「デートには最適だな!」
「だから、デートじゃ…」
「照れない照れない。それじゃ、10時に駅前でまってるからさ」
くしゃくしゃと頭をなでられる。

「冬馬、お前も遅れるなよー」
同じように御門くんに手を伸ばし、くしゃくしゃと頭をなでる。

「………」
されるがままになって、御門君は頷いた。

「それじゃ、楽しみにしてるよ。そろそろ朝だ。それじゃ、お兄さん張り切って準備しちゃうよ」
周防さんの言葉と同時に、夢の輪郭が崩れていく。



ふわふわと顔に何かが当たる感触に目が覚めた。
うっすらと明るい室内。
目を開けると目の前にテディベアがいて、ふわふわとした手で私の顔をつついている。

(まだ動けるんだ…)
「おはよう」
布団から手を出してその頭をなでる。
時計を見るとまだ7時になったばかりだ。

「早く起きすぎちゃったかな?」
大きく伸びをして、部屋の扉を開けると、ふわりといいにおいがキッチンからする。

「あれ?春樹もうおきてるのかな?」
そういえば、春樹に今日出かけることを伝えないといけない。

1、今すぐに伝える
2、後にする
3、こっそりいく

302:名無しって呼んでいいか?
07/03/12 09:44:08
1、今すぐに伝える

キッチンをのぞくと春樹がホットケーキを作っている最中だった。

「おはよう春樹」
「あ、姉さんおはよう。早いね」
「うん、目が覚めちゃった」
「姉さんも食べる?丁度焼けたけど」
「たべる~。ありがと」
春樹が焼いてくれたホットケーキを受け取りテーブルに座る。

「そうそう春樹、今日私でかけてくるね」
「どこに?」
「ショッピングモール」
「買い物?俺もついていこうか?」
「大丈夫よ。春樹も疲れてるみたいだし、ゆっくり休んで」
「俺のことは気にしなくて良いのに…。でも、気をつけて行って来てよ?何があるか分からないんだから」
「うん」

春樹には伝えたし、後は準備して出かけるだけかな。
まだ早いけど…
(あれ?)
携帯電話を見ると、メールが来ていた。
見ると一郎君からだ。時間は夜中、私が寝た後にきたみたいだ。

『電話に出られなくてすまない。なにかあったのか?』

一郎君らしい簡潔なメール。
私からの着信をみて、わざわざくれたみたいだ。
どうしよう…?

1メールで返信する
2電話をかける
3返事をしない

303:名無しって呼んでいいか?
07/03/12 12:16:04
勢いで書いた

本当にあったら怖い話第1話(なんて)

客女「今年も同じメンツか~」
女友「あたりまえでしょwクラス替えないんだから」
客女「そりゃそうなんだけどさ~、こう、新しい出会いとか…」
女友「うはwwwwアンタからそんなセリフが聞けるとはおもわんかったwwwwやっと二次元卒業?wwwww」
客女「いや~、二次元ちっくに進んだらおもしry」
女友「ないないないwww」

??「ほらほら、始業ベルはなってるぞ席につけー」
女友「あ、先生きたよ」
客女「え?……くぁwせdrftgyふじこlp;@:」
女友「なに、どうしたの?」
客女「て、て、てんちょーーー!?」
店長「なにをいっている。先生だ。早く席につけ」
客女「は?先生?(な、なに?どうなってんの!?)」
店長「先生がカッコいいからって、驚くのは当然だが」
客女「いや、そうじゃなく」
店長「照れなくても良いぞ。なんなら惚れてくれてかまわない」
客女「いや、だから…」
店長「さて、とりあえず、今日の予定を……」




304:名無しって呼んでいいか?
07/03/12 12:17:28
(昼休み)
客女「(なんかへんっ、絶対変!!!!)」
店員「なんだ?人の顔みてそんなに驚くなよ…」
客女「なんでっ、あんたがここにいるのよ店員っ!」
店員「なんでって、俺ここの生徒だし…、てか先輩に対してその態度はどうよ?」
客女「は!?先輩?(だれがっ!?)」
新人「あ、客女さーん」
客女「えええ!?新人君まで、なんでっ!?」
新人「客女さんがこの学校だって聞いたので、前の学校から転校してきました^^」
客女「はぁ!?(てか新人くんなら本当にやりそうだけど…)」
新人「これから同じ学校です、よろしくおねがいしますね^^」
店員「そうだ、お前昼飯まだだな?一緒に食べる奴いないんだろ?俺が一緒に食ってやるよ」
新人「先輩心配には及びません。僕が一緒に食べますから^^」
店員「……っ…orz」
眼鏡「ここにいたか…」
客女「あ、眼鏡!(よかった、眼鏡は眼鏡だ…)」
眼鏡「探したぞ、今日の昼休みは生徒会の集まりがあるから来るように言っておいただろう?」
客女「へ?生徒会?」
眼鏡「そうだ。副会長が来なくてどうする」
客女「………副会長?だれが……?」
眼鏡「そこまで忘れたのか?君は生徒会副会長だろう。ちなみに僕が会長だ」
客女「はぁ!????」
眼鏡「良いから早く来い」




