コードギアス 反逆のルルーシュ LOST COLORS SSスレ 12at GAL
コードギアス 反逆のルルーシュ LOST COLORS SSスレ 12 - 暇つぶし2ch2:V.V.
08/07/27 20:26:49 nzPp8K6j
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3:傷心のピンクもふもふ ◆0rhUU6uqDE
08/07/27 20:29:27 hm7uiqKn
「おや、どうしたんだい、ルルーシュ?そんなに真剣な顔をして」
「ライか。…もうすぐキューピッドの日が始まってしまうんだ」
「そうだよ…けど作戦は万全。何か問題が?」
「……ないんだ」
「何が?」
「ネタが無いんだ!」

THREAD 12『ネタ ギレ!』

「いいことじゃないかルルーシュ。これを機に、シリーズを完結させよう」
「ライ…しかし、これを楽しみにしている人が、もはやこのシリーズしか読んでない人だって!」
「大丈夫。そんな人いないよ」
「それは慰めているのか、けなしているのかどっちだ?」
「咲世子さん、このお茶美味しいですね」
「誤魔化すな!くそ…俺は…どうしたら……」
「しょうがないな。こうなったらロロに全住民の体感時間を止めさせてみるか」
「そんな事出来るはずないだろう!」
「じゃあ咲世子さんに代わりに書いてもらう?」
「そんな訳にいくか、どんな天然文章を書くか分からん!これ以上俺のイメージを崩されてたまるか!!もういい、俺が書く!」
「ふふ…」
「な、なんで笑うんだライ」
「いつものルルーシュに戻った」
「な……」
「君はもっと尊大な人間だ。ネタ切れなんかに負けるのか?こんな時だからこそ、SS職人として腕が試される時じゃないか!」
「そうだ…俺は今までいったい何を……すまない、ライ!ちょっと投下してくる!!」


「ふぅ……本当はSSやめて欲しかったんだけど…ま、あのままでいるよりかは、ずっといいよね」
「私、ライ様とルルーシュ様がキスするのではないかとドキドキでした」
「咲世子さん……どうしてそういう考えに……」
「でも、少しは本気だったのでは?」
「え……うん、ほんのちょっと…ね(アッー!)」

4:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 20:30:50 w6ngZC/s
>>1
乙です!

5:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 20:31:29 nD5JioyQ
>>1
乙!!
>>3
wwwwwww


6:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 20:31:47 VCOvtYdE
>>3 はや!
乙&GJでした!

7:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 20:31:48 XJAt3kFB
>>1
 乙
>>4
 毎回いいタイミングで投下されまあすなあw

8:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 20:34:56 ewe2ySMM
>>1

>>3
次回はついにオレンジ卿ですね、わかります
そしてGJ!

9:KOUSEI ◆tYEsc9pKQ2
08/07/27 20:36:11 UJLMGvFY
 傷心のピンクもふもふ卿お疲れ様です。私は毎回楽しみにしていますよ。
 と、改めましてこんばんわKOUSEIです。
 スレを立てていただきありがとうございます。新スレ一発目とは光栄の極み。
 では前スレからのみなさんの厚意に支えられて、前回の続きを投下したいと思います。

 もはやおなじみですが。
<オリキャラ。オリ設定注意!>です。

○ロイ・キャンベル。
 0007-0290参照

○クラブ・コンクエスター
 0007-0290参照。トーマス卿に感謝。

○ライ
 
 黒の騎士団において作戦補佐の地位についていた少年。アッシュフォード学園の仮入学の学生という表の顔も持つ。
 ゼロからは絶対的な信頼を受け、ゼロの隣には常に彼の姿があった事から“ゼロの左腕”と呼ばれる。
 “ゼロの右腕”である紅月カレンとは恋仲であるとの説が有力。また、ライを黒の騎士団に勧誘したのも、この紅月カレンである。
 青い専用の月下を駆り、その“ゼロの左腕”の名の通り、戦術・戦略にと幅広くゼロの力となったが、一年前、
 エリア11で起きたブラックリベリオンにおいて、学友であったナイトオブセブンに逮捕・拘束され、一週間後処刑された。
 その正体については謎が多い。

10:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 20:37:23 XJAt3kFB
支援

11:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 20:37:57 nD5JioyQ
支援

12:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 20:38:04 J/QLVDdp
支援

13:KOUSEI ◆tYEsc9pKQ2
08/07/27 20:39:19 UJLMGvFY
  ターン4『政庁 防衛戦』Aパート


 三人のラウンズ。ジノ、ロイ、アーニャは並んで細い輸送機のタラップを降りる。
 ロイは自分が身に着けている慣れない青紫のマントに、少し違和感を感じながら、それでも背筋を伸ばしてキビキビと歩く。
 今回のエリア11への赴任はノネットからマントをプレゼントされてからの、初めての任務である。
 この青紫のマントをしている以上、ロイの恥はノネットの恥に繋がる。 
 ロイは彼女に恥などかかせないよう、いつも以上に気合を入れて任務に取り組もうと思った。
 そんな事を考えながら、ロイはしっかりとした足取りで、エリア11に降り立つ。
(?)
 と、その時。ロイはこの場の異様さに気が付いた。
(迎えが無い?)
 輸送機の周りには誰もいない。通常、ラウンズが植民エリアに入国しようものなら、迎えの騎士数人が車を用意して待っているものなのだが。
「ねぇジノ。僕達の到着は、ちゃんと伝えてあるんだよね?」
 ロイは、背後に立つ長身の男に問いかけた。
 すると緑色のマントに身を包んだナイトオブスリー。ジノ・ヴァインベルグは、
「ああ、そのはずなんだけどな。きっとみんな忙しいんだろ」
 と、いつも通りの無邪気な笑顔を浮かべて答えた。
 ロイは眉をひそめた。
「忙しい? そんな馬鹿な。いくら忙しいって言ったって、誰も迎えに来ないなんて事はおかしくな―」
「そんな小さい事気にするなよ。ラウンズは心の広さも持ち合わせてないとな」
「……そんなものかい?」
「そんなもんだ。それよりロイ」
 と、ジノはロイの肩に軽く手をポンっと置いた。
「悪いんだが、お前一人で俺達二人分の入国の手続きもやってくれないか?」 
「? それは構わないけど。なぜだい?」
 ロイの問いに対して、ジノは肩をすくめてみせた。
「実はブリタニア出発の時点で俺の“トリスタン”とアーニャの“モルドレッド”の調子がどうも良くない。いつ戦闘になるか分からないし、少しでも早く政庁で整備しておきたいんだ」
 ロイは「ああ、そういう事なら」と頷いた。
「構わないよ。じゃあ僕がまとめてやっておく」
「ああ、すまないがよろしく頼む」

14:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 20:39:40 4V4XpSt0
風呂はいる前に支援

15:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 20:39:56 XJAt3kFB
支援

16:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 20:40:53 CQLFVHWT
支援

17:KOUSEI ◆tYEsc9pKQ2
08/07/27 20:41:57 UJLMGvFY
 と、その時。今まで二人の会話を黙って聞いていた少女、ナイトオブシックス。アーニャ・アールストレイムは、はてなと首を傾げた。
「ジノ。私の“モルドレッド”の調子は別にどこも悪くな―」
 アーニャは、その言葉を全部言う事は出来なかった。
 言いかけたアーニャの口を、ジノの長い腕が伸びてきて塞いだからだ。彼女は口を塞がれて「むぐっ」と呻く。
「はいはい。という訳でアーニャはお兄さんと一緒に、先に政庁に行きましょうね~」
「……」
 無言で暴れるアーニャを、ジノはその長い腕を器用に使って抑える。そして、ニマーと笑った。
「大丈夫大丈夫。怖くないってアーニャ。後でお菓子買ってあげるから、大人しくお兄さんについてきましょうね」
「それじゃあ、まるで人攫いだよジノ……」
 ロイがため息混じりに突っ込むと、ジノはこちらに手をヒラヒラと振り、
「いいからいいから。あとで合流しようぜロイ」
 といまだに暴れるアーニャを片腕で器用に抑えながら、気持ち悪いほどニコニコと笑う。
 ロイは少し怪訝に思ったが、だからと言ってジノがアーニャに危害を加える事などあるわけないので、どうせまたジノの無意味な悪い冗談だろうと思う事にした。
「分かった。じゃあ、僕は。手続きを済ませてから政庁に向かうよ。じゃあね」
「ああ、いってらっしゃ~い」
 そう言ってロイは青紫のラウンズマントを翻し、二人に背を向け、ターミナルに向かって歩き出す。
 アーニャだけは相変わらず無言で暴れていた。

 ○

 三十分後。
 ジノはご機嫌だった。
「なんだなんだ。こんなものか? 大した事ないな、ここの守備力も」
 そう言ってジノは操縦桿を巧みに操作すると、彼の愛機であり戦闘機である“トリスタン”は空を舞うツバメのような機敏さで、空を縦横無尽に飛び交う。
 遅れて、その“トリスタン”の通った軌跡の後に多くの銃撃が浴びせられた。
「♪」
 ジノは鼻歌混じりで“トリスタン”を旋回させ、機首を地上のナイトメア群に向けた。
 その地上にいたナイトメアは“ブリタニア軍のサザーランド”だったが、ジノは迷わず二つのスラッシュハーケンを発射する。
 打ち出されたハーケンは弧を描いて敵の“サザーランド”に襲い掛かり、計六機のナイトメアを易々と切断した。


18:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 20:42:56 +w702s6r
支援

19:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 20:42:58 L8mVzORN
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20:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 20:43:33 0ernWwjb
支援

21:KOUSEI ◆tYEsc9pKQ2
08/07/27 20:44:08 UJLMGvFY
「攻撃方法は中々良かったよ諸君」
 ジノは、切断された“サザーランド”のコックピットから這い出す騎士達に労いの言葉を呟き、次の標的を探す。
 すると、“トリスタン”のモニターに、一人の少女が映し出された。
 アーニャだった。ラウンズのマントはしておらず、あの腹出しルックのパイロットスーツ姿である。
『……ねぇ、ジノ』
 アーニャは、何かにおびえるように言った。
 アーニャは今ジノとは違う場所で、専用機の“モルドレッド”を駆り、戦闘の真っ最中だった。
 そのせいか、顔はしっかりとジノを見つめているが、その手はせわしなく動いている。
「どうしたアーニャ、そんな顔をして。強い奴でもいたか?」
 ジノが聞くとアーニャは首を横に振った。
「じゃあ、どうした?」
 しばらく、アーニャは黙っていたが、やがてゆっくりと顔を上げて言った。
『ロイに、怒られない?』
 その顔は見事に不安そうな色に染まっていた。
(ああ、なるほどね……)とジノは納得した。
「怒るんじゃないか? あいつは“こういうノリ”は嫌いだろうし」
『……』
 アーニャの顔が明らかに暗くなる。
 ちなみに“こういうノリ”とは、政庁の守備力を試すために、その政庁にラウンズが攻撃をしかけるようなノリの事だ。
 そして、ジノとアーニャは今現在そのノリの真っ最中だった。
「アーニャ。さっきも言ったが、ここの守りが弱いって事は、それはお前の大切なナナリー総督の危険に直結するってことだ。だから、これは新総督のためでもあるんだ」
『それは、分かってるけど……』
 俯くアーニャ。ジノはナナリーの名を出したのはちょっと卑怯だったかなと思いつつも訂正はしなかった。そもそも、言っている事に間違いは無い
「もし、ここの守備隊がこのまま俺達の突破を易々と許すようなら、後でラウンズの名の下に、守備部隊を増強するよう命令しないとな」
 すると、アーニャは少し考え込んで。
『……分かった』
 と、しぶしぶ了解し、彼女は意識を戦闘に戻した。しかし、まだ通信は繋がっているのでジノは一応言っておく、
「おっと、くれぐれもやりすぎるなよ。死人なんかもっての他だからな」
『分かってる。ロイに怒られるならまだしも、嫌われたくはない』

22:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 20:44:25 LdqqldVX
支援

23:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 20:46:00 XJAt3kFB
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24:KOUSEI ◆tYEsc9pKQ2
08/07/27 20:46:56 UJLMGvFY
 というアーニャの言葉を最後に通信はプツンと切られた。
 ジノは思わず笑ってしまった。
「はは。アーニャの奴。相変わらず、ベタ惚れだな」
 ラウンズの間では周知の事実だが、アーニャはロイの事が好きだ。
 それが異性としてなのか、それとも単なる年上の男性に対する憧れなのかは分からないが、とにかく好意を抱いている。
 だが、残念な事にその好意は、本人―つまりロイには伝わっていない。
(ロイはアーニャの事を妹分として見てるからなぁ……)
 ロイはアーニャに好意を持っている。しかし、それはアーニャがロイに向けるそれとは全く種類が違うものだ。
 こう言ってはなんだが、それがやがて悲しい結果にならないかと、ジノは少しだけ不安になる。
 あと五年。いや、三年もあればアーニャは美しく成長する。その時は、流石にロイだってアーニャに“女”を感じる事になるだろう。
 そうなれば、ロイだって鈍いけど馬鹿じゃない。
 ちゃんとアーニャの気持ちにも気付くだろうし、それを受け入れるか受け入れないかは知らないが、うやむやにはせず結果はきちんと出す。ロイとはそういう男だ。
 だから、時間さえ経てば、きちんと結果は出るし解決はする。
 しかし、
(この職業はいつ死んでもおかしくはないもんな……)
 ラウンズという高い地位は、任命された騎士に様々な権利と特権を与えるが、普通の人が持っている様々なものを奪う。
 その一つが時間だ。この地位はいつも死と隣り合わせで、しかもそれは唐突にやってくる。そう、時間は終わるのだ。唐突に。
 だから、くっつけるなら、とっととくっつくべきだとジノ思うが、残念ながら、現実問題それは厳しい。
 ロイは鈍い。
 当のアーニャもなんだかんだで押しが弱い所があるから。何か劇的な外的変化でもない限りは二人の仲は当分平行線だろう。
(まぁ、結局こういうのは本人同士と時間の問題なわけであって俺にはどうしようも無いわけだが……)
 それでも。とジノは思う。
 アーニャもロイもジノにとっては大切な友人だ。友人には幸せになってほしいし。悲しい結末にはならないでほしいと思う。
(スザクにも言える事だけど……)
 ジノは呆れ顔で髪をポリポリと掻く。
 こう改めて考えてみると、どうもジノの周りの男は病気と思えるほど色恋沙汰に鈍い。

25:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 20:47:13 XJAt3kFB
支援

26:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 20:47:24 HWsIQMfj
支援

27:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 20:47:28 0ernWwjb
支援

28:KOUSEI ◆tYEsc9pKQ2
08/07/27 20:49:08 UJLMGvFY
 全くもってそんなのに想いを寄せる女性陣が不憫に思えて仕方が無い。
 と、そんな思考に、レーダーの電子音が介入した。
 KMFの反応が二つ。
「おっ、まさか、あれは」
 ジノは今までの思考を引っ込ませ、新しいおもちゃを見つけた子供のような顔で笑った。
 目の前には二騎の“グロースター”。しかし、カラーリングがその“グロースター”がただの雑魚では無い事を示していた。
 グラストンナイツ。今は亡き勇将ダールトン将軍が鍛え上げた一流の息子たちの総称。
 その内の二人が前に立ちはだかっていた。
『どこのだれだか知らないが、ここまでだ』
『よくも、好き勝手暴れてくれたな』
 二騎のグロースターから、静かだが怒りを含んだ声が外部スピーカーを通して響く。同時にそのグロースターは大型のランスをどっしりと構えた。
 その光景を見て、ジノは少しがっかりした。
 戦闘機相手に大型ランスなんか持ってきてどうするつもりだったのかと、理解に苦しんだからだ。
「失格。その武装は拠点を守る事に適してはいるが……」
 まぁ、それでも相手が一流の腕を持つ騎士なのは変わりは無い。なら、今回はあえて相手の土俵に上がって楽しむ事にした。
「仕方ない」
 ジノは操縦桿を、横にグイッと動かす。
 すると“トリスタン”に変化が起こった。戦闘機から、腕が、足が、そして、頭部が現れる。
 やがてそれは一騎のKMFになった。スマートな体躯に、二本の角が生えたような頭部。どことなく、その姿は死神を彷彿とさせた、
 その一連の変化を目撃した“グロースター”のパイロット達が驚きの声を上げる。
『なに! まさか!? あなたは……』
『可変KMF“トリスタン”……。そういう事でしたか。ジノ・ヴァインベルグ卿』
 二人の驚きの声に対して、ジノは満足そうに鼻を鳴らす。
「ああ、君たちを試しに来た。私を止めてみたまえ」
 “トリスタン”は二振りのMVSを連結して、鎌にも似た槍にし、敵を牽制するように真っ直ぐに構えた。
 すぐに“グロースター”から、怒りを押し殺した声が響いた。
『いいでしょう、私たちも、このままでは収まらない』
 その声を嘲笑うかのように、ジノはあえて軽薄に言った。
「ああ、本気で頼むよ」
『ッ! 言われずともぉ!!』

29:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 20:49:42 CQLFVHWT
支援

30:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 20:49:58 XJAt3kFB
支援

31:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 20:51:03 HWsIQMfj
支援

32:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 20:51:23 0ernWwjb
支援

33:KOUSEI ◆tYEsc9pKQ2
08/07/27 20:51:46 UJLMGvFY
 火に油を注がれた騎士の叫びに呼応して、二騎の“グロースター”が槍を構える。そして怒り狂った虎の勢いで“トリスタン”に猛進した。
「ありがとう!」
 “トリスタン”はその二騎を迎え撃つように槍を振り上げた。
 この時、ジノの頭の中では、すでに二騎の“グロースター”を倒す構図が一瞬で浮かびあがっていた。
 あとはそれを実行に移すだけ。しかし……。
「って、あれ!?」
 その“グロースター”の大型ランスを打ち払うはずだった“トリスタン”の槍は大きく空を切った。
 二騎の“グロースター”が“トリスタン”と打ち合う直前に大型ランスを引き、大きく迂回してトリスタンを通りすぎたからだ。
 そしてあろうことか、“グロースター”はそのまま一目散に逃げていった。
 ジノはその光景を見て、一瞬呆然とした。だが、すぐにハッとして正気に戻る。
「お、おいおい。マジかよ! 音に聞こえたラウンズが逃走!? そりゃあ無いんじゃない!? 逃げるなよ卑怯者~!」
 ジノは“トリスタン”のランドスピナーを唸らせ、地面に煙を上げてその後を追う。しかし、中々追いつけない。
 仕方ない。相手は一流の操縦技術を持つ騎士が操る“グロースター”。
 その性能を完全に逃げる事に費やされてしまえば、このトリスタンでも追いつくのは難しい。
「ちっ、逃げ足だけは速い」
 ジノは、戦闘機に変形して追いかけようか一瞬迷う。
 その時……。

 ○

 “グロースター”のパイロット。グラストンナイツのエドガーとクラウディオは背後に迫るナイトオブスリーから全力で逃げながら苛立っていた。
『おい! 一体いつまでこうして逃げていればいればいいんだ! ここまでされておめおめと背を向けるなど!』
 クラウディオがモニター越しに、コックピットを震わす程大きく怒りの声を上げる。もちろんエドガーも同じ気持ちだった。
 しかし、“トリスタン”に突撃した瞬間、“グロースター”の通信が開いて、ある上官に、
 “トリスタン”とは戦闘をせず、指定されたポイントまで撤退するよう命令されたのだ。部下である自分達はそれに従わなくてはいけない。
「気持ちは分かる! しかし、“あの方”の命令には従わなければならないだろう!」

34:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 20:52:05 XJAt3kFB
支援

35:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 20:52:10 HWsIQMfj
支援

36:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 20:52:30 X0DiH+da
しえん

37:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 20:52:38 GKjQCK76
支援

38:KOUSEI ◆tYEsc9pKQ2
08/07/27 20:54:18 UJLMGvFY
 すると、クラウディオは吐き捨てるように言った。
『知ったことか! あんな成り上がり者の言う事など―』
「よせクラウディオ! 音声は全部記録に残るんだぞ!」
 その時、背後から爆発音がした。
 エドガーがハッとして振り返ると、
「なっ―」
 思わず息を飲んだ。
 そこには、炎に包まれる“トリスタン”の姿があった。

 ○

 炎に包まれていく“トリスタン”の中で、ジノは冷静に各種計器に視線を走らせた。
 損傷は軽微。いや無傷と言っても良い。ただ炎が上がるだけの操作式地雷だったようだ。
「こんな物……一体何のつもりだ?」
 しかし、炎に包まれて視界は奪われた。
 ジノは機体を跳躍させて炎を払い消す。
 炎が散って、再び視界が開けた時、すでに二騎の“グロースター”の姿はどこにも無かった。
 ジノは不快感丸出しで舌打ちをした。
「ちっ、この隙に襲い掛かってくるぐらいしろよ」
 その時、敵にロックされた事を知らせるアラームがコックピットに鳴り響いた。
 ジノは素早く“トリスタン”に回避行動を取らせる。
 同時に、さっきまで“トリスタン”がいた場所に、ライフルとバズーカの弾が降り注がれて爆発と粉塵が巻き起こる。
「攻撃? 新手か!」
 ジノが視線を上げると、そこには三騎の“サザーランド”がこちらに銃口を向けていた。
 新たなおもちゃの登場に、ジノはニヤリと笑った。
「へぇ、奇襲か。まぁ、俺達以外だったら有効な戦術だったと思うよ」
 さっそく迎撃しようと、ジノは“トリスタン”の腕―スラッシュハーケンを前に突き出す。しかし、発射はしなかった。いや、できなかった。
 三騎の“サザーランド”が一目散に引いて、通路と壁の奥に消えてしまったからだ。
「って、なんだよ。また逃げたのか……」
 ジノはその瞳を少々険しくして、逃げた“サザーランド”の後を追う。

39:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 20:55:13 HWsIQMfj
支援

40:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 20:55:25 XJAt3kFB
支援

41:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 20:55:58 GKjQCK76
全力で支援!

42:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 20:56:10 9PwU7xNI
支援

43:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 20:57:16 UJLMGvFY
「まったく。どいつもこいつもちょこまかと。少しお仕置きが必要だな」
 “トリスタン”をKMFから戦闘機に変形させ、スピードを上げると、その“サザーランド”の小隊にはすぐに追いついた。
 追いついた場所は、“トリスタン”が飛びまわれる程の、大きなホールになっていた。
「はい、ここまでですよ。っと」
 “サザーランド”を照準に捉える。そしてスラッシュハーケンを打ち出そうとしたその時、 
「!」
 横から銃撃が降り注ぐ。
 ジノは達人級の反応速度で操縦桿を操作した。
 間に合った。“トリスタン”は宙に舞い上がって銃撃をかわす。
 ジノは攻撃を加えてきた相手に視線を送る。そこにいたのは、グラストンナイツの“グロースター”だった。
 先ほどとは違い、大型ランスの他にライフルを装備している。
「先回りしていたのか!? ……だが」
 と、その“グロースター”に機首を向けようとした時、またそれを阻むように多数の銃撃。新手の“サザーランド”の小隊だった。
「ぐっ」
 マズイ。
 ジノは完全に虚をつかれた形になった。しかも、やっかいな事に、さっきまで追いかけていた“サザーランド”の小隊までもが反転し、こちらに銃撃を浴びせ始めている。
 いや、それだけじゃない。
 今まで気付かなかったが、レーダーを見ると“サザーランド”の三個中隊がそれぞれ別方向からこちらに近づいている。いや、今到達した。
 ライフルの黒い銃身が一斉に向けられ、倍以上に増える銃撃。破壊力を持った鉛は、まるで嵐の暴風に混ざる水滴のように縦横無尽に“トリスタン”に襲い掛かる。
 それでもジノは、巧みに“トリスタン”に回避行動をとらせ。その銃撃を避け続ける。
 とんでも無い空間把握能力と空戦能力である。並みの騎士ならいくら高性能KMFの“トリスタン”でもとうに撃墜されているだろう。
 だが、そんな並みの騎士ではないジノでも、今の状況はあきらかにマズかった。ここはいくら広い空間とはいえ所詮は施設の中。
 限られた空間では“トリスタン”の高い機動性能はフルには生かせない。
 ジノは全方位から浴びせられる銃弾を機敏な機動でかわしつつ、小さく舌打ちした。
「読んでたのか? 俺がサザーランドを追ってここにくると……。いや、まさか誘われた?」
 敵の集合速度が迅速すぎる。

44:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 20:57:33 HWsIQMfj
支援

45:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 20:57:45 VCOvtYdE
>>33 音に聞こえたラウンズ→グラストンナイツ、では?
そして貴公らは少し冷静に支援しろ!

46:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 20:57:58 XJAt3kFB
支援

47:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 20:58:10 0ernWwjb
支援

48:KOUSEI ◆tYEsc9pKQ2
08/07/27 20:59:53 UJLMGvFY
 おそらく、敵の司令官は、あらかじめ“トリスタン”がここに来ることを見越して、部隊に指示を出していたのだろう。
 そうでなければ、いまの状況の説明がつかない。
 つまり、
(完全に嵌められたって事か……)
 中々どうして優秀な指揮官がいるようだ。
 こうなれば、一時撤退するのが定石だが。
「くそっ!」
 ジノは地上のグラストンナイツの“グロースター”を睨みつけた。
 撤退しようにも、あの二騎の“グロースター”が逃走に使えそうな通路を巧みにその機体で塞ぎつつ広い範囲に掃射を繰り返してきている。
 しかもそれは敵を倒す攻撃じゃない。敵を逃がさない射撃だ。確かに、あのように撃たれれば、射線が限定されていないだけに予測しずらく安易に近づけない。
(少々やっかいだな……)
 逃げたいのは山々だが、そのためには最低でもあの“グロースター”の内のどちらか一機を倒さなければならない。
 しかし、あの“グロースター”は帝国でも指折りの騎士と名高いグラストンナイツが騎乗する“グロースター”。
 先ほどのように二対一の状況に持ち込んでいるならまだしも、今は敵の“サザーランド”の援護攻撃も馬鹿みたいに激しい。よってその撃破も容易では無い。
 だからと言ってこのまま長引けば、敵の数が増えるだけ。
 と、ジノはここに来てはたと気付いた。
(おいおい、まさかこの俺が……)
 チェックメイトされる一歩手前。
 この状況になるように、それを全て一人の指揮官が部隊に指示を出したなら、それは大したものだ。
「くっ! ラウンズを舐めるなよ!」
 ジノは“トリスタン”を変形させ、銃弾の壁を突き進んだ。

