スパロボキャラと何かスレ6at GAMEROBO
スパロボキャラと何かスレ6 - 暇つぶし2ch221:それも名無しだ
07/06/20 08:46:50 BNdii/ot
>>220
冷たい麦茶を飲みながら、俺とライはテーブルを挟んで、考え始める。

手紙の文面だが……王女様も色々忙しかろうし、あまり長いのは、読む暇がないからNGだな。
「うむ」
簡潔に内容をまとめれば、王女様も返事の手紙を書こうって気分になりやすいだろうし。
「そういえば携帯のメールも、長い文より短い文の方が、相手も返信しやすいと聞いた事がある……」
まぁ、その辺の調節は、お前自身に任せるが。
「だが俺は、手紙を送りたいだけであって、文通をしたい訳では……」
返信不要ですと言わんばかりの手紙を書いてみろ。
やっぱりライディー様は私の事を疎ましく思ってたのですね~!とか言って、泣き出しちまうぞ?
「む……だが……」

―よし、わかった。
相手を傷付ける事なく、かつ返信不要な文章を教えてやろう。
「そんな便利な文章があるのか?」
ライが疑わしそうに、眉をひそめる。
ふふん、任せとけ。
ただし、気持ちがしっかりこもってないと効果はねえ。
一字一句じゃ、まだ生ぬるい!一画一画に魂をこめて書け!
魂かけりゃあ攻撃力は一気に三倍だからな!
「攻撃してどうする」
良いから書け!紙持って来てんだろ?
「ああ……」
ライはテーブルに、やたら上等な便箋を出した。



222:それも名無しだ
07/06/20 08:49:31 BNdii/ot
>>221
そして、やたら高そうな万年筆を用意した。
「……で?」
うむ、まずは「いつか」と書け。
「い……つ……か……」
次は「迎えに」。
「むか……え……に……」
最後は、「行きます」だ。
「い……き……ま……す……と。しかしたったの一行で……む?」
どうした?
「―いつか迎えに行きます……貴様、これはある意味プロポーズじゃないのか?」
いや、プロポーズだよ。
こうやって書いときゃあ王女様も、いつか愛しのライディー様が白馬に乗って迎えに来てくださいますわ~!とか言って、喜ぶぞ?
王女様のハートをキープしたまま、相手に返信の負担も与えない一石二鳥の妙案!
ふっ、自分の策士ぶりが、チョッピリ怖いぜ……って、ライディースくん、何で左拳をググッと握り締めてるのかな?
「一瞬でも貴様を信じた、俺が馬鹿だった……」
ちょ、ちょっと待てライ!麦茶でも飲んで落ち着け!
あ、黒蜜飴舐めるか!?癒される甘さだぞ!?
と、とりあえず落ち着け!左手は!お前の左手はマジでやばいんだって!
「俺に出会った不幸を呪えぇぇぇぇえっ!!!!!!!」


     し
     ば
     ら
     く
     お
     待
     ち
     下
     さ
     い
      ゜



223:それも名無しだ
07/06/20 17:08:51 6j9l0Je8
小さな傷なら舐めればいい。
大きなものならそれなりの手当てをして。
治るべきものはそうやって治っていく。

だが、記憶や想いはどうすれば治るというのか。
二人の想いは、過去には通じ合っていたのだろうが…。

封筒の裏に書かれた名前は、ライディース・F・ブランシュタイン。
シャイン王女が受け取った手紙だ。
「いつか、迎えに行きます」
何故かちょっとよれよれになった便箋。
書いて、迷って。握り締めて。
何度も封を破っては取り出し、意味も無く内容を確認してはまた封筒に突っ込んだ。
そんな風情だ。

ひとつ溜息をついて、膝の上に頭を乗せて眠っている新たな同居人を見下ろす。
シャイン・ハウゼン。
編んだ細い金髪と、額に輝くヘッドティカ。
細いうなじと華奢なからだ。幼いながらも端正な顔立ち。
白を基調にした、まるで中世の絵画から抜け出てきたかのような豪奢なドレス。

シャイン王女は事故でラトの俺への気持ちを刷り込まれた。

俺は、ここ何日もシャイン王女の為を思って心を壊さぬよう細心の注意を
払って一緒に生活してきた。

俺は何もしていない。
正確には、何もしようとしない事に全力を注いでいる。
そして。
この手紙には、ライディース少尉の出せる限りの気持ちが篭っている。

王女を膝に乗せたまま、大の字にひっくり返って天井を仰いだ。
リクセント公国の強大な財力で世界中の研究機関を当たっているらしいが、
まだ王女の回復の目処は全くと言っていい程立っていない。
コンピュータに例えれば、今の王女の脳は悪いウイルスにデータを上書きされた
ハードディスクって所だろうか。

バックアップも無いのにどうやって元の状態に戻せと言うのか。
王女の想いは殺された。
フェアリオンの意識連結システムのバグに。

目を瞑る。
―ライディース少尉は、俺が憎いだろうな。

目を開けると、ラトゥーニが心配そうに覗き込んでいた。

「ラト…」
「うん?」
「シャイン王女、元に戻んないのかな」

ラトは無言のままだった。

224:それも名無しだ
07/06/20 21:55:54 BNdii/ot
なに?結局あの手紙、出しちまったのか?

今日の訓練を終え、部屋でアヤを待ちわびながら、一人ノンビリしてたところへ訪ねて来たライ。
彼の口から、昨日のあの冗談半分に書かせた手紙(>>220-222)を送ったと聞かされて、マジで驚いた。
俺を義手でぶん殴った後、自分でクシャクシャに握り潰したってのに。
「俺にもわからん……ただ、出しておかなくては、後悔しそうな……そんな気がした」
ライは軽く目を伏せ、真剣な顔で答える。

何じゃそりゃ。
お前、あの文章はプロポーズみたいだってゴネてたじゃねーか。
「だから、俺にもわからんと言っている……そうだ。俺には、自分の気持ちも、王女の気持ちもわからん」
王女様はお前が好きで、お前だって王女様の事は嫌いじゃねえんだろ?
「ああ……俺も、王女には好意を抱いている。彼女が俺を必要としている時には、いつでも駆けつけてやりたい」
何だ、わかってんじゃねーか。
「そうじゃない。その気持ちは、どういう意味なのか。それがわからない……」
―なるほどね。
例えばアヤに、俺とマイの事をどう思ってるかって聞けば、愛してるって答えるだろうな。
でもその「愛してる」は、それぞれで意味が違う。
そういう事か?
「そういう事だ」
ライは簡潔に答える。



225:それも名無しだ
07/06/20 21:58:04 BNdii/ot
>>224
「王女の好意も、単に周囲の人間と毛色の違う男に対する好奇心なのか、それとも亡くなられたお父上を重ねているだけなのか……それとも、俺を純粋に、一人の男性として見ているのか……時々わからなくなる」
まったくお前も難儀な性格してるな。

だが、何となくわかる。
俺も、時々アヤの気持ちが見えなくなりそうに感じる。
俺の知らない間に、気持ちが俺から離れちゃあいないかと不安になる。
それはアヤも同じらしくて、だからこそ触れ合う事で、お互いの気持ちを確かめ合ってる訳だが。

しかし、ロクに会えず、話も出来ないコイツはそうもいかんしなぁ……。


―そうだ、良い事思い付いた。
「猛烈に嫌な予感がするんだが……何だ?」
ほれ、王女様がラトゥーニと一緒に乗ってた二機のロボットがあったろ。ゴスロリオンとかいう……。
「フェアリオンだ……で?」
あれにお前と王女様が乗って、お互いの精神をリンクさせりゃあ良いんじゃねえ?
そうすりゃお互いの気持ちが一発でわかるってもんだ。
「……馬鹿馬鹿しい。そんな事で理解出来れば、苦労はしない」
とか言って、今一瞬考えたろ。
「からかうな」
まぁ、冗談は置いといて。



226:それも名無しだ
07/06/20 21:59:32 BNdii/ot
>>225
少なくとも、王女様をこの世のあらゆる残酷さから守ってあげたい。その気持ちには、嘘偽りはねえんだろ?
「ああ」
なら、今はそれで良いだろ。
あとは、今度会った時にでも直接話をして、確かめりゃあ良い。
別にお前も王女様も、明日になったらこの世から消えてなくなる訳じゃなし。
「……そうだな。今お前とくだらん話をしたところで、何の解決にもならん。今は、それで良しとしよう」
ライは晴れやかな微笑を浮かべる。
「やはり、王女と文通でもしてみよう。少なくとも、お喜びにはなろうからな」
おう、そうしてやれ。
俺はライを廊下まで見送る。
「わざわざすまなかった……ありがとう」
そう言ってライは左手を差し出す。
俺は軽く握手に応じてやった。

あ、ちょっと待て。

自分の部屋に戻ろうとするライの背中に、呼びかける。
「何だ?」
振り向いたライに、俺はポケットに入ってた黒蜜飴を投げてよこす。

疲れてるから、ゴチャゴチャくだらねー事考えちまうんだ。
それ食って、ゆっくり休め。

「そうだな……そうさせてもらう」
ライは笑って、飴玉を左手で受け取った。



227:それも名無しだ
07/06/20 22:05:07 BNdii/ot
>>223とリンクしてるかしてないかは、各人のお好きなように解釈してくださいm(u_u)m

いや、ブラザーの今後の展開が読めないもんで(^_^;)

余計な事だったらマジでごめんなさいm(u_u)m

228:それも名無しだ
07/06/20 23:26:04 6j9l0Je8
>>227
いや、単に鬱展開書きたかっただけ…って言ったら怒られそうだけど。
幾つかまだやり残した事があるんだよね。
その為にブレーキ掛けた。
せっかくエロシャイン導入した事だし。(やりたい事ってエロかよ!

次回、どうにもならない状況に追いつめられる主人公。
エロシャインの魔の手が迫る!
ラトはどうなる?!

なんちってね。サービスサービスゥ(古

229:それも名無しだ
07/06/20 23:41:54 /YoUhu7G
新参者ですよぅ。
お久しぶりでした。
皆さま、お元気なようでよかったです。

>>218
いやー…ベタベタでしたねぃ…
先読み可能な展開でごめんなさいです。
しかも、今回は黒天狐も黒烏も出撃せず…
手抜き感バレバレ?
うひゃあ、平にご容赦を。

>>219
こんばんはです。
お誉めにあずかり、大感謝です。
楽しんでいただけたなら、よかったぁ…

そ・れ・と。
ププププロデビュー!?
こんな凡才にチャンスをくれる、神な出版社ありませんよぅ。
言っていただけただけ、嬉しゅうございます。

その後の展開を投下してくださった皆さま、すばらしいです。
楽しんで読ませていただきました。
GJです!

230:それも名無しだ
07/06/21 00:22:06 mID2A8/k
スレイの夫です。少し開けていたのと、読んでなくて申し訳ない
今回は顔出しだけなんでレスは付ける気は無いです
同居人さんと不死身の男さん、感想ありがとうございます

結果が出る人が羨ましい

231:それも名無しだ
07/06/21 08:50:09 1Es3l4OD
>>228
なるほどね。
次回は エ ロ 祭 り という事になる訳ですな?w

>>229
いやいや、安心して読めたよん('-^*)/
俗に言う様式美ってやつですな。

>>230
お帰り。
読みたい時に読んで、書きたい時に書けば良いじゃないか(´∀`)
無理しちゃダメよん('-^*)/

232:それも名無しだ
07/06/21 17:50:59 7voYp/a/
>>229
また!そんな!ご謙遜を!(ビシビシ
あ、痛かったですか…?
うーむ力が入りすぎたか。

とにかくGJでした!

>>231
強調すんな!!w
コーラ噴いた。

>>230
押忍!!

233:君の夫は、もういない
07/06/21 21:20:17 7YNvrdRv

ユーラシア連邦宇宙要塞アルテミス。
その一室に、紫の髪をした一人の青年が寝かされていた。

男「…………う、うう……」

男は目を覚まし、辺りを見渡す。

男「…………ここは……?それに、『俺は』……?」
メリオル「お目覚めですか、クレーズ特務兵」
男「クレーズ……それが俺の名か……って、あんたは誰だ?ここは一体どこだ?」
メリオル「ここはユーラシア連邦宇宙要塞アルテミスの医療室です。
    私はアルテミス所属のアガメムノン級戦艦オルテュギア管制担当のメリオル・ピスティスです」
男「…………教えてくれ、俺は何故ここにいる?そして何故俺は以前のことが思い出せない?」
メリオル「あなたはアルテミスで開発されたMS『ハイペリオン三号機』のテストパイロットだったのですが、
    機動実験中に後頭部を強打、それ以前の記憶を失ったものであると思われます……失礼」

通信が入り、メリオルはパネルに向かった。
その男に遠目に見えたのは、禿頭に帽子をかぶったこの要塞の指揮官らしい男だった。
男には二人の会話までは聞こえなかった。

一方、地上では、複数の人間が話をしていた。
その中の青髪の女性は悲鳴にも似た驚きの声を上げた。

青髪の女性「行方不明!?」
緑髪の青年「ああ、あの後俺たちは大西洋連邦の新型『105ダガー』のテストパイロットをやったんだが……」
黒髪の青年「途中でザフトに遭遇、彼の機体が撃墜された」
茶髪の女性「あたしのブレンが脱出ポッドを確認したって言ってるんだけど……」
中華風の男「なにぶん厳しい戦闘でな……ポッドを追う余裕がなかった」
青髪の女性「そんな…………」

男「なあ、メリオル…だっけ?」
メリオル「はい、何でしょうか?」
男「そろそろ俺のファーストネームを聞かせてほしいんだが……」

メリオル「ああ、そうでしたね。あなたの名は……」

青髪の女性「……もう、会えないの……?」

メリオル&シャナ=ミア「「ゼア=ウィド」」


234:君の夫は、もういない
07/06/21 21:21:41 7YNvrdRv
お久しぶりです、ゼア=ウィドシリーズ新章突入です。
これからも楽しんで呼んでいただければ幸いです。
今後ともよろしくお願いします。

235:それも名無しだ
07/06/22 11:45:15 T6fPgA8y
>>233-234
美術館閉鎖の次は記憶喪失かよ!
何だ、その怒涛の展開はーっ!w



236:それも名無しだ
07/06/22 11:48:04 T6fPgA8y
>>232
>強調すんな!!w
>コーラ噴いた。


すまん、俺の中の野獣の血が反応しちまったようだ。
噴いたコーラはこれで拭いとき。
つ◇【←懐紙】

237:それも名無しだ
07/06/22 16:18:28 ycR8qwLf
>>231
ありがとう、そうなんだよね。だけど、面白いものを書かないと誉められないと思ってしまってその考えが頭の中で毎日ループしてしまうんだよ

>>232
押忍!!