305:名無しって呼んでいいか?
07/03/12 12:18:25
(生徒会室)
客女「(いや、うん、ここまできたら予想はしてたけど…)」
従兄「おそいぞー、早くしないと昼休み終わっちゃうジャマイカ」
客女「で……あんたは何なの?」
従兄「なんなのって、ひどいわっ、生徒会の顧問でしょー」
客女「顧問……ってことは、先生なわけっ!?てか、くっつくなっ」
従兄「何当たり前のこといってるのよーこの子はっ」
眼鏡「先生、教育委員会に訴えますよ。邪魔するなら出て行ってください」
従兄「 工エエェェ(´д`)ェェエエ工工せっかく客女と一緒にいたいから、裏から手を回して、副会長にしたのにぃぃぃ」
眼鏡「…………警察のほうがいいか」
従兄「ちょwなにその電話wwwww」
眼鏡「強制わいせつの現行犯です至急きてください」
従兄「mjk」
警察「逮捕します」
客女「はやっ」
従兄「誤解ですぅぅぅぅぅぅ」

眼鏡「………やっと二人きりになったな」
客女「へ?(な、なに?このふいんき(なぜか変換できry)」
眼鏡「君は知っているだろうか?」
客女「な、なにを…?」
眼鏡「僕がどんなに君のことを………」
新人「させませんっ!!!」
店員「……あぶなかった、おい無事か」
客女「無事って…せっかくの告白タイ……ム」
店員「…お前は、俺よりこの眼鏡のほうがいいのか?」
客女「え?(な、なに?そんな目でみないでぇぇぇぇ)」
店員「俺はっ、ずっと……お前だk……ぐふっ」
客女「ちょ……眼鏡、新人くん?」
新人「本当に油断も隙もあったもんじゃありませんね^^」
眼鏡「まったくだ」

306:名無しって呼んでいいか?
07/03/12 12:18:58
店長「おい、どうした?騒がしいが…」
客女「店長……」
店長「店長じゃない、先生だ。ところでそこに転がってる奴は大丈夫なのか?」
新人「大丈夫ですよ^^」
店員「大丈夫なわけあるかぁ!モロ入ったぞっ!」
眼鏡「そういう割には、すぐ復活したな。ゴキブリ並みか…」
店員「ご、ごき……」
客女「ちょ、だからなにがどうなって……」
店長「なにって…?何もおかしくないだろう?」
新人「そうですよ。何がおかしいんです?^^」
眼鏡「どこか変か?」

客女「どこって、なにもかも…」
店員「どこがおかしい?おかしくないだろう?」
新人「おかしくないですよ。僕たちは客女さんを愛しています」
眼鏡「そうだ。どこもおかしくない」
店長「普通だろう?」

客女「……いや、その、いろいろおかしすぎると…」
店員「……そうだな、おかしいかもしれない」
新人「そうですね、いまのままではおかしいです」
眼鏡「そろそろはっきりしてもらわないとな」
店長「それもそうだな……」

店員・新人・眼鏡・店長「「「「で、誰を選ぶんだ?」」」」



客女「はっ!(ゆ、夢か……)」
女友「どうしたの客女?」
客女「いや、一瞬寝てたみたいwwww」
女友「まーた、朝方までゲームしてたんでしょwwww」
客女「(雲行きあやしすぎw話をそらそう)それにしても、今年も同じメンツか~」
女友「あたりまえでしょwクラス替えないんだから」
客女「そりゃそうなんだけどさ~、こう、新しい出会いとか…(あれ?)」
女友「うはwwwwアンタからそんなセリフが聞けるとはおもわんかったwwwwやっと二次元卒業?wwwww」
客女「いや~、二次元ちっくに進んだらおもしry(どっかで、この流れ…)」
女友「ないないないwww」

