07/07/01 18:37:37 AZSu9tW4
「お待たせ」
基地の正面玄関に立つ俺に、アヤが声をかける。
黒い色をしたノースリーブのミニスカワンピースが、肌の白さと相まって、目に鮮やかだ。
「悪いわね、デートに割り込んじゃって」
アヤの後ろからヴィレッタの姐さんが続く。
白い半袖ブラウスに、ピッチリした茶色のレザーパンツという出で立ちは、クールビューティを地で行く姐さんによく似合う。
「いいのよ、ヴィレッタ。私たちの方から誘ったんだし、気にしないで?」
アヤがそう言って、朗らかに笑う。
「普段からお世話になってる隊長さんに、少しでもお礼がしたかったし……それに」
アヤはそこで、俺の傍らに寄り添うように立った。
「私たちが付き合ってるからって、あなたと一緒に映画を見に行っちゃダメなんて事はないでしょう?私たちは仲間なんだから」
「……そうね。ありがとう」
アヤの言葉に、ヴィレッタの姐さんはかすかな微笑で答えた。
事の起こりは、俺がアヤとのデートに備えて、映画のチケットの懸賞に応募した事だ。
ペアチケットかと思ったら、三枚一組……要するに懸賞の記事を読み違えた訳だ。
で、余った一枚をどうしようかと考えてたら、アヤが姐さんも誘おうと提案してきた。