07/02/10 08:08:01
2..私と修二がキスをしている夢
気がつくと目の前に修二くんの顔。
驚いて目を見開く私。
キスをしている、と気づくまで一瞬の間があり……、気づいた時には修二くんは離れていった。
修二が何かを言う。
けれどその声は私には聞こえない。
(何?何をいってるの?)
聞き取ろうと意識を凝らす。
「……なんだ、ありがとう愛菜ちゃん」
やっと聞こえた声、胸が苦しくなるくらい綺麗に微笑む修二くん。
修二くんは私に背を向けて歩いていってしまう。
追いかけようと思って………
「あ……」
目が覚めた。
ぼんやりと明るい部屋の中。
そろそろ起きないといけない。
何か夢を見た気がする、少し胸が痛い。
「なんだったんだろう……?」
体を起こし、とりあえず着替えようと床に足をつけ……
「いったぁ……そういえば、捻挫してたんだ……」
熱は下がっているが、これでは歩くのも一苦労だ。
どうしよう…?
①学校を休む
②病院へ行ってから学校へ行く
③学校へ直行する
128:名無しって呼んでいいか?
07/02/12 10:40:12
②病院へ行ってから学校へ行く
熱も下がっているし、一応病院へ行ってから学校へ行こうと決める。
(そろそろ学園祭だし、休んでられないもんね)
色々気になることは多くて不安だけれど、放送委員としての準備とクラスでの出し物の準備もある。
この先学園祭に向けてどんどん忙しくなるんだ。
制服に着替え終わると同時にノックの音。
「姉さん起きてる?」
「春樹?起きてるよ」
「入るよ」
「うん」
春樹は私が制服に着替えていることに驚いたようだ。
「姉さん、今日は休んだほうがよくない?」
心配そうに足を見る。
「大丈夫だよ。それに学園祭も近くて準備も忙しくなるしね。大丈夫、ちゃんと病院にいってから学校行くから」
「そう…それなら……。ところで姉さんのクラスは学園祭なにするの?」
1、喫茶店
2、お化け屋敷
3、町の歴史展
129:名無しって呼んでいいか?
07/02/12 11:19:25
2、お化け屋敷
「お化け屋敷だよ」
私が答えると、春樹が悪戯っぽく笑った。
「……ふーん。姉さん、大丈夫なの?結構怖がりじゃなかったっけ?」
「大丈夫だよ!私、お客さんじゃないんだから!」
からかうようなその言葉に、ちょっとムッとしながら言い返す。
すると、なぜか春樹はやさしく笑った。
「ごめんごめん。
……じゃあ、下で朝食の用意してくるから。準備できたら下りてきて」
それだけ言って部屋を出て行った。
「もう……」
春樹が出て行った後、大きくため息をついた。
呆れたような言葉とは裏腹に、私はなんだか明るい気持ちになれていた。
(どうしてかな……)
知らなかった。
何気ないやり取りで、こんなにも救われるなんて。
「ありがとう、春樹……」
一人呟く。
聞こえないとはわかっていたけれど、言わずにはいられなかった。
階段を下りてリビングへ行くと、春樹はもう座って待っていた。
「ああ、来た。歩くの辛いかなって思って、タクシー呼んでおいたから。
来るまでに朝食済ませよう。さ、座って」
春樹に促されて、席に着く。
朝食はトースト、ハムエッグ、サラダ。それとスープ。
「「いただきます」」
二人で挨拶をしてから、朝食に手をつけようとして――
(……そうだ、春樹に話したいことがあったんだっけ)
不意に、そんなことを思い出す。
「……あのね、春樹」
手を止めて春樹に話しかける。
「ん?何、姉さん?」
春樹も食事の手を止めて、こちらを見た。
①「隆のことなんだけど……」
②「昨日も予知夢を見たよ」
③「御門君って男の子、知ってる?」
130:名無しって呼んでいいか?
07/02/12 11:49:01
③「御門君って男の子、知ってる?」
「御門?うーん……」
私に言われて、春樹が考えるようなしぐさをする。
「……ごめん、俺は知らないな。
1年のヤツ?」
考えこんだ様子のまま、申し訳なさそうに春樹が言ってきた。
そして逆に問われる。
「うん、たぶん……」
そう答えたものの、彼が1年生なのかはわからない。
ただ、1年生の教室の近くであったからそうなのかと思っただけ。
(お礼言いたかったし、気になることもあったから、会いたかったんだけど……。
御門君のこと、全然わからないや……)
素性も、保健室の外からのあの行動も。
御門君についてもまた、謎が多かった。
(なんて、1回……2回かな?会っただけだし、当然か)
「何?何かあったの?」
春樹が訝しげに聞いてくる。
昨日のこともあるから、余計に心配しているのかもしれない。
私は……
①素直に話す
②ごまかす
③話をそらす
131:名無しって呼んでいいか?
07/02/12 12:04:22
②ごまかす
とりあえず保健室へ運んでもらったことだけ話し、校庭で見たことは伏せた。
「そう……俺が知らないだけかもしれない。他のやつに聞いてみるよ」
春樹はそういいながら、まだ自分の記憶を探っているみたいだった。
ぴんぽーん
そこでチャイムが鳴る。
「あ、タクシーがきたのかな?姉さん準備して、ちょっと待っててもらうように言ってくるから」
「わかった」
春樹が玄関へ向かう。
私もなるべく急いでかばんを取りに行き、玄関へ向かう。
「ですから、姉さんは病院に……」
玄関へ行くと春樹の硬い声が聞こえた。
「春樹?どうしたの?」
「あ、愛菜!」
「……隆」
(そうだ、一応付き合ってるんだし、昨日も来たんだから、今日だって迎えに来て当然よね…)
「あ、あの、よ、足、大丈夫か?」
「うん、大丈夫。一応これから病院にいくし…」
「それじゃ、俺がついていくよ」
「え!?」
突然の隆の申し出に驚く。
「隆さんが付き添うのはおかしいですよ。家族でもないんですから病院の人が変に思います。
付き添いが必要なら俺が付き添いますから大丈夫です」
すかさず春樹が口を挟む。
プップッー
ちょうどそこでタクシーが到着した。
どうしよう…
1、隆につきそってもらう
2、春樹につきそってもらう
3、一人で行く
132:名無しって呼んでいいか?
07/02/12 13:48:30
3、一人で行く
「もぅ、二人とも、私だって子供じゃないんだから、一人でいけるって」
微妙な雰囲気の二人に、つとめて明るく笑う。
「私に付き合う口実で、サボろうとしてるんでしょ?まったくもぅ」
やれやれと、肩をすくめてみせて靴を履く。
「それじゃ、二人とも遅刻しないようにね?」
「うん、姉さんも、無理しないで痛かったら休むんだよ?」
「…………」
「はいはい」
春樹が苦笑ながら言う。隆は何かをいいたそうだったが、無言で頷いた。
タクシーのドアが閉まる。
行き先を告げ、走り出したタクシーの中で思わずため息をつく。
隆へどう接していいのかわからない。
修二くんの言った事が本当かどうかわからない今、態度を変えるのはおかしいことだとわかってはいるけれど…。
診察を終え、会計を済ませる。
湿布を張り替えてもらい、万が一また熱が上がったときのための薬ももらった。
病院を出ようとして、ふと視界の先に見知った顔。
それは…
①一郎くん
②御門くん
③厳格だが生徒思いの近藤先生
133:名無しって呼んでいいか?
07/02/12 17:03:23
②御門くん
御門くんだった。
「……」
玄関の柱に背を預けて、時間を確認している。
(……何してるのかな?)
疑問に思いながらじっと見ていると、不意にその視線がこちらを向く。
(わっ!)
私は思わず見えないように隠れてしまった。
御門くんは見回すようにこちらを眺めていたが、やがて視線を手元に戻す。
(はぁ……よかった)
ほっと、息をつく。
(って、よく考えたら、別に隠れる必要なかったんだよね……)
ふとその事実に気がつき、なんとなく恥ずかしくなる。
だけど、なんとなく出て行くタイミングがつかめいまま、私はそのまま御門くんの様子を見ることにした。
(それにしても、どうしてこんなところにいるんだろう?今日は普通に学校のはずなのに)
しばらく様子を伺っていると、今度は胸元から何か小さなものを取り出した。
そして、それを手の平に乗せてじっとみつめている。
「……」
その顔は相変わらず無表情のまま。
なのに、なぜだろう。御門くんから何かの感情が伝わってきた気がして。
……どこか気になった。
(何、見てるんだろう……?)
1、話しかける
2、そっと近づく
3、気にせず学校へと向かう
134:名無しって呼んでいいか?
07/02/12 18:26:48
1、話しかける
よく考えれば昨日のお礼を言ういい機会だ。
「あ、あの、御門くん?」
思い切って声をかけながら近づく。
私の呼びかけに顔を上げた御門くんは相変わらず無表情だ。
「あ、あの昨日保健室に連れて行ってもらった大堂愛菜です。昨日はありがとう」
「………」
(覚えてない、ってことはないよね、昨日のことだし……
あ、でも少しの間だったし、向き合ってたわけでもないから、顔は覚えてないのかも…)
「……いえ、足の具合はいかがですか?」
少しの沈黙の後、感情の伺えない声で御門くん。
「あ、うん、湿布もお薬ももらったし、大丈夫。まだ痛いけどね」
「そうですか、それは良かったです」
そういいながら、御門くんは持っていたものを胸ポケットにしまう。
(何だろう?金属?)
ちらりと見えたものはなにか金属の破片のように見えた。
そのまま会話が途切れる。
えーっと…
①「ここで何をしているの?」
②「今のはなに?」
③「今から学校へ行くんだけど、良ければ一緒に行かない?」
135:名無しって呼んでいいか?
07/02/12 21:59:32
①「ここで何をしているの?」
金属片の仕舞われたポケットを見つめながら、私は尋ねた。
「…………」
御門くんは無表情のまま、何も答えず私の顔を見つめている。
「学校はどうしたの?」
「…………」
御門くんは何も言わず、無表情にこちらをジッと見ている。
「どうしてこんな所にいるの? 教えて」
ポケットに仕舞われた金属片。
保健室で見た光景。
隠し事をしているような態度。
「どうしてここにいるの? ここで何をしているの? お願い、教えて」
助けてくれた御門くんを信じたい。
だから私は、心の中に生まれた『監視されているかもしれない』という疑念を振り払うために尋ね続けた。
それでも御門くんはずっと黙ったまま、私を見つめ続けている。
「答えて!」
取り乱した私を見て、御門くんがようやく重い口を開いた。
「…………わかりました」
そう言うと突然、御門くんはネクタイに手を掛け、シュルッという音をさせながら一気に外した。
ブレザーを手早く脱ぎ捨て、真っ白なシャツのボタンを外していく。
「なっ、何?」
病院の前で何を始める気なの!?
自動ドアから出てきたおばさんが奇異の目で私たちを見ている。
「まっ、待って!」
私は御門くんを止めようと必死になってその腕をつかんだ。
上半身が露わになった御門くん。
そこで私が見たものは……
①肩に巻かれた包帯
②体に埋め込まれた金属片
③文化祭用のボディペイント
136:名無しって呼んでいいか?
07/02/12 22:15:11
①肩に巻かれた包帯
「今朝、自転車とぶつかってしまって肩を痛めたので病院へ来ました」
淡々と話す御門くん。
「あ、そう、なんだ…」
私が納得したと確認すると、何事もなかったかのように制服を着る。
(そう、だよね。私の考えすぎ…、病院だもん怪我とか病気の治療に来てるに決まってるじゃない……)
取り乱してしまったことにいまさらながら恥ずかしくなる。
「ご、ごめんなさい」
御門くんは何も言わず、じっと私を見ている。
昨日も校庭から私を見ていた。
その視線に落ち着かなくなる…
1、「わ、私の顔に何かついてる?」
2、「昨日も見てたよね?」
3、「御門くんは一年生?」
137:名無しって呼んでいいか?
07/02/13 01:29:55
2、「昨日も見てたよね?」
「昨日も私の事を見ていたよね?」
私はどうしても昨日の不可解な行動が気になって思わず尋ねた。
「はい。あなたが廊下で怪我をしている姿を見かけました」
御門くんは冷静な口調で答えた。
「そうじゃないの。えっと……」
「以前にもお会したことがありましたか?」
「昨日、初めて会ったよ」
「いつ、どこで、何を見ていたのかもう一度、明確に教えてください」
淡々と御門くんは言った。
「昨日、この怪我の後にね……保健室から制服を着たまま校庭にいる御門くんを見かけたんだ。授業中だったから、少し気になって」
あの時、お互いの目が合っていたような気がする。確か、御門くんは私の視線に気付いて去っていったんだ。
「昨日は、五時限目も六時限目も教室で授業を受けていました。校庭には行ってません」
有無を言わせない、はっきりとした言い方だ。
「……そうなんだ。私の見間違いだったのかもしれないよ。ありがとう」
確かに御門くんだったような気がするけど、本人が否定しているのならきっと私の勘違いだったんだろう。
それにしても、御門くんって……
①少し変っているな
②何を考えているか分からないな
③すごく真面目だな
138:名無しって呼んでいいか?
07/02/13 09:18:27
②何を考えているか分からないな
表情に変化が乏しいのが一番の原因だと思う。
声にも感情が入っていなくて淡々としているし…。
人をじっと見るのはクセなのかな?
チャラリ~ン
「あ…」
私の鞄の中から音がする。
メール着信の音だ。
(あぶない、あぶない、マナーモードにし忘れてた…)
携帯電話を取り出す。
「では、これで」
「えっ?」
メールを確認しようと携帯電話に視線を落としたところで、御門くんは行ってしまった。
(誰かを待っているみたいだったのに……?)
疑問に思いながらメールをチェックする。
メールの送信者は…
①春樹
②隆
③知らないアドレス
139:まとめ
07/02/13 10:30:28
<現在の登場人物>
大堂愛菜:高校二年の主人公 。予知夢を見る(但し起きると内容は忘れている)
大堂春樹:主人公の義理の弟(高1)。好きな人がいるらしい。
主人公よりしっかりものなので兄にみられがち。
湯野宮隆:主人公の幼馴染で愛菜の彼氏。愛菜を狙っている?