 ○

(おかしい……)
 アーニャ・アールストレイムは“モルドレッド”のブレイズルミナスを展開し四方からの銃撃を防ぎながら、状況を見る。
 今、アーニャは敵に囲まれていた。
 この数分間おかしいことだらけだった。敵を追いかけても、すぐに撤退する。追いついて攻撃を加えようとすると、また違う場所から攻撃が来る。
 そして気付いたら見事に敵に囲まれていた。
 しかも、こちらには量産型の“グロースター”が多い。

49:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 21:00:53 XJAt3kFB
支援

50:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 21:01:31 9PwU7xNI
支援

51:KOUSEI ◆tYEsc9pKQ2
08/07/27 21:03:34 UJLMGvFY
 それらが、バリア―ブレイズルミナスを止めると。大型ランスを構え、それこそ槍衾のように襲い掛かってくる。
 射撃能力に優れた“サザーランド”を“トリスタン”に回し、格闘能力の高い“グロースター”を射撃武器は効果が薄い“モルドレッド”に回す。
 実に理にかなった配分だ。おかげで、こちらにはミサイルを撃ち込むヒマもない。
 いや、それだけではない。
(この人たち、急に動きが良くなった……)
 この政庁に突入した頃は、その守備力に落胆していたアーニャだったが、ある時を境に、急に全ての部隊が一つの意志の元に組織的に動くようになった。
 そして、こちらの行動は常に先回りされて驚くぐらい絶妙なタイミングで敵からの奇襲を受ける。
 アーニャはやっかいだと思った。もちろん少しだけだが。
(と言っても……)
 ピンチ。というわけでも無い。
 アーニャは、チラリと上―天井を見る。そこには、大きな穴があり、青い空が見えた。
 それは、アーニャが政庁に突入するときに開けた穴だった。
 実は、アーニャは形勢不利と見るや、追い詰められるフリをして、ここまで戻ってきていたのだ。
(ブレイズルミナスを展開しつつ、上空に退避。天井を盾にして態勢を立て直し。折を見て再突入。ミサイルで一網打尽……)
 そこまで考えた後、アーニャは「あっ」と言って、顔を上げる。
(ちゃんと殺さないように注意しないと……)
 もし、こんな事で死人を出そうものなら、怒られるだけでは済まないだろう。下手をすれば彼に完全に軽蔑されるかもしれない。それだけは耐えられない。
 そう決めると、アーニャは“モルドレッド”を空に上げ、上空を目指す。
 下からの銃撃は相変わらず激しいが、ブレイズルミナスを下方に集中させれば問題ない。
 そして、“モルドレッド”が穴までの高さの半分ぐらいまで浮上した所で。
「!」
 青い空が見える大穴の中心を、下から赤黒い閃光が通過し雲の隙間に消えていった。
 その光景に驚き。思わず宙に浮かんだまま立ち止まる“モルドレッド”。
「あれは……」
 間違いない……ハドロン砲の光だった。
「誤射?」
 いや、それにしては。対象である自分と距離が開きすぎている。これは、きっと……。

52:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 21:04:29 CQLFVHWT
支援

53:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 21:04:55 XJAt3kFB
支援

54:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 21:04:57 LdqqldVX
支援

55:KOUSEI ◆tYEsc9pKQ2
08/07/27 21:05:55 UJLMGvFY
(警告……)
 その射撃は“穴を通過しようとしたら、こうやって撃ち落す”と言っているのだ。
「……」
 今、ブリタニアのKMFでハドロン砲が装備されているのは三騎。このモルドレッド。ランスロット。そして……。
 アーニャは恐る恐る、その目を地上に向ける。するとそこには。
 青い騎士の姿があった。
 その騎士は新しく装備された兵器―可変ハドロンブラスター狙撃モードの細長く展開された砲身を緩慢な動作で穴から、この“モルドッド”に向ける。
 同時に、コックピット内に敵からロックを受けた事を知らせるアラームが鳴り響く。
「……」
 アーニャの顔に変化は無い。相変わらずの無表情な顔で、その青い騎士。ナイトオブゼロ専用騎“ランスロット・クラブ”を見つめている。
 しかし、その淡々とした顔には似合わない冷たい汗がだらだらと流れ始めていた。
 通信を知らせるアラームがした。
 アーニャは少し体を震わせた。そしておそるおそる通信を開く。
 <音声オンリー>の表示。しかし、すぐに誰か分かった。その声はとても聞き覚えのあるものだったから。
『まだこんな馬鹿な事を続けるかい? アーニャ』
 アーニャは、ここにきてその顔を一気に曇らせる。
 理解した。きっと、途中からこの人が指揮を執ったのだろう。ならば、手加減していたとはいえ、自分がこれだけ追い詰められたのも納得だった。
 アーニャは言葉に迷ったが、無理やりひねり出した。
「あのねロイ……私はナナリー総督のために―」
 アーニャはジノに言われた(丸め込まれた)言葉を思い出しながら、その<音声オンリー>と表示されているモニターに身を乗り出して話しかける。
 しかし、アーニャが言葉を言い終わる前に、
『アーニャ』
 アーニャは小さく肩を震わせる。モニターからは続けて、
『僕はね……まだ続けるのか? と聞いているんだよ』
 というドスの効いた声が響いた。
 アーニャは愕然とした。
 マズかった。これは非常にマズかった。この声は、温厚な彼には珍しく本気で怒っている時の声だった。
 アーニャは、急いで外部スピーカーの電源をオンにした。そして、
「降参する……」 
 と、即座に“モルドレッド”に両手を挙げさせた。
 
 ○

56:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 21:06:28 XJAt3kFB
支援

57:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 21:07:30 LfHjI6nM
支援

58:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 21:08:01 CQLFVHWT
支援

59:KOUSEI ◆tYEsc9pKQ2
08/07/27 21:08:18 UJLMGvFY
「まったくジノめ。アーニャまで巻き込んで」
 ロイは“クラブ”の狭いコックピットの中で大きくため息をついた。
 まず、空港にだれも迎えに来ていないという時点でおかしいと思った。
 そのあと、エリア11への入国手続きをしている過程で、このエリアにラウンズの赴任決定は伝わっていたが到着時刻が知らせれていない事を知った。
 そのせいで手続きにはいつもの倍の時間がかかった。いま思えば、多分それもジノの計算の内だったのだろう。
 そしてその手続きの途中で政庁が襲われていると聞いて、その政庁に来てみれば襲っているのは見慣れたKMFが二騎。
 ロイはすぐジノの悪ふざけを理解した。
 その後、ロイはすぐに愛機に乗り込むと、司令室に通信を開き、ラウンズの権限の元に、この政庁の指揮権を拝借した。
 そして、今にいたる。
 “モルドレッド”は両手を挙げて、ゆっくり降りてくる。
 アーニャはきっと、ナナリー総督のため。とか丸め込まれてつき合わされたのだろう。
 しかし……どんな経緯があれ、事を起こした以上それは本人―アーニャの責任である。それが一人前の騎士というものだ。
 友のためにというその動機は確かに美しい。だが、その行動は決して許されることではない。
 ロイは鋭い瞳で、着地した“モルドレッド”を一瞥する。
 これで一つ片付いた。あとは“トリスタン”だけだ。
 ロイは、再び“クラブ”のレーダーに目をやって“トリスタン”と交戦中の部隊の様子を眺める。
(さすがといった所だなジノは。これだけの布陣で包囲しているにも関わらず、こんなに手間取るなんて……)
 改めて味方で良かったとしみじみと思う程の獅子奮迅ぶり。ロイは感嘆のため息をもらした。
 しかし、それはロイの予想の範囲内でもある。
(まぁ、時間の問題だな)
 ロイは、“トリスタン”と交戦中の部隊に通信を開く。
「ナイトオブゼロより各部隊に通達。
 G1、G2はライフルを捨て、大型ランスで接近戦をしかけろ。“トリスタン”の変形途中を狙え。
 チームアルファはそのまま前進。
 チームベータはポイントHに移動後、待機。“トリスタン”の視認を待て。
 チームガンマとデルタ。そしてシータはその場で分散し“トリスタン”への射撃を継続しろ。

60:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 21:09:05 XJAt3kFB
支援

61:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 21:11:15 CQLFVHWT
支援

62:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 21:11:15 LdqqldVX
支援

63:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 21:11:19 OW0f3qEz
支援

64:KOUSEI ◆tYEsc9pKQ2
08/07/27 21:11:27 UJLMGvFY
 当てなくてもいい。広い範囲での掃射を心がけろ。とにかくジノ―じゃなかった。奴に空を自由に往来させるな」
『イエス・マイ・ロード!』
 そう答える騎士達の声は力強い。最初、騎士達は命令しても、本当に自分たちがラウンズに勝てるのだろうか、と気弱な者も多かったが、
 “モルドレッド”を捕らえ、“トリスタン”と政庁守備隊の戦闘もいまやどうみても守備隊の方が有利。
 有利な状況に身を置くと、人間不思議なもので、恐怖心なんて一気に掻き消える。
「よし、ほとんどの問題はクリアされた。あとは……」
 ロイが眼鏡の分厚いレンズ越しに、レーダーを見ながら思案を巡らせていると、ピピピッという電子音。
 通信だった。ロイはそれ開く。
 モニターには、少々困った顔をした若い騎士の姿が映った。
『キャンベル卿。アールストレイム卿を確保―いえ、保護? いえ、なんと言いますか……』
 若い騎士はしどろもどろに喋ってやがて口をつぐんでしまう。
 その騎士の後ろには、“モルドレット”から降りたアーニャの姿があった。
 どことなくその姿は、悪戯をして、しかられるのを待つ子供のように肩をショボーンと落としていた。
「……」
 それは、思わず全てを許してしまいたくなるような姿だったが、ロイは兄貴分として、心を鬼にした。
「確保でいい。すぐに拘束しろ」
『ええ!?』
 戸惑う騎士。ロイは小さくため息をつく。
「それができないなら、ナイトオブシックスには罰として政庁にある女子トイレ“全て”の掃除をさせろ。本人には私がそう言ったと伝えればいい」
『いや、ですが―』
「話は以上だ、これより私はもう一人の悪戯っ子の襟首を捕まえにいく」
『イ、イエス・マイ・ロード……』
 ロイは無造作に通信を切った。
「ったく……」
 ロイは“クラブ”のフロートシステムを起動させ、フワリと空に舞い上がった。 

65:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 21:12:05 XJAt3kFB
支援。 君ら支援多すぎ。書き込む前にリロードして確認するくらいのことしようよ

66:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 21:13:15 rCGedrCV
リロードしてもタイミング的に重なることもあるんだぜ、支援

67:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 21:13:47 LdqqldVX
いや他は知らんがリロードで確認してるんだが・・・支援

68:KOUSEI ◆tYEsc9pKQ2
08/07/27 21:14:36 UJLMGvFY
 ○

 天井の大穴から空に上がっていく“クラブ”を見ながら、ロイに通信を送った若い騎士は困った顔で息を吐いた。
「ロイはなんて?」
 後ろから、ナイトオブシックス。アーニャ・アールストレイムが不安そうな顔で話しかけてきた。
 若い騎士は、振り向きざま背筋を伸ばす。そして少し迷って。
「あの、ナイトオブゼロ様はナイトオブシックス様に、罰として政庁全ての女子トイレの掃除をさせろ、と……」
「……」
 ナイトオブシックスがスッと眉間に皺を作る。
 若い騎士は慌てて、口を開いた。
「ああ、すいません! やるわけ無いですよね! ナイトオブシックス様がそんなトイレ掃除なんか……」
「あなた」
「は、はい!」
 ビクッ! と体を震わせる若い騎士。怒られると思った。
 しかし、その可憐な桜色の唇から出た言葉は若い騎士の予想と違っていた。
「トイレはどっち?」
「……へ?」
 若い騎士が素っ頓狂な声を上げる。対してアーニャは淡々と言った。
「トイレはどこかと聞いてる」
「え、あ、あちらですが……」
「そう。ありがと」
 すると、アーニャは若い騎士の指を指した方向に歩き出し、懐から携帯を取り出すと、どこかにかけて、それを耳にあてた。
 しばらくして、相手が出る。
「セシル? 私。うん、そう。トイレ掃除のやり方教えて。何でか? ロイにそう言われた……」
 そして、ナイトオブシックスは罰として課せられた政庁のトイレ掃除に向かっていった。

 ○Bパートに続く。

69:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 21:14:41 XJAt3kFB
支援。>>66-67 了解。すまん言い過ぎた。

70:KOUSEI ◆tYEsc9pKQ2
08/07/27 21:16:48 UJLMGvFY
 投下終了です。支援感謝です。あとスレ立ても改めて感謝です!
 今回は録画の本編見ながら投下しました。
 今週はカレンのララパルーザが良かったです。
 ああ、あとジノが少し色男でしたねw。
 感想ご指摘ありましたらよろしくお願いします。

 というか、早速のご指摘ありがとうございます。
 すいませんトーマス卿。またメールを送らさせていただきます。本当にすいません……。

71:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 21:18:46 4V4XpSt0
>>70
相変わらず見事な戦闘シーン描写GJです。

72:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 21:20:15 ntTtHkfh
GJ
あと >>55
この“モルドッド”に向ける。
モルドレッドですよね?

73:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 21:24:09 VCOvtYdE
支援は一つあったり人が多いと感じたら各自で自重すればいいと思います
>>70 KOUSEI卿、GJでした!
政庁襲撃、こうなりましたか
そして素直なかんじのアーニャが可愛かったです!
続きが非常に楽しみです! 貴公の次の投下を全力でお待ちしております!