??「ほらほら、始業ベルはなってるぞ席につけー」
客女「………(これ、は………)」

…最初に戻る


307:名無しって呼んでいいか?
07/03/12 12:22:28
ぎゃー、スレまちがったorz

全部投下するまで気づかなかったなんて、激しくスルーしてください;;

308:名無しって呼んでいいか?
07/03/12 13:56:09
>>307  (。・ω・)ノ゙ (ノд‐。)

1メールで返信する

日曜日だし、まだ寝ているかもしれない。
メールで返信することにする。

”わざわざごめんなさい。
 用件は済んだので、大丈夫です”

何のために電話したのか書こうかなやんだけどやめて、簡単にすませる。

返信もすんで部屋にもどって戸を開けると、何かにぶつかる音。
(あれ?)

あけてみるとテディベアが転がっていくところだった。
「きゃー、ごめんごめん…」

私が出て行った後をついてこようとしたんだろう。
テディベアはとまると、また私のほうへヨタヨタと歩いてきた。
足元までやってきたテディベアを抱き上げる。
「ごめんね」

謝って頭をなでる。
(そうだ、この子に名前をつけようかな?)

①名前を考える
②やっぱりやめる
③”くまちゃん”でいいか

309:名無しって呼んでいいか?
07/03/13 06:41:47
①名前を考える

(うん、やっぱり考えてあげよう!)
ずっとくまちゃんって呼んでた人形をじっとみる。

「誕生日にもららったんだから…って、男の子かな?女の子かな?」
神様にだって性別はあるとおもうし…。

(青いリボンをつけてるから、男の子…?)
首に巻かれたリボンをなでる。

(春に私と会ったんだからやっぱり春にちなんだ名前がいいかな?)
リボンをなでている私の手をふわふわした手で捕まえようとする仕草が愛らしい。

(そういえば結構風の強い日だったなぁ)
春だから、風が強い日が多いのは当たり前だけれど、あの日は特に強かった。
庭においていた鉢植えが、誕生日会の最中に倒れてしまったことを思い出す。

(でも、熊だし、男の子っぽい、強い名前がいいのかなあ?)
ぱぱぱっと、歴史上の人物の名前が頭をよぎる。

どうしよう?

1.チハル
2.フウタ
3.タカモリ

310:名無しって呼んでいいか?
07/03/13 13:28:21
1.チハル

「よし、今日からお前はチハル。チハルって名前ね?」
青いリボンをつけているからといって、男の子とは限らない。
どちらでも通用する名前にする。
そんな、私の言葉にチハルはくるくるとその場で回った。

(喜んでるのかな?)
いまいちよく分からないが、嫌がってはいないみたいだ。

(さてと、出かける準備しなくちゃ…)
時間はまだ8時を過ぎたばかり。
けれど、着ていく服もぜんぜん決めていない。

(何を着ていこうかな…?)
クローゼットとたんすを開け、悩む。

①普段どおりのジーンズ
②かわいいワンピース
③スポーティなホットパンツ

311:名無しって呼んでいいか?
07/03/13 14:15:18
①普段どおりのジーンズ

昨日の周防さんの言葉を意識する訳ではないけれど、特別めかしこむのもなんとなく気恥ずかしい気がする。
普段どおりのジーンズにレイヤード風のカットソーをあわせて床にひろげてみる。

(とりあえず、こんなかんじで良いかな。…それとももうちょっと気合入れるべき?)

広げた服を前に考えているとヨチヨチと歩き回るチハルが目に入った。
気休めとは思いつつ抱き上げて話しかける。

「ねえチハル。今日着ていく服、こういうのはどう?」
顔を覗き込むと、私を見上げてまるで「何のこと?」と問い掛けるように首をかしげた。

「これじゃ地味すぎるかな?」

重ねてきくと数秒間をおいた後、チハルはまるで子猫がするように頬擦りをした。

(…ってチハルにきいても仕方ないか)

苦笑いをしつつ、ご機嫌な様子であちこち動き回るチハルをベッドの上に座らせる。
「今日はちょっと出かけてくるから、いい子でお留守番しててね」
小さな子供に言い聞かせるようにチハルにそう言って広げた服を手にとった。

チャーラーラーチャラーラーラー

「電話?」
鳴り響く携帯電話を取り上げるとディスプレイには見知らぬ番号が映し出されている。
(知らない番号だ…普段だったら出ないんだけど)