>>233
話が見えないのはこれからパズル形式で色々と出てくるのかな。少し期待してしまいそうだ

238:それも名無しだ
07/06/22 20:06:19 ycR8qwLf
昼休み 実験室
オペ子A「あら、いたの?いたならいたって言ってくれればいいのに」
ラピス「・・・交代です」
オペ子A「じゃあ、後は頼むわよん♪」
・・・。
ラピス「それでは実験を始めます」
シャア「了解した・・・(ラピスたんハァハァ・・・)」
「調子どうだ?」
ラピス「・・・」
「・・・(相変わらずしゃべらんな)」
ラピス「・・・」
「まずまずの数値だな。果たしてあのロリコンニートのおじさんがどこまで行くのか」
ミッテ「あら、来ていたの?」
「ああ、ミッテさん」
ミッテ「困るわよ。関係者以外入っちゃ」
「まあまあ、いいじゃないですかちょっとくらい」
ラピス「・・・ここは関係者以外立ち入り禁止です」
「ラピスちゃん・・・君まで・・・分かった帰ることにするよ」
シャア「ラピスたんハァハァ!」
ラピス「?」
ミッテ「凄い数値ね。ラピス、もう少し何かしゃべりなさい」
ラピス「え・・・あの・・・」
シャア「ハァハァ・・・!」
ミッテ「凄い!予想以上の数値ね。これなら次の学会で№1間違い無しよ♪」

通路
「さっきは追い出されちまった」
ルー「無理ないわ。どうせ、ラピス目当てでしょ?」
「違うやいっ。俺にはスレイという妻がいるんだ」

239:それも名無しだ
07/06/22 20:38:01 T6fPgA8y
>>238
あのまま放置したら、シャアが暴走したりせんだろーなw

まぁ、ララァの背後霊が何とかしてくれるだろw

240:それも名無しだ
07/06/23 12:17:12 naw6xri5
「ん……あん……」
アヤの悩ましい声が、部屋に響く。
彼女の上で、俺が覚えたツボを刺激する度に、アヤは声を漏らして、くすぐったそうに身をよじる。
その度にベッドはギシギシと音を立てて軋んだ。

この上で、何度も何度もアヤと濃密な時間を過ごしたが、一人用にしちゃエラい頑丈だなと感心する。

それはともかく、俺はアヤの身体のツボを、うつ伏せた背中を眺めながら、ゆっくりと丹念に責め続けた。
「あっ……いい……!」
俺の動きに合わせるように、アヤの可憐な唇から快感の声がこぼれる。
「そこ……もっと、して……」
―ここか?
言われるままに、刺激を与える。
ここが良いのか?
「んっ……良い……」
いちいち確認しなくても、その声色から、アヤが気持ち良くなってくれてるのがわかる。
「もう……こんな事、どこで覚えたの?」
アヤが俺のために色々と努力しているように、俺も色々と勉強してるのさ。
何せ俺は、アヤを心から愛してるからな。
「んっ……馬鹿……うぅんっ!」
俺がここはと思う場所を突くと、アヤはまた切ない声を上げる。
どうだ、アヤ。気持ち良いか?
「んんっ……気持ち良い……きもちいい~~~~っ!!」
我を忘れた至福の声に、俺は何とも言えない喜びと達成感を感じた。



241:それも名無しだ
07/06/23 12:20:55 naw6xri5
>>240
全てが終わると、俺はアヤの上から離れて、ソファに座った。

ふぅ、ちょいと飛ばしすぎたかな。手が疲れちまった。
「でも、おかげで体中がほぐれちゃったわ。何だか、体が軽くなったみたい」
アヤが俺の隣に座り、子猫のようにすり寄ってくる。
「これなら、プロのマッサージ師としてもやっていけるかもよ?」
そうか?
もしそうだったとしても、俺はアヤ以外の客を取るつもりはないけどな。
答えながら、アヤを抱き寄せて、髪を撫でる。

しかしチームリーダーってのは、本当に疲れる役回りなんだな。
肩だけじゃなくて、他にもあちこちこってたぞ?
「そうねぇ……特に、どこかの誰かさんがすぐに無茶をするから、余計にストレスたまるのかも」
あぁ、だからその誰かさんにストレスぶつけてる訳だ。

昨夜みたいに。

「もう!わかってるんならもう少し慎重にやりなさい!」
アヤがプゥーッと膨れっ面して、頬をつねる。
「本当に心配ばっかりかけさせるんだから……馬鹿」
言うなり、俺の胸にすがりつくアヤは、まるでちっちゃな女の子だ。
「罰として、これからもちょくちょく、マッサージしてもらいますからね?これは命令よ!?」
イエッサ。
俺はそう答えると、おもむろに唇を重ねた。

「んっ……んふ……」

明らかに濡れた声を漏らすアヤが、俺の首に両腕を回して舌を絡ませて来るのに、時間はかからなかった。



242:それも名無しだ
07/06/23 13:05:15 ECBo5XBI
>>239
読んでくれたのか、サンクス。あれ以降あの場所に行ってないから分からないなあ

>>240-241
素晴らしいw

243:君の夫は、もういない
07/06/23 18:20:15 Ln+ge5sj

宇宙要塞アルテミス。
そのパイロット待機室で、三人の男が会話をしていた。

カナード「貴様が三号機のパイロットか?」
ゼア=ウィド「ああ、どうもそうらしい」
バルサム「ま、仲良くやろうや。俺はバルサム・アーレンド。
    人は俺を『アルテミスの荒鷲』と呼ぶ」
ゼア=ウィド「へえ、凄いな。荒鷲か……」

感心しているゼア=ウィドに、隣の長髪の男がこう言い放った。

カナード「と言っても、こいつの撃墜マークはシミュレーションのもの、
    異名も自分で名乗っているだけだ。俺はカナード・パルスだ」
ゼア=ウィド「そうか、俺はゼア=ウィド・クレーズ。よろしくな」

地上。
軍の施設に一人の青髪の女性が怒鳴り込んできた。

シャナ=ミア「お願いです!私が祭典で使用したラフトクランズを出してください!」
ちずる「落ち着いてくださいシャナ=ミアさん!一体何があったって言うんですか!?」
シャナ=ミア「ゼアがっ…ゼアが行方不明に……!」

シャナ=ミアはかろうじてそう言うとその場に泣き崩れた。

ちずる「シャナ=ミアさん……オルガ君、説明してくれる?」
オルガ「ああ、実は……」

アルテミス司令室。
メリオルと指揮官であるガルシアが会話をしている。

ガルシア「では、全ては順調なのだな?」
メリオル「はい。…偶然この要塞付近に漂流していた脱出ポッドを一人の情ある兵士が回収、
    それに乗っていたのはフューリーの女王シャナ=ミア・エテルナ・フューラの伴侶
    ゼア=ウィドだった。我々は彼に精神操作を行い以前の記憶を抹消し、彼は我々の同志だという
    偽の真実を突きつけ彼を味方につける……あの兵士がポッドを拾ったのはラッキーでしたね」
ガルシア「ああ、これで三人のハイペリオンパイロットが揃った。もう我々ユーラシアに敵はいないぞ……」

ガルシア「全ては!我々ユーラシア連邦のために!ふふふ……ふはははははは!!」


244:それも名無しだ
07/06/24 04:39:07 ih3RD4/j
>>243
記憶喪失自体は、事故じゃなかったのね……先が楽しみ。



245:それも名無しだ
07/06/24 04:40:13 ih3RD4/j
朝の7時。
今日が日曜日である事を考えると、早い時間と言える。

俺はアヤの部屋の前にいた。
目の前のドアが、今はやたら分厚く、そして重く感じる。
それでも俺は、思い切ってインターホンの呼び出しボタンを押した。



―きっかけは、ほんの1時間前の事だ。
俺は自室のベッドの上で、まどろんでいた。
そこへ、アヤが真っ白な裸身を重ねながら、いつにない真剣な表情で、質問してきたのだ。

「もしも私が死んだら……どうする?」

突然すぎて、言葉が出なかった。
身を起こして、何故そんな事を聞くのかと尋ねると、夢を見たらしい。
異星人の総攻撃を受けてSRXが大破し、R-3の部分に直撃を受けて死ぬ夢。
その夢では、何故か俺はSRX組には入ってなかったらしい。

―馬鹿げた質問だ。
俺は絶対にアヤを死なせない。
どんな敵からだろうとアヤを守ってみせる。
俺は迷わず答えた。

「―もしもの話よ?嬉しいけど、ちょっと答えになってないわね」
アヤは表情も変えずに、そう返す。

もしもアヤが死んだら、か。
―その時は、どんな方法だろうと、必ず生き返らせる。
我ながら馬鹿げた答えだが、俺は真剣に答えた。



246:それも名無しだ
07/06/24 04:41:56 ih3RD4/j
>>245
俺にとって、アヤは掛け替えのない女性だ。
それを失う事は、死よりも恐ろしい。

例え悪魔と契約して、この肉体と魂をグラム10円で安売りする事になったとしても、アヤを生き返らせる。
イカレた答えなのは百も承知で、俺は言い切った。

―だが、アヤは悲しそうな顔をするだけだった。

「それも嬉しいけど……私は、あなたの重荷にはなりたくない。その時は、私の事なんか忘れて、他にもっと良い人を」

パァンッ!

アヤの言葉を、乾いた音が遮った。
一瞬の間を置いて、俺は自分がアヤの頬をぶった事に気付いた。
「………」
アヤが頬を押さえ、信じられない物を見るかのような視線を俺に向ける。

「ごめんなさい」

小さく呟くと、彼女はベッドを出て、服を着る。
引き止めようとしたが、上手い言葉が思い付かない。
そんな俺から逃げるように、アヤは部屋を出た。


私の事なんか忘れて、もっと良い人を見つけてほしい。
アヤは多分、そう言いたかったんだろう。
それは純粋に、俺の幸福を願ったからだ。
俺だって、死後もアヤの中で美しい思い出として残るならともかく、亡霊のようにアヤの心を縛り付けたくはない。
だから、立場が逆なら同じ事を言った筈だ。



247:それも名無しだ
07/06/24 04:45:15 ih3RD4/j
>>246
だが俺は、自分の想いが軽い物に見られてるように感じて、そんな自分勝手な思い込みから、アヤに手を上げてしまった……。
アヤがどんな気持ちで、あんな質問をしたのか……どんな気持ちで、あんな事を言ったのか、知ろうともせずに。

―どうしよう。

頭を抱えた。
これからどうするべきか、足りない頭を使って考えた。

あんな質問をしたアヤが悪い。
そうささやく声もあったが、それは無視した。
変な夢を見れば、変な質問の一つもしたくなるだろう。
いずれにせよ、手を上げた時点で、100%俺が悪い。
ならば答えは一つしかない―謝ろう。
そう決意して、俺はアヤの部屋の前に立った。

来る途中も、いろんな考えが頭をよぎった。
この行動もまた、自分勝手な感情を優先してるだけなんじゃないか?
今は、一人そっとしておいてやるべきじゃないのか?

だが、ある可能性を考えると、足を止め、部屋に戻る事など出来なかった。
何故なら、今アヤは、俺に嫌われたのではないかと不安に震えてるかも知れないからだ。
俺を傷付けてしまったのではないかと思い込み、泣いているかも知れない。

その不安や悲しみを取り除けるのは、俺だけだ。

嫌ってなんかいない。
傷付いてもいない。

そう言って、安心させてやりたい。
初めて逢った時から、俺はアヤを、この世のあらゆる残酷さから守ってあげたいと、心に決めていたのだから。



248:それも名無しだ
07/06/24 04:47:25 ih3RD4/j
>>247
インターホンのボタンを押して、呼びかける。

アヤ、俺だ。
話がしたい。顔を見せてくれ。

―少しの間を置いて、ドアが開いた。
アヤの端正な顔には、涙の痕があった。
やはり泣いていたのか―いや、俺が泣かせっちまったんだ。

罪悪感に胸をえぐられながら、俺は部屋の中に逃げ帰ろうとするアヤを、優しく抱き締めた。

ぶったりして、悪かった。許してくれ。
耳元でささやく。

「お……怒って、ない?」
恐る恐るアヤが尋ねる。
怒ってなんかない。
アヤは俺の事を思って、ああ言ってくれたんだろ?
それを俺が勘違いして、カッとなっただけだ。
もう怒ってない。
穏やかな声で答え、さっきひっぱたいちまった頬を、優しく撫でる。

本当にごめん。
痛かっただろ?
「叩かれた事より、あなたを怒らせたんじゃないか、傷付けて、嫌われたんじゃないかって……そっちの方が怖かった……」
ああ、やっぱり……それで、こんなに泣いていたんだな。

目尻に浮かぶ涙の粒を、指でそっと拭ってやる。

大丈夫。俺はアヤを嫌ったりなんかしてない。
心から愛してるよ、アヤ。

そう言って、俺はゆっくりと唇を重ねた。
唇を離して、真っ直ぐにアヤの顔を見つめる。
「よ、良かった……あたし……あたしね……あたし……」
安心からか、アヤの目からはポロポロと涙がこぼれ落ちる。
そのままアヤは、小さな子供のように泣き出した。

俺はアヤを部屋の中に連れ込む。
抱き締めて、口づけをして、思い付く限りの愛の言葉をささやいて、慰めてやった。



249:それも名無しだ
07/06/24 04:49:07 ih3RD4/j
>>248
「ん~っ!お腹いっぱい!」
レストランを出て、アヤは満足そうな声を上げる。

このランチで盛大に飛び去って行った、我が財布のお札たちを思うと、俺はため息が出そうになるが。

「さぁ、それじゃあ次は〇〇でブーツを買って、△△で水着も買わなくっちゃね!もうすぐ夏だもの!あ、あと夏物の服も欲しいわね~……□□で良いわよね?」
マジかよ……全部アヤと付き合い始めてから耳にするようになった、高級店ばっかじゃねえか。
勘弁してくれと言いたくなるが、今日1日アヤの奴隷になる事で、ひっぱたいた事をチャラにしてもらう約束だから、仕方がねえ。

「ほら!早く行くわよ!」
イエッサ。
答えながらも、やっと見せてくれた弾けるような笑顔に、俺も口元が緩む。
給料日前にスッカラカンになるだけでこの笑顔が見れるなら、安い買い物だ。

俺の前を楽しそうに歩くアヤに、道行く男どもが揃って視線を向ける。

今のアヤはヘソ丸出しのチューブトップに、パッツンパッツンのミニスカートとハイヒール。
小脇にはバッグと一緒に、着用の意志0の薄いジャケットを抱えている。

こんなイケイケな格好した美人が、初めて遊園地に来た子供のようにはしゃいでるんだ。
男なら、そらぁ気になるわな。
ふふん、良いだろ良いだろ!

