06/05/12 01:11:58
③誰かが、向こうからやって来るのが見えた
暗闇の向こうから見えた人影は愛菜と隆の前で立ち止まった。
「い、一郎くっ……。」
水野先生と二人で話していた一郎のことを思い出し愛菜は怖くなる。
「あぁ、大堂偶然だな。湯野宮も一緒か……、本当うらやましいぐらい仲がいいな。」
「えっ、あぁ。幼馴染だしな。」
愛菜は一言も声が出ず、隆の服のすそを掴んだ。
隆が愛菜を見ると愛菜の表情は固く、体は震えていた。
今までの憧れの宗像一郎をみる愛菜の表情は隆が嫉妬するぐらいに良い表情をしていたのに、
今日の愛菜はいつもと違っていた。
隆の頭に1時間前の愛菜との電話が脳裏を掠めた
「…もしかしてそれって、一郎君と何か関係があるの?」
水野先生と自分の関係についての電話で愛菜は一郎の名前を出していたのを思い出す。
「……幼馴染という関係なのは知っている。だが、俺にはそれ以上に見えるのは気のせいか。」
「うっ……。」
隆の頬が朱に染まる。
「大堂がずいぶん君に寄り添っているように見えたからカマをかけたんだが、
見事的中したみたいだな。」
「宗像兄には関係ないだろ、確かに俺達は付き合っているよ!!」
隆の言葉に一郎はため息をついた。
①確かに俺には関係ないね。
②関係……ね。
③あるさ。君達が付き合ったら何のために水野先生にけしかけたらわかったものじゃない。
④修二が君のこと好きだって言うから協力してたんだ。大堂に恋人ができたら困るよ。
51:名無しって呼んでいいか?
06/05/12 21:35:15
ちょい質問だが、これって主人公(愛菜)以外の選択も有りなの?
前一回春樹の選択もあったけど・・・
52:1
06/05/12 23:54:01
>>51
私的にはかまわないんだが、
やっぱり乙女ゲーだったら主人公の選択の方がいいか?
男の心情も選べるってなかなか面白そうな気がしたんだが……。
53:名無しって呼んでいいか?
06/06/16 15:11:44
視点に関してはどうなんだろ?
コロコロ変わりすぎてもアレだし
やっぱり愛菜で統一した方がいいよね
54:名無しって呼んでいいか?
06/08/18 20:11:54
統一でいいんじゃね。
乙女ゲーだし。
55:名無しって呼んでいいか?
06/09/20 00:04:06
良スレの予感
56:名無しって呼んでいいか?
06/09/21 00:15:34
こんなにすぐに隆とくっつくと1000ではどうなってくるんだろう?
彼氏いるのにアプローチされてうけいれるのかなあ?
57:50
06/09/21 20:31:28
>>56
それは書き手に関わってくるだろう。
書き手がどういう選択してくるか楽しみだ。
50だが自分の作品無視してくれていい。
自分の間違いの所為で話が続かなくてスマソ。
49の選択からお願いする。
58:名無しって呼んでいいか?
06/09/23 02:31:04
>>50=>>56が責任もって書きなおしって事で、お願いしたいんだが
59:名無しって呼んでいいか?
06/09/23 02:31:50
>>50=>>57が責任もって書きなおしって事で、お願いしたいんだが
60:名無しって呼んでいいか?
06/09/23 02:46:30
>>56
スレタイに反したこと言うけど
台本スレみたく定期的に終わらせた方がいいと思う。
100レスとか
61:名無しって呼んでいいか?
06/09/23 03:04:56
→修二が君のこと好きだって言うから協力してたんだ。大堂に恋人ができたら困るよ。
「でも、こうなった以上に僕に協力できることは何もないし、修二にもそう伝えておくよ。
君も恋人がいる身で修二から付きまとわれるのも迷惑だろ?」
一郎はそう言うと、すぐにその場から立ち去った。
「何なんだよあいつ……」
一郎に挑発され大声で彼に恋人宣言をしてしまった隆は
急に恥ずかしくなったのか、そわそわしている。
そんな隆を見て愛菜は…
・隆ってカワイイ
・修二くんが私を好き?
・一郎くん、どうでもよさそうだっなた…
62:名無しって呼んでいいか?
06/09/23 03:05:47
・一郎くん、どうでもよさそうだっなた…
↓
・一郎くん、どうでもよさそうだったな…
63:名無しって呼んでいいか?
06/09/26 00:53:46
流れ切る様で悪いが、なかなか面白そうなスレだし>>1-100の間でルールを
話し合ってみればいいんじゃないだろうか。
何レスで区切るのか、選択肢は主人公の行動や受け答えについてのみにするのか
それとも周囲の状況についてでもおkなのか
キャラもどんどん増殖させていいのか制限設けるのか
色々細かいとこ決めてかないと後々続かないと思う
まぁそんなのどうでもいいと思うんだったらこのレスはスルーして>>61に答えて欲しい
64:名無しって呼んでいいか?
06/09/26 18:16:31
私はある程度ルール決めた方がいいと思うよ
制限なさすぎると逆に困る。
65:名無しって呼んでいいか?
06/09/27 22:16:52
選択肢は主人公の行動や受け答えについてのみにするのか
って点は、主人公のみでFAジャマイカ
キャラ増殖は、肝心なもの以外できるだけ控える・・・としか決められないような。
まだこの物語の真相を決めている人はいないと思うしww
66:名無しって呼んでいいか?
06/09/28 12:06:28
真相はなかなか決められないんじゃないかな。
もし、真相を決めてる人がいても話をうまく持ってこられないかもしれないし。
だったらむしろ、人数制限した方が話を作りやすいかも
67:名無しって呼んでいいか?
06/10/02 20:24:26
→隆ってカワイイ
少し前までは、ただの幼馴染だったのに
いつの間にか私の中で隆はこんなに大きな存在になっていたんだ。
「…何、笑ってるんだよ?」
隆は真っ赤な顔でそっぽを向いている。
私がクスクス笑うと、隆は私にデコピンをした。
しばらく、いろいろな話をしていて
隆は急に黙り込んでしまった。
「・・・・・・なぁ、これから俺のウチに来ないか?今、誰もいないしさ。
ほ、ほら、冷えてきたしっ、なっ?」
私は…
1・普段通り、遊びに行く
2・「幼馴染」から「恋人」になったので少し迷いつつも、隆を信じて行く
3・春樹が家でご飯を作ってくれてる事を思い出し、断る
4・意識してしまい、話を無理やりそらす
選択肢って何個までオケなの?
68:名無しって呼んでいいか?
06/10/03 18:21:37 FhGLTbMf
age
69:名無しって呼んでいいか?
06/10/03 18:24:56
3つか4つが限度だろうけど・・・
やっぱりスタンダードに3つか??
70:名無しって呼んでいいか?
06/10/03 18:47:00
じゃあ基本は3つで
場合によっては2つや4つって事でおk?
71:名無しって呼んでいいか?
06/10/03 21:16:58
んじゃ、それで。
72:名無しって呼んでいいか?
06/10/04 15:33:13 hkhJsALF
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73:名無しって呼んでいいか?
06/12/08 20:10:50 r7HzoGzD
ホッシュ
74:名無しって呼んでいいか?
06/12/10 09:58:17
BADエンド止めないか?
さっき発見して全部読んだんだけど、せっかく書いてくれたのに台無しになるのは可哀想だと思う。
75:名無しって呼んでいいか?
06/12/10 22:22:07
↑同意
そして内容がドロドロしすぎたとオモw
なにか秘密が…的な話にすると
みんな各自違う内容考えちゃうから
流れに身をまかせたのほほんとした話にしないか?w
76:名無しって呼んでいいか?
06/12/17 17:19:56
自分は、三択、主人公視点でいいと思う。
3・春樹が家でご飯を作ってくれてる事を思い出し、断る
「だめだよ。春樹が待ってるから」
私が断ると、ごまかすように笑いながら
「あっ、そうだよな、ごめん。それじゃ送っていくよ」
家の前に着くと、玄関から春樹が出てきた。
「あれ、出かけるの?」
「何言ってんのさ、姉さんを迎えに行こうとしたんじゃないか」
隆が後ろにいるのを気付き
春樹の顔が…
①怒っているように見えた。
②無表情に見えた。
③わざとらしく笑っているように見えた。
77:名無しって呼んでいいか?
07/01/03 20:27:26
あげ
78:名無しって呼んでいいか?
07/01/03 23:20:42
1 怒っているように見えた。
春樹「姉さんが中々戻って来ないから、心配したんじゃないか。最近物騒だしさ。」
私「ごめん、春樹。」
隆「悪い、俺が引き止めちゃったから…」
私がちょっと頼り無いせいか、春樹にはいつも心配をかけてしまう。何だかんだと
面倒見の良い春樹のそばは居心地が良く、つい甘えてしまっていた。
でも…
1 彼氏も出来たんだし、弟離れしなきゃな
2 もっと、お姉さんらしくしっかりしなきゃ
3 彼氏が出来ても、春樹との関係は変えたくないな…
79:名無しって呼んでいいか?
07/01/07 00:33:30 8V7qcVuS
②もっと、お姉さんらしくしっかりしなきゃ
いつまでも春樹に心配ばかりはかけていられない。私の方がお姉さんなんだから。
送ってくれた隆にお礼を言って春樹を家に入るよう促す。
玄関をくぐる時に肩越しに振り返ると、暗がりの中で隆が私の方に軽く手をあげて
元来た道へと帰っていくのが見えた。
扉を閉めた所で後ろから憮然とした様子の春樹に声をかけられた。
「メシ、どうすんの?」
私は…
①食べてない。春樹もまだなら、一緒に食べよう?
②ごめん、今日はいいや。
③どうして遅くなったか、聞かないの?
80:名無しって呼んでいいか?
07/01/09 12:56:38
→①食べてない。春樹もまだなら、一緒に食べよう?
すっかりさめてしまったオムライスを温めなおし、
春樹と向かい合ってテーブルに座る。
春樹が作る料理はおいしい。
私と違って、何でも器用にこなす春樹は自慢の弟であるが、
時々自分がとても不出来な人間である錯覚を覚えてしまう。
今食べているオムライスも絶品だ。私ではこうは出来ない。
少し、自己嫌悪に陥りつつ、目を上げると春樹と目が合った。
怒っているような、何かを探るような目に思わず息を止める。
何かを言わなくてはいけない。無性にそんな気になる。
①「憎たらしいくらい、おいしいわよね。春樹のご飯」
②「・・・怖い顔してどうしたの?」
③「あのね私、隆と付き合うことになったの」
81:名無しって呼んでいいか?
07/01/10 16:11:48
②「……怖い顔してどうしたの?」
さり気なく言ったつもりだったけれど、春樹の表情は尚も固い。
「姉さんさ、最近勝手なんじゃないの?」
春樹らしくない突き放した言い方に、私は思わず手を止めた。
「勝手って……」
「勝手だよ。今見たく急に出てったり、俺の立場も考えて欲しい」
どうしたんだろう、突然。私が馬鹿をやって春樹を怒らせるのはいつものことだ。
だけど今日のはいつもとは違う。春樹は本気で怒っている。
「ごめんね、心配かけて」
私は、春樹の顔が直視できずに俯く。
カタンと、春樹が席を立つ音がした。
私は…
①「春樹!」と慌てて呼びかけた。
②どうしていいか分からず、ただ呆然としていた。
③身勝手な春樹に腹がたった。
82:名無しって呼んでいいか?
07/01/11 13:36:13
②どうしていいか分からず、ただ呆然としていた。
春樹はそのまま乱暴に部屋を出て行く。
春樹の言葉が頭の中でぐるぐると回っている。
勝手だよ!
確かに今日の行動は、せっかく晩御飯を用意してくれていた
春樹から見れば勝手以外の何者でもない。
もし晩御飯の用意を、春樹ではなく父や母がしていたら、
私は外出することを考え付きもしなかっただろう。
姉らしくしようと思っいても私は春樹に甘えているのだとおもう。
今日は全面的に、私が悪い。
もし逆の立場なら、私だって怒る。
春樹に謝りに行こうと、立ち上がった所に電話が鳴った。
電話を見ると、修二くんからだ。
修二に伝えておくよ
一郎くんの言葉が、ぱっと脳裏に浮かぶ。
私は
①とりあえず春樹に謝るのが先。電話は無視する。
②修二からの電話に出る。
③なんとなく恥ずかしくて出られない。伝言モードにしておいて用件を聞く。
83:名無しって呼んでいいか?
07/01/12 15:42:47
③なんとなく恥ずかしくて出られない。伝言モードにしておいて用件を聞く。
きっと一郎君に話を聞いて、電話をしてきたのだと予想をつける。
なんとなく気恥ずかしくて電話に出ずにいると、伝言モードに切り替わった。
アナウンスが流れ電話に伝言が録音された。
伝言を再生させると、修二君らしくない、暗い声。
『修二だけど、さっきはごめん。ちょっと、むしゃくしゃしててさ‥‥。
ちょっと話したいことがあるんだ。遅くてもいいから電話‥‥‥』
プツッっと音がして、伝言が切れた。
録音時間が途中で終わってしまったらしい。
隆に会う前に、公園の前で修二君に鉢合わせをした事を思い出す。
水野先生と何かもめていたみたいだった。
一郎君と別れてから、時間がそう経っていないことを考えれば、
隆とのことはまだ修二君には伝わっていないのかもしれない。
そういえば告白されて舞い上がってしまったため、
隆に一郎と水野先生のことを話すのも忘れていた。
さて、どうしよう?
1.すぐ修二に電話をかける。
2.まず春樹に誤りに行く。
3.忘れないうちに、隆に電話する。
84:名無しって呼んでいいか?