一瞬昨日の周防さんと御門くんの事が頭の隅をかすめる。彼らは私の番号は知らないはずだけれど、もしかしたら何か急な連絡事項でもあって電話をしてきたのかもしれない。

電話に出るべきか否か躊躇していると、下げたままの腕に柔らかい感触がした。
見ればチハルがしがみついている。

「どうしたの?」

チハルは真っ黒いまん丸な目で私をみつめたまま動かない。

どうしたんだろう。

1、電話は後回し、チハルが気になる
2、チハルは後回し、電話に出る
3、どちらも気にせずに支度を続ける


312:名無しって呼んでいいか?
07/03/13 14:55:52
1、電話は後回し、チハルが気になる

「チハル?」
じっと私を見つめる目が何かを訴えているようだ。
腕にしがみつくその様子は、絶対に離れないぞ、という意思を感じる。

「もしかして、置いていかれたくないの?」
さっきも私を追いかけて、戸の前まで来ていたことを思い出す。
私の言葉に反応するように、チハルが私の腕をよじ登ってきた。
携帯電話の呼び出し音が止まり、伝言モードに切り替わった。

(知らない電話番号だけど、大事な用事なら伝言入れるわよね…間違い電話かもしれないし)
私はチハルを抱き上げて、目線の高さまで持ち上げる。

「一緒には行けないのよ?」
私の言葉に、イヤイヤというように、手足をじたばたさせるチハル。
そのかわいさに、ついほだされそうになる。

(どうしよう…)

①つれていく
②言い聞かせておいて行く
③隆に相談する

313:名無しって呼んでいいか?
07/03/14 06:39:46
①つれていく

つぶらな瞳に見つめられて…落ちた。

(かわいいよもぅぅぅぅ!)
「わかったわかった、つれていってあげるから。でも、絶対に動いちゃ駄目だからね?」
チハルはわかったのか動きを止めた。

「ふふ、まだうごいててもいいよ?外にでたらうごかないようにしてね?」
大き目のバックなら、チハルを入れてもって歩いても大丈夫だろう。
そういえば、あのバックはどこにしまったっけ?
室内を見回してとりあえず置いておいた携帯電話に視線がとまる。

(あ、そういえばさっきの電話…)
見ると、伝言は入っていない。
かけなおしたほうがいいだろうか?

さて、どうしよう…?

1.まずバックを探す
2.とりあえず折り返し電話をかけてみる
3.先に着替えをする

314:名無しって呼んでいいか?
07/03/14 14:07:01
1.まずバックを探す

着替えは一応用意してあるので着替えに時間はかからない。
電話はメッセージも入っていないので大事な用件ではないと判断する。

(クローゼットだったかな…)
大きめだから、形が崩れないようにクローゼットの奥にしまったような気がする。

「確か、この辺……あ、あった」
青い縞のトートバッグを見つけ引っ張り出す。
外側に大きなポケットがついているので、そこにチハルを入れるとかわいいかもしれない。

「あれ?」
バッグを取り出すときに、奥のほうから一緒に引きずられて出てきたらしい箱が床に転がっている。

「なんだっけ?これ…」
手のひらより少し大きめの平たい箱。
あけてみると、かわいらしいネックレス。

「かわいい……でも、こんなの持ってたっけ?」
記憶を探るが、引っかかるものがない。

(もしかして、お母さんの?)
子供の頃からずっと使っている部屋だ。
家具などは時々配置を変えたりしているが、家具そのものはずっとそのまま使っている。
私に覚えがないとすると、お母さんが置いていったものとしか思えない。

(あ、今日着て行こうと思ってた服に合うかも…)
普段どおりの服装だと少し地味だけれど、これをつけると少しは華やぐ。

①つけていく
②つけていかない
③もう少し考える

315:名無しって呼んでいいか?
07/03/14 15:40:28
①つけていく

(少しくらいならおしゃれしたっていいよね?)
結局、私はそのネックレスをつけていくことにした。

「さてと…そうと決まったら早く準備しないとね」
呟きながら時計を見る。
今から支度すればちょうどいいくらいに家を出ることができそうだ。
(遅刻だけはしないようにしないと…)
そんなことを考えながら、着替えに手を伸ばそうとすると。

チャーラーラーチャラーラーラー

「わっ」
まるではかったかのようなタイミングで流れ出すメロディ。
……携帯だ。

(えっと、このメロディは…)

1.電話の着信メロディ
2.メールの受信メロディ
3.アラームで設定していたメロディ

316:名無しって呼んでいいか?
07/03/14 17:11:51
1.電話の着信メロディ

「電話だ…」
さっきは知らない電話番号だったけど…今度は?

