07/07/03 17:43:44 COYZck97
スレイのネタ書きの才能?
糞以下だ
多分2chでも屈指のキモい文章
日本語でおkwwwww
邪神スレで晒されないのが不思議
読んだ奴皆すぐ透明あぼ~ん入りだから感想も来なくて当たり前wwwwwwww
その上煽るわ
拗ねるわ
脅すわ
自演するわ
開き直るわ
人間的にも最低だな
氏ねよ
301:それも名無しだ
07/07/03 18:13:55 n2kPxLl6
遊び半分でこんなことをしてすみませんでした
302:それも名無しだ
07/07/03 18:29:50 COYZck97
いいから氏ねよ
303:それも名無しだ
07/07/03 18:34:04 n2kPxLl6
続けたいです
304:それも名無しだ
07/07/03 18:44:20 nGVXyNJT
>>295に対して返答する。
1レス毎の分量は携帯のメモ帳1ページを目安にしてる。
あまり長文だとかえって読む気なくすんじゃないかとも思ってる。
「文章がおかしい」、「キャラが崩れすぎてて、最早別人じゃねーか」などの指摘ならまだしも、文章の量に関しては問題ないと思ってた。
スルーしたのは、返答したら場が荒れるんじゃないかと思ったから。
スルーした結果、今ちょいと雰囲気悪くなってる事については謝る。
ごめんなさい。
305:それも名無しだ
07/07/03 18:48:30 n2kPxLl6
>>304
気分を悪くさせてすみませんでした
306:それも名無しだ
07/07/03 18:49:30 COYZck97
>>303
邪神はみんなそうなのな
どこから出てくるんだ?
その蛆の生えた糞みたいな文章はwwwww
ネタは書きたいなら邪神スレにコピペしといてやるよ
思う存分嘲笑われてろ
307:それも名無しだ
07/07/04 13:38:01 9SR29UPW
なんだこの糞スレは
308:それも名無しだ
07/07/05 14:22:38 5PLVLMbA
『ハートを狙い撃ち!……なんちゃって☆』
ふざけた台詞と共に、上空からビームが降ってくる。
アシュセイヴァーを左右に振ってかわした俺は、頭上の狙撃手目掛けて、ガンレイピアを三連射した。
『いやん☆そんな乱暴なアプローチはノーサンキューよん☆』
狙撃手―ヴァイスリッターはクルクルと、踊るようにガンレイピアの光弾をかわす。
『女の子はデリケートなんだから……ね☆』
最後の「ね☆」に合わせて、オクスタンランチャーから実体弾が放たれる。
かわしたつもりだったが、弾丸はアシュセイヴァーの脚の装甲をかすめて、地面をえぐった。
お互いの動きを計算して撃ち込んで来やがる……聞いた話じゃ、DC戦争以前には、弾道ミサイル撃ち落とした事もあるらしい。
あの無駄に軽いノリに惑わされてっと、マジで心臓(ハート)を撃ち抜かれ兼ねねえぞ!
俺は心の中で自分に怒鳴り散らしながら、上空にハルバードランチャーをぶっ放した。
あっさりかわされたが。
『わぉ☆本気になってきたみたいね~!オネーサンも燃えて来ちゃうわん☆』
…………。
なぁ~にがオネーサンだ。色ボケが進みすぎて、テメーの年も忘れちまったか?
309:それも名無しだ
07/07/05 14:25:30 5PLVLMbA
>>308
『なっ……!?失礼ね!私はまだ23歳よ!』
ムキになって答えるエクセレンの姐さん。
23歳ね~……で、それは人間の年齢に換算すると、何十歳になるんで?
アシュセイヴァーを上昇させながら、言い返す。
『だから人間の年齢で23歳なんだってば!』
ヴァイスリッターはオクスタンランチャーEモードを連射して、迎撃を試みるが、射撃の精度が目に見えて落ちていた。
かわしつつ、レーザーブレードを起動させて、距離を詰める。
『だ~か~ら!乱暴なのはイヤなんだってば☆』
細いビームが連続して、撒き散らされた。出力絞って、連射性を上げたようだ。
ビームを撃ちまくりながら距離を詰めるヴァイスリッター。
勝負に出る気か!?
ガンレイピアを連射。
しかし当たらねえ。
もっとよく狙え、この馬鹿!
『蝶のように舞い、蜂のように刺すってね!』
オクスタンランチャーから実体弾が放たれる。
ビームの速さに慣れてきたところへ、弾速の遅いこの一発は、完全に回避のタイミングを外された。
何とぉぉぉっ!
とっさにレーザーブレードを振って、その実体弾を何とか切り払った。
レーザーブレードに弾丸が当たってくれたって感じだが。
310:それも名無しだ
07/07/05 14:26:37 5PLVLMbA
>>309
『わぉ!やるじゃな~い!さすがはサムライのお国柄ね!』
さっきとは逆に、距離を取るヴァイスリッター。
俺はガンレイピアを撃ちながら、追いかける。
しかしエクセレンの姐さんは、雲に隠れたり、太陽の逆光を利用してこちらに隙を作り出し、ビームと実体弾を巧みに撃ち分けて攻撃してくる。
くそっ、舐めやがって!
元戦闘機乗りの意地にかけても、空中戦じゃ負けられねえ!
ファイアダガー・ミサイルを発射して牽制、予測回避先にハルバードランチャーを撃ち込んでおく。
しかし、肩アーマーを破損させただけで終わった。
『そんなんじゃあ、ヴァイスちゃんの蝶の舞いには追い付けないわよ~ん☆』
何が蝶だ。
あんたはどっちかっつぅーと、アマゾンのジャングルで百年以上生きてる毒蛾の妖怪とかそっち系だろ!
『そこまで言う!?も~、頭来た!エクセレン先生がお仕置きしてあげるわ!』
へっ!返り討ちにしてやるよ!
ソードブレイカー!行ってこい!
機体の両肩に設置された六基のビットを射出する。
ソードブレイカーは、二基がビームを撃って牽制、四基が格闘戦を仕掛けた。
311:それも名無しだ
07/07/05 14:29:17 5PLVLMbA
>>310
ヴァイスリッターはオクスタンランチャーのWモードで、ソードブレイカーを迎撃する。
ガンレイピアを撃ち込んでそれを牽制し、ソードブレイカーにも、射撃係と突撃係を交互に入れ替えて攻撃を続行させた。
『一度に大勢ってのは、好みじゃないのよね!』
ヴァイスリッターは真上に向かって一直線に急上昇。
ソードブレイカーに追わせるが、これがまずかった。
最短距離で追い付かせようとしたため、六基が一つに固まる形となったのだ。
次の瞬間、オクスタンランチャーEモードの連射で、六基はあっという間に撃ち落とされた。
―直後、模擬戦の終了を告げる信号弾が上がる。
こうして、俺と姐さんの模擬戦は引き分けに終わった。
「お疲れ~☆かなりあつぅ~い一時だったわね~☆」
アシュセイヴァーのコクピットから下りた俺に、エクセレンの姐さんが朗らかに声をかける。
お疲れ様ッス。
姐さん、前にも増して射撃の精度上がってたッスね。
「ふっふ~ん!当然当然!女の子は愛しのダーリンのために、毎日陰で努力してるのよん☆」
エッヘン!と胸を張る姐さん。
一瞬だが、舶来物の胸がユサッと揺れたように見えて、不覚にも目を奪われた……。
「あなたもボ~ッとしてると、アヤ大尉やマイちゃんに差を付けられちゃうわよん☆」
へっ、上等ですよ。
差を付けられたら、そん時はそん時。
またすぐに抜き返してやりまさぁ。
「わぉ☆強気な発言!やっぱり男の子はそうでないとね~☆」
エクセレンの姐さんは楽しそうに、俺の頭を撫で撫でする。
―んごっ!
不意に、俺の後頭部に握り拳大の石が直撃する。
「あら、ごめんなさい。頭にハエが止まってたの」
両手を腰に当てたアヤが、眉間にシワを寄せて立っていた。
312:それも名無しだ
07/07/06 07:03:10 uPB7C0ZR
おひさー。
ラトと同居人ですよ。
>>308-311
乙&GJ。
エクセ姐さまらしいっつかなんつーか。
毒蛾の妖怪ひどっw
後、雲に隠れる辺りのビジュアルもいいね。
こんだけではアレなので、前に書いてつまんなくてほっぽり出した
カイ少佐VSイルム中尉投下してみる。
途中までしか出来てないけどね…。
↓スタート
イルムの乗る、蒼いゲシュペンストの左ジャブが先制だった。
高い金属音が円形の直径100m程のすり鉢状のリングに響き渡る。
最初の一発、ただの牽制とも言える攻撃だが、リングの周りに
群れた観客達はそれだけで熱狂し、足を踏み鳴らす。
相手方のカイ少佐の乗る紅いゲシュペンストが、延々と一分程もイルムの
攻撃を避け続け、やっと当たった最初の一撃だからだった。
完全マニュアルモードで起動している、と試合開始前にアナウンス
があった。
それはつまり人間の反応速度、操作速度のみで闘い、一切の
補助プログラムを使っていないと言う事だ。
スタビライザーも禁止。姿勢制御は完全にパイロット任せ。
センサーからの情報を全て己の目で視、音で聞く。
有り得ない程に原始的な闘い。
銃火器の使用も無い、狭いリングの中での格闘縛り。
実際の戦闘とは全く違う、競技としてのセオリー。
熟達のPT乗りが訓練としてこなすメニューと聞いた事があるが、
ここまでレベルが高いとは思ってもみなかった。
まるで巨大な二人のボクサーだ。
人間をそのままスケールアップさせて対峙させているかのようだ。
そしてよく見ればそら、命の無い筈のPTがステップに合わせて
呼吸をしているかのようではないか。
イルムの乗る蒼いゲシュペンストの構えは、ボクシングで言うなら
オーソドックスな右構えスタイル。
スタビライザーを切ってあるというのに、やや前傾した、アウトボクサーの
マニュアルを地で行くような綺麗なファイトスタイルを維持しつつ、
カイ少佐のゲシュペンストを中心に緩やかな円を描いて軽やかに
ステップを踏む。
イルムの動きは緩やかなようには見えるが、其の実疾い。
カイ少佐のちょっとした動きにさえ細やかに反応し、一瞬たりとも
同じ場所に留まる事は無い。
観客席にいる俺達の所まで、蒼いゲシュペンストが巻き起こす砂混じりの旋風が
吹き上がってくるようだ。
対してカイ中佐の乗る紅いゲシュペンストは、タイソンばりの
ピーカブースタイル。
ヒットポイントである、センサーが集中している顔面を両腕を
立てて固くガードしたまま、イルム以上の操縦技術でイルムの
ゲシュペンストに肉薄する。
距離を取るイルム。避けながら迫るカイ少佐。
313:それも名無しだ
07/07/06 07:04:57 uPB7C0ZR
カイ少佐が、またもや機体重心をかなり下げて力を溜めて突進した。
迎え撃つイルム。
カイ少佐は、イルムのコンビネーションを読んでいたかのように
一発目のジャブを右にスライドしてかわし、二発目のフックを
更に機体高を地面すれすれまで降着させて避ける。
イルムは驚いたろうか。
まさか、あの体勢でカイ少佐のゲシュペンストのスピードが全く落ちないとは。
風を巻き込み、一瞬視界から消える程の強烈な稲妻のような踏み込み。
そしてそのまま足先から膝関節、腰部から腕部へと力を掻き集め、
紅いゲシュペンストは、渾身の左ボディをイルムの乗る蒼いゲシュペンストの
コクピット付近に叩き込む…!
轟音と共に吹き飛ぶ蒼いゲシュペンスト。
ゲシュペンストのパンチは、乗り手次第でここまで破壊力が上がるものなのか。
まるで映画か何かのワンシーンの様に、スローモーションに見える程に衝撃的に。
蒼い機体が宙を舞う。
一拍置いて凄まじい地響き。
その機体が地面に落ちるのを見届けようともせず、紅いゲシュペンストは、
勝ち、とばかりに蒼いゲシュペンストにゆっくりと背を向け、両手を挙げた。
314:それも名無しだ
07/07/06 07:06:00 uPB7C0ZR
だが。
その数瞬後。
観客に手を挙げて割れんばかりの声援に応えるカイ少佐の後ろで、
もう動けない、と思われた蒼いゲシュペンストがぎしりと身動きをし、
膝を立てる。
紫電を機体のあちこちにスパークさせながら、ゆらり、と立ち上がる。
観客がどよめく。足を踏み鳴らす音で会場が揺れるようだ。
カイ少佐のゲシュペンストが振り返った。
設置されたスピーカーからカイ少佐の声が聞こえて来る。
「ほほう、まだ立ち上がれるか。やる気だけは一人前だな」
言って、掌を上に向けてアームを前に突き出し、くいくい、と挑発のポーズ。
そして苦しげなイルムの声。
「エキシビジョンだってのに本気でやりゃあがって。年寄りってのは
空気が読めないらしいな…?」
「若僧は、腕の未熟なのを本気じゃなかったから、と抜かすのか?」
もう一度、くいくい、と挑発。
「高くつくぜ…!」
イルムの乗る蒼いゲシュペンストが、猛然とダッシュする。
その姿は、もはやクレバーなボクサースタイルではない。
殺気と闘気を隠す事無く発散させ、大気がびりびりと振動するかのようだ。
その、溢れる程の殺気。
しかし、カイ少佐はそれを一歩も引く事無く。
むしろ前に出てイルムと相対する。
突進するイルム。
迎え撃つカイ少佐。
試合開始後のスタンスとは全く逆の立場で、彼我の距離が零になった。
そして。
-continue?
315:それも名無しだ
07/07/06 07:17:05 uPB7C0ZR
ぶは、カイ少佐を中佐とか書いてるとこ発見。
少佐です少佐。
切腹。
316:それも名無しだ
07/07/06 10:19:36 Jn1kSjJF
>>312-314
サンクス&GJ(・ω・)/
想像したら、ゲシュペンストがすげーカッコ良く見えた。
そしてヒゲ、あんた渋すぎだよヒゲw
317:それも名無しだ
07/07/06 18:07:38 uPB7C0ZR
>>316
ありッス♪(タスク風に
本来なら、ゲシュってパンチ打っていいものやら。
今回のコレは競技用にマニピュレータの先っぽやらなんやらを強化したものらしいですぜ。
後、ヒゲ最高。
318:それも名無しだ
07/07/07 14:59:30 di7dwBZq
>>317
良いんじゃね?