07/01/13 20:30:12
2.まず春樹に誤りに行く。
でも、とにかく今は春樹に謝らなきゃ。
あの春樹が本気で怒っている。
この事実に、思った以上にショックを受けている自分がいる。
「……本当に、姉失格だよね。」
ぐちゃぐちゃした気持ちのまま春樹の部屋の前へ立った。
コンコン
「春樹……?あの、ごめんね。私、本当に勝手だったと思う。」
ドア越しに話しかけるものの、春樹からの返事はない。
春樹と姉弟になってから、こんなこと一度もなかった。
どうしよう。
1 「もう寝てるのかな…」謝るのは明日にする。
2 「このままじゃ嫌だ。」ドアの前で話し続ける。
3 「春樹、お願い。ドアを開けて、ちゃんと話をさせて」と説得する。
85:名無しって呼んでいいか?
07/01/13 22:48:05
2 「このままじゃ嫌だ。」ドアの前で話し続ける。
「ねえ、春樹。私が悪い。ちゃんと謝るから」
…やっぱり返事は無い。涙が滲んだ。
「…私どうしたらいいの?」
私はドアの前でしゃがみこんだ。嫌だ。春樹と喧嘩したままなんて嫌だ。
出来がいいとか悪いとか関係なくて、ただ大切な弟なんだ。
「…姉さん」
驚いて顔を上げると、春樹が立っていた。
「春樹…」
くしゃりと、春樹の顔がゆがむ。
「何泣いてるのさ?」
「何って、だって春樹が!」
馬鹿にしたような物言いに反射的に怒ろうとしたけれど、
春樹の手がすっと伸びてきて、私は口を噤んだ。
春樹は手を私の頭に置いて、髪の毛をくしゃくしゃにした。
「…まったく、姉さんはしょうがないな」
可愛くない言い方。そう思う。
でも、そう言う春樹の顔は何だか泣きそうに見えた。
「春樹だってしょうがないよ」
春樹はやれやれと言うように、肩を竦めた。
その顔は、もう怒ってはいなかった。私は初めて春樹の顔を見て謝る。
「…春樹、ごめんね」
「分かってるよ」
春樹はほんの少し顔をそむけて、呟いた。
「…ちゃんと分かってる」
そう言って春樹は、いつも通りの顔でほほえんで見せた。
そう言えば…
1.隆に言わなきゃいけないことがあるんだった。
2.修二君、電話待ってるかもしれない。
3.春樹と喧嘩するのなんて、初めてじゃない?
86:名無しって呼んでいいか?
07/01/13 23:55:20
3.春樹と喧嘩するのなんて、初めてじゃない?
仲直りできたことにほっとして、春樹につられるように微笑む。
そういえば、春樹とこんな喧嘩をしたのは始めてかもしれない。
そういうと、春樹は苦笑する。
「そりゃあね…」
言葉を続けようとした春樹の視線が一瞬泳ぐ。
「…姉さんと兄弟になったのだって小さな子供のころってわけじゃないし、
普通の兄弟とは違うんだから、当たり前だよ」
けれど戻ってきた視線は、いつもの春樹で…。
でも何か引っかかった。
それを考えようとする前に春樹が思い出したように言葉を続けた。
「そういえば俺、食器片付けないままきちゃったな、姉さんは?」
「あ、わたしも…」
春樹に謝ることしか考えていなかったから、食器はそのままテーブルの上だ。
「仕方ないな。俺片付けてくるよ」
苦笑しながら、春樹は歩いていった。
春樹が見えなくなって、私は体の力を抜いた。
思った以上に緊張していたみたいだ。
気が抜けると、電話のことを思い出した。
どうしよう?
①隆に一郎くんと水野先生のことを話す。
②修二くんに折り返し電話をする。
③ちょっと落ち着きたい。お風呂に入る。
87:名無しって呼んでいいか?
07/01/17 13:13:09
②修二くんに折り返し電話をする。
部屋にもどり、修二くんに電話をすることにした。
いつもの修二くんらしく無かったことが、気にかかる。
リダイヤルで発信すると、1コールで修二くんが出た。
「あ、私、愛菜だけど」
「あ、愛菜ちゃん、かけてもらっちゃってごめん。
また、こっちから連絡してもよかたんだけど…」
電話にでた修二くんの声は、やはりいつもより歯切れが悪い気がした。
そのまま、修二くんは沈黙してしまった。
私は沈黙に耐えきれなくなって…
1、「うん、伝言聞いたよ。話ってなに?」
2、「伝言の話って、公園でのこと?」
3、「そういえば、一郎くんに、隆との話はきいた?」
88:名無しって呼んでいいか?
07/01/18 08:19:02
1、「うん、伝言聞いたよ。話ってなに?」
「あー、うん。今日はもう遅いし、話長くなりそうだから明日の昼休みに話せないか?」
「明日?うん、いいよ」
それじゃ、と電話をきる。
「明日ね。」
ベットに入り、明日の予定を考えながら眠りについた。
1、「久しぶりに早起きして春樹のために朝食作ろうかな」
2、「修二くんの話って何だろう」
3、「隆に水野先生のことを話してないなぁ。明日会うから、いいかな」
89:名無しって呼んでいいか?
07/01/18 11:16:25
3、「隆に水野先生のことを話してないなぁ。明日会うから、いいかな」
明日絶対に話そうと思いつつ、眠りに落ちる。
そして、夢を見た。
朝起きるとまったく覚えていない、予知夢。
覚えていないから、現実になって初めて、
「これはどこかで見たことがある」と感じる。
そして「夢で見た」と思い出す。
(ぜんぜん使えない)
いつもそう思う。
覚えていれば、もしかしたら変えられた事柄もあるかもしれない。
そして、今日見た夢は…
1.一郎くんと修二くんが喧嘩している夢。
2.水野先生と隆が楽しそうに話をしている夢。
3.春樹と隆と修二くんが深刻そうに話をしている夢。
90:まとめ
07/01/18 12:31:05
<現在の登場人物>
大堂愛菜:高校二年の主人公 。使えない予知夢を見る
大堂春樹:主人公の義理の弟(高1) 。好きな人がいるらしい。
主人公よりしっかりものなので兄にみられがち。
湯野宮隆:主人公の幼馴染(性格は不明。口調はぶっきらぼうな感じ)
宗像一郎:放送委員の委員長。
誠実で優しい優等生だが、裏あり?
宗像修二:一郎の双子の弟でテニス部エース
他人を見下しているところがあり、不誠実とおもわれているが…
近藤先生:厳格だが生徒思いの男性教師
水野先生:隆とキスしていた音楽教師、
一郎と裏で繋がっている模様。修二にも何やらちょっかいをかけたが拒まれた
長谷川香織:愛菜の親友
<一人称・呼び方>
愛菜:一人称→私。春樹と隆は呼び捨て、その他キャラは君付け
春樹:一人称→俺。愛菜に対しては姉さん
隆 :一人称→俺。愛菜に対してはお前
一郎:一人称→俺。修二は呼び捨て、他は苗字
修二:一人称→俺。愛菜に対しては愛菜ちゃん、一郎に対しては兄貴
香織:一人称→?。愛菜や隆に対して呼び捨て
<今までのあらすじ>
隆と水野のキスを見て以来隆と疎遠になっている愛菜。
憧れの一郎と同じ委員会だったが、ひょんなことから、
隆と水野の関係に一郎が何か関わっているらしいことを知る。
隆と話し合いをするためにファミレスに向かう愛菜は
途中で言い争う水野と修二を見かける。
気になりつつもその場から立ち去り、隆と対面すると
彼はいきなり好きだと告白してきた。
隆を憎からず思っていた愛菜は、隆の思いを受け入れ付き合う。
その夜、修二から電話が。
大事な話があるということで明日の昼休みに話をすることに。
そして夜、愛菜は予知無を見る。
その夢は……
では>>89のつづきをどうぞ~
91:名無しって呼んでいいか?
07/01/18 19:00:14
2.水野先生と隆が楽しそうに話をしている夢。
隆はほとんど後ろを向いていて、顔はよく見えないが、笑い声が聞こえる。
呆然と立ち尽くす私に水野先生がきづいた。
私と目があうと、何かを隆に言い、ゆっくりと顔を近づけていく。
隆もそれを制するそぶりは見せない。
「・・・・さん、姉さん!」
目を開けると、春樹が心配そうな顔で覗き込んでいた。
「どうしたの?春樹」
春樹は、ほっとしたように、息を吐きそれから眉をひそめていった。
「どうしたって・・・時間になっても起きてこないから起こしにきたんだ。
そしたら、すごくうなされてるし・・・・」
そういって、そっと手が伸びてきて、ほほをなでた。
「泣くほど怖い夢だったの?」
言われて初めて、自分が泣いていることに気づいた。
「・・・・覚えてない、けど・・・・・」
起き上がりながら、軽く頭を振る。
覚えてないけれど、きっと夢の名残はある。
胸の奥に、もやもやとした感情。
1「多分、すごく悲しい夢だっとおもう」
2「ものすごく怒ってる夢だったとおもう」
3「だれかに、裏切られた夢だったとおもう」
92:名無しって呼んでいいか?
07/01/19 12:42:43
3「だれかに、裏切られた夢だったとおもう」
この感情は一度経験している。
私の実の母が、父と私をおいて家を出て行ったとき。
それと良く似ていた。
怒りと悲しみと絶望といろいろがごちゃ混ぜになった感情。
思わず身震いする。あんなこと二度と経験したくない。
「大丈夫だよ、それは夢だろ?」
春樹が優しく、私を安心させるように頭をなでながら言う。
「……うん」
「それに誰が裏切っても、
俺だけは絶対に姉さんを裏切らないって約束するよ。
……ね?それなら安心だろ?一人じゃないんだから」
よほど私は不安そうな顔をしていたらしい。
春樹が励ますようにぽんぽんと背中をたたいてくれる。
「……そう、だね」
やっと笑った私に、春樹も微笑む。
「さ、早く起きて。学校行かないと」
「うん!」
準備を済ませ春樹と家を出ると、隆が玄関の前に立っていた。
私と見ると照れくさそうに「おはよう」と挨拶をする。
そういえば隆は彼氏になったんだ、と思い出してこちらも恥ずかしくなる。
そして、思い出した。一郎君と水野先生のことを話さなくては。
①「春樹、隆と話があるから、先に行ってて」
②春樹にも相談したい「二人に話したいことがあるんだ」
③話はあとでいいや、3人で学校に行く。
93:名無しって呼んでいいか?
07/01/19 15:35:18
嗚呼
94:名無しって呼んでいいか?
07/01/19 17:22:05
①「春樹、隆と話があるから、先行ってて」
私は、つとめて明るい声でそう言った。
本当は、春樹にも聞いてもらったほうがいいのかもしれない。
けれど、その話をすれば、隆と水野先生のことにも触れることになる。
それは避けた方がいいと思った。
「…そう。なら俺は先に行ってるよ」
春樹は微かに俯いた。日差しが微妙な陰影を作り、一瞬寂しげな表情に見える。
けれど、顔を上げた春樹はやんわりと笑って言った。
「隆さん。姉さんをよろしく」
言われた隆は、あっと言う間に顔を紅くした。
「あ、ああ、もちろん!」
…春樹ってば。
姉思いなのは嬉しいけれど、改めてやられると、どうにも気恥ずかしい。
先を行く春樹の背中を見送って、私は隆の顔を見あげた。
①「水野先生と一郎君のことなんだけど…」
②「…何だか照れちゃうね」
③「昨日の話、覚えてる?」
95:名無しって呼んでいいか?
07/01/20 11:13:16
③「昨日の話、覚えてる?」
「え?き、昨日?」
まだ、春樹の不意打ちから立ち直っていなかった隆が何の事かと首をかしげる。
「うん、昨日隆が電話をくれたときに、一郎くんの話をしたでしょ?」
隆は、ハッとして愛菜を見る。
「そういえば、宗像兄の話をしてたな。どういうことだ?
愛菜は、昨日の放課後のことをかいつまんで隆に話した。
「そんなこと言ってたのか・・・どういうことだろう?」
眉をよせて考え込む隆と一緒に歩きながら、ふと疑問が浮かび上がる。
隆は電話で水野先生とキスをしたのには「あれには理由がある」と言っていた。
だが、ファミレスで会ったときには「その場の雰囲気で」と言葉を濁した。
「理由」が「雰囲気」だったのだろうか?
何かかみ合っていない気がする。
自分の気にしすぎなのだろうか……
①「隆、キスした本当の理由は、何?」隆に問いただす。
②「隆、私に何か隠してない?」遠まわしにたずねる。
③気にしないことにする。
96:名無しって呼んでいいか?
07/01/22 11:31:08
③気にしないことにする。
隆を見ると真剣に考え込んでいた。
その顔を見たら、ふと浮かんだ疑問が消えていく。
(隆は私のこと好きって言ってくれたし、水野先生とのことは
もう深く追求しないことにしよう…)
今、隆が隣に居ることがうれしい。
「そういえば宗像兄、昨日の帰りに宗像弟が
お前の事好きだから協力してたとか言ってたよな?」
「あ…」
確かに、昨日偶然会ったときにそんなことを言っていた。
「その、協力ってやつの一環だったんじゃないのか?
…その、水野先生が……」
隆は言いにくそうに口ごもる。
「そう、なのかな……?」
隆が言いにくい理由がわかるので愛菜もあいまいに頷く。
(でもどうして水野先生だったんだろう?
先生だって、一郎くんに協力しても何の利益も無いはず…)
それどころか、他の先生にばれたら水野先生だって
停職か免職になってしまう危険があった行為だとおもう。
(先生じゃなく、他の女子生徒のほうが協力してもらいやすかったんじゃ…?)
ぐるぐると、疑問が渦を巻いてだんだんわけがわからなくなってくる。
愛菜は…
①「……どうして水野先生だったんだろう?」
②「……なにか変」
③「……まぁ、いいか」
97:名無しって呼んでいいか?