「あれ、一郎君?」
一応メールを返信しておいたけれど、気になって電話してくれたのかもしれない。

「はい、もしもし?」
「…大堂か?」
「うん、昨日はごめんね?わざわざメールまでもらっちゃって…」
「いや、かまわない。返信は読んだからな」
(返信を読んでも電話をくれたってことは、何か別の用事なのかな?)
「それとは別件なのだが、今日これから時間はあいているだろうか?」
私の思考をよんだかのように、一郎君が言葉を続ける。

「え?今日これから…?」
「ああ、何か予定がはいっているのか?」

なんて答えよう…?

①「うん、ちょっと出かけるの」
②「知り合いと買いものに…」
③「…一郎君の用事はなに?」


317:名無しって呼んでいいか?
07/03/15 06:34:28
①「うん、ちょっと出かけるの」

「…それは、キャンセルできないのか?」
どうしたんだろう…一郎君の用事はそんなに大事なものなのかな?
でも、周防さんたちとの約束が先だし、キャンセルしようにも、連絡先がわからない。

「えっと、ごめんね。約束で…でかけるから」
「そうか、約束なら仕方がないな」
「ほんとごめんね」
「いや、急だったからな。それじゃ」
「あ…」
「…ん?どうした?」

つい、呼び止めちゃった…

1「なんでもない」
2「夜なら時間あるけど?」
3「どんな用事だったの?」

318:名無しって呼んでいいか?
07/03/15 17:02:43
1「なんでもない」

「そうか、では、また明日学校で」
「うん、明日ね」
一郎君の用事はきっと、力に関することだろう。

(今日一日はゆっくり休むって決めたんだから…)
気になるけれども、今日だけはゆっくりしたい。
心の中で、何度も一郎君に謝って急いで着替えをする。
時計を見ると、家を出るのに丁度いい時間になっていた。

「チハル、おいで」
ネックレスをつけながらチハルを呼ぶ。
足元までやってきたチハルを抱き上げて、トートバックのポケットに顔が出るように入れてあげる。
モゾモゾとチハルが体勢を変える。
両腕をポケットの外に出して、落ち着いたのか私を見上げてくる。

「動いちゃだめだからね?」
一応念をおして、サイフと携帯電話、小物類がきちんと入ってるかチェックして、部屋を出た。

「春樹、それじゃいってくるね」
リビングに顔を出して、テレビを見ている春樹に声をかける。

「うん、気をつけて」
振り返った春樹に手を振って、玄関へ急ぐ。
スニーカーをはいて玄関をでた。

駅の前まで来ると、15分前。

(丁度いいかな?)
周防さんと御門くんはまだきていないみたいだ。

どうしよう?

1.このまま待つ
2.いったん駅に入る
3.少し探してみる

319:名無しって呼んでいいか?
07/03/16 06:37:04
1.このまま待つ

(もう少しで時間だし、変に動いてすれ違ったら大変よね?)
おとなしくよく待ち合わせに使われる、駅名の入った石の前で待つことにする。

(御門君は時間通りにきそうよね)
見るからに真面目そうな御門くんなら、時間ぴったりに到着しそうだ。

(周防さんはどうかしら…?)
10分前には到着して待っているような気もするし、遅刻してきそうな気もする。
ぼんやりと、考えながら待っている時間が、私は結構好きだ。
ぼんやりしすぎていて、待っている人が来ているのに気づかないこともしばしばあったりして…。

とんとん

(あっ、いけない、また…)
肩をたたかれて、慌てて振り返る。
そこに立っていたのは…

1御門くん
2周防さん
3修二くん

320:名無しって呼んでいいか?
07/03/16 09:38:27
2周防さん

「よっ、おはようさん」
片手を軽くあげながら、いつものように挨拶してくるその人物。

「…………周防さん?」
「おう、そうだぞ。周防おにーさんだ」
思わず聞き返してしまう私に、周防さんは満面の笑みで答える。
「こっちでは初めましてだもんな。
……でも、別段変わりないだろ?」
「は、はい」
その言葉に、私は一応頷いてみせる。
(でも、やっぱり夢と現実じゃなんだか違う感じがするよね)
夢は少しぼやけていて、感覚とか存在感とかも同様にぼやけている感じがするのだ。
だから、今こうして改めて目の当たりにすると……
(周防さんって、こんな感じの人だったんだ)
そんな風に思う。