宗像一郎:放送委員の委員長。水野を利用している。「見える力」がある
宗像修二:一郎の双子の弟でテニス部エース。一郎と同じく「見える力」をもっている。
他人を見下しているところがあり不誠実とおもわれているが、愛菜にはなぜか協力的。
近藤先生:厳格だが生徒思いの男性教師
水野先生:隆とキスしていた音楽教師。一郎に接近してなにかを探しているらしい。
長谷川香織:愛菜の親友
御門冬馬:表情の変化に乏しい。言葉遣いは丁寧。
<一人称・呼び方>
愛菜:一人称→私。春樹と隆は呼び捨て、その他キャラは君付け
春樹:一人称→俺。愛菜に対しては姉さん、隆はさん付け
隆 :一人称→俺。愛菜に対してはお前
一郎:一人称→俺。修二は呼び捨て、他は苗字
修二:一人称→俺。愛菜に対しては愛菜ちゃん、一郎に対しては兄貴
香織:一人称→私。愛菜や隆に対して呼び捨て
冬馬:一人称→僕。
<未実現の夢>
① >>91 水野先生と隆が楽しそうに話をしている夢
② >>127 私と修二がキスをしている夢
<今までのあらすじ>
愛名は隆と水野のキスを見て以来隆と疎遠になっていた。
ひょんなことから、隆と水野の関係に一郎が何か関わっているらしいことを知る。
隆からの呼び出しに応じ告白され、水野との事はこれ以上詮索しないと決め付き合い始める愛菜。
しかし修二から、水野と隆は愛菜を狙っていると告げられショックを受ける。
修二の話の正否が分からず、隆への態度も決めかねる愛菜。
不注意で足を怪我した愛名は病院へ行き、保健室へ運んでくれた御門に会う。
不可解な行動に疑問を持ちつつ、メールを確認する愛菜。
そこには……?
では>>138の続きをどうぞ
140:名無しって呼んでいいか?
07/02/13 14:17:44
②隆
それは隆からのメールだった。
『昨日からお前……、俺のこと避けてないか?
放課後ゆっくり話をしたいんだ。
ちゃんと水野との誤解も解いておきたいし、音楽室まで来れるか?』
音楽室……。
もう気にしないって決めていたのに、偶然見てしまった光景を思い出して心臓がはねた。
隆と水野先生の濃厚なキスシーン。
私と付き合う以前の出来事なのに、今でもこんなにも心を乱されてしまう。
もちろん、避けているだけじゃ恋人になった隆をいつまでも信じることは出来ない。
だけど、修二くんが耳打ちした言葉を考えると、少しだけ会うのが怖い。
私は携帯を握り締めながら、メールを隆に送る。
その内容は……
①『用事がある』と誤魔化して断る
②『わかったよ』と承諾する
③『音楽室だけは嫌なの』と牽制する
141:名無しって呼んでいいか?
07/02/13 14:40:57
②『わかったよ』と承諾する
(でも、このままで良いはずがない…)
承諾の返送をして、病院を出る。
病院の前に並んでいるタクシーに乗り学校へ向かう。
学校へ着いたときには昼休みが終わるところだった。
教室へ向かう途中で丁度昼休み終了のチャイムが鳴る。
教室へ戻って行く集団と一緒に教室に入る。
「あ、愛菜!今日は休むかと思ってたよ。足は大丈夫?」
すぐに私を見つけて、香織ちゃんが近づいてくる。
「うん、病院に寄ってきたら遅くなっちゃった」
「そっか、こんな時間になるなら休んじゃえば良かったのに。っと、先生来ちゃった、じゃ」
先生が入ってきて香織ちゃんが席に戻っていく。
授業が始まるが、隆とどうやって話そうかということばかり考えていて集中できない。
そんな事ばかり考えていたら、すぐに放課後になってしまった。
音楽室へ行かなくては…
①少し早いけどに行く
②時間ぎりぎりに行く
③やっぱり行かない
142:名無しって呼んでいいか?
07/02/13 15:40:49
①少し早いけどに行く
少し早いけど、音楽室へ行こう。
私は鞄に荷物を入れると、足を引きづりながら音楽室へ向かった。
(つ、疲れた……)
壁を這うようして、ようやく音楽室の前までたどり着くことが出来た。
深呼吸をして、乱れた息を整える。
(まだ少し早いけど、待っていればいいよね)
そう思いながら音楽室の扉に手を掛けた瞬間、二つの人影に気付いた。
隆と水野先生?
ほとんど後ろを向いていて、隆の顔はよく見えないが、笑い声が聞こえる。
呆然と立ち尽くす私に水野先生がきづいた。
扉越しの私と目があうと、何かを隆に言い、ゆっくりと顔を近づけていく。
隆もそれを制するそぶりは見せない。
この光景―
めまいで視界が歪む。
夢がフラッシュバックする。
わたしは思わず……
①逃げ出した
②その場にへたり込む
③鞄を落としてしまう
143:名無しって呼んでいいか?
07/02/13 15:56:36
①逃げ出した
きびすを返し足を引きずりながら音楽室を離れる。
怒りと悲しみと絶望とぐるぐると胸の奥で感情が渦巻く。
(どうして?)
それだけが頭の中でぐるぐると回っている。
頬を涙が伝うがそれをぬぐおうとすら思わなかった。
早くここから離れたい、そう思うのに思うように足が動かない。
数歩あるいて思わずよろける。
転びそうになった私の腕を誰かが掴んで支えてくれる。
あわてて振り替えるとそこには…
1、春樹
2、一郎
3、近藤先生
144:名無しって呼んでいいか?
07/02/13 17:26:14
2、一郎
そこには、私を支えてくれいてる一郎くんの姿があった。
「一郎……くん……」
「泣いているのか。可哀想に……」
ポケットからハンカチを取り出すと、一郎君は私に差し出してくれた。
いろんな感情が渦巻いていて、ただ涙がこぼれる。
隆の事を信じていたかったのに、決定的な光景を見てしまった。
どうしてこうなっていまったの? なにもかもわからない……。
信じたくない、認めたくない。
だけど……もしこれが本当の出来事なら、もう隆とは笑い合えない。
付き合い続けることなんて……絶対にできない。
差し出されたハンカチを握り締め、目を覆う。
石を飲み込んでしまったように、喉の奥が鈍く痛み続けている。
嗚咽でうまく息が出来ない。
まぶたが熱く火照って、重い。
「こんな所で盛大に泣いていると……他の生徒に見られてしまう。
ここから近い屋上に行こう」
そう言うと、一郎くんは私を支えながら歩き出す。
私は……
①一郎に支えられるまま屋上に向かった。
②不安を感じて、咄嗟に一郎から体を離した。
③もう一度確認するために、音楽室へ戻った。
145:名無しって呼んでいいか?
07/02/13 17:48:35
③もう一度確認するために、音楽室へ戻った。
「っ…ごめん、ちょっとだけ…」
しゃっくりあげながら、やんわりと一郎君から離れる。
(今言わないと…、今……)
何を言いたいのか分からなかった。
けれど、言わなければ、という思いがわきあがる。
音楽室へもどり、扉を開ける。
「……!あい、なっ」
隆の驚いたような顔。
「あら、大堂さん」
そして水野先生の妖艶な微笑み。
「何を…ッ…驚いて、るの?隆、私と約束……してたでしょ?」
うまく言葉が出てこない。
「……そう、だな」
隆の声が低くなる。
(言わなければ…)
何が言いたいのか分からないまま言葉が滑り出す
1、「隆、さようなら」
2、「水野先生何をさがしているの?」
3、「隆は何がしたいの?」
146:名無しって呼んでいいか?
07/02/13 19:26:21
3、「隆は何がしたいの?」
私は嗚咽をこらえながら、言った。
水野先生といるところを私に見せ付けて、どうしようっていうの?
「それは……」
隆は言いよどんで、うつむいてしまう。
「水野先生と仲良くして、なにやっているのよ!!」
もう嫌だ。何もかも。
「大堂さん。湯野宮くんと私が男女の関係と誤解しているようだけど……それは勘違いよ」
いきなり、口を開いたのは水野先生だった。
水野先生はすべて知っているような口調で話を続けた。
「湯野宮くんと私が口付けしている所を偶然あなたが見かけてしまったと、湯野宮くんから聞いたわ。
でも、それは誤解なの。少しだけ冷静になって、私たちの話を聞いてちょうだい」
こんな状況でも、水野先生は大人の笑みを絶やさない。
「そ、そうなんだ! あれは……かこ……」
隆はそう言って、水野先生を見る。
「湯野宮くんが言いたいのは過呼吸。過呼吸状態になったの私を口を塞いで救ってくれたのよ」
かこきゅう……って、何?
でも、言い訳なんてもう聞きたくない気もする。
私は……
①もう少しだけ、水野先生と隆の話を聞く。
②隆に別れを告げる。
③隆と二人で話がしたいと言う。
147:名無しって呼んでいいか?
07/02/13 19:56:24
②隆に別れを告げる。
「そう、でも、もういい!!」
私は叫んでいた。
「隆、私言ったわよね?もし水野先生とまた何かあったら、隆のこと信じられないって!!」
涙がとまらない。
「前のことは許してたのに!なのに、今のはなに!?」
「……そ、れは」
「もう、信じない!隆のことなんて信じないっ。さようなら!」
「愛菜!」
隆が叫んで、私に近づいてくる。
私は隆をにらんだまま、後ろに下がる。
と、何かにぶつかった。
「湯野宮、君はそんなに大堂を傷つけたいのか?」
一郎君だった。ずっと廊下にいたんだろう、怒りを含んだ声で隆に言う。
「俺は……」
隆が何かを言いかけ、それから口をつぐむ。
「大堂、行こう」
私は一郎君に促されるまま音楽室を離れる。
一郎君は屋上に向かっているみたいだった。
涙はとまりそうに無い。けれど妙に頭が冴えている。
(そうだ、水野先生、水野先生が何かを探していることから始まったんだ)
そして、一郎君と修二君に接触した。
一郎君は何をしたくて水野先生を利用したのだろう?
①「一郎君は何がしたいの?」
②「水野先生は何を探しているの?」
③「なんで隆に水野先生をけしかけたの?」
148:名無しって呼んでいいか?
07/02/13 23:41:50
①「一郎君は何がしたいの?」
屋上へと続く階段の途中で立ち止まって、私は問いかける。
「……?
大堂が何を言っているのか、よくわからないな」
同じように立ち止まり、不思議そうに聞き返してくる一郎君。
そのまま……短いような、長いような沈黙が訪れる。
数日前の私なら、ありのままの一郎君を信じていただろう。
一郎君は何も知らなくて、ただ隆に怒りを感じながらも私を慰めようとしてくれているだけなんだって。
だから、一郎君にはこの質問は理解できないもので、私のしていることは無意味なんだって。
そう思っただろう。
……でも、今は。
ほんの一部だけだけど……知ってしまったことがある、今は。
私は思っていることを言葉にするために、口を開いた。
①「私が何も知らないって、思ってるの?」
②「私、一郎君がわからない……信じられないよ」
③「私だって無関係じゃないんでしょ?お願いだから話して」
149:名無しって呼んでいいか?
07/02/14 06:34:42
②「私、一郎君がわからない……信じられないよ」
涙が止まらない。
私は何を信じれば良いのだろう。
「そう、か、修二か。修二が話してしまったんだな……」
ため息をつきながら一郎君がふとつぶやく。
ふっと一郎君の表情が変わる。
どこか硬く線を引いたような表情が消えた。
「すまない、大堂。君を泣かせることになってしまった」
苦しそうに一郎君が私に手を伸ばす。
とまらない涙をぬぐってくれる。
「守りたかっただけなのにな……」
言葉にかすかな後悔。
「行こう」
涙をぬぐっていた手を離し、そっと手を差し出す。
どこへ?屋上?私は…
1、ついて行く
2、どこへ行くのかたずねる
3、家に帰る
150:名無しって呼んでいいか?
07/02/14 11:45:44
1、ついて行く
私は頷いてその手をとった。
一郎君が微笑む。
そうして笑うと修二君とそっくりになった。
同じ顔なのに絶対に見間違うことがなかったのは、やっぱり雰囲気がぜんぜん違うからなんだな、とぼんやりと思う。
「足は大丈夫か?」
「うん…」
一郎君と私の間にさっきまであった見えない壁みたいなものが消えている。
一郎君がそれを消してくれたのだと分かる。
今の一郎君なら信じられる、そんな気がした。
私たちはそのまま屋上への階段を上る。
屋上の扉の前までたどり着いたとき、向こう側から誰かが扉を開けた。
それは…
1.修二くん
2.御門くん
3.春樹
151:名無しって呼んでいいか?
07/02/14 15:40:06
3.春樹
「姉さん探したよ。鞄はないのに靴は残ってるしさ…」
私の姿を見てホッとしたように息をついたのもつかの間、春樹はすぐに怖い顔になる。
「お前!姉さんに何をしたんだっ!?」
そういいながら私をかばうように一郎君との間に割ってはいる。
今にも殴りかかりそうな勢いだ。
「春樹?」
春樹の行動の不可解さにあっけにとられたが、すぐに私が泣いているからだと気付く。
「春樹違う!一郎君のせいで泣いてるんじゃないからっ」
「…いや、俺にも原因はある。責められても仕方がない」
「……どういうことだよ。昨日の修二先輩との話にも関係あるのか?」
私の制止と、一郎君の言葉に眉をしかめて春樹が問う。
「修二がどんな話をしたのかは分からないが、おそらく関係あるだろう」
「また、力がどうとかいうのか!?そんな話信じられるとでも?」
「信じる信じないの問題ではない。一部の人間にとっては現実だ」
静かに一郎君が言う。
その静けさに春樹が口をつぐむ。
「大堂、君にもそろそろ分かっているのではないか?」
一郎君が私を見る。
私は…
1「わからない」
2「夢の事?でも…」
3「そんな力はない」
152:名無しって呼んでいいか?