07/01/25 11:25:11
①「……どうして水野先生だったんだろう?」
愛菜の口からでた言葉に、隆が不思議そうな顔をする。
「放送委員の顧問だからじゃないのか?」
隆は疑問を抱いていないようだ。
「そう、だよね・・・・」
(修二くんも関係してるみたいし、生徒に言っちゃうと噂が広がるとかそういう心配したのかも・・・・)
どんなに口止めしても、生徒相手ならどこからか秘密は漏れるものだ。
その点、先生ならその危険性は低い。
放送委員長と放送委員顧問という関係なら、二人きりで話をしていても不自然ではない。
とりあえず、納得したところへ隆がはなしかけてきた。
「なあ、昼休み一緒に食べないか?」
「え、お昼・・・・?」
今日の昼休みと聞いて、修二くんと約束していることを思い出す。
①「ごめん、先約があるんだ・・・・」
②「昼は修二くんと約束が・・・」
③「う~ん、どうしようかな」
98:名無しって呼んでいいか?
07/01/27 22:21:50
①「ごめん、先約があるんだ・・・・」
(修二くんは、何か知っているみたいなんだよね)
隆と一緒だと話してくれないだろう。
「ごめんね。明日は絶対大丈夫だから、明日、一緒に食べよう?」
「急だったもんな。じゃあ、明日な」
疑う様子もなく笑顔で答える。
昨日の電話で、屋上で話しをすることになっていた。
昼休みになり、愛菜は屋上に来た。
①「私の方が早かったみたいね」
②「修二くん、もう来ていたんだね」
③「早めに来たし、ご飯食べとこう」
99:名無しって呼んでいいか?
07/01/28 11:12:40
①「私の方が早かったみたいね」
私は近くの縁に腰掛けて、修二君が来るのを待った。
話って何だろう?
どれだけ頭を捻っても、心あたりなんて、昨日の一朗君の件だけ。
でも、冷静に考えてみると、修二君が私のことを好きだなんて、ありえないことだと思う。
特別に仲が良い訳ではないし、たまにちょっかいかけられるのだって、私だけという訳じゃない。
どう考えても、修二君が私を好きだなんて、恥ずかしくなるくらいのひどい自惚れだ。
かといって、わざわざ私に相談事をする理由も思い当たらないし……。
私が首を傾げていると、屋上の扉が開く音がした。
そこに立っていたのは、
①修二くん
②一朗くん
③水野先生
100:名無しって呼んでいいか?
07/01/28 12:43:00
①修二くん
修二くんは私をみつけるとにこっと笑って歩いてきた。
「ごめん、待たせたかな?」
「ううん、さっき来たばっかりだよ」
「そっか、よかった」
そういって、修二くんはぐるりと周りを見渡した。
「だれも、いないかな?」
「私が来てからはだれもきてないよ」
ずっと扉を気にしていたが、私の後には修二くんだけだ。
「そう、でも、ま、念のためあっちに行こう」
「う、うん(そんなに聞かれたくない話なのかな)?」
周りに人が居ないことを確認してから、修二くんが言った。
「水野に気をつけろ」
水野、と言われて一瞬だれのことかわからなかった。
先生という敬称がついていなかったので水野先生のことだとわかるまで、少し時間がかかる。
聞きたいことはいろいろある。
①「水野、って水野先生のこと?」
②「一郎くんと水野先生が話してるのを聞いたよ」
③「昨日、水野先生と何を話していたの?」
101:名無しって呼んでいいか?
07/01/29 11:57:50
②「一郎くんと水野先生が話してるのを聞いたよ」
そのときの様子を修二くんに話す。
なぜ一郎くんは水野先生をけしかけるようなことを話していたのか?
「兄貴がそんな事を……?……そうか……兄貴は……」
少し何か考えていた修二くんの瞳が明るくなる。
修二くんは何かに安心したらしいが、私にはさっぱりわからない。
「…くそっ、何もかも一人でやるつもりか!」
一人で納得して、今度は怒り出す。
私には何がどうなっているのかさっぱりわからない。
まだ聞きたいこともある。
1、「私にもちゃんと説明して!」
2、「修二くん、どうしたの…?」
3、「隆と水野先生がキスしてたのは一郎くんのせいなの?」
102:名無しって呼んでいいか?
07/02/03 19:36:35
3、「隆と水野先生がキスしてたのは一郎くんのせいなの?」
するりと一番聞きたかったことが口からすべりでた。
修二くんは一瞬動きを止め、それから難しい顔で言った。
「キス?水野は隆にキスまでしたのか?」
「う、うん。私みちゃったんだ…」
「そうか…。兄貴のせいかと言われれば半分はそうだろうな」
修二くんはいつもの不誠実な物言いではなく真剣に答えてくれる。
「半分は、水野の独断だとおもう。兄貴は方法までは指示していないだろうから」
そこでチャイムがなった。
昼休みが終わる。
さて、どうしよう?
1.午後の授業をサボってもっと話を聞く。
2.放課後もう少し話を聞かせてほしいと頼む。
3.教室に戻る。
103:名無しって呼んでいいか?
07/02/05 15:32:44
2.放課後もう少し話を聞かせてほしいと頼む。
また聞きたいことはたくさんある。
けれど午後の授業をサボるのは気が引けるので、放課後にもっと話をしたいと修二くんに頼む。
「かまわないよ。俺が答えられることなら、答えてあげる。放課後もここでいいかな?」
「うん」
にこっと修二くんは笑うと、私を促した。
「それじゃ、先に行って。俺は少し間を空けてからもどるから」
「あ、うん。それじゃあ放課後に」
階段を下りていく途中でチャイムがもう一度鳴った。
「やばい、普通に戻ったんじゃ間に合わない…」
1、1学年教室の中を突っ切る
2、特別教室棟を突っ切る
3、あきらめてゆっくり行く
104:名無しって呼んでいいか?
07/02/06 11:51:05
とりあえず>>103の1を選択したが、これは廊下を突っ切るっていう解釈でおけ?
その方向で進めるけど間違ってたら責任もって書き直すよ。
1、1学年教室の中を突っ切る
(1学年の教室を突っ切れば、まだ間に合うかも……)
そう思った私は急いで階段を下りて、すぐ先の1学年の教室へと駆け出した。
授業開始前だからなのか廊下に生徒の姿はもうない。
(どうしよう、本当にまずいかも)
焦りだけが募っていく。
「急がなきゃ……」
誰もいないのをいい事にさらにスピードを上げようとしたそのとき、
すぐそばの教室から誰かが出てきた。
「え、あっ」
それは解ったけれど、それだけでどうすることもできない。
(だめ、危ない!お願いよけて!)
どんっ
私の心の声は届くことなく(当然と言えば当然だけど)、結局そのままぶつかった。
「わっ」
ぶつかった反動で、私はそのまま床にしりもちをつく。
「いたた……ご、ごめんなさい」
慌てて謝りながら、ぶつかった相手を確かめる。
そこにいたのは……
1、春樹
2、春樹の親友の男の子
3、全然知らない男の子
105:103
07/02/06 12:28:46
>>104 わかりにくくてスマソ。その解釈でおkです。
1、春樹
「……姉さん?」
春樹のほうはなんとか転ぶのは免れたらしい。
「こんなところで何してるんだよ?」
言いながら手を差し出される。
「ごめん、時間なかったから、ここを突っ切ろうとおもって……っいた…」
春樹に差し出された手を掴んで立ち上がろうとしたが、左足に激痛が走る。
「ひねったのか!?」
あわてて春樹もしゃがみこむ。
「だ、大丈夫……ぅ…ぃたぁ」
「ぜんぜん大丈夫じゃないだろ!?」
そっと触られたが、その瞬間痛みが駆け抜ける。
「保健室いこう姉さん」
春樹が私を立たせてくれる。
立ってしまえば、何とか歩けそうだった。
春樹にだって授業はあるし、保健室はすぐそこだし…どうしよう?
1、「大丈夫、一人で行けるよ」強がる
2、「ごめんね迷惑かけちゃって」素直に連れて行ってもらう
3、「それじゃ、おんぶしていって」茶化す
106:名無しって呼んでいいか?
07/02/06 12:30:06
3、全然知らない男の子
視線の先にいたのは全然知らない男の子だった。
彼は私のようにしりもちをついたりなんかしていなくて、じっと私を見下ろしている。
無表情なような、だけどどこか驚いたような顔で。
「……………」
何かを呟くように彼の唇がかすかに動く。
だけどその呟きのようなものは私には聞こえない。
「え?」
私が聞き返すと、彼の表情から驚きのようなものがなくなった。
ただ無表情に私を見下ろし続ける。
「……………立てますか、とお聞きしたつもりだったのですが」
彼はしばらく間をおいてそういった。
「あ、はいっ」
私がそう答えると、彼は私に手を差し伸べてくる。
彼に支えられて私は立ち上がった。
「本当にごめんなさい」
「いえ、今後は気をつけてください。では」
彼は私に軽く一礼すると、そのまま去っていった。
(そうだ、私も急がないと!)
自分も急いでいたのを思い出し、駆け出そうとした時つま先に何かが当たった。
「誰かの落し物かな……」
そこには生徒手帳が落ちていた。
確認のためにちょっとだけ中を見てみる。
「えっと、なになに……
御門、冬馬、くん?」
そこに貼ってある顔写真はさっきぶつかった彼のものだ。
もしかしたらさっきぶつかったときに落としてしまったのかもしれない。
「うーん、どうしよう?」
①なくしたことに気がついたら困るかも。すぐに追いかけて届ける
②気にはなるけど授業が優先。とりあえず届けるのは後回し。
③必ずしも自分が届ける必要性はない。誰かに頼んで渡してもらう。
107:106
07/02/06 12:33:16
スマソ。被ってしまった。
先に書いた>>105が優先だろうから>>106は忘れて。
>>105の続きドゾー↓
108:名無しって呼んでいいか?
07/02/06 14:22:05
もしかしてかぶったのって今回が初めて?
これからかぶったときも前者優先でおk?
もしも>106の展開だったら新キャラ出てたんだな。ちょっと勿体ない気がス。
109:名無しって呼んでいいか?
07/02/06 14:51:36
被ったら最初のでいいんでないかな?
でも、もったいないので、新キャラ生かすように話しを進めるw
1、「大丈夫、一人で行けるよ」強がる
春樹だってこれから授業のはずだ。
私のせいで遅刻なんてさせられない。
「でも……」
春樹は心配そうに私を見たが、私は努めて平静を装う。
「大丈夫大丈夫、保健室すぐそこだし、春樹遅刻しないように行って」
「……そこまでいうなら」
春樹は私を気にしながら、歩いていった。
それを見送ってから保健室へ向かって歩く。
「あぁ~、でも痛い、失敗したかなぁ…」
大丈夫だと思ったが2,3歩歩いただけで、激痛が走る。
壁にすがりながら、何とか歩いていると、急に体を支えられた。
「え!?」
驚いてみると、見たこともない男の子。
無表情に私を見下ろしている。
無言のまま、その男の子は保健室に歩き出す。
そのまま引きずられるように、私は保健室にたどり着いた。
「先生、けが人です」
その男の子が保健室の中に向かって言う。
「あら?御門くん?と……大堂さん?」
保健の先生が男の子を見て、それから私を見る。
御門くんと呼ばれた男の子は、私を先生に預けるとすぐに出て行ってしまった。
「あらあら…、これは結構はれるわね。少し安静にしておいたほうが良いわ」
私の足を見て先生が言う。
1.保健室で休む
2.授業に戻る
3.さっきの男の子について聞く
110:名無しって呼んでいいか?
07/02/06 20:47:51
1.保健室で休む
そのまま保健室で休ませてもらうことにする。
「それじゃ先生、あなたの教室まで行って来るわね。先生に伝えてくるから」
「あ、はい、ありがとうございます」
「ちょっと、ひどくひねっているから、熱が上がるかもしれないわ。寝ていてもいいわよ。
あ、暇なら、この本読んでてもいいし。図書室から借りたものなんだけどね」
そういって、先生は本を渡してくれる。
「そうそう、ちょっと職員室よってきたりするから、少し遅くなるかも知れないけれど、ちゃんと安静にしてるのよ?」
「はい、わかりました」
先生が保健室を出て行く。
ひねった左足の熱が全身に回ってきているようでだるい。
静かになった保健室で私はすることもなく…
1.寝る。
2.ぼーっと窓の外を眺める
3.借りた本 シ○トン動物記を読む
111:名無しって呼んでいいか?
07/02/07 10:52:33
2.ぼーっと窓の外を眺める
私は窓際のベッドに腰掛けたままなんとなく外を眺めた。
校庭では体育の授業が行われている。
どれくらいボーっとしていたのか、ふと時計を見るともうそろそろ授業が終わる時間だった。
「あ、もうこんな時間だ、…先生帰ってこないな」
そのとき、ふと視線を感じて、窓の外を見る。
校庭の隅、少しはなれたところから、私を見ている人がいる。
それは…
1.隆
2.御門くん
3.水野先生
112:名無しって呼んでいいか?
07/02/07 21:34:49
2.御門くん
さっき、保健室までつれてきてくれた男の子だった。
(確か、御門くんっていったっけ……)
その男の子……御門君は、制服姿のままそこに佇んでいる。
私が見ていることに気がついていないのか。
それとも……気がついていて、なおそうしているのか。
御門くんは私を見つめ続けていた。
1.窓を開けて声をかける
2.見つめ返す
3.視線をさえぎるようにカーテンを閉める
113:名無しって呼んでいいか?
07/02/08 01:39:37
2.見つめ返す
まだチャイムも鳴っていないのに御門君は校庭でなにをやっているんだろう?
体育の授業の見学にしては不自然だし、かといって参加するわけでもない。
サボるにしたって、目立ちすぎるし。まじめそうな外見で実は問題児だったりして……。
そんな他愛のないことを考えていると、ふと御門君と目が合った。
ジッと私に見つめられていることに気付いたのか、無愛想にきびすを返すと、御門君はその場から去ってしまった。
あ……そういえば御門君にお礼言ってないな。
一年生だったら、春樹が知っているかもしれない。帰ったら訊いてみようかな。
そんな事を考えながら、傍らの本をぺらぺらとめくっ
授業の終わりを告げるチャイムと同時に、ガラッとドアが開いた。
「ちょっと! 大怪我したって大丈夫なの?」
「香織……ちゃん」
私を見るなり飛びつくようにして、突然、香織ちゃんが近づいてきた。
「足首ひねったって、ちゃんと歩けるの?」
「うん……た、たぶん」
「熱もあるっていうじゃない。私が送ってってあげるわよ」
「大丈夫……平気」
「もう……本当に心配したのよ」
そう言いながらも、少し安心したのか香織ちゃんの顔に笑顔が戻っていた。
「ありがとう、香織ちゃん。でも本当にたいした事でもないから安心して。ホームルームまでにはちゃんと戻るから」
「ダメよ。先生から帰宅の許可も下りているんだから、愛菜は大人しく帰りなさい。わかった?」
放課後には修二君との約束があるけど、どうしよう?