74:保管者トーマス ◆HERMA.XREY
08/07/27 21:25:18 nzPp8K6j
お疲れさまでした。

前スレ968氏へ 予備回線で試みることを宣言するべきでした。IDを見ればわかると思いますが、
このスレ立てたの私です。次からはちゃんと言いますのでご容赦ください。

75:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 21:42:36 lfuseS6p
ロイがカッコよくて、凹んだアーニャが可愛らしすぎる!
もうヒロインはアーニャで良くないか? そんな事を思わざる得ない今日この頃。
GJです!!

76:ピザの配達人 ◆l.sZv3iNKk
08/07/27 21:47:13 y0O3khEc
こんばんは!毎度ありがとうございます!
今日もSSをお届けに参りましたw
今回は短編をお持ちいたしました。トッピングは・・・・ラスト部分だけライ×C.C.となります
あと注意ですが、今回は自分には珍しく黒の騎士団ルルーシュエンド後となります
それではお召し上がりくださいw

77:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 21:47:34 w6ngZC/s
支援します!

78:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 21:47:51 4V4XpSt0
いただこうか

支援

79:ピザの配達人 ◆l.sZv3iNKk
08/07/27 21:48:47 y0O3khEc
「光り輝く世界」


行政特区日本が設立して数ヶ月が立った。
僕はゼロと共に特区日本の政務に追われていた。
はっきり言って休む暇などもない。あのC.C.ですら僕に無理難題を言ってくることがなかった。
色々な問題が発生し、僕は右往左往しながらもこの状況を楽しんでいた。
そんな時だった。
「ライ、明日は俺もお前も休日だ。久しぶりに学園に行かないか」
ゼロもといルルーシュが僕にそう話しかけてきた。
「いいね、皆からメールは着てて元気なのは分かるけどやっぱり会いたいよ」
僕が特区日本の重要なポストになってから生徒会の皆から毎日のようにメールが届いた。
今日はどんなことがあったとか、ミレイの思い付きがとんでもないとか、色々あった。
仕事の合間に僕はそういったメールを見て返信するのが楽しみだった。
「それじゃあ、さっさとこの仕事を終わらせるぞ。まずは本国からの・・・・・」
僕は仕事をしながらも明日のことで胸が躍っていた。

80:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 21:49:28 VCOvtYdE
冷静かつ全力で支援しよう

81:ピザの配達人 ◆l.sZv3iNKk
08/07/27 21:50:48 y0O3khEc
「な、何だか緊張してきたな」
アッシュフォード学園に向かう車の中でライは落ち着かない様子だった。
「今更何を言っているんだ。先週の会議でブリタニアの貴族達にあれだけ演説をしておいて」
「それは・・・・その・・・・・うぅ・・・・」
「あの時の「あなたたちは本当に特区日本のことを考えているのか!」は正直驚いたぞ。
 しかもあれは生中継だったからな。またファンが増えたんじゃないか?」
特区日本の重要なポストをこれだけ若い少年が就いたことに最初は逆風があった。
しかし、それは1ヶ月で追い風へと変わっていた。
今ではライのところへは日本人やブリタニア人の激励やファンレターが届きまくっている。
他にも日本やブリタニアの貴族たちからは見合いの話が何度も来ていた。
いつの間にかそれはC.C.が断っているらしい、助かっているけれど。
「そういえばその時の皆のメールは見たかい?」
「怖くて見てないよ」
そう言うライの言葉にルルーシュは楽しそうに笑っていた。

82:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 21:51:49 VCOvtYdE
全力で支援!

83:ピザの配達人 ◆l.sZv3iNKk
08/07/27 21:54:02 y0O3khEc
学園に着いて車を降りた瞬間唖然とした。
お祭り状態だといってよかった。
そこにはライの到着を待っていた生徒たちがたくさん詰め掛けていた。
「まるでアイドルだな」
そうやってライに笑いながらルルーシュは話しかける。ライは苦笑いを返すしかない。
ライとルルーシュはそのままクラブハウスへと向かっていった。
「それじゃあ、ライ。お前が先に開けるんだ」
そう言ってルルーシュは扉の前にライを招き、ライはゆっくりと扉を開ける。

パンパパンッ!!

ライが扉から入った瞬間たくさんのクラッカーが鳴っていた。
そして、同時に・・・・・・
「「「「「「「「「「おかえりなさい!!」」」」」」」」」」
そうやってクラブハウスの中には生徒会メンバーを始め、たくさんの生徒が溢れていた。
「おかえり、ライ君!ささっ、こっちこっち」
シャーリーに引っ張られてライはホール中央の階段の踊り場まで連れて行かれた。
そこでは他の生徒会メンバーが全員集まっていた。
上の大弾幕には『ライくんおかえりなさい!』と書かれていた。
「おかえり、ライ」
「ミレイさん、えっと・・・・・ただいまです」
そう答えるライにミレイは満足そうに頷く。
そして、マイクを持ったリヴァルがライのところへとやってくる。
「ほらほら、皆にもただいまって言ってやれよ」
そう言われライはマイクを持つとホールにいる生徒たちのほうを向いた。
「えっと・・・・こんな風に盛大にしてもらっちゃってびっくりしました。
 でも、凄く嬉しいです。皆、ありがとう。そして、ただいま!」
ライの言葉が終わると大きな拍手や歓声が沸き起こった。

84:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 21:54:50 ntTtHkfh
支援

85:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 21:56:47 qRgYtQZX
支援

>>83
大弾幕→横断幕?

86:ピザの配達人 ◆l.sZv3iNKk
08/07/27 21:57:52 y0O3khEc
「は~い、ではここでプレゼントがありま~す」
そう言うとミレイの横からユーフェミアとスザクが現れる。
「ユ、ユーフェミア皇女殿下!?それにスザクまで」
「ライさん、もう何度も言っていますが私もスザクのようにユフィと呼んでください」
「久しぶりだね、ライ」
いきなりの2人の登場にライは目を白黒させている。
「あなたへのプレゼントはこれです」
そう言ってユフィから手渡されたのはカードだった。
「これは・・・・・IDカード?」
「あなたのIDカードです。持っていなかったでしょう?」
「えっと、でも僕は・・・・・・」
何の記録もない人物のカードを作るなんてことは無理なはずだ。
「ユフィは皇女殿下だぞ、それぐらいの無理は簡単に通るってことだ」
横でルルーシュが笑いながらライの肩を叩いてくる。
「あれ?でも、これ・・・・・生年月日の部分・・・・今日が・・・・・」
「そう!今日はライがこの学園にやってきて丁度1年目なのよ!」
「お前の誕生日に今日ほどの日はないというわけだ」
そうやって答えるミレイとルルーシュにライは言葉が出なかった。
「ライ、泣いてるの?」
心配そうなカレンの言葉にライは自分が今泣いていることに気が付いた。
「え・・・・あ・・・・うっ・・・・ありがとう、みんな・・・・・本当に」
ライは涙が出そうになるのを耐えながらルルーシュたちへとお礼を言った。

87:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 21:58:33 w6ngZC/s
sienn

88:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 21:59:06 CQLFVHWT
支援

89:ピザの配達人 ◆l.sZv3iNKk
08/07/27 22:01:03 y0O3khEc
「それじゃあ、ニーナ。引っ張っちゃって!」
「う、うん」
ミレイの号令でニーナが横弾幕から垂れている紐を引っ張る。
すると先ほどの横弾幕が外れ、別の横弾幕が現れていた。
そこには『ライくん、おかえりなさい!そして、お誕生日おめでとう!』と書かれていた。
「ライさん、こちらに来てもらえますか」
そこにはナナリーが咲世子さんに車椅子を押されながらやってきていた。
その膝の上には大きなバースデーケーキがあった。
「本当だったらガニメデで世界一のバースデーケーキ作る予定だったんだけどね~」
「そ、そんなことしなくていいですって!」
いつもの盛大な思い付きにライは驚いた顔に他の全員が笑っている。
「それじゃあ、皆!歌うわよ!」
ミレイさんの号令でその場にいた生徒全員での大合唱が行われた。
ある者は真面目にまたある者は笑いながら、ふざけあいながら、楽しそうに歌っている。
「ライさん、ふ~ってしてください」
「うん、ありがとう。ナナリー」
そうやってナナリーから差し出されたケーキにライは息を吹いた。
そして、ライがロウソクの火を消し終わるとまた盛大な歓声が沸き起こった。

90:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 22:02:42 ntTtHkfh
支援

91:ピザの配達人 ◆l.sZv3iNKk
08/07/27 22:03:21 y0O3khEc
「・・・・・・ふぅ」
ライは少し席を外してテラスに出ていた。
未だにホールではたくさんの人が集まっての大騒ぎである。
いつの間にか黒の騎士団メンバーまでやってきていた。カレンが呼んだんだろう。
「何だ、疲れたのか?」
呼ばれた方を振り向くとそこにはC.C.が1人でピザを食べていた。
「C.C.君も来てくれていたのか」
「気まぐれだ」
「そっか」
そうして嬉しそうに笑いながらライはC.C.の隣に座る。
「なぁ、ライ」
「なに?」
「お前にとってこの世界は優しいか?色はあるか?」
そんな質問にライは驚いたもののやがて優しそうに笑った。
「あるよ、綺麗で温かくて優しくて、僕には眩しいくらい輝いてる」
「そうか」
C.C.はライの言葉を聞くと嬉しそうに微笑んでいる。
「ねぇ、C.C.。今度は僕やルルーシュが君の世界に色を付けるよ」
「ほぉ、面白いことを言うな。難しいぞ?」
だが、そうやって答えるC.C.の言葉からは期待の色が見える。
もしかしたらC.C.は長い間、そんな色のある温かい世界に憧れていたのかもしれない。
ライは今のC.C.を見てそう感じていた。
そんな2人の元へルルーシュがやってきた。
「ライ、こんなところにいたのか。っと、C.C.お前までここに来ているとはな」
「気まぐれだ」
「そうか、そういうことにしておいてやろう。
 ところで、ライ。会長がまた何やら思いついたようだ、止めるのを手伝ってくれ」
「分かった。じゃあ、C.C.さっき言ったこと絶対実現させてみせるよ」
そう言って笑いながらライはルルーシュと共にパーティー会場へと戻っていく。
それを見送りながらC.C.はフッと唇の端を上げる。
「もう色は付き始めているさ。お前やルルーシュたちのおかげでな」
そうやって見上げた空は気持ち良いくらい澄んだ青空だった。

92:ピザの配達人 ◆l.sZv3iNKk
08/07/27 22:07:26 y0O3khEc
以上でした!いかがでしたでしょうか?
さて、何で誕生日ネタを書いたかというと自分が誕生日だという凄く個人的な理由ですorz
しかし、最終的なオチを作っていませんでしたw自分でもビックリw
まぁ、こういうのもいいですよね?
それでは、また次の配達で!

>>85
ご指摘どうもです、ありがとうございましたw

93:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 22:07:40 EIM0BSRj
支援

94:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 22:08:42 7W4QNQ/M
GJ!!
家に帰って来て見てみたら12にたどり着いてて驚いたw
今日は勢いがあるな。

95:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 22:12:53 ntTtHkfh
>>92
GJ 「自分が誕生日~」がオチになるのでしょうなw

96:保管者トーマス ◆HERMA.XREY
08/07/27 22:14:01 +w702s6r
毎度の配達お疲れ様です。大弾幕については既に修正して保管済みですw

97:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 22:15:17 VCOvtYdE
>>92 ピザの配達人卿、GJ&おめでとうございました! 今回も美味しくいただきました!
そういえば黒の騎士団篇ではIDなかったなー
貴公の次回の配達を全力でお待ちしております!

98:カズト
08/07/27 22:40:45 mfjaN+Iu
今開きましたな

新しいのができましたので投下します

タイトル「魔界潜入指令」

ブリタニア軍人編です 

カップリング・なし

オリジナルキャラ

「グランドマスター」 とある違法物の販売を仕切る大元締めまたはそれを意味する称号


全体は書きあがっていますが長いと思いますので分けるためにあえて
3つに分けます

1捜査編2 対決編3完結編

注意事項 どっかで聞いたキャラクターが出てきますが特に気にしないで下さい
       
       少し壊れてるキャラもいます


99:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 22:44:28 +w702s6r
皆の者、支援じゃー!

100:カズト
08/07/27 22:45:33 mfjaN+Iu
魔界潜入指令 捜査編
第一話 初めての潜入捜査

ある朝 ブリタニア政庁に呼ばれた僕は
普段使われていない地下の会議室へ向かった
将軍直々のお呼びである、特派として役に立つチャンスだ
そこにはダールトン将軍がいた 早速敬礼する
「ダールトン将軍!ライ=ランペルージ准尉、お呼びに預かり参上いたしました!」
「うむ!早速だが任務の話に移らせてもらう 君の今回の任務は潜入捜査を行ってもらう」
「潜入捜査・・・・でありますか?」
「うむ、年に数回行われるといわれるある違法物の販売会が
シンジュクゲットーのある場所で行われるという情報をつかんだ
そこで君にはそこに潜入してもらい
人物と建物の位置関係を把握し随時報告
警察との連携により売人の一斉検挙
そして、大元の主催者である「グランドマスター」
と呼ばれる人物の確保に当たってもらいたい
君の仮のデータはこの封筒にある 「グランドマスター」は黒の騎士団に繋がってるとも噂されてるからな。この任務、失敗は許されん!!」
「イエス!マイロード!!」
「そこでだ 潜入に当たって用意した服装がある」といって将軍は指を鳴らした
ドアが開き入ってきたそれは…え?これって……

101:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 22:46:40 CQLFVHWT
支援

102:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 22:46:56 +w702s6r
支援!って私だけ!?