パットも究極ゲシュペンストパンチなんて必殺技使ってたし(byスパロボF)。
通常のPT戦闘なんて、素手で敵殴るくらいなら一辺補給に戻れって感じじゃないかなと思うんだな、これが。
319:それも名無しだ
07/07/07 15:00:57 di7dwBZq
食堂で昼飯を食ってたら、リュウセイがやって来た。
「なぁ、さっき第三演習場で、教導隊が胸を黄色に塗ったゲシュペンストと模擬戦やってたんだけど、何だありゃ?」
胸の黄色いゲシュペンスト……ああ、そりゃあ訓練用のイエロージャケットだな。
俺もあれに乗って訓練したもんだ。
「へぇ~、そんなのがあるのか……でもよ、黄色ってちょっとダサくねぇか?」
良いんだよ、それで。
『このダサい機体から卒業したけりゃ、早く腕を磨いて強くなれ』って意味なんだから。
それと、『お前等PT舐めてっとマジで死ぬぞ。気合い入れろ』っていう、警告の意味もある。
「な、なるほど……なぁ、もう一つ聞いて良いか?」
何だよ。
「この前の慰安祭で、カイ少佐とイルム中尉が乗ってたやつ。あれは何なんだ?」
ありゃあ、レギュラーゲーム用にカスタマイズしたタイプLGだ。
マニピュレーターやら脚部のショックアブソーバーやら、各関節やらをいじって、ステゴロに特化させてあんだよ。
「なるほど~!お前詳しいな……そうか、お前もやっとスーパーロボットの素晴らしさに目覚め」
お前と一緒にするな。
俺はリュウセイの言葉を遮るように返す。
320:それも名無しだ
07/07/07 15:02:41 di7dwBZq
>>319
単に、商売道具に関する事だから覚えただけだ。
ゲシュペンストに乗ってた時間は、お前等よりも長かったしな。
「そっか……俺たちがR-シリーズに乗ってる頃も、お前はゲシュペンストに乗ってたんだっけか」
ああ、最前線の鉄砲玉部隊に、わざわざ新型回すようなもったいない事する司令官はいなかったからな。
だがお陰で、使い慣れた機体に乗り続ける事が出来たし、ラッキーと言えばラッキーか。
「あ、わかるぜ。俺もやっとタイプTTに慣れたかと思ったらビルトラプターに乗り換えになって、苦労したからな」
当時を思い出して、リュウセイはしみじみとつぶやく。
……そういや、アヤから聞いた話じゃ、お前はその頃から勝手な事してたみてぇだな。
今度つまらん事しやがったら、イエロージャケットに押し込んで、カイ少佐にしばき倒してもらうか。
「げげ、そいつはご勘弁……!」
答えるリュウセイの顔は、かなりビビってた。
321:君の夫は、もういない
07/07/07 21:44:07 AEknubpa
宇宙要塞アルテミス。
そのパイロット待機室で、三人の青年が会話をしていた。
バルサム「なあ、ゼア?」
ゼア=ウィド「どうした、バルサム?」
バルサム「ずっと気になってたんだけどよ、そのペンダントって何なんだ?」
カナード「そういえば、戦闘中もずっと握って放さなかったな」
ゼア=ウィド「ああ、俺の記憶の手掛かりっていったらこれくらいしかねえからな」
カナード「そうか……む?何か、文字が彫ってあるぞ」
バルサム「ん?そうか?模様か傷だろ?とても文字にゃあ見えねえぜ?」
ゼア=ウィド「……読める」
カナード「何?」
ゼア=ウィド「なぜか分からないけど……読めるんだ。これは……! 呼び出し?」
オルガ「シャナ=ミア。気をつけてな」
シャナ=ミア「馬鹿にしないで下さい。式典ではちゃんとラフトクランズの操縦してたんですから」
ヒギンズ「久しぶりに運動できて、ブレンも喜んでるみたい」
宗介「しかし、ここを訓練の場とするのは、どうもな……」
耐爬「同感だな」
ゼア=ウィド「哨戒任務ですか?」
ガルシア「うむ。カナード・パルス特務兵はコロニーメンデル、
バルサム・アーレンド少尉はヘリオポリスにて紹介を行え。
そしてゼア=ウィド・クレーズ特務兵は…………」
オルガ「コズミック・イラ70、2月14日……」
ヒギンズ「連合によって核を打ち込まれ廃墟と化した農業生産プラント……」
宗介「このことは後に『血のバレンタイン』と呼ばれ……」
耐爬「連合、プラント間の関係をより悪化させた。そのプラントこそここ……」
シャナ=ミア&ガルシア「ユニウスセブン」
322:君の夫は、もういない
07/07/07 21:46:34 AEknubpa
どうも、お久しぶりです。
皆様への感想を書く暇がなく申し訳ありません。
なにせパソコン技能検定の試験が近いこともあり……とにかくすいません。
以上、オチがぼんやりとしかできてないゼア=ウィドでした。
323:それも名無しだ
07/07/07 23:25:16 lzOc2qT/
>>318-320
>パンチ
きゅうきょくぅう!げしゅぺんすとぱぁーんち☆
…なつかしw
そうか、あれがあったか。
>素手で殴るくらいなら
火力が違いすぎるもんねぇ。
特化してない限り普通にマシンガンとか撃った方が強いよねw
タイプLG。いいね!後で使わせてもらおうっと。
そういえば少尉は昔ゲシュばっかり乗ってたねー。
量産機の強み。覚えてるよん。
いつもの事だけど大リーグキャッチサンクス&乙!
>>321-322
お、ゼア氏だ。
博物館にいる頃より楽しそうだ!
感想、かぁ。
謝るぐらいなんだから本当に書きにくいんだろうなぁ。
うーん。
もっと、気楽に?
別に褒めなくてもいいんだし。
するとほら、お互いのレスも増えて楽しくなったじゃまいか!
324:それも名無しだ
07/07/08 14:48:06 BMCkYkOr
>>321-322
おや、早速クライマックス?
無理せず自分のペースでやるのが一番だよん('-^*)/
>>322
ソウルゲインみたいなステゴロ専用機でない限りは、まず殴り合いになる時点で負けだろうしねぇ……。
量産機の強みは、やっぱり数だよね。
たくさん作られてるから、パーツを入手しやすい。
↓
だから修理しやすい。
↓
いつでも安定した状態で戦える。
こういう事ではないかと思う。
ボトムズとか見てると、つくづくそう思うんだな、これが。
325:それも名無しだ
07/07/08 14:49:20 BMCkYkOr
アンカーミス……。
後半は>>323宛てです。念の為。
326:それも名無しだ
07/07/08 18:19:14 BMCkYkOr
おい、早くしてくれよ。
俺は目の前のアヤの背中に呼びかける。
「んー、もう少し待って?」
アヤは振り向きもしないで答える。
彼女がジッと見てるのは、アイドルのトレーディングカードが並ぶ棚。
ここはデパートのオモチャ売り場。
そんな場所のカード棚の前に立つ、若干露出過多の美女ってのは、何というか……非常にシュールだ。
早くしろよ。どうせ買わなきゃ中身わかんねーんだろ?
運任せでパッパッと買っちまえ。
「イヤよ。最近ダブったカードが溜まり始めちゃって……だから、出来ればダブりは避けたいの」
アヤはやっと肩越しに振り向いたかと思うと、子供みたいに口を尖らせる。
いーじゃねえか、ダブりは予備とか保存用とかだと思えば。
「それって、意味は同じな気がするんだけど……」
え?だってリュウセイの奴が言ってたぜ?漫画とかゲームとかは、鑑賞用・保存用・予備で同じ物3つ買うって。
「あの子は無駄使いばかりして……!」
アヤは眉間にシワを寄せて、こめかみを押さえる。
本当にあの阿呆には苦労させられてんだな……帰ったらたっぷり慰めてやるか。
「とにかく!私はダブりは避けたいの。選んでるんだから邪魔しないで」
アヤのその言い回しに、ムッと不愉快さを覚える。
……んじゃ、俺は広場で時間潰してるからな。
そう言うと、俺は返事も待たずにオモチャ売り場を出た。
327:それも名無しだ
07/07/08 18:21:49 BMCkYkOr
>>326
はぁ……何やってんだか。
広場で缶コーヒーを飲みながら、俺は一人ぼやく。
アヤはアイドルのブロマイド集めが趣味で、それが高じて最近は、トレーディングカードにも手を出してる。
一緒にテレビを見てる時でも、画面の中の歌手や俳優を見ては「あ、可愛い」とか「この人ハンサムよね」とか言っては、俺にコメントを求めてくる。
非常にくだらねー事だが、その度に俺は軽い嫉妬に、胸の内を焼かれてしまうのだ。
テレビや写真の中のアイドルが、実際にアヤに手を出してる訳でもない。
アヤが本気でアイドルと付き合いたいと思ってる訳でもない。
なのに、彼女が俺以外の男を見てるってだけで、俺は機嫌が悪くなっちまう……。
そーいやガキの頃も、お袋や姉貴が飼い犬の世話に夢中になってると、何かすげー悔しくなったっけ。
で、つい飼い犬にその悔しさをぶつけちまったりして、親父にぶん殴られたもんだ。
……本当に進歩してねーな、俺。
ハァ……と、ため息をつかずにはいられなかった。
やっぱアヤのそばにいるか。
そう思い、空き缶を捨ててオモチャ売り場へ戻ろうとしたら、アヤがやって来た。
328:それも名無しだ
07/07/08 18:23:40 BMCkYkOr
>>327
「お待たせ」
アヤはパタパタと小走りに駆け寄る。
もう買ってきたのか?何か時間かかりそうだったが。
「ん……なかなか決まらないから、また今度買う事にするわ」
……気ぃ使わせちまったかな。
俺が勝手に機嫌悪くしただけなのに。
「気にしないで?焼き餅焼きはお互い様でしょう?」
アヤは朗らかな笑顔で答えてくれる。
「それに、カードはいつでも買えるけど、あなたの気持ちは、一度逃がしちゃうとなかなか取り戻せそうにないしね」
そう言ってアヤは、俺の手を握る。
「だったら、あなたを優先するのは当然じゃない。恋人同士でしょう?私たち」
子供のように、腕にキュッとしがみつくアヤ。
……ごめん、アヤ。
何か、ガキみてーにスネたりして。
「だから、お互い様なんだから気にしないでったら」
アヤはクスクス笑う。
「それに、スネた顔も、今のバツの悪そうな顔も子供みたいで可愛いし……何より、私の事を愛してるからそうやって、スネちゃうんでしょう?」
んー……まぁ、な。
そう答えると、アヤは満足げに笑う。
「だから、許してあげる☆」
ありがとう、アヤ。
「さ、食事に行きましょう?早くしないとお店が混んじゃうわ」
アヤはそう言うと、俺の腕を引っ張って歩き出す。
同い年の筈なのに、アヤが妙に大人に見えて、逆に自分はガキっぽく思えて……でも、アヤの楽しそうな笑顔を見てたら、どうでも良くなって来る。
俺たちはお互いを愛し合ってんだから、今はそれで充分だろ。それ以上は贅沢だ。
俺は自分にそう言い聞かせたのだった。
329:君の夫は、もういない
07/07/08 21:33:48 n33JdBzY
ユニウスセブン跡地。
ノーマルスーツを着込んだ五人の男女が会話をしていた。
オルガ「確かに、ここでやるのはちょっとな……」
ヒギンズ「そうね、ちょっと居心地悪い感じ……」
シャナ=ミア「……あ、耐爬さん。さっき確か花持ってくるよう頼みましたよね?」
耐爬「ええ、何故花を?と思いつつですが……」
シャナ=ミア「それ、ゼアの花なんです」
宗介「で、その花をどうすると?」
シャナ=ミア「ここで亡くなられた人の鎮魂のために周囲に撒こうかと思いまして」
オルガ「お、いい考えだな」
ヒギンズ「でもゼアの花なんでしょう?」
シャナ=ミア「いいんです。また買えばいいんだから……」
宗介「そうと決まれば早速はじめよう。誰かに見つからんとも限らない」
シャナ=ミア「そうですね」
ユニウスセブン周辺宙域。
ゼア=ウィド「ここがユニウスセブン……ッ!…何だ…?今何か思い出せそうな……」
メリオル『クレーズ特務兵』
ゼア=ウィド「どうした?」
メリオル『周辺に敵機が潜んでいる可能性があります。充分に注意してください』
ゼア=ウィド「了解……ん?」
メリオル『どうしました?』
ゼア=ウィド「花だ。花が流れてきた。……ユニウスセブンの方からだ」
メリオル『気をつけて。敵味方両方の可能性があります』
ゼア=ウィド「ああ、一旦切るぞ。……あれか」
宗介「…! 所属不明機が接近中だ!」
シャナ=ミア「え!?」
オルガ「こっちでも確認した!数一機、サイズからしてMSだ!」
ヒギンズ「落ち着いて、まだ敵だと決まったわけじゃないわ」
耐爬「目視確認可能距離に入るぞ! ……な…!?」
シャナ=ミア「ガン……ダム……!?」
ゼア=ウィド「……(なるほど、オルガ・サブナックにヒギンズ・サス。
相良宗介に耐爬、おまけにシャナ=ミア・エテルナ・フューラか…)
こちらはユーラシア連邦所属、ゼア=ウィド・クレーズ特務兵だ」
オルガ「!?」
ヒギンズ「い、今…!?」
シャナ=ミア「ゼ……ゼア…!?」
ゼア=ウィド「何だこいつら…俺を知っているのか?メリオル」
メリオル『どうしました、クレーズ特務兵』
ゼア=ウィド「ガルシア司令が言ってた五人を見つけた。どうする?」
メリオル『司令からの命令は変わりません。抹殺してください』
ゼア=ウィド「了解だ。……っつうことで、たった今お前らの殺戮許可が下りた」
シャナ=ミア「え……何言ってんの、ゼア…?冗談、きついよ……?」
ゼア=ウィド「あいにく俺は冗談は嫌いだ!初っ端から本気で行くぜぇ!!」
シャナ=ミア「っ!?」
330:君の夫は、もういない
07/07/08 21:40:53 n33JdBzY
どうも、あまり感想を書けないので書ける時に書きます。
>>326-328
おもちゃ屋で真剣に悩んでるアヤさんw
お前さんのアヤさんへの愛っつうもんがヒシヒシ伝わってきますよ。GJです。
>>323-324
お優しいお言葉、ありがとうございます。
自分にはそのお言葉こそが何よりの励みであります。
今後も精進いたします。
以上、タイピングが70点いってしまって(50点で準二級相当)
正直自分でもひいてるゼア=ウィドでした。
331:それも名無しだ
07/07/09 17:42:25 ypzZZm/+
>>326-328
欲しいものが目の前にある時に、恋人を選ぶのって簡単そうで難しいよね。
アヤ大尉の判断は正しいが難しいって事で乙!