1.素直に帰宅する
2.保健室に残る
3.教室に戻る
114:名無しって呼んでいいか?
07/02/08 09:15:15
2.保健室に残る
香織ちゃんの気遣いはうれしいけれど、修二くんとの約束がある。
でも、香織ちゃんを心配させるのも心苦しいので、保健室で休んでいることにする。
「ありがとう、でももう少し休んでるね」
香織ちゃんはちょっと頬を膨らませると、ため息をついた。
「仕方ないわね。次の授業終わったら鞄持ってきてあげるから、おとなしくしてるのよ?」
「わかってるって」
何度も念を押しながら香織ちゃんが出て行く。
次の授業のチャイムが鳴った。保健室の先生はまだ戻ってこない。
私はベッドに横になった。
…いつの間にか眠っていたらしい。
ふと、額にひんやりしたものが触れて目が覚めた。
「あ、姉さん、起きた?」
目を開けると、春樹がいた。
「あれ?春樹?」
「足は大丈夫?さっきまで長谷川先輩が居たんだけど、姉さん寝てたから鞄置いていったよ」
「香織ちゃん来てたんだ…、起こしてくれればよかったのに」
私は時計を見て、あわてて飛び起きる。
修二君との約束の時間が過ぎている。
「姉さん?どうしたの?」
急に起き上がった私にびっくりした春樹が私を押しとどめようとする。
「…いったぁ……」
床に足をつけたとたん、痛みが走った。
「急に動くからだよ、仕方ないなあ姉さんは」
あきれたように春樹が言う。
どうしよう…
①春樹に屋上へ連れて行ってもらう。
②春樹に修二君を連れてきてもらう。
③がんばって一人で屋上へ行く。
115:名無しって呼んでいいか?
07/02/08 09:53:47
②春樹に修二君を連れてきてもらう。
「あのね、放課後に修二君と会う約束してたの」
「修二先輩と?」
訝しげに問われた。
「そう。時間すぎちゃったから、今も待ち合わせの屋上で待っているはずだから会いにいかないと…いたっ」
足をベットからおろしたらまたしても痛みが走った。
「そんな足で何やってんだよ。あーもう、先輩をこっちに連れてくるから、姉さんはおとなしくしてて」
そういいおいて保健室を出ていった。
ほっとしたが、よく考えると春樹と一緒だと修二に話しが聞けないのではないだろうか?
(だけど、この足だと寄り道なんて春樹が許さないだろうな)
春樹のこと、どうしよう…
①修二君に判断してもらおう。
②私に関係あることだし家族の春樹にも聞いてもらおう。
③今日は事情を話して家に帰る
116:名無しって呼んでいいか?
07/02/08 12:25:12
②私に関係あることだし家族の春樹にも聞いてもらおう。
私だけでは煮詰まってしまいそうだし、春樹は信頼できる。
修二君にお願いして、一緒に話を聞いてもらえるようにしようと思ったとき。
廊下を走る音が近づいてきた。
「愛菜ちゃん!怪我したってほんと?」
息を切らせて保健室に入ってきたのは修二君。
その少しあとに、春樹がこちらも息を切らせて入ってくる。
「修二先輩、さすが、足、はや……」
「二人とも、どうしたの…?」
「俺も何がなんだか…、姉さんが怪我をして保健室にって言ったら、血相変えて走って行って…」
「誰かにやられたの!?」
私の言葉も春樹の言葉も修二君の耳には届いていないみたいだった。
「ちがうって、私が不注意で春樹にぶつかっちゃったの、ね?」
最後は春樹に同意を求める。
「うん、姉さん廊下走ってたから…」
「な、なんだ、そうか」
ホッとしたように修二君は笑う。
「それで、話のことなんだけど、春樹も一緒に聞いてもいい?春樹は家族だし」
修二君に頼んでみると、修二君はじっと春樹を見つめた。
「……姉さん変なことに巻き込まれてるのか?」
それを見つめ返しながら、まじめな顔で春樹が問う。
「どうしてそう思う?」
「さっき、修二先輩が「誰かにやられたの?」って言ってたから」
それに、修二君は苦笑する。
「あー、俺としたことが、失態だわ。まあ、いいや君は信用できそうだし。で、何が聞きたい?」
聞きたいことは…
1、水野先生のこと
2、一郎君のこと
3、隆のこと
117:名無しって呼んでいいか?
07/02/08 21:52:02
2、水野先生のこと
水野先生とことが、やっぱり気になる。
一郎君と人目を盗んでコソコソと話し合ったり、修二君を誘惑してみたりする。
目的は何? そして、隆まで誘惑してどうしようっていうの?
「水野先生の事を教えて……」
語尾が震えてしまった。私、緊張してるんだ。
「水野か。水野の事を話す前に兄貴と水野の関係を話しておいたほうがいいか」
そういいながら、修二君はベッドのそばにあるパイプ椅子に腰掛けた。
「一郎先輩と水野先生? どういう事だよ、一体……」
春樹はまったく話が見えていないようだ。
無理もないか。春樹は何も知らないんだし。
「ああ……弟君はとりあえず適当に聞いといて」
修二君は片手をヒラヒラさせながら言った。
「……」
春樹は馬鹿されたと思ったのか、何も答えず、ムッとしている。
やっぱり、こういう仕草が軽薄にみえちゃうんだろうな。実は親切なところもあるのに、損してるよ。
だけど、一郎君と水野先生の関係って……何だろう。
「昼休みに兄貴と水野が二人きりでいる所を放送部で見かけたって言ってたよな?
愛菜ちゃんは、 二人の様子について……どう感じた?」
えっと……
①恋人同士のように親しくみえた
②一郎君が先生を利用しているようにみえた
③先生が一郎君を利用しているようにみえた
118:名無しって呼んでいいか?
07/02/08 22:56:00
②一郎君が先生を利用しているようにみえた
どちらかというと、一郎君が水野先生をけしかけてる、利用してるみたいだった。
見た感じはそうだった。でもすぐにその場を離れてしまったので自信はない。
「うん、それアタリ。「兄貴は、水野を利用してる。でも、水野は兄貴から聞き出したいことがある」
修二君はそこで言葉を切って、じっと私を見つめた。
「いってみれば、水野と兄貴は化かしあいをしてるんだ。今は、ね」
少しの間をおいて、言葉を続ける。
「そして、それは俺も同じ。水野は俺からも聞きだしたいことがある」
修二君は私と春樹を順番に見ていった。
「兄貴はそれをネタに水野を利用して、俺は水野を拒絶した」
小さく笑って、修二君はまたじっと私を見る。
「水野は探し物をしている。とても、とても見つけにくいものだ」
「その情報を、一郎先輩と、修二先輩がもっているということですか?」
それまで、黙って聞いていた春樹が口を挟む。
「ん~、情報そのものじゃないんだけどね。たぶん情報へとつながる…カギ、かな?」
修二君はしっくり来る言葉を捜すように視線をさまよわせる。
「さて、そろそろ下校の時間だ、最後に聴きたいことはある?」
時計を見て、修二君が言った。時間的に今日聞けるのは後一つだけだ。
1、「水野先生が探しているものは何?」
2、「一郎君の目的はなに?」
3、「修二君はどうしてそれを私に教えてくれるの?」
119:名無しって呼んでいいか?
07/02/09 02:29:11
1、「水野先生が探しているものは何?」
私は最後の質問を修二君にぶつけた。
水野先生が探しているものは、とても見つけにくいもの―
それを知る手がかりを一郎君と修二君が握っている―
水野先生の探しているものを知れば、水野先生と隆の事も分かるかもしれない。
「水野の探しているものは、ごく一部の人にしかないものだ。それは水野を含む普通の人には見えない。
だけど……兄貴と俺は分かる。それが俺たち双子の力だから」
力って、何? もう、わけが分からないよ。
「じゃあ、水野先生は一郎君と修二君を利用して、それを探そうとしているって事?」
「まぁ、そんなに上手くいかないから、逆に、兄貴に利用されてるんだけどな」
そういいながら、薄い笑みを浮かべた。
とても優しくて、冷たい表情。
その顔が一郎君とダブって見えて、やっぱり双子なんだと思い知らされる。
「さて、そろそろ時間だ」
そう言って、修二君はパイプ椅子からゆっくり立ち上がった。
「ちょっと、待て! そんな話じゃ、姉さんが巻き込まれている理由にはならないだろっ」
そう言って、春樹は修二君の前に立ち塞がった。
「春樹……」
修二君はやれやれといった表情の後、ため息を吐くように漏らした。
「愛菜ちゃんも部外者じゃないって事くらい、気付けよ……」
そして、修二君は春樹を睨みつけると、私だけに何か耳打ちをして、保健室を去っていった。
今、修二君は私に何って言っていたのかな……
①「湯野宮隆の力が利用されようとしている。気をつけろ」
②「湯野宮隆は水野の手駒だ。気をつけろ」
③「湯野宮隆も愛菜ちゃんの力を狙っている。気をつけろ」
120:名無しって呼んでいいか?
07/02/09 09:27:31
③「湯野宮隆も愛菜ちゃんの力を狙っている。気をつけろ」
(隆が私をねらっている?)
不意に耳打ちされた言葉に、呆然とする。
隆は幼馴染だ。小さいときから知っている。
でもそんなそぶりは一切ない。
でも、修二君がウソをついているようにも見えない。
修二君の言葉をすべて信じるとしたら……。
(私、もしかしてすごく大変なことをしたのかも…?)
修二君の言葉をすべて正しいものだとするなら、私は隆に一郎君と水野先生のつながりを話してしまった。
でも、修二君が私にウソをついている可能性もある。
「……姉さん」
呼ばれてハッと顔を上げる。心配そうな春樹。
「あ、ご、ごめん…。ちょっと考え事してた」
「うん……帰ろう、姉さん」
そう言って春樹が私を支えてくれる。
保健室を出ると、向こうから隆が走ってきた。
「愛菜!怪我をしたって!?」
私は思わず、春樹の制服をぎゅっと掴む。
「姉さん?」
一瞬不思議そうな顔をした春樹は、次の瞬間何かに気づいたように険しい顔になる。
「愛菜、送っていくよ」
隆が言う。どうしよう
1.隆に送ってもらう
2.春樹に送ってもらう
3.3人で一緒に帰る
121:名無しって呼んでいいか?
07/02/09 10:05:40
3.3人で一緒に帰る
さっき修二くんが言った言葉は気になるけれど……。
仮に修二くんの言葉が本当であったとしても、今いきなり態度を変えたりしたら怪しまれてしまうかもしれない。
……それに、何より私の中にまだ隆を信じたいって気持ちがある。
だからと言って、完全に信じられるかといえば……酷い話だけど、そういうわけじゃない。
今はまだ、何もわからなすぎる。
私は今だ握り締めたままの春樹の制服をじっと見つめる。
「……」
何かに気がついたのか……春樹はこちらに視線を向けた。
そして僅かに頷く。
(ごめんね、頼りないお姉ちゃんで……)
都合のいいときにだけ春樹を頼ってしまう自分を恨めしく思う。
内心で春樹に謝りながら、私はそっと頷き返した。
「じゃ、じゃあ、3人で帰ろうよ。ね?」
顔を上げて私はそういった。
「あ、ああ」
「わかった」
私の言葉に二人はそれぞれ了承してくれた。
……隆は戸惑うように、春樹はその言葉がわかっていたかのように。
そうして、帰ることにはなったものの。
「「「………………」」」
保健室を出てからというもの、誰も一言も話さない。
なんとなく、隆に支えてもらうのも、春樹に支えてもらうのも悪い気がしてしまって、私は自分で歩いていた。
とはいえ、歩みはまさに亀のような速度。
二人が気を使ってくれるのはわかるんだけど……だからこそ、余計に沈黙が辛く長く感じる。
①隆に話しかける
②春樹に話しかける
③何もいえなくてなんとなくあたりの景色に目をやる
122:名無しって呼んでいいか?
07/02/09 10:52:13
①隆に話しかける
なんとなく沈黙に耐え切れなくなって、隆に話しかける。何も話さないのは不自然だ。
「そういえば、隆」
「ん?なんだ?」
「どこで私が怪我したって聞いてきたの?」
とりあえず、当たり障りのない話題を振る。
(香織ちゃんか、クラスの誰かだとはおもうけど……)
半ば答えの分かっている質問だった。
「どこって……………クラスのヤツだよ。迎えに行ったら居ないしさ」
(まぁ、そうだよね)
予想通りの言葉が返ってくる。
「……にしては、遅かったですね、隆さん」
唐突に春樹が言う。言葉にわずかな棘がある。
「え?」
春樹の言うことが分からず、私は春樹を見る。
「迎えに行ったって、もう下校時間ギリギリですよ?」
(あっ!)
私は反射的に隆を見る。
そう、遅すぎだ。
私を迎えにきてクラスの誰かに私の怪我のことを聞いたとしたら、保健室に来るのはもっと前。そうでなければおかしい。
私は委員会がない限り、すぐに帰宅するのが普通なのだから、わざわざ下校時間近くになって迎えに行くなんて、おかしい。
幼馴染の隆がそれを知らないわけはない。
「それは……」
隆が言いよどむ。
疑問が頭の中で渦巻く。足から発生した熱が、全身に回ってボーっとする。
「姉さん大丈夫?熱あがってるんじゃない?タクシー拾おうか?」
見かねた春樹が、私を支える。
1、タクシーを拾って帰る
2、このまま歩いて帰る
3、少しどこかで休んでいく
123:名無しって呼んでいいか?