103:カズト
08/07/27 22:46:59 mfjaN+Iu
第二話 カオスの世界

そこはまさに魔界と呼ぶにふさわしいカオスの空間そのものだった……
ぽぷよん ぽぷよん
会場にいる売人達からはまさに欲望、妄想、邪念などといった
負のオーラが沸きだし会場中を覆っているようにも見えた……
さらには、周りの人間の何割かが、普段とは違う服装を身にまといブツを売りさばいたり別のブースで買い物をしていた
ぽぷよん ぽぷよん
「すみません写真いいですか?」
またか、むげに断る事もできないなあ
「ぷいにゅー」(わかりました)
この着ぐるみってボイスチェンジャーの故障なのか、何を言ってもコレしか言わないようにできているようだ

「コミックゲットー」(ゲットーとGETをかけているのだろうか) それがこのイベントの名前だそうだ
著作権と肖像権を無視し、適正価格を倍以上上回る値段設定(売人によってピンキリであるが)、特に公序良俗を著しく逸脱した表現を用いた自作の本を売買して荒稼ぎするという裏商売である

この国がエリア11となってからはこの手のイベントは全面禁止となってしまったが、よりディープな娯楽を求める人間の欲望は果てしないという事なのだろうか……
奥が深いなあ……業も深いけど……

104:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 22:47:51 LdqqldVX
支援

105:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 22:47:59 CQLFVHWT
支援

106:カズト
08/07/27 22:50:14 mfjaN+Iu
第三話 潜入直前

潜入二日前
「将軍、これはもはや服装ではありません、着ぐるみではありませんか」
「うむ!そうともいう!前回イベントに潜入捜査を行ったのだが売人達および客は大部分の確率で不摂生な体形をしているため、
正式な作法と訓練を行っている我らは場違いともいえる存在となってしまい、潜入捜査が露見し、奴らに逃走を許してしまい、失敗におわってしまったのだ。
そこで!体全体を覆い隠せるこの潜入用のスーツを特派に開発させたのだ!!」
ロイドさーーーーーん!!あんた何やってんですか!?

「それにしても、一体何ですかこれは?猫?セーラー帽をかぶった猫のような?生き物ですか……?」
「うむ!私の息子達の見ているテレビに映ってた猫?を参考にさせてもらった!父親たるもの我が子の事は理解せねばならん!!」何で疑問系なんですか?
「安心しろ!装着する上では中に温度調節機能を付け熱中症になる事はない!その他諸々の機能が君を助けるだろう!」うわあ……なんかよくわからない予算の無駄遣いだなあ

107:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 22:50:51 VCOvtYdE
全力で支援!

108:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 22:50:58 LdqqldVX
支援

109:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 22:51:39 +w702s6r
ワロタ 支援

110:カズト
08/07/27 22:54:07 mfjaN+Iu
第四話 捜査開始!

捜査のために、写真撮影を適度にお断りしていって、状況を分析しながら外に隠れているトレーラーに報告っと
このイベントは前売りしている前払い方式の独自のカード(入場券も兼ねている)を使ってそれぞれの売人のブースに設置しているスロットを通して商品を渡すというスムーズな販売方式になっている販売記録がおそらく「グランドマスター」につながってるのだろう
かくいう自分も客を装うためそのカードを将軍から渡されているのだあまり多くは買える値段ではないが
ぽぷよん ぽぷよん
適当に歩いているうちにあるブースを辿っていく、よくみるとよくわからない服装や着ぐるみで本を売ってたりブツを購入してたりする、
色々いるものだな……「洞爺湖」と書かれた木刀を持った和服の男、オレンジ色の宇宙服、身の丈より長い日本刀を持ってるセーラー服の少女らしきもの、チーズ君、それからゼロ……ってゼローーーーーー!?
その場を離れ、柱に隠れて将軍に通信を行う
「ダ、ダールトン将軍!!ゼロが!奴がイベントに参加しています!!これはチャンスです!ゼロ逮捕を優先すべきであります!!」
『落ち着け准尉、周りを良く見てみろ』
「・・・・あれ?ゼロの格好をしている輩が結構いますね」
『そういうことだ、奴はイレブンどものカリスマだからな、格好だけしている奴をいちいち逮捕していてはキリがないからな、捜査続行だ!』
「イエスマイロード!」

ゼロのコスプレイヤー『なあC.C.……  意外と売れているな井上の描いた本……』
チーズ君『ああ、そうだな……このイベントの入場券をもってたのも確か、井上だったなあ……』

111:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 22:55:29 LdqqldVX
支援

112:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 22:55:58 +w702s6r
ドツボすぎて支援せずにはいられない

113:カズト
08/07/27 22:58:44 mfjaN+Iu
以上で捜査編終了です

某寝起きドッキリ話に続いて、井上にマタ余計な特技を付けさせてもらいました

一度ネタを思いつくとアニメ消化に集中できませんねえ(一部アニメは除く)

残りはまた推敲して落ち着いてから投下させていただきます

114:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 23:00:25 XJAt3kFB
>>113
ちょっゼロ本人がいるwww
乙です。そうきたかw

115:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 23:04:37 4V4XpSt0
井上さんの同人誌・・・。
発禁本じゃね?
>>113 GJ
しかし、この役がギルなら全員逮捕するだろうな。

116:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 23:06:22 VCOvtYdE
>>113 カズト卿、GJでした!
ゼロwまさかの本人降臨ww
ボイスチェンジャー故障でぷいにゅーw 全金属のアレにしか思えないw
三部作とのことなので、次回の貴公の投下を全力でお待ちしております!

117:保管者トーマス ◆HERMA.XREY
08/07/27 23:09:52 +w702s6r
わははははははは

カズト卿、GJです。もうすぐその“戦場”に赴く私にとってなんとタイムリーな作品。笑いながら更新ボタンを押下してましたw
保管のほうは明日になると思いますので、それまで待っててくださいね。

118:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 23:13:54 QtPrS6vi
>>113
GJ!
これはイイ!
やはりゼロは戦場に現れるんだな……。

そしてすみません、昨日は遅くなってしまって投下出来ませんでした。
約束のライカレももを投下します。
全裸にネクタイで待っていた皆様、お待たせしました。
特に待っていなかった皆様、こんばんは。
前書き、後書き除いて15レス予定です。

何も問題なければ20分頃投下します

119:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 23:15:32 4V4XpSt0
いいね。なんかこのスレらしくなってきた。
もちろん支援するよ。
ああ、こっちも日付が変わったら作品が完成しそうだから、宣言したら支援をよろしく。

120:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 23:21:00 VCOvtYdE
イエス、マイ・ロード!
全力で支援しよう

121:晴天
08/07/27 23:21:36 QtPrS6vi
前回のR2は、お兄ちゃんと言って泣くカレンが痛々しかったが、リフレイン打たれなくて良かった。
そして今回のR2は、カレンが格好良すぎるだろう……スザク哀れ。
と言う訳で、カレン無事記念ライカレSSです。

前回は黒の騎士団ばっかりだったので、今回は学園を書いてみました。
登場キャラの出番に差がありすぎるけど。

注意点。
・黒の騎士団カレンルートの神根島前辺りのはっきりラブラブじゃない微妙なラインの時期のつもりですが、脳内で上手く時系列を作って下さい。
・小説の設定?が少し入っております。
・ブルームーン篇の設定も少し入っております。
・カップリングはライ×カレンです。―君はそれしか書けないのかね。
・そんなに甘くありません、が鬱ではありません。―平々凡々とした日常がまったり続くだけです。
・サラリ君みたいな物です。
・またこのネタか!―はい、次は多分クロニクルだと思います。
・最近の作品と打って変わって普通のSSです。
・と言うか本当は真面目なSSを書く人間なんです。
・注意点は真面目に書けない人間のようです。

では、投下。
ライカレ桃物です。
ニコラス・ケイジ風に言うなら「ピィチ」


122:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 23:22:06 VCOvtYdE
全力で支援!

123:晴天
08/07/27 23:24:31 QtPrS6vi

『起きろー!ガァァァァァッツ!!』
クラブハウス内の自室に、女性の絶叫が響き渡る。
―ああ、目覚ましだな。
これは目覚まし時計に吹き込まれた声だ―。
朦朧とした意識の中に聞こえてくる怒声。
それが目覚まし時計の音声だと判断するまでに、ゆうに一分以上は掛かった気がする。
『ああ、カレン!ちょっと、こんな所で脱ぐなんて!!』
『ライ~!ルルーシュがカレンに慰めろとか迫ってるわよ~!!』
その間も、目覚まし時計はとんでもない事を叫び続けていた。

自分をここに置いてくれた恩人から貰った物だが、あの人はどうしてこういう事が思い付くのだろうか……。
悪戯を企てた時の、イキイキとした表情の生徒会長―ミレイ・アッシュフォードを思い浮かべて苦笑する。
最初の頃は慌てて飛び起き、ルルーシュを殴りに行ったりもしたが、今ではもう効果は薄い。
アラームを止めて時計の針を見れば、七時二分。
「二時間しか寝てないのか……」
妙に頭と体が重い。
二時間しか寝ていないのなら、それは当然だろうと思うが、そうではなく―『今』と言った刹那的な事ではなく―ここ最近、疲れが全くと言っていいほど取れないのだ。
そして、その原因も解っている。



124:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 23:24:32 4q+SLZ2C
寝る前に支援

125:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 23:24:47 LdqqldVX
支援

126:晴天
08/07/27 23:26:33 QtPrS6vi

黒の騎士団―。
現在、僕のあらゆる面倒を見てくれている生徒会の仲間―紅月 カレンに誘われて入団したレジスタンス組織。
僕は自分の素性を知る為に、嫌悪感を覚えたブリタニアの日本弾圧に反逆する為―そして何より、
カレンの目的を……カレンが母親と幸せに暮らせる世界を―日本を作る為に、僕はその道を進む事を決めた。
アッシュフォード学園生徒と、黒の騎士団団員。
その二面生活は、自分の思っている以上に負担が掛かっているようだ。
カーテンの隙間からこぼれる朝日に目が眩む。

「うー」
ベッドから立ち上がり、大きく伸び。
そして、大きな―。
「ふぁ……」
―コンコン。
ノックの音に僕はあくびを噛み殺した。





『君は 誰と 幸せなあくびを しますか。』



127:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 23:26:59 VCOvtYdE
必要なら常に冷静な支援を、そして投下されたSSは徹底的に楽しむこと

128:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 23:27:00 4V4XpSt0

寝るにはまだ早い時間だ。
支援

129:晴天
08/07/27 23:29:34 QtPrS6vi

こんな時間に、ここを訪れる人間はそうは居ない。
ルルーシュかミレイさんか咲世子さんか―。

……ルルーシュだな、と何とはなしに思う。
未だ覚醒されていない頭のままで、よろよろとドアに向かった。
動き辛さに我が身を見れば、皺くちゃの学生服……。
―しまった、制服のまま寝てしまったのか。
よくよく考えてみれば、昨夜、部屋に戻ってからの記憶が全く無い。
「さすがにきついな、二重生活は」
つい言葉が漏れる。
カレンの誘いを受けた事を決して後悔してはいないが、体がその状況に付いて行くにはもう少し時間が必要なようだ。

何とかドアに辿り着いてカギを開ける。
以前は、いちいちカギなど掛けてはいなかったのだが、黒の騎士団に入団してから、見られてはいけない物が増えたのでカギを掛ける習慣が付いていた。

ドアを開ければ、やはりそこには不機嫌そうな顔をした少年―ルルーシュ・ランペルージが立っている。
「酷い有様だな……」
彼は開口一番そう言った。
自覚がある僕は何も言い返せない。
だが、彼もそんな事を言う為にわざわざ来たのではないだろう。
「おはよう、ルルーシュ。こんな時間にどうかしたかい?」
「ああ、おはよう。最近、お前の遅刻が多いからと会長に少し頼まれてな―」
そこで一度区切ると、ルルーシュは真っ直ぐ僕を見て言葉を続ける。
「―だが、ちゃんと起きていたようだ……俺は必要無かったな」
そう言ってルルーシュは肩をすくめた。



130:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 23:30:05 4q+SLZ2C
支援

131:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 23:30:58 CQLFVHWT
支援 後は任せた。。。

132:晴天
08/07/27 23:32:25 QtPrS6vi

優雅に朝のコーヒータイムと洒落込める程の時間がある訳でも無いが、わざわざ僕を起こしに来てくれたルルーシュを挨拶だけで帰す訳にも行かず、部屋に招き入れる。
―やましい物は全てしまってある……はずだ。
さりげなく部屋に視線を配れば、普通の学生の部屋にしか見えない。
たとえ意識が無かったとしても、昨日の『僕』も最低限の動きは行っていたようだ。
「コーヒーでも入れるよ」
「いや、それは俺がやろう。それより早く準備をしろ―俺を接待していて遅刻しては話しにならん」
慣れた手つきで彼は、僕の部屋の戸棚からマグカップを取り出す。
その手を止めて―。
「……会長の目覚ましは使っていないのか?」
ふと思い出したようにルルーシュが聞いてきた。
「使っているさ」
僕はベッドの上で放置されている目覚まし時計のスイッチを入れる。
『女なら出来る事があるだろう―とか言っちゃってるわよ~!』
発せられた言葉にルルーシュが苦虫を噛み潰したような表情をした。
「相変わらずだな、あの人は……」
「……大分、慣れてしまって―そろそろミレイさんに新しいショッキングなセリフを吹き込んで貰わないと」
「それでまた……寝惚けて俺を殴りに来るなよ?」
「いや、あの時の僕は意識が冴えていた上で殴ったんだ」
「なお悪いわッ!」
眠気を覚ますのに、ルルーシュと会話するのも悪くない―。
ムスッと口をへの字にしている、友人の顔を見てついそんな事を思ってしまった。



133:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 23:32:41 4q+SLZ2C
支援

134:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 23:32:49 VCOvtYdE
支援、任された

135:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 23:33:38 mfjaN+Iu
支援

136:晴天
08/07/27 23:35:07 QtPrS6vi

「それじゃ俺は行くぞ」
適当に話を切り上げるとルルーシュは、部屋を出ようとする。
「―そうだ」
ドアの前で何かを思い出したかのように、彼は振り返ると何か投げてよこした。
片手でキャッチした、ざらざらとしたそれは―。
「これは……なんだ?」
「『桃』だ―バラ科モモ属の落葉小高木。春には五弁または多重弁の花を咲かせ、夏には水分が多く甘い球形の果実を実らせる。原産国は中華連邦―」
「いや、それは解っている―概要的な物ではなく、なぜこれを今、君が?」
「ああ、ナナリーが食べたがってな……俺もナナリーも、スザクも桃が好きなんだ。お前にもどうかと思って持ってきた」
「そうか―僕も、桃は好きだ」
それは無意識に出た言葉。
僕は……桃が好きなのか?

