08/02/05 09:01:29 x7NI+NyJ
「拳が砕けてもこの心は砕けないのさ
そう それが阿修羅の定め
我が道を何度 塞がれようとも
修羅であれ!
神であれ!
魂の猛り見せよ!」
「はい、どうもありがとうございます!修羅んQ、『紅の修羅神』でした!」
「……」
座布団を抱えて、ショウコはごろりと寝転がった。そのまま起き上がらず、天井を見る。
(……フォルカが、どんどん遠くに行っちゃう……私なんかが手を伸ばせない所まで…)
「……フォルカ…」
何故か、彼の名がこぼれた。途端に、胸が苦しくなる。
「…フォルカ…フォルカァ…」
呼び始めると、止まらない。ショウコはその場にいない彼の名を呼んで、天井を見上げ続ける―
「……ティス…」
「何度呟けば気が済む。78度目だぞ、これがな」
「…ティス…」
「79度目ですの…」
河川敷。そこではコウタが、ショウコと同様にいない者の名を呼んでいた。
「…ティス…」
「80。この勢いなら一万と二千回ぐらいわけはなさそうだ、これがな」
「…ティス…」
「81。でも一万と二千回は時間的に無理ですの」
「…ティス…」
「82。…例えだ、例え」
「……」
「はちじゅ……止まってしまいましたの」
「……で、お前は俺達に何の用だ」
―正直、異様かつ珍妙だった。