>>330
励みかー。
良かった。
J判らないので、こちらもレスは出来る時にするよん。
332:それも名無しだ
07/07/09 17:44:06 ypzZZm/+
↓スタート
「勝手知ったる他人の家♪…基地?」
連邦軍基地の緑色のリノリウムの張られた廊下を、鼻歌を歌いながらずんずんと進んでいく。
三歩ほど後ろをラトがとことこと付いて来る。
さすがに基地の中でいつもの雰囲気でいる訳にも行かず、説得して少し離れて貰った。
目的は、ラトの外泊許可だ。
一ヶ月置きにカイ少佐に許可を貰う決まりになっている。
振り返ると、ラトはおずおずと微笑んだ。
「カイ少佐は、この部屋?」
「うん…」
将校用の高級キャビン。
プレートにはカイ・キタムラと書いてある。間違いないだろう。
ノックしようとすると、少しドアが開いている事に気がついた。
別に覗き込むつもりは無かったのだが、何とはなしに目が室内に行ってしまう。
―そこには、異形の光景があった。
綺麗に整頓された、軍人らしい清潔さを感じさせるキャビンの中。
カイ少佐がこちらに背を向け、妙な踊りを踊っている。
腰をくねっくねっ。
お手々をふりっふりっ。
小首を可愛らしく傾げ、足は微妙に内股。
右手だけ妙にあちこち振り回している。
……なんだ、これは。
333:それも名無しだ
07/07/09 17:45:20 ypzZZm/+
ごす、と俺の顎にラトの頭がぶつかった。ふわふわの白いリボンが鼻をくすぐる。
ラトは、俺と同じ様にカイ少佐の部屋を覗き込んで。
そして。
「ブフッw」
「ぷっ…あはははw」
二人同時に噴き出してしまう。
笑いが止まらない。
カイ少佐が凄い速さでびくっ、とこちらを振り返り、その表情が驚き、羞恥、絶望ところころと変わっていく。
真っ赤な顔をしたカイ少佐は、早足で入り口まで歩いてくると、床にしゃがみ込んで笑いの発作に襲われている
俺とラトの腕を掴み、強引に私室に引っ張り込んだ。
―五分後。
「ようやく判ってくれたか。あれは、新機体のモーション作成の為にしかたなく、だな。」
「はい。女性をモチーフにした機た…ぶふっw」
「笑うな!」
ラトは顔を手で隠し、笑いを堪えるのに必死だ。
「女性機体のモーションデータなら…私が…作成しても…」
「男性から見た女性らしさ、というものが必要なんだそうだ!俺だってやりたくは無いが任務だから仕方なく!」
「ああ、女形みたいなものですね…?」
助け舟を出してあげると、カイ少佐は首をがくがくと凄い勢いで縦に振る。
「そうそう、女形、女形!」
一拍、謎の間。
静寂がいたたまれなさを浮き彫りにする。
「そそ、それよりも。書類だろう…?もう出来てるぞ。持って行け!」
「あ、ありがとうございます」
受け取って、ラトと二人で深々とお辞儀して。
「ぷっw」(ハモリ
「笑うなぁぁぁあああああ!!!」
怒りで拳をぷるぷると震わせるカイ少佐を背に、俺とラトは全速力で部屋を後にしたのだった。
おしまい
334:それも名無しだ
07/07/09 17:50:24 ypzZZm/+
ラトと同居人でした。(言い忘れ
335:それも名無しだ
07/07/09 17:56:43 cADpRKq6
>>329
うおぅ!ゼアが殺る気満々ですYO!?
続きが楽しみ('-^*)/
>>330
サンクス(・ω・)/
検定とかよくわからんが、とにかくドンマイ。
336:それも名無しだ
07/07/09 18:00:35 cADpRKq6
>>331
サンクス(・ω・)/
その難しい選択をやってくれたのかと思うと、マジで嬉しかったり。
>>332-333
誰だ、ヒゲに頼んだ命知らずはw
少なくとも、イルム中尉が推薦したのは間違いない。慰安祭の仕返しにw
337:それも名無しだ
07/07/10 07:40:21 V0aDGwhX
>>336
ありー。
マオ社(リン=イルム)が絡んでいるのか、それともショーン辺りの拘りなのか。
イルムはあの後ほぼ互角にカイ少佐と殴り合っているから、遺恨は無い筈なんだけど…
意外と男らしいしね。
多分、一番腕が立つ人物、とか上層部から指令が来たんじゃないかな?
まあ、ちょっと可哀想な話書いちゃったかなと自分でも思ってる。
前回渋かったので反動っつーかなんつーか。
338:それも名無しだ
07/07/10 10:33:33 uZKNBzJM
>>337
たまには良いんじゃね?
あのイングラムですら、クスハ汁飲んで悶えるギャグシーンがあったくらいだし。
>一番腕が立つ人物
たぶんそれだ。だから遺恨抜きにイルム中尉が推薦したに違いないw
イルムじゃなくても良いけどw
339:それも名無しだ
07/07/10 18:49:23 V0aDGwhX
>>338
ちょw
結局イルムかい!w
なんかイルムがやったんじゃないかって気にどんどんなって来たじゃまいか。
イルムめー。酷い奴だ。
>イングラム
後、ラーダさんにヨガ習うところとか。
結構親しみ易いキャラだよねw
340:それも名無しだ
07/07/11 13:37:47 X46MlXPK
>>339
イングラムはクスハ汁然り、ラーダさんのヨガ然り、真面目にやったらギャグになってしまうタイプなんだろうな。
個人的にはアヤ絡みで、リュウセイともども複雑なキャラだが。
341:それも名無しだ
07/07/11 13:40:42 X46MlXPK
「よう、アンデッドマン!」
食堂で朝飯食ってたら、イルム中尉に声をかけられる。
おはようございます、イルム中尉。
「ちょっと、お前に聞きたい事があるんだがな……」
中尉はそう言って隣に座り、俺の肩に腕を回してくる。
「逃がさないぜ」と言わんばかりに。
朝から何です?
「お前、カイ少佐にまた何か吹き込んだりしてないだろうな?」
言ってませんよ。
だいたい吹き込むたぁ何ですか。俺は事実をありのままに報告してるだけです。
報告されちゃあ困るような事を、あんたがやってんでしょーが。
「ぐっ……それを言われると……!」
自覚はしてるのか、中尉は言葉に詰まる。
「しかしな……昨日少佐と模擬戦やったんだが、いつも以上に厳しかったっつうか、激しかったっつうか……で、てっきりお前さんが何かある事ない事吹き込んだんじゃないかと思ったんだが……」
それなら呼び出してお説教がいつもの流れでしょ。
ひょっとしたら、娘さんと喧嘩しちまって機嫌悪かったとかじゃないですか?
「馬鹿言ってんなよ。あの人は鬼だが、八つ当たりするようなガキでも卑怯者でもないだろう」
それもそうですね……ん~?じゃあ他に、何があったんだろ?
本当にわからなくなって、首をひねる。
「とりあえず、お前が何かタレ込んだ訳じゃあなかったみたいだな……疑ってすまなかった。じゃ、今日も頑張れよ!アンデッドマン!」
イルム中尉は俺の背中をバン!と叩いて、席を立ち、食堂を出た。
何だったんだ?いったい……。
ん?見ると向かいのテーブルに座るラトゥーニが、クスクス笑ってる。
どうした、チビっ子。
「いえ……何でも……ちょっと、思い出し笑いが……」
笑いをこらえながら、ラトゥーニは答える。
ふん、どうせ彼氏とのデートでも振り返ってたんだろ。
俺は飯を食い終えて席を立つ。
「そっか……イルム中尉が推薦したんだ……」
ラトゥーニは何やらぶつくさ言いながら、まだクスクス笑っていた。
342:それも名無しだ
07/07/11 17:49:16 sWxsFJNz
>>341
アンデッドマン。
変な仇名ついてるし!
恐る恐る探りを入れてくるイルム。
思い出し笑いしてしまうラト。
萌えたぜGJ。
343:それも名無しだ
07/07/12 09:55:36 coGDWCYS
>>342
サンクス(・ω・)/
単に不死身の男を英語にしただけなんだけどね。
344:それも名無しだ
07/07/12 17:46:57 HlAiOUNK
>>343
不死身。
undeadっていうとヴァンパイヤとか无(ウー)みたいなイメージががが。
とりあえずスタート↓
345:それも名無しだ
07/07/12 17:47:40 HlAiOUNK
『キューンキューン♪キューンキューン♪私の彼はパイロット♪』
美女と美少女。二人のリン・ミンメイが歌い、踊る。
振り付けは赤い髪の美少女―マイちゃん、の方が少し大きめだろうか。
幼い手足を大きく広げ、振り回し、元気良くステージを歩き回る。
控えめな仕草で踊る緑の髪のショートカットの美女は、アヤ大尉。
レーザーが乱れ飛び、端正な顔と伸びやかで瑞々しい肢体を鮮やかに際立たせる。
サーモンピンクのブーツと白いミニスカートが眩しい。
『キラリ輝って急降下♪』
『ゴーと噴かして急上昇♪』
マイちゃんとアヤ大尉が交互に歌う。
空には二機の戦闘機。
抜けるような綺麗な青空に、歌詞通りに急上昇しながら、飛行機雲が垂直に伸び上がっていく。
『大きなハートが重ねて二つ♪』
青空に大きな二つのハートマークが重なって描き出された。
アヤ大尉は歌いながらもちらりとそれを確認するかのように見上げる。
と、大尉の微笑みが優しく、深くなったような気がした。
「ふむ。ラト。あの戦闘機に乗ってるのって…例の不死身の人?」
「うん。やっぱり、わかる…?」
「ん。なんか、ね。アヤ大尉の表情が、ね」
「わかるんだ…そういう所だけ、敏感…」
「悪かったな。鈍感でw」
「いいの。しょうがないから…」
ラトは苦笑して、さっきよりもほんのちょっと俺に身を寄せ、なんとなく寂しそうにステージを見やる。
『キューンキューン♪キューンキューン♪私の彼はパイロット♪』
歌が終わり、アヤ大尉が大観衆に向けて柔らかく礼をして空をまた見上げ、戦闘機に向けてさりげなく投げキスをした。
つられて上を見上げると、まるでアヤ大尉の投げキスに挨拶を返すかのように。
手前のハートマークを描いた方の戦闘機が、太陽の光を反射してきらり、と光ったのだった。
346:それも名無しだ
07/07/12 22:50:34 coGDWCYS
>>344
自分でも少し違うかな?と思ったけど、まぁ「死なない」という点では同じやしねw
>>345
GJ!
姉妹での振り付けの違いを書いてくれるたぁ、ニクいねブラザー!
楽しそうに歌うマイと、何だかんだでちょっと恥ずかしがってるアヤが想像出来ました(*´∀`)
でも戦闘機、か……民間人がパッと見ただけじゃ、R-ウイングやビルトラプターFMは戦闘機に見えちゃうもんなんかね?
まぁいいや、最後にもう一度、GJ!
347:それも名無しだ
07/07/13 06:28:00 TyxX0iIo
>>346
いや、その違いがイルムらしいっていうか。
逆にそれらしく感じたよ。大丈夫。(なら突っ込むな
そしてサンクス。
アヤ大尉萌えはやった事無いので不安だったけど、気に入って貰えて何よりですぜ。
もちょっと膨らませば良かったかな。
実力無くて膨らまんかった。ですぜ。
後、戦闘機はそう。
民間人視点を強調したかったんだけど、ちと筆足らず。
この直後に変形したビルトラプターとR-1が会場上空で決めポーズ取るんだよね。
ぶった切り方が不自然だったなー。
死んでお詫び。
切腹。ズサ。
348:それも名無しだ
07/07/13 08:53:48 LIQpUvmq
>>347
>レーザーが乱れ飛び、端正な顔と伸びやかで瑞々しい肢体を鮮やかに際立たせる。
>サーモンピンクのブーツと白いミニスカートが眩しい。
この部分なんてアンタ、恥ずかしい話だけど、ちょいとニヤケちまったよ?
改めてGJなんだな、これが。
>民間人視点
あ、やっぱり。
最後の決めポーズまでやって、それを見て驚くシーンとか入れたら更にわかりやすかったかも、と今思った。
でもああいう締め方も俺は好きかな。
最後に一つ。
介錯人呼ぶ前に腹を切る奴があるかw
349:それも名無しだ
07/07/13 15:26:46 LIQpUvmq
ゴーストタウンのくすんだ景色が、高速で後ろへと流れていく。
ビルとビルの隙間から、一瞬だけ見える赤いゲシュペンスト目掛けて、マシンガンのトリガーを引く。
照準?
合わせてる暇なんかねーよ。
軽快な発射音と共に弾丸がばらまかれるが、相手にはかすりもしない。
舌打ちする間もなく、アラームがコクピットに響く。
ビルを越えて、上空から三枚刃の付いた戦輪スラッシュリッパーが、弧を描いて飛んできた。
マシンガンで撃ち落とすが、そこで弾丸切れとなる。
ビルの陰で足を止めて、マガジン交換。空になった方を、試しにビル越しに放り投げてみた。
ヒュン!という風切り音と共に、スラッシュリッパーがそれを切り裂いた。
リッパーはそのまま、青く塗られた俺のゲシュペンストの近くに落下した。
―ライの野郎、相変わらず結構なお手前だぜ。
あれ?でもアイツ、マシンガンじゃなくてスラッシュリッパー使ったよな?
フリスビーやブーメランのように軌道をコントロール出来るスラッシュリッパーで、ビル越しに俺を狙うならまだわかるが、ビルの上に飛び出した何かを撃つなら、弾丸をばらまくマシンガンの方が確実だと思うが……アイツもしかして、弾丸切れ?