07/02/15 11:28:09
3「そんな力はない」
「そんな力、私には……」
一瞬、夢のことかとも思った。
だけど……あれは内容もよく覚えていない、その瞬間になって初めて認識するような――普通の夢とほとんど変わりがないものだ。
「それは、本当か?本当にそう思って、そう言っているのか」
射抜くような視線。
一郎君は私の”何か”を探るかのようにじっと見つめてくる。
そこには、先ほどまでの柔らかな雰囲気はなくなっていた。
いつもの……硬い壁のようなものを感じる。
(……どうして?)
「わ、私は……」
一郎君への安心感が……この人なら信頼できるという自分の思いが急速に揺らく。薄らいでゆく。
私は一郎君の視線から逃れるように、ただ俯くしかなかった。
「もう、やめてください」
私の声をさえぎるように言葉。
そっと顔を上げる。
春樹が半ば睨み付けるようにして、一郎君をじっと見据えていた。
「力とか、現実とか、関係者とか……仄めかすだけで、ろくに真実を告げようともしない。
姉さんを不安にさせて、あなた達はそんなに楽しいんですか?」
強い、責めるような口調のまま春樹は続ける。
一郎君は、何を言い返すわけでもなくただ冷静にその言葉を受け止めていた。
「確かにあなたたちが何をしようが何を探そうが、おそらく俺には関係ないことなんでしょう。
だけど、何も知らない姉さんを……勝手に巻き込んで、傷つけるのはやめてください」
「春樹……」
春樹は一度だけこちらを振り返って――わずかに苦笑いのような微笑を浮かべた。
そして再び一郎君へと向かい合う。
「もし、あなたたちの勝手な都合で姉さんに何かしようというのなら……傷つけようというのなら、俺はあなたたちを決して許さない」
最後に、はっきりとそう告げた。
誰も何も言わない。
ただただ沈黙が訪れる。
やがて、沈黙を破ったのは一郎君だった。
「……帰るよ。弟さんがいれば大丈夫だろうからね」
春樹から視線をそらすと、大きく息をついた。
それから階段のほうへと歩いていく。
「すまなかったな、大堂……」
すれ違いざまに、一郎君が私に囁いた。
「一郎くっ」
思わず振り返り、その名前を呼ぶ。
しかし引き止める私の声にも足を止めずに、彼は階段を下りていく。
1.一郎君を追いかける
2.春樹と一緒に帰る
3.今は一人にしておいてほしいと言う
153:152
07/02/15 11:32:00
修正ミス orz
×→私の声をさえぎるように言葉。
○→私の声をさえぎるかのような、その言葉。
だいぶ違いすぎます、本当にあ(ry
154:名無しって呼んでいいか?
07/02/15 12:37:06
2.春樹と一緒に帰る
一瞬追いかけるように足が動いたが、追いかけてどうするつもりなのかと冷静な自分が問いかけてきてすぐに止まった。
「…春樹、帰ろう」
全身を覆う脱力感。
「うん」
春樹が私を支える。足も相変わらず痛かったが、それ以上に胸が痛い。
階段を下りながら、もしも、のことを考えてしまう。
もしも、私の力のことが予知夢だったとして、きちんと内容を覚えていたらこんなことにはならなかった?
(分からない)
もし夢を覚えていたら、今日のような事態になることを避けるために私は隆に音楽室で会うことをしなかっただろう。
でも、そうすると予知夢は予知夢ではなくなる。
実現しないただの夢だ。
それなら、覚えていないほうがいいのだろうか?
でもそうなると、やはり意味のない力になる。
でも予知夢を見ることがなければ、今日のように夢で見たのに防ぐことが出来なかった、とやりきれない気持ちになることはなかっただろう。
「……こんな力いらなかった」
思わずつぶやく。
「姉さん?」
つぶやきに私を支える春樹の驚いたような顔。
無性に春樹にすべてを話してみたくなる…
①「春樹、たぶん私の力は…」
②「春樹は未来を知りたいと思う?」
③「なんでもないよ」
155:名無しって呼んでいいか?
07/02/15 16:47:42
③「なんでもないよ」
私はできるだけ笑顔を作ってそう言った。
(全部話しちゃおうなんて……自分が楽になりたいだけだ)
そんな私の衝動的で勝手な思いを、春樹にぶつけるわけには行かない。
「姉さん……?」
春樹が気遣うようにこちらを見る。
「どうしたの?帰ろう?春樹」
私も春樹を見つめ返し、言った。
……そして、私たちは歩き出す。
(ダメだな……私)
隣にいる春樹をちらりと伺いながら、ふと思う。
今までだって、「お姉ちゃんなんだからしっかりしなきゃ」なんて思いながら頼りにしてばかりだった。
春樹は優しくて……いつだって私の味方でいてくれて。
それが嬉しくて、ズルズル甘えてた。
一瞬とはいえ、私の荷物をさらに春樹に背負わせようとしてしまった。
でも、これ以上はダメだ。
これ以上、春樹を巻き込みたくない。
(私だって、春樹を守らなきゃ……)
家までの道のり、私は密かにそう決意していた。
「ふぅ……」
ベッドの中。
天井を見上げながら、小さくため息をつく。
あれから、春樹とはほとんどいつもどおりだった。
夕食を食べて、テレビを見て、話をして。
本当にいつもどおりだった。
……でも、本当は気づいていた。
いつもどおりになるように振舞っていただけだ。
(そうしなきゃ、何かが壊れちゃう気がしたから……)
私も、おそらく……春樹も。
(それにしても、夢か……)
なんとなく眠れなくて、次から次へといろいろ考える。
ううん……なんだか、眠るのが怖かった。
もし本当に、この夢を見ることが一郎君の言う『力』だとしたら――
そして、また今夜も悲しい夢を見てしまったら――
そんな思いが私の中をぐるぐる回って、眠れない。
①気分転換に散歩にでも行こうかな……。
②春樹、まだ起きてるかな……?
③今までのこと、自分なりに整理しておいたほうがいいのかな……。
156:名無しって呼んでいいか?
07/02/15 17:11:03
②春樹、まだ起きてるかな……?
ふと春樹のことが気になって、戸を開け春樹の部屋のほうを見てみる。
まだ電気はついている。
(……だめだめ、春樹は巻き込まないって決めたんだから)
また、春樹に頼りたくなってしまう自分を叱咤する。
でも眠れそうにない。
けれどこのまま部屋にいるといつか眠ってしまう。
(眠りたくない…)
私はため息をついて、部屋を出た。
キッチンへ向かい、水を飲む。
一階にはすでに人はいない。静まり返っている。
キッチンを出て、薄暗いリビングへ移動した。
電気はつけず、リビングから庭を眺めた。
「きれい……」
雲のない夜空。半分くらい膨らんだ月が静かにあたりを照らしている。
ふと、その月明かりの下何かが動いた。
(何……)
目を凝らしてみると、そこには人が…
それは…
1.御門くん
2.修二くん
3.隆
157:156
07/02/15 17:12:58
6行目の「でも眠れそうにない。」はみすです。
読むときは飛ばしてくださいorz
158:名無しって呼んでいいか?
07/02/15 18:58:03
1.御門くん
御門くんがいた。
「……」
もう夜も遅いのに制服姿のまま。
その横顔には何の表情も映さずに、ぼんやりと月を見上げている。
(一人ぼっちで、どうしてそこに立っているの……?)
こんな時間だからなのか、人通りなんて全然ない。
ただ一人、御門くんだけがそこに存在していた。
……私は一瞬、自分が何かの芝居を見ている観客であるかのような錯覚に陥る。
月はスポットライト。
道路は舞台。
役者は御門くん。
(なんだか、不思議な感じ……)
最近の出来事や今の状況から考えれば、人を呼ぶべきなんだと思う。
だけど、この静かで不思議な雰囲気のせいか……私は判断に迷った。
私はどうするべきなんだろう?
この雰囲気を壊してでも、彼に近づいて話を聞くべきか。
見なかったことにして、部屋に戻るべきか。
それとも、念のため誰か人を呼ぶべきか。
私の選択は、
①声をかける
②部屋に戻る
③人を呼ぶ
159:名無しって呼んでいいか?
07/02/15 21:24:18
①声をかける
どうしようか一瞬迷う。
部屋に戻ると眠ってしまう。
人を呼ぶといっても、春樹には迷惑をかけたくない。
「こんばんは御門君、何をしているの?」
結果私はリビングの戸を開けて御門君に声をかけている。
「月を見ています」
そんなに話したことがあるわけではないが、珍しくすぐに答えが返って来た。
視線は月から離れない。
「今日の月は綺麗ね」
私も月を見上げる。
「今日の月は泣いています」
月を見上げたまま相変わらず感情の伺えない顔と声。
「……月の気持ちがわかるのは御門君の力なの?」
月を見上げながら不思議なことを言う御門君に、私は視線を御門君に移す。
「いいえ」
御門君はあっさりと否定して、月から私へ顔を向けた。
月明かりの下、すべてが幻のように現実感がない。
(御門君はきっと何かを知っている…)
それは確信。
じっと見つめられる。いつもこうして見つめられる。
答えが返ってくるとは限らない。
むしろはぐらかされる確立のほうが高い。
私は…
①「御門君の力は何?」
②「御門君も私を狙っているの?」
③「どうしていつもそんな目で私を見るの?」
160:名無しって呼んでいいか?
07/02/15 22:10:07
③「どうしていつもそんな目で私を見るの?」
「……」
私が問うと、御門君は私を見つめたまま黙り込んだ。
そして、そっと自分の胸元に手を差し入れる。
そこから取り出した金属片。
近くで見て、初めてそれが何であるのかを認識した。
――それは小さなロケット。
私も御門君も、それをじっと見つめていた。
「確かめているからです」
やがて、ロケットを包み込むようにして握り締めながら御門君は言う。
「何……を?」
「あなたをです」
「私?」
私が自分を指差すと、御門君は頷く。
(私を確かめる?どういうこと?)
言葉の意味がよくわからなくて、首をかしげる。
私の様子を特に気にした風もなく、御門君はさらに言葉を続ける。
「あなたは変わらない人なのですね。
……記憶に刻まれたままの、そのままの人のようです」
(記憶のまま?)
そこで、また疑問が増える。
私と御門君は、昨日以前にどこかであったことがあるのだろうか?
……それにしては、言い回しがおかしい気がする。
自分のことを話しているわけではなく、誰かから聞いたことを話しているような…・・・そんな感じ。
御門君は、まだ立ち去る様子は無い。
私は質問を続けることにした。
1、「御門君は誰かから私のことを聞いていたの?」
2、「御門君は私を確かめてどうするつもりなの?」
3、「御門君がなにかと私の傍にいるのは偶然じゃないよね?」
161:名無しって呼んでいいか?
07/02/15 23:36:32
2、「御門君は私を確かめてどうするつもりなの?」
「…………」
御門君は沈黙する。
すいっと私から月へと視線を移す。
しばらく月を眺めてまた私に視線を戻した。
「わかりません」
御門君の言葉はある意味予想通りであり、まったく違ってもいた。
明確な答えが返ってこないことは予想通り。
「わからない」と言われたことが予想外だ。
御門君にはわからないことなど存在しないとなぜか思ってしまう。
しばらく無言で見つめあう。
そうして何を確かめようとしているのだろう。
(何を確かめようとしているの?)
そう口に出そうとしたとき、カタンと小さな音がする。
普段なら、聞き逃すような小さな音。
けれど静かな夜、それは思いのほか大きく聞こえた。
音のした方を見上げると部屋の窓から春樹がこちらを見下ろしていた。
「姉さん?声が聞こえると思ったら…なにしてるんだよ?」
私はあわてて御門君を見る。
(……!居ない………)
さっきまでそこに居た御門君は居なかった。
春樹にはなんて言おう…
①「…………」
②「月を見ていたんだ」
③「さっきまで今朝話した御門君がいたの」
162:名無しって呼んでいいか?
07/02/16 00:43:15
②「月を見ていたんだ」
こんな夜更けに人と会っていたなんて言えば、春樹が心配してしまう。
私はとっさに嘘をついた。
春樹は私の言葉につられる様に、夜空を仰ぎ見る。
そして、また私に向き直った。
「姉さん。月を見るのもいいけど、ほどほどにして寝ないと明日が辛いよ」
「うん、わかってる」
「怪我もしているんだし、早く寝なよ」
「うん。おやすみ、春樹」
ようやく納得したのか、春樹の姿が消えると、窓の閉まる音がした。
それにしても……さっきまでいた御門君はどこへ行ったんだろう。
まるで、月明かりの中で幻でもみているようだったな。
春樹が言っていたように、もうそろそろ寝ないと明日が辛そうだ。
私は部屋に戻ってベッドに入る。
眠らなきゃいけない。でも眠れるかなのかな。
私は……
①今日のことを振り返る
②無理をしてでも寝る
③もう一度外を見る
163:名無しって呼んでいいか?
07/02/16 07:21:22
③もう一度外を見る
私は視線だけを窓の外にやる。
カーテンが開いたままの窓からは空しか見えなかった。
おそらく御門君はもう庭にはいないのだろう。
空を見れば、月がまだ浮かんでいた。
「今日の月は泣いています……か」
御門君が言った言葉を思い出す。
私にはいつもと変わらない綺麗な月に見える。
(どうして御門君はそんなことを思ったんだろう?)
それからいろいろと考えているうちに、だんだんと意識が薄れていく。
不思議と夢に対する恐怖はあまりなくなっていた。
その日、私はまた夢を見る。
1、春樹の夢
2、一郎君の夢
3、御門君の夢
164:名無しって呼んでいいか?