「ところで、冬馬はまだか?」
「ええ。みたいですね」
少なくとも私とはまだ合流していない。
私の答えに、苦笑いを浮かべながら周防さんが呟く。
「ったく。しょうがねーな、あいつも」
そして、そのまま空へと視線を向ける。
つられて私も空を見上げた。

……今日もいい天気だ。

「…………あー。ところでさ、愛菜ちゃん?」
そのまま空を見上げていると、珍しく歯切れの悪い口調で周防さんが切り出してくる。
そちらを向くと、周防さんの少し困ったような表情。
「その……今日のことなんだが。ちょっとばかし、お願いがあるんだよ」
「お願い?」
ちょっと様子の変な周防さんに首を傾げつつも私は先を促す。

「ああ。……あのな、冬馬のことなんだけどさ」
周防さんはそう前置きをして話を続ける。

「今日……もしかしたら突飛な行動とか、常識的にちょっと変なこととかやっちまうかもしれないんだけど。
引かないで、見守ってほしいって言うか逃げないでほしいって言うか……あー、なんていったらいいんだろ」
周防さん自身もなんと言っていいか迷っているようだ。

……要は、「御門君が変な行動を取るかもしれないけど引いたりしないで」ってことでいいんだろうか。

どういうこと?
それに、どうして周防さんがそれをお願いするんだろう?

①「どうしてですか?」
②「例えば?」
③「周防さんは何か知ってるんですか?」

321:名無しって呼んでいいか?
07/03/16 11:03:02
②「例えば?」

と、聞いてからふと以前病院であったときのことを思い出す。

(あの時は急に服を脱ぎだして…)
「そういえば、以前…」
困ったようにうなる周防さんが口を開く前に、以前会ったときのことを話す。

「あいつ、また……」
がっくりと脱力した周防さんは、すぐに顔を上げてあきらめたような顔で言う。

「そうそう、そういうこと…」
「わかりました」
御門君って何をするか分からないところが確かにある。
ある意味、それは想定内といえば、想定内かもしれない。

「お、きたきた。冬馬!こっちだ」
時計を見ると時間ぴったりだ。

「おはよう、御門くん…」
「………」
御門くんは相変わらず無言で、こちらを見ている。
服装はといえば…

「なんで制服なんだ…?」
あきれたように言う周防さん。
私は制服以外を着ている御門くんを想像できなかったので、なんとなく納得してしまう。

(でも、日曜日にまで制服なんて…)

1.「なんで制服なの?」
2.「せっかくだから御門くんの服を選んであげるって言うのは?」
3.とくに何も言わない

322:名無しって呼んでいいか?
07/03/17 00:53:36
2.「せっかくだから御門くんの服を選んであげるって言うのは?」

「……だな。それはいい考えだ」
周防さんがうんうんと頷いて賛同してくれた。
「よっし、いっちょ冬馬改造計画と行きますか!
よろしくな、愛菜ちゃん」
その言葉に私は力強く頷き返した。
「はい、頑張りましょう!」
勢いのまま、私たちは固い握手を交わす。
(なんか、ちょっと楽しくなってきたかも……)

そんな私たちのやり取りを前に、当の御門くんはというと。
「…………」
相変わらずの無表情のままわずかに首を傾げただけだった。


「そうと決まれば早速……っと、その前に」
不意に周防さんが何かを思い出したように声を上げる。

「今日を楽しい一日にするために、俺からひとつ意見を出したいと思いまーす」
軽く挙手しつつ、「はーい注目ー」とおどけた口調で続ける。
私たちの視線が自分に向けられたのを確認したのか、周防さんは話を始めた。