350:それも名無しだ
07/07/13 15:28:46 LIQpUvmq
>>349
ここまでの銃撃戦で、お互い相当数の弾丸をぶちまけて来たからな……こっちもマガジンは今取り付けた物でラストだし、ライが既に弾丸切れを起こしてる可能性も、なくはない。
もしもそうなら、勝負に出るべきか。
スラッシュリッパーは弧を描いて飛ぶ分、マシンガンに比べて標的に当たるのが遅い。
ビルの陰から飛び出して、マシンガンを撃ち、飛び出した勢いそのままにスラッシュリッパーをかわすって手もあるが……。
問題は、俺がそう考えてるのをライが見越していた場合だ。
わざと弾丸切れを起こしたように見せかけて、俺を誘っているのだとすれば、ここで勝負に出るのは自分から虎の穴に飛び込むようなもんだ。
さて、どうしたもんか。
ライのゲシュペンストから追撃が来ないのは、誘ってるからか、はたまたスラッシュリッパーがもったいなくて追撃出来ないからか……。
改めて状況を整理しよう。
俺のゲシュペンストはスプリットミサイル装備だが、もう使い切っちまった。飛び道具はマシンガンのみ。
対してライはスラッシュリッパーと、弾丸切れを起こしてないとすれば、マシンガンもある。
…………。
―スラッシュリッパー?
351:それも名無しだ
07/07/13 15:30:59 LIQpUvmq
>>350
―うし、一か八か、やってみるか!
俺は意を決して、武器を構えてビルから飛び出す。
ライの赤いゲシュペンストが、マシンガンの銃口をこちらに向けていた。
やっぱり弾丸切れはフェイクか!
互いのマシンガンが、ほぼ同時に火を噴いた。
コクピットの左側から振動が来る。
左肩に被弾したようだ。
バランスを崩し、動きが止まる。
こっちが撃った弾丸は、足下の道路を吹っ飛ばして、足止めさせただけだった。
『もらった!』
ライのゲシュペンストが、トドメを刺すべくマシンガンを構え直す。
―阿呆が。「もらった!」はこちらの台詞だぜ。
次の瞬間、上空から降ってきた一基のスラッシュリッパーが、ライのゲシュペンストの肩口を深々と切り裂いた。
さっき空っぽのマガジンを破壊して、そのまま落っこちたやつだ。
あれを回収し、飛び出すと同時に投げた。
マシンガンで足下を撃ったのは、ライの注意をそいつから逸らすためだ。
ライのゲシュペンストが、ガクリと膝を付いた。
モニターに、「状況終了」の文字が表示される。
シミュレーターを停止させて、俺はフゥーッと大きく息をついた。
352:それも名無しだ
07/07/13 15:34:55 LIQpUvmq
>>351
シミュレーターから出ると、ライが待っていた。
「してやられたな」
言ってる割りには、あんまし悔しそうじゃないな。
「良い勉強をさせてもらったからな」
素っ気なく答えて、かすかに微笑む。
ま、こっちもリュウセイ相手よりは、やりごたえのある試合だったよ。
「アイツは突っ込むしか能がないからな」
まるで猪だよな。R-1じゃなくてビルトシュバインに乗った方が良いんじゃねえか?
猪 だ け に 。
「―上手いな」
「上手くねえ!黙って聞いてりゃ好き勝手言いやがって!」
なんだ、いたのかリュウセイ。
「最初からいたじゃねえか!どんだけ俺を馬鹿にしてんだ、お前等!」
「失礼な事を言うな。馬鹿になどしてはいない」
「え……そうなのか?」
ああ、もちろんだ。
「俺たちはお前を正当に評価しているだけだからな」
「やっぱ馬鹿にしてんじゃねえか!もう頭来た!ライ、シミュレーターに入れ!まずはてめえからギャフンと言わせてやる!」
「フ、良いだろう」
二人は早速シミュレーターに入る。
「もう、あまりからかっちゃダメよ?」
俺の隣に寄り添うように立ちながら、アヤがたしなめた。
おいおい、これでも評価はしてるんだぜ?ここぞという時の爆発力はな。
俺は答えながら肩をすくめる。
あ~あ、しかし頭使ったせいか、肩がこるなぁ~……知恵熱も出るかも。
わざとらしく肩を回したり、こめかみを押さえながら、アヤの方をチラチラ見る。
アヤは俺の考えを察したのか、クスクス笑った。
「じゃあ、後でマッサージしてあげる。熱が出たら、添い寝もしてあげるわね。甘えん坊さん」
本当か?約束だぜ?
俺は言いながら、アヤの腰にゆっくりと手を回したのだった。
353:それも名無しだ
07/07/13 18:33:12 r91YmCTD
>>348
>民間人視点
うん、そうなんだよねー。
どんどん大きくなって頭上すぐの所までやって来て変形して、会場がジェットの奔流にさらされる所まで頭にはあったんだけど。
でもそれやると少尉とリュウセイ、また始末書だろうなってw
あんまりダイレクトパスすると疲れるかな、と思ってこっちにしてみたのですぜ。(日本語変
>介錯
ぐは。くくくくるしぃーw
>>349-352
GJ。
そういえばゲリラ戦の状況モードって我々少ないね。
イングリィ…じゃなかった新参者さんがラミアで書いたぐらいじゃね?
掩体を利用した射撃戦。新鮮に感じたよー。
緊張感あったしね。
後、ライとかリュウセイとかアヤ大尉とかの生き生きした会話がよろしい、と言わせて頂く!
354:それも名無しだ
07/07/14 14:35:07 EduUvlON
>>353
> でもそれやると少尉とリュウセイ、また始末書だろうなってw
なるほど、ブラザーなりの心配りってやつか。
しかしヴィレッタの姐さんは、始末書よりも、翌日のスペシャル特訓メニューの方が怖かったりするんだぜw
> そういえばゲリラ戦の状況モードって我々少ないね。
そもそも全長20メートルのPTじゃ、身を隠せる状況がマジで限定されるからなぁ……。
ゲームじゃ地形効果狙いで、平気で市街地のド真ん中に陣取ったりするけど。
355:それも名無しだ
07/07/15 10:43:06 rw6Qz4/q
>>354
>ヴィレッタ大尉
容赦ないだろうなーw
>身を隠せる状況が限定
そういえばそうか。
大き過ぎるってのはシチュエーション削るもんなんだねぇ。
ビルに隠れるダイターン3。ガンバスター。
ちとありえない。
ちょい時期を外したけど、スタート↓
356:それも名無しだ
07/07/15 10:43:46 rw6Qz4/q
空も地上も、陰鬱な灰色。それ一色。
そして、キャノピーを弾丸のように叩き続けるこの大粒の雨。
ラトゥーニとフェアリオンに搭乗するのは、これで何度目だろうか。
結構慣れてはきている。
だが、今回はいつもとは決定的に違っていた。
それは、他でもないこの俺がフェアリオンを操縦している、という事実だ。
時刻は夕方。6時過ぎ。
天候は、嵐、だった。
俺達は静かに。しかし、かなりの速度で雨風をものともせず上昇していく。
フェアリオンはとんでもなく機動性が高い。
そろそろとスロットルを開けてさえ、驚くような速さになる。
だが、加速圧は全くと言って良い程感じられなかった。
多少の旋回動作を合わせてさえ、普通に地上にいてその辺の椅子に座っているのと大差ないのだ。
コーヒーを入れたカップを無造作にその辺に置いておいたとしても、一滴も溢す事は無いのではないか。
そんな気がした。
多分、慣性、重力制御が普通のPTとは次元が違っている。
これに慣れてしまったら、ゲシュペンストには乗れないな、と頭の中でひとりごちた。
と、膝の上に乗せたラトゥーニが身じろぎをする。
成長途上の少女の体は信じられない程華奢で、薄い肉付きに俺の太い骨が食い込みそうで。
痛くはないのか、と心配になってしまう。
「大丈夫かい?」
「うん。何が…?」
「いや、大丈夫ならいいんだけど」
至近距離で不思議そうに覗き込んでくる蒼い瞳にどぎまぎしてしまう。
さっき調べたばかりのインジケータをもう一度チェックして気を散らした。
「もう、高度は10km地点に差し掛かる…ね。そろそろ雲を抜けそうだ」
俺がそう言うと、ラトは折り紙が沢山付いた笹の葉に視線を落とし、そっと微笑んだ。
* * *
357:それも名無しだ
07/07/15 10:45:15 rw6Qz4/q
―1時間程前。
「七夕?」
「うん。雨…降っちゃったね…」
ラトは残念そうに笹の葉を見やった。
俺が昨日近所で切ってきて、花瓶に生けておいたものだ。
既に飾りつけはほぼ終わっており、後は短冊に願い事を書いて吊り下げるだけの状態。
「織姫と彦星って…一年に一回しか会えないんでしょ…?」
ラトがまるで幼児が両親に問うような質問を、いきなり俺にぶつけてくる。
いつもの事だ。
スクール、という単語が頭をよぎる。
「話によると、そうらしいね」
「今日は雨だから…また、来年?」
「うーん…」
確か、子供の頃に聞かされた話では…。
「いや、確か雲の上では会えてる、と思ったよ。地上で雨が降っていても、必ず」
「一杯、雨が降っても?」
「ああ。例え、今日みたいな嵐の日でも」
「そうなんだ…」
安心したような表情。
おとぎ話の中で引き裂かれ、一年に一度しか会えない恋人達に、ラトは何を感じたのだろうか。
俺は、ラトの頭にそっと手を伸ばし、ふわふわリボンごと頭を撫でながら、
「不安だった?」
と、優しく問う。
「会えなかったら、可哀想だし…」
「そうか…。う~ん。せっかくだし、織姫と彦星、見に行こうか?」
「…え?」
「雲の上まで、さ」
一拍置いて、ラトの表情がぱっと明るくなる。
もちろん答えは、YESだった。
* * *
358:それも名無しだ
07/07/15 10:46:04 rw6Qz4/q
いきなり視界が開けた。
照りつける太陽。
白く輝く、まばゆいばかりの眼下の雲海。
ざばあ、と音を立てて深海から空中に躍り出たような感覚。
「まだ、昼間…!?」
「みたいだね。ちょっと早すぎたかな?」
推力を落とし、雲の中に入る。
また、ざん、と雲から飛び出し、フェアリオンをくるくるとフィギュアの選手のように回転させた。
モニターに映る映像、センサー各種は機体の回転を知らせるが、コクピットにはGの影響は何も無い。
「へへ。イルカみたいだろ?」
雲が、空が、世界が回る。
俺達を中心にして。
少しだけスロットルを開けた。
フェアリオンは急速に雲海を後にし、急上昇して宇宙に近づいていく。
高度10km…12km…15km…。
ここは既に成層圏だ。空の色が変わり始める。
南国の海のような、混じり気無しのサファイヤブルーから藍色へ。そして、虚無の黒へ。
真上に目をやれば、そこはもう空ではない。
漆黒の宇宙だ。
視線を下げていけば、眼下の雲海の水平線に近づくにつれて宇宙は深く鮮やかな青い空へと色調と様相を変えていく。
黒い宇宙と透明な美しい青い空。遙か眼下に雄大に広がる白い地平。大雪原のような雲の海。
雲の水平線近くの空は、太く青いレーザーのように自ら光を放っているように見える。
「綺麗…」
ラトが呟く。
同感だった。
ここまで澄んだ空は見た事はないし、黒い宇宙がグラデーションして青く光る空に変化していく様は圧倒的だ。
見渡す限りどこまでも続く雲海も、質量をもっているかのように存在感があり、その上今までに見た何よりも白い。
そう、感じる。
「…ラト」
「うん…?」
「イルカってさ。野生のものでも、海面から高くジャンプするらしいんだよ。なんでなのか、分かる気がしないか?」
「…」
「多分、今の俺達みたいな気持ちなんじゃないかな」
「うん…。きっと、そう…かも…」
359:それも名無しだ
07/07/15 10:46:49 rw6Qz4/q
ラトがそっと振り返る。
右手をコンソール、左手をスロットルに置いたまま、俺は動けない。
ラトが片手をコンソールに滑らせ、一瞬でフェアリオンを自動運転―待機モードにセットする。
「キスして…いい…?」
ラトが小声で訊いてくる。
「キキキ、キスって…むぐ」
華奢な躯が俺に覆い被さり、14歳の少女の腕が俺の首に回される。
紫色のウェーブがかった細い髪が俺の首筋をくすぐる。
熱く、柔らかい少女の舌が俺の唇を割って入ってくる。
ラトゥーニの、舌。
俺の舌を捉え、たどたどしくねぶる。
理性の糸が切れそうだ。
震える手をラトの背中に回し、最初は弱く。
だが、我慢できなくなって強く抱きしめてしまう。
その間もラトの舌はゆるゆると動き続けて。
「…ぷは」
キスを止めたら、もっとラトが欲しくなった。
ラトの首筋に顔をうずめ、唇を当てて強く吸う。
ミルクの匂いと、柑橘系の香水とシャンプーの匂いが、ないまぜになって俺の頭の中をぐるぐると掻き回す。
ラトがぴくり、とのけぞった。
「ぁ…」
ラトのちいさな手が俺の手を誘う。
ウエストの部分から、熱くほのかに汗に蒸れた少女のドレスの中へ。
手のひらに感じるラトの素肌。
驚いて抜こうとするが、ラトはそれを許さない。
両手で押さえ込んで抜けないようにし、潤んだ瞳でかぶりを振る。
「触って…」
ブラは、していなかった。
必要が無いのかも知れないが、だがそこには確実に女としての隆起があって。
手が溶けて沈み込んでしまうのではないか、と思える程柔らかくて。
ラトの体の中心を触っている、と感じる程に熱くて。
何よりも、ラトと一つになった感覚があった。
そのまま、もう一度キスをする。
脳髄が痺れる程に幸せだった。
手をラトの中心に置いて、見つめあう。これ以上の幸せがあるだろうか。
* * *
360:それも名無しだ
07/07/15 10:47:29 rw6Qz4/q
夕暮れに差し掛かる。
雲海に沈む夕陽は、地上で見るよりも薄いオレンジ色で、横にぼんやりと伸びて霞んでいる。
残照に雲海が山脈のように、砂漠のように照り映える。
そして、宇宙がどんどんと降りてくる。
星が、出た。
最初はうすぼんやりと一つ、二つと数えられる程度だったのが、気付くと視界一杯に広がっていた。
星はどんどん増えていく。
地上にいる時の夕闇とは比べ物にならない。
満天の星空。撒かれた銀の煌く砂達。
その真下を、俺とラトはフェアリオンでゆるやかに漂っていた。
「お兄ちゃん…」
夢見るような表情でラトが言う。
「私、どうしてお兄ちゃんの事が大好きなのか、少し分かったかも知れない…」
「ん?好きって…。どうして?」
「今までに、PTをこんな風に使う人、いなかったもの…」
そうか、と思う。
スクールでは。
PTを只の戦闘機械としてしか使う人は居らず、全てが任務でしかなく。
ラトも、己の存在価値をどこに捉えてよいか判らず。
ずっと縛り付けられていたのだろうか。
凍てつき、傷ついたラトの心には、俺の力の抜け具合がぴったり嵌るのかも知れない。
「もちろん、それ以外も。寝ている時のお兄ちゃんも。食事してる時のお兄ちゃんも。歯を磨いている時のお兄ちゃんも。」
にこっと、みずみずしい朝顔がそっと花を咲かせるように笑って。
「全部、愛しています…。大好き…!」
そしてラトは、もう一度、今度は小鳥が餌をついばむように俺にキスをしたのだった。
* * *
短冊に願い事を書く。
地球上で、こんなに空に近い所で願う奴は、多分今年は俺達だけだろう。
「ラト、なんて書いたの?」
お約束のように、ささっとラトが慌てて後ろ手に短冊を隠す。
「しょうがないな、俺が先に吊り下げるか」
願い事を書いた短冊を笹の葉に結びつける。
「あ…」
ラトが嬉しそうに、はにかむように笑う。
いそいそと後ろから出してきたその短冊には、俺と同じ願い事が書かれてあった。
fin
361:それも名無しだ
07/07/15 14:52:45 0Jj+5r9S
>>356-360
GJ。
蒸し暑くなるこの時期にアツアツラブラブな話書きやがってw
しかも狭いコクピット内でお触りですかw
最後の、短冊に書いた願いが同じだったって締めもナイス。
様式美ですな。
362:それも名無しだ
07/07/16 06:20:40 Oda5w7Mw
>>361
サンクスハ汁。(つまらん
>アツアツラブラブ
羨ましそうだな!おい!w(失礼
アヤ大尉でやんなさいw
>お触り
今回、R指定を越えてるって話ですぜ?(小声
ヤバイね。
>様式美
いや、様式美取ったらこの世の中の著作物、99%絶滅するからw
まあ様式美マニアの私にかかればこんなもんですわ。(意味不明
つーわけでラトと同居人ですた。
朝はテンションたけーぜ。
363:それも名無しだ
07/07/16 21:36:04 KkBglsaW
>>362
> 羨ましそうだな!おい!w(失礼
> アヤ大尉でやんなさいw
ふっ、ならばそうさせて頂こうか!