07/02/16 07:50:13
3、御門君の夢
御門君の姿があった。
相変わらずの無表情のまま、私をじっと見つめている。
「……あなたが逃げずに、立ち向かうというなら」
言葉とともに、ゆっくりと御門君が私の前に跪く。
「あの人との約束だけではなく、僕自身の意思で……
僕があなたを守ります」
私をまっすぐ見上げて、静かに……だけど力強く宣言する。
(あの人……?あの人って、誰?)
私が疑問に思っている間にも、夢の中の出来事は続いていく。
「愛菜……僕の主」
微かに……本当に微かにだけど、御門君が微笑んだ気がした。
(え?)
私が思わず見入っていると、御門君はそのまま私の手を取る。
「あなたの望みのままに」
そして、私の手の甲に唇を寄せた――
そこで、目が覚めた。
窓から差し込む陽光が眩しい。
ぼんやりしたままの頭で辺りを見回す。
見慣れた私のベッド。枕。部屋。
「夢……また、夢だ……」
大きくため息をついて呟く。
(あれ……?)
そこで、ふと気がついた。
今日の夢、いつもに比べて…
1.内容が鮮明だった気がする
2.悲しくない夢だった気がする
3.感覚がリアルだった気がする
165:名無しって呼んでいいか?
07/02/16 08:40:25
3.感覚がリアルだった気がする
手を取られた。優しく、暖かな手。
ふと自分の右手を見る。
(あれ…?)
右の中指の爪に小さな赤いアザ。
(昨日まではなかったはず…、どこかにぶつけた?)
でも、ぶつけたくらいで爪にアザなんかできるだろうか?
まじまじと見る。三日月型のアザだ。
『守ります』
ふっと、御門くんの姿が脳裏に浮かぶ。
(御門くん……主……夢?)
フラッシュバック。
「夢じゃ、ない……?」
少なくともいつもの予知夢ではない。
「姉さん起きてる?」
そのときノックとともに春樹の声。
「あ、うん。起きてる」
「入るよ」
そう断って、春樹が入ってくる。
「足はどう?」
まだベッドの上に居る私に、春樹が心配そうに尋ねてくる。
「だいぶいいよ」
「そう、良かった……」
一瞬の沈黙。
「……姉さん、今日は休んだら?やっぱり一日安静にしてたほうがいいと思うんだ」
春樹が目を伏せて言う。
その仕草で、春樹が私を心配しているのだとわかる。
(昨日いろいろあったしね……)
心配するなという方が無理なのかもしれない。
私は…
1.学校を休む
2.学校へ行く
3.考える
166:名無しって呼んでいいか?
07/02/18 18:02:02
1.学校を休む
最近、いろいろありすぎてとても疲れていた。
何よりも今までの出来事を自分なりに考える時間がほしい。
「うん、今日は学校を休むことにするよ」
「俺もその方がいいと思う。た・だ・し」
春樹は私の目の前に指を突き出す。
「必ず安静にしておくように」
(やっぱり、春樹にすごく心配されてる…)
「信用ないなぁ。この足じゃ、無理なんて出来ないよ。ていうか、春樹は心配し過ぎ」
私は春樹の突き出された指を掴んでひねってみた。
「いてて!痛いな……何するんだよ!?」
①「弟のくせに生意気だからよ」
②「心配してくれて、ありがとう」
③「私は平気だから、大丈夫」
167:名無しって呼んでいいか?
07/02/18 20:10:50
②「心配してくれて、ありがとう」
自分でもだいぶひねくれているなと思うけれど、素直にお礼を言うのも気恥ずかしい。
春樹は一瞬驚いた顔になり、それから少し眉をしかめる。
「……そう思ってるなら………」
「?」
言葉を続けない春樹に、首をかしげる。
少しの間の後、春樹はため息をついていつものような優しい笑みを浮かべる。
「今日は絶対に家から出ないこと!いいね?」
「わかってるってば!」
「そう?それじゃ、俺は学校行くから」
春樹はそういって部屋を出て行った。
その後しばらくして、玄関のほうから春樹の「いってきます」と言う声が聞こえた。
それを聞きながら、なんとなく外に目を向ける。
今日はとてもいい天気だ。昨日の夜のように、雲が無い。
考えたいことは色々ある。
今、一番気になるのは…
1、水野先生の探し物のこと
2、一郎くんや修二くんのいう「力」のこと
3、夢と爪のアザのこと
168:名無しって呼んでいいか?
07/02/19 10:36:27
1、水野先生の探し物のこと
やはりここ数日の出来事の始まり。
水野先生の探し物が気になる。
修二君はとても見つけにくいものだといった。
ごく一部の人にしかないもので、普通の人には見えない。
それが一郎君と修二君には分かる。
修二君が言うには、私は部外者ではない…。
隆も私の力を狙っている。
そう、隆「も」と修二君はいった。
なら、水野先生がねらっているのは、私の力?
「でも、私に力なんて…」
そこで、どうしても行き詰ってしまう。
もし、予知夢が力だったとしてもそんなものどうして探しているのか?
「ぜんぜん分からない…」
ため息をついて、時計を見る。
いつの間にかお昼近くなっていた。
だいぶ考え込んでいたみたいだ。
そのとき、カツン窓から音がした。
「?」
窓から下を見てみるとそこには…
①一郎君
②修二君
③隆
169:名無しって呼んでいいか?
07/02/19 13:05:44
②修二君
修二君がいた。
窓から見ている私に気がつくとひらひらと手を振ってくる。
「どうしたの?学校は!?」
窓を開けて修二君に問いかける。
静かな住宅街に私の声は思いのほか大きく響いた。
「愛菜ちゃん、しーっ……」
修二君はあたりを気まずそうに見回しながら、唇に人差し指を当てて「静かに」とジェスチャーをする。
「あ……」
慌てて両手で口を塞ぐ。
幸い、ご近所さんからは何の反応も返っては来なかった。
「学校は、ね……サボってきた♪愛菜ちゃんがいないからさ」
修二君はいたずらっぽく笑いながら言う。
…・・・その言い分に、私の中からは苦笑いしか出てこなかった。
「な、何それ……」
1.「ダメだよ、ちゃんとまじめに授業受けなきゃ」
2.「私がいなかったから……って私に何か用があったの?」
3.「人目につくから、とりあえず上がって」
170:名無しって呼んでいいか?
07/02/19 13:42:04
3.「人目につくから、とりあえず上がって」
修二くんが私に用事があるのは明らかだ。
でも、こんな状況では落ち着いて話も出来ない。
「玄関に回って。カギ開けるから」
「うん、ごめんね~」
大げさに誤る仕草しながら、修二くんが玄関の方へ行く。
急いで玄関の鍵を開ける。
「ありがとう、愛菜ちゃん」
「ううん、あがって?わたしずっと立ってるのつらいから」
「無理させちゃってごめんね」
修二くんをリビングに通す。
二人分のお茶を用意して戻ってくると、修二くんがソファに座ったまま外を見ていた。
「おまたせ。どうかした?」
「ありがとう。なんでもないよ」
お茶を修二くんの前に置く。と、修二くんの視線が私の手に釘付けになっている。
「あい、な、ちゃん、この爪のアザは…?」
「え?あ…」
言われて唐突に思い出す。
①いつの間にかあったと答える。
②夢での出来事を話す。
③今気づいたと言う。
171:名無しって呼んでいいか?
07/02/19 15:28:20
①いつの間にかあったと答える。
「いつの間にかあったの。
……たぶん、昨日までは無かったはずなんだけど」
私は少し手を引っ込め、アザを見つめながら答える。
「…ちょっとよく見せてくれる?」
「え?あ、,う、うん」
その言葉に恐る恐る手を差し出した。
修二君は私の手を取り、そこにあるアザを凝視する。
「これは…もしかして、力の?」
ふと真剣な表情のまま呟いた。
どうやら、修二君には何か心当たりがあるみたいだ。
(何か、重要なものなのかな?)
どうしよう。
答えてくれるかはわからないけど、聞いてみようか?
それとも、先に他の事を聞いてみようか?
「あの…」
思い悩んだ末、私は口を開いた。
①「修二君はこれが何なのかわかるの?」
②「ところで修二君の用事は何なの?」
③「さっき外を見ていたけど、気になるものでもあったの?」
172:名無しって呼んでいいか?
07/02/19 16:16:42
①「修二君はこれが何なのかわかるの?」
修二君はアザを見つめたまま、首をかしげる。
「う~ん、はっきり分からない。俺と兄貴二人そろってれば…もっとちゃんと分かるんだけど」
修二君は私の手を離して言葉を続けた。
「俺と兄貴は、同じ力を持ってるって言うのは前はなしたよね?」
「うん……」
「双子だから相乗効果があるのか、もともと一つの力が二つに分かれたのか分からないけど、二人そろってると力が飛躍的にあがるんだ」
「そう、なんだ?」
力といわれてもピンと来ないが、修二君にとっては身近なものなのだろう。
「そうそう、それで見えすぎちゃってね~、それはそれでアレだからあんまり近づかないようにしてるんだよ」
そういえば、二人そろっているところは余り見ない。
「と、まあ、俺たちの力の話は置いといて…愛菜ちゃん昨日はアザには気づかなかったんだよね?」
「うん…」
「それじゃあ、昨日の夜いつもと変わったことはなかった?」
いつもと変わったこと…御門君と夢のことがふっと浮かぶ
1、「昨日の夜、御門くんって男の子に会ったよ」
2、「不思議な夢を見たの」
3、「………特に、なにもなかったよ」
173:名無しって呼んでいいか?
07/02/19 19:59:19
3、「………特に、なにもなかったよ」
気がつけば、私はそう答えていた。
確かに昨日御門君に出会ったことや、夢のことはいつもとは違うことだったのかもしれない。
だけど、それをおいそれと話してしまっていいのだろうか?
私一人のことなら、あるいはこのことに関わっていると確信が持てる人ならまだよかったかもしれない。
でも、ここで話すべきかも知れないことには多かれ少なかれ御門君が関わっている。
その御門君に関して、私が知っていることはほとんどない。
仮に話したとして――もしも、御門君がこのことに何の関係も無い人だったら?
もしも、御門君まで巻き込まれることになったら?
そうなったからでは手遅れだ。
(それに……)
目の前にいる修二君を見る。
彼は私が答えたあとから、未だに沈黙し続けていた。
(今はまだ、修二君も信用していいのかわからない)
だから、今はまだ話せない……それが私の考えだった。
場は静かになり――二人の視線だけが交わされる。
私は修二君の、修二君は私の……”何か”を探るように。
そのときだった。
プルルルルルッ
唐突に電話が鳴る。
その音で、私は急激に現実に引き戻された気がした。
「……電話みたい。ちょっと待っててね」
修二君に一声かけて私は立ち上がる。
できるだけ急いで電話に駆け寄り、その受話器を取る。
「はい、大堂です」
電話の向こうから聞こえてきた声は……
①春樹
②近藤先生
③一郎君
174:名無しって呼んでいいか?
07/02/19 21:57:43
②近藤先生
「もしもし、春樹君の担任の近藤ですが……お母さんですか?」
「え?近藤先生?あ、私は春樹の姉の、愛菜です。母は仕事に出ていますが、春樹がなにか…?」
「…ん?愛菜さんは、今日は学校は?」
「あ、私は怪我をしてしまって、今日は大事をとって休みを…」
「そうでしたか、そうそう春樹くんなんですが、体育の時間にボールを頭部にぶつけてしまいまして…」
「え!?大丈夫なんですか!?」
「保健室に運ばれました。軽い脳震盪のようですが、一応大事を取って今日は帰そうと…」
「あ、はい!迎えに行きます!」
「いえ、あなたも怪我をしていると…私が送っていきますので」
「ありがとうございます。すみません…」
「いいえ、担任ですから。そうですね、今から出れば車で10分くらいでつくと思います」
「わかりました。よろしくお願いします」
電話を切ってため息をつく。
(春樹大丈夫かな…)
「愛菜ちゃんどうしたの?」
「あ、修二君。ごめん春樹がちょっと体育の時間にボールぶつかって軽い脳震盪だって…今からもどってくるって」
私はハタと修二君を見る。
このままだと、先生と春樹に鉢合わせしてしまう。
どうしよう…
1、聞きたいことが残っているので、靴を隠して自分の部屋に移動する
2、とりあえず玄関の靴だけ隠す
3、帰ってもらう。
175:名無しって呼んでいいか?
07/02/19 23:07:56
3、帰ってもらう。
「修二君。悪いんだけど、もう帰ってもらっていいかな」
学校を休んでいるのに、修二君を家に入れているのはまずい。
先生も来るのだし、春樹だって何て思うか分からない。
「どうして? 俺、今来たばっかりだよ」
「だって……学校を休んでいるのに、二人で会っていることが知られるのは良くないよ」
「何で? 俺と一緒にいるのが嫌なの?」
「嫌って訳じゃないけど。ただ、春樹の担任の先生も来るし、体裁が良くないって言うか……」
その先に続く言葉が続かなくてごにょごにょと、言葉を濁す。
「なるほど……、わかった! 愛菜ちゃんは、家の留守中に男を連れ込んでエロい事をしているって思われたくないんだ」
修二君はやけに納得げだ。
「なっ…」
確かに、そうだけど。
そうだけど、そんな風に露骨に言われると何ていっていいのか分からなくなる。
顔が熱い。
「じゃあ、俺は帰らない。だって、愛菜ちゃんとつきあってるって思われるほうが好都合だしさ」
好都合……って、そういう問題じゃないよ。
どうしよう……修二君が帰ってくれない
このままじゃ、先生と春樹が来てしまう……
①修二君を自分の部屋に隠す
②出て行け、と強引に追い出す
③仕方がないので、そのまま居てもらう
176:名無しって呼んでいいか?