 俺 の 女 だ !

全宇宙に宣言してやりたくなるような、優越感がこみ上げる。

「ちょっと!何をボサッとしてるの!」
アヤが両手を腰に当てて、こちらを向く。
な、何でしょう?
「ほらっ、早く手を繋ぎなさい♪」
……イエッサ。
差し出された白く優しいその手を、俺は暖かな気持ちで、しっかりと握ったのだった。



250:それも名無しだ
07/06/24 14:33:39 UZ50QYVT
>>245-249
乙&GJ
感動した。仲直りできて良かったね。うん、本当に
最近、文章を読むのが嫌だったが最後まで勢い良く読めたのが不思議。興味を引ける文章なのかな、と
> 俺 の 女 だ !
素晴らしい、言い切ったなw俺も言い切れるが尊敬するよ
それにしてもアヤさんは飛んだ子悪魔ちゃんだなw財布、やばいんだろ?頑張るしかない

なんだか俺だけ置いてけぼりのように感じてしまった。ネタ書かないとなあ

251:それも名無しだ
07/06/24 15:37:54 UZ50QYVT
休日の午前中、ソファーでゴロゴロして麦茶を飲む。この前CMでやっていた『プロの麦茶』なんだが……今もブーメランパンツ姿の鉄也さんが頭から離れないのは呪いのようだ。
良い天気だ。空は雲一つもない。外から子供たちがはしゃぐ声が聞こえてくる。これが俺達が護ってきた平和なのかなと感じられて幸せだ。
スレイは外で洗濯物を干している。ここからはスレイの後姿が見える。

うむ、なかなか良い尻だな。上下する二つのお肉がたまらんw尻とか脚とかを見る人はおっさんだと聞くが、俺は自覚している。

スレイの後姿に見惚れていると、俺はあるおかしいことに気づいた。
手の動きが止まっている。ここからだとあまりよくは見えないが遠くの方を見ている様子だ。

何かあったんだろうか?

心配して外へ出てみるとスレイはまだ遠くを眺めていた。1メートルほど近づいたがスレイは俺の姿に気づかない。
そうか……向こうの子供達を見ていたのか。しかも物欲しそうに……。
なんだか勝手に見ている自分の胸が苦しくなってしまった。分かっている、誰のせいでもない。だけど、スレイは毎回病院科行く度に自分を責める。とにかく、慰めないと。
俺は後ろから優しくスレイの首周りに手腕をまわし抱きしめてやった。

スレイ「ひゃっ……!?」
しゃっくりが勢い良く出てきたような可愛い驚き方だ。
スレイ「いたの?」
「ああ、少し前からな。お前がぼーっとしてたから心配してやってきた」
スレイ「ごめんなさい」
申し訳なさそうに謝るスレイ。後ろからも悲しんでいると感じられる。
「謝らなくてもいい。また、子供のことでも心配してたんだろ?」
スレイ「うん、実はそうなの……」
下を向いて俯くスレイ。
「何度も言ってるじゃないか。天才とオタクの子なんだから時間が掛かるんだって……だから焦らず頑張らず気の向くままにやればいいさ」
スレイ「そうね……ごめんなさい」
「だから謝るなって」
俺はスレイを抱きしめる力を強くした。するとスレイも答えるように俺の手の上に自分の手を重ねてきた。
熱い手だ。あの戦争の最中、海のように……。
スレイ「あなた、覚えてる?婚約した日のこと」
何を言い出すかと思ったら、俺が考えていたことだった。お互い心が通じ合っていると思うと頬の辺りがくすぐったくなる。
「ああ、覚えてるさ。お前が最高に綺麗だったあの日を……今でも最高に綺麗だがな」
スレイ「うふふ、幸せ♪」
元気出したみたいだ。俺も凄く嬉しくてスレイの首筋を後ろからキスしてやった。
スレイ「ひゃん……、あなたムード壊した」
少し意地悪をされた少女のような、怒った声だった。しかし、実際は凄く喜んでいる。旦那の俺なら確実に分かる。
「何を今更w俺を興奮させたのはお前だろうに。それにお前を見ていると凄く嬉しそうだ」
スレイ「分かる?」
嬉しそうに質問する。
「分かるに決まっているだろう。お前と俺は夫婦なんだから」

この後はその場で少しいちゃいちゃしてしまった。ちょっと外で行っていることを忘れて先へと進んでしまった俺は破廉恥な男かもしれん。

スレイ「あなた、あんな元気な子が欲しい」
なんて可愛くねだるんだw俺のスレイちゃんはwwwのーぷろぐれむ、任せなさい。

ハザル「ルリアよ、この格好は格好良いだろう?」
ルリア「その辺の子供と大差はないと思われますが……」
ハザル「そうか。俺はこの子供の中で一番格好良いのだぞ、ルリア。さあ、今から虫取りだ」
ルリア「かしこまりました」
なんだか大きな子供だな。スレイが指を指した子供は……
「って子供じゃねぇしwwwwww」

ハザル「ルリア、大変だ!体が何故か、かゆくなってしまった!!」
ルリア「ハザル様、それはこの星の蚊という虫だと思われます」
ハザル「蚊という虫だと!?俺のヴァイクランで消滅させてくれるは!!見ていろよ、蚊め。今こそ、俺の編み出した新技を見せてやる!!」

俺とスレイはそのTシャツハーパンで虫取り網を持った男と虫取り籠を持った女を見届けた。
後から気づいたことだがあれは家のお向かいさんだった。最近は姿を見ず声だけが聞こえていたから忘れていたんだろうな、きっと。

252:それも名無しだ
07/06/25 16:01:20 kwo8tUXD
>>250
サンクス(・ω・)/
なぁに、アヤの笑顔に比べりゃ屁の突っ張りにもならんぜよw

>>251
ちょ、ハザル坊w
根性入れ直してやらにゃならんから、誰か大雷凰持ってこいw

253:それも名無しだ
07/06/25 21:51:47 lrH6CRNt
>>252
ありがとう、アヤさんはブランド物とか好きなんだな。
スレイは可愛い系や腐女子系が大好きなんだよ。まあ、腐女子系は一緒に住んでからだけど……。
俺がね。スレイにお前をセレブにしたいって言ったんだ。だけど、スレイは可愛いので満足だって、豪華な物は好まないらしい。うん、俺好みの女になったもんだ。
>根性入れ直してやらにゃならんから、誰か大雷凰持ってこいw
うん、大雷凰なら間違いなく勝てるよ。そして地球は平和になる。

254:番外編「アヤ・コバヤシの日記」
07/06/26 16:09:36 ccQtU5bK
眠れない月 夜日

昼間のDC残党との戦闘のせいか、何だか寝付けない……。
お酒でも買って飲もうと思い、部屋を出るが、今夜に限って購買は閉まっていた。

どうしよう?
このまま部屋に戻るのも何だか癪だけど、かと言ってする事もないし……。
そこへ、新人くんがやって来た。
あなたも眠れないの?
「えぇ、まぁ……購買、閉まってるんですね……」
そうなのよ。
私も眠れなくて、お酒でも買って飲もうかと思ったんだけど……って、どこに行くの?
「コンビニ行ってきます」
この時間だと、外出の手続きも普段より時間かかるわよ?
「別にいいです。このまま部屋に戻るのも、何か癪だし」
……考える事は一緒なのね。

じゃあせっかくだし、私も行くわ。
そう言って、私は新人くんについて行く。
あ、でも勘違いしないでね?
あくまでもリーダーとして、あなたを監督するだけなんですからね?
―って、何を言い訳してるんだろ、私。
でも新人くんは、
「ええ、わかってますよ」
と優しく言ってくれた。

基地の守衛さんは、いつも以上に時間をかけて手続きを済ませて、外出許可を出してくれた。

やっぱり深夜の基地周辺は、暗くて静かね……。
夜間訓練を行う別の部隊も、今は演習場に出払ってるから、本当に静か……何だか、怖いくらい。
で、こういう時に限って、怖い話を思い出したりしちゃうものだから、何だか本当に怖くなって来ちゃった……。



255:番外編「アヤ・コバヤシの日記」
07/06/26 16:12:46 ccQtU5bK
>>254
―ねぇ、手を繋いでも良いかしら?

気が付くと、そんな事を口走っていた。
「……は?」
新人くんもビックリしてる。
それもそうよね……恋人でもないのに、手を繋いでだなんて……でも正直言って、本当に怖くなって来ちゃって、誰かと手を繋いでないと、不安になってしまう。

―だ、だって、こんなに暗いとはぐれちゃうでしょう?二人一緒に出たんだから、戻る時も二人一緒の方が良いじゃない?
それに私は、リーダーとしてあなたを監督してるんだから、あなたに逃げられると面倒なの!

……ああ、私は何を言ってるんだろう?
自分から手を繋いでって言ってるのに、何で「仕方なくやってます」と言わんばかりに言い訳しなきゃならないの?
彼と手を繋ぐのが、恥ずかしいから?
恥ずかしいなら、何故手を繋いでなんて言い出す訳?
何だか自分でもよくわからなくなってくる……。

「イエッサ」

だけど新人くんは素っ気なく答えると、あの燃えるように熱い手で、私の手をキュッと優しく握ってくれた。
彼の手を通して、熱いものが伝わってくる。
さっきまでの、暗闇や静寂への怯えや不安は、もう消えていた。

「ありがとうございます、大尉」
彼がおもむろに口を開く。
「実は俺、暗い所は苦手で……大尉が一緒にいてくれて、こうやって手を繋いでくれて、本当に助かります」
そう言って、穏やかに笑う。
何故かちょっと嬉しそうにも見える。

―嘘よ。
本当は平気なくせに、わざと臆病者を装って、私の顔を立ててくれている。
気を遣われる自分を情けなく思う一方で、だけどそんな彼の心配りが嬉しくって、私は繋いだ手にキュッと力を込めたのだった。



256:それも名無しだ
07/06/28 12:10:04 g5dCRg7T
今日の訓練は、チーム内での一対一での模擬戦。
くじ引きで組み合わせを決めて、早速開始だ。

俺の最初の相手は、アヤだった。
「よろしくね。手加減なんかしたら、タダじゃおかないわよ?」
具体的に、どうタダじゃおかないんだ?

「 別 れ る 」

命捨ててかからせてもらいます、アヤ様!

「……何かお前、完璧に尻に敷かれてるな」
黙れリュウセイ。
尻に敷かれてやる度量がなくっちゃあ、男はやっていけねーんだよ。
俺はそう答えて、アシュセイヴァーに乗り込んだ。


R-3は、今日はノーマル形態だ。
―細身のボディにそこはかとなく色気を感じるが、あくまでもパイロットのアヤを重ねて見ているからだ。
決してリュウセイ菌に侵されてる訳ではない。
試合開始早々、R-3はレーザーキャノンを連発する。
T-LINKシステムでこっちの攻撃の意志を感知して、反撃のタイミングを的確に潰していきやがるから、手が出ねえ……。
ここは多少強引でも、一発かましてやらんとな。

ソードブレイカー!行ってこい!

俺はレーザーキャノンをかわしながら、機体の両肩に備え付けられた、計六基のビットを射出した。


257:それも名無しだ
07/06/28 12:11:28 g5dCRg7T
>>256
ソードブレイカーはビームを撃ちながら、R-3目掛けて飛んでいく。
俺もアシュセイヴァー本体にガンレイピアを連射させて、ソードブレイカーたちの援護をする。

『くっ!このっ!』
接近してきたビットに、R-3はビームソードを振るうが、的が小さく素早いからなかなか墜とせない。
すぐにアヤはソードブレイカーに気を取られて、隙を見せた。
いただき!
その隙を逃さずガンレイピアを撃つ。
しかしその光弾を、細長い物が盾のように防いだ。
ストライクシールドが、いつの間にか射出されていた。
『ストライクシールド……いきなさい!』
ビームソードでソードブレイカーを牽制しながら、その動きを読んでいたのか、ストライクシールドは稲妻のような勢いで、ソードブレイカーを六基とも叩き落とした。
更にそのまま、こちらに向かって飛んでくる。
いくら愛しのアヤとはいえ、こいつまで受け取る気はねえ。
俺はアシュセイヴァーをジャンプさせる。
そして、飛来するストライクシールドその物を足場にして、空中高くに駆け上がった。
R-3がレーザーキャノンを構えるが、ちょいと遅かったな!
ガンレイピアで、レーザーキャノンを保持する腕の関節を狙い撃った。

レーザーキャノンを落っことしたR-3の前に着地して、喉元にレーザーブレードを突きつける。

はい、お疲れさん。
『……参りました』
そう言う通信回線越しのアヤの声は、何故か嬉しそうだった。



258:それも名無しだ
07/06/28 12:13:29 g5dCRg7T
>>257
その後残りの試合が消化され、再びくじ引き。
俺の今度の相手は、マイだ。
「頑張ってね、マイ」
「任せろ!アヤの仇は私が討つ!」
俺は悪者かよ。


しかし試合が始まると、さっきの気合いはどこへやら、R-GUNは全く動かねえ。
何やってんだ、コイツ……。
不覚にも対応が取れず、棒立ちになった。

と、そこへおもむろに、R-GUNは左手を開いて、勢い良く前に突き出す。
『T-LINKフルコンタクト!サイキック・ウェイイイィィィイブっ!!!!』
訳のわからん雄叫びが上がり、R-GUNの左手から、緑色の輝きが放たれる。T-LINKソードみたいなもんか?
しかし機体にこれと言ったダメージはねえ。
コケおどしか、驚かせやがって!
接近して攻撃しようとした俺だったが……あれれ?どうなってんだ?
アシュセイヴァーが動かねえ。

R-GUNが左手をググッと上げると、アシュセイヴァーも宙に浮いた。

何これ!?
ひょっとして、R-GUNが念動フィールドでアシュセイヴァーを捕らえてんのか!?
気付いた時には、もう遅かった。

R-GUNがビームカタールソードを手に、飛んでくる。

『サイキック・斬!!!!!!』


―その日、俺は午後の訓練を休む羽目になったのだった。


259:それも名無しだ
07/06/28 12:16:27 g5dCRg7T
>>258
―その日の夜。



    ||
  , -__ヽ|ノ
 <;;;;;;;ノノハヽ
  .ヾ T∀ノ<オレハ タダ 「ダ0ガ0オー」ヲ ミセタダケナノニ…
  ミ∥∥∥j   
  ミ∥∥∥j
  ミ∥∥∥j
   ヽ)ヽ)

260:それも名無しだ
07/06/28 16:50:03 g5dCRg7T
今読み返して気付いたが、R-GUNには念動フィールド発生器付いてなかったな……念動力に脳内訂正しておいてくださいm(u_u;)m

261:それも名無しだ
07/06/28 17:46:19 3gr9cYou
おひさー。
いつも不時着寸前!
ラトと同居人ですぜ。

サイキック斬、笑わせて頂いた。GJ!
サイキックウェェェイブの所で既にあれあれ?って思ったら、やっぱりかよ!ってw

上の方のアヤ大尉も乙!