もっとも、書かないだけで、俺たちはいつもアツアツラブラブだがな!
べ、別に悔しい訳じゃないんだからね!
> いや、様式美取ったらこの世の中の著作物、99%絶滅するからw
伝統芸能にいたっては完全に全滅ですなw
様式美万歳w
364:それも名無しだ
07/07/16 21:37:48 KkBglsaW
最初に言っておく!
スレスト食らったらごめんなさい。いやマジで。
大丈夫だとは思うが……では投下↓
365:それも名無しだ
07/07/16 21:39:03 KkBglsaW
ベッドに横たわる俺の耳に、アヤのクスクスと笑う声が響く。
俺以外の人間は絶対に聞く事はないだろう、淫靡な声。
「愛してる……」
俺の上に覆い被さり、下着姿のアヤは、俺の顔を濡れた瞳で覗き込み、ささやく。
そして、口づけ。
貪るように激しく、唇を吸われる。
舌が、何かを求めるようにせわしなく口の中に侵入し、動き回った。
俺も舌を動かして、それに応じる。
ピチャピチャと舌を絡ませていると、その舌を伝って、唾液が流れ込んできた。
俺はそれを、ゴクリと飲み下す。
いつもアヤにそうさせているように。
再び唇と舌のやり取り。
その間、アヤのたおやかな両手がシャツの下に入り込み、怪しい生き物の触手のように俺の肌をまさぐる。
「ぷはぁっ……」
息苦しさを覚え始める頃、唾液の糸を引きながら、アヤがようやく唇を離してくれた。
「ふふ……可愛い……」
シャツの下から抜いた両手で、俺の髪を撫で、頬と言わず額と言わず、顔中にキスの雨を降らせる。
舌先でチロチロと、耳たぶをくすぐる。
思わず首をすくめると、両手で頭を掴まれた。
「ダメ。じっとしてなさい?今夜のあなたは、私だけの可愛いお人形さんなんだから……」
狩る者の眼で俺を見つめるアヤ。
―そう、今夜は俺が攻められる側だった。
もっとも、最後までそうなのかは、俺にもアヤにもわからんが。
366:それも名無しだ
07/07/16 21:41:31 KkBglsaW
>>365
そうこうしてる内に、アヤは俺のシャツを脱がし始める。
露わになった上半身に豊かな胸の膨らみを押し付け、こすりつけた後、アヤは俺のうなじに吸い付き始めた。
「誰かに横取りされないように、ちゃんとマーキングしておかないとね……あなたは、私だけのものだって……」
そう言って、痕が付きそうなくらい強く吸う。
唇はゆっくりと下方へ移動し、胸板の辺りを吸い始めた。
キスだけじゃなく、唾液を塗りたくるように丹念に、舌で舐め回す。
その度に、体中をゾワゾワした感覚がほとばしる。
要するに、アヤの攻めに感じてる訳だ。
「どう?あなたはいつもこうやって、私をいじめているのよ?」
脇腹を両手でさすりながら、アヤは意地の悪い声でささやく。
「上官をこうやっていたぶるなんて、許される事じゃないわ……だから今夜は、私がタップリと罰を与えてあげますからね?」
軽く唇を重ね合った後、アヤは俺をうつ伏せにして、背中にも唇と舌を這い回らせる。
1ミリの隙間も残さない勢いで、しかし優しく、丹念に愛撫する。
いつも俺がしてやってるように。
「―どう?」
愛撫を中断して、アヤが尋ねる。
ちゃっかり胸を背中に押し付けながら。
どうって?
「そろそろ、欲しくなって来たんじゃない?」
耳元でささやくアヤの両手は、むしろそっちが欲しくなってんじゃないかってくらい情熱的な動きで、ズボンの上から股間をまさぐっている。
―ああ、欲しいよ。アヤが凄く欲しい。
俺も体の奥から湧き上がる熱に突き動かされるように、答える。
「ふふ、素直で良い子ね……」
アヤは起き上がり、再び俺を仰向けにする。
「それじゃあ、いつものように……まずはお口で……ご奉仕をしてあげるわね……」
アヤはかすかに息を荒げながら、俺のズボンに白魚のような指をかけたのだった。
367:それも名無しだ
07/07/17 06:54:26 uaHuoCVZ
>>363
おお、いけいけ!
>いつもアツアツラブラブ
いや、わかってるってw
>伝統芸能にいたっては完全に全滅ですなw
相撲編。
マワシは禁止。全裸で。
>>364-366
コラアアアアw
何書いてんの!(ブライトさん風に
GJw
まーアレだ。
たまに、だからね。
流れ的に多少はみ出す時もあるさ。
368:それも名無しだ
07/07/18 13:31:26 tDbEYblT
>>367
サンクス(・ω・)/
そうだよね。ごくたまになら、ほとばしる熱いパトスに身を任せても良いよね。
>相撲編
甘いなブラザー。伝統打破ならばこれしかない!
つ【女人禁制解除】
369:それも名無しだ
07/07/18 13:32:35 tDbEYblT
今日もコクピット内で、アシュセイヴァーの調整。
機体に慣れていくほどに、こうすれば良いんじゃないか、こうするべきではないかと、あれこれ自分なりの改善案が出てきて、キリがない。
しかしこいつは、自分の命を、そして仲間の命をも預けるマシンなのだ。
そう考えると、妥協は出来ない。
OSの調整の後、ソードブレイカーの新しい自動攻撃パターンの作成もやる。
「ずいぶん熱心ね」
そこへアヤがやって来て、声をかけて来た。
ああ、まぁな。
コイツで飯を食ってるんだし、当然さ。
俺はそう答えて、ニッと軽く笑う。
今はソードブレイカーの自動攻撃パターンを作ってるんだが、ちょっと手伝ってくれないか?
R-3のストライクシールドを参考にしたいんだが……。
「それは構わないけど、せっかくビーム砲が付いてるのに、ストライクシールドを参考にしたら無駄にならないかしら?」
アヤは言いながらコクピットに入り、適当なスペースに、ムッチリした張りのあるお尻をねじ込む。
見えそうで見えない、絶妙な位置にまでめくれ上がったミニスカートから伸びる、真っ白な太ももが、俺の目を慰めてくれた。
いや、そうでもないぜ。
太ももから視線を離せないまま、俺は答える。
370:それも名無しだ
07/07/18 13:36:06 tDbEYblT
>>369
ビームを撃つ時はどうしても、射線を安定させるために動きが直線的になったり、下手をすれば動きを止めにゃならん。
反面、勢いを殺す事なく、軌道を自在にコントロールしながら突撃するストライクシールドは、実はかなり強力な武器なんだ。
「そ、そうなの……?」
そうだよ。
しかもレーザーキャノンによる長距離射撃、テレキネシスミサイルによる広範囲爆撃で射程に穴がない。
念動フィールドのおかげで防御力はあるし、プラスパーツを付ければT-LINKフライトシステムで機動力も上がる。
単純な攻撃力では、元がHTBキャノンのR-GUNに負けるが、R-3は本来、前に出て戦えるだけの戦闘力を持った機体なんだよ。
「そ、そうなんだ……」
アヤは照れ笑いを浮かべるが、まんざらでもない様子だ。
争い事は好まないとは言え、やはり自分の乗る機体を誉められるのは嬉しいんだろう。
その機体を開発したのが自分の父親ともなれば、尚更だ。
ただ、アヤは大事なリーダーだからな。
やっぱり後方支援に徹してもらいたいね。
それに、アヤにおいしいとこを総取りされたら、俺たち男は立場がねえや。
おどけた調子で言うと、アヤはクスクスと笑い、
「それもそうねぇ。男女平等な世の中だし、男の子にも頑張ってもらわなくっちゃね」
そう言って、青い手袋に包まれたたおやかな指で、俺の頬をツンとつついたのだった。
371:それも名無しだ
07/07/19 07:39:50 updXocxG
>>368-370
>女人禁制解除
そりゃある意味様式美では?w
>しかしこいつは、自分の命を、そして仲間の命をも預けるマシンなのだ。
少尉とラトは立場が違うからねえ。
強制されて闘うか、納得して闘うか。
過去、ラトは強制されてPTに乗っていた訳だから。
ラトがそこにいたら、それはもっともな意見だとは思いながらも、
トラウマに心をえぐられる一言だ、と感じたよ。
今は自分や仲間を守る為だとしても、問題の傷は過去のものだから。
任務の為に薬物投与、人格改造、危険なテストを延々と受けさせれられたスクール出身の人間に正論は言えないと思う。
半身不随の人間に走れよ!と健常者が叩きつけるように言うのと一緒かと。
前にも書いたけど、言いたいことがまるっきりすれ違っているので主張をSSに書く事はしないけどね。
後、これに関しては悪いけどSSは控えて欲しいかな。
俺SSでの、ラトの価値観と主人公の否定に繋がるので。
機体の考察は良い感じ。
またひとつ進化したなあ、と思ったよ。
372:それも名無しだ
07/07/19 13:15:15 yQsvIW+t
>>371
サンクス(・ω・)/
ブラザーの感想読んで、「俺」とラトゥーニの違いが改めてわかったよ。
つー訳で、
>SSは控えてほしいかな。
↑この件は了解したよん。
373:それも名無しだ
07/07/19 17:57:48 2/rpTZme
>>372
うん。かたじけない。
でも少尉の軍人としての気持ちもよくわかるので。
374:それも名無しだ
07/07/19 22:49:37 yQsvIW+t
>>373
わかってるよ、ブラザー。
気にすんなって('-^*)/
375:それも名無しだ
07/07/21 13:34:06 5dIRy9GB
「なぁ、試作機は本当に量産機より弱いのか?」
―分隊室でライと新しいフォーメーションを考えてたら、マイがいきなりやって来て尋ねた。
どうした、いきなり。
「うん、レイオスプランの事、隊長からいろいろ聞かせてもらったんだけど、やっぱりSRXがそんなに弱いとは思えなくて……」
レイオスプラン?
ああ、「第一回チキチキ!EOTをもっと使いやすくしよう大作戦」か。
「 意 訳 し す ぎ だ 」
ライが芸術的なタイミングで突っ込んでくれた。
まぁ、それはともかく。
SRXは別に弱くねえよ。戦闘力だけを見れば、間違いなく人型機動兵器の中では最強クラスだ。あれとタイマン張れるのはグランゾンくらいなもんだろ。
「ただ、以前にも話したが、兵器に第一に求められるのは信頼性だ。残念ながらその点においては、SRXは不安が残る」
その不安を根本的に取り除くのがレイオスプランであって、別に弱くなる訳じゃねーぞ?
無駄な部分がなくなる、と言えばわかるか?
「無駄な部分って?」
そうさなぁ……例えば、合体後に自分で天下無敵とか言っちゃうパイロットとか。
「いちいち武器の名前を叫ぶパイロットもだ」
あと、技の名前を叫ぶパイロットに……。
「武器の名前をいちいち天上天下とか勝手に変更するパイロットも、だな」
「―って、全部俺じゃねーか!」
いきなりドアが開いて、リュウセイが入ってくる。
「黙って聞いてりゃ二人して好き放題言いやがって!お前らにはスーパーロボット魂ってもんがねえのか!」
『 な い 』
俺とライは、声を揃えて答える。
「な、なんだと!こういう時だけは抜群なコンビネーション発揮しやがって!さてはお前らデキてんだろ!このホモ兄弟!薔薇族!」
―ブチッ!