07/02/09 19:54:17
1、タクシーを拾って帰る
頭のなかがぐるぐるする。本格的に熱が上がってきたみたいだ。
疑問だけどんどん湧いてきて、答えが全然でてこない。
「ごめん、春樹……おねがい」
一人で歩いているのもつらくなっていた。そのまま春樹にすがる。
「愛菜…」
「隆さんすみません、このまま帰りますのでここで」
隆が何かを言いかけたが、ちょうど来たタクシーをとめた春樹が言葉をさえぎった。
「姉さん大丈夫?」
「うん、ごめん……」
ぼんやりする意識で、春樹に謝る。私は本当に春樹に頼りっぱなしだ。
タクシーに乗り、春樹が行き先を告げる。
「姉さん、つらかったら俺によりかかってていいから」
「うん……」
別れ際隆を見ることができなかった。声をかけることもできなかった。
(信じたいのに……)
ぼんやりとしたまま、家に帰り着き、春樹に助けられながら部屋へとたどり着く。
そのまま、着替えてベッドに倒れこんだ。
いろいろなことがありすぎて、すぐには眠れそうにない。
今日は休んだほうがいいのはわかっているけれど…
1.自分で今日聞いたことを整理する。
2.春樹を呼んで一緒に考える。
3.無理をしてでも寝る。
124:名無しって呼んでいいか?
07/02/09 20:58:47
本当はたくさん考えたいこと……考えなきゃいけないことはあった。
だけど、その「考えなきゃいけないこと」は次々と浮かんでは消えていく。
ぼんやりとして、何一つまとまってはくれない。
「私、どうしたらいいのかな……?
これから、どうなるのかな……?」
ふと、不安になって呟く。
自分以外誰もいない部屋。
答えなんて、帰ってくるはずも無かった。
(とりあえず、無理してでも寝なきゃ……。
これ以上みんなに心配をかけたくないもの)
そう思った私は、布団を頭から被り目を閉じる。
やがて、だんだんと薄れていく意識の中で私は……
1、どこかから物音がするのを聞いた気がした。
2、今日はどんな夢を見るのだろうと思った。
3、今日一日のことを思い出していた。
125:名無しって呼んでいいか?
07/02/09 21:00:32
ごめん、選択抜けてた。
>>124は>>123の3.無理をしてでも寝る。 を選択。
では、>>124の続きをどうぞよろしく。
126:名無しって呼んでいいか?
07/02/09 21:40:25
2、今日はどんな夢を見るのだろうと思った。
私は使えない予知夢をみることがある。
あまり覚えていないし、今朝みたいに夢の名残として感情だけが残ることの方が多い。
だけど、現実になって初めて、「これはどこかで見たことがある」と何度も感じることがあった。
デジャビュっていうんだっけ……こういうの。
いい夢だといいな。
今朝みたいな悲しい気分にならない楽しい夢を見たい。
だけど、まったく思い通りにならないから本当に困る。
こんな使えない力なんて、いっそ無くなれば楽なのに。
こんなチカラ―
そういえば、修二君が私に耳打ちした時、「湯野宮隆も愛菜ちゃんの力を狙っている」って言っていた。
もしかして、私の力ってこの予知夢の事なのかな?
まさかね。よく覚えてもいない私の予知夢じゃ、馬券の一つだって当てることは出来ない。
それに、修二君が本当の事を言っているとは限らないのだ。
本格的に意識が薄れていく……
そこで見た夢は
1.私と隆がキスをしている夢
2..私と修二がキスをしている夢
3..私と春樹がキスをしている夢
127:名無しって呼んでいいか?
07/02/10 08:08:01
2..私と修二がキスをしている夢
気がつくと目の前に修二くんの顔。
驚いて目を見開く私。
キスをしている、と気づくまで一瞬の間があり……、気づいた時には修二くんは離れていった。
修二が何かを言う。
けれどその声は私には聞こえない。
(何?何をいってるの?)
聞き取ろうと意識を凝らす。
「……なんだ、ありがとう愛菜ちゃん」
やっと聞こえた声、胸が苦しくなるくらい綺麗に微笑む修二くん。
修二くんは私に背を向けて歩いていってしまう。
追いかけようと思って………
「あ……」
目が覚めた。
ぼんやりと明るい部屋の中。
そろそろ起きないといけない。
何か夢を見た気がする、少し胸が痛い。
「なんだったんだろう……?」
体を起こし、とりあえず着替えようと床に足をつけ……
「いったぁ……そういえば、捻挫してたんだ……」
熱は下がっているが、これでは歩くのも一苦労だ。
どうしよう…?
①学校を休む
②病院へ行ってから学校へ行く
③学校へ直行する
128:名無しって呼んでいいか?
07/02/12 10:40:12
②病院へ行ってから学校へ行く
熱も下がっているし、一応病院へ行ってから学校へ行こうと決める。
(そろそろ学園祭だし、休んでられないもんね)
色々気になることは多くて不安だけれど、放送委員としての準備とクラスでの出し物の準備もある。
この先学園祭に向けてどんどん忙しくなるんだ。
制服に着替え終わると同時にノックの音。
「姉さん起きてる?」
「春樹?起きてるよ」
「入るよ」
「うん」
春樹は私が制服に着替えていることに驚いたようだ。
「姉さん、今日は休んだほうがよくない?」
心配そうに足を見る。
「大丈夫だよ。それに学園祭も近くて準備も忙しくなるしね。大丈夫、ちゃんと病院にいってから学校行くから」
「そう…それなら……。ところで姉さんのクラスは学園祭なにするの?」
1、喫茶店
2、お化け屋敷
3、町の歴史展
129:名無しって呼んでいいか?
07/02/12 11:19:25
2、お化け屋敷
「お化け屋敷だよ」
私が答えると、春樹が悪戯っぽく笑った。
「……ふーん。姉さん、大丈夫なの?結構怖がりじゃなかったっけ?」
「大丈夫だよ!私、お客さんじゃないんだから!」
からかうようなその言葉に、ちょっとムッとしながら言い返す。
すると、なぜか春樹はやさしく笑った。
「ごめんごめん。
……じゃあ、下で朝食の用意してくるから。準備できたら下りてきて」
それだけ言って部屋を出て行った。
「もう……」
春樹が出て行った後、大きくため息をついた。
呆れたような言葉とは裏腹に、私はなんだか明るい気持ちになれていた。
(どうしてかな……)
知らなかった。
何気ないやり取りで、こんなにも救われるなんて。
「ありがとう、春樹……」
一人呟く。
聞こえないとはわかっていたけれど、言わずにはいられなかった。
階段を下りてリビングへ行くと、春樹はもう座って待っていた。
「ああ、来た。歩くの辛いかなって思って、タクシー呼んでおいたから。
来るまでに朝食済ませよう。さ、座って」
春樹に促されて、席に着く。
朝食はトースト、ハムエッグ、サラダ。それとスープ。
「「いただきます」」
二人で挨拶をしてから、朝食に手をつけようとして――
(……そうだ、春樹に話したいことがあったんだっけ)
不意に、そんなことを思い出す。
「……あのね、春樹」
手を止めて春樹に話しかける。
「ん?何、姉さん?」
春樹も食事の手を止めて、こちらを見た。
①「隆のことなんだけど……」
②「昨日も予知夢を見たよ」
③「御門君って男の子、知ってる?」
130:名無しって呼んでいいか?
07/02/12 11:49:01
③「御門君って男の子、知ってる?」
「御門?うーん……」
私に言われて、春樹が考えるようなしぐさをする。
「……ごめん、俺は知らないな。
1年のヤツ?」
考えこんだ様子のまま、申し訳なさそうに春樹が言ってきた。
そして逆に問われる。
「うん、たぶん……」
そう答えたものの、彼が1年生なのかはわからない。
ただ、1年生の教室の近くであったからそうなのかと思っただけ。
(お礼言いたかったし、気になることもあったから、会いたかったんだけど……。
御門君のこと、全然わからないや……)
素性も、保健室の外からのあの行動も。
御門君についてもまた、謎が多かった。
(なんて、1回……2回かな?会っただけだし、当然か)
「何?何かあったの?」
春樹が訝しげに聞いてくる。
昨日のこともあるから、余計に心配しているのかもしれない。
私は……
①素直に話す
②ごまかす
③話をそらす
131:名無しって呼んでいいか?
07/02/12 12:04:22
②ごまかす
とりあえず保健室へ運んでもらったことだけ話し、校庭で見たことは伏せた。
「そう……俺が知らないだけかもしれない。他のやつに聞いてみるよ」
春樹はそういいながら、まだ自分の記憶を探っているみたいだった。
ぴんぽーん
そこでチャイムが鳴る。
「あ、タクシーがきたのかな?姉さん準備して、ちょっと待っててもらうように言ってくるから」
「わかった」
春樹が玄関へ向かう。
私もなるべく急いでかばんを取りに行き、玄関へ向かう。
「ですから、姉さんは病院に……」
玄関へ行くと春樹の硬い声が聞こえた。
「春樹?どうしたの?」
「あ、愛菜!」
「……隆」
(そうだ、一応付き合ってるんだし、昨日も来たんだから、今日だって迎えに来て当然よね…)
「あ、あの、よ、足、大丈夫か?」
「うん、大丈夫。一応これから病院にいくし…」
「それじゃ、俺がついていくよ」
「え!?」
突然の隆の申し出に驚く。
「隆さんが付き添うのはおかしいですよ。家族でもないんですから病院の人が変に思います。
付き添いが必要なら俺が付き添いますから大丈夫です」
すかさず春樹が口を挟む。
プップッー
ちょうどそこでタクシーが到着した。
どうしよう…
1、隆につきそってもらう
2、春樹につきそってもらう
3、一人で行く
132:名無しって呼んでいいか?
07/02/12 13:48:30
3、一人で行く
「もぅ、二人とも、私だって子供じゃないんだから、一人でいけるって」
微妙な雰囲気の二人に、つとめて明るく笑う。
「私に付き合う口実で、サボろうとしてるんでしょ?まったくもぅ」
やれやれと、肩をすくめてみせて靴を履く。
「それじゃ、二人とも遅刻しないようにね?」
「うん、姉さんも、無理しないで痛かったら休むんだよ?」
「…………」
「はいはい」
春樹が苦笑ながら言う。隆は何かをいいたそうだったが、無言で頷いた。
タクシーのドアが閉まる。
行き先を告げ、走り出したタクシーの中で思わずため息をつく。
隆へどう接していいのかわからない。
修二くんの言った事が本当かどうかわからない今、態度を変えるのはおかしいことだとわかってはいるけれど…。
診察を終え、会計を済ませる。
湿布を張り替えてもらい、万が一また熱が上がったときのための薬ももらった。
病院を出ようとして、ふと視界の先に見知った顔。
それは…
①一郎くん
②御門くん
③厳格だが生徒思いの近藤先生
133:名無しって呼んでいいか?
07/02/12 17:03:23
②御門くん
御門くんだった。
「……」
玄関の柱に背を預けて、時間を確認している。
(……何してるのかな?)
疑問に思いながらじっと見ていると、不意にその視線がこちらを向く。
(わっ!)
私は思わず見えないように隠れてしまった。
御門くんは見回すようにこちらを眺めていたが、やがて視線を手元に戻す。
(はぁ……よかった)
ほっと、息をつく。
(って、よく考えたら、別に隠れる必要なかったんだよね……)
ふとその事実に気がつき、なんとなく恥ずかしくなる。
だけど、なんとなく出て行くタイミングがつかめいまま、私はそのまま御門くんの様子を見ることにした。
(それにしても、どうしてこんなところにいるんだろう?今日は普通に学校のはずなのに)
しばらく様子を伺っていると、今度は胸元から何か小さなものを取り出した。
そして、それを手の平に乗せてじっとみつめている。
「……」
その顔は相変わらず無表情のまま。
なのに、なぜだろう。御門くんから何かの感情が伝わってきた気がして。
……どこか気になった。
(何、見てるんだろう……?)
1、話しかける
2、そっと近づく
3、気にせず学校へと向かう
134:名無しって呼んでいいか?
07/02/12 18:26:48
1、話しかける
よく考えれば昨日のお礼を言ういい機会だ。
「あ、あの、御門くん?」
思い切って声をかけながら近づく。
私の呼びかけに顔を上げた御門くんは相変わらず無表情だ。
「あ、あの昨日保健室に連れて行ってもらった大堂愛菜です。昨日はありがとう」
「………」
(覚えてない、ってことはないよね、昨日のことだし……
あ、でも少しの間だったし、向き合ってたわけでもないから、顔は覚えてないのかも…)
「……いえ、足の具合はいかがですか?」
少しの沈黙の後、感情の伺えない声で御門くん。
「あ、うん、湿布もお薬ももらったし、大丈夫。まだ痛いけどね」
「そうですか、それは良かったです」
そういいながら、御門くんは持っていたものを胸ポケットにしまう。
(何だろう?金属?)
ちらりと見えたものはなにか金属の破片のように見えた。
そのまま会話が途切れる。
えーっと…
①「ここで何をしているの?」
②「今のはなに?」
③「今から学校へ行くんだけど、良ければ一緒に行かない?」
135:名無しって呼んでいいか?
07/02/12 21:59:32
①「ここで何をしているの?」
金属片の仕舞われたポケットを見つめながら、私は尋ねた。
「…………」
御門くんは無表情のまま、何も答えず私の顔を見つめている。
「学校はどうしたの?」
「…………」
御門くんは何も言わず、無表情にこちらをジッと見ている。
「どうしてこんな所にいるの? 教えて」
ポケットに仕舞われた金属片。
保健室で見た光景。
隠し事をしているような態度。
「どうしてここにいるの? ここで何をしているの? お願い、教えて」
助けてくれた御門くんを信じたい。
だから私は、心の中に生まれた『監視されているかもしれない』という疑念を振り払うために尋ね続けた。
それでも御門くんはずっと黙ったまま、私を見つめ続けている。
「答えて!」
取り乱した私を見て、御門くんがようやく重い口を開いた。
「…………わかりました」
そう言うと突然、御門くんはネクタイに手を掛け、シュルッという音をさせながら一気に外した。
ブレザーを手早く脱ぎ捨て、真っ白なシャツのボタンを外していく。
「なっ、何?」
病院の前で何を始める気なの!?