ところで…!
OGs買った?
いやはや。

今届いたのさ。
フフ。

262:それも名無しだ
07/06/28 18:51:14 g5dCRg7T
>>261
サンクス(・ω・)/

OGsは休日にでも買いに行くつもり。
一緒にPS2も買わにゃあならんがね(^_^;)


263:それも名無しだ
07/06/28 21:39:21 w2Oo/bCc
少しだが休んでしまった分を読んでみた。低脳な俺は読まないと本当に要らない人間になってしまうからなあ。貴方方のように面白いネタが書けていないからねぇ。どうせ面白くないさ、俺は

>>175
そうか。通過していたのか。さすがだ

>>182-183
面白かった。だけどこの板でエロ書いても削除人が来ないから大丈夫だと思うんだ。どうせここは邪魔だから隔離した板だから

>>214-217
君の才能には毎回驚かされる。GJだ
自分の力の無さが身に染みた。俺は居ても意味無いんだなあ、と

面白いネタを書ける人とOGsで盛り上がれる人が羨ましい

264:それも名無しだ
07/06/28 22:05:34 w2Oo/bCc
>>263
スレイの夫っていうの忘れてた。ごめんなさい。ついでネタ↓

夜 寝室
「スレイ、今日も綺麗だ」
スレイ「あなたも素敵よ」
↑こんな掛け合いが小1時間

「なんだか寝られないなあ」
スレイ「じゃあ、もう一回する?」
「いや……チャージしとくよ。今日は風呂で一回、寝室で一回だからな」
スレイ「チャージなどさせるか♪」
ばたんっ……

朝 会社
セレーナ「今日はどうしちゃったの?凄く機嫌良さそう」
「当たり前だ。妻に沢山愛されちゃったんだからな」
セレーナ「あらん、スレイは強欲ねぇ」
「まあね」
ヒューゴ「しょぼーん……orz」
「どんしたんだ?ヒューゴ」
ヒューゴ「彼女を駅で待っていたら、いたの?って言われました」
「可哀想に……ただでさえ影が薄いのにそんなに言うことないのに」
ヒューゴ「俺はこれからどうすれば……」
キョウスケ「俺は昨日の晩飯出前でした」
「なんだ、たまにはいいじゃないか」
キョウスケ「たまにじゃないんです。月一で出前のペースだったんですが周一になってしまって……妻の手作りといったらサラダしか食べてません」
セレーナ「サラダって手作りじゃないんじゃ……」
キョウスケ「でもね…たまに作ってくれると嬉しいんだ。たとえサラダでも」
「夏だからねぇ。色々あるさ……うん、きっと」
カルヴィナ「はぁ~暑い暑い。さあ、仕事仕事♪」
「カルヴィナも元気そうで良かった」
カルヴィナ「あっ、レンさん。おはようございます」
「ああ、おはよう」
カルヴィナ「これから会議ですよ。時間には遅れずに」
「ああ、分かっているさ」
セレーナ「会議頑張ってね」
「今日は最悪だ。忘れていたんだが午前午後みっちりと会議だった。カルヴィナに言われて思い出したのが不幸中の幸い」
セレーナ「だらしないわねぇ。男でしょ、しっかりしなさいよ♪」

俺はセレーナにばしんと尻を叩かれ会議室に向かった。軽くセクハラされた気分だった。

265:それも名無しだ
07/06/29 17:17:55 nvryBEzP
昼 街中 ミッテさんの好きな饅頭を買いに行く途中

ビラ配りのハニワ「ハニワちわ。これお願いします」
「いらねーよ。ただでさえ、ジメジメしてんのにイライラしてくるぜ」
ビラ配りのハニワ「しょぼーん……orz」

ビラ配りのハニワ「ハニワちわ。宜しくお願いしまーす」
宙「ハニワちわと挨拶した理由だけで十分だ。死ねぇーっ!!」
ごきっ……!!
ビラ配りのハニワ「これおねがいぢまず……」
宙「くどい!ティッシュじゃなくてビラじゃねーか……だから、もっと死ねぇ!!」
ごきごき……!!
「またやってんのかあいつらはw」

プルルル……
「もしもし」
スレイ『あなた、わたしよ』
「ああ、お前か。どうかしたのか?」
スレイ『寂しいからかけちゃった』
「そうか」
スレイ『今、何してるの?』
「今はミッテさんに言われた饅頭を買いに行ってるんだ。お前の分も買ってやろうか?」
スレイ『えっ、いいの?嬉しい♪』
「じゃあ、俺は急がなくてはいけないからな」
スレイ『うん、じゃあね……ちゅっ』
ツーツー……

この後、俺はミッテさんに遅いと説教された。

266:それも名無しだ
07/06/29 19:30:51 mDJ6g852


267:それも名無しだ
07/06/30 00:17:14 WbWe68kI
>>263
精神病患者乙wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

268:それも名無しだ
07/06/30 00:19:01 WbWe68kI
>>263
精神病患者乙wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

269:それも名無しだ
07/06/30 11:03:23 WbWe68kI
>>261-262
OGsで盛り上がる信者ウザすぎwwwwwwwwwwwww該当のスレでやれよwwwwwwwwwwww

270:それも名無しだ
07/06/30 11:44:01 Ft/6ikrE
>>269
自分から乗り込んどいて何言ってんだかw

271:それも名無しだ
07/06/30 11:55:53 d6PNQi+E
URLリンク(www.youtube.com)
URLリンク(www.youtube.com)


272:それも名無しだ
07/06/30 12:19:48 foPmif7K
>>270
>自分から乗り込んどいて何言ってんだかw
余所者かもしれないがまるで信者っぽい発言だな。ここは版権ネタもOKだぞ。俺が何個か投下した。まあ、つまらんけどさw
ここは信者スレではない。そうしたい場合は次スレ名に『信者専用』とでも書くべき

>>261
>ところで…!OGs買った?いやはや。今届いたのさ。フフ。
>>262
>OGsは休日にでも買いに行くつもり。一緒にPS2も買わにゃあならんがね(^_^;)
このような会話は該当のスレでやるべきなのは当たっている。ここはネタスレであり買っただの買いに行くだのを書き込むスレではない。まあ、版権オリ関わらずキャラ信者スレだろう。
まあ、こんなこと書いたって実際ネタ投下した奴は俺含め六人しかいないがねw

273:それも名無しだ
07/06/30 12:52:05 Ft/6ikrE
>>272
> ここは信者スレではない。そうしたい場合は次スレ名に『信者専用』とでも書くべき

だから信者スレでもないのにわざわざ乗り込んで信者ウザすぎも何もないだろって話だ。

> このような会話は該当のスレでやるべきなのは当たっている。ここはネタスレであり買っただの買いに行くだのを書き込むスレではない。

何レスもその話に費やすならともかく、こんな挨拶程度の会話もダメって事はないだろ。

274:それも名無しだ
07/06/30 13:02:38 foPmif7K
>>273
悪かったね。ごめんなさい

さて、ネタでも考えるかね。貴方方のように誉められるネタは書けないんだろうけどさ。最近は自慰にもなんなくてね。色々と大変だw

275:それも名無しだ
07/06/30 13:41:37 Mw2S0kp2
俺は叩いてなかったが、一言言わせて貰うとあまりに不快。コイツ(>>274)
以後、完全スルー徹底ヨロ

276:それも名無しだ
07/06/30 13:48:24 foPmif7K
かなり昔のネタを改変しましたので投下させて頂きます↓
番外編、ニルファの終盤辺り(時間軸は適当です)

ある非番の朝。艦を降りて俺とスレイは海へ向かった。
 
鼻をつーんと刺激するような海の香りはたまらない。それだけで俺の気持ちが癒される。下を見ると貝殻が落ちていてゴミ一つ無く、とても綺麗な海岸だ。
「いい天気だな。神々しい空と海だ」
「ええ、そうね」
「自然を見ていると心が落ち着く……空気がうまい」
俺はこの海の空気を大きく吸ってみせた。
「こんな景色久しぶりかな」
風が来る度にスレイの髪が揺れる。線の細くとても綺麗だ……。
「ああ、いつも忙しいから自然なんてゆっくり見てる暇がない」
ぎゅっ……
「ひゃっ…それは……」
スレイは俺に後ろから優しく腕を首周りに回すように抱かれ顔を真っ赤に染めた。俺の中で縮こまる感じがまた一つ可愛くなったようだ。
「いつもは自信たっぷりなのに俺に抱かれるくらいで驚くなんてますます可愛いな」
「急にはずるいよ……誰かが見ていたら……」周りを確かめ誰もいないことを確認し落ち着く。
「嫌ならやめるが……」
「……嫌じゃない。……恥ずかしい」
真っ赤に染まったうなじ、そして動揺する声。男として少し理性を忘れてしまいそうだ。
俺は自分の中の悪魔のような気持ちを押し殺して、
「スレイの体温を感じる……」
「……わたしも」
「……座ろうか?」
「……うん」
後ろからスレイを再び包み込むように座る。肩の辺りから腕で包み込み優しく俺の方へと少し寄せた。
ぎゅっ……
「体温が上昇してるみたいだな」
「また、いじわるした」ぷいっと怒ったような表情で後ろを振り向く。
「スレイの髪……さらさらだ・・・。また赤くなった」
後ろからスレイの耳が赤くなっているのは、はっきりと判る。
「嬉しいんだもん♪」笑顔で俺の方へと振り向く。
いじわるをしてみたがスレイも乗ってきたようだ。喜んでくれると遣り甲斐を感じるというものだ。
「ついに本音が出たか……。なんにしても早くこの戦争を終わらせたい」
俺は遠くを眺める。そこには何も見えないが今までしてきたことがぼんやりと映るような感じがした。
「そうね……そのために亡くなった人たちがいる……」
スレイは少し涙ぐむ。こんな良い所に連れて来ておいてしんみりさせちまった。俺のせいだ。
「泣くな。俺がスレイを守る。バックアップだけ続けていろ」
俺はスレイを慰めるように涙を指で拭ってやった。後ろからは難しいが大体の目の位置は分かる。
「ごめんなさい。兄様のことを思い出してしまったの……」
「あまり気負いはするな。楽に行け……それと何かあったら俺のところへ来い」
「クスン……ありがとう。あなたは強いのね」
俺は強くなんかない。強くなるために筋肉増強剤で体を強化し、そして父さんの遺産を自分の機体を強くするためだけに使ってきた。これを強いと言うはずがない。己の力に頼りきっている。
今の俺は自分だけの力で存在してるわけではない。頭の中でうっとうしいくらい自分の弱い所が交差する。そして、ある昔の出来事が浮かび上がった。
「小さい時……親や仲間に感情が欠けていると言われたことがある。両親が死んでも仲間が死んでも泣いたことが無い」
「そんなふうには見えないよ。いつもはみんなと笑ってるのに」
「ああ、だがここへ来て俺は変わった。スレイも変わってきている気がするよ」
「あまり実感わかないな。でも、あなたと居ると凄く幸せ……」
「俺も幸せだ。時が経つのは早い……気持ちに余裕が持てるようになった」
「ずっとこうしていたい……」
「スレイ……お前を愛してる」
俺はスレイを失いたくない。すると無意識のうちに抱いている力が強まった。スレイも同じでぎゅっと俺の手の裏に自分の手を重ねているのが分かる。とても熱い手だった。
「わたしも愛してる……この戦争が終わったら一緒に住もうね」
ちょいと婚約のような感じがしたが、今更スレイとここまで来て迷いはない。自然と答えは出た。
「ああ、約束だ……。もう少し近くで海を見ないか?」
「うん」
大きな波が来る所から4、5メートル離れて立ったまま見る。

