スパロボキャラと何かスレ6at GAMEROBO
スパロボキャラと何かスレ6 - 暇つぶし2ch276:それも名無しだ
07/06/30 13:48:24 foPmif7K
かなり昔のネタを改変しましたので投下させて頂きます↓
番外編、ニルファの終盤辺り(時間軸は適当です)

ある非番の朝。艦を降りて俺とスレイは海へ向かった。
 
鼻をつーんと刺激するような海の香りはたまらない。それだけで俺の気持ちが癒される。下を見ると貝殻が落ちていてゴミ一つ無く、とても綺麗な海岸だ。
「いい天気だな。神々しい空と海だ」
「ええ、そうね」
「自然を見ていると心が落ち着く……空気がうまい」
俺はこの海の空気を大きく吸ってみせた。
「こんな景色久しぶりかな」
風が来る度にスレイの髪が揺れる。線の細くとても綺麗だ……。
「ああ、いつも忙しいから自然なんてゆっくり見てる暇がない」
ぎゅっ……
「ひゃっ…それは……」
スレイは俺に後ろから優しく腕を首周りに回すように抱かれ顔を真っ赤に染めた。俺の中で縮こまる感じがまた一つ可愛くなったようだ。
「いつもは自信たっぷりなのに俺に抱かれるくらいで驚くなんてますます可愛いな」
「急にはずるいよ……誰かが見ていたら……」周りを確かめ誰もいないことを確認し落ち着く。
「嫌ならやめるが……」
「……嫌じゃない。……恥ずかしい」
真っ赤に染まったうなじ、そして動揺する声。男として少し理性を忘れてしまいそうだ。
俺は自分の中の悪魔のような気持ちを押し殺して、
「スレイの体温を感じる……」
「……わたしも」
「……座ろうか?」
「……うん」
後ろからスレイを再び包み込むように座る。肩の辺りから腕で包み込み優しく俺の方へと少し寄せた。
ぎゅっ……
「体温が上昇してるみたいだな」
「また、いじわるした」ぷいっと怒ったような表情で後ろを振り向く。
「スレイの髪……さらさらだ・・・。また赤くなった」
後ろからスレイの耳が赤くなっているのは、はっきりと判る。
「嬉しいんだもん♪」笑顔で俺の方へと振り向く。
いじわるをしてみたがスレイも乗ってきたようだ。喜んでくれると遣り甲斐を感じるというものだ。
「ついに本音が出たか……。なんにしても早くこの戦争を終わらせたい」
俺は遠くを眺める。そこには何も見えないが今までしてきたことがぼんやりと映るような感じがした。
「そうね……そのために亡くなった人たちがいる……」
スレイは少し涙ぐむ。こんな良い所に連れて来ておいてしんみりさせちまった。俺のせいだ。
「泣くな。俺がスレイを守る。バックアップだけ続けていろ」
俺はスレイを慰めるように涙を指で拭ってやった。後ろからは難しいが大体の目の位置は分かる。
「ごめんなさい。兄様のことを思い出してしまったの……」
「あまり気負いはするな。楽に行け……それと何かあったら俺のところへ来い」
「クスン……ありがとう。あなたは強いのね」
俺は強くなんかない。強くなるために筋肉増強剤で体を強化し、そして父さんの遺産を自分の機体を強くするためだけに使ってきた。これを強いと言うはずがない。己の力に頼りきっている。
今の俺は自分だけの力で存在してるわけではない。頭の中でうっとうしいくらい自分の弱い所が交差する。そして、ある昔の出来事が浮かび上がった。
「小さい時……親や仲間に感情が欠けていると言われたことがある。両親が死んでも仲間が死んでも泣いたことが無い」
「そんなふうには見えないよ。いつもはみんなと笑ってるのに」
「ああ、だがここへ来て俺は変わった。スレイも変わってきている気がするよ」
「あまり実感わかないな。でも、あなたと居ると凄く幸せ……」
「俺も幸せだ。時が経つのは早い……気持ちに余裕が持てるようになった」
「ずっとこうしていたい……」
「スレイ……お前を愛してる」
俺はスレイを失いたくない。すると無意識のうちに抱いている力が強まった。スレイも同じでぎゅっと俺の手の裏に自分の手を重ねているのが分かる。とても熱い手だった。
「わたしも愛してる……この戦争が終わったら一緒に住もうね」
ちょいと婚約のような感じがしたが、今更スレイとここまで来て迷いはない。自然と答えは出た。
「ああ、約束だ……。もう少し近くで海を見ないか?」
「うん」
大きな波が来る所から4、5メートル離れて立ったまま見る。


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