俺とライの中で、何かが切れる。
直後、俺の三角固めとライのアキレス腱固めがリュウセイに炸裂した。
その後リュウセイが反撃に出るわ、マイが俺だけをポカポカ殴るわで大騒ぎになったところを、アヤとヴィレッタの姐さんに見られて、俺たちは四人揃ってお説教されたのだった。
376:君の夫は、もういない
07/07/21 21:24:16 S5KMNY2g
ヒギンズ「待って、ゼア!一体どうしたっていうの!?」
ゼア=ウィド「問答無用だ。喰らえっ!」
ゼア=ウィドのハイペリオン三号機の構えたビームマシンガンから放たれる光がヒギンズのブレンに襲い掛かる。
と、突如その間に白い影が割り込み、バリアのようなものでビームマシンガンを弾き返す。
宗介「迂闊だぞ、ヒギンズ・サス」
ヒギンズ「ご、ごめん、宗介さん……」
ゼア=ウィド「ちっ、ラムダ・ドライバか…!」
宗介「恐らくゼア=ウィドはならかの精神操作を受けているのだろう。それによって
俺たちを敵として認識して……」
ゼア=ウィド「ごちゃごちゃと五月蠅いぞ!てめえが死ぬか!」
今度はハイペリオン三号機がビームナイフを構えアーバレストに襲い掛かる。
しかし、ハイペリオン三号機の体は次の瞬間大きく吹き飛ばされていた。
ゼア=ウィド「なっ……!?」
耐爬「目を覚ませ、ゼア=ウィド!」
ゼア=ウィド「八卦ロボ……厄介だな、後回しとするか。次のターゲットは……てめえだ!!」
シャナ=ミア「!」
ゼア=ウィドはビームナイフを持ち直しシャナ=ミアのラフトクランズに斬りかかる。
シャナ=ミアは矛を操りこれをかわした。
シャナ=ミア「どうしたの、ゼア!?私がわからないの!?」
ゼア=ウィド「知っているとも!フューリーの皇女、そしてガルシア司令のために
消すべき人物の一人だ!」
シャナ=ミア「! そんな……!」
オルガ「どけ、シャナ=ミア!」
オルガのカラミティガンダムの胸部から放たれたスキュラでハイペリオン三号機は体勢を崩す。
ゼア=ウィド「がっ!?連合が使用したブーステッドマン唯一の生き残りか……」
シャナ=ミア「オルガさん!余計な……」
オルガ「辛いんだろうが!知らないとはいえあんたの夫だろう!そんな奴と斬りあうなんて、辛いに決まってる!
ここは俺に任せろ!」
シャナ=ミア「オルガさん……」
ゼア=ウィド「戦闘中に余所見とは余裕だな!もらったぞ!」
ゼア=ウィドの放ったビームマシンガンによりカラミティはシュラークとスキュラを、
投げたビームナイフにより両腕を破壊された。
オルガ「がぁぁっ!?」
ゼア=ウィド「ふん、この程度か。さて、資料が正しければそろそろのはずだが…?」
オルガ「グッ!?…ハァ……ハァ…ウ、グァア………!」
シャナ=ミア「オルガさん!?」
宗介「まずい!γ-グリフェプタンの副作用が現れ始めたか!」
耐爬「これ以上の戦闘は得策ではないな……しかし逃げ道もなし……」
ヒギンズ「私に……考えがあります」
377:君の夫は、もういない
07/07/21 21:42:51 S5KMNY2g
シャナ=ミア「本当ですか!?」
ヒギンズ「いいですか、皆さん。私の言うとおりに動いてください」
しばらくすると四機はカラミティを囲むように動き出した。
ゼア=ウィド「……? 一箇所に固まっているだと?何をするつもりだ?
…まあいい、好都合だ!まとめて吹き飛べぇっ!!」
ゼアの雄叫びと共にハイペリオン三号機がビームキャノン『フォルファントリー』を
噴き出した。
ヒギンズ「……今っ!」
シャナ=ミア「…っ!」
直後、小規模の爆発が起こった。
しかし、ゼア=ウィドはその位置を訝しげに睨んでいる。
ゼア=ウィド「…………」
バルサム「いよぉ、やったじゃねえか、ゼア=ウィド」
ゼア=ウィド「バルサムにカナードか。何時からいた?」
バルサム「お前が緑のガンダムボコボコにするとこからさ。なぁカナード?」
カナード「……キラ・ヤマト……キラ・ヤマト……キラ・ヤマトッ……!」
バルサム「あーあ、メンデルから戻ってきてからずっとこれだぜ」
ゼア=ウィド「奴らは死んでいないぞ」
バルサム「あ?」
ゼア=ウィド「爆発が小さすぎる。それに―」
ゼア=ウィドは近くに浮いていた残骸を拾いバルサムに見せた。
ゼア=ウィド「これはMSのものでも八卦ロボのものでもASのものでもない。
ましてフューリーの機体はシステムが違いすぎるしブレンから残骸がでようはずもない。
出るとすれば…………携帯しているミサイルランチャーだ」
バルサム「なるほど、バイタルジャンプのカモフラージュってわけか」
ゼア=ウィド「そうなるな。さあ、帰還しよう。今回の任務はあくまで哨戒。討ち損じてもガルシア司令も
そこまでお怒りになることはなかろう」
ヒギンズ「……みなさん、大丈夫ですか?」
耐爬「右の翼を少し掠めたが、問題はない」
宗介「それより、ここはどこだ?」
ヒギンズ「跳ぶことを優先したから正確な位置までは……あ、近くに要塞らしき物があります。
そこに救援を求めましょう」
その要塞内部では――。
???「…失礼します」
???「どうした?」
???「救難信号が出ております」
???「どこからだ?」
???「要塞付近のブレンパワードからです」
???「何? …よし、回収しろ」
???「ハッ、……追加情報。パイロットの一人がγ-グリフェプタンを要求しています」
???「用意してやれ」
???「了解」
???「さて……一体このアメノミハシラに何用かな……?」
378:君の夫は、もういない
07/07/21 21:45:02 S5KMNY2g
本日はここまでです。
補習のせいで夏休みも暇じゃないです。
今日も皆様への感想を書く時間がないことをお許し下さい。
以上、オチをどうしよう、ゼア=ウィドでした。
379:それも名無しだ
07/07/22 18:11:33 xiSk6R6M
>>376-377
ちょ、ゼアinハイペリオン強すぎw
補習頑張ってちょ。
体だけは壊さないようにね('-^*)/
380:それも名無しだ
07/07/23 20:02:18 bXnHW0KB
>>375
面白かったですぜ。
こういうの超上手いよね。
GJ!
レイオスプランについてはよくわからんなー。
なんだっけ。
SRXの強さ…。
火力だ!w
一撃必殺砲はOG最強だよね。
>>378
補習か…。
夏休みの学校って結構好きだったな。
独特の雰囲気があるんだな。これがな。
381:それも名無しだ
07/07/24 10:12:39 sdQeCo6j
>>380
サンクス(・ω・)/
レイオスプランは「俺」が言った通り、色々と不都合や不具合も多いEOTをもっと安全かつ効率的に使いやすくするものだったはず。
とあるサイトの、OG2.5の台詞集でそんな風にライたちが話してた。
382:それも名無しだ
07/07/24 10:13:33 sdQeCo6j
『おはようございます!こんにちは!失礼します!』
分隊室で、朝っぱらからリュウセイとマイが声を揃えて、敬語を繰り返している。
その傍らで、アヤとヴィレッタの姐さんが二人を見張っていた。
「だいぶ言えるようになったわね。本番もその調子で頼むわよ、リュウセイ」
「任せとけ、隊長!バッチリ決めてy」
―スパァンッ!
姐さんの手にしているデッカいハリセンが、軽快な音を立ててリュウセイの脳天に一撃をくらわせる。
音が軽快だったのは、或いはコイツの頭が空っぽだからかも知れないが。
「早速敬語を忘れてどうするの?もう一回やり直し」
「いって~……り、了解……」
「隊長、何もそんなに思いっきり叩かなくても良いじゃないか!」
―スパァンッ!
抗議したマイの脳天にも、ハリセンが炸裂した。
「あなたは流れを読みなさい」
「うぅ~……あ、アヤ~……!」
「甘えてもダメよ。今日はとても大切なお客様がいらっしゃるんだから」
今日ばかりは、アヤも心を鬼にしてマイを突き放す。
「あら、おはよう。今日も頑張りましょうね?」
俺の視線に気付いたのか、不意にアヤが声をかけた。
おはようございます、コバヤシ大尉。
今日もよろしくお願いします。
俺はかかとを揃えて背筋を伸ばし、敬礼して答えた。
「さすがにあなたは、この辺の教育が行き届いてるようね」
姐さんが満足げにうなずく。
ありがとうございます、バディム隊長。
「さ、この子を見習って、あなた達も頑張りなさい。挨拶5セット、始め!」
姐さんが手を叩くと、リュウセイとマイは再び敬語での挨拶の練習を再開した。
383:それも名無しだ
07/07/24 10:15:24 sdQeCo6j
「あの~、何をしてるんですか?」
廊下から、ゼオラが声をかける。
珍しく、連邦軍の制服を着てやがる。
ほれ、今日は昼から、本部の監察官が査察に来るだろ?
あの二人、敬語が出来ねえから、それに備えて特訓中なんだよ。
「ど、どこも同じなんですね……うちも、アラドが今カイ少佐にミッチリしごかれてるところなんですよ?」
アイツは、最低限の敬語は喋れた筈だが……。
「だってアラドったら、着任挨拶で、私の後に堂々と『以下同文です』なんて言っちゃうような奴なんですよ?」
あー……なら仕方ねえな。
「本当に大変ですよ。私たちも、今日だけで良いから制服を着ろってカイ少佐に言われて……」
んじゃラトゥーニも、今頃制服引っ張り出してお着替え中か。
「ええ。でも、やっぱりちょっと馴染めないですね」
そう言ってゼオラは苦笑する。
確かに、ちょいと窮屈そうだな……。
「きゅうくつ……?」
オウム返しにつぶやいたゼオラが、途端にカァーッと赤くなる。
―ゴスッ!
直後、ゼオラのかかと落としが俺の脳天にめり込んだ。
「せ、セクハラですよ、少尉!私の胸はそんなに大きくありません!」
ゼオラは怒鳴りつけると、パタパタと走り去っていった。
胸の事を言った訳じゃないんだが……。
「アラアラどうしたの?大丈夫?」
そこへ投げかけられる優しい言葉に、俺は背筋が凍りつく。
「何があったのか、詳しく聞かせてくれるわよねぇ?」
振り向くと、アヤがイカした笑顔を浮かべていた。
「二人っきりで、じっくりと……ね☆」
俺の頬を撫でるアヤは、狩る者の眼になっていた。
非・性的な意味で。
384:それも名無しだ
07/07/24 20:21:48 8VaQdX/P
マイ可愛いわーw
敬語は無理。彼女には。
ハリセンで叩かれて、涙目になって口を尖らしてるマイ想像して萌えたよん。
>ラトの軍服
ここでも一瞬、OGsに変化?
そういえばOGsのラト。
もう何時でも眼鏡軍服だしジオン軍のパイロットスーツだし声はパヤパヤしてるしリュウセイ萌えが悪化してるし。
誰ですかアレは。
GBAラトカムバック。
アヤ大尉はむしろグレードアップしてる感じでいいねえ。
385:それも名無しだ
07/07/24 20:23:40 8VaQdX/P
言い忘れたけど。
GJ!!
386:それも名無しだ
07/07/24 22:44:56 sdQeCo6j
>>384-385
サンクス(・ω・)/
あの後、ゼオラへのセクハラ疑惑でアヤに「尋問」されて大変だったよ(*´∀`)
OGsの戦闘シーンを、YouTubeでいくつか入手したけど……コバヤシ姉妹のゲシュペンストキックに牛乳吹いた。
あと、アヤのカットインは非常にけしからんので、今夜はその件についてじっくりと「尋問」するつもりですw
387:それも名無しだ
07/07/27 11:21:53 OqsAOWxL
背中に、じっとりと濡れた柔らかい物体の感触。
次いで、まどろみを優しく払う声がする。
「起きて……ねぇ……」
耳元に絡み付くような、甘い声。
すぐに頭はハッキリしてくるが、もう少しこの声を聞いていたいので、寝た振りをしてみる。
「そろそろ時間よ?起ーきーて」
そう言ってアヤは、俺の耳に息を吹きかける。
くすぐったくてつい首をすくめると、アヤは面白そうにクスクス笑った。
「早く起きて、シャワー浴びなきゃ……昨夜はいっぱい頑張っちゃって、汗かいてるんだから……」
アヤのたおやかな指が、汗ばんだ俺の肌を優しく愛撫する。
チュッチュッと唇も、汗を吸い取るように這い回った。
「早く起きないと、してあげないわよ?朝のア・レ・☆」
―それは困る。
もう少しアヤに愛撫されたかったが、俺はゆっくり身を起こした。
アヤも起き上がり、タオルケットで自分の裸体を隠す。
「おはよう、お寝坊さん」
ニッコリと笑うと、アヤは朝のアレを―おはようのキスをしてくれた。
その後一緒にシャワーを浴びて、ベッドの上でかいた汗を洗い流す。
アヤに体を隅々まで拭いてもらったら、制服を着て、手をつないで食堂へ。
しかし途中の廊下で、俺は大事な忘れ物に気付いた。
「じゃあ、取りに戻る?」
いや、その必要はねえ。
俺はアヤの剥き出しになっている白い両肩を掴み、壁際へやる。
一瞬不安げな顔になるアヤの前髪を撫でてやり、俺はささやいた。
おはよう、アヤ。愛してる。
そして、彼女の可憐な唇にゆっくりと自分の唇を重ねた。
「んっ……もう……こんな大事な事を忘れるなんて……」
ごめん、アヤ。
怒ってるどころか、むしろ嬉しそうなアヤの言葉に、俺も合わせる。
「謝っても駄目よ?もっと……燃えるような熱いのをくれないと、許さないんだから……」
お腹を空かせた子犬のような眼で俺を見つめ、アヤはおねだりする。
仰せのままに、ご主人様。
おどけるように答えて、俺はアヤのリクエストに応えてやったのだった。
388:それも名無しだ
07/07/28 07:01:21 Mzx6zlJz
>>387
アレってキスか!w
ちと焦ったわ。
御馳と言わせて頂く!