自動ドアから出てきたおばさんが奇異の目で私たちを見ている。
「まっ、待って!」
私は御門くんを止めようと必死になってその腕をつかんだ。
上半身が露わになった御門くん。
そこで私が見たものは……
①肩に巻かれた包帯
②体に埋め込まれた金属片
③文化祭用のボディペイント
136:名無しって呼んでいいか?
07/02/12 22:15:11
①肩に巻かれた包帯
「今朝、自転車とぶつかってしまって肩を痛めたので病院へ来ました」
淡々と話す御門くん。
「あ、そう、なんだ…」
私が納得したと確認すると、何事もなかったかのように制服を着る。
(そう、だよね。私の考えすぎ…、病院だもん怪我とか病気の治療に来てるに決まってるじゃない……)
取り乱してしまったことにいまさらながら恥ずかしくなる。
「ご、ごめんなさい」
御門くんは何も言わず、じっと私を見ている。
昨日も校庭から私を見ていた。
その視線に落ち着かなくなる…
1、「わ、私の顔に何かついてる?」
2、「昨日も見てたよね?」
3、「御門くんは一年生?」
137:名無しって呼んでいいか?
07/02/13 01:29:55
2、「昨日も見てたよね?」
「昨日も私の事を見ていたよね?」
私はどうしても昨日の不可解な行動が気になって思わず尋ねた。
「はい。あなたが廊下で怪我をしている姿を見かけました」
御門くんは冷静な口調で答えた。
「そうじゃないの。えっと……」
「以前にもお会したことがありましたか?」
「昨日、初めて会ったよ」
「いつ、どこで、何を見ていたのかもう一度、明確に教えてください」
淡々と御門くんは言った。
「昨日、この怪我の後にね……保健室から制服を着たまま校庭にいる御門くんを見かけたんだ。授業中だったから、少し気になって」
あの時、お互いの目が合っていたような気がする。確か、御門くんは私の視線に気付いて去っていったんだ。
「昨日は、五時限目も六時限目も教室で授業を受けていました。校庭には行ってません」
有無を言わせない、はっきりとした言い方だ。
「……そうなんだ。私の見間違いだったのかもしれないよ。ありがとう」
確かに御門くんだったような気がするけど、本人が否定しているのならきっと私の勘違いだったんだろう。
それにしても、御門くんって……
①少し変っているな
②何を考えているか分からないな
③すごく真面目だな
138:名無しって呼んでいいか?
07/02/13 09:18:27
②何を考えているか分からないな
表情に変化が乏しいのが一番の原因だと思う。
声にも感情が入っていなくて淡々としているし…。
人をじっと見るのはクセなのかな?
チャラリ~ン
「あ…」
私の鞄の中から音がする。
メール着信の音だ。
(あぶない、あぶない、マナーモードにし忘れてた…)
携帯電話を取り出す。
「では、これで」
「えっ?」
メールを確認しようと携帯電話に視線を落としたところで、御門くんは行ってしまった。
(誰かを待っているみたいだったのに……?)
疑問に思いながらメールをチェックする。
メールの送信者は…
①春樹
②隆
③知らないアドレス
139:まとめ
07/02/13 10:30:28
<現在の登場人物>
大堂愛菜:高校二年の主人公 。予知夢を見る(但し起きると内容は忘れている)
大堂春樹:主人公の義理の弟(高1)。好きな人がいるらしい。
主人公よりしっかりものなので兄にみられがち。
湯野宮隆:主人公の幼馴染で愛菜の彼氏。愛菜を狙っている?
宗像一郎:放送委員の委員長。水野を利用している。「見える力」がある
宗像修二:一郎の双子の弟でテニス部エース。一郎と同じく「見える力」をもっている。
他人を見下しているところがあり不誠実とおもわれているが、愛菜にはなぜか協力的。
近藤先生:厳格だが生徒思いの男性教師
水野先生:隆とキスしていた音楽教師。一郎に接近してなにかを探しているらしい。
長谷川香織:愛菜の親友
御門冬馬:表情の変化に乏しい。言葉遣いは丁寧。
<一人称・呼び方>
愛菜:一人称→私。春樹と隆は呼び捨て、その他キャラは君付け
春樹:一人称→俺。愛菜に対しては姉さん、隆はさん付け
隆 :一人称→俺。愛菜に対してはお前
一郎:一人称→俺。修二は呼び捨て、他は苗字
修二:一人称→俺。愛菜に対しては愛菜ちゃん、一郎に対しては兄貴
香織:一人称→私。愛菜や隆に対して呼び捨て
冬馬:一人称→僕。
<未実現の夢>
① >>91 水野先生と隆が楽しそうに話をしている夢
② >>127 私と修二がキスをしている夢
<今までのあらすじ>
愛名は隆と水野のキスを見て以来隆と疎遠になっていた。
ひょんなことから、隆と水野の関係に一郎が何か関わっているらしいことを知る。
隆からの呼び出しに応じ告白され、水野との事はこれ以上詮索しないと決め付き合い始める愛菜。
しかし修二から、水野と隆は愛菜を狙っていると告げられショックを受ける。
修二の話の正否が分からず、隆への態度も決めかねる愛菜。
不注意で足を怪我した愛名は病院へ行き、保健室へ運んでくれた御門に会う。
不可解な行動に疑問を持ちつつ、メールを確認する愛菜。
そこには……?
では>>138の続きをどうぞ
140:名無しって呼んでいいか?
07/02/13 14:17:44
②隆
それは隆からのメールだった。
『昨日からお前……、俺のこと避けてないか?
放課後ゆっくり話をしたいんだ。
ちゃんと水野との誤解も解いておきたいし、音楽室まで来れるか?』
音楽室……。
もう気にしないって決めていたのに、偶然見てしまった光景を思い出して心臓がはねた。
隆と水野先生の濃厚なキスシーン。
私と付き合う以前の出来事なのに、今でもこんなにも心を乱されてしまう。
もちろん、避けているだけじゃ恋人になった隆をいつまでも信じることは出来ない。
だけど、修二くんが耳打ちした言葉を考えると、少しだけ会うのが怖い。
私は携帯を握り締めながら、メールを隆に送る。
その内容は……
①『用事がある』と誤魔化して断る
②『わかったよ』と承諾する
③『音楽室だけは嫌なの』と牽制する
141:名無しって呼んでいいか?
07/02/13 14:40:57
②『わかったよ』と承諾する
(でも、このままで良いはずがない…)
承諾の返送をして、病院を出る。
病院の前に並んでいるタクシーに乗り学校へ向かう。
学校へ着いたときには昼休みが終わるところだった。
教室へ向かう途中で丁度昼休み終了のチャイムが鳴る。
教室へ戻って行く集団と一緒に教室に入る。
「あ、愛菜!今日は休むかと思ってたよ。足は大丈夫?」
すぐに私を見つけて、香織ちゃんが近づいてくる。
「うん、病院に寄ってきたら遅くなっちゃった」
「そっか、こんな時間になるなら休んじゃえば良かったのに。っと、先生来ちゃった、じゃ」
先生が入ってきて香織ちゃんが席に戻っていく。
授業が始まるが、隆とどうやって話そうかということばかり考えていて集中できない。
そんな事ばかり考えていたら、すぐに放課後になってしまった。
音楽室へ行かなくては…
①少し早いけどに行く
②時間ぎりぎりに行く
③やっぱり行かない
142:名無しって呼んでいいか?
07/02/13 15:40:49
①少し早いけどに行く
少し早いけど、音楽室へ行こう。
私は鞄に荷物を入れると、足を引きづりながら音楽室へ向かった。
(つ、疲れた……)
壁を這うようして、ようやく音楽室の前までたどり着くことが出来た。
深呼吸をして、乱れた息を整える。
(まだ少し早いけど、待っていればいいよね)
そう思いながら音楽室の扉に手を掛けた瞬間、二つの人影に気付いた。
隆と水野先生?
ほとんど後ろを向いていて、隆の顔はよく見えないが、笑い声が聞こえる。
呆然と立ち尽くす私に水野先生がきづいた。
扉越しの私と目があうと、何かを隆に言い、ゆっくりと顔を近づけていく。
隆もそれを制するそぶりは見せない。
この光景―
めまいで視界が歪む。
夢がフラッシュバックする。
わたしは思わず……
①逃げ出した
②その場にへたり込む
③鞄を落としてしまう
143:名無しって呼んでいいか?
07/02/13 15:56:36
①逃げ出した
きびすを返し足を引きずりながら音楽室を離れる。
怒りと悲しみと絶望とぐるぐると胸の奥で感情が渦巻く。
(どうして?)
それだけが頭の中でぐるぐると回っている。
頬を涙が伝うがそれをぬぐおうとすら思わなかった。
早くここから離れたい、そう思うのに思うように足が動かない。
数歩あるいて思わずよろける。
転びそうになった私の腕を誰かが掴んで支えてくれる。
あわてて振り替えるとそこには…
1、春樹
2、一郎
3、近藤先生
144:名無しって呼んでいいか?
07/02/13 17:26:14
2、一郎
そこには、私を支えてくれいてる一郎くんの姿があった。
「一郎……くん……」
「泣いているのか。可哀想に……」
ポケットからハンカチを取り出すと、一郎君は私に差し出してくれた。
いろんな感情が渦巻いていて、ただ涙がこぼれる。
隆の事を信じていたかったのに、決定的な光景を見てしまった。
どうしてこうなっていまったの? なにもかもわからない……。
信じたくない、認めたくない。
だけど……もしこれが本当の出来事なら、もう隆とは笑い合えない。
付き合い続けることなんて……絶対にできない。
差し出されたハンカチを握り締め、目を覆う。
石を飲み込んでしまったように、喉の奥が鈍く痛み続けている。
嗚咽でうまく息が出来ない。
まぶたが熱く火照って、重い。
「こんな所で盛大に泣いていると……他の生徒に見られてしまう。
ここから近い屋上に行こう」
そう言うと、一郎くんは私を支えながら歩き出す。
私は……
①一郎に支えられるまま屋上に向かった。
②不安を感じて、咄嗟に一郎から体を離した。
③もう一度確認するために、音楽室へ戻った。
145:名無しって呼んでいいか?
07/02/13 17:48:35
③もう一度確認するために、音楽室へ戻った。
「っ…ごめん、ちょっとだけ…」
しゃっくりあげながら、やんわりと一郎君から離れる。
(今言わないと…、今……)
何を言いたいのか分からなかった。
けれど、言わなければ、という思いがわきあがる。
音楽室へもどり、扉を開ける。
「……!あい、なっ」
隆の驚いたような顔。
「あら、大堂さん」
そして水野先生の妖艶な微笑み。
「何を…ッ…驚いて、るの?隆、私と約束……してたでしょ?」
うまく言葉が出てこない。
「……そう、だな」
隆の声が低くなる。
(言わなければ…)
何が言いたいのか分からないまま言葉が滑り出す
1、「隆、さようなら」
2、「水野先生何をさがしているの?」
3、「隆は何がしたいの?」
146:名無しって呼んでいいか?
07/02/13 19:26:21
3、「隆は何がしたいの?」
私は嗚咽をこらえながら、言った。
水野先生といるところを私に見せ付けて、どうしようっていうの?
「それは……」
隆は言いよどんで、うつむいてしまう。
「水野先生と仲良くして、なにやっているのよ!!」
もう嫌だ。何もかも。
「大堂さん。湯野宮くんと私が男女の関係と誤解しているようだけど……それは勘違いよ」
いきなり、口を開いたのは水野先生だった。
水野先生はすべて知っているような口調で話を続けた。
「湯野宮くんと私が口付けしている所を偶然あなたが見かけてしまったと、湯野宮くんから聞いたわ。
でも、それは誤解なの。少しだけ冷静になって、私たちの話を聞いてちょうだい」
こんな状況でも、水野先生は大人の笑みを絶やさない。
「そ、そうなんだ! あれは……かこ……」
隆はそう言って、水野先生を見る。
「湯野宮くんが言いたいのは過呼吸。過呼吸状態になったの私を口を塞いで救ってくれたのよ」
かこきゅう……って、何?
でも、言い訳なんてもう聞きたくない気もする。
私は……
①もう少しだけ、水野先生と隆の話を聞く。
②隆に別れを告げる。
③隆と二人で話がしたいと言う。
147:名無しって呼んでいいか?
07/02/13 19:56:24
②隆に別れを告げる。
「そう、でも、もういい!!」
私は叫んでいた。
「隆、私言ったわよね?もし水野先生とまた何かあったら、隆のこと信じられないって!!」
涙がとまらない。
「前のことは許してたのに!なのに、今のはなに!?」
「……そ、れは」
「もう、信じない!隆のことなんて信じないっ。さようなら!」
「愛菜!」
隆が叫んで、私に近づいてくる。
私は隆をにらんだまま、後ろに下がる。
と、何かにぶつかった。
「湯野宮、君はそんなに大堂を傷つけたいのか?」
一郎君だった。ずっと廊下にいたんだろう、怒りを含んだ声で隆に言う。
「俺は……」
隆が何かを言いかけ、それから口をつぐむ。
「大堂、行こう」
私は一郎君に促されるまま音楽室を離れる。
一郎君は屋上に向かっているみたいだった。
涙はとまりそうに無い。けれど妙に頭が冴えている。
(そうだ、水野先生、水野先生が何かを探していることから始まったんだ)
そして、一郎君と修二君に接触した。
一郎君は何をしたくて水野先生を利用したのだろう?
①「一郎君は何がしたいの?」
②「水野先生は何を探しているの?」
③「なんで隆に水野先生をけしかけたの?」
148:名無しって呼んでいいか?
07/02/13 23:41:50
①「一郎君は何がしたいの?」
屋上へと続く階段の途中で立ち止まって、私は問いかける。
「……?