07/02/19 23:23:24
③仕方がないので、そのまま居てもらう
「……私は理由があって休んでるけど、サボってるのは修二君なんだからね?」
ため息をついて、修二君をにらむ。
「怒られるのは修二君なんだから…」
「あれ?愛菜ちゃん心配してくれるの?」
にやにやと笑いながら、修二君が顔を覗き込んでくる。
(また、こういう態度ばっかり……)
こういう態度の修二君は苦手だ。
「はいはい、なんていっても都合のいいようにしか解釈しないでしょ?」
「もちろん」
間髪いれずこたえた修二君に、再度ため息をつく。
それから、まもなく玄関のあく音がした。
「春樹?」
玄関へ向かうと、春樹が一人で立っていた。
「先生は?」
「家の前まで送ってくれたけど、帰ったよ。まったく……大丈夫だって言ってるのに…」
「でも、頭でしょ?気をつけないと…。痛いとか、ボーっとするとはない?」
「ないよ……で、なんで修二先輩が家に?」
春樹の視線は、私の背後に注がれている。
①「そういえば、なんできたんだっけ?」
②「話をしにきてくれたのよね?」
③「……何かを確かめにきたんでしょう?」
177:名無しって呼んでいいか?
07/02/20 23:11:33
①「そういえば、なんできたんだっけ?」
急に爪のアザの話になったから、なんで修二くんが家に来たのか聞きそびれた。
何か用事があってきたのは間違いないと思うけれど…。
「あれ?言ってなかったっけ?」
修二君はわざとらしく首をかしげる仕草をする。
「聞いてないよ…。聞く前にアザの話になったし…」
「そういえばそうだっけね、まだ言ってなかったかも?」
そういいながら修二君は私の目の前まで歩いてきた。
思わず身構える。
「今日はね、愛菜ちゃん……」
「な、なに?」
修二君に両手を握られる。
あわてて手を引こうとするが、握られた手は思いのほか強く逃げられない。
「姉さんになにするんだ!」
春樹が引き離そうとするが、修二君は気に留めた様子もない。
「愛菜ちゃんにね、俺とお付き合いしてくださいって言いに来たの♪」
「……は?」
「………!?」
思考が停止する。
春樹も唖然と修二君を見ている。
思わず口から出たのは…
1、「ねぼけてるの?」
2、「……で、本当の用件はなに?」
3、「何をたくらんでるの?」
178:名無しって呼んでいいか?
07/02/20 23:30:30
2、「……で、本当の用件はなに?」
「つれないよなぁ、告白しているのに」
「じょ、冗談は置いといて……修二君は私のお見舞いに来てくれたのよ」
あわてて春樹に向き直り、私は言った。
「修二先輩は学校をわざわざ休んで、姉さんの見舞いに来ている……そういうことですか?」
春樹は憮然とした態度で修二君を見据えている。
「まぁ、それでもいいけどさ。で、弟君の頭は大丈夫なのか?」
「……頭が大丈夫って言い方が引っかかりますけど……具合はなんともありまんよ」
こんな展開になってしまって、私の頭がぼーっとしてしまいそうだ。
「春樹。打ったところが頭なんだし、病院に行った方がいいよ」
「吐き気もないし、大丈夫だよ」
「弟君、ちゃんと検査を受けてきたほうがいい。愛菜ちゃんは俺がちゃんと看ているから、さ」
「それが心配なんですよ」
春樹、かなり不審がっているよ……
①修二君と話があるといって、自分の部屋へ行く
②春樹を病院へ連れて行く
③三人で話をする
179:名無しって呼んでいいか?
07/02/21 06:39:51
②春樹を病院へ連れて行く
「駄目だったら!突然春樹が倒れたら、私どうすればいいのよ…」
春樹が心配なのと、この場から逃げてしまいたい一心で言う。
「私も一緒に行くから、ね?病院行こう。昨日見てもらったばかりだけど、私もまた足を見てもらえばいいしさ」
「……そこまで言うなら」
「え~。愛菜ちゃんもいっちゃうの?仕方ないなぁ、俺も行くよ」
「ついてこなくて結構です!」
「だめだめ、愛菜ちゃん。君は狙われているんだよ?」
「……水野先生も、隆も学校よ」
まだ午後の授業が残っている。二人ともまだ学校にいるはずだ。
「君を狙ってるのは二人だけじゃないよ?」
「………?」
「ん~……ま、言っちゃってもいいか。水野の後ろには、なにかの組織がある」
「…組織?」
ふと、公園で水野先生と修二君が言い争ったときのことをおもいだす。
修二君と別れた後、水野先生はどこかへ連絡を取っていたみたいだった。
「…まさか、そんなことあるわけない」
「そうです。姉さんをこれ以上不安にさせるようなこと言わないでください!」
春樹が本気で怒っている。
「嘘じゃない。そろそろ向こうも本気で動くはずだ。だから俺もついていくから」
急にマジメな顔になった修二くんに、私も春樹も言葉を失う。
1、春樹と二人で病院に行く
2、三人で病院に行く
3、病院へ行くのをやめる
180:名無しって呼んでいいか?
07/02/21 11:38:35
2、三人で病院に行く
「………仕方、ないわよね」
春樹は病院へ連れて行きたい。けれど「組織」は怖い。
修二君も、どんな組織なのかは分からないみたいだ。
その組織というのが、どういう目的で動いているのかさっぱり分からないところが不気味だ。
けれど修二君なら組織の人間を見分けることが出来るかもしれないのだ。
病院へ行くためにタクシーに3人で乗り込む。
むっつりと不機嫌そうに黙り込む春樹と、しきりに話しかけてくる修二君に挟まれて居心地が悪いことこの上ない。
「ねぇねぇ、愛菜ちゃん俺と付き合おうよ~」
「……お断りします」
「なんでさ~。俺ってお買い得よ?ほら、カッコいいし~、スポーツ万能だし~、勉強も結構できるし~」
ずらずらと並べる修二君にため息をつく。
タクシーの運転手が興味深げに聞き耳を立てているのが分かる。
「それに、君を守れるよ?」
最後の言葉だけこっそりと耳元にささやかれる。
「……………」
「いい加減にしてください先輩、姉さん嫌がっているじゃないですか」
春樹が押し殺した声で修二君をにらむが、修二君はこれっぽっちも気にしていない。
そうこうしているうちに、病院へついた。
春樹が検査を受けている間に私の足の診察は終わり、待合室で修二君と待っている。
ふと、視線を感じて顔を上げるとそこには…
1.御門君
2.一郎君
3.知らない男性
181:名無しって呼んでいいか?
07/02/21 19:46:49
2.一郎君
(あ……一郎君だ)
私が気付くと同時に修二君も一郎君の存在に気がついたのか「げっ!」と言いながら、別のソファーに移動してしまった。
一郎君は私を見つけると、ゆっくりとした足取りで近づいてくる。
「大堂。ここに修二が来ていないか」
「え……、私は知らないよ」
隠れた修二君の事を思って、私はとっさに嘘をついた。
「そうか。確かに居るはずなんだが」
「一郎君。どうして、修二君がここに居ると思うの?」
「わかるからだ」
一郎君は当然の事のように言った。
そして、ぐるりと周囲を見回して、フッとため息を漏らす。
「修二、そこにいるのは分かっている。出てきたらどうだ」
観念したのか、修二君が移動していたソファーから渋々近づいてくる。
「ちぇ……。せっかく愛菜ちゃんと病院デートしてたのにさ」
「そんな事はどうでもいい。お前、大堂に余計な事を吹き込むな。知らなくていい事だってあるんだ」
「愛菜ちゃんは自分自身の事なのに、何も知らないなんておかしいよ。知る権利があるはずだ」
私の事のようだけど、勝手に話が進んでる……
①二人のやりとりを見守る
②割って入る
③爪のアザついて尋ねる
182:名無しって呼んでいいか?
07/02/21 21:52:19
①二人のやりとりを見守る
「それで、大堂に危険がおよんでもか?」
「もう、遅いと思うけど?遅かれ早かれ、水野は愛菜ちゃんにたどり着く」
「そんなことにはならない」
「兄貴が水野を監視しているからか?でも、愛菜ちゃんの家に痕跡があった」
「……なんだって?」
一郎くんの眉がしかめられる。
「まぁ、水野関係とは言い切れないけどね。なにせ、俺一人だったし」
そういって、ちらりと私を見る。
「というか、なんかついてるよね?」
その言葉に、一郎くんも私に視線を向ける。
「………ついているな」
「でも、二人そろってるのにちゃんと見えないなんて、変だなあ。さっきよりはマシだけど」
「だが、これが水野に関係するものだとは決まったわけではない」
「まぁ、ね。でも、違うとも言い切れない。なにぶん見えなさ過ぎる。何か細工があるのか…」
同じ顔にじっと見つめられて、思わず首をすくめる。
「俺は、愛菜ちゃんが望むならちゃんと話したほうがいいと思うよ」
「………」
一郎くんが考え込むように黙り込む。
口を挟むなら今しかない…
1.「ついてる、ってなにが?」
2.「私の家に痕跡って…なに?」
3.「私の力について教えてよ」
183:名無しって呼んでいいか?
07/02/21 23:16:02
1.「ついてる、ってなにが?」
「「……」」
私がそう問いかけると、こちらを向いたまま二人して黙り込んでしまった。
(え?何、何なの?)
思わず自分の体を見回したり、触って異常が無いかを確かめる。
「……ぷっ」
私の行動に、突然修二君がふきだした。
(こっちは真面目にやってるのに……)
「……落ち着け、大堂。そんなことをしても意味は無いから」
私が微かにむっとしたのが伝わったのか、呆れたような……というか困惑した感じで一郎君がフォローを入れてくれた。
「そそ。ついてるってのは『普通に見えるもの』じゃないから、安心……んー、安心?
……ま、いっか。安心していいよ」
少し遅れて修二君もそう言ってくれる。
一郎君とは違って、かなり疑問形の頼りないフォローだったけど。
①「一郎君、フォローしてくれてありがとう」
②「修二君ってホントよくわからない人だね……」
③「春樹、遅いな……」
184:名無しって呼んでいいか?
07/02/21 23:40:52
②「修二君ってホントよくわからない人だね……」
思わず、ため息が漏れる。
適当かと思えば、そうでもないし。本当に、掴み所がない。
「愛菜ちゃん、もしかして俺に惚れたの?」
「どうしてそうなるのよ!」
相変わらず、二人は私をじっと見続けている。
一体、私の何を見ているんだろう……。
「悪意は見えないが、気になるな」
「 けどさ……ここまで俺達に見えないようにできるなんて、相当すごいヤツだよな」
「待て……この感じ。どこかで……」
じっと考え込んでいた一郎君が、突然、私の手を取った。
「大堂、この爪のアザはいつからある? どういう状況でついたものだ?」
私は……
①素直に教える
②教えない
③御門君の名前を伏せて説明する
185:名無しって呼んでいいか?
07/02/22 06:38:12
③御門君の名前を伏せて説明する
私はしばらく考えて話すことに決めた。
このままじゃいつまでたっても前に進めない。
(御門くんのことは、知らない男の子ってことにしておけば問題ないよね…)
「関係あるかわからないけど…」
そう前置きして私は夢での出来事を話した。
「大堂、そいつは君を主と呼んだんだな?」
「う、うん……」
「なんだよー、俺には話してくれなかったのに兄貴なら話すの~?」
「だ、だって、普通に夢だとおもうじゃない……」
修二君がぷーっとふくれる。
「いいんだいいんだ、俺なんて……」
わざとらしくいじける修二君を無視して、考え込む一郎君。
「おもいだした。時々学校で感じる残滓……あれと同じ感じだ」
一郎君は私をじっと見たままつぶやいた。
「ん?残滓?………あ~、いわれてみればそうかも」
一郎君の言葉に修二君もじっと私を見つめて頷いた。
結局二人だけわかってる……
1.「残滓ってなに?」
2.「二人だけわかってずるい!」
3.「あれは普通の夢じゃないの?」
186:名無しって呼んでいいか?
07/02/22 09:08:55
3.「あれは普通の夢じゃないの?」
「……そうだな。少なくとも普通の夢ではないだろう」
一郎君がゆっくりと頷く。
なんとなく私もそんな予感がしていたから、その返事は予想通りのものだったんだけれど。
「でもさ~、詳しいことはよくわからないよね~」
修二君が頭の後ろで手を組んで、一言呟く。
今度は三人で黙ってしまった。
「……これはあくまで俺の憶測に過ぎない、という前提で聞いてくれ」
やがて、そう切り出したのは一郎君だった。
その一言で私と修二君は一郎君に注目する。
「現時点での、俺の考えている可能性は……大堂とそいつが、何かの契約をしているか。
あるいは、大堂の力がその夢に作用しているかだ」
「どうして、そう思うの?」
私が問いかけると、再び一郎君は押し黙る。
……考えを整理しているのかもしれない。
少し間をおいてから、一郎君は難しい顔のままで考えるようにしながら答える。
「契約の可能性は、大堂が”主”と呼ばれていた点。
そいつの”あの人との約束”という言葉にそれが含まれているのかもしれない。
そして、大堂の力の可能性というのは……大堂、感覚がいつもの夢に比べてリアルだと言っていたな?」
私は頷く。
それを確認すると、一郎君は話を続けた。
「それが深く関わっているような気がしてならない。
……まあ、詳細がわからないから断言はできないが」
一郎君はそこで言葉を切った。
その推測を聞いて、私が思ったのは……
1、何かの契約をしている?
2、私の予知夢の力が強くなった?
3、どちらでもない、別の可能性がある?
187:名無しって呼んでいいか?
07/02/22 09:26:32
2、私の予知夢の力が強くなった?
私と御門くんが……何かの契約をしている?
(うーん?)