「桃を食べた記憶があるのか……?」
「記憶と言うか……最近、何度かカレンに食べさせて貰ったよ」
「そうか……相変わらず仲が良いな、お前たちは」
フッと笑うルルーシュ―だが、その後すぐに何やら考え込む。
「しかし、カレンと桃か……」
「どうした?」
僕の言葉に、ルルーシュは我に返り、「いや、なんでも無い」と告げ、ドアノブに手を掛けると、最後にこう言った。
「遅れるなよ?これ以上遅刻が続くなら、会長の事だ―何かとんでもない事を思い付くぞ」
―『第一回チキチキ!幻の美形とモーニングコーヒー飲もうよ……二人で!!バトルタクティクス!!!』を開催しま~す!!
「……多いに考えられるな、シャワーを浴びてすぐに向かうよ」
「ああ、そうしろ」
「わざわざ、ありがとう」
「なに、気にするな―以前も話したが、お世話係主任はカレンだが、俺達生徒会メンバー全員を頼ってくれて構わない」
少し照れたような表情でそう言うルルーシュを、僕は誰かに似ていると思った。



137:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 23:35:16 4q+SLZ2C
支援

138:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 23:36:22 LdqqldVX
支援

139:晴天
08/07/27 23:39:16 QtPrS6vi

シャワーから出て、よろよろの制服を着直す。
鏡に映る自分の酷さに、ついため息が出てしまった。
これでは、カレンに何を言われるか……。
いや、カレンだけではない、ミレイさんたちにも……。

一通りの準備を済ませ、部屋を出ようとした時、机の上に置いてある桃を何の気なしに手に取った。
鼻先に近づけると甘い香りがする。
それを両手で軽く撫で付けながら、同じような事をしていたカレンの事を思い出す。
―彼女が、何度か桃を持ってきてくれた事があった。
そして、その度に彼女は―。
『ライ!ルルーシュがカレンのシャワーを覗いてるわよ!!しかも、堂々と!!!』
八時のアラームが鳴る……相変わらずのミレイさんの雄叫び。
その声に我に返ると、桃をポケットに無造作に突っ込み、僕は急いで教室に向かった。
―この分なら、今日は遅刻しないで済みそうだ。

廊下を歩いていると、通り過ぎる生徒が僕に挨拶をくれる。
こんな僕を受け入れてくれたみんなが―この世界が嬉しい。
だが、今日は……申し訳ない事に、誰が挨拶をしてくれたのか全然覚えていない。
されるがままに、こちらも挨拶を返すだけの状況。
そんな自分に少し嫌悪感を覚えるが、それ以上に窓から射す光が僕を無気力にさせた……。


140:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 23:39:34 4q+SLZ2C
支援

141:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 23:39:54 VCOvtYdE
全力で支援!

142:晴天
08/07/27 23:41:57 QtPrS6vi

殆ど無意識な状態で教室の自分の席に着くと、僕は机に突っ伏す。
せめて、HRが始まるまでの僅かな時間でも良い……僕には睡眠が必要だった。
「ふぁ……」
「おはよう!」
「オッス、どうしたんだよ、その格好!?」
……僕は再び、あくびを噛み殺す。

「おはよう、シャーリー、リヴァル」
朝から、とても元気なシャーリー・フェネット。
彼女は水泳部の朝練があったのだろう……寝起き数分後と言ったテンションではない。
では、彼は?彼はなんで朝からこんなに元気なのだろうか。
僕の有様を茶化したリヴァル・カルデモンド。
彼には部活の朝練があった訳では無いはずだ……。
「またミレイさんにスルーされたのか……」
「ぬぁ!?な、何を言うんだ!俺は……今日はまだスルーされ―」
リヴァルの声が子守唄のように聞こえる……。
「それでどうしたの、その格好?」
「昨日、この格好のまま寝てしまって……寝不足……なんだ。だからせめて、HRまででも―」
「はい、みなさん。おはよう」
「HRまで―なんだって?」
「いや、何でもない……」

流石に授業が始まってからは、寝るわけにはいかない。
折角ミレイさんが、用意してくれたこの環境を無駄にしたくは無かった。

ふと視線をやれば、ルルーシュは頬杖をついて窓の外を見ている。
あれは、明らかに寝ているな……。
彼の要領の良さを羨ましく思いながら僕は、睡魔と必死に闘い続ける。
早く、昼休みが来る事だけを願って―。



143:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 23:42:11 4q+SLZ2C
支援

144:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 23:44:01 4V4XpSt0
「シャルル・ジル・ブリタニアが刻む。偽りの記憶を持って起きるがいい。」
支援


145:晴天
08/07/27 23:46:19 QtPrS6vi

私立アッシュフォード学園内にチャイムが鳴り響く。
念願の昼休み―。

もう頭は真っ白で、自分が起きているのか寝ているのかも良く解らない状態だった。
軽くパンでも食べて、残りの時間で昼寝をしよう。
昼寝―なんと甘美な響きだろうか。
やっと寝れる……もう邪魔が入る事はないだろう。
「ふぁ……」
気が抜けた為か、大きなあくびが―。
「おはよう、ライ」
僕は慌ててあくびを噛み殺す。
「……おはよう、カレン」
教室の入口には儚げな笑みを浮かべた―可憐な少女が立っている。
紅月 カレン……いや、カレン・シュタットフェルトと言うべきか。
彼女も同じ二面生活のハズなのだが、カレンはその『設定』のおかげで上手く休養を摂っている。
―昼から登校か……正直、羨ましい。

机に突っ伏しながら、カレンを見やると、彼女は何かジェスチャーで語りかけている。
普段の僕なら何か反応出来たのかも知れないが、今日はどうしても頭が回らない。
眠くて眠くて仕方がないのだ……。
それでも何か伝えようとするカレンには悪いが……その時の僕は意味を読み取ろうとする意思など無く
―懸命に彼女が動かす手を「黒の騎士団で教わったハンドシグナルみたいだ」なんて思っていた。

「だから!お弁当を作ってきたって言ってるのよ!!」

僕の反応の薄さにとうとう痺れを切らせたのか、自分の『病弱設定』も忘れて大声を出すカレン。
その突然の怒声に教室中の生徒が動きを止める―無理も無い、その声の主は病弱なカレン・シュタットフェルトお嬢様なのだ。
寝惚けている僕でも、流石に彼女の怒りと、周囲の親衛隊の殺気は感じる。
慌ててカレンのもとに行くと、僕は彼女の手を引いて屋上に向かった―。


146:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 23:46:31 4q+SLZ2C
支援

147:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 23:48:23 LdqqldVX
支援

148:晴天
08/07/27 23:50:38 QtPrS6vi

「まったく!!あそこまで反応しないってどういう事よ!?」
もう五分以上続いているだろうか……。
お弁当箱は、彼女の膝の上でがっちり押さえられている。
「本当にごめん……寝惚けてて良くわからなくって……」
「知りません、今日はお弁当なし!!」
プイッと顔を背けるカレン……。
これは完全にへそを曲げてしまったようだ―。
「そう言わずに、頼むよ……カレン」
「知らないって言ってるでしょ!!」
「でもほら、それ無駄になっちゃうよ?」
「これくらい、私ひとりで食べれますから」
―確かに……カレンなら、この程度のお弁当ふたつくらいペロリと食べてしまうだろう。
以前、彼女がこっそり食べていたドカベンを思い出す。

「なに笑ってるのよ?」
ギロリと睨みつけられる。
しまった、顔に出てしまっていたか……。
「ライ……あなた、まだ状況がわかってないみたいね?」
「いや、そんな事はない。ちゃんとわかってるよ!!」
「じゃあ、なんで笑ってたのかしら?」
慌てて答える僕を一瞥してカレンは問いかける。

―君がドカベンを食べていた時の事を思い出していた。
―カレンなら、それくらいペロリと食べられるだろうね。

言える訳がないだろう……。
どうすれば、この状況を切り抜けられるのか、眠いなどと言っていられない……僕は頭をフル回転させた。



149:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 23:50:54 4q+SLZ2C
支援

150:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 23:52:14 4V4XpSt0
A.ツンデレ

151:晴天
08/07/27 23:53:25 QtPrS6vi

「カ、カレンのお弁当が食べれると思ったら……つい嬉しくなって」
「あげないって言ってるでしょ……」
そそくさと、お弁当箱を背中に隠すカレン。
―別に無理矢理取ったりはしないよ。
それなら……。
「またお弁当を作ってきてくれた事が嬉しくって」
「だ、だって、それは……約束……したから……」
「もしかして、お弁当を届けるために来てくれたのかい?」
「そそそそんな訳ないでしょう!!」
全力で否定するカレン。
流石に、それはちょっと自惚れ過ぎたか……。
気恥ずかしくなって、僕は空を見上げる。
そこには雲ひとつない青空が広がっていた。
視線を戻せば、彼女がチラチラとこちらの様子を伺っている。
「そ、そんなに楽しみにしてたの……?」
「うん」
「…………」
「カレンのお弁当が食べたいんだ」
「そ、そこまで言うんじゃ……」
―ごめん、カレン。
でも、君のお弁当を楽しみにしていたのは本当だよ。
僕は心の中で彼女に謝罪する。


152:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 23:54:05 VCOvtYdE
>>144 ギアスなんぞ使ってんじゃねぇ!
支援ぶらぁ!

153:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 23:54:47 4q+SLZ2C
支援

154:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 23:54:49 LdqqldVX
支援

155:晴天
08/07/27 23:57:19 QtPrS6vi

「でも、ひとつだけ約束して」
お弁当を背中に隠したままで、カレンが言う。
「……もう無視したりしないでよ?」
俯いたままボソボソと呟くカレンに僕は―。
「うん。本当に……ごめん」
もう二度と、彼女の言葉を無視したりはしない。
たとえ、寝不足だろうと……たとえ、撃たれて意識が朦朧としていても。
そんな想いを込めて、僕はカレンに心から同意と謝罪をした。

「はい、召し上がれ」
ついにカレンがお弁当箱を差し出してくれた。
これを食べ終わっても、もう寝る時間は無いだろうけど……それでも構わない。
カレンのお弁当が食べられる。
それだけで僕は十分だ。
「ありがとう」
上手く笑顔を作れた自信はないが、僕は微笑んでお弁当箱を受け取った―。

「ちょっと!どうして小さい方取るのよ!!あなたのはこっち!おっきい方!!」
―最後の最後にミスをしたようだ。
慌てて大きい方のお弁当箱を受け取る。
「あなたが私の事をどう思っているのか……一度しっかり聞き出す必要があるようね……」
さっきとは打って変わって、恐ろしい声色で呟くカレン。
これをアラームにすれば、間違いなく寝坊は無くなるだろう……この地の底から響くような声を僕は一生忘れない。



156:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 23:58:46 4V4XpSt0
なにこの死亡確定フラグ。
支援

157:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/27 23:58:47 VCOvtYdE
支援

158:晴天
08/07/28 00:00:11 JttE/o9w

「いただきます!」
お弁当箱を開けば、ウィンナーにハンバーグに卵焼きに―。
「ありがとう。とってもおいしそうだ」
たとえ中身が日の丸弁当だったとしても、僕は言ったであろう言葉を発する。
「食べてみたら、おいしくないかもですけどね」
「そんな事はないだろう」
カレンは小さい方のお弁当に箸をつけている。
―あれだけで足りるのだろうか。
僕のを少し分けようかとも思ったが、そんな事を言えばまた機嫌を損ねるかも知れない。
未だに彼女の怒る理由がよく解らなかった。
「どうしたの?食べないの?」
不思議そうに僕を見るカレンに慌てて卵焼きを食べようと……。
「…………?」
ふと、左のポケットに重みを感じて、それを取り出す―。
「あら……桃?」
「ん……ああ、ルルーシュがくれた」
「ルルーシュが……?」
ルルーシュと桃と言う組み合わせが不思議なのだろうか、カレンは考え込むように少し視線を泳がせた。
そして、両手で桃を掴むとそれを胸の前で転がす。
「どうした?」
「ん……なんでもない」
―いつもの事だ。
僕はそう思って卵焼きを頬張った。
やけに甘いソレは、僕の空腹も……心も満たしてくれた。


159:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/28 00:00:58 4q+SLZ2C
支援

160:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/28 00:02:57 LdqqldVX
支援

161:晴天
08/07/28 00:04:00 JttE/o9w

「剥いてあげましょうか?」
カレンはそう言ってポーチからナイフを取り出すが、ふとその手を止める。
「凄い熟れてるから、手で剥けそうね」
「しかし、それだと皮が……」
「ちょっとくらい口に入ったって死にはしないわよ」
呆れたような顔をして僕を見るカレンに、最後の抵抗を試みる。
「あのざらざらした感触が嫌なんだよ……」
「扇さんみたいね……」
それは、予想もしていなかった返事だ。
「似ているか?」
「え?」
「僕は扇さんと似ているかな?」
そう聞く僕に、カレンは桃を口に当てて少し考え込んだ後―。
「そうね……変に子供っぽい所は似てるかな?」
―子供っぽい。
考えた事も無かった。
それに何より、扇さんが子供っぽいと言うのは想像出来なかったが……。
長い付き合いのカレンが言うのだから、間違いは無いだろう。
あるいはカレン達にだけ見せる、素の扇 要という人間は子供っぽいのかもしれない。

「……嫌いか?」
「え?」
質問の意味がわからなかったのか、カレンが素っ頓狂な声で聞き返してくる。
「子供っぽい僕は……嫌いか?」
「別に……その……あなたの子供っぽい所も……わ、わたしは―好きよ」
日差しのせいか、カレンの頬がうっすらと赤い。
「じゃあ気にしなくていいな……」


162:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/28 00:04:09 4q+SLZ2C
支援

163:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/28 00:04:51 LdqqldVX
支援

164:晴天
08/07/28 00:06:41 JttE/o9w

―眠い。
『嫌いじゃない』と言う返事が聞けて安心したのか、再び猛烈な眠気が襲ってきた。
そんな睡魔を、何故か再び機嫌を損ねたらしいカレンの怒声が霧消させる。
「め、面倒臭いんだから、ちょっと位皮があっても我慢しなさい!!」
「……はい」
そう言われては仕方ない、僕はしぶしぶ返事をした。

ナイフで、カレンが桃の皮を剥いている。
それをみつめて、先程の考え込んだ彼女の顔を思い出す。
―そう、いつもの事だ。
彼女は桃の皮を剥く前、いつも何か思い出そうと桃を胸の前で持って―遠い目をする。
僕にはそれが解らないし、ただの気のせいかも知れないけど。
どうしたの?と聞けば、必ず「ううん、なんでもない」と微笑んで皮を剥き始める。
そんなカレンの仕草が僕は好きだ。

ああ、そうか―。
だから、僕は桃が好きなんだ。
桃の甘さや食感も好きだけど、桃と言う物を通して見られるカレンの可愛い仕草が、僕は好きなんだ……。

「はい、どうぞ」
カレンが桃の汁でベタベタになった指を舐めながら、お弁当の蓋を差し出す。
その上には、綺麗に切り分けられた瑞々しい桃が載っていた。


165:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/28 00:06:52 4q+SLZ2C
支援

166:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/28 00:08:45 t5xIk9HT
支援

167:晴天
08/07/28 00:09:08 JttE/o9w
「いただきます」
今日、二度目のいただきます。
それは、とても幸せな言葉―幸せな時間。
その幸福感に包まれた世界は、とても暖かくて……。
僕はあくびをした。
やっと大きなあくびが出来た。
何も気にしない無防備な―あくびが出た。

「大きなあくび……ほんっと、あなたって子供みたいね」
カレンがそう言って笑った。
僕も……照れ臭くて笑った。





綺麗に皮の剥かれた桃は、あいかわらず甘い芳香を放っていた―。



168:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/28 00:09:47 FfjPbPsh
支援

169:晴天
08/07/28 00:11:42 JttE/o9w
以上です。
解りやすいオチでしたね。
バカップルじゃないんだけど甘い生活みたいな、難しいさじ加減に挑戦して玉砕しました。
ツンデレにも挑戦してみたが……まだまだ修行が必要のようです。
本当は膝枕シーンも入れたかった……そちらも修行しなおして来ます。

ラブラブの 象徴となる ひざまくら 我がSSに 入れる暇なし 『晴天』

最近囚われカレンとロスカラカレンしか観てなかったからアレだが、
あのスタープラチナカレン見ると自分のカレンが乙女チック過ぎる気もする……難しいわ、さじ加減が。



170:ライカレ厨 ◆WLVpAM0ark
08/07/28 00:15:55 Tc5VvaQH
>>169
ほんのりとした甘さが効いててGJでした!!全然玉砕なぞされていませんよ。
こういうは自分には書けないので羨ましいです。



171:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/28 00:16:43 Tc5VvaQH
コテ外し忘れすいませんorz

172:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/28 00:17:11 hI0gMj6s
乙でした~
いいな~甘い二人の世界
ライは眠気が厳しくて辛そうだけど
スタープラチナカレンwww「ルルの奇妙な冒険」とかネタが出来そうw

ところであちこちの掲示板でライが本編登場とかって書き込み見ますけど、
本気にしちゃいけない、期待しちゃいけない・・・
と思いつつも期待しちゃう自分がいます・・・・・・

173:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/28 00:17:53 ZVjBo9Om
>>169 晴天卿、GJでした! いやー本当にライカレっていいものですね
ライカレもも誤字かな?と思って冗談で桃食べてるとか言ってみたらマジでそんなSSでビックリ
ライw微妙に天然だがルルーシュ殴りに行ったのは確信犯ってw
貴公の次の投下を全力でお待ちしております!

174:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/28 00:19:10 FfjPbPsh
>>晴天卿
本編ではこの後も全体的に鬱展開が続きそうだから
普段はシリアス物SSも大好きなんだけどこういうの見ると本当の本当に癒されます。
寝る前に良い物を見させてもらった。ありがとう。朱の軌跡は買って読んでなかったけど明日読もう…

でもカレンのオラオラオラにはびっくりしたけどライの前じゃ割りと乙女になるんだと思うよw
本編設定じゃ中の人がカレンは料理できないって言われてたらしいし

175:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/28 00:21:20 3x2tYu4/
あぁ着てた着てたwあれ作ってる会社のTシャツかっこいいんだよなぁ。惇とか十常寺とか。

176:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/28 00:23:12 B/SOFdgB
>>169
GJ
ここのライカレは本当に糖分含みすぎですね

>>174
料理できないって本当ですかそれ

177:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/28 00:29:33 Y+NfTjFI
>>169 相変わらずライカレ分を補給させて頂きました。目覚ましネタは吹いたww
あと、俺もカレンはライの前ではこんな感じだと思うww
>>174 そうなの?でも料理できてもできなくてもライに弁当作るカレンは萌えることは確かww

178:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/28 00:37:40 FfjPbPsh
雑談になるんでこれで終わりにするけど、1期放送初期のメガマガだったかな?
台本の注釈に「カレンは料理したら黒コゲにするようなタイプ」って書いてあったって。
シャーリーもゲームでは料理できたりするし結構違う設定あるけど
ライの介入でキャラの性格も微妙に変わるんだよきっと。

179:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/28 00:43:17 rES+8Rfi
キリもいい所っぽいし、1時に投下してもいいかな?
ああ、睡眠時間を削るつもりはないので、眠たい人は寝むてっください。
しかし、支援できる方がいればありがたいです

180:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/28 00:45:09 ZVjBo9Om
たとえ睡眠時間を削っても全力で支援しよう、それが私達支援派だ!

181:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/28 00:48:08 8lEoNFjH
了解した
支援喝采自在陣!

182:銀飯
08/07/28 00:58:45 rES+8Rfi
あまり睡眠時間を削るのも悪いので前倒しで投下します。

前スレで書いた”オスシ”の続きの話です。
今回はいつもとルルーシュの扱いが違います。
どっちかというとライの扱いがひどい?

タイトルは『運命の欠片―託すべきものⅦ―紙手裏剣』です。
この次から早速投下します。全体で7~8なので支援を2,3回ほどお願いします。

183:銀飯
08/07/28 01:00:15 rES+8Rfi
『運命の欠片Ⅶ―託すべきもの―紙手裏剣①―』

“オスシ”の犠牲となったスザクの断末魔を背に、僕はクラブハウスの中にあるナナリーの部屋に向かった。
クラブハウスはもともと生徒会専用の建物で、その中にあるゲストルームで、アッシュフォード家と縁のあるルルーシュ・ナナリー兄妹とミレイさんに拾われた僕は住まわせてもらっているのだ。身の回りの世話は咲世子さんというメイドの人がしてくれている。
いわば一つ屋根の下でルルーシュ兄妹と共同生活をしているようなものである。おかげでナナリーと接する時間というのは必然的に増え、仲良くなれたのだが、それを認めない人物が二人いる。
一人は彼女の兄であり、生徒会での僕の仕事を三倍に増やす男ルルーシュと、彼女の大親友であり今日の生徒会で百合宣言をしてしまったアリスである。
気が重かった。本来ならナナリーと二人、悪くてもアリスを入れて3人で折り紙教室をテラスで開く予定が、買い物に行くことになったため、ナナリーの部屋で開くことになったのだ。そのことをあの二人が簡単に認めるわけが無かった。
しかも・・・
「できるだけ早く帰るって約束したのにもう7時半近くになっている。やばいなぁ・・・。これで何とか機嫌を取れないかな・・・・。」
僕はセレクトショップで買ったプレゼントとToy shopで買った折り紙に目を向けた。


184:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/28 01:00:32 ZVjBo9Om
全力で支援!

185:銀飯
08/07/28 01:01:38 rES+8Rfi
『運命の欠片Ⅶ―託すべきもの―紙手裏剣②―』

コンコンっ!
「ナナリー、いるかい?」
「・・・・・・・・」
「あれ?いないのかな?でも明かりがついているみたいだし・・・。」
食事を取りにリビングに行っているのかな?
そう思いつつも念のためドアノブに手をかけると、開いた。そして次の瞬間、シュルシュルシュルっと多数の物体が僕をめがけて一直線に飛んできた。
「っく」
僕はとっさに体をそらしつつ、飛んでくる物体を叩き落し、あるいは掴んだ。
「一体何なんだ?」
掴んだ物体を確認すると、
「手裏剣!?それも折り紙で折った。一体誰が・・・って!?」
シュルシュルっ、シュルっ!
まるで弾幕のように次々と僕に向かって紙手裏剣が飛んでくる。
さすがに全部かわすのは厳しい。しかも全部急所を狙ってきている。
僕はピコピコハンマーを取り出し、かわせない手裏剣を叩き落した。
ピ、ピ、ピ、ピッ。オレンジを叩いた時と違い、あまり言い音は鳴らなかったが、叩き落すことが目的なので、かまわない。さっきから黒い手裏剣だけが僕がいる場所よりもはるかに手前で落ちているのだが・・・。
一体いくつ叩き落したのだろうか。
「ふぅ、なんとか収まったか。」
紙手裏剣が飛んできた方向を見るとそこには、
「案外やりますね、ライ先輩・・・。」
心底悔しそうにへこんでいるアリスと、
「一発ぐらいは命中するかと思ったのですが・・・。」
申し訳なさそうにしている咲世子さんに、
「ぜぇぜぇ、っく、俺の計算を完璧に潰すとは・・・。」
なぜか息切れしているルルーシュ。ああ、あの黒い紙手裏剣を投げたのはルルーシュか。


186:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/28 01:01:58 ZVjBo9Om
支援!

187:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/28 01:02:06 iigbxnTa
支援のロードを突き進む!