大堂が何を言っているのか、よくわからないな」
同じように立ち止まり、不思議そうに聞き返してくる一郎君。
そのまま……短いような、長いような沈黙が訪れる。
数日前の私なら、ありのままの一郎君を信じていただろう。
一郎君は何も知らなくて、ただ隆に怒りを感じながらも私を慰めようとしてくれているだけなんだって。
だから、一郎君にはこの質問は理解できないもので、私のしていることは無意味なんだって。
そう思っただろう。
……でも、今は。
ほんの一部だけだけど……知ってしまったことがある、今は。
私は思っていることを言葉にするために、口を開いた。
①「私が何も知らないって、思ってるの?」
②「私、一郎君がわからない……信じられないよ」
③「私だって無関係じゃないんでしょ?お願いだから話して」
149:名無しって呼んでいいか?
07/02/14 06:34:42
②「私、一郎君がわからない……信じられないよ」
涙が止まらない。
私は何を信じれば良いのだろう。
「そう、か、修二か。修二が話してしまったんだな……」
ため息をつきながら一郎君がふとつぶやく。
ふっと一郎君の表情が変わる。
どこか硬く線を引いたような表情が消えた。
「すまない、大堂。君を泣かせることになってしまった」
苦しそうに一郎君が私に手を伸ばす。
とまらない涙をぬぐってくれる。
「守りたかっただけなのにな……」
言葉にかすかな後悔。
「行こう」
涙をぬぐっていた手を離し、そっと手を差し出す。
どこへ?屋上?私は…
1、ついて行く
2、どこへ行くのかたずねる
3、家に帰る
150:名無しって呼んでいいか?
07/02/14 11:45:44
1、ついて行く
私は頷いてその手をとった。
一郎君が微笑む。
そうして笑うと修二君とそっくりになった。
同じ顔なのに絶対に見間違うことがなかったのは、やっぱり雰囲気がぜんぜん違うからなんだな、とぼんやりと思う。
「足は大丈夫か?」
「うん…」
一郎君と私の間にさっきまであった見えない壁みたいなものが消えている。
一郎君がそれを消してくれたのだと分かる。
今の一郎君なら信じられる、そんな気がした。
私たちはそのまま屋上への階段を上る。
屋上の扉の前までたどり着いたとき、向こう側から誰かが扉を開けた。
それは…
1.修二くん
2.御門くん
3.春樹
151:名無しって呼んでいいか?
07/02/14 15:40:06
3.春樹
「姉さん探したよ。鞄はないのに靴は残ってるしさ…」
私の姿を見てホッとしたように息をついたのもつかの間、春樹はすぐに怖い顔になる。
「お前!姉さんに何をしたんだっ!?」
そういいながら私をかばうように一郎君との間に割ってはいる。
今にも殴りかかりそうな勢いだ。
「春樹?」
春樹の行動の不可解さにあっけにとられたが、すぐに私が泣いているからだと気付く。
「春樹違う!一郎君のせいで泣いてるんじゃないからっ」
「…いや、俺にも原因はある。責められても仕方がない」
「……どういうことだよ。昨日の修二先輩との話にも関係あるのか?」
私の制止と、一郎君の言葉に眉をしかめて春樹が問う。
「修二がどんな話をしたのかは分からないが、おそらく関係あるだろう」
「また、力がどうとかいうのか!?そんな話信じられるとでも?」
「信じる信じないの問題ではない。一部の人間にとっては現実だ」
静かに一郎君が言う。
その静けさに春樹が口をつぐむ。
「大堂、君にもそろそろ分かっているのではないか?」
一郎君が私を見る。
私は…
1「わからない」
2「夢の事?でも…」
3「そんな力はない」
152:名無しって呼んでいいか?
07/02/15 11:28:09
3「そんな力はない」
「そんな力、私には……」
一瞬、夢のことかとも思った。
だけど……あれは内容もよく覚えていない、その瞬間になって初めて認識するような――普通の夢とほとんど変わりがないものだ。
「それは、本当か?本当にそう思って、そう言っているのか」
射抜くような視線。
一郎君は私の”何か”を探るかのようにじっと見つめてくる。
そこには、先ほどまでの柔らかな雰囲気はなくなっていた。
いつもの……硬い壁のようなものを感じる。
(……どうして?)
「わ、私は……」
一郎君への安心感が……この人なら信頼できるという自分の思いが急速に揺らく。薄らいでゆく。
私は一郎君の視線から逃れるように、ただ俯くしかなかった。
「もう、やめてください」
私の声をさえぎるように言葉。
そっと顔を上げる。
春樹が半ば睨み付けるようにして、一郎君をじっと見据えていた。
「力とか、現実とか、関係者とか……仄めかすだけで、ろくに真実を告げようともしない。
姉さんを不安にさせて、あなた達はそんなに楽しいんですか?」
強い、責めるような口調のまま春樹は続ける。
一郎君は、何を言い返すわけでもなくただ冷静にその言葉を受け止めていた。
「確かにあなたたちが何をしようが何を探そうが、おそらく俺には関係ないことなんでしょう。
だけど、何も知らない姉さんを……勝手に巻き込んで、傷つけるのはやめてください」
「春樹……」
春樹は一度だけこちらを振り返って――わずかに苦笑いのような微笑を浮かべた。
そして再び一郎君へと向かい合う。
「もし、あなたたちの勝手な都合で姉さんに何かしようというのなら……傷つけようというのなら、俺はあなたたちを決して許さない」
最後に、はっきりとそう告げた。
誰も何も言わない。
ただただ沈黙が訪れる。
やがて、沈黙を破ったのは一郎君だった。
「……帰るよ。弟さんがいれば大丈夫だろうからね」
春樹から視線をそらすと、大きく息をついた。
それから階段のほうへと歩いていく。
「すまなかったな、大堂……」
すれ違いざまに、一郎君が私に囁いた。
「一郎くっ」
思わず振り返り、その名前を呼ぶ。
しかし引き止める私の声にも足を止めずに、彼は階段を下りていく。
1.一郎君を追いかける
2.春樹と一緒に帰る
3.今は一人にしておいてほしいと言う
153:152
07/02/15 11:32:00
修正ミス orz
×→私の声をさえぎるように言葉。
○→私の声をさえぎるかのような、その言葉。
だいぶ違いすぎます、本当にあ(ry
154:名無しって呼んでいいか?
07/02/15 12:37:06
2.春樹と一緒に帰る
一瞬追いかけるように足が動いたが、追いかけてどうするつもりなのかと冷静な自分が問いかけてきてすぐに止まった。
「…春樹、帰ろう」
全身を覆う脱力感。
「うん」
春樹が私を支える。足も相変わらず痛かったが、それ以上に胸が痛い。
階段を下りながら、もしも、のことを考えてしまう。
もしも、私の力のことが予知夢だったとして、きちんと内容を覚えていたらこんなことにはならなかった?
(分からない)
もし夢を覚えていたら、今日のような事態になることを避けるために私は隆に音楽室で会うことをしなかっただろう。
でも、そうすると予知夢は予知夢ではなくなる。
実現しないただの夢だ。
それなら、覚えていないほうがいいのだろうか?
でもそうなると、やはり意味のない力になる。
でも予知夢を見ることがなければ、今日のように夢で見たのに防ぐことが出来なかった、とやりきれない気持ちになることはなかっただろう。
「……こんな力いらなかった」
思わずつぶやく。
「姉さん?」
つぶやきに私を支える春樹の驚いたような顔。
無性に春樹にすべてを話してみたくなる…
①「春樹、たぶん私の力は…」
②「春樹は未来を知りたいと思う?」
③「なんでもないよ」
155:名無しって呼んでいいか?
07/02/15 16:47:42
③「なんでもないよ」
私はできるだけ笑顔を作ってそう言った。
(全部話しちゃおうなんて……自分が楽になりたいだけだ)
そんな私の衝動的で勝手な思いを、春樹にぶつけるわけには行かない。
「姉さん……?」
春樹が気遣うようにこちらを見る。
「どうしたの?帰ろう?春樹」
私も春樹を見つめ返し、言った。
……そして、私たちは歩き出す。
(ダメだな……私)
隣にいる春樹をちらりと伺いながら、ふと思う。
今までだって、「お姉ちゃんなんだからしっかりしなきゃ」なんて思いながら頼りにしてばかりだった。
春樹は優しくて……いつだって私の味方でいてくれて。
それが嬉しくて、ズルズル甘えてた。
一瞬とはいえ、私の荷物をさらに春樹に背負わせようとしてしまった。
でも、これ以上はダメだ。
これ以上、春樹を巻き込みたくない。
(私だって、春樹を守らなきゃ……)
家までの道のり、私は密かにそう決意していた。
「ふぅ……」
ベッドの中。
天井を見上げながら、小さくため息をつく。
あれから、春樹とはほとんどいつもどおりだった。
夕食を食べて、テレビを見て、話をして。
本当にいつもどおりだった。
……でも、本当は気づいていた。
いつもどおりになるように振舞っていただけだ。
(そうしなきゃ、何かが壊れちゃう気がしたから……)
私も、おそらく……春樹も。
(それにしても、夢か……)
なんとなく眠れなくて、次から次へといろいろ考える。
ううん……なんだか、眠るのが怖かった。
もし本当に、この夢を見ることが一郎君の言う『力』だとしたら――
そして、また今夜も悲しい夢を見てしまったら――
そんな思いが私の中をぐるぐる回って、眠れない。
①気分転換に散歩にでも行こうかな……。
②春樹、まだ起きてるかな……?
③今までのこと、自分なりに整理しておいたほうがいいのかな……。
156:名無しって呼んでいいか?
07/02/15 17:11:03
②春樹、まだ起きてるかな……?
ふと春樹のことが気になって、戸を開け春樹の部屋のほうを見てみる。
まだ電気はついている。
(……だめだめ、春樹は巻き込まないって決めたんだから)
また、春樹に頼りたくなってしまう自分を叱咤する。
でも眠れそうにない。
けれどこのまま部屋にいるといつか眠ってしまう。
(眠りたくない…)
私はため息をついて、部屋を出た。
キッチンへ向かい、水を飲む。
一階にはすでに人はいない。静まり返っている。
キッチンを出て、薄暗いリビングへ移動した。
電気はつけず、リビングから庭を眺めた。
「きれい……」
雲のない夜空。半分くらい膨らんだ月が静かにあたりを照らしている。
ふと、その月明かりの下何かが動いた。
(何……)
目を凝らしてみると、そこには人が…
それは…
1.御門くん
2.修二くん
3.隆
157:156
07/02/15 17:12:58
6行目の「でも眠れそうにない。」はみすです。
読むときは飛ばしてくださいorz
158:名無しって呼んでいいか?
07/02/15 18:58:03
1.御門くん
御門くんがいた。
「……」
もう夜も遅いのに制服姿のまま。
その横顔には何の表情も映さずに、ぼんやりと月を見上げている。
(一人ぼっちで、どうしてそこに立っているの……?)
こんな時間だからなのか、人通りなんて全然ない。
ただ一人、御門くんだけがそこに存在していた。
……私は一瞬、自分が何かの芝居を見ている観客であるかのような錯覚に陥る。
月はスポットライト。
道路は舞台。
役者は御門くん。
(なんだか、不思議な感じ……)
最近の出来事や今の状況から考えれば、人を呼ぶべきなんだと思う。
だけど、この静かで不思議な雰囲気のせいか……私は判断に迷った。
私はどうするべきなんだろう?
この雰囲気を壊してでも、彼に近づいて話を聞くべきか。
見なかったことにして、部屋に戻るべきか。
それとも、念のため誰か人を呼ぶべきか。
私の選択は、
①声をかける
②部屋に戻る
③人を呼ぶ
159:名無しって呼んでいいか?
07/02/15 21:24:18
①声をかける
どうしようか一瞬迷う。
部屋に戻ると眠ってしまう。
人を呼ぶといっても、春樹には迷惑をかけたくない。
「こんばんは御門君、何をしているの?」
結果私はリビングの戸を開けて御門君に声をかけている。
「月を見ています」
そんなに話したことがあるわけではないが、珍しくすぐに答えが返って来た。
視線は月から離れない。
「今日の月は綺麗ね」
私も月を見上げる。
「今日の月は泣いています」
月を見上げたまま相変わらず感情の伺えない顔と声。
「……月の気持ちがわかるのは御門君の力なの?」
月を見上げながら不思議なことを言う御門君に、私は視線を御門君に移す。
「いいえ」
御門君はあっさりと否定して、月から私へ顔を向けた。
月明かりの下、すべてが幻のように現実感がない。
(御門君はきっと何かを知っている…)
それは確信。
じっと見つめられる。いつもこうして見つめられる。
答えが返ってくるとは限らない。
むしろはぐらかされる確立のほうが高い。
私は…
①「御門君の力は何?」
②「御門君も私を狙っているの?」
③「どうしていつもそんな目で私を見るの?」
160:名無しって呼んでいいか?
07/02/15 22:10:07
③「どうしていつもそんな目で私を見るの?」
「……」
私が問うと、御門君は私を見つめたまま黙り込んだ。
そして、そっと自分の胸元に手を差し入れる。
そこから取り出した金属片。
近くで見て、初めてそれが何であるのかを認識した。
――それは小さなロケット。
私も御門君も、それをじっと見つめていた。
「確かめているからです」
やがて、ロケットを包み込むようにして握り締めながら御門君は言う。
「何……を?」
「あなたをです」
「私?」
私が自分を指差すと、御門君は頷く。
(私を確かめる?どういうこと?)
言葉の意味がよくわからなくて、首をかしげる。
私の様子を特に気にした風もなく、御門君はさらに言葉を続ける。
「あなたは変わらない人なのですね。
……記憶に刻まれたままの、そのままの人のようです」
(記憶のまま?)
そこで、また疑問が増える。
私と御門君は、昨日以前にどこかであったことがあるのだろうか?