277:それも名無しだ
07/06/30 13:49:06 foPmif7K
>>276
海と空が区別がつかないくらい綺麗だ。神々しく偉大なそれは何億年も経ったって人の手では絶対に作れないだろう。そんな偉大な景色全てを俺は護りたい。
「スレイ……」
どうしてもはっきり言いたい。俺はスレイの肩に手を置き真剣な眼差しになる。スレイは今から何が起こるのかと本能的に感じ取ってくれたようだ。
「……」じっと俺を見つめる。何時もは厳しそうな目であるが俺と目を合わせる時は真っ直ぐで強い意志と女性であるからこその美しさを感じさせる。
「お前とずっと一緒に居たい。だから、俺と結婚してくれ」
何時ものように俺はストレートに言った。また、涙ぐむスレイ。気持ちを抑えきれないのか、少し震えているようだ。それをぐっと堪え、いつもの笑顔を見せる。
「……はい……わたしもお願いします」
お互いに迷いは無かった。時間が止まっているようで最高に幸せだ。俺は嬉しさのあまりスレイをいきなり自分の方へと抱き寄せた。
「ひゃ……!?でも、来ると思った……」
スレイは驚きの表情を一瞬見せる。そして、俺の顔を下から覗くように眺めた。ちょっと太陽が眩しいのか、少し目をシパシパさせている。
太陽の光を浴びるスレイは俺だけの女神のような気がしてならなかった。これなら、どんな敵だって倒せる。俺はそう決心した。
「眩しいね……」
「すまんかった。俺がお前より背が高いからなあ・・・。でも、目をシパシパさせてるお前って凄く可愛いよ」
「嬉しい♪もう、わたしはあなたの妻よ。今みたいに『お前』って呼んで?」
なんだこの大胆発言は……。でもそういうのって大好きだ。
「ああ、分かった・・・」
「わたしも『あなた』と呼ぶことにするわ」
「それは時期として早すぎる呼びかただ・・・艦内でそう呼ばれるのはちょっと抵抗がある……」
「ダメなの?」
可愛い子猫の連れて行ってというような目で俺を見つめるスレイ。何故、そんな目で俺を見つめる。お前という奴は……。仕方がない、俺も男だ。人肌脱ごう。
「いいよ。思う存分俺を『あなた』と呼びなさい。お前は俺の妻になったんだから」
スレイ「やった~♪」
俺の首に手を回し大喜び。てか、激しすぎだろ。胸擦りがたまらん!
「おいおい、そんなに激しく興奮しないでくれ。今日はまだ長いんだ。だから一日を尻上がりな気分で過ごしたい」
「うん、分かったわ。あなた、凄く素敵よ……」
スレイは俺の心臓の鼓動を聞いて目を瞑る。俺も目を瞑りぎゅっと抱く力を強くした。何も見えないがスレイの存在を確認するかのように……。
 
名残惜しい感じもしたが丁度良い時間を見て俺はスレイと手を繋いで艦に戻った。

278:それも名無しだ
07/06/30 13:50:27 foPmif7K
>>276-277
点間違えました。すみません

279:それも名無しだ
07/06/30 14:13:40 foPmif7K
亀だが読みました
>>254-255
乙。アヤさん……少女のようだ。素晴らしい
軍は外出の時の手続き面倒なんだよね。早く世を平和にして結婚しちまえ、アヤさんと!早い話だったらごめんね

>>256-259
>「 別 れ る 」
ここまで言えるアヤさんは強いなあ。尊敬する
ダンガイオーとネタのクロスが良い。面白かった。純粋にそれをやるマイも子供なんだなあ、と。微笑ましくなってきた

280:それも名無しだ
07/06/30 16:36:03 foPmif7K
>>276-277
今頃だけど名前付いてました。間違いが多すぎる。申し訳ないです

281:それも名無しだ
07/07/01 00:29:39 mVJH67B5
寝室
スレイ「さてと、次は洗濯物を干さなきゃ……あっ、ちり紙交換だ」

茶の間
「なかなか良い尻だ。もう少し角度をだなあ……こっちはスレイより良い尻をしている」
スレイ「あなた、何を見ているの?」
「いやっ……何でもないよ。お前の体を見て興奮してただけだから……(汗)」
スレイ「ニヤリ……」
ばさっ……!
「俺のエロ本が……」
スレイ「ダメよぅ?いやらしいもの見ちゃ。あなたにはわたしがいるんだから」
「……orz」

自宅周辺
ギムレット「ちり紙交換は上手くいきますな~」
スレイ「すみません、これお願いします」
ギムレット「は~い……これはっ!?」
スレイ「どうかされましたか?」
ギムレット「あ、いやぁ~、こういう本は初めてでして……」
スレイ「そうですか。夫が好きでしょうがないんです。もうわたしのことをちっとも見てくれなくて」
ギムレット「それはいけませんな~。バイオネットのトップでもそのようなことはしませ~ん」
スレイ「バイオネット…ですか?」
ギムレット「はい~、色々な商品を取り扱ってる企業でございます~。あっ良かったら。雑誌を無料で送りますよ」
スレイ「えっ、いいんですか?」
ギムレット「あなたのような綺麗な奥さんには当然のことで~す」
ルネ「ギムレット!またあんた、変なことしてんのね!?」
ギムレット「はひ~、近づかないで下さ~い。わたしは社会に貢献するために……(汗)」
ルネ「何が社会の貢献よ!もう、許さないから!!」
ギムレット「では奥さん、さようなら~」
ブーン……!
ルネ「こらーっ!待ちなさ~い!!」
だだだだだだだーーーーんっ!!!!
スレイ「何だったのかしら……」

数日後、変な通販の雑誌が届いた。それにスレイは夢中で俺の小遣いは減らされた。そして……

台所
スレイ「この洗剤面白~い」
「洗剤で遊ぶんじゃありません」
スレイ「分かってるわよ。だからこうしてキッチンを綺麗にしてるんじゃない」
「通販で洗剤買ったからってそんなに掃除せんでも……」
スレイ「さあ、次は床拭きよ~♪」
「大晦日でもないのに……」
ゴステロ「おい、お前ら!アイス買って来たぞ!!」
「あんた、また勝手に入ってきたな!?」
ゴステロ「ほれ、アイスだ食え!」
ぐい、ぐいぐい……!!
「…………アーーーーーーーっ!!!!!」

時が見える……

ゴステロ「掃除やってんのか。俺にも手伝わせろ!」
スレイ「じゃあ、向こうの床からお願い」
ゴステロ「了解だ!」

なんだ、この日は……最悪だ。

282:それも名無しだ
07/07/01 14:20:55 mVJH67B5
最近はコンピューターゲームにはまっている。アキトから貰った物なんだが……自分でキャラクターやステージを登録して作っていくフリーソフトでこれが面白くてたまらなくい、二週間もやっちまった。

今は寝室でゲームをやってる。ゲームクリエイターを気取って作るとなんだか頬の辺りがくすぐったい。
昔、ゲームを作りたいと親に言って殴られたのが懐かしい。あの時はセバスチャンが父さんを抑えて一時は助かった。
ちょっと昔の事を思い出して胸が苦しくなっちまったなあ。これからキャラの登録をして……それからそれから。そうやって頭の中で考えて具現化していくのが神様にでもなった気分。ゲームクリエイターの次は神ですよw
気づいたら日は暮れていた。窓から見える赤い夕日が美しいなあ……。そして周りを見渡してみるとベットの上にある物に気づいた。

「これは……?」
スレイがおやつに持ってきてくれたホットケーキがそこにはあった。
俺はそのホットケーキをフォークで突き刺し食べ始めた。腹が減っているかどうか分からないくらいゲームに集中していたから冷めているのは当然のこと。
「あなた、まだやっているの?」
スレイが扉を開けホットケーキを食べている俺を見つめる。
「……まだ食べていなかったんだ……」
「あ、いや…その……すまない」
「いいの……」
残念そうなスレイの顔。悪気はなかったんだが、これは全て俺のせいだ。
「お風呂沸いてるから先に入ったら?」
「ああ、そうだな。先に入ってその後飯を食うよ」
がちゃんと扉は閉まりこの部屋には沈黙が漂った。

その後はだらだらと風呂場へ向かった。
体を洗い湯に浸かる。なかなか良い湯だ。夏だから温度は低めに設定されている。これもスレイの気配りだと思うとなんだかさっきした事が物凄い悪い事のように思えてくる。
「いつ頃だったかなあ。こんな風になったのは……」
そうだ。薄々と気づいてはいたがスレイと俺の距離は離れていくばっかりで……。
俺は湯を手にすくい自分の顔にかけ、
「俺が夫してしっかりしなきゃなあ。スレイは弱い女だからずっと支えてやらないと悲しんでしまう」
言うだかなら簡単だ。しかし、俺とスレイの距離を縮めることなんて出来るだろうか?俺だけが距離を取ったのならまだしも、スレイも俺から距離を取っている。

風呂に入って飯を食う。今日はなめこの味噌汁にサラダと豚肉の生姜焼きだった。サラダは多めでヘルシーな感じが良い。
食いながらスレイに話しかけてみる。
「なあ、スレイ。お前、最近風呂に来ないな。いつもなら笑顔で俺の体を洗っているのに」
こんな時は下ネタが一番だと子供の頃に聞いたことがある。うろ覚えだが……。
「うん、あなたが疲れているから迷惑だと思って……ほら、最近遅いでしょう?」
「ああ、会議が入った分スケジュールがズレていくんだよ。たく、ミッテさんは無理な事ばかりを押し付ける。新婚だってのによー」
気づいたら俺の愚痴になっちまった。そんなつもりで話しかけたんじゃないのに。でも、迷惑って何で?
「というか、何で迷惑だと思うんだ?」
「ごめんなさい。わたし、いけないこと言って……」
ちょっと起こり気味に言った俺を見てスレイは早々に飯を食ってこの場を去ろうと椅子から立ち上がった俺はスレイの腕をギリギリの所でキャッチ。
「ごめんなさい…」
スレイは立ったままうつむき、俺に目を会わせようとしない。どうすればいい?どうすればいいんだ?俺は焦った。引き止めてその後は?引き止めなかった方が正解だと俺は思う。頭の中で混乱して、俺は「ごめん」と言った。
するとスレイは俺の顔を窺い再び目を逸らした。
「座ってくれよ。これからも事も話したいしさ。無理にとは言わない」
「うん……」
スレイは少し涙目になっていた。恐がらせたと思うと再び胸が痛い。
「お前には心配を掛けたと思っている。ゲームにはまっちまって、別の事はそっちのけで」
「別に心配だなんて、そんな……」
「正直になってくれよ。お前の事は昔から分かるんだからさ。言いたいこと言えって」
スレイは少し黙り込み俺に本当の気持ちを話した。
「本当はね。ずっと、寂しかったの。あなたがご飯食べ終わるの早くなって、それからお風呂はすぐに上がっちゃうし」
「それで?」
「それからね……」
スレイと久しぶりに沢山話した。こうやって長く悩みを言うとお互いの心が晴れた気分だ。言って良かったなあと思えるのがとても幸せだ。

283:それも名無しだ
07/07/01 14:22:24 mVJH67B5
>>282
俺は今、ベットに寝転がっている。スレイは洗い物を済ませ風呂に入っている最中。
主婦って大変だよな。だって、休みが無いんだもん。それを支えてやるのが夫の役目だ。こんな台詞はこの年で言うもんじゃないかな?
考えているうちにスレイはやってきた。あの、黒Tシャツにウサギちゃん黒パンツでw黒いパンツのお尻の辺りに可愛い白ウサギちゃんの顔がプリントされている。俺が好きだと言ったら一目散にスレイが買いに行って手に入れたものだ。
「あなた、可愛いでしょう?」
スレイが部屋に入ってきた。俺は起きてベットに座り、
「そんなの当たり前じゃないか」
「うふふ、幸せ♪」
スレイは俺の隣りに座りべったりと肌を付けてくる。風呂上りだからサラサラして気持ちの良い。
「あなた、抱いて?」
「ああ、分かった……」
俺はスレイをベットの上に優しく押し倒しディープキスをした。下を絡ませ歯茎を刺激させるとスレイは声を漏らす。
「あぁ……あなたのコレ大好きぃ……」
「可愛いよ」

次の日、月曜日はだるいものだが今日はだるさを感じなくて不思議だ。スレイからとっておきの燃料を貰ったのだろう。
「おはよう」
会社に行った時はまずこれを言うのが基本だ。俺は部下から挨拶され自分のデスクに座った。
「今日は機嫌がいいですね。どうかされたんですか?」
隣りに座るアキトが話しかけてくる。前会ったときは無愛想だったのにこんなに変わるなんて、人の力とは恐ろしい。
「いやねぇ。俺って最近職場で荒れてたじゃない?妻と距離が出来たからと気づいて、昨日ようやく妻と分かり合えたんだよ」
「それは良かったですね」
「ああ、ありがとう。ゲームしすぎちゃった自分が情けないよ」
「もしかして私が進めたゲームですか?だとしたら申し訳ないです」
「いや、そんなに改まらなくてもいいよ。悪いのは俺なんだから、ゲームは少し休憩ってことだ。でお前の妻はどうなの?俺は毎日だぜ?」
「家のはその……知らないんです。子供はキャベツの中から生まれてくると思ってるらしく……このままだと、私…」
「は?もしかして童貞か?」
黙ってうなずくアキト。俺は言葉を失った。しかし、結婚してからやるなんて良い根性をしている。昔の日本人の考え方だ。

昼休みになった。ラピスから休憩と通信が入って俺は機体から早々に降り自分のデスクのある部屋に向かう。
食堂に走りこむ独身男性群、そして息子?に会うために急ぐミッテさん。いつも黙り込んでいる綾波にラピス。

デスクにやっと座れた。疲れたな……。まあ、寝るからいいけどさ。俺が急いだ事は特に意味の無い。ただ、スレイが頑張って作った弁当を早く見たいからだった。
「うはっwこれは凄いwww」
俺は弁当箱を空けたら微笑ましくなった。
ハート型の海苔がご飯の上に置かれ、そして蛸さんウィンナーとウサギちゃんりんごがあった。大きなハンバーグの上には『好き』とケチャップで書かれている。
「素晴らしい、芸術作品だ」
俺は我慢できなくてほかの者に自慢してしまった。後から聞くと大きな幼稚園児に見えたらしい。いやはや、破廉恥で申し訳ない。