「今日はさ、”アレ”に関する話題は一切禁止にしないか?」
”アレ”……周防さんはぼかして表現したが、おそらくは力のことだろう。

「ちなみに、言ったやつはペナルティってことで。
…そうだな…他の二人のお願いを一つずつ聞くってのはどうだ?」

周防さんからの意見。
それに対して、私は……

1、「私はいいと思います」
2、「御門くんはどう?」
3、「うーん……異議あり、かも」

323:名無しって呼んでいいか?
07/03/17 07:46:45
1、「私はいいと思います」

今日は周防さんが私がゆっくり休めるようにしてくれた日だ。
それに否を唱えるつもりはない。
御門くんをみると、相変わらずの無表情で立っている。

(御門君は自分から話すことはなさそうよね…)
「よっし、それじゃ二人とも気をつけるように」

ぽんぽんと私たち二人の頭を順番にたたいて、周防さんは上機嫌で言った。
「それじゃ、いくとしますか!」

そういって、私たちを促して歩き出した周防さんを追いかける。


ショッピングモールにつくと、日曜日ということもあってか、比較的人が多かった。

「さて、と…どこから回ろうか?」
「そうですねぇ?」
3階建てのモール内を思い出す。

1.小物、靴、雑貨のお店が多い1階
2.服の多い2階
3.本屋、CDショップ、レストランなどがある3階

324:名無しって呼んでいいか?
07/03/18 12:19:49
3.本屋、CDショップ、レストランなどがある3階

「そうですねえ、まず3階の本屋さんで、ファッション誌を見て研究とか?
 私、男性の流行なんて知りませんし…」
私の言葉に、周防さんも頷く。

「そうだな、どういう系統の服がいいか参考に見に行ってみるか」
「………」
私たちが相談している間も、御門君は無言で聞いているだけだ。

本屋で早速ファッション誌をチェックする。

「やっぱり一番多いのはジーンズだな」
「そうですね、次はこれかしら?イージーパンツ?」
「そうだな…、あとこれなんかもよくみないか?」
「そうですねえ…」

どんなのがいいかな?

①ジーンズ
②イージーパンツ
③チノパンツ

325:名無しって呼んでいいか?
07/03/19 06:38:21
①ジーンズ

「やっぱり定番が一番じゃないですか?」
「そうだなあ。色々合わせやすいしな」
「そうですよね」
パラパラと雑誌をめくって、ジーンズにしようということで落ち着く。

「後は店を見ながらでもいいな」
「そうですね。雑誌に載ってるのがあるとは限らないし…」
「それじゃ、見に行ってみるか」
「はいっ」
「………」
今度は2階のジーンズショップに移動する。

「うーん。どれがいいかな」
「う~ん…」
ジーンズといっても種類は色々ある。
色はやはり、定番の青がいいかな?
でも、御門くんには黒のほうが似合う気がする。
せっかくだから、全然イメージの違う白なんかもいいかもしれない。

どうしよう…
1青
2黒
3白

326:名無しって呼んでいいか?
07/03/19 14:31:07
2黒

「黒のストレートが無難?」
後に立ったままの御門くんを振り返り、ジーンズをはいたところを想像する。

「そうだなあ。冬馬は黒のイメージだよな」
うんうんと、頷いて周防さんは手近なブラックジーンズを手に取った。

「サイズはこのくらいかぁ?おい、冬馬ちょっと試着してみろ」
「………」
受け取ったズボンを御門くんはしばらく無言で見ていたが、おもむろにベルトを外した。

「え!?」
「ちょっ、こら、まて!あっちだ、試着室!!」
あわてて周防さんが御門くんを制止して、試着室へ引きずっていく。
周防さんは御門くんを試着室に押し込み、ため息をついた。

「びっくりしました…」
「…はは、そうだなこうなることは、予想できたな」
「そ、そうですよね」
二人で乾いた笑いを交わしつつ、シャツのコーナーを見る。
ジーンズショップにおいてあるだけあり、どれもジーンズに合わせやすいものばかりだ。

「上はどんなのがいい?」
周防さんに尋ねられ、考える。

上も黒系にしてしまおうか?
それとも、白系?
答えは期待できないけれど、御門くんに好みの色を聞いてみるのも良いかもしれない。

①黒系
②白系
③御門くんに好みの色を聞いてみある。

327:名無しって呼んでいいか?
07/03/23 10:47:01
③御門くんに好みの色を聞いてみる。

(一応本人にも聞いておいたほうがいいかな?)
いろいろな色のシャツを見ながら、私はそんなことを思った。

「私、ちょっと御門君に聞いてきますね」
「おう」
周防さんに見送られながら、私は試着室の前へと歩いてくる。

「御門君?ちょっといいかな?」
ノックをしながら呼びかける。
「はい」
中からはすぐに御門君の返事が聞こえてきた。
そして、ほぼ同時に試着室のドアノブが内側から回される。