……それにしては、言い回しがおかしい気がする。
自分のことを話しているわけではなく、誰かから聞いたことを話しているような…・・・そんな感じ。
御門君は、まだ立ち去る様子は無い。
私は質問を続けることにした。
1、「御門君は誰かから私のことを聞いていたの?」
2、「御門君は私を確かめてどうするつもりなの?」
3、「御門君がなにかと私の傍にいるのは偶然じゃないよね?」
161:名無しって呼んでいいか?
07/02/15 23:36:32
2、「御門君は私を確かめてどうするつもりなの?」
「…………」
御門君は沈黙する。
すいっと私から月へと視線を移す。
しばらく月を眺めてまた私に視線を戻した。
「わかりません」
御門君の言葉はある意味予想通りであり、まったく違ってもいた。
明確な答えが返ってこないことは予想通り。
「わからない」と言われたことが予想外だ。
御門君にはわからないことなど存在しないとなぜか思ってしまう。
しばらく無言で見つめあう。
そうして何を確かめようとしているのだろう。
(何を確かめようとしているの?)
そう口に出そうとしたとき、カタンと小さな音がする。
普段なら、聞き逃すような小さな音。
けれど静かな夜、それは思いのほか大きく聞こえた。
音のした方を見上げると部屋の窓から春樹がこちらを見下ろしていた。
「姉さん?声が聞こえると思ったら…なにしてるんだよ?」
私はあわてて御門君を見る。
(……!居ない………)
さっきまでそこに居た御門君は居なかった。
春樹にはなんて言おう…
①「…………」
②「月を見ていたんだ」
③「さっきまで今朝話した御門君がいたの」
162:名無しって呼んでいいか?
07/02/16 00:43:15
②「月を見ていたんだ」
こんな夜更けに人と会っていたなんて言えば、春樹が心配してしまう。
私はとっさに嘘をついた。
春樹は私の言葉につられる様に、夜空を仰ぎ見る。
そして、また私に向き直った。
「姉さん。月を見るのもいいけど、ほどほどにして寝ないと明日が辛いよ」
「うん、わかってる」
「怪我もしているんだし、早く寝なよ」
「うん。おやすみ、春樹」
ようやく納得したのか、春樹の姿が消えると、窓の閉まる音がした。
それにしても……さっきまでいた御門君はどこへ行ったんだろう。
まるで、月明かりの中で幻でもみているようだったな。
春樹が言っていたように、もうそろそろ寝ないと明日が辛そうだ。
私は部屋に戻ってベッドに入る。
眠らなきゃいけない。でも眠れるかなのかな。
私は……
①今日のことを振り返る
②無理をしてでも寝る
③もう一度外を見る
163:名無しって呼んでいいか?
07/02/16 07:21:22
③もう一度外を見る
私は視線だけを窓の外にやる。
カーテンが開いたままの窓からは空しか見えなかった。
おそらく御門君はもう庭にはいないのだろう。
空を見れば、月がまだ浮かんでいた。
「今日の月は泣いています……か」
御門君が言った言葉を思い出す。
私にはいつもと変わらない綺麗な月に見える。
(どうして御門君はそんなことを思ったんだろう?)
それからいろいろと考えているうちに、だんだんと意識が薄れていく。
不思議と夢に対する恐怖はあまりなくなっていた。
その日、私はまた夢を見る。
1、春樹の夢
2、一郎君の夢
3、御門君の夢
164:名無しって呼んでいいか?
07/02/16 07:50:13
3、御門君の夢
御門君の姿があった。
相変わらずの無表情のまま、私をじっと見つめている。
「……あなたが逃げずに、立ち向かうというなら」
言葉とともに、ゆっくりと御門君が私の前に跪く。
「あの人との約束だけではなく、僕自身の意思で……
僕があなたを守ります」
私をまっすぐ見上げて、静かに……だけど力強く宣言する。
(あの人……?あの人って、誰?)
私が疑問に思っている間にも、夢の中の出来事は続いていく。
「愛菜……僕の主」
微かに……本当に微かにだけど、御門君が微笑んだ気がした。
(え?)
私が思わず見入っていると、御門君はそのまま私の手を取る。
「あなたの望みのままに」
そして、私の手の甲に唇を寄せた――
そこで、目が覚めた。
窓から差し込む陽光が眩しい。
ぼんやりしたままの頭で辺りを見回す。
見慣れた私のベッド。枕。部屋。
「夢……また、夢だ……」
大きくため息をついて呟く。
(あれ……?)
そこで、ふと気がついた。
今日の夢、いつもに比べて…
1.内容が鮮明だった気がする
2.悲しくない夢だった気がする
3.感覚がリアルだった気がする
165:名無しって呼んでいいか?
07/02/16 08:40:25
3.感覚がリアルだった気がする
手を取られた。優しく、暖かな手。
ふと自分の右手を見る。
(あれ…?)
右の中指の爪に小さな赤いアザ。
(昨日まではなかったはず…、どこかにぶつけた?)
でも、ぶつけたくらいで爪にアザなんかできるだろうか?
まじまじと見る。三日月型のアザだ。
『守ります』
ふっと、御門くんの姿が脳裏に浮かぶ。
(御門くん……主……夢?)
フラッシュバック。
「夢じゃ、ない……?」
少なくともいつもの予知夢ではない。
「姉さん起きてる?」
そのときノックとともに春樹の声。
「あ、うん。起きてる」
「入るよ」
そう断って、春樹が入ってくる。
「足はどう?」
まだベッドの上に居る私に、春樹が心配そうに尋ねてくる。
「だいぶいいよ」
「そう、良かった……」
一瞬の沈黙。
「……姉さん、今日は休んだら?やっぱり一日安静にしてたほうがいいと思うんだ」
春樹が目を伏せて言う。
その仕草で、春樹が私を心配しているのだとわかる。
(昨日いろいろあったしね……)
心配するなという方が無理なのかもしれない。
私は…
1.学校を休む
2.学校へ行く
3.考える
166:名無しって呼んでいいか?
07/02/18 18:02:02
1.学校を休む
最近、いろいろありすぎてとても疲れていた。
何よりも今までの出来事を自分なりに考える時間がほしい。
「うん、今日は学校を休むことにするよ」
「俺もその方がいいと思う。た・だ・し」
春樹は私の目の前に指を突き出す。
「必ず安静にしておくように」
(やっぱり、春樹にすごく心配されてる…)
「信用ないなぁ。この足じゃ、無理なんて出来ないよ。ていうか、春樹は心配し過ぎ」
私は春樹の突き出された指を掴んでひねってみた。
「いてて!痛いな……何するんだよ!?」
①「弟のくせに生意気だからよ」
②「心配してくれて、ありがとう」
③「私は平気だから、大丈夫」
167:名無しって呼んでいいか?
07/02/18 20:10:50
②「心配してくれて、ありがとう」
自分でもだいぶひねくれているなと思うけれど、素直にお礼を言うのも気恥ずかしい。
春樹は一瞬驚いた顔になり、それから少し眉をしかめる。
「……そう思ってるなら………」
「?」
言葉を続けない春樹に、首をかしげる。
少しの間の後、春樹はため息をついていつものような優しい笑みを浮かべる。
「今日は絶対に家から出ないこと!いいね?」
「わかってるってば!」
「そう?それじゃ、俺は学校行くから」
春樹はそういって部屋を出て行った。
その後しばらくして、玄関のほうから春樹の「いってきます」と言う声が聞こえた。
それを聞きながら、なんとなく外に目を向ける。
今日はとてもいい天気だ。昨日の夜のように、雲が無い。
考えたいことは色々ある。
今、一番気になるのは…
1、水野先生の探し物のこと
2、一郎くんや修二くんのいう「力」のこと
3、夢と爪のアザのこと
168:名無しって呼んでいいか?
07/02/19 10:36:27
1、水野先生の探し物のこと
やはりここ数日の出来事の始まり。
水野先生の探し物が気になる。
修二君はとても見つけにくいものだといった。
ごく一部の人にしかないもので、普通の人には見えない。
それが一郎君と修二君には分かる。
修二君が言うには、私は部外者ではない…。
隆も私の力を狙っている。
そう、隆「も」と修二君はいった。
なら、水野先生がねらっているのは、私の力?
「でも、私に力なんて…」
そこで、どうしても行き詰ってしまう。
もし、予知夢が力だったとしてもそんなものどうして探しているのか?
「ぜんぜん分からない…」
ため息をついて、時計を見る。
いつの間にかお昼近くなっていた。
だいぶ考え込んでいたみたいだ。
そのとき、カツン窓から音がした。
「?」
窓から下を見てみるとそこには…
①一郎君
②修二君
③隆
169:名無しって呼んでいいか?
07/02/19 13:05:44
②修二君
修二君がいた。
窓から見ている私に気がつくとひらひらと手を振ってくる。
「どうしたの?学校は!?」
窓を開けて修二君に問いかける。
静かな住宅街に私の声は思いのほか大きく響いた。
「愛菜ちゃん、しーっ……」
修二君はあたりを気まずそうに見回しながら、唇に人差し指を当てて「静かに」とジェスチャーをする。
「あ……」
慌てて両手で口を塞ぐ。
幸い、ご近所さんからは何の反応も返っては来なかった。
「学校は、ね……サボってきた♪愛菜ちゃんがいないからさ」
修二君はいたずらっぽく笑いながら言う。
…・・・その言い分に、私の中からは苦笑いしか出てこなかった。
「な、何それ……」
1.「ダメだよ、ちゃんとまじめに授業受けなきゃ」
2.「私がいなかったから……って私に何か用があったの?」
3.「人目につくから、とりあえず上がって」
170:名無しって呼んでいいか?
07/02/19 13:42:04
3.「人目につくから、とりあえず上がって」
修二くんが私に用事があるのは明らかだ。
でも、こんな状況では落ち着いて話も出来ない。
「玄関に回って。カギ開けるから」
「うん、ごめんね~」
大げさに誤る仕草しながら、修二くんが玄関の方へ行く。
急いで玄関の鍵を開ける。
「ありがとう、愛菜ちゃん」
「ううん、あがって?わたしずっと立ってるのつらいから」
「無理させちゃってごめんね」
修二くんをリビングに通す。
二人分のお茶を用意して戻ってくると、修二くんがソファに座ったまま外を見ていた。
「おまたせ。どうかした?」
「ありがとう。なんでもないよ」
お茶を修二くんの前に置く。と、修二くんの視線が私の手に釘付けになっている。
「あい、な、ちゃん、この爪のアザは…?」
「え?あ…」
言われて唐突に思い出す。
①いつの間にかあったと答える。
②夢での出来事を話す。
③今気づいたと言う。
171:名無しって呼んでいいか?
07/02/19 15:28:20
①いつの間にかあったと答える。
「いつの間にかあったの。
……たぶん、昨日までは無かったはずなんだけど」
私は少し手を引っ込め、アザを見つめながら答える。
「…ちょっとよく見せてくれる?」
「え?あ、,う、うん」
その言葉に恐る恐る手を差し出した。
修二君は私の手を取り、そこにあるアザを凝視する。
「これは…もしかして、力の?」
ふと真剣な表情のまま呟いた。
どうやら、修二君には何か心当たりがあるみたいだ。
(何か、重要なものなのかな?)
どうしよう。
答えてくれるかはわからないけど、聞いてみようか?
それとも、先に他の事を聞いてみようか?
「あの…」
思い悩んだ末、私は口を開いた。
①「修二君はこれが何なのかわかるの?」
②「ところで修二君の用事は何なの?」
③「さっき外を見ていたけど、気になるものでもあったの?」
172:名無しって呼んでいいか?
07/02/19 16:16:42
①「修二君はこれが何なのかわかるの?」
修二君はアザを見つめたまま、首をかしげる。
「う~ん、はっきり分からない。俺と兄貴二人そろってれば…もっとちゃんと分かるんだけど」
修二君は私の手を離して言葉を続けた。
「俺と兄貴は、同じ力を持ってるって言うのは前はなしたよね?」
「うん……」
「双子だから相乗効果があるのか、もともと一つの力が二つに分かれたのか分からないけど、二人そろってると力が飛躍的にあがるんだ」
「そう、なんだ?」
力といわれてもピンと来ないが、修二君にとっては身近なものなのだろう。
「そうそう、それで見えすぎちゃってね~、それはそれでアレだからあんまり近づかないようにしてるんだよ」
そういえば、二人そろっているところは余り見ない。
「と、まあ、俺たちの力の話は置いといて…愛菜ちゃん昨日はアザには気づかなかったんだよね?」
「うん…」
「それじゃあ、昨日の夜いつもと変わったことはなかった?」
いつもと変わったこと…御門君と夢のことがふっと浮かぶ
1、「昨日の夜、御門くんって男の子に会ったよ」
2、「不思議な夢を見たの」
3、「………特に、なにもなかったよ」
173:名無しって呼んでいいか?
07/02/19 19:59:19
3、「………特に、なにもなかったよ」
気がつけば、私はそう答えていた。
確かに昨日御門君に出会ったことや、夢のことはいつもとは違うことだったのかもしれない。
だけど、それをおいそれと話してしまっていいのだろうか?
私一人のことなら、あるいはこのことに関わっていると確信が持てる人ならまだよかったかもしれない。
でも、ここで話すべきかも知れないことには多かれ少なかれ御門君が関わっている。
その御門君に関して、私が知っていることはほとんどない。
仮に話したとして――もしも、御門君がこのことに何の関係も無い人だったら?
もしも、御門君まで巻き込まれることになったら?
そうなったからでは手遅れだ。
(それに……)
目の前にいる修二君を見る。
彼は私が答えたあとから、未だに沈黙し続けていた。
(今はまだ、修二君も信用していいのかわからない)
だから、今はまだ話せない……それが私の考えだった。
場は静かになり――二人の視線だけが交わされる。
私は修二君の、修二君は私の……”何か”を探るように。
そのときだった。
プルルルルルッ
唐突に電話が鳴る。
その音で、私は急激に現実に引き戻された気がした。
「……電話みたい。ちょっと待っててね」
修二君に一声かけて私は立ち上がる。
できるだけ急いで電話に駆け寄り、その受話器を取る。
「はい、大堂です」
電話の向こうから聞こえてきた声は……
①春樹
②近藤先生
③一郎君