ただいま昼寝中。腕を組み自分のデスクで寝る。
「だ~れだ?」
俺は驚いた。自分の目の辺りに何かが当たった。声を聞くと聞き覚えのある。セレーナか。
「おいおい、セレーナ。悪ふざけがすぎるぞ」
「えへへ、分かっちゃったのね。ごめんなさい」
「で、俺に何か用か?」
「何か用じゃないわよ~。スレイに起こされちゃったんだからね」
「スレイに起こされた?何で?お前の寝起きが悪いからスレイにまで頼んだか?」
「そうじゃないの。スレイから6時に電話来て、『レンがね。わたしの事愛してるって~。そしてね、抱いてくれたの~』って言ったのよ!」
「そんなわざわざスレイ声真似んでも……。6時って普通じゃん。しかもそれ俺に言われてもなあ」
「ってことはスレイを悲しませていたって事じゃない?ちゃんと謝ったんでしょうね?」
疑わしく話しかけてくるセレーナ。セレーナもスレイの事を考えてくれていると思うとなんだか幸せになってくるのとあっち(女同士)の方を想像してしまう。
「ちゃんと謝ったさ。スレイがそんなに喜んでいれば分かる事だろ?」
「そう、ならいいわ。じゃあ、帰りにチーズケーキ奢って頂戴」
安心した表情を見せるセレーナ。というか、何故そうなる?
「しょうがないねぇ。帰りに買ってやるから、でも家にまで押しかけちゃだめだぞ」
「やった~♪」
俺の首周りに手を回し喜ぶセレーナ。というか……妻持ちに何をしてるんだ、この野郎!
変な目で見る部下達……最悪だ。

284:それも名無しだ
07/07/01 14:29:37 mVJH67B5
>>283
帰宅途中に駅のコンビニでチーズケーキを買って迎えに来てくれたスレイにセレーナと二人きりでいる所を見られた。
スレイは必殺技『バットムーン』を食らわしてセレーナをぴよらせた。セレーナはエルマに運ばれる。その時のエルマの背中が悲しげでとても印象的だった。

※区切れよくいかなくて申し訳ないです。スペースがありありなので少し色々と説明↓
アキトから貰ったゲームはフリーソフト『MUGEN』俺が最近始めたもので書いてあるとおり凄く面白い。皆さんもやってみてはどうでしょう。
スレイの必殺技『バットムーン』これはGGXXのミリア・レイジの必殺技。なんとなく二人は似ているからネタにしてみました。こんなネタしかできないで申し訳ないです。

285:それも名無しだ
07/07/01 18:34:59 AZSu9tW4
>>279
>早く世を平和にして結婚しちまえ、アヤさんと!早い話だったらごめんね

いや、それやったらOG3に繋がらないしw
アヤ「身も蓋もない事を言わないの!」
ごめんなさぁぁぁいっ!(ストライクシールド直撃)


>純粋にそれをやるマイも子供なんだなあ、と。微笑ましくなってきた

マイ「私はもう子供じゃなぁぁぁいっ!」
言ったのは俺じゃねえぇぇーっ!(スラッシュブーメラン直撃)


286:それも名無しだ
07/07/01 18:37:37 AZSu9tW4
「お待たせ」
基地の正面玄関に立つ俺に、アヤが声をかける。
黒い色をしたノースリーブのミニスカワンピースが、肌の白さと相まって、目に鮮やかだ。

「悪いわね、デートに割り込んじゃって」
アヤの後ろからヴィレッタの姐さんが続く。
白い半袖ブラウスに、ピッチリした茶色のレザーパンツという出で立ちは、クールビューティを地で行く姐さんによく似合う。
「いいのよ、ヴィレッタ。私たちの方から誘ったんだし、気にしないで?」
アヤがそう言って、朗らかに笑う。
「普段からお世話になってる隊長さんに、少しでもお礼がしたかったし……それに」
アヤはそこで、俺の傍らに寄り添うように立った。
「私たちが付き合ってるからって、あなたと一緒に映画を見に行っちゃダメなんて事はないでしょう?私たちは仲間なんだから」
「……そうね。ありがとう」
アヤの言葉に、ヴィレッタの姐さんはかすかな微笑で答えた。



事の起こりは、俺がアヤとのデートに備えて、映画のチケットの懸賞に応募した事だ。
ペアチケットかと思ったら、三枚一組……要するに懸賞の記事を読み違えた訳だ。
で、余った一枚をどうしようかと考えてたら、アヤが姐さんも誘おうと提案してきた。



287:それも名無しだ
07/07/01 18:39:49 AZSu9tW4
>>286
俺も異存はなかった。
これが男だったら 絶 対 に 断ってたが、姐さんなら問題ない。
それに、姐さんは休日も執務室でパソコンとにらめっこして、デスクワークに勤しんでいる。
たまには外に連れ出してリフレッシュさせてやるのが、部下として、男として、そして仲間としての気配りってもんだろ。

そういう訳で、渋る姐さんを強引にアヤが説得して、今に至る。

映画は、暑くなってくる今の時期にはありがたいホラー映画だ。
映画館に入り、三人並んで席に座る。
座ったのは良いが……何、この文字通りの両手に花状態。
危うく口元がニヤケそうになったのは、やはり俺が男だからか。

映画の内容は、ハッキリ言ってクソ以下だ。
見る者を怖がらせようという、制作者の歪んだ情熱と自己満足が透けて見える。
話も、まったく救いがなくて、散々怖がらせといてコレかよ、と言いたくなる。
だが、上映されてる間、姐さんは時々「ふむ」「なるほどね」「そう来るか」とかつぶやいていた。
ストーリー展開に、姐さんなりに感心するものがあったという事か。

アヤの方は、時々俺の手をギュッと握って、「ヒッ!」と息を飲むような声を上げる。
怖がりすぎだろ。

何か映画より、二人のリアクションの方がよっぽど面白かったぜ。



288:それも名無しだ
07/07/01 18:42:04 AZSu9tW4
>>287
映画館を出ると、ファミレスで昼食。

店内にいた野郎どもの視線が、アヤと姐さんに集中した。

……クックック。
良い女を連れて歩くってのは、本当に気分が良いな。
しかも二人の内一人とは、恋人同士と来たもんだ。

席に座り、店員を呼んで料理を注文する。
俺はカツカレーと卵サンドを頼む。
「私はシーフードパスタとサラダをお願いします」
「ミートソーススパゲティとクリームシチュー、オムライスを。ハンバーグセットもお願いね」
「ヴィレッタ……意外と食べるのね」
アヤが呆れ顔で呟きながら、他にも何か言いたそうに姐さんをジロジロ眺める。
大方、「そんなに大食らいなのに、その体型を維持できるなんてズルい!」って感じの、女のジェラシーなんだろうが。

―もっとも、アヤはアヤで、食後のデザートにジャンボチョコレートパフェを頼んだりしたんだがね。

飯食った後、二人を外で待たせて、俺は勘定を済ませる。
月の始めから思わぬ出費だが、まぁこれくらいは安いもんだ。

外に出ると、待ち構えていたかのように、アヤが買い物に行こうと言い出す。
「もう7月だし、水着を買わなくっちゃならないでしょう?」
そういやこの前の買い物じゃ、結局決まらなかったんだっけか。



289:それも名無しだ
07/07/01 18:43:58 AZSu9tW4
>>288
と言う訳で、デパートへ。
しかし俺は、アッサリと売り場から締め出された。
「本番までのお楽しみよ♪」
と、アヤに無邪気な笑顔を見せられながら。

しゃーないから他の売り場をうろついてると、オモチャ売り場でラトゥーニを発見した。
知らない男と一緒にゲームソフトを物色している。
普段めったに見せない幸せそうな表情から察するに、あれが例の彼氏か。
邪魔しちゃ悪いし、俺の興味を引く物もなかったので、早々に退散した。

水着売り場に戻ると、二人とも買い物を済ませて俺を待っていた。
満足の行く買い物が出来たようで、アヤは元より、姐さんもどこか嬉しそうだった。

その後、幾つかの売り場を見て回ってから、俺たちは基地に戻る。
「今日は本当にありがとう。何だか、気持ちだけじゃなくて、体まで軽くなったような気分だわ」
それだけ楽しんで頂けて、光栄です。
「本当に良かった。ひょっとしたら迷惑だったかもって思ってたけど」
「そんな事ないわ……感謝してる」
姐さんはそう言って、確かに笑ってくれた。
「それじゃあまた明日ね。明日はATXチームとの模擬戦だから、二人とも程々にね」
「なっ……!」
言われてアヤは、火が点いたように赤くなる。



290:それも名無しだ
07/07/01 18:46:04 AZSu9tW4
>>289
姐さん、それはセクハラです……。
「何の事?私は、夜更かしは程々にって意味で言ったんだけど」
姐さんはクスクスとからかうように笑う。

ぬぅ……結構性格悪いな、この人。

「それじゃあ、今日は本当にありがとう。おやすみなさい」
そう言って姐さんは、軽い足取りで基地の中へ戻る。

……とりあえず、姐さんのリフレッシュ作戦は成功みたいだな。
「ひょっとしたら迷惑だったかもって思ってたけど、あの様子だとそうでもなかったみたいね」

ちょっとした満足感と達成感を抱きつつ、俺たちも手を繋いで、部屋に戻るのだった。


291:それも名無しだ
07/07/01 20:56:05 AZSu9tW4
今読み返したら、「ひょっとしたら迷惑だったかも~」のくだりを二回も入れちまった……orz

どっちかを脳内削除しといてくださいm(u_u)m

292:それも名無しだ
07/07/01 22:21:29 mVJH67B5
>>285
すまない、これは全部俺のせいだ。お詫びにこれをどうぞ
つ【プロの麦茶】
永遠のプロ、鉄也さんが海パン姿で麦茶をぐびぐびと垂らしながら飲んでいるパッケージが売り。これで夏を越してくれ
マイが腐女子になったら大変かもしれない。でも、それでマイが幸せだったら……俺、何も言えない。まあ、その辺はほかの仲間がカバーしてくれるのかな

>>286-290
文章はもう少しまとめられるだろう
>>286=21行>>287=25行>>288=26行>>289=23行>>290=15行
と、このように行数が少ないんだ。だからまとめると110行。1レスが60行だから2レスで収まる。これを次に活かすと良い。一応チェックはしたが計算が間違ったらすまない
ヴィレッタさんはいつもクールビューティーなんだなあ。惚れてしまいそうだwいかんいかん、俺にはスレイという最愛の妻が居る
三人がリフレッシュできて良かった。明日のATXチームとの模擬戦頑張れよ

293:番外編「アヤ・コバヤシの日記」
07/07/03 14:43:24 nGVXyNJT
可愛い月 寝顔日

はぁ、今日の戦闘は散々だったわ……。
まんまと敵の策にはまってフォーメーションを分断されて、バレリオン部隊の空襲を受けてしまうなんて。
新人くんがゲシュペンストで空中戦を仕掛けて、敵のフォーメーションを崩した隙を突いて、私たちは何とか態勢を立て直して勝つ事が出来たけど、新人くんのゲシュペンストはボロボロだった。

私がもっとしっかり、敵の動きに気を配っていれば……ライやヴィレッタに頼んでフォーメーションや戦術の勉強に付き合ってもらってるのに、これじゃ何の意味もないじゃない!

重い気分のまま、私は夕食を食べようと食堂に向かう。
その途中、ロビーで新人くんを見つけた。
まだパイロットスーツのままで、ソファの上で横になってる。
きっと、ちょっと休むつもりがそのまま眠ってしまったのね。
安らかな寝息を立てる彼の顔は、昼間の奮闘ぶりからは想像も出来ないくらい穏やかで、無防備ですらあった。
ここまで彼を疲れさせたのも、リーダーである私がしっかりしてないからよね……何だか、罪悪感を覚えちゃう。

本当にごめんなさい、新人くん……。

心の中で謝りながら、私は彼の前髪を撫でてあげた。



294:番外編「アヤ・コバヤシの日記」
07/07/03 14:51:41 nGVXyNJT
>>293
それにしても、本当に無防備な寝顔ね……ちょっと悪戯しちゃおっと。

指先で頬をツンツンつついたり、耳たぶをコチョコチョくすぐってみる。
「姉ちゃん……くすぐってぇよ……」
そう言って新人くんは背もたれの方へ寝返りを打つ。
ふふ、お姉様の夢でも見てるのかしら。
この前彼の部屋で見たご家族の写真でも、お姉様は仲良さそうに彼の肩に手を置いてたものね。

でも……私たちが至らなかったばかりに、彼のご家族を……。

そう考えると、胸が締め付けられる。

私は起こさないように注意しながら、彼の頭をそっと持ち上げ、その下に足を滑り込ませるようにして、ソファに座った。
膝枕くらいじゃ、償いにはならないのはわかってるけど……でも、何かをしてあげたかった。

……ううん、違うわね。
ただこの、きっと誰にも見せた事のない無防備な寝顔を、もっと見ていたいだけ……彼の安らかな寝顔を、独り占めしたいだけなのかも。

今だけ、あなたのお姉様になってあげるわね。

私がそうささやくと、彼はポツリと寝言でつぶやく。
「姉ちゃん……父ちゃん……母ちゃん……本当に、ごめん……」
目尻に、涙の粒が浮かんでいる。
ご家族を守れなかった事、気にしてるのね……。

あなたは悪くないわ。
いつもみんなのために頑張ってる事、ちゃんと知ってるから。
だから自分を責めちゃ駄目。
私たちはいつも、あなたを見守ってるわ。

涙を拭ってあげながら、ご家族になったつもりでささやいてあげる。

大丈夫よ、あなたは私が支えてあげるから。

心の中で、そう繰り返しながら。



295:それも名無しだ
07/07/03 15:02:47 n2kPxLl6
なんで>>293-234は>>292のアドバイスをスルーするんだ?ちゃんと考えてくれただろうに

296:それも名無しだ
07/07/03 16:57:00 COYZck97
>>295
テンプレにsageろって書いてあるだろ

ちょっと自演見逃してやりゃあ調子に乗ってんな
ちょっと上のも、今回のもバレバレなんだよ

匿名で叩きが許されるならお前なんて袋叩きだぜ?
スレイのネタ書きさんよ?




スレイ「あなた~」wwwwwwwwwwww

馬鹿か
才能無いにも程がある

297:それも名無しだ
07/07/03 16:58:55 COYZck97
人の口の中に糞を詰め込んで、嬉しそうに感想を聞くスレイネタ書きバロスwwwww






邪神スレ逝け

298:それも名無しだ
07/07/03 17:02:47 n2kPxLl6
自演すみませんでした

299:それも名無しだ
07/07/03 17:21:33 n2kPxLl6
連書きすまん。それと才能なくてすみませんでした

300:それも名無しだ
07/07/03 17:43:44 COYZck97
スレイのネタ書きの才能?