しかしそろそろアレだね。
夏だ。
水着とか海とかその辺のネタ書かにゃーだよねえ。
389:それも名無しだ
07/07/28 14:44:47 zNLIgsW6
>>388
サンクス(・ω・)/
ハハハ、何の事だと思ったんだい、ブラザー。
しかし、確かにアレだね。海とか水着とか水着とか水着とか水着とか、男として避けて通れぬネタが待ち構えてるねw
あとは怪談ネタもか。
390:それも名無しだ
07/07/30 15:02:26 FMEx6Y7C
今日の食堂のスペシャルメニューは、トロンベ特製のうな重だった。
和食もこなせるとは、さすが食通!マジでうまかったぜ!
「ホント、トロンベさんって料理が上手よね。時々、悔しくなっちゃうわ」
とか言いながら、アヤもかなりご満悦のようだ。
「大尉……兄の名前はトロンベではありません」
向かいの席のライが抗議する。
そういやぁそうだったな。トロンベトロンベうるせーから、つい本人もトロンベって呼んじまうが。
で、本名って何だったっけ?
「いやぁねぇ、レーツェルさんでしょう?」
「それは偽名です」
あれ?そうだっけ?
じゃあ何て言うんだ?
「う~ん……」
アヤも思い出せないようだ。
じゃあ面倒くさいから、トロンベ・ブランシュタインって事で。
「 断 る 」
トロンベがいつの間にか俺の後ろに立っていた。
「君にはつくづく困ったものだな。君が私をトロンベよばわりするおかげで、最近はレオナまで私をトロンベと呼ぶ始末だ……」
つまり俺が、トロンベブームの火付け役って事か……照れるぜ。
「誰も褒めてはいない。いいか、トロンベは我が愛馬及び愛機の名、私の名前はエルザムだ」
あー……そういやぁそんな名前だったな。すまんすまん。
「すまんじゃない。良い機会だからちゃんと覚えておけ」
自分の兄貴の事だからか、ライも口うるさい。
「兄の名はエルザム。エルザム・ ト ロ ン ベ ・ブランシュタインだ」
―直後、トロンベは泣きながら食堂の外へと駆け抜けていった。
391:それも名無しだ
07/07/31 07:22:31 X99pn3Wr
>>390
言ってはいけない、と思うと口に出るもんだよね。
てかわざと?
兄弟間の溝、更に深まったな…w
392:それも名無しだ
07/08/01 11:51:21 sj1v6tzX
>てかわざと?
何を言ってるんだい、ブラザー。
当 た り 前 じ ゃ な い か !
そうやって、なかなか兄貴を超えられないフラストレーションを解消してるのさw
393:着せてみました。①
07/08/01 18:11:26 sj1v6tzX
今日の訓練が終わった後、俺はチームのみんなを分隊室に呼び出した。
「お前が俺たちを呼び出すとは、珍しいな」
「ははぁ、さてはついに、アヤとの婚約発表か!?」
リュウセイが冷やかしの口笛を吹くと、マイが背中から殺意の波動を漂わせる。
そんなんじゃねーよ、俺は芸能人か。
「ところで、そのアヤが見当たらないんだけど……」
ああ、アヤなら今準備中です。
「準備?」
ヴィレッタの姐さんが、珍しく首を傾げた。
そろそろだな。
おい、アヤ。出て来いよ。
俺は分隊室の端にある、更衣室のドアに向かって呼びかける。
「……いや」
だがドアの向こうからは、子供のような口調で拒む声。
おい、わざわざみんなに集まってもらったんだぞ。良いから来いって。
「いやったらいや!恥ずかしいわ……みんなきっと、笑うに決まってるもの……!」
そんな事ないって!
つーかここまで来ておいて、今更いやもクソもあるか!さっさと来い!
俺はドアを開けて更衣室に入り、ぐずるアヤを力ずくでみんなの前に引っ張り出した。
『……おお~っ!』
異口同音に、みんなの口から感嘆の声がこぼれた。
アヤはフリルの付いたドレスを纏い、緑の黒髪に大きめリボンを飾っていた。
ラトゥーニが着ているアレの、大人サイズだと思ってくれれば良い。
394:着せてみました。②
07/08/01 18:13:31 sj1v6tzX
>>393
よっぽど恥ずかしいのか、アヤは顔を真っ赤にして、俺の後ろに隠れたがるかのように、俺の腕をキュッと掴んでくっついた。
まるで人見知りする子供だ。
「それ、ラトが着てるのと同じやつじゃねえか」
「実にお似合いですよ、大尉」
「アヤ、可愛い……私も、着たいな」
「みんなの言う通りよ?恥ずかしがる事はないわ」
みんなそうやって、誉めてくれる。
そうだろそうだろ。
だからわざわざみんなを集めて、御披露目する気になったんだ。
「本当……?」
アヤが上目遣いにみんなを見て、尋ねる。
もちろん全員、ウンウンと力強くうなずいてくれた。
「じゃあ……もうちょっとだけ……着ていようかしら……」
ああ、是非そうしてくれよ。
「で、でも!本当にちょっとだけよ!?今だって、恥ずかしくて死んじゃいそうなんだから!」
わかったわかった。
アヤをなだめすかして、御披露目会もお開きにした。
みんなが出て行った後、俺は更衣室に戻ろうとするアヤの腕を掴んで、引き止める。
「……?」
不安げな眼差しを向けるアヤを抱き寄せて、俺は耳元でささやいた。
―どうせだから、部屋までこの格好で行こうぜ?
395:着せてみました。③
07/08/01 18:14:53 sj1v6tzX
>>394
「なっ……!?」
アヤの顔が、更に赤みを増した。
驚きで、目を大きく見開いている。
「い、いや!いやったらいや!絶対にいやぁ!」
子供のように言い張るアヤ。
みんな褒めてくれただろ?大丈夫、誰も笑わないって。
「それでもいや!あなたがどうしてもって言うから着てあげただけなのよ!?なのに……うむぅっ!?」
アヤの抗議を、俺はキスで強引に塞ぐ。
クチュクチュと舌を絡ませると、アヤはほとんど条件反射で俺の背中に腕を回して、応じてくれた。
しばらくの間、唇と舌を味わった後、俺はゆっくりと唇を離す。
大丈夫だって。
今頃はどこの部隊も食堂で晩飯食ってるから、誰もいないよ。
それに、何かあっても、俺が守ってやるから。
髪を撫でながらささやく。
「……本当に、守ってくれる?」
俺の肩に顔をうずめながら、アヤが尋ねる。
ああ、もちろんだ。
「……お部屋に着いたら、いっぱいしてくれる?」
アヤが望むなら、朝までぶっ続けで体を張るぜ?
「……じゃあ、私、頑張る」
アヤは自分を励ますように、キュッと俺の軍服の袖を掴んだ。
396:着せてみました。④
07/08/01 18:19:33 sj1v6tzX
>>395
俺とアヤは手をつないで廊下に出た。
アヤのもう片方の手には、軍服の入ったバッグが握られていた。
宿舎へ続く廊下はガランとしてて、案の定誰もいない。
な?言った通りだろ?
「う、うん……」
ゴスロリファッションの影響か、アヤは幼い仕草でコクンとうなずく。
顔にも少し、安堵の色が浮かんでいた。
そこへ、廊下の向こうからパタパタと走ってくる、やたらヒラヒラした影が。
元祖ゴスロリパイロットのラトゥーニ様だ。
「………!」
ラトゥーニは俺たちを―というより、アヤを見て、ビックリしたように立ち止まる。
「ら、ラト……!あ、あのね!違うの、違うのよ!これは……!」
アヤがしどろもどろに弁解しようとしたが、次のラトゥーニの言葉がそれを遮った。
「アヤ大尉……綺麗……」
「……え?」
「まるでフランス人形みたいです。凄く似合ってますよ?」
「そ、そう……?」
「はい。デザインは同じみたいだけど、やっぱり着る人によって変わるんですね」
ラトゥーニはウットリと見とれている。
褒められてるのはアヤだけど、何か俺も、すげー良い気分だぜ……。
「あ!私、お兄ちゃんを待たせてるので、失礼します!」
ラトゥーニは元気良く敬礼して、パタパタと走り去っていった。
ホテルに寄り道しねーで、真っ直ぐ帰れよー。
冗談半分で言うと、ラトゥーニが顔を真っ赤にしながら戻ってきて、みぞおちへの強烈な跳び蹴りで答えてくれた。
くそ、突っ込みがますますキツくなってやがる……。
「この前ゼオラにかかと落としされたばかりなのに、懲りないわねぇ……良い気味よ」
うずくまる俺にツンとそっぽを向いて、アヤは一人でスタスタ歩き出したのだった。
397:それも名無しだ
07/08/02 06:15:44 Jhc1HjVB
>>392
ライ、性格わるっw
>>393-396
乙!
羞恥プレイ&コスチュームプレイだ!
コスプレっていう語感よりはコスチュームプレイ。
よりいかがわしい方向で。
まったく、いかがわしいw
ラトの飛び蹴りイイヨイイヨー
なんで萌えるのかわからんけど飛び蹴り萌えた。
398:それも名無しだ
07/08/02 10:12:45 N5XEr6B+
>>397
サンクス(・ω・)/
でも、そんなにいかがわしいかな(´・ω・`)
いかがわしいか(*´∀`)
だが、それが良い!(`・ω・´)
>なんで萌えるのかわからんけど飛び蹴り萌えた。
ヒント:魔法の呪文「あるてぃめっと☆ごーすと☆あたっく」
399:それも名無しだ
07/08/03 06:01:17 ph/2RCpq
>>398
うむw
>ヒント
そ れ だ !
400:プールに行こう①
07/08/05 17:34:29 TsykfWf1
ここは、よくアヤと二人で行く、スポーツクラブのプール。
今日はアラドとゼオラも誘って、ちょっとしたダブルデートの形になっちまったが。
二人はラトゥーニも誘いたがっていたが、あいつは彼氏とよろしく決めてるとこだろうからそっとしておけと言ったら、諦めてくれた。
今、俺はプールサイドのベンチに座って、アヤとゼオラが競争して泳いでるのをボンヤリと眺めていた。
……ゼオラの奴、思ったより速いな。
胸のせいで水の抵抗が増えて、泳ぎにくいんじゃねーかと心配してたが。
それとも、あの胸が浮き袋の役割になって、速く泳げるんだろーか?
尋ねてみたいところだが、どうせかかと落としの餌食になるだけだから、やめておこう。
「少尉、お待たせしました」
アラドが四人分の缶コーヒーを買って、戻って来た。
俺は自分のコーヒーを受け取り、ゴクゴクと飲み始める。
「しっかし、デカいプールって良いッスよね~!泳ぎ甲斐があって!」
アラドも俺の隣に座って、自分の分を飲み始める。
……あれは、泳いでたのか。
水面を手足でバタバタぶっ叩いて、なるべく高く水柱を上げる、ナウなヤングの間で大流行の遊びかと思ってたが。
「いや流行ってないし!ていうか、ナウなヤングって言い方も流行ってないし!つーか俺ちゃんと泳いでたじゃないッスか!前に進んでたし!」
あれはただの、水面ぶっ叩いた副作用じゃなかったのか?
てか突っ込み多すぎだ。
「ひ、ひでぇ……!」
落ち込むアラドを尻目に、俺はサッサと缶コーヒーを飲み干した。
401:プールに行こう②
07/08/05 17:36:24 TsykfWf1
>>400
そこへ、アヤとゼオラがプールから上がって、こちらへやって来た。
ゼオラは白のビキニ、アヤは赤地に白いラインの入った、どことなくR-3をイメージさせる競泳用水着だった。
「少尉は泳がないんですか?」
ベンチの端に置かれた缶コーヒーを拾いながら、ゼオラが尋ねる。
もう少し休んだら泳ぐよ。
ゼオラの胸の谷間に一瞬目を奪われたが、女王様のお仕置きが怖いので、意識して目を逸らしつつ答える。
「ところで、アラドは元気がないみたいだけど……」
同じく缶コーヒーを拾いながら、アヤが尋ねる。
ああ、自分が金槌だって気付いて、ショック受けてんのさ。
「えぇ!?違いますよ、アヤ大尉!少尉が」
「しょーがないわね。じゃあ後で私が、泳ぎを教えてあげるわ」
アラドの反論を、ゼオラが遮る。
「へっ、お前が人様に泳ぎ教えられるタマかよ。その胸が邪魔で、スピード出ないんじゃねえのか?」
―グシャッ!
ゼオラの手の中のスチール缶が、見事に握りつぶされた。
「アぁぁぁぁラぁぁぁぁドぉぉぉぉっ!!!!!!」
怒れる鬼神と化したゼオラと、悲鳴を上げて逃げるアラド。
まったく相変わらずだな、バカップルめ。
402:プールに行こう③
07/08/05 17:40:27 TsykfWf1
>>401
二人のドタバタコントを見物してると、アヤが隣に座って、頭を撫でてきた。
……何だよ。
「さっき、ゼオラの胸をジロジロ見たりしないで、すぐに目を逸らしたでしょう?そのご褒美」
ご褒美って、そんな大した事かね。
「ええ……あの子、胸が大きいのを、かなり真面目に気にしてるみたいだから……」
んじゃ、今アラド追いかけ回してんのも、マジ切れしてるからか。
……しっかし、結構見てるんだな。そーいう細かいとこ。
「当たり前でしょう?私はいつだってあなたを見てるし、あなたを見守っているわ」
アヤが濡れた体をくっつけてきた。
「だって、私たちは恋人同士なんだもの……」
そう言うと、アヤはスゥッと目を閉じた。
良いのか?ガキどもが見てるぜ?
プールの向こう側から、バカップルが喧嘩も忘れてこちらを見ているのを確かめ、尋ねる。
「構う事ないわ。見せてあげましょう?大人の恋愛のお・て・ほ・ん☆」
何か、むしろ悪い手本になりそうな気もするが……まぁいいか。
俺はアヤの肩を抱き、見せつけるようにゆっくりと、唇を重ねてやった。
アラドもゼオラも興味津々で見てやがる。
舌を絡ませると、アヤの両腕が首に回った。
……やっべー、癖になったらどないしょ。
403:それも名無しだ
07/08/08 11:58:34 qaDPoFdG
「あん……ダメよ、こんな所で……」
バレねーから大丈夫だって。
外には誰もいないし。
背後から、膝の上に座るアヤの豊かな胸に手を這わせながら、俺は答えた。
一日の訓練を終えた後、俺は静かになった格納庫で、アシュセイヴァーの調整に精を出していた。
そこへアヤがやって来たので、俺は彼女をコクピット内に引きずり込んで、欲望の赴くままにその肉体をまさぐっている次第。
軍服の上から胸を揉みしだき、太ももを愛撫しながら、剥き出しの肩に唇を這わせる。
「だ、ダメだったら……あぁ……許して……お願いです……」
抗議するアヤだが、その割りには何の抵抗もしない。
むしろその悩ましい声は、俺の中の加虐心を燃え上がらせるだけだ。
軍服をはだけさせて、直に乳房を弄ぶ。
ミニスカートをめくり上げて、下着の下に指を這わせた。
「だ、だめぇ……!」
アヤはイヤイヤをする子供のように、腕の中でもがく。
「こんな……こんな所じゃイヤ……ベッドの上で……したいのに……」
そうだなぁ……じゃあ、その可愛い口で満足させてくれたら、お望み通りベッドの上で好きなだけ抱いてやるぜ?