考えてはみたけれどあの夢の出来事以外思い当たる節が無い。
少なくとも私は、だからそこに別の要素が入ってくるとちょっとわからないけれど。
だとすれば、私の力が強くなったって可能性のほうが強くなるわけだけど。
(あの夢、なんだか中途半端だったような気もするし……)
ふと、昨日の夢を思い返してみる。
『……あなたが逃げずに、立ち向かうというなら』
どうしてああなったのかがそもそもわからない。
気がついたら御門くんが目の前にいて、そう話し始めていた。
あそこが完全に夢の始まりだとすると……ちょっと唐突な気がしなくもない。
(それに……どうしてそこまで私のことを……)
私があれこれ考えていると、一郎くんが口を開く。
「なんにせよ、そいつのことを詳しく調べる必要があるな」
その一言で私は思考を現実に引き戻された。
そうだ……こうなる可能性だって当然あったんだ。
どうしよう……調べられれば御門くんを確実に巻き込んでしまう。
けど、その一方で御門くんのことをもっと知りたいという気持ちもあった。
「あ、あのっ!」
私はとっさに口を開いた。
①「今はまだ、調べなくてもいいんじゃないかな?」
②「じゃあ、お願いしてもいいかな?」
③「私が調べてみたら、ダメかな?」
188:名無しって呼んでいいか?
07/02/22 09:51:47
③「私が調べてみたら、ダメかな?」
私の言葉に一郎君も修二君も驚いた顔をする。
「だめだ、危険だ」
「だめだよ、愛菜ちゃんに何かあったらどうするの?」
二人がほぼ同時に首を振る。
「で、でも、その男の子の顔は私しか知らないし…それに、私が主なら私を傷つけるようなことはしないと思うの」
二人は視線を交わす。視線だけで会話をしているみたいだった。
「……じゃ、学校でだけ!学校にいるときだけさがす!それならいいでしょ?」
「………なんで学校にいると思うんだ?」
一郎君が当然といえば当然の疑問を投げかける。
「え?だって……一郎君さっき学校で「ざんし」?を見たって言ったじゃない」
以前に学校で会っているとはいえない。
一郎君のさっきの言葉を言い訳にする。
「それって、学校にその男の子がいるかもしれないてことでしょ?」
「それはそうだが…」
難しい顔をして一郎君が黙り込む。
「姉さん、どうしたの?……なんで一郎先輩もいるんですか?」
そのとき、春樹が戻ってきた。
さっきまでいなかった一郎君の出現に、眉根を寄せる。
春樹すごく不振そう…
1、「修二君を探しにきたんだって」
2、「……偶然よ」
3、「春樹、結果どうだった?」
189:名無しって呼んでいいか?
07/02/22 22:37:56
3、「春樹、結果どうだった?」
「検査の結果は問題なしだったけど……こっちの方は問題があるみたいだね」
そう言って、春樹は私と双子の間に割り込む。
(このままじゃ、話がややこしくなりそう)
「ぐ、偶然なの。待合室に一郎君がいるからびっくりしたのよ。ね、修二君」
「え? あ……そ、そうなんだ。いきなり兄貴がいるんだもんなぁ、ホントに驚いたよ」
修二君と顔を見合わせて、無理やり笑顔を作った。
「何を言っている。俺は大堂と修二に話があってここまで来たんだ」
一郎君の言葉に、私と修二君は固まってしまう。
(なんで私たちのフォローを無駄にするかな)
「話って……また姉さんを狙う組織って話ですか? それとも得体の知れない力の話ですか?」
「君はまだ俺たちの話を疑っているようだな」
「当たり前です! 信じられるわけがない」
私だって夢のことがなければ、一郎君や修二君の話をまったく信じることが出来なかった。
……だけど、今なら確実に何かが起きているって事は分かる。
春樹に分かってもらうべきなのか、それともこのまま巻き込まないほうがいいのか。
私は……
①自分で話をする
②一郎君と修二君に話をしてもらう
③ごまかす
190:名無しって呼んでいいか?
07/02/22 23:12:00
②一郎君と修二君に話をしてもらう
私は春樹にかけるべき言葉が見つからない。
「どうすれば信じるんだ?」
その間に一郎君が春樹に問いかけていた。
「どうすればって……そうだ、あなた達のいう力を見せてください。見せられるものなら、ね」
「わかった。見せればいいんだな。修二」
「はいはい」
「「え?」」
いやみたっぷりに言った春樹の言葉に、あっさりと一郎君が頷く。
春樹も私も驚く。
「幸い二人そろっている。俺達はずっと大堂についていてやることができないから、、弟である君がきちんと大堂を守ってくれるなら、力くらい見せてやる」
「ま、疲れるけどね~」
「ちょ、ちょっと!春樹を巻き込まないで!」
私は慌てて一郎君の腕をつかむ。
「姉さん……、俺はいつでも姉さんを守りたいと思ってる。姉さんを守らせてよ?」
なんて答えよう…
1.「これは私の問題だから…」
2.「…でも、危険かもしれない」
3.「そこまで言うのなら…」
191:名無しって呼んでいいか?
07/02/23 00:23:33
1.「これは私の問題だから…」
私はやんわりと春樹の意思を拒む。
「姉さん……でも」
何かを続けようとする春樹を制して、私は首を横に振った。
(春樹は、巻き込まないって決めたんだから……だから、ごめんね)
そして、今度は一郎君に話しかける。
「……一郎君もよく考えて行動して。
一郎君や修二君は私さえ守れれば何でもいいの?」
自分で思ったより突き放すようなキツい言葉になってしまったかもしれない。
そう思ったけれど……同時に少しでも私の気持ちが伝わってくれればとも思う。
「春樹は私の大事な家族なの。
安易に巻き込んだりして、春樹に何かあったらどうするの?」
言いながら、私は実の母のことを思い出していた。
もしも春樹があんなふうに……突然、私の前からいなくなるような事になってしまったら?
(考えたくもない……そんなの、嫌だよ)
「もう、悲しい思いをするのは嫌なの……」
それ以上言葉を続けられなくて、私は話すのをやめた。
訴えかける私の言葉に、誰も何も言わなかった。
きっとそれぞれに思うところがあるのだろう。
今日何度目かの沈黙。
ただ、重い。
1、「春樹、帰ろう」春樹の腕を引っ張る。
2、「春樹、先に帰ってて」一郎君や修二君と話を続ける
3、「春樹も一郎君たちも、よく考えて」一人でその場を後にする。
192:名無しって呼んでいいか?
07/02/23 02:10:41
1、「春樹、帰ろう」春樹の腕を引っ張る。
けれど、春樹は動かなかった。
こぶしを固め、何かに耐えるように立ちつくしている。
「どうしたの、春樹?」
「姉さん……聞いてほしいんだ」
春樹は私の肩を掴んで、まっすぐな瞳を向けてきた。
「家族になる時、俺は……姉さんや父さんを酷く傷つけたんだ。だから……
もう二度と家族を悲しませないって誓ったあの約束は……今も、ずっと変わっていないから」
出会った頃の春樹を思い出す。
そうだ、家族になる時に春樹は約束してくれたんだ。
「姉さん、すっかり忘れていただろ?」
「うん。でも、思い出したよ」
「だから……家族だからこそ姉さんを守らせてよ、ね?」
春樹の真摯な態度に気持ちが揺らぐ。
「本当は、ずっと忘れていて欲しい汚点だったんだけどな……」
そう言って、春樹は苦笑した。
私は……
①それでも春樹を巻き込みたくない
②春樹に協力してもらう
③一郎君と修二君を見る
193:名無しって呼んでいいか?
07/02/23 06:39:14
③一郎君と修二君を見る
困ったような私の視線に修二君はにこっと微笑み、一郎君はいつもの冷静な視線を返す。
「愛菜ちゃん、よく考えて?俺達はどちらでもいい。というか、どちらかというと弟くんの協力はうれしいよ」
「君達はいま同じ状況にある。すべて中途半端な情報のみ与えられた状態。その状態にずっとおかれる気持ちは君にもわかっているはずだ。知らなくていいことというのはあるがな」
(春樹も同じ気持ち…)
一郎君の言葉が重くのしかかる。
「あー、俺は知っておいてもらったほうがいいと思うよ」
唐突に修二君がどっちでもいいという言葉を翻す。
「よく考えたら、知っといたほうがいい。組織が動いたら、愛菜ちゃんを利用するために家族に、弟君に危害が及ぶかもしれない」
その言葉に私は青ざめた。
「……その可能性もあるな。知っているのと知らないとでは、何かあったときの対応が変わる」
一郎君も言葉を添える。
「どっちにしろ、愛菜ちゃんの家族というだけで巻き込まれる可能性はあるんだよ」
そんな……
1.春樹に協力してもらう。
2.春樹を巻き込まない。
3.沈黙する
194:名無しって呼んでいいか?
07/02/23 11:11:16
1.春樹に協力してもらう。
「分かった……」
私はしぶしぶ頷いた。
「ありがとう、姉さん」
春樹はうれしそうに笑うけれど、私は重い気分のままだ。
「それなら、俺たちの力がどういうものか見せてやるよ」
そういって修二君と一郎君が春樹の後に立つ。
二人で春樹の肩に触れた。
「一度目を閉じろ」
一郎君の声に春樹が目を閉じる。
「よし、あけていいぞ」
修二君の声に春樹が目を開ける。
「わかるか?」
「なんだ、これ…」
「コレが俺たちが見ている世界だよ」
「大堂をみてみろ」
その言葉に春樹が私を見る。
春樹の顔が見る見る驚きに変わる。
私は一体どういう風に見えているのだろう?
「……姉さん?」
「そ、コレが力を持ってる人間だ」
「普通の人とは違うだろう?」
「さて、もういいかな。目を閉じて」
その言葉に春樹が目を閉じる。
その間に双子は春樹から手を放した。
「目を開けてもいいぞ」
一郎君の言葉に、春樹が目を開ける。
「コレで信じてもらえる?」
「………ああ」
春樹が頷く。
①「私はどういう風にみえてるの?」
②「私も見てみたい」
③なにもいわない
195:名無しって呼んでいいか?
07/02/23 12:04:03
③なにもいわない
「……」
私は何も言わずに、三人の様子をどこか遠くのもののように見ていた。
理解を深めていく春樹とは対照的に、私は置いてきぼりになったような――そんな気になる。
もちろん、全然そうじゃないのはわかっていた。
(みんな、私のため……なんだろうけど)
でもどこかが納得しない。
あまりにも非現実的なことが、目の前で当たり前の現実のようにに扱われているせいなのだろうか。
(さっきまで、春樹だって同じだったはずなのに…………どうして?)
力を見たゆえに信じ受け入れた春樹と、曖昧な力と確信ゆえに未だ完全に受け入れられない私。
なぜか、私と春樹……そして、私と三人の間に決定的な溝があるような感じがしてならなかった。
「姉さん?どうしたの?」
春樹が心配そうに覗き込んでくる。
私は……
1.話を切り上げて帰る。
2.誤魔化して話を続ける。
3.言い訳を作ってその場から離れる。
196:名無しって呼んでいいか?
07/02/23 12:25:38
1.話を切り上げて帰る。
「なんでもない。春樹の診察終わったならかえろう?」
笑みを作って春樹を促す。
なんとなく話をしていたが、ここは病院だ。
まわりの人たちは変におもわなかっただろうか?
双子は目立つ。いい意味でも悪い意味でも。
いまさらながらに、気になり始める。
「俺たちもついていくよ。確かめたいことがあるから」
「確かめたいこと?」
「兄貴もいることだし、何かの痕跡が残ってたっていっただろ?ちゃんとたしかめておきたい」
修二君の言葉に、そういえば二人の会話でそんな話をしていたと思い出す。
「そうだな、悪意があるようなら、対策を練っておく必要がある」
一郎君も修二君の言葉に頷く。
1.断る
2.一緒に帰る
3.明日にしてもらう
197:名無しって呼んでいいか?
07/02/23 19:53:46
1.断る
「あの、今日は遠慮してくれないかな……」
私はおそるおそるそう言った。
今日だけでも新たな話をいろいろ聞いてしまって、頭の中がちゃんと整理できていない。
そのせいかなんだか混乱してしまって……正直な話、肉体的にも精神的にも疲れてしまった。
こんな状態で調べてもらって話をしても、きちんとした考えとか話し合いとかができるとは思えない。
(それに、その痕跡は御門くんのものである可能性が高いかもしれないし)
これ以上調べられて、万が一御門くんに辿りつかれたりしたら困る。
「私も学校を休んでいるし、春樹も早退しているから。
その、ね。なんていうか、体裁が悪いって言うか……」
途切れ途切れになりながら言葉を続ける。
「そうか………ごめん、姉さん。
そうだよね。元々は俺が今日一日安静にしていてって言って、だから休んだわけだし」
歯切れの悪い言葉と私の表情から春樹は察してくれたようだった。
「すみません、先輩方。そういうことですので、今日は………」
そこまで春樹が言うと一郎君が頷いた。
「わかった。少しの間なら、痕跡も残っているだろうし今日は遠慮するよ。
だが、後日に必ず頼む。…………行くぞ、修二」
「へいへい。帰りますかーっと。んじゃね、愛菜ちゃん♪」
修二君がひらひらと手をふってくる。
「う、うん。またね」
私もつられて手をふりかえす。
そして、二人はそのまま帰っていった。
「じゃあ、俺たちも帰ろうか?姉さん」
来たときとはうってかわってどこか穏やかな表情で春樹が言う。
私は、
①素直に家に帰る
②寄り道をして帰る
③一人にさせてほしいと言う
198:名無しって呼んでいいか?
07/02/23 20:32:26
①素直に家に帰る
春樹に促され、病院を出る。
病院の前のタクシーにのり、家に向かいながらぼんやりと流れる景色をみるともなしにながめていた。
道は少し混雑しているみたいで、景色はゆっくりと流れていく。
だんだんと意識が薄れていく。
車の振動が心地いい。そのまま眠りに落ちていくのをとめられなかった。
気がつくと、学校の前。
(いつの間に……?)
すぐ隣に気配を感じて顔を向けると、御門くんがいた。
御門君は私と目があうと、スッと学校を指差す。
その指につられるように顔を校舎へ向けると、玄関の前に人影があった。
(誰?)
よく見えない。
目を凝らしてみる。
それは…
1、水野先生
2、隆
3、知らない人
199:名無しって呼んでいいか?