糞以下だ

多分2chでも屈指のキモい文章
日本語でおkwwwww

邪神スレで晒されないのが不思議
読んだ奴皆すぐ透明あぼ~ん入りだから感想も来なくて当たり前wwwwwwww

その上煽るわ
拗ねるわ
脅すわ
自演するわ
開き直るわ





人間的にも最低だな
氏ねよ

301:それも名無しだ
07/07/03 18:13:55 n2kPxLl6
遊び半分でこんなことをしてすみませんでした

302:それも名無しだ
07/07/03 18:29:50 COYZck97
いいから氏ねよ

303:それも名無しだ
07/07/03 18:34:04 n2kPxLl6
続けたいです

304:それも名無しだ
07/07/03 18:44:20 nGVXyNJT
>>295に対して返答する。

1レス毎の分量は携帯のメモ帳1ページを目安にしてる。
あまり長文だとかえって読む気なくすんじゃないかとも思ってる。
「文章がおかしい」、「キャラが崩れすぎてて、最早別人じゃねーか」などの指摘ならまだしも、文章の量に関しては問題ないと思ってた。

スルーしたのは、返答したら場が荒れるんじゃないかと思ったから。
スルーした結果、今ちょいと雰囲気悪くなってる事については謝る。
ごめんなさい。



305:それも名無しだ
07/07/03 18:48:30 n2kPxLl6
>>304
気分を悪くさせてすみませんでした

306:それも名無しだ
07/07/03 18:49:30 COYZck97
>>303
邪神はみんなそうなのな
どこから出てくるんだ?
その蛆の生えた糞みたいな文章はwwwww



ネタは書きたいなら邪神スレにコピペしといてやるよ

思う存分嘲笑われてろ

307:それも名無しだ
07/07/04 13:38:01 9SR29UPW
なんだこの糞スレは

308:それも名無しだ
07/07/05 14:22:38 5PLVLMbA
『ハートを狙い撃ち!……なんちゃって☆』
ふざけた台詞と共に、上空からビームが降ってくる。
アシュセイヴァーを左右に振ってかわした俺は、頭上の狙撃手目掛けて、ガンレイピアを三連射した。
『いやん☆そんな乱暴なアプローチはノーサンキューよん☆』
狙撃手―ヴァイスリッターはクルクルと、踊るようにガンレイピアの光弾をかわす。
『女の子はデリケートなんだから……ね☆』
最後の「ね☆」に合わせて、オクスタンランチャーから実体弾が放たれる。
かわしたつもりだったが、弾丸はアシュセイヴァーの脚の装甲をかすめて、地面をえぐった。

お互いの動きを計算して撃ち込んで来やがる……聞いた話じゃ、DC戦争以前には、弾道ミサイル撃ち落とした事もあるらしい。
あの無駄に軽いノリに惑わされてっと、マジで心臓(ハート)を撃ち抜かれ兼ねねえぞ!

俺は心の中で自分に怒鳴り散らしながら、上空にハルバードランチャーをぶっ放した。
あっさりかわされたが。
『わぉ☆本気になってきたみたいね~!オネーサンも燃えて来ちゃうわん☆』

…………。

なぁ~にがオネーサンだ。色ボケが進みすぎて、テメーの年も忘れちまったか?


309:それも名無しだ
07/07/05 14:25:30 5PLVLMbA
>>308
『なっ……!?失礼ね!私はまだ23歳よ!』
ムキになって答えるエクセレンの姐さん。

23歳ね~……で、それは人間の年齢に換算すると、何十歳になるんで?
アシュセイヴァーを上昇させながら、言い返す。

『だから人間の年齢で23歳なんだってば!』
ヴァイスリッターはオクスタンランチャーEモードを連射して、迎撃を試みるが、射撃の精度が目に見えて落ちていた。
かわしつつ、レーザーブレードを起動させて、距離を詰める。
『だ~か~ら!乱暴なのはイヤなんだってば☆』
細いビームが連続して、撒き散らされた。出力絞って、連射性を上げたようだ。
ビームを撃ちまくりながら距離を詰めるヴァイスリッター。

勝負に出る気か!?

ガンレイピアを連射。
しかし当たらねえ。
もっとよく狙え、この馬鹿!
『蝶のように舞い、蜂のように刺すってね!』
オクスタンランチャーから実体弾が放たれる。
ビームの速さに慣れてきたところへ、弾速の遅いこの一発は、完全に回避のタイミングを外された。

何とぉぉぉっ!

とっさにレーザーブレードを振って、その実体弾を何とか切り払った。
レーザーブレードに弾丸が当たってくれたって感じだが。



310:それも名無しだ
07/07/05 14:26:37 5PLVLMbA
>>309
『わぉ!やるじゃな~い!さすがはサムライのお国柄ね!』
さっきとは逆に、距離を取るヴァイスリッター。
俺はガンレイピアを撃ちながら、追いかける。

しかしエクセレンの姐さんは、雲に隠れたり、太陽の逆光を利用してこちらに隙を作り出し、ビームと実体弾を巧みに撃ち分けて攻撃してくる。
くそっ、舐めやがって!
元戦闘機乗りの意地にかけても、空中戦じゃ負けられねえ!
ファイアダガー・ミサイルを発射して牽制、予測回避先にハルバードランチャーを撃ち込んでおく。
しかし、肩アーマーを破損させただけで終わった。

『そんなんじゃあ、ヴァイスちゃんの蝶の舞いには追い付けないわよ~ん☆』
何が蝶だ。
あんたはどっちかっつぅーと、アマゾンのジャングルで百年以上生きてる毒蛾の妖怪とかそっち系だろ!

『そこまで言う!?も~、頭来た!エクセレン先生がお仕置きしてあげるわ!』

へっ!返り討ちにしてやるよ!
ソードブレイカー!行ってこい!

機体の両肩に設置された六基のビットを射出する。
ソードブレイカーは、二基がビームを撃って牽制、四基が格闘戦を仕掛けた。



311:それも名無しだ
07/07/05 14:29:17 5PLVLMbA
>>310
ヴァイスリッターはオクスタンランチャーのWモードで、ソードブレイカーを迎撃する。

ガンレイピアを撃ち込んでそれを牽制し、ソードブレイカーにも、射撃係と突撃係を交互に入れ替えて攻撃を続行させた。

『一度に大勢ってのは、好みじゃないのよね!』
ヴァイスリッターは真上に向かって一直線に急上昇。
ソードブレイカーに追わせるが、これがまずかった。
最短距離で追い付かせようとしたため、六基が一つに固まる形となったのだ。
次の瞬間、オクスタンランチャーEモードの連射で、六基はあっという間に撃ち落とされた。

―直後、模擬戦の終了を告げる信号弾が上がる。
こうして、俺と姐さんの模擬戦は引き分けに終わった。



「お疲れ~☆かなりあつぅ~い一時だったわね~☆」
アシュセイヴァーのコクピットから下りた俺に、エクセレンの姐さんが朗らかに声をかける。

お疲れ様ッス。
姐さん、前にも増して射撃の精度上がってたッスね。
「ふっふ~ん!当然当然!女の子は愛しのダーリンのために、毎日陰で努力してるのよん☆」
エッヘン!と胸を張る姐さん。
一瞬だが、舶来物の胸がユサッと揺れたように見えて、不覚にも目を奪われた……。

「あなたもボ~ッとしてると、アヤ大尉やマイちゃんに差を付けられちゃうわよん☆」
へっ、上等ですよ。
差を付けられたら、そん時はそん時。
またすぐに抜き返してやりまさぁ。
「わぉ☆強気な発言!やっぱり男の子はそうでないとね~☆」
エクセレンの姐さんは楽しそうに、俺の頭を撫で撫でする。

―んごっ!
不意に、俺の後頭部に握り拳大の石が直撃する。
「あら、ごめんなさい。頭にハエが止まってたの」
両手を腰に当てたアヤが、眉間にシワを寄せて立っていた。



312:それも名無しだ
07/07/06 07:03:10 uPB7C0ZR
おひさー。
ラトと同居人ですよ。

>>308-311
乙&GJ。
エクセ姐さまらしいっつかなんつーか。
毒蛾の妖怪ひどっw
後、雲に隠れる辺りのビジュアルもいいね。

こんだけではアレなので、前に書いてつまんなくてほっぽり出した
カイ少佐VSイルム中尉投下してみる。
途中までしか出来てないけどね…。

↓スタート

イルムの乗る、蒼いゲシュペンストの左ジャブが先制だった。
高い金属音が円形の直径100m程のすり鉢状のリングに響き渡る。
最初の一発、ただの牽制とも言える攻撃だが、リングの周りに
群れた観客達はそれだけで熱狂し、足を踏み鳴らす。
相手方のカイ少佐の乗る紅いゲシュペンストが、延々と一分程もイルムの
攻撃を避け続け、やっと当たった最初の一撃だからだった。

完全マニュアルモードで起動している、と試合開始前にアナウンス
があった。
それはつまり人間の反応速度、操作速度のみで闘い、一切の
補助プログラムを使っていないと言う事だ。
スタビライザーも禁止。姿勢制御は完全にパイロット任せ。
センサーからの情報を全て己の目で視、音で聞く。
有り得ない程に原始的な闘い。
銃火器の使用も無い、狭いリングの中での格闘縛り。
実際の戦闘とは全く違う、競技としてのセオリー。
熟達のPT乗りが訓練としてこなすメニューと聞いた事があるが、
ここまでレベルが高いとは思ってもみなかった。
まるで巨大な二人のボクサーだ。
人間をそのままスケールアップさせて対峙させているかのようだ。
そしてよく見ればそら、命の無い筈のPTがステップに合わせて
呼吸をしているかのようではないか。

イルムの乗る蒼いゲシュペンストの構えは、ボクシングで言うなら
オーソドックスな右構えスタイル。
スタビライザーを切ってあるというのに、やや前傾した、アウトボクサーの
マニュアルを地で行くような綺麗なファイトスタイルを維持しつつ、
カイ少佐のゲシュペンストを中心に緩やかな円を描いて軽やかに
ステップを踏む。

イルムの動きは緩やかなようには見えるが、其の実疾い。
カイ少佐のちょっとした動きにさえ細やかに反応し、一瞬たりとも
同じ場所に留まる事は無い。
観客席にいる俺達の所まで、蒼いゲシュペンストが巻き起こす砂混じりの旋風が
吹き上がってくるようだ。

対してカイ中佐の乗る紅いゲシュペンストは、タイソンばりの
ピーカブースタイル。
ヒットポイントである、センサーが集中している顔面を両腕を
立てて固くガードしたまま、イルム以上の操縦技術でイルムの
ゲシュペンストに肉薄する。
距離を取るイルム。避けながら迫るカイ少佐。


313:それも名無しだ
07/07/06 07:04:57 uPB7C0ZR

カイ少佐が、またもや機体重心をかなり下げて力を溜めて突進した。
迎え撃つイルム。

カイ少佐は、イルムのコンビネーションを読んでいたかのように
一発目のジャブを右にスライドしてかわし、二発目のフックを
更に機体高を地面すれすれまで降着させて避ける。

イルムは驚いたろうか。
まさか、あの体勢でカイ少佐のゲシュペンストのスピードが全く落ちないとは。

風を巻き込み、一瞬視界から消える程の強烈な稲妻のような踏み込み。
そしてそのまま足先から膝関節、腰部から腕部へと力を掻き集め、
紅いゲシュペンストは、渾身の左ボディをイルムの乗る蒼いゲシュペンストの
コクピット付近に叩き込む…!

轟音と共に吹き飛ぶ蒼いゲシュペンスト。

ゲシュペンストのパンチは、乗り手次第でここまで破壊力が上がるものなのか。
まるで映画か何かのワンシーンの様に、スローモーションに見える程に衝撃的に。
蒼い機体が宙を舞う。
一拍置いて凄まじい地響き。

その機体が地面に落ちるのを見届けようともせず、紅いゲシュペンストは、
勝ち、とばかりに蒼いゲシュペンストにゆっくりと背を向け、両手を挙げた。


314:それも名無しだ
07/07/06 07:06:00 uPB7C0ZR

だが。
その数瞬後。

観客に手を挙げて割れんばかりの声援に応えるカイ少佐の後ろで、
もう動けない、と思われた蒼いゲシュペンストがぎしりと身動きをし、
膝を立てる。
紫電を機体のあちこちにスパークさせながら、ゆらり、と立ち上がる。

観客がどよめく。足を踏み鳴らす音で会場が揺れるようだ。
カイ少佐のゲシュペンストが振り返った。
設置されたスピーカーからカイ少佐の声が聞こえて来る。

「ほほう、まだ立ち上がれるか。やる気だけは一人前だな」

言って、掌を上に向けてアームを前に突き出し、くいくい、と挑発のポーズ。
そして苦しげなイルムの声。

「エキシビジョンだってのに本気でやりゃあがって。年寄りってのは
空気が読めないらしいな…?」

「若僧は、腕の未熟なのを本気じゃなかったから、と抜かすのか?」

もう一度、くいくい、と挑発。

「高くつくぜ…!」

イルムの乗る蒼いゲシュペンストが、猛然とダッシュする。
その姿は、もはやクレバーなボクサースタイルではない。
殺気と闘気を隠す事無く発散させ、大気がびりびりと振動するかのようだ。

その、溢れる程の殺気。
しかし、カイ少佐はそれを一歩も引く事無く。
むしろ前に出てイルムと相対する。

突進するイルム。
迎え撃つカイ少佐。

試合開始後のスタンスとは全く逆の立場で、彼我の距離が零になった。

そして。

-continue?