うなじを吸いながら、俺は意地悪く答える。
「おくち……ここで……?」
アヤは肩越しに俺を見ながら、子供のようなたどたどしい口調で聞き返す。
ああ、そうだよ。それとも、外でしたいのか?
「あぅ……わ、わかりました……ここでします……いえ、ここで、ご奉仕をさせてください……」
濡れた声で答えるアヤ。
完全にスイッチが入ったようだ。
それじゃあ頼むとするか。
俺はコクピットシートを後ろにスライドさせて、余裕を作る。
アヤはもぞもぞと俺の足下に座り込み、慣れた手つきで、ズボンのジッパーを下ろした。
「失礼いたします、ご主人様……」
俺の顔を見上げ、淫靡な笑顔を向けると、アヤはその可憐な唇で、俺を優しく包んでくれた。
404:それも名無しだ
07/08/08 11:59:51 qaDPoFdG
暑さにやられて、エラいもん書いてしもた……。
切腹。
405:それも名無しだ
07/08/08 13:46:04 oJOyTLeV
>>404
新参者です。
お久しぶりです。
よかったら介錯しましょうか?
乙ですよぅ。
手を怪我してしばらくぶりでした。
みなさん、お元気そうで何よりですぅ。
406:それも名無しだ
07/08/08 14:15:50 qaDPoFdG
>>405
お久しぶり(・ω・)/
手の怪我は大丈夫かい?
何か俺、お腹から血がダラダラ盛大に流れ出てるんで、介錯はお早めにw
407:それも名無しだ
07/08/08 17:25:29 oJOyTLeV
>>406
新参者です。
ならさっそく…
ゼンガー「我が名はゼンガー!悪(深読み禁止)を断つ剣なり!」
チェストォォォォォ!
ついでに投下します。
地球を震撼させたステーションコロニー、ルナ占拠事件の後、俺たち戦略空母ハミングバードのクルーは久しぶりの休暇を過ごしていた。
事件を無事解決させた功績を買われての有給休暇で、アラドは『大和は漢のロマン』との言葉を残して横浜基地へカレーを堪能しに出かけ、俺はゼオラと昨日までテスラ研にいた。
事件解決に助言をくれたオオミヤ博士にお礼を言いにだ。
しかし、オオミヤ博士も忙しい身で、この後も新型パーツの調整があるらしい。そして、今は…
「先輩、富士山が見えてきましたよ!」
軍の輸送機に便乗して、俺たちは伊豆基地に到着しようとしている。
俺の隣ではしゃいだ声をあげるのは、ゼオラ。今回の休暇は、ゼオラに付き合う約束だった。
『アテンションプリーズ。…お客さん方、そろそろ着陸体勢に入るぜ。シートベルトしないと舌噛むかも知れないからよろしくな』
気取った機長のアナウンスが入る。
「えー…もっと見たいのにぃ」
ゼオラは不満そうに口を尖らせる。が、瞳はこれからの事をあれこれ考えているのだろう、キラキラ輝いていた。
「先輩、占拠事件解決のヒントをくれた探偵さんにもお礼を言わないとね」
「そうだね…何てったかな、あの中学生?」
「藤原君!…先輩、中学生って言ったら怒られますよ。小っちゃい、も禁句ですからね」
「そうかな?九重さん…は笑ってたけど…」
「あ、九重さんは覚えてるんですね…!」
「いや…金髪で関西弁だったからインパクトあって…て、何怒ってるんだ?」
「怒ってません!」
「怒ってるだろ。そんなにほっぺ膨らまして…」
「怒ってませんったら!」
『…お客さん、じゃれるのはそれくらいにしてくれよ。本機はこれより着陸シーケンスに入るからな』
…こっちの会話は筒抜けか。これじゃ滅多な事は言えん。
申し遅れた。俺はクラウド・ファウスト。『スクール』の耐G・高速強襲課程被検者だ。今では戦略空母ハミングバードでテスラ研の新システム『ゼロ・ドライブ』搭載PTビルトアドラーの専属パイロットをしている。以前は二度とPTに乗るまいとしていたが…
と、その時、窓の向こうが白く曇った。輸送機は雲の中に飛込んだ。徐々に高度が下がり、空の蒼さが薄くなり、木々の緑が濃くなっていく。流れるように移り変わる窓の外は、やがてアスファルトを敷き詰めた滑走路に変わっていた。
『…タッチ・ダァウン!』
機長の雄叫びと同時に、輸送機は滑るように着陸する。舌の噛みようがない。
「わぁ…」
ゼオラは、まるで伊豆基地に初めて来たように窓から外を眺めている。
「…あら?」
輸送機がようやく止まった時、ゼオラはすっとんきょうな声をあげた。
つられて、俺も窓の外に目を向ける。
ゼオラと俺の視線の先にいたもの。それは、ATXチームのキョウスケ・ナンブ中尉だった。
408:2
07/08/08 17:27:42 oJOyTLeV
「ご苦労様です、クラウド大尉」
キョウスケは堅そうな口調で敬礼した。
「そちらも。キョウスケ・ナンブ中尉。…で?」
「…で?とは?」
「質実剛健が売りのキョウスケ・ナンブ中尉が、わざわざあいさつのために滑走路まで出張るとは思えなくてさ」
はあ、とキョウスケが珍しく曖昧な答え方をした。どう切り出したらいいものか、と判断に迷っているのか。
「…」
わずかな沈黙。やがてそれを縫って、もう1人のATXチームのメンバーが金髪を揺らせて現れた。
「いやん、2人は隠し事ができない仲って訳ねん。ようこそ、伊豆基地へ。クラウド大尉、ゼオラちゃん」
「こんにちは、エクセレン少尉」
「そちらも元気そうだね、エクセレン少尉」
「そうでもないんですよ、寝不足でぇ。毎晩毎晩、キョウスケったら…」
「演習後のミーティングをな。…エクセレン、あれを頼む」
エクセレンが巧いこと思案の時間を作ったようだ。キョウスケは意を決したように俺とゼオラに目を向ける。
エクセレンが封筒を差し出す。封筒には何も書かれていない。中には紙が一枚あるきりだ。そこでその紙を引っ張り出した俺とゼオラは、絶句した。
「…大尉たちもご存知とは思いますが」
キョウスケが言い難そうに口を開く。
「ああ、知っている。確かにね。…だが、説明がいるとは思わないか?」
「必要ですか?」
キョウスケは真顔で答える。
「…少なくとも、俺には映画のチラシ一枚わたされただけでは何の用事かさっぱりわからん」
映画のチラシ。そう、エクセレンがもったいぶって手渡した封筒の中に入っていたのは、去年公開された映画『ワンデイ・フリー』のチラシだった。
とある王国の姫君が親善大使として日本に来る。しかし若い姫君は堅苦しい公務に飽き、ドレスをミニスカートにはきかえ、東京の街へ飛び出した。
その途中、護衛に捕まりそうになった姫君を、暴漢に襲われていると勘違いした冴えない青年が助けた事で運命は動き出す。
追っ手をかわし、東京の街を駆け抜ける2人。その中で青年と姫君は自分でも知らぬうちに恋に落ちる。
しかし、姫君は告げる。
「私の自由は今日1日。明日になったら、遠くへ行ってしまうの」
やがて2人の時間の終わりを告げる朝日が昇る。彼らは朝日とともに別れた。
青年はやるせない気持ちで部屋に戻ってテレビをつける。と、そこに映っていたのは朝日の中で別れたあの娘。
驚愕する青年がテレビから目を離せずにいると、娘は自分がとある王国の姫である事を話し、青年の名を呼び、恋をした事を告げる。
「あなたに恋をしたのは一瞬。ここは日本で、私の国は遠いですが、それでもこの想いを抑える事はできません。恋する気持ちに、時間も距離も関係ない。そうでしょう?」
この台詞の恋する~からの部分は、流行語にもなったはずだ。確かゼオラが以前、そんな事を言っていた…気がする。
「それをご理解いただいたところでこれを見ていただきたいのです」
そう言いながら、キョウスケが取り出したのは一枚の写真。
「!?」
「驚くのも無理はありませんが…イクシス家の令嬢、アリシアが現在、テロリストに狙われているのです」
「アリシア・ノーベンバウム・イクシス…ごく親しい友人は頭文字をとってアニィって呼んでるらしいわ。親しい者同士だけの呼び方って、素敵だわん」
「茶化すな、エクセレン。…で、そのイクシス家令嬢が今、日本に向かっているのです。5日後の…」
「EOT技術拡散防止会議にね。イクシス家って、テスラ研のスポンサーでしょ?」
「だから、異星人に対抗するためとはいえ、EOTを使った機動兵器は許さんという連中からすれば、少女とはいえ標的です」
「…なるほどな。状況はわかったよ。俺たちがやるべき事もね」
「…恐縮です」
キョウスケは深々と頭を下げた。イクシス家令嬢、アリシアの写真を見た今、どうして俺たちがここに呼ばれたのか理解できた。
写真のアリシアは、シルバーブロンドの髪から白い肌まで、ゼオラにそっくりだったからだ。
「…了解した。そういうことなら人手がいるだろう。横浜にウチのアラドが…」
「あらん…彼、無理っぽいわよん?」
「…なぜ?」
「大和は、荷が重すぎたみたいよん」
409:3
07/08/08 17:29:16 oJOyTLeV
作戦の概要はこうだ。
情報によれば、テロリスト集団の名は『地球原理主義教導団』。完全な排異星人主義思想を掲げる過激派だ。
アリシアの来日の前に、地球原理主義教導団のメンバーの日本潜入が確認されているらしい。
この潜入メンバーに、にせのアリシアの情報を意図的にリークする。
リークされた情報をもとに出てきたところを、根刮ぎ刈り取る、というのが作戦の目的だ。
リークの内容は、来日してホテルに缶詰にされるのを嫌がったアリシアが、ごく親しい者…護衛の1人を伴ってホテルを抜け出した、といったところだろう。
後は適切に、しかも人目につきすぎずに、街をうろつけばいい。
護衛と冴えない青年のちがいはあれど、なるほど、映画のチラシにはこんな意味があったのか。
だが、今回の場合は逃避行ではなくて要するに囮だ。
「…すまないな、ゼオラ」
先に着替え終えた俺は、ドアを軽くノックしてからゼオラに話しかけた。
「せ、先輩!?な、何がです!?」
着替えているところで話しかけられたのだ、慌てたゼオラの声が返ってくる。
「任務のことさ。今回は、お前を付き合う予定だったのに…」
「い、いいえ…任務ですから、仕方ないですよ」
「いや、そうもいかない。俺は約束は破りたくないからな。ゼオラ、この任務をさっさと終わらせよう。その後はゼオラの行きたいとこ、やりたいことを全部やろう!約束だ」
「え…ホントですか!?」
「先輩に任せなさい」
「嬉しいっ!」
ドアの向こうから聞こえるゼオラの声に、喜色が浮かぶ。俺は正直、ほっとした。しかし…
「…先輩」
次の瞬間、ドアの隙間からゼオラの憂鬱そうな声が漏れてきた。
「どうした、ゼオラ?」
「先輩は、約束は破らないんですよね…?」
「ああ、もちろんだ」
「じゃ…もう1つ、約束してください」
想い詰めたようなゼオラの声。俺は固唾を飲む。実は、俺はこの時、何て答えたか覚えていない。
だが、ゼオラは俺の返答を聞いて、決意したように言葉を続けた。
「あの…笑わないでください」
…わら?
「…………なに?」
「じ…実は…着替えは終わったんですけど…わ、わた…こんな服、着たことなくって…」
「…う、うむ」
「ににに似合ってないかも…いえ、きっと似合ってないとおもうんですけどせんぱいにわらわれたらどうしようとおもったらでられなくなってそれで」
そこまで一気にまくしたてたゼオラは不意に黙った。
返事を待っているらしい。
「あ…あー…うん、約束する、うん。約束するよゼオラ」
「……」
返事はしたものの、ゼオラからは返答なし。答え方がまずかったか…と思ったら、俺の目の前でドアノブが動いた。
ゆっくりと開くドア。そこから見えるゼオラの姿は…
「…」
純白のシンプルなワンピースがゼオラを包んでいた。
それに合わせるようにつばの広い白い帽子。軍服やパイロットスーツでしかゼオラを見たことがない俺には、鮮烈で優雅で…今だから言う。言葉を失った。
「…へ、変…ですか?」
ゼオラは顔を伏せ、つばの広い帽子で隠しているが、首もとまで真っ赤になっている。
「いや…ごめん。綺麗だったから…声が出なかった」
「…え?」
「あ、いやその…変じゃないよ!似合ってるよ、ゼオラ!」
「ホントですかぁ!?」
ゼオラの顔が花が咲いたように明るくなる。
「あ、2人とも、準備できたみたいね。…て、いやん、ゼオラちゃん可愛いわん!苦労してチョイスした甲斐があったってものよ!ちなみに、クラウド大尉のはキョウスケなんだけどね」
そこへ様子を見に来たエクセレンは、着替えたゼオラを見るなり、抱きつかんばかりに喜んだ。
「これ、エクセレン少尉が選んでくれたんですか?ありがとうございます」
「うふん、そういうことはヴァイスリッターのエクセレンお姉さんにおまかせよん!」
…なるほど。
あの白いワンピースは、ヴァイスリッターのエクセレンが選んだものか。
ちなみに俺は黒いスーツ姿だが、キョウスケがアルトアイゼンに過剰な思い入れをもってなくて本当によかったと、俺はゼオラとエクセレンの様子を見て実感した。