07/02/23 20:57:27
3.知らない人
知らない人だった。
だいたい20代前半くらいの、男の人。
その人は私と目が合うと子供のようににかっと大きく笑った。
「よっ」
そして片手を軽く挙げながら私に近づいてくる。
私は頭の中を「?」マークでいっぱいにしながら、その人が接近してくるのをただ見ていた。
(?私の知り合いにこんな人……)
「私の知り合いにこんな人いたっけ」
目の前にいる人が私の思考を読み取ったかのように、同じ言葉を発する。
私は思わず目の前の人をじっと凝視した。
「………って思っただろ、今?」
いたずらが成功した子供のような笑顔でその人は言った。
(な、何で……)
「何でわかるのか、今度はそう思った」
続けざまに思考を言い当てられて思わず後ずさりしてしまう。
私の反応を見て、その人はうんうん頷いた後に満足そうに再び笑った。
そして、不意に私に近づいて囁く。
「ま、正解はだな。お前さんがとてもわかりやすいカオをしているからだよ。
…………大堂愛菜さん?」
「っ!」
囁かれた耳を押さえて私はその人から距離をとった。
徐々に頬が熱くなっていくのがわかる。
「……っ!……っ!」
何か言ってやりたいのに、口がパクパクと動くだけで言葉が出てこない。
「あーあー、悪かった悪かった。
……にしても初々しいったらないねー。
ま、怯えなくていいぜ?今日のところは挨拶だけだ」
言いながら、その人はひらひらと両手を振る。
……おそらく彼なりの「何もしない」という表現なのだろう。
「そんじゃ、ま、いっちょ自己紹介と行きますか!
俺の名前は高村周防。
これから嫌でも関わりあいになるだろうから、覚えておいてソンはないと思うぜ?」
1、「ここは私の夢なの?あなたは何者なの?」
2、「あなたは私の敵?それとも味方?」
3、「嫌でも関わりあいになるってどういうこと?」
200:名無しって呼んでいいか?
07/02/24 00:28:21
1、「ここは私の夢なの?あなたは何者なの?」
「そうそう、ここは夢の中。お前さんは今タクシーの中で居眠りしてる」
かわいいねぇと高村周防と名乗った男の人はクスっとわらう。
「俺の正体はまだナ・イ・ショ」
そういって人差し指を口元に持っていく仕草が妙に子供っぽい。
「ちょーっと夢にお邪魔させてもらったよ。お前さんの夢はとても居心地がいい。とても優しくて綺麗だ」
「た、高村、さんは…」
疑問をぶつけようとした私の言葉を人差し指を左右に振ってさえぎる。
「ノンノン。す・お・う」
「え?」
「俺のことは周防って呼んで。高村さんだなんて他人行儀な~」
(他人だとおもうんだけど…)
「あ、いま他人だし、って思ったでしょ…てー、そんな変人見るみたいな顔すんなよ」
思わず眉をしかめた私に、周防さんは頬を膨らませる。
「周防……」
そのとき黙って立っていた御門君が周防さんに声をかける。
「なんだよ、お前愛菜ちゃんの味方なの?って、当たり前か」
この人は感情のこもらない御門くんの一言からも意思を汲み取れるらしい。
「冬馬を怒らせたくないし、さっさと帰るよ。まぁ、もうリミットだし」
そういう周防さんの姿が薄くなっていく。
「お目覚めの時間ですよ、お姫様」
周防さんの言葉と同時に、意識が現実へ向かって浮上するのがわかる。
「姉さん、起きて」
「…あ」
「ついたよ姉さん」
「春樹?」
「寝ぼけてるの?変な夢でも見た?」
タクシーを折りながら、春樹が聞いてくる。
1.「すごく変な人の夢だった」
2.「面白い人が出てきた夢だった」
3.「おぼえてない…」
201:名無しって呼んでいいか?
07/02/24 01:43:47
3.「おぼえてない…」
変な人と一緒にいたような気もするけど……。
どんな内容だったかも、何を話したかもまるで覚えていない。
「寝ぼけてないで、家に入るよ」
春樹に手を引かれ、家の中に入る。
(なんだか、まだぼーっとする)
「姉さん、ほらコーヒーでも飲みなよ」
リビングでぼんやり座っている私に、春樹はマグカップを手渡してくれた。
「ありがとう、春樹」
香ばしい液体を口に含むと、ようやく目が覚め始めた。
「こんな風にしていると、本当に普通なのにな……」
じっと私を見つめながら、春樹は呟く。
そうだった。春樹は一郎君と修二君の見ていたものと同じものを見たんだ。
私は……
①春樹の見たものを聞く
②一郎君と修二君の話を振る
③巻き込んでしまった事を謝る
202:名無しって呼んでいいか?
07/02/24 07:11:05
②一郎君と修二君の話を振る
「ねえ一郎君と修二くんは、どうして私を守ろうとするんだろう?」
(春樹をまき込んでまで…)
病院で話をしているときから疑問だった。
「二人は味方なのかな?」
これもまだ確定はしていない。
何か組織とは別の思惑があって味方のふりをしているだけではないか?
「わからない。ただ、二人とも今は姉さんを守りたいと思っているのは確かだね」
春樹は少し考えて、言った。
確かに、少なくとも今は味方と考えてもいいのだろう。
「そういえば、姉さん」
「…え?なに?」
「姉さんの力ってなんなの?何か力があるのはわかるけど、見ただけじゃ何の力かは俺にはわからなかったよ」
そういえば、双子も私の力がなんなのかはちゃんとわかっていないみたいだった。
私は…
1.夢のことを話す
2.ごまかす
3.わからない
203:名無しって呼んでいいか?
07/02/25 00:30:06
1.夢のことを話す
協力してくれると言ってくれている以上、春樹には隠しておきたくなかった。
たとえ、予知夢が私の勘違いだったとしても、だ。
巻き込んでしまった春樹に対して、今、唯一私が出来ることでもある。
「私の力は……予知夢かもしれない」
「確信は持てないけどね」と前置きをして、私はたまに予知夢をみることを説明する。
そして、予知夢は現実に起きて初めて気付くものだと補足した。
「……ていう、使えない力を持っているかもしれないんだよね」
ずっと考え込むように身動きひとつしなかった春樹だったけれど、
ようやく話が終わると、手元のぬるいコーヒーを一気に飲み干した。
「姉さんが説明してくれた予知夢……きっと何度かみていると思うんだけど、具体的に起こった事を教えてもらっていいかな。
できれば、俺の分かる範囲の出来事がいいんだけど」
私は…
①隆と水野先生の夢を話す
②手のアザを見せる
③憶えていないと言う
204:名無しって呼んでいいか?
07/02/25 01:04:30
①隆と水野先生の夢を話す
隆と水野先生のことを話そう。
春樹は『自分の分かる範囲』といっているから、アザや御門くんの夢を説明しても理解できないだろうし。
他の予知夢のことはよく覚えていないし。
「………あのね、昨日屋上前で会ったじゃない?放課後に」
「ああ、姉さんが一郎先輩と一緒だったときか?」
春樹が頷いた。
私はそれを見てから話を続ける。
「うん。実はその時のちょっと前にね……」
私は音楽室での出来事を話し始めた。
隆と水野先生が楽しそうに話していたこと。
水野先生が私に気がついて、隆に何かを囁きながら顔を近づけていったこと。
それに対して隆は特に抵抗しようともしなかったこと。
「それでね、そのときに気がついたの。
……私、一昨日にその光景を夢で見ていたんだって」
そこまで話し終えると、春樹は難しそうな顔で考え込んでいた。
①「やっぱり役に立ってないよね?」
②「春樹はどう思う?」
③「どうしてみんな、こんな力に注目してるのかな?」
205:名無しって呼んでいいか?
07/02/25 07:57:33
③「どうしてみんな、こんな力に注目してるのかな?」
もし、これが力だとすると本当に何故、狙われることになるのかわからない。
春樹はしばらく考え込んで口を開いた。
「そうだね、でももし、もしだよ?」
春樹が「もし」を強調して言う。
「姉さんの見ている予知夢、それが最初から姉さんの記憶とか、脳とかに刻み込まれたようなもので、もう一人記憶を読めるような力をもつ人が居たとしたら?」
「それはどういう……?」
「姉さんは力に自覚がなくても、もう一人の力の持ち主には大きな意味があるってこと。もし、の話だけどね」
春樹の言葉を考えて、私は笑った。
「春樹、でもそれじゃあ意味がないよ?私がみる夢は私に関する予知夢だけだもん」
「覚えてないのに、どうしてそう言い切れるの?」
「あ……」
呆れたようにため息をつく春樹。
そうだ、自分のことならその時が来れば思い出すけれど…自分にまったく関係ない夢なら、もし予知夢を見ていても気づかずに終わる可能性だってあるんだ…。
「でも、あくまでもこれは仮定」
春樹は肩をすくめて続ける。
「そして、もう一つの仮定。姉さんの力はまったく別のもので気づいていない可能性があるってこと。
予知夢はその別の力の派生の場合もある」
「別の力……」
ふと、御門くんのことが脳裏に浮かぶ。
1.御門君について話す。
2.御門くんの名前は伏せて契約についてはなす。
3.それ以外を話す。
206:名無しって呼んでいいか?
07/02/25 09:34:50
3.それ以外を話す。
御門君にことについて話そうかとも思った。
だけど、私ですらよく分からないのに春樹にうまく話せるだろうか?
そう考えた末、私はそれ以外の話をすることにした。
でも誰のことを話そうかな……?
1.水野先生
2.隆
3.一郎君と修二君
4.近藤先生
207:名無しって呼んでいいか?
07/02/25 11:08:07
1.水野先生
「元凶は水野先生よね…水野先生はなにをさがしてるのかな?」
「水野先生のバックに組織があるなら、組織がほしがってるって言うのが正しいだろうけどね」
春樹が律儀に訂正する。
「でも、組織で狙うというのなら、未来をしる力っていうのは案外使えるものだよね」
そういわれればそうかもしれない。
ただし、春樹の言うように私の力だけでは使えない。
結局振り出しに戻るだけだ。
「でも、その組織には力を「見る力」を持つ人は居ないみたいだね。でも、先輩達に接触してるってことは別の力を持ってる人が居るのかも」
「別の力?」
「そう。別の力を持った人が、先輩達のことを水野先生に伝えたと考えないと…普通の人には、力を持った人がわからないんだろう?」
「そうかもしれないけど、私にも力があるみたいだけど、一郎君と修二君が力を持ってるっていうのはわからないよ…?」
「そうなの?少しもわからないの?」
「うん」
「そうなんだ……」
春樹はまた何かを考え出したみたいで、沈黙する。
ふと、時計を見るとそろそろ夕飯の準備をしてもいい時間だ。
1.買い物に行く
2.家にあるもので何か作る。
3.まだ春樹と話す。
208:名無しって呼んでいいか?
07/02/25 12:44:13
2.家にあるもので何か作る。
「そういえば、お腹すいたね。夕食の用意しないと」
冷蔵庫を見ると、買い置きがたくさん残っていた。
「ねえ、春樹。今日は久しぶりに私が夕食を作るよ」
「え……!?」
春樹は驚いたように、後ずさりする。
「どうしたの?」
「お、俺が作るから姉さんは座っていてよ。ほら、足だって怪我しているし」
春樹がすごく取り乱している。
「大丈夫。春樹は座っててよ。さぁ、張り切って作るぞ!」
「でも……、姉さんが作ると……」
春樹は何を遠慮しているのかな?
「いいって、いいって。春樹よりは下手だけど、私だって夕食くらい作れるんだから」
止めようとする春樹を強引に座らせ、私は夕食の支度を始めた。
今日の献立は…
①オムライス
②カレー
③子豚の丸焼きチョモロ風
209:名無しって呼んでいいか?
07/02/25 13:03:12
②カレー
少し前に春樹がオムライスを作ってくれたから、カレーなんかいいかも。
「春樹、カレーでいい?」
「あ、うん…、カレーがいい……カレーなら、味は一緒だし……」
「ん?なんかいった?」
「いや、なにも……」
ぶつぶつと何かをつぶやいている春樹に首を傾げつつ、ジャガイモの皮を…
「…っ」
「姉さん?……あー、またやってる」
指をなめている私に、春樹が呆れたようにため息をつく。
「ま、まだ切ってないよ!切りそうになっただけだし!」
「切ってからじゃおそいんだよ。いいから姉さんは、ご飯炊いて」
春樹が強引に台所に入ってくる。
「俺は、これ以上姉さんに怪我をしてほしくないの。わかる?」
そういって私から包丁を取り上げる。
1.おとなしくご飯の用意をする
2.春樹を追い出す
3.サラダを作る
210:名無しって呼んでいいか?
07/02/25 13:49:24
1.おとなしくご飯の用意をする
(なによ。せっかく張り切って作ろうと思ってたのに)
私はぶつぶつ文句を言いながら、お米を洗い始めた。
「……姉さん。なんでお米が泡立っているのさ」
「え? ……洗剤でお米を洗わないといけないでしょ?」
そんな私を見て、春樹はとびきり大きなため息を吐いた。
「もういいから……」
「で、でも」
「いいって。俺がやるからさ」
(結局、追い出されちゃった……)
食事が出来るまで、リビングに待機を命じられてしまった。
私はソファーに腰を降ろす。
すると、部屋の隅に黒い影のようなものを見つけた。
(何、これ?)
煙や霧みたいに実体がないけど……、目の錯覚かな。
私は
①近づく
②春樹を呼ぶ
③気にしない
211:名無しって呼んでいいか?
07/02/25 14:21:11
②春樹を呼ぶ
「は、春樹?」
「なに?姉さん」
私の呼びかけに、春樹の声が返ってくる。
規則正しい包丁の音。
私は目をこすり、もう一度見直す。
(やっぱり、なんか居る?)
「は、春樹!部屋に、なんかいる…?ある?」
居るというのも、あるというのも違う気がする。
「なに言ってるの?」
春樹がリビングに顔をのぞかせる。
「あ、あそこにもやもやしたのが…」
部屋の隅を指差す。さっきよりも大きくなってる気がする。
「……?何も、ないけど……何が見えるの?」
「春樹には見えないの?えっと、煙みたいな…霧みたいな…影……っ!」
言い終わるか直前に、突然影がこっちに向かってきた。
私は…
1「春樹伏せて!」その場に伏せる
2.「春樹逃げて!」リビングを出る。
3.「春樹動かないで!」春樹をかばって前に出る。
212:名無しって呼んでいいか?