315:それも名無しだ
07/07/06 07:17:05 uPB7C0ZR
ぶは、カイ少佐を中佐とか書いてるとこ発見。
少佐です少佐。
切腹。

316:それも名無しだ
07/07/06 10:19:36 Jn1kSjJF
>>312-314
サンクス&GJ(・ω・)/

想像したら、ゲシュペンストがすげーカッコ良く見えた。
そしてヒゲ、あんた渋すぎだよヒゲw

317:それも名無しだ
07/07/06 18:07:38 uPB7C0ZR
>>316
ありッス♪(タスク風に
本来なら、ゲシュってパンチ打っていいものやら。
今回のコレは競技用にマニピュレータの先っぽやらなんやらを強化したものらしいですぜ。

後、ヒゲ最高。

318:それも名無しだ
07/07/07 14:59:30 di7dwBZq
>>317
良いんじゃね?
パットも究極ゲシュペンストパンチなんて必殺技使ってたし(byスパロボF)。

通常のPT戦闘なんて、素手で敵殴るくらいなら一辺補給に戻れって感じじゃないかなと思うんだな、これが。

319:それも名無しだ
07/07/07 15:00:57 di7dwBZq
食堂で昼飯を食ってたら、リュウセイがやって来た。

「なぁ、さっき第三演習場で、教導隊が胸を黄色に塗ったゲシュペンストと模擬戦やってたんだけど、何だありゃ?」
胸の黄色いゲシュペンスト……ああ、そりゃあ訓練用のイエロージャケットだな。
俺もあれに乗って訓練したもんだ。
「へぇ~、そんなのがあるのか……でもよ、黄色ってちょっとダサくねぇか?」
良いんだよ、それで。
『このダサい機体から卒業したけりゃ、早く腕を磨いて強くなれ』って意味なんだから。
それと、『お前等PT舐めてっとマジで死ぬぞ。気合い入れろ』っていう、警告の意味もある。

「な、なるほど……なぁ、もう一つ聞いて良いか?」
何だよ。
「この前の慰安祭で、カイ少佐とイルム中尉が乗ってたやつ。あれは何なんだ?」
ありゃあ、レギュラーゲーム用にカスタマイズしたタイプLGだ。
マニピュレーターやら脚部のショックアブソーバーやら、各関節やらをいじって、ステゴロに特化させてあんだよ。
「なるほど~!お前詳しいな……そうか、お前もやっとスーパーロボットの素晴らしさに目覚め」

お前と一緒にするな。

俺はリュウセイの言葉を遮るように返す。



320:それも名無しだ
07/07/07 15:02:41 di7dwBZq
>>319
単に、商売道具に関する事だから覚えただけだ。
ゲシュペンストに乗ってた時間は、お前等よりも長かったしな。
「そっか……俺たちがR-シリーズに乗ってる頃も、お前はゲシュペンストに乗ってたんだっけか」
ああ、最前線の鉄砲玉部隊に、わざわざ新型回すようなもったいない事する司令官はいなかったからな。
だがお陰で、使い慣れた機体に乗り続ける事が出来たし、ラッキーと言えばラッキーか。

「あ、わかるぜ。俺もやっとタイプTTに慣れたかと思ったらビルトラプターに乗り換えになって、苦労したからな」
当時を思い出して、リュウセイはしみじみとつぶやく。

……そういや、アヤから聞いた話じゃ、お前はその頃から勝手な事してたみてぇだな。
今度つまらん事しやがったら、イエロージャケットに押し込んで、カイ少佐にしばき倒してもらうか。
「げげ、そいつはご勘弁……!」
答えるリュウセイの顔は、かなりビビってた。



321:君の夫は、もういない
07/07/07 21:44:07 AEknubpa

宇宙要塞アルテミス。
そのパイロット待機室で、三人の青年が会話をしていた。

バルサム「なあ、ゼア?」
ゼア=ウィド「どうした、バルサム?」
バルサム「ずっと気になってたんだけどよ、そのペンダントって何なんだ?」
カナード「そういえば、戦闘中もずっと握って放さなかったな」
ゼア=ウィド「ああ、俺の記憶の手掛かりっていったらこれくらいしかねえからな」
カナード「そうか……む?何か、文字が彫ってあるぞ」
バルサム「ん?そうか?模様か傷だろ?とても文字にゃあ見えねえぜ?」
ゼア=ウィド「……読める」
カナード「何?」
ゼア=ウィド「なぜか分からないけど……読めるんだ。これは……! 呼び出し?」

オルガ「シャナ=ミア。気をつけてな」
シャナ=ミア「馬鹿にしないで下さい。式典ではちゃんとラフトクランズの操縦してたんですから」
ヒギンズ「久しぶりに運動できて、ブレンも喜んでるみたい」
宗介「しかし、ここを訓練の場とするのは、どうもな……」
耐爬「同感だな」

ゼア=ウィド「哨戒任務ですか?」
ガルシア「うむ。カナード・パルス特務兵はコロニーメンデル、
    バルサム・アーレンド少尉はヘリオポリスにて紹介を行え。
    そしてゼア=ウィド・クレーズ特務兵は…………」

オルガ「コズミック・イラ70、2月14日……」
ヒギンズ「連合によって核を打ち込まれ廃墟と化した農業生産プラント……」
宗介「このことは後に『血のバレンタイン』と呼ばれ……」
耐爬「連合、プラント間の関係をより悪化させた。そのプラントこそここ……」

シャナ=ミア&ガルシア「ユニウスセブン」


322:君の夫は、もういない
07/07/07 21:46:34 AEknubpa
どうも、お久しぶりです。
皆様への感想を書く暇がなく申し訳ありません。
なにせパソコン技能検定の試験が近いこともあり……とにかくすいません。
以上、オチがぼんやりとしかできてないゼア=ウィドでした。

323:それも名無しだ
07/07/07 23:25:16 lzOc2qT/
>>318-320
>パンチ
きゅうきょくぅう!げしゅぺんすとぱぁーんち☆
…なつかしw
そうか、あれがあったか。
>素手で殴るくらいなら
火力が違いすぎるもんねぇ。
特化してない限り普通にマシンガンとか撃った方が強いよねw

タイプLG。いいね!後で使わせてもらおうっと。
そういえば少尉は昔ゲシュばっかり乗ってたねー。
量産機の強み。覚えてるよん。
いつもの事だけど大リーグキャッチサンクス&乙!

>>321-322
お、ゼア氏だ。
博物館にいる頃より楽しそうだ!

感想、かぁ。
謝るぐらいなんだから本当に書きにくいんだろうなぁ。
うーん。
もっと、気楽に?
別に褒めなくてもいいんだし。

するとほら、お互いのレスも増えて楽しくなったじゃまいか!

324:それも名無しだ
07/07/08 14:48:06 BMCkYkOr
>>321-322
おや、早速クライマックス?

無理せず自分のペースでやるのが一番だよん('-^*)/


>>322
ソウルゲインみたいなステゴロ専用機でない限りは、まず殴り合いになる時点で負けだろうしねぇ……。

量産機の強みは、やっぱり数だよね。
たくさん作られてるから、パーツを入手しやすい。

だから修理しやすい。

いつでも安定した状態で戦える。

こういう事ではないかと思う。
ボトムズとか見てると、つくづくそう思うんだな、これが。

325:それも名無しだ
07/07/08 14:49:20 BMCkYkOr
アンカーミス……。

後半は>>323宛てです。念の為。

326:それも名無しだ
07/07/08 18:19:14 BMCkYkOr
おい、早くしてくれよ。

俺は目の前のアヤの背中に呼びかける。

「んー、もう少し待って?」
アヤは振り向きもしないで答える。
彼女がジッと見てるのは、アイドルのトレーディングカードが並ぶ棚。

ここはデパートのオモチャ売り場。
そんな場所のカード棚の前に立つ、若干露出過多の美女ってのは、何というか……非常にシュールだ。

早くしろよ。どうせ買わなきゃ中身わかんねーんだろ?
運任せでパッパッと買っちまえ。
「イヤよ。最近ダブったカードが溜まり始めちゃって……だから、出来ればダブりは避けたいの」
アヤはやっと肩越しに振り向いたかと思うと、子供みたいに口を尖らせる。

いーじゃねえか、ダブりは予備とか保存用とかだと思えば。
「それって、意味は同じな気がするんだけど……」
え?だってリュウセイの奴が言ってたぜ?漫画とかゲームとかは、鑑賞用・保存用・予備で同じ物3つ買うって。
「あの子は無駄使いばかりして……!」
アヤは眉間にシワを寄せて、こめかみを押さえる。
本当にあの阿呆には苦労させられてんだな……帰ったらたっぷり慰めてやるか。


「とにかく!私はダブりは避けたいの。選んでるんだから邪魔しないで」
アヤのその言い回しに、ムッと不愉快さを覚える。

……んじゃ、俺は広場で時間潰してるからな。
そう言うと、俺は返事も待たずにオモチャ売り場を出た。



327:それも名無しだ
07/07/08 18:21:49 BMCkYkOr
>>326
はぁ……何やってんだか。

広場で缶コーヒーを飲みながら、俺は一人ぼやく。

アヤはアイドルのブロマイド集めが趣味で、それが高じて最近は、トレーディングカードにも手を出してる。
一緒にテレビを見てる時でも、画面の中の歌手や俳優を見ては「あ、可愛い」とか「この人ハンサムよね」とか言っては、俺にコメントを求めてくる。

非常にくだらねー事だが、その度に俺は軽い嫉妬に、胸の内を焼かれてしまうのだ。
テレビや写真の中のアイドルが、実際にアヤに手を出してる訳でもない。
アヤが本気でアイドルと付き合いたいと思ってる訳でもない。
なのに、彼女が俺以外の男を見てるってだけで、俺は機嫌が悪くなっちまう……。

そーいやガキの頃も、お袋や姉貴が飼い犬の世話に夢中になってると、何かすげー悔しくなったっけ。
で、つい飼い犬にその悔しさをぶつけちまったりして、親父にぶん殴られたもんだ。

……本当に進歩してねーな、俺。

ハァ……と、ため息をつかずにはいられなかった。

やっぱアヤのそばにいるか。
そう思い、空き缶を捨ててオモチャ売り場へ戻ろうとしたら、アヤがやって来た。



328:それも名無しだ
07/07/08 18:23:40 BMCkYkOr
>>327
「お待たせ」
アヤはパタパタと小走りに駆け寄る。

もう買ってきたのか?何か時間かかりそうだったが。
「ん……なかなか決まらないから、また今度買う事にするわ」

……気ぃ使わせちまったかな。
俺が勝手に機嫌悪くしただけなのに。
「気にしないで?焼き餅焼きはお互い様でしょう?」
アヤは朗らかな笑顔で答えてくれる。
「それに、カードはいつでも買えるけど、あなたの気持ちは、一度逃がしちゃうとなかなか取り戻せそうにないしね」
そう言ってアヤは、俺の手を握る。
「だったら、あなたを優先するのは当然じゃない。恋人同士でしょう?私たち」
子供のように、腕にキュッとしがみつくアヤ。

……ごめん、アヤ。
何か、ガキみてーにスネたりして。
「だから、お互い様なんだから気にしないでったら」
アヤはクスクス笑う。
「それに、スネた顔も、今のバツの悪そうな顔も子供みたいで可愛いし……何より、私の事を愛してるからそうやって、スネちゃうんでしょう?」
んー……まぁ、な。
そう答えると、アヤは満足げに笑う。
「だから、許してあげる☆」
ありがとう、アヤ。

「さ、食事に行きましょう?早くしないとお店が混んじゃうわ」
アヤはそう言うと、俺の腕を引っ張って歩き出す。

同い年の筈なのに、アヤが妙に大人に見えて、逆に自分はガキっぽく思えて……でも、アヤの楽しそうな笑顔を見てたら、どうでも良くなって来る。
俺たちはお互いを愛し合ってんだから、今はそれで充分だろ。それ以上は贅沢だ。

俺は自分にそう言い聞かせたのだった。



329:君の夫は、もういない
07/07/08 21:33:48 n33JdBzY

ユニウスセブン跡地。
ノーマルスーツを着込んだ五人の男女が会話をしていた。

オルガ「確かに、ここでやるのはちょっとな……」
ヒギンズ「そうね、ちょっと居心地悪い感じ……」
シャナ=ミア「……あ、耐爬さん。さっき確か花持ってくるよう頼みましたよね?」
耐爬「ええ、何故花を?と思いつつですが……」
シャナ=ミア「それ、ゼアの花なんです」
宗介「で、その花をどうすると?」
シャナ=ミア「ここで亡くなられた人の鎮魂のために周囲に撒こうかと思いまして」
オルガ「お、いい考えだな」
ヒギンズ「でもゼアの花なんでしょう?」
シャナ=ミア「いいんです。また買えばいいんだから……」
宗介「そうと決まれば早速はじめよう。誰かに見つからんとも限らない」
シャナ=ミア「そうですね」

ユニウスセブン周辺宙域。
ゼア=ウィド「ここがユニウスセブン……ッ!…何だ…?今何か思い出せそうな……」
メリオル『クレーズ特務兵』
ゼア=ウィド「どうした?」
メリオル『周辺に敵機が潜んでいる可能性があります。充分に注意してください』
ゼア=ウィド「了解……ん?」
メリオル『どうしました?』
ゼア=ウィド「花だ。花が流れてきた。……ユニウスセブンの方からだ」
メリオル『気をつけて。敵味方両方の可能性があります』
ゼア=ウィド「ああ、一旦切るぞ。……あれか」

宗介「…! 所属不明機が接近中だ!」
シャナ=ミア「え!?」
オルガ「こっちでも確認した!数一機、サイズからしてMSだ!」
ヒギンズ「落ち着いて、まだ敵だと決まったわけじゃないわ」
耐爬「目視確認可能距離に入るぞ! ……な…!?」
シャナ=ミア「ガン……ダム……!?」
ゼア=ウィド「……(なるほど、オルガ・サブナックにヒギンズ・サス。
      相良宗介に耐爬、おまけにシャナ=ミア・エテルナ・フューラか…)
      こちらはユーラシア連邦所属、ゼア=ウィド・クレーズ特務兵だ」
オルガ「!?」
ヒギンズ「い、今…!?」
シャナ=ミア「ゼ……ゼア…!?」
ゼア=ウィド「何だこいつら…俺を知っているのか?メリオル」
メリオル『どうしました、クレーズ特務兵』
ゼア=ウィド「ガルシア司令が言ってた五人を見つけた。どうする?」
メリオル『司令からの命令は変わりません。抹殺してください』
ゼア=ウィド「了解だ。……っつうことで、たった今お前らの殺戮許可が下りた」
シャナ=ミア「え……何言ってんの、ゼア…?冗談、きついよ……?」
ゼア=ウィド「あいにく俺は冗談は嫌いだ!初っ端から本気で行くぜぇ!!」
シャナ=ミア「っ!?」



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