188:銀飯
08/07/28 01:02:31 rES+8Rfi
『運命の欠片Ⅶ―託すべきもの―紙手裏剣③―』

しかし・・・
「一体何のために?」

「お仕置きです!」
奥のほうに車椅子に乗り、泣きそうな顔をして怒っているナナリーがいた。
「お仕置き?」
はっきり言ってナナリーにそんなことを言われる覚えは無いんだけれど・・・。
「むっ、なんだ、ライ、その顔は!?」
「・・・(ギラッ)」
「・・・(ギロッ)」
僕の言葉に反応してナナリー以外の他の三人がすさまじい殺気を放っている。とくに咲世子さんの殺気はプロの仕事人が放つものだった。
「ライさん!」
「はっ、はい!」
僕はナナリーに呼ばれその場に固まった。いつものパターンならルルーシュの役なのだが・・・。そんなことを思っているとナナリーが近づいてきた。そして僕は昼間ルル―シュがやった”Japanese DoGeZa Style”になった。
「お昼の約束を覚えておられますか?」
明らかに非難の声で僕に問いただした。
「お昼の約束・・・あっ!?」
「やっぱり、忘れていたんですね。でもしょうがないですよね。ライさんにとってめったに無い機会だったのですもの。楽しんでこられましたか?」
顔を上げると、ナナリーはあきらめたような表情を浮かべていた。
「あっ、ああ・・・」
「でも、遅くなるなら遅くなると連絡をくれても良かったんじゃないですか?先輩」
「うっ・・・。」
アリスの非難に返す言葉が無い。
「ナナリー様は夕食もとらずに、ライ様が来られるのを待っておられたのですよ。」
「ナ、ナナリー、ごめん。」
そんなにしてまで待ってくれていたなんて・・・。
「それで、お前は今まで何をしていたんだ?今までのお前の行動パターンを勘案すれば6時半までに帰ってきていたはずだ。」
「そ、それは・・・。」
要するに、僕がナナリーとの約束をすっぽかした罰として紙手裏剣(おそらく咲世子さんが教えたのだろう)を使って懲らしめようとしていたんだろう。


189:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/28 01:03:03 xfYl3NWh
sien

190:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/28 01:03:08 ZVjBo9Om
支援

191:銀飯
08/07/28 01:03:15 rES+8Rfi
『運命の欠片Ⅶ―託すべきもの―紙手裏剣④―』

「それは・・・、何ですか?その先をおっしゃってください。」
ナナリーは僕の頬に両手を添えて質問してきた。彼女は目が見えない分、人の雰囲気を察するのに長けているので下手な嘘をつくことはできない。だから買い物の時にあったことを手短に話した。
「そうか、あのオレンジに絡まれたのか・・・。」
ルルーシュは仕方ないなという表情を浮かべ、
「災難でしたね、先輩」
アリスはまるで我がことのように同情してくれた。
「幻の美形ライ様に迫る三枚目のオレンジ・・・。ふむ、今ひとつ盛り上がりにかけますね。やはりここは、攻めはルルーシュ様かスザク様でないと。あーっ!?」
・・・ノーマルの僕にはわからない世界だ。それと、多分スザクは今頃瀕死の状態になっているだろうな。
「それで、ライさんはどうなさるおつもりですか?」
咲世子さんをスルーしてナナリーが質問してきた。「どうする」というのは、軍に入るのかということだ。
「まだ正式に決めたわけじゃないけど、いい機会だと思っている。いつまでもミレイさんの好意に甘えるわけには行かないからね。」
それに、ロイドさんやスザクが、ブリタニア寸人である可能性が高いと言ったことも気になるし。
「でも、軍のお仕事なのでしょう。危険ではありませんか?」
僕の頬をもつナナリーの手が震えている。僕は両手を彼女の手に重ね、
「大丈夫だよ。ただの技術職のアルバイトだし、戦場へ出るなんて事はないと思うよ。」
あるとしてもただのテストパイロットだろう。その時はそう考えていた。



192:銀飯
08/07/28 01:03:45 rES+8Rfi
『運命の欠片Ⅶ―託すべきもの―紙手裏剣⑤―』

「ああ、スザクもいることだし、大丈夫だろう。」
ルルーシュは何の心配もしていないようだ。
「特派って確か・・・」
(シュナイゼル殿下お抱えの部隊で、ランスロットの・・・。ということはスザク先輩が・・・。)
アリスだけは何か思うところがあるようだ。しかしこの時僕は彼女が軍属だとは知らなかった。
「皆様、せっかく揃ったのですから、夕食をとられてはどうでしょう。」
咲世子さんが場の雰囲気を変えようと提案してくれた。
「そうですね。おなかも空きましたし。」
「ああ、そうだな、ナナリー」
「私もお邪魔していいんですか?」
「はい、アリス様もどうぞ。ライ様もそろそろ土下座を解かれては。」
「うん、そうさせてもら・・・。うわっ!?」
立ち上がろうとした瞬間、土下座のせいで足がしびれたため、バランスを崩して前に倒れたのだ。
「きゃっ。」
そして僕の目の前にいるナナリーを押し倒す形になった。
「あいったたた、ナナリー、ごめん大丈夫かい?」
「はっ、はい。あの・・・」
車椅子が倒れ、完全に僕がナナリーを押し倒した状態になっていた。立とうとして手に力を込めたが、ムニュッと柔らかい感覚が伝わってきた。まっ、まさか!?そうではないと祈りつつ目線を手元に移すと、僕がナナリーの胸をモロに掴んでいたのだ。
「う、うわぁ~!ご、ごめん!ナナリー!」
僕はあわてて手を離し、ナナリーから離れた。
「い、いえ、大丈夫です。ただ、その、こういうことをなさるのであれば、できれば二人きりの時に・・・」
何すごいこと平気で言ってるの?と思った瞬間に背後から強烈な回し蹴りが飛んできた。なんとかガードしたが、こんな芸当ルルーシュにできるわけがない。となると・・・。


193:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/28 01:03:55 ZVjBo9Om
この支援が我が忠義の証!

194:銀飯
08/07/28 01:07:05 rES+8Rfi
今回の投下は以上です。次回はブチ切れたアリス対ライの肉弾戦で、ライの狂王の人格が覚醒し、アリスをビビらすという話をかこうと思います。
河口湖までは遠いですが、書く気はあるんですが、ライの実力をアリスに認めさせる前提がいるので、なかなか前に進まない。

195:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/28 01:07:07 YsnKmU/9
支援させて頂く!

196:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/28 01:07:11 X4zH2TNe
支援

197:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/28 01:11:54 ZVjBo9Om
>>194 銀飯卿、GJでした!
ライ、このラッキースケベめ! 扱いが酷いなんてとんでもない!
紙手裏剣投げて相手に届かないルルーシュw
ふむ、河口湖まではまだかかるのか………ならば全力でナナナ二巻を探さねば!
貴公の次の投下を全力でお待ちしております!

198:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/28 01:12:36 YsnKmU/9
僭越ながら読ませて頂いた作品の感想を書かせて頂きます。

>>70
KOUSEI卿、KMF戦いいですね。部隊を指揮して輝く、それがライ!
一騎でも修羅なのに部隊を指揮することでラウンズすら手玉に取る。
恐ろしい子…GJ

>>92
ピザの配達人卿
今日もピザが来たー!しかも学園生みんな登場のほのぼのだ!w
でも最後はいつもみたいにライとC.C.のいい感じのひと時。GJです。

>>113
カズト卿、某パニックのボ○太くんがいる…!
銀さんとかも出てきてるしちょっとしたカオスwしかしそれが面白い!

>>169
晴天卿、ミレイさんの目覚まし時計最高ですw
確信犯のライに笑わせてもらいました!
カレンのお弁当には甘めの卵焼き!なぜか既に非公式設定か!?

>>194
銀飯卿、GJです。
ライくんがJapanease Do★Ge★ZA★。狂王が土下座…めっちゃシュールだw
てかナナリーがとんでもないことをっ!!お兄さんは許しませんよ!?
次回楽しそうですね、全力で待ってます。

199:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/28 11:04:41 zl3Nwdlx
↓俺にネタをくれ!

200:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/28 11:12:57 lI0M3/9B
ライと天子の甘い生活

201:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/28 11:18:28 ZVjBo9Om
>>199 全力で励め!

202:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/28 11:30:07 GS8vGXGM
>>200
このロリコンめwww


だがそれが良い

203:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/28 11:30:36 zl3Nwdlx
>>200
了解した。頑張って書く。

204:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/28 11:32:22 rES+8Rfi
>>199
難しいと思うが、出てきなさそうな
①宦官ルート。
②カリーヌorキネヴィアの専属騎士。
③鉄壁ミスローマイヤ攻略。
④狂王バレ前提でシュナイゼルと帝国を変えていく。
⑤EUのリーダーでモニカやノネットさんと戦闘アンド攻略。

個人的に書こうとしてるのは、悪夢設定でライ=エデンバイタル教団教皇(聖闘士のふたご座の黄金聖闘士みたいな感じ)ネタ
すがってくる枢機卿に「私が配下として認めたのは聖杯騎士ジノ=ヴァインベルグ以外いない」とか言って切り捨てへこませる。
ただ、本物の漫画自体で登場しそうで怖いな。

205:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/28 12:02:43 i/DTMpGp
>>199
自分で書こうとしたが文章にできなかったネタでよろしければ

前スレでほんの少し議題となったライとC.C.が同じ時代に生きていたらシリーズ
悪夢+本編でライがイレギュラーズの一員で現場の指揮官をするネタ
もしくは悪夢+本編でライを枢機卿にするネタ


206:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/28 12:18:17 zl3Nwdlx
>>204
前半難易度たけぇよwww
モニカあたりは用意してあるが、喋ってくれないと完成しないんだよなぁ…

>>205
悪夢は分からん、残念。
C.C.って書いた事なかった…いずれやってみるかも。

207:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/28 13:26:28 rES+8Rfi
空いているし出勤前に投下します。



208:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/28 13:29:24 iVvp4DmY
出かける前に支援する!

209:銀飯
08/07/28 13:33:50 rES+8Rfi
今回のテーマは狂王ライVSブチ切れアリスです。
狂王のライにルルーシュとアリスがビビルという巻きです。
はっきり言ってるルーシュの扱いはへたれで通します。
本物の悪夢書く時は魔王ゼロにしますが・・・。

今回のタイトルは『運命の欠片-託すべきものⅧ-ライVSアリス』です。

210:銀飯
08/07/28 13:35:23 rES+8Rfi
『運命の欠片-託すべきものⅧ-ライVSアリス①』

「殺す!殺す!排除する!」
顔面を紅潮させたアリスが持ち前の身軽さと身体能力を活かした攻撃を次々と繰り出してくる。
一撃を放てば距離をとり、壁を使って三角飛びの攻撃を繰り出してくるのだ。
もちろんすべてガードし、彼女の体重が軽いためダメージ自体は少ない。
しかし、先ほどから少しずつだがアリスの攻撃のスピードが速くなっている。それに比例して額に模様が浮かび、威力が上がってきている。
「ははははっ、いいぞ、アリス!そのままライを亡き者にしろ!ナナリーに手を出した罪、思い知らせてやれ!」
(くっ、自分は何もしないで・・・。しかしこのままじゃまずい。反撃しないと。でも女の子を殴るわけには・・・。
それに、さっきから蹴りを繰り出すたびにパンツが丸見え・・・。何とか落ち着かせないと・・・。)
そう思い、あたりを見渡したが、この深刻の場面を切りぬける武器は・・・。あった。殺傷能力はゼロで、なおかつ気の抜けたピコ、ピコという音を発するピコピコハンマーという名の聖槌が・・・。
「はーッ!」
アリスの攻撃が見えない!?
感覚を研ぎ澄ましかろうじて攻撃をそらし深手にならずにすんだ。
「痛っ。」
このままじゃまずい。アリスを落ち着かせる前にこちらがやられてしまう。
ナナリーは咲世子さんがとっくに避難させてくれたようだ。一先ずは安心といったところか。


211:名無しくん、、、好きです。。。
08/07/28 13:35:36 iVvp4DmY
支援

212:銀飯
08/07/28 13:36:18 rES+8Rfi
『運命の欠片-託すべきものⅧ-ライVSアリス②』

「ふははは、アリスのような幼女にいいようにやられるとは惨めだな、ライ!?ナナリーの騎士にふさわしいのはスザクやお前ではなく、アリスなのかもしれないな。いや、実際漫画ではそうだ!」
(黙れ、この脆弱者が!)
「とどめー!」
アリスの目が完全にいっている!?そしてアリスの一撃が僕の急所(股間じゃないよ)を捕らえた。
「ぐぅ」
その瞬間僕の意識は落ちた。少なくとも「僕」の意識は吹っ飛んだはずだ。しかし、
僕は倒れなかった。いや正確には僕の中にいる「もう一人の僕」が倒れなかったのだ。
「調子に乗るなー!小娘と小僧がー!」
そういうやいなや、もう一人の僕はアリスの繰り出した足をつかみ、そのままルルーシュに向かって投げた。
「くっ」
アリスは体勢を空中で立て直したが、
「なっ!?ぐはぁ!」
ルルーシュはアリスに直撃され、見事に倒れた。
「私がおとなしくしておれば、調子に乗りよって。その罪贖ってもらうぞ!」
「ふん、何を!?先輩こそナナリーに手を出した罪で返り討ちにしてやるわ!」
そう言って私は応じたが、
(おかしい、さっきまでの先輩と言葉遣いだけじゃなく雰囲気がまるで違う。全くの別人みたいだ。何よりもあの目・・・。)
「ぐぅ・・・。馬鹿な!?なぜライが・・・。」
(ライ。何故お前はそんな・・・、あの男のような目を、人を人と思わない目をしているんだ・・・。)
先ほどアリスとぶつかった衝撃で俺は動けない。しかし、倒れている俺に対して向けられる親友の目は母が死んだ8年前に父である皇帝が自分に向けた目と全く同じだった。


213:銀飯
08/07/28 13:36:49 rES+8Rfi
『運命の欠片-託すべきものⅧ-ライVSアリス③』

(二人とも私の発するオーラに金縛りにあっているのか、一向に動かんな。)
「どうした、せっかく私が待ってやっているのだ。かかって来たらどうだ?」
「言われなくても!?はーっ!」
(様子見が通じるとは思えない。全力で叩き込むのみ。幸い、ルルーシュ先輩の位置から私の額は見えてない。)
私はギアス-ザ・スピード-を開放し、一気に先輩へ駆け寄った。
(死角からの目にも止まらぬ攻撃、これはかわせないはず。)
しかし・・・
「「んな!?」」
ライ先輩は左手の人差し指一本で私の攻撃を止めたのだ。
「いい一撃だ。しかし私には届かぬ。」
と、平然と言ってのけ、再び私の足をつかみ吊り上げた。ちなみにスカートはめくれ上がり、パンツが丸見えの状態になったが、それよりも攻撃をかわされたショックが大きい。
「う、うそっ!?」
「信じられんという顔だな。安心しろ。お前の攻撃はきいているさ。小石が池の水を打つ程度にな。それにしてもはしたない格好だな。さて今度はこちらから行くぞ。」
『やめろー!それ以上彼女を傷つけるな!』
『ちっ、起きたか?まあいい、私も妹と同じぐらいの年の子を傷つけるつもりもない。』
(殺られる!?)
私は本気で死を覚悟した。しかし、次の瞬間部屋に鳴り響いたのは・・・



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