07/02/25 15:30:17
1「春樹伏せて!」その場に伏せる
私は春樹の頭を無理やり床に押し付けた。
「痛っ…! な……何するんだよ!」
そうだった。春樹にはこの影が見えていないんだ。
「春樹! とりあえず、ここから出よう」
「どうしたんだよ、姉さん。もやもやしたものって?」
影は天井に張り付くように、今は動いていない。
逃げるチャンスだけど、春樹は何も見えていないんだ。
「さっきから、黒い影みたいなもやもやしたのが部屋に居るのよ。
早く、ここから逃げるのっ」
押さえつけていた春樹を解き、腕を引いた。
「何なんだよ……。一体、何を見ているんだよ」
春樹の手を引き、素足のまま庭に出る。
黒い影は私たちの後を追うようにして、不気味に這い回っている。
「ファントム……か」
突然、私の後ろで声がした。
振り向くとそこには……
1..隆
2.一郎君と修二君
3.御門君
213:名無しって呼んでいいか?
07/02/25 15:53:47
2.一郎君と修二君
「うーん、こっそり見張ってて正解?ってね♪」
双子が立っていた。
「こっそりって…」
「説明は後だ。大堂こっちへ」
一郎君の言葉に、春樹と庭の隅に移動する。
「なんか、向こうもだんだん手段選ばなくなってきたね~」
軽口をたたきながら、修二君がもやもやとした影の前に立つ。
「でも、こんなの俺の手にかかれば………はい、おしまい」
「な、なに?」
修二君は私たちに背を向けていたため何をしたのかわからなかった。
私にわかったのは、影が急速に小さくなって、玉になったことだけ。
修二君はそれを拾い上げると、振り返ってにこっと笑った。
「ま、力の応用ってね」
軽くウィンクする。
1、「春樹、大丈夫?」
2、「二人とも帰らなかったの?」
3、「さっきのは何?」
214:名無しって呼んでいいか?
07/02/25 17:28:41
3、「さっきのは何?」
修二君の手の中にある、小さな玉を見つめる。
「俺たちはあの影をファントムと呼んでいる」
一郎君は私に向き直り、冷静に答えた。
「ファントム……」
聞いたこともないけれど、なんとなく嫌な響きがある。
「あんなザコ、俺たちの手にかかったら、簡単、簡単♪」
そう言いながら、小さな玉を私に手渡した。
小さな黒い玉が私の手の中でさらさらと砂になっていく。
「ちょっと待ってください! 一体、何が起こっているんですか。そのファントムって……」
春樹は何が起こっているのか、まったく理解できていないようだ。
「幻のようなものだ。だが、憑りついた人間の生気を奪い、力をつける」
「だけど、俺には何も見えなかった……」
悔しそうに、春樹は目を伏せた。
生気……って、生命力みたいなものなのかな?
聞きたい事は沢山あるけど……どうしようか
①一郎君と修二君に家に入ってもらう
②礼だけ言って、帰ってもらう
③春樹を見る
215:名無しって呼んでいいか?
07/02/25 18:00:10
①一郎君と修二君に家に入ってもらう
「こんなところで立ち話もなんだし、家に入ろう?」
私と春樹ははだしのままだ。
誰かに見られたら不審に思われてしまう。
「そうだな」
一郎君が周りを見回す。
「近くに異常はない。もう大丈夫だろう」
リビングに戻り、ソファに4人で座る。
「ファントムは知性を持ってるわけじゃない。簡単な命令を実行するだけだ」
一郎君はさっきの影をそう説明する。
「生気を吸われた人間は弱る。そしてファントムは力をつける。力をつけたファントムは、その人間を操れる」
「つまり、目標物に取り付かせて、ある程度弱らせて、目的の場所につれてくる。とかいう使い方ができるんだな」
「多少時間はかかるが、簡単に誘拐ができる」
「なにぶん、自分の足で歩いていっちゃうからね~」
「それは、姉さんが誘拐されそうになったということですね?」
春樹が言う。
「う~ん、そうなのかな?もしかしたら、弟君のほうかも?」
修二君が首をかしげる。
けれど、私はそれよりも気になることがあった。
「……今まであんなの見えなかったのに」
「そういえば、愛菜ちゃんファントムが見えてたみたいだね」
「今まで見えていなかったということは、大堂の力が強くなってきている、ということか?」
一郎君がじっと私を見る。
「いや、違うな……大堂の力に変化はない。ということは…、契約のほうか?」
そういって私の右手を見る。
御門君はやっぱりこのことに関係しているのかな…?
1、御門くんのことを話す。
2、今までのように知らない男の子として話す。
3、別の話を振る
216:名無しって呼んでいいか?
07/02/25 20:53:23
2、今までのように知らない男の子として話す。
私だって知っている事といえば、名前くらいだ。
もう少し、御門君に関する情報を知ってから話した方がいいだろう。
「そういえば……その男の子が夢で『あなたが立ち向かうというなら、僕が守る』って言ってたよ」
「敵を認識する力は同時に敵に立ち向かう力となる……だが、それだけでは不足だな」
「不足どころじゃないよ。今の愛菜ちゃんじゃ、ファントムを倒す力はないし」
一体、この二人には私の力はどういう風に見えているんだろう。
今の私では、力が無いっていう事は分かっているんだ。
「おそらく、契約による遠隔制御だろう」
「やっぱり、兄貴もそう思う?」
修二君は一郎君を見る。
「間違いないだろう。契約を媒体にして見る力を送り続けているということだな。しかし、そこまでの力をどうやって……」
「あの! 俺は……」
今まで、ずっと黙っていた春樹が突然口を開いた。
「俺は、敵を見ることさえできないんですか? このままじゃ、姉さんを守るどころか足を引っ張るだけだ」
一郎君と修二君はどこか突き放した目で春樹を見ている。
私は……
①春樹にも見えるようにならないのか尋ねる
②私自身がファントムを倒す方法を尋ねる
③私がどう見えているのか尋ねる
217:名無しって呼んでいいか?
07/02/25 21:28:54
①春樹にも見えるようにならないのか尋ねる
「それは無理だよ」
修二君があっさりと言う。
「大堂みたいにもともと力がある人間で素質があれば、自分の力を応用して見られるようになる」
「あとは、今愛菜ちゃんがしているみたいに、契約って手もあるけど…これはかなり力のある奴じゃないと無理」
「それほどの力がある人間なんて、そうそういない。俺達にも無理だ」
「まれに、後天的に力が現れるときもあるけど…そんなの本当に稀だからね」
「そう、ですか……」
春樹がうつむく。
「でも、ま、見えなくてもできることはあるよ」
「そうだな。力を持ってる人間は不安定になりやすい」
「俺達は双子だったから平気だったけど。愛菜ちゃんが消えないようにちゃんと見てなよ?」
「どういうことですか?」
「言葉どおり、だよ」
言葉どおり?私が消えるってこと?
「私が消えるの…?」
「あー、消えるというか…まぁ、大丈夫大丈夫。弟くんがいればそんなことにはならないから」
「そうだな、大事な役目だ」
二人は言葉を濁すが、なにか大事なことみたいだ。
1、消えることについて詳しく聞く。
2、ファントムを倒す方法を聞く。
3、力を応用する方法を聞く。
218:名無しって呼んでいいか?
07/02/25 23:11:18
1、消えることについて詳しく聞く。
「それは俺から説明しよう。大切な事だから良く聞いていてほしい」
一郎君は一つ咳をすると、話を続けた。
「この力……俺たち双子や大堂の力は太極に反したエネルギーだ」
「太極ですか?」
「そうだ。太極に反しているために、陰陽の理を失う。結果、物理的に消滅する」
(難しくて、分からない)
「陰陽の理……」
話を理解しているのか、春樹は考え込んでいる。
「俺たちのような能力者は、陰もしくは陽の力が不安定だ。むしろ、偏っているといいだろう」
「その偏りをエネルギーに変えているということですか?」
「そういうことだ」
「ファントムは虚と実の法則を捻じ曲げたものだ」
(どうしよう……、分からないって言える雰囲気じゃないよ)
「兄貴~、 初心者なんだから、もっと分かりやすく教えてあげなよ」
私を見かねて、修二君が助けてくれる。
「十分、分かりやすく説明しているつもりだが」
「しょうがないなぁ。あのね、昼と夜、表と裏って具合に世の中はうまく調和がとれてるんだけど、俺たちは元々調和がとれてないんだ。
だから、無茶してるとこの世から消えて無くなっちゃうんだよ」
消える……私が?
①春樹がいるとなぜ消えないのかきく
②なぜ一郎君と修二君は平気なのかきく
③ファントムを倒す方法をきく
219:名無しって呼んでいいか?
07/02/25 23:50:45
①春樹がいるとなぜ消えないのかきく
「それはね、男と女だからさ。一般的に男が陽、女が陰といわれている。男だけ女だけの世界なんてバランス悪すぎだろ?」
楽しくもなんともない、と軽口をたたくように修二君が言う。
「男女そろっていることで、ある程度バランスが取れるんだよ」
「そう、なんだ……」
実際のところ良くわからないけれど、なんとなくわかったような気もする。
「それに、奇数よりも、偶数のほうがバランスがいいってのもあるしね」
いろいろと要素がからんでくるんだよ、と修二君が付け足す。
「………なるほど。わかりました姉さんが消えないようにちゃんと見ていることにします」
春樹は理解できたようだ。私はほとんど理解できていないけれど…。
「ですが、姉さんを消えないように見ていることはできても、今日みたいにファントムが襲ってきたらどうすればいいんですか?」
「そ、そうよね…」
「それなんだけどさ、愛菜ちゃん。契約の相手、愛菜ちゃんを守るっていったんだろ?」
「う、うん」
「襲われたときにさ、そいつのこと呼べば、助けてもらえると思うんだよね」
「……え?」
「そうだな、多分そのための見る力だ。何か怪しいものが近づいたら、呼べということなんだろう」
「………」
そうなのだろうか?
「あ!」
唐突に春樹が立ち上がった。
「晩御飯の準備の途中だった。仕上げてくるよ」
「あ、じゃ、私が……」
「いや、いい!姉さんは先輩達の相手をしててよ。先輩達もよければ食べていきませんか?カレーですけど」
「いや、俺達は」
「うん、そろそろ帰るよ」
1、一緒にご飯を食べようと誘う。
2、二人を見送る。
3、もう少し話しを聞きたいという。
220:名無しって呼んでいいか?
07/02/26 01:43:49
2、二人を見送る。
「そっか……わかった。じゃあ、せめて外まで見送るね」
一緒に食事をできないのは残念だけれど、二人には二人の都合がある。
私はせめて外まで見送ることにした。
「…………じゃあ、気をつけてね」
「愛菜ちゃんこそ。もしも今度何かあったら一番に俺を呼んでよね?」
「もう、修二君ったら」
修二君の相変わらずの軽い調子に私は思わず苦笑いを浮かべてしまう。
「……まあ、修二の言っていることはともかくとして」
一郎君は修二君に呆れつつも、付け加えるように私に言う。
「何かあったら俺たちを頼ってくれてかまわないから」
「一郎君……」
私が呼びかけると、一郎君は微かに笑ってくれた。
「じゃあ、また」
「愛菜ちゃん、またね~」
そして、二人はそれぞれに別れの挨拶を口にして去っていく。
「今日はありがとう!またね!」
私は軽く手を振りながらその後姿を見送った。
「今日はなんだか疲れたね……」
食事の最中、ふと呟く。
その言葉に春樹は何ともいえない表情のままこちらに顔を向けた。
「今日はいろいろあったしね……病院にも付き合わせちゃったし。
あまり休んだ意味が無かったかもね。ごめん、姉さん」
言いながらちょっとうなだれる春樹。
「……ま、まあ、明日は休日だし今度こそゆっくり過ごしてよ」
「あれ?そうだっけ?」
近くのカレンダーを確認すると、確かに明日は土曜日。
学校は休みの日だった。
1、春樹はどうするのかな?
2、一郎君や修二君はどうするのかな?
3、御門君はどうするのかな?
221:名無しって呼んでいいか?
07/02/26 02:14:53
3、御門君はどうするのかな?
なんとなく御門くんのことが頭をよぎった。
(御門くんの休日って………一体どんな感じなんだろう?)
休日の御門くんを想像しようとする。
…………しかし数秒で撃沈。
(お、思いつかない。
普段ですら謎なのに、休日なんてさらに謎だよ)
結局、食事中は妙に御門くんの休日のことが頭から離れなかった。
「はぁーーーーーー」
ベッドに倒れこみ、大きく息をつく。
「今日もいろいろあったな……」
呟いて目を閉じる。
目に浮かぶのは、今日のさまざまな光景。
学校を休んだこと。
病院でのこと。
そして、ファントムのこと。
(また今日も、わけの分からないことだらけ……)
ため息が出る。
そのとき、不意にファントムの話をしていた時の修二くんの言葉がよみがえった。
『襲われたときにさ、そいつのこと呼べば、助けてもらえると思うんだよね』
つまり、修二くんの言葉をそのまま信じるなら……御門くんは私の呼び声が常に聞こえる状態にあることになる。
(もしもそうだとしたら、すごいよね……いつでもどこにいても聞こえるんだろうから)
そして湧いてくる疑問。
(じゃあもしも、今呼んだら………………く、来るのかな)
そんな好奇心が芽生え、つい試してみたくなる。
でも……今は緊急時ではないし来ない確率は高い。
それに、何より。
(契約してる、とは限らないんだから。
ここで来てくれなかったら、相当マヌケだよ…私)
でも、気になる。
どうしよう?試してみようか?
①試しに呼んでみる
②ためらう
③バカなこと考えてないでさっさと寝る