それを見て、ふと脳裏に浮かんだのはさっきの光景。
何故か嫌な予感が頭をよぎる。

「あ、いいの!いいから、開けないで!そのまま聞いてっ」
慌てて言うと、ピタリとドアノブの動きが止まった。
……どうやらすんでのところで止まってくれたらしい。

(ま、間に合った……)
内心ほっと胸をなでおろしつつ、本題に入る。
「あのね?御門君って、何色が好きなのかな?」
「…………色?」
聞き返された言葉に私は頷いた。
「うん」

反応はすぐには返ってこなかった。
ほんの少しだけ沈黙が訪れる。

(だ、大丈夫かな……?)
心配になりつつも、私は御門君の答えを根気強く待つ。

やがて、内側から聞こえてくる御門君の声。
けれどそれは質問の答えではなくて。
「………………あなたは?」
「え?私?」
「はい」
私が御門君に質問しているはずなのに、質問をそのまま返されてしまった。

御門君なりに考えて、迷っているのだろうか?
……それとも、そういうのもよく分からなかったりするのだろうか?

疑問に思いつつも私は考える。

(私の、好きな色……)
うーん、どれかと言えば……

1.暖色系の色が好き
2.寒色系の色が好き
3.モノトーン系の色が好き

328:名無しって呼んでいいか?
07/03/23 17:21:23
2.寒色系の色が好き

「赤とか黄色とかよりは、青とか緑のほうが好き、かな?」
ちょっと考えて答える。
そういえば、チハルの首に結んであるのも青いリボンだ。
私の好みを知っている隆が選んだのだから当たり前だけど…。

(そういえば、チハルのリボンもだいぶ色あせちゃったな…)
鞄のポケットに入っているチハルを見て、後でリボンを見に行ってみようかと思いつく。

「…………青と緑」
長い沈黙の後、御門君の思案するような声。

「御門君は?」
「………緑」
最初の問を返すと、御門君の答えが返ってきた。

「分かった緑ね?ちょっと待ってて」
御門君の答えを聞いて、周防さんのところへ戻る。

「御門くん緑色が好きみたいです」
「へぇ?そうなんだ……にしても、よく冬馬から答えを引き出せたなあ」
「そうですか?……あ、これとかどうでしょう」
「それもいいが、こっちはどうだ?」
「あー、そっちもいいですね…」

私が手に取ったのは、淡い緑色のシャツ
周防さんが手に取ったのは、深緑色のシャツ

さて、どうしよう…

①淡い緑色を持っていく
②深緑色を持っていく
③両方持っていく

329:名無しって呼んでいいか?
07/03/23 20:35:43
③両方持っていく

――両方試着してもらって、それから考えてもいいよね?

「じゃあ、両方持っていきましょうか?」
「そうだな」
私の言葉に頷くと、周防さんは私の手から淡い緑色のシャツをそっと取った。
「んじゃ、俺が持ってくよ」
そして、私に背を向けて試着室のほうへと歩いていく。

何気なく、そのまま様子を見守ることにする。

さっきの私と同じように、試着室のドアをノックする周防さん。
やがて、中から御門君が出てきた。
「………」
周防さんはふたつのシャツを御門君に見せながら笑顔で何かを話している。
御門君は特に頷いたりすることもなく、ただ差し出されたシャツをじっと見つめていた。

そんな二人を見ながら私は、

①御門君のことが気になっていた。
②周防さんのことが気になっていた。
③二人のことが気になっていた。

330:名無しって呼んでいいか?
07/03/24 08:59:00
①御門君のことが気になっていた。

ほとんど無表情で、何を考えているのかさっぱりわからない。
無口だけれど、言葉は普通に話せる。
真面目そうだけど、夜中に家の前にいたりする。
なぜか微妙に常識がずれていて、行動が読みにくい。

(ほんと、不思議な人だよね御門くん…)
「愛菜ちゃん」
ぼーっとしていると、周防さんがにこにこと私を手招きしている。

「はいっ」
周防さんの隣に立つと、御門君が淡い緑のシャツを着て立っていた。

「愛菜ちゃんが選んだほうが良いっていうから、こっちにきめちゃったよ」
「え?あ、はい」
「…………」
「このまま着ていけるようにしてもらうよ。愛菜ちゃん、ごめん。これ返しておいて。冬馬ほら、レジいくぞ」
「いってらっしゃい」
私は、周防さんから深緑色のシャツを受け取ると元の場所へ戻した。
レジのほうを見るとまだ並んでいるところだった。

(レジにいっちゃうと他のお客さんの邪魔かしら…?)

1.二人に合流する
2.店の中を見て回る
3.店の外で待つ


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